(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181264
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】画像形成システム
(51)【国際特許分類】
G06F 1/3209 20190101AFI20221201BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20221201BHJP
G06F 1/3228 20190101ALI20221201BHJP
G06F 1/3287 20190101ALI20221201BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20221201BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
G06F1/3209
G06F3/12 321
G06F3/12 329
G06F3/12 373
G06F3/12 361
G06F1/3228
G06F1/3287
B41J29/38 104
H04N1/00 127A
H04N1/00 885
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021088106
(22)【出願日】2021-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】奥村 孝之
【テーマコード(参考)】
2C061
5B011
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061HK05
2C061HN05
2C061HN15
2C061HN29
5B011DA00
5B011EA10
5B011EB08
5B011LL11
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA29
5C062AB38
5C062AB40
5C062AB49
5C062AC34
5C062AF06
(57)【要約】
【課題】ユーザーの利便性の向上と省電力との両立を実現することができる画像形成システムを提供する。
【解決手段】画像形成システム100は、少なくとも1台の画像形成装置10,11と、サーバー30とを備える。少なくとも1台の画像形成装置10,11は、省電力状態であるスリープ状態に入ったときにスリープ通知を送信し、スリープ状態から非省電力状態へ復帰したときにスリープ復帰通知を送信する。サーバー30は、スリープ通知及びスリープ復帰通知を監視し、少なくとも1台の画像形成装置10,11のうちの特定画像形成装置10のスリープ状態が一定時間以上継続している場合に、特定画像形成装置10が自ら電源を遮断するように、特定画像形成装置10に対して電源遮断指令を発行する。サーバー30は、電源遮断指令を発行する前に、特定画像形成装置10の使用履歴があるユーザーに対して電源遮断予告を配信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
省電力状態であるスリープ状態に入ったときにスリープ通知を送信し、前記スリープ状態から非省電力状態へ復帰したときにスリープ復帰通知を送信する少なくとも1台の画像形成装置と、
前記スリープ通知及び前記スリープ復帰通知を監視し、前記少なくとも1台の画像形成装置のうちの特定画像形成装置のスリープ状態が一定時間以上継続している場合に、前記特定画像形成装置が自ら電源を遮断するように、前記特定画像形成装置に対して電源遮断指令を発行するサーバーと
を備え、
前記サーバーは、前記電源遮断指令を発行する前に、前記特定画像形成装置の使用履歴があるユーザーに対して電源遮断予告を配信する、画像形成システム。
【請求項2】
前記少なくとも1台の画像形成装置は、複数の画像形成装置を含み、
前記電源遮断予告は、前記特定画像形成装置を指定する情報と、電源遮断予定時刻と、前記複数の画像形成装置のうち前記特定画像形成装置を除く画像形成装置の中から推奨代替装置を指定する情報とを含む、請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記サーバーは、前記推奨代替装置として、印刷状態又はレディー状態を含む非スリープ状態の画像形成装置を優先的に指定する、請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記サーバーは、前記複数の画像形成装置のうち複数の特定画像形成装置のスリープ状態が一定時間以上継続している場合に、前記複数の特定画像形成装置のうち、スリープ時に消費電力が大きい特定画像形成装置に対して優先的に前記電源遮断指令を発行する、請求項2又は請求項3に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記少なくとも1台の画像形成装置は、終夜運転モードに設定されている場合には、前記スリープ状態に入ったときでも前記スリープ通知を送信しない、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記サーバーは、前記電源遮断予告に対する返信として電源遮断拒否通知を受信した場合には、前記電源遮断指令を発行しない、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記サーバーは、前記少なくとも1台の画像形成装置のうち電源が遮断されていない画像形成装置の台数が所定数以下である場合には、前記電源遮断指令を発行しない、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の画像形成システムは、ホストコンピューターと、少なくとも1台の画像形成装置とを備える。画像形成装置は、ホストコンピューターへの応答要求送信後、受信の応答がない場合、又は応答内容が到達しない状態が一定時間継続した場合に、自身の電源を遮断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の画像形成システムでは、ホストコンピューターから一定時間以上応答がないと、画像形成装置の全数が電源を遮断してしまう。ユーザーは、所望の画像形成装置を使用しようとしても、画像形成装置の電源を投入しなければならず、画像形成装置の立ち上げに時間と電力を要するなどの不便があった。
【0005】
本発明は、ユーザーの利便性の向上と省電力との両立を実現することができる画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成システムは、少なくとも1台の画像形成装置と、サーバーとを備える。前記少なくとも1台の画像形成装置は、省電力状態であるスリープ状態に入ったときにスリープ通知を送信し、前記スリープ状態から非省電力状態へ復帰したときにスリープ復帰通知を送信する。前記サーバーは、前記スリープ通知及び前記スリープ復帰通知を監視し、前記少なくとも1台の画像形成装置のうちの特定画像形成装置のスリープ状態が一定時間以上継続している場合に、前記特定画像形成装置が自ら電源を遮断するように、前記特定画像形成装置に対して電源遮断指令を発行する。前記サーバーは、前記電源遮断指令を発行する前に、前記特定画像形成装置の使用履歴があるユーザーに対して電源遮断予告を配信する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザーの利便性の向上と省電力との両立を実現することができる画像形成システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る画像形成システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】画像形成装置の構造の一例を示す概略図である。
【
図3】画像形成システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図4】画像形成システムの動作の他の例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明が想定する場面は、例えば10台の画像形成装置が設置されているオフィスにおいて、残りわずかな数の従業員が残業をしている場面などである。10台の画像形成装置に要求される印刷ジョブは少ない。したがって、10台の画像形成装置の大多数は、省電力状態であるスリープ状態を継続する。本発明は、このような状況下でもユーザーの利便性の向上と省電力との両立を実現するものである。
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0011】
まず、
図1を参照して、実施形態に係る画像形成システム100の構成について説明する。
図1は、画像形成システム100の構成の一例を示すブロック図である。
【0012】
図1に示されるように、画像形成システム100は、名称「A」を有する第1画像形成装置10と、名称「B」を有する第2画像形成装置11と、第1ユーザーXのホスト20と、第2ユーザーYのホスト21と、サーバー30とを備える。第1画像形成装置10、第2画像形成装置11、第1ユーザーXのホスト20、第2ユーザーYのホスト21、及びサーバー30は、ネットワーク40を介して互いに通信可能に接続されている。ネットワーク40は、LAN(Local Area Network)を含む。第1画像形成装置10及び第2画像形成装置11は、「少なくとも1台の画像形成装置」の一例に相当する。
【0013】
第1画像形成装置10及び第2画像形成装置11の各々は、省電力状態であるスリープ状態に入ったときにスリープ通知をサーバー30へ送信し、スリープ状態から非省電力状態へ復帰したときにスリープ復帰通知をサーバー30へ送信する。ただし、第1画像形成装置10及び第2画像形成装置11の各々は、ファクシミリの送信又は受信などのために終夜運転モードに設定されている場合には、スリープ状態に入ったときでもスリープ通知を送信しない。サーバー30は、第1画像形成装置10及び第2画像形成装置11の各々のスリープ通知及びスリープ復帰通知を監視する。
【0014】
サーバー30は、第1画像形成装置10のスリープ状態が一定時間(例えば2時間)以上継続している場合に、第1画像形成装置10が自ら電源を遮断するように、第1画像形成装置10に対して電源遮断指令を発行する。ただし、サーバー30は、電源遮断指令を発行する前に、第1画像形成装置10の使用履歴があるユーザーに対して電源遮断予告をEメールなどで配信する。電源遮断予告を受信したユーザーは、第1画像形成装置10の使用予定がある場合などに、電源遮断拒否通知をサーバー30へ送信することができる。サーバー30は、第1画像形成装置10に係る電源遮断予告に対する返信として電源遮断拒否通知を受信した場合には、第1画像形成装置10に対して電源遮断指令を発行しない。
【0015】
サーバー30は、第2画像形成装置11のスリープ状態が一定時間(例えば2時間)以上継続している場合に、第2画像形成装置11が自ら電源を遮断するように、第2画像形成装置11に対して電源遮断指令を発行する。ただし、サーバー30は、電源遮断指令を発行する前に、第2画像形成装置11の使用履歴があるユーザーに対して電源遮断予告をEメールなどで配信する。電源遮断予告を受信したユーザーは、第2画像形成装置11の使用予定がある場合などに、電源遮断拒否通知をサーバー30へ送信することができる。サーバー30は、第2画像形成装置11に係る電源遮断予告に対する返信として電源遮断拒否通知を受信した場合には、第2画像形成装置11に対して電源遮断指令を発行しない。
【0016】
電源遮断予告は、電源遮断対象の画像形成装置を指定する情報(名称又はIPアドレス)と、電源遮断予定時刻と、電源遮断対象以外の画像形成装置の中から推奨代替装置を指定する情報(名称又はIPアドレス)とを含む。サーバー30は、推奨代替装置として、印刷状態又はレディー状態を含む非スリープ状態の画像形成装置を優先的に指定する。
【0017】
サーバー30は、第1画像形成装置10及び第2画像形成装置11のうち電源が遮断されていない画像形成装置の台数Nが所定数(例えば、N=1)以下である場合には、ユーザーの利便性を考慮して、電源遮断指令を発行しない。
【0018】
次に、
図1及び
図2を参照して、第1画像形成装置10の構造について説明する。
図2は、第1画像形成装置10の構造の一例を示す図である。第2画像形成装置11の構造は第1画像形成装置10と同様であるので、第2画像形成装置11の構造の説明は省略する。
【0019】
図2に示されるように、第1画像形成装置10は、読取部1と、給送部2と、搬送部3と、画像形成部4と、定着部5と、排出部6とを備える。
【0020】
読取部1は、原稿Gの画像を読み取る。読取部1は、読み取った画像から画像データを生成する。給送部2は、複数のシートSを収容し、搬送部3へシートSを給送する。シートSは、例えば紙製又は合成樹脂製である。搬送部3は、複数の搬送ローラー対を含み、画像形成部4にシートSを搬送する。
【0021】
画像形成部4は、電子写真方式によってシートSにトナー像を形成する。画像形成部4は、感光体ドラムと、帯電装置と、露光装置と、現像装置と、補給装置と、転写装置と、クリーニング装置と、除電装置とを含む。トナー像は、例えば原稿Gの画像を示す。定着部5は、トナー像を加熱及び加圧して、トナー像をシートSに定着させる。搬送部3は、トナー像の定着されたシートSを排出部6に搬送する。排出部6は、第1画像形成装置10の外部にシートSを排出する。
【0022】
次に、
図1~
図3を参照して、画像形成システム100の動作について説明する。
図3は、第1ユーザーXが電源遮断を拒否した場合の画像形成システム100の動作の一例を示すシーケンス図である。
【0023】
図3に示されるように、第1画像形成装置10は、スリープ状態に入ったときに、サーバー30にスリープ通知を送信する。サーバー30は、第1画像形成装置10及び第2画像形成装置11の各々のスリープ通知及びスリープ復帰通知を監視することによって、第1画像形成装置10及び第2画像形成装置11の各々のスリープ時間を把握する。サーバー30は、第1画像形成装置10のスリープ時間が所定時間(例えば2時間)以上になると、第1画像形成装置10の使用履歴がある第1ユーザーX及び第2ユーザーYに対して電源遮断予告を配信する。サーバー30は、所定時間以内に第1ユーザーXから電源遮断拒否通知を受信したので、第1画像形成装置10に電源遮断指令を送信しない。よって、第1画像形成装置10は、スリープ状態を継続する。
【0024】
次に、
図1~
図4を参照して、画像形成システム100の動作について更に説明する。
図4は、第1画像形成装置10が電源遮断される場合の画像形成システム100の動作の例を示すシーケンス図である。
【0025】
図4に示されるように、第1画像形成装置10は、スリープ状態に入ったときに、サーバー30にスリープ通知を送信する。サーバー30は、第1画像形成装置10及び第2画像形成装置11の各々のスリープ通知及びスリープ復帰通知を監視することによって、第1画像形成装置10及び第2画像形成装置11の各々のスリープ時間を把握する。サーバー30は、第1画像形成装置10のスリープ時間が所定時間(例えば2時間)以上になると、第1画像形成装置10の使用履歴がある第1ユーザーX及び第2ユーザーYに対して電源遮断予告を配信する。サーバー30は、所定時間以内にいずれのユーザーからも電源遮断拒否通知を受信しなかったことを確認し、電源非遮断装置の台数Nが所定数(例えば、N=1)よりも大きいことを更に確認したうえ、第1画像形成装置10に対して電源遮断指令を発行する。第1画像形成装置10は、自ら電源を遮断する。
【0026】
なお、第1画像形成装置10及び第2画像形成装置11の双方のスリープ状態が一定時間(例えば2時間)以上継続している場合も想定される。この場合、サーバー30は、省電力の観点から、第1画像形成装置10及び第2画像形成装置11のうち、スリープ時に消費電力が大きい画像形成装置に対して優先的に電源遮断指令を発行する。
【0027】
実施形態によれば、ユーザーの利便性の向上と省電力との両立を実現することができる画像形成システム100が提供される。
【0028】
サーバー30は、電源を遮断する画像形成装置と電源を遮断しない画像形成装置とを管理する。サーバー30がネットワーク40を介して一部の画像形成装置に対して電源遮断指令を発行することにより、一部の画像形成装置の電源を遮断させ、残りN台の画像形成装置にスリープ状態を継続させることで、ユーザーの利便性の向上と省電力との両立が図られる。
【0029】
また、一部の画像形成装置の電源を遮断するに際し、サーバー30は事前に画像処理装置のユーザーに電源遮断予告を配信する。ユーザーから電源遮断拒否通知を受信した場合には電源遮断指令を発行しないことにより、画像処理装置のユーザーの意図を汲み取りながら画像形成装置の電源を遮断するので、ユーザーの利便性の向上と省電力との両立が図られる。
【0030】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の個数等は、図面作成の都合から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0031】
例えば、実施形態では、第1画像形成装置10及び第2画像形成装置11が電子写真方式であったが、これに限られない。第1画像形成装置10及び第2画像形成装置11のうち少なくとも一方はインクジェット方式でもよい。
【0032】
また、実施形態では、画像形成システム100に含まれる画像形成装置の数が2台であったが、これに限られない。画像形成装置の数は、1台又は3台以上であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、画像形成システムの分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0034】
10 第1画像形成装置
11 第2画像形成装置
30 サーバー
100 画像形成システム