(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181127
(43)【公開日】2022-12-07
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20221130BHJP
【FI】
A63F5/04 620
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021087986
(22)【出願日】2021-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菅野 翔太
【テーマコード(参考)】
2C518
【Fターム(参考)】
2C518AA06
2C518AB06
2C518CA03
2C518CA06
(57)【要約】
【課題】過度な射幸性を抑制できる遊技機を提供する。
【解決手段】AT制御手段は、補助遊技に係る状態として、通常状態と、遊技者にとって有利なCZ状態及びAT状態と、を制御可能であり、通常状態において、第1期間と、第2期間と、を設定可能である。第1期間は、経過した場合にCZ状態への移行が決定され、第2期間は、CZ状態及びAT状態における遊技の結果に基づき設定される。AT制御手段は、通常状態が開始された場合に、第1期間を起算し、通常状態における所定のタイミングで第2期間を起算し、第1期間が経過し且つ第2期間が経過していない場合には、通常状態を維持する。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のリールと、
内部抽選を行う内部抽選手段と、
補助遊技に係る制御を行う補助遊技制御手段と、を備え、
前記補助遊技制御手段は、
補助遊技に係る状態として、第1状態と、遊技者にとって有利な第2状態と、を制御可能であり、
前記第1状態において、第1期間と、第2期間と、を設定可能であり、
前記第1期間は、経過した場合に前記第2状態への移行が決定され、
前記第2期間は、前記第2状態における遊技の結果に基づき設定され、
前記補助遊技制御手段は、前記第1状態が開始された場合に、前記第1期間を起算し、
前記補助遊技制御手段は、前記第1状態における所定のタイミングで前記第2期間を起算し、
前記第1期間が経過し且つ前記第2期間が経過していない場合には、前記第1状態に維持される、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
複数のリールと、
内部抽選を行う内部抽選手段と、
補助遊技に係る制御を行う補助遊技制御手段と、を備え、
前記補助遊技制御手段は、
補助遊技に係る状態として、第1状態と、遊技者にとって有利な第2状態と、を制御可能であり、
前記第1状態において、第1期間と、第2期間と、を設定可能であり、
前記第1期間は、経過した場合に前記第2状態への移行が決定され、
前記第2期間は、前記第2状態が終了した場合における遊技の結果が所定の結果以上であった場合に設定され、
前記補助遊技制御手段は、前記第1状態が開始された場合に、前記第1期間を起算し、
前記第2期間が設定される場合には、前記第1状態における所定のタイミングで前記第2期間を起算し、
前記第2期間が設定される場合において、前記第1期間が経過し且つ前記第2期間が経過していない場合には、前記第1状態に維持される、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項3】
前記所定のタイミングは、前記第1状態が開始されたタイミングである、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記所定のタイミングは、前記第1状態において前記第1期間が経過した後のタイミングである、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外周面に図柄が配列された複数のリールを備えた遊技機(回胴式遊技機、スロットマシン)が知られている。この種の遊技機は、メダルやパチンコ玉などの遊技媒体に対して一定の遊技価値を付与し、このような遊技媒体を獲得するための遊技を行うものである。また、この種の遊技機は、遊技者の回転開始操作を契機として、内部抽選を行うとともに複数のリールの回転を開始させ、遊技者の停止操作を契機として、内部抽選の結果に応じた態様で複数のリールを停止させる制御を行っている。そして、遊技の結果は、複数のリールが停止した状態における入賞判定ライン上に表示された図柄組合せによって判定され、遊技の結果に応じてメダル等の払い出しなどが行われる。
【0003】
上述した遊技機においては、役の入賞を補助する入賞補助を実行する演出状態として、アシストタイム状態に移行することによって、役の入賞確率を変動させ、遊技価値を獲得しやすくすることができる構成が知られている。また、アシストタイム状態の終了後に、入賞補助が実行されない期間を開始することで、過度な遊技価値の付与を抑制する構成が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の遊技機にいては、入賞補助が実行されない期間について、抽選によって終了するか否かを決定する構成となっており、該抽選において速やかに入賞補助が実行されない期間の終了が決定された場合には、早期にアシストタイム状態が再開されてしまい、遊技機の過度な射幸性を抑制することが困難となる虞がある。
【0006】
そこで、本発明は、過度な射幸性を抑制することができる遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、複数のリールと、
内部抽選を行う内部抽選手段と、
補助遊技に係る制御を行う補助遊技制御手段と、を備え、
前記補助遊技制御手段は、
補助遊技に係る状態として、第1状態と、遊技者にとって有利な第2状態と、を制御可能であり、
前記第1状態において、第1期間と、第2期間と、を設定可能であり、
前記第1期間は、経過した場合に前記第2状態への移行が決定され、
前記第2期間は、前記第2状態における遊技の結果に基づき設定され、
前記補助遊技制御手段は、前記第1状態が開始された場合に、前記第1期間を起算し、
前記補助遊技制御手段は、前記第1状態における所定のタイミングで前記第2期間を起算し、
前記第1期間が経過し且つ前記第2期間が経過していない場合には、前記第1状態に維持される、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、過度な射幸性を抑制することができる遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1の実施形態の遊技機の外観構成を示す斜視図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態の遊技機の機能ブロックを説明する図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態の遊技機における内部抽選で当選可能な当選エリアと、各当選エリアに含まれる当選役と、各当選エリアに対応付けられた抽選値数と、を示す図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態の遊技機におけるリールの図柄配列を説明する図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態の遊技機におけるベルA~ベルL、1枚役A1~1枚役A4の入賞形態を示す図柄組合せと、を説明する図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態の遊技機における1枚役B1~1枚役E4の入賞形態を示す図柄組合せを説明する図である。
【
図7】本発明の第1の実施形態の遊技機における1枚役F1~1枚役G4、レア役A、特殊小役A、特殊小役Bの入賞形態を示す図柄組合せを説明する図である。
【
図8】本発明の第1の実施形態の遊技機における遊技状態の状態遷移図である。
【
図9】本発明の第1の実施形態の遊技機におけるAT制御手段が制御する通常区間及び有利区間と、有利区間中における演出状態と、に係る遷移図である。
【
図10】本発明の第1の実施形態の遊技機において非RT状態における当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」の当選時に各打順で入賞可能となる役を示す図である。
【
図11】本発明の第1の実施形態の遊技機においてボーナス成立状態における当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」の当選時に各打順で入賞可能となる役を示す図である。
【
図12】本発明の第1の実施形態の遊技機において当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」の当選時に各打順で入賞可能となる役を示す図である。
【
図13】本発明の第1の実施形態の遊技機におけるAT制御手段が待機ゲーム数カウンタに初期値を設定する場合に実行する制御処理を示すフローチャートである。
【
図14】本発明の第2の実施形態の遊技機における内部抽選で当選可能な当選エリアと、各当選エリアに含まれる当選役と、各当選エリアに対応付けられた抽選値数と、を示す図である。
【
図15】本発明の第2の実施形態の遊技機におけるリールの図柄配列を説明する図である。
【
図16】本発明の第2の実施形態の遊技機における15枚役A~15枚役C、ベルA~ベルE、3枚役A~3枚役Fの入賞形態を示す図柄組合せと、を説明する図である。
【
図17】本発明の第2の実施形態の遊技機における1枚役A~1枚役Jの入賞形態を示す図柄組合せと、を説明する図である。
【
図18】本発明の第2の実施形態の遊技機における1枚役K~1枚役Sの入賞形態を示す図柄組合せを説明する図である。
【
図19】本発明の第2の実施形態の遊技機における非RT状態において小役を含む当選エリアに当選した場合に入賞可能となる役を示す図である。
【
図20】本発明の第2の実施形態の遊技機におけるボーナス成立状態において小役を含む当選エリアに当選した場合に入賞可能となる役を示す図である。
【
図21】本発明の第2の実施形態の遊技機において各遊技状態における遊技方法ごとの出玉率を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1の実施形態]
以下、第1の実施形態について説明する。なお、以下に説明する第1の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、第1の実施形態で説明される構成のすべてが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0011】
1.遊技機の構成の概要
図1は、本発明の第1の実施形態に係るスロットマシン1の外観構成を示す斜視図である。第1の実施形態のスロットマシン1は、いわゆる回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
【0012】
第1の実施形態のスロットマシン1は、筐体BX、前面上扉UD及び前面下扉DDからなる箱形の筐体内に複数のリールとしての左リールR1~右リールR3からなるリールユニット310(
図2参照)が収められている。また、筐体内のリールユニット310の下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット320(
図2参照)が収められている。また、第1の実施形態のスロットマシン1の筐体内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、スロットマシン1の動作を制御する制御基板も収められている。
【0013】
図1に示す左リールR1~右リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で20の領域(以下、各領域を「コマ」と記載する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。
【0014】
前面上扉UDと前面下扉DDとは、個別に開閉可能に設けられている。前面上扉UDには、左リールR1~右リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。左リールR1~右リールR3の停止状態では、左リールR1~右リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)をスロットマシン1の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
【0015】
また、第1の実施形態のスロットマシン1では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによる有効ラインについて、有効ラインL1が設定されている。第1の実施形態のスロットマシン1では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数がいずれの遊技状態においても3枚に設定されており、規定投入数に相当するメダルが投入されると左リールR1の上段と、中リールR2の中段と、右リールR3の下段と、によって構成される有効ラインL1が有効化される。
【0016】
そして、遊技結果は、表示窓DW内の有効ラインL1上に停止表示された図柄組合せによって判定され、有効ラインL1上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合に、その役が入賞したものとしてホッパーユニット320からメダルの払い出し等が行われる。
【0017】
また、前面上扉UDには、演出を行うための表示装置330が設けられている。表示装置330は、例えば液晶ディスプレイから構成され、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像や画像が表示される。また、第1の実施形態のスロットマシン1では、前面上扉UDや前面下扉DDに対して、演出を行うための音響装置340が複数設けられている。音響装置340は、スピーカから構成され、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
【0018】
また、前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス状態でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計、今回の遊技で当選した役の情報、メダルの払い出しに関係するストップボタンB1、ストップボタンB2、ストップボタンB3の押し方を示唆する情報の表示等の各種遊技情報が表示される。
【0019】
遊技情報表示部DSには、7セグメント表示器から構成される主制御表示装置500が含まれており、規定投入数のメダルが投入されスタートレバーSLが操作された際に、今回の遊技で当選した役の情報である当選情報に基づき作成される制御信号である当選役コマンドに対応する表示である報知表示が表示され、報知表示の表示後左リールR1~右リールR3が停止した際に、報知表示が終了するとともにメダルの払出数あるいは獲得数が表示される。第1の実施形態のスロットマシン1では、当選役コマンドに応じた表示態様で主制御表示装置500の各セグメントが点灯及び消灯する報知表示が実行される。
【0020】
また、主制御表示装置500には、7セグメント表示器のドットであり、後述するAT制御手段200(
図2参照)によって有利区間が開始され、小役の入賞が補助されることでメダルの獲得期待値が1以上となっている場合に点灯する区間報知部500Aが設けられている。また、第1の実施形態のスロットマシン1では、音を用いた演出を行うための音響装置340が前面上扉UDと前面下扉DDとに複数設けられている。音響装置340からは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
【0021】
また、前面上扉UDには、所定の契機で有効化され、押下操作されることで特定の演出が開始される演出用ボタンPUが設けられている。演出用ボタンPUは、略円形のボタンであり、内部に「PUSH」と記載されている。本実施形態のスロットマシン1では、演出用ボタンPUが押下操作されることで演出用スイッチ270から演出制御手段180(
図2参照)に向けて出力される演出用信号が有効化された場合に、表示装置330に演出用ボタンPUを押下操作することを遊技者に報知する演出が実行される。
【0022】
前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うための投入操作手段として、1枚のメダルを投入するシングルベットボタンBT及び規定投入数のメダルを投入するマックスベットボタンMB、左リールR1~右リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる開始操作を遊技者に実行させるための遊技開始操作手段としてのスタートレバーSL、ステッピングモータにより回転駆動されている左リールR1~右リールR3のそれぞれを停止させる契機となる停止操作を遊技者に実行させるための停止操作手段としてのストップボタンB1~ストップボタンB3及びクレジットされたメダルを精算するための精算ボタンBSも設けられている。
【0023】
また、前面下扉DDの下部には、メダル払出口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払出口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。また、遊技機内にクレジットされたメダルが記憶されている状態で、精算ボタンBSが押下された場合、精算ボタンBSの押下に伴ってホッパーユニット320からクレジット数(クレジットされたメダルの枚数)に相当する枚数のメダルを払い出す精算処理を実行し、メダル払出口MOからメダル受け皿MPへメダルを払い出す。
【0024】
図2は、第1の実施形態のスロットマシン1の機能ブロック図である。第1の実施形態のスロットマシン1は、制御基板としての遊技制御手段10によって制御される。遊技制御手段10は、複数の操作検出手段としてのメダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240、設定変更許可スイッチ250及び設定変更スイッチ260の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて演出装置300、リールユニット310、ホッパーユニット320及び主制御表示装置500等の出力手段の動作を制御する。
【0025】
また、遊技制御手段10は、設定変更手段100、投入受付手段105、乱数生成手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態移行制御手段170、演出制御手段180、記憶手段190及びアシストタイム制御手段(AT制御手段)200を含む。遊技制御手段10を構成する各手段は、各制御処理の実行時に、記憶手段190に予め記憶されている各制御プログラムを読み出して実行する。
【0026】
設定変更手段100は、記憶手段190の設定値記憶手段191に記憶されている設定値を変更する制御(設定変更制御)を行う。設定変更手段100は、前面上扉UDが開放された状態で設定変更許可スイッチ250がON状態となり設定変更を許可する状態である設定変更許可状態において、設定変更手段100は、電源装置に設けられている設定変更スイッチ260から出力される入力信号を受け付けるごとに、設定値記憶手段191に記憶されている設定値を設定1→設定2・・・設定6→設定1→・・・の順序で循環的に変動させる。また、スロットマシン1では、設定変更許可状態におけるスタートレバーSLの操作により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて設定値記憶手段191に記憶されている設定値を確定させて設定変更許可状態を終了する。第1の実施形態のスロットマシン1では、設定値記憶手段191において確定された設定値に応じて、内部抽選手段120による内部抽選で当選可能な当選エリアのうち一部の当選エリアの当選確率が変更される。つまり、設定変更手段100は、内部抽選手段120による内部抽選における役の当選確率を変更可能な値である設定値を変更可能に構成されている。
【0027】
なお、第1の実施形態のスロットマシン1においては、設定変更手段100による設定変更制御が実行された場合に、遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態に係る制御及びAT制御手段200が実行する有利区間に係る制御が初期化されるように構成されており、遊技状態が後述する非リプレイタイム(以下、リプレイタイムを「RT」とも記載)状態に設定され、通常区間が設定されるように構成されている。このため、スロットマシン1では、設定変更前においてAT制御手段200が実行していた補助遊技に関する制御についても、初期化されるように構成されている。一方、スロットマシン1においては、遊技制御手段10への電力の供給が遮断(電断)され、その後再度電力の供給が再開された場合、遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態に係る制御及びAT制御手段200が実行する有利区間に係る制御について、電断前の状態から再開されるように構成されている。このため、スロットマシン1では、電断が発生しその後電力の供給が再開された場合、電断前にAT制御手段200が実行していた補助遊技に関する制御についても、電断前の状態が維持されるように構成されている。
【0028】
投入受付手段105は、メダルの投入を受け付ける投入受付期間内において、規定投入数(3枚)に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバーSLに対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口MI(
図1参照)にメダルが投入されると、メダル投入スイッチ210が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また、投入受付手段105は、メダルがクレジットされた状態でシングルベットボタンBT又はマックスベットボタンMBが押下されるベット操作が実行されると、ベットスイッチ220が作動することに伴って、規定投入数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
【0029】
なお、第1の実施形態のスロットマシン1では、規定投入数に相当するメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバーSLへの最初の押下が、遊技者による遊技の開始操作として受け付けられ、左リールR1~右リールR3の回転を開始させる契機となっているとともに、後述する内部抽選手段120が内部抽選を実行する契機となっている。
【0030】
乱数生成手段110は、抽選用の乱数を発生させる手段である。なお、第1の実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能し得る値も含まれる。
【0031】
内部抽選手段120は、遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行し、スタートスイッチ230が開始操作を検出することで出力されるスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理等を行う。
【0032】
抽選テーブル選択処理では、記憶手段190の内部抽選テーブル記憶手段192に格納されている複数の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを現在の遊技状態に基づき選択する。各内部抽選テーブルでは、複数の乱数(例えば、0~65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、リプレイ、小役及びボーナスなどの各種の役や不当選(ハズレ)が対応付けられている。
【0033】
なお、以下の記載において、ボーナスとは、入賞することで役物又は役物連続作動装置を作動させる役を意味し、ボーナスが作動とは、ボーナスが入賞し役物又は役物連続作動装置を作動することを意味し、ボーナス状態とは、役物又は役物連続作動装置が作動した状態を意味する。
【0034】
乱数判定処理では、スタートスイッチ230から出力されるスタート信号に基づいて、遊技ごとに乱数生成手段110が生成する乱数(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数を抽選テーブル選択処理で選択した内部抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき役に当選したか否かを判定する。
【0035】
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非成立状態(第1のフラグ状態、OFF状態)から成立状態(第2のフラグ状態、ON状態)に設定する。第1の実施形態のスロットマシン1では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが成立状態に設定される。なお、第1の実施形態のスロットマシン1では、入賞するまで次回以降の遊技に成立状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に成立状態を持ち越さずに非成立状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)が用意されている。また、抽選フラグの設定情報は、記憶手段190の抽選フラグ記憶手段193に格納される。
【0036】
リール制御手段130は、遊技者がスタートレバーSLへ開始操作を実行することにより作動するスタートスイッチ230からスタート信号が出力されたことに基づいて、左リールR1~右リールR3の回転駆動を開始し左リールR1~右リールR3の回転態様を制御するリール回転制御を実行する。また、リール制御手段130は、左リールR1~右リールR3の回転状態が、所定速度(例えば、約80rpm)で定常回転する回転状態となった場合に、各リールに対応するストップボタンB1~ストップボタンB3が押下されることでストップスイッチ240によって検出される停止操作を有効化する制御を実行する。そして、リール制御手段130は、停止操作を検出したストップスイッチ240からリール停止信号が出力された場合に、停止操作を検出したストップスイッチ240に対応する左リールR1~右リールR3の各リールを停止させる制御(リール停止制御)を行う。
【0037】
なお、以下の記載において、リール制御手段130によって左リールR1~右リールR3の回転が開始され、遊技者が有効なストップボタンB1~ストップボタンB3をそれぞれ押下することについて、最初の押下を第1停止操作、2番目の押下を第2停止操作、3番目の押下を第3停止操作とも記載する。
【0038】
第1の実施形態のスロットマシン1では、左リールR1~右リールR3について、ストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された時点(ストップスイッチ240が停止操作を検出した時点)から所定の期間としての190msが経過するまでに、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止するようになっている。ここで、ストップボタンの押下時点から190ms以内に回転中のリールを停止させる場合、回転している各リールの停止位置は、各リールの直径及び回転速度より、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに最大で4コマ分回転可能に構成されている。
【0039】
このため、第1の実施形態のスロットマシン1では、左リールR1~右リールR3について、ストップボタンの押下時点で有効ラインL1上に表示されているコマから4コマ回転するまでの計5コマが、有効ラインL1上に図柄を引き込み可能な範囲(引き込み範囲)となっている。
【0040】
リール制御手段130は、リール停止制御の実行時において、抽選フラグが成立状態に設定された役を可能な限り入賞させることができるように回転中のリールを停止させる引き込み処理と、抽選フラグが非成立状態に設定された役を入賞させることができないように回転中のリールを停止させる蹴飛ばし処理と、を含むロジック演算により予め設定された優先順位に基づき回転中のリールの停止位置を求めるロジック演算処理と、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段194に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定するテーブル参照処理と、を行い、回転中のリールを停止させ有効ラインL1上に図柄を表示(以下、リール停止制御によって回転中のリールを停止させて有効ラインL1上に図柄を表示することを「停止表示」とも記載)している。
【0041】
なお、第1の実施形態のスロットマシン1において、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補の優先度の求め方は、有効ラインL1上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先度を求める方法(個数優先制御)と、小役に予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先度を求める方法(枚数優先制御)とが存在する。ただし、枚数優先制御を実行する場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度がそれぞれ同一のものとして扱われる。
【0042】
入賞判定手段140は、左リールR1~右リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する入賞判定処理を行う。具体的には、記憶手段190の入賞判定テーブル記憶手段195に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、左リールR1~右リールR3のすべてが停止した時点で有効ラインL1上に表示されている図柄組合せが、それぞれ予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。そして、各リールが停止した状態における有効ラインL1上に表示された図柄組合せによって、ボーナス、リプレイ、小役の入賞の有無を判定(以下、「入賞判定」と記載)できるように入賞判定テーブルが用意されている。なお、以下の記載において、役の入賞形態を示す図柄組合せを「入賞図柄組合せ」とも記載する。
【0043】
第1の実施形態のスロットマシン1では、入賞判定処理における入賞判定手段140の判定結果に基づいて各処理が実行される。入賞した役の判定結果に基づき実行される各処理としては、例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段150にメダルを払い出させる枚数を決定する処理が行われ、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理手段160に次回の遊技においてメダルを消費せずに実行させる処理を行わせ、ボーナス等の遊技状態を移行させる契機となる役が入賞した場合には遊技状態移行制御手段170に遊技状態を移行させる処理が行われる。
【0044】
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役ごとに予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、払出装置としてのホッパーユニット320に払い出させる制御を行う。
【0045】
ホッパーユニット320は、払出制御手段150によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。ホッパーユニット320には、メダルを1枚払い出すごとに作動する払出メダル検出スイッチ325が備えられている。払出制御手段150は、払出メダル検出スイッチ325からの入力信号に基づいて、ホッパーユニット320から実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。なお、メダルのクレジットが許可されている場合には、ホッパーユニット320によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段190のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
【0046】
リプレイ処理手段160は、入賞判定手段140により有効ラインL1上に後述する複数種類のリプレイ役のうちいずれかのリプレイの入賞を示す図柄組合せが停止表示されたと判定され、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関してメダルの投入を要さずに遊技を実行可能にする準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち、第1の実施形態のスロットマシン1では、リプレイが入賞した場合、規定投入数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインL1を設定した状態で、次回のスタートレバーSLに対する開始操作を待機する。
【0047】
遊技状態移行制御手段170は、複数の遊技状態の間で遊技状態を移行させる処理と、ボーナスの作動及び終了に係る処理と、を行う。ここで、各遊技状態の移行条件は、1つの条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうちいずれか1つの条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件のすべてが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
【0048】
演出制御手段180は、演出制御データ記憶手段196に記憶されている演出データに基づいて、例えば、演出表示装置としての表示装置330を用いて行う画像、映像演出や、音響装置340を用いて行う音響演出等、遊技に関する演出に係る制御を行う。具体的には、メダルの投入、シングルベットボタンBT、マックスベットボタンMB、スタートレバーSL、ストップボタンB1~ストップボタンB3に対する操作等への遊技者によるスロットマシン1の各構成の操作時や、遊技状態の変動等の遊技イベントの発生時に、ランプ及びLEDの点灯あるいは点滅、音響装置340からの音の出力、スタートスイッチ230からスタート信号が出力された状態で左リールR1~右リールR3の回転開始を遅延させる左リールR1~右リールR3を用いた演出等を実行することにより、遊技を盛り上げる演出や、遊技を補助するための演出の実行制御を行う。
【0049】
また、演出制御手段180は、各演出状態に基づく演出を演出装置300を構成する各構成に実行させる。なお、第1の実施形態において、演出制御手段180は、乱数を用いる抽選処理ごとに、乱数生成手段110の乱数格納領域から乱数を取得し、演出制御データ記憶手段196に記憶されている複数の演出抽選テーブルのうち、各抽選処理に必要な演出抽選テーブルを用いて各抽選処理を実行する。
【0050】
第1の実施形態において、演出制御手段180は、AT制御手段200による入賞補助の実行時において、入賞補助で報知される内容(例えば、当選エリア「打順ベル1A」の当選時に正解打順の報知等)を演出装置300を用いた演出によって報知する入賞補助演出を実行する。
【0051】
AT制御手段200は、補助遊技に係る制御を実行可能に構成された補助遊技制御手段として機能する。AT制御手段200は、特定役の入賞を補助する入賞補助を実行可能な補助遊技が実行される区間(期間)である有利区間(有利期間)と、内部抽選手段120による内部抽選の結果に基づく補助遊技に関する制御が実行されない遊技が実行される区間(期間)である通常区間(非有利期間、非有利区間)と、の間での移行に係る制御を、AT制御データ記憶手段197に記憶されているデータを用いて実行する。AT制御データ記憶手段197には、通常区間において有利区間を開始するか否かを決定する有利区間移行抽選で用いられる有利区間移行抽選テーブルや、有利区間内において実行されるAT状態及び通常状態を含む複数種類の演出状態に関する各種制御において用いられるデータ(所定の制御処理でON状態又はOFF状態にセットする各種フラグ、カウンタ等)が格納されており、有利区間において制御された補助遊技に係る情報を記憶する補助遊技記憶手段として機能する。
【0052】
AT制御手段200は、有利区間において所定条件下で演出状態をAT状態(アシストタイム状態)に設定し、7セグメント表示器からなる主制御表示装置500に当選している特定役を入賞可能にするストップボタンB1~ストップボタンB3の操作順序(正解打順)に対応する情報(操作指示情報の一例)を表示することで、特定役の入賞を補助する入賞補助(正解打順報知)を行う。また、スロットマシン1では、AT制御手段200による入賞補助が実行される場合に、演出制御手段180によって表示装置330に正解打順に対応する指標を表示する入賞補助演出を実行する。このように、スロットマシン1では、AT状態において、入賞補助によってストップボタンB1~ストップボタンB3の操作態様が報知されることで、遊技者にとって有利な補助遊技(AT遊技、報知遊技)が実行される。
【0053】
AT制御手段200は、より詳しくは後述する有利区間を終了する所定の終了条件が成立した際に、有利区間を終了し次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、有利区間内において設定した各種フラグ、数値等、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、を実行する。また、AT制御手段200は、有利区間を開始し且つ入賞補助が実行されることで、メダルの獲得期待値が1以上となる場合に区間報知部500Aを点灯させる。このため、AT制御手段200は、有利区間を開始している場合であっても、入賞補助が実行されない演出状態である場合には、区間報知部500Aを消灯可能に構成されている。
【0054】
AT制御手段200は、有利区間を開始した遊技において、1回の遊技が実行されるごとに、1ゲームに相当する値である値「1」を第1有利区間カウンタ197aに記憶される値(記憶値)に加算し、第1有利区間カウンタ197aの記憶値を累積的にインクリメント更新するゲーム数更新処理を実行する。また、AT制御手段200は、有利区間を開始した遊技からメダルの払出数をメダルの投入数で減算した差分の値(差枚数)を第2有利区間カウンタ197bに累積的に記録する差枚数更新処理を実行する。
【0055】
第1の実施形態のAT制御手段200は、有利区間に制御している場合、いずれの遊技状態である場合にも、1回の遊技が実行されるごとに1ゲームに相当する値である値「1」ずつ第1有利区間カウンタ197aの記憶値に累積的に加算(更新)するゲーム数更新処理と、メダルの差枚数に相当する値を第2有利区間カウンタ197bの記憶値に累積的に更新する差枚数更新処理と、を実行する。
【0056】
ここで、AT制御手段200は、第2有利区間カウンタ197bの記憶値を更新する差枚数更新処理において、当該遊技におけるメダルの払出数が規定投入数未満であることで第2有利区間カウンタ197bの記憶値を減算した際に、第2有利区間カウンタ197bの記憶値が値「0」未満となる場合、第2有利区間カウンタ197bの記憶値を値「0」にセットする。これにより、AT制御手段200は、第2有利区間カウンタ197bの記憶値が最下点となる際の値について、値「0」に固定することができるため、第2有利区間カウンタ197bの記憶値を用いた制御処理において、最下点における具体的な数値に応じて判定の閾値となる値を変動させる必要がなくなり、第2有利区間カウンタ197bの記憶値を用いた制御処理の負荷を軽減させることができる。
【0057】
AT制御手段200は、1500ゲームの遊技が実行された場合、つまり第1有利区間カウンタ197aの記憶値が第1値としての値「1500」になった場合又は有利区間において最もメダルを消費した時点から2400枚を超えるメダルを遊技者が獲得した場合、つまり第2有利区間カウンタ197bの記憶値が最も低い値(最下点)であった時点から値「2401」になった場合に、有利区間を終了させる所定の終了条件として特定終了条件が成立したと判定し、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。
【0058】
AT制御手段200は、所定の初期化処理において、有利区間においてON状態にセットした各フラグや有利区間において設定した値等の有利区間における各種制御処理で用いた情報をすべて初期化する。なお、AT制御手段200は、特定終了条件以外の予め設定されている所定の終了条件(通常終了条件)が成立した場合にも有利区間を終了可能であり、通常終了条件が成立した場合にも所定の初期化処理及び所定の終了処理を実行する。第1の実施形態のAT制御手段200が設定する通常終了条件の詳細については、後述する。
【0059】
2.第1の実施形態における遊技機が備える構成
次に、
図3~
図13を参照して、第1の実施形態におけるスロットマシン1が備える各構成の詳細について説明する。
【0060】
<内部抽選の対象となる当選エリア>
図3は、第1の実施形態のスロットマシン1における内部抽選の対象となる当選エリアと、各当選エリアに対応付けられている当選番号及び当選役と、遊技状態のそれぞれにおいて各当選エリアに対応付けられている抽選値数と、を示す図である。
【0061】
なお、第1の実施形態のスロットマシン1では、ボーナスとして、第1種特別役物に係る役物連続作動装置としてのレギュラービッグボーナス(以下、レギュラービッグボーナスを「RBB」とも記載)を有している。また、スロットマシン1では、遊技状態移行制御手段170によって制御される遊技状態として、RBBが成立状態に設定されておらず且つRBBが作動していない一般中としての非RT状態(一般中)と、RBBが成立状態に設定された場合に移行され、RBBが作動するまで内部でRBBの成立状態が維持されているボーナス内部中(内部中)としてのボーナス成立状態と、RBBが作動した場合に移行され、RBBが作動しているボーナス作動中(作動中)としてのボーナス状態と、を有している。
【0062】
図3に示すように、第1の実施形態のスロットマシン1では、内部抽選の対象となる当選エリアとして、当選エリア「全小役」、当選エリア「全1枚役」、当選エリア「通常リプレイ1」、当選エリア「通常リプレイ2」、当選エリア「レアリプレイ1」、当選エリア「レアリプレイ2」、当選エリア「レア役1」、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」、当選エリア「RBB&1枚役」及び当選エリア「RBB」を有しており、当選番号1番~当選番号37番の番号がそれぞれ対応付けられている。また、スロットマシン1では、内部抽選の結果として不当選(ハズレ)に当選番号0番が対応付けられている。
【0063】
ここで、「打順」とは、ストップボタンB1~ストップボタンB3に対する押下を実行する順番を意味する。また、以下の記載において、ストップボタンB1~ストップボタンB3が押下されるタイミングを「押下タイミング」とも記載する。
【0064】
内部抽選手段120は、乱数判定処理において、当選番号37番に対応付けられた当選エリアから当選番号0番に対応付けられた不当選に向かう順番で、各当選エリアの当否を決定していく。
【0065】
第1の実施形態のスロットマシン1では、内部抽選で当選した場合に入賞可能な小役として、ベルA~ベルL、1枚役A1~1枚役G4、レア役A、特殊小役A、特殊小役Bを有しており、内部抽選で当選可能なリプレイとして、リプレイA、リプレイB、レアリプレイA、レアリプレイBを有している。各小役及び各リプレイは、それぞれ
図3に示す組合せで各当選エリアに対応付けられている。また、
図3に示すように、スロットマシン1では、ボーナスと小役とを含む当選エリアとして、当選エリア「RBB&1枚役」が設定されている。
【0066】
第1の実施形態において、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」は、当選した遊技における遊技状態と、ストップボタンB1~ストップボタンB3の操作態様と、によって入賞可能となる小役が異なる当選エリアとして構成されている。また、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」は、ストップボタンB1~ストップボタンB3の操作態様によって入賞可能となる小役が異なる当選エリアとして構成されている。当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」の詳細については、後述する。
【0067】
当選エリア「レア役1」に含まれる小役であるレア役Aは、ストップボタンB2の押下タイミングがレア役Aを入賞可能な押下タイミングである場合に入賞し、ストップボタンB2の押下タイミングがレア役Aを入賞不能な押下タイミングである場合には、いずれの役の入賞図柄組合せとも異なる図柄組合せが有効ラインL1上に停止表示される取りこぼし(非入賞)となるように構成されている。
【0068】
当選エリア「通常リプレイ1」は、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順及び押下タイミングによらずリプレイAが入賞する当選エリアである。また、当選エリア「通常リプレイ2」は、リプレイA、リプレイBが重複当選するものの、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順及び押下タイミングによらずリプレイAが入賞する当選エリアである。
【0069】
ここで、第1の実施形態のスロットマシン1では、持越可能フラグが対応付けられる役としては、RBBがあり、小役及びリプレイは、持越不可フラグに対応付けられている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、内部抽選でRBBを含む当選エリアに当選すると、当選したRBBの抽選フラグの成立状態を、RBBが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき、内部抽選手段120は、RBBの抽選フラグの成立状態が持ち越されている遊技でも、小役及びリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、RBBの抽選フラグの成立状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているRBBの抽選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを成立状態に設定する。
【0070】
<内部抽選テーブル>
第1の実施形態のスロットマシン1は、内部抽選手段120による内部抽選で用いられる抽選テーブルである内部抽選テーブルとして、非RT状態(一般中)で用いられる内部抽選テーブル(以下、内部抽選テーブルAと記載)と、ボーナス成立状態(内部中)で用いられる内部抽選テーブル(以下、内部抽選テーブルBと記載)と、ボーナス状態(作動中)で用いられる内部抽選テーブル(以下、内部抽選テーブルCと記載)と、を内部抽選テーブル記憶手段192に記憶させている。内部抽選テーブルA~内部抽選テーブルCの各内部抽選テーブルにおいては、
図3に示すように、抽選の対象となる当選エリアに抽選値数が対応付けられている。
【0071】
<乱数判定処理>
第1の実施形態の内部抽選手段120は、乱数判定処理において、乱数生成手段110から取得した乱数を、内部抽選テーブル記憶手段192から取得した内部抽選テーブルにおいて各当選エリアに対応付けられている抽選値数で順次減算していき、減算した結果が負の値となった場合に、当該減算した抽選値数に対応する当選エリアに当選したと判定する。また、内部抽選手段120は、内部抽選テーブルに記憶されているすべての抽選値数で減算し終えた時点で減算した結果が正の値である場合、いずれの役にも当選しなかった不当選であると判定する。
【0072】
なお、第1の実施形態の乱数生成手段110は、内部抽選で用いる乱数として、0~65535の計65536個の乱数を生成可能に構成されている。また、
図3に示すように、内部抽選テーブルAにおいては、当選エリア「RBB」~当選エリア「通常リプレイ1」に対応付けられている抽選値数の総数が65536となっており、内部抽選テーブルBにおいては、当選エリア「RBB&1枚役」~当選エリア「通常リプレイ1」に対応付けられている抽選値数の総数が65536となっているため、非RT状態又はボーナス成立状態における内部抽選においては、いずれかの役に当選し、不当選とならないように構成されている。
【0073】
<ボーナス当選判定処理>
上述した通り、第1の実施形態の内部抽選手段120は、ボーナス成立状態において、当選エリア「RBB&1枚役」に抽選値数が設定されている。このため、内部抽選手段120は、遊技状態がボーナス成立状態である場合における内部抽選において、既にRBBが成立状態に設定されている状態で再度RBBが当選してしまう可能性があることから、新たに当選したRBBを成立状態に設定しないために、乱数判定処理で当否を決定される当選エリアがボーナスを含む当選エリアであるか否かを判定するボーナス当選判定処理を実行するように構成されている。
【0074】
内部抽選手段120は、ボーナス当選判定処理において、乱数判定処理でボーナスを含む当選エリアが当否を決定される対象となると判定した場合、ボーナスを含む当選エリアが当選し且つ遊技状態がボーナス成立状態である場合に、ボーナスを成立状態に設定する処理をスキップする処理を実行する。このようにして、スロットマシン1は、既にRBBが成立状態に設定されている状態で、新たなRBBが成立状態に設定されてしまうことを防いでいる。
【0075】
<図柄の配列>
図4は、第1の実施形態のスロットマシン1における左リールR1~右リールR3の周面に配列された各図柄を示す図である。第1の実施形態では、
図4に示すように、左リールR1~右リールR3の外周面に、白7図柄「白7」、BAR図柄「BAR」、リプレイ図柄「RP」、ベルA図柄「BLA」、ベルB図柄「BLB」、チェリー図柄「CH」、スイカ図柄「WM」、ブランクA図柄「BKA」、ブランクB図柄「BKB」及びブランクC図柄「BKC」が配列されている。また、左リールR1~右リールR3の周面には、それぞれ20コマの図柄が配列されている。
【0076】
第1の実施形態において、BAR図柄「BAR」と、白7図柄「白7」と、は、正面視において他の図柄よりも広い幅を有しており、左リールR1~右リールR3の回転中において他の図柄よりも視認性が高い図柄として構成されている。また、第1の実施形態において、BAR図柄「BAR」は、赤色の画像から構成され、白7図柄「白7」は、白色の画像から構成されている。
【0077】
<リール制御手段>
第1の実施形態のスロットマシン1では、いずれの遊技状態である場合にも、リール停止制御において有効ラインL1上に停止させる役の優先順序が「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められている。つまり、リール制御手段130は、ボーナスと小役又はボーナスとリプレイが重複して当選している場合、ボーナスに優先して小役又はリプレイを入賞させる停止制御を実行する。
【0078】
<小役の配当>
第1の実施形態において、ベルA~ベルLの配当は、規定投入数(3枚)よりも多い枚数の払出数(13枚)に設定されている。また、レア役Aの配当は、規定投入数と同じ枚数の払出数(3枚)に設定されている。また、1枚役A1~1枚役G4、特殊小役A、特殊小役Bの配当は、規定投入数よりも少ない枚数の払出数(1枚)に設定されている。
【0079】
<小役の入賞図柄組合せ>
図5~
図7は、ベルA~ベルL、1枚役A1~1枚役G4、レア役A、特殊小役A、特殊小役Bの入賞図柄組合せを示す図である。まず、ベルA~ベルLについて、
図4、
図5を用いて説明する。
【0080】
図4に示すように、左リールR1には、4コマ以内の間隔でベルA図柄「BLA」が配列され、4コマ以内の間隔でスイカ図柄「WM」が配列されている。また、左リールR1には、4コマ以内の間隔でチェリー図柄「CH」又はブランクB図柄「BKB」が配列されている。
【0081】
また、中リールR2には、4コマ以内の間隔でベルA図柄「BLA」が配列され、4コマ以内の間隔でベルB図柄「BLB」が配列され、4コマ以内の間隔でリプレイ図柄「RP」が配列されている。また、中リールR2には、4コマ以内の間隔でスイカ図柄「WM」又はチェリー図柄「CH」が配列されている。
【0082】
また、右リールR3には、4コマ以内の間隔でベルA図柄「BLA」が配列され、4コマ以内の間隔でスイカ図柄「WM」が配列されている。また、右リールR3には、4コマ以内の間隔でチェリー図柄「CH」又はブランクB図柄「BKB」が配列されている。
【0083】
このような構成であることから、
図5に示す入賞図柄組合せから構成されたベルA~ベルLは、入賞可能に設定された押下タイミング(後述)で第1停止操作が実行された場合に、有効ラインL1上に入賞図柄組合せを構成する図柄を停止表示可能に構成されている。
【0084】
次に、1枚役A1~1枚役G4について、
図4~
図6を用いて説明する。
図4に示すように、左リールR1には、停止番号4番のコマにBAR図柄「BAR」が配列され、停止番号19番のコマにブランクC図柄「BKC」が配列されている。また、左リールR1には、停止番号9番のコマにブランクA図柄「BKA」が配列され、停止番号14番のコマに白7図柄「白7」が配列されている。
【0085】
このため、左リールR1において、BAR図柄「BAR」又はブランクC図柄「BKC」を有効ラインL1上に停止表示可能な引き込み範囲は、停止番号8番のリプレイ図柄「RP」~停止番号0番のチェリー図柄「CH」、停止番号19番のブランクC図柄「BKC」の20コマ中10コマの範囲である。また、白7図柄「白7」又はブランクA図柄「BKA」を有効ラインL1上に停止表示可能な引き込み範囲は、停止番号18番のリプレイ図柄「RP」~停止番号9番のブランクA図柄「BKA」の20コマ中10コマの範囲であり且つBAR図柄「BAR」又はブランクC図柄「BKC」の引き込み範囲と重複しない範囲から構成されている。
【0086】
中リールR2には、停止番号4番のコマにBAR図柄「BAR」が配列され、停止番号9番のコマにブランクA図柄「BKA」が配列されている。また、中リールR2には、停止番号14番のコマに白7図柄「白7」が配列され、停止番号19番のコマにブランクC図柄「BKC」が配列されている。
【0087】
このため、中リールR2において、BAR図柄「BAR」又はブランクA図柄「BKA」を有効ラインL1上に停止表示可能な引き込み範囲は、停止番号13番のベルA図柄「BLA」~停止番号4番のBAR図柄「BAR」の20コマ中10コマの範囲である。また、白7図柄「白7」又はブランクC図柄「BKC」を有効ラインL1上に停止表示可能な引き込み範囲は、停止番号3番のベルA図柄「BLA」~停止番号0番のリプレイ図柄「RP」、停止番号19番のブランクC図柄「BKC」~停止番号14番の白7図柄「白7」の20コマ中10コマの範囲であり且つBAR図柄「BAR」又はブランクA図柄「BKA」の引き込み範囲と重複しない範囲から構成されている。
【0088】
右リールR3には、停止番号4番のコマにBAR図柄「BAR」が配列され、停止番号9番のコマにブランクA図柄「BKA」が配列されている。また、右リールR3には、停止番号14番のコマに白7図柄「白7」が配列され、停止番号19番のコマにブランクC図柄「BKC」が配列されている。
【0089】
このため、右リールR3において、BAR図柄「BAR」又はブランクA図柄「BKA」を有効ラインL1上に停止表示可能な引き込み範囲は、停止番号13番のリプレイ図柄「RP」~停止番号4番のBAR図柄「BAR」の20コマ中10コマの範囲である。また、白7図柄「白7」又はブランクC図柄「BKC」を有効ラインL1上に停止表示可能な引き込み範囲は、停止番号3番のリプレイ図柄「RP」~停止番号0番のベルA図柄「BLA」、停止番号19番のブランクC図柄「BKC」~停止番号14番の白7図柄「白7」の20コマ中10コマの範囲であり且つBAR図柄「BAR」又はブランクA図柄「BKA」の引き込み範囲と重複しない範囲から構成されている。
【0090】
また、
図5~
図7に示すように、1枚役A1~1枚役G4の入賞図柄組合せは、左リールR1の図柄がベルA図柄「BLA」と、BAR図柄「BAR」及びブランクC図柄「BKC」と、白7図柄「白7」及びブランクA図柄「BKA」と、のいずれかから構成され、中リールR2の図柄がベルA図柄「BLA」と、ベルB図柄「BLB」と、BAR図柄「BAR」と、白7図柄「白7」と、ブランクA図柄「BKA」と、ブランクC図柄「BKC」と、BAR図柄「BAR」及びブランクA図柄「BKA」と、白7図柄「白7」及びブランクC図柄「BKC」と、のいずれかから構成され、右リールR3の図柄がベルA図柄「BLA」と、スイカ図柄「WM」と、BAR図柄「BAR」と、白7図柄「白7」と、ブランクA図柄「BKA」と、ブランクC図柄「BKC」と、BAR図柄「BAR」及びブランクA図柄「BKA」と、白7図柄「白7」及びブランクC図柄「BKC」と、のいずれかから構成されている。
【0091】
このような構成であることから、スロットマシン1では、例えば、入賞図柄組合せが「BLA-BAR(BKA)-BAR(BKA)」から構成された1枚役A1のように、中リールR2の図柄と、右リールR3の図柄と、が20コマ中10コマの引き込み範囲から構成された図柄によって入賞図柄組合せが構成された1枚役について、入賞確率が1/4となるように構成されており、例えば、入賞図柄組合せが「BAR(BKC)-BLA-BAR」から構成された1枚役B1のように、中リールR2又は右リールR3の図柄が20コマ中5コマの非聞き込み範囲から構成された図柄によって入賞図柄組合せが構成された1枚役に付いて、入賞確率が1/8となるように構成されている。
【0092】
次に、特殊小役A、特殊小役Bについて、
図4、
図7を用いて説明する。
図7に示すように、特殊小役Aの入賞図柄組合せは「WM-ANY-RP」から構成されており、左リールR1、右リールR3について、ストップボタンB1、ストップボタンB3の押下タイミングによらず有効ラインL1上に停止表示可能な図柄から構成され、中リールR2について、中リールR2に配列されたすべての図柄のうちの任意の図柄(ANY)から入賞図柄組合せが構成されている。特殊小役Bの入賞図柄組合せは「WM-RP-ANY」から構成されており、左リールR1、中リールR2について、ストップボタンB1、ストップボタンB2の押下タイミングによらず有効ラインL1上に停止表示可能な図柄から構成され、右リールR3について、右リールR3に配列されたすべての図柄のうちの任意の図柄(ANY)から入賞図柄組合せが構成されている。
【0093】
このような構成であることから、スロットマシン1では、有効ラインL1上に図柄組合せとして「WM-RP-RP」が表示された場合に、特殊小役Aの入賞図柄組合せ「WM-ANY-RP」と、特殊小役Bの入賞図柄組合せ「WM-RP-ANY」と、の両方の入賞図柄組合せが表示された状態となり、特殊小役Aと特殊小役Bとが重複して入賞する構成となっている。
【0094】
<遊技状態移行制御手段>
図8は、第1の実施形態の遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態の移行に係る制御において、各遊技状態から移行可能な遊技状態を示す状態遷移図である。
【0095】
図8に示すように、非RT状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態(初期遊技状態、通常遊技状態)であり、ボーナスが作動及び成立していない非ボーナス状態となっている。非RT状態において、遊技状態移行制御手段170は、内部抽選手段120にリプレイの当選確率が約1/7.3に設定されている内部抽選テーブルAを用いた内部抽選を実行させる。
【0096】
ボーナス成立状態は、非RT状態における内部抽選で当選エリア「RBB」、当選エリア「RBB&1枚役」のいずれかに当選し、RBBが成立状態に設定された場合に移行する遊技状態である。ボーナス成立状態において、遊技状態移行制御手段170は、内部抽選手段120にリプレイの当選確率が約1/7.3に設定されている内部抽選テーブルBを用いた内部抽選を実行させる。
【0097】
ボーナス状態は、RBBが入賞しRBBが作動することで移行される遊技状態である。ボーナス状態において、遊技状態移行制御手段170は、払い出されたメダルの合計数によって作動しているRBBの終了条件が成立したかを判定し、予め定められた所定の払出数(例えば、100枚)を超えるメダルが払い出された場合に、RBBの作動を終了させることでボーナス状態を終了させて、遊技状態を非ボーナス状態である非RT状態へ移行させる。ボーナス状態において、遊技状態移行制御手段170は、内部抽選手段120に内部抽選テーブルCを用いた内部抽選を実行させる。ボーナス状態の詳細については、後述する。
【0098】
<AT制御手段>
図9は、第1の実施形態のAT制御手段200よって制御される通常区間及び有利区間と、有利区間中に制御される演出状態と、についての詳細を示す状態遷移図である。
【0099】
上述した通り、通常区間は、内部抽選手段120による内部抽選の結果に基づく補助遊技に関する制御が実行不能に構成された期間である。AT制御手段200は、通常区間内における遊技において、内部抽選手段120による内部抽選で当選した当選エリアに基づき、通常区間を終了し有利区間を開始するか否かを決定する抽選である有利区間抽選を実行する。
【0100】
有利区間抽選において、AT制御手段200は、まず、AT制御データ記憶手段197から、複数の乱数のそれぞれに対して「有利区間の開始」、「ハズレ(不当選)」が対応付けられているデータテーブルである有利区間移行抽選テーブルを取得する。そして、AT制御手段200は、乱数生成手段110から乱数を取得し、取得した乱数を有利区間移行抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき、有利区間を開始するか否かを決定する。
【0101】
AT制御手段200は、内部抽選で当選した当選エリアの当選確率と、有利区間抽選における「有利区間の開始」の当選確率と、を乗算した確率について、1/17500以上となるように有利区間抽選を実行する。
【0102】
第1の実施形態のAT制御手段200は、非RT状態又はボーナス成立状態における内部抽選で当選エリア「通常リプレイ2」以外の当選エリアに当選した場合に、有利区間抽選を実行し、非RT状態又はボーナス成立状態で当選エリア「通常リプレイ2」に当選した場合と、ボーナス状態における内部抽選で当選可能な当選エリアに当選した場合と、には、有利区間抽選を実行しないように構成されている。また、AT制御手段200は、約1/1.5と高い確率で「有利区間の開始」に当選する有利区間抽選を実行する。
【0103】
有利区間において、AT制御手段200は、指示機能に係る状態(演出状態)として、通常状態と、前兆状態と、第1CZ状態と、第2CZ状態と、第1擬似ボーナス状態と、第2擬似ボーナス状態と、を有し、通常状態及び前兆状態においては、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」の当選時におけるベルA~ベルLの入賞補助を実行しないように構成され、第1CZ状態、第2CZ状態、第1擬似ボーナス状態及び第2擬似ボーナス状態においては、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」の当選時におけるベルA~ベルLの入賞補助を実行可能に構成されている。また、第1の実施形態のスロットマシン1は、全体の遊技における有利区間の滞在比率が、7割以上となりうる構成となっている。
【0104】
第1の実施形態において、AT制御手段200は、通常状態及び前兆状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」に当選した場合に、入賞する小役の数が多くなることで遊技者にとって有利となる操作態様である特殊小役A、特殊小役Bを重複入賞可能にする打順(設定打順)を報知する入賞補助を実行する。また、AT制御手段200は、ベルA~ベルLの入賞補助を実行可能な状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」に当選した場合に、入賞した場合におけるメダルの払出数が最も多くなることで遊技者にとって有利となる操作態様であるベルA、ベルB、ベルG、ベルHを入賞可能にする打順(非設定打順)を報知する入賞補助を実行する。当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」の当選時における入賞補助の詳細については、後述する。
【0105】
また、上述したように、AT制御手段200は、有利区間において所定の遊技回数として1500ゲームの遊技が実行された場合、つまり第1有利区間カウンタ197aの記憶値が値「1500」になった場合と、有利区間における第2有利区間カウンタ197bの記憶値が最下点である時点からのメダルの差枚数が所定の差枚数としての2400枚を超えた場合、つまり第2有利区間カウンタ197bの記憶値が値「2401」以上となった場合と、のいずれかの特定終了条件が成立した場合に、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。
【0106】
通常状態は、複数種類の演出状態の中で初期状態に相当する演出状態(通常演出状態)である。第1の実施形態において、AT制御手段200は、通常状態における補助遊技に係る各種制御を実行する際に用いる変数として、通常モードを有している。
【0107】
通常モードは、第1通常モード~第5通常モードの5種類のモードから構成されており、第1通常モード<第2通常モード<第3通常モード<第4通常モード<第5通常モードの順に、遊技者にとって有利な制御が実行されるモードとなっている。AT制御手段200は、第2CZ状態を開始する場合に、通常モードを設定するモード設定処理を実行し、CZ状態又はAT状態の終了後に実行される通常状態において、モード設定処理で設定した通常モードを用いた各種制御を実行する。
【0108】
モード設定処理において、AT制御手段200は、まず、第5通常モードを設定する条件が成立しているか否かを判定する。第1の実施形態のAT制御手段200は、通常状態に移行する前に実行されていたAT状態において、後述する第2擬似ボーナス状態が3セット実行されてAT状態が終了した場合に、第5通常モードを設定する条件が成立したと判定する。
【0109】
AT制御手段200は、第5通常モードを設定する条件が成立していないと判定した場合には、第4通常モードを設定するか否かを決定する第4通常モード抽選を実行し、第4通常モードを設定すると決定した場合には、通常モードとして第4通常モードを設定する。一方、AT制御手段200は、第4通常モード抽選において第4通常モードに設定しないと決定した場合には、AT状態において実行する擬似ボーナス状態を決定する際に参照される値であるAT抽選参照値を記憶するAT抽選参照値カウンタ197eの記憶値に値「1」を加算し、第3通常モードを設定するか否かを決定する第3通常モード抽選を実行する。
【0110】
AT制御手段200は、第3通常モード抽選において第3通常モードを設定すると決定した場合には、通常モードとして第3通常モードを設定し、第3通常モード抽選において第3通常モードに設定しないと決定した場合には、AT抽選参照値カウンタ197eの記憶値に値「1」を加算し、第2通常モードを設定するか否かを決定する第2通常モード抽選を実行する。
【0111】
AT制御手段200は、第2通常モード抽選において第3通常モードを設定すると決定した場合には、通常モードとして第2通常モードを設定し、第2通常モード抽選において第2通常モードに設定しないと決定した場合には、AT抽選参照値カウンタ197eの記憶値に値「1」を加算し、通常モードとして第1通常モードを設定する。
【0112】
モード設定処理を実行することで、AT制御手段200は、通常状態において用いる通常モードを設定できるとともに、AT状態において実行する擬似ボーナス状態を決定する際に参照するAT抽選参照値を設定することができる。
【0113】
また、AT制御手段200は、AT抽選参照値について、第2通常モード抽選~第4通常モード抽選の結果に応じてAT抽選参照値カウンタ197eに記憶させる、つまり、通常状態において用いられる通常モードと、AT状態において用いられるAT抽選参照値と、の双方を第2CZ状態の開始に基づき実行するモード設定処理で設定するため、AT状態での制御で用いる情報と通常状態での制御で用いる情報とを1つの契機での処理で設定できることでプログラムの容量を軽減できるとともに、特典として付与されるAT状態での制御に対応した内容の制御を、特典の終了後に実行される通常状態で実行でき、AT状態から移行する通常状態での遊技性をAT状態と関連付けて遊技性を高めることができる。
【0114】
なお、第1の実施形態においては、モード設定処理で設定する通常モードについて、設定値記憶手段191に記憶されている設定値ごとにそれぞれ異なる確率で設定されるように構成されている。具体的には、モード設定処理においては、設定値記憶手段191に記憶されている設定値が設定1であれば約90%の確率で第1通常モードに設定し、約7%の確率で第2通常モードに設定し、約2%の確率で第3通常モードに設定し、約1%の確率で第4通常モードに設定する。また、設定2である場合には、約80%の確率で第1通常モードに設定し、約12%の確率で第2通常モードに設定し、約6%の確率で第3通常モードに設定し、約2%の確率で第4通常モードに設定する。また、設定3である場合には、約70%の確率で第1通常モードに設定し、約15%の確率で第2通常モードに設定し、約10%の確率で第3通常モードに設定し、約5%の確率で第4通常モードに設定する。また、設定4である場合には、約60%の確率で第1通常モードに設定し、約20%の確率で第2通常モードに設定し、約12%の確率で第3通常モードに設定し、約8%の確率で第4通常モードに設定する。また、設定5である場合には、約50%の確率で第1通常モードに設定し、約25%の確率で第2通常モードに設定し、約15%の確率で第3通常モードに設定し、約10%の確率で第4通常モードに設定する。そして、設定6である場合には、約40%の確率で第1通常モードに設定し、約28%の確率で第2通常モードに設定し、約20%の確率で第3通常モードに設定し、約12%の確率で第4通常モードに設定する。
【0115】
つまり、第1の実施形態のスロットマシン1では、設定値記憶手段191に記憶されている設定値が高い値である程、第4通常モードに設定する確率が高く、設定値が低い値である程、第1通常モードに設定する確率が高くなるように構成されている。
【0116】
上述したように、AT制御手段200は、通常状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」に当選した場合に、特殊小役A、特殊小役Bを重複入賞可能にする打順(設定打順)を報知する入賞補助を実行する。AT制御手段200は、通常状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」に当選し且つ設定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下される遊技が実行された場合に、AT状態に移行した際に、1セットの第1擬似ボーナス状態又は第2擬似ボーナス状態を実行可能にする特典を付与するか否かを決定するATストック付与抽選を実行する。ATストック付与抽選で「1セットの擬似ボーナス状態をストック」に当選した場合、AT制御手段200は、有利区間を継続したまま演出状態が第2CZ状態に移行した場合に、第2CZ状態からAT状態への移行を確定させるとともに、移行するAT状態において、ストックされたセット数分の擬似ボーナス状態を実行可能にする。
【0117】
AT制御手段200は、CZ状態又はAT状態から通常状態に移行したことに基づき通常状態を開始する遊技において、通常状態及び前兆状態での遊技回数をカウントするカウンタである通常ゲーム数カウンタ197cに初期値を設定する処理と、次回のCZ状態が開始されるまでにCZ状態に移行することなく通常状態及び前兆状態に待機させる期間を管理するカウンタである待機ゲーム数カウンタ197dに初期値を設定する処理と、第1CZ状態から第2CZ状態に移行させる場合に、有利区間を終了させるか否かを判定するために用いられる判定値を有利区間終了判定カウンタ197fに設定する処理と、を実行する。
【0118】
通常ゲーム数カウンタ197cの初期値を設定する処理において、AT制御手段200は、通常モードを参照して初期値を設定するように構成されており、第1通常モードが設定されている場合には、初期値として値「1000」を設定し、第2通常モードが設定されている場合には、初期値として値「700」を設定し、第3通常モードが設定されている場合には、初期値として値「500」を設定し、第4通常モード又は第5通常モードが設定されている場合には、初期値として値「200」を設定する。AT制御手段200は、通常状態及び前兆状態で遊技が実行される都度、1ゲームに相当する値「1」で通常ゲーム数カウンタ197cの記憶値を減算するデクリメント更新(更新処理)を実行する。
【0119】
また、AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「レア役1」、当選エリア「レアリプレイ1」、当選エリア「レアリプレイ2」に当選した場合に、通常ゲーム数カウンタ197cの記憶値を更新処理よりも大きく減算することで、通常状態から前兆状態を介してCZ状態に移行するまでのゲーム数を短縮する短縮処理を実行するか否かを決定する通常中短縮抽選を実行するように構成されている。
【0120】
通常中短縮抽選において短縮処理を実行すると決定した場合、AT制御手段200は、通常ゲーム数カウンタ197cから減算する値として、値「20」、値「30」、値「50」、値「100」、値「300」のいずれの値にするかを抽選によって決定し、決定した値で通常ゲーム数カウンタ197cの記憶値を減算する。AT制御手段200は、短縮処理について、通常中短縮抽選で実行が決定された遊技において通常ゲーム数カウンタ197cの記憶値を減算するように構成されている。
【0121】
また、AT制御手段200は、短縮処理を実行することで通常ゲーム数カウンタ197cの記憶値が負の値となる場合、つまり、通常ゲーム数カウンタ197cの記憶値を超過した値で減算を行う場合に、1セットの第2擬似ボーナス状態をストックするか否かを決定する超過ストック抽選を実行する。超過ストック抽選において、AT制御手段200は、通常ゲーム数カウンタ197cの記憶値を超過した値が大きい値である程「1セットの第2擬似ボーナス状態のストック」に当選しやすくなる抽選を実行する。
【0122】
AT制御手段200は、通常状態における毎回の遊技においてCZ状態に移行するか否かを抽選するCZ移行抽選を実行している。AT制御手段200は、CZ移行抽選において、通常ゲーム数カウンタ197cの記憶値が通常モードのそれぞれで設定されている所定の値である場合に、他の値である場合よりも高い確率で「CZ状態への移行」に当選するCZ移行抽選を実行する。
【0123】
具体的には、AT制御手段200は、第1通常モードが設定されている場合には、通常ゲーム数カウンタ197cの記憶値が値「200」、値「400」、値「600」、値「800」である場合に、他の値である場合よりも高い確率で「CZ状態への移行」に当選するCZ移行抽選を実行し、第2通常モードが設定されている場合には、通常ゲーム数カウンタ197cの記憶値が値「100」、値「200」、値「300」、値「400」である場合に、他の値である場合よりも高い確率で「CZ状態への移行」に当選するCZ移行抽選を実行し、第3通常モードが設定されている場合には、通常ゲーム数カウンタ197cの記憶値が値「100」、値「200」である場合に、他の値である場合よりも高い確率で「CZ状態への移行」に当選するCZ移行抽選を実行し、第4通常モード又は第5通常モードが設定されている場合には、通常ゲーム数カウンタ197cの記憶値が値「50」、値「100」である場合に、他の値である場合よりも高い確率で「CZ状態への移行」に当選するCZ移行抽選を実行する。
【0124】
待機ゲーム数カウンタ197dに初期値を設定する処理において、AT制御手段200は、通常状態に移行する前の遊技における演出状態によって、初期値として設定する値を決定するように構成されている。待機ゲーム数カウンタ197dに初期値を設定する処理の詳細については、後述する。
【0125】
AT制御手段200は、通常状態及び前兆状態で遊技が実行される都度、1ゲームに相当する値「1」で待機ゲーム数カウンタ197dの記憶値を減算するデクリメント更新を実行し、待機ゲーム数カウンタ197dの記憶値が値「0」になった場合には、新たに初期値がセットされるまで以降のデクリメント更新を停止する。
【0126】
このように、第1の実施形態のAT制御手段200は、通常状態が開始された場合に、通常ゲーム数カウンタ197cの記憶値と、待機ゲーム数カウンタ197dの記憶値と、を毎回の遊技の都度1ゲームに相当する値「1」でデクリメント更新する、つまり、通常ゲーム数カウンタ197cの記憶値によって経過が管理される第1期間と、待機ゲーム数カウンタ197dの記憶値によって経過が管理される第2期間と、を起算するように構成されている。この、待機ゲーム数カウンタ197dの記憶値のデクリメント更新を開始することで、第2期間の起算を開始する通常状態を開始したタイミングが、第1の実施形態における所定のタイミングを構成する。
【0127】
AT制御手段200は、通常ゲーム数カウンタ197cの記憶値が値「0」になった場合と、CZ移行抽選で「CZ状態への移行」に当選した場合と、に、CZ状態への移行を決定する。AT制御手段200は、CZ状態への移行を決定した場合において、待機ゲーム数カウンタ197dの記憶値を参照し、待機ゲーム数カウンタ197dの記憶値が値「1」以上であった場合には、待機ゲーム数カウンタ197dの記憶値が値「0」になるまで通常状態に維持し、待機ゲーム数カウンタ197dの記憶値が値「0」であった場合には、前兆状態を介してCZ状態に移行させる。
【0128】
なお、AT制御手段200は、CZ状態への移行条件が成立していない場合であっても、演出状態を通常状態から前兆状態に移行させるか否かを決定する前兆移行抽選を実行可能に構成されている。第1の実施形態のAT制御手段200は、通常状態における毎回の遊技において、前兆移行抽選を実行するように構成されている。
【0129】
有利区間終了判定カウンタ197fに判定値を設定する処理において、AT制御手段200は、値「300」~値「1000」の範囲のいずれかの値を有利区間終了判定カウンタ197fに設定すると判定値抽選により決定し、決定した値について、初期化又は次回の設定がされるまで維持するように構成されている。
【0130】
前兆状態は、通常状態から移行する演出状態である。AT制御手段200は、前兆状態の開始時にAT制御データ記憶手段197の前兆ゲーム数カウンタ(不図示)に、所定の遊技回数に対応する値(例えば、10ゲーム)をセットし、遊技が実行される都度、前兆ゲーム数カウンタの記憶値を1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行する。
【0131】
AT制御手段200は、前兆状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」に当選し且つ設定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下される遊技が実行された場合に、ATストック付与抽選を実行する。ATストック付与抽選で「1セットの擬似ボーナス状態をストック」に当選した場合、AT制御手段200は、有利区間を継続したまま演出状態が第2CZ状態に移行した場合に、第2CZ状態からAT状態への移行を確定させるとともに、移行するAT状態において、ストックされたセット数分の擬似ボーナス状態を実行可能にする。
【0132】
AT制御手段200は、CZ状態への移行条件が成立していない状態で開始される前兆状態について、前兆ゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になった場合に、前兆状態から通常状態に演出状態を移行する。AT制御手段200は、前兆状態から通常状態に移行した場合には、CZ状態又はAT状態から通常状態に移行した場合に実行する各カウンタの初期値を設定する処理や判定値を設定する処理を実行しないように構成されている。
【0133】
一方、AT制御手段200は、CZ状態への移行条件が成立している状態で開始される前兆状態について、前兆ゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になった場合に、前兆状態から第1CZ状態に演出状態を移行する。また、AT制御手段200は、CZ状態への移行条件が成立した状態で開始される前兆状態の開始時において、第1有利区間カウンタ197aの記憶値と、有利区間終了判定カウンタ197fに記憶されている判定値と、を比較し、第1有利区間カウンタ197aの記憶値が判定値以上であった場合に、第1CZ状態から第2CZ状態に演出状態を移行する際に有利区間を終了させると決定し、第1有利区間カウンタ197aの記憶値が判定値未満であった場合に、第1CZ状態から第2CZ状態に演出状態を移行する際に有利区間を継続させると決定する。
【0134】
上述したように、AT制御手段200は、有利区間終了判定カウンタ197fに記憶させる判定値について、抽選によって値「300」~値「1000」のいずれの値が記憶されるように構成されている。このため、スロットマシン1では、CZ状態又はAT状態から通常状態に移行した場合に、次回のCZ状態において第1CZ状態の終了後に有利区間が終わるか否かについて、遊技者には判別できない構成となっている。
【0135】
また、スロットマシン1では、上述したように、通常状態又は前兆状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」に当選した場合に、入賞した場合におけるメダルの払出数が最も多くなる入賞補助でなく、入賞する小役の数が多くなる入賞補助が実行されるため、通常状態又は前兆状態において入賞補助が実行された遊技においては、入賞補助に従わない打順でストップボタンB1~ストップボタンB3を押下した方が、入賞補助に従った打順でストップボタンB1~ストップボタンB3を押下するよりもメダルを多く獲得できる構成となっている。
【0136】
しかしながら、AT制御手段200は、通常状態又は前兆状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」に当選し、かつ入賞補助に従った打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合には、ATストック抽選を実行し、遊技者に特典を付与可能に構成されており、通常状態からCZ状態に移行し、第1CZ状態から第2CZ状態に移行するまでに有利区間が終了しない場合には、ATストック付与抽選によって1セットの擬似ボーナス状態がストックされた場合の方が、入賞補助に従わずに当該遊技においてベルA、ベルB、ベルG、ベルHを入賞させてメダルを獲得する場合よりも、遊技者にとって有利となるように構成されている。
【0137】
このような構成であることから、第1の実施形態のスロットマシン1は、通常状態からCZ状態に移行して第1CZ状態が終了した際に有利区間が終了するか否かを遊技者が判別できてしまうと、第1CZ状態の終了によって有利区間が終了する場合には、通常状態又は前兆状態において入賞補助が実行された場合に入賞補助に従わない遊技を実行し、第1CZ状態が終了しても有利区間が終了しない場合には、通常状態又は前兆状態において入賞補助が実行された場合に入賞補助に従う遊技を実行する、といった攻略性が生じてしまうが、有利区間を終了させるか否かを判定する際に参照される判定値について、値「300」~値「1000」の範囲の値を抽選によって設定することで、第1CZ状態が終了した際に有利区間が終了するか否かを遊技者が判別できない構成にすることができ、遊技機に攻略性が生じてしまうことを防ぐことができる。
【0138】
CZ状態は、第1CZ状態と、第2CZ状態と、の2つの演出状態から構成された状態である。AT制御手段200は、前兆状態からCZ状態に移行する場合に、演出状態を第1CZ状態に設定する。
【0139】
第1CZ状態は、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」の当選時におけるベルA~ベルLの入賞補助と、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」の当選時におけるベルA、ベルB、ベルG、ベルHの入賞補助と、が実行されることで、通常状態よりも遊技者にとって有利な演出状態である。
【0140】
AT制御手段200は、第1CZ状態の開始時にAT制御データ記憶手段197の第1CZ中入賞補助カウンタ(不図示)に、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」の当選時におけるベルA~ベルLの入賞補助と、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」の当選時におけるベルA、ベルB、ベルG、ベルHの入賞補助と、を実行する回数(例えば、5回)をセットし、入賞補助を実行する都度、第1CZ中入賞補助カウンタの記憶値を1回に相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行する。
【0141】
AT制御手段200は、CZ中入賞補助カウンタの記憶値が値「0」になった場合に、第1CZ状態に移行する前の前兆状態において第1CZ状態の終了に基づき有利区間を終了させると判定していた場合には、有利区間の終了条件のうち通常終了条件が成立したと判定し、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。一方、AT制御手段200は、第1CZ状態に移行する前の前兆状態において第1CZ状態の終了後も有利区間を継続させると判定していた場合には、第1CZ状態から第2CZ状態に演出状態を移行する。
【0142】
第2CZ状態は、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」の当選時におけるベルA~ベルLの入賞補助と、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」の当選時におけるベルA、ベルB、ベルG、ベルHの入賞補助と、が実行されることで、通常状態よりも遊技者にとって有利な演出状態である。
【0143】
AT制御手段200は、第2CZ状態の開始時にAT制御データ記憶手段197の第2CZゲーム数カウンタ(不図示)に、所定の遊技回数に対応する値(例えば、20ゲーム)をセットし、遊技が実行される都度、第2CZゲーム数カウンタの記憶値を1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行する。また、AT制御手段200は、第2CZ状態の開始時に上述したモード設定処理を実行し、通常モードを設定するとともにAT抽選参照値カウンタ197eに参照値を設定する。
【0144】
AT制御手段200は、第2CZ状態が開始されるまで1セット以上の擬似ボーナス状態がストックされていた場合には、第2CZ状態の終了後にAT状態に移行することを決定する。また、AT制御手段200は、第2CZ状態において、AT状態で実行する擬似ボーナス状態のセット数を決定する擬似ボーナスセット数抽選を実行する。
【0145】
なお、第1の実施形態のスロットマシン1では、AT状態において実行可能な擬似ボーナス状態について、最大で3セットとなるように構成されており、第2CZ状態が開始されるまでにストックされていた1セットの擬似ボーナス状態のストック数と、擬似ボーナスセット数抽選で実行が決定される擬似ボーナス状態にセット数と、の総数が3セットを超えることがない構成となっている。
【0146】
AT制御手段200は、1セット以上の擬似ボーナス状態がストックされておらず、且つ擬似ボーナスセット数抽選において擬似ボーナス状態を実行するセット数が0セットであると決定した場合に、第2CZゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になった後に第2CZ状態から通常状態に演出状態を移行する。一方、AT制御手段200は、1セット以上の擬似ボーナス状態がストックされている、又は擬似ボーナスセット数抽選において擬似ボーナス状態を実行するセット数が1セット以上であると決定した場合に、AT状態において各セットで実行する擬似ボーナス状態を、第1擬似ボーナス状態と、第2擬似ボーナス状態と、のいずれにするのかを決定する擬似ボーナス決定抽選を実行する。
【0147】
擬似ボーナス決定抽選において、AT制御手段200は、1セット目~3セット目の各セットで実行する擬似ボーナス状態の種別を決定する。また、AT制御手段200は、AT抽選参照値カウンタ197eに記憶されている参照値を参照し、擬似ボーナス決定抽選で用いる抽選テーブルを取得する。擬似ボーナス決定抽選では、擬似ボーナス状態のストック数によらず、3セットの擬似ボーナス状態が実行される場合における各セットで第1擬似ボーナス状態と、第2擬似ボーナス状態と、のいずれを実行するかが決定される。
【0148】
AT制御手段200は、擬似ボーナス決定抽選の結果と、実行が決定された擬似ボーナス状態のセット数と、を用いて、AT状態において実行する擬似ボーナス状態の詳細を決定する。AT制御手段200は、例えば、擬似ボーナス決定抽選において「第2擬似ボーナス状態、第1擬似ボーナス状態、第1擬似ボーナス状態」の順に実行すると決定し且つ実行が決定された擬似ボーナス状態のセット数が2セットであった場合、AT状態において、まず、1セットの第2擬似ボーナス状態を実行し、次に1セットの第1擬似ボーナス状態を実行した後に、AT状態を終了する。
【0149】
AT状態は、第1擬似ボーナス状態と、第2擬似ボーナス状態と、の2つの演出状態から構成された状態である。AT制御手段200は、第2CZ状態において決定した1セット目の擬似ボーナス状態に演出状態を設定する。
【0150】
また、AT制御手段200は、AT状態における内部抽選で当選エリア「レア役1」、当選エリア「レアリプレイ1」、当選エリア「レアリプレイ2」、当選エリア「RBB&1枚役」に当選した場合に、AT状態の終了後に実行される通常状態において、通常ゲーム数カウンタ197cの初期値を設定した後に、初期値を減算する短縮処理を実行するか否かを決定するAT中短縮抽選を実行するように構成されている。
【0151】
第1擬似ボーナス状態におけるAT中短縮抽選において短縮処理を実行すると決定した場合、AT制御手段200は、通常ゲーム数カウンタ197cから減算する値として、値「50」、値「100」、値「300」のいずれの値にするかを抽選によって決定する。また、第2擬似ボーナス状態におけるAT中短縮抽選において短縮処理を実行すると決定した場合、AT制御手段200は、通常ゲーム数カウンタ197cから減算する値として、値「20」、値「30」、値「50」、値「100」、値「300」のいずれの値にするかを抽選によって決定する。
【0152】
AT制御手段200は、AT状態の開始時において、実行する擬似ボーナス状態のセット数が1セット又は2セットに決定されていた場合には、AT状態の開始時に第2擬似ボーナス状態を1セット追加するか否かを決定する第2擬似ボーナス付与抽選を実行する。AT制御手段200は、第2擬似ボーナス付与抽選を実行した遊技において、「1セットの第2擬似ボーナス状態を追加」に当選した場合に、実行が予定された擬似ボーナス状態のセット数が3セットになっている場合には、第2擬似ボーナス付与抽選を終了し、実行が予定された擬似ボーナス状態のセット数が2セットになっている場合には、次ゲームにおいて再度第2擬似ボーナス付与抽選を実行する。AT制御手段200は、第2擬似ボーナス付与抽選が実行される遊技が終了した後に、予定されている1セット目の擬似ボーナス状態に演出状態を移行する。
【0153】
第1擬似ボーナス状態は、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」の当選時におけるベルA~ベルLの入賞補助と、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」の当選時におけるベルA、ベルB、ベルG、ベルHの入賞補助と、が実行されることで、通常状態よりも遊技者にとって有利な演出状態である。
【0154】
第1擬似ボーナス状態の開始時において、AT制御手段200は、スタートレバーSLへの開始操作に基づき、遊技の進行を遅延させるフリーズを発生させ、左リールR1~右リールR3を用いた回胴演出として第1回胴演出をリール制御手段130に実行させる。第1回胴演出において、リール制御手段130は、左リールR1~右リールR3を回転開始して、一定の速度で回転した状態になった後に、左リールR1、中リールR2、右リールR3の順に停止するとともに、左リールR1~右リールR3の中段にBAR図柄「BAR」を停止表示する。そして、リール制御手段130は、所定の時間が経過した後に、左リールR1、中リールR2、右リールR3の順に回転を開始する。AT制御手段200は、左リールR1~右リールR3が定常回転となった後にフリーズを終了し、ストップボタンB1~ストップボタンB3への押下を有効化する。
【0155】
AT制御手段200は、第1擬似ボーナス状態の開始時にAT制御データ記憶手段197の第1擬似ボーナス差枚数カウンタ(不図示)に所定の差枚数に対応する値(例えば、150枚)をセットし、遊技が実行される都度、差枚数に相当する値で第1擬似ボーナス差枚数カウンタの記憶値を減算する。AT制御手段200は、第1擬似ボーナス差枚数カウンタの記憶値を差枚数で減算することで値「0」以下となる遊技において、1セットの第1擬似ボーナス状態の終了条件が成立したと判定し、次セットの擬似ボーナス状態が予定されている場合には、次ゲームより新たな1セットの擬似ボーナス状態を開始し、今回の第1擬似ボーナス状態が予定されていた最後のセットであった場合には、AT状態の終了条件が成立したと判定し、AT状態から通常状態に移行する。
【0156】
第2擬似ボーナス状態は、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」の当選時におけるベルA~ベルLの入賞補助と、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」の当選時におけるベルA、ベルB、ベルG、ベルHの入賞補助と、が実行されることで、通常状態よりも遊技者にとって有利な演出状態である。
【0157】
第2擬似ボーナス状態の開始時において、AT制御手段200は、スタートレバーSLへの開始操作に基づき、遊技の進行を遅延させるフリーズを発生させ、左リールR1~右リールR3を用いた回胴演出として第1回胴演出をリール制御手段130に実行させる。第1回胴演出において、リール制御手段130は、左リールR1~右リールR3を回転開始して、一定の速度で回転した状態になった後に、左リールR1、中リールR2、右リールR3の順に停止するとともに、左リールR1~右リールR3の中段に白7図柄「白7」を停止表示する。そして、リール制御手段130は、所定の時間が経過した後に、左リールR1、中リールR2、右リールR3の順に回転を開始する。AT制御手段200は、左リールR1~右リールR3が定常回転となった後にフリーズを終了し、ストップボタンB1~ストップボタンB3への押下を有効化する。
【0158】
AT制御手段200は、第2擬似ボーナス状態の開始時にAT制御データ記憶手段197の第2擬似ボーナス差枚数カウンタ(不図示)に所定の差枚数に対応する値(例えば、700枚)をセットし、遊技が実行される都度、差枚数に相当する値で第2擬似ボーナス差枚数カウンタの記憶値を減算する。AT制御手段200は、第2擬似ボーナス差枚数カウンタの記憶値を差枚数で減算することで値「0」以下となる遊技において、1セットの第2擬似ボーナス状態の終了条件が成立したと判定し、次セットの擬似ボーナス状態が予定されている場合には、次ゲームより新たな1セットの擬似ボーナス状態を開始し、今回の第1擬似ボーナス状態が予定されていた最後のセットであった場合には、AT状態の終了条件が成立したと判定し、AT状態から通常状態に移行する。
【0159】
このように、第2擬似ボーナス状態は、第1擬似ボーナス状態よりも獲得可能なメダルの枚数が多い演出状態として構成されており、スロットマシン1において、遊技者にとって最も有利な状態として構成されている。
【0160】
また、第1の実施形態のAT制御手段200は、AT状態において第1有利区間カウンタ197aの記憶値が値「1500」となった場合と、第2有利区間カウンタ197bの記憶値が値「2401」以上となった場合と、の有利区間の特別終了条件が成立し有利区間を終了する場合を除き、CZ状態又はAT状態の終了後に、有利区間を継続して通常状態を開始可能に構成されている。
【0161】
3.打順小役当選態様の当選時の詳細
上述したように、第1の実施形態のスロットマシン1では、打順によって入賞可能となる小役が異なる場合を有する当選エリア(打順小役当選態様)として、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」を有している。
【0162】
<当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」の詳細>
まず、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」について説明する。第1の実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」に当選した場合において、遊技状態に応じてリール制御手段130によるリール停止制御の制御内容を変更することで、入賞可能となる役が異なるように構成されている。
【0163】
図10は、非RT状態で当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」に当選した場合において、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順によって入賞可能となる役に付いて示す図である。
図10に示すように、スロットマシン1では、非RT状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」に当選した場合に、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下順序によらず、規定投入数よりも多い配当(13枚)に設定されたベルA~ベルLが入賞せず、規定投入数よりも少ない配当(1枚)に設定された1枚役A1~1枚役G4が、
図10に示す入賞確率で入賞するように構成されている。
【0164】
当選エリア「打順ベル1A」の当選時を例に、1枚役A1~1枚役G4の入賞確率の詳細について説明する。
図3に示した通り、当選エリア「打順ベル1A」では、ベルAと、1枚役A1と、1枚役A4と、1枚役C1と、1枚役E1と、が重複当選する。
【0165】
当選エリア「打順ベル1A」に当選し、ストップボタンB1~ストップボタンB3が打順1又は打順2で押下された場合、リール制御手段130は、ストップボタンB1が第1停止操作されたことに基づき、リール停止制御として枚数優先制御を実行し、ベルAの入賞図柄組合せ「BLA-BLA-BLA」を構成するベルA図柄「BLA」を有効ラインL1上に停止表示する。これにより、スロットマシン1では、当該遊技において入賞可能となる役が、入賞図柄組合せが「BLA-BLA-BLA」から構成されたベルAと、入賞図柄組合せが「BLA-BAR(BKA)-BAR(BKA)」から構成された1枚役A1と、入賞図柄組合せが「BLA-白7(BKC)-白7(BKC)」から構成された1枚役A4と、に限定される。
【0166】
次に、リール制御手段130は、ストップボタンB2又はストップボタンB3が第2停止操作されたことに基づき、リール停止制御として個数優先制御を実行する。当選エリア「打順ベル1A」に当選し且つ有効ラインL1を構成する左リールR1の上段にベルA図柄「BLA」を停止表示している場合、スロットマシン1では、中リールR2又は右リールR3にベルA図柄「BLA」を有効ラインL1上に停止表示すると表示可能になる図柄組合せが1個であり、BAR図柄「BAR」、ブランクA図柄「BKA」、白7図柄「白7」、ブランクC図柄「BKC」のいずれかを有効ラインL1上に停止表示すると表示可能になる図柄組合せがそれぞれ2個であることから、第2停止操作が実行されたストップボタンに対応するリールにおいて、BAR図柄「BAR」、ブランクA図柄「BKA」、白7図柄「白7」、ブランクC図柄「BKC」のいずれかを有効ラインL1上に停止表示する。
【0167】
上述した通り、第1の実施形態のスロットマシン1では、中リールR2と右リールR3とにおいて、BAR図柄「BAR」又はブランクA図柄「BKA」を有効ラインL1上に停止表示可能な引き込み範囲と、白7図柄「白7」又はブランクC図柄「BKC」を有効ラインL1上に停止表示可能な引き込み範囲と、について、それぞれ重複しない範囲に設定されているとともに、それぞれ20コマ中10コマの範囲に設定されている。
【0168】
このような構成であることから、スロットマシン1では、当選エリア「打順ベル1A」に当選し且つ打順1又は打順2でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合に、第2停止操作が実行された時点で、当該遊技において入賞可能となる役について、入賞図柄組合せが「BLA-BAR(BKA)-BAR(BKA)」から構成された1枚役A1と、入賞図柄組合せが「BLA-白7(BKC)-白7(BKC)」から構成された1枚役A4と、のいずれか一方に限定される。
【0169】
そして、スロットマシン1では、第3停止操作について、第2停止操作の時点で当該遊技において入賞可能な小役として限定された1枚役A1又は1枚役A4の入賞図柄組合せを構成する図柄を有効ラインL1上に停止表示することで、1枚役A1又は1枚役A4が入賞するとともに、1枚役A1又は1枚役A4を入賞可能にする第3停止操作の押下タイミングについて、20コマ中10コマの範囲の図柄が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングとなっている。
【0170】
このような構成により、スロットマシン1では、非RT状態において当選エリア「打順ベル1A」に当選し且つ打順1又は打順2でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合に、第3停止操作の押下タイミングによって1/2の確率で1枚役A1又は1枚役A4が入賞し、1/2の確率でいずれの役の入賞図柄組合せとも異なる図柄組合せが有効ラインL1上に表示される取りこぼし(非入賞)となる。
【0171】
また、スロットマシン1では、非RT状態において当選エリア「打順ベル1A」に当選し且つ打順3又は打順4でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合に、ストップボタンB2が第1停止操作されたことに基づき、リール停止制御として個数優先制御を実行し、1枚役C1の入賞図柄組合せ「BAR(BKC)-BLB-BAR(BKA)」を構成するベルB図柄「BLB」を有効ラインL1上に停止表示する。これにより、スロットマシン1では、当該遊技において入賞可能となる役が、入賞図柄組合せが「BAR(BKC)-BLB-BAR(BKA)」から構成された1枚役C1に限定される。
【0172】
上述した通り、スロットマシン1では、左リールR1において、白7図柄「白7」又はブランクA図柄「BKA」を有効ラインL1上に停止表示可能な引き込み範囲が20コマ中10コマの範囲に設定されている。
【0173】
このため、スロットマシン1では、第1停止操作の時点で当該遊技において入賞可能な小役として1枚役C1に限定され、1枚役C1を入賞可能にする第2停止操作の押下タイミングと第3停止操作の押下タイミングとについて、それぞれ20コマ中10コマの範囲の図柄が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングとなっており、1/4の確率で1枚役C1が入賞し、3/4の確率でいずれの役の入賞図柄組合せとも異なる図柄組合せが有効ラインL1上に表示される取りこぼし(非入賞)となる。
【0174】
また、スロットマシン1では、非RT状態において当選エリア「打順ベル1A」に当選し且つ打順5又は打順6でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合に、ストップボタンB3が第1停止操作された時点で、当該遊技において入賞可能な小役として1枚役E1に限定され、1枚役E1を入賞可能にする第2停止操作の押下タイミングと第3停止操作の押下タイミングとについて、それぞれ20コマ中10コマの範囲の図柄が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングとなっていることで、1/4の確率で1枚役E1が入賞し、3/4の確率でいずれの役の入賞図柄組合せとも異なる図柄組合せが有効ラインL1上に表示される取りこぼし(非入賞)となる。
【0175】
図11は、ボーナス成立状態で当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」に当選した場合において、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順によって入賞可能となる役について示す図である。
図11に示すように、スロットマシン1では、ボーナス成立状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」に当選した場合に、ベルA~ベルLを入賞可能にする打順(正解打順)が各当選エリアに設定されている。
【0176】
スロットマシン1では、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」に当選し、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順が正解打順である場合に、当選しているベルA~ベルLのいずれかが入賞する。
【0177】
また、スロットマシン1では、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」に当選し、正解打順とは異なる打順(不正解打順)でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合と、に当選している1枚役A1~1枚役G4のいずれかが
図11に示す入賞確率で入賞する。
【0178】
<当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」の詳細>
図12は、非RT状態及びボーナス成立状態で当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」に当選した場合において、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順によって入賞可能となる役について示す図である。
図12に示すように、スロットマシン1では、非RT状態及びボーナス成立状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」に当選した場合に、それぞれ第1停止操作が実行された時点で、当該遊技で入賞可能となる小役が、13枚の配当に設定されたベルA、ベルB、ベルG、ベルHのいずれかと、それぞれ1枚の配当に設定された特殊小役A及び特殊小役Bと、のいずれかに限定されるように構成されている。
【0179】
また、
図12に示すように、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」は、ベルA、ベルB、ベルG、ベルHを入賞可能にする打順(非設定打順)が、ストップボタンB1が第1停止操作される打順1、打順2に設定され、特殊小役A及び特殊小役Bを入賞可能にする打順(設定打順)が、ストップボタンB2、ストップボタンB3が第1停止操作される打順3~打順6に設定されている。
【0180】
当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」の当選時におけるリール停止制御の詳細について、当選エリア「打順チャンス1A」を用いて説明する。スロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス1A」に当選し、ストップボタンB1が第1停止操作される非設定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合に、リール制御手段130によるリール停止制御において枚数優先制御が実行され、1枚の配当に設定された特殊小役A及び特殊小役Bよりも多い13枚の配当に設定されたベルAの入賞図柄組合せ「BLA-BLA-BLA」を構成するベルA図柄「BLA」が有効ラインL1を構成する左リールR1の上段に停止表示されることで、当該遊技において入賞可能となる小役がベルAに限定される。
【0181】
また、スロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス1A」に当選し、ストップボタンB2が第1停止操作される設定打順(打順3、打順4)でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下される場合、中リールR2の中段にベルA図柄「BLA」を停止表示することでベルAの入賞図柄組合せ「BLA-BLA-BLA」と、特殊小役Aの入賞図柄組合せ「WM-ANY-RP」と、の2個の図柄組合せを有効ラインL1上に表示可能となり、中リールR2の中段にリプレイ図柄「RP」を停止表示することで特殊小役Aの入賞図柄組合せ「WM-ANY-RP」と、特殊小役Bの入賞図柄組合せ「WM-RP-ANY」と、の2個の図柄組合せを有効ラインL1上に表示可能となる。
【0182】
リール制御手段130は、ベルA図柄「BLA」と、リプレイ図柄「RP」と、のそれぞれを中リールR2の中段に停止表示した場合における有効ラインL1上に表示可能な入賞図柄組合せの数が同一であることから、個数優先制御によってベルA図柄「BLA」と、リプレイ図柄「RP」と、との間に優先順位をつけられないため、停止制御テーブル記憶手段194に記憶されている停止制御テーブルを用いたリール停止制御によって、リプレイ図柄「RP」を有効ラインL1上に停止表示することを決定し、リプレイ図柄「RP」が有効ラインL1を構成する中リールR2の中段に停止表示され、当該遊技において入賞可能となる小役が特殊小役A及び特殊小役Bに限定される。
【0183】
また、スロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス1A」に当選し、ストップボタンB3が第1停止操作される設定打順(打順5、打順6)でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下される場合、右リールR3の下段にベルA図柄「BLA」を停止表示することでベルAの入賞図柄組合せ「BLA-BLA-BLA」と、特殊小役Bの入賞図柄組合せ「WM-RP-ANY」と、の2個の図柄組合せを有効ラインL1上に表示可能となり、右リールR3の下段にリプレイ図柄「RP」を停止表示することで特殊小役Aの入賞図柄組合せ「WM-ANY-RP」と、特殊小役Bの入賞図柄組合せ「WM-RP-ANY」と、の2個の図柄組合せを有効ラインL1上に表示可能となる。
【0184】
リール制御手段130は、ベルA図柄「BLA」と、リプレイ図柄「RP」と、のそれぞれを右リールR3の下段に停止表示した場合における有効ラインL1上に表示可能な入賞図柄組合せの数が同一であることから、個数優先制御によってベルA図柄「BLA」と、リプレイ図柄「RP」と、との間に優先順位をつけられないため、停止制御テーブル記憶手段194に記憶されている停止制御テーブルを用いたリール停止制御によって、リプレイ図柄「RP」を有効ラインL1上に停止表示することを決定し、リプレイ図柄「RP」が有効ラインL1を構成する右リールR3の中段に停止表示され、当該遊技において入賞可能となる小役が特殊小役A及び特殊小役Bに限定される。
【0185】
そして、当選エリア「打順チャンス1A」に当選し、打順3~打順6の設定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下される場合、スロットマシン1では、ストップボタンB1が押下されることで左リールR1の上段にスイカ図柄「WM」が停止表示され、中リールR2の中段と、右リールR3の下段と、にリプレイ図柄「RP」が停止表示されるリール停止制御が実行され、有効ラインL1上に「WM-RP-RP」の図柄組合せが停止表示される。上述した通り、特殊小役Aの入賞図柄組合せは「WM-ANY-RP」であり、中リールR2に配列されたすべての図柄のうちの任意の図柄(ANY)から入賞図柄組合せが構成されていることから、リプレイ図柄「RP」も任意の図柄の1つに含まれているため、有効ラインL1上に表示されている「WM-RP-RP」についても、特殊小役Aの入賞図柄組合せを構成している。また、特殊小役Bの入賞図柄組合せは「WM-RP-ANY」であり、右リールR3に配列されたすべての図柄のうちの任意の図柄(ANY)から入賞図柄組合せが構成されていることから、リプレイ図柄「RP」も任意の図柄の1つに含まれているため、有効ラインL1上に表示されている「WM-RP-RP」についても、特殊小役Bの入賞図柄組合せを構成している。
【0186】
つまり、有効ラインL1上に停止表示された図柄組合せ「WM-RP-RP」は、特殊小役Aの入賞図柄組合せと、特殊小役Bの入賞図柄組合せと、のいずれの入賞図柄組合せを満たす図柄組合せである。これにより、スロットマシン1では、有効ラインL1上に図柄組合せ「WM-RP-RP」が停止表示されることで、特殊小役Aと特殊小役Bとの2個の小役が重複して入賞(重複入賞)する。
【0187】
4.各遊技状態での小役の当選確率の関係
<非ボーナス状態における小役の当選確率とボーナス状態における小役の当選確率>
次に、第1の実施形態のスロットマシン1において、非RT状態及びボーナス成立状態のボーナスが作動していない遊技状態(非ボーナス状態)における小役の当選確率と、ボーナス状態における小役の当選確率と、の関係の詳細について説明する。
【0188】
図3に示すように、内部抽選テーブルCでは、ベルA~ベルL、特殊小役A、特殊小役B、1枚役A1~1枚役G4、レア役Aのすべての小役が重複当選する当選エリア「全小役」と、1枚役A1~1枚役G4の特殊小役A、特殊小役Bを除く配当が1枚に設定された小役が重複当選する当選エリア「全1枚役」と、に乱数が対応付けられている。
【0189】
図3、
図11、
図12を用いて非ボーナス状態と、ボーナス状態と、について詳細に説明する。第1の実施形態のスロットマシン1において、内部抽選テーブルCが選択されるボーナス状態において当選エリア「全小役」の当選確率は、5129/65536(約1/12.8)であり、当選エリア「全1枚役」の当選確率は、51430/65536(約1/1.3)であることから、当選エリア「全小役」又は当選エリア「全1枚役」に当選する確率は、56559/65536(約1/1.2)となっている。
【0190】
また、スロットマシン1において、非ボーナス状態において選択される内部抽選テーブル、つまり内部抽選テーブルA、内部抽選テーブルBにおいて小役を含む当選エリアのいずれかに当選する確率は、56554/65536(約1/1.2)となっている。
【0191】
このため、第1の実施形態のスロットマシン1では、ボーナス状態において小役に当選する確率が、非ボーナス状態における小役の当選確率よりも高い確率となるように構成されている。
【0192】
また、ボーナス状態においては、1枚役A1~1枚役G4について、当選エリア「全小役」と、当選エリア「全1枚役」と、のいずれにも含まれる構成であることから、1枚役A1~1枚役G4のそれぞれの当選確率が56559/65536(約1/1.2)となっている。このため、ボーナス状態における1枚役A1~1枚役G4のぞれぞれの当選確率は、非ボーナス状態における1枚役A1~1枚役G4のそれぞれの当選確率よりも高い当選確率となっている。
【0193】
また、ボーナス状態においては、ベルA~ベルL、特殊小役A、特殊小役B、レア役Aについて、当選エリア「全小役」に含まれる構成であり、ベルA~ベルL、特殊小役A、特殊小役B、レア役Aの当選確率が5129/65536(約1/12.8)となっている。
【0194】
第1の実施形態のスロットマシン1では、ベルAについて、非ボーナス状態において、当選エリア「打順ベル1A」と、当選エリア「打順ベル1B」と、当選エリア「打順チャンス1A」と、に含まれる構成となっていることから、ベルAの当選確率が2716/65536(約1/24.1)となっており、ベルAの当選確率について、非ボーナス状態における当選確率よりも、ボーナス状態における当選確率の方が高い当選確率となるように構成されている。また、スロットマシン1では、非ボーナス状態における当選確率がベルAと同じベルB、ベルG、ベルHについても、非ボーナス状態における当選確率よりも、ボーナス状態における当選確率の方が高い当選確率となるように構成されている。
【0195】
また、スロットマシン1では、ベルCについて、非ボーナス状態において、当選エリア「打順ベル3A」と、当選エリア「打順ベル3B」と、に含まれる構成となっていることから、ベルCの当選確率が3900/65536(約1/16.8)となっており、ベルCの当選確率について、非ボーナス状態における当選確率よりも、ボーナス状態における当選確率の方が高い当選確率となるように構成されている。また、スロットマシン1では、非ボーナス状態における当選確率がベルCと同じベルD~ベルF、ベルI~ベルLについても、非ボーナス状態における当選確率よりも、ボーナス状態における当選確率の方が高い当選確率となるように構成されている。
【0196】
また、スロットマシン1では、特殊小役Aについて、非ボーナス状態において、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」のそれぞれに含まれる構成となっていることから、特殊小役Aの当選確率が2464/65536(約1/26.6)となっており、特殊小役Aの当選確率について、非ボーナス状態における当選確率よりも、ボーナス状態における当選確率の方が高い当選確率となるように構成されている。また、スロットマシン1では、非ボーナス状態における当選確率が特殊小役Aと同じ特殊小役Bについても、非ボーナス状態における当選確率よりも、ボーナス状態における当選確率の方が高い当選確率となるように構成されている。
【0197】
そして、スロットマシン1では、レア役Aについて、非ボーナス状態において、当選エリア「レア役1」に含まれる構成となっていることから、レア役Aの当選確率が790/65536(約1/83.0)となっており、レア役Aの当選確率について、非ボーナス状態における当選確率よりも、ボーナス状態における当選確率の方が高い当選確率となるように構成されている。
【0198】
つまり、第1の実施形態のスロットマシン1では、ボーナス状態におけるすべての小役それぞれの当選確率について、非ボーナス状態におけるすべての小役それぞれの当選確率よりも高い当選確率に構成されている。
【0199】
また、第1の実施形態のスロットマシン1において、非ボーナス状態における13枚の配当に設定されたベルA~ベルLのいずれかに当選する確率、つまりベルA~ベルLのそれぞれの当選確率の合算は、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」の当選確率の合算である42064/65536(約1/1.6)となっており、ボーナス状態おけるベルA~ベルLのいずれかに当選する確率、つまり当選エリア「全小役」の当選確率である5129/65536(約1/12.8)よりも高い当選確率となっている。
【0200】
このように、第1の実施形態のスロットマシン1は、遊技を開始する際に必要となる遊技価値の投入数よりも多い配当に設定された複数種類の第1小役(ベルA~ベルL)が互いに重複せずに第1小役とは異なる第2小役と重複当選する複数種類の第1当選態様(当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」)と、複数種類の第1小役が重複して当選する第3当選態様(当選エリア「全小役」)と、を有し、内部抽選手段120が、通常遊技状態(非RT状態)、ボーナス成立状態において、複数種類の第1当選態様が存在するように内部抽選を行うとともに、ボーナス状態において、第3当選態様が存在するように内部抽選を行うように構成されている。また、スロットマシン1において、ボーナス状態における内部抽選で第3当選態様に当選する確率は、通常遊技状態、ボーナス成立状態における内部抽選で複数種類の第1当選態様のいずれかに当選する確率よりも低く、ボーナス状態における内部抽選でのすべての小役それぞれの当選確率は、通常遊技状態、ボーナス成立状態における内部抽選でのすべての小役それぞれの当選確率以上となるように構成されている。
【0201】
このため、第1の実施形態のスロットマシン1は、ボーナス状態について、メダルの獲得率の期待値が100%未満となっている。
【0202】
ここで、ボーナス成立状態においては、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」の当選時に、正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下されないとベルA~ベルLを入賞させることができない構成であることから、ベルA~ベルLのいずれかが入賞する確率は、6種類の打順から正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合に限定されることから、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」の当選時におけるベルA~ベルLのいずれかが入賞する確率は、1/6に設定されている。
【0203】
一方、AT制御手段200によって入賞補助が実行されるAT遊技が実行された場合には、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」の当選時に、正解打順が報知されることで、ベルA~ベルLを確実に入賞させることができるようになるため、ベルA~ベルLのいずれかが入賞する確率について、入賞補助が実行されない場合に対して最大で6倍まで高めることができる。
【0204】
このように、第1の実施形態においては、正解打順で停止操作した場合に入賞する規定投入枚数よりも多くのメダルを払い出す入賞役(特定役)として、ベルA~ベルLの12種類を設定している。そして、ボーナス状態において特定役を含む当選態様が得られる確率を、ボーナス状態以外の遊技状態において特定役を含む当選態様が得られる確率の約1/6に圧縮している。
【0205】
<打順1、打順2で入賞可能となるベルの詳細>
図11、
図12に示したように、第1の実施形態のスロットマシン1では、ベルAについて、ボーナス成立状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1A」、当選エリア「打順ベル1B」に当選し、ストップボタンB1~ストップボタンB3が打順1で押下された場合と、非ボーナス状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1A」に当選し、ストップボタンB1~ストップボタンB3が打順1又は打順2で押下された場合と、に入賞可能となるように構成されている。そして、ベルAの当選確率は、2716/65536(約1/24.1)に設定されており、打順3~打順6が正解打順に設定されたベルC~ベルF、ベルI~ベルLよりも低い確率になっている。
【0206】
このような構成により、スロットマシン1では、ベルAについて、非ボーナス状態における内部抽選で、当選エリア「打順ベル1A」、当選エリア「打順ベル1B」に加え、当選エリア「打順チャンス1A」でも当選する構成であるものの、当選エリア「打順ベル1A」、当選エリア「打順ベル1B」に加え、当選エリア「打順チャンス1A」の当選確率の合算が、ベルC~ベルF、ベルI~ベルLといった正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合に入賞可能となる13枚の配当の小役よりも当選確率が低いため、ボーナス状態における当選エリア「全小役」の当選確率を設計する際に影響を与えることがない。
【0207】
また、スロットマシン1では、正解打順が打順1又は打順2に設定され且つ当選エリア「打順チャンス2A」~当選エリア「打順チャンス4A」にも含まれるベルB、ベルG、ベルHについても、ベルAと同様の当選確率となっている。
【0208】
このような構成により、第1の実施形態のスロットマシン1は、ボーナス状態における特定役を含む当選確率が得られる確率を圧縮する場合に、当選エリア「打順ベル1A」、当選エリア「打順ベル2A」、当選エリア「打順ベル7A」、当選エリア「打順ベル8A」、当選エリア「打順ベル1B」、当選エリア「打順ベル2B」、当選エリア「打順ベル7B」、当選エリア「打順ベル8B」に加え当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」にも含まれるベルA、ベルB、ベルG、ベルHについても圧縮することができ、ボーナス状態でのメダルの獲得率の下限を100%未満にまで引き下げた上でAT遊技に関するメダルの獲得性能を設計することができるため、AT機能を備えたスロットマシン1の設計自由度を飛躍的に向上させることができる。
【0209】
この、ベルA、ベルB、ベルG、ベルHが、それぞれ第1の実施形態における第1特定小役を構成し、ベルC~ベルF、ベルI~ベルLが、それぞれ第1の実施形態における第2特定小役を構成し、当選エリア「打順ベル1A」、当選エリア「打順ベル2A」、当選エリア「打順ベル7A」、当選エリア「打順ベル8A」、当選エリア「打順ベル1B」、当選エリア「打順ベル2B」、当選エリア「打順ベル7B」、当選エリア「打順ベル8B」が、それぞれ第1の実施形態における第1特定当選態様を構成し、当選エリア「打順ベル3A」~当選エリア「打順ベル6A」、当選エリア「打順ベル9A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル3B」~当選エリア「打順ベル6B」、当選エリア「打順ベル9B」~当選エリア「打順ベル12B」が、それぞれ第1の実施形態における第2特定当選態様を構成する。
【0210】
5.短縮処理に関する演出の詳細
次に、第1の実施形態の演出制御手段180が実行する演出の詳細について説明する。
【0211】
<通常状態における短縮処理に関する演出>
第1の実施形態の演出制御手段180は、通常状態において短縮処理が実行された場合に、表示装置330の正面視下方に短縮処理が実行されたことを報知する短縮報知アイコンを表示可能に構成されている。演出制御手段180は、短縮処理が実行される都度、短縮報知アイコンを表示装置330の正面視下方に追加表示するように構成されており、例えば、前兆状態に移行することなく短縮処理が3回実行された場合には、3個の短縮報知アイコンを表示する。また、演出制御手段180は、前兆状態に移行することなく短縮処理が5回以上実行された場合には、5回目以降の短縮処理について、実行された回数を報知する表示(例えば、短縮処理が5回実行された場合には4個の短縮報知アイコンと「STOCK×1」の表示等)を行う。
【0212】
また、演出制御手段180は、短縮報知アイコンを表示する場合に、短縮報知アイコンの色によって短縮処理で短縮された期間の期待度を報知するように構成されている。具体的には、演出制御手段180は、短縮報知アイコンとして、白色、黄色、青色、紫色のアイコンを表示可能に構成されている。白色の短縮報知アイコンは、短縮処理によって減算された期間が20ゲームである確率が最も高いことを示し、黄色の短縮報知アイコンは、短縮処理によって減算された期間が30ゲームである確率が最も高いことを示し、青色の短縮報知アイコンは、短縮処理によって減算された期間が50ゲームである確率が最も高いことを示し、紫色の短縮報知アイコンは、短縮処理によって減算された期間が100ゲームである確率が最も高いことを示している。つまり、スロットマシン1では、短縮報知アイコンの色について、白色<黄色<青色<紫色の順に、短縮された期間の期待度が高くなるように構成されている。
【0213】
また、このような構成であることから、スロットマシン1は、短縮報知アイコンによって、短縮処理が実行されたことを報知するものの、短縮処理によって短縮された期間については、短縮報知アイコンによって報知しない構成となっている。
【0214】
演出制御手段180は、短縮処理によって300ゲーム短縮された場合に、表示装置330の短縮報知アイコンを表示する位置とは異なる位置(例えば、表示装置330の正面視左上)に、短縮報知アイコンとは異なる意匠の特別短縮報知アイコンを表示可能に構成されている。特別短縮報知アイコンは、表示装置330に表示されている短縮報知アイコンの数によらず、表示装置330の短縮報知アイコンの表示位置とは異なる位置に表示される。なお、演出制御手段180は、短縮処理によって300ゲームされた場合に、特別短縮報知アイコンを表示せずに、紫色の短縮報知アイコンをアイコン表示領域330bに表示することもできる構成となっており、短縮報知アイコンと、特別短縮報知アイコンと、のいずれで表示するかについて、抽選によって決定するように構成されている。
【0215】
<前兆状態における短縮処理に関する演出>
第1の実施形態の演出制御手段180は、AT制御手段200によって制御される演出状態が通常状態から前兆状態に移行された場合に、表示装置330の正面視下方に表示していた短縮報知アイコンのうち最大で4個の短縮報知アイコンを表示する位置を、表示装置330の略中央に変更する。また、演出制御手段180は、表示装置330の略中央に表示開始した短縮報知アイコンの下部近傍に、演出用ボタンPUを押下することを促す演出用ボタン操作表示を表示する。
【0216】
また、演出制御手段180は、短縮報知アイコンを表示する位置を変更した場合に、短縮報知アイコンではなく実行された回数を報知する表示によって報知されていた短縮処理の実行を示す表示を、短縮報知アイコンを用いた表示に変更し、表示装置330の正面視下方に表示する。
【0217】
演出制御手段180は、演出用ボタンPUが押下される都度、表示装置330の略中央の短縮報知アイコンを、該短縮報知アイコンによって実行されたことを報知していた短縮処理において短縮された期間を報知する期間報知アイコンに表示を変更する。例えば、1回目の短縮処理によって30ゲームの短縮が実行され、2回目の短縮処理によって20ゲームの短縮が実行され、3回目の短縮処理によって50ゲームの短縮が実行され、4回目の短縮処理によって100ゲームの短縮が実行されていた場合、4個の短縮報知アイコンをそれぞれ「30G」、「20G」、「50G」、「100G」と表示する期間報知アイコンに変更することで、4回の短縮処理によって通常ゲーム数カウンタ197cによって管理されている設定期間が200ゲーム短縮されたことが報知される。
【0218】
また、演出制御手段180は、特別短縮報知アイコンによって表示していた短縮処理の実行を示す表示については、短縮報知アイコンの表示を期間報知アイコンの表示に変更する演出が終了した後に、特別短縮報知アイコンを表示装置330の略中央に表示することで、表示装置330の正面視下方には表示しない構成となっている。演出制御手段180は、特別短縮報知アイコンの下部近傍に、演出用ボタン操作表示を行うとともに、演出用ボタンPUが押下された場合に、表示装置330の略中央の特別短縮報知アイコンを、該特別短縮報知アイコンによって実行されたことを報知していた短縮処理において短縮された期間を報知する期間報知アイコンに表示を変更する。
【0219】
このように、第1の実施形態の演出制御手段180は、特別短縮報知アイコンを通常状態において表示していた場合に、短縮報知アイコンのすべてを期間報知アイコンの表示に変更した後に、特別短縮報知アイコンを期間報知アイコンの表示に変更する、つまり、複数回実行された短縮処理のうち短縮された遊技回数が多い回数である期待度が最も高い短縮処理の結果を最後に表示することで、一連の短縮処理の結果を報知する演出に対する遊技者の興趣を最後まで維持することができる。
【0220】
また、第1の実施形態の演出制御手段180は、前兆状態に移行するまでに複数回の短縮処理が実行され、短縮報知アイコンや特別短縮報知アイコンを複数個表示していた場合に、前兆状態に移行したことに基づきすべての短縮報知アイコン及び特別短縮報知アイコンの表示を期間報知アイコンに変更することで、前兆状態に移行するまでに実行された複数回の短縮処理の結果を報知するように構成されている。
【0221】
<AT状態における短縮処理に関する演出>
第1の実施形態の演出制御手段180は、AT状態においてAT制御手段200によって短縮処理が実行された場合に、通常状態である場合と略同様に短縮報知アイコンを表示装置330の正面視下方に表示する。演出制御手段180は、AT状態において表示を開始した短縮報知アイコンについて、通常状態に移行した場合にも表示装置330の正面視下方に表示を継続するように構成されており、演出状態が前兆状態に移行するまで短縮処理によって短縮されたゲーム数を報知しない構成となっている。演出制御手段180は、AT制御手段200によって通常状態から前兆状態に移行され、演出用ボタンPUが押下された場合に、短縮報知アイコンの表示を期間報知アイコンの表示変更することで、AT状態において実行された短縮処理によって短縮された遊技回数を報知するように構成されている。
【0222】
<AT制御手段による状態遷移と演出制御手段による演出の関係性>
上述したように、第1の実施形態のAT制御手段200は、CZ状態又はAT状態から移行した通常状態の開始時に、通常状態からCZ状態に移行するまでの設定期間として通常ゲーム数カウンタ197cに通常モードに応じた初期値を設定し、毎回の遊技の都度通常ゲーム数カウンタ197cの記憶値を減算する更新処理を実行していくとともに、短縮抽選で当選した場合に短縮処理を実行するように構成されている。また、AT制御手段200は、短縮処理において、更新処理で減算する値(値「1」)より大きな値で、通常ゲーム数カウンタ197cの記憶値を減算可能に構成されており、短縮処理を実行することで、通常状態からCZ状態に移行するまでの設定期間を短縮可能に構成されている。
【0223】
第1の実施形態の演出制御手段180は、AT制御手段200によって通常状態で短縮処理が実行された場合に、短縮処理が実行されたことを報知する短縮報知アイコンの表示は行うものの、短縮処理の結果、つまり短縮処理によって短縮された遊技回数を報知する演出については、通常状態において実行しない構成となっている。演出制御手段180は、短縮処理の結果について、所定のタイミングとして、前兆状態が開始された遊技において、短縮報知アイコンの表示を期間報知アイコンに変更する演出を実行することで報知するように構成されている。
【0224】
また、第1の実施形態の演出制御手段180は、前兆状態に移行するまでに複数回の短縮処理が実行され、短縮報知アイコンや特別短縮報知アイコンを複数個表示していた場合に、前兆状態に移行した遊技においてすべての短縮報知アイコン及び特別短縮報知アイコンの表示を期間報知アイコンに変更することで、前兆状態に移行するまでに実行された複数回の短縮処理の結果を報知するように構成されている。
【0225】
このような構成であることから、第1の実施形態のスロットマシン1は、通常状態において短縮処理を実行可能にすることで通常状態からCZ状態に移行するまでの期間を短縮可能であるとともに、短縮処理によって短縮された期間が具体的に何ゲームであるかを前兆状態に移行するまで報知しないことで、有利な処理が実行されたことを遊技者に報知しつつどの程度有利なのかを遊技者に判別させないことで、遊技者に前兆状態に移行するまで遊技を継続させる動機を与えることができるとともに、前兆状態に移行するまでに複数回の短縮処理が実行された場合に、前兆状態に移行するまでは複数回の短縮処理の結果を遊技者に判別させず、前兆状態において複数回の短縮処理の結果を報知するため、遊技者に前兆状態に移行するまで遊技を継続させる動機をより強く与えることができ、遊技者の遊技を継続することに対する意欲を向上させることができる。
【0226】
また、第1の実施形態のAT制御手段200は、演出状態がAT状態である場合にも、短縮処理を実行可能に構成されているとともに、AT状態において短縮処理を実行した場合には、AT状態が終了した後の通常状態において、短縮処理の結果を通常ゲーム数カウンタ197cに反映する。そして、演出制御手段180は、AT状態において短縮処理が実行された場合に、短縮報知アイコンの表示は行うものの、短縮処理によって短縮された遊技回数を報知する演出については、AT状態及び通常状態において実行せず、通常状態から前兆状態に移行することで前兆状態が開始され、遊技者に演出用ボタンPUが押下されたタイミングで、短縮報知アイコンの表示を期間報知アイコンに変更する演出を実行することで報知するように構成されている。
【0227】
このような構成であることから、第1の実施形態のスロットマシン1は、AT状態において短縮処理を実行可能にすることで、AT状態の終了後の通常状態からCZ状態に移行するまでの期間を短縮可能であるとともに、AT状態において短縮処理が実行されたことを短縮報知アイコンによって報知し、AT状態において実行された短縮処理がAT状態の終了後の通常状態まで引き継がれることが短縮報知アイコンによって報知されることで、AT状態において有利な処理が実行され通常状態においても引き続きストックされていることが遊技者に報知されることで、遊技者に前兆状態に移行するまで遊技を継続させる動機を与えることができ、遊技者の遊技を継続することに対する意欲を向上させることができる。
【0228】
6.通常ゲーム数カウンタと待機ゲーム数カウンタとに関する制御の詳細
次に、第1の実施形態のスロットマシン1において実行される通常ゲーム数カウンタ197cと待機ゲーム数カウンタ197dとに関する制御の詳細について説明する。
【0229】
<待機ゲーム数カウンタに設定する初期値>
図13は、待機ゲーム数カウンタ197dに初期値を設定する場合にAT制御手段200が実行する制御処理を示すフローチャートである。第1の実施形態のAT制御手段200は、通常状態における1ゲーム目の遊技において、
図13に示す制御処理を実行するように構成されている。
【0230】
待機ゲーム数カウンタ197dに初期値を設定する制御処理において、AT制御手段200は、まず、今回の通常状態がCZ状態から移行されたか否かを判定する(S1)。この処理において、AT制御手段200は、前回の遊技において実行されていた演出状態が第2CZ状態か否かを判定することで、第2CZ状態からAT状態に移行することなく通常状態に移行したか否かを判定している。
【0231】
ステップS1の処理において、今回の通常状態がCZ状態から移行されていないと判定した場合には(NO)、AT制御手段200は、第2擬似ボーナス状態が実行されたか否かを判定する(S2)。この処理において、AT制御手段200は、通常状態に移行する間に実行されていたAT状態において1セット以上の第2擬似ボーナス状態が実行されたか否かを判定する。
【0232】
ステップS2の処理において、第2擬似ボーナス状態が実行されていたと判定した場合には(YES)、AT制御手段200は、通常状態に移行する前のAT状態において、3セットの第2擬似ボーナス状態が実行されたか否かを判定する(S3)。この処理において、AT制御手段200は、3セットの擬似ボーナス状態を実行可能に構成されているAT状態において、3セットの擬似ボーナス状態がすべて第2擬似ボーナス状態であったか否かを判定している。
【0233】
ステップS1の処理において、今回の通常状態がCZ状態から移行されたと判定した場合(YES)、ステップS2の処理において、通常状態に移行する前のAT状態において、第2擬似ボーナス状態が実行されていないと判定した場合(NO)又はステップS3の処理において、通常状態に移行する前のAT状態において、3セットの第2擬似ボーナス状態が実行された判定した場合には(YES)、AT制御手段200は、待機ゲーム数カウンタ197dに初期値として値「200」を設定し(S4)、待機ゲーム数カウンタ197dに初期値を設定する制御処理を終了する。
【0234】
一方、ステップS3の処理において、通常状態に移行する前のAT状態において、1セット又は2セットの第2擬似ボーナス状態が実行された判定した場合には(NO)、AT制御手段200は、待機ゲーム数カウンタ197dに設定する初期値を決定する待機ゲーム数抽選を実行する(S5)。この処理において、AT制御手段200は、値「200」、値「300」、値「400」のいずれかの値を初期値に決定する待機ゲーム数抽選を実行する。
【0235】
次に、AT制御手段200は、待機ゲーム数抽選で決定した値(抽選結果)を待機ゲーム数カウンタ197dの初期値として設定し(S6)、待機ゲーム数カウンタ197dに初期値を設定する制御処理を終了する。
【0236】
<通常ゲーム数カウンタと待機ゲーム数カウンタとの関係>
図13に示したように、AT制御手段200は、待機ゲーム数カウンタ197dに初期値を設定する制御処理におけるステップS4の処理において、通常状態に移行する前の演出状態が第2CZ状態であった場合と、通常状態に移行する前のAT状態において第2擬似ボーナス状態が実行されていなかった場合と、には、待機ゲーム数カウンタ197dに設定する初期値として、通常ゲーム数カウンタ197cに設定可能な初期値である値「200」、値「500」、値「700」、値「1000」のうち最も小さい値と同じ値となる値「200」を設定する。
【0237】
待機ゲーム数カウンタ197dに初期値として値「200」を設定することにより、AT制御手段200は、通常ゲーム数カウンタ197cの記憶値が値「0」になるまでに短縮処理を実行しない場合であっても、通常ゲーム数カウンタ197cの記憶値が値「0」に更新されてCZ状態への移行が決定された時点で、待機ゲーム数カウンタ197dの記憶値も値「0」となっていることから、通常状態から前兆状態を介してCZ状態へ移行する。
【0238】
このような構成により、第1の実施形態のスロットマシン1は、通常状態に移行する前に実行されていた状態がCZ状態であった場合や、AT状態ではあったものの第2擬似ボーナス状態が実行されなかった場合に、遊技者が十分にメダルを獲得できていないと判定し、待機ゲーム数カウンタ197dに設定する初期値を通常ゲーム数カウンタ197cに設定可能な初期値のうち最も小さい値と同じ値となる値「200」に決定して通常ゲーム数カウンタ197cが値「0」に更新されてCZ状態への移行が決定された時点で待機ゲーム数カウンタ197dの記憶値も値「0」となっている可能性を高めることで、待機ゲーム数カウンタ197dに記憶されている値によって過度に通常状態から前兆状態を介したCZ状態への移行が抑制されてしまうことを防ぐことができ、次回のCZ状態への遊技者の期待感を向上させ、遊技者の遊技に対する興趣が低下することを防ぐことができる。
【0239】
また、AT制御手段200は、通常状態に移行する前のAT状態において第2擬似ボーナス状態が1セット又は2セット実行された場合には、待機ゲーム数カウンタ197dに初期値を設定する制御処理におけるステップS5、ステップS6の処理を実行することで、待機ゲーム数カウンタ197dに設定する初期値として、待機ゲーム数抽選によって決定した値「200」、値「300」、値「400」のいずれかの値を初期値として設定する。
【0240】
待機ゲーム数カウンタ197dに初期値として値「300」、値「400」を設定することにより、AT制御手段200は、通常ゲーム数カウンタ197cの初期値が待機ゲーム数カウンタ197dの初期値未満に設定された場合や、短縮処理によって大幅に通常ゲーム数カウンタ197cの記憶値を減算した場合に、通常ゲーム数カウンタ197cの記憶値が値「0」に更新されてCZ状態への移行が決定された時点においても、待機ゲーム数カウンタ197dの記憶値も値「1」以上となっていることから、演出状態を通常状態に維持する。
【0241】
このような構成により、第1の実施形態のスロットマシン1は、通常状態に移行する前に実行されていた状態がAT状態であり且つAT状態において1セット又は2セットの第2擬似ボーナス状態が実行されていた場合に、遊技者が十分にメダルを獲得したと判定し、待機ゲーム数カウンタ197dに設定する初期値を通常ゲーム数カウンタ197cに設定可能な初期値のうち最も小さい値よりも大きい値「300」や値「400」に決定可能に構成されることで、通常ゲーム数カウンタ197cが値「0」に更新されてCZ状態への移行が決定された時点においても待機ゲーム数カウンタ197dの記憶値が値「1」以上となっている可能性を高めることができ、通常ゲーム数カウンタ197cに記憶されている値が値「0」になりCZ状態への移行が決定されたとしても通常状態に維持することで、過度な射幸性を抑制することができる。
【0242】
また、AT制御手段200は、通常状態に移行する前のAT状態において3セットの第2擬似ボーナス状態が実行されていた場合には、待機ゲーム数カウンタ197dに初期値を設定する制御処理におけるステップS4の処理において、待機ゲーム数カウンタ197dに設定する初期値として、通常ゲーム数カウンタ197cに設定可能な値のうち最も小さい値と同じ値となる値「200」を設定する。
【0243】
このような構成により、第1の実施形態のスロットマシン1は、通常状態に移行する前に実行されていた状態がAT状態で且つ3セットの第2擬似ボーナス状態が実行されていた場合に、1セットの第2擬似ボーナス状態において700枚以上のメダルが獲得されている、つまりAT状態の終了時において第2有利区間カウンタ197bの記憶値が値「2100」以上と値「2400」の近傍となっており、速やかに入賞補助が実行されるCZ状態に移行させることでCZ状態において有利区間の特定終了条件を成立させ得る状態となっているとともに、通常状態が長期に亘って継続してしまうと第2有利区間カウンタ197bの記憶値が小さい値になっていくことでAT状態を開始した際に新たなAT状態を長期に亘って実行可能となってしまい、過度なメダルの払い出しが発生し得る虞があることから、待機ゲーム数カウンタ197dに設定する初期値を通常ゲーム数カウンタ197cに設定可能な初期値のうち最も小さい値と同じ値となる値「200」に決定して通常ゲーム数カウンタ197cが値「0」に更新されてCZ状態への移行が決定された時点で待機ゲーム数カウンタ197dの記憶値も値「0」となっている可能性を高めることで、待機ゲーム数カウンタ197dに記憶されている値によって過度に通常状態から前兆状態を介したCZ状態への移行が抑制されてしまうことを防ぎ、過度な射幸性を抑制することができる。
【0244】
この、AT制御手段200によって制御可能に構成された通常状態が、第1の実施形態における補助遊技に係る状態に含まれる第1状態を構成し、当選エリア「打順ベル1A」~当選エリア「打順ベル12A」、当選エリア「打順ベル1B」~当選エリア「打順ベル12B」の当選時におけるベルA~ベルLの入賞補助と、当選エリア「打順チャンス1A」~当選エリア「打順チャンス4A」の当選時におけるベルA、ベルB、ベルG、ベルHの入賞補助と、が実行されることで、通常状態よりも遊技者にとって有利な状態であるCZ状態及びAT状態が、第1の実施形態における第2状態を構成する。また、AT状態において実行された第2擬似ボーナス状態の有無及び実行されたセット数が、第2状態における遊技の結果を構成する。
【0245】
7.第1の実施形態のまとめ
以上のように、第1の実施形態のスロットマシン1は、通常状態に移行する前に実行されていた状態がAT状態であり且つAT状態において1セット又は2セットの第2擬似ボーナス状態が実行されていた場合に、遊技者が十分にメダルを獲得したと判定し、待機ゲーム数カウンタ197dに設定する初期値を通常ゲーム数カウンタ197cに設定可能な初期値のうち最も小さい値よりも大きい値「300」や値「400」に決定可能に構成されることで、通常ゲーム数カウンタ197cが値「0」に更新されてCZ状態への移行が決定された時点においても待機ゲーム数カウンタ197dの記憶値が値「1」以上となっている可能性を高めることができ、通常ゲーム数カウンタ197cに記憶されている値が値「0」になりCZ状態への移行が決定されたとしても通常状態に維持することで、過度な射幸性を抑制することができる。
【0246】
[第2の実施形態]
次に、第1の実施形態を一部変更した第2の実施形態のスロットマシン1について説明する。第2の実施形態のスロットマシン1は、内部抽選で当選可能な当選態様と、左リールR1~右リールR3の図柄の配列と、遊技状態に応じたリール停止制御と、ストップボタンB1~ストップボタンB3の操作態様ごとの出玉率と、に係る構成が第1の実施形態とは異なっている。また、第2の実施形態のスロットマシン1は、有効ラインL1が左リールR1の下段、中リールR2の中段、右リールR3の上段から構成されている。その他の構成については、第1の実施形態と同様であるため、第1の実施形態と共通する構成要素には同符号を付して説明を省略する。
【0247】
1.第2の実施形態における遊技機が備える構成
図14~
図21を参照して、第2の実施形態におけるスロットマシン1が備える各構成の詳細について説明する。
【0248】
<内部抽選の対象となる当選エリア>
図14は、第2の実施形態のスロットマシン1における内部抽選の対象となる当選エリアと、各当選エリアに対応付けられている当選番号及び当選役と、遊技状態のそれぞれにおいて各当選エリアに対応付けられている抽選値数と、を示す図である。
【0249】
図14に示すように、第2の実施形態のスロットマシン1では、内部抽選の対象となる当選エリアとして、当選エリア「全小役」、当選エリア「全8枚役」、当選エリア「全3枚役」、当選エリア「全1枚役」当選エリア「通常リプレイ1」、当選エリア「通常リプレイ2」、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル8」、当選エリア「打順3枚役1」~当選エリア「打順3枚役4」、当選エリア「打順15枚役1」~当選エリア「打順15枚役4」、当選エリア「共通3枚役」、当選エリア「レア役1」、当選エリア「レア役2」、当選エリア「共通9枚役」、当選エリア「RBB&レアリプレイ」、当選エリア「RBB&レア役3」、当選エリア「RBB&共通1枚役」及び当選エリア「RBB」を有しており、当選番号1番~当選番号30番の番号がそれぞれ対応付けられている。また、スロットマシン1では、内部抽選の結果として不当選(ハズレ)に当選番号0番が対応付けられている。
【0250】
内部抽選手段120は、乱数判定処理において、当選番号30番に対応付けられた当選エリアから当選番号0番に対応付けられた不当選に向かう順番で、各当選エリアの当否を決定していく。
【0251】
第2の実施形態のスロットマシン1では、内部抽選で当選した場合に入賞可能な小役として、ベルA~ベルE、15枚役A~15枚役C、3枚役A~3枚役F、1枚役A~1枚役Sを有しており、内部抽選で当選可能なリプレイとして、リプレイA、リプレイB、レアリプレイを有している。各小役及び各リプレイは、それぞれ
図14に示す組合せで各当選エリアに対応付けられている。また、
図14に示すように、スロットマシン1では、ボーナスと小役とを含む当選エリアとして、当選エリア「RBB&レア役3」、当選エリア「RBB&共通1枚役」が設定され、ボーナスとリプレイとを含む当選エリアとして、当選エリア「RBB&レアリプレイ」が設定されている。
【0252】
第2の実施形態において、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル8」は、当選した遊技における遊技状態と、ストップボタンB1~ストップボタンB3の操作態様と、によって入賞可能となる小役が異なる当選エリアとして構成されている。また、当選エリア「打順3枚役1」~当選エリア「打順3枚役4」、当選エリア「打順15枚役1」~当選エリア「打順15枚役4」は、ストップボタンB1~ストップボタンB3の操作態様によって入賞可能となる小役が異なる当選エリアとして構成されている。また、当選エリア「レア役1」は、ストップボタンB3の押下タイミングが3枚役Cを入賞可能な押下タイミングである場合に入賞し、ストップボタンB3の押下タイミングが3枚役Cを入賞不能な押下タイミングである場合には、いずれの役の入賞図柄組合せとも異なる図柄組合せが有効ラインL1上に停止表示される取りこぼし(非入賞)となるように構成されている。小役を含む当選エリアの当選時において入賞可能となる小役と小役の入賞確率との詳細については、後述する。
【0253】
<図柄の配列>
図15は、第2の実施形態のスロットマシン1における左リールR1~右リールR3の周面に配列された各図柄を示す図である。第2の実施形態では、
図15に示すように、左リールR1~右リールR3の外周面に、赤7図柄「赤7」、白7図柄「白7」、BAR図柄「BAR」、リプレイ図柄「RP」、ベル図柄「BL」、チェリーA図柄「CHA」、チェリーB図柄「CHB」、スイカA図柄「WMA」、スイカB図柄「WMB」及びブランク図柄「BK」が配列されている。また、左リールR1~右リールR3の周面には、それぞれ20コマの図柄が配列されている。
【0254】
第2の実施形態において、BAR図柄「BAR」は、正面視において他の図柄よりも広い幅を有しており、左リールR1~右リールR3の回転中において他の図柄よりも視認性が高い図柄として構成されている。
【0255】
図15に示すように、左リールR1~右リールR3は、それぞれ、リプレイ図柄「RP」と、ベル図柄「BL」と、が、4コマ以内の間隔で配列されており、リプレイ図柄「RP」を有効ラインL1上に停止表示する場合と、ベル図柄「BL」を有効ラインL1上に停止表示する場合と、において、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングによらず有効ラインL1上に停止表示可能となっている。
【0256】
左リールR1は、白7図柄「白7」が、停止番号0番、停止番号5番、停止番号10番のコマに配列され、赤7図柄「赤7」が、停止番号15番のコマに配列されている。中リールR2及び右リールR3は、白7図柄「白7」が、停止番号1番、停止番号6番、停止番号11番のコマに配列され、赤7図柄「赤7」が、停止番号16番のコマに配列されている。このため、左リールR1~右リールR3では、白7図柄「白7」と、赤7図柄「赤7」と、の引き込み範囲が重複しない構成となっている。
【0257】
スロットマシン1では、白7図柄「白7」又は赤7図柄「赤7」を有効ラインL1上に停止表示する場合には、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングによらず有効ラインL1上に停止表示可能であり、白7図柄「白7」を有効ラインL1上に停止表示する場合には、白7図柄「白7」を引き込み可能な20コマ中15コマの範囲内の図柄が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングでストップボタンB1~ストップボタンB3の押下された場合に有効ラインL1上に停止表示可能であり、赤7図柄「赤7」を有効ラインL1上に停止表示する場合には、赤7図柄「赤7」を引き込み可能な20コマ中5コマの範囲内の図柄が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングでストップボタンB1~ストップボタンB3の押下された場合に有効ラインL1上に停止表示可能である。
【0258】
左リールR1は、ブランク図柄「BK」が、停止番号1番、停止番号6番、停止番号11番のコマに配列され、BAR図柄「BAR」が、停止番号16番のコマに配列されている。中リールR2は、ブランク図柄「BK」が、停止番号2番、停止番号7番、停止番号12番のコマに配列され、BAR図柄「BAR」が、停止番号17番のコマに配列されている。右リールR3は、ブランク図柄「BK」が、停止番号0番、停止番号5番、停止番号10番のコマに配列され、BAR図柄「BAR」が、停止番号15番のコマに配列されている。このため、左リールR1~右リールR3では、ブランク図柄「BK」と、BAR図柄「BAR」と、の引き込み範囲が重複しない構成となっている。
【0259】
スロットマシン1では、ブランク図柄「BK」又はBAR図柄「BAR」を有効ラインL1上に停止表示する場合には、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングによらず有効ラインL1上に停止表示可能であり、ブランク図柄「BK」を有効ラインL1上に停止表示する場合には、ブランク図柄「BK」を引き込み可能な20コマ中15コマの範囲内の図柄が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングでストップボタンB1~ストップボタンB3の押下された場合に有効ラインL1上に停止表示可能であり、BAR図柄「BAR」を有効ラインL1上に停止表示する場合には、BAR図柄「BAR」を引き込み可能な20コマ中5コマの範囲内の図柄が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングでストップボタンB1~ストップボタンB3の押下された場合に有効ラインL1上に停止表示可能である。
【0260】
左リールR1は、スイカA図柄「WMA」が、停止番号2番のコマに配列され、スイカB図柄「WMB」が、停止番号7番のコマに配列され、チェリーA図柄「CHA」が、停止番号12番のコマに配列され、チェリーB図柄「CHB」が、停止番号17番のコマに配列されている。中リールR2及び右リールR3は、スイカA図柄「WMA」が、停止番号4番のコマに配列され、スイカB図柄「WMB」が、停止番号9番のコマに配列され、チェリーA図柄「CHA」が、停止番号14番のコマに配列され、チェリーB図柄「CHB」が、停止番号19番のコマに配列されている。このため、左リールR1~右リールR3では、スイカA図柄「WMA」と、スイカB図柄「WMB」と、チェリーA図柄「CHA」と、チェリーB図柄「CHB」と、のそれぞれの引き込み範囲が重複しない構成となっている。
【0261】
スロットマシン1では、スイカA図柄「WMA」、スイカB図柄「WMB」、チェリーA図柄「CHA」又はチェリーB図柄「CHB」を有効ラインL1上に停止表示する場合には、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングによらず有効ラインL1上に停止表示可能であり、スイカA図柄「WMA」又はスイカB図柄「WMB」を有効ラインL1上に停止表示する場合には、スイカA図柄「WMA」又はスイカB図柄「WMB」を引き込み可能な20コマ中10コマの範囲内の図柄が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングでストップボタンB1~ストップボタンB3の押下された場合に有効ラインL1上に停止表示可能であり、チェリーA図柄「CHA」又はチェリーB図柄「CHB」を有効ラインL1上に停止表示する場合には、チェリーA図柄「CHA」又はチェリーB図柄「CHB」を引き込み可能な20コマ中10コマの範囲内の図柄が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングでストップボタンB1~ストップボタンB3の押下された場合に有効ラインL1上に停止表示可能である。
【0262】
<小役の配当>
第2の実施形態において、15枚役A~15枚役Cの配当は、規定投入数(3枚)よりも多い枚数の払出数(15枚)に設定されている。また、ベルA~ベルEの配当は、規定投入数よりも多い枚数の払出数(8枚)に設定されている。また、3枚役A~3枚役Fの配当は、規定投入数と同じ枚数の払出数(3枚)に設定されている。また、1枚役A~1枚役Sの配当は、規定投入数よりも少ない枚数の払出数(1枚)に設定されている。
【0263】
<小役の入賞図柄組合せ>
図16~
図18は、15枚役A~15枚役C、ベルA~ベルE、3枚役A~3枚役F、1枚役A~1枚役Sの入賞図柄組合せを示す図である。
【0264】
まず、15枚役A~15枚役Cについて説明する。15枚役Aの入賞図柄組合せは「RP-赤7(白7)-BL」から構成されており、15枚役Aの入賞図柄組合せを有効ラインL1上に停止表示させるリール停止制御が実行される場合には、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングによらず停止表示可能となるように構成されている。第2の実施形態のスロットマシン1では、ボーナス状態において当選エリア「全小役」に当選した場合に、15枚役Aの入賞図柄組合せ「RP-赤7(白7)-BL」を有効ラインL1上に停止表示するリール停止制御が実行される。
【0265】
15枚役Bの入賞図柄組合せは「赤7(白7)-BAR-赤7(白7)」から構成されており、15枚役Bの入賞図柄組合せを有効ラインL1上に停止表示させるリール停止制御が実行される場合には、ストップボタンB2がBAR図柄「BAR」を有効ラインL1上に停止表示可能な20コマ中5コマの引き込み範囲内で押下された場合に停止表示されるように構成されている。
【0266】
15枚役Cの入賞図柄組合せは「BL-BL-BAR」から構成されており、15枚役Cの入賞図柄組合せを有効ラインL1上に停止表示させるリール停止制御が実行される場合には、ストップボタンB3がBAR図柄「BAR」を有効ラインL1上に停止表示可能な20コマ中5コマの引き込み範囲内で押下された場合に停止表示されるように構成されている。
【0267】
ベルA~ベルEの入賞図柄組合せは、
図15、
図16に示すように、左リールR1~右リールR3においてそれぞれ4コマ以内の間隔で配列されており、ベルA~ベルEの入賞図柄組合せを有効ラインL1上に停止表示させるリール停止制御が実行される場合には、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングによらず有効ラインL1上に停止表示可能に構成されている。
【0268】
3枚役A、3枚役B、3枚役E、3枚役Fの入賞図柄組合せは、
図15、
図16に示すように、左リールR1~右リールR3においてそれぞれ4コマ以内の間隔で配列されており、3枚役A、3枚役B、3枚役E、3枚役Fの入賞図柄組合せを有効ラインL1上に停止表示させるリール停止制御が実行される場合には、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングによらず有効ラインL1上に停止表示可能に構成されている。
【0269】
3枚役Cの入賞図柄組合せは「RP-WMA(WMB,CHA,CHB)-赤7(BAR)」から構成されており、3枚役Cの入賞図柄組合せを有効ラインL1上に停止表示させるリール停止制御が実行される場合には、ストップボタンB3が赤7図柄「赤7」又はBAR図柄「BAR」を有効ラインL1上に停止表示可能な20コマ中6コマの引き込み範囲内で押下された場合に停止表示されるように構成されている。
【0270】
3枚役Dの入賞図柄組合せは「RP-WMA(WMB,CHA,CHB)-BK」から構成されており、3枚役Cの入賞図柄組合せを有効ラインL1上に停止表示させるリール停止制御が実行される場合には、ストップボタンB3がブランク図柄「BK」を有効ラインL1上に停止表示可能な20コマ中15コマの引き込み範囲内で押下された場合に停止表示されるように構成されている。
【0271】
1枚役A、1枚役Bの入賞図柄組合せは、
図15、
図16に示すように、左リールR1~右リールR3においてそれぞれ4コマ以内の間隔で配列されており、1枚役A、1枚役Bの入賞図柄組合せを有効ラインL1上に停止表示させるリール停止制御が実行される場合には、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングによらず有効ラインL1上に停止表示可能に構成されている。
【0272】
1枚役C~1枚役Sの入賞図柄組合せは、
図17、
図18に示す図柄組合せから構成されている。1枚役C~1枚役Sの入賞図柄組合せ及び1枚役C~1枚役Sに係るリール停止制御の詳細については、後述する。
【0273】
<操作態様に応じた小役の入賞確率>
図19は、非RT状態において小役を含む当選エリアに当選した場合に、ストップボタンB1~ストップボタンB3の操作態様に応じて入賞可能となる小役を示す図である。
【0274】
まず、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル8」について説明する。第2の実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル8」に当選した場合において、遊技状態に応じてリール制御手段130によるリール停止制御の制御内容を変更することで、入賞可能となる役が異なるように構成されており、非RT状態である場合、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下順序によらず、規定投入数よりも多い配当(8枚)に設定されたベルA~ベルDが入賞せず、規定投入数よりも少ない配当(1枚)に設定された1枚役A~1枚役Nが、
図19に示す確率で入賞するように構成されている。
【0275】
当選エリア「打順ベル1」の当選時を例に、1枚役A~1枚役Nの入賞確率の詳細について説明する。
図14に示したように、当選エリア「打順ベル1」では、ベルAと、1枚役Aと、1枚役Cと、1枚役Fと、1枚役Kと、が重複当選する。
【0276】
当選エリア「打順ベル1」に当選し、ストップボタンB1~ストップボタンB3が打順1又は打順2で押下された場合、リール制御手段130は、ストップボタンB1が第1停止操作されたことに基づき、リール停止制御として個数優先制御を実行する。スロットマシン1では、当選エリア「打順ベル1」に当選した場合において、赤7図柄「赤7」、白7図柄「白7」、チェリーA図柄「CHA」、チェリーB図柄「CHB」を有効ラインL1上に停止表示すると表示可能になる図柄組合せがそれぞれ2個であり、ベル図柄「BL」、スイカA図柄「WMA」、スイカB図柄「WMB」を有効ラインL1上に停止表示すると表示可能になる図柄組合せが4個である。
【0277】
リール制御手段130は、ベル図柄「BL」、スイカA図柄「WMA」、スイカB図柄「WMB」のそれぞれを左リールR1の下段に停止表示した場合における有効ラインL1上に表示可能な入賞図柄組合せの数が同一であることから、個数優先制御によってベル図柄「BL」と、スイカA図柄「WMA」と、スイカB図柄「WMB」と、の間に優先順位をつけられないため、停止制御テーブル記憶手段194に記憶されている停止制御テーブルを用いたリール停止制御によって、ベル図柄「BL」を有効ラインL1上に停止表示することを決定し、ベル図柄「BL」が有効ラインL1を構成する左リールR1の下段に停止表示され、当該遊技において入賞可能となる小役が、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングによらず入賞可能な1枚役Aに限定される。
【0278】
当選エリア「打順ベル1」に当選し、ストップボタンB1~ストップボタンB3が打順3又は打順4で押下された場合、リール制御手段130は、ストップボタンB2が第1停止操作されたことに基づき、リール停止制御として枚数優先制御を実行し、ベルAの入賞図柄組合せ「赤7(白7)-BL-赤7(白7)」と、1枚役Cの入賞図柄組合せ「WMA(WMB)-BL-WMA(WMB)」と、1枚役Fの入賞図柄組合せ「CHA(CHB)-BL-CHA(CHB)」と、に共通するベル図柄「BL」を有効ラインL1上に停止表示する。
【0279】
当選エリア「打順ベル1」に当選し且つ有効ラインL1を構成する中リールR2の中段にベル図柄「BL」を停止表示している場合、スロットマシン1では、ストップボタンB1に第2停止操作が実行された場合と、ストップボタンB3に第2停止操作が実行された場合と、のいずれにおいても、リール停止制御として個数優先制御を実行する。
【0280】
ストップボタンB1に第2停止操作が実行された場合、スロットマシン1では、左リールR1の下段に赤7図柄「赤7」、白7図柄「白7」、スイカA図柄「WMA」、スイカB図柄「WMB」、チェリーA図柄「CHA」、チェリーB図柄「CHB」のいずれの図柄を有効ラインL1上に停止表示した場合にも、表示可能になる図柄組合せが2個であることから、個数優先制御によって赤7図柄「赤7」と、白7図柄「白7」と、スイカA図柄「WMA」と、スイカB図柄「WMB」と、チェリーA図柄「CHA」と、チェリーB図柄「CHB」と、の間に優先順位をつけられないため、停止制御テーブル記憶手段194に記憶されている停止制御テーブルを用いたリール停止制御によって、スイカA図柄「WMA」と、スイカB図柄「WMB」と、チェリーA図柄「CHA」と、チェリーB図柄「CHB」と、のいずれかを有効ラインL1上に停止表示することを決定する。
【0281】
ストップボタンB3に第2停止操作が実行された場合、スロットマシン1では、右リールR3の上段に赤7図柄「赤7」、白7図柄「白7」、スイカA図柄「WMA」、スイカB図柄「WMB」、チェリーA図柄「CHA」、チェリーB図柄「CHB」のいずれの図柄を有効ラインL1上に停止表示した場合にも、表示可能になる図柄組合せが2個であることから、個数優先制御によって赤7図柄「赤7」と、白7図柄「白7」と、スイカA図柄「WMA」と、スイカB図柄「WMB」と、チェリーA図柄「CHA」と、チェリーB図柄「CHB」と、の間に優先順位をつけられないため、停止制御テーブル記憶手段194に記憶されている停止制御テーブルを用いたリール停止制御によって、スイカA図柄「WMA」と、スイカB図柄「WMB」と、チェリーA図柄「CHA」と、チェリーB図柄「CHB」と、のいずれかを有効ラインL1上に停止表示することを決定する。
【0282】
上述した通り、第2の実施形態のスロットマシン1では、左リールR1及び右リールR3において、スイカA図柄「WMA」又はスイカB図柄「WMB」を有効ラインL1上に停止表示可能な引き込み範囲と、チェリーA図柄「CHA」又はチェリーB図柄「CHB」を有効ラインL1上に停止表示可能な引き込み範囲と、について、それぞれ重複しない範囲に設定されているとともに、それぞれ20コマ中10コマの範囲に設定されている。
【0283】
このような構成であることから、スロットマシン1では、当選エリア「打順ベル1」に当選し且つ打順3又は打順4でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合に、第2停止操作が実行された時点で、当該遊技において入賞可能となる役について、入賞図柄組合せが「WMA(WMB)-BL-WMA(WMB)」から構成された1枚役Cと、入賞図柄組合せが「CHA(CHB)-BL-CHA(CHB)」から構成された1枚役Fと、のいずれか一方に限定される。
【0284】
そして、スロットマシン1では、入賞可能となっている1枚役Cと1枚役Fとのいずれか一方の入賞図柄組合せを構成する図柄を引き込み可能な20コマ中10コマの範囲内で第3停止操作が実行された場合に、入賞可能となっている1枚役Cと1枚役Fとのいずれか一方が入賞することから、1/2の確率で1枚役Cと1枚役Fとのいずれか一方が入賞する。なお、スロットマシン1では、1枚役C又は1枚役Fが入賞しない押下タイミングで第3停止操作が実行された場合、いずれの役の入賞図柄組合せとも異なる図柄組合せが有効ラインL1上に表示される取りこぼし(非入賞)となる。
【0285】
当選エリア「打順ベル1」に当選し、ストップボタンB1~ストップボタンB3が打順5又は打順6で押下された場合、リール制御手段130は、ストップボタンB3が第1停止操作されたことに基づき、リール停止制御として個数優先制御を実行する。スロットマシン1では、当選エリア「打順ベル1」に当選した場合において、赤7図柄「赤7」、白7図柄「白7」、スイカA図柄「WMA」、スイカB図柄「WMB」、チェリーA図柄「CHA」、チェリーB図柄「CHB」を有効ラインL1上に停止表示すると表示可能になる図柄組合せがそれぞれ2個であり、ベル図柄「BL」、リプレイ図柄「RP」を有効ラインL1上に停止表示すると表示可能になる図柄組合せが4個である。
【0286】
リール制御手段130は、ベル図柄「BL」、リプレイ図柄「RP」のそれぞれを右リールR3の上段に停止表示した場合における有効ラインL1上に表示可能な入賞図柄組合せの数が同一であることから、個数優先制御によってベル図柄「BL」と、リプレイ図柄「RP」と、の間に優先順位をつけられないため、停止制御テーブル記憶手段194に記憶されている停止制御テーブルを用いたリール停止制御によって、ベル図柄「BL」を有効ラインL1上に停止表示することを決定し、ベル図柄「BL」が有効ラインL1を構成する右リールR3の上段に停止表示され、当該遊技において入賞可能となる小役が1枚役Kに限定される。
【0287】
そして、スロットマシン1では、1枚役Kの入賞図柄組合せ「WMA(WMB)-WMA(WMB)-BL」を構成する図柄を引き込み可能な20コマ中10コマの範囲内で第2停止操作及び第3停止操作が実行された場合に、1枚役Kが入賞することから、1/4の確率で1枚役Kが入賞する。なお、スロットマシン1では、1枚役Kが入賞しない押下タイミングで第2停止操作又は第3停止操作が実行された場合、いずれの役の入賞図柄組合せとも異なる図柄組合せが有効ラインL1上に表示される取りこぼし(非入賞)となる。
【0288】
このような個数優先制御及び停止制御テーブルを用いたリール停止制御を実行することにより、スロットマシン1は、非RT状態において当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル8」に当選した場合に、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順に応じて、1枚役A、1枚役C~1枚役Nが
図19に示す入賞確率で入賞可能となるように構成されている。
【0289】
次に、当選エリア「打順3枚役1」~当選エリア「打順3枚役4」について説明する。第2の実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「打順3枚役1」~当選エリア「打順3枚役4」に当選した場合において、遊技状態に応じてリール制御手段130によるリール停止制御の制御内容を変更することで、入賞可能となる役が異なるように構成されている。当選エリア「打順3枚役1」、当選エリア「打順3枚役2」は、打順3又は打順4でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合にリール停止制御として枚数優先制御が実行されることで3枚役Aが入賞する。また、当選エリア「打順3枚役3」、当選エリア「打順3枚役4」は、打順5又は打順6でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合にリール停止制御として枚数優先制御が実行されることで3枚役Bが入賞する。
【0290】
スロットマシン1では、当選エリア「打順3枚役1」~当選エリア「打順3枚役4」に当選し且つ3枚役A、3枚役Bを入賞させることができない打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル8」と略同様の個数優先制御及び停止制御テーブルを用いたリール停止制御が実行されることで、1枚役A、1枚役G~1枚役Nが
図19に示す入賞確率で入賞可能となるように構成されている。
【0291】
次に、当選エリア「打順15枚役1」~当選エリア「打順15枚役4」について説明する。
図19に示すように、当選エリア「打順15枚役1」~当選エリア「打順15枚役4」は、15枚役B、15枚役Cを入賞可能な打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合に、1/4の確率で15枚役B、15枚役Cが入賞し、3/4の確率で1枚役Aが入賞するように構成されている。
【0292】
上述したように、15枚役Bは、入賞図柄組合せ「赤7(白7)-BAR-赤7(白7)」から構成されており、中リールR2のBAR図柄「BAR」を引き込み可能な20コマ中5コマの範囲内でストップボタンB2に第1停止操作が実行された場合に、15枚役Bが入賞可能になることから、1/4の確率で15枚役Bが入賞し、中リールR2のBAR図柄「BAR」を引き込むことができない20コマ中15コマの範囲内でストップボタンB2に第1停止操作が実行された場合に、1枚役Aの入賞図柄組合せ「BL-WMA(WMB,CHA,CHB)-RP」を構成するスイカA図柄「WMA」、スイカB図柄「WMB」、チェリーA図柄「CHA」、チェリーB図柄「CHB」のいずれかが中リールR2の中段に停止表示されて1枚役Aが入賞可能になることから、3/4の確率で1枚役Aが入賞する。
【0293】
また、15枚役Cは、入賞図柄組合せ「BL-BL-BAR」から構成されており、右リールR3のBAR図柄「BAR」を引き込み可能な20コマ中5コマの範囲内でストップボタンB3に第1停止操作が実行された場合に、15枚役Cが入賞可能になることから、1/4の確率で15枚役Cが入賞し、右リールR3のBAR図柄「BAR」を引き込むことができない20コマ中15コマの範囲内でストップボタンB3に第1停止操作が実行された場合に、1枚役Aの入賞図柄組合せ「BL-WMA(WMB,CHA,CHB)-RP」を構成するリプレイ図柄「RP」が右リールR3の中段に停止表示されて1枚役Aが入賞可能になることから、3/4の確率で1枚役Aが入賞する。
【0294】
スロットマシン1では、当選エリア「打順15枚役1」~当選エリア「打順15枚役4」に当選し且つ15枚役B、15枚役Cを入賞させることができない打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル8」と略同様の個数優先制御及び停止制御テーブルを用いたリール停止制御が実行されることで、1枚役A、1枚役C~1枚役F、1枚役R、1枚役Sが
図19に示す入賞確率で入賞可能となるように構成されている。
【0295】
当選エリア「レア役1」、当選エリア「レア役2」、当選エリア「共通9枚役」、当選エリア「RBB&レア役3」、当選エリア「RBB&共通1枚役」は、
図19に示す入賞確率で当選している小役が入賞する。
【0296】
図20は、ボーナス成立状態において小役を含む当選エリアに当選した場合に、ストップボタンB1~ストップボタンB3の操作態様に応じて入賞可能となる小役を示す図である。
【0297】
第2の実施形態のスロットマシン1は、ボーナス成立状態において当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル8」に当選した場合において、ストップボタンB1~ストップボタンB3が正解打順で押下された場合には、リール停止制御として枚数優先制御を実行することで、規定投入数よりも多い配当(8枚)に設定されたベルA~ベルDを入賞可能にし、正解打順とは異なる不正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合には、個数優先制御及び停止制御テーブルを用いたリール停止制御が実行されることで、1枚役A、1枚役C~1枚役Nが
図20に示す入賞確率で入賞可能となるように構成されている。
【0298】
また、スロットマシン1では、ボーナス成立状態において当選エリア「打順3枚役1」~当選エリア「打順3枚役4」に当選した場合において、ストップボタンB1~ストップボタンB3が3枚役A、3枚役Bを入賞可能にする1つの打順(例えば、当選エリア「打順3枚役1」であれば打順3)で押下された場合に、規定投入数よりも同じ配当(3枚)に設定された3枚役A、3枚役Bを入賞可能にし、他の打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合には、個数優先制御及び停止制御テーブルを用いたリール停止制御が実行されることで、規定投入数よりも少ない配当(1枚)に設定された1枚役A、1枚役C~1枚役Nが
図20に示す入賞確率で入賞可能となるように構成されている。
【0299】
つまり、第2の実施形態のスロットマシン1では、当選エリア「打順3枚役1」~当選エリア「打順3枚役4」の当選時にストップボタンB1~ストップボタンB3がランダムな打順で押下された場合に、3枚役A、3枚役Bを入賞可能にする打順が1種類に設定されたボーナス成立状態である場合よりも、3枚役A、3枚役Bを入賞可能にする打順が2種類に設定された非RT状態である場合の方が、3枚役A、3枚役Bの入賞頻度が高い構成となっている。
【0300】
また、
図19、
図20に示すように、第2の実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「打順15枚役1」~当選エリア「打順15枚役4」、当選エリア「レア役1」、当選エリア「レア役2」、当選エリア「共通9枚役」、当選エリア「RBB&レア役3」、当選エリア「RBB&共通1枚役」について、非RT状態と、ボーナス成立状態と、で入賞可能となる小役に変化を生じない構成となっている。
【0301】
<非ボーナス状態における小役の当選確率とボーナス状態における小役の当選確率>
次に、第2の実施形態のスロットマシン1において、非RT状態及びボーナス成立状態のボーナスが作動していない遊技状態(非ボーナス状態)における小役の当選確率と、ボーナス状態における小役の当選確率と、の関係の詳細について説明する。
【0302】
図14に示すように、内部抽選テーブルCでは、15枚役A~15枚役C、ベルA~ベルE、3枚役A~3枚役F、1枚役A~1枚役Sのすべての小役が重複当選する当選エリア「全小役」と、ベルA~ベルE、3枚役A~3枚役F、1枚役A~1枚役Sの15枚役A~15枚役Cを除く小役が重複当選する当選エリア「全8枚役」と、3枚役A~3枚役F、1枚役A~1枚役Sが重複当選する当選エリア「全3枚役」と、1枚役A~1枚役Sが重複当選する当選エリア「全1枚役」と、に乱数が対応付けられている。
【0303】
内部抽選テーブルCが選択されるボーナス状態において当選エリア「全小役」の当選確率は、2600/65536(約1/25.2)であり、当選エリア「全8枚役」の当選確率は、2440/65536(約1/26.9)であり、当選エリア「全3枚役」の当選確率は、18200/65536(約1/3.6)であり、当選エリア「全1枚役」の当選確率は、33315/65536(約1/2.0)であることから、当選エリア「全小役」又は当選エリア「全1枚役」に当選する確率は、56555/65536(約1/1.2)となっている。
【0304】
また、スロットマシン1において、非ボーナス状態において選択される内部抽選テーブル、つまり内部抽選テーブルA、内部抽選テーブルBにおいて小役を含む当選エリアのいずれかに当選する確率は、56554/65536(約1/1.2)となっている。
【0305】
このため、第2の実施形態のスロットマシン1では、ボーナス状態において小役に当選する確率が、非ボーナス状態における小役の当選確率よりも高い確率となるように構成されている。
【0306】
また、ボーナス状態においては、15枚役A~15枚役Cについて、当選エリア「全小役」に含まれる構成であり、15枚役A~15枚役Cのそれぞれの当選確率が2600/65536(約1/25.2)となっている。非ボーナス状態においては、15枚役Aが、当選エリア「打順15枚役1」に含まれ、15枚役Bが、当選エリア「打順15枚役1」、当選エリア「打順15枚役2」に含まれ、15枚役Cが、当選エリア「打順15枚役3」、当選エリア「打順15枚役4」に含まれることから、15枚役Aの当選確率が1300/65536(約1/50.4)となっており、15枚役B、15枚役Cのそれぞれの当選確率が2600/65536(約1/25.2)となっている。このため、ボーナス状態における15枚役Aの当選確率は、非ボーナス状態における15枚役Aの当選確率よりも高い当選確率となっており、ボーナス状態における15枚役B、15枚役Cの当選確率と、非ボーナス状態における15枚役B、15枚役Cの当選確率と、は、同じ当選確率となっている。
【0307】
つまり、第2の実施形態のスロットマシン1では、ボーナス状態における少なくとも1つの所定の小役の当選確率について、非ボーナス状態における所定の小役の当選確率よりも高い当選確率に構成されている。
【0308】
また、第2の実施形態のスロットマシン1において、非ボーナス状態における15枚の配当に設定された15枚役B、15枚役Cのいずれかに当選する確率、つまり15枚役B、15枚役Cのそれぞれの当選確率の合算は、当選エリア「打順15枚役1」~当選エリア「打順15枚役4」の当選確率の合算である5200/65536(約1/12.6)となっており、ボーナス状態における15枚役B、15枚役Cのいずれかに当選する確率、つまり当選エリア「全小役」の当選確率である2600/65536(約1/25.2)よりも高い当選確率となっている。
【0309】
また、非ボーナス状態における8枚の配当に設定されたベルA~ベルEのいずれかに当選する確率、つまりベルA~ベルEのそれぞれの当選確率の合算は、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル8」の当選確率と、当選エリア「共通9枚役」の当選確率と、当選エリア「レア役3」の当選確率と、の合算である20488/65536(約1/3.2)となっており、ボーナス状態におけるベルA~ベルEのいずれかに当選する確率、つまり当選エリア「全小役」の当選確率と、当選エリア「全8枚役」の当選確率と、の合算である5040/65536(約1/13.0)よりも高い当選確率となっている。
【0310】
このため、第2の実施形態のスロットマシン1は、ボーナス状態について、メダルの獲得率の期待値が100%未満となっている。
【0311】
また、第2の実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「打順15枚役1」~当選エリア「打順15枚役4」、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル8」について、入賞補助が実行されない場合に、ストップボタンB1~ストップボタンB3の操作態様が適切な場合に15枚役B、15枚役C、ベルA~ベルDが入賞可能となり、入賞補助が実行された場合には、入賞補助に従った遊技が実行されることで15枚役B、15枚役C、ベルA~ベルDを確実に入賞させることができる構成となっている。
【0312】
このように、第2の実施形態においては、ボーナス状態において規定投入数よりも多い配当に設定された小役を含む当選態様が得られる確率を、ボーナス状態以外の遊技状態において規定投入数よりも多い配当に設定された小役を含む当選態様が得られる確率よりも圧縮しており、ボーナス状態でのメダルの獲得率の下限を100%未満にまで引き下げた上でAT遊技に関するメダルの獲得性能を設計することができるため、AT機能を備えたスロットマシン1の設計自由度を飛躍的に向上させることができる。
【0313】
<AT状態における入賞補助>
第2の実施形態において、AT制御手段200は、CZ状態又はAT状態において当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル8」、当選エリア「打順3枚役1」~当選エリア「打順3枚役4」に当選した場合に、ベルA~ベルD、3枚役A、3枚役Bを入賞可能にする打順を報知する入賞補助を実行する。また、AT制御手段200は、CZ状態又はAT状態において当選エリア「打順15枚役1」~当選エリア「打順15枚役4」に当選した場合に、15枚役B、15枚役Cを入賞可能にする打順及び第1停止操作の押下タイミングを報知する入賞補助を実行する。
【0314】
演出制御手段180は、CZ状態又はAT状態において当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル8」、当選エリア「打順3枚役1」~当選エリア「打順3枚役4」に当選した場合に、ベルA~ベルD、3枚役A、3枚役Bを入賞可能にする打順を表示装置330に表示する入賞補助演出を実行する。また、演出制御手段180は、CZ状態又はAT状態において当選エリア「打順15枚役1」~当選エリア「打順15枚役4」に当選した場合に、15枚役B、15枚役Cを入賞可能にする打順及び第1停止操作の押下タイミングを表示装置330に表示する入賞補助演出を実行する。
【0315】
演出制御手段180は、15枚役B、15枚役Cの入賞補助演出において、第1停止操作を実行するストップボタン及び該ストップボタンの押下タイミングを報知する第1入賞補助演出指標として、BAR図柄「BAR」に略類似した意匠性を有する画像を表示装置330に表示する。
【0316】
また、第2の実施形態において、AT制御手段200は、通常状態又は前兆状態において当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル8」に当選した場合に、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル8」のいずれに当選したかを示す情報(択役グループ情報)を演出制御手段180に送信しない構成となっている。一方、AT制御手段200は、通常状態又は前兆状態において当選エリア「打順3枚役1」~当選エリア「打順3枚役4」、当選エリア「打順15枚役1」~当選エリア「打順15枚役4」に当選した場合には、当選エリア「打順3枚役1」~当選エリア「打順3枚役4」、当選エリア「打順15枚役1」~当選エリア「打順15枚役4」のいずれに当選したかを示す情報(択役グループ情報)を演出制御手段180に送信する構成となっている。
【0317】
2.各遊技状態における出玉率
次に、第2の実施形態のスロットマシン1において、ストップボタンB1~ストップボタンB3の操作態様(遊技方法)ごとの出玉率について説明する。
図21は、各遊技状態における遊技方法ごとの出玉率をまとめた表である。
【0318】
図21に示す遊技方法のうち、打順1(ランダム)~打順6(ランダム)は、1つの打順で且つランダムな押下タイミングでストップボタンB1~ストップボタンB3を押下する遊技方法である。打順1(目押し)~打順6(目押し)は、1つの打順で且つ15枚役B、15枚役Cを入賞可能な打順でストップボタンB1~ストップボタンB3を押下する場合に第1停止操作を15枚役B、15枚役Cを入賞可能な押下タイミングで押下するとともに、3枚役Cを入賞可能な押下タイミングでストップボタンB3を押下する遊技方法である。
【0319】
ランダム打ちは、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順及び押下タイミングをランダムに行う遊技方法である。そして、AT(目押し)は、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル8」、当選エリア「打順3枚役1」~当選エリア「打順3枚役4」、当選エリア「打順15枚役1」~当選エリア「打順15枚役4」の当選時に入賞補助に従った遊技が実行され、15枚役B、15枚役C、ベルA~ベルD、3枚役A、3枚役Bが入賞する遊技方法である。
【0320】
打順1、打順2でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下される場合、遊技方法が打順1(ランダム)、打順2(ランダム)である場合よりも、打順1(目押し)、打順2(目押し)である場合の方が、当選エリア「レア役1」の当選時における3枚役Cの入賞確率が高いため、打順1(ランダム)、打順2(ランダム)である場合よりも、打順1(目押し)、打順2(目押し)である場合の方が出玉率が高くなる。
【0321】
また、第2の実施形態のスロットマシン1は、一般中(非RT状態)においてランダム打ちで遊技を行った場合、出玉率が約49.6%と極めて低い出玉率に設定されている。しかしながら、第2の実施形態のスロットマシン1は、
図14に示した様に、非RT状態において、RBBを含む当選エリア(当選エリア「RBB&レアリプレイ」、当選エリア「RBB&レア役3」、当選エリア「RBB&共通1枚役」、当選エリア「RBB」)のいずれかに当選する確率が7304/65536(約1/9.0)となっているため、非RT状態からボーナス成立状態に移行するまでに実行される遊技回数が極めて少ない遊技回数となる確率が高い構成となっている。
【0322】
また、打順1(目押し)、打順2(目押し)で遊技を行う場合、非RT状態である場合よりもボーナス成立状態である場合の方が、出玉率がわずかに高い構成となっている。これは、
図14に示したように、ボーナス成立状態である場合には、当選エリア「通常リプレイ2」の当選確率が上昇することに伴うものである。
【0323】
第2の実施形態のスロットマシン1は、非RT状態において、打順3(目押し)~打順6(目押し)で遊技を行う場合が最も出玉率が高い約73.6%となるように構成されており且つボーナス状態における出玉率である約74.5%よりも低い出玉率となるように構成されている。
【0324】
第2の実施形態のスロットマシン1では、非RT状態における打順1(ランダム)~打順6(ランダム)で遊技を行う場合の出玉率について、打順1(ランダム)の出玉率及び打順2(ランダム)の出玉率が約55.2%に設定され、打順3(ランダム)の出玉率、打順4(ランダム)の出玉率、打順5(ランダム)の出玉率及び打順6(ランダム)の出玉率が約57.2%に設定されている。
【0325】
また、スロットマシン1では、ボーナス成立状態における打順1(ランダム)~打順6(ランダム)で遊技を行う場合の出玉率について、打順1(ランダム)の出玉率及び打順2(ランダム)の出玉率が約55.2%に設定され、打順3(ランダム)の出玉率、打順4(ランダム)の出玉率、打順5(ランダム)の出玉率及び打順6(ランダム)の出玉率が約76.4%に設定されている。
【0326】
そして、スロットマシン1では、ボーナス状態における打順1(ランダム)~打順6(ランダム)で遊技を行う場合の出玉率について、いずれの打順(ランダム)である場合にも、出玉率が約74.5%に設定されている。
【0327】
<当選エリアと遊技方法ごとの出玉率との関係>
図19、
図20に示したように、第2の実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル8」、当選エリア「打順3枚役1」~当選エリア「打順3枚役4」、当選エリア「打順15枚役1」~当選エリア「打順15枚役4」に当選した場合において、非RT状態及びボーナス成立状態のいずれの遊技状態である場合にも、打順1、打順2でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下されることで1枚役Aが1/1の確率で入賞する構成となっている。
【0328】
このような構成であることから、第2の実施形態のスロットマシン1は、
図21に示したように、打順1又は打順2で遊技が行われる場合の出玉率を55%以上に設定できるため、ランダム打ちされる場合における出玉率を60%以上(第2の実施形態のスロットマシン1は約64.5%)に設定することができ、17500ゲーム以上の長期に亘って遊技が行われる場合に過度にメダルが費消されることがなく、遊技メダル等の獲得に係る遊技機の性能に関する規格に沿った適格な性能を実現することができる。
【0329】
また、第2の実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル8」について、非RT状態では、規定投入数よりも多い配当(8枚)に設定されたベルA~ベルDがいずれの打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合にも入賞しないリール停止制御が実行され、ボーナス成立状態では、正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合にベルA~ベルDが入賞するリール停止制御が実行される。
【0330】
また、スロットマシン1は、当選エリア「打順3枚役1」~当選エリア「打順3枚役4」について、非RT状態では、複数の打順で規定投入数と同じ配当(3枚)に設定された3枚役A、3枚役Bが入賞可能になるリール停止制御が実行され、ボーナス成立状態では、予め設定された1つの打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合に3枚役A、3枚役Bが入賞するリール停止制御が実行される。
【0331】
そして、スロットマシン1は、当選エリア「打順15枚役1」~当選エリア「打順15枚役4」について、非RT状態及びボーナス成立状態のいずれの遊技状態においても、打順及び第1停止操作の押下タイミングが適切な場合に規定投入数と多い配当(15枚)に設定された15枚役B、15枚役Cが入賞可能になるリール停止制御が実行される。
【0332】
このような構成であることから、第2の実施形態のスロットマシン1は、
図21に示したように、非RT状態である場合と、ボーナス成立状態である場合と、のいずれにおいても、打順1(ランダム)~打順6(ランダム)で遊技を行う場合の出玉率について、打順1(ランダム)の出玉率及び打順2(ランダム)の出玉率よりも、打順3(ランダム)の出玉率、打順4(ランダム)の出玉率、打順5(ランダム)の出玉率及び打順6(ランダム)の出玉率の方が高い出玉率となるように構成することができ、遊技状態が非RT状態からボーナス成立状態に遷移した場合にも、遊技方法によって遊技者にとって有利な度合いが変化することがない構成にすることができる。また、
図21に示したように、スロットマシン1は、ボーナス状態である場合において、打順1(ランダム)の出玉率~打順6(ランダム)の出玉率でいずれも同一の出玉率に構成されているため、ボーナス状態における遊技方法がいずれの打順である場合にも遊技者にとって有利な度合いが変化することがない構成となっている。
【0333】
このため、第2の実施形態のスロットマシン1は、打順3~打順6でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下される遊技が行われた場合に、AT制御手段200によって制御される指示機能に係る状態(演出状態)によって、打順1、打順2で遊技が行われる場合における出玉率との差分を調整する制御(例えば、通常状態において打順3~打順6で遊技が行われた場合に通常ゲーム数カウンタ197cのデクリメント更新を実行しない等)を実行するように構成した場合であっても、遊技状態によって遊技者が不当な不利益を被る虞がなく、遊技の公正を維持しつつ遊技方法に応じた制御を実行することができる。
【0334】
この、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル8」が、規定投入数よりも多い配当(8枚)に設定されたベルA~ベルD(第1小役)の入賞確率について、非RT状態(第1遊技状態)である場合よりもボーナス成立状態(第2遊技状態)である場合の方が高い確率に設定された複数の第1当選態様を構成し、当選エリア「打順3枚役1」~当選エリア「打順3枚役4」が、規定投入数よりも同じ配当(3枚)に設定された3枚役A、3枚役B(第2小役)の入賞確率について、ボーナス成立状態(第2遊技状態)である場合よりも非RT状態(第1遊技状態)である場合の方が高い確率に設定された複数の第2当選態様を構成し、当選エリア「打順15枚役1」~当選エリア「打順15枚役4」が、規定投入数よりも多い配当(15枚)に設定された15枚役B、15枚役C(第3小役)の入賞確率について、非RT状態(第1遊技状態)である場合と、ボーナス成立状態(第2遊技状態)である場合と、で同じ確率に設定された複数の第3当選態様を構成する。
【0335】
また、第1小役、第2小役、第3小役を入賞可能にする打順3~打順6が、第1操作態様を構成し、第1小役、第2小役、第3小役が入賞しない打順1、打順2が、第2操作態様を構成する。
【0336】
また、複数の第1当選態様のいずれかに当選する確率である第1当選確率と、複数の第2当選態様のいずれかに当選する確率である第2当選確率と、複数の第3当選態様のいずれかに当選する確率である第3当選確率と、について、第1遊技状態において第1操作態様で遊技が行われる場合の出玉率が第1遊技状態において第2操作態様で遊技が行われる場合の出玉率よりも高い出玉率となり、且つ第2遊技状態において第1操作態様で遊技が行われる場合の出玉率が第2遊技状態において第2操作態様で遊技が行われる場合の出玉率よりも高い出玉率となるように当選確率に構成されている。
【0337】
また、上述したように、第2の実施形態のスロットマシン1は、規定投入数よりも多い配当が設定された小役を含む当選態様として、ボーナス成立状態で且つ正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合に8枚の配当が設定されたベルA~ベルDが入賞可能となる当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル8」と、予め設定された打順(特定打順)で且つ引き込み範囲が20コマ中5コマに設定されたBAR図柄「BAR」を引き込み可能な押下タイミングで第1停止操作が実行された場合に15枚の配当が設定された15枚役B、15枚役Cが入賞可能となる当選エリア「打順15枚役1」~当選エリア「打順15枚役4」と、を有しており、入賞補助が実行された場合に、BAR図柄「BAR」を有効ラインL1上に停止表示する押下タイミングを意識した遊技、いわゆる目押しが実行された場合と、目押しが実行されない場合と、で出玉率に差が出る(入賞補助に従い且つ目押しが実行されて15枚役B、15枚役Cが入賞する遊技が行われる場合の出玉率は約176.4%、入賞補助に従い且つ目押しが実行されず15枚役B、15枚役Cが入賞しない遊技が行われる場合の出玉率は約156.1%)構成となっている。
【0338】
このような構成により、第2の実施形態のスロットマシン1は、入賞補助に従い且つ目押しが実行されず15枚役B、15枚役Cが入賞しない遊技が行われる場合における出玉率が過度に高まり、遊技機の商品性が低下してしまうことを防ぐことができる。
【0339】
また、上述したように第2の実施形態において、AT制御手段200は、通常状態又は前兆状態において当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル8」に当選した場合に、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル8」のいずれに当選したかを示す情報(択役グループ情報)を演出制御手段180に送信しない構成となっている。一方、AT制御手段200は、通常状態又は前兆状態において当選エリア「打順3枚役1」~当選エリア「打順3枚役4」、当選エリア「打順15枚役1」~当選エリア「打順15枚役4」に当選した場合には、当選エリア「打順3枚役1」~当選エリア「打順3枚役4」、当選エリア「打順15枚役1」~当選エリア「打順15枚役4」のいずれに当選したかを示す情報(択役グループ情報)を演出制御手段180に送信する構成となっている。
【0340】
このため、第2の実施形態のスロットマシン1は、通常状態又は前兆状態における当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル8」の当選時において、択役グループ情報を用いた演出を行わない構成となっていることから、主制御表示装置500を用いた入賞補助を実行しない構成となっている。一方、スロットマシン1は、通常状態又は前兆状態における当選エリア「打順3枚役1」~当選エリア「打順3枚役4」、当選エリア「打順15枚役1」~当選エリア「打順15枚役4」の当選時において、択役グループ情報を用いた演出を実行可能に構成されていることから、主制御表示装置500を用いた入賞補助を実行する構成となっている。
【0341】
このような構成により、第2の実施形態のスロットマシン1は、通常状態又は前兆状態における当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル8」の当選時において、入賞補助を実行しないため、通常状態又は前兆状態においてもベルA~ベルDを入賞可能になってしまい出玉率が過度に高くなることを防止することができ、CZ状態、AT状態に移行した後、つまりAT遊技が開始された後のメダルの獲得性能を高めることができるため、AT機能を備えたスロットマシン1の商品性を向上させることができる。
【0342】
[他の実施形態]
なお、第1の実施形態、第2の実施形態において、AT制御手段200は、通常状態が開始されたタイミングにおいて、待機ゲーム数カウンタ197dの記憶値のデクリメント更新を開始することで、第2期間の起算を開始するように構成されているが、これに限定されない。AT制御手段200は、例えば、通常状態において第1期間が経過した後のタイミング(所定のタイミング)において、第2期間の起算するように構成されていてもよい。また、AT制御手段200は、例えば、通常状態で且つ第1期間の経過中において、第2期間を起算するか否かを決定する抽選を行い、該抽選において「第2期間を起算」に当選したタイミング(所定のタイミング)で第2期間を起算するように構成されていてもよい。
【0343】
また、第1の実施形態、第2の実施形態において、AT制御手段200は、通常状態に移行する前に実行されていた状態における遊技の結果によって、通常状態の開始時に待機ゲーム数カウンタ197dに設定する初期値を決定するように構成されているが、これに限定されない。AT制御手段200は、例えば、通常状態に移行する前に実行されていたCZ状態又はAT状態における遊技の結果として、通常状態が開始された時点における第2有利区間カウンタ197bの記憶値を参照して、待機ゲーム数カウンタ197dに設定する初期値を決定するように構成されていてもよい。
【0344】
このように構成される場合において、AT制御手段200は、例えば、CZ状態、AT状態が終了した場合における遊技の結果として、第2有利区間カウンタ197bの記憶値が値「700」以上であった場合(所定の結果以上であった場合)に、待機ゲーム数カウンタ197dに初期値を設定するように構成されていてもよい。
【0345】
また、このように構成される場合において、AT制御手段200は、例えば、CZ状態、AT状態が終了した場合における遊技の結果として、第2有利区間カウンタ197bの記憶値が値「700」以上であった場合(所定の結果以上であった場合)に、通常ゲーム数カウンタ197cの初期値を設定し、通常ゲーム数カウンタ197cの記憶値が毎ゲーム実行されるデクリメント更新又は短縮処理によって値「0」になったことに基づき通常ゲーム数カウンタ197cの記憶値に値「150」等の固定値又は複数の値から抽選により決定した値を加算することで、通常状態を維持しつつ通常ゲーム数カウンタ197cの記憶値のデクリメント更新及び短縮処理による期間の短縮を継続するように構成されていてもよい。
【0346】
つまり、AT制御手段200は、CZ状態、AT状態が終了した場合における遊技の結果が所定の結果以上であった場合に、第2期間を設定することを決定し、設定を決定した第2期間について、通常状態の開始時に期間の長さを予め決定している(値「150」等の固定値を通常ゲーム数カウンタ197cに加算)ことで通常状態の開始時から実質的に第2期間を設定するように構成されていてもよく、また、第1期間の経過後に複数の値から抽選により決定した値を加算することで、通常状態において第1期間の経過後に第2期間を設定するように構成されていてもよい。
【0347】
通常状態の開始時に第2期間を実質的に設定する構成において、AT制御手段200は、通常ゲーム数カウンタ197cに設定する初期値によって経過が管理される第1期間が経過した後のタイミング(所定のタイミング)で、通常ゲーム数カウンタ197cの初期値に加算されることで設定された第2期間を起算するように構成されていてもよい。
【0348】
また、通常状態の開始時に第2期間を実質的に設定する構成において、AT制御手段200は、通常状態が開始されたタイミング(所定のタイミング)で通常ゲーム数カウンタ197cの初期値に加算されることで設定された第2期間を起算するように構成されていてもよい。また、AT制御手段200は、例えば、通常状態で且つ第1期間の経過中において、第2期間を起算するか否かを決定する抽選を行い、該抽選において「第2期間を起算」に当選したタイミング(所定のタイミング)で第2期間を起算するように構成されていてもよい。
【0349】
通常状態の開始時又は第1期間が経過する以前のタイミングで第2期間の起算が開始される構成の場合、AT制御手段200は、第2期間が経過するまでの間、通常ゲーム数カウンタ197cの記憶値を値「2」でデクリメント更新するように構成されていればよい。
【0350】
通常状態において第1期間が経過した後に第2期間を設定する構成において、AT制御手段200は、通常ゲーム数カウンタ197cに設定する初期値によって経過が管理される第1期間が経過した後のタイミング(所定のタイミング)で、通常ゲーム数カウンタ197cの初期値に加算されることで設定された第2期間を起算するように構成されていてもよい。
【0351】
また、これらのように構成される場合、AT制御手段200は、通常ゲーム数カウンタ197cの初期値として設定した値がデクリメント更新又は短縮処理によって値「0」になった時点で、通常状態から前兆状態を介してCZ状態へ移行させることを決定するように構成される。
【0352】
これらのように構成されることで、スロットマシン1は、通常状態に移行する前に実行されていたCZ状態又はAT状態における遊技の結果として、遊技者が獲得したメダルが700枚以上であった場合に、遊技者が十分にメダルを獲得したと判定し、通常ゲーム数カウンタ197cに設定した初期値がデクリメント更新又は短縮処理によって値「0」となり、CZ状態への移行が決定された場合においても、通常ゲーム数カウンタ197cの記憶値に所定の値が加算されることで通常状態に維持されるため、過度な射幸性を抑制することができる。
【0353】
また、スロットマシン1は、第1期間が経過した時点でCZ状態への移行を決定するため、CZ状態への移行を決定する制御処理に変更を加える必要がないとともに、単一の通常ゲーム数カウンタ197cによって第1期間と第2期間とを計数できるため、プログラム容量や記憶手段190のデータ容量が増大することを防ぎつつ、過度な射幸性を抑制することができる。
【0354】
また、第1の実施形態、第2の実施形態において、AT制御手段200は、通常状態に移行する前に実行されていた状態における遊技の結果によって、通常状態の開始時に待機ゲーム数カウンタ197dに設定する初期値を決定するように構成されているが、これに限定されない。AT制御手段200は、例えば、通常状態が開始される際に、次回のAT状態において実行する擬似ボーナス状態をストック可能に構成され、該ストックが所定のセット数以上となった場合に、待機ゲーム数抽選を実行するように構成されていてもよい。
【0355】
つまり、AT制御手段200は、通常状態の終了後に開始されるAT状態における擬似ボーナス状態の有無に基づき、待機ゲーム数カウンタ197dの初期値を設定するように構成されていてもよい。
【0356】
また、第1の実施形態、第2の実施形態において、AT制御手段200は、遊技の結果として、第2擬似ボーナス状態の実行の有無及び実行した回数を参照するように構成されているが、これに限定されない。AT制御手段200は、例えば、AT状態についてゲーム数で管理する構成とし、AT状態においてAT状態を継続する期間を加算(上乗せ)する上乗せ処理を、通常のAT状態(通常AT状態)である場合よりも高確率で実行する上乗せ特化状態の実行の有無及び実行された回数を、遊技の結果として参照するように構成されていてもよい。
【0357】
また、第1の実施形態、第2の実施形態において、AT制御手段200は、第1期間として通常ゲーム数カウンタ197cを用いて遊技回数を計数し、第1期間として待機ゲーム数カウンタ197dを用いて遊技回数を計数するように構成されているが、これに限定されない。AT制御手段200は、例えば、所定の当選エリアに当選した回数を第1期間及び第2期間として計数するように構成されていてもよい。つまり、第1期間、第2期間は、遊技回数に限らず、所定の当選エリアに当選した回数でもよく、また、所定の役が入賞した回数でもよく、第1の実施形態、第2の実施形態に限定されるものではない。
【0358】
また、第2の実施形態において、スロットマシン1は、非RT状態における打順1(ランダム)の出玉率~打順6(ランダム)の出玉率について、
図21に示したように打順によって差を有するように構成されているが、これに限定されない。スロットマシン1は、例えば、非RT状態における打順1(ランダム)の出玉率~打順6(ランダム)の出玉率について、いずれの打順であっても略同一の出玉率となるように構成されていてもよい。また、スロットマシン1は、ボーナス成立状態についても略同様に、いずれの打順であっても略同一の出玉率となるように構成されていてもよい。
【0359】
また、第2の実施形態において、スロットマシン1は、ボーナス状態においていずれの遊技方法で遊技が行われた場合にも、出玉率に変化がないように構成されているが、これに限定されない。スロットマシン1は、例えば、非RT状態とボーナス成立状態との少なくとも一方において、打順1(ランダム)の出玉率~打順6(ランダム)の出玉率で打順によって出玉率に差を有する場合、ボーナス状態においても、打順によって出玉率に差を有するように構成されていてもよい。
【0360】
非RT状態とボーナス成立状態との少なくとも一方の遊技状態と、ボーナス状態と、において打順によって出玉率に差を有するよう構成される場合、スロットマシン1は、各打順の出玉率の大小関係について、非RT状態とボーナス成立状態との少なくとも一方の遊技状態と、ボーナス状態と、で変化しないように構成される必要がある。具体的には、スロットマシン1は、ボーナス成立状態において、打順1(ランダム)の出玉率=打順2(ランダム)の出玉率<打順3(ランダム)の出玉率=打順4(ランダム)の出玉率=打順5(ランダム)の出玉率=打順6(ランダム)の出玉率と構成されている場合に、ボーナス状態においても、打順1(ランダム)の出玉率=打順2(ランダム)の出玉率<打順3(ランダム)の出玉率=打順4(ランダム)の出玉率=打順5(ランダム)の出玉率=打順6(ランダム)の出玉率と構成される必要がある。
【0361】
また、第2の実施形態において、スロットマシン1は、予め設定された打順で且つ第1停止操作の押下タイミングがBAR図柄「BAR」を有効ラインL1上に引き込み可能なタイミングである場合に15枚役B、15枚役Cが入賞可能となる当選エリア「打順15枚役1」~当選エリア「打順15枚役4」を有しているが、これに限定されない。スロットマシン1は、例えば、15枚役Bが単独当選する当選エリア「15枚役1」と、15枚役Cが単独当選する当選エリア「15枚役2」と、を有するように構成してもよい。
【0362】
このように構成された場合、スロットマシン1は、当選エリア「打順15枚役1」の当選時において、打順によらずストップボタンB2の押下タイミングがBAR図柄「BAR」を引き込み可能な押下タイミングであれば15枚役Bが入賞し、ストップボタンB2の押下タイミングがBAR図柄「BAR」を引き込み不能な押下タイミングであればいずれの役の入賞図柄組合せとも異なる図柄組合せが有効ラインL1上に表示される取りこぼし(非入賞)となり、当選エリア「打順15枚役2」の当選時において、打順によらずストップボタンB3の押下タイミングがBAR図柄「BAR」を引き込み可能な押下タイミングであれば15枚役Cが入賞し、ストップボタンBCの押下タイミングがBAR図柄「BAR」を引き込み不能な押下タイミングであればいずれの役の入賞図柄組合せとも異なる図柄組合せが有効ラインL1上に表示される取りこぼし(非入賞)となるように構成される。
【0363】
また、第1の実施形態、第2の実施形態において、スロットマシン1は、各カウンタや記憶手段の記憶値に初期値として値をセットし、毎回の遊技の実行時に1ずつ減算するデクリメント更新や、毎回の遊技の実行時に1ずつ加算するインクリメント更新を実行するように構成されているが、これに限らず、各カウンタや記憶手段の更新方法については乗算や除算等を実行するように構成されていてもよく、特に限定されない。
【符号の説明】
【0364】
1 スロットマシン(遊技機)
120 内部抽選手段
200 AT制御手段(補助遊技制御手段)
R1 左リール
R2 中リール
R3 右リール