(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180844
(43)【公開日】2022-12-07
(54)【発明の名称】口内洗浄器
(51)【国際特許分類】
A61C 17/02 20060101AFI20221130BHJP
C02F 1/461 20060101ALI20221130BHJP
A61C 17/00 20060101ALI20221130BHJP
【FI】
A61C17/02 B
C02F1/461 Z
A61C17/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021087564
(22)【出願日】2021-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】399043288
【氏名又は名称】日光精器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092727
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 忠昭
(74)【代理人】
【識別番号】100146891
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 ひろ美
(72)【発明者】
【氏名】中山 享一良
(72)【発明者】
【氏名】堤 善樹
(72)【発明者】
【氏名】田尻 完光
(72)【発明者】
【氏名】上村 明
【テーマコード(参考)】
4D061
【Fターム(参考)】
4D061DA03
4D061DB09
4D061EA02
4D061EB02
4D061EB04
4D061EB14
4D061EB16
4D061EB19
4D061EB35
4D061EB37
4D061EB38
4D061EB39
4D061GA20
4D061GA30
4D061GB11
4D061GC02
4D061GC05
4D061GC12
4D061GC15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】充分な除菌効果が得られるとともに、口内の歯肉などにも優しい口内洗浄器を提供すること。
【解決手段】洗浄器本体と、洗浄器本体のタンク取付部に装着される洗浄水タンク6と、口内を洗浄するための洗浄ノズル8と、洗浄水タンク6内の洗浄水を洗浄ノズル8に送給するための送給ポンプ86と、洗浄水タンク6内の水(水道水)を電解処理するための電極ユニット48と、電極ユニット48に電解電力を供給するための電極用電源と、を備えた口内洗浄器。電極用電源から電解電力が供給されると、洗浄水タンク6内の水が電極ユニット48によって電解処理され、これにより、遊離塩素濃度が1.2~5.0ppmである中性電解水が生成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄器本体と、前記洗浄器本体のタンク取付部に装着される洗浄水タンクと、口内を洗浄するための洗浄ノズルと、前記洗浄水タンク内の洗浄水を前記洗浄ノズルに送給するための送給ポンプと、前記洗浄水タンク内の水を電解処理するための電極ユニットと、前記電極ユニットに電解電力を供給するための電極用電源と、を備え、前記電極用電源から前記電解電力が供給されると、前記洗浄水タンク内の水が前記電極ユニットによって電解処理され、これにより、遊離塩素濃度が1.2~5.0ppmである中性電解水が生成されることを特徴とする口内洗浄器。
【請求項2】
前記洗浄器本体の前記タンク取付部には、前記電極用電源に電気的に接続された本体側端子部及び前記送給ポンプに連通された洗浄液流入口が設けられ、また前記洗浄水タンクの底部には、前記電極ユニットに電気的に接続された電極側端子部及び洗浄液を流出させる洗浄液流出口が設けられており、前記洗浄器本体の前記タンク取付部に前記洗浄水タンクを取り付けると、前記本体側端子部と前記電極側端子部とが電気的に接続されるとともに、前記洗浄器本体側の前記洗浄液流入口と前記洗浄液タンク側の前記洗浄液流出口とが連通されることを特徴とする請求項1に記載の口内洗浄器。
【請求項3】
前記洗浄液タンクの底面には電極取付開口が設けられ、前記電極ユニットは、前記電極取付開口に対応する形状のユニット本体と、前記ユニット本体に設けられ且つ前記洗浄液タンク側の前記電極取付開口を通して挿入される一対の電極部材を備え、前記電極ユニットの前記ユニット本体が前記洗浄液タンクの前記電極取付開口に取り付けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の口内洗浄器。
【請求項4】
前記中性電解水のpHは、電解処理前の水のpHとほぼ同じであることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の口内洗浄器。
【請求項5】
前記送給ポンプ及び前記電極ユニットに関連して、これを制御するためのコントローラが設けられており、前記コントローラは、前記送給ポンプを作動させるときには前記電極ユニットへの前記電解電力の供給を停止し、また前記電極ユニットに前記電解電力を供給するときには前記送給ポンプの作動を停止することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の口内洗浄器。
【請求項6】
前記コントローラは、前記送給ポンプの回転数の制御がゼロから無段階に上昇するように構成され、これにより、前記洗浄水ノズルから噴射される洗浄水の圧力は、ゼロから無段階に上昇されることを特徴とする請求項5に記載の口内洗浄器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口内を洗浄するために用いる口内洗浄器に関する。
【背景技術】
【0002】
口内を洗浄する口内洗浄器として、水を電気分解して生成される洗浄水を用いるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この口内洗浄器は、洗浄水を収容する洗浄水タンクと、口内を洗浄するための洗浄ノズルと、洗浄水タンク内の洗浄水を洗浄ノズルに送給するための送給ポンプと、洗浄水タンク内の水を電気分解して洗浄水を生成する電極ユニットとを備えている。
【0003】
このような口内洗浄器では、まず、洗浄水タンクの中に例えば水道水(除菌のために塩素が含まれている)が充填され、この充填された水道水が電極ユニットによって電気分解されて洗浄水が生成される。その後、送給ポンプが作動され、洗浄水タンク内の洗浄水が洗浄ノズルに送給され、かく送給された洗浄水が洗浄ノズルのノズル部から口内に噴射され、かく噴射された洗浄水によって口内が洗浄されるとともに、口内の除菌も行うことができ、かくして、口内を清潔に且つ健康的に保つことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この口内洗浄器にて生成される洗浄水は、遊離塩素濃度が0.35~1.0mmg/Lであるので、口内の雑菌に対する除菌効果が弱く、効果的な除菌作用を得ることができないという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、充分な除菌効果が得られるとともに、口内の歯肉などにも優しい口内洗浄器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に記載の口内洗浄器は、洗浄器本体と、前記洗浄器本体のタンク取付部に装着される洗浄水タンクと、口内を洗浄するための洗浄ノズルと、前記洗浄水タンク内の洗浄水を前記洗浄ノズルに送給するための送給ポンプと、前記洗浄水タンク内の水を電解処理するための電極ユニットと、前記電極ユニットに電解電力を供給するための電極用電源と、を備え、前記電極用電源から前記電解電力が供給されると、前記洗浄水タンク内の水が前記電極ユニットによって電解処理され、これにより、遊離塩素濃度が1.2~5.0ppmである中性電解水が生成されることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項2に記載の口内洗浄器では、前記洗浄器本体の前記タンク取付部には、前記電極用電源に電気的に接続された本体側端子部及び前記送給ポンプに連通された洗浄液流入口が設けられ、また前記洗浄水タンクの底部には、前記電極ユニットに電気的に接続された電極側端子部及び洗浄液を流出させる洗浄液流出口が設けられており、前記洗浄器本体の前記タンク取付部に前記洗浄水タンクを取り付けると、前記本体側端子部と前記電極側端子部とが電気的に接続されるとともに、前記洗浄器本体側の前記洗浄液流入口と前記洗浄液タンク側の前記洗浄液流出口とが連通されることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項3に記載の口内洗浄器では、前記洗浄液タンクの底面には電極取付開口が設けられ、前記電極ユニットは、前記電極取付開口に対応する形状のユニット本体と、前記ユニット本体に設けられ且つ前記洗浄液タンク側の前記電極取付開口を通して挿入される一対の電極部材を備え、前記電極ユニットの前記ユニット本体が前記洗浄液タンクの前記電極取付開口に取り付けられることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項4に記載の口内洗浄器では、前記中性電解水のpHは、電解処理前の水のpHとほぼ同じであることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項5に記載の口内洗浄器では、前記送給ポンプ及び前記電極ユニットに関連して、これを制御するためのコントローラが設けられており、前記コントローラは、前記送給ポンプを作動させるときには前記電極ユニットへの前記電解電力の供給を停止し、また前記電極ユニットに前記電解電力を供給するときには前記送給ポンプの作動を停止することを特徴とする。
【0012】
更に、本発明の請求項6に記載の口内洗浄器では、前記コントローラは、前記送給ポンプの回転数の制御がゼロから無段階に上昇するように構成され、これにより、前記洗浄水ノズルから噴射される洗浄水の圧力は、ゼロから無段階に上昇されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の請求項1に記載の口内洗浄器によれば、洗浄器本体のタンク取付部に洗浄水タンクが取り付けられ、この洗浄水タンクに水(例えば、水道水)が充填される。そして、電極ユニットに電解電力が供給されると、洗浄水タンク内の水が電極ユニットによって電解処理され、これにより、遊離塩素濃度が1.2~5.0ppmである中性電解水が生成され、この中性電解水を用いて口内洗浄を行うようになる。洗浄水として中性電解水を用いるので、口内の歯肉などに対して優しいものとなり、また遊離塩素濃度が1.2~5.0ppmであるので、口内の雑菌にたいしても充分な除菌効果が得られ、口内を清潔に保つことができる。
【0014】
また、本発明の請求項2に記載の口内洗浄器によれば、洗浄器本体のタンク取付部に洗浄水タンクを取り付けると、本体側端子部と電極側端子部とが電気的に接続されるとともに、洗浄器本体側の洗浄液流入口と洗浄液タンク側の洗浄液流出口とが連通されるので、洗浄水タンクのタンク取付部への取付け及び取外しを容易に行うことができる。
【0015】
また、本発明の請求項3に記載の口内洗浄器によれば、洗浄液タンクの底面には電極取付開口が設けられ、電極ユニットは、電極取付開口に対応する形状のユニット本体及び一対の電極部材を備えているので、一対の電極部材を洗浄液タンクの電極取付開口を通して挿入してユニット本体を電極取付開口に取り付けることによって、この電極ユニットを洗浄液タンクに着脱自在に取り付けることができる。
【0016】
また、本発明の請求項4に記載の口内洗浄器によれば、中性電解水のpHは、電解処理前の水(例えば、水道水)のpHとほぼ同じであるので、口内の歯肉などに対して優しい洗浄液とすることができる。
【0017】
また、本発明の請求項5に記載の口内洗浄器によれば、コントローラは、送給ポンプを作動させるときには電極ユニットへの電解電力の供給を停止し、また電極ユニットに電解電力を供給するときには送給ポンプの作動を停止するので、洗浄水の生成と洗浄水の噴射とが選択的に行われ、口内洗浄器の使用上の安全性を確保することができる。
【0018】
更に、本発明の請求項6に記載の口内洗浄器によれば、コントローラは、送給ポンプの回転数の制御がゼロから無段階に上昇するように構成されているので、洗浄ノズルから噴射される洗浄水の圧力は、ゼロから無段階に上昇させることができ、これにより、使用者の好みに合った圧力でもって口内洗浄を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明に従う口内洗浄器の第1の実施形態を示す斜視図。
【
図3】
図1の口内洗浄器において洗浄器本体から洗浄水タンクを取り外した状態を示す斜視図。
【
図4】
図1の口内洗浄器おいて洗浄水タンクから電極ユニットを取り外した状態を示す分解斜視図。
【
図5】
図5(a)は、
図1の口内洗浄器における電極ユニットを示す正面図、
図5(b)は、この電極ユニットを示す側面図、また
図5(c)は、この電極ユニットを示す斜視図。
【
図6】
図1の口内洗浄器における操作部を示す平面図。
【
図7】
図1の口内洗浄器の制御系を簡略的に示すブロック図。
【
図8】
図7の制御系による制御の全体を示すフローチャート。
【
図9】
図8のフローチャートにおける電解水の生成の流れを示すフローチャート。
【
図10】本発明に従う口内洗浄器の第2の実施形態を示す斜視図。
【
図11】
図10の第2の実施形態の口内洗浄器を分解して示す斜視図。
【
図12】
図12(a)は、洗浄器本体に洗浄水タンクを取り付ける前の状態を示す斜視図、
図12(b)は、洗浄器本体に蓋体を取り付ける前の状態を示す斜視図、
図12(c)は、口内洗浄器を組み立てた状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明に従う口内洗浄器の各種実施形態について説明する。まず、
図1~
図9を参照して、第1の実施形態の口内洗浄器について説明する。
図1~
図3において、図示の口内洗浄器2は、テーブルなどに載置される洗浄器本体4と、この洗浄器本体4に装着される洗浄水タンク6と、洗浄水タンク6内の水(即ち、洗浄水)を噴射する洗浄ノズル8とを備えている。洗浄器本体4の正面側は、先端に向けて幅が狭くなり、その先端部に略半円状の取付凹部10が設けられている。この取付凹部10は上下方向に延びており、その下端部に略円形状の収容凹部12が設けられ、この収容凹部12の中央部に円筒状の巻付け部14が設けられている。この洗浄器本体4の下部(具体的には、収容凹部12の底部)には送給ホース16が接続され、この送給ホース16の先端部が洗浄ノズル8に接続されている。
【0021】
洗浄ノズル8は、使用者が保持するための把持本体部18と、この把持本体部18に取り付けられたノズル部20とを有し、送給ホース16の先端部が把持本体部18の基端部に接続されている。このノズル部20の先端部は先細になっており、ノズル部20から噴射される洗浄水が適度な圧力でもって噴射されるようになっている。この洗浄ノズル8の把持本体部18には止水スイッチ22が設けられている。
【0022】
この洗浄ノズル8は、
図1~
図3に示すように、使用しないときには洗浄器本体4の取付凹部10に取外し可能に取り付けられ、取り付けた状態においては、洗浄ノズル8の正面側(即ち、止水スイッチ22が設けられている側)がこの取付凹部10から突出するように構成されている。この洗浄ノズル8を収納するときには、送給ホース16を洗浄器本体4側の巻付け部14に巻き付けて収容凹部12に収容した後に、その把持本体部18を洗浄器本体4の取付凹部10に取り付けるようになる。
【0023】
この洗浄器本体4の後部24は、その前部26よりも低くなっており、この後部24の上端部にタンク取付部28(
図3参照)が設けられている。このタンク取付部28の上面形状は洗浄水タンク6の底面形状に対応し、このタンク取付部28の上面に洗浄水タンク6の底部が載置された状態で取り付けられる。このタンク取付部28の前後方向(
図1において左下から右上の方向、
図2において左右方向、
図3において左上から右下の方向)前側(即ち、洗浄器本体4の内側)に円形状凹部30が設けられ、この円形状凹部30の底面に一対の本体側端子部32が設けられている(
図3参照)。また、このタンク取付部28の前後方向後側(即ち、洗浄器本体4の後端側)に円形状の接続凹部33が設けられ、この接続凹部33に洗浄液流入口が設けられている。尚、この実施形態では、タンク取付部28の両側部には幾分上方に突出する支持壁部34が設けられ、洗浄水タンク6は、かかる支持壁部34間に挿入するように取り付けられる。
【0024】
次に、
図1~
図3とともに
図4を参照して洗浄水タンク6について説明すると、図示の洗浄水タンク6は、底壁36及びこの底壁36の周囲から上方に延びる周側壁38を有するタンク本体40を備え、このタンク本体40の上端部には、その上面開口を被う蓋体(図示せず)が取外し可能に取り付けられ、この蓋体を取り外すことにより、タンク本体40内に水(例えば、水道水)を充填することができる。
【0025】
タンク本体40の底壁36には、一対の本体側端子部32に対応して、電極取付開口42を規定する環状取付部44が設けられ、この環状取付部44の外周面に雄ねじ部46が設けられている。また、この底壁36には、洗浄器本体4側の接続凹部33に対応して、接続突部46が設けられ、この接続突部46に洗浄液流出口が設けられているとともに、この接続突部46内に給水弁(図示せず)が内蔵されている。
【0026】
ユニット本体40の環状取付部44には、洗浄水タンク6内の水(例えば、水道水)を電解処理するための電極ユニット48が取り付けられる。この電極ユニット48は、短円筒状のユニット本体50と、このユニット本体50の片面に設けられた一対の電極部材52とから構成されている。ユニット本体50の外周面には環状段部53が設けられ、この環状段部53を境にしてその一端側(電極側)の外径がその他端側の外径よりも大きくなっている。
【0027】
この電極ユニット48は、筒状取付部材54によってタンク本体40の環状取付部44に着脱自在に取り付けられる。この実施形態では、タンク本体50の電極取付開口42には、径方向内方に突出する環状支持フランジ55が設けられ、この環状支持フランジ55の内径はユニット本体50の一端部の外径よりも小さく、この一端部の外径は、タンク本体40の環状取付部44の内径に対応している。また、筒状取付部材54の内周面には、タンク本体40側の雄ねじ部46に対応して雌ねじ部56が設けられ、またこの内周面には、ユニット本体50の環状段部53に当接可能な環状フランジ58が設けられている。更に、筒状取付部材54の外周面には,周方向に間隔をおいて複数の突条60が設けられている。
【0028】
このように構成されているので、一対の電極部材52を電極取付開口42を通してタンク本体40内に挿入し、更にユニット本体50の一端部(外径が大きい部分)を環状取付部44内に挿入し、この一端部の外周部を環状取付部44の環状支持フランジ55に載置保持する。その後、このユニット本体50を被嵌するように筒状取付部材54を位置付け、かかる状態で筒状取付部材54の雌ねじ部56をタンク本体40側の雄ねじ部46に螺合させて締付け方向に回動し、このように締め付けることによって、この電極ユニット48をタンク本体40に取り付けることができる。この取付状態においては、
図2に示すように、一対の電極部材52はタンク本体40内の下部に配置され、また筒状取付部材54の環状フランジ58がユニット本体50の環状段部53に当接し、このユニット本体40の一端部の外周部がタンク本体40側の環状取付部44の環状支持フランジ55に押付けられて固定される。尚、ユニット本体50の一端外周部とタンク本体40側の環状支持フランジ55との間を密封するための環状シール62を配設するのが望ましい。
【0029】
次に、主として
図4及び
図5を参照して、一対の電極部材52について説明する。この電極部材52は矩形状のプレート部材から構成され、このプレート部材には上下左右方向に複数の貫通孔64が設けられており、このように複数の貫通孔64を設けることにより、この電極部材52の表面に発生した気泡が付着するのを抑えることができ、これによって、一対の電極部材52による電解処理の効率を高めることができる。一対の電極部材52の両側には支持スペーサ66が設けられ、これら支持スペーサ66によって、一対の電極部材52の間隔は、例えば1.0~2.0mm程度に保たれる。尚、このようなプレート部材としては、一般的なパンチングプレートを用いることができる。
【0030】
この電極ユニット48においては、ユニット本体50の外面には、洗浄器本体4側の本体側端子部32(
図3参照)に対応して、一対の電極側端子部68が設けられ、洗浄器本体4側からの電解電力は、本体側端子部32及び電極側端子部68を通して一対の電極部材52に供給され、かく供給される電解電力によって、一対の電極部材52間で水(例えば、水道水)の電解処理が行われる。
【0031】
このように構成されているので、洗浄器本体4のタンク取付部28に洗浄水タンク6を取り付けると、
図1~
図3から理解されるように、電極ユニット48側の一対の電極側端子部68と洗浄器本体4側の一対の本体側端子部32とが電気的に接続されるとともに、タンク本体40側の接続突部46(
図4)が洗浄器本体4側の接続凹部33(
図3)内に挿入されて接続される。この接続状態においては、タンク本体40側の接続突部46の洗浄液流出口と洗浄器本体4側の接続凹部33の洗浄液流入口とが連通し、またこのように接続されることによって、タンク本体40側の接続突部46に内蔵された給水弁(図示せず)が開状態となり、洗浄水タンク6内の水(洗浄水)の洗浄器本体4側への送給が可能となる。
【0032】
主として
図1及び
図6を参照して、洗浄器本体4の前部26の上面には操作設定部70が設けられ、この操作設定部70に主制御スイッチ72、第1濃度設定スイッチ74及び第2濃度設定スイッチ76が設けられている。この実施形態では、主制御スイッチ72は、主電源スイッチ78及び水圧設定スイッチ80として機能し、
図1及び
図6に示す角度位置はオフ位置であり、このオフ位置にあるときには主電源がオフとなり、外部商用電源(図示せず)からの商用電力が口内洗浄器2に供給されることはない。この主制御スイッチ80を上記オフ位置から
図1及び
図6において時計方向に回動させると待機位置となり、外部商用電源からの商用電力が口内洗浄器2に供給され、この口内洗浄器2は待機状態となる。この主制御スイッチ80を時計方向に更に回動させると、水圧設定スイッチ80として機能し、その回動量が多くなるに従い洗浄ノズル8から噴射する洗浄水の噴出水圧が大きくなるように構成されている。
【0033】
第1濃度設定スイッチ74は、洗浄水タンク6内の水(例えば、水道水)を時間モードでもって電解処理するためのものであり、
図1及び
図6において時計方向にオフ位置、第1時間設定位置(例えば、2分作動位置)、第2時間設定位置(例えば、3分作動位置)及び第3時間設定位置(例えば、5分作動位置)となっている。オフ位置のときには、時間モード設定が無効となり、電極ユニット48に時間モードでもって電解電力が供給されることはなく、第1時間設定位置(又は第2時間設定位置、第3時間設定位置)のときには、電極ユニット48に時間モードでもって電解電力が後述する如く供給される。
【0034】
また、第2濃度設定スイッチ76は、洗浄水タンク6内の水(例えば、水道水)を濃度モードでもって電解処理するためのものであり、
図1及び
図6において時計方向にオフ位置、第1濃度設定位置(例えば、2ppm作動位置)、第2濃度設定位置(例えば、3ppm作動位置)及び第3濃度設定位置(例えば、5ppm作動位置)となっている。オフ位置のときには、濃度モード設定が無効となり、電極ユニット48に濃度モードでもって電解電力が供給されることはなく、第1濃度設定位置(又は第2濃度設定位置、第3濃度設定位置)のときには、電極ユニット48に濃度モードでもって電解電力が後述する如く供給される。
【0035】
主制御スイッチ72(主電源スイッチ72、水圧設定スイッチ80)、第1濃度設定スイッチ74及び第2濃度設定スイッチ76からの操作信号は、口内洗浄器2を制御するコントローラ82に送給される。
【0036】
尚、この実施形態では、主制御スイッチ72が主電源スイッチ78及び水圧設定スイッチ80の双方の機能をしているが、このような構成に代えて、主電源スイッチ78及び水圧設定スイッチ80を独立した別個のスイッチとして設けるようにしてもよい。
【0037】
この口内洗浄器2では、更に、洗浄水タンク6内の水(洗浄水)中の塩素濃度(即ち、遊離塩素濃度)を検知するための濃度センサ84(
図7参照)が設けられ、この濃度センサ84からの検知信号がコントローラ82に送給される。また、洗浄器本体4の後部24内には送給ポンプ86(
図2参照)が配設され、送給ポンプ86の流入側がタンク本体40に接続され、その流出側が送給ホース16を介して洗浄ノズル8に接続されている。従って、送給ポンプ86が作動すると、洗浄器タンク6内の水(洗浄水)が送給ホース16を通して洗浄ノズル8に送給される。また、タンク本体40に関連してLED88が設けられ、このLED88は、電極ユニット48により水(水道水)を電解処理するときに点灯し、水の電解処理中であることを知らせる。
【0038】
更に、洗浄器本体4の前部26内には第1回路基板90が内蔵され、この第1回路基板90に、口内洗浄器2の全体を制御するための各種電子部品(図示せず)が実装され、またその後部24内には、送給ポンプ86に関連して第2回路基板92が内蔵され、この第2回路基板92に送給ポンプ86を制御するための各種電子部品(図示せず)が実装され、第1及び第2回路基板90,92は、送給ポンプ86、LED88及び電極ユニット48を後述する如く制御するためのコントローラ82を構成している。
【0039】
このコントローラ82は、マイクロプロセッサなどを含み、電解電力供給信号生成手段102、濃度演算手段104、濃度判定手段106、時間判定手段108、制御手段110、計時手段112及びメモリ手段114を備えている。電解電力供給信号生成手段102は電解電力供給信号を生成し、この電解電力供給信号に基づいて電極ユニット48による電解処理が行われる。また、濃度演算手段104は、濃度センサ84からの検知信号に基づいて洗浄液中の遊離塩素の濃度を演算し、濃度判定手段104は、濃度演算手段104の演算結果に基づいて洗浄液中の遊離塩素濃度が所定濃度に達したかの判定を行う。
【0040】
この実施形態では、濃度モードでもって電解処理するときには、第1設定濃度(例えば、2ppm)、第2設定濃度(例えば、3ppm)及び第3設定濃度(例えば、5ppm)に設定できるように構成されており、従って、第1設定濃度(又は第2設定濃度、第3設定濃度)に設定したときには、濃度演算手段104による演算結果が第1設定濃度(又は第2設定濃度、第3設定濃度)に達したときに、濃度判定手段106は、後述するように設定所定濃度に達したと判定する。
【0041】
また、計時手段112は時間を計時し、時間判定手段108は、計時手段112が電解処理の開始(即ち、電解電力供給信号の生成)から所定時間を計時したかの判定を行う。この実施形態では、時間モードでもって電解処理するときには、第1設定時間(例えば、2分間)、第2設定時間(例えば、3分間)及び第3設定時間(例えば、5分間)に設定できるように構成されており、従って、第1設定時間(又は第2設定時間、第3設定時間)に設定したときには、時間手段112が第1設定時間(又は第2設定時間、第3設定時間)を計時したときに、時間判定手段108は、後述するように設定所定時間に達した(換言すると、設定時間に対応する遊離塩素濃度に達した)と判定する。
【0042】
更に、制御手段110は、送給ポンプ86、LED88及び電極ユニット48を後述するように制御する。また、メモリ手段114には各種データ、例えば濃度モードにおける設定濃度(第1~第3設定濃度)及び時間モードにおける設定時間(第1~第3設定時間)などが登録される。
【0043】
次に、主として
図2、
図7~
図9を参照して、上述した口内洗浄器2による口内洗浄について説明する。口内洗浄を行うときには、まず、主電源スイッチ78をオン(ON)にする(この実施形態では、主制御スイッチ78を操作して待機状態とする)。かくすると、ステップS1からステップS2に進み、洗浄水として用いる中性電解水の生成が開始される。この中性電解水の開始動作については、
図9を参照しながら後述する。
【0044】
そして、中性電解水が所要の通りに生成れると、ステップS3からステップS4に進む。ステップS4では、電極ユニット48の作動が停止し(後述するように、中性電解水の生成開始時に作動する)、次のステップS5では、LED88が消灯し(後述するように、中性電解水の生成開始時に点灯する)、このようにして中性電解水の生成工程が終了する。
【0045】
その後、生成された中性洗浄水を用いて口内洗浄が行われる。口内洗浄を行うときには、まず、水圧設定スイッチ80を回動操作して洗浄水タンク6から供給される供給量、換言すると洗浄ノズル8から噴射される洗浄水の噴射水圧を設定する(この実施形態では、主制御スイッチ72を操作して洗浄ノズル8からの噴射水圧を設定する)(ステップS6)。
【0046】
次に、止水スイッチ22(
図1)をオン(解放)にする(ステップS7)。かくすると、送給ポンプ86が作動され、洗浄水タンク6内の水(洗浄水)が送給ホース16を通して洗浄ノズル8に送給され、かく送給された洗浄水がノズル部20から噴射され、噴射される洗浄水により口内を洗浄することができる。
【0047】
噴射される洗浄水の圧力が適切であるときには、止水スイッチ22をオフするまで設定圧力でもって洗浄水の噴射が行われ、この圧力が適切でないときにはステップS9から
図S10に移り、噴射量(換言すると、噴射水圧)の変更が行われる。例えば、洗浄水の圧力が強い(又は弱い)ときには、圧力を弱める方向(又は強める方向)に水圧設定スイッチ80(主制御スイッチ72)を回動操作して洗浄水の噴射圧力を調整し、かく回動操作すると、送給ポンプ86の回転数が制御され、洗浄水タンク6内の洗浄水は、調整された噴射圧力でもって洗浄ノズル8から噴射される。尚、この実施形態では、水圧設定スイッチ80の操作量(回動量)に応じて送給ポンプ86の回転数が無段階に上昇するように構成されており、従って、その操作量を調整することによって、洗浄ノズル8から噴射される洗浄液の圧力を無段階に変えることができる。
【0048】
口内洗浄後に止水スイッチ22をオフ(閉塞)にすると、ステップS11からステップS12に進み、送給ポンプ86が作動停止し、口内洗浄工程が終了し、口内洗浄器2は待機状態となる。そして、この待機状態において、中性電解水の生成を再開するときには、ステップS13からステップS14を経てステップS2に戻り、中性電解水の生成が再開される。一方、口内洗浄器2の使用を終了するときには、主電源スイッチ78(主制御スイッチ72)を回動操作してオフにする。かくすると、口内洗浄器2への電力供給が終了し、その使用が終了する。
【0049】
次に、
図9を参照して、電解水の生成工程について説明する。電解水の生成開始時には、生成モードの設定が行われる(ステップS2-1)。このとき、第1濃度設定スイッチ74を操作したときには、時間モードが設定され、第2濃度設定スイッチ76を操作したときには、濃度モードが設定される。第1濃度設定スイッチ74により時間モードを設定すると、ステップS2-2からステップS2-4に進み、この第1濃度設定スイッチ74を回動操作して時間による濃度設定を行うようになる。例えば、第1濃度設定スイッチ74を1段階(又は2段階、3段階)回動操作すると、第1設定濃度(又は第2設定濃度、第3設定濃度)が設定される。
【0050】
このようにして設定が終了すると、電極ユニット48に電解電力が供給されて作動し、洗浄水タンク6内の水(水道水)に対して電解処理が行われ(ステップS2-5)、またこの電解処理の開始によりLED88が点灯し(ステップS2-6)、電極ユニット48による電解処理中であることを表示する。この電解処理中においては、送給ポンプ86への電力供給は停止され、この送給ポンプ86が作動されることはない。
【0051】
この電解処理中に止水スイッチ22をオン(解放)にしても、送給ポンプ86が作動されることはないが、止水スイッチ22をオンにした状態で、水圧設定スイッチ80(主制御スイッチ72)を操作して送給ポンプ86による洗浄水の噴出量を設定すると、ステップS2-7~ステップS8(
図8参照)に移り、電極ユニット48への電解電力の供給が強制的に終了した後に、送給ポンプ86による洗浄水の供給が行われ、洗浄ノズル8から口内洗浄を行うための洗浄水が噴射される。
【0052】
一方、水圧設定スイッチ80による送給ポンプ86の噴射量の設定が行われることなく第1設定時間(又は第2設定時間、第3設定時間)が経過すると、ステップS2-8からステップS2-9に進み、電極ユニット48による電解処理が終わり、中性電解水の生成が終了し、このようにして洗浄水としての中性電解水が生成される。
【0053】
また、第2濃度設定スイッチ76により濃度モードを設定すると、ステップS2-2からステップS2-3を経てステップS2-10に進み、この第2濃度設定スイッチ76を回動操作して濃度による濃度設定を行うようになる。例えば、第2濃度設定スイッチ76を1段階(又は2段階、3段階)回動操作すると、第1設定濃度(又は第2設定濃度、第3設定濃度)が設定される。
【0054】
このようにして設定が終了すると、電極ユニット48に電解電力が供給されて作動し、洗浄水タンク6内の水(水道水)に対して電解処理が行われ(ステップS2-11)、この電解処理の開始によりLED88が点灯し(ステップS2-12)、電極ユニット48による電解処理中であることを表示する。この電解処理中においては、送給ポンプ86への電力供給は停止され、この送給ポンプ86が作動されることはない。
【0055】
この電解処理中に止水スイッチ22をオン(解放)にしても、送給ポンプ86が作動されることはないが、止水スイッチ22をオンにした状態で、水圧設定スイッチ80(主制御スイッチ72)を操作して送給ポンプ86による洗浄水の噴出量を設定すると、ステップS2-13からステップS8(
図8参照)に移り、上述したと同様に、電極ユニット48への電解電力の供給が強制的に終了した後に、送給ポンプ86による洗浄水の供給が行われ、洗浄ノズル8から口内洗浄を行うための洗浄水が噴射される。
【0056】
この電解処理中においては、濃度センサ84は、洗浄水タンク6内の電解処理中の水(水道水)の遊離塩素濃度を検出し、濃度センサ84からの検出信号がコントローラ82に送給され、濃度演算手段104は、この水(水道水)の遊離塩素濃度を演算する(ステップS2-14)。そして、水圧設定スイッチ80による送給ポンプ86の噴射量の設定が行われることなく電解処理中の水(水道水)の遊離塩素濃度が第1設定濃度(又は第2設定濃度、第3設定濃度)に達すると、ステップS2-15からステップS2-16に進み、電極ユニット48による電解処理が終わり、中性電解水の生成が終了し、このようにして洗浄水としての中性電解水が生成される。
【0057】
このように電解処理すると、電解処理前の水(水道水)とほぼ同じpHである中性電解水(例えば、pHが5.8~8.6である電解水)が生成され、このような中性電解水は、口内洗浄用に好都合に用いることができる。洗浄水としての中性電解水のpHは、電解処理前の水(即ち、原水)とほぼ同じpHであるのが好ましく、一般的な水道水質基準値のpH値は、pH5.8~8.6であり、この水道水を上述したように電解処理することにより、そのpH値が0~0.2程度わずかに上昇することから、生成後の電解水のpH値は、約5.8~8.6の範囲に保たれる。
【0058】
また、このように電解処理した中性電解水の遊離塩素濃度は、1.2~5.0ppmであるのが好ましく、このような遊離塩素濃度の洗浄水は、除菌効果を充分保持し、かつWHOの飲料水水質ガイドラインを満たすものである。
【0059】
上述した実施形態では、時間モード及び濃度モードを選択可能に構成されているが、いずれか一方のモード、例えば時間モード(又は濃度モード)のみを採用するようにしてもよく、この場合、第2濃度設定スイッチ76(又は第1濃度設定スイッチ74)は省略される。
【0060】
また、上述した実施形態では、第1濃度設定スイッチ74によって設定時間を3段階(例えば、2分間、3分間、5分間)に設定可能に構成されているが、このような3段階に限定されず、1又は2段階或いは4段階以上に設定可能なように構成するようにしてもよい。尚、第1濃度設定スイッチ74によって設定される設定時間については、生成される中性電解水の遊離塩素濃度に対応した適宜の時間に設定することができる。
【0061】
また、第2濃度設定スイッチ76によって設定濃度を3段階(例えば、2ppm、3ppm、5ppm)に設定可能に構成されているが、このような3段階に限定されず、1又は2段階或いは4段階以上に設定可能なように構成するようにしてもよい。尚、第2濃度設定スイッチ76によって設定される設定濃度についても、適宜の遊離塩素濃度に設定することができる。
【0062】
次に、
図10~
図12を参照して、本発明に従う口内洗浄器の第2の実施形態について説明する。尚、この第2の実施形態においては、電極ユニットが洗浄液タンクの上側から挿入されるように構成されている。尚、この第2の実施形態において、上述した第1の実施形態と実質上同一の部材には同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
【0063】
図10及び
図11において、この第2の実施形態においては、口内洗浄器2Aは、洗浄器本体4Aと、洗浄水を収容する洗浄水タンク6Aと、洗浄水を口内に噴射する洗浄ノズル8Aと、洗浄水タンク6Aの上面開口を被う蓋体122とを備えている。洗浄器本体4Aの後部24Aにはタンク取付部28Aが設けられ、このタンク取付部28Aの外周面を被嵌するように、洗浄水タンク6Aのタンク本体40Aが着脱自在に取り付けられる。この第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、タンク取付部28Aに接続凹部33A(洗浄液流入口が設けられる)が設けられ、またタンク本体40Aに所定部位に接続突部(図示せず)(洗浄液流出口が設けられる)が設けられ、タンク取付部28Aにタンク本体40Aを取り付けると、タンク取付部28A側の接続凹部33A(洗浄液流入口)とタンク本体40A側の接続突部(洗浄液流出口)とが接続される。
【0064】
この第2の実施形態では、洗浄器本体4Aの前面に洗浄ノズル8を弾性的に保持するための保持部材124(
図10参照)が設けられ、洗浄ノズル8の把持本体部18Aがこの保持部材に着脱自在に保持される。また、洗浄器本体4Aの前部26Aの側面に、主制御スイッチ72(主電源スイッチ及び水圧設定スイッチとして機能する)及び第1濃度設定スイッチ74が設けられ(第2濃度設定スイッチは省略されている)、この第1濃度設定スイッチ74によって複数の設定時間が選択的に設定可能なように構成されている。尚、第1濃度設定スイッチ74に代えて、第2濃度設定スイッチを設け、複数の設定濃度を選択的に設定するように構成するようにしてもよい。
【0065】
図示の蓋体122は、洗浄器本体4Aの前部26Aの上面及び洗浄水タンク6Aの上面開口を被うための蓋体本体126を備え、この蓋体本体126の後部に電極ユニット 48Aが設けられ、この電極ユニット48Aのユニット本体50Aの円筒状基部128がタンク本体40Aの上開口部に挿入保持されるように構成されている。
【0066】
また、電極ユニット48Aが蓋体122側に配設されることに関連して、洗浄器本体4Aの前部26Aの上面に一対の本体側電極部32Aが設けられ(
図11に図示するが、
図12においては省略している)、更に蓋体本体126の前部下面に、一対の本体側電極部32Aに対応して一対の蓋体側電極部(図示せず)が設けられている。この第2の実施形態におけるその他の構成は、上述した第1の実施形態と同様の構成でよい。
【0067】
この第2の実施形態の口内洗浄器2Aにおいては、洗浄などのメンテナンスを行うときには
図11に示すように分解し、メンテナンス後に
図12に示すように組み付けることができる。
図11及び
図12において、この口内洗浄器2Aを組み付けるときには、
図12(a)に示すように、洗浄器本体4Aのタンク取付部28Aにタンク本体40Aの底部を取り付ける。かく取り付けると、タンク本体40Aの底部外周壁が洗浄器本体4A側のタンク取付部28Aを被嵌するとともに、その底壁がタンク取付部28Aに載置され、このようにして洗浄水タンク6Aの下部が洗浄器本体4Aに取り付けられる。この取付状態においては、タンク取付部28A側の接続凹部33A(洗浄液流入口)とタンク本体40A側の接続突部(洗浄液流出口)とが接続され、洗浄水タンク40A内の洗浄水の洗浄器本体4A側への供給が可能となる。
【0068】
その後、
図12(b)で示すように、電極ユニット48Aの電極部材50Aを洗浄水タンク6Aに挿入しながら蓋体122を洗浄器本体4A及び洗浄水タンク6Aの上端部に装着する。この形態では、蓋体本体126の前部を洗浄器本体4Aの前部26Aの上面に載置するとともに、この蓋体本体126側の電極ユニット48Aの円筒状基部150を洗浄水タンク6Aの上端開口に挿入し、このようにして蓋体122が洗浄器本体4A及び洗浄水タンク6Aに取り付けられる。この取付状態においては、洗浄器本体4A側の一対の本体側電極部32Aと蓋体本体126側の一対の蓋体側電極部(図示せず)とが電気的に接続され、洗浄器本体4Aから電極ユニット48A側への電解電力の供給が可能となる。このようにして
図12(c)に示すように口内洗浄器2Aを組み付けることができ、これを用いた口内洗浄は、第1の実施形態のものと同様にして行うことができる。
【0069】
以上、本発明の口内洗浄器の実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されず、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更乃至修正が可能である。
【0070】
水道水を用いて中性電解水を生成することがきるかを確認するために、次の通りの実験を行った。この実験の電解処理においては、容器の中に水道水を500cc入れ、一対の電極部材を水道水中に浸漬させ、かく浸漬した状態で、一対の電極部材間に電解電圧24 Vを印加して電解処理し、電解電流500mA(一定電流)を3分間にわたって供給した時点と、6分間にわたって供給した時点における電解水の遊離塩素濃度を測定した。そして、この遊離塩素濃度の測定実験を5回行い、各測定実験において遊離塩素濃度を測定した。尚、この遊離塩素濃度の測定実験に用いた水道水(元の水道水)の遊離塩素濃度は0.62ppmであった。
5回行った遊離塩素濃度の測定結果は、表1に示す通りであった。
【0071】
【0072】
この測定実験の結果から、3分間継続して電解処理を行うと、遊離塩素濃度が約1.84ppm増え(約2.46ppmとなり)、また6分間継続して電解処理を行うと、遊離塩素濃度が約3.25ppm増え(約3,87ppmとなり)、飲料用の水道水を3~6分間電解処理を行うと、その遊離塩素濃度は除菌効果を充分に発揮する濃度のものが得られることが判った。
【0073】
また、中性電解水(pH7.49、遊離塩素濃度4.8ppm)を用いて歯周病菌(ジンジバリス菌)に対する抗菌性能を確認する実験を行った。殺菌試験はJIS8701付属書C「殺菌試験方法」に従い、一部試験方向を改変して実施した。試験液は、試験菌の菌数が2.0×108 ~1.0×109個/mLとなるように調製して試験菌液とした。
【0074】
試験直前に殺菌済み試験管に9.8mLずつ分注した検体に試験菌液0.1mL加え、ポルテックスミキサーで30秒間撹拌した後、3%濃度のチオ硫酸ナトリウムを0.1mL加え、30秒間撹拌して反応を停止した。反応停止後、検体0.1mLを採取し、羊血液寒天培地に塗抹した。滅菌精製水を用いたコントロールについても同様の方法にて試験をした。いずれも3反復で実施した。
【0075】
殺菌試験後、35±1℃・48時間の培養を行い、各培地の出現コロニー数を計数、コントロールでの菌数と各条件での残存菌数から、次の式により殺菌性能を算出した。
【0076】
殺菌性能(N)=log(X0/X1) ・・・(1)
X0:精製水での生菌数(CFU/mL)
X1:次亜塩素酸水での生菌数(CFU/mL)
各検体での殺菌性能試験の結果は表2に示す通りであった。
【0077】
【0078】
被検菌であるジンジバリス菌に対して殺菌性能は5.2以上と判定された。尚、本試験では、本来の試験方法と異なり、0.1mL中の菌数を測定しているため、殺菌性能による判定(6.0以上)は行わなかった。この菌数性能実験の結果から、遊離塩素濃度4.8ppmの中性電解水は、ジンジバリス菌(歯周病菌)に対して充分な除菌効果を発揮することが確認できた。
【符号の説明】
【0079】
2,2A 口内洗浄器
4,4A 洗浄器本体
6,6A 洗浄水タンク
8,8A 洗浄ノズル
28,28A タンク取付部
32,32A 本体側端子部
40,40A タンク本体
48,48A 電極ユニット
52,52A 電極部材
72 主制御スイッチ
74,76 濃度設定スイッチ
82 コントローラ
106 濃度判定手段
108 時間判定手段