(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180881
(43)【公開日】2022-12-07
(54)【発明の名称】家具転倒防止具
(51)【国際特許分類】
A47B 97/00 20060101AFI20221130BHJP
【FI】
A47B97/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021087619
(22)【出願日】2021-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】591171851
【氏名又は名称】平安伸銅工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136098
【弁理士】
【氏名又は名称】北野 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100137246
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 勝也
(72)【発明者】
【氏名】竹内 一紘
(72)【発明者】
【氏名】福田 直之
(57)【要約】
【課題】振動時における確実な家具の転倒の防止を実現することができる家具転倒防止具を提供する。
【解決手段】家具転倒防止具11は、家具12と床面13との間に設置され、家具12の転倒を防止する。家具転倒防止具11は、板状であって、厚さ方向の一方側に位置する第1の面24aと、厚さ方向の他方側に位置し、第1の面24aに対して傾斜して配置される第2の面24bと、を含む樹脂製のベース部14と、ベース部14と異なる材質であって粘着ゲルから構成されており、第2の面24b上に配置される粘着部15と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具と床面との間に設置され、前記家具の転倒を防止する家具転倒防止具であって、
板状であって、厚さ方向の一方側に位置する第1の面と、厚さ方向の他方側に位置し、前記第1の面に対して傾斜して配置される第2の面と、を含む樹脂製のベース部と、
前記ベース部と異なる材質であって粘着ゲルから構成されており、前記第2の面上に取り付けられる粘着部と、を備える、家具転倒防止具。
【請求項2】
前記ベース部の外形形状は、厚さ方向に見て、第1の方向の長さが前記第1の方向に直交する第2の方向の長さよりも長い形状を有し、
前記粘着部は、前記第1の方向に沿って延びる帯状である、請求項1に記載の家具転倒防止具。
【請求項3】
前記ベース部の外形形状は、厚さ方向に見て、長方形である、請求項1または請求項2に記載の家具転倒防止具。
【請求項4】
前記粘着部は、それぞれ間隔をあけて複数設けられる、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の家具転倒防止具。
【請求項5】
前記粘着部には、厚さ方向に凹み、前記第1の方向に沿って延びる溝部が形成されている、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の家具転倒防止具。
【請求項6】
前記粘着部は、
前記第1の方向に沿って延びる第1側壁部と、
前記第1の方向に沿って延び、前記第1側壁部と前記第2の方向に間隔をあけて配置される第2側壁部と、
前記第2の面に沿って配置され前記第1側壁部および前記第2側壁部を接続する底壁部と、を含み、
前記溝部は、前記第1側壁部、前記第2側壁部および前記底壁部によって規定される、請求項5に記載の家具転倒防止具。
【請求項7】
前記第2の面は、平面である第1領域と、複数の段差が形成されている第2領域と、を含み、
前記第2領域の厚さは、前記第1領域の厚さよりも薄く、
前記粘着部は、前記第1領域上に取り付けられている、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の家具転倒防止具。
【請求項8】
前記粘着部の厚さは、0.5mm以上2.0mm以下である、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の家具転倒防止具。
【請求項9】
前記粘着部の色と前記ベース部の色とは、異なる、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の家具転倒防止具。
【請求項10】
前記粘着部の材質は、スチレン系エラストマーであり、
前記ベース部の材質は、EVA樹脂である、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の家具転倒防止具。
【請求項11】
前記ベース部と前記粘着部とは、押出成形で一体化されている、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の家具転倒防止具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、家具転倒防止具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地震が発生した時に、部屋内においてタンスや収納棚といった家具の転倒を防止するために、家具転倒防止具が用いられる。家具転倒防止具については、L字状の金具を取り付けて固定するタイプ、粘着マットを家具の下に敷くタイプ、支柱状のポールを天井と家具の上面との間に取り付けて突っ張らせるタイプ、楔形の形状を有するストッパーを利用して家具と床面との間に差し込むタイプ等がある。楔形の形状を有する家具の転倒防止具が、例えば、特開平8-332131号公報(特許文献1)に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の転倒防止具は硬質材料で構成されているため、転倒防止具を家具の底面側に設置した際に家具と転倒防止具との接触面積が小さい。そうすると、振動がある程度の期間続いた場合において、家具に対する転倒防止具の位置のずれが生じ、転倒防止具が外れてしまうおそれがある。その結果、転倒防止具における家具の転倒防止といった機能を発揮することができない。振動時における確実な家具の転倒の防止が望まれる。
【0005】
そこで、振動時における確実な家具の転倒の防止を実現することができる家具転倒防止具を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従った家具転倒防止具は、家具と床面との間に設置され、家具の転倒を防止する。家具転倒防止具は、板状であって、厚さ方向の一方側に位置する第1の面と、厚さ方向の他方側に位置し、第1の面に対して傾斜して配置される第2の面と、を含む樹脂製のベース部と、ベース部と異なる材質であって粘着ゲルから構成されており、第2の面上に配置される粘着部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
このような家具転倒防止具によると、振動時における確実な家具の転倒の防止を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態1における家具転倒防止具の外観を示す斜視図である。正面左上方から見た斜視図である。
【
図2】
図2は、実施の形態1における家具転倒防止具の外観を示す斜視図である。
図1は、正面左上方から見た斜視図である。
図2は、背面右下方から見た図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す家具転倒防止具の一部を拡大して示す拡大斜視図である。
【
図4】
図4は、実施の形態1における家具転倒防止具の平面図である。
【
図5】
図5は、実施の形態1における家具転倒防止具の底面図である。
【
図6】
図6は、実施の形態1における家具転倒防止具の正面図である。
【
図7】
図7は、実施の形態1における家具転倒防止具の背面図である。
【
図8】
図8は、実施の形態1における家具転倒防止具の拡大左側面図である。
【
図9】
図9は、実施の形態1における家具転倒防止具の拡大右側面図である。
【
図10】
図10は、実施の形態1における家具転倒防止具の拡大断面図である。
【
図11】
図11は、実施の形態1における家具転倒防止具が家具と床面との間に設置された状態における家具転倒防止具の一部を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。本開示に係る家具転倒防止具は、家具と床面との間に設置され、家具の転倒を防止する。家具転倒防止具は、板状であって、厚さ方向の一方側に位置する第1の面と、厚さ方向の他方側に位置し、第1の面に対して傾斜して配置される第2の面と、を含む樹脂製のベース部と、ベース部と異なる材質であって粘着ゲルから構成されており、第2の面上に配置される粘着部と、を備える。
【0010】
このような構成の家具転倒防止具によると、上記した構成のベース部を含むため、家具を後傾の状態として家具と床面との間に家具転倒防止具を設置することができ、振動時において前面側に家具が倒れるおそれを大きく低減することができる。ここで、第2の面上に配置され、粘着ゲルから構成される粘着部を含むため、家具の底面と粘着部との密着度合いを高くすることができる。粘着部においては、家具の自重により押しつぶされるように変形し、粘着部と家具との接触面積が大きくなる。したがって、振動時において、家具転倒防止具の位置ずれを抑制することができる。さらに、粘着部はある程度のクッション性を有するため、振動を吸収することができ、制振性能の向上を図ることができる。以上より、このような家具転倒防止具によると、振動時における確実な家具の転倒の防止を実現することができる。
【0011】
上記家具転倒防止具において、ベース部の外形形状は、厚さ方向に見て、第1の方向の長さが第1の方向に直交する第2の方向の長さよりも長い形状を有してもよい。粘着部は、第1の方向に沿って延びる帯状であってもよい。このようにすることにより、第1の方向を家具の幅方向として設置することにより、帯状に延びる粘着部と家具の底面とを幅広く接触させることができる。したがって、より家具の転倒を防止する機能を発揮することができる。
【0012】
上記家具転倒防止具において、ベース部の外形形状は、厚さ方向に見て、長方形であってもよい。このようにすることにより、比較的容易に製造することができると共に、家具の幅が長い場合に複数の家具転倒防止具を準備して、幅方向に隙間なく並べて設置することが容易となる。したがって、さらに家具の転倒を防止する機能を発揮することができる。
【0013】
上記家具転倒防止具において、粘着部は、それぞれ間隔をあけて複数設けられてもよい。このようにすることにより、複数の粘着部を、家具の底面と接触する領域に効率的に配置することができる。したがって、より効率的に家具の転倒を防止することができる。
【0014】
上記家具転倒防止具において、粘着部には、厚さ方向に凹み、第1の方向に沿って延びる溝部が形成されていてもよい。このようにすることにより、家具を家具転倒防止具上に配置した際に、溝部を規定する側壁部が溝部側に変形しやすくなり、家具の底面と粘着部との接触面積をより効率的に広くすることができると共に、家具の底面と粘着部との密着度合いをより高めることができる。したがって、より確実に家具の転倒を防止することができる。
【0015】
上記家具転倒防止具において、粘着部は、第1の方向に沿って延びる第1側壁部と、第1の方向に沿って延び、第1側壁部と第2の方向に間隔をあけて配置される第2側壁部と、第2の面に沿って配置され第1側壁部および第2側壁部を接続する底壁部と、を含んでもよい。溝部は、第1側壁部、第2側壁部および底壁部によって規定されてもよい。このようにすることにより、家具を家具転倒防止具上に配置した際に、第1側壁部および第2側壁部が溝部側に変形しやすくなり、家具の底面と粘着部との接触面積をより効率的に広くすることができると共に、家具の底面と粘着部との密着度合いをより高めることができる。したがって、より確実に家具の転倒を防止することができる。
【0016】
上記家具転倒防止具において、第2の面は、平面である第1領域と、複数の段差が形成されている第2領域と、を含んでもよい。第2領域の厚さは、第1領域の厚さよりも薄くてもよい。粘着部は、第1領域に配置されていてもよい。このようにすることにより、粘着部をベース部の第2の面に容易にかつ確実に取り付けることができる。また、家具の底面が粘着部からずれた位置となった場合でも、複数の段差が形成されている第2領域において家具の底面と接触させることができる。したがって、より確実に家具の転倒を防止することができる。
【0017】
上記家具転倒防止具において、粘着部の厚さは、0.5mm以上2.0mm以下であってもよい。このようにすることにより、家具転倒防止具として求められるクッション性を維持しながら、振動を効率的に吸収することができる。
【0018】
上記家具転倒防止具において、粘着部の色とベース部の色とは、異なっていてもよい。このようにすることにより、家具転倒防止具上に家具を載置する際に、色の異なる粘着部の位置を容易に視認することができ、粘着部上に家具を載置することが容易となる。したがって、家具転倒防止具の適切な設置を容易にすることができる。
【0019】
上記家具転倒防止具において、粘着部の材質は、スチレン系エラストマーであってもよい。ベース部の材質は、EVA樹脂であってもよい。このようにすることにより、粘着部による家具と家具転倒防止具との接触状態をより確実に確保することができると共に、ベース部と床面とが振動時において適度に滑って、振動が続く場合における振動の加速に起因する家具の転倒を抑制することができる。よって、さらに確実に家具の転倒を防止することができる。
【0020】
上記家具転倒防止具において、ベース部と粘着部とは、押出成形で一体化されていてもよい。このようにすることにより、ベース部と粘着部とをより確実に結着させて、ベース部に粘着部を強固に取り付けることができる。そうすると、ベース部から粘着部が離脱するおそれを大きく低減することができると共に、ベース部および粘着部による振動の吸収をより効率的に行うことができる。
【0021】
[本開示の実施形態の詳細]
次に、本開示の家具転倒防止具の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付しその説明は繰り返さない。
【0022】
(実施の形態1)
本開示の実施の形態1に係る家具転倒防止具について説明する。
図1および
図2は、実施の形態1における家具転倒防止具の外観を示す斜視図である。
図1は、正面左上方から見た斜視図である。
図2は、背面右下方から見た図である。
図2は、
図1に示す向きに対してX軸、Y軸およびZ軸においてそれぞれ180度異なる向きから見た斜視図である。
図3は、
図1に示す家具転倒防止具の一部を拡大して示す拡大斜視図である。
図4は、実施の形態1における家具転倒防止具の平面図である。
図5は、実施の形態1における家具転倒防止具の底面図である。
図6は、実施の形態1における家具転倒防止具の正面図である。
図7は、実施の形態1における家具転倒防止具の背面図である。
図8は、実施の形態1における家具転倒防止具の拡大左側面図である。
図9は、実施の形態1における家具転倒防止具の拡大右側面図である。
図10は、実施の形態1における家具転倒防止具の拡大断面図である。
図10は、
図3中の線分X-Xで切断した場合の拡大断面図である。
図11は、実施の形態1における家具転倒防止具が家具と床面との間に設置された状態における家具転倒防止具の一部を示す側面図である。なお、
図4は、矢印Zと逆の向きから見た図である。
図5は、矢印Zの向きから見た図である。
図6は、矢印Yと逆の向きから見た図である。
図7は、矢印Yの向きから見た図である。
図8は、矢印Xの向きから見た図である。
図9は、矢印Xと逆の向きから見た図である。
【0023】
図1~
図11を参照して、実施の形態1における家具転倒防止具11は、板状である。家具転倒防止具11は、家具12と床面13との間に設置され、家具12の転倒を防止する(特に
図11参照)。すなわち、家具転倒防止具11は、地震が発生した時に転倒を防止したい家具12、具体的には、タンスや棚といった家具12と家具12を設置する部屋の床面13との間に設置されて使用される。そして、家具転倒防止具11は、その上に載置された家具12の転倒を防止する。
【0024】
家具転倒防止具11は、ベース部14と、粘着部15と、を含む。ベース部14は、樹脂製である。ベース部14は、比較的硬い硬質材料から構成されている。ベース部14の材質としては、例えば、非移行性エラストマーが用いられる。本実施形態においては、ベース部14は、EVA(Ethylene-Vinyl Acetate)樹脂から構成されている。ベース部14は、柔軟性およびゴム弾性に優れている。
【0025】
ベース部14は、板状である。ベース部14の厚さ方向は、いわゆるベース部14の高さ方向であって、矢印Zで示す向きまたはその逆の向きで示される方向である。ベース部14の厚さ方向は、家具転倒防止具11の厚さ方向と同じである。ベース部14の外形形状は、厚さ方向に見て、長方形である(特に
図4および
図5参照)。なお、長方形は、四つの角の角度が全て等しい四角形を意味し、四つの角の角度および四つの辺の長さが全て等しい正方形を含む。また、長方形の形状については、幾何学的に厳密な長方形を有するのではなく、たとえば対向する辺が厳密に平行でなくともよく、辺と辺とが曲線で接続されていてもよい。また、角部が丸められていてもよい。
【0026】
厚さ方向に見て、ベース部14の長手方向は、第1の方向であり、矢印Xで示す向きまたはその逆の向きで示される方向である。ベース部14の短手方向は、第1の方向に直交する第2の方向であり、矢印Yで示す向きまたはその逆の向きで示される方向である。ベース部14の外形形状は、厚さ方向に見て、第1の方向の長さが第1の方向に直交する第2の方向の長さよりも長い形状を有する。ベース部14の第1の方向の長さL1は、ベース部14の第1の方向における一方の端面21aからベース部14の第1の方向における他方の端面21bに至る第1の方向(X方向)の長さであり、例えば、300mmが選択される。ベース部14の第2の方向の長さL2は、ベース部14の第2の方向における一方の端部22aからベース部14の第2の方向における他方の端部22bに至る第2の方向(Y方向)の長さであり、例えば、43mmが選択される。なお、ベース部14の厚さ方向の長さL3は、ベース部14の厚さ方向における一方の端部である後述する第1の面24aからベース部14の厚さ方向における他方の端部23aに至る厚さ方向(Z方向)の長さであり、例えば、9.5mmが選択される。
【0027】
ベース部14は、厚さ方向の一方側に位置する第1の面24aと、厚さ方向の他方側に位置する第2の面24bと、を含む。第1の面24aは、平面である。本実施形態においては、第1の面24aは、X-Y平面に平行である。第1の面24aは、家具転倒防止具11が設置される際に、床面13と対向するように配置される。すなわち、転倒を防止する家具12と床面13との間に設置される際に、第1の面24aの全面が、床面13と接触するように配置される。
【0028】
第2の面24bは、第1の面24aに対して傾斜して配置される。第2の面24bが第1の面24aに対して傾斜している構成であるため、家具転倒防止具11の全体形状としては、いわゆる楔形の形状を有する。第2の面24bは、第1の面24aと第2の方向における一方の端部である22aにおいて交わる。すなわち、第2の面24bは、第2領域25b、具体的には、第2領域25bの第2の方向における端部22aにおいて第1の面24aと繋がっている。
【0029】
第2の面24bは、第1領域25aと、第2領域25bと、を含む。第1領域25aと第2領域25bとの境界26は、X方向に延びている。第2領域25bの厚さは、第1領域25aの厚さよりも薄い。第1領域25aは、平面である。第1領域25aは、第1の面24aに対して傾斜している。第2領域25bには、複数の段差31a,31b,31c,31dが形成されている。端部22aに近い順に段差31a,31b,31c,31dが配置される。段差31aは、X-Y平面に傾斜する面32aとX-Z平面に平行な面33aとによって構成されている。段差31bは、X-Y平面に傾斜する面32bとX-Z平面に平行な面33bとによって構成されている。段差31cは、X-Y平面に傾斜する面32cとX-Z平面に平行な面33cとによって構成されている。段差31dは、X-Y平面に傾斜する面32dとX-Z平面に平行な面33dとによって構成されている。面32aと面33aとが交わる角部34a、面32bと面33bとが交わる角部34b、面32cと面33cとが交わる角部34cおよび面32dと面33dとが交わる角部34dがそれぞれ、Y方向において、ベース部14の第2領域25bにおける引っ掛かりを構成する。段差31a,31b,31c,31dのそれぞれの高さ、すなわち、面33a,33b,33c,33dのZ方向の長さとしては、例えば、0.3mm以上0.8mm以下の長さ、具体的には、0.6mmが選択される。
【0030】
ベース部14は、厚さ方向に突出する突出部27を含む。突出部27は、第2の面24bと隣り合って配置される。具体的には、突出部27は、第2の面24bと第2の方向であるY方向において隣り合って配置される。突出部27も長手方向に延びる形状である。すなわち、突出部27は、X方向において、一方の端面21aから他方の端面21bに至るまで延びる形状である。突出部27は、上記した厚さ方向(Z方向)の他方に位置する端部23aを含む。突出部27については、Z方向に真っ直ぐに延びる形状ではなく、第1の面24aに対して傾斜している。突出部27は、第2領域25b側に位置する後面28bを含む。なお、家具転倒防止具11の前面28aは、突出部27に連なっており、Y方向の一方の端部となっている。
【0031】
粘着部15は、第2の面24b上に取り付けられている。本実施形態においては、粘着部15は、複数設けられている。具体的には、粘着部15は、それぞれ第1の方向に沿って延びる帯状の第1の粘着部41aおよび第2の粘着部41bを含む。すなわち、本実施形態においては、第1の粘着部41aと第2の粘着部41bの2つが設けられている。第1の粘着部41aおよび第2の粘着部41bは、それぞれ間隔をあけて設けられている。具体的には、第1の粘着部41aと第2の粘着部41bとは、第2の方向(Y方向)に間隔をあけて配置されている。第2の方向において、第1の粘着部41aは、第2の粘着部41bよりも突出部27に近い位置に配置される。第2の方向において、第2の粘着部41bは、第1の粘着部41aよりも第2領域25bに近い配置される。第1の粘着部41aと第2の粘着部41bとは、厚さ方向(Z方向)に見て、それぞれ平行に配置されている。
【0032】
粘着部15は、ベース部14と異なる材質であって粘着ゲルから構成されている。粘着部15の材質、すなわち、第1の粘着部41aおよび第2の粘着部41bの材質としては、例えば、スチレン系エラストマーが用いられる。具体的には、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS(Thermoplastic Styrenic Elastomer))から構成されている。本実施形態においては、スチレン系熱可塑性エラストマーから構成されている。第1の粘着部41aおよび第2の粘着部41bは、粘着性および弾力性に優れ、ある程度のクッション性を有する。第1の粘着部41aおよび第2の粘着部41bの材質としては、SBS(S:スチレン、B:ブタジエン)、SIS(S:スチレン、I:イソプレン)、SEBS(S:スチレン、E:エチレン、B:ブチレン)、SEPS(S:スチレン、E:エチレン、P:プロピレン)等が挙げられる。なお、粘着部15を構成する粘着ゲルについては、複数回の使用にも十分に耐えうるものである。すなわち、家具転倒防止具11の設置時における家具12の底面16との粘着および家具12の移動時等における家具12の底面16からの引き剥がしを複数回繰り返して実施することができる。この点において、両面テープといった1回限りの使用に限定される粘着テープとは異なるものである。また、粘着部15に対して汚れが付着した場合でも、例えば粘着部15を水洗することにより汚れを取り除くことも可能である。
【0033】
第1の粘着部41aには、厚さ方向に凹み、第1の方向に沿って延びる溝部42aが形成されている。具体的には、第1の粘着部41aは、溝部42aを規定する第1側壁部43aおよび第2側壁部44aと、底壁部45aと、を含む。第1の粘着部41aは、第1の方向から見て、U字状である。第1側壁部43aおよび第2側壁部44aは、第2の面24bから立ち上がる方向に延びている。底壁部45aは、第2の面24bに沿って配置されている。第1側壁部43a、第2側壁部44aおよび底壁部45aはそれぞれ、第1の方向に沿って延びる形状である。すなわち、第1の粘着部41aは、第1の方向に沿って延びる第1側壁部43aと、第1の方向に沿って延び、第1側壁部43aと第2の方向に間隔をあけて配置される第2側壁部44aと、第2の面24bに沿って配置され第1側壁部43aおよび第2側壁部44aを接続する底壁部45aと、を含む。なお、第2の粘着部41bも同様に、厚さ方向に凹み、第1の方向に沿って延びる溝部42bが形成されている。第2の粘着部41bは、溝部42bを規定する第1側壁部43bおよび第2側壁部44bと、底壁部45bと、を含む。第2の粘着部41bについても、第1の方向から見て、U字状である。すなわち、第2の粘着部41bは、第1の方向に沿って延びる第1側壁部43bと、第1の方向に沿って延び、第1側壁部43bと第2の方向に間隔をあけて配置される第2側壁部44bと、第2の面24bに沿って配置され第1側壁部43bおよび第2側壁部44bを接続する底壁部45bと、を含む。
【0034】
図10中に示す第1の粘着部41aの厚さL
4は、0.5mm以上2.0mm以下である。本実施形態においては、第1の粘着部41aの厚さL
4としては、例えば1.0mmが選択される。また、
図10中に示す底壁部45aの厚さL
5は、0.3mm以上0.5mm以下である。本実施形態においては、底壁部45aの厚さL
5としては、例えば0.4mmが選択される。すなわち、溝部42aの深さは、0.6mmである。溝部42aの第2の方向の幅としては、例えば、1.0mmが選択される。第1側壁部43aおよび第2側壁部44aの第2の方向の幅としては、例えば、それぞれ2.0mmが選択される。第2の粘着部41bについても、同様の寸法が採用される。また、第1の粘着部41aの第2の方向の幅と、第1の粘着部41aと第2の粘着部41bの第2の方向の幅と、第1の粘着部41aおよび第2の粘着部41bの第2の方向の間隔は、例えば、それぞれ5mmとして、同じとすることができる。
【0035】
粘着部15の色、すなわち、第1の粘着部41aの色および第2の粘着部41bの色と、ベース部14の色と、は異なる。本実施形態においては、ベース部14の色は、例えば、半透明の白色である。一方、第1の粘着部41aの色および第2の粘着部41bの色は、半透明の青色である。このような構成によれば、ベース部14の第2の面24b上において、第1の粘着部41aおよび第2の粘着部41bの位置を容易に把握することができる。
【0036】
ベース部14と粘着部15、すなわち、第1の粘着部41aおよび第2の粘着部41bとは、押出成形で一体化されている。この場合、いわゆる2色成形で成形される。すなわち、ベース部14と第1の粘着部41aおよび第2の粘着部41bとのそれぞれの間には、別途接着剤が配置されていない。このようにすることにより、ベース部14と第1の粘着部41aおよび第2の粘着部41bのそれぞれとをより確実に結着させて、ベース部14に第1の粘着部41aおよび第2の粘着部41bのそれぞれを強固に取り付けることができる。そうすると、ベース部14から第1の粘着部41aおよび第2の粘着部41bのそれぞれが離脱するおそれを大きく低減することができると共に、ベース部14と第1の粘着部41aおよび第2の粘着部41bのそれぞれによる振動の吸収をより効率的に行うことができる。
【0037】
ここで、このような家具転倒防止具11は、以下のようにして家具12と床面13との間に設置される。家具12の幅方向を第1の方向として、まず、部屋の壁に沿って配置される家具12の前面17を後傾となるように傾ける。そうすると、床面13と家具12の底面16との間に隙間ができる。この隙間に、突出部27が前になるように家具転倒防止具11を設置する。この時、床面13と第1の面24aとが接触するように配置される。また、家具12の後傾状態を解除した後に、家具12の底面16が第1の粘着部41aおよび第2の粘着部41b上に位置するように家具転倒防止具11の位置を調整して設置する。その後、
図11に示すように家具12が若干後傾となった状態で設置される。ここで、第1の粘着部41aおよび第2の粘着部41bは、家具12の自重により押しつぶされた状態となって設置される。この場合、突出部27に近い第2の粘着部41bの方が大きく押しつぶされることになる。また、この場合、突出部27の後面28bと家具12の前面17とが接触するように設置するとよい。
【0038】
なお、家具12が幅方向、この場合は第1の方向(X方向)に長い場合には、複数の家具転倒防止具11を準備し、隣り合う端面21a,21b同士を対向するようにして、家具転倒防止具11を第1の方向に並べて配置する。この場合、隣り合う端面21a,21b同士を接触させるようにして配置してもよい。そして、家具12を後傾の状態とした後、家具12と床面13との間に複数の家具転倒防止具11を配置して家具12の後傾状態を解除し、複数の家具転倒防止具11を家具12と床面13との間に設置することにしてもよい。
【0039】
このような構成の家具転倒防止具11によると、上記した構成のベース部14を含むため、家具12を後傾の状態として家具12と床面13との間に家具転倒防止具11を設置することができ、振動時において前面17側に家具12が倒れるおそれを大きく低減することができる。ここで、第2の面24b上に配置され、粘着ゲルから構成される第1の粘着部41aおよび第2の粘着部41bを含むため、家具12の底面16と第1の粘着部41aおよび第2の粘着部41bとの密着度合いを高くすることができる。第1の粘着部41aおよび第2の粘着部41bにおいては、家具12の自重により押しつぶされるように変形し、第1の粘着部41aおよび第2の粘着部41bのそれぞれと家具12との接触面積が大きくなる。したがって、振動時において、家具転倒防止具11の位置ずれを抑制することができる。さらに、第1の粘着部41aおよび第2の粘着部41bはそれぞれ、ある程度のクッション性を有するため、振動を吸収することができ、制振性能の向上を図ることができる。以上より、このような家具転倒防止具11によると、振動時における確実な家具の転倒の防止を実現することができる。
【0040】
本実施形態においては、ベース部14の外形形状は、厚さ方向に見て、第1の方向の長さが第1の方向に直交する第2の方向の長さよりも長い形状を有する。そして、第1の粘着部41aおよび第2の粘着部41bは、第1の方向に沿って延びる帯状である。よって、第1の方向を家具12の幅方向として設置することにより、帯状に延びる第1の粘着部41aおよび第2の粘着部41bと家具12の底面16とを幅広く接触させることができる。したがって、より家具12の転倒を防止する機能を発揮することができる。
【0041】
本実施形態においては、ベース部の外形形状は、厚さ方向に見て、長方形である。よって、比較的容易に製造することができると共に、家具12の幅が長い場合に複数の家具転倒防止具11を準備して、幅方向に隙間なく並べて設置することが容易となる。したがって、さらに家具の転倒を防止する機能を発揮することができる。
【0042】
本実施形態においては、粘着部15は、それぞれ間隔をあけて複数設けられている。具体的には、粘着部15は、第1の粘着部41aおよび第2の粘着部41bを含む。よって、第1の粘着部41aおよび第2の粘着部41bを、家具12の底面16と接触する領域に効率的に配置することができる。したがって、より効率的に家具12の転倒を防止することができる。
【0043】
本実施形態においては、第1の粘着部41aおよび第2の粘着部41bにはそれぞれ、厚さ方向に凹み、第1の方向に沿って延びる溝部42a,42bが形成されている。具体的には、第1の粘着部41aおよび第2の粘着部41bはそれぞれ、第1の方向に沿って延びる第1側壁部43a,43bと、第1の方向に沿って延び、第1側壁部43a,43bとそれぞれ第2の方向に間隔をあけて配置される第2側壁部44a,44bと、第2の面24b、具体的には、第2の面24bの第1領域25aに沿って配置され第1側壁部43a,43bおよび第2側壁部44a,44bをそれぞれ接続する底壁部45a,45bと、を含む。溝部42aは、第1側壁部43a、第2側壁部44aおよび底壁部45aによって規定される。溝部42bは、第1側壁部43b、第2側壁部44bおよび底壁部45bによって規定される。よって、家具12を家具転倒防止具11上に配置した際に、第1側壁部43a,43bおよび第2側壁部44a,44bがそれぞれ溝部42a,42b側に変形しやすくなり、家具12の底面16と第1の粘着部41aおよび第2の粘着部41bとのそれぞれの接触面積をより効率的に広くすることができると共に、家具12の底面16と第1の粘着部41aおよび第2の粘着部41bのそれぞれとの密着度合いをより高めることができる。したがって、より確実に家具12の転倒を防止することができる。
【0044】
本実施形態においては、第2の面24bは、平面である第1領域25aと、複数の段差31a,31b,31c,31dが形成されている第2領域25bと、を含む。第2領域25bの厚さは、第1領域25aの厚さよりも薄い。第1の粘着部41aおよび第2の粘着部41bはそれぞれ、第1領域25aに配置されている。よって、第1の粘着部41aおよび第2の粘着部41bのそれぞれをベース部14の第2の面24bに容易にかつ確実に取り付けることができる。また、家具12の底面16が第1の粘着部41aおよび第2の粘着部41bのそれぞれからずれた位置となった場合でも、複数の段差31a,31b,31c,31dが形成されている第2領域25bにおいて家具12の底面16と接触させることができる。したがって、より確実に家具12の転倒を防止することができる。
【0045】
本実施形態においては、ベース部14は、第2の面24bと隣り合って配置され、厚さ方向に突出する突出部27を含む。よって、振動時において、家具12の前面17が前側に倒れようとしても、家具12の前面17が突出部27に引っ掛かり、家具12が前面17側に倒れ込むおそれを大きく低減することができる。したがって、より確実に家具12の転倒を防止することができる。
【0046】
本実施形態においては、第1の粘着部41aの厚さL4および第2の粘着部41bの厚さL4は、0.5mm以上2.0mm以下である。したがって、家具転倒防止具11として求められるクッション性を維持しながら、振動を効率的に吸収することができる。
【0047】
本実施形態においては、第1の粘着部41aの色および第2の粘着部41bのそれぞれの色とベース部14の色とは、異なる。よって、家具転倒防止具11上に家具12を載置する際に、色の異なる第1の粘着部41aおよび第2の粘着部41bの位置を容易に視認することができ、第1の粘着部41aおよび第2の粘着部41bそれぞれの上に家具12を載置することが容易となる。したがって、家具転倒防止具11の適切な設置を容易にすることができる。
【0048】
本実施形態においては、第1の粘着部41aおよび第2の粘着部41bのそれぞれの材質は、スチレン系エラストマーである。ベース部14の材質は、EVA樹脂である。よtって、第1の粘着部41aおよび第2の粘着部41bのそれぞれによる家具12と家具転倒防止具11との接触状態をより確実に確保することができると共に、ベース部14と床面13とが振動時において適度に滑って、振動が続く場合における振動の加速に起因する家具12の転倒を抑制することができる。よって、さらに確実に家具12の転倒を防止することができる。
【0049】
(他の実施の形態)
なお、上記の実施の形態において、粘着部15は、複数設けられることとしたが、これに限らず、粘着部15は一つであってもよい。また、第1の粘着部41aおよび第2の粘着部41bはそれぞれ、第1の方向にそって帯状に延びる形状としたが、これに限らない。例えば、第1の粘着部41aおよび第2の粘着部41bは、それぞれ蛇行して第1の方向に延びていても良いし、第1の方向に間隔をあけて複数配置されていてもよい。すなわち、第1の粘着部41aにおいて、第1の方向に間隔をあけて複数配置されていてもよい。もちろん帯状に限られず、第2の面24bの第1領域25aにおいて、外形形状が丸円状や楕円状となるよう盛り上がるように形成されていてもよい。
【0050】
また、上記の実施の形態においては、第1の粘着部41aの色および第2の粘着部41bのそれぞれの色とベース部14の色とは、異なることにしたが、これに限らず、同じ色としてもよい。それぞれについてはもちろん、透明性を有しない色としてもよく、文字や記号、目印により、第1の粘着部41aおよび第2の粘着部41bの位置を示すようにしてもよい。また、端面21a,21bにおいて、第1の粘着部41aおよび第2の粘着部41bのそれぞれの位置を示す目印を記すことにしてもよい。
【0051】
なお、上記の実施の形態においては、溝部42a,42bはそれぞれ、第1側壁部43a,43b、第2側壁部44a,44bおよび底壁部45a,45bにより規定されることとしたが、これに限らず、いずれか一方の側壁部と底壁部とによって規定されることとしてもよい。すなわち、第2の方向から見てL字状であってもよい。
【0052】
また、上記の実施の形態において、粘着部15は、溝部を有さなくてもよい。粘着部15は、先端が尖るよう先端に向かって断面積が小さくなるよう構成されていてもよいし、第2の方向から見て曲面状に盛り上がる形状であってもよい。さらに、粘着部15は、第2の方向から見て、中実円筒状であってもよいし、外形形状が矩形状であってもよい。また、粘着部15内に空隙や空洞を設ける構成としてもよい。このようにすることにより、粘着部15を変形しやすくすることができる。変形のしやすさは、家具12の底面16の形状に沿って変形しやすいことにも繋がり、より接触面積を広くすることができる。
【0053】
なお、上記の実施の形態においては、ベース部の外形形状は、厚さ方向に見て長方形であったが、これに限らず、ベース部の外径形状は、他の形状、例えば、多角形状であったり、円弧を有する形状、円状や楕円状であってもよい。
【0054】
また、上記の実施の形態において、ベース部14が突出部27を含まなくともよい。すなわち、ベース部14において、第2の面24bの第1領域25aが第2の方向における端面と連なっていてもよい。
【0055】
また、上記の実施の形態において、第2の面24bの第2領域25bに形成された複数の段差は、なくてもよい。すなわち、第2の面24bは、1つの傾斜した平面から構成されていてもよい。
【0056】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本開示の家具転倒防止具は、より確実な家具の転倒の防止が求められる場合に、特に有利に適用され得る。
【符号の説明】
【0058】
11 家具転倒防止具、12 家具、13 床面、14 ベース部、15 粘着部、16 底面、17,28a 前面、21a,21b 端面、22a,22b,23a 端部、24a 第1の面、24b 第2の面、25a 第1領域、25b 第2領域、26 境界、27 突出部、28b 後面、31a,31b,31c,31d 段差、32a,32b,32c,32d,33a,33b,33c,33d 面、34a,34b,34c,34d 角部、41a 第1の粘着部、41b 第2の粘着部、42a,42b 溝部、43a,43b 第1側壁部、44a,44b 第2側壁部、45a,45b 底壁部