(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181113
(43)【公開日】2022-12-07
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20221130BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021087958
(22)【出願日】2021-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110002158
【氏名又は名称】特許業務法人上野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土屋 良孝
(72)【発明者】
【氏名】川添 智久
(72)【発明者】
【氏名】中山 覚
(72)【発明者】
【氏名】牧 智宣
(72)【発明者】
【氏名】柏木 浩志
(72)【発明者】
【氏名】梶野 浩司
(72)【発明者】
【氏名】下田 諒
(72)【発明者】
【氏名】上野 雅博
【テーマコード(参考)】
2C333
【Fターム(参考)】
2C333AA11
2C333CA29
2C333CA49
2C333CA55
2C333CA73
(57)【要約】
【課題】演出の進行(展開)を分かりやすくすることが可能な遊技機を提供すること。
【解決手段】当否抽選結果が当たりである場合には有利結末に至り、はずれである場合には不利結末に至る複数種の特定演出を実行することが可能な遊技機であって、前記特定演出が開始されるよりも前に、複数種の前記特定演出のうちのいずれが実行されるかを示す第一選択演出と、当該第一選択演出にて選択された前記特定演出にて発生する好機事象の種類を示す第二選択演出と、を含む複合選択演出が発生することを特徴とする遊技機。
【選択図】
図19
【特許請求の範囲】
【請求項1】
当否抽選結果が当たりである場合には有利結末に至り、はずれである場合には不利結末に至る複数種の特定演出を実行することが可能な遊技機であって、
前記特定演出が開始されるよりも前に、
複数種の前記特定演出のうちのいずれが実行されるかを示す第一選択演出と、
当該第一選択演出にて選択された前記特定演出にて発生する好機事象の種類を示す第二選択演出と、
を含む複合選択演出が発生することを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
選択演出にて選択されたリーチが実行される遊技機が公知である(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、演出の進行(展開)を分かりやすくすることが可能な遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた本発明にかかる遊技機は、当否抽選結果が当たりである場合には有利結末に至り、はずれである場合には不利結末に至る複数種の特定演出を実行することが可能な遊技機であって、前記特定演出が開始されるよりも前に、複数種の前記特定演出のうちのいずれが実行されるかを示す第一選択演出と、当該第一選択演出にて選択された前記特定演出にて発生する好機事象の種類を示す第二選択演出と、を含む複合選択演出が発生することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明にかかる遊技機は、演出の進行(展開)を分かりやすくすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】表示領域に表示された装飾図柄および保留図柄を示した図である。
【
図3】遊技状態(遊技状態の移行)を説明するための図である。
【
図5】通常態様の保留図柄に装飾文字が規定順で付されていく様子を示した図である。
【
図6】特殊態様の保留図柄を間に挟む通常態様の先の保留図柄と後の保留図柄が表示される場合での、先の保留図柄に付される装飾文字と後の保留図柄に付される装飾文字の関係を説明するための図である。
【
図8】予告演出および信頼度変化演出を説明するための図である。
【
図9】具体例2-1(第一信頼度変化演出)を説明するための図である。
【
図10】具体例2-1(第二信頼度変化演出)を説明するための図である。
【
図11】具体例2-1(似非信頼度得変化演出)を説明するための図である。
【
図12】具体例2-1(予告画像による信頼度変化演出となる蓋然性の示唆)を説明するための図である。
【
図14】具体例2-2(予告画像の態様により変化後画像が高信頼度のものとなる蓋然性が示唆される例)を説明するための図である。
【
図17】特定演出の種類および好機事象の種類を説明するための図である。
【
図18】好機事象の具体的態様を説明するための図である。
【
図19】複合選択演出(第一選択演出、第二選択演出)を説明するための図である。
【
図24】特定モードが設定されている状況で表示される装飾図柄の態様を示した図である。
【
図25】変動停止アクションを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1)遊技機の基本構成
以下、本発明にかかる遊技機1(ぱちんこ遊技機)の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、
図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。なお、以下の説明において特に明示することなく画像というときは、静止画だけでなく、動画を含むものとする。
【0009】
遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
【0010】
遊技領域902には、表示装置91、始動領域904、大入賞領域906、アウト口などが設けられている。表示装置91の表示領域911は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能な部分である。また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
【0011】
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動領域904や大入賞領域906等の入賞領域に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
【0012】
なお、遊技機1の枠体、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は説明を省略する。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
【0013】
大当たりの抽選は、図示されない制御基板に設けられた当否抽選手段が始動領域904への遊技球の入賞を契機として実行する。本実施形態では、始動領域904として、第一始動領域904a(いわゆる「特
図1」の始動領域)と第二始動領域904b(いわゆる「特
図2」の始動領域)が設けられている。始動領域904への遊技球の入賞を契機として乱数源から数値(当否抽選情報)が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、異なる場合にははずれとなる。本実施形態では、当該数値が取得された順に当否抽選結果の報知が開始される(後述する変動中演出が開始される)こととなるが、未だ当否抽選結果の報知が完了していない当否抽選情報が存在する場合には、新たに取得された当否抽選情報は保留情報(厳密には後述する変動前保留情報)として図示されない制御基板に設けられた記憶手段に記憶される。
【0014】
本実施形態では、保留図柄10として、当否抽選結果を報知する変動中演出(装飾図柄80(装飾図柄群80g)の変動開始から、当否抽選結果を示す組み合わせで完全に停止するまでの演出、いわゆる一変動中分の演出をいう。以下単に「変動」や「回転」と称することもある)は開始されているものの、当否抽選結果の報知は完了していない当否抽選情報(以下、変動中保留情報と称することもある)に対応する変動中保留図柄11(いわゆる「当該変動保留」の存在を示す図柄)と、当否抽選結果を報知する変動中演出が開始されていない当否抽選情報(以下、変動前保留情報と称することもある)に対応する変動前保留図柄12が表示される(
図2参照)。なお、変動前保留図柄12に対応する当否抽選結果の報知が完了する順番(いわゆる保留「消化順」)は、変動中保留図柄11に近いものほど早い。
【0015】
変動前保留情報の最大の記憶数は上限が決められている。本実施形態では、第一始動領域904aに入賞することによって得られる第一変動前保留情報(特
図1保留)の最大の記憶数は四つであり、第二始動領域904bに入賞することによって得られる第二変動前保留情報(特
図2保留)の最大の記憶数は四つである。したがって、特
図1および特
図2の一方に相当する保留図柄10に関していえば、一つの変動中保留図柄11と、最大四つの変動前保留図柄12が表示されることがある(
図2参照)。変動前保留図柄12は、第一始動領域904aを狙って遊技球を発射すべき状態(後述する通常遊技状態)であれば第一変動前保留情報(特
図1保留)が変動前保留図柄12として表示され、第二始動領域904bを狙って遊技球を発射すべき状態(後述する特別遊技状態)であれば第二変動前保留情報(特
図2保留)が変動前保留図柄12として表示されるように設定されている。遊技状態によらず、記憶手段に記憶されている第一変動前保留情報および第二変動前保留情報のいずれにも対応する変動前保留図柄12が表示される(最大八つの変動前保留図柄12が表示される)構成としてもよい。
【0016】
本実施形態では、公知の遊技機と同様に、表示装置91の表示領域911に表示される装飾図柄80(
図2参照)の組み合わせによって当否抽選結果を遊技者に報知する。具体的には、複数種の装飾図柄80を含む装飾図柄群80g(左装飾図柄群80gL、中装飾図柄群80gC、右装飾図柄群80gR)が変動を開始し、最終的に各装飾図柄群80gから一の装飾図柄80が選択されて停止する。大当たりに当選している場合には各装飾図柄群80gから選択されて停止した装飾図柄80の組み合わせは所定の組み合わせ(例えば、同じ装飾図柄80の三つ揃い)となる。はずれである場合にはそれ以外(大当たりとなる組み合わせ以外)の組み合わせとなる。
【0017】
なお、表示領域911の外縁近傍に、目立たないように各種情報を示す画像(いわゆる「小図柄」等)が表示されるようにしてもよい(各図においては当該画像の図示を省略する)。遊技者は、この種の画像を意識せずに遊技を楽しむことが可能となっている。つまり、基本的には、装飾図柄80を見て当否抽選結果を把握することが可能である。
【0018】
当否抽選結果が大当たりとなった場合、大入賞領域906が開放される大当たり遊技が実行される(大当たり遊技という「特典」が遊技者に付与される)。当該大当たり遊技自体は公知であるから詳細な説明を省略する。ラウンド数(ラウンド振分)等は適宜設定することができる。
【0019】
2)遊技状態
大当たり当選を目指して遊技する遊技状態は、大まかに、通常遊技状態と特別遊技状態に区分けされる(
図3(a)参照)。特別遊技状態は、通常遊技状態に比して遊技者に有利な遊技状態である。通常遊技状態は、大当たりに当選する確率が低い低確率状態であり、かつ、始動領域904に遊技球が進入しにくい低ベース状態(低確率・時短無)である。特別遊技状態としては、第一特別遊技状態と第二特別遊技状態が設定されている。第一特別遊技状態は、大当たりに当選する確率が高い高確率状態(確率変動状態)であり、かつ、始動領域904に遊技球が進入しやすい高ベース状態(高確率・時短有)である。第二特別遊技状態は、大当たりに当選する確率が低い低確率状態であり、かつ、始動領域904に遊技球が進入しやすい高ベース状態(低確率・時短有)である。
【0020】
通常遊技状態においては、遊技者は、第一始動領域904a(いわゆる特
図1の始動領域)を狙って遊技球を発射させる。本実施形態では、いわゆる「左打ち」を行う。第一始動領域904aに遊技球が進入することで第一当否抽選情報が取得されるから、当該通常遊技状態は第一当否抽選情報に基づく当否抽選(いわゆる特
図1抽選;以下第一当否抽選と称することもある)により大当たり当選を目指して遊技する遊技状態である。一方、特別遊技状態は、第二始動領域904b(いわゆる特
図2の始動領域)を狙って遊技球を発射させる。本実施形態では、いわゆる「右打ち」を行う。第二始動領域904bに遊技球が進入することで第二当否抽選情報が取得されるから、当該特別遊技状態は第二当否抽選情報に基づく当否抽選(いわゆる特
図2抽選;以下第二当否抽選と称することもある)により大当たり当選を目指して遊技する遊技状態である。特別遊技状態は、普通始動領域905に遊技球が進入することを契機とした第二始動領域904bの開放抽選に当選しやすい状態であるため、比較的容易に第二始動領域904bに遊技球が進入する。なお、遊技状態の移行に関する設定はどのようなものであってもよいから説明を省略する。また、上記のような遊技状態が設定されていることはあくまで一例である。
【0021】
本実施形態における遊技機1は、いわゆる「V確変タイプ」の「ST機」である。大当たりとして、通常大当たりおよび特別大当たりが設定されている。通常大当たりに当選した後は、その大当たり遊技終了後に第二特別遊技状態(低確率・時短有)に移行する。第二特別遊技状態は所定回数連続して当否抽選結果がはずれとなるまで継続する(以下の説明においては、ある遊技状態が開始されてから大当たりに当選することなく当該遊技状態が終了するまでのはずれ回数を「継続回数」と称することもある)。本実施形態における第二特別遊技状態の継続回数(いわゆる時短回数)は100回である。特別大当たりに当選した後は、その大当たり遊技終了後に第一特別遊技状態(高確率・時短有)に移行する。本実施形態における第一特別遊技状態の継続回数(いわゆるST回数)は150回である。
【0022】
第一当否抽選(特
図1抽選)にて当選した大当たり(大当たり振り分け)は、50%が通常大当たりであり、50%が特別大当たりである(いわゆる確変割合が50%である)。第二当否抽選(特
図2)にて当選した大当たり(大当たり振り分け)は、100%特別大当たりである(いわゆる確変割合が100%)である(
図3(b)参照)。特別大当たりに当選した場合には、当該大当たり遊技にていわゆるV領域(図示せず)が開放され(V領域を狙って遊技球を発射していればほぼ確実に遊技球が進入する時間開放され)、当該V領域に遊技球が進入することを条件として大当たり遊技終了後の遊技状態が特別遊技状態となる。一方、通常大当たりに当選した場合には、V領域は開放されない、または遊技球が進入することは実質的には不可能な程度に開放されるため、当該V領域に遊技球が進入することはなく、大当たり遊技終了後の遊技状態は通常遊技状態となる。
【0023】
なお、上記のような「V確変タイプ」の「ST機」とするのはあくまで一例である。「V確変タイプ」とせず、第一当否抽選と第二当否抽選の確変割合が同じである構成としてもよい。また、「ST」機とせず、いわゆる「確変ループ機」としてもよい。また、いわゆる「二種」の機能を持つ遊技機(「一種二種混合機」等)としてもよい。以下の説明において特に明示した場合を除き、大当たり振り分け等の遊技性は適宜変更可能である。
【0024】
本実施形態では、当否抽選確率の低確率状態(通常遊技状態、第二特別遊技状態、後述する条件発動遊技状態)での大当たり確率は約1/319であり、高確率状態(第一特別遊技状態)での大当たり確率は約1/100である。なお、当該大当たり確率の具体的な値等は適宜変更可能である。
【0025】
3)保留図柄の表示
上述した通り、記憶手段に記憶されている当否抽選情報の存在を示す保留図柄10が表示領域911に表示される。本実施形態では、通常遊技状態にて、保留図柄10(特
図1の保留図柄10)は以下のように制御される。なお、所定の演出モードに滞在している場合等、特定の条件を満たす場合に限り以下のように制御される構成としてもよい。ただし、以下のような制御が数回の変動で終了するものではない。少なくとも10変動以上は継続しうるものとされる。また、特別遊技状態にて(特
図2の保留図柄10について)以下のように制御されるものとしてもよい。
【0026】
保留図柄10(変動中保留図柄11、変動前保留図柄12)の態様は、大きく通常態様10nと特殊態様10sに区分けされる(
図4参照)。保留図柄10は、常態において通常態様10nにある。つまり、通常態様10nは基本となる態様である。保留図柄10は、そのほとんどが通常態様10nで表示される。すなわち、通常態様10nで表示される確率が最も高い(本実施形態では98%以上が通常態様10nとなる)。
【0027】
特殊態様10sの保留図柄10(
図4参照)は、当該保留図柄10に対応する当否抽選結果が大当たりとなる蓋然性(以下(大当たり)信頼度と称することもある)が、通常態様10nにある保留図柄10よりも高いものである。本実施形態では、このような特殊態様10sが複数種設定されている。すなわち、複数種の特殊態様10sのいずれもが、通常態様10nよりも信頼度が高い。ただし、このような特殊態様10sが一種のみ設定された構成としてもよい。
【0028】
通常態様10nの保留図柄10には、X個の装飾文字30の一つが規定順で付されていくものである。本実施形態では四個の装飾文字30が設定されている。具体的には、「Z」「E」「R」「O」の四つであり(
図4参照)、この順が規定順である。通常態様10nの保留図柄10のみが表示されると仮定した場合、1番目「Z」、2番目「E」、3番目「R」、4番目「O」、5番目「Z」、6番目「E」・・・というように、「循環」して規定順で文字が付されていくようにされる(
図5参照)。X個の装飾文字30により何らかの意味を表す文字列が構成されるものとすることが好ましい。X=4とする場合であれば、例えば「四文字熟語」を構成する文字列を当該装飾文字30として設定することもできる。当該文字は、「アルファベット」、「ひらがな」、「カタカナ」、「漢字」等のいずれであってもよい(これらの二種以上を組み合わせたものであってもよい)が、「数字」は除かれる。「数字」(漢数字を含む)が付される構成であるとすると、当該「数字」が消化順等、何らかの順番を表していると遊技者が勘違いしてしまうおそれがあるからである。
【0029】
図5に示すように、対応する当否抽選結果の報知が早い順、いわゆる「消化順」で当該装飾文字30が順に付されていく。ある保留図柄10に付された文字は、当該保留図柄10が通常態様10nにある限りにおいて変化することはない(当該保留図柄10に対応する当否抽選結果の報知が完了して消去されるまで同じ文字が付されている)。ある保留図柄10に「O」が付された場合、消化順で次の保留図柄10には「Z」が付されることになる。つまり、各装飾文字30が「循環」して付されていく。本実施形態では、変動中保留図柄11と変動前保留図柄12の両方を含めた「消化順」で当該装飾文字30が順に付されていく。上記装飾文字30は四つであり、最大で変動中保留図柄11一つと変動前保留図柄12四つを合わせた計五つの保留図柄10(特
図1の保留図柄10)が表示されるため、五つの保留図柄10が表示されそのいずれもが通常態様10nである場合には、最も消化順の早い保留図柄10(変動中保留図柄11)と、最も消化順の遅い保留図柄10(変動前保留図柄12の消化順四番目)には、同じ文字が付された状態にある(
図5(f)参照)。換言すれば、少なくとも変動前保留図柄12については、全て異なる文字が付された状態にあるということである。
【0030】
このように本実施形態では、通常態様10nの保留図柄10には順に装飾文字30が付されていくため、保留の状況(記憶手段に記憶されている当否判定情報の数の状況)が把握しやすいという利点がある。
【0031】
特に、本実施形態では、表示される最大の変動前保留図柄12の数(通常遊技状態にて取得される特
図1の保留図柄10の数)Yと、装飾文字30の数Xとが「4」で同じであるため、変動前保留図柄12については常時(変動前保留図柄12の数がいくつであっても)互いに異なる装飾文字30が付された状況となり(
図5参照)、変動前保留図柄12の数を把握しやすいという利点がある。変動中演出が実行されている最中であればいつも変動中保留図柄11は「一つ」であるため、遊技者は変動前保留図柄12の数を把握しつつ遊技する必要があるのであるから、本実施形態のようにして変動前保留図柄12の数を把握しやすくするのが重要であるといえる。
【0032】
一方、特殊態様10sの保留図柄10には、上記装飾文字30は付されない。消化順に並ぶ三つ以上の保留図柄10が表示されている状態にて、通常態様10nの保留図柄10の間に一または二以上の特殊態様10sの保留図柄10が表示される場合には、通常態様10nの保留図柄10(装飾文字30)が次のように制御される。消化順で特殊態様10sの保留図柄10を間に挟む通常態様10nの保留図柄10の一方を先の保留図柄10と、他方を後の保留図柄10(消化順が先の保留図柄10よりも後である)とする。また、先の保留図柄10には規定順でn番目の装飾文字30が付され、先の保留図柄10と後の保留図柄10の間にs個の特殊態様10sの保留図柄10が表示されるとする。この場合には、後の保留図柄10には、規定順で「n+1+s」番目の装飾文字30が付されることになる。
【0033】
例えば、先の保留図柄10の装飾文字30が「O」であり、s=1である場合(通常態様10nの保留図柄10の間に一の特殊態様10sの保留図柄10が表示される場合)には、後の保留図柄10の装飾文字30は「E」となる(
図6(a)参照)。また、例えば、先の保留図柄10の装飾文字30が「E」であり、s=2である場合(通常態様10nの保留図柄10の間に連続する二つの特殊態様10sの保留図柄10が表示される場合)には、後の保留図柄10の装飾文字30は「Z」となる(
図6(b)参照)。つまり、特殊態様10sの保留図柄10が通常態様10nであると仮定し、その保留図柄10に装飾文字30が付されていたとした場合の装飾文字30が後の保留図柄10に表示される。換言すれば、先の保留図柄10の装飾文字30から、「s」個分を飛ばした装飾文字30が後の保留図柄10に表示される。
【0034】
本実施形態では、複数種の特殊態様10sが設けられている。特殊態様10sは、基本特殊態様101sと予告特殊態様102sに区分けされる(
図4(b)参照)。基本特殊態様101sは、それぞれが含む色要素(図面においては当該色を文字で示す)により信頼度を示唆するものである。本実施形態では、「青」、「緑」、「赤」の三種が設定されている(この順で信頼度が高くなる(赤が最も高い))。大当たりが確定する基本特殊態様101sが設定されたものとしてもよい。最も信頼度が低い基本特殊態様101s(本実施形態では「青」)であっても、通常態様10nの信頼度よりは高い。なお、所定のキャラクタを表すものが基本特殊態様101sとして設定された構成としてもよい。
【0035】
一方、予告特殊態様102sは、通常態様10nにある場合よりも、(いわゆる保留変化演出が発生して)基本特殊態様101sに変化する蓋然性が高まったことを示唆(予告)するものである。ただし、本実施形態では、予告特殊態様102sとなった場合であっても、将来的に必ず基本特殊態様101sのいずれかに変化するわけではない。上述した基本特殊態様101sは、いずれも通常態様10nよりも信頼度が高いものであるから、当該基本特殊態様101sに変化する蓋然性が通常態様10nよりも高いことを示す予告特殊態様102sは、その点(基本特殊態様101sに変化する可能性)を考慮すれば予告特殊態様102sの信頼度は通常態様10nよりも高いといえる。ただ、本実施形態では、予告特殊態様102sから基本特殊態様101sへの変化が発生せず、予告特殊態様102sのままである場合(予告特殊態様102sのまま対応する当否抽選結果が報知されるに至る場合)には、その信頼度は通常態様10nと同じかそれ以下とされる。つまり、予告特殊態様102s自体は、通常態様10nよりも信頼度が高いことを示すものではない。なお、本実施形態では、通常態様10nから基本特殊態様101sに変化する可能性もある(0%)ではない。ただし、通常態様10nから基本特殊態様101sへの変化は発生しないようにしてもよい。このようにした場合には、通常態様10nと基本特殊態様101sの作用の違いがより明確になる。
【0036】
このように、予告特殊態様102sは、基本特殊態様101sへの変化を示唆するものであり、それ自体の信頼度があまり高くない(通常態様10nとそれほど変わらない)ことから、通常態様10nの保留図柄10と予告特殊態様102sの保留図柄10とは、共通要素を含むものとされる。本実施形態では、保留図柄10の外形が同じとされる(
図4参照)。つまり、通常態様10nの保留図柄10と予告特殊態様102sの保留図柄10とは、保留図柄10の外形が共通するものの、装飾文字30の有無において相違するという関係(類似する関係)にある。本実施形態における予告特殊態様102sは、通常態様10nと外形が同じであり、発光しているように見える態様とされる。なお、本実施形態では、基本特殊態様101sの保留図柄10の外形は、通常態様10nや予告特殊態様102sとは異なる。つまり、基本特殊態様101sと、通常態様10nや予告特殊態様102sとは、装飾文字30の有無だけでなく、外形も相違する(
図4参照)ため、その違いは明確である。
【0037】
以上の通り、本実施形態では、特殊態様10sの保留図柄10には装飾文字30が付されず、消化順で特殊態様10sの保留図柄10を間に挟む通常態様10nの先の保留図柄10と後の保留図柄10には、特殊態様10sの保留図柄10の数分の装飾文字30を飛ばして装飾文字30が付されるから、通常態様10nと特殊態様10sの区別が容易になる。
【0038】
また、特殊態様10sの一種である予告特殊態様102sと、通常態様10nとは、共通要素(本実施形態では外形)を有するものの、装飾文字30の有無において相違するという関係にある。上述した通り、予告特殊態様102sは、基本特殊態様101sへの変化を示唆するものであり、それ自体の信頼度はあまり高くないものであるから、通常態様10nと共通する要素を含むものとしつつ、装飾文字30の有無において相違するものとする。このように、装飾文字30を、通常態様10nと予告特殊態様102s(特殊態様10sの一種)とを区別するための要素として機能させることもできる。
【0039】
以下、保留図柄10の表示に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
【0040】
〇具体例1-1
上記実施形態では、装飾文字30の数Xと変動前保留図柄12(特
図1の保留図柄)の最大の表示数Yが同じ(四つ)であることを説明したが、装飾文字30の数(X)の方が、変動前保留図柄12の数(Y)よりも多くてもよい。つまり、「X≧Y」であればよい。このようにすることで、どのような状況であっても、変動前保留図柄12については異なる装飾文字30が付された状態となるから、その数を把握することが容易になる。
【0041】
〇具体例1-2
上記実施形態では、装飾文字30が付される対象の保留図柄10(通常態様10n)は変動中保留図柄11と変動前保留図柄12の両方であることを説明したが、変動前保留図柄12のみ(最大表示数四つ)が対象であり、変動中保留図柄11には装飾文字30が付されないようにしてもよい。つまり、変動前保留図柄12(のうち最も消化順が早いもの)が、変動中保留図柄11となる際に、装飾文字30を含まない態様となるようにする。
【0042】
〇具体例1-3
上述した通り、通常態様10nの保留図柄10には規定順で装飾文字30が付されていく。つまり、規定順で装飾文字30が付されていくことが「法則」として設定されているとみることもできるところ、当該「法則」が崩れる場合がある構成とする。例えば、ある保留図柄10に「Z」が付されている状態にて、消化順で当該ある保留図柄10の次の保留図柄10が新たに表示され、当該新たな保留図柄10に「Z」が付されるといった事象(
図7(a)参照)が発生しうる。すなわち、当該新たな保留図柄10が表示されることにより「法則」が崩れる。この場合には、(「法則」が維持された場合、すなわち「E」の装飾文字30が付された場合と比較し)当該新たな保留図柄10に対応する当否抽選結果の大当たり信頼度が高くなる(大当たり確定となる設定であってもよい)ものとする。
【0043】
また、通常態様10nである先の保留図柄10と後の保留図柄10の間に特殊態様10sの保留図柄10が表示される場合には、後の保留図柄10には、規定順で「n+1+s」番目の装飾文字30が付される(先の保留図柄10の装飾文字30から、「s」個分を飛ばした装飾文字30が後の保留図柄10に表示される)ことを説明したが、当該法則が崩れるようにしてもよい。例えば、先の保留図柄10が「E」であり、特殊態様10sの保留図柄10の数s=1である場合に、本来であれば(法則通りであれば)後の保留図柄10には「O」が付されるところ、後の保留図柄10に「R」が付される場合があるものとする(
図7(b)参照)。つまり、特殊態様10sの保留図柄10が存在しないものとみなし(先の保留図柄10と後の保留図柄10が連続しているものとみなし)、装飾文字30が付される場合があるものとする。このような状況が発生した場合には、「法則」を崩すこととなった後の保留図柄10についての大当たり信頼度が(「法則」が維持された場合と比較し)高まるものとする。後の保留図柄10ではなく、特殊態様10sの保留図柄10について(「法則」が維持された場合と比較し)大当たり信頼度が高まる設定としてもよい。
【0044】
4)変動中演出を構成する各種演出
本実施形態にかかる遊技機1は、変動中演出を構成する演出(変動中演出中に発生しうる演出)として、以下に示す演出を実行することが可能である。なお、以下で示す演出の一部のみが実行可能である構成としてもよい。
【0045】
4-1)信頼度変化演出、予告演出
信頼度変化演出は、当否抽選結果(対象当否抽選結果)が大当たりとなる蓋然性が高まったことを示す演出である。すなわち、いわゆるチャンスアップ演出である。信頼度変化演出は、表示領域911に表示される演出用の画像(以下、対象画像20と称する)の態様を変化させる。本実施形態における対象画像20は、リーチ演出(リーチ演出)の「タイトル」を含む画像(タイトル画像)である。具体的には、リーチ演出の冒頭では、当該リーチ演出のタイトル(名称)を示す文字を含む画像が表示されるところ、当該タイトルを示す文字が「白」色(基準態様)(
図8(d)参照)から「赤」色(チャンスアップ態様)(
図8(g)参照)に変化することが信頼度変化演出として発生する(なお、当該
図8においては、「白」をハッチング無、「赤」をハッチング有で表現する)。つまり、信頼度変化演出により変化する対象画像20の、変化前を変化前画像20xと、変化後を変化後画像20yとすると、当該「白」の画像が変化前画像20xであり、「赤」の画像が変化後画像20yであるということになる。なお、これら変化前画像20xや変化後画像20yとなりうる態様として複数種の態様が設定されたものとしてもよい。また、ある種の態様の画像が、変化前画像20xとなる場合もあれば、変化後画像20yとなる場合もある設定としてもよい。例えば、上記タイトルを示す文字として「白」、「赤」、「金」(最も信頼度が高い)の三種類が設定されており、「白」(変化前画像20x)から「赤」(変化後画像20y)への変化が発生することもあれば、「赤」(変化前画像20x)から「金」(変化後画像20y)への変化が発生することもある設定としてもよい。
【0046】
ある変動中演出(対象変動中演出)にて信頼度変化演出が発生する場合、当該対象変動中演出における信頼度変化演出が発生するよりも前に予告演出が発生することがある。予告演出は、表示領域911に予告画像25が表示される演出である。予告画像25は、信頼度変化演出の発生を示唆するものとされる。上述した通り、本実施形態における信頼度変化演出は、対象画像20が「タイトル画像」であり、その色が変化するものであるから、「タイトル変化」という文字を含む画像が予告画像25として表示領域911に表示される(
図8(b)参照)。本実施形態では、ある変動中演出にて当該予告画像25が表示される予告演出が発生した場合には、当該変動中演出が終了するまでに、上記タイトル画像を対象画像20とした信頼度変化演出が必ず発生する。ただし、上記タイトル画像の変化は、予告演出の発生を必ず伴うものではない。すなわち、ある変動中演出にて予告演出が発生しなくても当該変動中演出にてタイトル画像の変化が発生することがある。
【0047】
なお、本実施形態では、信頼度変化演出の対象であるリーチ演出として二種以上のリーチ演出が設定されている。予告演出が発生した後、当該二種以上のリーチ演出のいずれか一つが発生し、当該リーチ演出のタイトル画像が変化することになる。リーチ演出の種類が異なればタイトルは異なることになるから、発生するリーチ演出の種類によって対象画像20の態様(タイトルを表す文字の部分)は異なることになる。
【0048】
予告演出の発生から信頼度変化演出の発生までの流れは次の通りである。予告演出は、予告画像25が表示領域911に大きく表示されることでその発生が遊技者に明示される(
図8(b)参照)。その後、予告画像25は小さくなり、表示領域911の外縁近傍に表示される(
図8(c)参照)。この小さな予告画像25が表示された状態が、信頼度変化演出が開始されるまで継続する。予告演出の発生後、信頼度変化演出の対象である一つのリーチ演出が発生する。その冒頭で発生したリーチ演出のタイトルを示すタイトル画像「白」が対象画像20(変化前画像20x)として表示される(
図8(d)参照)。この後、信頼度変化演出が発生する。信頼度変化演出は、変化前段階と変化後段階に区分けされる。
【0049】
変化前段階は、前半部分と後半部分を含む。前半部分(変化前段階の冒頭)においては、変化前画像20xと(表示領域911の外縁近傍に表示された)予告画像25は離れて表示された状態にある(
図8(d)参照)。その後実行される後半部分においては、予告画像25が次第に大きくなりつつ変化前画像20xの方向に移動し(
図8(e)参照)、当該変化前画像20xの手前に重なるよう表示される。本実施形態では、変化前画像20xの全体が予告画像25に覆われる(
図8(f)参照)。変化前画像20x(対象画像20)を表す画像レイヤよりも予告画像25を表す画像レイヤの方が手前に設定されることでこのような状況が作り出される。
【0050】
変化前段階の後、変化後段階に移行する。変化後段階では、予告画像25が消去される。これにより対象画像20が再び露出することになるが、露出した対象画像20は変化後画像20yとなっている。すなわち、変化前画像20xよりも信頼度が高いことを示す変化後画像20yであるタイトル画像「赤」が表示された状態となる(
図8(g)参照)。このような変化前段階および変化後段階を経ることで、遊技者の視点でみれば、予告画像25に覆われていた変化前画像20xが、予告画像25が消去された結果、変化後画像20yに変化しているかのようにみえる演出となる。
【0051】
本実施形態のような予告演出および信頼度変化演出が発生する構成とする場合、予告演出の発生が、信頼度変化演出の発生につながっていることを遊技者に明確に示す(予告演出がどのような作用をもたらすのかを明確に示す)必要がある。上記のように、対象画像20(変化前画像20x)が予告画像25に一旦覆われた上で、露出したときには変化後画像20yに変わっているという流れとすることで、予告画像25が対象画像20の変化をもたらしたということが(予告画像25が「消費」された結果、「信頼度変化」が発生するという)分かりやすい演出形態となる。
【0052】
以下、信頼度変化演出および予告演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
【0053】
〇具体例2-1
予告画像25が変化させる可能性がある対象画像20が複数種存在する構成とする。すなわち、ある変動中演出にて予告演出が発生した場合、当該予告演出の作用により、当該変動中演出にて表示されうる複数種の対象画像20のうちの一つが変化するものとする。例えば、ある予告画像25が表示される予告演出が発生した場合、第一対象画像21が変化する第一信頼度変化演出(
図9参照)が発生することもあれば、第二対象画像22が変化する第二信頼度変化演出(
図10参照)が発生することもある構成とする。ある変動中演出にて予告演出が発生した場合、複数種の信頼度変化演出の一つが発生することが確定するということである。
【0054】
予告画像25の例としては「文字色赤変化」という文字を含むものとすることが考えられる(
図9(a)参照)。第一対象画像21は上記実施形態にて説明したようなリーチ演出の「タイトル画像」であり、第二対象画像22は当該リーチ演出にて表示されるキャラクタのセリフを表す文字の色(セリフ画像)とすることが考えられる。予告演出(予告画像25)の作用により第一信頼度変化演出が発生する場合には「タイトル画像」が「白」から「赤」に変化する(
図9(b)~(d)参照)。予告演出(予告画像25)の作用により第二信頼度変化演出が発生する場合には「セリフ画像」が「白」から「赤」に変化する(
図10(b)~(d)参照)。変動中演出では、第一対象画像21が表示されるタイミングよりも、第二対象画像22が表示されるタイミングの方が早い。そのため、予告演出が発生し、第一信頼度変化演出が発生しない場合には、予告画像25が「消費」されない(予告画像25が表示されたままとなる)(
図10(a)参照)。そして、その残った予告画像25による第二信頼度変化演出が発生することになる(
図10(b)~(d)参照)。一方、第一信頼度変化演出が発生する場合には、予告画像25が「消費」される(予告画像25が消去される)(
図9(e)参照)。よって、その後、当該予告画像25を用いたセリフ画像(第二対象画像22)の変化は発生しない。
【0055】
このようにすることで、予告演出が発生した場合、複数種の信頼度変化演出のいずれが発生するかに注目するという遊技性となる。第一信頼度変化演出および第二信頼度変化演出の一方が発生することの方が、他方が発生することよりも遊技者に有利な設定(信頼度が高くなる設定)とされていれば、有利な方の信頼度変化演出が発生することに遊技者が期待するという遊技性となる。
【0056】
また、本例のような設定とする場合、似非信頼度変化演出(
図11参照)が発生しうる構成とすることができる。予告演出が発生した後、「タイトル画像」(白)を覆うように予告画像25が表示される(
図11(b)参照)ものの、当該予告画像25が消去されても、「タイトル画像」について信頼度が高まる方向への変化が発生しない(「白」のままである)(
図11(c)参照)のが似非信頼度変化演出である。つまり、予告演出の発生に伴う信頼度変化演出が発生したかのように見せつつ(第一信頼度変化演出が発生したかのように見せつつ)、信頼度変化が発生しないという「似非」の演出が発生しうるものとする。演出対象の画像(「タイトル画像」(白))が予告画像25に覆われた時点(
図9(c)、
図11(b)の時点)においては、当該演出が信頼度変化演出(第一信頼度変化演出)であるのか似非信頼度変化演出であるのか遊技者には判別不能である。このような似非信頼度変化演出が発生した場合、予告画像25は「消費」されない(消去されずに表示されたままとなる)(
図11(c)参照)。したがって、その後、別の画像についての信頼度変化演出が発生することになる。つまり、上記例に即して言えば「セリフ画像」を対象画像20とした信頼度変化演出(第二信頼度変化演出)が発生する(
図10参照)ことになる。
【0057】
仮に、第一信頼度変化演出が発生することの方が第二信頼度変化演出が発生することよりも遊技者にとって有利であるとするのであれば、「タイトル画像」を覆うように予告画像25が表示された際(
図9(c)、
図11(b)の時点にて)、当該演出が「似非」ではないことを遊技者が願うことになる。これとは逆に、第二信頼度変化演出が発生することの方が第一信頼度変化演出が発生することよりも遊技者にとって有利であるとするのであれば、「タイトル画像」を覆うように予告画像25が表示された際(
図9(c)、
図11(b)の時点にて)、当該演出が「似非」であることを遊技者が願うことになる。
【0058】
また、本例のように、予告画像25に対象画像20が重なっても対象画像20が変化するとは限らない(似非信頼度変化演出が発生しうる)設定とする場合、対象画像20に重なる際の予告画像25の態様により、対象画像20が変化する蓋然性(似非信頼度変化演出とならず信頼度変化演出となる蓋然性)が示唆されるようにしてもよい。例えば、対象画像20に重なる際の予告画像25として、第一予告画像251(例えば背景が「白」である画像;
図12(a)参照)が表示された場合よりも、当該第一予告画像251とは態様が異なる第二予告画像252(例えば背景が「赤」である画像;
図12(b)参照)が表示された場合の方が、似非信頼度変化演出とならず信頼度変化演出となる蓋然性が高いものとする。このようにすることで、どのような態様の予告画像25が対象画像20に重なるかに遊技者が注目する遊技性となる。
【0059】
〇具体例2-2
上記実施形態における信頼度変化演出(変化前段階)では、対象画像20(変化前画像20x)の全体が予告画像25に覆われることを説明したが、対象画像20(変化前画像20x)の一部のみ予告画像25に覆われる(
図13(b)参照)構成としてもよい。
【0060】
また、このようにする場合、対象画像20の一部が予告画像25に覆われた状態にあっても、対象画像20のその他の一部は露出しているのであるから、当該露出した部分により対象画像20の変化(変化前画像20xから変化後画像20yへの変化)が示されるようにすることができる。上記実施形態に即していえば、タイトル画像の一部が予告画像25に覆われた状態のまま、露出した部分により「白」(
図13(b)参照)から「赤」(
図13(c)参照)への変化が示され、当該変化の後、予告画像25が消去される(
図13(d)参照)ようにする。このように、予告画像25に覆われずに露出した部分が対象画像20に存在することを利用し、予告画像25が消去されるよりも前に、対象画像20の変化が把握できるようにする。
【0061】
また、本例のようにする場合、対象画像20(変化前画像20x)における予告画像25に覆われる範囲の大きさにより、変化後画像20yの態様(高信頼度の変化後画像20yに変化する蓋然性)が示唆されるようにしてもよい。例えば、上記実施形態にて説明したように、変化前画像20xとしてタイトル画像「白」が表示され、それが変化後画像20yとして「赤」または「金」に変化する可能性がある構成とする場合、第一予告画像251が表示された場合(
図14(a)参照)よりも、当該第一予告画像251よりも変化前画像20x(タイトル画像「白」)を覆う範囲が大きい第二予告画像252が表示された場合(
図14(b)参照)の方が、より信頼度の高いタイトル画像「金」の変化後画像20yとなる蓋然性が高いものとする。このようにすることで、対象画像20が予告画像25に覆われる範囲の大きさに遊技者が注目する遊技性となる。
【0062】
〇具体例2-3
上記実施形態では、対象画像20(変化前画像20x)に予告画像25が重なった後、予告画像25が消去されると略同時に対象画像20が変化後画像20yとなっていることを説明したが、
図15に示すように、対象画像20に重なった予告画像25(
図15(b)参照)が消去された後、対象画像20が変化前画像20x(
図15(c)参照)から変化後画像20yに変化する(
図15(d)参照)ものとしてもよい。上記実施形態のようにすると、対象画像20が変化前画像20xから変化後画像20yに変化する瞬間が視認できないため、対象画像20が変化したのかどうか分かりにくくなるおそれがある。本例のようにすることで、対象画像20が変化前画像20xから変化後画像20yに変化する瞬間が視認できるため、対象画像20が変化したということが分かりやすいという利点がある。ただし、上記実施形態のような構成は、予告画像25が消去されるタイミングと変化後画像20yが表れるタイミングが一致するから、予告画像25の作用により対象画像20が変化後画像20yとなったという印象を遊技者が受けやすいという点で優れる。
【0063】
〇具体例2-4
一の変動中演出にて、複数種の予告画像25が表示されうる設定としてもよい。上記実施形態にて説明した「タイトル変化」以外にも、保留図柄10の態様が変化するいわゆる保留変化演出が発生することを予告する「保留変化」(
図16参照)、リーチ図柄が変化することを予告する「図柄変化」(図示せず)といった予告画像25が表示されうる設定とすることが考えられる。いずれの予告画像25が表示される予告演出が発生した場合であっても、対象画像20の変化前画像20xが予告画像25に覆われる状態を経て、変化後画像20yに変化するというものとする。例えば、「保留変化」が発生する場合には、変化前の保留図柄10(
図16(b)参照)が変化前画像20xとして予告画像25に覆われ(
図16(c)参照)、当該予告画像25が消去されることにより変化後の保留図柄10が変化後画像20yとして表れる(
図16(d)参照)態様とする。
【0064】
4-2)複合選択演出
本実施形態では、変動中演出を構成する演出として、複数種の特定演出が発生しうる。当該複数種の特定演出は、いずれも、最終的に遊技者に有利な有利結末または当該有利結末に至らない場合の結末であって遊技者に不利な不利結末に至るものである。本実施形態における当該複数種の特定演出は、いずれもリーチ演出であり、当否抽選結果に応じた結末に至る(結末により当否抽選結果を示す)ものである。すなわち、当否抽選結果が大当たりであれば有利結末に、はずれであれば不利結末に至るものである。なお、有利結末には、一旦失敗結末に至ったかのように見せかけてそれが覆されるいわゆる逆転パターンが発生する場合を含むものとする。
【0065】
本実施形態では、特定演出として、第一特定演出~第四特定演出の四種が発生しうる(
図17(a)参照)。各種特定演出の基本的な大当たり信頼度は相違する。具体的には、後述する好機事象が全く発生しなかったと仮定した場合の信頼度は相違する。本実施形態では、第一特定演出、第二特定演出、第三特定演出、第四特定演出の順で高信頼度となるように設定されている(第四特定演出が最も高い)。
【0066】
本実施形態では、複数種の特定演出のいずれも、結末に至る直前で遊技者に対し操作手段70の操作が要求される(特定演出を構成する演出として操作演出が発生する)。操作有効期間中に操作手段70の操作がなされることを契機として特定演出が結末に至る。つまり、特定演出における操作手段70の操作は、当否抽選結果が判明する直前の分岐となるものであるといえる。なお、操作有効期間中に操作手段70の操作がなされなかった場合には操作有効期間の終了を契機として結末に至る。本実施形態では、操作手段70として第一操作手段71および第二操作手段72が設けられており(
図1参照)、第一操作手段71および第二操作手段72の一方の操作が要求される。第一操作手段71の操作が要求される第一操作演出が発生した場合よりも、第二操作手段72の操作が要求される第二操作演出が発生した場合の方が、有利結末に至る蓋然性(すなわち大当たり信頼度)が高い。第一操作演出が基準態様(デフォルト)であり、第二操作演出がチャンスアップ態様であるといえる。
【0067】
各種特定演出は、互いに異なる態様の映像(各種特定演出の具体的態様(映像の内容)はどのようなものであってもよいから説明、図示を省略する)が表示領域911に表示されるものであり、その映像の違いにより遊技者は特定演出の異同を判別することが可能である。ただし、当該映像の違いにはいわゆるチャンスアップの有無による違いを含まない。つまり、遊技者視点で同一視される演出映像が出力されるものが同じ種類の特定演出であるとする。また、図示しないが、各種特定演出の冒頭においてはそのタイトルを示す画像が表示されるため、当該タイトルの違いによっても特定演出の種類を判別することが可能である。
【0068】
特定演出においては、複数種の好機事象(チャンスアップ事象)が発生することがある。本実施形態では、第一好機事象~第三好機事象の三種が発生しうる(
図17(b)参照)。一の特定演出にて発生する好機事象の回数は一定ではない。すなわち、一の特定演出にて発生する好機事象の回数は0~3のいずれかであり、その発生回数が多いほど有利結末に至る蓋然性(大当たり信頼度)が高い。第一好機事象は、特定演出中に登場するキャラクタのセリフを表す文字(以下、文字画像41と称することもある)が「赤」となるものである。つまり、当該文字画像41は「白」が基準態様(デフォルト)である(
図18(a-1)参照)ところ、当該文字画像41が「赤」となる(
図18(a-2)参照)ことが第一好機事象として設定されている。第二好機事象は、特定演出中に所定の好機画像42(カットイン画像)が表示されるものである。つまり、特定演出を通じて当該好機画像42が表示されないことが基準態様(デフォルト)(
図18(b-1)参照)であり、当該好機画像42が所定のタイミングで表示される(
図18(b-2)参照)ことが第二好機事象として設定されている。第三好機事象は、特定演出にて実行される操作演出(既述)が第一操作演出(
図18(c-1)参照)ではなく、第二操作演出となる(
図18(c-2)参照)ものである。
【0069】
これら第一好機事象~第三好機事象は、複数種の特定演出のいずれにおいても発生しうるものである。ただし、各好機事象を表す演出の厳密な態様は同じではない。例えば、上記文字画像41が表すセリフは特定演出によって内容が異なるため、当該セリフの色が同じであっても表示される文字列は異なる。つまり、セリフの文字の色が「赤」になるという事象(第一好機事象)が、複数種の特定演出のいずれにおいても発生しうるということである。同様に、好機画像42の態様は特定演出毎に異なるものであってもよい(同じであってもよい)。好機画像42の態様が特定演出毎に異なるものであっても、当該好機画像42が表示されるという事象(第二好機事象)が、複数種の特定演出のいずれにおいても発生しうるということである。
【0070】
第一好機事象~第三好機事象のいずれも、発生することで有利結末に至る蓋然性(大当たり信頼度)が高まる。ただし、各種好機事象は、発生したときの遊技者にとっての価値が異なる(信頼度上昇の度合が異なる)。本実施形態では、当該価値が、第一好機事象、第二好機事象、第三好機事象の順で高くなる(第三好機事象が最も高い)。つまり、ある種の特定演出にて好機事象が一回だけ発生すると仮定した場合、第一好機事象よりも第二好機事象が発生することの方が、第二好機事象よりも第三好機事象が発生することの方が遊技者にとって有利(高信頼度)である。
【0071】
なお、各種特定演出は、好機事象の発生の有無にかかわらず、結末に至る時点(当否抽選結果が判明する時点)に至るまでに要する時間の長さが一定である。すなわち、好機事象の発生の有無に応じ、結末に至るまでの時間が変化するというものではない。ただし、異なる種類の特定演出どうしを比較して、当該結末に至るまでの時間が異なるものであってもよい。すなわち、ある種の特定演出は、その他の種類の特定演出と当該時間が異なるが、当該ある種の特定演出において好機事象が発生するか否か(第一好機事象~第三好機事象がいくつ発生するか)は、当該時間に影響を与えるものではない。
【0072】
ある変動中演出(対象変動中演出)にて特定演出が発生する場合、当該対象変動中演出における特定演出が発生するよりも前に複合選択演出が発生することがある。複合選択演出が発生した場合には、その後必ず複数種の特定演出のうちのいずれかが発生することになる。なお、各種特定演出は、複合選択演出を経ずに発生することもある。つまり、各種特定演出が発生する条件として、複合選択演出の発生が設定されているわけではない。ただし、複合選択演出が発生した場合、その後発生する特定演出にて少なくとも一種の好機事象が発生することが確定するから、その点において複合選択演出を経た上で特定演出が発生することは遊技者にとって有利であるといえる(複合選択演出を経ずに発生した特定演出は、全く好機事象が発生しないことがある)。
【0073】
複合選択演出(
図19(b)~(e)参照)は、連続的に実行される第一選択演出および第二選択演出を含む。なお、第一選択演出および第二選択演出は、遊技者自らが好みの選択肢(候補)を選択することができるというものではない。選択されうる複数の選択肢が提示された上で、そのうちのいずれかが自動的に選択されるものである。第一選択演出の終了(第一選択演出の結果が示された)後、続けざまに第二選択演出が開始される。特に説明する場合を除き、第一選択演出と第二選択演出が連続的に発生するのであれば、第二選択演出が実行された後、第一選択演出が実行されるようにしてもよい。
【0074】
第一選択演出(
図19(b)(c)参照)は、複数種の特定演出(第一特定演出~第四特定演出)のいずれが実行されるのかを示す演出である。つまり、第一特定演出~第四特定演出が、今後実行される可能性がある「候補」(選択肢)として提示された上で、そのうちのいずれか一つが選択されることになる。本実施形態では、第一特定演出~第四特定演出それぞれの名称(リーチの名称)を表す文字を含む画像が選択肢を示す画像(第一選択肢画像51)として表示される(第一特定演出~第四特定演出それぞれの名称を、リーチA~リーチDとして図示する)。これら四つの第一選択肢画像51が変動表示された(
図19(b)参照)上で、当該変動が停止することでいずれか一つが選択されたことが示される(
図19(c)参照)。ここで選択された特定演出が複合選択演出(第二選択演出)終了後に実行される(
図19(f)参照)ことになる。
【0075】
第一選択演出に続き、第二選択演出(
図19(d)(e)参照)が実行される。第二選択演出は、第一選択演出にて選択された特定演出にて発生する好機事象の種類を示す。具体的には、第一好機事象~第三好機事象が、特定演出にて発生しうる好機事象の「候補」(選択肢)として提示された上で、そのうちのいずれか一つが選択されることになる。本実施形態では、第一好機事象~第三好機事象それぞれの名称(チャンスアップの名称)を表す文字を含む画像が選択肢を示す画像(第二選択肢画像52)として表示される(第一好機事象~第三好機事象それぞれの名称を、セリフ変化、カットイン、デバイスとして図示する)。これら三つの第二選択肢画像52が変動表示された(
図19(d)参照)上で、当該変動が停止することでいずれか一つが選択されたことが示される(
図19(e)参照)。
【0076】
第二選択演出の終了をもって、複合選択演出は終了する。そして、第一選択演出にて選択された特定演出(第一特定演出~第四特定演出のいずれか一つ)が開始される(
図19(f)参照)。当該特定演出にて、第二選択演出にて選択された好機事象が発生する(
図19(e)参照)。なお、本実施形態では、第二選択演出にて選択されなかった好機事象もその後の特定演出にて発生することもある。つまり、第二選択演出にて選択されなかった好機事象がその後の特定演出にて非発生となることが確定するわけではない。第二選択演出にて選択された好機事象しか発生しない設定とすると、複合選択演出を経た特定演出にて発生する好機事象は一種のみとなることになってしまう(演出のパターンが限定されてしまうことによる趣向性の低下を招いてしまうおそれがある)から、選択されなかった好機事象の発生可能性を排除しないようにすることが好ましい。
【0077】
このように、本実施形態では、複合選択演出にて発生する特定演出の種類とともに、当該特定演出にて発生する好機事象の種類も示されるから、演出の進行(展開)が分かりやすいものとなる。
【0078】
以下、複合選択演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
【0079】
〇具体例3-1
上記実施形態では、第二選択演出にて候補として示される全ての好機事象(第一好機事象~第三好機事象)は、どの種類の特定演出であっても(第一特定演出~第四特定演出のいずれであっても)発生しうるものであることを説明したが、特定演出の種類に応じ、発生しうる好機事象の種類が異なるものであってもよい。なお、ここでいう「好機事象が発生しない」ことには、基準となる事象(デフォルトの態様)が設定されていないものも含まれるものとする。例を挙げると、上記実施形態にて、第三好機事象は、特定演出にて実行される操作演出が第一操作手段71の操作が促される第一操作演出(デフォルトの態様)ではなく、第二操作手段72の操作が促される第二操作演出となるものであることを説明したが、第一操作演出が発生せず必ず第二操作演出となるような設定(つまり、基準(比較対象)となる「第一操作演出」が発生しない設定)である場合も、「好機事象が発生しない」ものに含まれるものとする(あくまで、好機事象は、「比較対象」が存在した上での「チャンスアップ」となる事象であるから)。換言すれば、演出の「分岐」となっていない事象(発生しないこともあるという事象)でなければ、好機事象ではないということである。
【0080】
例えば、第一特定演出~第三特定演出においては、第一好機事象~第三好機事象のいずれも発生しうるものの、第四特定演出においては、第一好機事象および第二好機事象は発生しうるが、第三好機事象は発生することがない設定であるとする(
図20(a)参照)。この場合、第一選択演出にて第一特定演出~第三特定演出が選択された場合の演出の流れは上記実施形態と同じである。つまり、第二選択演出にて第一好機事象~第三好機事象の全てが「候補」として示される(
図20(b-1)参照)。一方、第一選択演出にて第四特定演出が選択された場合には、第二選択演出にて第一好機事象と第二好機事象が「候補」として示されるものの、発生することがない第三好機事象は「候補」として示されない(
図20(b-2)参照)。
【0081】
このように、特定演出の種類に応じて発生しうる好機事象の種類が異なるのであれば、第一選択演出にて選択された特定演出の種類に応じ、第二選択演出にて示される好機事象の「候補」が示されるようにすればよい。すなわち、本例のようにするのであれば、複合選択演出は、第一選択演出が実行された後(実行される特定演出の種類が示された後)、第二選択演出が実行される構成とするとよい。
【0082】
なお、裏を返せば、上記実施形態のように、第二選択演出にて候補として示される全ての好機事象(第一好機事象~第三好機事象)が、どの種類の特定演出であっても(第一特定演出~第四特定演出のいずれであっても)発生しうるものとする場合には、本例のような制御(実行する特定演出(第一選択演出の選択)を踏まえて、候補となる好機事象の種類(第二選択演出にて提示する候補の種類)を制御すること)が不要であるという利点があるといえる。また、複合選択演出を、第二選択演出が実行された後(好機事象の選択の後)、第一選択演出が実行される(実行する特定演出が選択される)ものとすることができるという利点もあるといえる。
【0083】
〇具体例3-2
第一選択演出にて示される候補の組み合わせが毎回変化しうるものとしてもよい。第一選択演出にて候補として示されなかった特定演出は選択されることはない(発生することはない)のであるから、より信頼度が高い特定演出が候補に含まれることを遊技者が願う演出形態となる。
【0084】
同様に、第二選択演出にて示される候補の組み合わせが毎回変化しうるものとしてもよい。第二選択演出にて候補として示されなかった好機事象は選択されることはない(発生することはない)のであるから、より信頼度が高い好機事象が候補に含まれることを遊技者が願う演出形態となる。
【0085】
〇具体例3-3
第二選択演出にて、二以上の好機事象が選択されうるケースが発生しうるものとする(
図21参照)。上記実施形態のように、第二選択演出にて第一好機事象~第三好機事象の三つが候補として提示されるのであれば、そのうちの二つや、三つ全てが選択されるという結果に至り、選択された二以上の好機事象がその後の特定演出にて発生する場合もある構成とする。特定演出にて発生する好機事象の数が多くなるほど有利結末に至る蓋然性が高くなる(大当たり信頼度が高くなる)から、本例のようにすることで第二選択演出にてより多くの好機事象(第二選択肢画像52)が選択されることを遊技者が願う演出形態となる。
【0086】
なお、第二選択演出と異なり、第一選択演出は発生する特定演出の種類を決定する演出である(その後実行される特定演出は一種のみ)であるから、二以上の特定演出(第一選択肢画像51)が選択されるという結果が発生しうる構成とすることはできない。
【0087】
本例のようにする場合、第二選択演出にて選択されなかった好機事象が、その後の特定演出にて発生することがない設定としてもよい。上記実施形態のように、第二選択演出にて一の好機事象が選択される構成である場合には、選択されなかった好機事象もその後の特定演出にて発生しうる設定としなければ、演出のパターンが限定されてしまうため好ましくない。しかし、本例のように第二選択演出にて二以上の好機事象が選択される可能性がある(選択される好機事象の数が不定である)設定とするのであれば、第二選択演出にて選択された一または二以上の好機事象のみその後の特定演出にて発生し、それ以外の好機事象はその後の特定演出にて発生することがない構成としてもよい。
図21に示した例(
図21(b)の結果に至った場合)でいえば、その後の特定演出にて第一好機事象(セリフ変化)と第二好機事象(カットイン)が発生し、第三好機事象(デバイス)は発生することがない。
【0088】
〇具体例3-4
第二選択演出にて、候補として提示された複数種の好機事象(第二選択肢画像52)のいずれも選択されない結果(以下、非選択結果と称する)が発生しうる設定とする。非選択結果となった場合、その後の特定演出にて好機事象が全く発生しない(第一好機事象~第三好機事象のいずれも発生しない)場合もあることになる。
【0089】
上記実施形態のように、第二選択演出にて一種の好機事象(第二選択肢画像52)が選択される構成とするのであれば、複合選択演出を経た特定演出では少なくとも一種の好機事象が発生することが確定するから、複合選択演出が発生することはその点において遊技者に有利であるという遊技性が実現される。一方、本例のようにした場合には、複合選択演出が発生したとしても、特定演出にて全く好機事象が発生しないケースも生じ得ることになり、演出の幅が広がることになる。
【0090】
〇具体例3-5
複合選択演出の冒頭(第一選択演出および第二選択演出のいずれも結果が判明していない状況をいう)にて、第一選択演出の候補(第一選択肢画像51)と、第二選択演出の候補(第二選択肢画像52)の両方が示される(
図22(b)参照)ものとする。すなわち、上記実施形態のように、実行される特定演出の種類が判明した(第一選択演出の結果が示された)後、当該特定演出にて発生する可能性がある好機事象の種類が示されるのではなく、実行される特定演出の種類が判明する前の段階(第一選択演出が開始される(
図22(c)参照)前の段階)から当該特定演出の候補とともに好機事象の候補が示される(
図22(b)参照)ものとする。
【0091】
上記実施形態のように、第一選択演出の結果が判明した後、第二選択演出が開始されるものとすると、第一選択演出の結果が遊技者にとってあまり好ましくないものである場合(例えば、信頼度の低い特定演出が選択された場合)には、遊技者が当該選択について落ち込み、第二選択演出の結果に対する関心が薄れてしまうおそれがある。第二選択演出の結果が先に判明するように構成した場合も同様である。すなわち、第二選択演出の結果が遊技者にとってあまり好ましくないものである場合(例えば、信頼度の低い好機事象が選択された場合)には、遊技者が当該選択について落ち込み、第一選択演出の結果に対する関心が薄れてしまうおそれがある。このような状況となるのを防止するため、複合選択演出の冒頭にて特定演出の候補と有利事象の候補の両方を示す。
【0092】
特に、上記具体例3-2にて説明したように、特定演出の候補や好機事象の候補が毎回変化しうる設定とするのであれば、どのような候補が提示されるかは遊技者の大きな関心事項であるため、選択が全くなされていない段階(遊技者が落ち込んでしまう状況となりうる前の段階)で特定演出の候補や好機事象の候補を示すようにすることが有効であるといえる。
【0093】
〇具体例3-6
第二選択演出にて提示されうる好機事象として、特定演出中に発生した場合には当該特定演出が有利結末となることが確定する事象(以下、確定事象と称する)が設定されている構成とする。上記実施形態のように、「有利結末=大当たり」という設定であれば、第二選択演出にて候補として確定事象が示され、当該確定事象が選択された場合にはその時点で当否抽選結果が大当たり確定となる。このようにすることで、第二選択演出にて示される候補(第二選択画像)に確定事象が含まれる(
図23(b-2)参照)か否か(
図23(b-2)参照)に遊技者が注目し、含まれている場合には当該確定事象が選択されることを願う演出形態となる(
図23(b-2)に示される「プレミア」の第二選択画像が確定事象に対応するものである)。また、上記実施形態のように第一選択演出の結果が判明した(実行する特定演出の種類が決まった)後、第二選択演出が発生する構成とするのであれば、第一選択演出にてあまり信頼度の高くない特定演出が選択された場合であっても、第二選択演出にて確定事象が選択されることで大当たり確定となるといったパターン(第一選択演出での不利な状況が第二選択演出にて覆されるパターン)が発生しうることになり、面白みが増す。
【0094】
好機事象の一つとして確定事象が含まれる構成とする場合、当該確定事象は、複数種の特定演出の一部では発生しうるものの、その他の特定演出では発生しない設定とすることも考えられる。例えば、第二特定演出(リーチB)および第三特定演出(リーチC)では確定事象は発生することはなく、第一特定演出(リーチA)および第四特定演出(リーチD)では確定事象が発生しうるものとする。この場合、第一選択演出(
図22(a)参照)にて第二特定演出や第三特定演出が選択された場合には、第二選択演出にて確定事象が選択されることはなくなり(候補として確定事象が示されない)(
図23(b-1)参照)、第一選択演出にて第一特定演出や第四特定演出が選択された場合には、第二選択演出にて確定事象が選択される可能性がある(
図23(b-2)参照)のであるから、第一選択演出にて第一特定演出や第四特定演出が選択されることは、第二選択演出にて確定事象が選択される可能性が残存するという点で遊技者に有利であるという演出形態が実現される。
【0095】
4-3)変動停止図柄アクション
本実施形態では、変動中演出を構成する演出(アクション)として、以下の変動停止アクションを実行することが可能である。なお、当該変動停止アクションは、所定の演出モード(特定モード)が設定されている状況にて発生しうるものである。つまり、以下で説明する各種構成等は、当該特定モードが設定されている状況におけるものをいう。例えば、以下で説明する装飾図柄80の態様は、当該特定モードが設定されている状況でのものをいう。ただし、変動停止アクションが発生しうる条件としてこのような条件が設定されておらず、常時当該変動停止アクションが発生しうる構成としてもよい。
【0096】
各種装飾図柄80(
図24(a)参照)は、その種類を示す主要素部81および当該主要素部81に付随する副要素部82を含む。主要素部81は、文字(本実施形態では「数字」)を含む部分である。当該主要素部81の文字が同じ(フォント等の外形が異なっていてもよい)であれば、図柄の種類は同じである。本実施形態では、「1」~「7」のいずれかの数字を含む。つまり、装飾図柄80として七種類の図柄が設定されている。副要素部82は、「1」~「7」の数字のそれぞれに対応づけられた異なるキャラクタを表す部分である。なお、「キャラクタ」には、人間等の動物を表したものだけでなく、物体を表したものも含まれるものとする。また、実際に存在するものだけでなく、漫画等の原作に登場する空想上のものを表したものも含まれるものとする。
【0097】
本実施形態では、主要素部81「1」には「キャラクタA」が、「2」には「キャラクタB」が、・・・「7」には「キャラクタG」がそれぞれ対応付けられている(
図24(a)参照)。つまり、同じ種類の装飾図柄80(主要素部81が同じである装飾図柄80)は、副要素部82として、同じ種類のキャラクタを含む。なお、各キャラクタは、遊技者が同じキャラクタを表していると認識できる範囲で態様が変化するものとしてもよい。左装飾図柄群80gL、右装飾図柄群80gR、中装飾図柄群80gCのそれぞれは、主要素部81が「1」~「7」の七種の図柄を含むものとする。
【0098】
以下の説明においては、左装飾図柄群80gLに含まれる装飾図柄80(左装飾図柄群80gLから選択される装飾図柄80)を左装飾図柄80Lと、右装飾図柄群80gRに含まれる装飾図柄80(右装飾図柄群80gRから選択される装飾図柄80)を右装飾図柄80Rと、中装飾図柄群80gCに含まれる装飾図柄80(中装飾図柄群80gCから選択される装飾図柄80)を中装飾図柄80Cと称する(
図24(b)参照)。詳細については後述するが、変動停止アクションが発生する際の変動停止(疑似停止を含む)順で「第一」~「第三」の接頭語を付すとすれば、左装飾図柄80L(左装飾図柄群80gL)が「第一装飾図柄(第一装飾図柄群)」、右装飾図柄80R(右装飾図柄群80gR)が「第二装飾図柄(第二装飾図柄群)」、中装飾図柄80C(中装飾図柄群80gC)が「第三装飾図柄(第三装飾図柄群)」ということになる。
【0099】
まず、左装飾図柄群80gLの変動が停止し、一の左装飾図柄80Lが表示領域911の幅方向中央よりも左側に表示される(
図25(b)参照)。なお、変動停止アクションの説明にて、「停止」には疑似停止(遊技者には停止しているように見えるものの完全には停止していない状態、例えばわずかに揺れ動いているような状態をいう)を含むものとする。その後、右装飾図柄群80gRの変動が停止し、一の右装飾図柄80Rが表示領域911の幅方向中央よりも右側に表示される(
図25(c)参照)。なお、一の左装飾図柄80Lが表示されるタイミングと、一の右装飾図柄80Rが表示されるタイミングの前後は問わない。両者が同時に表示される(左装飾図柄群80gLと右装飾図柄群80gRの変動が同時に停止する)ものであってもよいし、右装飾図柄80Rが表示されるタイミングの方が、左装飾図柄80Lが表示されるタイミングよりも早い(左装飾図柄群80gLの変動が停止するタイミングよりも右装飾図柄群80gRの変動が停止するタイミングの方が早い)ものであってもよい。
【0100】
その後、中装飾図柄群80gCの変動が停止する。この際、左装飾図柄80Lの副要素部82(左副要素部82L)と、右装飾図柄80Rの副要素部82(右副要素部82R)が互いに近づくように変位する。つまり、中装飾図柄群80gCの変動が停止することによって表示される一の中装飾図柄80Cは、幅方向における左装飾図柄80Lと右装飾図柄80Rの間に表示されるところ、当該中装飾図柄80Cに向かうようにして左副要素部82Lのキャラクタと右副要素部82Rのキャラクタが動作する。具体的には、左副要素部82Lのキャラクタと右副要素部82Rのキャラクタが中装飾図柄群80gCから選択される一の中装飾図柄80Cを停止させているような変動停止アクションを行う(
図25(d)参照)。本実施形態では、変動停止アクションを経て表示される最終的な装飾図柄80の組み合わせは「はずれ」を示すものとなる。つまり、当否抽選結果がはずれとなる変動でしか変動停止アクションは発生しないものとされている。その後、変動前保留情報が存在すれば次変動に移る。
【0101】
なお、本実施形態では、変動停止アクションが発生している際も、左装飾図柄80Lと右装飾図柄80Rにて副要素部82(左副要素部82L、右副要素部82R)と主要素部81は繋がった状態にある(分離していない)(
図25(d)参照)。つまり、左装飾図柄80Lや右装飾図柄80Rが主要素部81と副要素部82から構成される一つの図柄であることが分かりやすい状態が保たれる。
【0102】
このように、変動停止アクションは、中装飾図柄80Cの両側に表示される左装飾図柄80Lおよび右装飾図柄80Rが副要素部82(キャラクタ)を含むものであることを利用し、当該副要素部82が中装飾図柄80C(中装飾図柄群80gC)を停止させるという面白みのあるものである。
【0103】
以下、変動停止アクションに関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
【0104】
〇具体例4-1
上記実施形態における変動停止アクションは、幅方向における左装飾図柄80L(第一装飾図柄)と右装飾図柄80R(第二装飾図柄)の間に中装飾図柄80C(第三装飾図柄)が表示される際のものであるが、変動停止アクションをする副要素部82を有する二つの装飾図柄80の間に、変動停止アクションの対象となる装飾図柄80が表示されるものであれば、三つの装飾図柄80の位置関係(並ぶ方向)は適宜変更可能である。例えば、表示領域911の上側に表示される装飾図柄80(第一装飾図柄)と、下側に表示される装飾図柄80(第二装飾図柄)との間に、変動停止アクションの対象となる装飾図柄80(第三装飾図柄)が表示されるもの(三つの装飾図柄80が上下方向に並ぶ関係)としてもよい。
【0105】
〇具体例4-2
左装飾図柄80Lと右装飾図柄80Rの種類が同じとなる、いわゆるリーチが成立した際には、変動停止アクションが発生することがない設定とする。左装飾図柄80Lと右装飾図柄80Rの種類が同じになるということは、左装飾図柄80Lの副要素部82であるキャラクタと、右装飾図柄80Rの副要素部82であるキャラクタが同じになるということである。このような二つの「同じ種類のキャラクタ」が同時にアクションを行うことについて、遊技者が違和を感じるおそれがある(同時期に同じ種類の二つのキャラクタが中装飾図柄80C停止のために一緒に動作するという違和感のある(現実離れした)演出形態となる)から、リーチ成立時には変動停止アクションが発生しないものとする。つまり、変動停止アクションが発生するのは、左装飾図柄80Lと右装飾図柄80Rの種類が異なる場合、すなわち左装飾図柄80Lの副要素部82であるキャラクタと、右装飾図柄80Rの副要素部82であるキャラクタが異なる場合に限定されるものとする。
【0106】
なお、本例のようにする場合、変動停止アクションが発生するのはリーチ不成立時ということになるから、いわゆる「どはずれ」変動(リーチが成立することなくはずれが報知される変動)にて変動停止アクションが発生するという設定となる。
【0107】
〇具体例4-3
上記具体例4-2とは異なり、リーチが成立した際(
図26(a)参照)においても変動停止アクションが発生しうる(
図26(b)参照)構成とする。ただし、リーチが成立した際の変動停止アクションは、同じ種類のキャラクタである、左副要素部82Lが表すキャラクタと右要素部が表すキャラクタのアクションが異なるものとする。なお、ここでいう「アクションが異なる」には、両キャラクタのアクションが左右対称のものは含まれない。つまり、両キャラクタのアクションが同一(平行移動させた場合にぴったり重なる態様)ではなく、かつ、非対称でもあるものが「異なるアクション」であるとする。上記実施形態のように、リーチ成立時には表示領域911の左右に同じ種類のキャラクタが表示されることになる構成であれば、左副要素部82Lが表すキャラクタと右要素部が表すキャラクタのアクションが、非同一かつ左右非対称となるようにする(
図26(b)参照)。つまり、左右に位置する同じキャラクタが中央に向かって動作する場合、当該動作を左右対称にすることが考えられるところ、敢えて当該動作を左右非対称とする。
【0108】
同じ種類のキャラクタが同時期に表示されること自体が違和感のあるものであるところ、その同じ種類のキャラクタのアクションも同じになってしまうとその違和感が増大してしまう。そこで、当該違和感をできるだけ抑制するため、リーチ成立時においても変動停止アクションを発生させる際には、敢えて両キャラクタのアクションを異ならせる(同じ動作をする二つの同じキャラクタを同時期に表示しないようにして違和感を抑制する)。
【0109】
本例のようにする場合、全ての種類の装飾図柄80(キャラクタA~Iのそれぞれ)について、左装飾図柄80Lとして表示された場合のアクション(左用アクション)と、右装飾図柄80Rとして表示された場合のアクション(右用アクション;左用アクションとは異なる態様である)とが用意されたものとするとよい。リーチが成立するか否かにかかわらず、ある種の装飾図柄80が左装飾図柄80Lとして表示されるのであれば左用アクション(
図26(c-1)参照)が、右装飾図柄80Rとして表示されるのであれば右用アクション(
図26(c-1)参照)が実行されるようにする。このようにすることで、リーチ成立の有無にかかわらず(リーチが成立した場合であっても)必然的に左右のキャラクタのアクションが異なるものとなる。
【0110】
なお、本例のようにする場合、リーチ成立時においても変動停止アクションが発生するのであるから、「リーチ成立を経てはずれ」となる変動だけでなく、「大当たり」となる変動においても変動停止アクションを発生させることができる。つまり、リーチを構成する左装飾図柄80Lと右装飾図柄80Rと同じ種類の中装飾図柄80Cが停止する際に、変動停止アクションが発生しうる構成とすることができる。
【0111】
〇具体例4-4
変動停止アクションの発生がいわゆる先読み演出として機能する構成とする。先読み演出は、ある当否抽選結果(対象当否抽選結果)の大当たり信頼度が高まったことを、当該対象当否抽選結果よりも先に報知が完了する一または複数の先の当否抽選結果を報知する変動中演出を利用して示唆するものであるところ、当該先の当否抽選結果(はずれ)の報知の際に、変動停止アクションが発生するものとする(
図27(b-1)参照)。つまり、変動停止アクションの発生が先読み演出の発生を示すものとして機能するものとする。「先読み無し」の場合は、変動停止アクションが発生しないということである(
図27(b-2)参照)。いわゆる先読み回数(先の当否抽選結果の数)が多い方が、対象当否抽選結果の大当たり信頼度が高い設定とするのであれば、変動停止アクションが発生した回数が多いほど対象当否抽選結果の大当たり信頼度が高いというものとなる。
【0112】
このようにすることで、左装飾図柄80Lおよび右装飾図柄80Rが含む副要素部82が中装飾図柄80Cを停止させるという特異な変動停止アクションが発生することが先読み発生を示すものとなる、分かりやすい先読み演出とすることができる。
【0113】
本例のようにする場合、全ての種類の装飾図柄80(キャラクタA~Iのそれぞれ)について、態様が異なる二以上のアクションを用意しておき、そのアクションにより対象当否抽選結果の信頼度が示唆されるようにしてもよい。例えば、キャラクタA~Iのそれぞれについて第一アクションと第二アクションが設定されているものとする。左装飾図柄80Lと右装飾図柄80Rの組み合わせが同じであれば、変動停止アクションをするキャラクタの組み合わせは同じであるところ、左副要素部82Lのキャラクタと右副要素部82Rのキャラクタが第一アクション(
図27(c-1)参照)をした場合よりも、左副要素部82Lのキャラクタと右副要素部82Rのキャラクタが第二アクション(
図27(c-2)参照)をした場合の方が、対象当否抽選結果の大当たり信頼度が高い(先読みの信頼度が高い)ものとする。このようにすることで、変動停止アクションに際し、左右のキャラクタがどのようなアクションを行うかにも注目すべき演出形態となる。
【0114】
〇具体例4-5
変動停止アクションにより停止させられる対象の装飾図柄80(装飾図柄群80g)は、副要素部82(キャラクタ)を含まないものとする。上記実施形態に即して言えば、中装飾図柄80C(中装飾図柄群80gCが含む装飾図柄)は、主要素部81(数字)は含むものの、副要素部82を含まないものとする(
図28参照)。変動停止アクションは、左副要素部82Lおよび右副要素部82Rがアクションをする演出であるため、当該アクションによって停止させられる中装飾図柄80Cは副要素部82を有していなくてもよい。
【0115】
このようにすることで、「停止させる図柄」(副要素部82有)と、「停止させられる図柄」(副要素部82無)の違いが明確になり、変動停止アクションがより分かりやすい演出となる。
【0116】
〇具体例4-6
左装飾図柄群80gLに含まれる各種装飾図柄80や、右装飾図柄群80gRに含まれる各種装飾図柄80は、変動中は副要素部82を含まないものの、変動停止時に副要素部82を含む態様に変化する構成としてもよい。例えば、「数字」(主要素部81)のみで変動した(
図29(a)参照)後、停止時に「数字」(主要素部81)+「キャラクタ」(副要素部82)となって表示される(
図29(b)(c)参照)構成としてもよい。変動停止アクションは、左装飾図柄80L(第一装飾図柄)および右装飾図柄80R(第二装飾図柄)が示された(左右装飾図柄群80gRが変動停止した)後発生するものであるから、それよりも前の状態においては副要素部82を含んでいなくてもよい。
【0117】
なお、中装飾図柄80C(中装飾図柄群80gC)については、変動が停止しても副要素部82を含まないまま(数字のまま)であってもよい(
図29(d)参照)し、左装飾図柄80Lや右装飾図柄80Rと同様に、変動停止時に「数字」(主要素部81)+「キャラクタ」(副要素部82)となって表示される構成(図示せず)としてもよい。
【0118】
5)以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0119】
上記実施形態にて説明した事項は、ぱちんこ遊技機特有の構成を利用した点を除いて、回胴式遊技機等その他の遊技機にも適用することが可能である。
【0120】
上記実施形態にて説明した当否抽選結果が「大当たり」となる蓋然性(大当たり信頼度)を示唆する演出については、いわゆる「小当たり」となる蓋然性を示唆するものとして用いることもできる。
【0121】
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
【0122】
・手段1-1
当否抽選に用いられる当否抽選情報であって、対応する当否抽選結果の報知が完了していないものの存在を保留図柄として表示する遊技機であって、前記保留図柄の態様として、通常態様および当該通常態様よりも対応する当否抽選結果が当たりとなる蓋然性が高い特殊態様が設定されており、前記通常態様の前記保留図柄には、対応する当否抽選結果の報知が早い順である消化順で、互いに異なる文字であり規定順が定められたX個の装飾文字が循環して付されていくことを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、現在の保留(記憶されている当否抽選情報)の状況を把握することが容易になる。
【0123】
・手段1-2
前記消化順で、前記通常態様である先の保留図柄と後の保留図柄との間にs個の前記特殊態様の保留図柄が表示された場合、前記先の保留図柄には前記規定順でn番目の前記装飾文字が付され、前記後の保留図柄には前記規定順でn+1+s番目の前記装飾文字が付されることを特徴とする手段1-1に記載の遊技機。
このようにすることで、通常態様の保留図柄と特殊態様の保留図柄の区別が容易になる。
【0124】
・手段1-3
前記通常態様の前記保留図柄と、前記特殊態様の前記保留図柄のうちの少なくとも一種とは、前記装飾文字の有無で相違するものの、共通要素を有することを特徴とする手段1-1または手段1-2に記載の遊技機。
上記の通り、装飾文字は、通常態様の保留図柄に対して規定順で付されていくものである(保留の状況を把握するために付されるものである)ところ、当該装飾文字が付されていない保留図柄を特殊態様の保留図柄として機能させることもできる。
【0125】
・手段2-1
表示領域を有する表示手段と、前記表示領域に表示される装飾図柄の変動開始から、当該装飾図柄が当否抽選結果に応じた態様で停止するまでの変動中演出を実行する変動中演出実行手段と、前記変動中演出中に、当否抽選結果が当たりとなる蓋然性である信頼度が高まる信頼度変化演出が発生することを、予告画像を表示して予告する予告演出を実行する予告演出実行手段と、を備え、前記信頼度変化演出は、変化前の対象画像である変化前画像の少なくとも一部を覆うように前記予告画像を表示する変化前段階と、前記予告画像が消去された上で、前記変化前画像よりも信頼度が高いことを示す変化後画像が表示される変化後段階と、を含むことを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、予告演出が発生した結果(予告画像の作用により)、対象画像の態様が変化したということが分かりやすい信頼度変化演出とすることができる。
【0126】
・手段2-2
前記変化前段階は、前記変化前画像と前記予告画像が離れて表示される前半部分と、前記予告画像が前記変化前画像の方向に変位した上で、当該変化前画像の少なくとも一部を覆うように当該予告画像が表示される後半部分と、を含むことを特徴とする手段2-1に記載の遊技機。
このようにすることで、予告画像の作用により対象画像が変化したということをより分かりやすく示すことができる。
【0127】
・手段2-3
ある画像の少なくとも一部を覆うように前記予告画像が表示された後、当該ある画像について信頼度が高まる方向への変化が発生せずに、当該予告画像が残る似非信頼度変化演出が発生することがあり、前記似非信頼度変化演出が発生した後、前記ある画像とは別の画像を前記対象画像とした信頼度変化演出が発生することを特徴とする手段2-1または手段2-2に記載の遊技機。
このようにすることで、ある画像が予告画像に覆われる状況となったとしても、当該画像について信頼度変化演出が発生するとは限らない構成となる。その場合には、予告画像は「消費」されず、別の画像を対象画像とした信頼度変化演出が発生するようにすればよい。
【0128】
・手段3-1
遊技者に有利な有利結末または当該有利結末に至らない場合の結末である不利結末に至る複数種の特定演出を実行することが可能な遊技機であって、前記特定演出が開始されるよりも前に、複数種の前記特定演出のうちのいずれが実行されるかを示す第一選択演出と、当該第一選択演出にて選択された前記特定演出にて発生する好機事象の種類を示す第二選択演出と、を含む複合選択演出が発生することを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、特定演出が発生する際の演出の進行(展開)が分かりやすくなる。
【0129】
・手段3-2
前記第二選択演出にて示される全ての好機事象は、前記第一選択演出にて示される複数種の前記特定演出のいずれにおいても発生しうるものであることを特徴とする手段3-1に記載の遊技機。
このようにすることで、第一選択演出の内容に応じて第二選択演出にて示される好機事象の種類を制御する必要がない(第二選択演出の制御が容易になる)。
【0130】
・手段3-3
前記第二選択演出にて、二以上の好機事象が選択される場合があることを特徴とする手段3-1または手段3-2に記載の遊技機。
このようにすることで、第二選択演出にてより多くの好機事象が選択されることを遊技者が願う演出形態となる。
【0131】
・手段3-4
前記特定演出にて発生した場合に、前記有利結末に至ることが確定する確定事象が前記好機事象として前記第二選択演出にて示される場合があることを特徴とする手段3-1から手段3-3のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、第二選択演出にて確定事象が示された場合、当該確定事象が選択されることを遊技者が願う演出形態となる。
【0132】
・手段3-5
前記第一選択演出および前記第二選択演出のいずれも完了していない前記複合選択演出の冒頭にて、前記第一選択演出の候補と、前記第二選択演出の候補の両方が示されることを特徴とする手段3-1から手段3-3のいずれかに記載の遊技機。
第一選択演出および第二選択演出の一方の結果が先に示されると、その結果に落胆してしまい遊技者の関心が薄れてしまう可能性があるから、いずれの選択演出の結果も示されていない段階で、両選択演出の候補が先に示されるようにしてもよい。
【0133】
・手段4-1
表示領域を有する表示手段と、前記表示領域にそれぞれが複数種の装飾図柄を含む第一装飾図柄群、第二装飾図柄群および第三装飾図柄群が変動表示され、各装飾図柄群から選択されて表示された第一装飾図柄、第二装飾図柄および第三装飾図柄の組み合わせにより当否抽選結果を報知する報知手段と、を備え、少なくとも前記第一装飾図柄および前記第二装飾図柄は、その種類を示す主要素部に加え、当該主要素部に付随する副要素部を有し、前記表示領域の一方側に前記第一装飾図柄が、他方側に前記第二装飾図柄が表示された後、当該第一装飾図柄の前記副要素部である第一副要素部および当該第二装飾図柄の前記副要素部である第二副要素部が互いに近づくように変位し、前記第三装飾図柄群の変動を停止させて前記第一装飾図柄と前記第二装飾図柄の間に前記第三装飾図柄が表示された状態に至る変動停止アクションが実行可能であることを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、第一装飾図柄および第二装飾図柄が有する副要素部を利用して、面白みのある図柄停止のアクションを実行することができる。
【0134】
・手段4-2
前記副要素部はキャラクタを表すものであり、同じ種類の前記装飾図柄は同じ種類キャラクタを前記副要素部として含むことを特徴とする手段4-1に記載の遊技機。
このようにすることで、キャラクタが第三装飾図柄を停止させたかのように見える演出形態となる。
【0135】
・手段4-3
前記第一装飾図柄および前記第二装飾図柄が異なる場合には、前記変動停止アクションが発生しうるものの、前記第一装飾図柄および前記第二装飾図柄が同じ種類となってリーチが成立した場合には、前記変動停止アクションが発生しないことを特徴とする手段4-2に記載の遊技機。
リーチが成立する場合、第一副要素部と第二副要素部が同じキャラクタとなる。このような同じキャラクタが同時期に動作する(第三装飾図柄停止のために共に動作する)演出は違和感のあるものとなるおそれがあるため、リーチ成立時には変動停止アクションが発生しないようにしてもよい。
【0136】
・手段4-4
前記第一装飾図柄および前記第二装飾図柄が同じ種類となってリーチが成立した場合の前記変動停止アクションは、同じ種類のキャラクタである前記第一副要素部が表すキャラクタのアクションと前記第二副要素部が表すキャラクタのアクションが異なる態様とされることを特徴とする手段4-2に記載の遊技機。
リーチ成立時においても変動停止アクションを発生させるのであれば、同じキャラクタのアクションを異ならせ、同時期に同じキャラクタが動作することの違和感をできるだけ低減させるとよい。
【0137】
・手段4-5
前記第三装飾図柄は、前記主要素部を含むものの前記副要素部を含まないことを特徴とする手段4-1から手段4-4のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、変動を停止させる側の装飾図柄(第一装飾図柄、第二装飾図柄)と、停止させられる側の装飾図柄(第三装飾図柄)の区別が明確になる。
【符号の説明】
【0138】
1 遊技機
10 保留図柄
11 変動中保留図柄
12 変動前保留図柄
10n 通常態様
10s 特殊態様
101s 基本特殊態様
102s 予告特殊態様
20 対象画像
20x 変化前画像
20y 変化後画像
21 第一対象画像
22 第二対象画像
25 予告画像
251 第一予告画像
252 第二予告画像
30 装飾文字
41 文字画像
42 好機画像
51 第一選択肢画像
52 第二選択肢画像
70 操作手段
71 第一操作手段
72 第二操作手段
80 装飾図柄
80L 左装飾図柄
80R 右装飾図柄
80C 中装飾図柄
80g 装飾図柄群
80gL 左装飾図柄群
80gC 中装飾図柄群
80gR 右装飾図柄群
81 主要素部
82 副要素部
82L 左副要素部
82R 右副要素部
91 表示装置
911 表示領域