(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181261
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】エレベータ
(51)【国際特許分類】
B66B 1/46 20060101AFI20221201BHJP
【FI】
B66B1/46 A
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021088098
(22)【出願日】2021-05-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100207826
【弁理士】
【氏名又は名称】尾畑 誠治
(72)【発明者】
【氏名】大野 佑輔
【テーマコード(参考)】
3F502
【Fターム(参考)】
3F502MA01
3F502MA04
3F502MA31
(57)【要約】
【課題】 乗りかごの扉の戸開閉を非接触で操作可能であって、誤操作を抑制することができるエレベータを提供する。
【解決手段】 エレベータは、乗りかごの扉の戸開閉を非接触で操作可能な操作盤を備えるエレベータであって、扉の戸開操作を非接触で検出する戸開センサと、扉の戸閉操作を非接触で検出する戸閉センサと、戸開センサと戸閉センサの操作に基づいて、戸開閉に関するモードを実行する制御部と、を備え、戸開センサと戸閉センサのうちの一方のセンサが、他方のセンサよりも、操作盤から離れた位置の操作を検出可能であることを特徴とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗りかごの扉の戸開閉を非接触で操作可能な操作盤を備えるエレベータであって、
前記扉の戸開操作を非接触で検出する戸開センサと、
前記扉の戸閉操作を非接触で検出する戸閉センサと、
前記戸開センサと前記戸閉センサの操作に基づいて、戸開閉に関するモードを実行する制御部と、を備え、
前記戸開センサと前記戸閉センサのうちの一方のセンサが、他方のセンサよりも、前記操作盤から離れた位置の操作を検出可能である
ことを特徴とする、エレベータ。
【請求項2】
前記乗りかごは、袖壁と、側壁と、前記袖壁と前記側壁が接合する接合部を有し、
前記操作盤は、前記袖壁に設けられ、
前記戸開センサと前記戸閉センサは水平方向に隣接し、
前記一方のセンサは、前記他方のセンサよりも前記接合部に近く配置される
ことを特徴とする、請求項1に記載のエレベータ。
【請求項3】
前記制御部は、前記他方のセンサの操作を検出した場合には、前記一方のセンサの操作の検出の有無にかかわらず、前記他方のセンサの操作に対応した戸開閉に関するモードを実行する
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のエレベータ。
【請求項4】
前記他方のセンサは、所定時間以上遮蔽された場合に操作を検出する
ことを特徴とする、請求項1乃至3に記載のエレベータ。
【請求項5】
前記一方のセンサは、前記戸開センサであり、前記他方のセンサは、前記戸閉センサである
ことを特徴とする、請求項1乃至4に記載のエレベータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータに関し、特に、非接触式操作盤を備えたエレベータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、非接触式操作盤を備えたエレベータは、利用者が手でセンサを遮光することにより、乗りかごの扉の戸開閉操作をする(例えば、特許文献1)。ところで、特許文献1のようなエレベータは、例えば、開閉操作部の内の一方を操作しようとして、利用者が手をかざした場合、誤って他方のセンサを操作してしまい、利用者が予期しない扉の戸開閉動作が発生する可能性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、課題は、乗りかごの扉の戸開閉を非接触で操作可能であって、誤操作を抑制することができるエレベータを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
エレベータは、乗りかごの扉の戸開閉を非接触で操作可能な操作盤を備えるエレベータであって、前記扉の戸開操作を非接触で検出する戸開センサと、前記扉の戸閉操作を非接触で検出する戸閉センサと、前記戸開センサと前記戸閉センサの操作に基づいて、戸開閉に関するモードを実行する制御部と、を備え、前記戸開センサと前記戸閉センサのうちの一方のセンサが、他方のセンサよりも、前記操作盤から離れた位置の操作を検出可能であることを特徴とする。
【0006】
また、エレベータは、前記乗りかごは、袖壁と、側壁と、前記袖壁と前記側壁が接合する接合部を有し、前記操作盤は、前記袖壁に設けられ、前記戸開センサと前記戸閉センサは水平方向に隣接し、前記一方のセンサは、前記他方のセンサよりも前記接合部に近く配置される、という構成でもよい。
【0007】
また、エレベータは、前記制御部は、前記他方のセンサの操作を検出した場合には、前記一方のセンサの操作の検出の有無にかかわらず、前記他方のセンサの操作に対応した戸開閉に関するモードを実行する、という構成でもよい。
【0008】
また、エレベータは、前記他方のセンサは、所定時間以上遮蔽された場合に操作を検出する、という構成でもよい。
【0009】
また、前記一方のセンサは、前記戸開センサであり、前記他方のセンサは、前記戸閉センサである、という構成でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態であるエレベータの乗りかご内の構成を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態であるエレベータに適用される操作盤の構成を示す図である。
【
図3】
図3は、
図2に示す戸開センサ及び戸閉センサと、両センサの検出領域の位置関係を示す模式図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態であるエレベータに適用される制御ブロック図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態であるエレベータの制御を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態であるエレベータ10について、図面を参照しながら説明する。なお、各図において、図中に示す「X」は扉22Aに垂直な水平方向Xを示し、「Y」は上下方向Yを示し、「Z」は水平方向X,および上下方向Yに各々直交する水平方向Zを示すものとする。
【0012】
1.構成
図1は、本発明の一実施形態であるエレベータの乗りかご内の構成を示す斜視図である。
【0013】
図1に示すように、エレベータ10の乗りかご22は、乗降口27と、乗降口27に隣接する袖壁22-1,22-2と、側壁24を備える。また、乗降口27には、扉22Aが設置される。さらに、袖壁22-1の2点鎖線で示す位置に操作盤28が、袖壁22-2の2点鎖線で示す位置に操作盤29がそれぞれ設けられている。さらにまた、袖壁22-1と側壁24は、
図1に示すように接合部26を介して接合している。
【0014】
エレベータ10の利用者は、操作盤28,29を操作することにより、乗りかご22の行先階を登録する。また、エレベータ10の利用者は、操作盤28,29を操作することにより、扉22Aの戸開閉に関する操作を入力する。
【0015】
図2は、本発明の一実施形態であるエレベータに適用される操作盤の構成を示す図である。
【0016】
なお、操作盤28と操作盤29は同様の構成であることから、以下では、操作盤28の構成について説明し、操作盤29の構成については省略する。
【0017】
図2に示すように、操作盤28は、扉22Aの戸開閉操作を行う戸開閉操作部40が設けられている。
【0018】
ここで、戸開閉操作部40はさらに、扉22Aの戸開操作を行う戸開操作部41と、扉22Aの戸閉操作を行う戸閉操作部42とが、水平方向Zに隣接している。
【0019】
また、戸開操作部41はさらに、戸開操作を接触式で行う戸開釦41Aと、戸開操作を非接触により行う戸開センサ41Bと、戸開操作の受付状態を報知する戸開報知部41Cが設けられている。
【0020】
戸閉操作部42も同様に、戸閉操作を接触式で行う戸閉釦42Aと、戸閉操作を非接触により行う戸閉センサ42Bと、戸閉操作の受付状態を報知する戸閉報知部42Cが設けられている。
【0021】
ここで、戸開センサ41Bと戸閉センサ42Bは水平方向Zに隣接している。このような構成によれば、利用者が誤って一方を操作した場合であっても、直ちに意図した他方の操作に変更することができる。
【0022】
戸開操作部41と戸閉操作部42は同様の構成であることから、以下では、戸開操作部41の構成について説明し、戸閉操作部42の構成については省略する。
【0023】
戸開釦41Aは、従来公知の押釦であるが、このような構成に限られず、他の接触操作を検出する装置、例えば静電容量式のタッチセンサにより構成される釦であってもよい。
【0024】
また、戸開センサ41Bは、矩形状の孔が設けられ、各孔の奥側には、投光器と受光器が一体になった反射型光電センサがそれぞれ格納される。反射型光電センサは、投光器から光を照射し、受光器が受光する物体からの反射光の受光量の変化に基づいて物体の有無を検出する。また、各矩形孔は、透光性を有する保護プレート36によって各々覆われている。なお、戸開センサ41Bはこのような構成に限られず、他の非接触操作を検出する装置、例えば超音波センサや、静電容量センサにより構成されてもよい。
【0025】
本実施形態では、受光器側の受光量(センサの感度)を調整し、予め設定されている検出領域の物体を検出可能に構成されている。
【0026】
図3は、
図2に示す戸開センサ及び戸閉センサと、両センサの検出領域の位置関係を示す模式図である。
【0027】
戸開センサ41B、戸閉センサ42B、検出領域P1、P2以外の構成については適宜省略して示している。また、
図3では、ハッチングを付して検出領域P1,P2を図示している
【0028】
図3に示すように、検出領域P1は、戸開センサ41Bから水平方向Xに第1所定距離L1だけ離れた位置までの空間領域に設定される。また、検出領域P2は、戸閉センサ42Bから水平方向Xに第2所定距離L2だけ離れた位置までの空間領域に設定される。
【0029】
ここで、戸開センサ41Bは、戸閉センサ42Bよりも、操作盤28から離れた位置の操作を検出可能である。具体的には、第1所定距離L1は第2所定距離L2よりも長い、という構成である。
【0030】
第1所定距離L1としては、6cm≦L1≦10cmとなるように設定するのが好ましい。これにより、検出領域P1が操作盤28付近に限られるため、乗りかご22内が混雑しているときなどに利用者の身体の一部や持ち物などを戸開センサ41Bが誤検出し難くできる。この結果、乗りかご22内が混雑しているときなどに利用者の身体の一部や持ち物などが戸開センサ41Bに近接し、戸開操作が誤って継続してしまうことを抑制できる。
【0031】
また、第2所定距離L2としては、第1所定距離L1より短く、2cm≦L2≦5cmとなるように設定するのが好ましい。
【0032】
このような構成によれば、操作盤28からより離れた位置の操作を検出可能な戸開センサ41Bを操作する場合に、戸閉センサ42Bを誤って操作してしまうことを抑制することができる。
【0033】
また、戸開センサ41Bと戸閉センサ42Bは水平方向Zに隣接し、戸開センサ41Bは、戸閉センサ42Bよりも接合部26に近く配置される。
【0034】
側壁24があることにより、利用者は戸開閉操作部40を、操作盤28の正面から、又は接合部26の反対側から操作する。このような構成によれば、戸閉センサ42Bを操作盤28の正面から、又は接合部26の反対側から操作する場合に、操作盤28からより離れた位置の操作を検出可能な戸開センサ41Bを誤って操作してしまうことを抑制することができる。
【0035】
図2に示すように、検出領域P1又はP2に利用者が手Uをかざすなどの所定操作を行うことで、検出領域P1又はP2の遮蔽を検知すると、後述する制御装置46に検出信号が送信され、戸開閉に関するモードが実行される。
【0036】
さらに、戸開報知部41Cは、戸開釦41Aの中央に設けられ、戸開を示すマークの形をした透光部が設けられており、内部に設けられた不図示のランプが点灯することによって発光可能に構成される。
【0037】
戸開報知部41Cは、戸開釦41Aを押下する操作や、検出領域P1に手をかざす動作などの操作により、戸開操作が受け付けられると、点灯又は点滅するように構成される。このような構成によれば、戸開釦41Aや戸開センサ41Bを介して操作を行った際に、戸開操作が受け付けられているか否かを利用者が目視確認することができる。
図2では、戸開報知部41Cにハッチングを付して点灯状態を模式的に示している。
【0038】
また、戸閉報知部42Cは、戸開報知部41Cと同様に、戸閉釦42Aの中央に設けられ、戸閉を示すマークの形をした透光部が設けられており、内部に設けられた不図示のランプが点灯することによって発光可能に構成される。
【0039】
さらに、戸閉報知部42Cは、戸開報知部41Cと同様に、戸閉釦42Aを押下する操作や、検出領域P2に手をかざす動作などの操作により、戸閉操作が受け付けられると、点灯又は点滅するように構成される。このような構成によれば、戸閉釦42Aや戸閉センサ42Bを介して操作を行った際に、戸閉操作が受け付けられているか否かを利用者が目視確認することができる。
【0040】
戸開閉操作部40の上部には、乗りかご22の行先階を登録する入力操作を行う機能を有する行先階操作部30が設けられている。行先階操作部30は、行先階に対応した押釦と非接触式のセンサを複数備え、押釦が押下されたこと、又はセンサが所定時間(例えば、0.3秒)以上遮蔽したことをもって、行先階が登録される、という機能を有する。
【0041】
また、行先階操作部30の上部には、外部との連絡を行うための連絡釦43が設けられている。なお、連絡釦43は、従来公知の押釦であるが、戸開操作部41や戸閉操作部42と同様に、押釦と非接触操作を検出するセンサとを備える、という構成を採用することとしても構わない。
【0042】
操作盤28は、さらに、表示部44を有する。表示部44は、例えば、液晶ディスプレイからなり、例えば、乗りかご22の移動方向や、乗りかご22の通過階、扉22Aの動作に関する情報、その他利用者に報知する情報を表示する。表示部44は、行先階操作部30よりもさらに上方の利用者から見やすい位置に設けられている。操作盤28には、また、音声を出力するスピーカー(不図示)が内蔵されている。
【0043】
図4は、本発明の一実施形態であるエレベータに適用される制御ブロック図である。
【0044】
制御装置46は、エレベータ10の運転制御全般を統括して行うコンピュータであり、CPUなどの制御部46aと、メモリ、HDDなどの記憶部46bを備える。記憶部46bには、例えば、巻上機(不図示)の駆動制御、行先階の登録制御などを行うための各種制御プログラムが格納されている。制御部46aが、これらのプログラムを読み出して実行することにより、制御装置46によるエレベータ10の円滑な運転が実現される。
【0045】
本実施形態のエレベータ10では、後述する扉22Aの開閉制御も制御装置46によって行われる。制御装置46の記憶部46bには、開閉制御プログラムが格納されており、制御部46aが当該制御プログラムを読み出し、後述する制御において実行される戸開モード、戸閉モード等の戸開閉に関するモードに従って、従来公知の開閉機構を駆動する。なお、各モードの詳細は、後述する。
【0046】
乗りかご22に設けられる操作盤28は、制御装置46と電気的に接続されている。操作盤28は、行先階操作部30、戸開釦41A、戸閉釦42A、戸開センサ41B、戸閉センサ42B、戸開報知部41C、戸閉報知部42Cを備える。
【0047】
行先階操作部30、戸開釦41A、戸閉釦42A、戸開センサ41B、戸閉センサ42Bは、制御部46aに操作検出信号を送信し、戸開報知部41C、戸閉報知部42Cは、制御部46aからの指令に基づいて、点灯又は点滅する。
【0048】
2.動作
図5は、本発明の一実施形態であるエレベータの制御を示すフロー図である。以下、エレベータ10における制御について、
図5を参照しながら説明する。
【0049】
図5に示すフローは、本実施形態においては、検出領域P1又は検出領域P2のいずれかが遮蔽されたことを検出すると開始し(ステップS1)、ステップS2へ進む。
【0050】
制御部46aは、検出領域P2が遮蔽されているか否かを判定する(ステップS2)。検出領域P2が遮蔽されている場合(ステップS2でYES)は、ステップS3へ進む。検出領域P2が遮蔽されていない場合は(ステップS2でNO)は、ステップS5へ進む。
【0051】
次に、制御部46aは、検出領域P2が所定時間(例えば、0.5秒)以上、継続して遮蔽されているか否かを判定する(ステップS3)。検出領域P2が所定時間(例えば、0.5秒)以上、継続して遮蔽されている場合(ステップS3でYES)は、戸閉モードを実行し(ステップS4)、フローを終了する。検出領域P2が所定時間以上、継続して遮蔽されていない場合(ステップS3でNO)は、ステップS2に戻る。
【0052】
ここで、「戸閉モード」とは、扉22Aを戸閉方向、換言すると、全閉状態となる方向に移動させるためのモードである。さらに、戸閉モードを実行した場合は、戸閉報知部42Cを点灯又は点滅させてもよい。
【0053】
なお、戸閉釦42Aが押下された場合にも、検出領域P2が遮蔽された場合に実行される戸閉モードと同じ戸閉モードを実行してもよい。また、戸閉釦42Aが押下された場合に実行される戸閉モードでは、戸閉報知部42Cを点灯させ、検出領域P2が遮蔽された場合に実行される戸閉モードでは、戸閉報知部42Cを点滅させるなど、戸開閉操作部40で検出した操作に応じて、戸閉モード実行時の戸閉報知部42Cの報知態様を異ならせてもよい。
【0054】
さらに、戸閉モード実行後の所定時間(例えば、0.5秒)は、検出領域P1の遮蔽を検出しても、
図5に示すフローを開始しないこととしてもよい。このような構成によれば、検出領域P2を所定時間以上継続して遮蔽したことにより戸閉モードを実行した後に、操作した利用者の手U等が操作盤28から離れる際に、意図せず検出領域P1を遮蔽してしまった場合において、後述する戸開モードが実行されることを抑制することができる。
【0055】
図5に戻り、制御部46aは、検出領域P1が遮蔽されているか否かを判定する(ステップS5)。検出領域P1が遮蔽されている場合(ステップS5でYES)は、戸開モードを実行し(ステップS6)、フローを終了する。検出領域P1が遮蔽されていない場合は(ステップS5でNO)は、フローを終了する。
【0056】
ここで、「戸開モード」とは、扉22Aを戸開方向に移動させるとともに、扉22Aを戸開状態で保持するためのモードである。さらに、戸開モードを実行した場合は、戸開報知部41Cを点灯又は点滅させてもよい。
【0057】
なお、戸開釦41Aが押下された場合にも、検出領域P1が遮蔽された場合に実行される戸開モードと同じ戸開モードを実行してもよい。また、戸開釦41Aが押下された場合に実行される戸開モードでは、戸開報知部41Cを点灯させ、検出領域P1が遮蔽された場合に実行される戸開モードでは、戸開報知部41Cを点滅させるなど、戸開閉操作部40で検出した操作に応じて、戸開モード実行時の戸開報知部41Cの報知態様を異ならせてもよい。
【0058】
3.本実施形態のまとめ
以上により、本実施形態に係るエレベータ10は、乗りかご22の扉22Aの戸開閉を非接触で操作可能な操作盤28を備えるエレベータであって、扉22Aの戸開操作を非接触で検出する戸開センサ41Bと、扉22Aの戸閉操作を非接触で検出する戸閉センサ42Bと、戸開センサ41Bと戸閉センサ42Bの操作に基づいて、戸開閉に関するモードを実行する制御部46aと、を備え、戸開センサ41Bは、戸閉センサ42Bよりも、操作盤28から離れた位置の操作を検出可能である。
【0059】
本実施形態の構成によれば、操作盤28からより離れた位置の操作を検出可能な戸開センサ41Bを操作する場合に、戸閉センサ42Bを誤って操作してしまうことを抑制することができる。
【0060】
さらに、本実施形態の構成によれば、乗客が戸閉動作中の扉22Aに接触することを抑制するために、戸開センサ41Bを操作する場合、戸閉センサ42Bを誤って操作してしまうことを抑制することができ、安全性を向上させることができる。
【0061】
また、本実施形態に係るエレベータ10は、乗りかご22は、袖壁22-1と、側壁24と、袖壁22-1と側壁24が接合する接合部26を有し、操作盤28は、袖壁22-1に設けられ、戸開センサ41Bと戸閉センサ42Bは水平方向Zに隣接し、戸開センサ41Bは、戸閉センサ42Bよりも接合部26に近く配置される、という構成である。
【0062】
本実施形態の構成によれば、戸閉センサ42Bを操作盤28の正面から、又は接合部26の反対側から操作する場合に、操作盤28からより離れた位置の操作を検出可能な戸開センサ41Bを誤って操作してしまうことを抑制することができる。
【0063】
また、本実施形態に係るエレベータ10は、制御部46aは、戸閉センサ42Bの操作を検出した場合には、戸開センサ41Bの操作の検出の有無にかかわらず、戸閉センサ42Bの操作に対応した戸閉モードを実行する、という構成である。
【0064】
本実施形態の構成によれば、戸閉センサ42Bを操作する場合に、操作盤28からより離れた位置の操作を検出可能な戸開センサ41Bを誤って操作してしまっても、戸閉センサ42Bの操作に対応した戸閉モードを実行され、意図しない扉22Aの動作を抑制することができる。さらに、利用者が手U等を操作盤28に近づける、又は操作盤28から遠ざけることにより、戸開センサ41Bと戸閉センサ42Bの操作を切り替えることができ、操作の利便性を向上させることができる。
【0065】
また、本実施形態に係るエレベータ10は、戸閉センサ42Bは、所定時間以上遮蔽された場合に操作を検出する、という構成である。
【0066】
本実施形態の構成によれば、操作盤28からより離れた位置の操作を検出可能な戸開センサ41Bを操作する場合に、操作する利用者の手U等が操作盤28に近づく向きに揺れ、誤って検出領域P2を瞬間的に遮蔽してしまった場合でも、戸閉センサ42Bを誤って操作してしまうことを抑制することができる。
【0067】
なお、エレベータ10は、上記の実施形態の構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、修正、又は変形が可能である。例えば、下記の変形例の構成を選択し、上記の実施形態の構成に採用することも可能である。
【0068】
4.変形例
(1)上記の実施例に係るエレベータ10においては、戸開センサ41Bは、戸閉センサ42Bよりも、操作盤28から離れた位置の操作を検出可能である、という構成である。しかしながら、エレベータ10は、このような構成に限られない。
【0069】
例えば、第1変形例に係るエレベータ10は、戸閉センサ42Bは、戸開センサ41Bよりも、操作盤28から離れた位置の操作を検出可能である、という構成でもよい。
【0070】
第1変形例の構成によれば、操作盤28からより離れた位置の操作を検出可能な戸閉センサ42Bを操作する場合に、戸開センサ41Bを誤って操作してしまうことを抑制することができる。また、一般に戸閉操作の方が、戸開操作よりも操作頻度が高く、利便性を向上させることができる。
【0071】
(2)上記の実施例に係るエレベータ10においては、戸開センサ41Bと戸閉センサ42Bは水平方向Zに隣接する、という構成である。しかしながら、エレベータ10は、このような構成に限られない。
【0072】
例えば、第2変形例に係るエレベータ10は、戸開センサ41Bと戸閉センサ42Bは上下方向Yに隣接する、という構成でもよい。さらに、第2変形例に係るエレベータ10は、戸開センサ41Bは、戸閉センサ42Bよりも下に配置される、という構成でもよい。
【0073】
第2変形例の構成によれば、操作盤28からより離れた位置の操作を検出可能な戸開センサ41Bを、上側から操作する場合、換言すると、上から手を下ろすような操作をする場合に、戸閉センサ42Bを誤って操作してしまうことを抑制することができる。
【0074】
(3)上記の実施例に係るエレベータ10においては、制御部46aは、戸閉センサ42Bの操作を検出した場合には、戸開センサ41Bの操作の検出の有無にかかわらず、戸閉センサ42Bの操作に対応した戸閉モードを実行する、という構成である。しかしながら、エレベータ10は、このような構成に限られない。
【0075】
例えば、第3変形例に係るエレベータ10は、戸開センサ41Bと戸閉センサ42Bの操作を同時に検出している場合には、操作の検出が開始されたタイミングが遅いセンサに対応した戸開閉に関するモードを実行する、という構成でもよい。
【0076】
第3変形例の構成によれば、戸開センサ41Bと戸閉センサ42Bの内、何れか一方のセンサを誤って操作した場合でも、利用者がそれに気が付き、他方のセンサの操作を開始することで、利用者の意図した戸開閉に関するモードに移行することができ、利便性を向上させることができる。
【0077】
(4)また、上記の実施例に係るエレベータ10においては、戸開報知部41Cは、戸開釦41Aの中央に設けられ、戸開を示すマークの形をした透光部が設けられており、内部に設けられた不図示のランプが点灯することによって発光可能に構成される。しかしながら、エレベータ10は、このような構成に限られない。
【0078】
例えば、戸開報知部41Cは、表示部44であって、文字やイラスト、色などを表示することによって報知することができる。また、戸開報知部41Cは、スピーカーであって、音声や「ピッ、ピッ、・・・」という断続音、「ピ―」という連続音などを発することによって報知することができる。さらにまた、戸開報知部41Cは、ランプ、表示部44、スピーカーの種々の組合せにより構成することができる。
【0079】
なお、戸閉報知部42Cも同様に、ランプ、表示部44、スピーカー、又はこれらの種々の組合せにより構成することができる。
【0080】
(5)また、上記の実施例に係るエレベータ10においては、操作盤28は、乗りかご22の袖壁22-1に設けられている。しかしながら、エレベータ10は、このような構成に限られない。例えば、操作盤28は、乗りかご22の側壁24に設けることができる。
【0081】
(6)また、上記の実施例に係るエレベータ10においては、戸開操作部41は、戸開釦41Aと戸開センサ41Bがそれぞれ設けられている。しかしながら、エレベータ10は、このような構成に限られない。例えば、戸開釦41Aと戸開センサ41Bとが、一体で構成されてもよい。さらに、戸開釦41Aと戸開センサ41Bのうち、戸開センサ41Bのみを備える構成であってもよい。
【0082】
加えて、戸閉操作部41も同様に、戸閉釦42Aと戸閉センサ42Bとが、一体で構成されてもよいし、戸閉センサ42Bのみを備える構成であってもよい。
【符号の説明】
【0083】
10 エレベータ
22 乗りかご
22A 扉
22-1,22-2 袖壁
24 側壁
26 接合部
28,29 操作盤
30 行先階操作部
40 戸開閉操作部
41 戸開操作部
41A 戸開釦
41B 戸開センサ
41C 戸開報知部
42 戸閉操作部
42A 戸閉釦
42B 戸閉センサ
42C 戸閉報知部
46 制御装置
L1 第1距離
L2 第2距離
P1 第1検出領域
P2 第2検出領域
U 手