(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181148
(43)【公開日】2022-12-07
(54)【発明の名称】パーソナル電気温水器
(51)【国際特許分類】
F24H 15/212 20220101AFI20221130BHJP
【FI】
F24H1/18 302Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021111118
(22)【出願日】2021-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000177715
【氏名又は名称】山浦 正一
(72)【発明者】
【氏名】山浦 正一
【テーマコード(参考)】
3L122
【Fターム(参考)】
3L122AA02
3L122AA33
3L122AB30
3L122BA02
3L122BB02
3L122DA01
3L122EA05
(57)【要約】
【課題】
多人数用電気温水器の省エネ的な運転をしたいが、どれだけ運転するのかが分からないし、水と電気の取り合わせに感電の恐怖を覚えてしまい、立ち向かう人が少ない現状である。かくて、お一人様老人と大容量温水器の同居が増えた。そこでまず、浴槽の容積やシャワー水量から、必要な熱量(所望水温×必要水量)を算出すると、温水器の容量の1/3~1/2です。お湯の作り過ぎをなくし、エネルギーを節約をしたい。
【解決手段】 そこで、水の素直な性質「水は例外無く、暖まると密度が小さく軽くなり、さらに熱の伝導が悪く、拡散しないので熱水を上位に順序よく成層するため、上部給湯口からこの順序で取り出せると言う、有り難い自然法則を持つ」を利用して、上層部の水を必要量だけ暖めるという、人間による勝手な手立てを取ることにしました。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
の水温をx℃とし、AとBの接面付近の水温をa℃とし、Bの下端の水温を取水自然温度b℃として、相加など適宜な平均計算を用いてAの平均水温をT
1とし、Bの平均水温をT
2とし、A+Bの平均水温をT
3として夫々x+a=2T
1、a+b=2T
2、x+b=2T
3と仮想表示すると、予備取水の自然温度b℃は加熱前からの温度なので、必要な電気加熱は E=〔(T
1-b)A+(T
2-b)B〕=〔(T
3-b)×(A+B)〕として与えられるので、加熱のための電気ヒーター出力Pkwhから、この電気温水器の必要な運転時間(通電時間)Hを算出して H=4.184 E÷(3600P)時間を確認して、その時間内の運転稼働を実施することを特徴とするパーソナル電気温水器。
【請求項2】
電気温水器の必要な運転時間(通電時間)Hを得るための、請求項1による算出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、電気ヒーターの加熱により入浴やシャワーなどの需要のために利用される電気温水器の運転方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来は、深夜電力など需要の少ない時間帯の電力を用いて、本来の利用とは遠い使い方ではあるが、無駄にロスするよりは良しとして電気を熱に戻すこととなる深夜電力利用対策の一つとして普及したのが電気温水器である。このため、許容温度限界までの沸かしあげに集力し、少量沸かし上げを考慮せず、作り過ぎの大量温水をもてあましていた。
そして、家族でともに入浴しろとか台所にも使えとかエネルギーの浪費を促す結果となっていた。それでも子供の多い時代には許されたが、去った子供の帰らない集合住宅での老人お一人様と侘しく生活する大容量電気温水器を見掛けることとなった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
昔ならお隣り様と融通し合って必要な燃料だけのお風呂を使ったものなのにと嘆く前にこの大きな温水器の使い方を工夫すべきである。しかし去ってしまった子供たちは戻らない。こうなったら温水器の省エネな使い方を考える他に道はない。幸いなことに水の性質はなんと従順な性質なのかと感心するばかりである。まず4℃のとき最高高密度として、温度上昇に伴い、例外なく密度が低く軽くなって順序よく上昇してまうのである。さらに熱を伝えにくく、瞬時に拡散して伝わることがない。従って温水器の中では最も高温の水が頂上の給湯口付近に集まり、高温の水から順に給湯されるのである。温度の高さにより成層すると言う階級制みたいな仕組みから一歩もはみ出さない水の律義さは自然の法則とはいえ不憫な気もする。とまれ、水のこのような素直な性質を利用すれば、一つの器に大量に満たされた水でも、上層部の水から順序よく優先加熱可能となり、しかもその高位置に置くことが可能なので、必要温水量に応じた電力量消費を実現できることになる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
a℃を、Bの下端にb℃を設定表示することとし、電気ヒーターで加熱してAの平均温度T
1、Bの平均温度T
2、A+Bの平均温度T
3をx+a=2T
1、a+b=2T
2、x+b=2T
3の如く表し、これに加熱時に要するエネルギーEキロカロリー及びヒーター出力Pkwhを算入して適切な運転時間(通電時間)Hを得て運転する。
なお請求項1で示す数値や温水器上の文字は、必要水量Aと予備取水Bとの位置関係想定とか、水温湯音の仮想表示で水本来の性質に基づき表現されるもので、実物の温水器に標記したりする必要は全くない。
【発明の効果】
【0005】
本発明により、温水器内の一部の水を優先加熱するので、電力量を節約しつつ、必要温水量を確保することが可能となる。また災害時や宿泊勤務者のための、出張銭湯やコインシャワーなどに利用できると考える。出張サービスは布団乾燥同様に重要である。
【実施例0006】
さて、私のところの水道水は冬でも15℃ほどです。次に私の入浴温度はT
1=43℃
0(T
1-b)+120(T
2-b)と置き、さらに2T
1=x+a、2T
2=a+b、2T
3=x+bを請求項1の如く置きます。これを解いてx及びaを算出するとx=57.29℃、a=28.71℃と出ました。給湯口では60℃近くなり、消費する電力量Eは,
E=370(57.29-15)÷2=7823.65キロカロリーが必要でした。
メーカーの仕様では出力Pは200v4.4キロワットなので実際の電圧が208vなので4.76キロワットほどの出力になるので稼働(通電)時間は
H=4.184×7823.65/(3600×4.76)=1.91=約2時間です。電力量は予測通りの10kwh弱の実験結果でした。これですと深夜にこだわらずに入浴したいときにいつでも2時間まえにonすればよいのです。通常ですとこの温水器の仕様どうりに運転すると30kwh費やします。
ここで運転開始前に運転時間を知るためには、次の点を押さえておきます。
▲1▼ 所望する水温およひ水量をT
1×Aと記録。
▲2▼ 使用する取水の自然温度b℃を計って記録。
この▲1▼▲2▼▲3▼を得ておくとお宅の電気温水器の必要運転時間を請求項1の数式から算出できます。こうして電力量ロスを減らして地球温暖化防止の一助にしたいものです。
なお平均水温の算出は、水の層が極端に厚い訳ではないので、密度までは考えずに相加平均としました。