(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181194
(43)【公開日】2022-12-07
(54)【発明の名称】高速スタートアップ制御回路
(51)【国際特許分類】
H03F 1/34 20060101AFI20221130BHJP
H03F 1/56 20060101ALI20221130BHJP
H03H 7/01 20060101ALI20221130BHJP
H03F 3/38 20060101ALN20221130BHJP
【FI】
H03F1/34
H03F1/56
H03H7/01 A
H03F3/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022084229
(22)【出願日】2022-05-24
(31)【優先権主張番号】17/330,130
(32)【優先日】2021-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】507364997
【氏名又は名称】サイプレス セミコンダクター コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Cypress Semiconductor Corporation
【住所又は居所原語表記】198 Champion Court, San Jose, CA 95134, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】安河内 克之
【テーマコード(参考)】
5J024
5J500
【Fターム(参考)】
5J024AA03
5J024DA01
5J024EA07
5J024KA01
5J500AA03
5J500AA45
5J500AA51
5J500AA58
5J500AC85
5J500AF18
5J500AH10
5J500AH17
5J500AH25
5J500AH29
5J500AH39
5J500AK02
5J500AK05
5J500AK09
5J500AK15
5J500AK17
5J500AK33
5J500AK45
5J500AK56
5J500AM13
5J500AS00
5J500AT01
5J500AT06
5J500AT07
5J500ND02
5J500NM02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】オペアンプとチョッピングパルスによって動作するノッチフィルタとを備えたチョッパ増幅器回路を提供する。
【解決手段】電圧基準回路400において、ノッチフィルタ404は、第1のキャパシタ108を有する第1の分岐112と、第2のキャパシタ110を有する第2の分岐114とを有する。チョッピング遅延スイッチ402は、ノッチフィルタの第1の分岐112と第2の分岐114とに接続されている。制御回路は、チョッピング遅延スイッチ402を閉成することにより、ノッチフィルタ404の第1の分岐112と第2の分岐114とを相互に短絡させる。制御回路602は、チョッパ増幅器でのフィードバック信号の確立を検出する。制御回路602は、チョッパ増幅器650でのフィードバック信号の確立の検出に応答して、チョッピング遅延スイッチ402を開放させる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チョッパ増幅器と、チョッピング遅延スイッチと、制御回路と、を備えた装置であって、
前記チョッパ増幅器は、オペアンプと、ノッチフィルタと、を備え、前記ノッチフィルタは、チョッピングパルスによって動作し、前記ノッチフィルタは、
前記オペアンプの出力を入力として受信し、
前記オペアンプの反転入力側へのフィードバック信号として供給されるチョッパ増幅器出力を形成する、
ように構成され、
前記チョッピング遅延スイッチは、前記ノッチフィルタの第1のキャパシタを有する第1の分岐に接続され、前記ノッチフィルタの第2のキャパシタを有する第2の分岐に接続され、
前記制御回路は、
前記ノッチフィルタの前記第1の分岐と前記第2の分岐とを相互に短絡させるために前記チョッピング遅延スイッチを閉成し、
前記チョッパ増幅器での前記フィードバック信号の確立を検出し、
前記チョッパ増幅器での前記フィードバック信号の確立の検出に応答して、前記チョッピング遅延スイッチを開放する、
ように構成されている、
装置。
【請求項2】
前記制御回路は、前記チョッパ増幅器での前記フィードバック信号の確立の検出に応答して、前記チョッピング遅延スイッチの開放に対する遅延を生成するようにさらに構成されている、
請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記チョッピング遅延スイッチを閉成するために、前記制御回路は、前記ノッチフィルタの前記第1の分岐と前記第2の分岐とを相互に短絡させることによって、前記ノッチフィルタにおけるチョッピングをディスエーブルするように構成されており、
前記チョッピング遅延スイッチを開放するために、前記制御回路は、前記ノッチフィルタの前記第1の分岐と前記第2の分岐との相互の短絡の除去によって、前記ノッチフィルタにおけるチョッピングをイネーブルするように構成されている、
請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記チョッパ増幅器における前記フィードバック信号の確立を検出するために、前記制御回路は、前記チョッパ増幅器内の電圧レベルを検出するように構成されている、
請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記制御回路は、
前記オペアンプのノードに接続されたフィードバック状態検出器と、
前記フィードバック状態検出器の出力側に結合された入力側を有するラッチと、
前記チョッピング遅延スイッチの開放を遅延させるために、前記ラッチの出力側に結合された入力側および前記チョッピング遅延スイッチの制御端子に結合された出力側を有する遅延回路と、
を含む、
請求項1記載の装置。
【請求項6】
前記装置は、前記オペアンプの非反転入力側に接続された基準電圧発生器をさらに含む、
請求項1記載の装置。
【請求項7】
前記基準電圧発生器は、前記オペアンプの非反転入力側に電圧基準として接続されたバンドギャップ回路を備え、前記装置は、高精度バンドギャップ基準(HPBGR)を有する、
請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記ノッチフィルタは、前記ノッチフィルタへの入力側と、前記第1の分岐の第1のスイッチと、前記第2の分岐の第1のスイッチと、前記第1の分岐の第2のスイッチと、前記第2の分岐の第2のスイッチと、前記第1の分岐の第3のスイッチと、を含み、
前記ノッチフィルタへの入力側は、前記第1の分岐の第1のスイッチと前記第2の分岐の第1のスイッチとに接続されており、前記第1の分岐および前記第2の分岐それぞれの第1のスイッチは、イネーブル信号によって制御され、
前記第1の分岐の第1のスイッチは、チョッピングパルスによって制御されかつ第1のキャパシタに接続された、前記第1の分岐の第2のスイッチに接続されており、
前記第2の分岐の第1のスイッチは、前記チョッピングパルスの逆数によって制御されかつ第2のキャパシタに接続された、前記第2の分岐の第2のスイッチに接続されており、
前記第1の分岐の第2のスイッチおよび前記第1のキャパシタは、前記チョッピング遅延スイッチの第1の端子に接続されており、前記チョッピングパルスの逆数によって制御される前記第1の分岐の第3のスイッチに接続されており、
前記第2の分岐の第2のスイッチおよび前記第2のキャパシタは、前記チョッピング遅延スイッチの第2の端子に接続されており、前記チョッピングパルスの逆数のうちいずれかの逆数の逆数によって制御される前記第2の分岐の第3のスイッチに接続されており、前記チョッピング遅延スイッチを閉成するために、前記第1のキャパシタおよび前記第2のキャパシタにおいて前記ノッチフィルタの前記第1の分岐と前記第2の分岐とを相互に短絡させて、前記ノッチフィルタにおけるチョッピングをディスエーブルし、
前記第1の分岐の前記第3のスイッチと前記第2の分岐の前記第3のスイッチとは、相互に接続されており、かつ、前記ノッチフィルタの出力側に接続されている、
請求項1記載の装置。
【請求項9】
前記オペアンプは、イネーブル信号に基づいて動作するように構成された相補型金属酸化物半導体(CMOS)電界効果トランジスタ(FET)回路を含み、
前記ノッチフィルタは、別のCMOSFET回路を含み、前記別のCMOSFET回路は、
前記第1のキャパシタと、前記イネーブル信号、前記チョッピングパルスおよび前記チョッピングパルスの逆数を受信するように構成された複数の第1のスイッチと、を含む第1の分岐と、
前記第2のキャパシタと、前記イネーブル信号、前記チョッピングパルスの逆数および前記チョッピングパルスの逆数の逆数を受信するように構成された複数の第2のスイッチと、を含む第2の分岐と、
を有し、
前記チョッピング遅延スイッチは、FETを含む、
請求項1記載の装置。
【請求項10】
反転入力側、非反転入力側および出力側を有するオペアンプ回路と、
チョッピングパルスによって動作するように構成されたノッチフィルタ回路と、
チョッピング遅延スイッチと、
前記オペアンプ回路と前記チョッピング遅延スイッチとに接続された制御回路と、
を含むチョッパ増幅器回路であって、
前記ノッチフィルタ回路は、
前記オペアンプ回路の出力側に接続された入力側と、
複数の第1のスイッチおよび第1のキャパシタを有する第1の分岐と、
複数の第2のスイッチおよび第2のキャパシタを有する第2の分岐と、
前記オペアンプ回路の前記反転入力側にフィードバック信号として接続された出力側と、
を含み、
前記チョッピング遅延スイッチは、前記第1の分岐の一部と前記第2の分岐の一部とを相互に選択的に短絡させるように接続され、
前記制御回路は、
前記オペアンプ回路における前記フィードバック信号の確立を検出し、
前記オペアンプ回路における前記フィードバック信号の確立を検出する前に、前記第1の分岐の前記一部と前記第2の分岐の前記一部とを短絡させるために前記チョッピング遅延スイッチを閉成し、
前記オペアンプ回路における前記フィードバック信号の確立の検出に応答して、前記チョッピング遅延スイッチを開放する、
ように構成されている、
チョッパ増幅器回路。
【請求項11】
前記制御回路は、
前記オペアンプ回路におけるノードに接続された入力側を有し、前記オペアンプ回路におけるフィードバック信号の確立として前記ノードにおける電圧レベルを検出するように構成された電圧検出器と、
前記電圧検出器に結合されたリセットセット(RS)ラッチと、
前記RSラッチに結合されかつ前記チョッピング遅延スイッチに結合され、前記チョッピング遅延スイッチの開放を遅延させるように構成された、アナログ遅延回路と、
を含む、
請求項10記載のチョッパ増幅器回路。
【請求項12】
前記制御回路は、
前記オペアンプ回路内に統合され、前記オペアンプ回路における前記フィードバック信号の確立として前記オペアンプ回路内の電圧レベルを検出するように構成された電圧検出器と、
前記電圧検出器の出力側に結合され、前記チョッピングパルスによって動作するように構成されたD型フリップフロップと、
前記D型フリップフロップの出力側に結合され、前記チョッピングパルスによって動作するように構成され、前記チョッピング遅延スイッチの開放を遅延させるために前記チョッピング遅延スイッチに結合された出力側を有するシフトレジスタ遅延回路と、
を含む、
請求項10記載のチョッパ増幅器回路。
【請求項13】
前記チョッパ増幅器回路は、電圧基準を生成するように構成されたバンドギャップ回路をさらに含み、前記バンドギャップ回路は、前記オペアンプ回路の非反転入力側に接続されている、
請求項10記載のチョッパ増幅器回路。
【請求項14】
前記オペアンプ回路は、イネーブル入力側と、相補型金属酸化物半導体(CMOS)電界効果トランジスタ(FET)回路と、を含み、
前記ノッチフィルタ回路は、別のイネーブル入力側と、別のCMOSFET回路と、を含み、
前記チョッピング遅延スイッチは、FETを含み、
前記制御回路は、前記オペアンプ回路と前記電圧検出器とが共通の入力側を共有しかつ別個の出力側を有するように前記オペアンプ回路に統合された電圧検出器を含む、
請求項10記載のチョッパ増幅器回路。
【請求項15】
前記チョッピング遅延スイッチを閉成することにより、前記第1の分岐の前記一部と前記第2の分岐の前記一部との短絡がイネーブルされて、前記ノッチフィルタ回路の少なくとも一部のチョッピングがディスエーブルされ、
前記チョッピング遅延スイッチを開放することにより、短絡の除去によって前記第1の分岐の前記一部と前記第2の分岐の前記一部との短絡がディスエーブルされて、前記ノッチフィルタ回路の少なくとも一部のチョッピングがイネーブルされる、
請求項10記載のチョッパ増幅器回路。
【請求項16】
方法であって、
チョッパ増幅器回路への非反転入力を受信するステップであって、前記チョッパ増幅器回路は、オペアンプと、前記オペアンプに対して直列に接続されかつ前記オペアンプの反転入力側にフィードバック信号として接続された出力側を有するノッチフィルタと、を備え、チョッピング遅延スイッチは、閉成状態において、前記ノッチフィルタの第1のキャパシタを有する第1の分岐と前記ノッチフィルタの第2のキャパシタを有する第2の分岐とを相互に短絡させるステップと、
前記オペアンプに接続された制御回路に従って、前記オペアンプにおけるフィードバック信号の確立を判別するステップと、
前記オペアンプにおける前記フィードバック信号の確立の判別に基づいて、前記チョッピング遅延スイッチの開放に対する遅延を生成するステップと、
前記オペアンプにおける前記フィードバック信号の確立の判別および前記遅延に基づいて、前記チョッピング遅延スイッチを開放状態へ変更するステップと、
を含む方法。
【請求項17】
前記オペアンプにおける前記フィードバック信号の確立を判別するステップは、前記オペアンプにおける電圧レベルを検出するステップを含む、
請求項16記載のチョッパ増幅器回路の動作方法。
【請求項18】
前記方法は、バンドギャップ回路から、オペアンプの非反転入力側に電圧基準を供給するステップをさらに含む、
請求項16記載のチョッパ増幅器回路の動作方法。
【請求項19】
前記チョッピング遅延スイッチを開放状態へ変更するステップは、前記ノッチフィルタの前記第1の分岐と前記第2の分岐との相互の短絡の除去によって前記ノッチフィルタにおけるチョッピングをイネーブルするステップを含む、
請求項16記載のチョッパ増幅器回路の動作方法。
【請求項20】
前記方法は、前記オペアンプにおける前記フィードバック信号の判別された確立をラッチするステップをさらに含み、前記チョッピング遅延スイッチの開放に対する遅延を生成するステップは、前記オペアンプにおける前記フィードバック信号の判別された確立のラッチに基づく、
請求項16記載のチョッパ増幅器回路の動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的にはオペアンプに関し、より詳細にはチョッパ増幅器を用いて実現されるスタートアップ制御回路に関する。本開示はさらに、電圧基準回路に関し、より詳細にはバッファ型の電圧基準回路に関する。
【背景技術】
【0002】
増幅器には多くの種類があり、その種類ごとに多くの増幅器回路がある。増幅器の利得に応じ、増幅器は、電圧または電流として表される信号を考慮して、信号の振幅の増大(1より大きい利得)、振幅の減少(1未満の利得)、同じサイズでの信号のバッファリング(ユニティゲインまたは1に等しい利得)、または1つのタイプから別のタイプへの信号の変換に使用可能である。増幅器の利用の1つに、他の回路への分配のために基準電圧をバッファリングすることが挙げられる。高精度の電圧基準バッファリングおよび増幅器の種々のさらなる利用において使用されうる増幅器の1つのタイプは、種々の形態を有するチョッパ増幅器である。上記の文脈において、本実施形態は、一般的に、特に電圧基準回路において、増幅器の精度および安定性を改善する必要に対処するために生じたものである。
【0003】
記載の実施形態およびその利点は、添付の図面と併せて以下の説明を参照することにより最も良く理解することができる。これらの図面は、記載の実施形態の精神および範囲から逸脱することなく当業者によって記載の実施形態に対して行われうる形状および詳細の任意の変更を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態による、チョッパ増幅器に接続されたバンドギャップ電圧基準を有する電圧基準回路を示す図である。
【
図2】本開示のいくつかの実施形態による、目標レベルと比較して問題のあるオーバーシュートを示す、
図1の電圧基準回路の出力の典型的なケースのシナリオおよび最悪のケースのシナリオを示す図である。
【
図3】本開示のいくつかの実施形態による、電圧基準発生器と制御回路を有するチョッパ増幅器とを含む、高精度電圧基準回路を示す図である。
【
図4】本開示のいくつかの実施形態による、付加的なチョッピング遅延スイッチを備えたチョッピングパルス動作ノッチフィルタを有する電圧基準回路を示す図である。
【
図5】本開示のいくつかの実施形態による、
図4の電圧基準回路の出力のための典型的なケースのシナリオおよび最悪のケースのシナリオを示す図である。
【
図6】本開示のいくつかの実施形態による、オペアンプおよびチョッピング遅延スイッチに接続された制御回路を含む電圧基準回路を示す図である。
【
図7】本開示のいくつかの実施形態による、フィードバック状態を判別するための電圧レベルの検出を示す図である。
【
図8】本開示のいくつかの実施形態による、いくつかの観点では
図6のチョッパ増幅器に類似していてよいが統合された増幅器および比較器のコンポーネントを有するオペアンプ回路を含みうるチョッパ増幅器回路を示す図である。
【
図9A】本開示のいくつかの実施形態によるチョッパ増幅器のトランジスタ回路を示す図である。
【
図9B】本開示のいくつかの実施形態による、チョッパ増幅器制御回路に適したアナログ遅延回路を示す図である。
【
図9C】本開示のいくつかの実施形態による、チョッパ増幅器制御回路に適したデジタル遅延回路を示す図である。
【
図9D】本開示のいくつかの実施形態による、チョッパ増幅器制御回路に適したラッチを示す図である。
【
図10A】本開示のいくつかの実施形態による、改善された高精度電圧基準回路の実施形態の波形を示す図である。
【
図10B】本開示のいくつかの実施形態による、
図10Aの波形を拡大重畳して示す図である。
【
図11】本明細書に記載の実施形態およびその変形例を用いてまたはこれらによって実施可能なチョッパ増幅器回路の動作方法を示すフロー図である。
【
図12】本開示のいくつかの実施形態が実装されうる、処理装置のコアアーキテクチャの一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下の説明では、説明を目的として、本実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細を記載する。ただし、当業者に明らかなように、本実施形態はこうした具体的な詳細がなくても実施することができる。他の事例においては、ここでの説明の理解が不必要に曖昧となることを避けるために、周知の回路、構造および技術については詳細にではなくブロック図で示すものとする。
【0006】
本明細書における「一実施形態」または「実施形態」への言及は、この実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味する。ここでの説明中の種々の箇所に配置された「一実施形態では」なる語句は、必ずしも同じ実施形態を指すわけではない。
【0007】
図示しかつ本明細書において説明するコンポーネントおよびトランジスタ回路は、種々の技術によって、さらにCMOS(相補型金属酸化物半導体)FET(電界効果トランジスタ)、NMOS(N型金属酸化物半導体)、PMOS(P型金属酸化物半導体)、バイポーラ、BiMOS(金属酸化物半導体と組み合わされたバイポーラ)、BiCMOS(相補型金属酸化物半導体と組み合わされたバイポーラ)、他のタイプのFETなどを含む種々のタイプのトランジスタによって、種々のバリエーションで実現することができる。
【0008】
チョッパ増幅器およびノッチフィルタを組み合わせて、例えば電圧基準回路を形成することができる。チョッパ増幅器の帯域幅がチョッピング周波数に近い場合、出力が安定するまでにかかる時間量が大きくなる可能性がある。これは、チョッピングプロセスに必要なスタートアップ時間が長いため、チョッピングプロセスがチョッパ増幅器のフィードバック時間を増大させてしまうからである。その結果、出力信号のオーバーシュート/アンダーシュートも生じることがある。出力信号のオーバーシュート/アンダーシュートとチョッピングプロセスからの増大したフィードバック時間との組み合わせにより、安定した出力を取得するのに必要な時間量が大幅に増大しうる。
【0009】
本明細書に提示するのは、オペアンプおよびチョッピングパルス動作ノッチフィルタを備えた、改善されたチョッパ増幅器のための種々の実施形態である。いくつかの実施形態は、チョッパ増幅器への入力としての、高精度電圧基準回路を形成する電圧基準発生器を特徴とする。また、より具体的には、いくつかの実施形態は、電圧基準発生器としてのバンドギャップ回路を有し、高精度バンドギャップ基準(HPBGR)の形態をとる。
図3から
図11には、
図1および
図2を参照して提示されているチョッパ増幅器およびノッチフィルタの組み合わせ装置に対する、改善され対比されるチョッパ増幅器およびノッチフィルタ回路の組み合わせ装置の実施形態が示されている。本開示の実施形態による回路では、以前の設計による回路と比較して、オーバーシュートおよびアンダーシュートが低減され、出力安定化までの時間が低減されることが示されている。
【0010】
増幅器、チョッパ増幅器、ノッチフィルタ、制御回路、チョッピング遅延スイッチ、電圧基準回路、高精度電圧基準回路、および高精度バンドギャップ基準の種々の実施形態を本明細書において説明する。
【0011】
一実施形態は、増幅器装置である。増幅器装置は、ノッチフィルタを含むオペアンプを備えたチョッパ増幅器を含む。ノッチフィルタは、チョッピングパルスによって動作する。ノッチフィルタは、オペアンプの出力を入力として受信するように構成されている。ノッチフィルタは、オペアンプの反転入力側へのフィードバック信号として供給されるチョッパ増幅器出力を形成するように構成されている。チョッピング遅延スイッチは、ノッチフィルタの第1のキャパシタを有する第1の分岐に接続されており、さらにノッチフィルタの第2のキャパシタを有する第2の分岐に接続されている。増幅器装置は、制御回路を含む。制御回路は、チョッピング遅延スイッチを閉成して、ノッチフィルタの第1の分岐と第2の分岐とを相互に短絡させる。制御回路は、チョッパ増幅器におけるフィードバック信号の確立を検出し、チョッパ増幅器におけるフィードバック信号の確立の検出に応答して、チョッピング遅延スイッチを開放させる。
【0012】
別の実施形態は、チョッパ増幅器回路である。チョッパ増幅器回路は、オペアンプ回路、ノッチフィルタ回路、チョッピング遅延スイッチ、および制御回路を含む。ノッチフィルタ回路は、チョッピングパルスによって動作する。ノッチフィルタ回路は、オペアンプ回路の出力側に接続された入力側を有する。ノッチフィルタ回路は、複数のスイッチおよび第1のキャパシタを有する第1の分岐と、複数のスイッチおよび第2のキャパシタを有する第2の分岐とを有する。ノッチフィルタ回路は、フィードバック信号としてオペアンプ回路の反転入力側に接続される出力を有する。チョッピング遅延スイッチは、ノッチフィルタ回路の第1の分岐の一部とノッチフィルタ回路の第2の分岐の一部とを相互に選択的に短絡させるように接続されている。制御回路は、オペアンプ回路に接続されるとともに、チョッピング遅延スイッチを動作させるように接続されている。制御回路は、オペアンプ回路におけるフィードバック信号の確立を検出する。制御回路は、オペアンプ回路におけるフィードバック信号の確立を検出する前に、チョッピング遅延スイッチを閉成してノッチフィルタの第1の分岐の一部とノッチフィルタの第2の分岐の一部とを短絡させる。制御回路は、オペアンプ回路におけるフィードバック信号の確立の検出に応答して、チョッピング遅延スイッチを開放させる。
【0013】
チョッパ増幅器回路の動作方法としての一実施形態を示す。方法は、チョッパ増幅器回路への非反転入力を受信することを含む。チョッパ増幅器回路は、オペアンプと、このオペアンプに対して直列に接続されたノッチフィルタとを含む。ノッチフィルタの出力は、フィードバック信号としてオペアンプの反転入力側に接続される。チョッピング遅延スイッチは、閉成状態において、ノッチフィルタの第1のキャパシタを有する第1の分岐と、ノッチフィルタの第2のキャパシタを有する第2の分岐とを相互に短絡させる。方法は、オペアンプに接続された制御回路に従って、オペアンプにおけるフィードバック信号の確立を判別することを含む。方法は、オペアンプでのフィードバック信号の確立の判別に基づいて、チョッピング遅延スイッチの開放に対する遅延を生成することを含む。また、方法は、オペアンプにおけるフィードバック信号の確立の判別および遅延に基づいて、チョッピング遅延スイッチを開放状態へ変更することを含む。
【0014】
実施形態の他の態様および利点は、例として記載している実施形態の基本方式を示す添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【0015】
図1は、本開示の実施形態なしで実現される電圧基準回路100(以下では基準回路100と称する)を示している。基準回路100は、直列に接続されたオペアンプ104とチョッピングパルス動作ノッチフィルタ106と、を含み、オペアンプ104へのフィードバック部を有するチョッパ増幅器150に接続されたバンドギャップ電圧基準102を備える。換言すれば、チョッパ増幅器150は、チョッピングパルス動作ノッチフィルタ106に対して直列に接続されたオペアンプ104を含む。基準回路100は、フィードバック接続部内にチョッパ増幅器150を有する回路に対して直列に接続されたバンドギャップ電圧基準102を含む。
【0016】
バンドギャップ電圧基準102、または他の実施形態では別の適切な電圧基準発生器は、電圧基準信号(Vref)を供給することができ、ユニティゲイン構成でのチョッパ増幅器150の残りの回路によるバッファリングのために、オペアンプ104の非反転入力側に接続されている。ノッチフィルタ106の出力132(チョッパ増幅器150の出力にも対応する)はオペアンプ104の反転入力側にフィードバックされ、このオペアンプ104では、バンドギャップ電圧基準102(または他の実施形態および当該回路のさらなる使用ではオペアンプ104の非反転入力側への他の入力)の電圧フォロワとして、フィードバック接続されたチョッパ増幅器回路150の全体が配置されている。
【0017】
オペアンプ104の出力側134は、スイッチ116および122を含むイネーブル段を有しかつイネーブル入力128によって制御される、ノッチフィルタ106の入力側(すなわち、ノッチフィルタ106への入力側134とも称されうる)に接続可能である。種々の実施形態におけるこれらのスイッチおよび別のスイッチが種々のタイプのトランジスタで実現可能であることに留意されたい。ノッチフィルタ106は、2つの回路分岐、すなわち複数のスイッチ116,118,120と第1のキャパシタ108とを有する第1の分岐112と、複数のスイッチ122,124,126と第2のキャパシタ110とを有する第2の分岐114とを有しうる。ノッチフィルタ106におけるイネーブル段の下流のスイッチは、チョッピングパルス130により、ノッチフィルタ106への入力134(すなわちオペアンプ104の出力)を「チョップアップする」ように動作し、入力134のチョップアップされたバージョンを電圧および電荷として第1のキャパシタ108および第2のキャパシタ110に交互に発現させ、第1のキャパシタ108および第2のキャパシタ110からの電圧および電荷をチョッピングされた状態で再結合して、基準回路100の出力132(これもオペアンプ104の反転入力側に供給されるフィードバックに対応する)を形成する。
【0018】
より具体的には、ノッチフィルタ106では、ノッチフィルタ106への入力134が、第1の分岐112の第1のスイッチ116と、第2の分岐114の第1のスイッチ122とに接続される。第1の分岐112および第2の分岐114それぞれの第1のスイッチ116,122は、イネーブル入力128によって制御される。第1の分岐112の第1のスイッチ116は、第1の分岐112の第2のスイッチ118に接続されており、この第1の分岐112の第2のスイッチ118はチョッピングパルス130によって制御され、第1のキャパシタ108に接続されている。第2の分岐114の第1のスイッチ122は、第2の分岐114の第2のスイッチ124に接続されており、この第2の分岐114の第2のスイッチ124はチョッピングパルス130の逆数であるチョッピングパルス130A(インバータ127によって形成される)によって制御される。第2の分岐114の第2のスイッチ124は、第2のキャパシタ110に接続可能である。第1の分岐112の第2のスイッチ118および第1のキャパシタ108は、第1の分岐112の第3のスイッチ120に接続されており、この第3のスイッチ120は、チョッピングパルス130の逆数であるチョッピングパルス130B(インバータ129によって形成される)によって制御される。第2の分岐114の第2のスイッチ124および第2のキャパシタ110は、第2の分岐114の第3のスイッチ126に接続されており、この第2の分岐114の第3のスイッチ126は、チョッピングパルス130Bの逆数であるチョッピングパルス130Cによって制御される。第1の分岐112の第3のスイッチ120と第2の分岐114の第3のスイッチ126とは相互に接続されており、ノッチフィルタ106の出力側132へと接続されている。
【0019】
基準回路100の出力132は、チョッピングプロセスによりチョッパ増幅器150のフィードバック時間が増大する(チョッピングプロセスのスタートアップが遅い)ため、オーバーシュートの影響を受ける可能性がある。出力側132の信号オーバーシュートとチョッピングプロセスから増大したフィードバック時間とが組み合わされてしまうため、安定した出力を得るのに必要な時間量が大幅に増大する。本明細書で以下に詳細に論じるように、本開示の実施形態は、出力信号におけるオーバーシュートを防止するためにチョッピングプロセスの開始を遅延させることのできるチョッピング回路を提供する。これは、チョッパ増幅器150のフィードバック制御を確立することにより実現することができる。一実施形態では、チョッピング回路は、回路内の特定の電圧が目標範囲に入り、したがって回路内の特定の状態が検出されるまではチョッピングが行われないように調整されうる。
【0020】
図2には、
図1の基準回路100の典型的なケース202および最悪のケース204の出力132が、目標レベル206と比較して問題のあるオーバーシュートを示している。10μs(グラフ化されたデータのこの例においてであり、
図1のイネーブル128を参照)でのスタートアップ点208から、
図1の電圧基準回路の出力が迅速に上昇し、次に1.2Vの目標レベル206をオーバーシュートし、次いで目標レベル206をアンダーシュートし、徐々に目標レベル206へと落ち着く。
【0021】
図3には、本開示の一実施形態による、電圧基準発生器306と、チョッパ増幅器302と、制御回路304と、を含む高精度電圧基準回路300(以下では電圧基準回路300と称する)が示されている。チョッパ増幅器302は、チョッピングパルス308によって動作するノッチフィルタ312に直列に接続されたオペアンプ310を有する。この実施形態では、ノッチフィルタ312の出力322(チョッパ増幅器302の出力および電圧基準回路300の出力にも対応しうる)は、フィードバックループのフィードバック信号として(またはより正確には負のフィードバックとして)、チョッパ増幅器302の反転(-)入力側に、より具体的にはオペアンプ310の反転入力側に接続される。電圧基準発生器306は、チョッパ増幅器302の非反転(+)入力側に、より具体的にはオペアンプ310の非反転入力側に接続されている。
図3の電圧基準回路300の出力322は、電圧基準回路300の入力側で電圧基準発生器306によって生成された基準電圧と厳密に一致する、バッファリングされたユニティゲイン信号を供給することができる。
【0022】
ノッチフィルタ312は、スイッチ320と、ノッチフィルタ312の動作を制御するためにスイッチ320を動作させる別個の制御回路304と、を含むことができる。
図3に示されているように、制御回路304は、チョッパ増幅器302のオペアンプ310に接続された検出器314と、検出器314の出力のためのラッチ316と、ラッチ316の出力のための遅延回路318と、を備える。検出器314がオペアンプ310内の特定の信号状態を検出してから遅延時間が経過するまで、制御回路304はノッチフィルタ312内のスイッチ320を閉成された状態で保持し、ノッチフィルタ312の一部もしくは全てにおけるチョッピングをディスエーブルとする。遅延時間の後、制御回路304はスイッチ320を開放し、ノッチフィルタ312におけるチョッピングをイネーブルする。本明細書で以下に詳細に論じるように、ノッチフィルタ312と制御回路304とは、電圧基準回路100の出力132のオーバーシュートおよびアンダーシュートを低減することができ、また電圧基準回路100の出力132の安定化時間も短くすることができる。
【0023】
図4には、いくつかの観点で
図1の基準回路100と同様であってよいが、本開示のいくつかの実施形態によれば付加的なチョッピング遅延スイッチ402を有するチョッピングパルス動作ノッチフィルタ404を含む電圧基準回路400が示されている。チョッピング遅延スイッチ402は、チョッピング遅延スイッチ402を開放および閉成するためのチョッピング遅延信号408によって動作する。チョッピング遅延スイッチ402が閉成されると、ノッチフィルタ404の第1の分岐112とノッチフィルタ404の第2の分岐114とが相互に短絡し、ノッチフィルタ404の当該部分におけるチョッピングがディスエーブルされる。一般的に言えば、このことは、ノッチフィルタ404でのチョッピングがディスエーブルされることであると考えられる。チョッピング遅延スイッチ402が開放された状態では、ノッチフィルタ404の第1の分岐112と第2の分岐114とは相互に短絡されず、すなわちノッチフィルタ404の第1の分岐112と第2の分岐114との相互の短絡が除去され、これによりノッチフィルタ404におけるチョッピングがイネーブルである。チョッピング遅延信号408のタイミングの考察については、
図5を参照して説明する。
【0024】
図5には、一実施形態における、
図4の電圧基準回路400の出力410についての典型的なケース502のシナリオおよび最悪のケース504のシナリオが示されている。どちらの信号も、
図2に示されている
図1の基準回路100の典型的なケース202および最悪のケース204の出力132と比較して、低減されたオーバーシュートおよびアンダーシュートを示している。
図4および
図5のこの例のデータでは80μsのチョッピング遅延408が適用されており、結果として、
図4の電圧基準回路の出力410を安定化させるために136μsの時間が生じている。さらなる実施形態を以下に説明する。
【0025】
図6は、いくつかの観点では基準回路400と同様であってよいが、本開示のいくつかの実施形態によればオペアンプ406およびチョッピング遅延スイッチ402に接続された制御回路602をさらに含む電圧基準回路600を示している。制御回路602の出力606により、ノッチフィルタ404の動作タイミング制御を実行するために、チョッピング遅延スイッチ402が制御されて閉成および開放される。制御回路602は、チョッパ増幅器650のフィードバック動作が確立されたこと、より具体的にはノッチフィルタ404の出力からのフィードバック信号がチョッパ増幅器650で確立されたこと、さらにより具体的には以下にさらに説明するようにフィードバック信号がオペアンプ406で確立されたことを検出できる。チョッパ増幅器650のフィードバック動作が確立されたことが検出されるまでは、制御回路602は、チョッピング遅延スイッチ402を閉成状態に維持し、ノッチフィルタ404におけるチョッピングをディスエーブルとする。チョッパ増幅器650のフィードバック動作が確立されたことが検出された後、制御回路602は、チョッピング遅延スイッチ402を開放し、すなわちチョッピング遅延スイッチ402を開放状態へ変更してこれを開放状態で維持し、ノッチフィルタ404におけるチョッピングをイネーブルする。
【0026】
図7は、一実施形態による、フィードバック状態704を判別するための電圧レベル708の検出を示している。グラフには、
図6の回路の出力側410において測定された、イネーブル信号128の開始前の0Vから立ち上がる出力レベル702が、特定の検出電圧レベル708を通り、所定の時間を経て1.2Vの定常値まで変化していることが示されている。回路の出力側410の出力レベル702が特定の電圧レベル708に達する前、フィードバック状態704は「フィードバックなし」の状態にあり、ノッチフィルタ状態706は「オフ」の状態に保持されている。回路の出力410の出力レベル702が特定の電圧レベル708に達した後、フィードバック状態704は「通常動作」状態となり、ノッチフィルタ状態706は「オン」状態に保持される。一実施形態では、制御回路602(
図6を参照)の機能により、チョッパ増幅器回路650における、より具体的にはオペアンプ406におけるフィードバック状態が検出され、したがって、チョッピング遅延スイッチ402が動作して、ノッチフィルタ404のノッチフィルタ状態706が制御される。
【0027】
図7に示されている実施形態(
図9Aも参照)では、制御回路602(
図6を参照)は「0.8Iレベル」として記されている特定の電圧レベル708を検出し、これは、以下でさらに説明する制御回路602の調整に関する。本開示の別の実施形態では、別の電圧レベルおよび調整における変化形態を使用できることを理解されたい。
【0028】
図8は、いくつかの観点で
図6のチョッパ増幅器650と同様であってよいが、チョッピングパルス動作ノッチフィルタの制御された動作を伴う改善されたチョッパ増幅器を有する本開示の実施形態による、共通入力部816および別個の出力側818,820を備えた、統合された増幅器802および比較器804のコンポーネントを有するオペアンプ回路806を含みうるチョッパ増幅器回路800を示している。共通入力部816は、増幅器802および比較器804双方の共通の入力側として、オペアンプ回路806の非反転入力側822および反転入力側824を有する。オペアンプ回路806の別個の出力側818,820として、増幅器802のコンポーネントは増幅器出力側818を有し、比較器804のコンポーネントは比較器出力側820を有する。図示の実施形態では、出力側818での位相を補償するために、位相補償キャパシタ814が増幅器出力側818に接続されている。増幅器802と比較器804とをオペアンプ回路806として統合することにより、組み合わされた回路の双方のコンポーネントの機能が実現され、その結果、これらのコンポーネントが別個であるケースよりも小さなオフセット差が得られ、したがって比較において改善が得られる。
【0029】
位相補償部814を備えたオペアンプ回路806の出力818が、入力としてノッチフィルタ404に接続される。比較器804の出力820は入力としてフィードバック状態検出器808に接続され、このフィードバック状態検出器808はラッチ810に接続されており、このラッチ810の出力は遅延回路812に接続される。遅延回路812の出力は、ノッチフィルタ404の制御入力として接続され、これによりノッチフィルタのオンオフ(例えば実施形態における、チョッピングのイネーブルおよびディスエーブル)が調整される。フィードバック状態検出器808とラッチ810と遅延回路812とは、制御回路602(
図6を参照)の一実施形態を形成している。
【0030】
図9Aは、本開示のいくつかの実施形態によるチョッパ増幅器800のトランジスタ回路を示している。回路は、フィードバック状態を検出するという目標を満たし、フィードバック状態に応じてノッチフィルタ404を制御するために、ラッチ810および遅延回路812に対して直列に接続されているフィードバック状態検出器808への入力を供給する。当該回路は、一実施形態の実現目標も満たし、オペアンプ回路806は、共通入力部816および別個の出力側818,820を備えた、統合された増幅器802および比較器804のコンポーネントを含む(
図8を参照)。
【0031】
図9Aのトランジスタ回路は、非反転入力側および反転入力側を有する差動入力増幅器段902を有し、かつ中間差動増幅器段904に接続されたPMOSFETおよびNMOSFETを備えた、CMOSのチョッパ増幅器回路を実現している。中間差動増幅器段904から、回路は、ノッチフィルタ404への入力として接続される、出力位相補償を行って増幅器出力910を提供する位相補償キャパシタ(
図9Aに「PC」として示されている)を含む単一入力増幅器出力段912と、フィードバック状態検出器808への入力として接続される比較器出力908を有する比較器段906とに分岐している。比較器段906は、PMOSFET916および電流シンクによって実現されており、これらの一方もしくは双方が回路の利得および/または比較器レベルに対して調整される。比較器段906を制御するPMOSFET916のゲートは、中間差動増幅器段904内のノード、またはより一般的にはオペアンプ内部のノードに接続されている。比較器段906および種々の増幅器段の別の実施形態は、チョッパ増幅器の別の実施形態のために開発されうる。
【0032】
比較器段906を調整するために、例えば、特定の電圧レベル708(
図7を参照)を検出し、これによりフィードバック動作もしくはフィードバック状態の確立、またはより具体的にはオペアンプ内のノッチフィルタ404からのフィードバック信号の確立を検出するために、PMOSFET916のための電流の設定は、この実施形態では1Iの電流シンクに対して0.8Iとなる。当該電流の設定に応じて、規定されたより高い電圧もしくはより低い電圧、すなわち「オーバー」もしくは「アンダー」が検出可能となる。例えば、回路を調整するために、PMOSFET916のチャネル長および/またはチャネル幅を種々の実施形態において調整することができる。
【0033】
図9Bには、チョッパ増幅器制御回路(例えば、
図6の制御回路602)の実施形態に適した遅延回路812の一例でありうるアナログ遅延回路920が示されている。内部では、アナログ遅延回路920は、抵抗‐キャパシタ(RC)時間遅延成分として接続された抵抗922およびキャパシタ924と、これらに続くバッファ926とを有する。アナログ遅延回路の変形形態は、本明細書の教示に従って容易に開発される。例えば、RC遅延の複数の段、ヒステリシスを有するシュミットトリガ、反転増幅器または非反転増幅器などを、アナログ遅延回路において使用することができる。
【0034】
図9Cには、チョッパ増幅器制御回路(例えば、
図6の制御回路602)の実施形態に適した遅延回路812の一例でありうるデジタル遅延回路928が示されている。内部では、デジタル遅延回路928は、チョッピングパルスによってタイミング制御される直列の2段シフトレジスタ、例えば2つのD型フリップフロップを有する。デジタル遅延回路の変形形態は、本明細書の教示に従って容易に開発される。例えば、他のタイプのフリップフロップ、より多いまたはより少ない段、他のクロック、ならびに種々のタイプのトランジスタおよびトランジスタ回路を、デジタル遅延回路において使用することができる。
【0035】
図9Dには、チョッパ増幅器制御回路(例えば、
図6の制御回路602)の実施形態に適したラッチ回路810の例であってよいラッチ934および936が示されている。いくつかの実施形態では、ラッチ回路810は、リセットアンドセット入力側ならびにQ出力側またはQバー出力側を有するRSラッチ934であってよい。他の実施形態では、ラッチ回路810は、例えば、チョッピングパルスまたは他のクロックによって動作するD型フリップフロップ936であってよい。いくつかの実施形態では、ラッチ回路810は、例えばアナログ遅延回路、デジタル遅延回路または混合アナログ‐デジタル遅延回路への入力段として、遅延回路812と統合することができる。ラッチおよびラッチ回路の変形形態は、本明細書の教示に従って容易に開発される。
【0036】
図10Aには、改善された高精度電圧基準回路(例えば電圧基準回路400)の一実施形態の波形が示されている。
図10Bには、
図10Aの波形の拡大重畳図が示されている。チョッピングパルス130は、10μsでのイネーブル信号128の立ち上がりにより開始する。フィードバック状態検出信号1002は約20μsで発生し、続いて(チョッピング遅延スイッチの開放を遅延させるための)遅延信号1004が約28μsで発生する。本開示の実施形態が実装されない場合の出力に対応する出力信号1008と比較して、改善された回路の実施形態の出力側410で測定された出力信号1006は、上述した回路の変更の後、殆どまたは全くオーバーシュートを示さない。「オーバーシュートなし」の測定に対する特定の基準として、出力信号1006は、一実施形態では目標値の±0.1%以内に留まることが観察される。
図10Bには、改善された高精度電圧基準回路およびチョッパ増幅器回路の種々の実施形態により、オーバーシュートのない高速スタートアップが可能となることが示されている。
【0037】
図11は、本明細書に記載の実施形態およびその変形形態を用いて、または本明細書に記載の実施形態およびその変形形態によって実施可能なチョッパ増幅器回路の動作方法のフロー図である。より具体的には、方法は、プロセッサまたは処理装置を使用せずに、回路によって実施される。種々の実施形態は、アナログ回路および/または混合アナログ‐デジタル回路を含む。
【0038】
動作1102で、チョッパ増幅器回路への非反転入力が受信される。いくつかの実施形態では、非反転入力側が、バンドギャップ回路であってよくもしくはバンドギャップ回路を含んでいてよい電圧基準発生器から電圧を受け取る。非反転入力は、チョッピング遅延スイッチが閉成状態にあるときに受信される。一実施形態では、チョッパ増幅器回路は、オペアンプおよびこのオペアンプに対して直列に接続されたノッチフィルタを有する。ノッチフィルタの出力は、フィードバック信号としてオペアンプの反転入力側に接続される。チョッピング遅延スイッチは閉成状態にあり、第1のキャパシタを有するノッチフィルタの第1の分岐と第2のキャパシタを有するノッチフィルタの第2の分岐とが相互に短絡される。チョッピング遅延スイッチが閉成された状態では、ノッチフィルタにおけるチョッピングがディスエーブルされる。
【0039】
動作1104で、回路は、一実施形態でオペアンプに接続された制御回路に従い、チョッパ増幅器回路におけるフィードバック動作の確立、より具体的にはオペアンプにおけるフィードバック信号の確立を判別する。一実施形態では、制御回路が、オペアンプにおける電圧レベルを検出して、オペアンプにおけるフィードバック動作の確立またはフィードバック信号の確立を判別する。別の実施形態では、チョッパ増幅器回路におけるさらなる方式およびさらなる位置においてフィードバック信号の確立またはフィードバック動作の確立を検出できることを理解されたい。
【0040】
動作1106で、回路は遅延を生成する。当該遅延は、チョッピング遅延スイッチの開放に対する遅延である。遅延は、フィードバック動作の確立を判別すること、例えばオペアンプでの電圧レベルを検出して遅延の生成をトリガする制御回路によりチョッパ増幅器におけるフィードバック信号の確立を判別することに基づく。一実施形態では、上述した検出がラッチされ、ラッチされた値によって遅延の生成がトリガされる。
【0041】
動作1108で、回路は、遅延に基づいてチョッピング遅延スイッチを開放状態へ変更する。例えば、制御回路は、上述した検出によってトリガされてチョッピング遅延スイッチを制御する遅延回路を有する。チョッピング遅延スイッチを開放することにより、ノッチフィルタでのチョッピングがイネーブルされる。
【0042】
図12には、PSoC(登録商標)処理装置のコアアーキテクチャ1200、例えばCypress Semiconductor Corporation社(カリフォルニア州サンノゼ)によって提供されている製品ファミリPSoC3(登録商標)において使用されているコアアーキテクチャ1200の実施形態が示されている。一実施形態では、コアアーキテクチャ1200は、マイクロコントローラ1202を含む。マイクロコントローラ1202は、CPU(中央処理ユニット)コア1204、フラッシュプログラムストレージ1206、DOC(デバッグオンチップ)1208、プリフェッチバッファ1210、プライベートSRAM(スタティックランダムアクセスメモリ)1212、および特殊機能レジスタ1214を含んでいる。一実施形態では、DOC1208、プリフェッチバッファ1210、プライベートSRAM1212、および特殊機能レジスタ1214がCPUコア1204に結合されており、一方、フラッシュプログラムストレージ1206がプリフェッチバッファ1210に結合されている。
【0043】
コアアーキテクチャ1200は、ブリッジ1218と、バス1222を介してマイクロコントローラ1202に結合されたDMAコントローラ1220と、を含む、Cハブ(コアハブ)1216を含んでいてもよい。Cハブ1216は、プライマリデータ、ならびにマイクロコントローラ1202とその周辺装置(例えばペリフェラル)およびメモリとプログラマブルコア1224との間の制御インタフェースを提供することができる。DMAコントローラ1220は、CPUコア1204に負荷をかけることなく、システム要素間でデータを伝送するようにプログラミングすることができる。種々の実施形態では、マイクロコントローラ1202およびCハブ1216のこれらのサブコンポーネントのそれぞれは、CPUコア1204の各選択肢または各タイプによって異なっていてよい。Cハブ1216は、共有SRAM1226およびSPC(システムパフォーマンスコントローラ)1228にも結合することができる。プライベートSRAM1212は、ブリッジ1218を介してマイクロコントローラ1202によりアクセスされる共有SRAM1226から独立している。CPUコア1204は、ブリッジ1218を経由することなくプライベートSRAM1212にアクセスし、これにより、ローカルのレジスタおよびRAMへのアクセスを、共有SRAM1226へのDMAアクセスと同時に発生させることができる。ここではSRAMとしてラベル付けされているが、これらのメモリモジュールは、種々の他の実施形態における広範な(揮発性または不揮発性の)メモリまたはデータストレージモジュールの任意の適切なタイプとすることができる。コアアーキテクチャ1200は、キャパシタンス値の測定およびデジタル化を実行するアナログフロントエンド1238を含むこともできる。
【0044】
種々の実施形態では、プログラマブルコア1224は、以下に限定されるものではないが、デジタルロジックアレイ、デジタル周辺装置、アナログ処理チャネル、グローバルルーティングアナログ周辺装置、DMAコントローラ、SRAMおよび他の適切なタイプのデータストレージ、IOポートおよび他の適切なタイプのサブコンポーネントを含む、サブコンポーネントの種々の組み合わせ(図示せず)を含むことができる。一実施形態では、プログラマブルコア1224は、マイクロコントローラ1202の外部オフチップアクセスを拡張するメカニズムを提供するGPIO(汎用IO)およびEMIF(拡張メモリインタフェース)ブロック1230、プログラマブルデジタルブロック1232、プログラマブルアナログブロック1234、および特殊機能ブロック1236を含み、これらはそれぞれ、1つもしくは複数のサブコンポーネント機能を実装するように構成されている。種々の実施形態では、特殊機能ブロック1236は、専用の(非プログラマブル)機能ブロックを含むことができ、かつ/または専用の機能ブロック、例えばUSB、水晶発振器ドライブ、JTAGなどへの1つもしくは複数のインタフェースを含むことができる。
【0045】
プログラマブルデジタルブロック1232は、デジタルロジックブロックのアレイおよび関連するルーティング部を含むデジタルロジックアレイを含むことができる。一実施形態では、デジタルブロックアーキテクチャは、UDB(ユニバーサルデジタルブロック)から構成される。例えば、各UDBは、CPLD機能部と共にALUを含むことができる。
【0046】
種々の実施形態では、プログラマブルデジタルブロック1232の1つもしくは複数のUDBは、以下に限定されるものではないが、ベーシックI2Cスレーブ;I2Cマスタ;SPIマスタもしくはSPIスレーブ;マルチワイヤ(例えば3線)SPIマスタもしくはスレーブ(例えば単一のピンに多重化されたMISO/MOSI);タイマおよびカウンタ(例えば8ビットタイマもしくはカウンタのペア、16ビットタイマもしくはカウンタ、1つの8ビットキャプチャタイマなど);PWM(例えば、8ビットPWMのペア、1つの16ビットPWM、1つの8ビットのデッドバンドPWMなど);レベル感応型I/Oインタラプトジェネレータ;直交エンコーダ;UART(例えばハーフデュプレクス);遅延線;および複数のUDBに実装可能な他の適切なタイプのデジタル機能部またはデジタル機能部の組み合わせ;の機能のうち1つもしくは複数を含む、種々のデジタル機能を実行するように構成されていてよい。
【0047】
他の実施形態では、2つ以上のUDBのグループを使用して付加的な機能を実装することができる。非限定的な例示のみを目的として、複数のUDBを使用して次の機能、すなわち、ハードウェアアドレス検出を支援し、CPUコア(例えば、CPUコア1204)の介入なしで完全なトランザクションを処理し、データストリーム内のいずれかのビットに対する強制クロックの伸縮の防止を補助するI2Cスレーブ;単一のブロック内にスレーブオプションを含むことができるI2Cマルチマスタ;任意の長さ(32ビットまで)のPRSもしくはCRC;SDIO;SGPIO;(例えば、4xオーバーサンプリングを行い、構成可能な閾値を支援する、32ビットまでの)デジタル相関器;LINbusインタフェース;(例えば、差動出力対を有するクラスDオーディオDAC用)デルタシグマ変調器;I2S(ステレオ);LCDドライブコントロール(例えば、UDBがLCDドライブブロックのタイミング制御を実装し、ディスプレイRAMアドレシングを提供するために使用されうる);フルデュプレクスUART(例えば、1個または2個のストップビットおよびパリティを有する7ビット、8ビット、または9ビット、およびRTS/CTS支援);IRDA(送信または受信);キャプチャタイマ(例えば16ビットなど);デッドバンドPWM(例えば、16ビットなど);SMbus(ソフトウェアにおけるCRCを有するSMbusパケットのフォーマットを含む);(例えば6/12ステップ転流を支援する)ブラシレスモータ駆動機構;自動ボーレート検出および生成部(例えば、ボーレートの生成に必要なクロックを生成するための検出後に、1200~115200ボーレートまでの標準レートに対するボーレートを自動的に決定する);ならびに複数のUDBに実装可能な任意の他の適切なタイプのデジタル機能部またはデジタル機能部の組み合わせ;を実装することができる。
【0048】
プログラマブルアナログブロック1234は、以下に限定されるわけではないが、比較器、ミキサ、PGA(プログラマブル利得増幅器)、TIA(トランスインピーダンス増幅器)、ADC(アナログ‐デジタル変換器)、DAC(デジタル‐アナログ変換器)、電圧基準、電流源、サンプルホールド回路、および他の任意の適切なタイプのアナログリソースを含む、アナログリソースを含むことができる。プログラマブルアナログブロック1234は、以下に限定されるものではないが、アナログルーティング、LCDドライブIO支援、キャパシタンスセンシング、電圧測定、モータ制御、電流‐電圧変換、電圧‐周波数変換、差動増幅、光学測定、誘導性位置モニタリング、フィルタリング、ボイスコイル駆動、磁気カード読み取り、音響ドップラー測定、エコーレンジング、モデム送受信エンコーディング、または他の任意の適切なタイプのアナログ機能を含む、種々のアナログ機能を支援することができる。
【0049】
図12は、種々の実施形態において、本明細書に記載のチョッパ増幅器もしくは電圧基準回路の実施形態またはその変形形態を使用することのできる例示的なプログラマブルシステムオンチップ(PSoC)を提供する。例えば、本明細書に記載の電圧基準回路の一実施形態は、プログラマブルアナログブロック1234における電圧基準もしくは他のアナログリソースとして使用することができ、またはアナログ‐デジタル変換器における電圧基準として使用することができる。本明細書に記載のチョッパ増幅器の一実施形態は、プログラマブルアナログブロック1234内のアナログリソースとして使用可能である。
【0050】
本明細書に記載のチョッパ増幅器または電圧基準回路の実施形態およびその変形形態は、ATV(全地形対応車)、マイクロコントローラ、自動車、および他の技術における適用可能性を有しうる。より広くは、こうした実施形態および変形形態は、アナログ技術における適用可能性を有しうる。
【0051】
詳細な例示的な実施形態を本明細書に開示している。ただし、本明細書に開示している特定の機能的詳細は、単に実施形態を説明する目的で代表として挙げているにすぎない。なお、実施形態は、多くの代替形態で実施することができ、本明細書に記載の実施形態のみに限定されると解釈されるべきではない。
【0052】
本明細書での種々のステップまたは計算を説明するために第1、第2などの用語を用いた場合があるが、これらのステップまたは計算はこれらの語によって限定されないことを理解されたい。これらの語は、1つのステップまたは1つの計算を別のステップまたは別の計算と区別するために使用しているのみである。例えば、本開示の範囲から逸脱することなく、第1の計算を第2の計算と称することができ、同様に、第2のステップを第1のステップと称することができる。本明細書で使用される場合、「および/または」なる語および「/」の記号は、列挙された関連する項目の1つ以上のあらゆる全ての組み合わせを含む。
【0053】
本明細書で使用される場合、単数形の不定冠詞および定冠詞(“a”,“an”,“the”)は、文脈による別段の明らかな指示がない限り、複数形も同様に含むことを意図している。さらに、用語「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「備える(includes)」および/または「備えている(including)」は、本明細書で使用される場合、言明された特徴、整数、ステップ、動作、要素および/またはコンポーネントの存在を示すが、他の1つ以上の特徴、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネントおよび/またはそのグループの存在または追加を排除しないことが理解されるであろう。したがって、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためのものにすぎず、限定を意図するものではない。
【0054】
いくつかの代替的な実装形態において、記載されている機能/動作が、図に記載されている順序とは異なる順序で行われる場合があることにも留意されたい。例えば、関連する機能/動作に応じて、順に示されている2つの図を実際には実質的に同時に実行してもよいし、または時には逆順で実行してもよい。
【0055】
方法動作は特定の順序で記載しているが、記載の動作の間に他の動作を実行してもよいし、記載の動作が僅かに異なる時間で発生するように、または記載の動作が処理に関連づけられた種々のインターバルで処理動作の発生を可能にするシステムに分配されうるように、記載の動作を調整できることを理解されたい。
【0056】
種々のユニット、回路、または他のコンポーネントは、1つもしくは複数のタスクを実行するように「構成されている」または「構成可能である」と記述されまたは特許請求されうる。このような文脈において、ユニット/回路/コンポーネントが動作中に1つもしくは複数のタスクを実行する構造(例えば回路)を含むことを示すことにより構造を含意するために、「~するように構成されている」または「~するように構成可能である」なる語句を用いている。したがって、ユニット/回路/コンポーネントは、特定のユニット/回路/コンポーネントがその時点で動作していない(例えばオンではない)場合であっても、タスクを実行するように構成されている、またはタスクを実行するように構成可能であると言うことができる。「~するように構成されている」または「~するように構成可能である」なる語句が使用されているユニット/回路/コンポーネントは、ハードウェア、例えば、回路、動作を実装するために実行可能なプログラム命令を格納したメモリなどを含む。ユニット/回路/コンポーネントが1つもしくは複数のタスクを実行する「ように構成されている」または1つもしくは複数のタスクを実行する「ように構成可能である」との記載は、そのユニット/回路/コンポーネントについて米国特許法第112条第6項が誘起されないことを明示的に意図している。さらに、「~するように構成されている」または「~するように構成可能である」とは、問題となっているタスクを実行可能な方式で動作させるために、ソフトウェアおよび/またはファームウェア(例えばソフトウェアを実行するFPGAまたは汎用プロセッサ)によって操作される汎用構造(例えば汎用回路)を含むことができる。「~するように構成されている」とは、1つもしくは複数のタスクを実装または実行するように適応化されたデバイス(例えば集積回路)を製造する製造プロセス(例えば半導体製造設備)を適応化させることも含みうる。「~するように構成可能である」とは、プログラミングされていないデバイスを開示の機能を実行するように構成する能力を与えるプログラミングされた媒体を伴わない限り、ブランクメディア、プログラミングされていないプロセッサもしくはプログラミングされていない汎用コンピュータ、またはプログラミングされていないプログラマブルロジックデバイス、プログラマブルゲートアレイ、またはプログラミングされていない他のデバイスに適用されないことを明示的に意図している。
【0057】
前述の説明は、説明を目的として、特定の実施形態を参照して行った。ただし、上記の例示的な考察は、網羅的であることを意図するものではなく、または本発明を開示の正確な形態に限定することを意図するものではない。上記の教示を考慮して、多くの修正形態および変形形態が可能である。実施形態の基本方式およびその実際の適用を最良に説明するために各実施形態を選択し説明したので、当業者は、企図された特定の使用に適するように、各実施形態および種々の修正形態を最良に利用することができる。したがって、各実施形態は、例示的であって限定的ではないと見なされるべきであり、本発明は、本明細書に示されている詳細に限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲の範囲およびその等価物の範囲内で修正することができる。
【外国語明細書】