(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181018
(43)【公開日】2022-12-07
(54)【発明の名称】紙幣処理装置
(51)【国際特許分類】
G07D 11/22 20190101AFI20221130BHJP
G07D 11/32 20190101ALI20221130BHJP
G07D 11/23 20190101ALI20221130BHJP
G07D 11/237 20190101ALI20221130BHJP
【FI】
G07D11/22
G07D11/32
G07D11/23
G07D11/237
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021087835
(22)【出願日】2021-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井戸田 誠一
(72)【発明者】
【氏名】木村 美香
(72)【発明者】
【氏名】牧野 裕太
(72)【発明者】
【氏名】関 淳
【テーマコード(参考)】
3E141
【Fターム(参考)】
3E141AA01
3E141BA03
3E141CA02
3E141DA06
3E141FA10
3E141FC03
3E141FC17
3E141FG03
3E141FG06
3E141FG11
3E141FG12
3E141FG13
3E141FG14
3E141FG15
(57)【要約】
【課題】本体システムと断裁部とで断裁数が不一致となる場合に、その要因を明確にすること。
【解決手段】紙幣処理装置は、紙幣を断裁する断裁部と、前記断裁部に前記紙幣を搬送する搬送路と、前記搬送路により搬送される前記紙幣が前記断裁部に進入する手前の前記搬送路の上側又は下側に設けられ、前記紙幣の画像を取得する第1画像読取部と、前記第1画像読取部で読み取った画像を記憶する画像記憶部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙幣を断裁する断裁部と、
前記断裁部に前記紙幣を搬送する搬送路と、
前記搬送路により搬送される前記紙幣が前記断裁部に進入する手前の前記搬送路の上側又は下側に設けられ、前記紙幣の画像を取得する第1画像読取部と、
前記第1画像読取部で読み取った画像を記憶する画像記憶部と、
を備える紙幣処理装置。
【請求項2】
前記第1画像読取部の前記紙幣の画像を読取る範囲に設けられる発光部と、
前記発光部の発光状態に応じたインデックス番号の設定を記憶するインデックス設定記憶部と、
を備え、
前記画像記憶部は、前記インデックス番号に対応づけて前記画像を記憶する、
請求項1に記載の紙幣処理装置。
【請求項3】
前記搬送路は、前記紙幣の両端部をそれぞれ支持する第1ベルト及び第2ベルトを利用して前記紙幣を搬送するように構成され、
前記発光部は、前記第1ベルトと、前記第2ベルトとの間に設けられる、複数の発光ダイオードである、
請求項2に記載の紙幣処理装置。
【請求項4】
前記第1画像読取部は、ラインセンサを含み、
前記複数の発光ダイオードは、前記搬送路の幅方向に一列に配置される、
請求項3に記載の紙幣処理装置。
【請求項5】
前記断裁部、前記搬送路、前記第1画像読取部の動作を制御すると共に、前記画像記憶部へ画像を記憶する制御を行う制御部を備え、
前記制御部、及び前記画像記憶部は、前記断裁部内に設けられる、
請求項1に記載の紙幣処理装置。
【請求項6】
前記第1画像読取部と前記搬送路の反対側に設けられ、前記紙幣の画像を取得する第2画像読取部を備える、
請求項1に記載の紙幣処理装置。
【請求項7】
前記第1画像読取部と、前記第2画像読取部とは、画像の読取方式が異なる、
請求項6に記載の紙幣処理装置。
【請求項8】
前記第1画像読取部は、反射型のラインセンサを含み、
前記第2画像読取部は、透過型のラインセンサを含む、
請求項7に記載の紙幣処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、紙幣処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紙幣を断裁する断裁部の手前に配置され、断裁部に進入する紙葉類の形状を検知する形状センサと、この形状センサにより検知された形状を記憶する記憶部と、この記憶部に記憶された過去の形状に基づいて、断裁部に進入した紙葉類の枚数を遡及的に検知する検知手段とを備え、紙葉類の計数精度を向上させる紙幣処理装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
紙幣処理装置では、紙幣処理装置の本体システムと、断裁部との両方で断裁する紙幣の計数を行っている。断裁する紙幣に穴があいている場合、紙幣が切れている場合、紙幣に異物が付着している場合、紙幣が滞留して搬送遅延が生じた場合等に、紙幣処理装置の本体システムで計数した断裁数と、断裁部で計数した断裁数とが一致しない場合が生じ得る。このように断裁数が不一致となる場合に、管理者が断裁部内部に搬送された紙幣を確認しても、紙幣が断裁部で断裁されているため、その要因を明確にすることができなかった。
【0005】
実施形態は、本体システムと、断裁部とで断裁数が不一致となる場合に、不一致の要因を明確にすることができる紙幣処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る、紙幣処理装置は、紙幣を断裁する断裁部と、前記断裁部に前記紙幣を搬送する搬送路と、前記搬送路により搬送される前記紙幣が前記断裁部に進入する手前の前記搬送路の上側又は下側に設けられ、前記紙幣の画像を取得する第1画像読取部と、前記第1画像読取部で読み取った画像を記憶する画像記憶部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態に係る紙幣処理装置の構成の断面の一例を示す図。
【
図2】同実施形態に係る搬送ベルトと、発光ダイオードとの位置関係の一例を示す図。
【
図3】同実施形態に係る断裁部の制御構成の一例を示す図。
【
図4】同実施形態に係るインデックス設定記憶部の一例を示す図。
【
図5】同実施形態に係る画像記憶部の一例を示す図。
【
図6】同実施形態に係る断裁処理の一例を示すフローチャート。
【
図7】同実施形態に係る画像データの一例を示す図。
【
図8】同実施形態に係る画像データの一例を示す図。
【
図9】第2実施形態に係る紙幣処理装置の構成の断面の一例を示す図。
【
図10】同実施形態に係る断裁部の制御構成の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、以下の実施形態に記載した内容により発明が限定されるものではない。当業者が容易に想到し得る変形は、当然に開示の範囲に含まれる。説明をより明確にするため、図面において、各部分のサイズ、形状等を実際の実施態様に対して変更して模式的に表す場合もある。複数の図面において、対応する要素には同じ参照数字を付して、詳細な説明を省略する場合もある。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、紙幣処理装置100の構成の断面の一例を示す図である。
紙幣処理装置100は、制御部110、搬送路120、検査部130、収納部140A,140B(これらを総称して収納部140と称することがある。)、断裁部150を有している。制御部110は、CPU、ROM、RAM等を含み、搬送路120、検査部130を含む紙幣処理装置100全体の動作を制御する。断裁部150は、紙幣処理装置100に組み込み可能なユニットで構成されている。
【0010】
図1に示すように、搬送路120は、投入口101から検査部130内を通過し、さらに、収納部140、断裁部150、又は収容口102まで延在する。なお、搬送路120は、ローラやベルト等(図示省略)を有している。
【0011】
制御部110は、投入口101に複数枚の紙幣Pが装填されると、投入された紙幣Pを投入口101から一枚ずつ取込み、搬送路120により紙幣Pを搬送し、更に、搬送しながら検査部130による紙幣Pの検査結果を取得する。検査部130は、検査部130内の複数のセンサ(光学センサおよび磁気センサの他、カメラ、物理的特性を検知する物理的特性検知手段や磁気検知手段)131から得られる情報に基づいて、紙幣Pの記番号を取得し、さらに、当該紙幣Pの券種を判定するとともに、紙幣Pの正損検知および真偽検知を行う。このように検査された結果は、記番号と対応付けられて制御部110内に記憶される。なお、検査部130による真偽検知の結果が偽券である紙幣Pや、搬送状態が基準姿勢からずれている紙幣P等は所定の収容口102に排出される。検査部130により正券であると判定された紙幣Pは、券種ごとに、対応する収納部140(140A,140B)に搬送される。また、検査部130により損券であると判定された紙幣Pは、断裁部150に搬送され、断裁される。
【0012】
断裁部150に延出される搬送路120には、センサSが設けられる。このセンサSより下流側、かつ、搬送路120の上側に画像読取部(第1画像読取部)160が設けられる。センサSは、発光部と受光部とからなるセンサであり、搬送路120を挟むように設けられ、搬送路120を搬送される紙幣Pを検知する。具体的には、センサSは、紙幣Pを検知していない場合は、ON信号を出力し、紙幣Pを検知している場合は、OFF信号を出力する。画像読取部120は、本実施形態では、反射型のラインセンサであり、紙幣Pに照射した光の反射光を受光することにより、搬送路120を搬送される紙幣Pの画像を1列ずつ読み取る。また、搬送路120には、発光部Dが設けられている(
図1では、図示省略)。発光部Dについては、
図2を用いて説明する。また、本実施形態では、画像読取部160は、搬送路120の上側に設ける場合で説明するが、搬送路120の下側に設けるようにしてもよい。
【0013】
図2は、搬送ベルトと、発光部Dとの位置関係の一例を示す図である。
図2に示すように、搬送路120には、搬送ベルト121,122が平行に設けられており、この2つの搬送ベルト121,122を用いて紙幣Pが白抜きの矢印の向きに搬送される。発光部Dは、発光ダイオードD1~D4の4つの発光ダイオード(LED)で構成され、搬送ベルト121,122の延出方向と直行して1列に配置される。破線Wは、画像読取部160の画像読取範囲を模式的に示している。本実施形態では、画像読取部160は、ラインセンサであり、画像読取範囲Wに発光部Dが位置するため、発光ダイオードD1~D1の発光状態を同時に検知できるようになっている。
【0014】
図3は、断裁部150の制御構成の一例を示す図である。
図3に示すように、断裁部150は、制御部151、接続部152A~152D、搬送部153、断裁刃部154、画像処理部156、及び記憶部157を有する。記憶部157は、インデックス設定記憶部157A、及び画像記憶部157Bを含む。制御部151は、CPU、ROM、RAM等を含み、搬送部153、断裁刃部154,画像処理部156の動作を制御すると共に、画像記憶部157Bへ画像を記憶する制御等を実行する。
【0015】
接続部152Aは、紙幣処理装置100の制御部110と接続し、制御部110との間で通信を行う。接続部152Bは、センサSと接続し、センサSの紙幣PのON/OFF信号を取得する。接続部152Cは、発光部Dと接続し、発光部Dに含まれる発光ダイオードD1~D4の発光/消灯を指示する。接続部152Dは、画像読取部160と接続し、画像読取部160で撮影した紙幣Pの画像を画像処理部156へ送信する。これらの制御は、制御部151の制御の下で実行される。
【0016】
搬送部153は、搬送路120から搬送された紙幣Pを断裁刃部154まで搬送する。断裁刃部154は、紙幣Pを断裁する。画像処理部156は、画像読取部160から送信される画像データに画像処理を施し、断裁する紙幣Pの画像データを記憶部157に記憶する。記憶部157は、例えば、ハード・ディスク・ドライブ等の不揮発性の記憶装置である。記憶部157は、インデックス設定記憶部157A、及び画像記憶部157Bを含むが、これらインデックス設定記憶部157A、及び画像記憶部157Bについては、
図4,
図5を参照してそれぞれ説明する。
【0017】
図4は、インデックス設定記憶部157Aの一例を示す図である。インデックス番号は、断裁部150に搬送され、断裁される紙幣Pを識別するために付与される番号である。
図4に示すように、インデックス設定記憶部157Aは、インデックス番号と、発光ダイオード(LED)D1~D4の発光状態(ON/OFF)とが対応づけられている。例えば、インデックス番号「1」には、発光ダイオードD1~D4の発光状態として全て「OFF」が対応づけられている。また、インデックス番号「2」には、発光ダイオードD1~D4の発光状態として、LED D1が「ON」、LED D2~D4は「OFF」が対応づけられている。このように、4つの発光ダイオードD1~D4の発光状態に基づいて、インデックス番号1~16が設定されている。なお、インデックス番号は、16に限られず、発光ダイオード数を増加させ、さらに多くのインデックス番号を設定できるようにしてもよい。
【0018】
図5は、画像記憶部157Bの一例を示す図である。画像記憶部157Bは、断裁部150で断裁される紙幣Pの断裁部150に進入する手前の画像データを記憶する。
図5に示すように、インデックス番号に対応付けて画像データが記憶される。
【0019】
次に、断裁部150が紙幣Pを断裁する場合の一連の処理について説明する。
図6は、断裁部150が紙幣Pを断裁する場合に制御部151が実行する断裁処理の一例を示すフローチャートである。
図6に示すように、制御部151は、紙幣Pを検知か否かを判定する(ST101)。より詳細には、センサSの信号がON信号の場合、紙幣Pを検知していないと判定し、OFF信号の場合、紙幣Pを検知したと判定する。紙幣Pを検知していないと判定した場合(ST101:NO)、処理はステップST101へ戻る。
【0020】
紙幣Pを検知したと判定した場合(ST101:YES)、制御部151は、インデックス番号に対応する発光ダイオードを発光する(ST102)。例えば、制御部151は、断裁する紙幣PがセンサSで検知される毎に、制御部151内のメモリのカウンタをインクリメントすることにより、インデックス番号を管理する。そして、インデックス設定記憶部157Aを参照し、インデックス番号に対応する発光ダイオードを発光させる。例えば、断裁する紙幣Pの検知が5回目なら、インデックス番号5になるため、インデックス設定記憶部157Aを参照し、発光ダイオード(LED)D3を発光させる。
【0021】
次に、制御部151は、画像読取部160から出力される画像信号の取得を開始する(ST103)。この画像読取りの開始は、本実施形態では、紙幣Pの検知と同時に開始される。搬送路120上において、センサSの位置から所定分だけ下流側に画像読取りの開始の位置がある。このため、紙幣Pが画像読取位置に到達するまでは、発光部Dの発光状態の画像信号を取得し、その後、紙幣Pの画像を取得する。
【0022】
次に、制御部151は、所定時間経過したか否かを判定する(ST104)。所定時間は、例えば、センサSで紙幣Pを検知してから紙幣Pが画像読取部160の画像読取位置を通過するまでの時間である。この時間は、搬送部153の搬送速度と、センサSから画像読取範囲Wまでの距離、及び紙幣Pの長さにより決定される。制御部151が所定時間は経過していないと判定した場合(ST104:NO)、処理はステップST104の処理を繰り返す。
【0023】
所定時間が経過したと判定した場合(ST104:YES)、制御部151は、画像読取を終了し、発光している発光ダイオードを消灯する(ST105)。これにより、紙幣Pと共に、発光部Dの発光状態の画像信号が取得される。次に、制御部151は、画像データを記憶する(ST106)。より詳細には、取得した画像信号を画像処理部156に送信して画像データを生成する。この画像データには、発光部Dの発光状態が含まれており、この発光状態と合致するインデックス番号を、インデックス設定記憶部157Aを参照して取得し、当該インデックス番号に対応づけて画像記憶部157Bに記憶する。
【0024】
次に、制御部151は、紙幣Pの断裁処理を実行する(ST107)。より詳細には、制御部151は、搬送路120から搬送された紙幣Pを搬送部153により断裁刃部154まで搬送し、断裁刃部154により紙幣Pを断裁する。
【0025】
次に、画像記憶部157Bに記憶される画像データについて説明する。
図7,
図8は、それぞれ画像データの一例を示す図である。
図7に示すように、紙幣Pの画像と共に発光部Dの発光状態が示されている。発光部Dの発光ダイオードD1からD4が消灯された状態にある。このため、インデックス設定記憶部157Aの設定を参照すると、当該紙幣Pのインデックス番号は、「1」である。このため、当該画像データは、インデックス番号「1」に対応づけて画像記憶部157Bに記憶される。
【0026】
また、
図8も
図7と同様に、紙幣Pの画像と共に発光部Dの発光状態が示されている。発光部Dの発光ダイオードD2~D4が消灯されているが、発光ダイオードD1が発行している状態にある。このため、インデックス設定記憶部157Aの設定を参照すると、当該紙幣Pのインデックス番号は、「2」である。このため、当該画像データは、インデックス番号「2」に対応づけて画像記憶部157Bに記憶される。
【0027】
以上のように、本実施形態によると、紙幣処理装置100は、紙幣処理装置100の制御部(本体システム)110と、断裁部150とで紙幣Pの断裁数が不一致となる場合、画像記憶部157Bに記憶される断裁部150で断裁する手前の紙幣Pの画像データを確認することが可能になり、不一致の要因を明確にすることができる。これにより、管理者が不一致の生じた要因をまとめる時間の短縮化を図ることができると共に、紙幣処理装置100の使用者に対する理解も得られやすくなる。
【0028】
また、発光部Dは、搬送ベルト121,122の間に設けられる。このため、発光部Dは、紙幣処理装置100に容易に取り付けることが可能になる。
【0029】
さらに、発光部Dは、搬送路120の幅方向に一列で並べられている。このため、画像読取部160がラインセンサであっても、画像読取部位置に、発光部Dの4つの発光ダイオードD1~D4を同時に撮影することができる。
【0030】
さらに、制御部151、及び記憶部157が断裁部150内に設けられる。このため、断裁部150を紙幣処理装置100に組み込むことにより、容易に本実施形態の技術を既存の紙幣処理装置100に組み込むことが可能である。
【0031】
(第2実施形態)
本実施形態では、紙幣Pを断裁部に搬送する搬送路に画像読取部が2つ設けられている点が既述の第1実施形態と異なっている。したがって、当該構成について詳細に説明する。なお、上記第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0032】
図9は、紙幣処理装置100の構成の断面の一例を示す図である。
図9に示すように、
図1で説明した構成に加え、画像読取部160の搬送路120下側(反対側)に画像読取部(第2画像読取部)170が設けられている。画像読取部160は、反射型のラインセンサであるが、画像読取部170は透過型のライセンサである。このように、本実施形態の紙幣処理装置100は、画像の読取方式の異なる画像読取部を2つ設けている。また、発光部Dは、上側に向けて発光する4つの発光ダイオードD1~D4に加え、下側に向けて発光する4つの発光ダイオードを追加している(図示省略)。
【0033】
図10は、断裁部150の制御構成の一例を示す図である。
図3で説明した制御構成に加え、画像読取部170が追加されている。制御部151が画像読取部170により画像を読取る制御は、既述の画像読取部160により画像を読取る制御と同様であるため、瀬名を省略する。
【0034】
以上のように、本実施形態によると、紙幣処理装置100は、紙幣Pの表裏の画像をインデックス番号に対応づけて画像記憶部157Bに記憶することができる。このため、紙幣Pの表裏を撮影することができるため、紙幣処理装置100は、紙幣Pの後ろ側に他の紙幣Pが隠れこむような場合にも、管理者は、このような状態を画像により確認することができる。
【0035】
また、紙幣処理装置100は、2つの画像読取部160,170により、異なった画像読取方式で読み取った特徴の異なる画像をインデックス番号に対応づけて画像記憶部157Bに記憶することができる。特徴が異なる画像を確認できるようにすることで、断裁数に不一致が生じる場合の様々なパターンに対応することができる。
【0036】
また、本実施形態では、画像読取部160は反射型、画像読取部170は透過型の画像読取方式としたが、これに限るものではない。読取方式が異なれば、他の読取方式を用いてもよい。また、画像読取部は、3つ以上としてもよい。さらに、上記実施形態では、画像読取部160、170は、ラインセンサの場合で説明したが、これに限るものではない。画像読取部160,170として、ラインセンサに代えて、エリアセンサを設けるようにしてもよい。
【0037】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0038】
100…紙幣処理装置、110…制御部、120…搬送路、130…検査部、150…断裁部、151…制御部、153…搬送部、154…断裁刃部、156…画像処理部、157A…インデックス設定記憶部、157B…画像記憶部、160,170…画像読取部、D…発光部、D1~D4…発光ダイオード、S…センサ,P…紙幣