(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181177
(43)【公開日】2022-12-07
(54)【発明の名称】積層型電子部品
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20221130BHJP
【FI】
H01G4/30 201C
H01G4/30 513
H01G4/30 201K
H01G4/30 201M
H01G4/30 512
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022076695
(22)【出願日】2022-05-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0066992
(32)【優先日】2021-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0190588
(32)【優先日】2021-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジョン ホ
(72)【発明者】
【氏名】ムン、ソン ジェ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ギ ロン
(72)【発明者】
【氏名】リー、テ ギョム
(72)【発明者】
【氏名】アン、ビュン ロク
(72)【発明者】
【氏名】チャ、キョン ジン
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AC10
5E001AE01
5E001AE02
5E001AE03
5E001AE04
5E001AH01
5E001AH05
5E001AH06
5E001AH07
5E001AH09
5E001AJ01
5E001AJ03
5E082AB03
5E082BC38
5E082BC39
5E082BC40
5E082EE04
5E082EE23
5E082EE26
5E082EE35
5E082FG26
5E082FG54
5E082GG10
5E082GG26
5E082GG28
5E082LL02
5E082LL03
5E082MM24
(57)【要約】
【課題】本発明の一実施形態に係る積層型電子部品は、内部電極末端の連結性を制御することで、内部電極間の短絡、容量の低下、破壊電圧の低下などを抑制することができる。
【解決手段】積層型電子部品100は、複数の誘電体層111及び複数の誘電体層111を挟んで第1方向に交互に配置される第1及び第2内部電極121,122を含み、第1方向に対向する第1及び第2面、第1及び第2面と連結され、第2方向に対向する第3及び第4面、第1~第4面と連結され、第3方向に対向する第5及び第6面を含む本体100と、第3面に配置され、第1内部電極121と連結される第1外部電極131と、第4面に配置され、第2内部電極122と連結される第2外部電極132とを含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の誘電体層及び前記複数の誘電体層を挟んで第1方向に交互に配置される第1及び第2内部電極を含み、前記第1方向に対向する第1及び第2面、前記第1及び第2面と連結され、第2方向に対向する第3及び第4面、前記第1~第4面と連結され、第3方向に対向する第5及び第6面を含む本体と、
前記第3面に配置され、前記第1内部電極と連結される第1外部電極と、
前記第4面に配置され、前記第2内部電極と連結される第2外部電極とを含み、
前記第1内部電極は、前記第4面と離隔して配置され、複数の第1導体部及び第1不連続部を含み、前記第2内部電極は、前記第3面と離隔して配置され、複数の第2導体部及び第2不連続部を含み、
前記本体の第1及び第2方向の断面において、
前記複数の第1導体部の中で厚み及び長さが80nm以上の第1導体部のうち前記第2外部電極に最も隣接した第1導体部から前記第1内部電極の内側に10μmまでの領域をE1、前記E1の長さのうち前記第1導体部が占める長さの割合を第1内部電極末端の連結性と定義する時、第1内部電極末端の連結性の平均値は、60%以上である、積層型電子部品。
【請求項2】
前記E1と第1方向に対向して配置された前記第2内部電極の領域をF1、前記E1に含まれた第1導体部の面積をE1s、前記F1に含まれた第2導体部の面積をF1sとした時、
E1s/F1s×100の平均値は、84以上である、
請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項3】
前記複数の第1導体部の中で厚み及び長さが80nm以上の第1導体部のうち前記第2外部電極に最も隣接した第1導体部から、前記複数の第1導体部の中で長さが厚みの2倍以上の第1導体部のうち前記第2外部電極に最も隣接した第1導体部までの長さを第1内部電極の末端長さと定義する時、
前記第1内部電極の末端長さの平均値は、4.2μm以下である、
請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項4】
前記第1内部電極の末端連結性の平均値は、前記本体の第1及び第2方向の断面において前記本体を第1方向に3等分した領域のうち中央に配置された5個の第1内部電極で測定した値を平均したものである、
請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項5】
前記E1s/F1s×100の平均値は、前記本体の第1及び第2方向の断面において前記本体を第1方向に3等分した領域のうち中央に配置された5対の第1及び第2内部電極で測定した値を平均したものである、
請求項2に記載の積層型電子部品。
【請求項6】
前記第1内部電極の末端長さの平均値は、前記本体の第1及び第2方向の断面において前記本体を第1方向に3等分した領域のうち中央に配置された5個の第1内部電極で測定した値を平均したものである、
請求項3に記載の積層型電子部品。
【請求項7】
前記複数の第2導体部の中で厚み及び長さが80nm以上の第2導体部のうち前記第1外部電極に最も隣接した第2導体部から前記第2内部電極の内側に10μmまでの領域をE2、前記E2の長さのうち前記複数の第2導体部が占める長さの割合を第2内部電極末端の連結性と定義する時、第2内部電極末端の連結性の平均値は、60%以上である、
請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項8】
前記E2と第1方向に対向して配置された前記第1内部電極の領域をF2、前記E2に含まれた第2導体部の面積をE2s、前記F2に含まれた第2導体部の面積をF2sとした時、
E2s/F2s×100の平均値は、84以上である、
請求項7に記載の積層型電子部品。
【請求項9】
前記複数の第2導体部のうち前記第1外部電極に最も隣接し厚み及び長さが80nm以上の第2導体部から、前記第1外部電極に最も隣接し長さが厚みの2倍以上の第2導体部までの長さを第2内部電極の末端長さと定義する時、
前記第2内部電極の末端長さの平均値は、4.2μm以下である、
請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項10】
前記第1内部電極の長さのうち第1導体部が占める長さの割合を第1内部電極の連結性とした時、前記第1内部電極の連結性の平均値は、80%以上である、
請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項11】
前記第1不連続部及び前記第2不連続部は、気孔及び誘電体のうち一つ以上を含む、
請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項12】
前記内部電極の平均厚みは、0.4μm以下である、
請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項13】
前記複数の誘電体層の平均厚みは、0.45μm以下である、
請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項14】
前記本体は、前記複数の誘電体層を挟んで第1方向に交互に配置される第1及び第2内部電極を含む容量形成部、及び前記容量形成部の第1方向の両端面に配置されるカバー部を含み、
前記カバー部の平均厚みは、15μm以下である、
請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項15】
前記積層型電子部品の第2方向の最大大きさは、0.66mm以下であり、第3方向の最大大きさは、0.33mm以下である、
請求項1に記載の積層型電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型電子部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
積層型電子部品の一つである積層セラミックキャパシタ(MLCC:Multi-Layered Ceramic Capacitor)は、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)及びプラズマ表示装置パネル(PDP:Plasma Display Panel)などの映像機器、コンピュータ、スマートフォン及び携帯電話など、様々な電子製品のプリント回路基板に装着され、電気を充電または放電させる役割を果たすチップ型のコンデンサである。
【0003】
このような積層セラミックキャパシタは、小型でありながらも高容量が保障され、実装が容易であるという長所により、様々な電子装置の部品として用いられることができる。コンピュータ、モバイル機器などの各種電子機器が小型化、高出力化され、積層セラミックキャパシタの小型化及び高容量化に対する要求も増大している。
【0004】
積層型セラミックキャパシタの小型化及び高容量化のためには、内部電極及び誘電体層の厚みを薄く形成することができる技術が必要である。
【0005】
しかし、内部電極の厚みが薄くなるほど、内部電極間の短絡、容量の低下、破壊電圧の低下などの問題点が発生し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明のいくつかの目的の一つは、信頼性に優れた積層型電子部品を提供することである。
【0007】
本発明のいくつかの目的の一つは、内部電極末端の連結性を向上させることである。
【0008】
本発明のいくつかの目的の一つは、内部電極の平滑度に優れた積層型電子部品を提供することである。
【0009】
本発明のいくつかの目的の一つは、信頼性の高い小型、高容量の積層型電子部品を提供することである。
【0010】
本発明のいくつかの目的の一つは、生産性に優れ、かつ信頼性に優れた積層型電子部品の製造方法を提供することである。
【0011】
但し、本発明の目的は上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品は、複数の誘電体層及び上記誘電体層を挟んで第1方向に交互に配置される第1及び第2内部電極を含み、上記第1方向に対向する第1及び第2面、上記第1及び第2面と連結され、第2方向に対向する第3及び第4面、上記第1~第4面と連結され、第3方向に対向する第5及び第6面を含む本体と、上記第3面に配置され、上記第1内部電極と連結される第1外部電極と、上記第4面に配置され、上記第2内部電極と連結される第2外部電極とを含み、上記第1内部電極は、上記第4面と離隔して配置され、複数の第1導体部及び第1不連続部を含み、上記本体の第1及び第2方向の断面において、上記複数の第1導体部の中で厚み及び長さが80nm以上の第1導体部のうち上記第2外部電極に最も隣接した第1導体部から上記第1内部電極の内側に10μmまでの領域をE1、上記E1の長さのうち上記複数の第1導体部が占める長さの割合を第1内部電極末端の連結性とした時、第1内部電極末端の連結性の平均値は、60%以上であることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のいくつかの効果の一つは、内部電極末端の連結性を向上させて積層型電子部品の信頼性を向上させることである。
【0014】
本発明のいくつかの効果の一つは、内部電極末端の連結性を向上させて積層型電子部品の単位体積当たり容量を向上させることである。
【0015】
本発明のいくつかの効果の一つは、信頼性に優れた小型、高容量の積層型電子部品を提供することができる。
【0016】
本発明のいくつかの効果の一つは、信頼性に優れた積層型電子部品の大量生産が可能であり、製造時間を短縮させることができる。
【0017】
但し、本発明の多様でかつ有益な長所及び効果は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態に係る積層型電子部品の斜視図を概略的に示したものである。
【
図3】
図1のII-II'線に沿った断面図である。
【
図4】
図1の誘電体層及び内部電極が積層された本体を分解して概略的に示した分解斜視図である。
【
図7】内部電極の末端長さを説明するための模式図である。
【
図8】試験番号3の第1及び第2方向の断面において、第1内部電極の端部を工具顕微鏡を用いて10000倍率で観察したイメージ図である。
【
図9】試験番号10の第1及び第2方向の断面において、第1内部電極の端部を工具顕微鏡を用いて10000倍率で観察したイメージ図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る積層型電子部品の製造方法を概略的に示した図面である。
【
図12】リバースオフセット印刷(Reverse off-set printing)を説明するための模式図である。
【
図13】従来のリバースオフセット印刷(Reverse off-set printing)を説明するための模式図である。
【
図14】内部電極パターンが印刷されたセラミックグリーンシートを示したものである。
【
図15】本発明の製造方法によって内部電極パターンを印刷した場合、
図14の点線ラインに沿って内部電極パターンの厚みを測定したグラフである。
【
図16】グラビア印刷方法によって内部電極パターンを印刷した場合、
図14の点線ラインに沿って内部電極パターンの厚みを測定したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、具体的な実施形態及び添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。しかし、本発明の実施形態は、いくつかの他の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、通常の技術者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上の同一の符号で示される要素は同一の要素である。
【0020】
そして、図面において本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分は省略し、図面において示された各構成の大きさ及び厚みは説明の便宜のために任意で示したため、本発明が必ずしも図示によって限定されるものではない。また、同一思想の範囲内の機能が同一である構成要素は、同一の参照符号を付与して説明する。さらに、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」というのは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0021】
図面において、第1方向は厚み(T)方向、第2方向は長さ(L)方向、第3方向は幅方向(W)と定義することができる。
【0022】
積層型電子部品
図1は、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品の斜視図を概略的に示したものであり、
図2は、
図1のI-I'線に沿った断面図であり、
図3は、
図1のII-II'線に沿った断面図であり、
図4は、
図1の誘電体層及び内部電極が積層された本体を分解して概略的に示した分解斜視図であり、
図5は、
図2のP1領域を拡大した拡大図であり、
図6は、
図2のP2領域を拡大した拡大図である。
【0023】
以下、
図1~
図6を参照して本発明の一実施形態に係る積層型電子部品100について説明する。
【0024】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品は、複数の誘電体層111及び上記誘電体層を挟んで第1方向に交互に配置される第1及び第2内部電極121、122を含み、上記第1方向に対向する第1及び第2面1、2、上記第1及び第2面と連結され、第2方向に対向する第3及び第4面3、4、上記第1~第4面と連結され、第3方向に対向する第5及び第6面5、6を含む本体110と、上記第3面に配置され、上記第1内部電極と連結される第1外部電極131と、上記第4面に配置され、上記第2内部電極と連結される第2外部電極132とを含み、上記第1内部電極121は、上記第4面と離隔して配置され、複数の第1導体部121a及び第1不連続部121bを含み、上記第2内部電極122は、上記第3面と離隔して配置され、複数の第2導体部122a及び第2不連続部122bを含み、上記本体の第1及び第2方向の断面において、上記複数の第1導体部121aの中で厚み及び長さが80nm以上の第1導体部のうち上記第2外部電極に最も隣接した第1導体部121a-1から上記第1内部電極の内側に10μmまでの領域をE1、上記E1の長さのうち上記複数の第1導体部が占める長さの割合を第1内部電極末端の連結性CE1で定義する時、第1内部電極末端の連結性CE1の平均値は、60%以上であることができる。
【0025】
積層型電子部品の小型化及び高容量化のためには、内部電極及び誘電体層の厚みを薄く形成することができる技術が必要である。しかし、内部電極の厚みが薄くなるほど内部電極間の短絡、容量の低下、破壊電圧の低下などの問題点が発生し得る。特に、内部電極が薄くなるほど内部電極の平滑度が低下するおそれがあり、内部電極末端の連結性が低下するおそれがある。そこで、本発明では、内部電極末端の連結性を制御して内部電極間の短絡、容量の低下、破壊電圧の低下などの発生を抑制しようとする。
【0026】
以下、積層型電子部品100の各構成要素を詳しく説明する。
【0027】
本体110は、誘電体層111及び内部電極121、122が交互に積層されている。
【0028】
本体110の具体的な形状に特に制限はないが、図示のように、本体110は六面体状またはこれと類似した形状からなることができる。焼成過程で本体110に含まれたセラミック粉末の収縮により、本体110は完全な直線を有する六面体状ではないが、実質的に六面体状を有することができる。
【0029】
本体110は、第1方向に互いに対向する第1及び第2面1、2、上記第1及び第2面1、2と連結され、第2方向に互いに対向する第3及び第4面3、4、第1及び第2面1、2と連結され、第3及び第4面3、4と連結され、第3方向に互いに対向する第5及び第6面5、6を有することができる。
【0030】
本体110を形成する複数の誘電体層111は焼成された状態であり、隣接する誘電体層111間の境界は走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を利用せずには確認しにくいほど一体化することができる。
【0031】
本発明の一実施形態によると、上記誘電体層111を形成する原料は、十分な静電容量が得られる限り、特に制限されない。例えば、チタン酸バリウム系材料、鉛複合ペロブスカイト系材料またはチタン酸ストロンチウム系材料などを用いることができる。上記チタン酸バリウム系材料は、BaTiO3系セラミック粉末を含むことができ、上記セラミック粉末の例示として、BaTiO3、BaTiO3にCa(カルシウム)、Zr(ジルコニウム)などが一部固溶された(Ba1-xCax)TiO3(0<x<1)、Ba(Ti1-yCay)O3(0<y<1)、(Ba1-xCax)(Ti1-yZry)O3(0<x<1、0<y<1)またはBa(Ti1-yZry)O3(0<y<1)などが挙げられる。
【0032】
また、上記誘電体層111を形成する原料は、チタン酸バリウム(BaTiO3)などのパウダーに本発明の目的に応じて様々なセラミック添加剤、有機溶剤、結合剤、分散剤などが添加されることができる。
【0033】
一方、誘電体層111の平均厚み(td)は特に限定する必要はない。例えば、誘電体層111の平均厚み(td)は、0.2μm以上2μm以下であることができる。
【0034】
但し、一般的に誘電体層を0.6μm未満の厚みで薄く形成する場合、特に誘電体層の厚みが0.45μm以下の場合は、信頼性が低下するおそれがあった。
【0035】
本発明の一実施形態によると、内部電極末端の連結性が高いため、誘電体層111の平均厚みが0.45μm以下の場合にも優れた信頼性を確保することができる。よって、誘電体層111の平均厚みが0.45μm以下の場合に、本発明による信頼性の向上効果がより顕著になることができる。
【0036】
誘電体層111の平均厚み(td)は、上記第1及び第2内部電極121、122の間に配置される誘電体層111の平均厚みを意味することができる。
【0037】
誘電体層111の平均厚みは、本体110の長さ及び厚み方向(L-T)断面を1万倍率の走査電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)でイメージをスキャンして測定することができる。より具体的に、スキャンされたイメージにおいて、一つの誘電体層を長さ方向に等間隔である30個の地点でその厚みを測定して平均値を測定することができる。上記等間隔である30個の地点は、容量形成部Acで指定されることができる。また、このような平均値の測定を10個の誘電体層に拡張して平均値を測定すれば、誘電体層の平均厚みをさらに一般化することができる。
【0038】
本体110は、複数の誘電体層111及び誘電体層111を挟んで第1方向に対向するように配置される複数の内部電極121、122を含むことができる。
【0039】
本体110は、本体110の内部に配置され、誘電体層111を挟んで第1方向に対向するように配置される複数の内部電極121、122を含む容量形成部Acと、上記容量形成部Acの第1方向の両端面に配置されるカバー部112、113を含むことができる。
【0040】
また、容量形成部Acは、キャパシタの容量形成に寄与する部分であり、誘電体層111を挟んで複数の第1及び第2内部電極121、122を繰り返して積層して形成されることができる。また、容量形成部Acは、複数の内部電極121、122がオーバーラップされた領域を意味することができる。
図2を参照すると、容量形成部Acは、第1方向の最上部に配置された内部電極から第1方向の最下部に配置された内部電極までの空間を意味することができ、第1内部電極121及び第2内部電極122のいずれか一つのみが配置され、第1内部電極と第2内部電極がオーバーラップされていない領域である第2方向マージン部は除外することができる。
【0041】
カバー部112、113は、上記容量形成部Acの第1方向の上面に配置される上部カバー部112、及び上記容量形成部Acの第1方向の下面に配置される下部カバー部113を含むことができる。
【0042】
上記上部カバー部112及び下部カバー部113は、単一誘電体層または2個以上の誘電体層を容量形成部Acの上下面にそれぞれ厚み方向に積層して形成することができ、基本的に物理的または化学的ストレスによる内部電極の損傷を防止する役割をすることができる。
【0043】
上記上部カバー部112及び下部カバー部113は内部電極を含まず、誘電体層111と同一の材料を含むことができる。
【0044】
即ち、上記上部カバー部112及び下部カバー部113はセラミック材料を含むことができ、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO3)系セラミック材料を含むことができる。
【0045】
一方、カバー部112、113の平均厚みは、特に限定する必要はない。但し、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成するために、カバー部112、113の平均厚みは15μm以下であることができる。カバー部112、113の平均厚みは第1方向大きさを意味することができ、容量形成部Acの上部または下部で等間隔の5個地点で測定したカバー部112、113の第1方向大きさを平均した値であることができる。
【0046】
また、上記容量形成部Acの側面にはマージン部114、115が配置されることができる。
【0047】
マージン部114、115は、本体110の第5面5に配置されたマージン部114と第6面6に配置されたマージン部115を含むことができる。すなわち、マージン部114、115は、上記セラミック本体110の幅方向の両側面に配置されることができる。
【0048】
マージン部114、115は、
図3に示すように、上記本体110を幅-厚み(W-T)方向に切った断面において、第1及び第2内部電極121、122の両末端と本体110の境界面間の領域を意味することができる。
【0049】
マージン部114、115は、基本的に物理的または化学的ストレスによる内部電極の損傷を防止する役割をすることができる。
【0050】
マージン部114、115は、セラミックグリーンシート上にマージン部が形成される場所を除いて導電性ペーストを塗布して内部電極を形成することで形成されたものであることができる。
【0051】
また、内部電極121、122による段差を抑制するために、積層後に内部電極が本体の第5及び第6面5、6に露出するように切断した後、単一誘電体層または2個以上の誘電体層を容量形成部Acの両側面に幅方向に積層してマージン部114、115を形成することもできる。
【0052】
内部電極121、122は、誘電体層111と交互に積層されることができる。
【0053】
内部電極121、122は、互いに異なる極性を有する第1内部電極121及び第2内部電極122を含むことができ、第1及び第2内部電極121、122は、誘電体層111を挟んで第1方向に交互に配置されることができる。
【0054】
図2を参照すると、第1内部電極121は、本体110の第4面4と離隔し第3面3を通じて露出し、第2内部電極122は、本体110の第3面3と離隔し第4面4を通じて露出することができる。本体110の第3面3及び第4面4には外部電極131、132が配置され、内部電極121、122と連結されることができる。
【0055】
この時、第1及び第2内部電極121、122は、中間に配置された誘電体層111によって互いに電気的に分離することができる。
【0056】
図4を参照すると、本体110は、第1内部電極121が印刷されたセラミックグリーンシートと第2内部電極122が印刷されたセラミックグリーンシートとを交互に積層した後、焼成して形成することができる。
【0057】
内部電極121、122は、高容量の積層型電子部品を実現するために400層以上積層されることができるが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0058】
第1内部電極121は、第4面と離隔して配置され、複数の第1導体部121a及び第1不連続部121bを含み、第2内部電極122は、第3面3と離隔して配置され、複数の第2導体部122a及び第2不連続部122bを含むことができる。
【0059】
焼結過程において、内部電極と誘電体層の焼結挙動が異なることにより、内部電極の凝集や切れが発生し得る。そこで、内部電極121、122を厚み方向に切断した断面を観察する時、内部電極121、122は導体部121a、122aのみからなるものと観察されないことがあり、導体部121a、122aの間に不連続部121b、122bが配置されることができる。導体部121a、122bはその大きさが多様であることができる。導体部121a、122aの間に不連続部121b、122bが配置されることにより、複数の導体部121a、122aの長さは互いに異なることができ、導体部121a、122aの厚みも内部電極の凝集、内部電極パターンの厚み差などによって互いに異なることができる。ここで導体部121a、122aの長さは導体部の第2方向大きさを意味することができ、導体部121a、122aの厚みは導体部の第1方向大きさを意味することができる。
【0060】
内部電極121、122内に不連続部121b、122bが多い場合、容量が低下し信頼性が低下するおそれがある。特に、内部電極の中央部より内部電極末端にこのような不連続部が発生する確率が高く、内部電極の厚みが薄くなるほどこのような傾向が増加し得る。
【0061】
本発明の一実施形態によると、内部電極末端の連結性CE1を60%以上とすることで、積層型電子部品の単位体積当たり容量が向上し、内部電極間の短絡及び破壊電圧の低下などの発生を抑制することができる。
【0062】
図2及び
図5を参照すると、本体の第1及び第2方向の断面において、複数の第1導体部121aの中で厚み及び長さが80nm以上の第1導体部のうち第2外部電極132に最も隣接した第1導体部121a-1から第1内部電極の内側に10μmまでの領域をE1、上記E1の長さのうち上記複数の第1導体部121aが占める長さの割合を第1内部電極末端の連結性CE1ということができる。
図5において、E1の長さはbであり、E1領域に配置された第1導体部の長さであるa1、a2、a3、a4を合わせた値はaであるため、第1内部電極末端の連結性CE1は、a/b×100(%)で計算することができる。上記厚み及び長さが80nm以上の第1導体部のうち第2外部電極132に最も隣接した第1導体部121a-1より第2外部電極に近く配置される厚み及び長さが80nm未満の第1導体部121a'は、E1領域で排除されることができる。
【0063】
第1内部電極末端の連結性CE1が低下する原因は、内部電極パターンの厚みが不均一であることによるものであることができる。よって、第1内部電極末端の連結性CE1の平均値を60%以上に確保するためには、セラミックグリーンシートに印刷された内部電極パターンの表面を均一でかつ平滑に形成することが重要であることができる。内部電極パターンの表面を均一でかつ平滑に形成する方法は、特に制限する必要はないが、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品をより容易に製造することができ、製造時間を短縮し大量で生産可能にするためには、後述する本発明の一実施形態に係る製造方法によって積層型電子部品を製造することができる。
【0064】
この時、本体の第1及び第2方向の断面は、本体の第3方向の中央で第1及び第2方向に切断した断面を意味することができる。
【0065】
また、第1内部電極の末端連結性の平均値は、上記本体の第1及び第2方向の断面において上記本体を第1方向に3等分した領域のうち中央に配置された5個~7個の第1内部電極で測定した値を平均したものであることができる。
【0066】
一実施形態において、上記E1と第1方向に対向して配置された上記第2内部電極の領域をF1、上記E1に含まれた第1導体部121aの面積をE1s、上記F1に含まれた第2導体部122aの面積をF1sとした時、E1s/F1s×100の平均値は、84以上に確保して積層型電子部品の単位体積当たり容量及び信頼性を向上させることができる。
【0067】
E1s/F1s×100の平均値の上限は特に限定する必要はなく、100に近接するほど単位体積当たり容量及び信頼性を最大化することができる。
【0068】
この時、上記E1s/F1s×100の平均値は、上記本体の第1及び第2方向の断面において、上記本体を第1方向に3等分した領域のうち中央に配置された5対~7対の第1及び第2内部電極で測定した値を平均したものであることができる。
【0069】
一実施形態において、複数の第1導体部121aの中で厚み及び長さが80nm以上の第1導体部のうち上記第2外部電極に最も隣接した第1導体部121a-1から、複数の第1導体部121aの中で長さが厚みの2倍以上の第1導体部のうち上記第2外部電極に最も隣接した第1導体部121a-2までの長さを第1内部電極の末端長さLE1と定義する時、上記第1内部電極の末端長さLE1の平均値は、4.2μm以下であることができる。第1内部電極の末端長さLE1が短いほど積層型電子部品の単位体積当たり容量及び信頼性の確保に有利であるため、その下限は特に限定する必要はなく、0に近接するほど単位体積当たり容量及び信頼性を最大化することができる。
【0070】
この時、上記第1内部電極の末端長さの平均値は、上記本体の第1及び第2方向の断面において、上記本体を第1方向に3等分した領域のうち中央に配置された5個~7個の第1内部電極で測定した値を平均したものであることができる。
【0071】
第1内部電極の末端長さLE1を説明するための模式図である
図7を参照すると、Case 1は、第2外部電極132に最も隣接した第1導体部121a-1の厚み及び長さが80nm以上の場合であって、第2外部電極132に最も隣接した第1導体部121a-1を開始点として長さが厚みの2倍以上の第1導体部121a-2までの距離を第1内部電極の末端長さLE1とすることができる。
【0072】
図7のCase 2は、第2外部電極132に最も隣接した第1導体部121a'の厚み及び長さが80nm未満の場合であって、第2外部電極132に最も隣接した厚み及び長さが80nm未満の第1導体部121a'は測定から除き、厚み及び長さが80nm以上の第1導体部のうち第2外部電極132に最も隣接した第1導体部121a-1を開始点として長さが厚みの2倍以上の第1導体部121a-2までの距離を第1内部電極の末端長さLE1とすることができる。
【0073】
図7のCase 3は、第2外部電極132に最も隣接した第1導体部121a-1、121a-2の厚み及び長さが80nm以上で、長さが厚みの2倍以上の場合であって、第1内部電極の末端長さLE1の開始点と終了点が同一であり第1内部電極の末端長さLE1は0μmである。
【0074】
以下、上述した第1内部電極末端の連結性CE1、E1s/F1s×100及び第1内部電極の末端長さLE1を測定するための具体的な例を説明する。
【0075】
まず、積層型電子部品100を第3方向にポリッシングして第1及び第2方向の断面を露出させる。この時、一つの第1及び第2方向の断面のみにおいて、第1内部電極末端の連結性CE1、E1s/F1s×100及び第1内部電極の末端長さLE1を測定する場合、第3方向の中央までポリッシングを行うことができる。
【0076】
上記第1及び第2方向の断面において、本体を第1方向に3等分した領域のうち中央に配置された内部電極の端部を工具顕微鏡を用いて10000倍率で観察したイメージ(横27.64μm、縦19.18μm)を得た後、上記イメージにおいて5個~7個の第1内部電極を分析して第1内部電極末端の連結性CE1の平均値及び第1内部電極の末端長さLE1の平均値を求めることができる。また、上記イメージにおいて5対~7対の第1及び第2内部電極を分析することで、E1s/F1s×100の平均値を求めることができる。
【0077】
一方、CE1の平均値、E1s/F1s×100の平均値及びLE1の平均値のより一般的な値を得るためには、3個の第1及び第2方向の断面においてそれぞれCE1の平均値、E1s/F1s×100の平均値及びLE1の平均値を求めた後、その値を平均することができる。この場合、積層型電子部品100を第3方向に1/3、1/2、2/3地点まで順次にポリッシングを行い各地点で得た3個の第1及び第2断面を観察することができる。
【0078】
下記表1は、CE1の平均値の変化によるBDV割合を評価して記載したものである。
【0079】
表1において、BDV(破壊電圧、Breakdown voltage)の割合は、各試験番号当たり100個のサンプルチップを準備した後、電圧を上昇させながらサンプルチップに短絡が発生する電圧をBDVとして100個のサンプルに対するBDV平均値を求めた。試験番号1のBDV平均値を基準値(100%)として、試験番号2~7の平均BDV値の割合をBDV割合として記載した。
【0080】
【0081】
CE1の平均値が60.0%以上の試験番号1~5は、BDV割合が良好なことを確認することができる。
【0082】
一方、CE1の平均値が60.0%未満の試験番号6及び7は、BDV割合が劣等なことを確認することができる。
【0083】
図8は、試験番号2の第1及び第2方向の断面において、第1内部電極の端部を工具顕微鏡を用いて10000倍率で観察したイメージ(横27.64μm、縦19.18μm)であり、
図9は、試験番号6の第1及び第2方向の断面において、第1内部電極の端部を工具顕微鏡を用いて10000倍率で観察したイメージ(横27.64μm、縦19.18μm)である。試験番号2の場合、内部電極パターンを後述する本発明によるリバースオフセット印刷を用いて印刷し、試験番号6の場合、内部電極パターンをグラビア印刷方法を用いて印刷したものである。
【0084】
表1の具体的な測定値を参照しなくとも、試験番号6に比べて試験番号2の第1内部電極末端の連結性CE1が顕著に高いことを
図8及び
図9のイメージから確認することができる。
【0085】
また、内部電極パターンEP'が印刷されたセラミックグリーンシートGSを上部から見た図面である
図14、及び本発明の製造方法で内部電極パターンEP'を印刷した場合、
図14の点線ラインLdに沿って内部電極パターンの厚みを測定したグラフである
図15を参照すると、内部電極パターンEP'の最大厚みと最小厚みの差が0.1μm以下と、厚みが非常に均一なことを確認することができる。
【0086】
一方、グラビア印刷方法で内部電極パターンを印刷した場合、
図14の点線ラインLdに沿って内部電極パターンの厚みを測定したグラフである
図16を参照すると、内部電極パターンの端部が中央部より厚くなるというサドル(saddle)現象が発生し、内部電極パターンの最大厚みと最小厚みの差が0.2μm以上と、内部電極パターンの厚みが不均一なことを確認することができる。
【0087】
したがって、第1内部電極末端の連結性CE1を高く確保するためには、セラミックグリーンシートに印刷された内部電極パターンの表面を均一でかつ平滑に形成することが重要なことを確認することができる。
【0088】
一方、第1内部電極121だけでなく、第2内部電極122も上述した条件を満たすことができる。
【0089】
図6を参照すると、複数の第2導体部122aの中で厚み及び長さが80nm以上の第2導体部のうち上記第1外部電極に最も隣接した第2導体部122a-1から上記第2内部電極の内側に10μmまでの領域をE2、上記E2の長さのうち上記複数の第2導体部が占める長さの割合を第2内部電極末端の連結性CE2と定義する時、第2内部電極末端の連結性CE2の平均値は、60%以上であることができる。
【0090】
また、上記E2と第1方向に対向して配置された上記第1内部電極の領域をF2、上記E2に含まれた第2導体部の面積をE2s、上記F2に含まれた第2導体部の面積をF2sとした時、E2s/F2s×100の平均値は84以上であることができる。
【0091】
また、上記複数の第2導体部122aの中で上記第1外部電極に最も隣接し厚み及び長さが80nm以上の第2導体部122a-1から上記第1外部電極に最も隣接し長さが厚みの2倍以上の第2導体部122a-2までの長さを第2内部電極の末端長さLE2と定義する時、上記第2内部電極の末端長さLE2の平均値は、4.2μm以下であることができる。
【0092】
一実施形態において、第1内部電極121の長さのうち第1導体部121aが占める長さの割合を第1内部電極の連結性とした時、第1内部電極の連結性の平均値は、80%以上であることができる。第1内部電極の連結性が80%未満の場合、信頼性が低下し、容量が低下するおそれがある。
【0093】
一般的に内部電極の中央部より内部電極末端に不連続部が発生する確率が高いため、本発明の一実施形態によって第1内部電極末端の連結性CE1を60%以上に確保する場合、第1内部電極の連結性を80%以上に確保することができる。
【0094】
また、第2内部電極122の長さのうち第2導体部122aが占める長さの割合を第2内部電極の連結性とした時、第2内部電極の連結性の平均値は、80%以上であることができる。
【0095】
第1内部電極の連結性の平均値及び第2内部電極の連結性の平均値は、積層型電子部品100の第1及び第2方向の断面において、容量形成部Acのうち任意の4個の領域を工具顕微鏡を用いて10000倍率で観察して測定した後、その値を平均した値であることができる。
【0096】
一実施形態において、第1及び第2不連続部121b、122bは、気孔(pore)及び誘電体のうち一つ以上を含むことができる。
図8を参照すると、内部電極の不連続部のうち黒色で観察される部分は気孔と判断することができ、誘電体層と同一の色相で観察される部分は誘電体と判断することができる。不連続部に配置された誘電体は、誘電体層と誘電体層とを連結する架橋役割をすることができる。
【0097】
一方、内部電極121、122を形成する材料は特に制限されず、電気伝導性に優れた材料を使用することができる。例えば、内部電極121、122は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びこれらの合金のうち一つ以上を含むことができる。
【0098】
また、内部電極121、122は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びこれらの合金のうち一つ以上を含む内部電極用導電性ペーストをセラミックグリーンシートに印刷して形成することができる。上記内部電極用導電性ペーストの印刷方法は、スクリーン印刷法またはグラビア印刷法などを使用することができ、本発明がこれに限定されるものではない。
【0099】
また、内部電極121、122の平均厚み(te)は特に限定する必要はない。例えば、内部電極121、122の平均厚み(te)は、0.2μm以上2μm以下であることができる。
【0100】
但し、一般的に内部電極を0.6μm未満の厚みで薄く形成する場合、特に内部電極の厚みが0.4μm以下の場合は信頼性が低下するおそれがあった。
【0101】
本発明の一実施形態によると、内部電極末端の連結性が高いため、内部電極121、122の平均厚みが0.4μm以下の場合にも優れた信頼性を確保することができる。
【0102】
したがって、内部電極121、122の厚みが平均0.4μm以下の場合に本発明による効果がより顕著になることができ、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成することができる。よって、内部電極121、122の平均厚み(te)は、0.4μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.35μm以下であることができる。
【0103】
上記内部電極121、122の平均厚み(te)は、内部電極121、122の平均厚みを意味することができる。
【0104】
内部電極121、122の平均厚みは、本体110の長さ及び厚み方向(L-T)断面を1万倍率の走査電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)でイメージをスキャンして測定することができる。より具体的に、スキャンされたイメージにおいて、一つの内部電極を長さ方向に等間隔である30個の地点でその厚みを測定して平均値を測定することができる。上記等間隔である30個の地点は、容量形成部Acで指定されることができる。また、このような平均値の測定を10個の内部電極に拡張して平均値を測定すれば、内部電極の平均厚みをさらに一般化することができる。
【0105】
外部電極131、132は、本体110の第3面3及び第4面4に配置されることができる。
【0106】
外部電極131、132は、本体110の第3及び第4面3、4にそれぞれ配置され、第1及び第2内部電極121、122とそれぞれ連結された第1及び第2外部電極131、132を含むことができる。
【0107】
本実施形態ではセラミック電子部品100が2個の外部電極131、132を有する構造を説明しているが、外部電極131、132の個数や形状などは内部電極121、122の形態やその他の目的に応じて変わることができる。
【0108】
一方、外部電極131、132は、金属などのように電気伝導性を有するものであれば、ある物質を用いて形成されることができ、電気的特性、構造的安定性などを考慮して具体的な物質が決められることができ、さらに多層構造を有することができる。
【0109】
例えば、外部電極131、132は、本体110に配置される電極層131a、132a及び電極層131a、132a上に形成されためっき層131b、132bを含むことができる。
【0110】
電極層131a、132aに対するより具体的な例を挙げると、電極層131a、132aは、導電性金属及びガラスを含む焼成(firing)電極であるか、導電性金属及び樹脂を含む樹脂系電極であることができる。
【0111】
また、電極層131a、132aは、本体上に焼成電極及び樹脂系電極が順次に形成された形態であることができる。また、電極層131a、132aは、本体上に導電性金属を含むシートを転写する方式で形成されるか、焼成電極上に導電性金属を含むシートを転写する方式で形成されたものであることができる。
【0112】
また、電極層131a、132aは、原子層蒸着(Atomic Layer Deposition、ALD)工法、分子層蒸着(Molecular Layer Deposition、MLD)工法、化学気相蒸着(Chemical Vapor Deposition、CVD)工法、スパッタリング(Sputtering)工法などを利用して形成されることもできる。
【0113】
電極層131a、132aに使用される導電性金属は、静電容量を形成するために上記内部電極と電気的に連結されることができる材質であれば特に制限されず、例えば、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びこれらの合金からなる群から選択された一つ以上を含むことができる。
【0114】
めっき層131b、132bは、実装特性を向上させる役割をする。めっき層131b、132bの種類は特に限定せず、Ni、Sn、Pd及びこれらの合金のうち一つ以上を含むめっき層であることができ、複数の層で形成されることができる。
【0115】
めっき層131b、132bに対するより具体的な例を挙げると、めっき層131b、132bは、Niめっき層またはSnめっき層であることができ、電極層131a、132a上にNiめっき層及びSnめっき層が順次に形成された形態であることができ、Snめっき層、Niめっき層及びSnめっき層が順次に形成された形態であることができる。また、めっき層131b、132bは、複数のNiめっき層及び/または複数のSnめっき層を含むこともできる。
【0116】
積層型電子部品100のサイズは特に限定する必要はない。
【0117】
但し、小型化及び高容量化を同時に達成するためには、誘電体層及び内部電極の厚みを薄くして積層数を増加させる必要があるため、0603(長さ×幅、0.6mm×0.3mm)以下のサイズを有する積層型電子部品100において本発明による信頼性及び破壊電圧の向上効果がより顕著になることができる。
【0118】
したがって、製造誤差、外部電極の大きさなどを考慮すると、積層型電子部品100の長さが0.66mm以下で、幅が0.33mm以下の場合、本発明による信頼性の向上効果がより顕著になることができる。ここで、積層型電子部品100の長さは、積層型電子部品100の第2方向の最大大きさを意味し、積層型電子部品100の幅は、積層型電子部品100の第3方向の最大大きさを意味することができる。
【0119】
積層型電子部品の製造方法
上述した本発明の一実施形態に係る積層型電子部品をより容易に製造することができ、製造時間を短縮することができ、大量で生産することができる製造方法について説明する。
【0120】
但し、上述した本発明の一実施形態に係る積層型電子部品を製造するための製造方法が後述する製造方法に制限されるものではないことに留意する必要がある。
【0121】
図10は、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品の製造方法を概略的に示した図面であり、
図11は、
図10の一部を拡大して示した図面であり、
図12は、リバースオフセット印刷(Reverse off-set printing)を説明するための模式図であり、
図13は、従来のリバースオフセット印刷(Reverse off-set printing)を説明するための模式図である。
【0122】
図10~13を参照して、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品の製造方法について詳しく説明する。
【0123】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品の製造方法は、連続的に供給されるシートBSに内部電極用ペーストEPを塗布する段階と、上記シートに塗布された内部電極用ペーストの一部を除去して内部電極パターンEP'を形成する段階と、上記内部電極パターンEP'を連続的に供給されるセラミックグリーンシートGSに転写してセラミックグリーンシート上に内部電極パターンEP'を印刷する段階と、上記内部電極パターンEP'が印刷されたセラミックグリーンシートGSを積層して積層体を形成する段階と、上記積層体を切断して単位積層体を得る段階と、上記単位積層体を焼結して本体を得る段階と、上記本体に外部電極を形成して積層型電子部品を得る段階とを含むことができる。
【0124】
セラミックグリーンシートに内部電極パターンを印刷する方法には、グラビア印刷、スクリーン印刷、リバースオフセット印刷などがある。
【0125】
図12は、リバースオフセット印刷を説明するための模式図である。
図12を参照すると、リバースオフセット印刷は、ブランケットシートBSの全面に内部電極用ペーストEPを塗布することができる。以後、クリシエロール30で塗布された内部電極用ペーストEPの一部を除去して内部電極パターンEP'を形成することができる。以後、内部電極パターンEP'をセラミックグリーンシートGSに転写してセラミックグリーンシート上に内部電極パターンEP'を印刷することができる。
【0126】
リバースオフセット印刷は、グラビア印刷及びスクリーン印刷と異なり、メッシュマスク(mesh mask)や網点のある設計デザインを使用せず、ブランケットシートBSの全面に内部電極用ペーストEPを塗布するため、ペーストを均一でかつ平滑に塗布することが有利な長所がある。
【0127】
但し、従来のリバースオフセット印刷(Reverse off-set printing)を説明するための模式図である
図13を参照すると、従来のリバースオフセット印刷は、円形のブランケットロール10'にブランケットシートBS'を巻き、ブランケットシートBS'の表面に内部電極用ペーストEPをドーピングした後、クリシエロール30'を用いて内部電極パターンEP'を形成した後、ブランケットシートBS'の表面の内部電極パターンEP'をセラミックグリーンシートGSに転写する方式で、連続印刷ではなく断続印刷方式を適用していた。
【0128】
かかる従来のリバースオフセット印刷は、低速印刷に適合した構造で、高速印刷には不適合であり、製造時間が増加して生産性が低下するという問題点があった。
【0129】
また、従来のリバースオフセット印刷は、円形のブランケットロール10'に巻かれたブランケットシートBS'を繰り返して再使用するという方式で、ブランケットシートBS'の表面の特性が変化する可能性があり、ブランケットシートBS'の表面の状態が一定でなく、内部電極パターンEP'の均一性及び平滑性が低下するおそれが存在した。具体的に繰り返した再使用によりブランケットシートBS'の表面に異物が発生する確率が持続的に増加し、内部電極用ペーストEPが残留して内部電極パターンEP'の均一性及び平滑性が低下するおそれが存在した。また、ブランケットシートは、内部電極用ペーストEPの溶剤を吸収することにより、内部電極用ペーストEPが乾燥した状態で転写されるようにする役割をすることができるが、繰り返した再使用によりこのような効果が徐々に減るという問題点があった。
【0130】
一方、本発明の一実施形態に係る製造方法によると、シートBSを連続的に供給することにより、シートBSを再使用しないため、上述した従来のリバースオフセット印刷の問題点を解決することができる。即ち、本発明の一実施形態に係る製造方法によると、高速印刷が可能であり、シートBSの表面の特性を一定に維持することができ、内部電極パターンの均一性及び平滑性を向上させることができる。また、シートBSが内部電極用ペーストEPの溶剤を吸収することにより、内部電極用ペーストEPが乾燥した状態で転写されるようにする役割をすることができ、別途の乾燥工程がなくとも内部電極用ペーストEPの流動性を最小化して内部電極パターンEPの均一性及び平滑性を向上させることができる。
【0131】
以下、本発明の一実施形態に係る製造方法を各段階別に説明する。
【0132】
内部電極用ペーストの塗布段階
連続的に供給されるシートBSに内部電極用ペーストEPを塗布する。本発明によると、シートBSが連続的に供給されるため高速印刷が可能であり、シートBSの表面の特性を一定に維持することができ、内部電極パターンEP'の均一性及び平滑性を向上させることができる。また、シートBSが内部電極用ペーストEPの溶剤を吸収することにより、内部電極用ペーストEPが乾燥した状態で転写されるようにする役割をすることができ、別途の乾燥工程がなくとも内部電極用ペーストEPの流動性を最小化して内部電極パターンEP'の均一性及び平滑性を向上させることができる。
【0133】
シートBSを連続的に供給する方法は、特に限定する必要はない。一実施形態において、シートBSは、シートが巻かれたロール11からシートを巻き戻すロール12に移動することで連続的に供給されることができる。シートBSが巻かれたロール11からシートBSを巻き戻すロール12に移動する中間領域には、移動ロール80が配置されてシートBSが安定的に供給されるようにすることができる。
【0134】
この時、シートBSはブランケットシートであることができる。ブランケットシートの種類は特に限定する必要はなく、従来の一般的に使用される材質のブランケットシートを利用することができる。
【0135】
内部電極用ペーストEPを塗布する方法は特に限定しない。例えば、ダイコーター20を用いて内部電極用ペーストEPを塗布することができる。ダイコーター20は、スリットを通じてシートに塗布することができ、ダイコーター20とシートBS間の距離を調節することで、シートBSに塗布される内部電極用ペーストEPの厚みを調節することができる。
【0136】
内部電極パターンの形成段階
以後、シートBSに塗布された内部電極用ペーストの一部を除去して内部電極パターンEP'を形成することができる。
【0137】
この時、クリシエロール30を用いてシートに塗布された内部電極用ペーストの一部を除去して内部電極パターンEP'を形成することができる。
【0138】
クリシエロール30は、内部電極パターンEP'に対応する凹部を有することができ、除去する領域に対応する凸部を有することができる。
【0139】
内部電極用ペーストEPが塗布されたブランケットシートBSがクリシエロール30とブランケットロール10との間を通過し、クリシエロール30は、ブランケットロール10が回転する方向と反対方向に回転して圧力をかけることで、クリシエロール30の凸部に内部電極用ペーストEPの一部を付着して除去することにより内部電極パターンEP'を形成することができる。
【0140】
クリシエロール30の両側面には洗浄手段40と乾燥手段50が配置されることができ、洗浄手段40によりクリシエロール30の凸部に付着した内部電極用ペーストを除去し、乾燥手段50により洗浄されたクリシエロールを乾燥することができる。
【0141】
内部電極パターンの印刷段階
以後、シートBS上の内部電極パターンEP'を連続的に供給されるセラミックグリーンシートGSに転写して、セラミックグリーンシートGS上に内部電極パターンEP'を印刷することができる。
【0142】
セラミックグリーンシートGSは、セラミックグリーンシートGSが巻かれたロール61からセラミックグリーンシートGSを巻き戻すロール62に移動することで連続的に供給されることができる。セラミックグリーンシートが巻かれたロール61からセラミックグリーンシートを巻き戻すロール62に移動する中間領域には移動ロールが配置され、セラミックグリーンシートGSが安定的に供給されるようにすることができる。セラミックグリーンシートGSは、ベースフィルム64上に配置されることができる。
【0143】
内部電極パターンEP'が配置されたシートBSがブランケットロール13と圧動ロール63との間を通過し、圧動ロール63は、ブランケットロール10が回転する方向と反対方向に回転して圧力をかけることで、セラミックグリーンシートGS上に内部電極パターンEP'が転写されることができる。
【0144】
以後、内部電極パターンEP'が印刷されたセラミックグリーンシートGSは、乾燥装置70を通過して乾燥することができる。
【0145】
一実施形態において、内部電極パターンEPの厚偏差は0.1μm以下であることができる。内部電極パターンEP'の厚偏差を0.1μm以下にすることで、平滑度に優れた内部電極を形成することができ、容量形成部の段差を抑制することができる。
【0146】
内部電極パターンEP'が印刷されたセラミックグリーンシートGSを上部から見た図面である
図14、及び本発明の製造方法で内部電極パターンEP'を印刷した場合、
図14の点線ラインLdに沿って内部電極パターンの厚みを測定したグラフである
図15を参照すると、内部電極パターンEP'の最大厚みと最小厚みの差が0.1μm以下と、厚みが非常に均一であることを確認することができる。
【0147】
一方、グラビア印刷方法で内部電極パターンを印刷した場合、
図14の点線ラインLdに沿って内部電極パターンの厚みを測定したグラフである
図16を参照すると、内部電極パターンの端部が中央部より厚くなるというサドル(saddle)現象が発生し、内部電極パターンの最大厚みと最小厚みの差が0.2μm以上と、内部電極パターンの厚みが不均一であることを確認することができる。
【0148】
内部電極パターンEP'の平均厚みは特に限定する必要はなく、得ようとする内部電極の厚みを考慮して決定することができる。
【0149】
但し、一般的に内部電極を0.6μm未満の厚みで薄く形成する場合、特に内部電極の厚みが0.4μm以下の場合は信頼性が低下するおそれがあった。
【0150】
本発明の一実施形態によると、内部電極パターンEP'の厚みが均一でかつ平滑度に優れるため、内部電極末端の連結性を高く確保することができ、焼結後の内部電極の平均厚みが0.4μm以下の場合も優れた信頼性を確保することができる。
【0151】
したがって、内部電極パターンEP'の平均厚みを制御して焼結後の内部電極の平均厚みが0.4μm以下の場合に、本発明による効果がより顕著になることができ、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成することができる。
【0152】
セラミックグリーンシートGSの平均厚みも特に限定する必要はなく、得ようとする誘電体層の厚みを考慮して決定することができる。
【0153】
但し、本発明の一実施形態によると、内部電極パターンEPの厚みが均一でかつ平滑度に優れるため、内部電極末端の連結性を高く確保することができ、誘電体層の平均厚みが0.45μm以下の場合も優れた信頼性を確保することができる。
【0154】
したがって、セラミックグリーンシートGSの平均厚みを制御して焼結後の誘電体層111の平均厚みが0.45μm以下の場合に、本発明による効果がより顕著になることができ、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成することができる。
【0155】
本体の形成段階
以後、内部電極パターンEP'が印刷されたセラミックグリーンシートGSを積層して積層体を形成することができる。積層体を積層方向(第1方向)から加圧して、圧着させることができる。
【0156】
以後、上記積層体を1個の積層型電子部品の本体に対応するサイズで切断して単位積層体を得ることができる。この時、内部電極パターンの一端が第2方向の両端面(end surface)を通じて交互に露出するように切断することができる。
【0157】
以後、上記単位積層体を焼結して本体110を得ることができる。
【0158】
外部電極の形成段階
以後、上記本体に外部電極を形成して積層型電子部品を製造することができる。
【0159】
外部電極を形成する方法は特に限定せず、導電性金属及びガラスを含むペーストにディブピングする方法を利用することができ、導電性金属を含むシートを転写する方式で形成されることもできる。また、導電性金属及び樹脂を含むペーストを利用するか、原子層蒸着(Atomic Layer Deposition、ALD)工法、分子層蒸着(Molecular Layer Deposition、MLD)工法、化学気相蒸着(Chemical Vapor Deposition、CVD)工法、スパッタリング(Sputtering)工法などを利用して外部電極を形成することもできる。また、めっき工程をさらに行い外部電極がめっき層を含むようにすることができる。
【0160】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態及び添付の図面によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって限定される。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で、当技術分野における通常の知識を有する者によって多様な形態の置換、変形、及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属するといえる。
【0161】
また、本発明で使用された「一実施形態」という表現は、互いに同一の実施形態を意味せず、それぞれ互いに異なる固有な特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかし、上記提示された一実施形態は、他の一実施形態の特徴と結合して実現されることを排除しない。例えば、特定の一実施形態において説明された事項が他の一実施形態で説明されていないとしても、他の一実施形態でその事項と反対するか矛盾する説明がない限り、他の一実施形態に係わる説明であると理解されることができる。
【0162】
本発明で使用された用語は、単に一実施形態を説明するために使用されたもので、本発明を限定しようとする意図ではない。この時、単数の表現は文脈上明らかに異なって意味しない限り、複数の表現を含む。
【符号の説明】
【0163】
100:積層型電子部品
110:本体
111:誘電体層
121、122:内部電極
121a、122a:導体部
121b、122b:不連続部
Ac:容量形成部
112、113:カバー部
114、115:マージン部
131、132:外部電極