(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181188
(43)【公開日】2022-12-07
(54)【発明の名称】UVC LED除菌装置
(51)【国際特許分類】
A61L 9/20 20060101AFI20221130BHJP
【FI】
A61L9/20
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022082782
(22)【出願日】2022-05-20
(31)【優先権主張番号】17/329,595
(32)【優先日】2021-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/468,226
(32)【優先日】2021-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520385490
【氏名又は名称】▲呉▼ 伯仁
【氏名又は名称原語表記】Bor-Jen Wu
【住所又は居所原語表記】7F.-2, No.378,Sec.1, Wenhua 2nd Rd., Linkou Dist., New Taipei City, Taiwan, 24448
(71)【出願人】
【識別番号】520385504
【氏名又は名称】曾 家彬
【氏名又は名称原語表記】Chia-Bin Tsen
【住所又は居所原語表記】No.14, Ln.405, Sec.2, Yonghe Rd., Yonghe Dist., New Taipei City, Taiwan, 23444
(71)【出願人】
【識別番号】522200432
【氏名又は名称】王 友延
【氏名又は名称原語表記】Yu-Yen Wang
【住所又は居所原語表記】No.13, Ln.668, Longxing Rd., Zhongli Dist., Taoyuan City, Taiwan, 320073
(71)【出願人】
【識別番号】522200454
【氏名又は名称】許 惠▲ち▼
【氏名又は名称原語表記】Hui-Chi Hsu
【住所又は居所原語表記】No.14, Ln.405, Sec.2, Yonghe Rd., Yonghe Dist., New Taipei City, Taiwan, 234022
(71)【出願人】
【識別番号】522200465
【氏名又は名称】蔡 賢信
【氏名又は名称原語表記】Hsien-Hsin Tsai
【住所又は居所原語表記】7F., No.151, Longjiang Rd., Zhongshan Dist., Taipei City, Taiwan, 104099
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】特許業務法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 伯仁
(72)【発明者】
【氏名】曾 家彬
(72)【発明者】
【氏名】王 友延
(72)【発明者】
【氏名】許 惠▲ち▼
(72)【発明者】
【氏名】蔡 賢信
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA02
4C180AA07
4C180DD03
4C180HH19
4C180LL04
4C180MM06
4C180MM07
4C180MM08
(57)【要約】
【課題】細菌、ウイルス、不快な臭気を除去することのできる空気除菌装置を提供する。
【解決手段】空気除菌装置は、第1金属板44および第1金属板に向かい合う第2金属板42と、第1金属板に取り付けられているUVC LED26と、UVC LEDに電力を供給する電源とを備える。第2金属板42は、UVC LEDから放射される光が空気除菌装置の内部に閉じ込められるように十分大きな面積を有する。第1金属板および第2金属板との間にサポートが備えられ、そのサポートにUVC LEDが取り付けられていてもよい。通気孔の通気板に締着するためのバネクリップが備えられていてもよい。電源はバッテリ、USBポート、シガレットライターまたは自動車補助電源コンセントであってもよい。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
後開口部および前開口部を有し、空気が前記後開口部を通って流れ込み前記前開口部を通って流れ出る、ハウジングと、
前記ハウジングの内部に設けられ、前記ハウジングの内部に流れる前記空気を除菌するためにUVC光を供給するためのUVC LEDアセンブリと、
前記UVC LEDアセンブリを駆動するための電力を供給する電源と、
を備える、空気除菌装置。
【請求項2】
前記ハウジングを封止するために、前記UVC LEDアセンブリが内側に取り付けられている第1カバーと、凹状内面を有する第2カバーと、をさらに備える、請求項1に記載の空気除菌装置。
【請求項3】
前記UVC LEDアセンブリから放射されるUVC光が前記第2カバーに向けてコリメートされるように、前記UVC LEDアセンブリにレンズをさらに備える、請求項2に記載の空気除菌装置。
【請求項4】
前記ハウジングの材料は、鋼、ステンレス鋼、ブリキ、Al、Cu、それらの合金、または金属被覆プラスチックであり、前記ハウジングの内面はハニカム構造、ピラミッド構造またはネジ構造を含む、請求項2に記載の空気除菌装置。
【請求項5】
前記第2カバーの前記凹状内面の材料はUVC吸収性であり、前記ハウジングの前記内面の材料はUVC吸収性である、請求項4に記載の空気除菌装置。
【請求項6】
通気孔の通気板に締着するためのバネクリップをさらに備える、請求項1に記載の空気除菌装置。
【請求項7】
通気孔の2枚の通気板に締着するために2つのバネクリップをさらに備える、請求項1に記載の空気除菌装置。
【請求項8】
前記2つのバネクリップは、前記空気除菌装置の前側または前記空気除菌装置の後側に留め付けられている、請求項7に記載の空気除菌装置。
【請求項9】
前記ハウジングの前記内面は、つや消し加工、サンディング加工、またはインプリント加工されている、請求項5に記載の空気除菌装置。
【請求項10】
前記電源は、バッテリまたはUSBポートを含む、請求項2に記載の空気除菌装置。
【請求項11】
前記電源は、シガレットライターまたは自動車補助電源コンセントである、請求項2に記載の空気除菌装置。
【請求項12】
前記ハウジングは、上板、下板、およびそれらの間のサポートを備えており、前記UVC LEDアセンブリは前記ハウジングに前記UVC光を照射するように前記サポートに取り付けられている、請求項1に記載の空気除菌装置。
【請求項13】
前記空気流を遮断することなく、前記ハウジングの内部の前記UVC光を遮断するためのシールドをさらに備える、請求項2に記載の空気除菌装置。
【請求項14】
前記空気流を遮断することなく、前記ハウジングの外部の前記UVC光を遮断するためのシールドをさらに備える、請求項2に記載の空気除菌装置。
【請求項15】
後開口部および前開口部を有し、空気が前記後開口部を通って流れ込み前記前開口部を通って流れ出るハウジングであって、前記ハウジングの材料が鋼、ステンレス鋼、ブリキ、Al、Cu、またはそれらの合金であり、前記ハウジングの内面はつや消し加工、サンディング加工、またはインプリント加工されている、ハウジングと、
前記ハウジングの内部に設けられ、前記ハウジングの内部を流れる前記空気を除菌するためにUVC光を供給するためのUVC LEDアセンブリと、
前記UVC LEDアセンブリを駆動するための電力を供給する電源と、
通気孔の2枚の通気板に締着するために、前記ハウジングに留め付けられている2つのバネクリップと、
を備える、空気除菌装置。
【請求項16】
前記ハウジングの内面の材料はUVC吸収性である、請求項15に記載の空気除菌装置。
【請求項17】
前記ハウジングの前記内面は、ハニカム構造、ピラミッド構造またはネジ構造を含む、請求項16に記載の空気除菌装置。
【請求項18】
前記ハウジングを封止するために、前記UVC LEDアセンブリが内側に取り付けられている第1カバーと、凹状内面を有する第2カバーとをさらに備える、請求項15に記載の空気除菌装置。
【請求項19】
前記UVC LEDアセンブリから放射されるUVC光が前記第2カバーに向けてコリメートされるように、前記UVC LEDアセンブリにレンズをさらに備える、請求項18に記載の空気除菌装置。
【請求項20】
前記電源はUSBポート、シガレットライターまたは自動車補助電源コンセントを含む、請求項15に記載の空気除菌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、2021年5月25日に出願された、発明者らが権利を有する、「UVC LED除菌装置」と題する米国出願第17/329,595号の一部継続であり、その開示全体が引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、滅菌装置に関し、より具体的にはUVC LED除菌装置に関する。
【背景技術】
【0003】
UVC(短波長紫外線)管または電球は、「AIR DISINFECTING SYSTEM AND CARTRIDGE DEVICE CONTAINING ULTRAVIOLET LIGHT」と題するDionisioによる米国特許第7,175,814号など、従来の除菌装置で広く使用されてきた。Dionisioは、UV電球、HEPAまたはカーボンフィルタ、能動的空気流用ファン、バッテリ、およびバッテリ寿命のLEDインジケータを含む移動用空気除菌装置を教示している。
【0004】
UV電球および空気流用ファンはどちらも高電力消費デバイスであり、そのため長時間の移動用途(モバイル用途)には適していないであろう。さらに、UV電球は多くの他の移動用途には嵩張りすぎる。
【0005】
そのため、上記で述べた問題を解決するための発明が必要である。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、細菌、ウイルス、さらには不快な臭気も除去することのできる空気除菌装置を提供することである。
【0007】
本発明の一つの目的は、冷蔵庫、空気調節機(エアコンディショナ)、空気清浄機、除湿機、または加湿機などの装置(アプライアンス)の空気循環通路内に空気除菌装置を提供することである。
【0008】
本発明の一つの目的は、住宅、病院、劇場、ショッピングモール、競技場、クリーンルーム、工場、事務所など、居住地または生活用の建物の空気循環システムの内部に空気除菌装置を提供することである。
【0009】
本発明の一つの目的は、車両、列車、MRT(大量高速輸送)、航空機、またはクルーズ船など、人を輸送するための移動体の空気循環システムの内部に空気除菌装置を提供することである。
【0010】
したがって、本発明は、入口空気流用の第1開口部および出口空気流用の第2開口部を有するダクトと、ダクト内部に取り付けられている第1UVC LEDアセンブリと、UVC LEDアセンブリを駆動する電力を供給する電源とを備える空気除菌装置を提供する。電源およびUVC LED(短波長紫外線発光ダイオード)は、1つの回路基板に実装することができるであろう。
【0011】
本発明の一実施形態による空気除菌装置において、ダクトの材料は、Al、Cu、それらの合金、または金属被覆プラスチックとしてもよい。
【0012】
本発明の一実施形態による空気除菌装置において、ダクトの内面は、ARC(反射防止被覆)層が形成されていてもよい。
【0013】
本発明の一実施形態による空気除菌装置において、ダクトの内面は、つや消し面(マット面:matt surface)としてもよい。
【0014】
本発明の一実施形態による空気除菌装置は、ダクトの一内面または両内面の内部に形成されている光触媒をさらに備えてもよい。
【0015】
本発明の一実施形態による空気除菌装置は、ダクトの内部に取り付けられている第2UVC LEDアセンブリをさらに備えてもよい。
【0016】
本発明の一実施形態による空気除菌装置において、第1UVC LEDアセンブリは、通路のL字形の角、または通路内の任意の場所に取り付けられてもよい。
【0017】
本発明の一実施形態による空気除菌装置において、通路は、装置(アプライアンス)、建物、または人を輸送するための移動体の空気循環システムの内部に構成されてもよい。
【0018】
本発明は、また、第1金属板および第1金属板に向かい合う第2金属板と、第1金属板上に取り付けられているUVC LEDアセンブリと、UVC LEDアセンブリに電力を供給する電源とを備え、UVC LEDアセンブリから放射される光が空気除菌装置の内部に閉じ込められるように第2金属板が十分大きい面積を有する、空気除菌装置を提供する。
【0019】
本発明の一実施形態による空気除菌装置において、第1金属板に面する第2金属板の表面は、反射防止層で被覆されていてもよい。
【0020】
本発明の一実施形態による空気除菌装置において、第1金属板に面する第2金属板の表面は、第1つや消し面(マット面)としてもよい。
【0021】
本発明の一実施形態による空気除菌装置において、第2金属板に面する第1金属板の表面は、第2つや消し面(マット面)としてもよい。
【0022】
本発明の一実施形態による空気除菌装置において、第1金属板は、UVC LEDアセンブリを取り付けるための第2凹構造を含んでもよい。
【0023】
本発明の一実施形態による空気除菌装置において、第2金属板は、UVC LEDアセンブリから放射される光を受けるための第1凹構造を含んでもよい。
【0024】
本発明の一実施形態による空気除菌装置において、第1金属板から第2金属板の間の距離は、およそ0.1から10cmの間にしてもよい。
【0025】
本発明の一実施形態による空気除菌装置において、第1金属板から第2金属板の間の距離は、およそ0.3から1.0cmの間にしてもよい。
【0026】
本発明の一実施形態による空気除菌装置において、前記面積と前記距離とは、およそ1:1.4から1:40までの範囲の比を有してもよい。
【0027】
本発明の一実施形態による空気除菌装置において、電源は、バッテリとしてもよい。
【0028】
本発明の一実施形態による空気除菌装置は、第2金属板の内面の内側に形成されている光触媒層をさらに備えてもよい。
【0029】
本発明の一実施形態による空気除菌装置において、第1金属板および第2金属板は、車両の通気孔の空気流出口に設置されてもよい。
【0030】
本発明の一実施形態による空気除菌装置において、電源は、シガレットライターまたは自動車補助電源コンセントとしてもよい。
【0031】
本発明は、また、少なくとも1つの後開口部および少なくとも1つの前開口部を有し空気が後開口部から流れ込み前開口部を通って流れ出るハウジングと、前記ハウジングの内部に設けられハウジングの内部に流れる空気を除菌するUVC光を供給するためのUVC LEDアセンブリと、UVC LEDアセンブリを駆動するための電力を供給する電源とを備える空気除菌装置を提供する。
【0032】
本発明の一実施形態による空気除菌装置は、ハウジングを封止するために、内側にUVC LEDアセンブリが取り付けられている第1カバーと、凹状内面を有する第2カバーとをさらに備えてもよい。
【0033】
本発明の一実施形態による空気除菌装置は、UVC LEDアセンブリから放射されるUVC光が第2カバーに向けてコリメートされるように、UVC LEDアセンブリにレンズをさらに備えてもよい。
【0034】
本発明の空気除菌装置の一実施形態において、ハウジングの材料は、鋼、ステンレス鋼、ブリキ、Al、Cu、それらの合金、または金属被覆プラスチックであり、ハウジングの内面は、ハニカム構造、ピラミッド構造またはネジ(スクリュウ:screw)構造を含む。
【0035】
本発明の空気除菌装置の一実施形態において、第2カバーの凹状内面の材料はUVC吸収性であり、ハウジングの内面の材料はUVC吸収性である。
【0036】
本発明の一実施形態による空気除菌装置は、通気孔の通気板に締着(クランプオン)するためのバネクリップをさらに備えてもよい。
【0037】
本発明の一実施形態による空気除菌装置は、通気孔の2枚の通気板に締着(クランプオン)するための2つのバネクリップをさらに備えてもよい。
【0038】
本発明の空気除菌装置の一実施形態において、2つのバネクリップは、空気除菌装置の前側または空気除菌装置の後側に留め付けられている。
【0039】
本発明の空気除菌装置の一実施形態において、ハウジングの内面は、つや消し(マット)加工、サンディング(砂地)加工、またはインプリント加工されている。
【0040】
本発明の空気除菌装置の一実施形態において、電源は、バッテリまたはUSB(ユニバーサル・シリアル・バス)ポートを含む。
【0041】
本発明の空気除菌装置の一実施形態において、電源は、シガレットライターまたは自動車補助電源コンセントである。
【0042】
本発明の空気除菌装置の一実施形態において、ハウジングは、上板、下板、およびその間のサポートを備え、UVC LEDアセンブリはハウジングにUVC光を照射するようにサポート上に取り付けられている。
【0043】
本発明の一実施形態による空気除菌装置は、空気流を遮断することなくハウジングの内部のUVC光を遮断するためのシールドをさらに備えてもよい。
【0044】
本発明の一実施形態による空気除菌装置は、空気流を遮断することなくハウジングの外部のUVC光を遮断するためのシールドをさらに備えてもよい。
【0045】
本発明は、また、後開口部および前開口部を有し、空気が後開口部から流れ込み前開口部を通って流れ出るハウジングであって、ハウジングの材料が鋼、ステンレス鋼、ブリキ、Al、Cu、それらの合金であり、ハウジングの内面がつや消し(マット)加工、サンディング(砂地)加工またはインプリント加工されている、ハウジングと、前記ハウジング内に設けられハウジングの内部に流れる空気を除菌するUVC光を供給するためのUVC LEDアセンブリと、UVC LEDアセンブリを駆動する電力を供給する電源と、通気孔の2枚の通気板に締着(クランプオン)するためにハウジングに留め付けられている2つのバネクリップとを備える空気除菌装置を提供する。
【0046】
本発明の空気除菌装置の一実施形態において、ハウジングの内面の材料は、UVC吸収性である。
【0047】
本発明の空気除菌装置の一実施形態において、ハウジングの内面は、ハニカム構造、ピラミッド構造またはネジ(スクリュウ:screw)構造を含む。
【0048】
本発明の一実施形態による空気除菌装置は、ハウジングを封止するために、内側にUVC LEDアセンブリが取り付けられている第1カバーと、凹状内面を有する第2カバーとをさらに備えてもよい。
【0049】
本発明の一実施形態による空気除菌装置は、UVC LEDアセンブリから放射されるUVC光が第2カバーに向けてコリメートされるように、UVC LEDアセンブリにレンズをさらに備えてもよい。
【0050】
本発明の空気除菌装置の一実施形態において、電源は、USBポート、シガレットライターまたは自動車補助電源コンセントを含む。
【0051】
本発明の他の利点は、例証および例として、本発明の特定の実施形態が記載される添付の図面と併せて読まれる以下の説明から明かになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0052】
本発明のさらなる利点は、以下の好適な実施形態の詳細な説明の助けを受けて、かつ添付の図面を参照すると、当業者には明らかになるであろう。
【
図1】
図1は、UVC LEDパッケージの模式的な上面図である。
【
図2】
図2は、
図1のUVC LEDパッケージの模式的な断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の別の実施形態による、除菌のためにパイプラインまたはダクトの一部分内に配置されているUVC LEDパッケージの模式的な断面図である。
【
図4】
図4は、本発明の別の実施形態による、除菌のためにパイプラインまたはダクトの一部分内に配置されている2つのUVC LEDパッケージの模式的な断面図である。
【
図5】
図5は、本発明の別の実施形態による、除菌のためにパイプラインまたはダクトの一部分内に配置されている4つのUVC LEDチップの模式的な斜視図である。
【
図6】
図6は、本発明の別の実施形態による、除菌のためにL字形のダクトの内部に配置されている1つのUVC LEDアセンブリの模式的な断面図である。
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態による、除菌のために2枚の板の間に配置されているUVC LEDパッケージの模式的な断面図である。
【
図8】
図8は、本発明の別の実施形態による、除菌のために2枚の板の間に配置されているUVC LEDパッケージを有する2枚の板の模式的な斜視図である。
【
図9A】
図9Aは、本発明の別の実施形態による、2枚の板の2側面を封止する2つの障害物の模式的な斜視図である。
【
図9B】
図9Bは、本発明の別の実施形態による、2枚の板の2側面を覆っている2つの延長部の模式的な斜視図である。
【
図10A】
図10Aは、本発明の別の実施形態による、車両の通気孔に適用される空気除菌装置の模式的な斜視図である。
【
図10B】
図10Bは、本発明の別の実施形態による、車両の通気孔に適用される空気除菌装置の模式的な斜視図である。
【
図11A】
図11Aは、本発明の異なる実施形態による、車両の通気孔に適用される空気除菌装置の模式的な断面図である。
【
図11B】
図11Bは、本発明の異なる実施形態による、車両の通気孔に適用される空気除菌装置の模式的な断面図である。
【
図11C】
図11Cは、本発明の異なる実施形態による、車両の通気孔に適用される空気除菌装置の模式的な断面図である。
【
図11D】
図11Dは、本発明の異なる実施形態による、車両の通気孔に適用される空気除菌装置の模式的な断面図である。
【
図11E】
図11Eは、本発明の異なる実施形態による、車両の通気孔に適用される空気除菌装置の模式的な断面図である。
【
図11F】
図11Fは、本発明の異なる実施形態による、車両の通気孔に適用される空気除菌装置の模式的な断面図である。
【
図12A】
図12Aは、本発明の別の実施形態による、除菌のために2枚の板の間に配置されているUVC LEDパッケージの模式的な断面図である。
【
図12B】
図12Bは、本発明の別の実施形態による、除菌のために2枚の板の間に配置されているUVC LEDパッケージの模式的な断面図である。
【
図12C】
図12Cは、本発明の一実施形態による、除菌のために2枚の板の間に配置されているUVC LEDパッケージの模式的な断面図である。
【
図13】
図13は、本発明の一実施形態による、車両の通気孔に適用される空気除菌装置の模式的な分解図である。
【
図14A】
図14Aは、本発明の一実施形態による、車両の通気孔に適用される空気除菌装置の模式図である。
【
図14B】
図14Bは、本発明の一実施形態による、車両の通気孔に適用される空気除菌装置の模式図である。
【
図15】
図15は、本発明の一実施形態による、車両の通気孔に適用される空気除菌装置の模式的な断面図である。
【
図16】
図16は、本発明の一実施形態による、ハウジングの内部でUVC光を用いて動作する空気除菌装置の模式図である。
【
図17】
図17は、本発明の別の実施形態による、車両の通気孔に適用される空気除菌装置の模式図である。
【
図18A】
図18Aは、本発明の一実施形態による、空気除菌装置からのUVC光を遮断するためのシールドを示す。
【
図18B】
図18Bは、本発明の一実施形態による、空気除菌装置からのUVC光を遮断するためのシールドを示す。
【
図19A】
図19Aは、本発明の一実施形態による、空気除菌装置のハウジングの2つの内部構造を示す。
【
図19B】
図19Bは、本発明の一実施形態による、空気除菌装置のハウジングの2つの内部構造を示す。
【
図20A】
図20Aは、本発明の別の実施形態による、空気除菌装置のハウジングの断面構造を示す。
【
図20B】
図20Bは、本発明の別の実施形態による、空気除菌装置のハウジングの断面構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0053】
本発明の例示的な実施形態は様々な変更および代替形態が可能なため、それに応じて、その実施形態は図面において例として示されており、本明細書において詳細に説明する。しかし、本発明の例示的な実施形態を開示される特定の形態に制限する意図はなく、逆に、本発明の例示的な実施形態は、本発明の範囲内にあるすべての変更、均等物および代替物を網羅するためのものであることを、理解されたい。
【0054】
本発明において、用語「UVC LED」とは、UVC(短波長紫外線)の波長をもつ光を放射するLED(発光ダイオード)チップまたはLEDチップのアレイを指してもよい。
【0055】
本発明において、用語「UVC LEDパッケージ」とは、UVC LEDパッケージのハウジングまたはアレイの内部にパッケージ化されているUVC LEDチップまたは複数のチップを指してもよい。
【0056】
本発明において、用語「UVC LEDアセンブリ」とは、基板上に駆動回路を有するLEDパッケージまたはLEDパッケージのアレイを指してもよい。バッテリまたは給電線などの電源も、基板内に設けることもできる。
【0057】
本発明において、用語「除菌」とは、細菌またはウイルスなどの病原体を死滅させ、不活性化し、またはその濃度を著しく低下させるために、消毒剤(disinfectant)を使用するプロセスを指してもよい。
【0058】
本発明において、用語「汚染除去」とは、汚染を除去するまたは取り除くことのできるシステムまたはデバイスを指してもよい。
【0059】
本発明において、用語「滅菌」とは、対象物を生きた微生物がいない状態にするなどの滅菌の行為を指してもよい。
【0060】
本発明において、用語「受動的空気流」とは、除菌装置自体によるのではなく、ファンまたは空気循環による環境から直接の空気流を指してもよい。
【0061】
本発明において、用語「通路」とは、パイプラインまたはダクトの内部を空気が流れることのできるパイプラインまたはダクトの一部分または全部を指してもよい。
【0062】
図面において、各構成要素およびすべての構成要素間の相対的な寸法は、明瞭にするために誇張していることがある。以下の図面の説明内において、同じまたは同様の参照番号は、同じまたは同様の構成要素または物(エンティティ:entity)を指し、個々の実施形態に関する相違点のみを説明する。
【0063】
本発明は、空気滅菌または空気除菌の源として、少なくとも1つのUVC LEDパッケージを提供する。UVC LEDパッケージは、ダクトの内部または一対の板の間に閉じ込められている。金属板の面積は、UVC光の漏れを防止するのに十分な大きさにするべきである。ダクトまたは金属板の内部のつや消し面(マット面)またはARC被覆面は、低減された反射によりUVC光が漏れるのを防止する。
【0064】
本発明は、空気調節機(エアコンディショナ)、冷蔵庫、空気清浄機、除湿機、または加湿機の空気出口に適用することのできる室内空気除菌装置を提供する。室内用途は、細菌、ウイルス、または不快な臭気に空気循環を通じてUVC光を繰り返し照射することができるためより効果的である。
【0065】
本発明は、車両、航空機、またはクルーズ船の通気孔に適用することのできる空気除菌装置を提供する。自動車または車両での用途の場合、シガレットライター、自動車補助電源コンセント、またはバッテリのセットがUVC LEDアセンブリに電力を供給することができる。
【0066】
本発明は、冷蔵庫、空気清浄機、空気調節機(エアコンディショナ)、除湿機、または加湿機の内部の通路に適用することのできる室内空気除菌装置を提供する。
【0067】
本発明は、クリーンルーム、住宅建物、商業ビル、病院、ショッピングモール、スーパーマーケット、劇場、競技場、スケートリンク、アイススケートリンク、またはドーム球場などの開放環境の空気調節機(エアコンディショナ)に適用することのできる空気除菌装置を提供する。
【0068】
上記で述べた用途の場合、UVC LEDの光パワーまたはUVC放射強度は、効果的な除菌のための空気流に釣り合わせるべきである。
【0069】
本発明の詳細な実施形態は、図面を用いて本明細書で説明および図示することができる。
【0070】
UVC LEDパッケージが示されている
図1を参照されたい。UVC LEDパッケージは、ハウジング22の内部にパッケージ化されているUVC LEDチップ10を含む。UVC LEDパッケージの断面図が示されている
図2を参照されたい。UVC LEDチップ10が基板20の上に実装されており、基板20はその上に回路を有する金属またはセラミックの基板であってもよい。セラミックまたは金属のハウジング22が基板20の上にしっかりと作られている。キャップ24はハウジング22とハーメチックシール(気密封止)されて、UVC LEDチップ10から放射されるUVC光はキャップ24を通過することができる。キャップ24の材料は石英とすることができる。UVC LEDチップ10によって放射される波長は、200~280nmの範囲にされる。
【0071】
キャップ24が平坦であれば、UVC LEDパッケージの放射角は120°~140°の範囲であり、キャップ24が光学部品で構成されていれば、60°~140°であってもよい。放射角は、滅菌のために比較的大きな面積をカバーするのに十分な大きさである。
【0072】
一実施形態の空気除菌装置の断面図が示されている
図3を参照されたい。少なくとも1つのUVC LEDアセンブリ26が、パイプラインまたはダクトの一部分など、通路内でダクト40の内部に配置されており、電源28によって給電される。ダクト40は、四角形の断面形状、円形形状、または他の形状を有してもよい。ダクト40は、金属など、UVC照射によって劣化しにくい材料によって作られる。例えば、Al、Cu、ブリキ、鋼、焼戻しされたステンレス鋼、それらの合金、金属被覆プラスチックが、ダクト40に適することができる。一般的な純粋なプラスチックはダクト40には適さないことに留意されたい。UVC光によって照射されるダクト40の内部のエリア48は、光触媒反応を高めるために、銀やその他の種類のナノ粒子を被覆することができる。この実施形態では、不快な臭気を光触媒作用によって除去することができる。酸化チタン、リン化ガリウム、およびヒ化ガリウムなどの他の種類の光触媒も適用することができる。一実施形態において、ダクト40内部の他の表面に光触媒層を被覆することができる。
【0073】
電源28は、バッテリ、商用電源、外部電源、パワーグリッド、自家発電、壁面コンセント、家庭用電源、家庭用電気、家庭用電流、送電線、線路電力、AC電源、都市電源、または街路電源とすることができる。一実施形態において、電源28は、効果的な除菌のためにUVC LEDの照射を空気流に釣り合わせることができるように、UVC LEDに十分な電力を供給するべきである。例えば、空気流が大きい場合、UVC LEDは細菌またはウイルスを除菌または滅菌するためにより多くの光密度を供給するべきである。このように、電源28は、効果的な滅菌のために十分な照射を有するようにLEDアセンブリに十分な電力を供給するべきであり、そうでなければ、より多くのUVC LEDチップまたはUVC LEDパッケージを使用しなければならない。本発明の実施形態を明瞭にするために、UVC LEDパッケージのための電力は、以降の図面には図示しない。
【0074】
通路の入口から出口までの受動的空気流30は、UVC LED26によって照射される。本発明において、通路の入口まで送り込まれる空気流30は、その周囲(environment)から供給され、それらは、冷蔵庫、空気清浄機、空気調節機(エアコンディショナ)、除湿機、もしくは加湿機などの装置(アプライアンス)のケース、住宅、病院の病室、劇場、クリーンルーム、工場、事務所などの居住地もしくは生活用の建物内の空気循環システム、または車両、列車、MRT、航空機もしくはクルーズ船などの人を輸送するための移動体の空気循環システムなどである。空気31は、その後、通路の出口から流れ出る。これらの装置(アプライアンス)のすべてが空気流および/または局所的な空気循環を供給する。例えば、UVC LEDアセンブリが冷蔵庫または他の装置(アプライアンス)の通路内に構成されている場合、UVC光は、空気除菌装置を通過するときに、細菌またはウイルスを滅菌する。UVC LEDアセンブリによって放射されるUVC光の光密度または照射が1回ですべての細菌またはウイルスを殺すほど高くない場合でも、繰り返し滅菌するために、冷蔵庫の内部の空気循環がそれらを空気除菌装置に何度も何度も引き戻す。
【0075】
空気清浄機、空気調節機(エアコンディショナ)、除湿機、または加湿機に適用される本発明の空気除菌装置の場合、住宅、病院、または商業ビルの内部の空気循環が冷蔵庫内部のものと同様な作用を有する。そのため、空気循環構成は、繰り返し除菌にはよりよいであろう。本発明は、航空機、クルーズ船、列車、MRTまたは車両にも適用することができる。
【0076】
本発明の空気除菌装置は、工場のクリーンルーム、事務所、劇場、ショッピングモール、または競技場の空気循環システムにも適用することができる。
【0077】
本発明の空気除菌装置は、駅、病院、商業ビル、空港、埠頭、鉄道および地下鉄の駅、競技場、ショッピングモールなどの開放環境の空気調節機(エアコンディショナ)に適用することができる。UVCの照射量は、細菌およびウイルスが完全に死滅するように設計することができる。このことは、生物テロ、SARS、COVID 19、シックハウス、クルーズ船での病気の発生、有毒のカビ、ならびに喘息およびアレルギーの流行のような状況には重要である。
【0078】
本発明の空気除菌装置は、
図4に示すように、2つ以上のUVC LEDパッケージを含むことができる。空気流がより大きい場合、金属ダクト40の内部に2つのUVC LEDアセンブリ26が取り付けられる。空気流に釣り合わせるようにダクト40の高い光密度が供給され、そのため細菌またはウイルスも1回で除去することができる。
【0079】
パイプまたはダクト40内に配置されている除菌装置の斜視図である
図5を参照されたい。この実施形態において、効果的かつ完全な滅菌のために、4つのUVC LEDパッケージ10がアレイとして、回路11とともにアセンブリ12にパッケージ化されている。ダクト壁の一部分は、UVC LEDアセンブリ12を設置することができるように設計されている。本発明は、
図6に示すように、L字形ダクト41、またはダクト内の他の形状(図面には図示せず)にも適する。いくつかの用途において、L字形ダクトの角の空気流が乱気流を形成し、それが除菌装置を設置するのに格好の場所となる。一般に、UVC LEDアセンブリは、ダクトの任意の場所内に配置されることができ、UVC LEDチップが通路のフィルタの前または後に配置されると好ましいであろう。
【0080】
本発明の別の実施形態が示されている
図7および
図8を参照されたい。除菌装置は、ハウジングの2つの側面を形成する上板42および下板44を含む。空気流30はハウジングの入口に押し通され、空気流31はハウジングの出口から押し出される。ハウジングの他の2つの側面は、開放している(
図8)か、封止されている(
図9A)かまたは1枚の板または2枚の板の延長部によって覆われている(
図9B)ようにすることができる。例えば、2つの柱43または上板42の延長部42Aがハウジングの他の2つの側面を覆うことができるので、ハウジング内部のUV光を
図9Aおよび
図9Bにそれぞれ示されるように封じ込めることができる。UVC LEDアセンブリ26は下板44に取り付けられていて、UVC LEDアセンブリ26の電源は
図7には示されていない。板42および44の材料は、Al、Cu、ステンレス鋼(SST)、錫、ブリキ、鋼、それらの合金、および金属被覆プラスチックとすることができる。2つの金属板の面積は、UVC光の漏れを防ぐのに十分に大きい。本発明において、
図9Bに示される実施形態が好適である。
【0081】
UVC光の反射が実質的に低減または無くなるように、反射防止被覆(ARC)層50が板42および44の内側に形成されている。UV ARCの例として、米国特許第9,488,852号を参照することができる。反射防止面を形成する別の方法は、板の内面につや消し面(マット面)を形成することである。ARC層またはつや消し面(マット面)を形成する目的は、UVC光の漏れの可能性を低減することである。UVC光の反射が低減されれば、UVCの漏れを防止することができる。
【0082】
上板42と下板44との間の距離は、移動機器用途の場合で0.1~10cmの範囲にすることができ、好ましくは0.3~1.0cmである。1枚の板の距離と面積の比は、およそ1:1.4から1:40までの範囲にされる。距離および比の目的は、UVC光が下板44から放射して、板42および44によってのみ反射および吸収され、ハウジングから漏れ出ないことを確実にすることである。この実施形態において、空気除菌装置100は車両に適用する、例えば、
図10に示すように、自動車の空気調節通気孔200に配置する(挿し込むまたは掛け止める)ことができる。2つのバネクリップ140は、
図10Aに示すように1枚の通気板202、または
図10Bに示すように2枚の通気板202に挟み付ける、すなわち締着(クランプオン)してもよい。空気通り抜け用の前および後開口部はこれらの図には示されていないことに留意されたい。したがって、空気流30は自動車のファン(ブロワ)によって供給される。電力としてバッテリを使用することに加えて、シガレットライターまたは自動車補助電源コンセントをUVC LEDアセンブリに電力を供給するために使用することができる。
【0083】
通気板202に設置される空気除菌装置100の断面図のいくつかの異なる実施形態が
図11A、
図11B、
図11C、
図11D、
図11E、および
図11Fに示されている。
図11Aでは、2つのバネクリップ140が空気除菌装置100本体の後側に留め付けられていて、通気板202に締着(クランプオン)している。通気板202の上下の空気流30は、空気除菌装置100の後側から吹き、空気流31は空気除菌装置100の前側から吐き出される。
図11Bの2つのバネクリップ140は空気除菌装置100本体の後側に留め付けられていて、2枚の通気板202にそれぞれ締着(クランプオン)している。このように、2枚の通気板202間の空気流30は空気除菌装置100の後側を吹き、空気流31は空気除菌装置100の前側から吹き出される。
図11Cでは、2つのバネクリップ140は空気除菌装置100本体の前側に留め付けられていて、2枚の通気板202にそれぞれ締着(クランプオン)する。この実施形態では、空気除菌装置100は2枚の通気板202の間で、かつ通気孔200の内部に設置することができる。
図11Dに示される実施形態では、2つのバネクリップ140は空気除菌装置100本体の前側に留め付けられていて、2枚の通気板202にそれぞれ締着(クランプオン)する。この空気除菌装置100も、2枚の通気板202の間に設置されるが、通気孔200の外側である。
図7、
図8、
図9および
図12に示される実施形態の場合、上板42および下板44を有する空気除菌装置100は、
図11Eに示されるように、2枚の通気板202の間で、かつ通気孔200の内部に設置することができる。UVC LEDアセンブリ26は、図面で示されるように下板44に取り付けることができるが、上板42に取り付けることもできる。この実施形態では、
図9Aの2つの柱43をこの実施形態に適用することができる。
図12に図示される空気除菌装置の場合、
図11の実施形態にも適用することができる。上記4つの実施形態において、空気除菌装置100の本体は円形断面形状を有する。
図7、
図8および
図9に示される実施形態の場合、2つのバネクリップ140は、
図11Eに示されるように上板42および下板44にそれぞれ留め付けることができ、UVC LED26は下板44または上板42に取り付けることができる。UVC LED26は、
図11Fに示されるように、サポート44-1に取り付けることができる。
図11Eに示される実施形態と同様に、上板42および下板44は2枚の通気板202間に配置されている。この実施形態では、2つのバネクリップ140は、明瞭にするために
図11Fでは示していない。UVC LED26はサポート44-1の裏側に取り付けられて、空気流30が出てくる方向を照射する。サポート44-1は上板42および下板44を固定する手段も提供する。
【0084】
ハウジングから跳ね出るUVC光を避けるために、いくつかの構造を作ることができる。UVC LEDパッケージ26から放射されるUVC光が四角形凹構造60内で反射されるように、上板42が四角形凹構造60を有する
図12Aを参照されたい。四角形凹構造60の内部に光触媒層48を形成することができる。
【0085】
空気除菌装置の別の実施形態は、
図12Bを参照することができる。上板42の凹構造66はドーム状構造であり、UVC光が凹構造66の内部で反射される。
図12Aの光触媒層48は、
図12Bの凹構造66に形成することができる。必要であれば、下板44は別の凹構造に設計することができ、それにより、反射UVC光は、
図12Cに示されるように、上板42の上凹構造60と下板44の下凹構造62との間の空間内に閉じ込められる。この実施形態では、UVC LEDアセンブリ26は下凹構造62の内部に取り付けられている。上記実施形態において、上板42または下板44のいずれかの凹構造は他の形状とすることができ、例えば、
図12Aの凹構造60は空気流に垂直な方向に延びていてもよい。この場合、
図12Aの凹構造60は四角形の形状ではない。同様に、
図12Bの凹構造もその方向に延びていてもよく、そのため上面図では部分円筒形を成す。
図12Aの光触媒層48は、
図12Cの凹構造60および62に形成することができる。
【0086】
本発明の一実施形態について、空気除菌装置100の詳細な構造を説明する。空気除菌装置100が少なくとも1つの後開口部および少なくとも1つの前開口部を有するハウジング102を含む
図13および
図14を参照されたい。後または前開口部104は、いずれも、1つの大きな開口部またはいくつかの小さな開口部とすることができ、この実施形態では4つの前開口部が示されている。第1カバー110および第2カバー120がハウジング102に留め付いていて、空気がハウジング102の内部を流れる環境を提供し、空気流がUV光によって照射されるようになっている。ハウジング102、第1カバー110および第2カバー120の材料は、鋼、ステンレス鋼、ブリキ、アルミニウム、鉄もしくは鋼、または任意の金属の化合物など、任意の金属にすることができる。いくつかの前開口部104は空気をハウジング102から流出させるのに対し、
図18を参照することのできる後開口部106はハウジング102に流入する空気を供給する。バネクリップ140は
図10中の通気孔のシートを締着(クランプ)する。UVC LEDパッケージは、第1カバー110の内部(内側)に、任意のレンズ118、およびUVC LEDに給電するバッテリとともに取り付けられている。一実施形態において、USBポートなどの差込口112が、UVC LEDに給電するためのインターフェースを提供する。
【0087】
空気除菌装置の内部構造が示されている
図15および
図16を参照されたい。第1カバー110は、UVC LEDパッケージ12と、UVC LEDパッケージ12からのUVC光を成形するためのレンズ118と、UVC LEDパッケージ12に給電するためのバッテリ114と、UVC LEDをオンオフにするためのスイッチ116とを含む。バッテリが使用可能であるかまたはUVC LEDが使用できないかどうかを示すために、任意で、図面には示されていない別の可視LEDを第1カバー110に取り付けることができる。第2カバー120は、任意で、内面122上でUVC LEDパッケージ12から照射されるUVC光を容易に吸収することができるように、内側凹面122を含む。
【0088】
第1カバー110および第2カバー120がハウジング102で封止されると、任意のレンズ118がUVC LEDパッケージ12からのUVC光を小さな放射角に整形するので、UVC LEDパッケージ102から放射されるほとんどのUVC光は内側凹面122に照射する。UVC LEDパッケージ12の小さな放射角は好適な実施形態である。内面122の形状は、UVC光が内面122の内部で反射することができるように凹みまたは凹面である。内面122の好適な形状は、半球形または半楕円体形とすることができる。
【0089】
上記実施形態のハウジング102の外形は円筒形である。しかし、別の形状も本発明に適用することができる。
図17には正方形角柱のハウジング102-1が示されている。実際、ハウジング102の断面形状は、図面にはないが、楕円、三角形、四角形、方形、多角形、または他の形状を含んでもよい。
【0090】
ハウジング102から前開口部104の外側へのUVC光を遮蔽または遮断するために、
図18に示すように、ハウジング102に外側シールド150または内側シールド152を施すことができる。通気孔からの空気流は後開口部160を経由してハウジング102に吹き込まれる。それから、空気流は、UVC LEDパッケージから放射されるUVC光によって照射され、その後に前開口部104を通ってハウジング102から流れ出る。外側シェルタ150は、ハウジング102の内部のUVC光を遮断することができるように前開口部104を覆っているが、なおも空気流を出て行かせる。内側シェルタ152をハウジング102の内部に施すこともできる。
【0091】
ハウジング102の内面130は、任意で、規則的なもしくは不規則な粗い構造を含んでもよく、または内面130の反射性を低減するためにつや消し(マット:matte)にしてもよい。一実施形態において、ハウジング102の内面130はサンディング加工またはインプリント加工されてもよい。さらに、内面130は、ハウジング102の内部でUVC光の反射を防止するために、
図19Aおよび
図19Bに示すようにハニカム構造132または別のハニカム構造134を含んでもよい。ハニカム構造132および134の形状構成は、UVC LEDパッケージ12から放射されるUVC光を吸収するのに最適化することができる。さらに、内面130および内凹面122は、Avain Black-S(登録商標)、酸化ケイ素膜、または酸化マグネシウム膜などのUVC光吸収材で被覆されていてもよい。ハニカム構造132および134の材料は、UVC光吸収材またはハウジング120と同様な金属にすることができる。内面130の単純な構造は、
図20Aおよび
図20Bに示すように、ネジ(スクリュウ:screw)構造136にすることができる。ネジ構造136の材料は、UVC光吸収材またはハウジング120と同じにすることができる。ハウジング102の内面は、図には示されていないピラミッド構造を含んでもよい。
【0092】
本発明において、UVC LEDが除菌のために備えられ、従来のUV電球または管と比較して、低消費電力であり、かつコンパクトである。
【0093】
本発明において、空気除菌装置は受動的空気流内で設計され、そのため電力消費量はさらに低くすることができる。したがって、本発明の空気除菌装置は空気流のある環境に配置される。
【0094】
本発明において、UVC光の漏れを防ぐために、空気除菌ハウジングとして十分大きな金属板が備えられる。さらに、UVC光の漏れを減らすために、ARC層またはつや消し面(マット面)を備えることができる。
【0095】
本発明を示される実施形態に従って説明してきたが、実施形態の変形が可能であろうこと、ならびにそれら変形が本発明の思想および範囲内にあろうことは、当業者は容易に認識するであろう。したがって、添付の特許請求の範囲の思想および範囲を逸脱することなく、当業者によって多くの変更を行うことができる。
【外国語明細書】