IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士ソフト株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-仮想空間管理システムおよび方法 図1
  • 特開-仮想空間管理システムおよび方法 図2
  • 特開-仮想空間管理システムおよび方法 図3
  • 特開-仮想空間管理システムおよび方法 図4
  • 特開-仮想空間管理システムおよび方法 図5
  • 特開-仮想空間管理システムおよび方法 図6
  • 特開-仮想空間管理システムおよび方法 図7
  • 特開-仮想空間管理システムおよび方法 図8
  • 特開-仮想空間管理システムおよび方法 図9
  • 特開-仮想空間管理システムおよび方法 図10
  • 特開-仮想空間管理システムおよび方法 図11
  • 特開-仮想空間管理システムおよび方法 図12
  • 特開-仮想空間管理システムおよび方法 図13
  • 特開-仮想空間管理システムおよび方法 図14
  • 特開-仮想空間管理システムおよび方法 図15
  • 特開-仮想空間管理システムおよび方法 図16
  • 特開-仮想空間管理システムおよび方法 図17
  • 特開-仮想空間管理システムおよび方法 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181260
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】仮想空間管理システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/00 20120101AFI20221201BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20221201BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20221201BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20221201BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
G06Q50/00 300
G06T19/00 300A
G06F3/01 510
G06F3/0481
G06F13/00 650R
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021088095
(22)【出願日】2021-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】593059773
【氏名又は名称】富士ソフト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】弁理士法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松浦 直樹
(72)【発明者】
【氏名】石田 卓也
(72)【発明者】
【氏名】杉本 直輝
(72)【発明者】
【氏名】小山 岳史
(72)【発明者】
【氏名】岩本 智裕
【テーマコード(参考)】
5B050
5B084
5E555
5L049
【Fターム(参考)】
5B050AA08
5B050BA08
5B050BA09
5B050BA12
5B050CA07
5B050CA08
5B050DA01
5B050EA05
5B050EA12
5B050EA19
5B050EA24
5B050EA26
5B050FA02
5B050FA05
5B050FA10
5B050FA17
5B084AA02
5B084AA18
5B084AB07
5B084AB11
5B084AB13
5B084AB39
5B084BA07
5B084BB04
5B084CA13
5B084CB05
5B084CB06
5B084DB12
5B084DC02
5B084DC03
5E555AA27
5E555AA61
5E555BA02
5E555BA03
5E555BA05
5E555BA06
5E555BA76
5E555BB02
5E555BB03
5E555BB05
5E555BB06
5E555BC04
5E555BC09
5E555BD01
5E555BD05
5E555BD09
5E555BE17
5E555CA02
5E555CA18
5E555CA42
5E555CA47
5E555CB02
5E555CB45
5E555CB69
5E555CC03
5E555DA23
5E555DA31
5E555DB32
5E555DB39
5E555DB41
5E555DB53
5E555DC13
5E555DC19
5E555DC85
5E555DD06
5E555EA05
5E555EA07
5E555FA00
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】仮想空間のアバターを介して、他のユーザの状況を容易に把握できるようにすること。
【解決手段】仮想空間4のアバターGP1をクライアント端末3から操作する各ユーザの状況を管理する仮想空間管理システム1であって、各クライアント端末へ提供される仮想空間を制御する仮想空間制御部21と、各クライアント端末がユーザに関して取得するユーザ状況情報を各クライアント端末から収集する情報収集部23と、ユーザ毎に設定される所定のポリシに基づいて、収集された各ユーザ状況情報の中から抽出される所定のユーザ状況情報を、各ユーザの操作するアバターに対応付けて仮想空間に提供する情報提供部24とを備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間のアバターをクライアント端末から操作する各ユーザの状況を管理する仮想空間管理システムであって、
前記各クライアント端末へ提供される前記仮想空間を制御する仮想空間制御部と、
前記各クライアント端末がユーザに関して取得するユーザ状況情報を前記各クライアント端末から収集する情報収集部と、
ユーザ毎に設定される所定のポリシに基づいて、前記収集された各ユーザ状況情報の中から抽出される所定のユーザ状況情報を、各ユーザの操作するアバターに対応付けて前記仮想空間に提供する情報提供部と、
を備える仮想空間管理システム。
【請求項2】
前記情報提供部は、前記所定のユーザ状況情報を画像情報および音声情報として前記仮想空間に提供する
請求項1に記載の仮想空間管理システム。
【請求項3】
前記所定のポリシは、ユーザの属するグループ毎に設定される
請求項1に記載の仮想空間管理システム。
【請求項4】
前記所定のポリシは、指定されたユーザ毎に設定される
請求項1に記載の仮想空間管理システム。
【請求項5】
前記所定のユーザ状況情報は複数あり、
前記情報提供部は、前記複数の所定のユーザ状況情報のうち更新された所定のユーザ状況情報を前記仮想空間に強調表示させる
請求項1に記載の仮想空間管理システム。
【請求項6】
前記情報提供部は、前記収集された各ユーザ状況情報の解析結果を前記所定のユーザ状況情報の一つとして前記仮想空間に提供する
請求項1に記載の仮想空間管理システム。
【請求項7】
さらに、前記仮想空間でのビデオ通話を制御するビデオ通話制御部を備え、
前記仮想空間制御部は、前記複数のクライアント端末のうち第1クライアント端末に対応する第1アバターが、前記複数のクライアント端末のうち第2クライアント端末に対応する第2アバターに前記仮想空間で接触したか判定し、
前記ビデオ通話制御部は、前記仮想空間制御部により前記第1アバターと前記第2アバターとが前記仮想空間で接触したと判定されると、前記第1クライアント端末と前記第2クライアント端末との間でビデオ通話を開始させる
請求項1に記載の仮想空間管理システム。
【請求項8】
前記ビデオ通話制御部は、前記仮想空間制御部により前記第1アバターと前記第2アバターとが前記仮想空間で接触したと判定されると、前記第1アバター内に前記第1クライアント端末からの画像を表示させると共に、前記第2アバター内に前記第2クライアント端末からの画像を表示させることにより、前記第1クライアント端末と前記第2クライアント端末との間でビデオ通話を開始させる
請求項7に記載の仮想空間管理システム。
【請求項9】
仮想空間のアバターをクライアント端末から操作する各ユーザの状況を管理する仮想空間管理方法であって、
各クライアント端末と双方向通信可能に接続される計算機は、
前記各クライアント端末からの操作に応じて前記仮想空間のアバターを制御し、
前記各クライアント端末がユーザに関して取得するユーザ状況情報を、前記各クライアント端末から収集し、
ユーザ毎に設定される所定のポリシに基づいて、前記収集された各ユーザ状況情報の中から抽出される所定のユーザ状況情報を、各ユーザの操作するアバターに対応付けて前記仮想空間に提供する
仮想空間管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想空間管理システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のユーザがネットワーク上のサーバに設けられた仮想空間に集い、チャットやゲームなどを通じて交流する技術は知られている(特許文献1,2)。また、会議参加者の位置情報を含む人物関連情報を把握する技術も知られている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許5969476号公報
【特許文献2】特開2003-058484号公報
【特許文献3】特許6684934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
在宅で仕事をするテレワーク中は、職場の様子や仕事仲間の様子を把握することが難しいため、コミュニケーションが取りにくい。
【0005】
そこで、本発明の目的は、仮想空間のアバターを介して、他のユーザの状況を容易に把握できるようにした仮想空間管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの観点に係る仮想空間管理システムは、仮想空間のアバターをクライアント端末から操作する各ユーザの状況を管理する仮想空間管理システムであって、各クライアント端末へ提供される仮想空間を制御する仮想空間制御部と、各クライアント端末がユーザに関して取得するユーザ状況情報を各クライアント端末から収集する情報収集部と、ユーザ毎に設定される所定のポリシに基づいて、収集された各ユーザ状況情報の中から抽出される所定のユーザ状況情報を、各ユーザの操作するアバターに対応付けて仮想空間に提供する情報提供部とを備える。
【0007】
情報提供部は、所定のユーザ状況情報を画像情報および音声情報として仮想空間に提供してもよい。
【0008】
所定のポリシは、ユーザの属するグループ毎に設定されてもよい。
【0009】
所定のポリシは、指定されたユーザ毎に設定されてもよい。
【0010】
所定のユーザ状況情報は複数あり、情報提供部は、複数の所定のユーザ状況情報のうち更新された所定のユーザ状況情報を仮想空間に強調表示させてもよい。
【0011】
情報提供部は、収集された各ユーザ状況情報の解析結果を所定のユーザ状況情報の一つとして仮想空間に提供してもよい。
【0012】
さらに、仮想空間でのビデオ通話を制御するビデオ通話制御部を備え、仮想空間制御部は、複数のクライアント端末のうち第1クライアント端末に対応する第1アバターが、複数のクライアント端末のうち第2クライアント端末に対応する第2アバターに仮想空間で接触したか判定し、ビデオ通話制御部は、仮想空間制御部により第1アバターと第2アバターとが仮想空間で接触したと判定されると、第1クライアント端末と第2クライアント端末との間でビデオ通話を開始させることもできる。
【0013】
ビデオ通話制御部は、仮想空間制御部により第1アバターと第2アバターとが仮想空間で接触したと判定されると、第1アバター内に第1クライアント端末からの画像を表示させると共に、第2アバター内に第2クライアント端末からの画像を表示させることにより、第1クライアント端末と第2クライアント端末との間でビデオ通話を開始させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態の仮想空間管理システムの全体概要図。
図2】仮想空間管理システムの機能構成図。
図3】仮想オフィスの説明図。
図4】アバターの周囲にユーザ状況情報が表示される様子を示す説明図。
図5】ユーザ状況情報の例。
図6】クライアント端末から情報を受信する処理を示すフローチャート。
図7】クライアント端末から情報を受信する他の処理を示すフローチャート。
図8】全体処理のフローチャート。
図9】所定のポリシの例である関心情報フィルタの説明図。
図10】第2実施例に係り、全体処理のフローチャート。
図11】第3実施例に係り、知的活動量を算出する処理のフローチャート。
図12】仮想オフィスの説明図。
図13】第4実施例に係り、ビデオ通話が開始される様子を示す説明図。
図14】アバター内にユーザの画像が表示される様子を示す説明図。
図15】ビデオ通話処理のフローチャート。
図16図15に続くフローチャート。
図17】第5実施例に係り、ビデオ通話処理のフローチャート。
図18】第6実施例に係り、全体処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本実施形態では、例えば、企業や自治体などの各種組織において、その組織のメンバーが仮想空間に集い、互いの状況をアバターを通じて一見して確認できるようにした仮想空間管理システムを提供する。
【0016】
図1は、本実施形態の仮想空間管理システム1の全体概要を示す。仮想空間管理システム1は、例えば仮想オフィス提供サーバ2と、複数のクライアント端末3を備える。
【0017】
仮想オフィス提供サーバ2は、「仮想空間」としての仮想オフィス4を各クライアント端末3へ提供する。仮想オフィス提供サーバ2は、仮想オフィス4を制御する「仮想空間制御部」としての仮想オフィス制御部21と、仮想オフィスで行われるビデオ通話を制御するビデオ通話制御部22と、各クライアント端末3から情報を収集する情報収集部23と、仮想オフィス4を介して各クライアント端末3へ情報を提供する情報提供部24とを備える。以下、仮想オフィス提供サーバ2をサーバ2と略記する場合がある。
【0018】
ユーザは、クライアント端末3を用いてサーバ2へアクセスし、仮想オフィスサービスへログインすることにより、自分のアバターGP1を仮想オフィス4に出現させる。
【0019】
仮想オフィス4は、ユーザの属する企業や自治体等が使用する仮想空間である。仮想オフィス4のレイアウトは現実のオフィスのレイアウトに似せることもできるし、現実のオフィスとは異ならせることもできる。
【0020】
仮想オフィス4では、例えば、机GP21や椅子GP22などの什器備品、机上ネームプレートGP31、会議室GP5、集中室GP6(いずれも図3参照)などが描画される。アバターGP1があらかじめ定められた座席から離れている間、その座席には、ゴーストアバターGP12が表示される。ゴーストアバターGP12は、ユーザはログインしているがその座席には居ないことを示す。他のユーザがゴーストアバターGP12に接触すると、当該他のユーザはゴーストアバターGP12に対応するアバターGP1の場所へ移動させられる。
【0021】
例えば、仮想オフィス4が第1フロアと第2フロアのように複数フロアを持つ場合を説明する。第1フロアにいる第1アバターGP1が第2フロアへ移動しているときに、第1フロアにいる第2アバターGP1が第1アバターGP1のゴーストアバターGP12に接触すると、第2アバターGP1は第2フロアの第1アバターGP1の隣に移動する。
【0022】
ここで、アバターGP1を操作するユーザの状況を仮想オフィス4で表現する方法の例を説明する。情報提供部24は、情報収集部23により各クライアント端末3から収集されたユーザ状況情報をアバターの周囲に表示させる。
【0023】
例えば、アバターGP1には、そのアバターの基本情報を示す基本情報表示部GP11が対応付けられて表示される。基本情報表示部GP11は、例えば、アバターGP1を操作するユーザの氏名を含む。
【0024】
「グループ」の例である同一部署に属するユーザのアバターGP1は、所定の領域に配置される。例えば、ある部署に属するユーザのアバターGP1は、その部署で使用する机GP21に配置される。机GP21には、部署名などを表す部署名プレートGP23が表示される。
【0025】
アバターGP1の周囲には、上述の基本情報表示部GP11およびネームプレートGP31のほかに、複数の表示部GP32,GP33,GP34,GP35(図4で後述)が配置される。これらの表示部GP11,GP32~GP35には、情報提供部24により、ユーザ状況情報のうち関心情報フィルタT1(図9で後述)によって抽出された情報が表示される。
【0026】
ユーザ状況情報の一つとして、例えば、体温、心拍数、体調、疲労度などのユーザの生体情報またはメンタル情報が含まれてもよい。ユーザが、生体情報を測定する機能を持つウェアラブル端末を装着している場合、生体情報は随時更新される。生体情報から疲労度や幸福度などのメンタル情報を算出する機械学習モデルをサーバ2が持つ場合、ユーザのメンタル情報もいずれかの表示部GP11,GP31~GP35へ随時表示できる。以下、表示部GP11,GP31~GP35を表示部GP31等と略記する場合がある。
【0027】
表示部GP31等は、ユーザ状況情報を、数値またはテキストとして表示させることができる。あるいは、表示部GP31等の形状、模様、大きさ、表示色などを変化させることにより、ユーザ状況情報を表現することもできる。例えば、ユーザ状況情報の値をランク分けし、ランクごとに表現方法(大きさ、形状、模様、表示色など)を変えることにより、ユーザ状況情報を他のユーザへ伝えることができる。
【0028】
後述のように、ユーザ状況情報の一部は、例えば、チャイム音、ブザー音、合成音声メッセージなど音声情報として、仮想オフィス4内に提供される。
【0029】
ユーザは、クライアント端末3の画面に表示される仮想オフィス4を一見するだけで、オフィス内の各ユーザの状況を、各アバターGP1の周囲の表示部GP31等を通じて容易に把握することができる。
【0030】
クライアント端末3には、仮想オフィスアプリケーション31と、情報収集アプリケーション32を備える。仮想オフィスアプリケーション31は、クライアント端末3が仮想オフィスサーバにアクセスして仮想オフィスサービスを利用するためのコンピュータプログラムである。ユーザは、クライアント端末3のユーザインターフェース部33(図2で後述)を介して、仮想オフィス4内のアバターGP1を操作することができる。
【0031】
情報収集アプリケーション32は、クライアント端末3のユーザインターフェース部33を介して、クライアント端末3を使用するユーザについての情報(ユーザ状況情報)を自動的に収集し、収集した情報をサーバ2の情報収集部23へ送信する。情報収集アプリケーション32は、定期的にまたは不定期に、ユーザ状況情報を収集する。情報収集アプリケーション32は、サーバ2からの要求を受信したときに、ユーザインターフェース部33からユーザ状況情報を収集することもできる。
【0032】
情報収集アプリケーション32は、例えば、カメラまたはマイクロフォンで取得される情報、キーボードまたはポインティングデバイスから取得される情報、クライアント端末3のオペレーティングシステムまたは他のアプリケーションプログラムから取得される情報を、ユーザ状況情報としてサーバ2へ送ることができる。情報収集アプリケーション32は、それら取得された各ユーザ状況情報をそのままサーバ2へ送信してもよいし、または、取得された各ユーザ状況情報を解析した結果をサーバ2へ送信してもよい。
【0033】
このように構成される本実施形態の仮想空間管理システム1によれば、ユーザは、各アバターGP1の周囲に配置された各表示部GP31等を一瞥するだけで、各アバターGP1に対応する各ユーザのおよその状況を把握することができる。
【0034】
本実施形態では、各ユーザのオンライン状態、会議中、外出中などの状況を、アバターから独立したリストとして表示するのではなく、アバターGP1に対応付けてその周囲に表示させるため、仮想オフィス4の状況、特に自分のアバターの周囲にいる他のアバターの様子(そのアバターを使用する他のユーザの状況)を容易に把握できる。
【実施例0035】
図2図9を用いて第1実施例を説明する。図2は、仮想空間管理システム1の機能構成を示す。
【0036】
仮想空間管理システム1は、図1でも述べたように、仮想オフィス提供サーバ2と、複数のクライアント端末3とを備えており、サーバ2と各クライアント端末3とは通信ネットワークCNを介して双方向通信可能に接続されている。サーバ2は、通信ネットワークCNを介して他システム5とも接続されている。他システム5は、例えば、勤怠管理システム、ビル入退館管理システム、会議システム、業務管理システムなどである。
【0037】
サーバ2は、プロセッサ200およびメモリ201を備えたコンピュータであり、メモリ201に格納されたコンピュータプログラムを実行することにより、仮想オフィス提供サーバ2としての機能が実現される。
【0038】
サーバ2は、例えば、仮想オフィス制御部21と、ビデオ通話制御部22と、情報収集部23と、情報提供部24と、データベース(図中、DB)25および通信部26を備えている。仮想オフィス制御部21、ビデオ通話制御部22、情報収集部23および情報提供部24の詳細は後述する。
【0039】
データベース25には、例えば、仮想オフィスサービスを利用する各ユーザの認証情報を管理するテーブル、各ユーザの仮想オフィスの利用履歴を管理するテーブル、仮想オフィス4に配置される各種オブジェクトの位置および表示形態などを管理するテーブル、各クライアント端末3の情報収集アプリケーション32から取得したユーザ状況情報を管理するテーブル(いずれも不図示)などが含まれる。
【0040】
通信部26は、通信ネットワークCNを介して各クライアント端末3と双方向通信する機能である。
【0041】
記憶媒体MMは、例えば、フラッシュメモリまたはハードディスクドライブなどの比較的長時間データを保持可能な記憶媒体である。記憶媒体MMをサーバ2に接続することにより、記憶媒体MMとメモリ201の間でコンピュータプログラムの少なくとも一部を転送することができる。
【0042】
クライアント端末3は、ユーザにより使用されるコンピュータである。クライアント端末3は、例えば、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、デスクトップ型パーソナルコンピュータ、タブレット型パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(いわゆるスマートフォンを含む)、ウェアラブル端末などのように構成される。
【0043】
クライアント端末3は、例えば、仮想オフィスアプリケーション31と、情報収集アプリケーション32と、ユーザインターフェース(図中、UI)部33と、通信部34を備える。
【0044】
仮想オフィスアプリケーション31は、仮想オフィス4でアバターGP1を操作するためのコンピュータプログラムである。ユーザインターフェース部33は、ユーザとクライアント端末3とが情報入出力装置(不図示)を介して情報を入出力する機能である。情報入出力装置としては、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、マイクロフォン、カメラ、モニタディスプレイ、プリンタ、スピーカなどがある。通信部34は、通信ネットワークCNを介してサーバ2と双方向通信する機能を持つ。
【0045】
情報収集アプリケーション32は、ユーザインターフェース部33から取得される情報と、図示せぬオペレーティングシステムまたはクライアント端末3上で稼働する他のアプリケーションから取得される情報とをそのままで、あるいは加工して、サーバ2の情報収集部23へ送る。
【0046】
例えば、カメラで撮影した画像により、ユーザがクライアント端末3の前にいるか否かがわかる。例えば、マイクロフォンの信号から、ユーザが会話しているか否かや、ユーザを取り巻く騒音などがわかる。例えば、キーボード操作を取得することにより、ユーザがクライアント端末3へ何らかの情報を入力していることがわかる。例えば、マウスまたはタッチパネルなどの操作を取得することにより、ユーザがウェブブラウザなどの何らかのアプリケーションを操作していることがわかる。例えば、クライアント端末3がGPS(Global Positioning System)を有する場合、ユーザの現在位置、移動方向、移動速度、移動軌跡などがわかる。例えば、クライアント端末3がモーションセンサを備える場合、ユーザの動作を知ることができる。
【0047】
さらに、クライアント端末3で稼働する他のアプリケーション、例えば、ウェブブラウザのアクセス履歴を取得することにより、ユーザが訪れていたウェブページを知ることができる。例えば、クライアント端末3から操作する文書作成ソフトウェア、表計算ソフトウェア、設計支援ソフトウェアなどの情報を取得することにより、ユーザが使用していたソフトウェアが何であるかを知ることができる。
【0048】
さらに、勤怠管理システムからユーザの情報を取得することにより、ユーザが何時に出勤し、何時に退勤したのかを知ることができる。例えば、ビル入退館管理システムから情報を取得することにより、ユーザがどのビルへ何時に入り、何時に出たのかを知ることができる。
【0049】
図3は、仮想オフィス4の例を示す。仮想オフィス4は、仮想的な2次元空間または仮想的な三次元空間として構成される。仮想オフィス4は、いわゆる仮想的な2.5次元空間として構成されてもよい。
【0050】
上述の通り、仮想オフィス4には、各ユーザに対応するアバターGP1と、現実のオフィスに配置されるような什器備品GP21,GP22と、机上ネームプレートGP31と、会議室GP5と、集中室GP6などが設けられる。
【0051】
会議室GP5は、ユーザ同士がアバターを介して会議する領域である。会議室GP5に誰が入室しているかは、会議室GP5以外の領域から目視で確認できる。アバターGP1が会議室GP5に入室すると、自動的にビデオ通話の参加者となる。例えば、アバターGP1(U8)の居る会議室GP5へアバターGP1(U12)が入室すると、アバター同士のビデオ通話が開始される。アバター同士が接触する必要はない。会議室GP5は、会議のための領域であるから、入室時点でそのアバターがビデオ通話を希望していることは明らかなためである。
【0052】
集中室GP6は、作業や思考に専念したいユーザの使用する領域である。集中室GP6には、一人のアバターのみ入ることができる。他のアバターは、集中室GP6内のアバターに接触できないため、集中室GP6に入室しているアバターとビデオ通話をすることはできない。例えば、集中室GP6に入室しているアバターの机上ネームプレートGP31にメッセージを表示することにより、連絡することができる。
【0053】
アバターGP1は、全ユーザに共通のデザインを適用してもよいし、髪型やアクセサリーなどのパーツ毎に選択可能としてもよい。アバターGP1は、人間を模したデザインである必要はなく、動植物などでもよい。アバターには、通常のアバターGP1、ゴーストアバターGP12、多忙アバターGP1Nなどの複数種類が用意されてもよい。多忙アバターGP1Nは、多忙であり、他ユーザからのビデオ通話を受け付けないことを周囲に知らせるためのアバターである。したがって、多忙アバターGP1Nに他ユーザのアバターGP1が接触しても、ビデオ通話は開始されない。
【0054】
図4は、アバターの周囲に複数のユーザ状況情報が配置される様子を示す。上述の通り、アバターGP1の周囲には、複数の表示部GP11,GP31~GP35が配置可能である。以下、各表示部GP11,GP31~GP35が表示するユーザ状況情報の例を説明する。
【0055】
アバターの下側に位置する表示部GP11には、例えば、そのアバターが象徴している(そのアバターを操作している)ユーザの氏名が表示される。机上に置かれる表示部GP31には、ユーザのスケジュールなどが表示される。
【0056】
アバターの左上に位置する表示部GP32には、例えば、ユーザが会話している様子を示す画像などが表示される。アバターの右上に位置する表示部GP33には、例えば、ユーザが食事中であることを示す画像などが表示される。ユーザの属する部署単位で設けられる表示部GP23には、例えば、部署名などが表示される。
【0057】
アバターの右下に位置する表示部GP34は、音声(音楽、効果音、メッセージなど)により、他のアバターが入退室した状況などを表現する。したがって、表示部GP34は、通知部GP34または表現部GP34と呼び変えることもできる。他の表示部GP11,GP31~GP33などについても通知部または表現部と呼び変えてもよい。
【0058】
なお、音声は、各アバターに対応付けられて仮想オフィス4内でそれぞれ鳴動するのではなく、仮想空間4を視聴するユーザ(以下、操作ユーザ)に対して作用する。
【0059】
アバターの左に示す表示部GP35には、例えば、ユーザが外出していることを示すテキストまたは画像などが表示される。
【0060】
アバターのアイコンの内部もユーザ状況情報を表示する表示部GP36として利用することができる。アバター内表示部GP36には、例えば、仮想オフィス4にログインしている経過時間などを表示できる。
【0061】
以上述べたユーザ状況情報の例とその表示位置(表現位置)との関係は、一例に過ぎず、本実施例は図4の例に限定されない。表示部に画像を使用する場合、イラストのような静止画像、アニメーションのような動画像のいずれでもよい。
【0062】
図5は、ユーザ状況情報の例を示す説明図である。図5には、ユーザ状況情報の表示種別と、その情報の取得方法と、ユーザ状況情報の表現方法と、その制御についての例が示されている。
【0063】
ユーザ状況情報の表示種別には、例えば、「1.業務状態」、「2.ユーザ状態(クライアント端末前のユーザの状態)」、「3.オンライン状態」、「4.フロア状態」、「5.カレンダー状態」、「6.コミュニケーション状態」がある。
【0064】
「業務状態」に関する情報は、例えば、電話アプリケーションの稼働状態、オンライン会議アプリケーションの稼働状態、電子メールアプリケーションの稼働状態、ソフトウェア開発用アプリケーションの稼働状態、事務処理系アプリケーションの稼働状態、クライアント端末3の画面のオンオフ状態、クライアント端末3の電源のオンオフ状態、チャットアプリケーションなどへの投稿内容、クライアント端末3の位置測定機能などから取得される。業務状態の内容に応じて、例えば、電話中マーク、会議中マーク、メール中マーク、開発中マーク、資料作成中マーク、クライアント端末スリープ中マーク、不明マーク(クライアント端末の電源オフ時)、移動中マークなどがアバター周囲のいずれかの表示部に表示される。
【0065】
「ユーザ状態」に関する情報は、例えば、キーボードへの入力状態、マイクロフォンへの入力音、カメラで撮影されるユーザ画像の有無、カメラで撮影されるユーザ動作や表情、ユーザの位置情報などから取得される。ユーザ状態の内容に応じて、例えば、汗をかいているアニメーション、吹き出しアニメーション、離席マーク、うなずきマーク、現在位置マーク(「本社」「工場」「在宅」など)がアバター周囲のいずれかの表示部に表示される。
【0066】
「オンライン状態」に関する情報は、例えば、あらかじめ用意された状態表示ボタン(離席中ボタン、食事中ボタンなど)の操作、勤怠管理システムなどの他システム5から取得される。オンライン状態の内容に応じて、例えば、離席マーク、食事中マーク、長時間勤務マーク、残業警告マーク、オフライン継続時間マークなどがアバター周囲のいずれかの表示部に表示される。
【0067】
「フロア状態」に関する情報は、仮想オフィス4に入退室するアバターの有無、操作ユーザのアバターから所定範囲内に入った他のアバターの有無などから取得される。仮想オフィス4に座席GP22が用意されていない他のアバターが入室した場合、操作ユーザのクライアント端末3からピンポンと鳴動させる。仮想オフィス4に座席GP22がある他アバターが入室した場合、ドアの開閉する効果音が操作ユーザのクライアント端末3から発せられる。操作ユーザのアバターの所定範囲内に他のアバターが入った場合、足音の効果音が操作ユーザのクライアント端末3から発せられる。
【0068】
「カレンダー状態」に関する情報は、例えば、スケジュール管理ソフトウェアなどから取得される。
【0069】
「コミュニケーション状態」に関する情報は、例えば、ビデオ通話の利用状態、チャットアプリケーションの使用状態などから取得される。
【0070】
なお、「制御」では、例えば、ユーザが会議中または電話中の場合に、ビデオ通話の開始を禁止することができる。または、ユーザが食事中や移動中のとき、他ユーザから会話の申込みがあった場合は、その旨を知らせるメッセージをクライアント端末3へ送信して表示させる。
【0071】
図6は、サーバ2の情報収集部23が各クライアント端末3の情報収集アプリケーション32から情報を収集する処理を示すフローチャートである。
【0072】
情報収集アプリケーション32は、ユーザインターフェース部33から情報入出力部(キーボード、カメラ、マイクロフォンなど)の状態を取得し(S11)、クライアント端末3で稼働する他のアプリケーション(ウェブブラウザ、事務処理系アプリケーション、ソフトウェア開発用アプリケーションなど)の状態を取得する(S12)。さらに情報収集アプリケーション32は、クライアント端末3のオペレーティングシステムの状態を取得し(S13)、クライアント端末3の位置情報を取得する(S14)。情報収集アプリケーション32は、これら取得した情報をユーザ状況情報としてサーバ2の情報収集部23へ送信する(S15)。
【0073】
情報収集部23は、各クライアント端末3から情報を受信すると(S21)、受信情報をデータベース25へ記憶して(S22)、解析する(S23)。ここで解析とは、情報収集アプリケーション32からの情報を処理することにより、ユーザの状況を特定する処理である。例えば、キーボードへ文字を入力する頻度の大小から、ユーザの忙しさを判定する処理である。情報収集部23は、ステップS23での解析結果をデータベース25へ記憶させる(S24)。
【0074】
情報収集部23は、ステップS21において、他システム5から情報を取得することもできる。例えば、情報収集部23は、クライアント端末3を操作するユーザの識別番号を明示して、そのユーザの勤怠状況を勤怠管理システムに問い合わせ、その回答を取得することができる。
【0075】
図7のフローチャートは、サーバ2の情報収集部23が各クライアント端末3の情報収集アプリケーション32から情報を収集する処理の変形例を示す。本変形例では、情報収集アプリケーション32は、ユーザインターフェース部33などから収集した情報をサーバ2へ送信する前に、一次解析する(S16)。情報収集アプリケーション32は、一次解析の結果を情報収集部23へ送信する(S15)。
【0076】
ここで、一次解析とは、例えば、単位時間あたりのキー入力数を算出したり、単位時間あたりのユーザ画像の変化(ユーザ画像に設定された特徴点の移動軌跡など)を計算したりすることである。
【0077】
サーバ2の情報収集部23は、各クライアント端末3から情報(一次解析結果)を受信すると(S21)、受信情報をデータベース25へ記憶させ(S22)、二次解析を行う(S23)。二次解析とは、単位時間あたりのキー入力数からユーザの忙しさの度合いを判定したり、ユーザ画像の移動軌跡からユーザの動作を推測したりすることである。図7に示すように、情報収集アプリケーション32と情報収集部23とでユーザ状況情報の解析を分担することにより、サーバ2の負荷を軽減することができる。
【0078】
図8は、仮想空間管理システム1の全体処理のフローチャートである。仮想オフィス制御部21は、クライアント端末3からアクセスされて、ユーザからのログイン情報(ユーザ認証に使用する情報)を取得すると、仮想オフィスサービスへのログイン処理を実行する(S31)。仮想オフィス制御部21は、仮想オフィス4内にアバターや机などのオブジェクトを配置する(S32)。
【0079】
情報提供部24は、ログインしたユーザに設定されている関心情報フィルタT1(図9で後述)を参照し(S33)、そのユーザが他ユーザについて関心を持つと設定された情報(ユーザ状況情報)を、他アバターの周囲に表示させる(S34)。アバターの周囲にそのアバターを操作するユーザの状況を表示する例は、図4および図5で述べた。
【0080】
なお、図9で後述するように、仮想オフィス4のアバター密度に応じて、使用する関心情報フィルタを選択してもよい。
【0081】
仮想オフィス制御部21は、クライアント端末3からの操作を受け付けると(S35)、アバターの位置変更や表情変更など、クライアント端末3からの操作に応じて仮想オフィス4の表示を制御する(S36)。
【0082】
ビデオ通話制御部22は、ビデオ通話が禁止されていないアバター同士が接触すると、ビデオ通話処理を開始する(S37)。ビデオ通話処理の例は、後述する。仮想オフィス制御部21は、仮想オフィスサービスの停止が指示されるまで(S38)、本処理を実行する。
【0083】
図9は、「所定のポリシ」としての関心情報フィルタT1の例を示す。関心情報フィルタT1は、ユーザごとに用意されている。関心情報フィルタT1は、対応するユーザに提供する他ユーザの状況を規定する。
【0084】
図9の上側に示す関心情報フィルタT1は、例えば、管理番号C11と、フィルタ名C12と、表示内容C13を含む。フィルタ名C12は、関心情報フィルタの内容を端的に表現する。表示内容C13は、その関心情報フィルタにより抽出されるユーザ状況情報の内容である。
【0085】
同一フロア内の他アバターについて表示されるユーザ状況情報、同一グループ内の他アバターについて表示されるユーザ状況情報、同一サブグループ内の他アバターについて表示されるユーザ状況情報、操作ユーザの指定したユーザのアバターについて表示されるユーザ状況情報は、それぞれ異なってもよい。
【0086】
ここで「グループ」とは複数のユーザが所属する集団であり、部署と言い換えることもできる。「サブグループ」とは、グループに属する小集団であり、チームと言い換えることもできる。
【0087】
同一フロア内の他アバターについては、例えば、「1.業務状態」と「5.カレンダー状態」を表示させる。同一グループ内の他アバターについては、例えば、「1.業務状態」、「3.オンライン状態」、「4.フロア状態」、「6.コミュニケーション状態」を表示させる。同一サブグループ内の他アバターについては、例えば、「1.業務状態」、「2.ユーザ状態(クライアント端末前のユーザの状態)」、「3.オンライン状態」、「4.フロア状態」、「5.カレンダー状態」、「6.コミュニケーション状態」を表示させる。ユーザの指定した他ユーザのアバターについては、例えば、「1.業務状態」、「5.カレンダー状態」、「6.コミュニケーション状態」を表示させる。
【0088】
ある他アバター(他ユーザ)が関心情報フィルタT1の複数のフィルタに該当する場合、下位概念に相当するフィルタを適用すればよい。例えば、同一フロア内の他アバターがあるグループに属している場合、管理番号「2」の「同一グループ内」フィルタが適用される。サブグループに属する所定のユーザのアバターがユーザにより指定されている場合、その指定されたユーザのアバターには、管理番号「4」の「指定ユーザ」フィルタが適用される。
【0089】
以上の例に限らず、表示内容の少ないフィルタを優先的に適用してもよいし、逆に表示内容の多いフィルタを優先的に適用してもよい。
【0090】
図9の下側に示す関心情報フィルタT1Aは、仮想オフィス4のアバター密度に応じて、各フィルタに表示させる内容を制御する。アバター密度が大きくなるほど、各アバターの周囲に配置されるユーザ状況情報を少なくすることにより、ユーザは他のユーザの状況を容易に把握することができる。
【0091】
このように構成される本実施例によれば、他ユーザの状況を示す情報を他ユーザに対応するアバターGP1の周囲に表示させるため、仮想オフィス4の状況、特に自分のアバターの周囲にいる他のアバターの様子を容易に把握できる。これにより、コミュニケーションを促進することができる。
【実施例0092】
図10を用いて第2実施例を説明する。本実施例を含む以下の各実施例では、第1実施例との相違を中心に述べる。本実施例では、アバターの周囲に表示されるユーザ状況情報のうち更新されたユーザ状況情報を強調して表示させる。
【0093】
図10のフローチャートは、本実施例による仮想空間管理システムの全体処理を示す。本処理と図8で述べた処理とを比較すると、本処理では、ステップS34とステップS35の間に新規ステップS41およびS42が追加されている。
【0094】
情報提供部24は、他アバターに対応する他ユーザの状況が更新されたか判定し(S41)、ユーザ状況情報が更新された場合(S41:YES)、その更新された情報を強調して表示させる(S42)。
【0095】
このように構成される本実施例も第1実施例と同様の作用効果を奏する。さらに本実施例では、関心情報フィルタT1により抽出されたユーザ状況情報のうち更新されたユーザ状況情報を強調して表示させるため、そのユーザの最新の状況を速やかに把握することができ、より一層使い勝手が向上する。
【実施例0096】
図11および図12を用いて第3実施例を説明する。本実施例では、ユーザ状況情報を解析し、その解析結果をユーザ状況情報の一つとして仮想オフィス4に表示する。
【0097】
本実施例では、ユーザ状況情報を解析することにより、「ユーザ状況情報の解析結果」としての知的活動量を算出する。知的活動量とは、ユーザの知的活動の量を示す値であり、ユーザ状況情報の内容から測定される。
【0098】
図11は、知的活動量を測定する処理を示すフローチャートである。情報提供部24は、図6または図7のステップS24でデータベース25に記憶された解析結果を取得し(S51)、知的活動量管理テーブルT2を参照する(S52)。
【0099】
情報提供部24は、ユーザの知的活動量の得点を算出し(S53)、さらにユーザの属するグループおよびサブグループの合計得点を算出する(S54)。そして、情報提供部24は、ユーザの知的活動量の得点と、そのユーザの属するグループおよびサブグループの知的活動量の合計得点とを仮想オフィス4に表示させる(S55)。ユーザの知的活動量の得点は、そのユーザに対応するアバターの周囲に表示される。ユーザの属するグループおよびサブグループの知的活動量の合計得点は、それらグループまたはサブグループの位置に応じて表示される。
【0100】
知的活動量管理テーブルT2は、例えば、管理番号C21と、項目名C22と、得点C23を備えている。知的活動量管理テーブルT2では、例えば、「キーボード入力一文字あたり1点」、「アプリケーションの起動時間一分間あたり1点」、「ビデオ通話一分間あたり1点」、「業務関連キーワード1つにつき5点」、「NGワード一つにつきマイナス1点」のように、ボーナスまたはペナルティが定義されている。
【0101】
業務関連キーワードとは、ユーザの属するグループまたはサブグループに対応付けられているキーワードである。例えば、ユーザが営業部に属する場合、「新規顧客開拓」「既存顧客深耕」「販促」といったキーワードが業務関連キーワードとしてあらかじめ登録されている。情報提供部24は、クライアント端末3から収集される音声情報またはチャットのテキストを解析することにより、業務関連キーワードを検出することができる。
【0102】
NGワードとは、使用するのが好ましくないキーワードとしてあらかじめ登録されたものである。例えば、「営業秘密盗用」などである。
【0103】
図12は、知的活動量の得点が表示された仮想オフィス4の様子を示す。各ユーザの個人得点は、対応するアバターの周囲に表示される。ユーザの属するグループおよびサブグループの合計得点は、例えば部署名プレートGP23の近くに表示される。
【0104】
このように構成される本実施例も第1実施例と同様の作用効果を奏する。さらに、本実施例では、各ユーザおよびグループでの知的活動量を可視化して仮想オフィス4内に表示させるため、知的活動が活発か否かを容易に把握することができる。
【実施例0105】
図13図16を用いて第4実施例を説明する。本実施例では、仮想オフィス4内で、ユーザ同士が互いのアバターを介してビデオ通話する場合を説明する。
【0106】
図13は、ユーザU1がユーザU16とビデオ通話する様子を示す。ユーザU1が、話したい相手のアバターGP1(U16)を画面上で選択すると、アバターGP1(U1)からアバターGP1(U16)までの経路RTが算出され、アバターGP1(U1)はその経路RT上を所定速度(現実のオフィスでの歩行に対応する速度)で移動する。
【0107】
そして、アバターGP1(U1)が目的位置であるアバターGP1(U16)の場所へ到達すると、アバターGP1(U1)は、その外縁がアバターGP1(U16)の外縁に接する位置で停止する。アバター同士は実質的に重ならない。重なってしまうとビデオ通話でビデオVDが表示される面積が小さくなるためである。ビデオVDの表示領域に影響を与えない範囲で、アバター同士が重なってもよい。アバター同士が接触すると、ビデオ通話の準備を開始していることを示すエフェクトGP13が各アバターGP1(U1),GP1(U16)に表示される。
【0108】
図14は、ビデオ通話中のアバターを抜き出して示す。ビデオ通話する各アバターGP1(U1),GP1(U16)は、そのサイズが所定量(所定割合)だけ拡大する。アバターの全体が大きくなってもよいし、アバターの一部(例えば上半身または頭部に相当する部分)だけが大きくなってもよい。
【0109】
拡大されたアバターの中に、ユーザの使用するクライアント端末3で撮影されたビデオVDが表示される。ビデオVDは、クライアント端末3のカメラで撮影したライブ映像に限らず、ユーザの選択したアニメーションまたは静止画像でもよい。
【0110】
アバター同士が接触した位置において、アバター内でビデオVDが表示されるため、アバターを操作するユーザは、ビデオ通話するアバター以外の仮想オフィス4の様子を容易に確認することができる。
【0111】
図15に示すフローチャートは、図8のフローチャートで示したビデオ通話処理(S37)の詳細である。
【0112】
仮想オフィス制御部21は、ユーザがアバターの移動を指示したか監視しており(S61)、アバターの移動操作が指示された場合(S61:YES)、移動元(現在位置)と移動先(目標位置)との間を結ぶ経路RTを算出する(S62)。経路RTは、他ユーザのアバターおよび机などのオブジェクトに接触しないように算出される。
【0113】
仮想オフィス制御部21は、移動対象のアバターを経路RTに沿って移動先まで所定速度で移動させる(S63)。仮想オフィス制御部21は、移動対象のアバターが他のアバターと接触したか判定する(S64)。移動対象のアバターが他のアバターと接触すると(S64:YES)、仮想オフィス制御部21は、アバターの移動を停止させ(S65)、ビデオ通話制御部22に対してビデオ通話の開始を指示する(S66)。
【0114】
移動対象のアバターが経路RTを移動中に、話し相手として選択していない他のアバターと接触した場合(S64:YES)、その予定外のアバターを操作するユーザがビデオ会議への参加が可能な状況であるならば、ビデオ通話がアバター内で開始されてもよい(S66)。
【0115】
移動対象のアバターが経路RTを移動中に、既にビデオ通話中のアバターのいずれか一方と接触した場合(S64:YES)、移動対象のアバターを操作するユーザは、既に始まっているビデオ通話に参加することもできる(S66)。
【0116】
仮想オフィス制御部21は、ビデオ通話が終了すると(S67:YES)、図8のステップS38へ戻る。ビデオ通話は、例えば、アバター同士が離れて接触しなくなると終了する。ビデオ通話中は、ステップS66へ戻る。
【0117】
図16は、図15中の通話制御処理の詳細を示すフローチャートである。ビデオ通話制御部22は、アバター同士が接触してビデオ通話の開始が指示されると、ビデオおよび音声の共有などのビデオ通話の準備を開始する(S71)。
【0118】
ビデオ通話制御部22は、ビデオ通話の準備を開始すると、仮想オフィス制御部21に準備中エフェクトGP13の表示を要求する(S72)。ビデオ通話制御部22は、ビデオ通話の準備が完了すると(S73:YES)、準備中エフェクトGP13の表示の停止とアバターGP1のサイズ拡大を、仮想オフィス制御部21に要求する(S74)。
【0119】
仮想オフィス制御部21は、ビデオ通話を行うアバターの仮想オフィス4内での位置を調整するか判定する(S75)。アバターの位置を調整する場合(S75:YES)、仮想オフィス制御部21は、ビデオ通話を行うアバター同士を所定のビデオ通話領域に移動させる(S76)。
【0120】
所定のビデオ通話領域とは、ビデオ通話をするアバターの置かれる領域である。所定のビデオ通話領域は、例えば、仮想オフィス4の中央部でもよいし、四隅でもよい。仮想オフィス4内でビデオ通話するユーザ数に応じて、所定のビデオ通話領域にアバターを移動させるか否かを決定してもよい。例えば、ビデオ通話するユーザが多い場合、アバターの接触位置でそのままビデオ通話させ、ビデオ通話するユーザが少ない場合、仮想オフィス4の中央部や四隅にアバターを移動させることができる。
【0121】
アバターの位置を調整せずに現在位置のままでビデオ通話させる場合(S75:NO)、ステップS76をスキップしてステップS77へ進む。
【0122】
ビデオ通話制御部22は、アバター内にクライアント端末3のカメラで撮影したビデオVDを表示させると共に(S77)、音声通話を開始させる(S78)。
【0123】
仮想オフィス制御部21は、アバター同士の接触が解消したか否か、すなわちビデオ通話中のアバター同士が離れたか判定する(S79)。アバター同士が接触し続けている間(S79:NO)、ビデオ通話は維持される(S77,S78)。アバター同士が離れると(S79:YES)、ビデオ通話は終了する(S80)。
【0124】
仮想オフィス制御部21は、ビデオ通話の終了を知ると、アバターの位置およびサイズを、ステップS74およびステップS76の実施前の状態へ戻す(S81)。
【0125】
なお、アバター同士の接触が解消した場合であっても、ただちにビデオ通話を終了させるのではなく、所定の短時間だけビデオ通話を継続させることもできる。例えば、ユーザが誤操作によりアバターを動かしてしまったような場合に備えるためである。
【0126】
このように構成される本実施例も第1実施例と同様の作用効果を奏する。さらに、本実施例では、ユーザは、自分の操作するアバターを話したい相手のアバターに接触させるだけでビデオ通話を開始することができ、ビデオ通話を開始させるためのボタン操作や音声指示などは不要である。
【0127】
したがって、本実施例では、仮想空間管理システム1のユーザは、各アバターの周囲に表示されたユーザ状況情報を通じて他ユーザの状況を把握しつつ、直感的操作で手軽にビデオ通話を利用することができ、現実のオフィスでの会話と同様のコミュニケーションを簡単に取ることができる。
【0128】
本実施例では、アバターの内部にユーザの顔画像を含むビデオVDを表示させるため、顔画像を通じて話し相手の様子を知ることができる上に、アバター以外の画面を顔画像で隠さないため、ビデオ通話の当事者は、仮想オフィス4内の状況を確認しながらビデオ通話を行うことができ、利便性が向上する。すなわち、本実施例によれば、仮想オフィス4の状況の俯瞰的観察と、話し相手の状況確認とを一つの画面内で両立させることができるため、利便性が向上する。
【0129】
本実施例では、ユーザは、話したい相手のアバターを選択するだけで、そのユーザのアバターから話し相手のアバターまでの経路が算出され、ユーザのアバターは経路上を通常の歩行速度で移動する。したがって、仮想オフィス4であるがゆえの操作の利便性を享受しつつ、現実のオフィスを模した仮想オフィス4を得ることができる。
【0130】
本実施例では、ユーザは、ビデオ通話中のアバターのいずれかに自分のアバターを接触させるだけで、そのビデオ通話に加わることができる。これにより、雑談をさらに促進することができる。
【0131】
本実施例では、ユーザは、ビデオ通話を行おうとして移動中のアバターに自分のアバターを接触させるだけで、予定外のビデオ通話を開催することもできる。これにより、現実のオフィスでよく見られるように、近くを通りがかったユーザを呼び止めて会話するといった使い方もでき、利便性が向上する。
【0132】
なお、ユーザがビデオ通話を希望するアバターに向けて、自身のアバターを手動操作で移動させた場合に、アバター移動中に他のアバターと接触しても自動的にビデオ通話を開始せず、アバターの手動操作による移動が停止してからビデオ通話を開始させる構成としてもよい。これにより、アバターの移動中に他のアバターに接触した場合でも、ビデオ通話は開始されないため、希望するユーザ以外のユーザとのビデオ通話が偶発的に行われるのを抑制できる。
【実施例0133】
図17を用いて第5実施例を説明する。本実施例では、ビデオ通話中のキーワードを仮想オフィス4内の他のユーザから見えるように表示させる。
【0134】
図17は、本実施例の通話制御処理を示すフローチャートである。この通話制御処理は、図16で述べた処理と比べると、ステップS78とステップS79の間に新規なステップS90が追加されている。
【0135】
新規ステップS90では、仮想オフィス制御部21は、ビデオ通話制御部22から渡されたキーワードを仮想オフィス4内に表示させる。ビデオ通話制御部22は、音声通話チャネルを流れる音声を認識してテキストデータに変換し、変換されたテキストデータを解析することにより、キーワードを抽出する。ビデオ通話制御部22は、抽出されたキーワードの一部または全部を仮想オフィス制御部21へ送る。仮想オフィス制御部21は、ビデオ通話制御部22から入力されたキーワードの一部または全部を、アバターの近傍に吹き出しのような形態で表示させる。仮想オフィス4内の他のユーザは、ビデオ通話中のアバターに対応付けられる吹き出し内のキーワードを見ることができる。
【0136】
なお、秘話モードを用意し、ビデオ通話するユーザのいずれか一方または双方が秘話モードを指定した場合は、抽出されたキーワードを仮想オフィス4に表示させないこともできる。秘話モードは、例えば、「プライバシーボタン」をビデオ通話するユーザのいずれか一方が操作したときに設定することができる。あるいは、ユーザ間に優先度を設定し、優先度の高いユーザがプライバシーボタンを操作したときに、キーワードの表示を抑制してもよい。なお、プライバシーボタンが操作されて秘話モードに移行した場合、第三のユーザがビデオ通話に加入するのを拒否することもできる。
【0137】
ビデオ通話中のアバターに吹き出しのような形態でキーワードを表示させる場合に、ビデオ通話の発言の傾向を示す情報も一緒に表示させることもできる。例えば、音声通話チャネルから検出されたテキストを自然言語処理して、ネガティブな発言であるかポジティブな発言であるか分類し、その分類結果をキーワードと共に、あるいはキーワードに代えて表示させることができる。例えば、「新ルート開拓(ポジティブ)」「機能追加(ポジティブ)」「短納期(ネガティブ)のような吹き出しを表示させることができる。
【0138】
キーワードの一部を発言傾向を示す情報に置き換えてもよいし、キーワードの全てを発言傾向を示す情報に置き換えてもよい。後者の場合、ビデオ通話中のユーザ以外の他のユーザからは「ポジティブ」「ネガティブ」「ポジティブ」「ポジティブ」のように、発言傾向を示す情報(テキストまたはシンボル、マーク、色彩など)だけが見える。上述の秘話モードが選択された場合は、キーワードの表示に代えて発言傾向を示す情報を表示させてもよい。
【0139】
このように構成される本実施例も第1実施例と同様の作用効果を奏する。さらに本実施例では、ビデオ通話中のキーワードの少なくとも一部を仮想オフィス内に表示させることができるため、周囲のユーザに雑談内容などを推測させることができる。これにより、興味を刺激された他のユーザは、自分のアバターを雑談中のアバターに接触させて、その雑談に気軽に加わることができる。
【0140】
キーワードは、ユーザ属性に応じて抽出してもよいし、ユーザ属性を問わずにランダムに抽出してもよい。例えば、ユーザの所属する部署に対応付けられた辞書データベースに登録されたキーワードが、ビデオ通話の音声チャネルから検出された場合に、そのキーワードを仮想オフィス4に表示させることができる。
【実施例0141】
図18を用いて第6実施例を説明する。本実施例では、ユーザが自身のアバターの移動を操作している間において、ユーザのアバターが他のユーザのアバターに接触した場合は、ビデオ通話を開始しない。
【0142】
図18は、本実施例の仮想空間ビデオ通話システム1の全体処理を示すフローチャートである。本処理では、ユーザがドラッグ操作などの手動操作により、アバターの移動を操作するため、移動経路RTは設定されない。
【0143】
上述のステップS31~S36が実行された後、仮想オフィス制御部21は、アバターがユーザにより移動操作されているか判定する(S101)。仮想オフィス制御部21は、ユーザによってアバターが移動操作された場合(S101:YES)、ユーザの手動による移動操作が続いている間は(S102:YES)は何もせず、ユーザの手動によるアバターの移動操作が終了するまで待機する。そして、仮想オフィス制御部21は、ユーザの手動によるアバターの移動操作が終了すると(S102:NO)、他のアバターと接触したか判定し(S103)、他のアバターと接触した場合(S103:YES)、ビデオ通話のための通話制御処理を開始させる(S104)。ステップS104では、図16または図17で述べたいずれかの通話制御処理を実行する。
【0144】
このように構成される本実施例も第1実施例と同様の作用効果を奏する。さらに、本実施例では、ユーザが、ビデオ通話を希望するアバターに向けて、自身のアバターを手動操作で移動させる場合に、その移動途中で他のアバターに接触してしまっても、ビデオ通話は開始されない。このため、本実施例では、ユーザがビデオ通話を希望するユーザ以外のユーザとのビデオ通話が偶発的に行われるのを抑制でき、ユーザにとっての使い勝手が向上する。
【0145】
なお、ユーザによるアバターの操作は、ドラッグなどの手動操作に限らない。例えば、ユーザの視線を検出し、検出されたユーザの視線によりアバターの移動などを操作してもよい。あるいは、ユーザの手足の動作などの身体動作をカメラで検出し、ユーザの身体動作に応じてアバターを移動させることもできる。
【0146】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されない。当業者であれば、本発明の範囲内で、種々の追加や変更等を行うことができる。上述の各実施例は適宜結合させて実施することができる。
【符号の説明】
【0147】
1,1A:仮想空間管理システム、2:仮想オフィス提供サーバ、3:クライアント端末、4:仮想オフィス、21:仮想オフィス制御部、22:ビデオ通話制御部、23:情報収集部、24:情報提供部、31:仮想オフィスアプリケーション、32:情報収集アプリケーション、GP1:アバター
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18