(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181154
(43)【公開日】2022-12-07
(54)【発明の名称】炭化ケイ素複合ウェハ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20221130BHJP
H01L 21/02 20060101ALI20221130BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/02 B
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021149274
(22)【出願日】2021-09-14
(31)【優先権主張番号】110118804
(32)【優先日】2021-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】519330098
【氏名又は名称】鴻創應用科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】HONG CHUANG APPLIED TECHNOLOGY CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100165663
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 光宏
(72)【発明者】
【氏名】曾彦凱
(72)【発明者】
【氏名】江柏萱
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA22
5F131BA04
5F131CA07
5F131EC43
5F131EC53
5F131EC62
(57)【要約】
【課題】 本発明は、半導体の製造プロセス、電子製品及び半導体装置における必要に適用し得る、炭化ケイ素複合ウェハ及びその製造方法を得ることにある。
【解決手段】 炭化ケイ素複合ウェハは、(a)炭化ケイ素材料と、(b)ウェハ基板と、を含み、ウェハ基板の上側表面は炭化ケイ素材料の下側表面に結合されており、そのうち、炭化ケイ素材料の下側表面とウェハ基板の上側表面の両者又は任意の一方は表面改質を経ており、炭化ケイ素材料はウェハ基板に直接接合されている。本発明の効果は、複合ウェハの異なる材料どうしの接合部の接合能力が強く、後続の加工処理が容易になり、材料どうしが互いに緊密に結合した状態において製造プロセスを短縮することができ、歩留まり率も向上し、産業上の利用性が高いことにある。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)炭化ケイ素材料と、
(b)ウェハ基板と、を含み、前記ウェハ基板の上側表面は前記炭化ケイ素材料の下側表面に結合されており、
そのうち、前記炭化ケイ素材料の下側表面と前記ウェハ基板の上側表面の両者又は任意の一方は表面改質を経ており、前記炭化ケイ素材料はウェハ基板に直接接合されている、炭化ケイ素複合ウェハ。
【請求項2】
前記ウェハ基板はセラミックス又はガラスである、請求項1に記載の炭化ケイ素複合ウェハ。
【請求項3】
前記セラミックスは、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭化ケイ素及び窒化ケイ素からなる群から選択される、請求項2に記載の炭化ケイ素複合ウェハ。
【請求項4】
前記ウェハ基板は単結晶又は多結晶材料である、請求項1に記載の炭化ケイ素複合ウェハ。
【請求項5】
前記炭化ケイ素材料の厚さは0.2~500μmである、請求項1から4のいずれか1項に記載の炭化ケイ素複合ウェハ。
【請求項6】
前記炭化ケイ素材料の上側表面は結晶層をさらに含む、請求項5に記載の炭化ケイ素複合ウェハ。
【請求項7】
前記表面改質は、表面に物理的結合を生じさせるものである、請求項1から4のいずれか1項に記載の炭化ケイ素複合ウェハ。
【請求項8】
前記表面改質は、表面に静電結合又は水素結合を生じさせるものである、請求項1から4のいずれか1項に記載の炭化ケイ素複合ウェハ。
【請求項9】
(a)核形成処理により炭化ケイ素を炭化ケイ素材料にする工程と、
(b)ウェハ基板が提供され、前記炭化ケイ素材料の下側表面と前記ウェハ基板の上側表面の両者又は任意の一方が表面改質を経て水素結合、静電結合又は物理的結合を生じた後、直接接合されて炭化ケイ素複合ウェハが形成される工程と、を含む、炭化ケイ素複合ウェハの製造方法。
【請求項10】
前記表面改質は、水素化処理により、前記炭化ケイ素材料の下側表面と前記ウェハ基板の上側表面の両者又は任意の一方に水素結合を生じさせるものである、請求項9に記載の製造方法。
【請求項11】
前記炭化ケイ素材料と前記ウェハ基板は静電的に結合される、請求項9に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体の製造プロセスに用いることができる、炭化ケイ素複合ウェハ及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通信の高周波化のトレンドに伴い、市場ニーズに対応するうえで通信関連部品の性能向上が急務となっている。そのため、薄層化が可能なウェハ又は複合ウェハはコストパフォーマンスの高い選択肢の一つとなっている。公知の複合ウェハは、底層の基板ウェハ上に種結晶膜を気相法によって形成した後、GaN層を成長させたものである。又は、HVPE(ハイドライド気相成長法)を用いて底層の基板ウェハ上に種結晶層を形成することもできる。とはいえ、複合ウェハについては、材料であれ製造プロセスであれ、更なるニーズが存在している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来における複合ウェハの製造プロセスでは、基板と上方の材料との接合部に薄膜が形成され、こうして初めて2種類の異なる材料を緊密に接合することができるが、この製造プロセスは複雑で時間がかかる。上述の欠点を解決するために、本発明者は、複合ウェハの製造プロセスの改良に着手した。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、(a)炭化ケイ素材料と、(b)ウェハ基板と、を含む、炭化ケイ素複合ウェハを提供することを目的としており、ウェハ基板の上側表面は炭化ケイ素材料の下側表面に結合されており、そのうち、炭化ケイ素材料の下側表面とウェハ基板の上側表面の両者又は任意の一方は表面改質を経ており、炭化ケイ素材料はウェハ基板に直接接合されている。
【0005】
さらに、上述の炭化ケイ素複合ウェハのうち、ウェハ基板はセラミックス又はガラスである。
【0006】
さらに、上述の炭化ケイ素複合ウェハのうち、セラミックスは、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭化ケイ素及び窒化ケイ素からなる群から選択される。
【0007】
さらに、上述の炭化ケイ素複合ウェハのうち、ウェハ基板は単結晶又は多結晶材料である。
【0008】
さらに、上述の炭化ケイ素複合ウェハのうち、炭化ケイ素材料の厚さは0.2~500μmである。
【0009】
さらに、上述の炭化ケイ素複合ウェハのうち、炭化ケイ素材料の上側表面は結晶層をさらに含む。
【0010】
さらに、上述の炭化ケイ素複合ウェハにおいて、表面改質とは、表面に静電結合又は水素結合又は物理的結合を生じさせるものである。好ましい実施形態において、物理的結合はファンデルワールス力、クーロン力又は摩擦力である。
【0011】
本発明の別の目的は、(a)核形成処理により炭化ケイ素を炭化ケイ素材料にする工程と、(b)ウェハ基板が提供され、炭化ケイ素材料の下側表面とウェハ基板の上側表面の両者又は任意の一方が表面改質を経て水素結合又は静電結合又は物理的結合を生じた後、直接接合されて炭化ケイ素複合ウェハが形成される工程と、を含む、炭化ケイ素複合ウェハの製造方法を提供することである。
【0012】
さらに、上述の製造方法において、表面改質とは、フッ化水素酸又はその他の水素原子を含む液体の浸漬処理により、炭化ケイ素材料の下側表面とウェハ基板の上側表面の両者又は任意の一方に水素結合を生じさせるものである。
【0013】
さらに、上述の製造方法において、炭化ケイ素材料とウェハ基板は静電的に結合される。
【発明の効果】
【0014】
従来技術と比べて、本発明の炭化ケイ素複合ウェハは、基板がセラミックス又はガラス材料であるため、高い誘電率、絶縁性、高い熱伝導率を有し、耐熱性及び放熱性に優れ、特に高湿度下における安定性能などの特性を有している。また、本発明の製造方法は炭化ケイ素材料とウェハ基板を直接接合するものであり、接合能力に優れていて、従来技術のように接合において薄膜を形成して2種類の異なる材料を緊密に接合させる必要がないため、本発明の製造プロセスはよりシンプル且つ便利である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の炭化ケイ素複合ウェハの構造概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の実施形態は、本発明を過度に限定するものではない。本発明が属する技術分野の当業者は、本発明の精神又は範囲から逸脱せずに本明細書中で検討する実施例に対して修正や変更を行うことができ、いずれも本発明の範囲に属する。
【0017】
本明細書で使用する「含む」又は「備える」とは、1つ以上の他の構成部材、工程、操作及び/若しくは構成要素の存在を排除しないこと、又は上述の構成部材、工程、操作及び/若しくは構成要素に追加されることを意味する。「約」若しくは「近似的に」又は「実質的に」とは、固有の許容誤差に近接した数値又は範囲を有することを意味しており、本発明が理解のために開示する正確又は絶対的な数値が何らかの悪意ある第三者によって違法又は不正に使用されるのを防ぐために用いている。「一」とは、文法対象物が1つ以上(即ち、少なくとも1つ)であることを意味する。
【0018】
本発明は、(a)炭化ケイ素材料と、(b)ウェハ基板と、を含む、炭化ケイ素複合ウェハを提供し、ウェハ基板の上側表面は炭化ケイ素材料の下側表面に結合されており、そのうち、炭化ケイ素材料の下側表面とウェハ基板の上側表面の両者又は任意の一方は表面改質を経ており、炭化ケイ素材料はウェハ基板に直接接合されている。
【0019】
本発明は、(a)核形成処理により炭化ケイ素を炭化ケイ素材料にする工程と、(b)ウェハ基板が提供され、炭化ケイ素材料の下側表面とウェハ基板の上側表面の両者又は任意の一方が表面改質を経て水素結合又は静電結合を生じた後、直接接合されて炭化ケイ素複合ウェハが形成される工程と、を含む、炭化ケイ素複合ウェハの製造方法をさらに提供する。
【0020】
本発明の炭化ケイ素複合ウェハの概念図である
図1を参照されたい。
図1の炭化ケイ素複合ウェハは、ウェハ基板12と炭化ケイ素材料11が直接接合されて成るものであり、ウェハ基板12と炭化ケイ素材料11との間に追加の薄膜構造は存在しておらず、両者を直接接合する接合面111のみとなっている。さらに、炭化ケイ素材料11の上方は、必要に応じてさらに結晶層13を含むことができる。
【0021】
上述のウェハ基板12は、好ましい実施例においてはセラミックス又はガラスであり、ここで「セラミックス」とは、金属と非金属の化合物であり、ケイ酸塩、酸化物、炭化物、窒化物、硫化物、ホウ化物などを含む、人為的な高温処理を経た無機非金属固体材料を意味し、好適には、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭化ケイ素及び窒化ケイ素からなる群から選択されるものを含むが、これらに限らない。
例えば、
上述の基板において、セラミックスは窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭化ケイ素及び窒化ケイ素から選択されるか、
上述の基板において、セラミックスは窒化アルミニウム、酸化アルミニウム及び炭化ケイ素から選択されるか、
上述の基板において、セラミックスは酸化アルミニウム、炭化ケイ素及び窒化ケイ素から選択されるか、
上述の基板において、セラミックスは窒化アルミニウム、炭化ケイ素及び窒化ケイ素から選択されるか、
上述の基板において、セラミックスは窒化アルミニウム及び酸化アルミニウムから選択されるか、
上述の基板において、セラミックスは窒化アルミニウム及び炭化ケイ素から選択されるか、
上述の基板において、セラミックスは窒化アルミニウム及び窒化ケイ素から選択されるか、
上述の基板において、セラミックスは酸化アルミニウム及び炭化ケイ素から選択されるか、
上述の基板において、セラミックスは酸化アルミニウム及び窒化ケイ素から選択されるか、
上述の基板において、セラミックスは炭化ケイ素及び窒化ケイ素から選択されるか、
上述の基板において、セラミックスは窒化アルミニウムから選択されるか、
上述の基板において、セラミックスは酸化アルミニウムから選択されるか、
上述の基板において、セラミックスは炭化ケイ素から選択されるか、
上述の基板において、セラミックスは窒化ケイ素から選択される。
【0022】
本明細書で使用する「単結晶又は多結晶材料」とは、単結晶方位及び多結晶方位の材料を意味している。その違いとしては、溶融した単体材料が凝固するときに、原子がダイヤモンド型格子に配置されて多くの結晶核となり、結晶核が結晶面配向の同じ結晶粒に成長した場合には、単結晶材料が形成される。反対に、結晶核が結晶面配向の異なる結晶粒に成長した場合には、多結晶材料が形成される。多結晶と単結晶材料の違いは、主に物理的性質面で表れる。例えば、機械的性質、電気的性質などの面であり、多結晶材料はいずれも単結晶材料に劣る。好ましい実施例において、ウェハ基板は単結晶又は多結晶材料である。
【0023】
本明細書で使用する「炭化ケイ素材料の厚さ」については、好ましい実施例において、その厚さは0.2μm~500μmの間でよく、例えば0.4μm~500μmの間、0.6μm~500μmの間、0.8μm~500μmの間、1.0μm~500μmの間、2.0μm~500μmの間、4.0μm~500μmの間、6.0μm~500μmの間、8.0μm~500μmの間、10μm~500μmの間、12μm~500μmの間、14μm~500μmの間、16μm~500μmの間、18μm~500μmの間、0.2μm~180μmの間、0.2μm~160μmの間、0.2μm~140μmの間、0.2μm~120μmの間、0.2μm~100μmの間、0.2μm~80μmの間、0.2μm~60μmの間、0.2μm~40μmの間、0.2μm~20μmの間、0.2μm~1μmの間、0.2μm~0.8μmの間、0.2μm~0.6μmの間、0.2μm~0.4μmの間である。炭化ケイ素材料の厚さは必要に応じて調整可能であり、例えば、炭化ケイ素材料11をウェハ基板12の表面に接合した後、レーザ切断又は研磨方法により炭化ケイ素材料11を薄型化させることができる。
【0024】
本明細書で使用する「結晶層」とは、単結晶材料で構成された発光層の主な基板材質を意味している。例えば、単結晶のヒ化ガリウム(GaAs)基板、リン化ガリウム(GaP)基板、リン化インジウム(InP)基板、サファイア(Al2O3)基板、炭化ケイ素(SiC)基板、窒化ガリウム(GaN)基板などである。
【0025】
上述の結晶層は、エピタキシー法により成長させる。上述の「エピタキシー」とは、単結晶基板上に薄膜を成長させることを言い、単結晶基板上に添加された原子により形成された1つの単結晶構造の連続体を伸長させることを意味している。例えば、液相エピタキシー(LPE)、気相エピタキシー(VPE)及び分子線エピタキシー(MBE)などであり、そのうち気相エピタキシーには物理気相蒸着(PVD)と化学気相蒸着(CVD)が含まれる。
【0026】
本明細書で使用する「表面改質」とは、炭化ケイ素材料とウェハの接合する表面、即ち炭化ケイ素材料の下側表面とウェハ基板の上側表面の両者又は任意の一方の表面が化学的又は物理的方法による処理を経て、表面に水素結合又はイオン結合又は物理的結合(ファンデルワールス力、クーロン力又は摩擦力などを含むがこれらに限らない)を生じ得るようにされることを意味している。
【0027】
水素結合を生じさせる方法は、例えば水素原子を含む液体に浸漬することにより、表面を改質して水素結合力を生じさせるなどであるが、これに限らない。水素原子液体は、クロム酸、硫酸、塩酸、硝酸、亜硫酸、フッ化水素酸、過塩素酸、臭化水素酸、過臭素酸、ケイフッ化水素酸、クロロ鉛酸(Chlorioplumbic Acid)、メタリン酸、オスミウム酸、過マンガン酸、セレン酸、鉄酸、フルオロホウ酸、フルオロスルホン酸、シアン酸、テオシアン酸、メタ過ヨウ素酸、2,4,6-トリニトロフェノール、2,4,6-トリニトロ安息香酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メルカプトシクロヘキサンスルホン酸、2-クロロエタンチオールなどでよい。
【0028】
静電気を生じさせる方法として、例えば、接触面にプラズマを衝突させて、正・負電荷を生じさせ、電荷を利用して互いに吸着させることができるが、これに限らない。
【0029】
物理的結合を生じさせる形式は、例えば、ファンデルワールス力、クーロン力又は摩擦力などであり、そのうち、ファンデルワールス力は、極めて平坦な表面によるものであり、異なる材料又は同じ材料はすべて電位差を有しており、電位差により生じる電荷を利用して引き合うのがファンデルワールス力である。表面電荷を提供(例えばプラズマにより提供する)することで形成される電位差がクーロン力である。固体表面どうしの静止摩擦力は、固体表面の原子、分子どうしにおける相互吸引力及びそれらどうしの表面粗さにより互いどうしがひっかかることで生じる抵抗力に由来する。
【0030】
上述の「プラズマ」とは、固体、液体、気体以外の物質の第4の状態のことを意味する。気体は高温又は強電界においてプラズマに変化する。プラズマは等量の正電荷と負電荷を持った電離気体であり、イオン、電子及び中性の原子又は分子によって構成されている。外部から加えたエネルギーにより、気体内の電子がエネルギーを獲得し、加速して帯電していない中性原子に衝突するようにし、帯電していない中性原子が加速した電子に衝突されると、イオンとエネルギーを帯びた加速電子が生じ、これらの放出された電子が電界を経由し、加速されて他の中性原子と衝突し、これが次々と繰り返されることにより、気体の絶縁破壊(gas breakdown)が生じ、プラズマ状態が形成される。本発明は、生成されたプラズマを利用し、キャビティ内のプロセスガスと衝突させて気体をイオン化させており、イオン化された気体がウェハに引き付けられて表面改質が行われ、表面に静電荷が形成される。
【0031】
要約すると、本発明の炭化ケイ素複合ウェハは以下の優位点を有する。
【0032】
1.高い誘電率、絶縁性、高い熱伝導率を有し、耐熱性及び放熱性に優れ、特に高湿度下における安定性能の特性を有している。
【0033】
2.本発明の炭化ケイ素複合ウェハの製造方法は、炭化ケイ素材料をウェハ基板と直接接合するものであり、両者又は任意の一方が表面改質を経ており、接合能力が強いため、製造プロセスの複雑さを低減し得る。
【0034】
3.本発明の炭化ケイ素複合ウェハは、材料どうしの結合能力が強いという特性により、ニーズに応じてウェハの研磨加工を行って薄層化することがより一層可能となり、後の産業上の利用性が高い。
【0035】
以上で本発明について詳細に説明したが、上述は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の実施範囲を限定するものではない。本発明の特許請求の範囲に基づく同等変化や修飾はいずれも本発明の特許請求の範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0036】
1 炭化ケイ素複合ウェハ
11 炭化ケイ素材料
12 ウェハ基板
13 結晶層
111 接触面
【手続補正書】
【提出日】2022-11-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)核形成処理により炭化ケイ素を炭化ケイ素材料にする工程と、
(b)ウェハ基板が提供され、前記炭化ケイ素材料の下側表面と前記ウェハ基板の上側表面の両者又は任意の一方が表面改質によって静電気が生じ、クーロン力によって直接接合されて炭化ケイ素複合ウェハが形成される工程と、を含む、炭化ケイ素複合ウェハの製造方法。