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特開2022-18115電子製品の防護装置及び防護方法並びに農機用の電子機器
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  • 特開-電子製品の防護装置及び防護方法並びに農機用の電子機器 図1
  • 特開-電子製品の防護装置及び防護方法並びに農機用の電子機器 図2A
  • 特開-電子製品の防護装置及び防護方法並びに農機用の電子機器 図2B
  • 特開-電子製品の防護装置及び防護方法並びに農機用の電子機器 図3
  • 特開-電子製品の防護装置及び防護方法並びに農機用の電子機器 図4
  • 特開-電子製品の防護装置及び防護方法並びに農機用の電子機器 図5
  • 特開-電子製品の防護装置及び防護方法並びに農機用の電子機器 図6A
  • 特開-電子製品の防護装置及び防護方法並びに農機用の電子機器 図6B
  • 特開-電子製品の防護装置及び防護方法並びに農機用の電子機器 図7
  • 特開-電子製品の防護装置及び防護方法並びに農機用の電子機器 図8
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022018115
(43)【公開日】2022-01-26
(54)【発明の名称】電子製品の防護装置及び防護方法並びに農機用の電子機器
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/02 20060101AFI20220119BHJP
【FI】
H05K5/02 L
【審査請求】有
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021116098
(22)【出願日】2021-07-14
(31)【優先権主張番号】202010675183.2
(32)【優先日】2020-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202021387099.2
(32)【優先日】2020-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521294313
【氏名又は名称】豊疆智能(深▲セン▼)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】李 子軒
(72)【発明者】
【氏名】薛 維蓮
(72)【発明者】
【氏名】呉 迪
(72)【発明者】
【氏名】姚 遠
【テーマコード(参考)】
4E360
【Fターム(参考)】
4E360AB02
4E360AB12
4E360AB33
4E360AB34
4E360BB22
4E360BC05
4E360BD03
4E360BD05
4E360CA02
4E360EA03
4E360EA12
4E360EA24
4E360ED02
4E360GA23
4E360GA28
4E360GA29
4E360GA30
4E360GB97
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電子製品の防護装置及び防護方法並びに農機用の電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器は、電子製品10及び防護装置20を備える。防護装置は、電子製品が浮遊して間隔をあけて保持される防護空間を有することで、振動が電子製品に伝導されることを防止して、電子製品の作業環境を改善させる。防護装置は、環状の箱体シール26を備える。箱体シールは、第1箱体22と第2箱体23との間に保持され、箱体シールが第1箱体と第2箱体によって押圧されて変形されるように、第1箱体と第2箱体との間に隙間が形成されることを阻止して、第1箱体と第2箱体との間を密閉された防護空間を形成することで、水分、塩ミスト、カビ等が第1箱体と第2箱体との間まで防護空間に浸入することを阻止する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
農機用の電子機器であって、
電子製品および防護装置を備え、
前記防護装置は、前記電子製品が浮遊して間隔をあけて保持される防護空間を有することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記防護装置は、第1箱体、第2箱体および少なくとも1つの制振器を備え、
前記第1箱体と前記第2箱体との間で前記防護空間を形成するように、前記第1箱体および前記第2箱体が互いに取り付けられ、
前記電子製品は、前記制振器が前記電子製品と前記第1箱体との間に保持されるように、前記第1箱体に定着されることで、前記電子製品を前記防護装置の前記防護空間に浮遊して間隔をあけて保持することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記防護装置は、4つの前記制振器を備え、前記4つの前記制振器は、それぞれ、前記電子製品の各隅角部と前記第1箱体との間に保持されることを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記防護装置は、少なくとも1つの配線板ボルトを備え、
前記電子製品は、少なくとも1つの配線板挿通孔を有し、
前記制振器は、少なくとも1つの制振器挿通孔を有し、
前記配線板ボルトは、1つの前記制振器の前記制振器挿通孔、前記電子製品の前記配線板挿通孔およびもう1つの前記制振器の前記制振器挿通孔を順に挿通した後に、前記第1箱体のねじ孔に螺合されることを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項5】
前記防護装置は、環状の箱体シールを備え、
前記箱体シールは、前記第1箱体と前記第2箱体との間に保持され、
前記箱体シールが前記第1箱体と前記第2箱体によって押圧されて変形されることで、前記第1箱体と前記第2箱体との間に隙間が形成されることを阻止することを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記防護装置は、第1箱体、第2箱体、少なくとも1つの制振器および環状の箱体シールを備え、
前記第1箱体と前記第2箱体との間で前記防護空間を形成するように、前記第1箱体および前記第2箱体が互いに取り付け、
前記箱体シールは、前記第1箱体と前記第2箱体との間に保持され、
前記第1箱体と前記第2箱体によって押圧されて変形されることで、前記第1箱体と前記第2箱体との間に隙間が形成されることを阻止し、
前記制振器の外側は外側に延びて前記箱体シールに接続され、前記制振器の内側2は内側に延びて前記電子製品に接続されることで、前記防護装置の前記防護空間に電子製品を浮遊して間隔をあけて保持することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項7】
前記制振器の外側は前記箱体シールに一体的に接続され、前記制振器の内側は前記電子製品に一体的に成形されることを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記制振器を成形するための材料は前記電子製品の電子部品を包み込むことを特徴とする請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
前記第1箱体および前記第2箱体は、それぞれ1つの装着溝を有し、
前記第1箱体の前記装着溝の深さ寸法と前記第2箱体の前記装着溝の深さ寸法との和は、前記箱体シールの厚み寸法よりも小さく、
前記箱体シールの一部は、前記第1箱体の前記装着溝に装着され、
前記箱体シールの一部は、前記第2箱体の前記装着溝に装着され、
前記第1箱体の前記装着溝及び前記第2箱体の前記装着溝に装着されていない前記箱体シールの部分は、前記第1箱体と前記第2箱体により押圧されて変形されることを特徴とする請求項7に記載の電子機器。
【請求項10】
前記第1箱体は、少なくとも1つの箱体挿通孔を有し、
前記箱体挿通孔は、前記防護空間と外部環境を連通させ、
前記電子製品は、内蔵端と、前記内蔵端に対応する露出端とを有する少なくとも1つのコネクタをさらに備え、
前記コネクタは、前記第1箱体の前記箱体挿通孔に装着され、
前記コネクタの前記内蔵端は、前記防護装置の前記防護空間において電子製品に接続され、
前記コネクタの前記露出端は、前記防護装置の外部環境に露出されることを特徴とする請求項2~9のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項11】
前記防護装置は、前記コネクタと前記第1箱体との間に保持される少なくとも1つの連結シールを備え、
前記連結シールは、前記第1箱体と前記コネクタに押圧されて変形されることによって前記第1箱体と前記コネクタとの間に隙間が形成されることを阻止することを特徴とする請求項10に記載の電子機器。
【請求項12】
電子製品を防護するための防護装置であって、
前記防護装置は、第1箱体、第2箱体および少なくとも1つの制振器を備え、
前記第1箱体と前記第2箱体との間で防護空間を形成するように、前記第1箱体および前記第2箱体が互いに取り付け、
前記電子製品は、前記制振器が前記電子製品と前記第1箱体との間に保持されるように、前記第1箱体に定着されることで、前記電子製品を前記防護装置の前記防護空間に浮遊して間隔をあけて保持することを特徴とする防護装置。
【請求項13】
前記第1箱体は、底壁、スカート壁、および少なくとも1つの取付ボスを備え、
前記スカート壁は前記底壁の周りから上方に一体的に延びて、前記スカート壁と前記底壁との間に窪みを形成し、
前記取付ボスは、前記底壁から上方に一体的に延びることで、前記取付ボスが前記底壁に対して突出するように前記窪みに保持されることを特徴とする請求項12に記載の防護装置。
【請求項14】
前記第1箱体の前記取付ボスの数は4つであり、前記取付ボスは互いに間隔をあけていることを特徴とする請求項13に記載の防護装置。
【請求項15】
前記防護装置は、環状の箱体シールを備え、
前記箱体シールは、前記第1箱体の前記スカート壁と前記第2箱体との間に保持され、
前記箱体シールが前記第1箱体の前記スカート壁と前記第2箱体によって押圧されて変形されることで、前記第1箱体と前記第2箱体との間に隙間が形成されることを阻止することを特徴とする請求項13に記載の防護装置。
【請求項16】
前記第1箱体の前記スカート壁は、装着溝を有し、
前記装着溝の深さ寸法は、前記箱体シールの厚み寸法よりも小さいことを特徴とする請求項15に記載の防護装置。
【請求項17】
前記第1箱体は、少なくとも1つの箱体挿通孔を有し、
前記箱体挿通孔は、前記防護空間と外部環境とを連通することを特徴とする請求項12~16のいずれか一項に記載の防護装置。
【請求項18】
防護装置の少なくとも1つの制振器によって電子製品を前記防護装置の防護空間に浮遊して間隔をあけて保持するステップ(a)と、
前記防護装置が振動する場合、前記制振器が振動を吸収するように前記電子製品への振動の伝達を阻止するステップ(b)とを含むことを特徴とする電子製品の防護方法。
【請求項19】
ステップ(a)において、前記制振器が前記電子製品と前記防護装置の第1箱体との間に保持されるように、前記制振器が前記電子製品を前記防護装置の前記防護空間に浮遊して間隔をあけて保持させことを特徴とする請求項18に記載の防護方法。
【請求項20】
前記防護装置の第2箱体および前記第1箱体が、前記第1箱体と前記第2箱体との間に保持される箱体シールを押圧して前記箱体シールが変形されることで、前記第1箱体と前記第2箱体との間の隙間の形成を阻止するステップ(c)をさらに含む請求項19に記載の防護方法。
【請求項21】
前記ステップ(a)は、ステップ(a.1)、およびステップ(a.2)をさらに備え、
ステップ(a.1)において、
前記防護装置の第1箱体および第2箱体が前記第1箱体と前記第2箱体との間に保持される箱体シールを押圧して変形させて前記箱体シールが変形されることで、前記第1箱体と前記第2箱体との間の隙間の形成を阻止し、
ステップ(a.2)において、
前記電子製品に周回する前記制振器の外側が前記箱体シールに接続され、前記制振器の内側が前記電子製品に接続されて、前記制振器によって前記防護装置の前記防護空間に前記電子製品を浮遊して間隔をあけて保持することを特徴とする請求項18に記載の防護方法。
【請求項22】
前記制振器の外側は、前記箱体シールに一体的に接続され、
前記制振器の内側は、前記電子製品に一体的に成形されることを特徴とする請求項21に記載の防護方法。
【請求項23】
前記箱体シールの一部は、前記第1箱体の装着溝に装着され、
前記箱体シールの一部は、前記第2箱体の前記装着溝に装着され、
前記第1箱体の前記装着溝及び前記第2箱体の前記装着溝に装着されていない前記箱体シールの部分は、前記第1箱体と前記第2箱体により押圧されて変形されることを特徴とする請求項22に記載の防護方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子製品の防護分野に関し、特に、電子製品の防護装置及び防護方法並びに農機用の電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、トラクタ、収穫機、播種機等の農機の登場および普及により、農業生産の効率が大幅に向上しており、近年、科学技術の飛躍的な発展に伴い、スマート農機が発明されて徐々に応用されている。従来の農機とは異なり、スマート農機は、プリント回路基板アセンブリ(Printed Circuit Board Assembly、 PCBA)等の電子製品を多量に使用するため、自律作業の能力が徐々に備わってきており、スマート農機の性能と信頼性が電子製品の性能と信頼性に依存することが理解できる。電子製品の性能と信頼性は、電子製品が置かれる環境と密接に関係している。すなわち、電子製品の性能と信頼性は、スマート農機の応用環境と密接に関係している。同じ種類、同じ品質の電子製品の野外環境における故障率は実験室の条件での2倍であるが、電子製品は、通常の野外環境よりも高湿熱、高塩ミストの野外環境での故障率が高いことが試験から判明した。電子製品の更なる発展に伴い、電子製品を構成する電子部品(プリント配線板の表面に実装されるCPU、抵抗、容量等)のサイズが小さくなって、隣接する電子部品のギャップが小さくなっており、電子部品の集積度が高くなるため、電子機器の性能と信頼性が環境の影響を受けやすくなっている。
【0003】
通常、電子製品は取り付け箱に定着され、取り付け箱は、一つ以上のプラグを提供し、これらのプラグの一つの端部は取り付け箱の内部に伸びて電子製品に接続され、これらのプラグのもう一つの端部は取り付け箱の外部に伸びることで、この取り付け箱は、農機の該当位置に固定された後、農機に設けられたセンサやドライバー等の機構に連結される。このように欠陥が多い。まず、スマート農機が高湿熱の応用環境に適用された場合、空気中の小さなサイズの水分子が取り付け箱の隙間を通して取り付け箱の内部に侵入させることができる。このように、水分子は、取り付け箱内に定着された電子製品やプラグと電子製品との接続位置を腐食しやすく、特に、応用環境の湿度が一定の湿度になると、電子製品の電気化学的な移動、漏電及び高周波回路における信号歪みなどの不良現象を生じつつ、応用環境の空気中の粉塵がイオンコンタミネーションを吸着しやすく電子製品の表面や電子製品とプラグとの接続位置に沈降して不具合が生じる。次に、スマート農機が高塩ミストの応用環境に適用された場合には、塩ミストによって電子製品の金属構造部品のめっき層が損傷され、一方、塩ミストが電気化学腐食の速度を速くして金属の導通が断絶され、部品が故障させる。さらに、スマート農機が、高湿熱や高塩ミストなどの応用環境に適用されると、カビが取り付け箱の内部に進入しやすくなり、以下のような現象が現れる。(1)カビの併呑及び繁殖は、電子製品の有機材料の絶縁性を低下及び損傷させて失効させ、(2)カビが代謝する有機酸は、電子製品の絶縁性及び絶縁耐力に影響してアークを発生させる。また、スマート農機の作業環境は過酷であり、作業中に強度の大きな振動が発生し、強い振動が取り付け箱を介して取り付け箱の内部に定着された電子製品に直接伝導して電子製品の振動を引き起こし、電子製品が長時間に振動状態にある場合、特に高周波振動状態が長時間に続く場合、表面実装工程でプリント回路基板に貼り付けられた電子部品が脱落して電子製品の破損を引き起こしやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的の一つは、電子製品の防護装置及び防護方法並びに農機用の電子機器を提供することであり、前記防護装置は、電子製品が浮遊して間隔をあけて保持される防護空間を有することで、振動が前記電子製品に伝導されることを防止して、前記電子製品の作業環境を改善させることで、前記電子製品の信頼性及び安定性の確保に有利である。
【0005】
本発明の目的の一つは、電子製品の防護装置及び防護方法並びに農機用の電子機器を提供することであり、前記防護装置は、第1箱体、第2箱体および少なくとも1つの制振器を備え、前記第1箱体と前記第2箱体との間で前記防護空間を形成するように、前記第1箱体および前記第2箱体が互いに取り付けられ、前記電子製品は、前記制振器が前記電子製品と前記第1箱体との間に保持されるように、前記第1箱体に定着されることで、前記電子製品を前記防護装置の前記防護空間に浮遊して間隔をあけて保持する。
【0006】
本発明の目的の一つは、電子製品の防護装置及び防護方法並びに農機用の電子機器を提供することであり、前記制振器は、前記第1箱体および/または前記第2箱体の振動を吸収するように、振動が前記電子製品に伝達ことを阻止して、前記電子製品の作業環境を改善する。
【0007】
本発明の目的の一つは、電子製品の防護装置及び防護方法並びに農機用の電子機器を提供することであり、前記防護装置は、環状の箱体シールを備え、前記箱体シールは、前記第1箱体と前記第2箱体との間に保持され、前記箱体シールが前記第1箱体と前記第2箱体によって押圧されて変形されるように、前記第1箱体と前記第2箱体との間に隙間が形成されることを阻止して、前記第1箱体と前記第2箱体との間を密閉された前記防護空間を形成することで、水分、塩ミスト、カビ等が前記第1箱体と前記第2箱体との間まで前記防護空間に浸入することを阻止される。
【0008】
本発明の目的の一つは、電子製品の防護装置及び防護方法並びに農機用の電子機器を提供することであり、前記制振器は、前記箱体シールから電子製品まで延びることで、前記制振器と前記箱体シールとが協働して、前記電子製品を前記防護装置の前記防護空間に浮遊して間隔をあけて保持させる。
【0009】
本発明の目的の一つは、電子製品の防護装置及び防護方法並びに農機用の電子機器を提供することであり、前記防護装置は、前記コネクタと前記第1箱体との間に保持される少なくとも1つの連結シールを備え、前記連結シールは、前記第1箱体と前記コネクタに押圧されて変形されることによって前記第1箱体と前記コネクタとの間に隙間が形成されることを阻止して、前記第1箱体と前記第2箱体との間を密閉された前記防護空間を形成することで、水分、塩ミスト、カビ等が前記第1箱体と前記第2箱体との間まで前記防護空間に浸入することを阻止される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様によれば、本発明は、農機用の電子機器を提供し、電子製品および前記電子製品が浮遊して間隔をあけて保持される防護空間を有する防護装置を備える。
【0011】
本発明のある実施例によれば、前記防護装置は、第1箱体、第2箱体および少なくとも1つの制振器を備え、前記第1箱体と前記第2箱体との間で前記防護空間を形成するように、前記第1箱体および前記第2箱体が互いに取り付けられ、前記電子製品は、前記制振器が前記電子製品と前記第1箱体との間に保持されるように、前記第1箱体に定着されることで、前記電子製品を前記防護装置の前記防護空間に浮遊して間隔をあけて保持する。
【0012】
本発明のある実施例によれば、前記防護装置は、4つの前記制振器を備え、前記4つの前記制振器は、それぞれ、前記電子製品の各隅角部と前記第1箱体との間に保持される。
【0013】
本発明のある実施例によれば、前記防護装置は、少なくとも1つの配線板ボルトを備え、前記電子製品は、少なくとも1つの配線板挿通孔を有し、前記制振器は、少なくとも1つの制振器挿通孔を有し、前記配線板ボルトは、1つの前記制振器の前記制振器挿通孔、前記電子製品の前記配線板挿通孔およびもう1つの前記制振器の前記制振器挿通孔を順に挿通した後に、前記第1箱体のねじ孔に螺合される。
【0014】
本発明のある実施例によれば、前記防護装置は、環状の箱体シールを備え、前記箱体シールは、前記第1箱体と前記第2箱体との間に保持され、前記箱体シールが前記第1箱体と前記第2箱体によって押圧されて変形されることで、前記第1箱体と前記第2箱体との間に隙間が形成されることを阻止する。
【0015】
本発明のある実施例によれば、前記防護装置は、第1箱体、第2箱体、少なくとも1つの制振器および環状の箱体シールを備え、前記第1箱体と前記第2箱体との間で前記防護空間を形成するように、前記第1箱体および前記第2箱体が互いに取り付け、前記箱体シールは、前記第1箱体と前記第2箱体との間に保持され、前記第1箱体と前記第2箱体によって押圧されて変形されることで、前記第1箱体と前記第2箱体との間に隙間が形成されることを阻止し、前記制振器の外側は外側に延びて前記箱体シールに接続され、前記制振器の内側2は内側に延びて前記電子製品に接続されることで、前記防護装置の前記防護空間に電子製品を浮遊して間隔をあけて保持する
【0016】
本発明のある実施例によれば、前記制振器の外側は前記箱体シールに一体的に接続され、前記制振器の内側は前記電子製品に一体的に成形される。
【0017】
本発明のある実施例によれば、前記制振器を成形するための材料は前記電子製品の電子部品を包み込む。
【0018】
本発明のある実施例によれば、前記第1箱体および前記第2箱体は、それぞれ1つの装着溝を有し、前記箱体シールの一部は、前記第1箱体の前記装着溝に装着され、前記箱体シールの一部は、前記第2箱体の前記装着溝に装着され、前記第1箱体の前記装着溝及び前記第2箱体の前記装着溝に装着されていない前記箱体シールの部分は、前記第1箱体と前記第2箱体により押圧されて変形される。
【0019】
本発明のある実施例によれば、前記第1箱体は、少なくとも1つの箱体挿通孔を有し、前記箱体挿通孔は、前記防護空間と外部環境を連通させ、前記電子製品は、内蔵端と、前記内蔵端に対応する露出端とを有する少なくとも1つのコネクタをさらに備え、前記コネクタは、前記第1箱体の前記箱体挿通孔に装着され、前記コネクタの前記内蔵端は、前記防護装置の前記防護空間において電子製品に接続され、前記コネクタの前記露出端は、前記防護装置の外部環境に露出される。
【0020】
本発明のある実施例によれば、前記防護装置は、前記コネクタと前記第1箱体との間に保持される少なくとも1つの連結シールを備え、前記連結シールは、前記第1箱体と前記コネクタに押圧されて変形されることによって前記第1箱体と前記コネクタとの間に隙間が形成されることを阻止する。
【0021】
本発明の別の態様によれば、本発明は、電子製品を防護するための防護装置を提供し、前記防護装置は、第1箱体、第2箱体および少なくとも1つの制振器を備え、前記第1箱体と前記第2箱体との間で防護空間を形成するように、前記第1箱体および前記第2箱体が互いに取り付け、前記電子製品は、前記制振器が前記電子製品と前記第1箱体との間に保持されるように、前記第1箱体に定着されることで、前記電子製品を前記防護装置の前記防護空間に浮遊して間隔をあけて保持する。
【0022】
本発明のある実施例によれば、前記第1箱体は、底壁、スカート壁、および少なくとも1つの取付ボスを備え、前記スカート壁は前記底壁の周りから上方に一体的に延びて、前記スカート壁と前記底壁との間に窪みを形成し、前記取付ボスは、前記底壁から上方に一体的に延びることで、前記取付ボスが前記底壁に対して突出するように前記窪みに保持される。
【0023】
本発明のある実施例によれば、前記第1箱体の前記取付ボスの数は4つであり、前記取付ボスは互いに間隔をあけている。
【0024】
本発明のある実施例によれば、前記防護装置は、環状の箱体シールを備え、
前記箱体シールは、前記第1箱体の前記スカート壁と前記第2箱体との間に保持され、
前記箱体シールが前記第1箱体の前記スカート壁と前記第2箱体によって押圧されて変形されることで、前記第1箱体と前記第2箱体との間に隙間が形成されることを阻止する。
【0025】
本発明のある実施例によれば、前記第1箱体の前記スカート壁は、装着溝を有し、前記装着溝の深さ寸法は、前記箱体シールの厚み寸法よりも小さい。
【0026】
本発明のある実施例によれば、前記第1箱体は、少なくとも1つの箱体挿通孔を有し、前記箱体挿通孔は、前記防護空間と外部環境とを連通する。
【0027】
本発明の別の態様によれば、本発明は、
防護装置の少なくとも1つの制振器によって電子製品を前記防護装置の防護空間に浮遊して間隔をあけて保持するステップ(a)、および、
前記防護装置が振動する場合、前記制振器が振動を吸収するように前記電子製品への振動の伝達を阻止するステップ(b)を含む電子製品の防護方法をさらに提供する。
【0028】
本発明のある実施例によれば、ステップ(a)において、前記制振器が前記電子製品と前記防護装置の第1箱体との間に保持されるように、前記制振器が前記電子製品を前記防護装置の前記防護空間に浮遊して間隔をあけて保持する
【0029】
本発明のある実施例によれば、前記防護方法は、前記防護装置の第2箱体および前記第1箱体が、前記第1箱体と前記第2箱体との間に保持される箱体シールを押圧して変形させることで前記箱体シールが変形させるように、前記第1箱体と前記第2箱体との間の隙間の形成を阻止するステップ(c)をさらに含む。
【0030】
本発明のある実施例によれば、
前記ステップ(a)は、ステップ(a.1)、およびステップ(a.2)をさらに備え、
ステップ(a.1)において、
前記防護装置の第1箱体および第2箱体が前記第1箱体と前記第2箱体との間に保持される箱体シールを押圧して変形させて前記箱体シールが変形されることで、前記第1箱体と前記第2箱体との間の隙間の形成を阻止し、
ステップ(a.2)において、
前記電子製品に周回する前記制振器の外側が前記箱体シールに接続され、前記制振器の内側が前記電子製品に接続されて、前記制振器によって前記防護装置の前記防護空間に前記電子製品を浮遊して間隔をあけて保持する。
【0031】
本発明のある実施例によれば、上記方法において、前記制振器の外側は前記箱体シールに一体的に接続され、前記制振器の内側は前記電子製品に一体的に成形される。
【0032】
本発明のある実施例によれば、上記方法において、前記箱体シールの一部は、前記第1箱体の前記装着溝に装着され、前記箱体シールの一部は前記第2箱体の前記装着溝に装着され、前記第1箱体の前記装着溝及び前記第2箱体の前記装着溝に装着されていない前記箱体シールの部分は、前記第1箱体と前記第2箱体により押圧されて変形される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の好適な実施例による農機用の電子機器の斜視模式図である。
図2A】本発明の上記好適な実施例による上記電子機器の一つの視野角からの分解模式図である。
図2B】本発明の上記好適な実施例による上記電子機器の別の視野角からの分解模式図である。
図3】本発明の上記好適な実施例による上記電子機器の概略斜視断面図である。
図4図3のA位置の拡大模式図である。
図5図3のB位置の拡大模式図である。
図6A】本発明の別の好適な実施例による農機用の電子機器の一つの視野角からの分解模式図である。
図6B】本発明の上記好適な実施例による上記電子機器の別の視野角からの分解模式図である。
図7】本発明の上記好適な実施例による上記電子機器の概略斜視断面図である。
図8図7のC位置の拡大模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下の記載は、当業者が本発明を実施することを可能にするために本発明を開示するためのものである。以下の記載における好ましい実施例はあくまで例示であって、当業者は他の自明な変形を想到し得る。以下の記載で定義される本発明の基本的な原理は、他の実施の形態、変形の形態、改良の形態、均等の形態、および本発明の精神と範囲を乖離しない他の態様に適用することができる。
【0035】
本発明の記述において、「縦方向」、「横方向」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂部」、「底部」、「内」、「外」などで示す方位や位置関係は添付図に基づいた方位や位置関係であり、本発明の記述を簡略化するだけのものであり、関連装置や素子が特定の方位を持つこととか、特定の方位のみに限られた構造と操作とかを明記または暗示するものではなく、本発明の具体的な保護範囲を制限するものではない。
【0036】
「1つ」という用語は「少なくとも1つ」又は「1つ又は複数」と理解されるべきであり、つまり、ある実施例において、1つの素子の数は1つでもよいが、他の実施例において、その素子の数は複数でもよく、「1つ」という用語は、数の制限として理解できない。
【0037】
本発明の明細書の図面の図1図5を参照すると、本発明の好適な実施例による農機用の電子機器は、以下の説明で開示および説明される。上記電子機器は電子製品10と防護装置20を備え、防護装置20は、電子製品10が浮遊して間隔をあけて保持される防護空間21を有することで、振動が電子製品10に伝導されることを防止して、電子製品10の作業環境を改善させることで、電子製品10の信頼性及び安定性の確保に有利である。
【0038】
なお、上記電子製品10の種類は本発明の電子機器に限定されない。例えば、図1図5に示すような電子機器の好適例には、電子製品10は、プリント回路基板11と一連の電子部品12を有し、これらの電子部品12は、CPU、抵抗、容量等に限定されず、表面貼付け工程によりプリント回路基板11に実装されることができる。
【0039】
図1図5を参照すると、防護装置20は、第1箱体22と、第2箱体23と、少なくとも1つの制振器24と、を備えて、第1箱体22と第2箱体23との間で防護空間21を形成するように、第1箱体22および第2箱体23が互いに取り付け可能になっている。電子製品10が第1箱体22に定着され、電子製品10と第1箱体22との間に制振器24が保持されることにより、制振器24によって、電子製品10が防護装置20の防護空間21に浮遊して間隔をあけて保持され、このようにして、農機が防護装置20を大きく振動させる際にも、電子製品10の信頼性が確保され、特に、電子部品12がプリント回路基板11から脱落するという不具合の発生を回避して電子製品10の信頼性が確保される。
【0040】
好ましくは、制振器24は、弾性を有することで、振動を吸収するように、防護装置20の振動を、防護装置20に浮遊して間隔をあけて保持された防護空間21に伝えることができる。例えば、本発明の電子機器の好適な例では、制振器24は、弾性を有するように、ゴムなどの弾性材料で形成されることで、防護装置20が農機に駆動されて振動が発生される場合、制振器24は、振動を吸収して、防護装置20に浮遊して間隔をあけて保持された防護空間21に振動が伝わるのを阻止することができる。あるいは、制振器24は、弾性を有するように、硬質材料をねじ曲げる(例えばバネを形成する)ことにより作られ、よって、防護装置20が農機に駆動されて振動が発生される場合、制振器24は、振動を吸収して、防護装置20に浮遊して間隔をあけて保持された防護空間21に振動が伝わるのを阻止することができる。さらに、図1図5を参照すると、第1箱体22は、底壁221、スカート壁222、および少なくとも1つの取付ボス223を備え、スカート壁222は底壁221の周りから上方に一体的に延びて、スカート壁222と底壁221との間に窪み224を形成し、取付ボス223は、底壁221から上方に一体的に延びることで、取付ボス223が底壁221に対して突出するように窪み224に保持される。電子製品10は、制振器24を介して第1箱体22の取付ボス223に取り付けられ、制振器24が電子製品10と第1箱体22の取付ボス223との間に保持されることで、第1箱体22の取付ボス223及び制振器24により電子製品10を第1箱体22の窪み224に浮遊して間隔をあけて保持される。
【0041】
具体的には、電子製品10は、少なくとも1つの配線板挿通孔13を有し、制振器24は、制振器挿通孔241を有し、電子製品10の配線板挿通孔13と、制振器24の制振器挿通孔241と、第1箱体22の取付ボス223のねじ孔と、がお互いに対応して連通される。防護装置20は、さらに、少なくとも1本の配線板ボルト25を有し、該配線板ボルト25は、前記電子製品10の配線板挿通孔13及び制振器24の制振器挿通孔241の順で挿通した後に、第1箱体22の取付ボス223のねじ孔に螺合されることにより、配線板ボルト25により前記電子製品10を前記第1箱体22に定着して、前記電子製品10を前記第1箱体22の窪み224に浮遊して間隔をあけて保持される。
【0042】
好ましくは、電子製品10と配線板ボルト25との間に1つの制振器24が保持されることで、配線板ボルト25が電子製品10に直接接触するのを回避して、このように、配線板ボルト25が電子製品10に直接接触することにより、配線板ボルト25を回動させる際に電子製品10を傷つけるのを回避しつつ、振動が配線板ボルト25を介して電子製品10に伝わるのを回避することができる。すなわち、各配線板挿通孔13に対応する位置の電子製品10の上面及び下面には、それぞれ1つの制振器24が保持されて、配線板ボルト25は、1つの制振器24の制振器挿通孔241、電子製品10の配線板挿通孔13および他の制振器24の制振器挿通孔241を順に挿通した後に、第1箱体22の取付ボス223のねじ孔に螺合されることにより、2つの制振器24は、第1箱体22及び配線板ボルト25からの振動を電子製品10の上面及び下面でそれぞれ吸収して、電子製品10への振動の伝達を阻止することができる。
【0043】
図1図5に示す電子機器の具体例では、第1箱体22は、それぞれ間隔をあけて第1箱体22の窪み224に保持された4つの取付ボス223を有し、電子製品10は、4本の配線板挿通孔13を有しており、これらの配線板挿通孔13は、プリント回路基板11の4つの隅角部にそれぞれ設けられ、これに応じて、防護装置20は4本の配線板ボルト25を備え、このように、4本の配線板ボルト25は、それぞれ、電子製品10のプリント回路基板11の隅角部ごとに電子製品10を定着することができる。
【0044】
図1図5を参照すると、防護装置20は、更に、第1箱体22と第2箱体23との間に保持される環状の箱体シール26を備え、箱体シール26は、第1箱体22と第2箱体23に押圧されて変形されることによって、第1箱体22と第2箱体23との間に隙間が形成されることを阻止して、第1箱体22と第2箱体23との間に閉鎖された防護空間21が形成されることで、水分、塩ミスト、カビ等が第1箱体22と第2箱体23との間まで防護空間21に浸入することを阻止されて、防護装置20の防護空間21に浮遊して間隔をあけて保持された電子製品10が腐食されないようにして、農機が高湿熱、高塩ミストの応用環境で使用された場合であっても、電子製品10の性能と信頼性を確保することができる。
【0045】
さらに、第1箱体22のスカート壁222は、深さ寸法が前記箱体シール26の厚み寸法よりも小さい装着溝2221を有しており、前記箱体シール26は、前記スカート壁222の装着溝2221に装着されるので、第1箱体22と第2箱体23との装着時に、前記箱体シール26の位置ずれを回避して、前記箱体シール26が第1箱体22と第2箱体23との間に保持されることを保証できる。あるいは、前記装着溝2221は、前記第2箱体23に設けられる。あるいは、第1箱体22のスカート壁222と第2箱体23にはそれぞれ1つの装着溝2221が設けられ、その2つの装着溝2221の深さ寸法の和は、箱体シール26の厚み寸法よりも小さいので、第1箱体22と第2箱体23の装着時に、第1箱体22と第2箱体23とは箱体シール26を押圧して変形させることができ、箱体シール26によって第1箱体22と第2箱体23との間の隙間の形成を阻止する。
【0046】
続いて、図1図5を参照して、防護装置20の第1箱体22は、少なくとも1つの箱体挿通孔225を有し、箱体挿通孔225は、第1箱体22のスカート壁222に第1箱体22の窪み224と外部環境とを連通する。電子製品10は、内蔵端31と、この内蔵端31に対応する露出端32とを有する少なくとも1つのコネクタ30をさらに備え、コネクタ30の内蔵端31は、第1箱体22の箱体挿通孔225を介して第1箱体22の窪み224まで延びて電子製品10に接続可能となり、コネクタ30の露出端32は、防護装置20の外部に露出されている。あるいは、コネクタ30の露出端32は、第1箱体22の箱体挿通孔225を介して第1箱体22の窪み224から第1箱体22の外側に延びており、コネクタ30の内蔵端31は、電子製品10に接続される。
【0047】
さらに、防護装置20は、コネクタ30と第1箱体22とを螺合する少なくとも1つのコネクタボルト27を備えることにより、コネクタ30と第1箱体22とを確実に装着することができる。
【0048】
さらに、防護装置20は、コネクタ30と第1箱体22との間に保持される少なくとも1つの連結シール28を備え、連結シール28は、第1箱体22とコネクタ30に押圧されて変形されることによって第1箱体22とコネクタ30との間に隙間が形成されることを阻止して、第1箱体22と第2箱体23との間を密閉された防護空間21を形成することで、水分、塩ミスト、カビ等が第1箱体22と第2箱体23との間まで防護空間21に浸入することを阻止されて、防護装置20の防護空間21に浮遊して間隔をあけて保持された電子製品10が腐食されないようにして、農機が高湿熱、高塩ミストの応用環境で使用された場合であっても、電子製品10の性能と信頼性を確保することができる。
【0049】
図1図5に示された電子機器の具体例では、コネクタ30の数は、1つの4ピン航空プラグ33、1つの12ピン航空プラグ34および2つのSMAプラグ35との4つであり、4ピン航空プラグ33および12ピン航空プラグ34は防護装置20の一方の端部に隣接して設けられ、2つのSMAプラグ35は防護装置20の他方の端部に隣接して設けられる。
【0050】
また、図1図5に示された電子機器の好適な例では、防護装置20の第1箱体22と第2箱体23とがアルミニウム合金材からなるので、防護装置20の第1箱体22と第2箱体23とが農機の応用環境における外物の衝突や衝撃を耐えて電子機器の信頼性を確保することができる。好ましくは、第1箱体22及び第2箱体23の表面が耐腐食処理されることにより、前記第1箱体22及び前記第2箱体23が耐腐食性を有することで、農機が高湿熱や高塩ミストの応用環境で使用される場合であっても、電子製品10の性能及び信頼性が保証される。
【0051】
さらに、防護装置20は、第1箱体22と第2箱体23とを螺合するための少なくとも1つの箱体ボルト29を備える。
【0052】
本発明の明細書の図面の図6図8を参照すると、本発明の好適な実施例による農機用の電子機器は、以下の説明で開示および説明される。上記電子機器は電子製品10と防護装置20を備え、防護装置20は、電子製品10が浮遊して間隔をあけて保持される防護空間21を有することで、振動が電子製品10に伝導されることを防止して、電子製品10の作業環境を改善させることで、電子製品10の信頼性及び安定性の確保に有利である。
【0053】
なお、上記電子製品10の種類は本発明の電子機器に限定されない。例えば、図6図8に示すような電子機器の好適例には、電子製品10は、プリント回路基板11と一連の電子部品12を有し、これらの電子部品12は、CPU、抵抗、容量等に限定されず、表面貼付け工程によりプリント回路基板11に実装されることができる。
【0054】
図6図8を参照すると、防護装置20は、第1箱体22、第2箱体23、少なくとも1つの制振器24および環状の箱体シール26を備え、第1箱体22と第2箱体23との間で防護空間21を形成するように、第1箱体22および第2箱体23が互いに取り付け可能になって、箱体シール26は、第1箱体22と第2箱体23に押圧されて変形されることによって、第1箱体22と第2箱体23との間に隙間が形成されることを阻止して、第1箱体22と第2箱体23との間に閉鎖された防護空間21が形成され、制振器24は、外側242と、外側242に対応する内側243と、を有し、制振器24の外側242は外側に延びて箱体シール26に接続され、制振器24の内側243は内側に延びて電子製品10に接続されて、制振器24によって防護装置20の防護空間21に電子製品10を浮遊して間隔をあけて保持する。
【0055】
好ましくは、制振器24の外側242は箱体シール26に一体的に接続され、制振器24の内側243は前記電子製品10のプリント回路基板11に一体的に成形され、前記制振器24は、前記電子製品10の周囲に周回することにより、振動を吸収するように前記電子製品10への前記防護装置20の振動の伝達を阻止して、前記電子製品の作業環境を改善することができる。例えば、まず、1枚の成形金型に前記プリント回路基板11を1枚の成形金型に置いて、次に成形金型に成形材料(例えばゴム材料)を注入して、プリント回路基板11の少なくとも一部を成形材料により包み込まれて、次いで成形材料の成形後に離型作業を行うことで、プリント回路基板11の制振器24に一体成形され、制振器24の箱体シール26に一体的に接続される。好ましくは、電子部品12を前記プリント回路基板11に貼り付けてから射出作業を行うように、これらの電子部品12を成形材料で包み込んで電子部品12と前記プリント回路基板11とをより確実に接続することができる。
【0056】
さらに、第1箱体22および第2箱体23は、それぞれ1つの装着溝2221を有し、第1箱体22の装着溝2221の深さ寸法と、第2箱体23の装着溝2221の深さ寸法との和は、箱体シール26の厚み寸法よりも小さく、箱体シール26の一部は、第1箱体22の装着溝2221に装着され、箱体シール26の一部は第2箱体23の装着溝2221に装着され、第1箱体22の装着溝2221及び第2箱体23の装着溝2221に装着されていない箱体シール26の部分は、第1箱体22と第2箱体23により押圧されて変形されるので、第1箱体22と第2箱体23との隙間の形成を阻止する。箱体シール26の一部は、第1箱体22の装着溝2221に装着され、且つ、箱体シール26の一部は第2箱体23の装着溝2221に装着されるように、箱体シール26の制振器24の方向への変位を回避でき、前記箱体シール26の前記制振器24の方向への変形との発生を低減できることで、前記制振器24の防振効果を確保することができる。
【0057】
本発明の他の態様によると、本発明は、
防護装置20の少なくとも1つの制振器24によって電子製品10を防護装置20の防護空間21に浮遊して間隔をあけて保持するステップ(a)と、
防護装置20が振動している場合、制振器24が振動を吸収するように前記電子製品10への振動の伝達を阻止するステップ(b)とを含む電子製品10の防護方法を提供する。
【0058】
本発明の防護方法の好適な例には、ステップ(a)において、制振器24が電子製品10と防護装置20の第1箱体22との間に保持されるように、制振器24が電子製品10を防護装置20の防護空間21に浮遊して間隔をあけて保持する。さらに、上記防護方法は、防護装置20の第2箱体23および第1箱体22が第1箱体22と第2箱体23との間に保持される箱体シール26を押圧して変形させることで箱体シール26が変形するように、第1箱体22と第2箱体23との間の隙間の形成を阻止するステップ(c)を含む。
【0059】
本発明の上記防護方法の別の好適な例において、上記ステップ(a)は、
上記防護装置20の第1箱体22および第2箱体23が第1箱体22と第2箱体23との間に保持される箱体シール26を押圧して変形させることで箱体シール26が変形するように第1箱体22と第2箱体23との間の隙間の形成を阻止するステップ(a.1)、および
電子製品10に周回する制振器24の外側242が箱体シール26に接続され、制振器24の内側243が電子製品10に接続されて、制振器24によって防護装置20の防護空間21に電子製品10を浮遊して間隔をあけて保持するステップ(a.2)をさらに備える。好ましくは、制振器24の外側242は箱体シール26に一体的に接続され、制振器24の内側243は前記電子製品10に一体的に成形される。
【0060】
より好ましくは、上記方法において、箱体シール26の一部は、第1箱体22の装着溝2221に装着され、箱体シール26の一部は第2箱体23の装着溝2221に装着され、第1箱体22の装着溝2221及び第2箱体23の装着溝2221に装着されていない箱体シール26の部分は、第1箱体22と第2箱体23により押圧されて変形される。
【0061】
以上の実施例はあくまで例示であり、異なる実施例の特徴が互いに組み合わされても良いことから、本発明に開示される内容を得ることは容易に想到できるが、図面に明示的に示されていない実施形態を得る、と当業者には理解できる。
【0062】
上記記載及び図面に示す本発明の実施例は示例として本発明を限定するものではない、と当業者には理解されるべきである。本発明の目的は完全かつ効果的に実現されている。本発明の機能及び構造の原理は、実施例に示され説明されていて、本発明の実施形態は、上記原理を背切なければ、何ら変形又は修正を加えてもよい。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8