(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181201
(43)【公開日】2022-12-07
(54)【発明の名称】ハンドヘルドX線装備の照射領域表示装置
(51)【国際特許分類】
A61B 6/08 20060101AFI20221130BHJP
A61B 6/14 20060101ALI20221130BHJP
A61B 6/00 20060101ALI20221130BHJP
【FI】
A61B6/08 300
A61B6/14
A61B6/00 300D
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084522
(22)【出願日】2022-05-24
(31)【優先権主張番号】17/329,540
(32)【優先日】2021-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】10-2022-0002907
(32)【優先日】2022-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】522204968
【氏名又は名称】デクスコウィン カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】リュ,スン ボム
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093CA32
4C093DA05
4C093EA02
4C093EA17
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ハンドヘルドX線装備に対するX線照射領域を表示する装置を提供する。
【解決手段】ハンドヘルドX線装備であって、X線を照射するためのX線照射ユニットと、前記X線照射ユニットから照射されたX線を受信誘導して外部に出力するX線導管と、光源から放射された光を反射してX線照射領域を示す前記X線導管の内部に搭載される反射鏡と、を備えることを特徴とするハンドヘルドX線装備の照射領域表示装置。
【効果】簡単な構造に軽量の携帯性を提供することで、X線装備を固定据置式ではなく携帯して便利に使用することができる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部カバー(100)と、下部カバー(200)と、X線照射部(300)と、放射口(400)と、照射領域表示部(500)と、下部支持台(600)と、を含むハンドヘルドX線装備であって、
前記照射領域表示装置(500)は、円筒部材(510)と、反射鏡(520)と、PCBガイド(530)と、PCB(540)と、LED光源(550)と、結合ねじ(500)と、で構成され、
前記LED光源(550)から放射された光が前記反射鏡(520)によって反射されて前方の被写体に照射領域を表示するように構成されることを特徴とするハンドヘルドX線装備の照射領域表示装置。
【請求項2】
前記円筒部材(510)は、前記X線照射部(300)と結合するように外径にねじ山が形成された連結部(511)と、前記連結部(511)の上方に形成される中空の本体部材(512)と、前記本体部材(512)の一部分を斜めに切断して前記連結部(511)まで斜めに傾斜面を形成し、前記傾斜面が前記反射鏡と結合される反射鏡結合部(513)と、を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載のハンドヘルドX線装備の照射領域表示装置。
【請求項3】
前記反射鏡(520)の前面は前記PCBガイド(530)の反射鏡結合突起(532)と密着結合され、後面は前記円筒部材(510)の結合部(513)と密着結合されて、前記LED光源(550)から伝播される光が前記反射鏡(520)の前面によって放射口(400)に向かって反射されることを特徴とする請求項1に記載のハンドヘルドX線装備の照射領域表示装置。
【請求項4】
前記反射鏡(520)の最小直径は、後方から放射されたX線がいずれも前記反射鏡(520)の傾斜した面を通るように製作されることを特徴とする請求項3に記載のハンドヘルドX線装備の照射領域表示装置。
【請求項5】
前記PCBガイド(530)は前記PCB(540)を支持するガイド部材であって、
反射鏡結合部(513)とねじ結合されて長方形に長く形成される一対の本体部材(531)と、
前記本体部材(531)の一側に前記反射鏡(520)と密着するように突出形成される一対の結合突起(532)と、
前記本体部材(531)の端部から前記反射鏡(520)と離れる方向に直角折曲されて形成される一対のPCB結合部材(533)と、
前記PCB結合部材(533)と前記PCB(540)が結合ねじ(560)とねじ結合するように形成される一対のねじ溝(534)と、を含んで製作されることを特徴とする請求項1に記載のハンドヘルドX線装備の照射領域表示装置。
【請求項6】
前記PCBガイド(530)はアルミニウムで製作されることを特徴とする請求項5に記載のハンドヘルドX線装備の照射領域表示装置。
【請求項7】
前記PCB(540)の中央部位にLED光源(550)が熱伝導性接着剤によって前記PCB(540)とボンディング結合されることを特徴とする請求項1に記載のハンドヘルドX線装備の照射領域表示装置。
【請求項8】
前記PCB(540)の一側両端面に内部に屈曲した一対のねじ結合ガイド部(541)が更に形成されることを特徴とする請求項1に記載のハンドヘルドX線装備の照射領域表示装置。
【請求項9】
前記PCB(540)はアルミニウムで製作されて放熱機能を示すことを特徴とする請求項1に記載のハンドヘルドX線装備の照射領域表示装置。
【請求項10】
前記LED光源(550)及び前記X線照射部(300)を作動するスイッチが下部支持台(600)に備えられることを特徴とする請求項1に記載のハンドヘルドX線装備の照射領域表示装置。
【請求項11】
ハンドヘルドX線装備であって、
X線を照射するためのX線照射ユニットと、
前記X線照射ユニットから照射されたX線を受信誘導して外部に出力するX線導管と、
光源から放射された光を反射してX線照射領域を示す前記X線導管の内部に搭載される反射鏡と、を備えることを特徴とするハンドヘルドX線装備の照射領域表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンドヘルドX線装備の照射領域表示装置に関する。
【0002】
詳しくは、ハンドヘルドX線装備の内部構造が狭小なため、反射鏡や絞りなどを利用した複雑なコリメータ構造を備えず、放射口の内側にLED光源を簡単に取り付けることでX線照射領域を表示する装置に関する技術である。
【背景技術】
【0003】
一般に、X線光線は被写体に垂直に向かい、画像を獲得するためのセンサの中心の上に整列されるべきである。この整列が守られなければ円錐状切断現象(cone-cut)が発生する。円錐状切断カットは切断部位のX線の露出が少ないため、処理後に放射線撮影で透明領域で示される。デジタル画像を使用する際、円錐状切断領域は不透明または白色で示される。
【0004】
円錐状切断誤差を修正するためには、X線ビームの中心を画像センサに垂直整列すべきである。画像センサの不適切な固定も円錐状切断の原因になり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1404004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
被写体の画像を獲得するためのセンサをセンサホルダで固定し、口腔内に挿入して使用する。この際、ユーザはこのセンサホルダの端をセンサが入っている範囲とみなし、ハンドヘルドX線を一直線上に整列して、被写体と照射角度を一直線上に載せてX線撮影を行う。
【0007】
しかし、センサホルダのサイズと重さによる使用上の不便さと共に、ハンドヘルドX線装備の被写体に対する接近距離が遠いためX線の照射時間を増やさなければならないなど、X線の長時間露出による人体の副作用が発生する恐れがある。
【0008】
また、ハンドヘルドX線装備は放射口の内部にコリメータを取り付けることが難しい。
【0009】
従来のX線コリメータはそれ自体の重さが2kg以上で重く、体積も放射口内に取り付けることが難しい。
【0010】
ハンドヘルドX線装備自体の重さが1.5kg乃至2.5kg前後であるため、そこに従来の絞り方式の重いコリメータが2kg以上追加されれば、ハンドヘルド装備として携帯性が落ちるようになる。
【0011】
ハンドヘルドX線装備は放射口の端部分から被写体までの距離が5cmまたは2インチの距離で最上の画像が獲得されると勧められているが、体積が大きい別途のコリメータを放射口の前側に取り付ければ、最上のイメージを獲得するための距離を逸脱するようになる問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、ハンドヘルドX線装備に対するX線照射領域を表示する装置を提供する。
【0013】
本発明は、ハンドヘルドX線装備の狭小な内部構造上、反射鏡や絞りなどを利用した複雑なコリメータ構造を作らず、放射口の内側にLED光源を簡単に取り付けてX線照射領域を表示するようにする。
【0014】
本発明は、LED光源から発生する熱を自体冷却する構造を採択することで、携帯用装備として使用の便利性を上げる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によるハンドヘルドX線装備の照射領域表示装置を使用することで、被写体に放射されるX線ビームと画像センサが垂直に正確に整列されるようになる。
【0016】
本発明によるハンドヘルドX線装備の照射領域表示装置は、簡単な構造に軽量の携帯性を提供することで、X線装備を固定据置式ではなく携帯して便利に使用することができる。
【0017】
本発明によるハンドヘルドX線装備の照射領域表示装置は、自体的にLED光源の冷却構造を備えることで、効率的な放熱と便利な使用性を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【発明を実施するための形態】
【0019】
図3は、本発明の実施例によるハンドヘルドX線装備の外観を示している。
【0020】
固定据置式X線装備に比べ、ハンドヘルドX線装備は簡便な携帯性をユーザに提供する。しかし、携帯用装備を使用して撮影したら、X線ビームと被写体の整列が正確にならず、円錐状切断現象のような問題点がよく発生する。
【0021】
円錐状切断現象のような問題点はセンサホルダを更に備えて整列を正確に改善することで撮影することができるが、センサホルダを更に使用することによる不便さと撮影距離の問題、X線に長時間露出されるという問題点などが発生するため、本発明は
図3のハンドヘルドX線装備の放射口の内側にX線照射領域を表示する装置を提案する。
【0022】
図4は本発明によるハンドヘルドX線装備の分解斜視図であって、照射領域表示装置100は放射口内部の結合部材200にねじ結合で取り付けられて備えられる。
【0023】
本発明によるハンドヘルドX線装備は、上部カバー100と、下部カバー200と、X線照射部300と、放射口400と、照射領域表示部500と、下部支持台600と、を含む。
【0024】
X線照射部300から発射されたX線が放射口400を通って被写体に正確に到達するために、経路の途中に照射領域を予め表示する照射領域表示部500を備えている。
【0025】
X線を発射する前に照射領域表示部500に備えたLED光源を作動したら、LED光源から出た光が放射口400を通ってX線が照射される領域を被写体に予め示す。
【0026】
被写体に示されるLED光源による照射領域を予め見ながら、被写体にX線撮影が行われるべき部位に正確に一致するのかを肉眼で確認して微細に調整することができる。X線照射領域が正確に一致したら、X線照射部300からX線を照射して撮影を実施する。
【0027】
好ましくは、LED光源とX線の照射は下部支持台600に作動スイッチを備える。好ましくは、下部支持台600は作動スイッチ以外に装備電源部を更に含む(図示せず)。
【0028】
図5、
図6、及び
図7に開示した照射領域表示装置500は、円筒部材510と、反射鏡520と、PCBガイド530と、PCB540と、LED光源550と、結合ねじ500と、で構成される。
【0029】
円筒部材510は、
X線照射部300と結合するように外径にねじ山が形成された連結部511と、
連結部511の上方に形成される中空の本体部材512と、本体部材512の一部分を斜めに切断して連結部511まで斜めに傾斜面を形成し、傾斜面が反射鏡と結合される反射鏡結合部513と、で構成される。
【0030】
反射鏡520の直径は後方から放射されたX線がいずれも反射鏡520の傾斜した面を通る直径を最小範囲にして製作される。
【0031】
反射鏡520の前面は後述するPCBガイド530の反射鏡結合突起532と密着結合され、後面は円筒部材510の結合部513と密着結合される。
【0032】
LED光源550から伝播される光は反射鏡520の前面によって放射口400に向かって反射する。
【0033】
反射鏡520は後方のX線照射部300から放射されるX線をいずれも通らせる。
【0034】
PCBガイド530は後述するPCB540を支持するガイド部材であって、
円筒部材510の反射鏡結合部513とねじ結合されて長方形に長く形成される一対の本体部材531と、
本体部材531の一側に反射鏡520と密着するように突出形成される一対の結合突起532と、
本体部材531の端部から反射鏡520と離れる方向に直角折曲されて形成される一対のPCB結合部材533と、
PCB結合部材533とPCB540が後述する結合ねじ560とねじ結合するように形成される一対のねじ溝534と、を含んで構成される。
【0035】
好ましくは、放熱機能を保有するようにPDCガイド530はアルミニウムで製作される。
【0036】
PCB540がアルミニウムで製作されて放熱機能を保有し、PCB540の中央部位にLED光源550が熱伝導性接着剤によってPCB540とボンディング結合される。
【0037】
結合ねじ560がPCB540とPCBガイド530をねじ結合するように、PCB540の一側両端面に内部に屈曲した一対のねじ結合ガイド部541が更に形成される。
【0038】
図8に本発明によるハンドヘルドX線装備の照射領域が表示された実施例が示されている。
【0039】
ユーザは患者のX撮影を行う前に、
図8のように患者の撮影部位の近くに対してLED光源による照射領域を先に照射する。
【0040】
照射領域に表示された中心部が患者の撮影部位と正確に一致されなければ、撮影をしても患部が画像センサに正確に撮像されない恐れがあり、また、円錐状切断現象によって不透明であるか真っ白な画像が生成される恐れがある。
【0041】
よって、本発明による照射領域表示装置によってLED光源による照射領域の中心部と患部を正確に整列した後、X線ビームを照射したら、精密できれいに撮影することができる。