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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180872
(43)【公開日】2022-12-07
(54)【発明の名称】コネクタ保持構造
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/73 20060101AFI20221130BHJP
【FI】
H01R13/73 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021087607
(22)【出願日】2021-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】中島 竜一
(57)【要約】
【課題】簡単な構造でコネクタの抜けや離脱を防止し得て、安定した接続性を確保することのできるコネクタ保持構造とする。
【解決手段】コネクタホルダ部2は、基板部21と、基板部21に対向する上板部22と、基板部21上に突設された第1ガイド部23および第2ガイド部24とを備える。第1ガイド部23および第2ガイド部24は、コネクタ4の第1ハーネス412および第2ハーネス422の延出方向に交差する交差方向に延設される。第1ガイド部23と第2ガイド部24との間には、互いに嵌合された第1コネクタ41および第2コネクタ42が配設されて、第1ガイド部23および第2ガイド部24に抜け止めされる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器筐体に設けられたコネクタホルダ部に、第1コネクタと、前記第1コネクタに嵌合して接続される第2コネクタと、前記第1コネクタおよび前記第2コネクタからそれぞれ延出されたハーネスとを有するコネクタを保持するコネクタ保持構造であって、
前記コネクタホルダ部は、互いに嵌合された第1コネクタおよび第2コネクタが載置される基板部と、前記基板部に対向するように配設された上板部と、前記基板部あるいは前記上板部の少なくともいずれか一方に突設された第1ガイド部および第2ガイド部とを備え、
前記第1ガイド部および前記第2ガイド部は、前記ハーネスの延出方向に交差する交差方向に延びるリブ状に設けられ、
前記第1ガイド部と前記上板部または前記基板部との間、および前記第2ガイド部と前記上板部または前記基板部との間には、前記ハーネスが配設されることを特徴とするコネクタ保持構造。
【請求項2】
請求項1に記載のコネクタ保持構造において、
前記上板部は、前記基板部に対して直交する方向に延びる側板部から片持ち状に張り出して配設されていることを特徴とするコネクタ保持構造。
【請求項3】
請求項2に記載のコネクタ保持構造において、
前記上板部は、前記側板部の反対側に配置される先端部に、前記基板部に向かって垂設された上側爪部を備え、
前記側板部と前記上側爪部との間に、互いに嵌合された第1コネクタおよび第2コネクタが保持されて抜け止めされることを特徴とするコネクタ保持構造。
【請求項4】
請求項2または3に記載のコネクタ保持構造において、
前記基板部は、前記側板部の反対側であって、前記第1ガイド部および前記第2ガイド部の一端部近傍に、前記上板部に向かって立設された下側爪部を備え、
前記側板部と前記下側爪部との間に、互いに嵌合された第1コネクタおよび第2コネクタが保持されて抜け止めされることを特徴とするコネクタ保持構造。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1つの請求項に記載のコネクタ保持構造において、
前記機器筐体には、前記第1コネクタから延設されたハーネスを収容する収納部が設けられ、前記収納部には前記ハーネスが挿通する開口部が設けられ、
前記開口部は前記ハーネスの延出方向に貫通して開口されるとともに、前記交差方向の一方にも開口して設けられていることを特徴とするコネクタ保持構造。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1つの請求項に記載のコネクタ保持構造において、
前記基板部には、前記第1コネクタまたは前記第2コネクタの突設部を挿入可能な前記交差方向に延びるスリットが設けられていることを特徴とするコネクタ保持構造。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか1つの請求項に記載のコネクタ保持構造において、
前記上板部には、前記第1コネクタまたは前記第2コネクタの突設部を挿入可能な前記交差方向に延びるスリットが設けられていることを特徴とするコネクタ保持構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器筐体に設けられるコネクタ保持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置等の種々の電子機器には、複数のユニットが備えられている。これらの複数のユニットは、互いに電気的に連携するために電気接続が必要であり、各ユニットに電子部品等を搭載した機能モジュールが備えられ、機能モジュール間がワイヤハーネス等によって接続される。機能モジュールにはワイヤハーネスから引き出された導線ケーブルに接続されたソケットを直結させる場合や、中継コネクタを介してワイヤハーネス側のソケットが結合される場合もある。
【0003】
この種のコネクタの保持構造として、従来、図7に示すように、装置本体70の装着部71に中継コネクタ74が取り付けられ、この中継コネクタ74にハーネスコネクタ73が接続されるように構成されたものがある。中継コネクタ74は、装着部71に矩形状に開口して設けられた開口部72を通して装置本体70に固定され、中継コネクタ74の一部は装着部71から露出して設けられる。中継コネクタ74には一対のロック爪741が設けられており、中継コネクタ74にハーネスコネクタ73が接続されると、ロック爪741がハーネスコネクタ73の係合部731に係合して抜け止めされるよう意図されていた。
【0004】
また、例えば特許文献1には、電子機器の装置本体に設けられたスイッチ固定部にスイッチが固定され、そのスイッチに対してコネクタを接続する保持構造が開示されている。スイッチ固定部には、スイッチ用の位置決めボスと、コネクタ用のガイドおよびボスが突設され、位置決めボスにより固定されたスイッチに、ガイドに沿ってコネクタを差し込んで接続するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000-207970号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記従来の保持構造では、いずれも、装置本体に固定された中継コネクタ(またはスイッチ)に対して、接続側のハーネスコネクタ(またはコネクタ)を差し込んで電気的に接続する。中継コネクタとハーネスコネクタとの抜き差しの際には負荷がかかるので、中継コネクタやハーネスコネクタが装置本体から離脱しないように保持されている必要性がある。そのため、例えば図7に示す開口部72のように、中継コネクタが固定される部分は、その中継コネクタの大きさに対応させて個別に設計されることが求められる。
【0007】
ところが、中継コネクタおよびハーネスコネクタの接続端子数が増減すると、コネクタサイズも変更されるので、そのたびに開口部72の大きさを変更しなければならず、装着部71の金型変更も必要となって、製造コストが嵩むといった問題点があった。また、中継コネクタに対してハーネスコネクタの抜けや離脱を防止することも必要であることから、例えば図7に示したようにロック爪741等の接続ロック機構を備えたコネクタを採用しなければならず、コネクタの構造が複雑化して、やはり製造コストが嵩むといった問題点もあった。
【0008】
本発明は、上記のような問題点にかんがみてなされたものであり、その目的とするところは、コネクタの構造を複雑化することなく、簡単な構造でコネクタの抜けや離脱を防止し得て、安定した接続性を確保することのできるコネクタ保持構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するため、本発明は、機器筐体に設けられたコネクタホルダ部に、第1コネクタと、前記第1コネクタに嵌合して接続される第2コネクタと、前記第1コネクタおよび前記第2コネクタからそれぞれ延出されたハーネスとを有するコネクタを保持するコネクタ保持構造であって、前記コネクタホルダ部は、互いに嵌合された第1コネクタおよび第2コネクタが載置される基板部と、前記基板部に対向するように配設された上板部と、前記基板部あるいは前記上板部の少なくとも一方に突設された第1ガイド部および第2ガイド部とを備え、前記第1ガイド部および前記第2ガイド部は、前記ハーネスの延出方向に交差する交差方向に延びるリブ状に設けられ、前記第1ガイド部と前記上板部または前記基板部との間、および前記第2ガイド部と前記上板部または前記基板部との間には、前記ハーネスが配設されることを特徴としている。
【0010】
前記コネクタ保持構造における、より具体的な構成としては次のものが挙げられる。すなわち、前記コネクタ保持構造において、前記上板部は、前記基板部に対して直交する方向に延びる側板部から片持ち状に張り出して配設されていることが好ましい。
【0011】
また、前記構成を有するコネクタ保持構造において、前記上板部は、前記側板部の反対側に配置される先端部に、前記基板部に向かって垂設された上側爪部を備え、前記側板部と前記上側爪部との間に、互いに嵌合された第1コネクタおよび第2コネクタが保持されて抜け止めされることが好ましい。
【0012】
また、前記構成を有するコネクタ保持構造において、前記基板部は、前記側板部の反対側であって、前記第1ガイド部および前記第2ガイド部の一端部近傍に、前記上板部に向かって立設された下側爪部を備え、前記側板部と前記下側爪部との間に、互いに嵌合された第1コネクタおよび第2コネクタが保持されて抜け止めされることが好ましい。
【0013】
また前記構成を有するコネクタ保持構造において、前記機器筐体には、前記第1コネクタから延設されたハーネスを収容する収納部が設けられ、前記収納部には前記ハーネスが挿通する開口部が設けられ、前記開口部は前記ハーネスの延出方向に貫通して開口されるとともに、前記交差方向の一方にも開口して設けられることが好ましい。
【0014】
また、前記構成を有するコネクタ保持構造において、前記基板部には、前記第1コネクタまたは前記第2コネクタの突設部を挿入可能な前記交差方向に延びるスリットが設けられることが好ましい。
【0015】
また、前記構成を有するコネクタ保持構造において、前記上板部には、前記第1コネクタまたは前記第2コネクタの突設部を挿入可能な前記交差方向に延びるスリットが設けられることが好ましい。
【0016】
前記特定事項を具備することにより、前記コネクタは前記コネクタホルダ部に安定的に保持されることが可能となり、前記コネクタを前記コネクタホルダ部に配設する作業も容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、コネクタの構造を複雑化することなく、簡単な構造でコネクタの抜けや離脱を防止し得て、安定した接続性を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態1に係るコネクタ保持構造におけるコネクタホルダ部を示す断面図である。
図2図1の矢符A方向から見た前記コネクタホルダ部を示す側面図である。
図3】前記コネクタホルダ部を示す斜視図である。
図4A】前記コネクタホルダ部に保持されるコネクタの一例を示す平面図である。
図4B図4Aに示す前記コネクタの側面図である。
図5A】前記コネクタの接続後の状態を示す平面図である。
図5B図5Aに示す前記コネクタの側面図である。
図6】本発明の実施形態2に係るコネクタ保持構造におけるコネクタホルダ部を示す断面図である。
図7】従来のコネクタ保持構造の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態に係るコネクタ保持構造について、図面を参照しつつ説明する。
【0020】
(実施形態1)
図1図3は、本発明の実施形態1に係るコネクタ保持構造を示しており、図1は、実施形態1に係るコネクタ保持構造のコネクタホルダ部2を示す断面図、図2は、図1の矢符A方向から見たコネクタホルダ部2を示す側面図、図3は、コネクタホルダ部2を示す斜視図である。なお、図1に示す断面図は、図3におけるB-B断面図に相当する。
【0021】
実施形態1に係るコネクタ保持構造は、電子機器の機器筐体1にコネクタホルダ部2を備えるものであり、このコネクタホルダ部2にコネクタ4が保持されるように構成されている。例えば電子機器としての画像形成装置に備えられるコネクタ保持構造であれば、定着ユニットや現像ユニット等の各構成ユニットに対してコネクタホルダ部2を設けることができる。
【0022】
ここで、コネクタホルダ部2の説明に先立ち、このコネクタホルダ部2に保持されるコネクタ4について説明する。図4Aは、一例としてのコネクタ4の接続前の状態を示す平面図、図4Bは、図4Aのコネクタ4の側面図、図5Aは、接続後の状態のコネクタ4を示す平面図、図5Bは、図5Aのコネクタ4の側面図である。
【0023】
図4Aおよび図4Bに示すように、コネクタ4は、第1コネクタ41と、第1コネクタ41に嵌合して接続される第2コネクタ42とを備えて構成される。第1コネクタ41は、高剛性で絶縁材料である合成樹脂材料の成型品からなるハウジング411と、ワイヤハーネスを構成する導線ケーブルであってハウジング411から外方に延出された第1ハーネス412とを有する。ハウジング411内には、図示しない複数本のポストピンが設けられ、ハウジング411内に形成された嵌合凹部413に露出されている。
【0024】
第2コネクタ42も第1コネクタ41と同様に、高剛性で絶縁材料である合成樹脂材料の成型品からなるハウジング421を有する。ハウジング421には、ワイヤハーネスを構成する導線ケーブルである第2ハーネス422が外方に延出して備えられている。
【0025】
第1コネクタ41は、ハウジング411の外面に位置決めリブ(突設部)414が突設されている。位置決めリブ414は、ハウジング411において、嵌合凹部413と第1ハーネス412とが配設されていない4つの面に連続するように立設されている。また、位置決めリブ414は、ハーネスの延出方向に直交する方向に延びる矩形断面のリブ状に設けられている。
【0026】
コネクタ4は、第1コネクタ41の嵌合凹部413に、第2コネクタ42のハウジング421が挿入されることで、図5Aおよび図5Bに示すように互いに嵌合され、第1ハーネス412と第2ハーネス422との導線ケーブル間が導通されて電気的に接続される。互いに嵌合して接続された第1コネクタ41および第2コネクタ42は、図1に示すように、機器筐体1に設けられたコネクタホルダ部2に保持される。
【0027】
機器筐体1のコネクタホルダ部2は、図1および図3に示すように、接続された第1コネクタ41および第2コネクタ42が載置される基板部21と、基板部21に対向するように配設された上板部22と、基板部21上に突設された第1ガイド部23および第2ガイド部24とを備えて構成されている。
【0028】
図1において、第1ハーネス412および第2ハーネス422は、第1コネクタ41および第2コネクタ42からX方向にそれぞれ延出して設けられている。このような延出方向であるX方向は、第1コネクタ41に対して第2コネクタ42が差し込まれる方向でもある。以下、説明の便宜上、前記延出方向をX方向とし、X方向に対して直交する方向をY方向として示すとともに、X方向およびY方向にともに直交する上下方向をZ方向として示す。
【0029】
基板部21上の第1ガイド部23および第2ガイド部24は、第1ハーネス412および第2ハーネス422の延出方向であるX方向に直交するY方向に延び、矩形断面を有するリブ状に設けられている。第1ガイド部23と第2ガイド部24とは、Y方向の長さがほぼ等しく形成されている。第1ガイド部23と第2ガイド部24との間の間隔は、嵌合した第1コネクタ41および第2コネクタ42のX方向の大きさと同等または当該大きさに余裕寸法を加えた大きさで設けられている。
【0030】
図3に示すように、基板部21に対して直交する方向であるZ方向には、基板部21に接続して側板部25が配設されている。上板部22は、側板部25から、片持ち状に張り出して設けられている。上板部22は、X方向には、第1ガイド部23と第2ガイド部24との配設間隔に対応する大きさで設けられている。また、上板部22は、Y方向には、第1ガイド部23および第2ガイド部24のY方向の長さとほぼ同等の長さを有して設けられている。
【0031】
さらに、本実施形態に係るコネクタホルダ部では、上板部22にも、第1ガイド部および第2ガイド部に相当するリブ223、223が突設されている。図1に示すように、上板部22のX方向の両端部には、下方に向かって突出するリブ223、223が上板部22に一体に設けられている。各リブ223は、基板部21上の第1ガイド部23および第2ガイド部24に対向するように配設され、第1ハーネス412および第2ハーネス422の延出方向(X方向)に交差するY方向に延びるリブ状に設けられている。
【0032】
これにより、コネクタホルダ部2は、基板部21、第1ガイド部23、第2ガイド部24、上板部22、およびリブ223により取り囲まれた保持空間20を有するように構成されている。第1ガイド部23と前記第2ガイド部24との間には、互いに嵌合されて接続された状態の第1コネクタ41および第2コネクタ42が配設されて保持される。第1ガイド部23と、これに対向する上板部22のリブ223との間には、第1コネクタ41から延びる第1ハーネス412が配設される。また、第2ガイド部24と、これに対向する上板部22のリブ223との間には、第2コネクタ42から延びる第2ハーネス422が配設される。
【0033】
図2および図3を参照して、上板部22は、側板部25の反対側に配置される先端部221に、上側爪部222を備えている。上側爪部222は、基板部21に向かって上板部22の下面から垂設して設けられている。例示の形態では、上側爪部222は、先端部221に向かって上り勾配のテーパ面を有して形成されている。また、上側爪部222は、上板部22のX方向の幅全体に、X方向に沿って設けられている。
【0034】
また、基板部21は、側板部25の反対側であって、上板部22の先端部221に対応する位置に、下側爪部211を備えている。下側爪部211は、第1ガイド部23および第2ガイド部24の一端部の近傍に、上板部22に向かって基板部21の上面に突出して設けられている。例示の形態では、下側爪部211は、第2ガイド部24および第1ガイド部23の一端部の方向に上り勾配のテーパ面を有して形成されている。下側爪部211に貫通するようにY方向に設けられたスリット212については後述する。
【0035】
これらの下側爪部211および上側爪部222は、第1コネクタ41および第2コネクタ42の保持空間20へのY方向の挿入は受け入れるが、保持空間20からの引き抜きは困難となるように作用する。そのため、下側爪部211および上側爪部222は、弾性変形可能に形成されていることが好ましい。これにより、第1ガイド部23と第2ガイド部24との間に、互いに嵌合されて接続された状態の第1コネクタ41および第2コネクタ42が配設されると、Y方向にも安定して保持されるものとなる。
【0036】
第1コネクタ41から延設された第1ハーネス412は、機器筐体1に設けられた収納部11に収容される。図3に示すように、コネクタホルダ部2と収納部11とは、仕切板12で区画されている。この収納部11との仕切板12には、第1ハーネス412が挿通される開口部13が設けられている。開口部13は、仕切板12をX方向に貫通するようにして開口されている。また、開口部13は、Y方向には、一方に開口され、他方には側板部25が配設されて閉じられている。これにより、矢符A方向から見た開口部13は、図2に示すように、仕切板12の下端部、側板部25、および基板部21の上面とで3方向には囲まれて、Y方向の一方(図2では図中左方向)には開放された開口形状を有している。
【0037】
さらに、図1および図3に示すように、基板部21にはY方向に延びるスリット212が設けられている。スリット212は、第1ガイド部23と第2ガイド部24の間に、これらと平行となるように配設されている。基板部21の下側爪部211は、スリット212を間に挟むようにして、スリット212のX方向の両側に設けられている。
【0038】
図1に示すように、コネクタ4の位置決めリブ414は、基板部21のスリット212に嵌め込んで配置され、基板部21上にはハウジング411、421が接するように配置することができる。スリット212は、図示するように基板部21の上面から下面に貫通する開口として設けられても、また、基板部21の下面まで貫通しない凹溝状に設けられてもよい。
【0039】
このように構成されるコネクタホルダ部2に対して、コネクタ4は、上板部22の先端部221側から、Y方向に挿入されて、保持空間20に容易に配置することができる。このとき、互いに嵌合されて接続された状態の第1コネクタ41および第2コネクタ42は、位置決めリブ414をスリット212に沿ってY方向にスライドさせつつ、第1ガイド部23と第2ガイド部24との間をY方向に沿って挿入するようにして保持空間20内に配置することができる。第1ガイド部23および第2ガイド部24は、コネクタ4を保持空間20に挿入する際のガイドレールとすることができる。第1コネクタ41から延びる第1ハーネス412は、Y方向に挿入されて、開口部13を通してコネクタホルダ部2から収納部11にかけて配設される。
【0040】
保持空間20への挿入が完了すると、図1に示すように、第1コネクタ41および第2コネクタ42は、第1ガイド部23と第2ガイド部24との間に配置されて、X方向に脱落不能に保持される。また、図2に示すように、側板部25と上側爪部222との間には、互いに嵌合されて接続された状態の第1コネクタ41および第2コネクタ42が配設される。第1コネクタ41および第2コネクタ42は、Y方向の一方の端面が側板部25の近傍に配置され、他方の端面が上側爪部222の近傍に配置されて、これらの間に保持される。これによって、第1コネクタ41および第2コネクタ42は、Y方向に抜け止めされている。また、側板部25と下側爪部211との間に、第1コネクタ41および第2コネクタ42が保持されてY方向に抜け止めされる。
【0041】
これにより、機器筐体1において、簡単な構造でコネクタホルダ部2を設けることができ、コネクタ4の抜けや離脱を防止することが可能となる。コネクタホルダ部2は、コネクタ4の周囲で安定的に抜け止め保持するように作用するので、振動等によるがたつきの発生を抑制することができ、また、第1ハーネス412または第2ハーネス422の断線を防止することも可能となる。
【0042】
また、第1ガイド部23と第2ガイド部24との間隔を、互いに嵌合されて接続された状態の第1コネクタ41および第2コネクタ42の大きさに合わせて設けることで、第1コネクタ41と第2コネクタ42とが完全に嵌合されていない接続状態であると、位置決めリブ414をスリット212に沿ってY方向にスライドさせつつ、第1ガイド部23と第2ガイド部24との間をY方向に沿って挿入することができない。そのため、第1ガイド部23と第2ガイド部24との間隔によって、第1コネクタ41と第2コネクタ42とが不完全な接続状態で配置されるのを防ぐことが可能となる。
【0043】
加えて、コネクタホルダ部2は、コネクタ4が、ロック爪等を有しない簡単な構造により構成されたものであっても、コネクタホルダ部2によって安定した接続性を確保することができる。そのため、製造コストを抑制しつつ、信頼性の高いコネクタ保持構造を提供することが可能となる。
【0044】
また、第1コネクタ41および第2コネクタ42は、図2に示すように、Y方向には上側爪部222、下側爪部211、および側板部25によって保持空間20内に安定的に配置することができる。コネクタ4のポストピン等の接続端子数が、例えば15本から20本へと増加して、ハウジング411、421の大きさ(Y方向の長さ)を大きくするような変更があったとしても、上側爪部222、下側爪部211、および側板部25によって囲まれる保持空間20内に第1コネクタ41および第2コネクタ42を納めることができ、抜け止め保持することが可能となる。したがって、機器筐体1の金型変更を要することなく、接続端子数の増減にも対応することができる。
【0045】
なお、第1ガイド部および第2ガイド部は、基板部21または上板部22の少なくともいずれか一方に設けられていればよく、例えば基板部21に第1ガイド部23と第2ガイド部24とが突設された構成であればリブ223は必ずしも上板部22に設けられなくともよい。また、コネクタ4において、突設部としての位置決めリブ414は、第1コネクタ41に設けられるに限られず、第2コネクタ42のハウジング421に設けられていてもよい。コネクタ4は、機器筐体1内に設けられた制御基板等と、各構成ユニットとを接続する中継コネクタとして配設されてもよい。
【0046】
(実施形態2)
図6は、実施形態2に係るコネクタ保持構造におけるコネクタホルダ部2を示す断面図であり、図1相当図である。なお、実施形態2に係るコネクタ保持構造は、基本構成が前記実施形態1のものと共通しており、スリット224の構成に特徴を有するものである。そのため、前記実施形態1と共通する構成については、前記実施形態1と共通の参照符号を用いて示し、それらの重複する説明については省略する。
【0047】
図1に示したように、前記実施形態1では、コネクタ4の位置決めリブ414は、基板部21に設けられたスリット212に配置される構成であった。スリット212は、このように設けられるに限らず、基板部21に対向する上板部22に設けられていてもよい。
【0048】
すなわち、図6に示すように、コネクタホルダ部2において、スリット224は、上板部22において、Y方向に沿って延びるように設けられている。コネクタ4の位置決めリブ414は、上板部22のスリット224に沿って、Y方向に挿入可能とされる。保持空間20では、第1コネクタ41の位置決めリブ414を、上板部22のスリット224に
に嵌め込んで配置することができる。位置決めリブ414がスリット224に嵌め込まれて係止するので、互いに嵌合されて接続された状態の第1コネクタ41および第2コネクタ42を、第1ガイド部23および第2ガイド部24の間に安定的に配置することができ、振動等によるがたつきの発生を抑制し得て、第1ハーネス412または第2ハーネス422の断線を防止することも可能となる。
【0049】
したがって、本実施形態に係るコネクタ保持構造においても、前記実施形態1と同様に、コネクタ4の構造を複雑化することなく、簡単な構造でコネクタ4の抜けや離脱を防止することができ、安定した接続性を確保することが可能となる。
【0050】
なお、本発明に係るコネクタ保持構造は、画像形成装置を含む種々の電子機器におけるコネクタ保持構造として適用することができる。また、前記各実施形態では、コネクタホルダ部2には下側爪部211および上側爪部222が設けられて、コネクタ4をY方向に離脱不能に保持する構成を示したが、本発明はこれに限られず、下側爪部211または上側爪部222のどちらか一方だけが設けられる構成であってもよい。また、それらの形状も前記各実施形態に示したものには限定されない。また、コネクタホルダ部2に設けられる第1ガイド部23、第2ガイド部24、およびスリット212の配設方向は、前記各実施形態ではハーネスの延出方向に対して直交するY方向として示したが、本発明はこれに限られず、ハーネスの延出方向に対して交差する方向であれば直交方向であるに限られない。
【0051】
本発明は、以上説明した各実施形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、前記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、すべて本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0052】
1 機器筐体
11 収納部
12 仕切板
13 開口部
2 コネクタホルダ部
20 保持空間
21 基板部
211 下側爪部
212 スリット
22 上板部
221 先端部
222 上側爪部
223 リブ
224 スリット
23 第1ガイド部
24 第2ガイド部
25 側板部
4 コネクタ
41 第1コネクタ
411 ハウジング
412 第1ハーネス(ハーネス)
413 嵌合凹部
414 位置決めリブ(突設部)
42 第2コネクタ
421 ハウジング
422 第2ハーネス(ハーネス)
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7