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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180963
(43)【公開日】2022-12-07
(54)【発明の名称】ワーク搬送装置、ワークの搬送方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 3/12 20060101AFI20221130BHJP
【FI】
B65H3/12 310C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021087762
(22)【出願日】2021-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】320010516
【氏名又は名称】VOSTEC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100127764
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 泰州
(72)【発明者】
【氏名】梨和 淳
(72)【発明者】
【氏名】川上 孝司
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬 志成
(72)【発明者】
【氏名】小猿 伊吹
(72)【発明者】
【氏名】末澤 良祐
(72)【発明者】
【氏名】栗本 奨
【テーマコード(参考)】
3F343
【Fターム(参考)】
3F343FA01
3F343FA09
3F343FC29
3F343GA01
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD01
3F343JB05
3F343JB16
3F343KB04
3F343KB17
3F343LA04
3F343LB10
3F343LC08
3F343LC23
3F343LD08
3F343MA40
3F343MB03
3F343MC10
3F343MC13
3F343MC23
(57)【要約】
【課題】本発明は、フィルム状ないしシート状のワークが複数枚積み重ねられたワーク群からワークを所定の搬送間隔で搬送することができる新規なワーク搬送装置、及び、ワークの搬送方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 ワーク搬送装置1の吸引コンベア3に、前記吸引コンベア3の搬送方向上流寄りの第一吸引範囲(r1)を吸引する第一吸引装置41と、前記第一吸引範囲(r1)より下流の第二吸引範囲(r2)を吸引する第二吸引装置42とを配し、前記吸引コンベア3によるワーク(W)の搬送中、前記第二吸引装置42による吸引を継続しながら、前記第一吸引装置41による吸引を停止したり、再開したりすることによって、ワーク(W)の搬送間隔を決定する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルム状ないしシート状のワークが複数枚積み重ねられたワーク群からワークを搬送するためのワーク搬送装置であって、
ワーク群を下支えすると共にワークの搬送に応じて上昇するリフトと、
無端状の穴開きベルトを介してワーク群の最上位にあるワークを順次搬送する吸引コンベアと、
前記穴開きベルトに設けられた吸引孔を通じて前記吸引コンベアに吸引力を付与する吸引装置と、
を具備し、
前記吸引装置が、
前記吸引コンベアの搬送方向上流寄りの第一吸引範囲に吸引力を付与する第一吸引装置と、
前記第一吸引範囲より下流の第二吸引範囲に吸引力を付与する第二吸引装置と、
によって構成されてなり、
更に、ワークの搬送中、前記第一吸引装置による吸引の停止又は再開を命令する制御装置を具備してなることを特徴とするワーク搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載のワーク搬送装置において、
前記制御装置が、前記吸引コンベアの所定位置にてワークの到達を確認する監視手段を具備してなり、前記監視手段によるワークの到達確認に応じて前記第一吸引装置による吸引の停止を命令するワーク搬送装置。
【請求項3】
請求項2に記載のワーク搬送装置において、
前記監視手段が、前記第一吸引範囲と前記第二吸引範囲の境界においてワークの到達を確認するワーク搬送装置。
【請求項4】
請求項2に記載のワーク搬送装置において、
前記監視手段が、前記第二吸引範囲の所定位置にてワークの到達を確認するワーク搬送装置。
【請求項5】
フィルム状ないしシート状のワークが複数枚積み重ねられたワーク群を下支えすると共にワークの搬送に応じて上昇するリフトと、無端状の穴開きベルトを介してワーク群の最上位にあるワークを順次搬送する吸引コンベアと、を具備してなるワーク搬送装置におけるワークの搬送方法であって、
前記吸引コンベアに、
前記吸引コンベアの搬送方向上流寄りの第一吸引範囲を吸引する第一吸引装置と、
前記第一吸引範囲より下流の第二吸引範囲を吸引する第二吸引装置と、
を配し、
前記吸引コンベアによるワークの搬送中、前記第二吸引装置による吸引を継続しながら、前記第一吸引装置による吸引を停止したり、再開したりすることによって、ワークの搬送間隔を決定することを特徴とするワークの搬送方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルム状ないしシート状のワークが複数枚積み重ねられたワーク群からワークを順次搬送するためのワーク搬送装置、並びにワークの搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチックフィルムや紙などの表面に印刷が施された印刷物(ワーク)は、印刷状態の良否を判定するための検査に供される。この検査は、CCDカメラ等の撮像手段を備えた印刷物検査装置による画像診断にて行う場合が多く、現在、前記撮像手段に印刷物を順次移送するための搬送装置を併用することによって係る検査の自動化が実現されている。
【0003】
この種の搬送装置は、概ね、フィルム状ないしシート状のワークが複数枚積み重ねられたワーク群から最上位にあるワークを順次搬送する仕組みとなされており、ピックアップローラによって最上位にあるワークを取り出す方式のものの他、吸引コンベアによって最上位にあるワークを吸引する方式のもの(例えば、下記特許文献1参照)が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020‐152561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1に開示された搬送装置(給紙装置)では、吸引コンベアの吸引力を増減することによってワークの搬送間隔を調整している。
【0006】
しかしながら、吸引コンベアの吸引力の増減による搬送間隔の調整には限界があり、搬送間隔を開けるために吸引コンベアの吸引力を下げれば、ワークを吸着できなくなったり、搬送中のワークに落下が生じたりする。
【0007】
本発明は、前記技術的課題に鑑みて完成されたものであり、フィルム状ないしシート状のワークが複数枚積み重ねられたワーク群からワークを所定の搬送間隔で搬送することができる新規なワーク搬送装置、及び、ワークの搬送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記技術的課題を解決する本発明のワーク搬送装置は、フィルム状ないしシート状のワークが複数枚積み重ねられたワーク群からワークを搬送するためのワーク搬送装置であって、ワーク群を下支えすると共にワークの搬送に応じて上昇するリフトと、無端状の穴開きベルトを介してワーク群の最上位にあるワークを順次搬送する吸引コンベアと、前記穴開きベルトに設けられた吸引孔を通じて前記吸引コンベアに吸引力を付与する吸引装置と、を具備し、前記吸引装置が、前記吸引コンベアの搬送方向上流寄りの第一吸引範囲に吸引力を付与する第一吸引装置と、前記第一吸引範囲より下流の第二吸引範囲に吸引力を付与する第二吸引装置と、によって構成されてなり、更に、ワークの搬送中、前記第一吸引装置による吸引の停止又は再開を命令する制御装置を具備してなることを特徴とする(以下、「本発明搬送装置」と称する。)。
【0009】
前記本発明搬送装置においては、前記制御装置が、前記吸引コンベアの所定位置にてワークの到達を確認する監視手段を具備してなり、前記監視手段によるワークの到達確認に応じて前記第一吸引装置による吸引の停止を命令するものが好ましい態様となる。
【0010】
前記本発明搬送装置においては、前記監視手段が、前記第一吸引範囲と前記第二吸引範囲の境界においてワークの到達を確認するものが好ましい態様となる。
【0011】
前記本発明搬送装置においては、前記監視手段が、前記第二吸引範囲の所定位置にてワークの到達を確認するものが好ましい態様となる。
【0012】
前記技術的手段を解決する本発明のワークの搬送方法は、フィルム状ないしシート状のワークが複数枚積み重ねられたワーク群を下支えすると共にワークの搬送に応じて上昇するリフトと、無端状の穴開きベルトを介してワーク群の最上位にあるワークを順次搬送する吸引コンベアと、を具備してなるワーク搬送装置におけるワークの搬送方法であって、前記吸引コンベアに、前記吸引コンベアの搬送方向上流寄りの第一吸引範囲を吸引する第一吸引装置と、前記第一吸引範囲より下流の第二吸引範囲を吸引する第二吸引装置と、を配し、前記吸引コンベアによるワークの搬送中、前記第二吸引装置による吸引を継続しながら、前記第一吸引装置による吸引を停止したり、再開したりすることによって、ワークの搬送間隔を決定することを特徴とする(以下、「本発明搬送方法」と称する。)。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ワークが複数枚積み重ねられたワーク群からワークを所定の搬送間隔で搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、実施形態1に係る本発明搬送装置の概略を示す斜視図(a)と、側面図(b)である。
図2図2は、前記本発明搬送装置の制御装置を示すブロック図である。
図3図3は、前記制御装置による制御手順を示すフローチャートである。
図4図4(a)~(d)は、前記本発明搬送装置によってワークを搬送する様子を示す側面図である。
図5図5は、実施形態2に係る本発明搬送装置の概略を示す側面図である。
図6図6は、前記本発明搬送装置の制御装置を示すブロック図である。
図7図7は、前記制御装置による制御手順を示すフローチャートである。
図8図8(a)~(d)は、前記本発明搬送装置によってワークを搬送する様子を示す側面図である。
図9図9は、本発明搬送装置の別態様を示す側面図である。
図10図10は、本発明搬送装置の更に別態様を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明するが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
【0016】
[実施形態1]
<本発明搬送装置1>
図1及び図2に、実施形態1に係る本発明搬送装置1の概略を示す。前記本発明搬送装置1は、フィルム状ないしシート状のワーク(W)が複数枚積み重ねられたワーク群(Ws)からワーク(W)を搬送するための装置であり、「リフト2」と、「吸引コンベア3」と、「吸引装置4」と、を具備してなり、更に、「制御装置5」を具備する。
【0017】
‐リフト2‐
前記リフト2は、ワーク群(Ws)を下支えすると共にワーク(W)の搬送に応じて上昇する役割を担う。即ち、前記リフト2は、これから搬送しようとするワーク群(Ws)を載置するための昇降可能な台であり、ワーク(W)の搬送に伴って生じるワーク群(Ws)の残量減少に応じて上昇する仕組みとなされている。
【0018】
‐吸引コンベア3‐
前記吸引コンベア3は、無端状の穴開きベルト30を介してワーク群(Ws)の最上位にあるワーク(W)を順次吸引し搬送する役割を担う。前記吸引コンベア3は、一対のプーリー31の駆動によって稼働するベルトコンベアの一種である。又、前記穴開きベルト30には複数の吸引孔32が二列に並べられた状態で設けられている。
【0019】
‐吸引装置4‐
前記吸引装置4は、前記穴開きベルト30に設けられた吸引孔32を通じて前記吸引コンベア3に吸引力を付与する役割を担う。図1(b)に示すように、本発明搬送装置1においては、前記吸引装置4につき、前記吸引コンベア3の搬送方向上流寄りの第一吸引範囲(r1)に吸引力を付与する第一吸引装置41と、前記第一吸引範囲(r1)より下流の第二吸引範囲(r2)に吸引力を付与する第二吸引装置42と、によって構成する。
【0020】
‐制御装置5‐
前記制御装置5は、前記吸引コンベア3によるワーク(W)の搬送中、前記第一吸引装置41による吸引の停止又は再開を命令する役割を担う。図2に示すように、本実施形態においては、前記制御装置5として、「記憶手段51」と、「演算手段52」と、「制御手段53」と、を具備するものを用いた。この制御装置5において、前記記憶手段51は、ワーク(W)の予定搬送間隔、ワーク(W)の寸法、前記吸引コンベア3の搬送スピード等の初期情報を記憶する。前記演算手段52は、前記記憶手段51に記憶された初期情報に基づき、ワーク(W)の搬送間隔が予定搬送間隔となるように、前記第一吸引装置41による吸引停止のタイミングや吸引再開のタイミング等の処理情報を決定する。前記制御手段53は、前記演算手段52において決定された処理情報に基づき、前記第一吸引装置41に対し吸引の停止又は再開を命令する。
【0021】
<本発明搬送方法>
前記構成を有する本発明搬送装置1は、前記吸引コンベア3によるワーク(W)の搬送中、前記第二吸引装置42による吸引を継続しながら、前記第一吸引装置41による吸引を停止したり、再開したりすることによって、ワーク(W)の搬送間隔を決定する本発明搬送方法を実行するために構築されたものである。以下、前記本発明搬送装置1による前記本発明搬送方法の実行を説明する。なお、説明の便宜上、前記リフト2については、ワーク群(Ws)の残量減少に応じて自動的に上昇するものとする。
【0022】
‐制御手順‐
前記本発明搬送方法を実行するにあたり、本実施形態においては、図3のフローチャートに示す制御手順にて実行した。このフローチャートに示す制御手順では、まず、本発明搬送装置1に対し稼働開始命令が与えられると(S1)、前記第二吸引装置42が吸引を開始(S2)し、前記吸引コンベア3が駆動する(S3)。次いで、前記第一吸引装置41による吸引が開始されると(S4)、図4(a)に示すように、前記リフト2によって下支えされたワーク群(Ws)の最上位にあるワーク(W)が前記吸引コンベア3に向かって吸引される。
【0023】
その後、所定時間経過した時点(ワーク(W)が所定距離搬送された時点)、即ち、前記演算手段52により決定された吸引停止のタイミングで(S5)、前記制御手段53が前記第一吸引装置41に対し吸引の停止を命令する(S6)。前記第一吸引装置41の吸引停止に伴い、ワーク群(Ws)から新たなワーク(W)は前記吸引コンベア3に向かって吸引されなくなる。一方、図4(b)、(c)に示すように、前記吸引コンベア3に吸引されたワーク(W)は搬送先に向かう。
【0024】
前記第一吸引装置41による吸引の停止後、所定時間経過(ワーク(W)が所定距離搬送された時点)、即ち、前記演算手段52により決定された吸引再開のタイミングで(S7)、前記制御手段53が前記第一吸引装置41に対し吸引の再開を命令する(S8)。図4(d)に示すように、前記第一吸引装置41の吸引再開に伴い、ワーク群(Ws)から新たなワーク(W)が前記吸引コンベア3に向かって吸引される。
【0025】
その後、前記本発明搬送装置1の稼働を停止するまで、(S5)、(S6)、(S7)、(S8)のステップが順に繰り返される。これにより、前記記憶手段51に記憶させた予定搬送間隔にて順次ワーク(W)を搬送することができる。
【0026】
即ち、本発明によれば、フィルム状ないしシート状のワーク(W)が複数枚積み重ねられたワーク群(Ws)からワーク(W)を所定の搬送間隔で搬送することができる。これにより、ワーク(W)の重送を防止することができ、又、ワーク(W)の搬送間隔を続く工程(例えば、検査工程等)において求められるワーク間距離に設定することもできる。
【0027】
ところで、本発明においては「ワーク(W)」として、紙やプラスチックフィルムの他、厚紙や金属プレート、並びにクレジットカード、プリペイドカード、会員カード、定期券或いは免許証等のカードなど、多種多様なフィルムないしシートを想定している。又、ワーク(W)の形状についても矩形に限らず、円形や三角形等、多様な形状を想定している。
【0028】
又、本実施形態においては、説明の便宜上、前記リフト2、前記吸引コンベア3、前記吸引装置4を前記本発明搬送装置1の構成要素としているが、本発明は、所望に応じてその他の要素を付加することを否定しない。例えば、ワーク群(Ws)にエアを吹き付けて捌くエア捌き装置や、各種センサ、各種ガイドなどが前記本発明搬送装置1に対して付加されても良い。
【0029】
[実施形態2]
<本発明搬送装置1>
図5及び図6に、実施形態2に係る本発明搬送装置1の概略を示す。前記本発明搬送装置1は、前記実施形態1に係る本発明搬送装置1と同様のリフト2と、吸引コンベア3と、吸引装置4と、を具備してなり、更に、監視手段54を備えた「制御装置5」を具備する。
【0030】
‐制御装置5‐
前記実施形態1と同様、本実施形態に係る前記制御装置5も、前記吸引コンベア3によるワーク(W)の搬送中、前記第一吸引装置41による吸引の停止又は再開を命令する役割を担う。図6に示すように、本実施形態においては、前記制御装置5に監視手段54が備えられている。前記監視手段54はCCDカメラであり、前記吸引コンベア3における第一吸引範囲(r1)と第二吸引範囲(r2)の境界においてワーク(W)の到達を確認する役割を担う。
【0031】
<本発明搬送方法>
前記実施形態1と同様、本実施形態に係る前記本発明搬送装置1も、前記吸引コンベア3によるワーク(W)の搬送中、前記第二吸引装置42による吸引を継続しながら、前記第一吸引装置41による吸引を停止したり、再開したりすることによって、ワーク(W)の搬送間隔を決定する本発明搬送方法を実行するために構築されたものである。以下、前記本発明搬送装置1による前記本発明搬送方法の実行を説明する。
【0032】
‐制御手順‐
前記本発明搬送方法を実行するにあたり、本実施形態においては、図7のフローチャートに示す制御手順にて実行した。このフローチャートに示す制御手順では、まず、本発明搬送装置1に対し稼働開始命令が与えられると(S1)、前記第二吸引装置42が吸引を開始(S2)し、前記吸引コンベア3が駆動する(S3)。次いで、前記第一吸引装置41による吸引が開始されると(S4)、図8(a)に示すように、前記リフト2によって下支えされたワーク群(Ws)の最上位に在るワーク(W)が前記吸引コンベア3に向かって吸引される。
【0033】
その後、前記監視手段54が前記吸引コンベア3によって搬送されるワーク(W)の到達を確認すれば(S9)、前記制御手段53が前記第一吸引装置41に対し吸引の停止を命令する(S6)。前記第一吸引装置41の吸引停止に伴い、ワーク群(Ws)から新たなワーク(W)は前記吸引コンベア3に向かって吸引されなくなる。一方、図8(b)、(c)に示すように、前記吸引コンベア3に吸引されたワーク(W)は搬送先に向かう。
【0034】
前記吸引コンベア3による吸引の停止後、所定時間経過(ワーク(W)が所定距離搬送された時点)、即ち、前記演算手段52により決定された吸引再開のタイミングで(S7)、前記制御手段53が前記第一吸引装置41に対し吸引の再開を命令する(S8)。図8(d)に示すように、前記第一吸引装置41の吸引再開に伴い、ワーク群(Ws)から新たなワーク(W)が前記吸引コンベア3に向かって吸引される。
【0035】
その後、前記本発明搬送装置1の稼働を停止するまで、(S9)、(S6)、(S7)、(S8)のステップが順に繰り返される。これにより、前記記憶手段51に記憶させた予定搬送間隔にて順次ワーク(W)を搬送することができる。
【0036】
即ち、本実施形態のように、前記第一吸引装置41を停止させるためのトリガーを前記監視手段54によるワーク(W)の到達確認とすれば、ワーク(W)の搬送間隔がより正確になる。
【0037】
なお、本実施形態においては、前記監視手段54によるワーク(W)の到達確認位置を前記吸引コンベア3における第一吸引範囲(r1)と第二吸引範囲(r2)の境界に設定しているが、係る到達確認位置については、図9に示すように第一吸引範囲(r1)内に設定しても良いし、図10に示すように第二吸引範囲(r2)内に設定しても良い。
【0038】
但し、到前記監視手段54によるワーク(W)の達確認位置につき第一吸引範囲(r1)内に設定すれば、ワーク(W)の到達確認後、ワーク(W)が第二吸引範囲(r2)に到達するまでの時間、前記第一吸引装置41に対して停止命令を与えることができなくなる。即ち、時間待ちという制御手順が一つ増えることになる。
【0039】
一方、前記監視手段54によるワーク(W)の到達確認位置につき第二吸引範囲(r2)内に設定すれば、ワーク(W)の到達確認後、速やかに前記第一吸引装置41に対して停止命令を与えることができる。しかしながら、搬送するワーク(W)の寸法が極端に短いと、搬送間隔が大きくなりすぎる場合がある。
【0040】
従って、前記監視手段54によるワーク(W)の到達確認位置は、第一吸引範囲(r1)と第二吸引範囲(r2)の境界付近に設定することが好ましい。
【0041】
その余は前記実施形態1と同様であり、繰り返しを避けるためここでは説明を省略する。
【0042】
なお、本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、フィルム状ないしシート状のワークを搬送する手段として好適に用いられる。
【符号の説明】
【0044】
1 本発明搬送装置(ワーク搬送装置)
2 リフト
3 吸引コンベア
30 穴開きベルト
31 プーリー
32 吸引孔
4 吸引装置
41 第一吸引装置
42 第二吸引装置
5 制御装置
51 記憶手段
52 演算手段
53 制御手段
54 監視手段
W ワーク
Ws ワーク群
r1 第一吸引範囲
r2 第二吸引範囲

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10