(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022018093
(43)【公開日】2022-01-26
(54)【発明の名称】医療用チューブのための留め具
(51)【国際特許分類】
A61M 25/02 20060101AFI20220119BHJP
【FI】
A61M25/02 502
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021113912
(22)【出願日】2021-07-09
(31)【優先権主張番号】63/051,475
(32)【優先日】2020-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/088,573
(32)【優先日】2020-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521304243
【氏名又は名称】エッヂウェイ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キャメロン エッズ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン エッズ
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA33
4C267BB19
4C267BB24
4C267BB31
4C267CC01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】医療用チューブのための改良された留め具を提供する。
【解決手段】医療用チューブ11を患者に固着するための留め具10は、アーチ形外部及び内部表面を有する蓋と、蓋とヒンジ動作可能な関係にあるベースと、ベースの第1の側面からベースの反対側の第2の側面までベースの長手方向軸に沿った長さで延びるアーチ形係合チャネル52と、蓋の長手方向軸に沿って蓋の内部表面から延びる一連の支持リブと、蓋の全長手方向長さに沿って蓋の内部表面から延びる係合ストリップとを有し、カテーテルと留め具位置との間での静脈チューブの動きを制限する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用チューブを患者に固着するための留め具であって、
長手方向軸に沿った長さで延びる蓋であって、アーチ形外部及び内部表面を有する蓋と、
前記蓋とヒンジ動作可能な関係にあるベースであって、第1の側面から、反対側の第2の側面まで長手方向軸に沿った長さで延び、且つ内部表面を有しているベースと、
前記ベースの前記第1の側面から前記ベースの前記反対側の第2の側面まで前記ベースの前記長手方向軸に沿った長さで延びるアーチ形係合チャネルであって、前記アーチ形係合チャネルは、それぞれが前記アーチ形係合チャネルの前記長さで延びる第1のチャネル側面及び反対側の第2のチャネル側面を有し、前記アーチ形係合チャネルは、前記医療用チューブを把持するように構成された一連の係合突出部をさらに有し、前記一連の係合突出部の各係合突出部は、前記アーチ形係合チャネルの前記第1のチャネル側面から前記第2のチャネル側面まで、前記係合チャネルから延びており、且つ前記アーチ形係合チャネルの前記長さに沿って分布されている、アーチ形係合チャネルと、
前記蓋の前記長手方向軸に沿って前記蓋の前記内部表面から延びる一連の支持リブと、
前記蓋の全長手方向長さに沿って前記蓋の前記内部表面から延びる係合ストリップであって、前記係合ストリップに沿って分布された多数の歯を有する、係合ストリップと
を有する留め具。
【請求項2】
前記蓋を前記ベースに固着するように構成されたクロージャをさらに有する、請求項1に記載の留め具。
【請求項3】
医療用チューブを患者に固着するための留め具であって、
長手方向軸に沿った長さで延びる蓋であって、内部表面を有する蓋と、
前記蓋とヒンジ動作可能な関係にあるベースであって、第1の側面から、反対側の第2の側面まで長手方向軸に沿った長さで延び、且つ内部表面を有しているベースと、
前記ベースの前記第1の側面から前記ベースの前記反対側の第2の側面まで前記ベースの前記長手方向軸に沿った長さで延びるアーチ形係合チャネルであって、前記アーチ形係合チャネルは、それぞれが前記アーチ形係合チャネルの前記長さで延びる第1のチャネル側面及び反対側の第2のチャネル側面を有し、前記アーチ形係合チャネルは、前記医療用チューブを把持するように構成された一連の係合突出部をさらに有し、前記一連の係合突出部の各係合突出部は、前記アーチ形係合チャネルの前記第1のチャネル側面から前記第2のチャネル側面まで、前記係合チャネルから延びており、且つ前記アーチ形係合チャネルの前記長さに沿って分布されている、アーチ形係合チャネルと、
前記蓋の全長手方向長さに沿って前記蓋の前記内部表面から延びる係合ストリップと、
前記蓋を前記ベースに固着するように構成されたクロージャと
を有する留め具。
【請求項4】
前記蓋の前記長手方向軸に沿って前記蓋の前記内部表面から延びる一連の支持リブをさらに有する、請求項3に記載の留め具。
【請求項5】
前記係合ストリップは、前記係合ストリップに沿って分布された多数の歯を有する、請求項3に記載の留め具。
【請求項6】
前記係合ストリップは、高摩擦ポリマー及び接着剤から成る群から選択される被覆をさらに有する、請求項3に記載の留め具。
【請求項7】
前記蓋を前記ベースに固着するように構成されたクロージャをさらに有する、請求項3に記載の留め具。
【請求項8】
医療用チューブを患者に固着するための留め具であって、
内部表面を有する第1の部品、及び反対側の内部表面を有する第2の部品を有するハウジングであって、長手方向軸に沿った長さで延びるハウジングと、
前記第2の部品の前記第1の側面から前記第2の部品の前記反対側の第2の側面まで前記第2の部品の前記内部表面上で前記ハウジングの前記長手方向軸に沿った長さで延びる係合チャネルであって、前記係合チャネルは、それぞれが前記係合チャネルの前記長さで延びる第1のチャネル側面及び反対側の第2のチャネル側面を有し、前記係合チャネルは、前記医療用チューブを把持するように構成された一連の係合突出部をさらに有し、前記一連の係合突出部の各係合突出部は、前記係合チャネルの前記第1のチャネル側面から前記第2のチャネル側面まで、前記係合チャネルから延びており、且つ前記係合チャネルの前記長さに沿って分布されている、係合チャネルと、
前記ハウジングの前記長手方向長さの一部分に沿って前記第1の部品の前記内部表面から延びる係合ストリップと
を有する留め具。
【請求項9】
前記第1の部品の前記長手方向軸に沿って前記第1の部品の前記内部表面から延びる一連の支持リブをさらに有する、請求項8に記載の留め具。
【請求項10】
前記係合ストリップは、前記係合ストリップに沿って分布された多数の歯を有する、請求項8に記載の留め具。
【請求項11】
前記係合ストリップは、高摩擦ポリマー及び接着剤から成る群から選択される被覆をさらに有する、請求項8に記載の留め具。
【請求項12】
前記第1の部品を前記第2の部品に固着するように構成されたクロージャをさらに有する、請求項8に記載の留め具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年7月14日に出願された米国特許出願第63/051,475号の優先権を主張するものであり且つその一部継続出願であり、また2020年10月7日に出願された米国特許出願第63/088,573号の優先権を主張するものであり且つその一部継続出願であり、それらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(連邦政府による資金提供を受けた研究開発に関する記載)
該当なし。
【0003】
本発明は一般に、医療用チューブのための留め具(ファスナ)を対象とする。より具体的には、提案される発明は、患者に固着された静脈チューブを保持して静脈チューブが患者から外れるのを防ぐためのクラムシェル・ファスナである。
【背景技術】
【0004】
経静脈(IV)治療は、患者の静脈又は動脈内に流体を直接投与することを伴い、また、液量及び電解質バランスを維持又は修復するため、薬物を注入するため、血液又は血液成分を輸血するため、或いは、疾病又は差し迫った外科手技が原因で食べること又は飲むことができない患者に栄養分を提供するカロリー溶液を投与するために、一般に使用される。IV治療は、個別の手技中の数時間から、数日間、数週間、又はそれ以上続くより長期間の状況にまで及ぶ期間にわたって施され得る。短期送達法は、単純な注射器での押込み(syringe push)から、普遍的な点滴バッグまで、又はより現代的なポンプまで、さまざまであり得る。
【0005】
IV治療は、複数の方法によって施されることが可能であり、また、挿入されるチューブ又はカテーテルが入る静脈のタイプによって分類される。全てのカテーテルにとって、それらが挿入されるのがどの静脈であろうとも、挿入されて所定の位置に留まることが重要である。しかし、一部のIV投与の方法では、腕、手、脚、及び足(患者にとって最も動かしやすい身体の領域)における静脈への末梢ラインと同様、故意でない抜け落ちのリスクはより高い。
【0006】
IVチューブ及びカテーテルを患者に固着する現在の方法は、テープ又はテザーを含み、患者の皮膚にテープが貼り付けられることを必要とする。そのような発明の実例は、2010年6月29日にBiermanに付与された米国特許第7744572号、2019年10月22日にGulliverらに付与された米国特許第10449122号、及び2009年12月22日にNavarroらに付与された米国特許第7635354号で教示されており、それらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0007】
これらの過去の教示は、目下の問題を解決するには不十分である。長期のIV治療を受ける患者は、高齢であるか、不健康である傾向がある。その結果、患者の皮膚はより薄く、IVが動かされたときに裂けやすい。IV治療患者は、元の静脈がカテーテルに耐えることができないほど弱ったときに、新たなカテーテルが設置されることをしばしば必要とする。結果として、テープ又は他の粘着性物質の使用を伴わずにIVチューブを患者にしっかりと留めるための解決法を有することが望まれている。
【0008】
IVチューブ及びカテーテルを患者に固着する他の方法は、取外し可能なマジックテープ(登録商標)・テザー(hook and loop tether)、又はチューブをテザーに固着しテザーを患者に固着する類似のストラップ・アタッチメントを含む。そのような発明の実例は、1997年9月9日にAshleyに付与された米国特許第5,664,581号、1989年7月11日にSafadagoに付与された米国特許第4846807号、2016年12月13日にRamosらに付与された米国特許第9518667号、1994年8月30日にClaywellに付与された米国特許第5342317号、1995年5月9日にSwaugerに付与された米国特許第5413562号、及び2020年1月23日にFischerのために公開されたU.S.Pub.No.20200023120で教示されており、それらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0009】
これらの過去の教示は、目下の問題を解決するには不十分である。IV治療を受ける患者は、依然として自由に動けることが多く、その結果、患者は、IVチューブ及びカテーテルが付けられている末梢部肢を動かす場合がある。従来技術によって教示されるテザーは、患者が最終的にその手足を動かしたときに患者の手足上の留め具位置を越えるIVチューブの運動にかかわらずIVカテーテルが所定の位置に留まるようにカテーテル端部と患者の身体上の位置との間でのIVチューブの運動を制限する、患者に対する留め具を教示しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第7744572号
【特許文献2】米国特許第10449122号
【特許文献3】米国特許第7635354号
【特許文献4】米国特許第5,664,581号
【特許文献5】米国特許第4846807号
【特許文献6】米国特許第9518667号
【特許文献7】米国特許第5342317号
【特許文献8】米国特許第5413562号
【特許文献9】U.S.Pub.No.20200023120
【特許文献10】米国特許第5676346号
【発明の概要】
【0011】
したがって、カテーテルと留め具位置との間でのIVチューブの動きを制限する、患者の身体に固着され得る留め具が、当技術分野で必要とされている。
【0012】
提案される発明は、患者に固着された静脈チューブを保持して静脈チューブが患者から外れるのを防ぐためのクラムシェル留め具である。
【0013】
本発明の目的はまた、静脈チューブを患者に固着してカテーテルが外れるのを防ぐデバイスを提供することである。
【0014】
本発明のさらなる目的は、テープの使用を伴わずに静脈チューブを患者に対してしっかりと保持するデバイスを提供することである。
【0015】
本発明のさらなる目的は、静脈チューブを固着するために患者の四肢上に設置され得る取外し可能なデバイスを提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】留め具が開いている、本発明の医療用チューブのための留め具の環境図(environmental view)である。
【
図2】留め具が閉じている、本発明の医療用チューブのための留め具の環境図である。
【
図3】本発明の医療用チューブのための留め具の上面斜視図である。
【
図4】本発明の医療用チューブのための留め具の底面斜視図である。
【
図5】本発明の医療用チューブのための留め具の左側面立面図である。
【
図6】本発明の医療用チューブのための留め具の右側面立面図である。
【
図7】本発明の医療用チューブのための留め具の上面平面図である。
【
図8】本発明の医療用チューブのための留め具の底面平面図である。
【
図9】本発明の医療用チューブのための留め具の背面立面図である。
【
図10】本発明の医療用チューブのための留め具の正面平面図である。
【
図11】本発明の医療用チューブのための留め具の第2の実施例の上面斜視図である。
【
図12】本発明の医療用チューブのための留め具の第2の実施例の左側面立面図である。
【
図13】本発明の医療用チューブのための留め具の第2の実施例の正面平面図である。
【
図14】本発明の医療用チューブのための留め具の第2の実施例の上面平面図である。
【
図15】本発明の医療用チューブのための留め具の第3の実施例の上面斜視図である。
【
図16】本発明の医療用チューブのための留め具の第3の実施例の底面斜視図である。
【
図17】本発明の医療用チューブのための留め具の第3の実施例の右側面立面図である。
【
図18】本発明の医療用チューブのための留め具の第3の実施例の左側面立面図である。
【
図19】本発明の医療用チューブのための留め具の第3の実施例の上面平面図である。
【
図20】本発明の医療用チューブのための留め具の第4の実施例の上面斜視図である。
【
図21】本発明の医療用チューブのための留め具の第4の実施例の底面斜視図である。
【
図22】本発明の医療用チューブのための留め具の第4の実施例の右側面立面図である。
【
図23】本発明の医療用チューブのための留め具の第4の実施例の左側面立面図である。
【
図24】本発明の医療用チューブのための留め具の第4の実施例の上面平面図である。
【
図25】本発明の医療用チューブのための留め具の第5の実施例の上面斜視図である。
【
図26】本発明の医療用チューブのための留め具の第5の実施例の左側面立面図である。
【
図27】本発明の医療用チューブのための留め具の第5の実施例の右側面立面図である。
【
図28】本発明の医療用チューブのための留め具の第5の実施例の上面平面図である。
【
図29】本発明の医療用チューブのための留め具の第6の実施例の係合部分の上面斜視図である。
【
図30】本発明の医療用チューブのための留め具の第6の実施例の係合部分の上面斜視図である。
【
図31】本発明の医療用チューブのための留め具の第6の実施例の係合部分の正面立面図である。
【
図32】本発明の医療用チューブのための留め具の第6の実施例の係合部分の上面平面図である。
【
図33】本発明の医療用チューブのための留め具の第6の実施例の係合部分の背面立面図である。
【
図34】本発明の医療用チューブのための留め具の第7の実施例の係合部分の上面斜視図である。
【
図35】本発明の医療用チューブのための留め具の第7の実施例の係合部分の上面斜視図である。
【
図36】本発明の医療用チューブのための留め具の第7の実施例の係合部分の上面平面図である。
【
図37】本発明の医療用チューブのための留め具の第7の実施例の係合部分の背面立面図である。
【
図38】本発明の医療用チューブのための留め具の第8の実施例の係合部分の上面斜視図である。
【
図39】本発明の医療用チューブのための留め具の第8の実施例の係合部分の背面立面図である。
【
図40】本発明の医療用チューブのための留め具の第8の実施例の係合部分の上面平面図である。
【
図41】本発明の医療用チューブのための留め具の第9の実施例の係合部分の上面斜視図である。
【
図42】本発明の医療用チューブのための留め具の第9の実施例の係合部分の背面立面図である。
【
図43】本発明の医療用チューブのための留め具の第9の実施例の係合部分の上面平面図である。
【
図44】本発明の医療用チューブのための留め具の第10の実施例の上面斜視図である。
【
図45】本発明の医療用チューブのための留め具の第10の実施例の底面斜視図である。
【
図46】本発明の医療用チューブのための留め具の第10の実施例の左側面立面図である。
【
図47】本発明の医療用チューブのための留め具の第10の実施例の右側面立面図である。
【
図48】本発明の医療用チューブのための留め具の第11の実施例の係合部分の上面斜視図である。
【
図49】本発明の医療用チューブのための留め具の第11の実施例の係合部分の上面斜視図である。
【
図50】本発明の医療用チューブのための留め具の第11の実施例の係合部分の右側面立面図である。
【
図51】本発明の医療用チューブのための留め具の第11の実施例の係合部分の左側面図である。
【
図52】本発明の医療用チューブのための留め具の第12の実施例のためのIV延長ブレスレットの上面斜視図である。
【
図53】本発明の医療用チューブのための留め具の第12の実施例のためのIV延長ブレスレットの底面斜視図である。
【
図54】本発明の医療用チューブのための留め具の第12の実施例のためのIV延長ブレスレットの左側面立面図である。
【
図55】本発明の医療用チューブのための留め具の第12の実施例のためのIV延長ブレスレットの右側面立面図である。
【
図56】本発明の医療用チューブのための留め具の第12の実施例のためのIV延長ブレスレットの正面平面図である。
【
図57】本発明の医療用チューブのための留め具の第12の実施例のためのIV延長ブレスレットの背面平面図である。
【
図58】本発明の医療用チューブのための留め具の第13の実施例のための離脱デバイスを含むIV延長ブレスレットの上面斜視図である。
【
図59】本発明の医療用チューブのための留め具の第14の実施例のための二重ルアー・ブレスレットの上面斜視図である。
【
図60】本発明の医療用チューブのための留め具の第14の実施例のための二重ルアー・ブレスレットの底面斜視図である。
【
図61】対向する側がその鏡像である、本発明の医療用チューブのための留め具の第14の実施例のための二重ルアー・ブレスレットの正面平面図である。
【
図62】対向する側がその鏡像である、本発明の医療用チューブのための留め具の第14の実施例のための二重ルアー・ブレスレットの側面立面図である。
【
図63】本発明の医療用チューブのための留め具の第14の実施例のための二重ルアー・ブレスレットの上面平面図である。
【
図64】本発明の医療用チューブのための留め具の第15の実施例のための可撓性クリップ・ブレスレットの上面斜視図である。
【
図65】本発明の医療用チューブのための留め具の第15の実施例のための可撓性クリップ・ブレスレットの底面斜視図である。
【
図66】本発明の医療用チューブのための留め具の第15の実施例のための可撓性クリップ・ブレスレットの上面平面図である。
【
図67】対向する側が鏡像である、本発明の医療用チューブのための留め具の第15の実施例のための可撓性クリップ・ブレスレットの側面立面図である。
【
図68】本発明の医療用チューブのための留め具の第15の実施例のための可撓性クリップ・ブレスレットの正面立面図である。
【
図69】本発明の医療用チューブのための留め具の第15の実施例のための可撓性クリップ・ブレスレットの背面立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
概して言えば、本発明は、医療用チューブのための留め具を対象とする。より具体的には、提案される発明は、患者に固着された静脈チューブを保留して静脈チューブが患者から抜け落ちるのを防ぐためのクラムシェル留め具である。
【0018】
本明細書において使用される留め具という用語は、ある物品を別の物品に固着することができる任意の物体、機構、手段、又は技法を意味する。
【0019】
本明細書において、「マジックテープ(登録商標)式留め具(hook and loop type fastener)」という用語は、「フック」構成要素(以下、「係合構成要素」とも呼ばれる)と相補的なループ構成要素(以下、「ランディング構成要素」とも呼ばれる)とを有する留め手段を意味する。「フック」という用語は、係合要素を有する材料を示すために使用される。したがって、フック留め材料は、雄留め具と呼ばれる場合もある。また、「フック」という用語の使用は、相補的なランディング構成要素に係合するように係合要素が適合されている限り係合要素は当技術分野で知られている任意の形状を有し得るという意味で非限定的であるべきことが、理解されるべきである。
【0020】
患者という用語は、健康管理サービスの受け手を包含するが、これに限定されない。
【0021】
図1~10は、医療用チューブのための留め具の第1の実施例を示す。
図1及び
図2はどちらも、マジックテープ(登録商標)・ストリップ(hook and loop strip)又は他の取付け手段13により患者の腕に固着された医療用チューブのための留め具10を示し、また、医療用チューブ11が、患者の腕内のカテーテルから留め具10を通って延びている。
図1に示されるように、医療用チューブ11は、係合チャネル52内に固着され、また、
図2に示されるように、留め具10は、医療用チューブ又は静脈内チューブを留め具10内に封入してチューブの運動を制限するために、第2の部品又はベース部品14とヒンジ動作可能な(hingeable)関係で第1の部品又は蓋部品12を有しているクラムシェル・ハウジング構造を有する。
【0022】
図3は、本発明の医療用チューブのための留め具の上面斜視図である。第1の部品12と第2の部品14との間のヒンジ動作可能な関係は、第1の部品12及び第2の部品14に固着されたヒンジ16によって作り出される。留め具10は、金属及びプラスチックを含む、留め具に適した様々な材料で構成され得る。第1の部品及び第2の部品は、以下でより詳細に、またそれらのそれぞれの構成要素について論じられる。
【0023】
図1~10に示された第1の実施例に示されるように、第1の部品12は、アーチ形の外面18と、第1の部品12の長手方向軸に沿って延在し且つ留め具が閉じられたときに留め具10内に封入される内部区画20と、後側面22と、前側面24と、左右の側面26、28と、を有する。ロック突出部32を有するクロージャ30が、第1の部品12の前側面24に固着され、且つ、第2の部品14上の対応するインレット(受け口)34に接続及び固着されて第1の部品を留め具10の前面24に沿って第2の部品に固着するように構成される。
【0024】
一連の支持リブ70が、アーチ形の外面18を支持するために、また、ベース14と係合されたときの蓋12の外側への加圧を防ぐために、内部表面21上で左側面26から右側面28まで第1の部品12の長手方向軸に沿って内部表面21から外方に延在する。内部区画20は、表面21の中央に配置され且つ留め具10の左26から右側面28まで留め具の長手方向軸に平行に延びる、係合ストリップ36を含む。係合ストリップ36は、留め具内に設置された静脈チューブを把握するが穴を開けないように構成された多数の小さな歯38で構成される。多数の歯28は、係合ストリップ36に沿って分布され、連続する2つの歯の間の距離は、分布にわたって一定である。
【0025】
第2の部品14は、外面40と、留め具が閉じられたときに留め具10内に封入され、且つ、ベース14の長手方向軸に沿って延在する内部表面42と、後側面44と、前側面46と、左右の側面48、50とを有する。第1の部品12のクロージャ・フラップ30ロック突出部32は、第2の部品14の前側面46上の対応するインレット34に接続及び固着して第1の部品を留め具10の前面46に沿って第2の部品に固着するように構成される。
【0026】
第2の部品14の内部42は、面の中央に配置され且つ留め具10部品14の左48から右側面50まで留め具の長手方向軸に平行に延びる、係合チャネル52を含む。部品の各側面48、50は、静脈チューブの保留を可能にするために、対応するチャネル開口53を有する。係合チャネル52は、留め具内に設置された静脈チューブをチャネル52内に保留するように構成される。チャネル52は、チャネル52の長さに延在する2つの対向するチャネル側面55、57を有する。チャネル52は、チューブをチャネル52に沿って移動させないために、チャネル内に保留された静脈チューブを把握するが穴を開けない又は締め付けないように構成された、留め具10の長手方向軸に垂直な一連の係合突出部54を含む。係合突出部54は、係合チャネルに沿って分布され、連続する2つの突出部の間の距離は、分布にわたって一定である。
【0027】
示されるように、第1の部品が第2の部品14の上にヒンジ動作可能に閉じられたときに、係合ストリップ36は、係合チャネル52の上方に平行に位置決めされる。このようにして、留め具10内に設置された静脈チューブが、係合ストリップ36及び多数の歯38により第1の部品に沿って係合されて、係合チャネル52内に保留され、且つ、係合突出部54によって所定の位置に保持される。
【0028】
図4は、本発明の医療用チューブのための留め具の底面斜視図である。示されるように、第2の部品14の外面40は、留め具をヒトの手足に固着するために、留め具10用の取付け手段13のための取付けポート56、58を含む。マジックテープ(登録商標)・ストリップ又は他の結束ストリップ13が取付けポート56、58に固着され得ることが、想定されている。
【0029】
図5及び
図6は、医療用チューブのための留め具10の左右の側面を詳細に示す。示されるように、第1の部品12の係合ストリップは、留め具10の左面及び右面の両方まで延在し、且つ、係合チャネル52に平行に係合チャネル52の上方に位置決めされる。左右の側から、係合チャネル52のアーチ形の断面が見られる。係合チャネル52は、留め具10の左面から右面まで延在し、且つ、チャネル面60を有する。係合突出部54は、留め具10の左右の側から見たときに、チャネル面60から上方に延在する。係合チャネル52内のIVチューブを係合させる他の方法が係合突出部54に加えて又は係合突出部54の代わりに使用され得ることが、想定されている。これらの代替案には、係合チャネル54の小規模の模様付け、又は、係合チャネル54内での非粘着性高摩擦材料の埋込みが含まれる。
【0030】
図7は、医療用チューブのための留め具の上面平面図である。上から示されているように、係合突出部54の厚さは、チャネル52内に見られる。各係合突出部54は、円形の断面66を有し、また、チャネル内に、上部エッジ62と、突出部の両側で上部エッジ62からチャネル面60まで延在するアーチ形の側面64とを有する。
【0031】
第2の実施例が
図11~14に提示されており、第1の部品12は、外面18と、留め具が閉じられたときに留め具110内に封入される内面20と、後側面22と、前側面と、左右の側面26、28とを有する、実質的に平面状の部品である。ロック突出部32を有するクロージャ・フラップ30が、第2の部品14の前側面24に固着され、且つ、第1の部品12上の対応するインレット34に接続及び固着して第1の部品を留め具110の前面24に沿って第2の部品に固着するように構成される。第2の部品14は、外面40と、留め具が閉じられたときに留め具110内に封入される内面42と、後側面44と、前側面46と、左右の側面48、50とを有する、実質的に平行6面体形状の部品である。
【0032】
第2の部品14の内面42は、面の中央に配置され且つ留め具110部品14の左48から右側面50まで留め具の長手方向軸に平行に延びる、係合チャネル80を含む。係合チャネル80は、留め具内に設置された静脈チューブをチャネル80内に保留するように構成される。チャネル80は、チューブをチャネル80に沿って移動させないために、チャネル内に保留された静脈チューブを把握するが穴を開けない又は締め付けないように構成された、留め具10の長手方向軸に垂直な一連の係合突出部54を含む。係合突出部54は、係合チャネルに沿って分布され、連続する2つの突出部の間の距離は、分布にわたって一定である。
【0033】
第1の部品14の内部区画20は、面の中央に配置され且つ留め具110の左26から右側面28まで留め具の長手方向軸に平行に延びる、係合ストリップ86を含む。示されるように、第1の部品が第2の部品14の上にヒンジ動作可能に閉じられたときに、係合ストリップ86は、係合チャネル80の上方に平行に位置決めされる。このようにして、留め具110内に設置された静脈チューブが、係合チャネル80内で係合され且つ付勢される。係合ストリップ86は、滑らかであり、また、高摩擦ポリマー又は粘着性物質で被覆され得る。
【0034】
図15~19は、医療用チューブのための留め具210の第3の実施例を示す。
図15は、係合チャネル内にゲル201の層を有する医療用チューブのための留め具210を示す上面平面図である。この実施例では、ゲル201は、変形可能な粘着性又は非粘着性のポリウレタン又はシリコーンである。或いは、ゲル201は、メモリ・フォーム、スポンジ、又は同様の柔軟で可逆的に圧縮可能な任意の他の材料に置き換えられてもよい。場合により、非粘着性シリコン・ゴムなどの高摩擦ポリマーの薄層204が、ゲル層201を覆う。高摩擦ポリマー層204とゲル層201の組合せは、チャネル240がそれ自体を様々なチューブ直径にぴったり合わせることを可能にする、変形可能なクッションを形成する。或いは、粘着性のゲル層201は、覆うポリマー層204を伴わずに用いられ得る。これは、チャネル240内に設置されたIVチューブにゲル層201が粘着することを可能にする。第1及び第2の実施例と同様に、留め具210は、第1の部品12を含み、第1の部品12は、外面18と、留め具が閉じられたときに留め具210内に封入される内面20と、後側面22と、前側面24と、左右の側面26、28とを有する、実質的に平面状の部品である。ロック突出部32を有するクロージャ・フラップ30が、第1の部品12の前側面24に固着され、且つ、第2の部品14上の対応するインレット34に接続及び固着して第1の部品を留め具210の前面24に沿って第2の部品に固着するように構成される。
【0035】
第1の部品12の内面20は、面の中央に配置され且つ留め具110の左26から右側面28まで留め具の長手方向軸に平行に延びる、係合チャネル240を含む。係合チャネル240は、留め具内に設置された静脈チューブを保留するのに十分な幅のものであり、且つ、ゲル層201及び高摩擦層204クッションを有する係合面84をチャネル240に有する。クッション205は、係合チャネル240に沿って分布される。
【0036】
第2の部品14は、外面40と、留め具が閉じられたときに留め具210内に封入される内面42と、後側面44と、前側面46と、左右の側面48、50とを有する、実質的に平面状の部品である。第1の部品12のクロージャ・フラップ30ロック突出部32は、第2の部品14の前側面46上の対応するインレット34に接続及び固着して第1の部品を留め具210の前面46に沿って第2の部品に固着するように構成される。
【0037】
第2の部品14の内面42は、面の中央に配置され且つ留め具210部品14の左48から右側面50まで留め具の長手方向軸に平行に延びる、係合チャネル240を含む。係合チャネル240は、留め具内に設置された静脈チューブをチャネル52内に保留するように構成される。係合チャネル240は、留め具内に設置された静脈チューブを保留するのに十分な幅のものであり、且つ、ゲル層201及び高摩擦層204クッション205を有する係合面78を有する。クッション205は、係合チャネルに沿って分布される。
【0038】
示されるように、第1の部品が第2の部品14の上にヒンジ動作可能に閉じられたときに、第1の係合チャネル240は、第2の係合チャネル240の上方に平行に位置決めされる。このようにして、留め具210内に設置された静脈チューブが、第1及び第2の係合チャネル240内で係合されて、チャネル240の長さに沿って延在するゲル層201及び高摩擦層204クッション240によって所定の位置に保持される。
【0039】
本明細書において論じられる全ての実施例に対する第1の部品と第2の部品との間のヒンジ動作可能な関係は、スナップ構成、摺動構成、ピボット構成、ピン構成、ねじ、バックル、ラッチ、若しくはボルトを使用する固定構成、タイド構成、又は第1及び第2の部品を固定する任意の他の弾性手段を有する部品などの他のロック配置の代わりになり得ることが、想定されている。
【0040】
図20~24は、医療用チューブのための留め具310の第4の実施例を示す。
図20は、係合チャネル内にIVチューブ把握チャネル301を有する医療用チューブのための留め具310を示す上面斜視図である。この実施例では、IVチューブ把握チャネル301は、留め具301内での設置に先立って留め具310の外側でIVに付着され得るプラスチック、ゴム、等のクラムシェルチューブの内側の粘着剤で構成される。IVチューブ把握チャネル301は、チャネル301がそれ自体を様々なチューブ直径にぴったり合わせることを可能にする、ゲル粘着剤などの変形可能な材料を含む。次いで、チャネル301は、留め具半体にある2つの半円筒形の空洞340において、留め具内に設置される。他の実施例と同様に、留め具310は第1の部品12を含み、第1の部品12は、外面18と、留め具が閉じられたときに留め具310内に封入される内面20と、後側面22と、前側面24と、左右の側面26、28とを有する、実質的に平面状の部品である。ロック突出部32を有するクロージャ・フラップ30が、第1の部品12の前側面24に固着され、且つ、第2の部品14上の対応するインレット34に接続及び固着して第1の部品を留め具310の前面24に沿って第2の部品に固着するように構成される。
【0041】
第1の部品12の内面20は、面の中央に配置され且つ留め具110の左26から右側面28まで留め具の長手方向軸に平行に延びる、係合チャネル340を含む。係合チャネル340は、留め具310内に設置されたIVチューブ把握チャネル301を保留するのに十分な幅のものである。
【0042】
第2の部品14は、外面40と、留め具が閉じられたときに留め具310内に封入される内面42と、後側面44と、前側面46と、左右の側面48、50とを有する、実質的に平面状の部品である。第1の部品12のクロージャ・フラップ30ロック突出部32は、第2の部品14の前側面46上の対応するインレット34に接続及び固着して第1の部品を留め具310の前面46に沿って第2の部品に固着するように構成される。
【0043】
第2の部品14の内面42は、面の中央に配置され且つ留め具310部品14の左48から右側面50まで留め具の長手方向軸に平行に延びる、係合チャネル340を含む。係合チャネル240は、IVチューブ把握チャネル301をチャネル52内に保留するように構成される。
【0044】
図25~28は、医療用チューブのための留め具410の第5の実施例を示す。
図25は、係合チャネル440内にアーチばねクリップ402の連なり401を有する医療用チューブのための留め具410を示す上面斜視図である。この実施例では、係合チャネル440内のIVチューブは、一連のクリップ402によって把握され、一連のクリップ402は、IVチューブに接触する側上の高摩擦ポリマーの層、又は、チューブに接触するための歯若しくはテクスチャの層を含み得る。他の実施例と同様に、留め具410は第1の部品12を含み、第1の部品12は、外面18と、留め具が閉じられたときに留め具410内に封入される内面20と、後側面22と、前側面24と、左右の側面26、28とを有する、実質的に平面状の部品である。ロック突出部32を有するクロージャ・フラップ30が、第1の部品12の前側面24に固着され、且つ、第2の部品14上の対応するインレット34に接続及び固着して第1の部品を留め具410の前面24に沿って第2の部品に固着するように構成される。
【0045】
第1の部品12の内面20は、面の中央に配置され且つ留め具410の左26から右側面28まで留め具の長手方向軸に平行に延びる、係合チャネル440を含む。係合チャネル440は、留め具410内に設置されたアーチばねクリップ402の連なり401を保留するのに十分な幅のものである。
【0046】
第2の部品14は、外面40と、留め具が閉じられたときに留め具410内に封入される内面42と、後側面44と、前側面46と、左右の側面48、50とを有する、実質的に平面状の部品である。第1の部品12のクロージャ・フラップ30ロック突出部32は、第2の部品14の前側面46上の対応するインレット34に接続及び固着して第1の部品を留め具410の前面46に沿って第2の部品に固着するように構成される。
【0047】
第2の部品14の内面42は、面の中央に配置され且つ留め具410部品14の左48から右側面50まで留め具の長手方向軸に平行に延びる、係合チャネル440を含む。係合チャネル240は、アーチばねクリップ402の連なり401をチャネル52内に保留するように構成される。
【0048】
図29~33は、外部留め具を含まない、医療用チューブのための留め具510の第6の実施例のための機構を示す。この実施例では、カム把握機構510は、留め具半体にある2つの空洞において留め具内に設置される。他の実施例と同様に、留め具は第1の部品を含み、第1の部品は、外面と、留め具が閉じられたときに留め具内に封入される内面と、後側面と、前側面と、左右の側面とを有する、実質的に平面状の部品である。
【0049】
第1の部品及び第2の部品の内面は、カム機構510を留め具内に保留するのに十分な幅の係合チャネル540を含む。カム機構は、
図29~32に示されるように、把握歯502と係合チャネル540の壁503との間にIVチューブを保留するのに十分な、係合チャネル503の側面に近接した一連の把握歯502を有する。一連の把握歯502は、対向する係合チャネル壁505から一連の把握歯502の裏まで延在する少なくとも1つのアーム506により、係合チャネル壁503に対して付勢される。
【0050】
図34~37は、医療用チューブのための留め具610の第7の実施例のための機構を示す。この実施例では、カム把握機構610は、留め具半体にある2つの空洞において留め具内に設置される。他の実施例と同様に、留め具は第1の部品を含み、第1の部品は、外面と、留め具が閉じられたときに留め具内に封入される内面と、後側面と、前側面と、左右の側面とを有する、実質的に平面状の部品である。
【0051】
第1の部品及び第2の部品の内面は、カム機構610を留め具内に保留するのに十分な幅の係合チャネル640を含む。カム機構は、
図34~36に示されるように、把握歯602と係合チャネル640の壁603との間にIVチューブを保留するのに十分な、係合チャネル603の側面に近接した第1の一連の把握歯602と、係合チャネル603の側面に沿った第2の一連の把握歯607とを有する。一連の把握歯602は、対向する係合チャネル壁605から一連の把握歯602の裏まで延在する少なくとも1つのアーム608と、対向する係合チャネル壁605に対して付勢される回転カム部品606とにより、係合チャネル壁603に対して付勢される。
【0052】
図38~40は、医療用チューブのための留め具710の第8の実施例のための機構を示す。この実施例では、カム把握機構710は、留め具半体にある2つの空洞において留め具内に設置される。他の実施例と同様に、留め具は第1の部品を含み、第1の部品は、外面と、留め具が閉じられたときに留め具内に封入される内面と、後側面と、前側面と、左右の側面とを有する、実質的に平面状の部品である。
【0053】
第1の部品及び第2の部品の内面は、カム機構710を留め具内に保留するのに十分な幅の係合チャネル740を含む。カム機構は、
図38~40に示されるように、第1のカム把握歯702と第2のカム把握歯703との間にIVチューブを保留するのに十分な、第1のカム705上にあり且つ係合チャネル703の側面に近接した第1の一連の把握歯702と、係合チャネル703の側面に沿った第2の対向するカム706上の第2の一連の把握歯704とを有する。一連の把握歯702、704のそれぞれは、対向する係合チャネル壁から延在する少なくとも1つのアーム708、709と、対向する係合チャネル壁に対して付勢される回転カム部品705、706とにより、係合チャネル703に向かって付勢される。
【0054】
図41~43は、医療用チューブのための留め具810の第9の実施例のための機構を示す。この実施例では、カム把握機構810は、留め具半体にある2つの空洞において留め具内に設置される。他の実施例におけるように、留め具は第1の部品を含み、第1の部品は、外面と、留め具が閉じられたときに留め具内に封入される内面と、後側面と、前側面と、左右の側面とを有する、実質的に平面状の部品である。
【0055】
第1の部品及び第2の部品の内面は、カム機構810を留め具内に保留するのに十分な幅の係合チャネル840を含む。カム機構は、
図41~43に示されるように、一連の把握歯802を含む第1のカム801と、一連の把握歯804を含む第2のカム803とを有し、両カム801、803は、係合チャネル840の同じ側に近接し、カム機構はまた、第1及び第2のカム把握歯802、804と歯車把握歯808との間にIVチューブを保留するのに十分な、係合チャネル840の対向する側に沿った一連の把握歯808をそれぞれが含む第1のコグ806と第2のコグ807とを有する。一連のカム把握歯802、804のそれぞれは、対向する係合チャネル壁から延在する少なくとも1つのアーム811、812と、対向する係合チャネル壁に対して付勢される回転カム部品とにより、係合チャネル809に向かって付勢される。
【0056】
図44~47は、医療用チューブのための留め具910の第10の実施例を示す。他の実施例と同様に、留め具は第1の部品を含み、第1の部品は、外面と、留め具が閉じられたときに留め具内に封入される内面と、後側面と、前側面と、左右の側面とを有する、実質的に平面状の部品である。示されるように、留め具910は、可撓性クリップ901を含み、可撓性クリップ901は、クリップの一方の端部においてバックル902を介して留め具910にバックル留めすることによりIVチューブの周りに固着するように構成される。好ましい実施例では、クリップ901は、薄板プラスチック、ゲル、及び高摩擦ポリマーで作られる。他の材料が適切であり、実施例の範囲に含まれる。可撓性クリップは、知られている様々なラッチ機構のうちの任意のもの、例えばクリップ、リガー・ベルト上のバックル、ジップ・タイ・ストラップ、及びマジックテープ(登録商標)・ケーブル・タイ・ストラップを使用してもよい。優先的には、可撓性クリップは、その把握作用を支援するために、高摩擦又は粘着性の材料を組み込み得る。或いは、IVチューブをブレスレット板に係留するために、一体的な粘着性バンド/テープがIVチューブに巻き付けられてもよい。
【0057】
図48~51は、医療用チューブのための留め具1010の第11の実施例を示す。
図48は、係合チャネル1040のそれぞれの中にアーチばね1002を有する医療用チューブのための留め具1010を示す上面斜視図である。この実施例では、係合チャネル1040内のIVチューブは、アーチばね1002によって把握され、アーチばね1002は、IVチューブに接触する側上の高摩擦ポリマーの層、又は、チューブに接触するための歯若しくはテクスチャの層を含み得る。他の実施例と同様に、留め具1010は第1の部品12を含み、第1の部品12は、外面18と、留め具が閉じられたときに留め具1010内に封入される内面20と、後側面22と、前側面24と、左右の側面26、28とを有する、実質的に平面状の部品である。ロック突出部32を有するクロージャ・フラップ30が、第1の部品12の前側面24に固着され、且つ、第2の部品14上の対応するインレット34に接続及び固着して第1の部品を留め具1010の前面24に沿って第2の部品に固着するように構成される。
【0058】
第1の部品12の内面20は、面の中央に配置され且つ留め具1010の左26から右側面28まで留め具の長手方向軸に平行に延びる、係合チャネル1040を含む。係合チャネル1040は、留め具1010内に設置されたアーチばねクリップ1002を保留するのに十分な幅のものである。
【0059】
第2の部品14は、外面40と、留め具が閉じられたときに留め具1010内に封入される内面42と、後側面44と、前側面46と、左右の側面48、50とを有する、実質的に平面状の部品である。第1の部品12のクロージャ・フラップ30ロック突出部32は、第2の部品14の前側面46上の対応するインレット34に接続及び固着して第1の部品を留め具1010の前面46に沿って第2の部品に固着するように構成される。
【0060】
第2の部品14の内面42は、面の中央に配置され且つ留め具1010部品14の左48から右側面50まで留め具の長手方向軸に平行に延びる、係合チャネル1040を含む。係合チャネル1040は、アーチばねクリップ1002をチャネル52内に保留するように構成される。
【0061】
図52~57は、医療用チューブのための留め具1110の第12の実施例を示す。
図52は、チャネル1112によりバックルに固着されたIV延長部1110を有する、患者に固着するためのバックル1111を示す。バックル1111は、患者に固着するためのストラップを受け入れるように構成される。IV延長部1110は、IVへの接続のための対向する2つの端部を有し、且つ、一方の対向端部1113から他方の対向端部1114まで15.24cm(6インチ)~20.32cm(8インチ)などの標準的な長さにわたって延在し、延長部の長さの範囲内に管状の流体経路が配置されている。各対向端部は、コネクタ1115を有し、そのうちの一方は、雌接続端部(female connecting end)又は雄接続端部(male connecting end)であり得る。示されるように、接続端部1115は、IVラインが延長部から分離されたときに流体流れを自動的に止める機構を組み込むか、又はそうでないことがある。
【0062】
留め具1110接続端部1115は、ねじ込み接続部1119付きのシュラウド1117を有するルアー・コネクタを含んでもよく、又は、接続端部は、ルアー・コネクタの中央部内に弾性のエラストマ部材1118から形成された弁を有するルアー・コネクタを含んでもよい。エラストマ弁に関する情報は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、1997年10月17日にLeinsingに付与された米国特許第5676346号に見ることができる。
【0063】
図58は、医療用チューブのための留め具1210の第13の実施例を示す。
図48~57の実施例に加えて、
図58は、延長留め具1110とIVの間の接続のための離脱デバイス1201を示す。このようにして、留め具が患者に接続され、離脱デバイス1201がIVに接続され、そしてIVが抜け落ちるように患者が急に動いた場合に、この発明は、留め具が移動することを可能にし、また、IV離脱部(IV breakaway)が患者のところに留まることを可能にするはずである。離脱デバイス1201は、ねじ込み接続部付きのシュラウド1202を有する、対向するルアー・コネクタ端部を含んでもよく、又は、接続端部は、ルアー・コネクタの中央部内に弾性のエラストマ部材1202から形成された弁を有するルアー・コネクタを含んでもよい。離脱デバイス1201の長さの範囲内に、管状の流体経路が配置される。
【0064】
図59~63は、医療用チューブのための止め具1310の第14の実施例を示す。
図59は、チャネル1303によりバックルに固着された2重ルアー接続部1302を有する、患者への固着のためのバックル1301を示す。バックル1301は、患者に固着するためのストラップを受け入れるように構成される。2重ルアー接続部1302は、IVへの接続のための対向する2つの端部を有し、且つ、一方の対抗する端部1305から他方の対抗する端部1306まで標準的な長さにわたって延在し、延長部の長さの範囲内に、管状の流体経路が配置される。各対向端部はコネクタを有し、そのうちの一方は、雌接続端部又は雄接続端部であり得る。示されるように、接続端部は、IVラインが延長部から分離されたときに流体流れを自動的に止める機構を組み込むか、又はそうでないことがある。
【0065】
2重ルアー接続部1302接続端部は、ルアー・コネクタの中央部内に弾性のエラストマ部材1309から形成された弁を有するルアー・コネクタを含む。
【0066】
図64~69は、医療用チューブのための止め具1410の第15の実施例を示す。
図64は、様々な直径のチューブを把握するためにIVチューブの周りに締められる、患者の身体に固着するための可撓性ストラップ1401を有する可撓性止め具1410を示す。締付け機構1402は、例えば、リガー・ベルト上のバックル、ジップ・タイ・ストラップ、及びマジックテープ(登録商標)・ケーブル・タイ・ストラップといった、知られているもののうちの任意のものであってよい。優先的には、チューブ把握ストラップは、その把握作用を支援するために、高摩擦又は粘着性の材料を組み込み得る。或いは、IVチューブをブレスレット板に係留するために、一体的な粘着性バンド/テープがIVチューブに巻き付けられてもよい。
【0067】
本明細書において使用される全ての用語は、文脈に一致する最大限広範な態様で解釈されるべきである。具体的には、用語「有する(comprises)」及び「有している(comprising)」は、要素、構成要素、又はステップに非排他的な態様で言及するものと解釈されるべきであり、言及された要素、構成要素、又はステップが、明確に言及されていない他の要素、構成要素、又はステップとともに存在するか利用されるか又は組み合わせられ得ることを示す。マーカッシュ・グループ又は他のグループ化が本明細書において使用される場合、グループの全ての個々の部材、並びにグループの考えられる全ての組合せ及び部分的組合せは、個別に含まれることが意図されている。本明細書において引用される全ての参考文献は、本明細書の開示との不一致がない限りにおいて、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書において範囲が述べられる場合、範囲は、範囲内の全ての部分範囲、及び範囲内の全ての個々の点を含むことが意図されている。「約(about)」、「おおよそ(approximately)」、等の用語が本明細書において使用される場合、それらの用語は、述べられた装置又はプロセスの目的が失われないように、明確に述べられた量、測定値、等から著しく逸脱しない量、測定値、等を含むことが意図されている。
【0068】
本発明は、特定の好ましい実施例及び代替的な実施例を参照して説明されてきたが、それらの実施例は、例示的なものに過ぎず且つ添付の特許請求の範囲に提示された本発明の全範囲を限定するものではないことが意図されている。
【外国語明細書】