(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181189
(43)【公開日】2022-12-07
(54)【発明の名称】積層型電子部品及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20221130BHJP
【FI】
H01G4/30 201C
H01G4/30 311D
H01G4/30 517
H01G4/30 513
【審査請求】未請求
【請求項の数】38
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083576
(22)【出願日】2022-05-23
(31)【優先権主張番号】10-2021-0066992
(32)【優先日】2021-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0190586
(32)【優先日】2021-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ムン、ソン ジェ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ギ ロン
(72)【発明者】
【氏名】リー、テ ギョム
(72)【発明者】
【氏名】アン、ビュン ロク
(72)【発明者】
【氏名】チャ、キョン ジン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジョン ホ
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AC07
5E001AF06
5E082AA01
5E082AB03
5E082BC35
5E082BC36
5E082EE04
5E082EE35
5E082EE43
5E082FF05
5E082FG26
5E082GG01
(57)【要約】
【課題】
本発明は、積層型電子部品及びその製造方法に関する。
【解決手段】
本発明の一実施形態による積層型電子部品は、容量形成部において、明るさの強度がカバー部の明るさの強度の平均値に対して110%以上126%以下である領域が占める面積分率を制御することで、内部電極間の短絡、容量低下、破壊電圧低下などを抑えることができる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に対向する第1及び第2面、前記第1及び第2面と連結されて第2方向に対向する第3及び第4面、前記第1~第4面と連結されて第3方向に対向する第5及び第6面を有し、
複数の誘電体層を含み、前記誘電体層と第1方向に交互に配置される複数の内部電極を含む容量形成部、及び前記容量形成部の前記第1方向の両端面に配置されるカバー部を含む本体と、
前記本体上に配置される外部電極と、を備え、
前記本体の第1及び第2方向の断面を前記第1方向に3等分した領域のうち中央に配置された容量形成部において、前記第2方向の両端の35μmを除いた領域をML、前記MLのうち、明るさの強度が前記カバー部の明るさの強度の平均値に対して110%以上126%以下である領域の面積をNL、前記MLの面積に対する前記NLの面積の比率をSLとしたときに、前記SLは7.2面積%以下である、積層型電子部品。
【請求項2】
前記SLが5.0面積%以下である、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項3】
前記本体の第1及び第3方向の断面を前記第1方向に3等分した領域のうち中央に配置された容量形成部において、前記第3方向の両端の35μmを除いた領域をMW、前記MWのうち、明るさの強度が前記カバー部の明るさの強度の平均値に対して110%以上126%以下である領域をNW、前記MWの面積に対する前記NWの面積の比率をSWとしたときに、前記SWは7.2面積%以下である、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項4】
前記SL及びSWが5.0面積%以下である、請求項3に記載の積層型電子部品。
【請求項5】
前記本体を、前記第3方向に均等な間隔を有する3個の地点で第1及び第2方向に切断した3個の断面で測定した前記SLは、何れも7.2面積%以下を満たす、請求項1から4のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項6】
前記本体を、前記第2方向に均等な間隔を有する3個の地点で第1及び第3方向に切断した3個の断面で測定した前記SWは、何れも7.2面積%以下を満たす、請求項3または4に記載の積層型電子部品。
【請求項7】
内部電極の長さに対する、実際に内部電極が形成されている部分の長さの比を内部電極連結性としたときに、
前記MLで測定した内部電極連結性の平均値が80%以上である、請求項1から4のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項8】
内部電極の長さに対する、実際に内部電極が形成されている部分の長さの比を内部電極連結性としたときに、
前記MLで測定した内部電極連結性の標準偏差が1.5以下である、請求項1から4のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項9】
内部電極の長さに対する、実際に内部電極が形成されている部分の長さの比を内部電極連結性としたときに、
前記MLで測定した内部電極連結性のCV値が2.0%以下である、請求項1から4のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項10】
内部電極の長さに対する、実際に内部電極が形成されている部分の長さの比を内部電極連結性としたときに、
前記MWで測定した内部電極連結性の平均値が80%以上である、請求項3または4に記載の積層型電子部品。
【請求項11】
内部電極の長さに対する、実際に内部電極が形成されている部分の長さの比を内部電極連結性としたときに、
前記MWで測定した内部電極連結性の標準偏差が1.5以下である、請求項3または4に記載の積層型電子部品。
【請求項12】
内部電極の長さに対する、実際に内部電極が形成されている部分の長さの比を内部電極連結性としたときに、
前記MWで測定した内部電極連結性のCV値が2.0%以下である、請求項3または4に記載の積層型電子部品。
【請求項13】
前記内部電極の平均厚さが0.4μm以下である、請求項1から4のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項14】
前記誘電体層の平均厚さが0.45μm以下である、請求項1から4のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項15】
前記カバー部の平均厚さが15μm以下である、請求項1から4のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項16】
前記積層型電子部品の前記第2方向の最大サイズが0.66mm以下であり、前記第3方向の最大サイズが0.33mm以下である、請求項1から4のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項17】
第1方向に対向する第1及び第2面、前記第1及び第2面と連結されて第2方向に対向する第3及び第4面、前記第1~第4面と連結されて第3方向に対向する第5及び第6面を含み、
複数の誘電体層を含み、前記誘電体層と前記第1方向に交互に配置される複数の内部電極を含む容量形成部、及び前記容量形成部の前記第1方向の両端面に配置されるカバー部を含む本体と、
前記本体上に配置される外部電極と、を含み、
前記本体の第1及び第2方向の断面を前記第1方向に3等分した領域のうち中央に配置された容量形成部において、前記第2方向の両端の35μmを除いた領域をML、内部電極の長さに対する、実際に内部電極が形成されている部分の長さの比を内部電極連結性としたときに、
前記MLで測定した内部電極連結性の標準偏差は1.5以下である、積層型電子部品。
【請求項18】
前記本体の第1及び第3方向の断面を前記第1方向に3等分した領域のうち中央に配置された容量形成部において、前記第3方向の両端の35μmを除いた領域をMWとしたときに、
前記MWで測定した内部電極連結性の標準偏差は1.5以下である、請求項17に記載の積層型電子部品。
【請求項19】
前記ML及びMWで測定した内部電極連結性の平均値が80%以上である、請求項18に記載の積層型電子部品。
【請求項20】
前記ML及びMWで測定した内部電極連結性のCV値が2.0%以下である、請求項18に記載の積層型電子部品。
【請求項21】
前記MLのうち、明るさの強度が前記カバー部の明るさの強度の平均値に対して110%以上126%以下である領域をNL、前記MLの面積に対する前記NLの面積の比率をSL、前記MWのうち、明るさの強度が前記カバー部の明るさの強度の平均値に対して110%以上126%以下である領域をNW、前記MWの面積に対する前記NWの面積の比率をSWとしたときに、
前記SL及びSWは7.2面積%以下である、請求項18に記載の積層型電子部品。
【請求項22】
前記本体を、前記第3方向に均等な間隔を有する3個の地点で第1及び第2方向に切断した3個の断面のMLで測定した内部電極連結性の標準偏差は、何れも1.5以下である、請求項17から21のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項23】
前記内部電極の平均厚さが0.4μm以下である、請求項17から21のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項24】
前記誘電体層の平均厚さが0.45μm以下である、請求項17から21のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項25】
前記カバー部の平均厚さが15μm以下である、請求項17から21のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項26】
前記積層型電子部品の前記第2方向の最大サイズが0.66mm以下であり、前記第3方向の最大サイズが0.33mm以下である、請求項17から21のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項27】
連続的に供給されるシートに内部電極用ペーストを塗布する段階と、
前記シートに塗布された内部電極用ペーストの一部を除去して内部電極パターンを形成する段階と、
前記内部電極パターンを連続的に供給されるセラミックグリーンシートに転写することで、セラミックグリーンシート上に内部電極パターンを印刷する段階と、
前記内部電極パターンが印刷されたセラミックグリーンシートを積層して積層体を形成する段階と、
前記積層体を切断して単位積層体を得る段階と、
前記単位積層体を焼結して本体を得る段階と、
前記本体に外部電極を形成して積層型電子部品を得る段階と、を含む、積層型電子部品の製造方法。
【請求項28】
前記内部電極パターンを形成する段階では、クリシェロールを用いて前記シートに塗布された内部電極用ペーストの一部を除去する、請求項27に記載の積層型電子部品の製造方法。
【請求項29】
前記シートがブランケットシートである、請求項27に記載の積層型電子部品の製造方法。
【請求項30】
前記シートは、前記シートが巻き取られたロールから前記シートを巻き戻すロールに移動することで連続的に供給される、請求項27に記載の積層型電子部品の製造方法。
【請求項31】
前記セラミックグリーンシートは、前記セラミックグリーンシートが巻き取られたロールから前記セラミックグリーンシートを巻き戻すロールに移動することで連続的に供給される、請求項27に記載の積層型電子部品の製造方法。
【請求項32】
前記内部電極パターンの厚さ偏差が0.1μm以下である、請求項27に記載の積層型電子部品の製造方法。
【請求項33】
前記本体は、第1方向に対向する第1及び第2面、前記第1及び第2面と連結されて第2方向に対向する第3及び第4面、前記第1~第4面と連結されて第3方向に対向する第5及び第6面を有し、複数の誘電体層を含み、前記誘電体層を挟んで第1方向に対向するように配置される複数の内部電極を含む容量形成部と、前記容量形成部の第1方向の両端面に配置されるカバー部と、を含み、
前記本体の第1及び第2方向の断面を前記第1方向に3等分した領域のうち中央に配置された容量形成部において、前記第2方向の両端の35μmを除いた領域をML、MLのうち、明るさの強度が前記カバー部の明るさの強度の平均値に対して110%以上126%以下である領域をNW、前記MLの面積に対する前記NWの面積の比率をSLとしたときに、前記SLは7.2面積%以下である、請求項27に記載の積層型電子部品の製造方法。
【請求項34】
前記本体の第1及び第3方向の断面を前記第1方向に3等分した領域のうち中央に配置された容量形成部において、前記第3方向の両端の35μmを除いた領域をMW、MWのうち、明るさの強度が前記カバー部の明るさの強度の平均値に対して110%以上126%以下である領域をNW、前記MWの面積に対する前記NWの面積の比率をSWとしたときに、前記SWは7.2面積%以下である、請求項33に記載の積層型電子部品の製造方法。
【請求項35】
前記内部電極の平均厚さが0.4μm以下である、請求項33に記載の積層型電子部品の製造方法。
【請求項36】
前記誘電体層の平均厚さが0.45μm以下である、請求項33に記載の積層型電子部品の製造方法。
【請求項37】
前記本体は、第1方向に対向する第1及び第2面、前記第1及び第2面と連結されて第2方向に対向する第3及び第4面、前記第1~第4面と連結されて第3方向に対向する第5及び第6面を有し、複数の誘電体層を含み、前記誘電体層を挟んで第1方向に対向するように配置される複数の内部電極を含む容量形成部と、前記容量形成部の第1方向の両端面に配置されるカバー部と、を含み、
前記本体の第1及び第2方向の断面を前記第1方向に3等分した領域のうち中央に配置された容量形成部において、前記第2方向の両端の35μmを除いた領域をML、内部電極の長さに対する、実際に内部電極が形成されている部分の長さの比を内部電極連結性としたときに、
前記MLで測定した内部電極連結性の標準偏差が1.5以下である、請求項27から36のいずれか一項に記載の積層型電子部品の製造方法。
【請求項38】
前記本体の第1及び第3方向の断面を前記第1方向に3等分した領域のうち中央に配置された容量形成部において、前記第3方向の両端の35μmを除いた領域をMWとしたときに、
前記MWで測定した内部電極連結性の標準偏差が1.5以下である、請求項37に記載の積層型電子部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型電子部品及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
積層型電子部品の1つである積層セラミックキャパシター(MLCC:Multi-Layered Ceramic Capacitor)は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)及びプラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)などの映像機器、コンピューター、スマートフォン、及び携帯電話などの種々の電子製品のプリント回路基板に取り付けられ、電気を充電または放電させる役割を果たすチップ形態のコンデンサーである。
【0003】
かかる積層セラミックキャパシターは、小型でありながらも高容量が保障され、且つ実装が容易であるという利点を有するため、種々の電子装置の部品として用いられることができる。コンピューター、モバイル機器などの各種電子機器の小型化、高出力化に伴い、積層セラミックキャパシターに対する小型化及び高容量化の要求が増大している。
【0004】
積層型セラミックキャパシターの小型化及び高容量化のためには、内部電極及び誘電体層の厚さを薄く形成できる技術が必要である。
【0005】
しかしながら、内部電極の厚さが薄くなるほど、内部電極間の短絡、容量低下、破壊電圧低下などの問題が生じる恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の様々な目的の1つは、信頼性に優れた積層型電子部品を提供することにある。
【0007】
本発明の様々な目的の1つは、内部電極連結性が均一な積層型電子部品を提供することにある。
【0008】
本発明の様々な目的の1つは、内部電極の平滑度に優れた積層型電子部品を提供することにある。
【0009】
本発明の様々な目的の1つは、信頼性の高い、小型且つ高容量の積層型電子部品を提供することにある。
【0010】
本発明の様々な目的の1つは、生産性に優れるとともに、信頼性に優れた積層型電子部品の製造方法を提供することにある。
【0011】
但し、本発明の目的は上述の内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態による積層型電子部品は、第1方向に対向する第1及び第2面、上記第1及び第2面と連結されて第2方向に対向する第3及び第4面、上記第1~第4面と連結されて第3方向に対向する第5及び第6面を有し、複数の誘電体層を含み、上記誘電体層を挟んで上記第1方向に対向するように配置される複数の内部電極を含む容量形成部、及び上記容量形成部の上記第1方向の両端面に配置されるカバー部を含む本体と、上記本体上に配置される外部電極と、を含み、上記本体の第1及び第2方向の断面を上記第1方向に3等分した領域のうち中央に配置された容量形成部において、上記第2方向の両端の35μmを除いた領域をML、MLのうち、明るさの強度が上記カバー部の明るさの強度の平均値に対して110%以上126%以下である領域をNL、上記MLの面積に対する上記NLの面積の比率をSLとしたときに、SLは7.2面積%以下であることができる。
【0013】
本発明の一実施形態による積層型電子部品は、第1方向に対向する第1及び第2面、上記第1及び第2面と連結されて第2方向に対向する第3及び第4面、上記第1~第4面と連結されて第3方向に対向する第5及び第6面を有し、複数の誘電体層を含み、上記誘電体層を挟んで第1方向に対向するように配置される複数の内部電極を含む容量形成部、及び上記容量形成部の第1方向の両端面に配置されるカバー部を含む本体と、上記本体上に配置される外部電極と、を含み、上記本体の第1及び第2方向の断面を上記第1方向に3等分した領域のうち中央に配置された容量形成部において、上記第2方向の両端の35μmを除いた領域をML、内部電極の長さに対する、実際に内部電極が形成されている部分の長さの比を内部電極連結性としたときに、上記MLで測定した内部電極連結性の標準偏差が1.5以下であることができる。
【0014】
本発明の一実施形態による積層型電子部品の製造方法は、連続的に供給されるシートに内部電極用ペーストを塗布する段階と、上記シートに塗布された内部電極用ペーストの一部を除去してパターニングする段階と、上記パターニングされた内部電極用ペーストを連続的に供給されるセラミックグリーンシートに転写することで、セラミックグリーンシート上に内部電極パターンを印刷する段階と、上記内部電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを積層して積層体を形成する段階と、上記積層体を切断して単位積層体を得る段階と、上記単位積層体を焼結して本体を得る段階と、上記本体に外部電極を形成して積層型電子部品を得る段階と、を含むことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明による様々な効果の1つは、容量形成部において、明るさの強度(Intensity of Brightness)が上記カバー部の明るさの強度の平均値に対して110%以上126%以下である領域の面積分率を制御することで、積層型電子部品の信頼性を向上させることである。
【0016】
本発明による様々な効果の1つは、内部電極連結性を均一にし、積層型電子部品の信頼性を向上させることである。
【0017】
本発明による様々な効果の1つは、内部電極の平滑度を向上させ、積層型電子部品の信頼性を向上させることである。
【0018】
本発明による様々な効果の1つは、積層型電子部品の破壊電圧を向上させることである。
【0019】
本発明による様々な効果の1つは、信頼性の高い、小型且つ高容量の積層型電子部品を提供できることである。
【0020】
本発明による様々な効果の1つは、積層型電子部品の単位体積当たりの容量を向上させることである。
【0021】
本発明による様々な効果の1つは、生産性を向上させるとともに、信頼性に優れた積層型電子部品を製造できることである。
【0022】
ただし、本発明の多様で且つ有益な利点と効果は上述の内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施形態による積層型電子部品の斜視図を概略的に示したものである。
【
図4】
図1の誘電体層及び内部電極が積層された本体を分解して概略的に示した分解斜視図である。
【
図5】
図1のI-I'に沿った断面図であって、測定領域を説明するための図である。
【
図6】
図1のII-II'に沿った断面図であって、測定領域を説明するための図である。
【
図7】
図2のP領域を拡大した図であって、内部電極連結性を説明するための図である。
【
図8】試験番号1の第1及び第2方向の断面を工具顕微鏡で観察した画像である。
【
図9】
図8の画像をSigmaScan Proを用いて分析した画像である。
【
図10】
図8のP1、P2、P3、及びP4領域を走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)でスキャンした画像である。
【
図11】試験番号1の第1及び第3方向の断面を工具顕微鏡で観察した画像である。
【
図12】
図11の画像をSigmaScan Proを用いて分析した画像である。
【
図13】試験番号4の第1及び第2方向の断面を工具顕微鏡で観察した画像である。
【
図14】
図13の画像をSigmaScan Proを用いて分析した画像である。
【
図15】
図13のP1、P2、P3、及びP4領域を走査型電子顕微鏡(SEM)でスキャンした画像である。
【
図16】試験番号5の第1及び第3方向の断面を工具顕微鏡で観察した画像である。
【
図17】
図16の画像をSigmaScan Proを用いて分析した画像である。
【
図18】
図16のP1、P2、P3、及びP4領域を走査型電子顕微鏡(SEM)でスキャンした画像である。
【
図19】ライン性不良の面積比率によるBDV比率を示したグラフである。
【
図20】本発明の一実施形態による積層型電子部品の製造方法を概略的に示した図である。
【
図22】リバースオフセット印刷(Reverse off-set printing)を説明するための模式図である。
【
図23】従来のリバースオフセット印刷(Reverse off-set printing)を説明するための模式図である。
【
図24】内部電極パターンが印刷されたセラミックグリーンシートを示したものである。
【
図25】本発明の製造方法により内部電極パターンを印刷した場合に、
図24の点線ラインに沿って内部電極パターンの厚さを測定したグラフである。
【
図26】グラビア印刷方法により内部電極パターンを印刷した場合に、
図24の点線ラインに沿って内部電極パターンの厚さを測定したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがある。
【0025】
なお、本発明を明確に説明すべく、図面において説明と関係ない部分は省略し、様々な層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示し、同一思想の範囲内において機能が同一である構成要素に対しては同一の参照符号を用いて説明する。さらに、明細書全体において、ある構成要素を「含む」というのは、特に異なる趣旨の説明がされていない限り、他の構成要素を除外する趣旨ではなく、他の構成要素をさらに含むことができるということを意味する。
【0026】
図面において、第1方向は厚さ(T)方向、第2方向は長さ(L)方向、第3方向は幅(W)方向と定義されることができる。
【0027】
[積層型電子部品]
図1は本発明の一実施形態による積層型電子部品の斜視図を概略的に示したものであり、
図2は
図1のI-I'に沿った断面図であり、
図3は
図1のII-II'に沿った断面図であり、
図4は
図1の誘電体層及び内部電極が積層された本体を分解して概略的に示した分解斜視図であり、
図5は
図1のI-I'に沿った断面図であって、測定領域を説明するための図であり、
図6は
図1のII-II'に沿った断面図であって、測定領域を説明するための図である。
【0028】
以下、
図1~
図6を参照して、本発明の一実施形態による積層型電子部品100について説明する。
【0029】
本発明の一実施形態による積層型電子部品100は、第1方向に対向する第1及び第2面1、2、上記第1及び第2面と連結されて第2方向に対向する第3及び第4面3、4、上記第1~第4面と連結されて第3方向に対向する第5及び第6面5、6を有し、複数の誘電体層111を含み、上記誘電体層を挟んで上記第1方向に対向するように配置される複数の内部電極121、122を含む容量形成部Ac、及び上記容量形成部の上記第1方向の両端面に配置されるカバー部112、113を含む本体110と、上記本体上に配置される外部電極131、132と、を含み、上記本体の第1及び第2方向の断面を上記第1方向に3等分した領域のうち中央に配置された容量形成部において、上記第2方向の両端の35μm(D1)を除いた領域をML、上記MLのうち、明るさの強度が上記カバー部の明るさの強度の平均値に対して110%以上126%以下である領域をNL、上記MLの面積に対する上記NLの面積の比率をSLとしたときに、上記SLは7.2面積%以下であることができる。
【0030】
積層型電子部品の1つである積層型セラミックキャパシターの小型化及び高容量化のためには、内部電極及び誘電体層の厚さを薄く形成できる技術が必要である。しかしながら、内部電極の厚さが薄くなるほど、内部電極間の短絡、容量低下、破壊電圧低下などの問題が生じる恐れがある。
【0031】
本発明者らが検討した結果、内部電極の厚さが薄くなるほど内部電極間の短絡、容量低下、破壊電圧低下などの問題が生じる理由は、内部電極の平滑度が低下し、内部電極連結性が不均一になるためであることを確認した。しかし、積層型電子部品の小型化及び高容量化に伴い、内部電極及び誘電体層の積層数が益々増加しており、積層型電子部品に含まれている内部電極の連結性及び内部電極の平滑度を定量的に分析するためには、多くの努力と時間が必要となる。そこで、本発明者らは、内部電極連結性の均一性及び内部電極の平滑度は、容量形成部AcのMLのうち、明るさの強度が上記カバー部の明るさの強度の平均値に対して110%以上126%以下である領域の面積分率(SL)と相関関係を有することを見出し、上記SLを制御することで、内部電極間の短絡、容量低下、破壊電圧低下などの問題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0032】
本発明の一実施形態によると、容量形成部AcのMLのうち、明るさの強度が、上記カバー部の明るさの強度の平均値に対して110%以上126%以下である領域の面積分率(SL)を制御することで、内部電極連結性を均一に確保することができ、内部電極の平滑度を向上させ、内部電極間の短絡、容量低下、破壊電圧低下などの問題を解決することができる。
【0033】
以下、積層型電子部品100の各構成要素について詳細に説明する。
【0034】
本体110は、誘電体層111及び内部電極121、122が交互に積層されている。
【0035】
本体110の具体的な形状は特に制限されないが、図示されたように、本体110は、六面体形状またはそれに類似した形状からなることができる。焼成過程における、本体110に含まれているセラミック粉末の収縮により、本体110は、完全な直線を有する六面体形状ではないが、実質的に六面体形状を有することができる。
【0036】
本体110は、第1方向に互いに対向する第1及び第2面1、2と、上記第1及び第2面1、2と連結されて第2方向に互いに対向する第3及び第4面3、4と、第1及び第2面1、2と連結され、且つ第3及び第4面3、4と連結されて第3方向に互いに対向する第5及び第6面5、6と、を有することができる。
【0037】
本体110を形成する複数の誘電体層111は焼成された状態であって、隣接する誘電体層111の間の境界は、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用いずには確認が困難な程度に一体化されていることができる。
【0038】
本発明の一実施形態によると、上記誘電体層111を形成する原料は、十分な静電容量を得ることができれば特に制限されない。例えば、チタン酸バリウム系材料、鉛複合ペロブスカイト系材料、またはチタン酸ストロンチウム系材料などが使用できる。上記チタン酸バリウム系材料は、BaTiO3系セラミック粉末を含むことができ、上記セラミック粉末の例として、BaTiO3、BaTiO3にCa(カルシウム)、Zr(ジルコニウム)などが一部固溶された(Ba1-xCax)TiO3(0<x<1)、Ba(Ti1-yCay)O3(0<y<1)、(Ba1-xCax)(Ti1-yZry)O3(0<x<1、0<y<1)、またはBa(Ti1-yZry)O3(0<y<1)などが挙げられる。
【0039】
また、上記誘電体層111を形成する原料は、チタン酸バリウム(BaTiO3)などの粉末に、本発明の目的に応じて、種々のセラミック添加剤、有機溶剤、結合剤、分散剤などが添加されることができる。
【0040】
一方、誘電体層111の平均厚さtdは、特に限定する必要はない。例えば、誘電体層111の平均厚さtdは、0.2μm以上2μm以下であることができる。
【0041】
但し、一般に、誘電体層を0.6μm未満の厚さで薄く形成する場合、特に、誘電体層の厚さが0.45μm以下である場合には、信頼性が低下する恐れがある。
【0042】
本発明の一実施形態によると、内部電極連結性が均一であり、内部電極の平滑度に優れるため、誘電体層111の平均厚さが0.45μm以下である場合にも、優れた信頼性を確保することができる。したがって、誘電体層111の平均厚さが0.45μm以下である場合に、本発明による信頼性向上の効果がより顕著になることができる。よって、誘電体層111の平均厚さtdは、0.45μm以下であることが好ましく、0.4μm以下であることがより好ましい。
【0043】
誘電体層111の平均厚さtdは、上記第1内部電極121と第2内部電極122との間に配置される誘電体層111の平均厚さを意味し得る。
【0044】
誘電体層111の平均厚さは、本体110の長さ及び厚さ方向(L-T)の断面を1万倍率の走査型電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)でイメージスキャンして測定することができる。より具体的に、スキャンされた画像での1つの誘電体層において、長さ方向に等間隔である30個の地点でその厚さを測定し、平均値を測定することができる。上記等間隔である30個の地点は、容量形成部Acで指定することができる。また、このような平均値の測定を10個の誘電体層に拡張して行うと、誘電体層の平均厚さをさらに一般化することができる。
【0045】
本体110は、本体110の内部に配置され、誘電体層111を挟んで第1方向に対向するように配置される複数の内部電極121、122を含む容量形成部Acと、上記容量形成部Acの第1方向の両端面に配置されるカバー部112、113と、を含むことができる。
【0046】
また、容量形成部Acは、キャパシターの容量形成に寄与する部分であり、誘電体層111を挟んで複数の第1及び第2内部電極121、122を繰り返し積層することで形成されることができる。また、容量形成部Acは、第1内部電極121と第2内部電極122が重なっている領域を意味することができる。
【0047】
カバー部112、113は、上記容量形成部Acの第1方向の上部に配置される上部カバー部112と、上記容量形成部Acの第1方向の下部に配置される下部カバー部113と、を含むことができる。
【0048】
上記上部カバー部112及び下部カバー部113は、単一の誘電体層または2つ以上の誘電体層を容量形成部Acの上下面にそれぞれ厚さ方向に積層することで形成されることができ、基本的に、物理的または化学的ストレスによる内部電極の損傷を防止する役割を果たすことができる。
【0049】
上記上部カバー部112及び下部カバー部113は、内部電極を含まず、誘電体層111と同一の材料を含むことができる。
【0050】
すなわち、上記上部カバー部112及び下部カバー部113はセラミック材料を含むことができ、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO3)系セラミック材料を含むことができる。
【0051】
一方、カバー部112、113の平均厚さは特に限定する必要はない。但し、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成するために、カバー部112、113の平均厚さは15μm以下であることができる。カバー部112、113の平均厚さは第1方向のサイズを意味し、容量形成部Acの上部または下部において等間隔の5個の地点で測定したカバー部112、113の第1方向のサイズを平均した値であることができる。
【0052】
また、上記容量形成部Acの側面にはマージン部114、115が配置されることができる。
【0053】
マージン部114、115は、本体110の第5面5に配置されたマージン部114と、第6面6に配置されたマージン部115と、を含むことができる。すなわち、マージン部114、115は、上記セラミック本体110の幅方向の両側面に配置されることができる。
【0054】
マージン部114、115は、
図3に示されたように、上記本体110を幅-厚さ(W-T)方向に切断した断面において、第1及び第2内部電極121、122の両端と本体110の境界面の間の領域を意味することができる。
【0055】
マージン部114、115は、基本的に、物理的または化学的ストレスによる内部電極の損傷を防止する役割を果たすことができる。
【0056】
マージン部114、115は、セラミックグリーンシート上に、マージン部が形成されるべき箇所を除いて導電性ペーストを塗布して内部電極を形成することにより形成されたものであることができる。
【0057】
また、内部電極121、122による段差を抑えるために、積層後に内部電極が本体の第5及び第6面5、6に露出するように切断した後、単一の誘電体層または2つ以上の誘電体層を容量形成部Acの両側面に幅方向に積層することでマージン部114、115を形成することもできる。
【0058】
内部電極121、122は、誘電体層111と交互に積層されることができる。
【0059】
内部電極121、122は、互いに異なる極性を有する第1内部電極121及び第2内部電極122を含むことができ、第1及び第2内部電極121、122は、誘電体層111を挟んで第1方向に交互に配置されることができる。
【0060】
図2を参照すると、第1内部電極121は、本体110の第4面4から離隔して第3面3を介して露出し、第2内部電極122は、本体110の第3面3から離隔して第4面4を介して露出することができる。本体110の第3面3及び第4面4には外部電極131、132が配置され、内部電極121、122と連結されることができる。
【0061】
この時、第1及び第2内部電極121、122は、中間に配置された誘電体層111により互いに電気的に分離されることができる。
【0062】
図4を参照すると、本体110は、第1内部電極121が印刷されたセラミックグリーンシートと、第2内部電極122が印刷されたセラミックグリーンシートとを交互に積層した後、焼成することで形成されることができる。
【0063】
内部電極121、122は、高容量の積層型電子部品を実現するために、400層以上積層されることができるが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0064】
本体110の第1及び第2方向の断面を第1方向に3等分した領域のうち中央に配置された容量形成部Acにおいて、第2方向の両端の35μmを除いた領域をML、MLのうち、明るさの強度が上記カバー部の明るさの強度の平均値に対して110%以上126%以下である領域の面積分率をSLとしたときに、SLは7.2面積%以下であることができる。SLを7.2面積%以下にすることで、内部電極連結性を均一に確保することができ、内部電極121、122の平滑度を向上させ、内部電極間の短絡、容量低下、破壊電圧低下などの発生を抑えることができる。
【0065】
ここで、内部電極連結性とは、内部電極の長さに対する、実際に内部電極が形成されている部分の長さの比と定義することができる。例えば、
図7のように、内部電極121のある一地点で測定された電極の全長をb、実際に電極が形成されている部分の長さをそれぞれe1、e2、e3、e4と規定すると、電極の全長(b)に対する、実際に電極が形成されている部分の長さの和(e=e1+e2+e3+e4)の比率を、上記内部電極連結性と表現することができる。平滑度とは、内部電極121、122の表面が平らな程度を意味し、内部電極121、122の厚さが均一であるほど、平滑度が高いと判断することができる。
【0066】
SLが7.2面積%を超える場合には、内部電極連結性が不均一になる恐れがあり、内部電極連結性及び内部電極121、122の平滑度が低下する恐れがある。
【0067】
明るさの強度が、カバー部112、113の明るさの強度の平均値に対して110%以上126%以下である領域は、内部電極連結性が不均一であるか、内部電極121、122の厚さが薄い領域である。容量形成部Acは内部電極121、122が含まれているため、工具顕微鏡で観察した時にカバー部112、113より明るく見えるが、容量形成部Acのうち、内部電極連結性が低い領域や内部電極121、122の厚さが薄い領域は相対的に暗く観察され、明るさの強度がカバー部の明るさの強度の平均値に対して110%以上126%以下である領域は、内部電極間の短絡、容量低下、破壊電圧低下などの問題を発生させる恐れがある。
【0068】
また、内部電極連結性の均一性及び内部電極の平滑度は内部電極パターンの平滑度の影響を大きく受け、1つのチップに含まれる内部電極は、一般に、同一の印刷方法により内部電極パターンを印刷したセラミックグリーンシートを積層して形成するため、内部電極パターンの平滑度の低い領域は、積層方向(第1方向)に重なるようになる。これにより、カバー部の明るさの強度の平均値に対して110%以上126%以下の明るさの強度を有する領域は、積層方向にラインを形成することがあり、このような不良をライン性不良と言う。
図16及び
図17を参照すると、カバー部の明るさの強度の平均値に対して110%以上126%以下の明るさの強度を有する領域が積層方向に著しくラインを形成しており、ライン性不良が発生したことが確認できる。以下、ライン性不良は、カバー部の明るさの強度の平均値に対して110%以上126%以下の明るさの強度を有する領域を意味し、ライン性不良が発生したということは、カバー部の明るさの強度の平均値に対して110%以上126%以下の明るさの強度を有する領域の面積分率が7.2面積%を超えたことを意味することができる。
【0069】
さらに、積層型電子部品100の小型化及び高容量化に伴い、内部電極121、122及び誘電体層111の厚さが薄くなり、積層数が益々増加しているため、積層型電子部品に含まれている内部電極の連結性及び内部電極の平滑度を定量的に分析するためには、多くの努力と時間が必要である。しかし、本発明の一実施形態によると、カバー部112、113の明るさの強度の平均値に対して110%以上126%以下の明るさの強度を有する領域の面積分率を測定することで、内部電極121、122が全体的に均一な内部電極連結性を有するか否か、内部電極121、122の平滑度が全体的に優れるか否かを判断することができる。したがって、簡単な測定方法により、積層型電子部品100に含まれている内部電極121、122が全体的に優れた内部電極連結性及び平滑度を有することを保証することができる。
【0070】
明るさの強度(Intensity of Brightness)とは、対象物を光学顕微鏡で撮った画像を画像分析プログラムを用いて分析した時にIntensityで表現される値であり、明度を相対的な値で示した数値であることができる。上記画像分析プログラムとしては、SigmaScan Pro、Olympus Stream Essentials 2.4などが挙げられ、Intensityは0~255の範囲の値を有することができる。
【0071】
以下、カバー部の明るさの強度(Intensity of Brightness)の平均値及びSLを測定する方法の具体的な例を説明するが、明るさの強度(Intensity of Brightness)の測定方法がこれに限定されるものではないことに留意する必要がある。
【0072】
先ず、本体110を第3方向の中央まで研磨して第1及び第2方向の断面を露出させた後、工具顕微鏡を用いて100倍率で観察した第1及び第2方向の断面に対する光学画像を保存する。この時、工具顕微鏡の種類は特に限定する必要はないが、Olympus Stream Essentials 2.4プログラムが搭載されたOlympus社のBX53Mが使用できる。観察環境によって、観察される光学画像の明るさの強度が変わり得るが、光学画像においてカバー部の明るさの強度が100以上130以下のIntensityを有するように観察環境を調節すると、SigmaScan Proを用いてカバー部及び容量形成部の明るさの強度をより容易に分析及び比較することができる。
図8及び
図13は、上述の方法によりOlympus社のBX53Mを用いて得た光学画像である。一方、Olympus Stream Essentials 2.4プログラム、SigmaScan Proなどを用いると明るさの強度(Intensity of Brightness)が確認でき、これらのプログラムで、明るさの強度はIntensityで表現される。
【0073】
その後、SigmaScan Proを用いて上記光学画像を分析することができる。SigmaScan Proは、視覚情報の構造と大きさを研究するための画像分析パッケージを提供するプログラムである。上記光学画像に対して、SigmaScan Proメニューのうち「convert to gray scale」により画像変換を行う。その後、SigmaScan Proメニューのうち「Trace Measurementのline Intensity」を設定後、
図5のMC領域でカバー部112、113の明るさの強度の平均値を測定することができる。その後、カバー部112、113の明るさの強度の平均値に対して110%以上126%以下に該当するIntensityを有する領域が特定の色で表示されるように設定した後、MLの全体面積に対する、特定の色を有する領域の面積分率を測定することで、SLを求めることができる。
図9及び
図14は、上述の方法によりSigmaScan Proを用いて得た光学画像であり、カバー部112、113の明るさの強度の平均値に対して110%以上126%以下に該当するIntensityを有する領域を赤色で表示したものである。
【0074】
図5を参照すると、本体110の第1及び第2方向の断面を第1方向に3等分した領域のうち中央に配置された容量形成部Acにおいて、第2方向の両端の35μm(D1)を除いた領域をMLとすることができる。測定領域をこのように限定した理由は、カバー部112、113または長さ方向のマージン部の影響を受け得る領域を除くためである。ここで、容量形成部Acは、第1内部電極121と第2内部電極122が重なった領域を意味し、第1方向の最上部に配置された内部電極から第1方向の最下部に配置された内部電極までの領域のうち、第1及び第2内部電極が重なっていない領域を除いた領域を容量形成部Acとすることができる。容量形成部Acの第2方向の一端は、第2内部電極122の第3面から離隔した端を第1方向に連結した領域を意味し、容量形成部Acの第2方向の他端は、第1内部電極121の第4面から離隔した端を第1方向に連結した領域を意味し得る。
【0075】
また、カバー部112、113の明るさの強度の平均値は、カバー部112、113を第2方向に3等分した領域のうち中央に配置された領域(MC)で測定したものであり、本体の外側及び容量形成部Acに隣接した領域は除くために、カバー部112、113を第1方向に4等分した領域のうち中央の2つの領域に配置された領域で測定したものであることができる。
【0076】
一実施形態において、SLは5.0面積%以下であることができる。SLを5.0面積%以下にすることで、内部電極連結性をより均一に確保することができ、内部電極121、122の平滑度をより向上させることができる。
【0077】
一方、SLが小さくなるほど、内部電極連結性をより均一に確保することができ、内部電極121、122の平滑度をより向上させることができるため、その下限は特に限定しない。
【0078】
一実施形態において、本体110の第1及び第3方向の断面を第1方向に3等分した領域のうち中央に配置された容量形成部Acにおいて、第3方向の両端の35μmを除いた領域をMW、MWのうち、明るさの強度がカバー部112、113の明るさの強度の平均値に対して110%以上126%以下である領域をNW、上記MWの面積に対する上記NWの面積の比率をSWとしたときに、SWは7.2面積%以下であることができる。SWを7.2面積%以下にすることで、内部電極連結性を均一に確保することができ、内部電極121、122の平滑度を向上させ、内部電極間の短絡、容量低下、破壊電圧低下などの発生を抑えることができる。SWが7.2面積%を超える場合には、内部電極連結性が不均一になる恐れがあり、内部電極連結性及び内部電極の平滑度が低下する恐れがある。
【0079】
以下、カバー部112、113の明るさの強度の平均値及びSWを測定する方法の具体的な例を説明するが、明るさの強度の測定方法がこれに限定されるものではないことに留意する必要がある。
【0080】
先ず、本体110を第2方向の中央まで研磨して第1及び第3方向の断面を露出させた後、工具顕微鏡を用いて100倍率で観察した第1及び第3方向の断面に対する光学画像を保存する。
図11及び
図16は、上述の方法によりOlympus社のBX53Mを用いて得た光学画像である。
【0081】
その後、上記光学画像に対して、SigmaScan Proメニューのうち「convert to gray scale」により画像変換を行う。SigmaScan Proメニューのうち「Trace Measurementのline Intensity」を設定後、
図6のMC'領域でカバー部112、113の明るさの強度の平均値を測定することができる。その後、カバー部112、113の明るさの強度の平均値に対して110%以上126%以下に該当するIntensityを有する領域が特定の色で表示されるように設定した後、MWの全体面積に対する、特定の色を有する領域の面積分率を測定することで、SWを求めることができる。
図12及び
図17は、上述の方法によりSigmaScan Proを用いて得た光学画像であり、カバー部112、113の明るさの強度の平均値に対して110%以上126%以下に該当するIntensityを有する領域を赤色で表示したものである。
【0082】
図6を参照すると、本体110の第1及び第3方向の断面を第1方向に3等分した領域のうち中央に配置された容量形成部Acにおいて、第2方向の両端の35μm(D2)を除いた領域をMWとすることができる。測定領域をこのように限定したことは、カバー部112、113または幅方向のマージン部114、115の影響を受け得る領域を除くためである。
【0083】
また、カバー部112、113の明るさの強度の平均値は、カバー部112、113を第3方向に3等分した領域のうち中央に配置された領域(MC')で測定したものであり、本体の外側及び容量形成部Acに隣接した領域は除くために、カバー部112、113を第1方向に4等分した領域のうち中央の2つの領域に配置された領域で測定したものであることができる。
【0084】
一実施形態において、SWは5.0面積%以下であることができる。SWを5.0面積%以下にすることで、内部電極連結性をより均一に確保することができ、内部電極121、122の平滑度をより向上させることができる。
【0085】
一方、SWが小さくなるほど、内部電極連結性をより均一に確保することができ、内部電極121、122の平滑度をより向上させることができるため、その下限は特に限定しない。
【0086】
一実施形態において、SL及びSWが何れも7.2面積%以下であることができ、5.0面積%以下であることがより好ましい。
【0087】
1つの第1及び第2方向の断面と、1つの第1及び第3方向の断面のうち何れか1つでのみライン性不良が観察される場合があり得る。したがって、第1及び第2方向の断面と第1及び第3方向の断面の両方で、カバー部の明るさの強度の平均値の110%以上126%以下の明るさの強度を有する領域の面積分率を低くすることで、内部電極121、122が全体的に均一な内部電極連結性を有するか否か、内部電極121、122の平滑度が全体的に優れるか否かをより明確に保証することができる。
【0088】
一実施形態において、本体110を、第3方向に均等な間隔を有する3個の地点で第1及び第2方向に切断した3個の断面で測定した上記SLは、何れも7.2面積%以下を満たすことができる。
【0089】
第1及び第3方向の断面でのみライン性不良が観察される場合、1つの第1及び第2方向の断面でのみSLを測定すると、SLが低く現れる場合があり得る。したがって、本体110を、第3方向に均等な間隔を有する3個の地点で第1及び第2方向に切断した3個の断面で測定したSLが何れも7.2面積%以下を満たすことで、内部電極121、122が全体的に均一な内部電極連結性を有するか否か、内部電極121、122の平滑度が全体的に優れるか否かをより明確に保証することができる。
【0090】
一実施形態において、本体110を、第2方向に均等な間隔を有する3個の地点で第1及び第3方向に切断した3個の断面で測定した上記SWは、何れも7.2面積%以下を満たすことができる。
【0091】
第1及び第2方向の断面でのみライン性不良が観察される場合、1つの第1及び第3方向の断面でのみSWを測定すると、SWが低く現れる場合があり得る。したがって、本体110を、第2方向に均等な間隔を有する3個の地点で第1及び第3方向に切断した3個の断面で測定したSWが何れも7.2面積%以下を満たすことで、内部電極121、122が全体的に均一な内部電極連結性を有するか否か、内部電極121、122の平滑度が全体的に優れるか否かをより明確に保証することができる。
【0092】
一実施形態において、MLに配置された内部電極121、122は、内部電極連結性の平均値が80%以上であることができる。すなわち、MLで測定した内部電極連結性の平均値が80%以上であることができる。内部電極連結性が全体的に均一であっても内部電極連結性の平均値が低すぎる場合には、信頼性が低下し、容量が低下する恐れがあるため、MLに配置された内部電極121、122は、内部電極連結性の平均値が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。
【0093】
ここで、内部電極連結性とは、内部電極の長さに対する、実際に内部電極が形成されている部分の長さの比と定義されることができる。例えば、
図7のように、内部電極121のある一地点で測定された電極の全長をb、実際に電極が形成されている部分の長さをそれぞれe1、e2、e3、e4と規定すると、電極の全長(b)に対する、実際に電極が形成されている部分の長さの和(e=e1+e2+e3+e4)の比率を、内部電極連結性と表現することができる。
【0094】
一実施形態において、MLに配置された内部電極121、122は、内部電極連結性の標準偏差が1.5以下であることができる。すなわち、MLで測定した内部電極連結性の標準偏差が1.5以下であることができる。内部電極連結性の標準偏差が1.5以下である場合、内部電極連結性が均一であるため、内部電極間の短絡、容量低下、破壊電圧低下などの発生を抑えることができる。したがって、MLに配置された内部電極121、122は、内部電極連結性の標準偏差が1.5以下であることができ、1.3以下であることがより好ましく、1.1以下であることがさらに好ましい。
【0095】
一実施形態において、MLに配置された内部電極121、122は、内部電極連結性のCV値が2.0%以下であることができる。すなわち、MLで測定した内部電極連結性のCV値が2.0%以下であることができる。内部電極連結性のCV値が2.0%以下である場合、内部電極連結性が均一であるため、内部電極間の短絡、容量低下、破壊電圧低下などの発生を抑えることができる。したがって、MLに配置された内部電極121、122は、内部電極連結性のCV値が2.0%以下であることができ、1.7%以下であることがより好ましく、1.5%以下であることがさらに好ましい。
【0096】
一実施形態において、MWに配置された内部電極121、122は、内部電極連結性の平均値が80%以上であることができる。すなわち、MWで測定した内部電極連結性の平均値が80%以上であることができる。内部電極連結性が全体的に均一であっても内部電極連結性の平均値が低すぎる場合には、信頼性が低下し、容量が低下する恐れがあるため、MWに配置された内部電極は、内部電極連結性の平均値が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。
【0097】
一実施形態において、MWに配置された内部電極121、122は、内部電極連結性の標準偏差が1.5以下であることができる。すなわち、MWで測定した内部電極連結性の標準偏差が1.5以下であることができる。内部電極連結性の標準偏差が1.5以下である場合、内部電極連結性が均一であるため、内部電極間の短絡、容量低下、破壊電圧低下などの発生を抑えることができる。したがって、MWに配置された内部電極121、122は、内部電極連結性の標準偏差が1.5以下であることができ、1.3以下であることがより好ましく、1.1以下であることがさらに好ましい。
【0098】
一実施形態において、MWに配置された内部電極121、122は、内部電極連結性のCV値が2.0%以下であることができる。すなわち、MWで測定した内部電極連結性のCV値が2.0%以下であることができる。内部電極連結性のCV値が2.0%以下である場合、内部電極連結性が均一であるため、内部電極間の短絡、容量低下、破壊電圧低下などの発生を抑えることができる。したがって、MWに配置された内部電極121、122は、内部電極連結性のCV値が2.0%以下であることができ、1.7%以下であることがより好ましく、1.5%以下であることがさらに好ましい。
【0099】
内部電極連結性の平均値、標準偏差、及びCV値を測定する方法は特に限定されない。具体的な例として、MWに配置された内部電極連結性の平均値は、MWにおいて70μm×90μmのサイズを有する任意の4個の領域(P1、P2、P3、P4)で内部電極連結性の値を測定した後、その値を算術平均して求めることができる。また、上記4個の領域での電極連結性の値の標準偏差及びCV値を、内部電極連結性の標準偏差及びCV値とすることができる。この時、標準偏差は、マイクロソフトのエクセルプログラムにてSTDEVP関数を用いて求めた値であり、CV値(%)は、「(標準偏差/平均)×100」により求めることができる。
【0100】
一方、内部電極121、122を形成する材料は特に制限されず、電気伝導性に優れた材料を用いることができる。例えば、内部電極121、122は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)、及びこれらの合金のうち1つ以上を含むことができる。
【0101】
また、内部電極121、122は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)、及びこれらの合金のうち1つ以上を含む内部電極用導電性ペーストをセラミックグリーンシートに印刷することで形成されることができる。上記内部電極用導電性ペーストの印刷方法としては、スクリーン印刷法またはグラビア印刷法などを用いることができるが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0102】
また、内部電極121、122の平均厚さteは、特に限定する必要はない。例えば、内部電極121、122の平均厚さteは0.2μm以上2μm以下であることができる。
【0103】
但し、一般に、内部電極を0.6μm未満の厚さで薄く形成する場合、特に、内部電極の厚さが0.4μm以下である場合には、信頼性が低下する恐れがある。
【0104】
本発明の一実施形態によると、内部電極連結性が均一であり、内部電極の平滑度に優れるため、内部電極121、122の平均厚さが0.4μm以下である場合にも、優れた信頼性を確保することができる。
【0105】
したがって、内部電極121、122の厚さが平均0.4μm以下である場合に、本発明による効果がより顕著になることができ、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成することができる。よって、内部電極121、122の平均厚さteは、0.4μm以下であることが好ましく、0.35μm以下であることがより好ましい。
【0106】
上記内部電極121、122の平均厚さteは、内部電極121、122の平均厚さを意味することができる。
【0107】
内部電極121、122の平均厚さは、本体110の長さ及び厚さ方向(L-T)の断面を1万倍率の走査型電子顕微鏡(SEM、 Scanning Electron Microscope)でイメージスキャンして測定することができる。より具体的に、スキャンされた画像での1つの内部電極において、長さ方向に等間隔である30個の地点でその厚さを測定し、平均値を測定することができる。上記等間隔である30個の地点は、容量形成部Acで指定することができる。また、このような平均値の測定を10個の内部電極に拡張して行うと、内部電極の平均厚さをさらに一般化することができる。
【0108】
外部電極131、132は、本体110の第3面3及び第4面4に配置されることができる。
【0109】
外部電極131、132は、本体110の第3及び第4面3、4にそれぞれ配置され、第1及び第2内部電極121、122とそれぞれ連結された第1及び第2外部電極131、132を含むことができる。
【0110】
図1を参照すると、外部電極131、132はサイドマージン部114、115の第2方向の両端面を覆うように配置されることができる。
【0111】
本実施形態では、セラミック電子部品100が2個の外部電極131、132を有する構造を説明しているが、外部電極131、132の個数や形状などは、内部電極121、122の形態やその他の目的によって変わることができる。
【0112】
一方、外部電極131、132は、金属などのように電気伝導性を有するものであれば如何なる物質を用いて形成されてもよく、電気的特性、構造的安定性などを考慮して具体的な物質が決定されることができ、さらには、多層構造を有することができる。
【0113】
例えば、外部電極131、132は、本体110に配置される電極層131a、132aと、電極層131a、132a上に形成されためっき層131b、132bと、を含むことができる。
【0114】
電極層131a、132aのより具体的な例としては、電極層131a、132aは、導電性金属及びガラスを含む焼成(firing)電極であってもよく、導電性金属及び樹脂を含む樹脂系電極であってもよい。
【0115】
また、電極層131a、132aは、本体上に焼成電極及び樹脂系電極が順に形成された形態であることができる。また、電極層131a、132aは、本体上に導電性金属を含むシートを転写する方式により形成されてもよく、焼成電極上に導電性金属を含むシートを転写する方式により形成されてもよい。
【0116】
また、電極層131a、132aは、原子層蒸着(Atomic Layer Deposition、ALD)法、分子層蒸着(Molecular Layer Deposition、MLD)法、化学気相蒸着(Chemical Vapor Deposition、CVD)法、スパッタリング(Sputtering)法などを用いて形成されてもよい。
【0117】
電極層131a、132aに用いられる導電性金属は、静電容量を形成するために上記内部電極と電気的に連結されることができる材質であれば特に制限されず、例えば、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)、及びこれらの合金からなる群から選択される1つ以上を含むことができる。
【0118】
めっき層131b、132bは、実装特性を向上させる役割を果たす。めっき層131b、132bの種類は特に限定されず、Ni、Sn、Pd、及びこれらの合金のうち1つ以上を含むめっき層であることができ、複数の層で形成されることができる。
【0119】
めっき層131b、132bのより具体的な例としては、めっき層131b、132bは、Niめっき層またはSnめっき層であることができ、電極層131a、132a上にNiめっき層及びSnめっき層が順に形成された形態であってもよく、Snめっき層、Niめっき層、及びSnめっき層が順に形成された形態であってもよい。また、めっき層131b、132bは、複数のNiめっき層及び/または複数のSnめっき層を含んでもよい。
【0120】
積層型電子部品100のサイズは特に限定する必要はない。
【0121】
但し、小型化及び高容量化をともに達成するためには、誘電体層及び内部電極の厚さを薄くし、積層数を増加させる必要があるため、0603(長さ×幅、0.6mm×0.3mm)以下のサイズを有する積層型電子部品100において、本発明による信頼性及び破壊電圧向上の効果がより顕著になることができる。
【0122】
したがって、製造誤差、外部電極のサイズなどを考慮すると、積層型電子部品100の長さが0.66mm以下であり、幅が0.33mm以下である場合、本発明による信頼性向上の効果がより顕著になることができる。ここで、積層型電子部品100の長さは、積層型電子部品100の第2方向の最大サイズを意味し、積層型電子部品100の幅は、積層型電子部品100の第3方向の最大サイズを意味することができる。
【0123】
一方、本発明の一実施形態によると、第1方向に対向する第1及び第2面、上記第1及び第2面と連結されて第2方向に対向する第3及び第4面、上記第1~第4面と連結されて第3方向に対向する第5及び第6面を有し、複数の誘電体層111を含み、上記誘電体層を挟んで第1方向に対向するように配置される複数の内部電極121、122を含む容量形成部Ac、及び上記容量形成部の第1方向の両端面に配置されるカバー部112、113を含む本体110と、上記本体上に配置される外部電極131、132と、を含み、上記本体の第1及び第2方向の断面を第1方向に3等分した領域のうち中央に配置された容量形成部Acにおいて、第2方向の両端の35μmを除いた領域をML、内部電極の長さに対する、実際に内部電極が形成されている部分の長さの比を内部電極連結性としたときに、上記MLで測定した内部電極連結性の標準偏差が1.5以下であることができる。
【0124】
一実施形態において、上記本体の第1及び第3方向の断面を第1方向に3等分した領域のうち中央に配置された容量形成部において、第3方向の両端の35μmを除いた領域をMWとしたときに、上記MWで測定した内部電極連結性の標準偏差が1.5以下であることができる。
【0125】
1つの第1及び第2方向の断面と、1つの第1及び第3方向の断面のうち何れか1つでのみライン性不良が観察される場合があり得る。したがって、ML及びMWで内部電極連結性の標準偏差を1.5以下にすることで、内部電極121、122が全体的に均一な内部電極連結性を有するか否か、内部電極121、122の平滑度が全体的に優れるか否かをより明確に保証することができ、内部電極間の短絡、容量低下、破壊電圧低下などの発生をより明確に抑えることができる。
【0126】
一実施形態において、上記本体を、上記第3方向に均等な間隔を有する3個の地点で第1及び第2方向に切断した3個の断面のMLで測定した内部電極連結性の標準偏差は、何れも1.5以下であることができる。
【0127】
第1及び第3方向の断面でのみライン性不良が観察される場合、1つの第1及び第2方向の断面でのみSLを測定すると、SLが低く現れる場合があり得る。したがって、本体110を、第3方向に均等な間隔を有する3個の地点で第1及び第2方向に切断した3個の断面のMLで測定した内部電極連結性の標準偏差が何れも1.5以下を満たすことで、内部電極121、122が全体的に均一な内部電極連結性を有するか否か、内部電極121、122の平滑度が全体的に優れるか否かをより明確に保証することができる。
【0128】
一実施形態において、ML及びMWで測定した内部電極連結性の平均値が80%以上であることができる。
【0129】
一実施形態において、ML及びMWで測定した内部電極121、122は、内部電極連結性のCV値が2.0%以下であることができる。
【0130】
一実施形態において、MLのうち、明るさの強度が上記カバー部112、113の明るさの強度の平均値に対して110%以上126%以下である領域をNL、上記MLの面積に対する上記NLの面積の比率をSL、MWのうち、明るさの強度が上記カバー部112、113の明るさの強度の平均値に対して110%以上126%以下である領域をNW、上記MWの面積に対する上記NWの面積の比率をSWとしたときに、SL及びSWは7.2面積%以下であることができる。
【0131】
[積層型電子部品の製造方法]
上述の本発明の一実施形態による積層型電子部品100をより容易に製造することができ、製造時間が短縮可能で、大量生産することができる製造方法について説明する。
【0132】
但し、上述の本発明の一実施形態による積層型電子部品100を製造するための製造方法が、後述の製造方法に制限されるものではないことに留意する必要がある。
【0133】
図20は本発明の一実施形態による積層型電子部品の製造方法を概略的に示した図であり、
図21は
図20の一部を拡大して示した図であり、
図22はリバースオフセット印刷(Reverse off-set printing)を説明するための模式図であり、
図23は従来のリバースオフセット印刷(Reverse off-set printing)を説明するための模式図である。
【0134】
図20から
図23を参照して、本発明の一実施形態による積層型電子部品の製造方法について詳細に説明する。
【0135】
本発明の一実施形態による積層型電子部品の製造方法は、連続的に供給されるシートBSに内部電極用ペーストEPを塗布する段階と、上記シートに塗布された内部電極用ペーストの一部を除去して内部電極パターンEP'を形成する段階と、上記内部電極パターンEP'を連続的に供給されるセラミックグリーンシートGSに転写することで、セラミックグリーンシート上に内部電極パターンEP'を印刷する段階と、上記内部電極パターンEP'が印刷されたセラミックグリーンシートGSを積層して積層体を形成する段階と、上記積層体を切断して単位積層体を得る段階と、上記単位積層体を焼結して本体を得る段階と、上記本体に外部電極を形成して積層型電子部品を得る段階と、を含むことができる。
【0136】
セラミックグリーンシートに内部電極パターンを印刷する方法としては、グラビア印刷、スクリーン印刷、リバースオフセット印刷などが挙げられる。
【0137】
図23はリバースオフセット印刷を説明するための模式図である。
図23を参照すると、リバースオフセット印刷では、ブランケットシートBSの 一面に全体的に内部電極用ペーストEPを塗布することができる。その後、クリシェロール30で、塗布された内部電極用ペーストEPの一部を除去して内部電極パターンEPを形成することができる。その後、内部電極パターンEP'をセラミックグリーンシートGSに転写し、セラミックグリーンシート上に内部電極パターンEP'を印刷することができる。
【0138】
リバースオフセット印刷は、グラビア印刷及びスクリーン印刷と異なって、メッシュマスク(mesh mask)や網点のある設計デザインを用いず、ブランケットシートBSの一面に全体的に内部電極用ペーストEPを塗布するため、ペーストを均一且つ平滑に塗布する上で有利である利点がある。
【0139】
しかし、従来のリバースオフセット印刷(Reverse off-set printing)を説明するための模式図である
図23を参照すると、従来のリバースオフセット印刷は、円形のブランケットロール10'にブランケットシートBS'を巻き取り、ブランケットシートBS'の表面に内部電極用ペーストEPを塗布した後、クリシェロール30'を用いて内部電極パターンEP'を形成した後、ブランケットシートBS'の表面の内部電極パターンEP'をセラミックグリーンシートGSに転写する方式により、連続印刷ではなく、断続印刷方式を適用していた。
【0140】
かかる従来のリバースオフセット印刷は、低速印刷に適した構造であり、高速印刷には適さないため、製造時間が増加し、生産性が低下するという問題があった。
【0141】
また、従来のリバースオフセット印刷は、円形のブランケットロール10'に巻き取られたブランケットシートBS'を繰り返して再使用する方式で、ブランケットシートBS'の表面の特性が変化する可能性があり、ブランケットシートBS'の表面のコンディションが一定ではないため、内部電極パターンEP'の均一性及び平滑性が低下する恐れがあった。具体的に、繰り返して再使用することにより、ブランケットシートBS'の表面に異物が生じる確率が持続的に増加し、内部電極用ペーストEPが残留して内部電極パターンEP'の均一性及び平滑性が低下する恐れがあった。また、ブランケットシートBS'は、内部電極用ペーストEPの溶剤を吸収することで、内部電極用ペーストEPが乾燥した状態で転写されるようにする役割を果たすことができるが、繰り返して再使用することにより、かかる効果が次第に減少するという問題があった。
【0142】
これに対し、本発明の一実施形態による製造方法によると、シートBSを連続的に供給することで、シートBSを再使用しないため、上述の従来のリバースオフセット印刷の問題を解決することができる。すなわち、本発明の一実施形態による製造方法によると、高速印刷が可能であり、シートBSの表面の特性を一定に維持することができるため、内部電極パターンの均一性及び平滑性を向上させることができる。また、シートBSが内部電極用ペーストEPの溶剤を吸収することで、内部電極用ペーストEPが乾燥した状態で転写されるようにする役割を果たすことができ、別の乾燥工程がなくても、内部電極用ペーストEPの流動性を最小化し、内部電極パターンEPの均一性及び平滑性を向上させることができる。
【0143】
以下、本発明の一実施形態による製造方法を段階毎に説明する。
【0144】
[内部電極用ペースト塗布段階]
連続的に供給されるシートBSに内部電極用ペーストEPを塗布する。本発明によると、シートBSが連続的に供給されるため高速印刷が可能であり、シートBSの表面の特性を一定に維持することができ、内部電極パターンEP'の均一性及び平滑性を向上させることができる。また、シートBSが内部電極用ペーストEPの溶剤を吸収することで、内部電極用ペーストEPが乾燥した状態で転写されるようにする役割を果たすことができ、別の乾燥工程がなくても、内部電極用ペーストEPの流動性を最小化し、内部電極パターンEP'の均一性及び平滑性を向上させることができる。
【0145】
シートBSを連続的に供給する方法は特に限定する必要はない。一実施形態において、シートBSは、シートが巻き取られたロール11からシートを巻き戻すロール12に移動することで連続的に供給されることができる。シートBSが巻き取られたロール11からシートBSを巻き戻すロール12に移動する中間領域には移動ロール80が配置され、シートBSが安定して供給されるようにすることができる。
【0146】
この時、シートBSはブランケットシートであることができる。ブランケットシートの種類は特に限定する必要はなく、従来の一般に用いられる材質のブランケットシートが使用できる。
【0147】
内部電極用ペーストEPを塗布する方法は特に限定されない。例えば、ダイコーター20を用いて内部電極用ペーストEPを塗布することができる。ダイコーター20はスリットを介してシートに塗布することができ、ダイコーター20とシートBSとの間の距離を調節することで、シートBSに塗布される内部電極用ペーストEPの厚さを調節することができる。
【0148】
[内部電極パターン形成段階]
その後、シートBSに塗布された内部電極用ペーストの一部を除去し、内部電極パターンEP'を形成することができる。
【0149】
この時、クリシェロール30を用いて、シートに塗布された内部電極用ペーストの一部を除去して内部電極パターンEP'を形成することができる。
【0150】
クリシェロール30は、内部電極パターンEP'に対応する凹部を有することができ、除去すべき領域に対応する凸部を有することができる。
【0151】
内部電極用ペーストEPが塗布されたブランケットシートBSがクリシェロール30とブランケットロール10との間を通過し、クリシェロール30は、ブランケットロール10が回転する方向と反対方向に回転して圧力を加えることで、クリシェロール30の凸部に内部電極用ペーストEPの一部を付着して除去することにより、内部電極パターンEP'を形成することができる。
【0152】
クリシェロール30の両側面には洗浄手段40と乾燥手段50が配置されることができ、洗浄手段40により、クリシェロール30の凸部に付着した内部電極用ペーストEPを除去して洗浄し、乾燥手段50により、洗浄されたクリシェロール30を乾燥することができる。
【0153】
[内部電極パターン印刷段階]
その後、シートBS上の内部電極パターンEP'を連続的に供給されるセラミックグリーンシートGSに転写することで、セラミックグリーンシートGS上に内部電極パターンEP'を印刷することができる。
【0154】
セラミックグリーンシートGSは、セラミックグリーンシートGSが巻き取られたロール61からセラミックグリーンシートGSを巻き戻すロール62に移動することで連続的に供給されることができる。セラミックグリーンシートGSが巻き取られたロール61からセラミックグリーンシートを巻き戻すロール62に移動する中間領域には移動ロールが配置され、セラミックグリーンシートGSが安定して供給されるようにすることができる。セラミックグリーンシートGSはベースフィルム64上に配置されることができる。
【0155】
内部電極パターンEP'が配置されたシートBSがブランケットロール10と圧動ロール63との間を通過し、圧動ロール63は、ブランケットロール10が回転する方向と反対方向に回転して圧力を加えることで、セラミックグリーンシートGS上に内部電極パターンEP'が転写されることができる。
【0156】
その後、内部電極パターンEP'が印刷されたセラミックグリーンシートGSは、乾燥装置70を通過して乾燥されることができる。
【0157】
一実施形態において、内部電極パターンEP'の厚さ偏差は0.1μm以下であることができる。内部電極パターンEP'の厚さ偏差を0.1μm以下にすることで、焼結後における内部電極の連結性をより均一に確保することができ、平滑度に優れた内部電極121、122を形成することができる。
【0158】
内部電極パターンEP'が印刷されたセラミックグリーンシートGSを上部からみた図である
図24、及び本発明の製造方法により内部電極パターンEP'を印刷した場合に、
図24の点線ラインLdに沿って内部電極パターンの厚さを測定したグラフである
図25を参照すると、内部電極パターンEP'の最大厚さと最小厚さの差が0.1μm以下と、厚さが非常に均一であることが確認できる。
【0159】
これに対し、グラビア印刷方法により内部電極パターンを印刷した場合に、
図24の点線ラインLdに沿って内部電極パターンの厚さを測定したグラフである
図26を参照すると、内部電極パターンの端部が中央部よりも厚くなるサドル(saddle)現象が発生し、内部電極パターンの最大厚さと最小厚さの差が0.2μm以上と、内部電極パターンの厚さが不均一であることが確認できる。
【0160】
内部電極パターンEP'の平均厚さは特に限定する必要はなく、得ようとする内部電極121、122の厚さを考慮して決定することができる。
【0161】
但し、一般に、内部電極を0.6μm未満の厚さで薄く形成する場合、特に、内部電極の厚さが0.4μm以下である場合には、信頼性が低下する恐れがあった。
【0162】
本発明の一実施形態によると、内部電極パターンEP'の厚さが均一で平滑度に優れるため、内部電極連結性が均一であり、平滑度に優れた内部電極を得ることができる。これにより、焼結後の内部電極の平均厚さが0.4μm以下である場合にも優れた信頼性を確保することができる。
【0163】
したがって、内部電極パターンEP'の平均厚さを制御することで、焼結後の内部電極の平均厚さが0.4μm以下である場合に、本発明による効果がより顕著になることができ、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成することができる。
【0164】
セラミックグリーンシートGSの平均厚さも特に限定する必要はなく、得ようとする誘電体層111の厚さを考慮して決定することができる。
【0165】
但し、本発明の一実施形態によると、内部電極パターンEPの厚さが均一で平滑度に優れるため、内部電極連結性が均一であり、平滑度に優れた内部電極を得ることができる。これにより、誘電体層111の平均厚さが0.45μm以下である場合にも優れた信頼性を確保することができる。
【0166】
したがって、セラミックグリーンシートGSの平均厚さを制御することで、焼結後の誘電体層111の平均厚さが0.45μm以下である場合に、本発明による効果がより顕著になることができ、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成することができる。
【0167】
[本体形成段階]
その後、内部電極パターンEP'が印刷されたセラミックグリーンシートGSを積層して積層体を形成することができる。積層体を積層方向(第1方向)から加圧し、圧着させることができる。
【0168】
その後、上記積層体を、1個の積層型電子部品100の本体110に対応するサイズに切断して単位積層体を得ることができる。この時、内部電極パターンEP'の一端が、単位積層体の第2方向の両端面(end surface)を介して交互に露出するように切断することができる。
【0169】
その後、上記単位積層体を焼結して本体110を得ることができる。
【0170】
[外部電極形成段階]
その後、本体110に外部電極131、132を形成して積層型電子部品100を製造することができる。
【0171】
外部電極131、132を形成する方法は特に限定されず、導電性金属及びガラスを含むペーストにディッピングする方法を用いることができ、導電性金属を含むシートを転写する方式により形成されてもよい。また、導電性金属及び樹脂を含むペーストを用いてもよく、原子層蒸着(Atomic Layer Deposition、ALD)法、分子層蒸着(Molecular Layer Deposition、MLD)法、化学気相蒸着(Chemical Vapor Deposition、CVD)法、スパッタリング(Sputtering)法などを用いて外部電極を形成してもよい。
【0172】
また、めっき工程をさらに行って外部電極がめっき層131b、132bを含むようにすることができる。
【0173】
(実施例)
ライン性不良の面積比率による効果を確認するために、ライン性不良の面積比率が異なるサンプルチップを準備した。ここで、ライン性不良は、カバー部の明るさの強度の平均値に対して110%以上126%以下の明るさの強度を有する領域を意味する。
【0174】
表1において、製造方法は内部電極パターンの印刷方法を意味し、内部電極パターンの印刷方法を除き、他の工程は同一条件でサンプルチップを製造した。Aは上述の本発明の一実施形態による積層型電子部品の製造方法により内部電極パターンを形成したものであり、Gはグラビア印刷方法により内部電極パターンを形成したものであり、Sはスクリーン印刷方法により内部電極パターンを形成したものである。
【0175】
表1において、ライン性不良は、本体の第1及び第2方向の断面のML領域または第1及び第3方向の断面のMW領域で測定したものであり、測定方法は、上述のように光学顕微鏡及びSigmaScan Proを用いて測定した。
【0176】
表1において、内部電極連結性は全ての試験番号に対して測定せず、試験番号1、4、及び 5に対して内部電極連結性を測定した。試験番号1は、
図8に表示したP1、P2、P3、P4領域をSEMでスキャンした画像である
図10の画像で内部電極連結性を測定し、試験番号4は、
図13に表示したP1、P2、P3、P4領域をSEMでスキャンした画像である
図15の画像で内部電極連結性を測定し、試験番号5は、
図16に表示したP1、P2、P3、P4領域をSEMでスキャンした画像である
図18の画像で内部電極連結性を測定した。その後、各平均値、標準偏差、及びCV値を計算して下記表1に記載した。
【0177】
表1において、BDV(破壊電圧、Breakdown voltage)比率は、各試験番号当たりに100個のサンプルチップを準備した後、電圧を上昇させながらサンプルチップに短絡が発生する電圧をBDVとして、100個のサンプルに対するBDV平均値を求めた。試験番号1のBDV平均値を基準値(100%)として、試験番号2~7の平均BDV値の比率をBDV比率として記載した。
【0178】
【0179】
試験番号1は、ライン性不良の面積分率が0面積%であり、BDV特性に非常に優れ、内部電極連結性のCV値が0.50%と、内部電極連結性の均一性に非常に優れていた。
【0180】
また、試験番号2は、ライン性不良の面積分率が5面積%であり、BDV比率が99%とほぼ100%に近かった。また、試験番号3は、ライン性不良の面積分率が7.2面積%と、BDV比率が93%であった。
【0181】
試験番号4~7は、ライン性不良の面積分率が7.2面積%を超え、内部電極連結性の標準偏差が高く、BDV比率が86%に急激に低下していることが確認できる。
【0182】
試験番号1~7のライン性不良の面積比率によるBDV比率を示した
図19を参照すると、ライン性不良の面積分率が7.2面積%を超える場合、BDV比率が急激に減少することが確認できる。
【0183】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【0184】
一方、本発明で用いられた一実施例という表現は、互いに同一の実施例を意味せず、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されるものである。しかし、上記提示された一実施例は、他の実施例の特徴と結合して実施される場合を排除しない。例えば、特定の一実施例で説明された事項が他の実施例で説明されていなくても、他の実施例でその事項と反対の説明がされているかその事項と矛盾する説明がされていない限り、他の実施例に関連する説明であると解釈することもできる。
【0185】
また、本発明で用いられた用語は、一例を説明するために説明されたものであるだけで、本発明を限定しようとする意図ではない。このとき、単数の表現は文脈上明確に異なる意味でない限り、複数を含む。
【符号の説明】
【0186】
100 積層型電子部品
110 本体
111 誘電体層
121、122 内部電極
Ac 容量形成部
112、113 カバー部
114、115 マージン部
131、132 外部電極