(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181244
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】分光測定レポート作成装置
(51)【国際特許分類】
G01J 3/42 20060101AFI20221201BHJP
G01J 3/45 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
G01J3/42 U
G01J3/45
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021088065
(22)【出願日】2021-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001069
【氏名又は名称】弁理士法人京都国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤 里砂
【テーマコード(参考)】
2G020
【Fターム(参考)】
2G020AA03
2G020CA02
2G020CA12
2G020CB05
2G020CC22
2G020CD03
2G020CD33
2G020CD35
(57)【要約】
【課題】分光スペクトルに基づく試料の同定を容易にするための技術を提供する。
【解決手段】複数の解析対象試料のそれぞれについて識別情報と画像のデータが保存された記憶部11と、前記複数の解析対象試料のうちの1つの解析対象試料の識別情報の入力を受け付ける試料情報入力受付部12と、前記1つの解析対象試料の分光測定を行って分光スペクトルのデータを取得する分光測定部13と、前記試料情報入力受付部により受け付けられた識別情報に基づいて前記記憶部から前記1つの解析対象試料の画像のデータを読み出し、前記分光測定により得られた該1つの解析対象試料の分光スペクトルと画像を記載したレポートを作成するレポート作成部15とを備える分光測定レポート作成装置1。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の解析対象試料のそれぞれについて識別情報と画像のデータが保存された記憶部と、
前記複数の解析対象試料のうちの1つの解析対象試料の識別情報の入力を受け付ける試料情報入力受付部と、
前記1つの解析対象試料の分光測定を行って分光スペクトルのデータを取得する分光測定部と、
前記試料情報入力受付部により受け付けられた識別情報に基づいて前記記憶部から前記1つの解析対象試料の画像のデータを読み出し、前記分光測定により得られた該1つの解析対象試料の分光スペクトルと画像を記載したレポートを作成するレポート作成部と
を備える分光測定レポート作成装置。
【請求項2】
前記分光測定が、フーリエ変換赤外分光である、請求項1に記載の分光測定レポート作成装置。
【請求項3】
前記画像が、実体顕微鏡により取得された前記試料の全体画像である、請求項1又は2に記載の分光測定レポート作成装置。
【請求項4】
前記記憶部に、複数の既知物質の分光スペクトルのデータを収録したデータベースが保存されており、
さらに、
前記分光測定部により取得された分光スペクトルのデータと前記複数の既知物質の分光スペクトルのデータを照合することにより、前記1つの解析対象試料の候補物質を選出する候補物質選出部
を備える、請求項1から3のいずれかに記載の分光測定レポート作成装置。
【請求項5】
前記レポート作成部が、前記候補物質選出部により選出された候補物質の分光スペクトルデータを記載したレポートを作成する、請求項4に記載の分光測定レポート作成装置。
【請求項6】
さらに、
前記1つの解析対象試料の分光スペクトルデータを前記データベースに登録するデータベース更新部
を備える、請求項4又は5に記載の分光測定レポート作成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分光測定レポート作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、河川や海洋に放出されたプラスチックが微細化したマイクロプラスチックが生体に健康被害をもたらす可能性があることから、マイクロプラスチックのサンプリング調査が世界各国で行われている。マイクロプラスチックのサンプリング調査では、採取したマイクロプラスチックの種類を特定し、採取日時、採取場所、及び採取条件の情報とともに記録される。
【0003】
マイクロプラスチックの種類を特定する際には、例えばフーリエ変換赤外分光光度計を用いて赤外光スペクトルを取得する。そして、データベースに予め収録されている、既知物質の赤外光スペクトルと照合し、その一致度を表すスコアに基づいてマイクロプラスチックの種類を特定する。最後に、サンプリングした試料の赤外光スペクトルと種類を、採取日時、採取場所、測定条件等と対応付けてデータベースに登録してデータを蓄積していく。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】藤里砂, "食の安全を脅かすマイクロプラスチックの分析技術", 島津評論, 77(3・4), pp.159-164, 2021年3月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、マイクロプラスチックの種類は多種多様であり、赤外光スペクトルの近いものが多数存在する。そうした中でマイクロプラスチックの種類を特定するには、分析者が、スコアが高い順に、各候補物質の赤外光スペクトルを、サンプリングしたマイクロプラスチックの赤外光スペクトルと比較しなければならず、手間と時間がかかる。また、多数の候補物質の中から正しいものを特定することが困難であるという問題があった。
【0006】
ここでは赤外光スペクトルに基づいてマイクロプラスチックの種類を特定する場合を説明したが、分光スペクトルに基づいて微小な試料を同定する様々な場面において上記同様の問題があった。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、分光スペクトルに基づく試料の同定を容易にするための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために成された本発明に係る分光測定レポート作成装置は、
複数の解析対象試料のそれぞれについて識別情報と画像のデータが保存された記憶部と、
前記複数の解析対象試料のうちの1つの解析対象試料の識別情報の入力を受け付ける試料情報入力受付部と、
前記1つの解析対象試料の分光測定を行って分光スペクトルのデータを取得する分光測定部と、
前記試料情報入力受付部により受け付けられた識別情報に基づいて前記記憶部から前記1つの解析対象試料の画像のデータを読み出し、前記分光測定により得られた該1つの解析対象試料の分光スペクトルと画像を記載したレポートを作成するレポート作成部と
を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る分光測定レポート作成装置を用いると、例えば解析対象試料の分光スペクトルを既知物質の分光スペクトルと照合して該解析対象試料を同定する際に複数の候補物質が存在する場合であっても、分光スペクトルとともに出力される画像から得られる、試料の大きさや色、形状といった情報に基づいて候補物質を絞り込み、試料を容易に同定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に係る分光測定レポート作成装置の一実施例を含む分光測定レポート作成システムの概略構成図。
【
図2】本実施例において作成されるレポートの一例。
【
図3】本実施例において作成されるレポートの別の一例。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る分光測定レポート作成装置の一実施例について、以下、図面を参照して説明する。本実施例における解析対象試料はマイクロプラスチックである。
【0012】
図1に本実施例の分光測定レポート作成装置1の概略構成を示す。本実施例の分光測定レポート作成装置1は、フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)2に接続されており、フーリエ変換赤外分光光度計2と分光測定レポート作成装置1により、分光測定レポート作成システム100が構成される。
【0013】
分光測定レポート作成装置1は、記憶部11を備えている。記憶部11には、複数のマイクロプラスチックのそれぞれについて、その識別情報と画像データ及び画像解析データを対応付けたデータが保存されている。マイクロプラスチックの画像のデータは、分光測定レポート作成システム100とは別に配置されている、実体顕微鏡である光学顕微鏡200により予め取得された、解析対象であるマイクロプラスチックの全体を撮影した画像のデータである。光学顕微鏡200は、分光測定レポート作成システム100と独立に配置されたものであってもよく、有線あるいは無線で分光測定レポート作成システム100と通信可能に配置されたものであってもよい。
【0014】
記憶部11には、また、既に解析済みである様々な種類のマイクロプラスチックの赤外スペクトルデータ及び画像データ並びに画像解析データも保存されている。
【0015】
分光測定レポート作成装置1は、機能ブロックとして、試料情報入力受付部12、分光測定部13、候補物質選出部14、レポート作成部15、及びデータベース更新部16を備えている。分光測定レポート作成装置1の実体は一般的なパーソナルコンピュータであり、予めインストールされた分光測定レポート作成用プログラムをプロセッサで実行することにより上記の各機能ブロックが具現化される。また、分光測定レポート作成装置1には、分析者が各種の入力操作を行うために用いる、キーボードやマウスなどで構成される入力部3と、各種の情報を表示するための、液晶ディスプレイ等などで構成される表示部4を備えている。
【0016】
フーリエ変換赤外分光光度計2は、セットされた試料に対して所定波長の赤外光を照射してインターフェログラムを取得するものである。
【0017】
次に、本実施例の分光測定レポート作成システム100を用いてマイクロプラスチックの分光測定レポートを作成する流れを説明する。
【0018】
まず、分析者は、解析対象試料である、複数のマイクロプラスチックにそれぞれ識別情報を付して光学顕微鏡200により撮影し、画像データを取得する。また、光学顕微鏡200による画像解析処理により、各マイクロプラスチックの大きさや色のデータを取得する。そして、各マイクロプラスチックの識別情報に、画像データと画像解析データを対応付けて、コンピュータで読み取り可能な記録媒体(USBメモリ等)に保存する。さらに、その記録媒体に保存した情報を分光測定レポート作成装置1で読み込み、記憶部11に保存する。
【0019】
次に、分析者は、上記複数のマイクロプラスチックのうちの1乃至複数をフーリエ変換赤外分光光度計2にセットする。その後、分析者が分光測定データの取得を指示すると、試料情報入力受付部12は、分光測定を実行する対象のマイクロプラスチックの識別情報を入力する画面を表示部4に表示する。
【0020】
分析者が、フーリエ変換赤外分光光度計2にセットした、1乃至複数のマイクロプラスチックの識別情報を、その測定順に入力すると、分光測定部13は、フーリエ変換赤外分光光度計2の各部を制御し、セットされている1乃至複数のマイクロプラスチックについて、順にフーリエ変換赤外分光測定を実行して分光測定データを取得する。フーリエ変換赤外分光光度計2で取得された、各マイクロプラスチックのインターフェログラムのデータは、分析者が入力した識別情報と対応付けられて順次、記憶部11に保存される。
【0021】
インターフェログラムのデータが保存されると、分光測定部13は、インターフェログラムに対してフーリエ変換等の所定の処理を施して赤外光スペクトルを作成し、そのデータを記憶部11に保存する。分光測定部13は、赤外光スペクトルの作成時に使用した解析パラメータの情報も併せて保存される。
【0022】
全てのマイクロプラスチックについてインターフェログラムのデータが取得され、赤外光スペクトルが作成されると、分光測定部13は、表示部4の画面に同定ボタンとレポート作成ボタンを表示する。
【0023】
分析者が所定の入力操作により同定ボタンを押下すると、候補物質選出部14は、解析対象であるマイクロプラスチックのそれぞれの赤外光スペクトルデータを、記憶部11に保存されたデータベース111に収録されている既知物質の赤外光スペクトルデータと照合する。そして、赤外光スペクトルの一致度を表すスコアを算出する。そして、スコアが高い順に予め決められた数(例えば5つ)の既知物質を当該マイクロプラスチックの候補物質として選出する。
【0024】
一方、分析者が同定ボタンを押すことなくレポート作成ボタン押下すると、レポート作成部15は、解析対象のマイクロプラスチックのレポートを作成し、表示部4の画面に表示する。
図2にそのレポートの一例を示す。
図2に示す例では、上段には赤外光スペクトル51、下段には当該マイクロプラスチックの画像解析結果(
図2の例では長手方向と短手方向の長さ)を重畳した顕微鏡画像52が表示される。また、赤外光スペクトルの作成時に使用されたパラメータの情報53も表示される。画面表示されたレポートは、分析者による所定の操作によって記憶部11に保存され、また印刷される。
【0025】
候補物質選出部14による上記処理が行われた後に、分析者がレポート作成ボタンを押下すると、レポート作成部15は、候補物質選出部14による処理結果を含む、解析対象のマイクロプラスチックのレポートを作成し、表示部4の画面に表示する。
図3にそのレポートの一例を示す。
図3に示す例では、上段から順に、解析対象であるマイクロプラスチックの赤外光スペクトル51、最もスコアが高い候補物質の赤外光スペクトル54、候補物質選出部14により選出された所定数(
図3では5つ)の候補物質について、スコア、ライブラリの名称、化合物名、及びデータベース111でその化合物に付されているコメントを記載したリスト55、及び当該マイクロプラスチックの解析結果(
図3の例では長手方向と短手方向の長さ)を重畳した顕微鏡画像52が表示される。また、赤外光スペクトルの作成時に使用されたパラメータの情報53も表示される。画面表示されたレポートは、分析者による所定の操作によって記憶部11に保存され、また印刷される。
【0026】
分析者は、レポート作成部15により作成され表示部4の画面に表示されたレポートを確認し、解析対象のマイクロプラスチックを同定する。従来、上記実施例のように、スコアが近い化合物が多数存在する場合にマイクロプラスチックを同定するには、分析者が、スコアが高い順に、各候補物質の赤外光スペクトルを、解析対象のマイクロプラスチックの赤外光スペクトルと比較しなければならず、手間と時間がかかっていた。また、多数の候補物質の中から正しいものを特定することが困難であるという問題があった。
【0027】
一方、本実施例の分光測定レポート作成装置1では、
図2及び3に示すようなレポートを作成を作成することができる。このレポートには、解析対象であるマイクロプラスチックの画像及び画像解析データが赤外光スペクトルとともに表示されるため、それらの情報からマイクロプラスチックの大きさや色、形状といった情報に基づいて候補物質を絞り込み、試料を容易に同定することができる。
【0028】
解析対象のマイクロプラスチックのレポートが作成され、分析者画素のマイクロプラスチックを同定すると、データベース更新部16は、マイクロプラスチックの識別情報、画像データ、画像解析データ、赤外光スペクトルデータ、及び赤外光スペクトル作成時のパラメータの情報を対応付けたものを記憶部11に保存されているデータベース111に追加収録する。
【0029】
また、データベース111に同種の物質の画像データ、画像解析データ及び赤外光スペクトルデータが所定数、蓄積されると、データベース更新部16は、それら所定数の画像解析データを読み出し、当該物質の画像解析データを統計処理する。具体的には、例えば、当該物質の大きさ、アスペクト比(長手方向の長さと短手方向の長さの比)、色のばらつきといった統計データを求める。また、赤外光スペクトルデータについても同様に統計処理する。具体的には、例えば、赤外光スペクトルのピークリスト(ピーク位置とピーク高さ又は面積のリスト)を作成し、当該スペクトルに含まれる複数のピークの高さの比の範囲といった統計データを求める。こうした統計データが作成されると、未知のマイクロプラスチックを同定する際に、赤外光スペクトルの一致度を表すスコアだけでなく、当該マイクロプラスチックについて得られた画像解析データ及び/又は赤外光スペクトルデータが、上記統計データの範囲内であるか否かも同定の基準として使用することができ、同定の精度がより高くなる。
【0030】
上記実施例は一例であって、本発明の趣旨に沿って適宜に変更することができる。
【0031】
上記実施例では、マイクロプラスチックを解析したが、それ以外の各種試料の解析にも上記実施例と同様の構成を有する分光測定レポート作成装置及びシステムを用いることができる。また、上記実施例ではフーリエ赤外分光測定を行ったが、解析対象試料の特性に応じて他の分光測定を行うように構成してもよい。また、上記実施例では実体顕微鏡の1つである光学顕微鏡により取得した画像データを予め保存しておく構成としたが、解析対象試料の特性や解析の目的に応じて光学顕微鏡以外の画像データを用いるように構成してもよい。
【0032】
[態様]
上述した複数の例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0033】
(第1項)
本発明の一態様に係る分光測定レポート作成装置は、
複数の解析対象試料のそれぞれについて識別情報と画像のデータが保存された記憶部と、
前記複数の解析対象試料のうちの1つの解析対象試料の識別情報の入力を受け付ける試料情報入力受付部と、
前記1つの解析対象試料の分光測定を行って分光スペクトルのデータを取得する分光測定部と、
前記試料情報入力受付部により受け付けられた識別情報に基づいて前記記憶部から前記1つの解析対象試料の画像のデータを読み出し、前記分光測定により得られた該1つの解析対象試料の分光スペクトルと画像を記載したレポートを作成するレポート作成部と
を備える。
【0034】
第1項の分光測定レポート作成装置を用いると、例えば解析対象試料の分光スペクトルを既知物質の分光スペクトルと照合して該解析対象試料を同定する際に複数の候補物質が存在する場合であっても、分光スペクトルとともに出力される画像から得られる、試料の大きさや色、形状といった情報に基づいて候補物質を絞り込み、試料を容易に同定することができる。
【0035】
(第2項)
第1項に記載の分光測定レポート作成装置において、
前記分光測定が、フーリエ変換赤外分光である。
【0036】
マイクロプラスチックを同定したり、データベースを作成したりする際には、フーリエ変換赤外分光により取得した分光スペクトルが用いられるため、そうした場合に第2項に記載の分光測定レポート作成装置を好適に用いることができる。
【0037】
(第3項)
第1項又は第2項に記載の分光測定レポート作成装置において、
前記画像が、実体顕微鏡により取得された前記試料の全体画像である。
【0038】
マイクロプラスチックは、それを構成する物質に応じた大きさや形状、色を有している。第3項の分光測定レポート作成装置では、試料の全体画像を用いることにより、特にマイクロプラスチックの同定を容易に行うことができる。
【0039】
(第4項)
第1項から第3項のいずれかに記載の分光測定レポート作成装置において、
前記記憶部に、複数の既知物質の分光スペクトルのデータを収録したデータベースが保存されており、
さらに、
前記分光測定部により取得された分光スペクトルのデータと前記複数の既知物質の分光スペクトルのデータを照合することにより、前記1つの解析対象試料の候補物質を選出する候補物質選出部
を備える。
【0040】
第4項に記載の分光測定レポート作成装置では、解析対象試料の分光スペクトルとの一致度が高い候補物質が提示されるため、試料の同定を容易に行うことができる。
【0041】
(第5項)
第4項に記載の分光測定レポート作成装置において、
前記レポート作成部が、前記候補物質選出部により選出された候補物質の分光スペクトルデータを記載したレポートを作成する。
【0042】
第5項に記載の分光測定レポート作成装置では、レポートに候補物質の分光スペクトルデータが記載されているため、分析者は選出された候補物質の妥当性を確認することができる。
【0043】
(第6項)
第4項または第5項に記載の分光測定装置において、さらに、
前記1つの解析対象試料の分光スペクトルデータを前記データベースに登録するデータベース更新部
を備える。
【0044】
第6項の分光測定レポート作成装置では、試料の分光スペクトルデータを順次蓄積することによりデータベースを拡充することができる。
【符号の説明】
【0045】
100…分光測定レポート作成システム
1…分光測定レポート作成装置
11…記憶部
111…既知物質データベース
12…試料情報入力受付部
13…分光測定部
14…候補物質選出部
15…レポート作成部
16…データベース更新部
3…入力部
4…表示部
200…光学顕微鏡
51…解析対象のマイクロプラスチックの赤外光スペクトル
52…マイクロプラスチックの解析結果を重畳した顕微鏡画像
53…赤外光スペクトルの作成時に使用されたパラメータの情報
54…最もスコアが高い候補物質の赤外光スペクトル
55…候補物質のリスト