(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180859
(43)【公開日】2022-12-07
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
F24C 7/02 20060101AFI20221130BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20221130BHJP
F24C 7/04 20210101ALI20221130BHJP
【FI】
F24C7/02 301S
G06K7/10 376
F24C7/04 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021087591
(22)【出願日】2021-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】安井 鉄也
【テーマコード(参考)】
3L086
3L087
【Fターム(参考)】
3L086AA01
3L086AA13
3L086CA20
3L086DA30
3L087AA01
3L087AA04
3L087BC11
3L087DA30
(57)【要約】
【課題】複雑なボタン操作をする必要がなく、携帯通信機器がなくても、無線通信の接続設定を行うことができ、通信に関する設定が容易な加熱調理器を提供する。
【解決手段】加熱調理器は、収容空間を備え加熱対象物が入れられる加熱庫と、前記加熱庫を開閉するための扉と、無線通信部と、情報が変換されたコードを読み取る撮像部を備えたリーダと、前記リーダに読み取られた前記コードが接続設定情報を含むとき、アクセスポイントとしての無線基地機器との通信を前記無線通信部に行わせ、前記接続設定情報に基づいて前記無線通信部と前記無線基地機器との接続を確立する接続実行部と、を備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容空間を備え加熱対象物が入れられる加熱庫と、
前記加熱庫を開閉するための扉と、
無線通信部と、
情報が変換されたコードを読み取る撮像部を備えたリーダと、
前記リーダに読み取られた前記コードが接続設定情報を含むとき、アクセスポイントとしての無線基地機器との通信を前記無線通信部に行わせ、前記接続設定情報に基づいて前記無線通信部と前記無線基地機器との接続を確立する接続実行部と、を備える、加熱調理器。
【請求項2】
前記リーダに読み取られた前記コードが、前記加熱調理器をサーバに登録するための機器登録情報を含むとき、前記無線基地機器を介した前記サーバとの通信を前記無線通信部に行わせ、前記機器登録情報に基づいて前記サーバへの機器登録を実行する登録実行部を備える、請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記撮像部は撮像方向が可変である、請求項1又は2に記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記扉が開けられているとき、前記扉が閉じられているときよりも撮像方向が下向きとなるように前記撮像部を回転させ、
前記扉が閉じられているとき、前記扉が開けられているときよりも撮像方向が上向きとなるように、前記撮像部を回転させる連動装置を備える、請求項1乃至3の何れか1項に記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記撮像部は前記加熱調理器の前面、かつ、前記収容空間の上側に配置され、
前記連動装置は、
前記扉が開けられているとき、前記撮像部が前記加熱庫の内壁面のうちの底面を撮像する位置に前記撮像部を回転させ、
前記扉が閉じられているとき、前記撮像部が、前記加熱調理器の前後方向と平行かつ背面から前記前面に向かう方向に撮像する位置に前記撮像部を回転させる、請求項4に記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記扉が開けられているとき、前記撮像部の撮像範囲に向けて光を照射し、
前記扉が閉じられているとき、前記扉が開けられているときよりも照射する光が少ないランプを備える、請求項1乃至5の何れか1項に記載の加熱調理器。
【請求項7】
電磁波によって前記加熱対象物を加熱する加熱部を備え、
前記接続設定情報に基づいて前記無線基地機器との接続を確立するとき、前記加熱部に加熱させない加熱制限部を備える、請求項1乃至6の何れか1項に記載の加熱調理器。
【請求項8】
前記撮像部に向けてかざされた前記コードを映し、前記コードを収める範囲を示す枠線が記されたミラーを備える、請求項1乃至7の何れか1項に記載の加熱調理器。
【請求項9】
前記撮像部の読み取りに基づき得られた画像データに基づく画像を表示する表示パネルを備える、請求項1乃至8の何れか1項に記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信を用いて、ネットワークに接続することがある。特許文献1には、アクセスポイントへの接続方法の1種が記載されている。具体的に、特許文献1に開示のアクセスポイントは、所定の無線LAN規格に基づいて、有線LANと外部無線LAN端末と接続する。当該アクセスポイントのバーコードリーダは、LED素子、フォトトランジスタ、及び、デコーダを具備する。通常時、LED素子は、アクセスポイントの動作状況を表示する。バーコード読み取り時、LED素子は所定周波数で点滅する。フォトトランジスタは、LED素子の照射光のバーコードからの反射光を受光して電気信号に変換する。デコーダは、フォトトランジスタからの電気信号に基づいてバーコードをデコードする。バーコードリーダは、バーコード読み取り時に、外部無線LAN端末に付されたバーコードから第一のIDデータを取得する。無線LAN端末から接続要求があると、アクセスポイントは、同接続要求に伴って無線LAN端末から送出されたMACアドレスおよび第二のIDデータを取得する。アクセスポイントは、第一のIDデータと第二のIDデータとが一致するか否か判断する。第一のIDデータと第二のIDデータとが一致すると判断した場合、アクセスポイントは、データの暗号化に用いるための暗号鍵を無線LAN端末に配信するとともに、取得したMACアドレスを登録する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
無線通信のアクセスポイント(基地局)を介して、ネットワークに接続する場合、加熱調理器は、アクセスポイントの認証を受ける必要がある。また、加熱調理器がネットワーク上のサーバからデータを取得するには、アクセスポイントに接続するための情報だけでは足りない場合もある。従来、加熱調理器での無線通信の設定には、スマートフォンのような携帯通信機器が利用されている。例えば、ユーザは、設定用アプリケーションをダウンロードし、携帯通信機器にインストールする。アプリケーションに基づく表示、指示に沿って、ユーザは、無線通信のための情報の携帯通信機器への手入力を繰り返す。手入力された情報に基づき、アクセスポイント及び加熱調理器の設定がなされる。しかし、携帯通信機器を利用した一連の情報入力及び設定作業には、手間がかかる。携帯通信機器を用いた設定が不得意な人もいる。
【0005】
本開示の一態様は、複雑なボタン操作をする必要がなく、携帯通信機器がなくても無線通信の接続設定を行うことができ、通信に関する設定が容易な加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る加熱調理器は、収容空間を備え加熱対象物が入れられる加熱庫と、前記加熱庫を開閉するための扉と、無線通信部と、情報が変換されたコードを読み取る撮像部を備えたリーダと、前記リーダに読み取られた前記コードが接続設定情報を含むとき、アクセスポイントとしての無線基地機器との通信を前記無線通信部に行わせ、前記接続設定情報に基づいて前記無線通信部と前記無線基地機器との接続を確立する接続実行部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態に係る加熱調理器の一例を示す図である。
【
図2】実施形態に係る加熱調理器の一例を示す図である。
【
図3】実施形態に係る加熱調理器の一例を示す図である。
【
図4】実施形態に係るリーダの一例を示す図である。
【
図5】実施形態に係る連動装置の一例を示す図である。
【
図6】実施形態に係る撮像部の回転処理の一例を示す図である。
【
図7】実施形態に係る加熱調理器でのコードに基づく通信設定の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本開示に係る加熱調理器1の一態様を説明する。例えば、加熱調理器1は電子レンジである。なお、図面においては、同一又は同等の要素には同一の符号を付す。
【0009】
(加熱調理器1)
まず、
図1~
図3を参照して、実施形態に係る加熱調理器1の一例を説明する。
図1~
図3は、実施形態に係る加熱調理器1の一例を示す図である。
図1は扉101を閉めた状態の一例を示す。
図2は、扉101を開けた状態の一例を示す。
【0010】
以下の説明では、
図1、
図2に示すように、方向について、3次元直交座標系(XYZ座標系)を用いて説明する場合がある。以下の説明では、X軸方向は、水平面に設置した加熱調理器1を正面(前)からみたときの、加熱調理器1の左右方向である。+X方向は加熱調理器1の右側であり、-X方向は左側である。Y軸方向は、水平面に設置した加熱調理器1を正面からみたときの、加熱調理器1の前後方向である。+Y方向は、加熱調理器1の背面側であり、-Y方向は前面側である。Z軸方向は、水平面に設置した加熱調理器1を正面からみたときの、加熱調理器1の上下方向である。+Z方向は、加熱調理器1の上側であり、-Z方向は下側である。X軸方向とY軸方向は直交し、Y軸方向とZ軸方向は直交し、X軸方向とZ軸方向は直交する。
【0011】
なお、左右、前後、上下、左側、右側、前面側、背面側、上側、及び、下側は、各部の相対位置関係を説明するための名称である。実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等と異なる配置関係等でもよい。
【0012】
図1、
図2に示すように、加熱調理器1の前面側(-Y方向側)、かつ、操作パネル14の下側(-Z方向側)に扉101が配置される。扉101は、加熱庫201を開閉するための扉101である。加熱庫201は、収容空間202を備え、加熱対象物が入れられる。加熱庫201は、加熱調理器1の内部、かつ、閉じられた扉101の背面側(+Y方向側)に設けられる。
図2の例では、収容空間202は直方体状の空間である。加熱対象物は、例えば、食品、食材である。
【0013】
扉101は開閉可能である。加熱調理器1の前面の左側(-X方向側)に回転軸が設けられる。当該回転軸は、
図1、
図2において不可視である。回転軸はZ軸方向に延びる。開閉のため、取手102が扉101に設けられる。扉101を閉めている状態のとき、扉101が加熱庫201の前面開口部を覆う。これにより、加熱庫201及び収納空間が閉じられる。扉101を開けると、加熱庫201の前面開口部が露出する。収納空間への加熱対象物の出し入れを行うことができる。
図1、
図2は、扉101の+X方向側を引いて横開きする扉101を例示している。なお、扉101は、-X方向側を引いて横開きするタイプでもよい。また、扉101は、回転軸がX軸方向と平行であり、手前に引き倒して縦開きするタイプでもよい。
【0014】
そして、
図3に示すように、加熱調理器1は、制御部11、メモリ12、開閉検知センサ13、操作パネル14、加熱部15、リーダ40、連動装置50、及び、無線通信部16を含む。
【0015】
制御部11は制御回路11aを備える。制御回路11aは、CPU(Central Processing Unit)でもよいし、MPU(Micro Processor Unit)でもよい。また、例えば、加熱調理器1は、メモリ12として、RAM及びフラッシュROMを備える。制御回路11aは、メモリ12が記憶するプログラムを実行して、制御部11として動作する。また、制御回路11aは、各センサから検知情報を受信して、さまざまな制御を行う。
【0016】
図3に示すように、制御部11は、接続実行部11b、登録実行部11c、及び、加熱制限部11dを備える。接続実行部11b、登録実行部11c、及び、加熱制限部11dが行う処理は後述する。そして、接続実行部11b、登録実行部11c、及び、加熱制限部11dは、制御回路11aがメモリ12に記憶されるプログラムを実行することで、機能的に実現される。なお、制御部11は、接続実行部11bの処理を行う回路を備えてもよいし、登録実行部11cの処理を行う回路を備えてもよいし、加熱制限部11dの処理を行う回路を備えてもよい。
【0017】
操作パネル14はユーザの設定操作を受け付ける。
図1、
図2に示すように、操作パネル14は、加熱調理器1の前面側(-Y方向側)、かつ、上側(+Z方向側)に設けられる。操作パネル14は複数の設定ボタン14aを備える。設定ボタン14aを操作することにより、加熱調理器1を設定することができる。例えば、加熱時間、加熱の出力ワット数を設定することができる。また、操作パネル14は表示パネル14bを備える。例えば、表示パネル14bは液晶表示パネル又は有機EL表示パネルである。制御部11は表示パネル14bの表示を制御する。
【0018】
また、操作パネル14は、リーダ40のオンとオフを切り替えるための読取制御ボタン14cを備える。リーダ40が動作しておらず、かつ、読取制御ボタン14cが操作された(押された)とき、制御部11はリーダ40の動作を開始させる。リーダ40が動作しており、かつ、読取制御ボタン14cが操作されたとき、制御部11はリーダ40の動作を停止させる。
【0019】
開閉検知センサ13は、扉101が開いているか閉じているかを検知するセンサである。例えば、開閉検知センサ13はプッシュスイッチでもよい。例えば、開閉検知センサ13は、Y軸方向に移動可能であり、-Y方向に付勢された突起を有する。扉101が閉じられているとき、突起が扉101に押し込まれ、開閉検知センサ13が第1レベルを出力する。扉101が開けられると、突起が突出し、開閉検知センサ13が第2レベルを出力する。ハイレベルとローレベルのうち、第1レベルは何れか一方であり、第2レベルは何れか他方である。そして、開閉検知センサ13の出力は制御部11に入力される。開閉検知センサ13の出力に基づき、制御部11は、扉101が開いているか否かを認識(検知)する。なお、開閉検知センサ13はプッシュスイッチに限られない。開閉検知センサ13は、扉101の開閉に応じて出力レベルが変化するセンサであればよい。
【0020】
加熱部15は、加熱庫201に配置された食品を加熱する。例えば、加熱部15は、マイクロ波出力装置を含む。マイクロ波出力装置は、例えば、マグネトロンである。つまり、加熱部15は電磁波によって加熱対象物を加熱する。また、加熱部15は、摂氏100度以上の過熱水蒸気を生成するヒータと、過熱水蒸気を加熱対象物に送る送風機を備えてもよい。
【0021】
無線通信部16は、アクセスポイント(基地局)と通信する。本説明では、アクセスポイントして機能する無線通信機器を、無線基地機器6と称する。無線通信部16と無線基地機器6は、例えば、IEEE802.11規格(無線LAN規格)に準拠して無線通信を行う。例えば、無線通信部16は、無線LAN通信を行うための通信制御回路、通信メモリ、アンテナを備える。
【0022】
一方、無線基地機器6は、通信制御回路、通信メモリ、アンテナを備える。無線基地機器6は、例えば、無線LANルーターである。また、無線基地機器6は、ルーターと接続された中継器でもよい。無線基地機器6は、有線、又は、無線で、インターネットのような広域なネットワーク7と接続されている。無線通信部16は、無線基地機器6を介して、ネットワーク7に接続できる。無線通信部16は、無線基地機器6を介してネットワーク7にアクセスし、サーバ8と通信を行える。無線通信部16は、サーバ8からデータをダウンロードできる。また、無線通信部16は、サーバ8にデータをアップロードできる。
【0023】
例えば、サーバ8はサーバ処理部81、サーバ記憶部82、及び、サーバ通信部83を含む。サーバ処理部81はプロセッサを備える。サーバ記憶部82は、大容量記憶装置(ストレージ)である。サーバ記憶部82は、HDD(Hard Disc Drive)とSSD(Solid State Drive)の何れか一方でもよいし、両方でもよい。例えば、サーバ記憶部82は、加熱調理器1の調理メニューデータを複数記憶してもよい。調理メニューデータは、加熱調理に関する設定項目の設定値を定義したデータである。例えば、煮込み料理の調理メニューデータは、実行すると煮込み料理ができあがるように、加熱に関する設定値が定義される。
【0024】
例えば、サーバ通信部83は、通信制御回路、通信用メモリ、及び、通信インターフェースを備える。サーバ通信部83は、ネットワーク7及び無線基地機器6を介して、加熱調理器1と通信を行う。
【0025】
(リーダ40)
次に、
図4を用いて、リーダ40の一例を説明する。
図4は、実施形態に係るリーダ40の一例を示す図である。
【0026】
例えば、リーダ40は複数の回路及び複数の部材が組み合わされたモジュールである。例えば、リーダ40は処理回路41、リーダメモリ42、撮像部43、ランプ44、通信インターフェース45を備える。そして、リーダ40は、二次元コードの読み取りに対応している。例えば、リーダ40は、QRコード(登録商標)の読み取りに対応している。また、リーダ40は、QRコード以外の二次元コードの読み取りに対応していてもよい。つまり、コードはQRコードでもよい。コードはQRコード以外の二次元コードでもよい。また、リーダ40は、バーコード(一次元コード)の読み取りに対応していてもよい。つまり、コードはバーコードでもよい。
【0027】
処理回路41は、CPU(Central Processing Unit)でもよいし、MPU(Micro Processor Unit)でもよい。処理回路41は、リーダメモリ42、撮像部43、ランプ44、及び、通信インターフェース45の動作を制御する。リーダ40は、リーダメモリ42として、RAM及びフラッシュROMを備えてもよい。
【0028】
撮像部43は、情報が変換されたコードを読み取る。例えば、撮像部43はコードを読み取るカメラである。撮像部43は、例えば、イメージセンサ46及び画像信号処理回路47を備える。また、撮像部43は、イメージセンサ46に光を入射させるレンズを備えてもよい。イメージセンサ46は複数の光電変換素子を備える。イメージセンサ46は、2次元的に光電変換素子を配列した2次元イメージセンサである。イメージセンサ46はエリアを撮像できる。画像信号処理回路47は、光電変換素子から出力されたアナログ画像信号を処理する。例えば、画像信号処理回路47は、アナログ画像信号をアナログ-デジタル変換し、画像データを生成する。リーダ40がオン状態のとき、処理回路41は、所定の周期で撮像部43に撮像させる。画像信号処理回路47は、所定の周期で、エリアの画像データを1ページ分生成する。
【0029】
なお、処理回路41は、生成された画像データを表示パネル14bに表示させてもよい。この場合、処理回路41は、生成された画像データを制御部11に送る。制御部11は、受信した画像データに基づく表示を表示パネル14bに行わせる。つまり、加熱調理器1は、撮像部43の読み取りに基づき得られた画像データに基づく画像を表示する表示パネル14bを備えてもよい。これにより、撮像部43の撮像内容を表示パネル14bに表示することができる。ユーザは撮像内容を視認できる。
【0030】
処理回路41は、生成された画像データを解析し、コードを含むか否かを判定する。例えば、処理回路41は、画像データがコードの規格に定義されたシンボル(位置検出パターン、ファインダパターン)を含むか否かを判定する。シンボルを含むとき、処理回路41は、画像データがコードを含むと認識する。また、処理回路41は、画像データのうちのコードの領域を認識する。そして、認識したコードの領域のドットのパターンに基づき、処理回路41はデコードする。リーダメモリ42は、デコード用プログラム48を不揮発的に記憶する。デコード用プログラム48に基づき、処理回路41は、コードをデコードする。これにより、コードに変換された情報が復号される。処理回路41は、コードに埋め込まれた情報を得る。処理回路41は復号した情報を制御部11(制御回路11a)に送信する。
【0031】
メモリ12は、これから実行しようとする調理の設定値(現在の設定値)を記憶する。例えば、復号した情報が加熱時間の値を含むとき、制御部11は、加熱時間の設定値を、復号で得られた加熱時間の値にする。また、復号した情報がマイクロ波出力装置の出力ワットの値を含むとき、制御部11は、加熱出力の設定値を、復号した情報の出力ワットの値にする。また、復号した情報が加熱温度の値を含むとき、制御部11は、加熱温度の設定値を、復号した情報の加熱温度の値にする。制御部11は、メモリ12の現在の設定値を、復号した情報に記述された設定値に変更する。メモリ12の記憶内容を自動的に変更することができる。つまり、コードを読み取らせるだけで、調理の設定値を設定することができる。
【0032】
例えば、加熱時間と出力ワット値の推奨値を変換したQRコードが冷凍食品の包装に記載されてもよい。包装のQRコードを読み取るだけで、操作パネル14を操作せずに、冷凍食品の調理に適した加熱時間と出力ワット値を設定することができる。
【0033】
なお、リーダ40は通知部を備えてもよい。例えば、通知部は、発光素子とスピーカーの何れか一方、又は、両方である。例えば、発光素子はLEDである。コードを読み取ったと認識し、コードの情報を復号したとき、処理回路41は、通知部の発光素子を所定時間点灯させてもよい。また、コードを読み取ったと認識し、コードの情報を復号したとき、処理回路41は、所定の通知音をスピーカーに再生させてもよい。
【0034】
ランプ44は通電により発光する。例えば、ランプ44はLEDである。ランプ44はLED以外の発光素子でもよい。処理回路41はランプ44の点灯、消灯を制御する。ランプ44は撮像部43の撮像範囲を照らす。ランプ44が放ち、被撮像物で反射された光が撮像部43に入射する。
【0035】
通信インターフェース45は、制御部11(制御回路11a)と通信するための回路を備える。読取制御ボタン14cが操作され、リーダ40の動作を開始するとき、制御回路11aは読取開始を指示する。通信インターフェース45はこの指示を受ける。この指示に基づき、処理回路41は、撮像部43に撮像を開始させ、画像データの処理を開始する。読取制御ボタン14cが操作され、リーダ40の動作を停止するとき、制御回路11aは読取停止を指示する。通信インターフェース45はこの指示を受ける。この指示に基づき、処理回路41は、撮像部43の撮像動作を停止させる。
【0036】
図1、
図2に示すように、リーダ40は加熱調理器1の前面に設けられる。リーダ40は立方体、又は、直方体の形状のケースを備えてもよい。扉101が開けられているとき、リーダ40(ケース)の-Y方向の面(前面)と、-Z方向の面(下面)が外部に露出する。扉101が閉じられているとき、リーダ40の-Y方向の面のみが外部に露出する。そして、処理回路41、リーダメモリ42、撮像部43、ランプ44、及び、通信インターフェース45は、ケース内に収容されてもよい。この場合、イメージセンサ46の受光面に光を入射するための穴部がケースに設けられてもよい。また、光を放つため、ランプ44の一部がケースから露出してもよい。
【0037】
(連動装置50)
次に、
図5、
図6を用いて、連動装置50の一例を説明する。
図5は、実施形態に係る連動装置50の一例を示す図である。
図6は、実施形態に係る撮像部43の回転処理の一例を示す図である。
【0038】
連動装置50はリーダ40を回転させる。つまり、連動装置50は撮像部43を回転させる。例えば、連動装置50はモータ51及び駆動を伝えるギア(不図示)を備える。そして、撮像部43には、撮像回転軸52が取り付けられる。撮像回転軸52は、X軸方向(左右方向)に延びる。モータ51は、撮像回転軸52を回転させる。モータ51及び撮像回転軸52の回転により、撮像回転軸52の軸方向に対して、リーダ40が周方向に回転する。つまり、撮像部43は撮像方向が可変である。撮像部43の撮像範囲及び撮像方向を移動させることができる。撮像範囲及び撮像方向が固定されていないので、コードを読み取りやすいように、撮像範囲、撮像方向を変化させることができる。
【0039】
具体的に、扉101が開けられているとき、制御部11は、扉101が閉じられているときよりも撮像方向が下向きとなるように、撮像部43を連動装置50に回転させる。扉101が閉じられているとき、制御部11は、扉101が開けられているときよりも撮像方向が上向きとなるように、撮像部43を連動装置50に回転させる。これにより、扉101が閉じられているとき、上向きとなった撮像部43にコードをかざすと、コードが読み取られる。例えば、加熱調理と関係がないコードを読み取らせる場合、扉101を開けずにコードを読み取ることができる。
【0040】
一方で、扉101が開けられているとき、撮像範囲及び撮像方向を下向きにすることができる。これにより、リーダ40の下側にコードを位置させると、撮像部43がコードを読み取る。収納空間に入れられた加熱対象物に付されたコードが読み取りやすくなる。扉101の開閉の状態にあわせ、自動的に撮像部43を回転させることができる。つまり、撮像部43の角度を、コードを読み取りやすい角度に、自動的に調整することができる。
【0041】
図6を用いて、撮像部43の回転処理の一例を説明する。
図6のスタートは、読取制御ボタン14cが操作されたことにより、リーダ40の動作を開始する時点である。読取制御ボタン14cの操作により、リーダ40の動作を停止するまで、
図6の処理が続けられる。まず、ステップS601において、開閉検知センサ13の出力に基づき、制御部11は、扉101が開いているか否かを確認する。
【0042】
扉101が開いているとき、ステップS602において、制御部11は、撮像部43を連動装置50に回転させ、撮像部43の撮像範囲及び撮像方向を下向き(-Z方向)にする。撮像部43は、加熱庫201に置かれた加熱対象物を撮像しやすい姿勢(角度)になる。そして、ステップS603において、制御部11は、ランプ44の点灯を開始させる。
【0043】
ステップS603の後、ステップS604において、開閉検知センサ13の出力に基づき、制御部11は、扉101が閉じられた否かを確認する。扉101が開いている間、制御部11は、扉101が閉じられたことの確認を続ける。
【0044】
ステップS601において扉101が閉じられているとき、又は、ステップS604において扉101が閉じられたとき、制御部11はステップS605を行う。ステップS605において、制御部11は、ランプ44の光量のレベルを、扉101を閉じているときのレベルにする。扉101が閉じているとき、制御部11は、扉101が開いているときよりも、ランプ44の光量を小さくする。この場合、制御部11は、ランプ44の消灯を処理回路41に指示してもよい。この指示に基づき、処理回路41はランプ44を消灯する。あるいは、制御部11は、眩しくない程度の光量に落とす指示を処理回路41に与えてもよい。
【0045】
そして、ステップS606において、制御部11は、撮像部43を連動装置50に回転させ、撮像部43の撮像範囲及び撮像方向を前向き(-Y方向)にする。例えば、撮像部43は、加熱調理器1の前面側からかざされたものを撮像する姿勢(角度)になる。
【0046】
つまり、加熱調理器1は、扉101が開いているとき、撮像部43の撮像範囲に向けて光を照射するランプ44を備える。そして、扉101が閉じられているとき、ランプ44は、扉101が開けられているときよりも照射する光を減らす。これにより、撮像範囲及び撮像方向が前側に向いているとき、ランプ44の光量を落とすことができる。ユーザの目に強い光が入ることを避けることができる。眩しくないように、ランプ44の光量が自動的に調整される。一方、加熱調理器1の下側(-Z方向側)に向けて光を照射しているとき、ランプ44の光量が自動的に大きくなる。下側に向いているので、光量を大きくしても、ユーザは眩しくない。また、加熱庫201内が暗くても、明るく照らされた撮像対象物を撮像することができる。つまり、コードを撮像できるように、撮像対象物を照明することができる。
【0047】
ステップS607において、開閉検知センサ13の出力に基づき、制御部11は、扉101が開けられたか否かを確認する。扉101が閉じられた状態が続いている間、制御部11は、扉101が開けられたことの確認を続ける。扉101が開けられたとき、制御部11はステップS602を行う。
【0048】
加熱調理器1では、撮像部43は加熱調理器1の前面、かつ、収容空間202の上側に配置される。そして、扉101が開けられているとき、連動装置50は、撮像部43が加熱庫201の内壁面のうちの下面を撮像する位置に撮像部43を回転させる。一方、扉101が閉じられているとき、連動装置50は、撮像部43が、加熱調理器1の前後方向と平行かつ背面から前面に向かう方向に撮像する位置に撮像部43を回転させる。これにより、扉101が閉じられているとき、加熱調理器1の前面のコード(被写体)を撮像する角度で撮像部43を固定することができる。また、扉101が開けられているとき、加熱庫201内の加熱対象物を撮像できる角度で撮像部43を固定することができる。
【0049】
(コードに基づく通信の設定)
次に、
図7を用いて、コードに基づく通信の設定の一例を説明する。
図7は、実施形態に係る加熱調理器1でのコードに基づく通信の設定の一例を示す図である。
【0050】
無線基地機器6の認証を受けることにより、無線通信部16と無線基地機器6との接続を確立することができる。無線基地機器6と接続を確立することにより、無線通信部16は、ネットワーク7と接続できる。接続確立には複数の情報が必要である。以下では、無線基地機器6の認証を受け、接続を確立するための情報を接続設定情報i1と称する。接続設定情報i1は、例えば、無線基地機器6の識別名(ID情報)とパスワード(ネットワークキー)を含む。例えば、識別名はSSIDである。
【0051】
無線基地機器6と接続を確立し、ネットワーク7と接続することにより、無線通信部16は、サーバ8とデータを送受信できる。例えば、無線通信部16は、サーバ8から調理メニューデータを取得することができる。また、無線通信部16は、加熱調理器1のメンテナンスに関する情報をサーバ8に送信できる。メンテナンスに関する情報は、例えば、加熱調理器1の稼働時間である。
【0052】
サーバ8は様々なサービスを提供する。サービスを受ける機器を把握、管理する必要がある。そのため、サービスの提供を受けるには、サーバ8への機器の登録が必要となっている。サーバ8への登録が完了すると、無線通信部16は、サーバ8に記憶されるデータを取得することができる。また、サーバ8は、登録された機器から送信されるメンテナンスに関する情報を記憶、蓄積する。
【0053】
以下では、加熱調理器1をサーバ8に登録するための情報を機器登録情報i2と称する。機器登録情報i2は、例えば、サーバ8のアドレス及びパスワードである。機器登録情報i2には、その他のサーバ8にアクセスするための情報を含んでもよい。
【0054】
接続設定情報i1を変換したコードを、リーダ40が読み取ることにより、加熱調理器1と無線基地機器6の接続を確立することができる。また、機器登録情報i2を変換したコードを、リーダ40が読み取ることにより、加熱調理器1をサーバ8に登録することができる。
【0055】
リーダ40に読み取らせるコードは、予め用意される。リーダ40は表示機器に表示されたコードを読み取ってもよい。表示機器は無線通信可能であり、ディスプレイ、入力デバイスを備える機器でもよい。例えば、表示機器は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ノートPCである。入力デバイスは、例えば、タッチパネル、又は、キーボードである。また、コードは予め印刷されていてもよい。リーダ40は紙に印刷されたコードを読み取ってもよい。
【0056】
接続設定情報i1と機器登録情報i2の両方をまとめて変換し、1つのコードが生成されてもよい。また、接続設定情報i1を変換したコードと、機器登録情報i2を変換したコードと、が別々に用意されてもよい。
【0057】
(1)接続設定情報i1と機器登録情報i2の両方をまとめる場合
両情報をまとめたコードを表示機器に表示するようにしてもよい。例えば、使用者は、表示機器と、加熱調理器1を接続させる無線基地機器6と、の通信を確立する。この確立によって、表示機器は接続設定情報i1を収集、認識する。さらに、使用者は、表示機器を、加熱調理器1を登録するサーバ8にアクセスさせる。このアクセスによって、表示装置は機器登録情報i2を収集、認識する。入力デバイスはコード生成の指示を受け付ける。なお、表示機器は、コード作成アプリケーションを記憶していてもよい。この指示がなされたとき、表示機器は、接続設定情報i1及び機器登録情報i2を変換したコードを生成する。表示機器は、生成したコードをディスプレイに表示させる。リーダ40は表示されたコードを読み取ってもよい。
【0058】
また、使用者は情報処理装置を用いて、接続設定情報i1と機器登録情報i2の両方を編集してもよい。例えば、情報処理装置はPCである。そして、情報処理装置は、コード作成アプリケーションを記憶していてもよい。情報処理装置は、編集された情報を変換したコードを生成する。情報処理装置は生成したコードを印刷装置に印刷させる。リーダ40は印刷されたコードを読み取ってもよい。
【0059】
(2)接続設定情報i1を変換したコードと、機器登録情報i2を変換したコードと、を別々に用意する場合
例えば、接続設定情報i1のみを含むコードを表示機器に表示する場合、使用者は、加熱調理器1を接続させる無線基地機器6と、表示機器と、の通信を確立する。この確立によって、表示装置は接続設定情報i1を収集、認識する。そして、入力デバイスが接続設定情報i1のコード生成の指示を受け付けたとき、表示機器は、接続設定情報i1を変換したコードを生成する。表示機器は生成するコードをディスプレイに表示させる。リーダ40は表示された接続設定情報i1のコードを読み取ってもよい。
【0060】
また、機器登録情報i2のみを含むコードを表示機器に表示する場合、使用者は、表示機器を、加熱調理器1を登録するサーバ8にアクセスさせる。このアクセスによって、表示機器は機器登録情報i2を収集、認識する。そして、入力デバイスが機器登録情報i2のコード生成の指示を受け付けたとき、表示機器は機器登録情報i2を変換したコードを生成する。表示機器は生成するコードをディスプレイに表示させる。リーダ40は表示された機器登録情報i2のコードを読み取ってもよい。
【0061】
また、無線基地機器6には、SSID、パスワードのような接続設定情報i1を変換したコードの印刷物が付されることがある。例えば、QRコードのシールが付されることがある。リーダ40はコードの印刷物を読み取ってもよい。また、表示機器がカメラを備える場合、無線基地機器6に付されたコードの印刷物を撮影し、撮影で得られたコードの画像を表示機器に表示させてもよい。そして、リーダ40は、表示機器が表示する撮影されたコードを読み取ってもよい。このようにしても、加熱調理器1は接続設定情報i1を取得できる。
【0062】
また、機器登録情報i2を変換したコードの印刷物が、加熱調理器1に付されてもよい。あるいは、機器登録情報i2を変換したコードが、加熱調理器1の説明書、又は、梱包箱に印刷されてもよい。そして、リーダ40は、機器登録情報i2のコードの印刷物を読み取ってもよい。このようにしても、加熱調理器1は機器登録情報i2を取得できる。
【0063】
以上、接続設定情報i1と機器登録情報i2のコードを用意する手法の例を述べた。各情報のコードを用意する手法は上記に限られない。他の手法で各情報のコードが用意されてもよい。
【0064】
次に、
図7を用いて、無線通信の設定の流れの一例を説明する。
図7のスタート前に、リーダ40の動作が開始している。そして、リーダ40(撮像部43)は、かざされたコードを読み取っている。そして、
図7のスタートは、制御部11が、コードを復号して得られた情報が接続設定情報i1を含むことを認識した時点である。
【0065】
まず、ステップS701において、コードに含まれる接続設定情報i1に基づいて無線基地機器6との接続を確立するとき、加熱制限部11dは、加熱部15に加熱させない。なお、詳細は後述するが、接続確立に続き、サーバ8への機器登録をする場合、加熱制限部11dは、サーバ8への機器登録が完了するまで、加熱部15に加熱させない。つまり、
図7のフローチャートの処理の間、加熱制限部11dは、加熱を禁止し、加熱部15を動作させない。具体的に、操作パネル14の設定ボタン14aのうち、加熱開始の指示ボタン(スタートボタン)が操作されても、加熱制限部11dは、加熱部15に加熱を開始させない。加熱部15からの電磁波が、無線通信部16と無線基地機器6との間の通信に干渉することがある。加熱部15の動作を禁止するので、接続の確立、及び、機器の登録を妨げる要因を減らすことができる。なお、接続を確立できたとき、又は、サーバ8への機器登録が完了したとき、加熱制限部11dは、加熱部15の加熱の制限を解除する。
【0066】
ステップS702において、接続実行部11bは、無線基地機器6との通信を無線通信部16に開始させる。具体的に、接続実行部11bは、接続設定情報i1が含む識別名(SSID)の無線基地機器6に向けて、接続確立の要求を無線通信部16に送信させる。
【0067】
次に、ステップS703において、接続実行部11bは、無線基地機器6と接続確立のための情報の送受信を無線通信部16に行わせる。例えば、接続実行部11bは、接続設定情報i1に含まれるパスワード、及び、無線通信部16のMACアドレスを無線通信部16に送信させる。このように、リーダ40に読み取られたコードが接続設定情報i1を含むとき、接続実行部11bは、アクセスポイントとしての無線基地機器6との通信を無線通信部16に行わせ、接続設定情報i1に基づいて無線通信部16と無線基地機器6との接続を確立する。これにより、コードを読み取らせるだけで、無線通信の接続設定を行うことができる。ここで、加熱調理器1の無線通信の接続設定に、携帯通信機器は必ずしも必要はない。携帯通信機器の操作、手入力が苦手な人でも、簡単に加熱調理器1の無線通信の接続設定を行うことができる。
【0068】
やり取りの結果、ステップS704において、無線基地機器6は、無線通信部16を認証してよいか否かを判定する。つまり、無線基地機器6は、通信を確立してよいか否かを判定する。例えば、無線通信部16が送信し、受信した情報の全てに問題がないとき、無線基地機器6は、無線通信部16を認証すると判定してもよい。また、例えば、無線通信部16が送信したパスワードが正しくないとき、無線基地機器6は、無線通信部16を認証しないと判定してもよい。
【0069】
認証しないと判定したとき、ステップS705において、無線基地機器6は、認証しないことを無線通信部16に通知する。認証及び通信の確立が失敗したので、制御部11(接続実行部11b)は、本フローチャートの処理を終了する(END)。
【0070】
一方、無線通信部16を認証すると判定したとき、ステップS706において、無線基地機器6は、認証したことを無線通信部16に通知する。無線通信部16と無線基地機器6の通信が確立する。この通知を受けると、ステップS707において、制御部11は、接続設定情報i1をメモリ12に不揮発的に記憶させる。以後の通信では、無線通信部16は、記憶された接続設定情報i1を用いて、無線基地機器6と通信する。以後、無線通信部16は、接続設定情報i1を用いて、無線基地機器6を介して、ネットワーク7及びサーバ8に自由にアクセスできる。
【0071】
次に、ステップS708において、登録実行部11cは、コードを復号して得られた情報に機器登録情報i2が含まれるか否かを確認する。機器登録情報i2が含まれないとき、ステップS709において、登録実行部11cは、所定の待ち時間内に機器登録情報i2を変換したコードが読み取られたか否かを確認する。接続設定情報i1のコードと機器登録情報i2のコードとが別々の場合を考慮する。所定の待ち時間は適宜定められる。例えば、所定の待ち時間は数分である。所定の待ち時間の間に機器登録情報i2を変換したコードを読み取れない場合、制御部11(登録実行部11c)は、本フローチャートを終了する(END)。
【0072】
一方、コードを復号して得られた情報が機器登録情報i2を含む場合、又は、機器登録情報i2を変換したコードを読み取った場合、ステップS710において、登録実行部11cは、機器登録情報i2に基づくサーバ8への機器登録を実行する。具体的に、機器登録情報i2のアドレス情報に基づき、登録実行部11cは、無線基地機器6を介して、サーバ8へのアクセスを無線通信部16に行わせる。また、機器の登録のため、登録実行部11cは、加熱調理器1の機種名及び固有の情報を、無線通信部16に送信させてもよい。固有の情報は、製造番号でもよいし、他の情報でもよい。
【0073】
無線通信部16から送信された情報に基づき、サーバ8は加熱調理器1を登録する。サーバ8は登録の完了を無線通信部16に送信する。ステップS711において、無線通信部16は登録の完了を受信する。なお、サーバ8は加熱調理器1の管理用番号を送信してもよい。登録の完了を受信したとき、制御部11は、機器登録情報i2及び管理用番号をメモリ12に不揮発的に記憶させてもよい。サーバ8にアクセスし、データを送受信する場合、制御部11は、機器登録情報i2及び管理用番号を用いて通信してもよい。
【0074】
なお、機器登録情報i2が不適切な場合、サーバ8が機器の登録を認めない場合がある。このとき、サーバ8は、機器の登録不可を知らせるメッセージを無線通信部16に通知する。登録不可のメッセージを受信したとき、制御部11は、ステップS711を実行せずに、本フローチャートを終了してもよい。あるいは、登録実行部11cは、ステップS709を実行してもよい。
【0075】
このように、リーダ40に読み取られたコードが、加熱調理器1をサーバ8に登録するための機器登録情報i2を含むとき、登録実行部11cは、無線基地機器6を介したサーバ8との通信を無線通信部16に行わせ、機器登録情報i2に基づいてサーバ8への機器登録を実行する。これにより、コードを読み取らせるだけで、加熱調理器1をサーバ8に登録することができる。加熱調理器1のサーバ8への登録手続に、携帯通信機器は必ずしも必要はない。携帯通信機器の操作、手入力が苦手な人でも、簡単に加熱調理器1をサーバ8に登録することができる。
【0076】
(ミラー103の設置)
次に、
図1、
図2を用いて、ミラー103の設置の一例を説明する。コードをリーダ40にかざすことにより、コードが読み取られる。撮像範囲内にコードの全体が収まるようにコードをかざさなくては、コードが認識されない。また、ピントが合っていないと、コードを読み取ったことを認識できない場合がある。コードを読み取ったと認識されない場合、ユーザは、コードが付された物の位置を、撮像部43に近づけたり、遠ざけたりする。また、ユーザは、コードが付された物の位置を、上下左右に移動させる場合もある。
【0077】
しかし、撮像部43に対してコードの位置が適切かどうか、わかりづらい場合がある。そこで、
図1、
図2に示すように、リーダ40の近傍に、ミラー103が設けられてもよい。
図1、
図2は、加熱調理器1の正面方向からみて、リーダ40の上にミラー103を設ける例を示す。
【0078】
ミラー103は、加熱調理器1の前側(-Y方向)の景色を映す。ミラー103は、撮像部43の撮影方向に対して、平面(鏡面)が垂直になるように設置されてもよい。ミラー103によって、リーダ40(撮像部43)にかざしているコードの位置を確認することができる。さらに、ミラー103には、撮像部43の撮像範囲(コードを収めるべき範囲)を示す枠線104が記されていてもよい。このように、加熱調理器1は、撮像部43に向けてかざされたコードを映し、コードを収める範囲を示す枠線104が記されたミラー103を備えてもよい。これにより、撮像部43の撮像範囲にコード全体が収まっているか否かを視認することができる。認識されるようにコードをかざしているか否かが確認しやすくなる。
【符号の説明】
【0079】
1 加熱調理器、101 扉、102 取手、103 ミラー、104 枠線、11 制御部、11a 制御回路、11b 接続実行部、11c 登録実行部、11d 加熱制限部、12 メモリ、13 開閉検知センサ、14 操作パネル、14a 設定ボタン、14b 表示パネル、14c 読取制御ボタン、15 加熱部、16 無線通信部、201 加熱庫、202 収容空間、40 リーダ、41 処理回路、42 リーダメモリ、43 撮像部、44 ランプ、45 通信インターフェース、46 イメージセンサ、47 画像信号処理回路、48 デコード用プログラム、50 連動装置、51 モータ、52 撮像回転軸、6 無線基地機器、7 ネットワーク、8 サーバ、81 サーバ処理部、82 サーバ記憶部、83 サーバ通信部、i1 接続設定情報、i2 機器登録情報