(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181271
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20221201BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021088126
(22)【出願日】2021-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100150430
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 元
(74)【代理人】
【識別番号】100217191
【弁理士】
【氏名又は名称】林 信吾
(72)【発明者】
【氏名】平 勇輝
【テーマコード(参考)】
2C333
【Fターム(参考)】
2C333AA11
2C333CA24
2C333CA49
2C333EA04
2C333EA10
(57)【要約】
【課題】先読み演出を備えた遊技機の興趣を向上させること。
【解決手段】予告対象保留(先読み対象保留)が記憶されてから当該予告対象保留に基づく変動表示が開始されるまでの間を実行期間(演出期間)とする「第1保留変化パターン(例えばパターンH1)に基づく保留変化予告」と、予告対象保留が記憶されてから当該予告対象保留に基づく変動表示が終了するまでの間を実行期間(演出期間)とする「第2保留変化パターン(例えばパターンH6)に基づく保留変化予告」とが、保留先読み演出として実行され得るように構成する。こうすれば、実行される保留変化予告の種類によって、保留変化予告の実行期間の長さ(終期)が異なるものとなる。これにより、保留変化予告がいつまで実行されるのかに遊技者を注目させて、保留変化予告が行われる期間中の興趣を向上させることが可能となる。
【選択図】
図44
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取得情報を取得可能な取得手段と、
前記取得手段により取得された取得情報を記憶可能な取得情報記憶手段と、
前記取得情報に基づいて識別情報の変動表示を実行可能な変動表示手段と、
前記変動表示の表示結果として特定表示結果が導出されたことに基づいて、遊技者に所定の遊技利益を付与する特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、
前記変動表示の開始前に前記取得情報の事前判定を実行可能な事前判定手段と、
前記事前判定の結果に基づいて先読み演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
前記演出実行手段は、前記取得情報記憶手段に記憶された取得情報を先読み対象として前記先読み演出を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、特にパチンコ遊技機等に適用することができる。
【背景技術】
【0002】
従来、始動入賞に基づいて識別情報の変動表示を行い、該変動表示の表示結果として特定表示結果が導出されたことに基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技が実行可能となる遊技機が知られている。この種の遊技機において、始動入賞時の判定(事前判定)の結果に基づいて始動記憶(保留)に関する情報を示唆する演出が実行されるものが存在する(例えば特許文献1を参照)。このような事前判定の結果に基づく演出は「先読み演出」と呼ばれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の先読み演出は、遊技者を飽きさせないようにするための一手法として既に多くの遊技機に採用されており、先読み演出を備えた遊技機の興趣を高めるには更なる改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、先読み演出を備えた遊技機の興趣を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。
【0007】
手段1の遊技機は、
取得情報を取得可能な取得手段と、
前記取得手段により取得された取得情報を記憶可能な取得情報記憶手段と、
前記取得情報に基づいて識別情報の変動表示を実行可能な変動表示手段と、
前記変動表示の表示結果として特定表示結果が導出されたことに基づいて、遊技者に所定の遊技利益を付与する特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、
前記変動表示の開始前に前記取得情報の事前判定を実行可能な事前判定手段と、
前記事前判定の結果に基づいて先読み演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
前記演出実行手段は、前記取得情報記憶手段に記憶された取得情報を先読み対象として前記先読み演出を実行可能である
ことを要旨とする。
【発明の効果】
【0008】
以上の本発明によれば、先読み演出を備えた遊技機の興趣を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施例に係る遊技機の正面図である。
【
図2】本発明の実施例に係る遊技機の裏面図である。
【
図3】本発明の実施例に係る遊技盤の構成を示す正面図である。
【
図4】
図3に示す主表示器の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。
【
図5】同遊技機の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図6】大当りの種別と大入賞口の開放パターンとの対応等を示す表である。
【
図7】遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。
【
図8】(A)は大当り判定テーブルであり、(B)は大当り種別判定テーブルであり、(C)は普通図柄当り判定テーブルであり、(D)は普通図柄変動パターン選択テーブルである。
【
図10】主制御メイン処理のフローチャートである。
【
図11】メイン割り込み処理のフローチャートである。
【
図12】始動口センサ検知処理のフローチャートである。
【
図15】普通図柄待機処理のフローチャートである。
【
図16】普通図柄当否判定処理のフローチャートである。
【
図17】普通図柄乱数シフト処理のフローチャートである。
【
図18】普通図柄変動中処理のフローチャートである。
【
図19】普通図柄確定処理のフローチャートである。
【
図20】普通電動役物処理のフローチャートである。
【
図22】特別図柄待機処理のフローチャートである。
【
図23】特
図2当否判定処理のフローチャートである。
【
図24】特
図2変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図25】特
図2変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図26】特
図2乱数シフト処理のフローチャートである。
【
図27】特
図1当否判定処理のフローチャートである。
【
図28】特
図1変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図29】特
図1変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図30】特
図1乱数シフト処理のフローチャートである。
【
図31】特別図柄変動中処理のフローチャートである。
【
図32】特別図柄確定処理のフローチャートである。
【
図33】特別電動役物処理(大当り遊技)のフローチャートである。
【
図34】遊技状態設定処理のフローチャートである。
【
図37】サブ制御メイン処理のフローチャートである。
【
図38】受信割り込み処理のフローチャートである。
【
図39】2msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図40】10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図41】受信コマンド解析処理のフローチャートである。
【
図42】変動演出開始処理のフローチャートである。
【
図43】保留変化予告設定処理のフローチャートである。
【
図44】(a)は通常の保留消化の流れを示す説明図であり、(b)はパターンH1による保留変化予告の流れを示す説明図であり、(c)はパターンH3による保留変化予告の流れを示す説明図であり、(d)はパターンH6による保留変化予告の流れを示す説明図である。
【
図46】保留変化パターン決定テーブル(外れ保留用)である。
【
図47】保留変化パターン決定テーブル(大当り保留用)である。
【
図48】変形例の変動停止時予告及び保留変化予告の流れを示す説明図である。
【
図49】(a)は変形例の変動停止時予告実行判定テーブルであり、(b)は変形例の保留変化予告実行判定テーブルである。
【
図50】実施例2の特定期間設定処理のフローチャートである。
【
図51】実施例2の停止演出図柄設定処理のフローチャートである。
【
図52】実施例2の停止図柄決定テーブルAである。
【
図53】実施例2の停止図柄決定テーブルBである。
【
図54】実施例2の演出モードBにおけるチャンス目予告の流れを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明の実施の形態を、実施例を用いて説明する。以下では、遊技に用いる遊技媒体が遊技球とされ、当該遊技球を遊技盤面に向けて発射することで遊技を進行させることが可能なパチンコ遊技機(弾球遊技機)に、本発明を適用した例を説明する。
【0011】
なお、以下に例示するパチンコ遊技機は、始動口への遊技球の入球に基づいて特別図柄の変動表示(「図柄変動遊技」ともいう。)を行い、当該変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示されると、遊技者に所定量の遊技利益(例えば賞球)を付与する大当り遊技(特別遊技)が実行可能となる所謂「デジパチタイプ(1種タイプ)」の遊技機である。
【0012】
また、以下の説明において、単に前側(前方)とは、遊技機を正面視した場合の表面側(手前側)であって、遊技時に遊技者が位置する側のことである。また、単に後側(後方)とは、遊技機を正面視した場合の背面側のことである。さらに、単に上側(上方)、下側(下方)、左側(左方)、右側(右方)とは、遊技機を正面視した場合の上・下・左・右の各方向のことであり、例えば、
図1や
図3における上側、下側、左側、右側を指す。
【実施例0013】
図1~
図3に示すように、本実施例のパチンコ遊技機1は、大別すると、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2と、を備えている。遊技盤2は、遊技機枠50から着脱自在に構成されている。
図3は、遊技盤2を遊技機枠50から取り外した状態のものを示す。
【0014】
遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等を取り付ける本体枠52と、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成されており、前面枠51、本体枠52及び外枠53は、一側端側で軸支され夫々開閉可能に構成されている。
【0015】
パチンコ遊技機1が稼働する際(遊技者が遊技する際)、前面枠51は閉じた状態となるが、前面枠51には、本体枠52に取り付けられた遊技盤2の表面(遊技盤面)を外部から視認可能とする窓部(視認窓)が設けられているため、遊技者は、その窓部(視認窓)を通じて遊技盤面を見ることができる。
【0016】
遊技盤2には、遊技に際して遊技者が見ることが可能な様々なパーツ(遊技部品、遊技機構成部品)が設けられている。また、前面枠51には、遊技に際して遊技者が見たり触れたりすることが可能な様々なパーツ(遊技部品、遊技機構成部品)が設けられている。
【0017】
具体的には、前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留し貯留した遊技球を発射装置側に供給可能な打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。
【0018】
また前面枠51には、遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a及び第2演出ボタン63bや、遊技の状況に応じて様々な光を発することが可能な装飾用の枠ランプ66、遊技の状況に応じて様々な音(効果音)を発することが可能なスピーカ67等が設けられている。第1演出ボタン63a及び第2演出ボタン63bを総称して単に「演出ボタン63」ともいう。また、第1演出ボタン63a及び第2演出ボタン63bの何れか一方又は両方を指して「操作手段」ともいう。
【0019】
演出ボタン63は、遊技者による入力が可能な入力手段として機能するものである。ここでいう「入力」は、音量等の演出環境の設定や実行中の遊技演出への関与など、演出に係る入力を指す。例えば、遊技の進行に伴って行われる遊技演出の実行中に演出ボタン63(第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63b)が操作されると、当該操作に基づいて所定の操作対応演出が行われる。
【0020】
本実施例では、上皿61の上面(天面)の中央手前側に第1演出ボタン63aが設けられており、前面枠51の正面左下側に第2演出ボタン63bが設けられている。遊技者は、遊技演出の状況に応じて演出ボタン63a,63bを使い分けることができる。
【0021】
なお、演出ボタン63の構成は本実施例に限られず、遊技者が入力を行うことができるものであれば足り、例えば、遊技者が直接ボタン部に接触して入力を行う入力手段(例えば、出没式、タッチセンサ式等)であってもよいし、遊技者の身体の一部が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力手段(光電式等)であってもよい。また、演出ボタンが、上方や手前側に突出したり振動したりする等の演出動作を行うもの(可動式の演出操作手段)であってもよい。
【0022】
遊技盤2は、例えば、透明樹脂製の板材を用いて構成される。遊技盤2の表面(遊技盤面)には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3がレール部材4で囲まれて形成されている。遊技盤2の表面のうち、少なくとも遊技球が流下する箇所を指して遊技領域という。なお、レール部材4(外レール)で囲まれた箇所(レール部材4の内側)を指して遊技領域ということもできる。
【0023】
遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されており、レール部材4の先端には、球戻り防止片6が設けられている。球戻り防止片6は、一旦遊技領域へ誘導された遊技球を発射装置側へ戻るのを防止するためのものである。
【0024】
また遊技盤2には、遊技の状況に応じて様々な光を発することが可能な装飾用の盤面ランプ5(
図5を参照)が設けられている。
【0025】
遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置からなる画像表示装置7(画像表示手段)が設けられている。画像表示装置7は、各種演出を表示する演出表示手段として機能するものである。なお、演出表示手段は、画像表示装置に限定されるものではなく、例えば、ドット式の表示器やドラム(リール)式の表示器等、画像以外の要素により演出を表示するものであってもよい。
【0026】
画像表示装置7の表示画面7aには、演出図柄8L,8C,8R(単に「演出図柄8」ともいう。)が表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう。)が設けられている。
【0027】
演出図柄8L,8C,8Rは、後述の第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行う。変動表示の態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロール表示する態様がある。
【0028】
演出図柄表示領域7bは、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなり、左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。
【0029】
本実施例の演出図柄8L,8C,8R(識別情報)は、それぞれ「1」~「9」までの数字図柄(識別情報種、図柄種)からなるもので、これらの数字図柄が順に表示されるものとなっている。具体的に、演出図柄8の変動表示は、「1」→「2」・・・「8」→「9」の順(昇順)で演出図柄を縦方向(本例では上から下)にスクロール表示(「縦スクロール」ともいう。)させることによって行われるものとなっており、「9」まで到達したら「1」に戻って、スクロール表示を変動終了(停止表示)まで繰り返すものとなっている。
【0030】
本実施例では、「1」~「9」の数字図柄のそれぞれに色の情報を含ませており、各図柄を色によって分類できるものとしている。具体的には、奇数図柄である「3」と「7」を赤色の図柄(以下「赤図柄」ともいう。)としており、これ以外の奇数図柄である「1」、「5」、「9」を緑色の図柄(以下「緑図柄」ともいう。)としている。また、偶数図柄である「2」、「4」、「6」、「8」を青色の図柄(以下「青図柄」ともいう。)としている。なお、演出図柄8は、数字の他、キャラクタやアイテム等の他の図柄要素を含むものとすることができる。
【0031】
演出図柄表示領域7b(表示画面7a)で変動表示される演出図柄8は、特別図柄の変動時間の経過に合わせて停止表示され、これにより演出図柄8の変動表示の表示結果が導出される。この停止表示(導出表示)された左、中、右の演出図柄8L,8C,8Rの組合せ(停止表示態様)によって、後述の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図柄表示部」ともいう。)に表示される第1特別図柄の変動表示の結果や、第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう。)に表示される第2特別図柄の変動表示の結果、つまり、特別図柄当否判定(単に「当否判定」ともいう。)の結果が、遊技者が認識し易いように表示される。
【0032】
本実施例では、変動表示している3つの演出図柄8L,8C,8Rが停止表示する順序(停止順序)を、原則「左→右→中」としている。すなわち、停止順が1番目の停止図柄を左演出図柄8Lとし、停止順が2番目の停止図柄を右演出図柄8Rとし、停止順が3番目(最後)の停止図柄を中演出図柄8Cとしている。なお、停止順が1番目の停止図柄のことを「第1停止図柄」ともいい、停止順が2番目の停止図柄のことを「第2停止図柄」ともいい、停止順が3番目の停止図柄のことを「第3停止図柄」や「最終停止図柄」ともいう。
【0033】
例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合には、「222」や「777」などの3桁同一のゾロ目(「大当り演出図柄」ともいう。)や「135」などの予め設定したチャンス図柄や「3★3」などの専用図柄(「特殊図柄」ともいう。)等で演出図柄を停止表示することが可能である。また、特別図柄当否判定の結果が外れとなった場合には、「637」や「373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が異なるバラケ目(「外れ演出図柄」ともいう。)で演出図柄を停止表示することが可能である。これにより、遊技者は停止表示した演出図柄を見ることで、当否判定等の遊技進行状況を容易に把握することが可能となる。つまり遊技者は、一般的には特別図柄当否判定の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄を見て直接的に把握するのではなく、演出図柄表示領域7bに表示される演出図柄を見て把握する。
【0034】
なお、左・中・右の図柄表示エリアの位置は夫々区別して設ける必要はなく、左・中・右の演出図柄の表示エリアをそれぞれ図柄表示エリア(演出図柄表示領域7b)の全体としてもよい。また本実施例では、左・中・右の演出図柄8を表示するものとしているが、例えば、表示画面上に3行3列のマトリックス状の図柄表示エリアを設けて9つの演出図柄を表示し、各図柄が変動表示を経て停止表示したときの縦一列、横一列、斜め一列の各列の並び(図柄組合せ)により演出図柄の停止表示態様(停止図柄)を表示したり、図柄表示エリア(演出図柄表示領域)を複数(例えば4つ)の領域に分割して各領域で3つの演出図柄の変動表示及び停止表示を行ったりする等、演出図柄の数や図柄表示エリアの態様は特に問わない。
【0035】
ここで、第1特別図柄、第2特別図柄、演出図柄のいずれか又は全部を指して単に「図柄」や「識別情報」ともいう。また、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「特
図1」や「第1特図」、第2特別図柄を「特
図2」や「第2特図」ともいう。さらに、第1特別図柄及び第2特別図柄の何れか一方又は両方を指して「特別図柄(特図)」ともいう。また、特別図柄当否判定の結果のうち「大当り」のことを「特定結果」ともいい、「外れ」のことを「非特定結果」ともいう。さらに、識別情報の停止表示態様のうち、特別図柄当否判定の結果が「大当り」の場合に対応する停止表示態様のことを「大当り態様」、「特定表示態様」又は「特定表示結果」ともいい、特別図柄当否判定の結果が「外れ」の場合に対応する停止表示態様のことを「外れ態様」、「非特定表示態様」又は「非特定表示結果」ともいう。
【0036】
また、演出図柄8を表示する画像表示装置7や、第1特別図柄を表示する後述の第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を表示する後述の第2特別図柄表示器41bのことを、「識別情報表示手段」又は「変動表示手段」ともいう。
【0037】
画像表示装置7の表示画面7aには、前述のような演出図柄を用いた遊技演出(「演出図柄遊技演出」ともいう。)のほか、大当り遊技に伴って実行される大当り遊技演出(「特別遊技演出」ともいう。)、客待ち用のデモ演出等が表示される。これらの演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。なお、演出図柄遊技演出のことを「変動演出」ともいう。
【0038】
また、画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(「第1演出保留表示部」ともいう。)と、後述の第2特図保留の記憶数に応じて第2演出保留9bを表示する第2演出保留表示領域9d(「第2演出保留表示部」ともいう。)とが設けられている(
図3を参照)。第1演出保留や第2演出保留の表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43aにて表示される第1特図保留の記憶数や第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。演出保留は、特図保留が記憶されていることを示す画像(保留画像)である。
【0039】
さらに、画像表示装置7の表示画面7aには、現在変動している特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)に対応する演出保留(「アクティブ保留」ともいう。)、すなわち、消化された特図保留に対応する演出保留(第1演出保留9aまたは第2演出保留9b)を表示する変動保留表示領域9eが設けられている(
図3を参照)。
【0040】
変動保留表示領域9eには、特別図柄の変動表示の開始に伴い、当該変動表示に対応する演出保留(第1演出保留9aまたは第2演出保留9b)が、それまで表示されていた演出保留表示領域(第1演出保留表示領域9cまたは第2演出保留表示領域9d)から移動してくるもので、変動保留表示領域9eに移動した演出保留は、当該変動表示が終了するまで変動保留表示領域9eに表示可能とされる。
【0041】
本実施例では、特別図柄の変動表示の開始後、表示画面7aで後述のリーチ演出を行うことなく(リーチ成立とならずに)外れ演出図柄が停止表示されて当該変動表示が終了することで、変動保留表示領域9e上の演出保留が消去される。また、表示画面7aで後述のスーパーリーチ演出が実行される場合、そのスーパーリーチ演出の開始タイミングや、スーパーリーチ演出開始後の所定タイミング(例えば演出発展タイミング等)において、変動保留表示領域9e上の演出保留が消去される。なお、変動保留表示領域9eでの演出保留の表示終了タイミング(表示終了条件)は本実施例に限定されるものではなく、任意に定めることが可能である。
【0042】
ここで、第1演出保留表示領域9cに表示される第1演出保留9aのことを「第1保留アイコン」、「第1保留画像」又は「第1保留表示」ともいい、第2演出保留表示領域9dに表示される第2演出保留9bのことを「第2保留アイコン」、「第2保留画像」又は「第2保留表示」ともいい、第1演出保留9a(第1保留アイコン)及び第2演出保留9b(第2保留アイコン)の何れか一方又は両方を指して「保留アイコン」、「保留画像」又は「保留表示」ともいう。また、変動保留表示領域9eに表示される演出保留(アクティブ保留)のことを「アクティブアイコン」、「アクティブ保留画像」又は「保留消化表示」ともいう。
【0043】
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、表示画面7a(演出図柄表示領域7b)を取り囲むセンター装飾体10が設けられている。センター装飾体10は、プラスチック製(樹脂製)の成型物によって構成されるもので、中央が開口した枠状の部品(盤部品)として、遊技盤2の表面(前面)に取り付けられるものである。当該センター装飾体10の中央開口を介して画像表示装置7の表示画面7aが視認可能となる。
【0044】
センター装飾体10の下部には、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられており、センター装飾体10の左部には、中空状のワープ部12が設けられている。
【0045】
ワープ部12は、ワープ入口とワープ出口とを含んで構成されるものであり、遊技領域3(左遊技領域3A)を流下する遊技球をワープ入口から受け入れてワープ出口から排出することで、当該遊技球をステージ部11へ誘導する誘導路である。ステージ部11の転動面に誘導された遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球に比して高い確率で、後述の第1始動口20に入球可能とされている。
【0046】
また、
図3に示すように、センター装飾体10の上部には、遊技演出に伴って動作可能な第1可動装飾部材13が、常時、遊技者から視認可能となるように設けられている。本実施例の第1可動装飾部材13は、主として、外周に凹凸を形成した1つの円形の可動体(可動部材)によって構成されるものであり、普段(非動作時)は、センター装飾体10の上部左側(左上)の待機位置に位置して、画像表示装置7の表示画面7aに被らないようになっている。これに対し、第1可動装飾部材13を動作させる可動演出(「第1可動演出」ともいう)の実行条件が成立すると、第1可動装飾部材13が動作を開始して、待機位置から所定の動作位置に向かって移動する。
【0047】
本実施例では、第1可動演出の実行により、第1可動装飾部材13が右斜め下方に向かって移動し、表示画面7aの中央上方部分を覆う位置(動作位置)で停止するものとなっている。第1可動装飾部材13が待機位置から動作位置まで移動すると、第1可動装飾部材13は表示画面7aの手前側に位置して、表示画面7aの一部(本例では中演出図柄8Cが表示される領域の一部)を覆う状態となる。また、第1可動装飾部材13(可動体)には複数のLEDからなる電飾が設けられており、第1可動演出の実行に際しては、その電飾が発光するものとなっている。さらに、第1可動装飾部材13は、動作位置に移動した状態で(表示画面7aの手前側で)、表示画面7aと平行な時計回り方向に回転するものとなっている。
【0048】
本実施例では、このような第1可動演出を、演出図柄8の変動表示中の予告演出として行ったり、リーチ演出の一部として行ったりすることが可能となっている。このため、遊技者は、第1可動演出の実行により、大当りへの期待感を高めることとなる。なお、第1可動演出の終了に伴い、第1可動装飾部材13はもとの待機位置に移動する(戻る)動作を行う。
【0049】
また、
図3では図示していないが、センター装飾体10の後方(裏側)には、遊技演出に伴って動作可能な第2可動装飾部材14が設けられている。第2可動装飾部材14は、普段(非動作時)は、センター装飾体10を構成する枠(フレーム)に隠れており、全体を視認できない状態となっている。この第2可動装飾部材14は、例えば、1又は複数の可動体(演出可動部材)により構成することができる。
【0050】
第2可動装飾部材14を動作させる可動演出(「第2可動演出」ともいう)の実行条件が成立すると、第2可動装飾部材14が動作を開始して、待機位置から所定の動作位置に向かって移動する。本実施例では、第2可動演出の実行により、第2可動装飾部材14が表示画面7aの手前側へ移動して、表示画面7aの中央部分を覆う位置(動作位置)で停止するものとなっている。
【0051】
本実施例では、このような第2可動演出を、演出図柄8の変動表示中の予告演出として行ったり、リーチ演出の一部として行ったりすることが可能となっている。このため、遊技者は、第2可動演出の実行により、大当りへの期待感を高めることとなる。なお、第2可動演出の終了に伴い、第2可動装飾部材14はもとの待機位置に移動する(戻る)動作を行う。
【0052】
ここで、特図保留に応じた演出保留9a,9b(保留アイコン)を表示することが可能な演出保留表示領域9c,9dのことを「演出保留表示手段」又は「保留アイコン表示部」ともいい、消化された特図保留に対応する演出保留(アクティブアイコン)を表示することが可能な変動保留表示領域9eのことを「アクティブ保留表示手段」又は「アクティブアイコン表示部」ともいう。また、遊技状況に応じた種々の演出画像を表示することで表示演出を行うことが可能な画像表示装置7のことを「表示演出手段」ともいう。
【0053】
また、遊技演出に伴って動作することで第1可動演出を行うことが可能な第1可動装飾部材13のことを「第1可動役物」や「第1可動演出手段」ともいい、遊技演出に伴って動作することで第2可動演出を行うことが可能な第2可動装飾部材14(可動体14a~14c)のことを「第2可動役物」や「第2可動演出手段」ともいう。また、第1可動装飾部材13と第2可動装飾部材14を総じて「可動役物」や「可動装飾部材」ともいい、第1可動演出手段と第2可動演出手段を総じて(つまり、可動装飾部材のことを)「可動演出手段」ともいう。なお、可動装飾部材14以外にも、例えば、演出ボタン63が遊技演出に伴って上下動や振動等する場合、演出ボタン63も「可動演出手段」といえる。
【0054】
また、遊技の状況に応じて様々な音(効果音)を発することで音演出を行うことが可能なスピーカ67のことを「音演出手段」ともいい、遊技の状況に応じて様々な光を発することで光演出を行うことが可能な盤面ランプ5や枠ランプ66(電飾部材)のことを「光演出手段」ともいう。なお、これら盤面ランプ5等以外にも、例えば、演出ボタン63や発射ハンドル60が、装飾部材13と同様にLED等の電飾部材を内蔵しており、電飾部材の作用により遊技の状況に応じて点灯・点滅等する場合、これら演出ボタン63や発射ハンドル60も「光演出手段」といえる。
【0055】
また、上記の「演出保留表示手段」、「変動中演出保留表示手段」、「表示演出手段」、「第1可動演出手段」、「第2可動演出手段」、「音演出手段」および「光演出手段」を総じて「演出手段」ともいう。
【0056】
遊技領域3における画像表示装置7の下方(ステージ部11の下方)には、遊技球の入球し易さ(入球可能性)が変化しない非可変式の第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると、第1特別図柄に係る当否判定(「第1特別図柄当否判定」ともいう。)が実行されると共に第1特別図柄が変動表示され、第1特別図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。つまり、第1特別図柄の変動表示(第1特別図柄当否判定)は、第1始動口20への遊技球の入球に基づいて実行される。
【0057】
第1始動口20の下方には、遊技球の入球し易さ(入球可能性)が変化する可変式の第2始動口21を備える可変入賞装置22(「可変式始動口」ともいう)が設けられている。第2始動口21への遊技球の入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると、第2特別図柄の当否判定(「第2特別図柄当否判定」ともいう。)が実行されると共に第2特別図柄が変動表示され、第2特別図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。つまり、第2特別図柄の変動表示(第2特別図柄当否判定)は、第2始動口21への遊技球の入球に基づいて実行される。
【0058】
なお、第1始動口20のことを「第1判定入球口」ともいい、第2始動口21のことを「第2判定入球口」ともいう。また、第1特別図柄当否判定のことを「第1判定」ともいい、第2特別図柄当否判定のことを「第2判定」ともいう。さらに、特別図柄当否判定の結果が「大当り」であることに基づいて行われる特別図柄の変動表示や演出図柄の変動表示のことを「大当り変動」や「特定変動」ともいい、特別図柄当否判定の結果が「外れ」であることに基づいて行われる特別図柄の変動表示や演出図柄の変動表示のことを「外れ変動」や「非特定変動」ともいう。
【0059】
可変入賞装置22は可動部材23を備え、可動部材23の動作によって第2始動口21を開閉するものである。この開閉動作によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状態)から当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)へと変化可能である。つまり、可動部材23は、所定の動作(開閉動作)を行うことで、第2始動口21への遊技球の入球可能性を変化させるものである。可動部材23は、第2始動口ソレノイド24(
図5参照)により駆動される。本実施例では、第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能とされ、可動部材23が閉状態にあるときには遊技球が入球不能となっている。なお、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能となるものでなくてもよい。
【0060】
遊技領域3における第1始動口20の右方には、大入賞口30を備えた大入賞装置31が設けられている。大入賞装置31は、開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、大入賞口ソレノイド33(
図5参照)により駆動される。大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、大入賞口30(大入賞装置31)は、開閉部材32の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
【0061】
なお、大入賞口30のことを「可変入球口」又は「特別入球口」ともいい、大入賞装置31のことを「可変入球装置」又は「特別入球装置」ともいい、大入賞口30又は大入賞装置31のことを「アタッカー」ともいう。
【0062】
遊技領域3のうち右側領域には、遊技球が通過可能なゲート28(遊技球通過口)が設けられている。ゲート28への遊技球の通過に基づいて、普通図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると、第2始動口21を開状態とするか否かを判定する普通図柄当否判定が実行されると共に普通図柄が変動表示され、普通図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。当り普通図柄が停止表示すると、第2始動口21は開状態となる。
【0063】
また、遊技領域3の下部には、複数の一般入賞口27が設けられている。本実施例では、一般入賞口27として、第1始動口20の左方に設けられた左一般入賞口と、大入賞口30の右方に設けられた右一般入賞口とを備えている。
【0064】
第1始動口20、第2始動口21、大入賞口30および一般入賞口27は、それぞれ賞球の払い出し契機となる入球口であり、各入球口に遊技球が入球した場合には、夫々の入球口において予め定められた数の遊技球(賞球)が払い出される。具体的には、第1始動口20の賞球数は「5」、第2始動口21の賞球数は「3」、大入賞口30の賞球数は「15」、一般入賞口27の賞球数は「10」としている。
【0065】
このように複数の入球口(第1始動口20、第2始動口21、大入賞口30、一般入賞口27及びゲート28)等が設けられた遊技領域3は、左右方向の中央(センター装飾体10)より左側の左遊技領域(第1領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2領域)3Bと、に分けることができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射することを「左打ち」ともいい、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射することを「右打ち」ともいう。
【0066】
遊技領域3に設けられた複数の入球口のうち、第1始動口20および左一般入賞口27は、遊技領域3のうち左遊技領域3Aを流下する遊技球が入球可能となるように設けられており、第2始動口21、大入賞口30、右一般入賞口27およびゲート28は、遊技領域3のうち右遊技領域3Bを流下する遊技球が入球可能となるように設けられている。
【0067】
本パチンコ遊技機1では、遊技開始の際には、原則、左打ちにより第1始動口20への入球を狙う。一方、第1始動口20への入球に基づく当否判定で大当りとなり遊技状態が特別遊技状態等に変化した際には、原則、右打ちによりゲート28、第2始動口21、大入賞口30への入球を狙うこととなる。
【0068】
また、
図3に示すように、遊技盤2の右下部には主表示器40が配置されている。
図4に示すように、主表示器40には、第1特別図柄を変動表示および停止表示する第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)と、第2特別図柄を変動表示および停止表示する第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)と、普通図柄を変動表示および停止表示する普通図柄表示器42(普通図柄表示部)と、が含まれている。
【0069】
また主表示器40には、第1特別図柄に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43aと、第2特別図柄に係る当否判定情報(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43bと、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44と、が含まれている。
【0070】
さらに主表示器40には、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が当りになったことを示す当り表示器48と、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が大当りになった場合に実行される大当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45と、確率変動機能が作動することを示す遊技状態表示器46と、遊技球の発射方向、すなわち右打ちを行うべき状態(例えば後述の高ベース状態)か左打ちを行うべき状態(例えば後述の低ベース状態)かを示す発射方向表示器47と、が含まれている。主表示器40に含まれるこれらの各種表示器は、後述の主制御部によって表示制御される。
【0071】
なお、第1特別図柄表示器41a及び第2特別図柄表示器41bの何れか一方又は両方を指して「特別図柄表示部」ともいい、第1特図保留表示器43a及び第2特図保留表示器43bの何れか一方又は両方を指して「特図保留表示部」ともいう。
【0072】
特別図柄表示部(変動表示手段)では、特別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後に停止表示し、この停止表示した特別図柄(停止図柄)によって、第1始動口20または第2始動口21への入球に基づく抽選(特別図柄当否判定、大当り抽選)の結果を報知する。つまり、特別図柄が停止表示(確定停止表示)することにより、特別図柄の変動表示の表示結果が導出(導出表示)される。
【0073】
変動表示後に停止表示(導出表示)される特別図柄は、特別図柄当否判定によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当り図柄である場合、すなわち、特別図柄の停止表示の態様(特別図柄の変動表示の表示結果)が大当りを示す特定態様(特定表示結果)である場合には、停止表示された大当り図柄の種類に応じた開放パターンにて大入賞口30を開放させる大当り遊技(特別遊技)が行われる。大当り遊技における大入賞口の開放パターンについては後述する。
【0074】
特別図柄の停止表示は、所定の停止表示時間(確定表示時間)が経過するまで行われる。そして、停止表示された特別図柄が外れ図柄(外れ態様、非特定態様)であって、当該停止表示の際に特図保留が記憶されている場合には、停止表示時間が経過すると、記憶順の最も古い(最先の)特図保留が消化され、これにより次の特別図柄の変動表示が開始される。また、停止表示された特別図柄が外れ図柄であって、当該停止表示の際に特図保留が記憶されていない場合には、停止表示時間が経過した後も、特別図柄の停止表示状態が維持される。一方、停止表示された特別図柄が大当り図柄(大当り態様、特定態様)である場合には、停止表示時間が経過すると、後述する大当り遊技のオープニング期間に移行し、当該オープニング期間を経て大当り遊技の1ラウンド目が開始される。なお、特別図柄の停止表示時間は「0.5秒~1.0秒」とされるのが一般的で、本実施例では「0.6秒」としている。
【0075】
図4に示すように、第1特別図柄表示器41aは、「i~p」で示す8個のLEDで構成されており、第1特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第1特別図柄当否判定の結果として「16R第1大当り」、「6R第2大当り」及び「6R第3大当り」の3種類の大当りが設けられており(
図8を参照)、第1特別図柄表示器41aのLEDは、それら3種類の大当りの各々に応じた表示態様(特定態様、特定表示結果)を採ることが可能となっている。
【0076】
例えば、第1特別図柄当否判定の結果が16R第1大当りとなった場合には「ijn」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(16R第1大当り図柄)、6R第2大当りとなった場合には「ino」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(6R第2大当り図柄)、6R第3大当りとなった場合には「inp」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(6R第3大当り図柄)。また、外れとなった場合には「lo」の2個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(外れ図柄)。
【0077】
また、第2特別図柄表示器41bは、「a~h」で示す8個のLEDで構成されており、第2特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第2特別図柄当否判定の結果として「16R第4大当り」及び「16R第5大当り」の2種類の大当りが設けられており(
図8を参照)、第2特別図柄表示器41bのLEDは、それら2種類の大当りの各々に応じた表示態様(特定態様、特定表示結果)を採ることが可能となっている。
【0078】
例えば、第2特別図柄当否判定の結果が16R第4大当りとなった場合には「abd」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(16R第4大当り図柄)、16R第5大当りとなった場合には「abg」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(16R第5大当り図柄)。また、外れとなった場合には、「eh」の2個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(外れ図柄)。
【0079】
なお、特別図柄の停止表示態様(停止図柄)や大当りの種類(ラウンド数の種類、大当りの数など)は、これらに限定されるものではなく、任意に設定することができる。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば、予め定められた順序で光が左から右へ繰り返し流れるように各LEDを点灯させる態様とすることができる。
【0080】
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球があると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう。)を取得し、取得した各種情報(取得情報)は、主制御部のRAMに形成される特図保留記憶部(図示せず)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入球であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部(図示せず)に記憶され、第2始動口21への入球であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部(図示せず)に記憶される。各々の特図保留記憶部に記憶可能な特図保留(取得情報)の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値はそれぞれ「4」となっている。このため、各特図保留記憶部には、始動口への入球に基づき取得される取得情報を、取得順に最大4個まで記憶しておくことが可能となっている。これら第1特図保留記憶部および第2特図保留記憶部を、夫々「第1取得情報記憶手段」および「第2取得情報記憶手段」ともいい、総じて「取得情報記憶手段」ともいう。
【0081】
特図保留記憶部に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示がその入球に応じて直ちに実行できない場合、すなわち特別図柄の変動表示の実行中や特別遊技の実行中である場合であっても、その入球に対する特別図柄当否判定の権利を、所定個数(本実施例では「4」)を上限として、留保することが可能となっている。
【0082】
特図保留記憶部に記憶された特図保留の数は、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bに表示される。具体的には、第1特図保留表示器43aは「uv」の2個のLEDで構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図保留の数を表示するものとなっている。例えば、保留数が「0」の場合は「u□v□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「u□v●」というように「u」のLEDを消灯し「v」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「2」の場合は「u●v□」というように「u」のLEDを赤色で点灯させ「v」のLEDを消灯する表示態様とし、保留数が「3」の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「4(上限数)」の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させ表示態様とすることができる。
【0083】
また、第2特図保留表示器43bは「wx」の2個のLEDで構成されており、第2特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第2特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「w□x□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数「1」~「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
【0084】
普通図柄の変動表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を所定時間変動表示した後に停止表示し、停止表示された普通図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
【0085】
具体的には、
図4に示すように、普通図柄表示器42は「st」の2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、判定結果が当りである場合には、「s■t■」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように両LEDが点灯した当り普通図柄を停止表示する。また判定結果が外れである場合には、「s□t■」というように「t」のLEDのみが点灯した態様の外れ普通図柄を表示する。なお、外れ普通図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が実行されるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す態様である。
【0086】
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に基づいて普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(取得情報)を取得し、取得した各種情報は主制御部のRAMに形成される普図保留記憶部(図示せず)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部に記憶可能な普図保留の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値は「4」となっている。普図保留記憶部に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示がその通過に応じて直ちに実行できない場合、すなわち普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中である場合であっても、その通過に対する普通図柄当否判定の権利を、所定個数(本実施例では「4」)を上限として留保することが可能となっている。
【0087】
普図保留記憶部に記憶された普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には、普図保留表示器44は「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「q□r●」というように「q」のLEDを消灯し「r」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数「2」~「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
【0088】
ここで、盤面ランプ5、画像表示装置7、センター装飾体10、可動装飾部材13,14(可動役物)、固定入賞装置19(第1始動口20)、可変入賞装置22(第2始動口21)、ゲート28、大入賞装置31(大入賞口30)等、遊技盤側に設けられる各種遊技部品のことを「盤部品」や「盤側部品」ともいう。また、発射ハンドル60、演出ボタン63、枠ランプ66、スピーカ67、さらには後述する各種制御基板類(基板ケース含む)や払出装置(払出モータ)等、枠側(前面枠51や本体枠52)に設けられる各種遊技部品のことを「枠部品」や「枠側部品」ともいう。なお、画像表示装置7が本体枠2に設けられる(組み付けられる)構成の場合、画像表示装置7を枠部品(枠側部品)として捉えることも可能である。
【0089】
次に、
図2及び
図5に基づいて、本パチンコ遊技機1の電気的な構成を説明する。本実施例のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定、遊技状態の移行等、遊技進行や遊技利益に関する制御を行う主制御基板80(「主制御部」又は「遊技制御部」ともいう。)と、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う副制御基板90(「サブ制御部」又は「演出制御部」ともいう。)と、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110(「払出制御部」ともいう。)と、画像表示装置7、演出表示器102、演出第1特図保留表示器103a及び演出第2特図保留表示器103b等の表示制御を行う画像制御基板100(「画像制御部」ともいう。)と、を備えている。
【0090】
図2に示すように、パチンコ遊技機1の後面側(裏面側)の略中央部には主制御基板80を収納した主制御基板収納ケースが設けられ、この主制御基板ケースの上方には、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び画像制御基板100を収納した画像制御基板等収納ケースが設けられ、その画像制御基板等収納ケース上には副制御基板90を収納した副制御基板収納ケースが設けられている。また、主制御基板ケースの下方左側には、払出制御基板を収納する払出制御基板ケースが設けられ、その右側には、電源基板109を収納する電源基板ケースが設けられている。
【0091】
主制御基板80には、所定のプログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(「遊技制御用マイコン」ともいう。)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。
【0092】
遊技制御用マイコン81は、入出力回路87(I/Oポート部)を介して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。遊技制御用マイコン81のRAMには、前述した特図保留記憶部(第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部)と普図保留記憶部とが設けられている。また、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)のRAM(主制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
【0093】
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的には、遊技球を検知可能なセンサ類として、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、大入賞口センサ30aおよび一般入賞口センサ27aが接続されている。これら各種センサのことを「検知センサ」や「検知手段」ともいう。
【0094】
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した遊技球を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入球した遊技球を検知するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検知するものである。大入賞口センサ30aは、大入賞口30内に設けられて大入賞口30に入球した遊技球を検知するものである。一般入賞口センサ27aは、各一般入賞口27内にそれぞれ設けられて一般入賞口27に入球した遊技球を検知するものである。
【0095】
また、ソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24および大入賞口ソレノイド33が接続されている。これら各種ソレノイドを「駆動手段」ともいう。第2始動口ソレノイド24は、可変入賞装置22の可動部材23を駆動するためのものである。大入賞口ソレノイド33は、大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。
【0096】
さらに、主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、ラウンド表示器45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47および当り表示器48が接続されている。すなわち、これらの主表示器40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
【0097】
また、主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球や貸球を払い出す払出装置120、及びカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等に記憶されている情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御基板111(「発射制御部」ともいう)を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、発射ハンドル60(
図1を参照)が含まれる。
【0098】
払出制御基板110は、所定のプログラムに従って遊技球の払い出しを制御する払出制御用ワンチップマイコン(「払出制御用マイコン」ともいう。)116が実装されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。
【0099】
払出制御用マイコン116は、入出力回路117を介し、遊技制御用マイコン81からの信号やパチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため払出センサ122、123により検知される。
【0100】
遊技者による発射装置112の発射ハンドル60の操作があった場合には、タッチスイッチ114が発射ハンドル60への遊技者の接触を検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御される。本実施例では、発射モータ113の駆動により発射装置112が連続して発射可能な遊技球の数は1分間で約100個となっている。
【0101】
また、主制御基板80は、副制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80と副制御基板90との接続は、主制御基板80から副制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80と副制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0102】
図5に示すように、副制御基板90には、所定のプログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(「演出制御用マイコン」ともいう。)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。
【0103】
演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路95は演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよく、ROMは外付けであってもよい。また、副制御基板90(演出制御用マイコン91)のRAM(演出制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
【0104】
副制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。なお、副制御基板90(サブ制御部)や画像制御基板100(画像制御部)、音声制御基板106(音声制御部)、ランプ制御基板107(ランプ制御部)は、遊技の状況に応じて表示演出や音演出、ランプ演出(光演出)等の各種演出を、対応する演出用の装置や部材等(演出手段)に実行させる演出実行手段として機能するものである。また、識別情報(特別図柄や演出図柄)の変動表示に関する情報を示唆する種々の予告演出(「示唆演出」ともいう。)を、対応する演出用の装置や部材等(演出手段)に実行させる予告演出実行手段としても機能する。
【0105】
ここで、予告演出とは、例えば、変動表示の表示結果が特定表示結果(大当り)となる可能性(信頼度、期待度)やリーチ演出の実行有無(実行可能性)等、変動表示の表示結果や当該表示結果の導出表示に至るまでの過程に関する情報を事前に示唆する演出のことをいう。
【0106】
予告演出は、大別すると、特図保留の事前判定結果に基づく特図保留に関する予告演出と、実行中の変動表示(変動演出)に関する予告演出に分けられ、そのうち前者の予告演出のことを「保留先読み予告」又は「保留先読み演出」ともいい、後者の予告演出のことを「当該変動予告」又は「当該先読み演出」ともいう。また、保留先読み予告(保留先読み演出)及び当該変動予告(当該先読み演出)の何れか一方又は両方を指して「先読み演出」ともいう。なお、当該変動予告も特図保留の事前判定結果に基づいて行うことが可能である。
【0107】
副制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン(「画像制御用マイコン」ともいう。)101のCPUに、画像表示装置7、演出表示器102、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2保留表示器103bの表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAMは、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROMには、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御用マイコン101は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROMから画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
【0108】
演出表示器102は、2個のLEDからなり、演出図柄8の変動表示および停止表示に合わせて変動表示および停止表示を行い、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出図柄8の表示結果(特別図柄当否判定の結果)を示す表示態様で停止表示する。また、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2保留表示器103bも同様に2個のLEDからなる。そして、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出第1特図保留表示器103aは第1演出保留表示領域9cに表示される保留個数および第1特図保留表示器43aで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。また、演出第2特図保留表示器103bは第2演出保留表示領域9dに表示される保留個数および第2特図保留表示器43bで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。
【0109】
この様な演出表示器102や保留表示器103a,103bが設けられているのは、表示画面7a(演出図柄表示部)の略全体にキャラクタ図柄を表示したり、可動装飾部材を動作させて表示画面7aの演出図柄表示領域7b(演出図柄表示部)の一部または略全体を被覆したりすることで、演出図柄8や第1演出保留9a、第2演出保留9b等、表示画面7aに表示される各種画像の一部又は全部が視認できない状態になることがあり得るからである。なお、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101の他、VDP(Video Display Processor)を設けてもよい。
【0110】
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音データは、副制御基板90のROMに格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御用マイコン101に音声制御を実行させてもよい。この場合、画像制御基板100のROMに音データを格納してもよい。
【0111】
さらに、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を、ROMに格納されているデータから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプ(LED)の点灯制御を行う。
【0112】
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された第1可動装飾部材13や第2可動装飾部材14を動作させる。前述したように、第1可動装飾部材13および第2可動装飾部材14は、何れもセンター装飾体10の周辺に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。演出制御用マイコン91は、第1可動演出の実行に際し、第1可動装飾部材13を所定の動作態様で動作させるための第1動作パターンデータ(「第1駆動データ」ともいう)を、副制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した第1動作パターンデータに基づいて第1可動装飾部材13の動作を制御する。また、演出制御用マイコン91は、第2可動演出の実行に際し、第2可動装飾部材14を所定の動作態様で動作させるための第2動作パターンデータ(「第2駆動データ」ともいう)を、副制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した第2動作パターンデータに基づいて第2可動装飾部材14の動作を制御する。
【0113】
なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動装飾部材の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
【0114】
ここで、第1可動装飾部材13や第2可動装飾部材14の動作は、ステッピングモータ等の電気的駆動源を含む駆動機構(図示せず)により行われる。したがって、前述の第1動作パターンデータ(第1駆動データ)や第2動作パターンデータ(第2駆動データ)は、それら電気的駆動源を駆動させるための駆動パターンともいえる。また、第1可動装飾部材13を動作させる駆動機構(図示せず)を含めて「第1可動演出手段」ということができ、同様に、第2可動装飾部材14を動作させる駆動機構(図示せず)を含めて「第2可動演出手段」ということができる。なお、第1可動装飾部材13の動作には、待機位置と動作位置との間の移動だけでなく、動作位置での回転動作や複数のLED(電飾)の発光動作も含まれる。したがって、第1動作パターンデータ(第1駆動データ)には、第1可動装飾部材13の移動の他、回転動作や発光動作に係るパターンデータも含まれる。
【0115】
また、副制御基板90には、第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63b(
図1を参照)が操作(押す、回転、引く等)されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ63c及び第2演出ボタン検知スイッチ63dが接続されている。従って、第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63bに対して遊技者が所定の入力操作を行うと、対応する演出ボタン検知スイッチからの信号(検知信号)が副制御基板90に入力される。なお、第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dを総称して単に「演出ボタン検知スイッチ」ともいう。
【0116】
次に、第1始動口20又は第2始動口21への入球(第1始動口センサ20a又は第2始動口センサ21aによる遊技球検知)に基づく判定に関連する事項について説明する。本実施例では、特別図柄当否判定の結果として「大当り」と「外れ」がある。「大当り」のときには特別図柄表示部41に「大当り図柄」が停止表示され、「外れ」のときには特別図柄表示部41に「外れ図柄」が停止表示される。
【0117】
特別図柄当否判定の結果が大当りである場合、当該当否判定の結果(大当り)に基づいて変動表示後に停止表示された特別図柄の種類(大当り種別)に応じた開放パターンで大入賞口30を開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行される特別遊技を「大当り遊技」ともいう。大当り遊技(特別遊技)は、大入賞口30への遊技球の入球によって多量の賞球を得ることが可能な遊技者とって有利な遊技であり、当該大当り遊技が行われる遊技状態を「特別遊技状態」ともいう。
【0118】
本実施例の大当りには複数の種別がある。具体的には、
図6に示すように、大当りとして「16R(ラウンド)第1大当り」、「6R第2大当り」、「6R第3大当り」、「16R第4大当り」及び「16R第5大当り」の計5種類を設けている。これらの大当りのうち、「16R第1大当り」、「6R第2大当り」及び「6R第3大当り」は第1特別図柄に係る大当りであり、「16R第4大当り」及び「16R第5大当り」は第2特別図柄に係る大当りである。特別図柄表示部41には、これらの大当り種別に応じた大当り図柄が停止表示される。
【0119】
具体的には、「16R第1大当り」、「16R第4大当り」及び「16R第5大当り」は、何れも、ラウンド数が「16」、1ラウンドでの大入賞口30の開放回数が「1回」、1ラウンドでの大入賞口30の開放時間が「25秒」の大当りである。
【0120】
また、「6R第2大当り」及び「6R第3大当り」は、何れも、ラウンド数が「6」、1ラウンドでの大入賞口30の開放回数が「1回」、1ラウンドでの大入賞口30の開放時間が「25秒」の大当りである。
【0121】
何れの大当りについても、大入賞口30が開放して、その開放時間が経過する前に予め定められた数(以下「規定数」ともいう。)の遊技球が大入賞口30に入球すると、開放時間が経過していなくても、規定数の入球があった時点で、大入賞口30は閉鎖する。本実施例では、その規定数が「10個」となっている。
【0122】
なお、大当り遊技を構成するラウンドのことを、単に「R」ともいい、「ラウンド遊技」ともいう。また、6R第2大当り及び6R第3大当りのことを総じて「6R大当り」ともいい、16R第1大当り、16R第4大当り及び16R第5大当りのことを総じて「16R大当り」ともいう。さらに、6R大当りに係る大当り遊技(6R大当り遊技)のことを「第1特別遊技」ともいい、16R大当りに係る大当り遊技(16R大当り遊技)のことを「第2特別遊技」ともいう。
【0123】
本実施例のパチンコ遊技機1では、発生(当選)した大当りの種別に応じて、その大当り遊技の終了後の遊技状態(特別遊技後の遊技状態)を、後述の高確率状態や時短状態、高ベース状態等に移行させる。すなわち、特別図柄当否判定の結果が大当りで、その大当りの種別が前述の16R第1大当り、6R第2大当り及び16R第4大当りの何れかとなった場合には、大当り遊技終了後の遊技状態を後述の「高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」とする。これに対して、特別図柄当否判定の結果が大当りで、その大当りの種別が前述の6R第3大当り及び16R第5大当りの何れかとなった場合には、大当り遊技終了後の遊技状態を後述の「低確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」とする。このことから、16R第1大当り、6R第2大当り及び16R第4大当りは「確変大当り」として捉えることができ、6R第3大当り及び16R第5大当りは「非確変大当り」(「通常大当り」または「時短大当り」ともいう。)として捉えることができる。
【0124】
第1特別図柄(特
図1)の当否判定にて大当りとなった場合における各大当りへの振分確率は、16R第1大当りが5%、6R第2大当りが50%、6R第3大当りが45%となっている。これに対して、第2特別図柄(特
図2)の当否判定にて大当りとなった場合における各大当りへの振分確率は、16R第4大当りが55%、16R第5大当りが45%となっている。すなわち、第2始動口21への入球に基づく当否判定(特
図2当否判定)により大当りとなった場合には、16R大当りの出現率(振分確率)が100%となっており、第1始動口20への入球に基づく当否判定(特
図1当否判定)により大当りとなった場合に比べ、16R大当りの出現率(振分確率)が高くなっている。
【0125】
このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入球して行われる当否判定(特
図1当否判定)において大当りとなるよりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる当否判定(特
図2当否判定)において大当りとなる方が、遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように設定されている。このため、遊技者は、第2始動口21への入球を期待して遊技を行う。特に第2始動口21への入球頻度が高まる後述の開放延長機能の作動中(高ベース状態の発生中)においては顕著である。
【0126】
本実施例では、大当りであるか外れであるかの判定は特別図柄当否判定用乱数(「当否判定用情報」ともいう。)に基づいて行われ、大当りとなった場合の大当りの種別の判定は大当り種別決定用乱数(「図柄決定用乱数」又は「図柄決定用情報」ともいう。)に基づいて行われる。
図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は「0~629」までの範囲で値をとり、大当り種別決定用乱数は「0~99」までの範囲で値をとる。
【0127】
また、第1始動口20や第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱数および大当り種別決定用乱数の他に変動パターン乱数(「変動パターン情報」ともいう。)がある。変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数であり、「0~198」までの範囲で値をとる。
【0128】
また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、
図7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄抽選)のための乱数であり、「0~240」までの範囲で値をとる。
【0129】
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。本パチンコ遊技機1は、特別図柄および普通図柄に対する確率変動機能、変動時間短縮機能および開放延長機能の各機能が作動状態または非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態を有している。特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」や「確変状態」といい、作動していない状態を「低確率状態」や「通常状態」という。また、「低確率状態(通常状態)」のことを「第1遊技状態」ともいい、「高確率状態」のことを「第2遊技状態」ともいう。
【0130】
高確率状態では、特別図柄当否判定において大当りと判定される確率(大当り確率、特定表示結果が導出される確率)が通常状態よりも高くなっている。すなわち、通常状態では、大当り確率が所定確率(本実施例では1/315)とされた通常状態用の大当り判定テーブルを用いて当否判定を行い、高確率状態では、大当り確率が所定確率よりも高い確率(本実施例では1/63)とされた高確率状態用の大当り判定テーブルを用いて当否判定を行う(
図8(A)を参照)。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の変動表示の表示結果として特定表示結果が導出される確率(停止図柄が大当り図柄となる確率)が高くなる。なお、確率変動機能の作動・非作動の制御は、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)によって行われる。したがって、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)は、特別図柄当否判定の当選確率(大当り確率)を低確率(第1確率)または高確率(第2確率)に設定可能な確率設定手段として機能するものである。
【0131】
また、特別図柄について変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」や「短縮変動状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」や「通常変動状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始時から確定表示時までの時間)の平均値が、非時短状態における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなっている。すなわち、時短状態においては、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(
図9を参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入球(特図保留として記憶され得る入球)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当りを狙うことができる。なお、変動時間短縮機能の作動・非作動の制御は、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)によって行われる。したがって、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)は、特別図柄の変動時間が通常よりも短くなる短縮変動状態を設定可能な短縮変動状態設定手段として機能するものである。
【0132】
特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)についての確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の時短状態において作動し、非時短状態において作動しないものとなっている。このため、時短状態では、普通図柄当否判定における当り確率が非時短状態よりも高くなる。具体的に、時短状態では、当りと判定される普通図柄乱数(当り乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当り判定テーブルよりも多い普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否判定(普通図柄の判定)を行う(
図8(C)を参照)。
【0133】
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本実施例では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(
図8(D)を参照)。さらに時短状態では、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放時間延長機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。加えて時短状態では、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。
【0134】
具体的には、非時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の可動部材23が0.2秒の開放動作を1回行い、時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の可動部材23が2.0秒の開放動作を3回行うものとなっている。
【0135】
普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能及び開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、第2始動口21が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球の入球頻度が高くなる(「高頻度状態」ともいう)。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態(高頻度状態)では、手持ちの遊技球(持ち球)を大きく減らすことなく大当りを狙うことができる。
【0136】
なお、高ベース状態は、上記した全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能及び開放回数増加機能のうち少なくとも一つの機能の作動によって、その機能が作動していないときに比べ第2始動口21が開放され易く(入球頻度が高く)なっていればよい。また、高ベース状態は、特別図柄の時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。この様な高ベース状態を発生させる機能を「高ベース発生機能」ということもできる。
【0137】
本実施例のパチンコ遊技機1では、前述したように、16R第1大当り、6R第2大当り及び16R第4大当りの何れかの何れかになった場合の大当り遊技後(特別遊技後)の遊技状態は、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(
図6を参照)。この遊技状態のことを「高確高ベース状態」ともいう。
【0138】
高確高ベース状態は、予め定められた回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。この高確高ベース状態は、遊技者にとってはいわゆる「確変遊技状態」となる。以下、高確高ベース状態のことを単に「確変遊技状態」ともいう。
【0139】
また、6R第3大当り及び16R第5大当りの何れかになった場合の大当り遊技後(特別遊技後)の遊技状態は、特別図柄の通常状態(低確率状態)になるとともに、特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(
図6を参照)。この遊技状態のことを「低確高ベース状態」ともいう。
【0140】
低確高ベース状態は、所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りに当選してその大当り遊技が実行されることにより終了する。この低確高ベース状態は、遊技者にとってはいわゆる「時短遊技状態」となる。以下、低確高ベース状態のことを「時短遊技状態」ともいう。
【0141】
低確高ベース状態や高確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。高ベース状態では、低ベース状態と比べて第2始動口21が開放されやすくなっており、第1始動口20への入球よりも第2始動口21への入球の方が容易となっている(第1始動口よりも第2始動口の方が遊技球の入球可能性が高くなる)からである。このため、普通図柄当否判定の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行う。これにより、左打ちを行う場合に比べ、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御され、右遊技領域3Bを狙って遊技球を発射すべきことを報知する(右打ち指示報知)。なお、高ベース状態のことを「右打ち遊技状態」ともいう。
【0142】
これに対して、低ベース状態(例えば低確低ベース状態)では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。低ベース状態では、高ベース状態と比べて第2始動口21が開放されにくく、第2始動口21への入球よりも第1始動口20への入球の方が容易となっている(第2始動口よりも第1始動口の方が遊技球の入球可能性が高くなる)からである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入球させるべく左打ちを行う。これにより、右打ちを行う場合に比べ、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域3Aを狙って遊技球を発射すべきことを報知する(左打ち指示報知)。なお、低ベース状態のことを「左打ち遊技状態」ともいう。
【0143】
ここで、発射方向表示器47は「yz」の2個のLEDで構成されており、遊技状態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すものである。例えば、低ベース状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とすることで、遊技球を左遊技領域3Aに向けて発射すべきことを報知することができる。また、高ベース状態では、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを点灯する表示態様とすることで、遊技球を右遊技領域3Bに向けて発射すべきことを報知することができる。
【0144】
また、本実施例では、遊技領域3のうち左遊技領域3Aと右遊技領域3Bの何れに向けて遊技球を発射するかを指示する発射指示報知を、発射方向表示器47におけるLEDの表示態様だけでなく、画像表示装置7(表示画面7a)における発射指示画像(図示せず)の表示によっても行うこととしている。
【0145】
一般に、遊技者にしてみれば、発射方向表示器47に比べ画像表示装置7(表示画面7a)の方が、表示内容を視認しやすく把握(理解)しやすいといえる。したがって、遊技者は、一般的には、画像表示装置7(表示画面7a)に表示される発射指示画像を見て、「左打ち」と「右打ち」の何れを行うべきなのか、つまり、現在の遊技状態が左打ちを行う「左打ち遊技状態」なのか、右打ちを行う「右打ち遊技状態」なのかを把握する。発射指示画像は、例えば、遊技状態に応じた適切な発射方法(発射方向)を指示するメッセージや矢印(左矢印、右矢印)等を含む画像とすることができる。
【0146】
以上のように、本実施例のパチンコ遊技機1では、確率変動機能及び変動時間短縮機能が作動していない「低確低ベース状態」を基準とすると、この低確低ベース状態を「通常遊技状態」又は「通常状態」として捉えることができ、当該状態にて特別図柄を変動表示させる遊技を「通常遊技」として捉えることができる。そして、低確低ベース状態(通常遊技状態)よりも遊技者にとって有利な遊技状態(特定遊技状態)として「低確高ベース状態」や「高確高ベース状態」が設定可能とされている。
【0147】
また、大当り遊技は、特別図柄を変動表示させて大当り図柄が停止表示されることで実行され得る遊技であって、遊技者にとっては大入賞口への遊技球の入球により多量の賞球を得ることが可能な有利な遊技であることから、大当り遊技を「特別遊技」として捉えることができ、当該大当り遊技が行われる遊技状態(大当り遊技状態)を「特別遊技状態」として捉えることができる。
【0148】
また、低確低ベース状態(通常遊技状態)及び低確高ベース状態(時短遊技状態、電サポ遊技状態)は「第1遊技状態」に属する遊技状態であり、低確低ベース状態及び低確高ベース状態よりも遊技者にとって有利な高確高ベース状態(確変遊技状態)は「第2遊技状態」に属する遊技状態である。但し、低確高ベース状態は、低確低ベース状態よりも遊技者にとって遊技な遊技状態であることから、低確低ベース状態を「第1遊技状態」に属する遊技状態として捉え、低確高ベース状態を「第2遊技状態」に属する遊技状態として捉えることもできる。つまり、低ベース状態を「第1遊技状態」とし、高ベース状態を「第2遊技状態」としてもよい。
【0149】
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、遊技状態として「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、「高確高ベース状態」の3つの遊技状態を設定可能としているが、これに加え、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の非時短状態かつ低ベース状態、すなわち「高確低ベース状態」を設定可能としてもよい。
【0150】
[主制御メイン処理]
次に、
図10~
図36に基づいて遊技制御用マイコン81の動作(主制御部80による制御処理)について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ、タイマ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。
【0151】
主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、主制御基板80のROMから
図10に示す主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず、初期設定を行う(S101)。初期設定では、例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。初期設定(S101)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0152】
初期設定(S101)に次いで、割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、
図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は、主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
【0153】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S104)。割り込み許可中は、割り込み処理(S105)の実行が可能となる。この割り込み処理(S105)は、例えば4ms周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り込み処理(S105)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始されず、割り込み許可(S104)がされてから開始される。
【0154】
[割り込み処理]
次に、割り込み処理(S105)について説明する。
図11に示すように、割り込み処理(S105)では、まず、出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、副制御基板90や払出制御基板110等に出力する。出力するコマンド等には、遊技状態、特別図柄当否判定の結果、大当り種別としての図柄、変動パターン、各種入球口(始動口、大入賞口等)への遊技球の入球、ラウンド遊技の進行等に関する種々の情報が含まれる。なお、コマンドは、例えば2バイトの情報からなる。この場合、上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
【0155】
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、大入賞口センサ30a等、
図5を参照)が検知した検知信号を読み込み、賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する。また、大入賞口センサ30aが遊技球を検知した場合、大入賞口入球コマンドをRAMの出力バッファに記憶する。さらに、下皿62の満杯を検知する下皿満杯検知センサ(図示せず)からの検知信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAMの出力バッファに記憶する。
【0156】
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、
図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同じである。即ち、
図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
【0157】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処理(S204)、始動入球時処理(S205)、普図動作処理(S206)、特図動作処理(S207)、保留球数処理(S208)および電源断監視処理(S209)を実行する。その後、本発明に深く関連しないその他の処理(S210)を実行して、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80のCPUに割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のS102~S104の処理が繰り返し実行され(
図10を参照)、割り込みパルスが入力されると(約4ms後)、再び割り込み処理(S105)が実行される。再び実行された割り込み処理(S105)の出力処理(S201)においては、前回の割り込み処理(S105)にてRAMの出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
【0158】
[始動口センサ検知処理]
図12に示すように、始動口センサ検知処理(S204)では、まず、遊技球がゲート28を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S301)。遊技球がゲート28を通過していなければ(S301でNO)、S305の処理に移行し、ゲート28を遊技球が通過していれば(S301でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4未満であるか否か判定する(S302)。
【0159】
普通図柄保留球数が4未満でなければ(S302でNO)、S305の処理に移行する。一方、普通図柄保留球数が4未満であれば(S302でYES)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行う。普通図柄乱数取得処理(S304)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H、
図7(B)を参照)を取得し、その取得乱数値(取得情報)を、主制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
【0160】
S305では、第2始動口21に遊技球が入球したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。第2始動口21に遊技球が入球していない場合(S305でNO)には、S309の処理に移行し、第2始動口21に遊技球が入球した場合には(S305でYES)、特
図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S306)。そして、特
図2保留球数が4未満でない場合(S306でNO)には、S309の処理に移行し、特
図2保留球数が4未満である場合には(S306でYES)、特
図2保留球数に1を加算する(S307)。
【0161】
続いて特
図2関係乱数取得処理(S308)を行う。特
図2関係乱数取得処理(S308)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり
図7(A)に示す乱数の値を取得し)、それら取得乱数値(取得情報)を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特
図2保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
【0162】
続いて第1始動口20に遊技球が入球したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)。第1始動口20に遊技球が入球していない場合(S309でNO)には処理を終え、第1始動口20に遊技球が入球した場合には(S309でYES)、特
図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S310)。そして、特
図1保留球数が4未満でない場合(S310でNO)には、処理を終えるが、特
図1保留球数が4未満である場合には(S310でYES)、特
図1保留球数に「1」を加算する(S311)。
【0163】
続いて特
図1関係乱数取得処理(S312)を行う。特
図1関係乱数取得処理(S312)では、特
図2関係乱数取得処理(S308)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用カウンタの値(ラベル-TRND-A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)および変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり
図7(A)に示す乱数値を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部のうち現在の特
図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
【0164】
ここで、第1始動口20や第2始動口21への遊技球の入球に基づいて取得される各種の取得乱数値(取得情報)のうち、特別図柄当否判定において大当りと判定される値のことを「特定取得情報」ともいい、特別図柄当否判定において大当りと判定されない値(本実施例では外れと判定される値)のことを「非特定取得情報」ともいう。また、高確率状態の設定契機とならない大当り(例えば6R第3大当り、16R第5大当り)やラウンド数が相対的に少ない大当り(例えば6R大当り)等、遊技者にとっての有利度合が相対的に低い大当りと判定される値のことを「第1特定取得情報」ともいい、高確率状態の設定契機とならない大当りとの比較で高確率状態の設定契機となる大当り(例えば16R第1大当り、6R第2大当り、16R第4大当り)や、ラウンド数が相対的に少ない大当りとの比較でラウンド数が相対的に多い大当り(例えば16R大当り)等、遊技者にとっての有利度合が相対的に高い大当りと判定される値のことを「第2特定取得情報」ともいう。さらに、S308及びS312の処理を実行する遊技制御用マイコン81は「取得手段」として機能するものである。
【0165】
[始動入球時処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検知処理(S204)に次いで始動入球時処理(S205)を行う。
図13に示すように、始動入球時処理(S205)では、まず、特
図2保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S315)。そして、特
図2保留球数が「1」増加したと判定した場合(S315でYES)、S316の処理に移行する。これは、第2始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS307で特
図2保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、特
図2保留球数が増加していないと判定した場合(S315でNO)、S319の処理に移行する。
【0166】
S316では、直前の始動口センサ検知処理(S204)における特
図2関係乱数取得処理(S308)で取得して第2特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出す(S316)。次いで、読み出した第2特別図柄に係る取得乱数値を判定する(S317)。S317では、読み出した取得乱数値のうち、特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(特別図柄当否判定用乱数値)については、現在の遊技状態(低確率状態か高確率状態か)に応じて大当りか外れかを判定し、当該判定の結果が大当りである場合には、さらに大当りの種別を判定する。このS317による判定は、特
図2保留についての当否判定(大当りか否かの判定)を、後述の特
図2当否判定処理(S1202)における当否判定(S1303,S1304)に先立って行う事前判定(所謂「保留先読み」)に相当するものである。
【0167】
大当りか否かの事前判定は、大当り判定テーブル(
図8(A)を参照)、すなわち、高確率状態であれば高確率状態用の大当り判定テーブル、通常状態(低確率状態)であれば通常状態用の大当り判定テーブルに基づいて、大当り判定値と一致するか否かを判定することにより行うことができる。
【0168】
本実施例では、大当りか否かの事前判定に関し、現在(始動入球時)の遊技状態(確率状態)に応じた事前判定に加え、現在の遊技状態(確率状態)とは別の本パチンコ遊技機1が制御可能な遊技状態(確率状態)に応じた事前判定を行うことも可能となっている。すなわち、現在の遊技状態が低確率状態であるときには、遊技状態が高確率状態である場合を想定した事前判定を行うことが可能となっており、現在の遊技状態が高確率状態であるときには、遊技状態が低確率状態である場合を想定した事前判定を行うことが可能となっている。
【0169】
具体的に、現在の遊技状態が通常状態(低確率状態)であれば、通常状態用の大当り判定テーブルにより大当り判定値と一致するか否かを判定するとともに、高確率状態用の大当り判定テーブルによっても大当り判定値と一致するか否かを判定し、現在の遊技状態が高確率状態であれば、高確率状態用の大当り判定テーブルにより大当り判定値と一致するか否かを判定するとともに、通常状態用の大当り判定テーブルによっても大当り判定値と一致するか否かを判定する。これにより、事前判定が行われるときの遊技状態と、その後に事前判定の対象となった取得乱数値(取得情報)に基づく特別図柄当否判定が行われるとき(すなわち、特図保留消化時)の遊技状態とが異なるとしても、それを見越した事前判定を行うことが可能となり、その結果を、事前判定結果に基づく演出(保留先読み演出)に反映することが可能となっている。
【0170】
なお、事前判定の他の態様として、変動パターン情報を判定可能な変動パターン情報判定テーブルとして、通常状態用(低確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、高確率状態用(高確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、を有するものとし、取得乱数値(特別図柄当否判定用乱数カウンタの値等)と、遊技状態に応じた変動パターン情報判定テーブルとに基づいて、事前判定の対象となった取得乱数値(取得情報)に基づく変動表示で用いられる変動パターン情報を事前に判定することも可能である。この場合、変動パターン情報に基づいて、大当りであるか否かや大当り種別、大当り信頼度の高い遊技演出が実行されるか否か等を事前に判定することができる。
【0171】
次いでS318では、S317による事前判定の結果に係る遊技情報(事前判定情報)、具体的には、特別図柄当否判定用乱数値が大当り判定値と一致するか否かを示す情報(当否情報)や、大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)を示す情報、変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報等を含むコマンドデータを、特
図2始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S318)。なお、特
図2始動入球コマンドとして、S316で読み出した特
図2取得乱数の値の一部または全部を、そのまま副制御基板に送信するようにしてもよいし、特
図2取得乱数の値はそのまま送信せず、特
図2取得乱数の値に基づいて取得した遊技情報(例えば、前述の変動パターン情報等)を送信するようにしてもよい。
【0172】
本実施例では、主制御部80から送信した特
図2始動入球コマンドをサブ制御部90で解析することで、大当りに係る情報であるか、大当り種別は何れであるか、変動パターンは何れであるか等を、サブ制御部90が識別できるものとされている。また、本実施例では、これに加えて、特
図2始動入球コマンドを解析することで、取得した特
図2取得乱数が高確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、及び低確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、を特定可能とされている。これにより、サブ制御部90は、受信した特
図2始動入球コマンドを保留(演出保留情報)として記憶し、特定のタイミングで当該演出保留情報を事前判定し、低確率状態で当否判定した場合に大当りと判定される演出保留情報が記憶されているかどうかを判定することが可能となる。
【0173】
なお、不正防止の観点から、S316で読み出した取得乱数値のうち特別図柄当否判定用乱数値を、そのままサブ制御部に送信することはせず、その他の大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)と変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報と、事前判定の結果を示す情報とを含むコマンドデータを特
図2始動入球コマンドとして生成し、これをセットすることが可能である。
【0174】
次いでS319では、前述の特
図2に係る処理と同様に、特
図1保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S319)。そして、特
図1保留球数が「1」増加したと判定した場合(S319でYES)、S320の処理に移行する。これは、第1始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS311で特
図1保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、S319で、特
図1保留球数が増加していないと判定した場合(S319でNO)、そのまま処理を終える。
【0175】
S320では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S320)、時短フラグがONである、すなわち高ベース状態であると判定した場合(S320でYES)、そのまま処理を終える。一方、S320で時短フラグがOFFである、すなわち低ベース状態であると判定した場合(S320でNO)、S321以降の事前判定に係る処理に進む。
【0176】
ここで、時短フラグがONである場合、すなわち現在の遊技状態が高ベース状態である場合、第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能が作動しており、特
図2の当否判定(
図8(B)を参照)が行われやすい状態となっている。また、本実施例では、後述するように特
図2保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を特
図1保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行するもの(所謂特
図2優先変動機)としている。このような構成において、例えば、特
図1の事前判定を行い、その結果を予告等の演出により遊技者に報知し、その事前判定の結果が大当りであることが明示された場合、遊技者は、特
図2保留消化の優先を利用して、任意のタイミングで特
図2保留を意図的に無くして(「0」にして)、事前判定の結果が示された特
図1に係る大当りを意図的に発生させるといった技術介入が可能となる。このように大当りの発生タイミングを遊技者が調整できることは、遊技の公平性の観点から好ましくない。このため、現在の遊技状態が低ベース状態でなく高ベース状態である場合には(S320でYES)、S321以降の特
図1の事前判定に係る処理を行わず、本処理(始動入球時処理)を終えることとしている。
【0177】
S321~S323の処理は、前述したS316~S318と同様の処理を特
図1について行うものである。すなわち、始動口センサ検知処理(S204)における特
図1関係乱数取得処理(S312)で取得して第1特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出し(S321)、読み出した取得乱数値について事前判定を行う(S322)。このS322の事前判定(保留先読み)は、後述の特
図1当否判定処理(S1207)における当否判定(S1603,S1604)に先立って行うものである。そして、S322による事前判定に係る遊技情報を含むコマンドデータを特
図1始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S323)。
【0178】
ここで、高ベース状態では、第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能が作動しており、特
図2の当否判定(
図8(B)を参照)が行われやすい状態、換言すると、第2特別図柄の変動表示が高頻度で実行される状態となっている。また、本実施例では、後述するように特
図2保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を特
図1保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行するものとしている。このような構成において、例えば、特
図1の事前判定を行い、その結果を予告等の演出により遊技者に報知し、その事前判定の結果が大当りであることが明示された場合、遊技者は、特
図2保留消化の優先を利用して、任意のタイミングで特
図2保留を意図的に無くして(「0」にして)、事前判定の結果が示された特
図1に係る大当りを意図的に発生させるといった技術介入が可能となる。このように大当りの発生タイミングを遊技者が調整できることは、遊技の公平性の観点から好ましくない。
【0179】
そこで、本実施例では、現在の遊技状態が高ベース状態である場合には(S320でYES)、S321以降の特
図1の事前判定に係る処理を行わないこととしている。つまり、特
図1保留に係る事前判定(特
図1事前判定)を、高ベース状態では行わずに低ベース状態で行うこととし、特
図2保留に係る事前判定(特
図2事前判定)については、低ベース状態であるか高ベース状態であるかを問わず行うこととしている。また、本実施例のパチンコ遊技機1では、後述するように、大当り遊技中は低確低ベース状態に制御されるが、大当り遊技中に遊技球が第1始動口20に入球して特
図1保留球数が「1」増加したとしても、S321~S323の処理(特
図1事前判定処理)は行わないものとなっている。
【0180】
なお、特別図柄の変動表示の開始前に、特図保留に係る事前判定(S317,S322)を実行する遊技制御用マイコン81は「事前判定手段」として機能するものである。
【0181】
[普図動作処理]
遊技制御用マイコン81は、始動入球時処理(S205)に次いで、
図14に示す普図動作処理(S206)を行う。普図動作処理(S206)では、普通図柄表示器42及び可変入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「普図動作ステータス」が「1」である場合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、「普図動作ステータス」が「2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、「普図動作ステータス」が「3」である場合には(S401、S403で共にNO、S405でYES)、普通図柄確定処理(S406)を行い、「普図動作ステータス」が「4」である場合には(S401、S403、S405の全てがNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。なお、普図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
【0182】
[普通図柄待機処理]
図15に示すように、普通図柄待機処理(S402)では、まず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S501)、「0」であれば(S501でYES)、この処理を終える。一方「0」でなければ(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行い(S502)、次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)。普通図柄変動パターン選択処理では、
図8(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。普通図柄変動パターン選択処理(S503)を終えたら、後述の普通図柄乱数シフト処理(S504)を行い、次いで、普通図柄変動開始処理(S505)を行い、処理を終える。普通図柄変動開始処理では、S503で選択した普通図柄変動パターンに基づいて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また、普通図柄変動開始処理では、副制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
【0183】
[普通図柄当否判定処理]
図16に示すように、普通図柄当否判定処理(S502)では、まず、普図保留記憶部に格納されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H)を読み出す(S601)。次いで、時短フラグがONであるか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S602)。S602で、時短フラグがONである、すなわち時短状態であると判定した場合(S602でYES)、
図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」~「239」)に基づく高確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S604)、S605の処理に移行する。すなわち、読み出した普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H)が当り判定値の何れかと一致するか否かを判定する。一方、S602で、時短フラグがONでない、すなわち、非時短状態であると判定した場合(S602でNO)、
図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」、「1」)に基づく低確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S603)、S605の処理に移行する。そして、普図当否判定(S603,S604)の結果が、当り(普図当り)であるか否かを判定し(S605)、外れと判定された場合(S605でNO)、停止表示する外れ普通図柄(普図外れ図柄)を決定し(S606)、処理を終える。一方、S605で当り(普図当り)と判定された場合(S605でYES)、停止表示する当り普通図柄(普図当り図柄)を決定し(S607)、普図当りフラグをONにして(S608)、処理を終える。
【0184】
[普通図柄乱数シフト処理]
図17に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S504)では、まず、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S703)、処理を終える。このようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
【0185】
[普通図柄変動中処理]
図18に示すように、普通図柄変動中処理(S404)では、まず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S801)、経過していなければ(S801でNO)、処理を終える。一方、経過していれば(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットする(S802)とともに、普図動作ステータスを「3」にセットする(S803)。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄当否判定用乱数の判定結果に応じた表示結果(当り普通図柄又は外れ普通図柄)で停止させる等のその他の処理を行って(S804)、この処理を終える。
【0186】
[普通図柄確定処理]
図19に示すように、普通図柄確定処理(S406)では、まず、普図当りフラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでなければ(S901でNO)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S905)、この処理を終える。一方、普図当りフラグがONであれば(S901でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S902)。そして、時短状態中であれば(S902でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S903)。時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、2.0秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。従って、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。
【0187】
これに対して、非時短状態中であれば(S902でNO)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S906)。非時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。従って、第2始動口開放カウンタに「1」をセットする。そして、開放パターンのセット(S903、S906)に続いて、普図動作ステータスを「4」にセットし(S904)、この処理を終える。
【0188】
[普通電動役物処理]
図20に示すように、普通電動役物処理(S407)では、まず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。
【0189】
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中か否かを判定する(S1002)。開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時期(タイミング)に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)、処理を終え、至っていれば(S1003でYES)、第2始動口21を開放させ(S1004)、処理を終える。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)処理を終え、至っていれば(S1005でYES)、第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
【0190】
そして、第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行う(S1009)とともに、普図当り終了フラグをセットして(S1010)処理を終える。なお、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開放(可動部材23の開放動作)が3回なされると「0」になり、非時短状態中であれば第2始動口21の開放が1回なされると「0」になる。
【0191】
これに対して、S1001において普図当り終了フラグがONであれば(S1001でYES)、S903またはS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFにするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFにし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(
図13)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
【0192】
[特図動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S206)に次いで特図動作処理(S207)を行う。
図21に示すように、特図動作処理(S207)では、特別図柄表示器41および大入賞装置31に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「特図動作ステータス」が「1」である場合には(S1101でYES)、特別図柄待機処理(S1102)を行い、「特図動作ステータス」が「2」である場合には(S1101でNO、S1103でYES)、特別図柄変動中処理(S1104)を行い、「特図動作ステータス」が「3」である場合には(S1101,S1103で共にNO、S1105でYES)、特別図柄確定処理(S1106)を行い、「特図動作ステータス」が「4」である場合には(S1101,S1103,S1105の全てがNO)、大当り遊技としての特別電動役物処理(S1107)を行う。なお、特図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
【0193】
[特別図柄待機処理]
図22に示すように、特別図柄待機処理(S1102)では、まず、第2始動口21の保留球数(即ち特
図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特
図2保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特
図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1206)。そして、特
図1保留球数も「0」である場合(S1206でYES)、即ち、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶もない場合には、画像表示装置7の表示画面7aを待機画面とする処理中(客待ち用のデモ画面の実行中)であるか否かを判定し(S1211)、待機画面とする処理中であれば(S1211でYES)、処理を終え、待機画面とする処理中でなければ(S1211でNO)、待機画面を表示するために待機画面設定処理を実行する(S1212)。待機画面設定処理では、待機画面(デモ画面)の表示開始(客待ち開始)を指示する客待ち開始コマンドをRAMの出力バッファにセットする。当該客待ち開始コマンドが出力処理(S201)によって副制御基板90に出力(送信)されると、副制御基板90(演出制御用マイコン91)が画像制御基板100(画像制御用マイコン101)に対して待機画面の表示を指示し、これにより画像表示装置7の表示画面7aに待機画面(図示せず)が表示される。
【0194】
S1201において特
図2保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特
図2当否判定処理(S1202)、特
図2変動パターン選択処理(S1203)、特
図2乱数シフト処理(S1204)、特
図2変動開始処理(S1205)をこの順に行う。また、特
図2保留球数が「0」であるが特
図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)、即ち、第2始動口21に係る乱数カウンタ値の記憶はないが、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特
図1当否判定処理(S1207)、特
図1変動パターン選択処理(S1208)、特
図1乱数シフト処理(S1209)、特
図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。
【0195】
このように本実施例では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1201でYES)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)は、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行される。そして本実施例では、第2特図保留に基づく第2特別図柄の変動表示(第2特別図柄当否判定)の方が、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示(第1特別図柄当否判定)よりも、遊技者にとって利益の大きい大当りになりやすいものとなっている(
図8(B)を参照)。
【0196】
[特
図2当否判定処理]
図23に示すように、特
図2当否判定処理(S1202)では、まず、判定値として、RAMの第2特図保留記憶部85bの最下位の領域(即ち第2特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-A)を読み出す(S1301)。次いで、確変フラグがONであるか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1302)。そして、高確率状態でなければ(S1302でNO)、すなわち通常状態であれば、
図8(A)に示す大当り判定テーブルのうち通常状態用の大当り判定テーブル(大当り判定値が「3」及び「397」)に基づいて当否判定を行う(S1303)。一方、高確率状態であれば(S1302でYES)、大当り判定テーブルのうち高確率状態用の大当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1304)。高確率状態用の大当り判定テーブルでは、大当り判定値は、「3」、「53」、「113」、「173」、「227」、「281」、「337」、「397」、「449」、「503」とされている。
【0197】
大当り判定(S1303,S1304)の結果が「大当り」であると判定した場合(S1305でYES)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)を読み出して、
図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1307)、当該大当り種別決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1308)、大当りフラグをONにして(S1309)、処理を終える。一方、大当り判定(S1303,S1304)の結果が「大当り」でないと判定した場合(S1305でNO)、外れ図柄を決定し(S1306)、処理を終える。なお、第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。ここで、大当り判定(特別図柄当否判定)や大当り種別決定判定を、夫々「判定」といってもよいし、大当り判定を行い何れの大当り図柄となるかを含めて「判定」といってもよい。また、これらの結果を「判定結果」ということもある。
【0198】
ここで、ラウンド表示器45は、6R用ランプ及び16R用ランプの2個のLEDで構成されている(
図4を参照)。そして、例えば6R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、6R用ランプが点灯表示される。具体的には、「6▲16△」の様な表示態様となる。また、16R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、16R用ランプが点灯表示される。具体的には、「6△16▲」の様な表示態様となる。
【0199】
[特
図2変動パターン選択処理]
特別図柄待機処理(S1102)では、特
図2当否判定処理(S1202)に次いで、特
図2変動パターン選択処理を行う(S1203)。
図24及び
図25に示すように、特
図2変動パターン選択処理(S1203)では、まず、遊技状態が時短状態であるか否か(時短フラグがONであるか否か)を判定する(S1401)。S1401で、時短状態でないと判定した場合(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、次いで、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S1402)。S1402で、大当りフラグがONであると判定した場合(S1402でYES)、非時短状態大当り用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。本実施例では、変動パターンP1~P3の何れかが選択される。なお、本実施例では、変動パターンが決まれば変動時間も決まるものとされている。次いで、S1404の処理に移行する。
【0200】
一方、S1402で、大当りフラグがONでないと判定した場合(S1402でNO)、次いで第2特別図柄の保留数が「1」又は「2」であるか否かを判定する(S1405)。ここでいう保留数とは、本処理により変動パターンを決定している情報も含めた記憶数であるので、保留記憶の数は「1」~「4」の何れかの値とされる。そして、S1405で、保留数が「1」又は「2」であると判定した場合(S1405でYES)、第1保留数外れ用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「1,2」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。本実施例では、変動パターンP4~P7の何れかが選択される。一方、S1405で、保留数が「1」又は「2」でない、すなわち「3」又は「4」であると判定した場合(S1405でNO)、第2保留数外れ用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「3,4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。本実施例では、変動パターンP8~P11の何れかが選択される。また、第1保留数外れ用テーブルは、第2保留数外れ用テーブルよりも、比較的長時間の変動時間の変動パターンを選択する可能性が高く設定されている。また、選択可能な最も短時間の変動時間(12000ms)も、第2保留数外れ用テーブルのもの(4000ms)よりも長い時間とされている。
【0201】
また、S1401で、時短状態であると判定した場合(S1401でYES)、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S1408)。S1408で、大当りフラグがONであると判定した場合(S1408でYES)、時短状態大当り用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1409)。本実施例では、変動パターンP12~P14の何れかが選択される。
【0202】
一方、S1408で、大当りフラグがONでないと判定した場合(S1408でNO)、次いで保留数が「1」であるか否かを判定する(S1410)。ここでいう保留数も前述と同様であり、保留数は「1」~「4」の何れかの値とされている。S1410で、保留数が「1」であると判定した場合(S1410でYES)、第3保留数外れ用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「1」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP15~P18の何れかが選択される。また、S1410で、保留数が「1」でない、すなわち、保留数が「2」~「4」の何れかであると判定した場合(S1410でNO)、第4保留数外れ用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「2~4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP19~P22の何れかが選択される。ここで、時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンは、非時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンと比較して、短い変動パターンが選択される可能性が高くされている。これは、時短状態において変動時間の短い変動パターンがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早める(時短中の遊技を迅速に進行させる)ためである。
【0203】
前述のようにして変動パターンの選択を行った後は、
図24に示すその他の処理を行い(S1404)、処理を終える。その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする等の処理を行う。また、この処理でセットされた変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御部90に送信される。
【0204】
[特
図2乱数シフト処理]
図26に示すように、特
図2乱数シフト処理(S1204)では、まず、特
図2保留球数を1ディクリメントする(S1501)。次いで、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば第2特図保留記憶部85bがアドレス「0000」~「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1502)。そして、第2特図保留記憶部85bの最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第2特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1503)、この処理を終える。
【0205】
特
図2乱数シフト処理(S1204)を実行した後は、
図22に示す特
図2変動開始処理(S1205)を実行する。特
図2変動開始処理(S1205)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
【0206】
図22の特別図柄待機処理(S1102)において、特
図2保留球数が「0」であり、かつ、特
図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)には、特
図1当否判定処理(S1207)、特
図1変動パターン選択処理(S1208)、特
図1乱数シフト処理(S1209)、特
図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。
【0207】
[特
図1当否判定処理]
図27に示すように、特
図1当否判定処理(S1207)では、
図23に示した特
図2当否判定処理(S1202)と同様の流れで処理(S1601~S1609)を行う。従って、本処理の詳細な説明は省略する。但し、本処理は特
図1に関する処理であるので、S1601では、RAMの第1特図保留記憶部85aの最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)を読み出して処理を行う。
【0208】
[特
図1変動パターン選択処理]
図28及び
図29に示すように、特
図1変動パターン選択処理(S1208)では、
図24及び
図25に示した特
図2変動パターン選択処理(S1403)と同様の流れで処理(S1701~S1712)を行う。従って本処理の詳細な説明は省略する。
【0209】
[特
図1乱数シフト処理]
図30に示すように、特
図1乱数シフト処理(S1209)では、まず、特
図1保留球数を1ディクリメントする(S1801)。次いで、第1特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側にシフトする(S2002)。そして、第1特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第1特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1803)、この処理を終える。
【0210】
特
図1乱数シフト処理(S1209)を実行した後は、
図22に示す特
図1変動開始処理(S1210)を実行する。特
図1変動開始処理(S1210)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
【0211】
以上の特別図柄待機処理(S1102)において、S1202~S1205の処理により、第2特図保留(取得情報)に基づく第2特別図柄の変動表示を実行し、また、S1207~S1210の処理により、第1特図保留(取得情報)に基づく第2特別図柄の変動表示を実行する遊技制御用マイコン81は、特別図柄表示部とともに「変動表示手段」として機能するものである。
【0212】
また、特
図2当否判定処理(S1202)における当否判定(S1303,S1304)、及び、 特
図1当否判定処理(S1207)における当否判定(S1603, S1604)は、特別図柄の変動表示の開始前に実行されることから、これら当否判定(S1603, S1604)も、遊技制御用マイコン81が「事前判定手段」として機能することによるものであるといえる。
【0213】
また、特
図2変動パターン選択処理(S1203)により第2特別図柄の変動パターンを選択(決定)し、特
図1変動パターン選択処理(S1208)により第1特別図柄の変動パターンを選択(決定)する遊技制御用マイコン81は「変動パターン決定手段」として機能するものである。
【0214】
[特別図柄変動中処理]
図31に示すように、特別図柄変動中処理(S1104)では、まず、特別図柄の変動時間、すなわち、前述のS1203又はS1208で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間(
図9を参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。変動時間が経過していないと判定した場合(S1901でNO)、処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
【0215】
一方、変動時間が経過したと判定した場合(S1901でYES)、変動停止コマンドをセットする(S1902)。そして、確変フラグがONであるか否か判定し(S1903)、ONであれば(S1903でYES)、確変カウンタを1減算し(S1904)、確変カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1905)。S1905で確変カウンタが「0」であると判定した場合、確変フラグをOFFして(S1906)、S1907の処理に移行する。一方、確変フラグがONでないと判定した場合と(S1903でNO)、確変カウンタが「0」でないと判定した場合には(S1905でNO)、S1907の処理に移行する。
【0216】
ここで、S1906にて確変フラグをOFFにした場合、遊技状態が高確高ベース状態(確変遊技状態)から低確低ベース状態(通常遊技状態)に移行(変化)することを示す状態変化コマンド(遊技状態変化情報)を、次の特別図柄の変動表示の開始に係る変動開始コマンドに含めてRAMの出力バッファにセットする。但し、本実施例では、確変大当りに係る大当り遊技の終了に伴って後述のS2203の処理にて確変カウンタにセットする値(設定値)を「10,000」としているため、当該確変カウンタの値が特別図柄の変動停止(変動終了)に伴って「0」となることはまず無い。なお、状態変化コマンドを、変動開始コマンドと別コマンドとしてRAMの出力バッファにセットする(副制御基板に送信する)ことも可能である。
【0217】
S1907では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S1907)、時短フラグがONであると判定した場合(S1907でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示回数をカウントする時短カウンタの値を1減算し(S1908)、時短カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(S1909)、「0」であれば(S1909でYES)、時短フラグをOFFにし(S1910)、S1911の処理に進む。また、時短フラグがONでないと判定した場合と(S1907でNO)、時短カウンタの値が「0」でないと判定した場合には(S1909でNO)、S1911の処理に移行する。
【0218】
ここで、S1910にて時短フラグをOFFにした場合、遊技状態が低確高ベース状態(時短遊技状態)から低確低ベース状態(通常遊技状態)に移行(変化)することを示す状態変化コマンド(遊技状態変化情報)を、次の特別図柄の変動表示の開始に係る変動開始コマンドに含めてRAMの出力バッファにセットする。本実施例では、非確変大当り(通常大当り)に係る大当り遊技の終了に伴って後述のS2207の処理にて時短カウンタにセットする値(設定値)を「100」としているため、非確変大当り(通常大当り)に係る大当り遊技の終了後、次の大当りが発生することなく特別図柄の変動表示が100回行われると、時短カウンタの値が「0」となる。なお、遊技状態が時短遊技状態から通常状態に移行する場合においても、前述したように、状態変化コマンドを変動開始コマンドと別コマンドとしてRAMの出力バッファにセットする(副制御基板に送信する)ことも可能である。
【0219】
S1911では、特図動作ステータスを「3」にセットする(S1911)。そして、特別図柄の変動表示を、特別図柄当否判定乱数及び大当り種別決定用乱数の判定結果に応じた結果で停止させる等のその他の処理を行い(S1912)、この処理を終える。
【0220】
[特別図柄確定処理]
図32に示すように、特別図柄確定処理(S1106)では、まず、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当りフラグがONであれば(S2001でYES)、次いで確定した大当りの種別が16R大当りであるか否かを判定し、16R大当りであると判定した場合(S2002でYES)、大当り遊技中に実行するラウンドの回数をカウントするラウンドカウンタの値に「16」をセットし(S2003)、S2009の処理に移行する。一方、S2002で、大当りの種別が16R大当りでないと判定した場合(S2002でNO)、確定した大当りの種別は6R大当りであるため、ラウンドカウンタの値に「6」をセットし(S2004)、S2009の処理に移行する。
【0221】
S2009では、確定した大当りの種別(種類)に応じた大入賞口開放パターンをセットし(S2009)、S2010の処理に移行する。ここで、前述したように、大入賞口の開放パターンは、大当りの種別に応じて定められているので、今回確定した大当りに対応する大入賞口開放パターンをセットする(
図6を参照)。そして、夫々の大当り遊技において、S2009でセットした大入賞口開放パターンに基づく大入賞口30の開放動作が実行される。
【0222】
S2010では、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットする(S2010)。本実施例では、オープニングコマンドとして、16R第1大当りに対応する第1オープニングコマンド、6R第2大当りに対応する第2オープニングコマンド、6R第3大当りに対応する第3オープニングコマンド、16R第4大当りに対応する第4オープニングコマンドおよび16R第5大当りに対応する第5オープニングコマンドの計5種類が設けられている。S2010では、今回確定した大当り(開始する大当り)の種別に応じたオープニングコマンドがセットされる。そして、主制御部80(遊技制御用マイコン81)は、セットしたオープニングコマンドを、出力処理(S201)により、所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信し、当該オープニングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該オープニングコマンドに基づいて所定の遊技演出の実行処理を行う。
【0223】
オープニングコマンドをセットしたら、大当り遊技のオープニング期間を開始し(S2011)、特図動作ステータスを「4」にセットする(S2012)。また、S2001において大当りフラグがONでないと判定した場合(S2001でNO)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2013)、処理を終える。なお、オープニング期間は、大当り遊技における大入賞口の最初の開放動作を開始する前であって、特別図柄(演出図柄)の変動表示を実行不能とした後に設定される期間であり、「開始期間」ともいう。また、この「開始期間」において実行する演出を「開始演出(オープニング演出)」ともいう。本実施例では、確定した大当りの種別と、その大当りが確定したとき(つまり、大当り図柄が停止表示されたとき)の遊技状態とによって、オープニング期間(オープニング時間)が決まるものとなっており、前述のオープニングコマンドによってオープニング期間が特定可能となっている。よって、オープニングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該オープニングコマンドにより特定される大当り種別およびオープニング期間に基づいて、オープニング演出を行うことが可能となっている。
【0224】
以上の特別図柄確定処理(S1106)において、遊技状態を特別遊技状態(大当り遊技を実行する状態)とするための処理(S2002~S2012)を実行する遊技制御用マイコン81は「遊技状態制御手段」として機能するものである。
【0225】
[特別電動役物処理(大当り遊技)]
図33に示すように、特別電動役物処理(S1107)ではまず、確変フラグがONであるか否かを判定し(S2101)、確変フラグがONであると判定した場合(S2101でYES)、確変フラグをOFFにし(S2102)、次いで、時短フラグがONであるか否かを判定する(S2103)。S2103で、時短フラグがONであると判定した場合(S2103でYES)、時短フラグをOFFにし(S2104)、S2105の処理に移行する。一方、S2101で確変フラグがONでないと判定した場合(S2101でNO)、S2102の処理を行うことなくS2103の処理に移行し、S2103で時短フラグがONでないと判定した場合(S2103でNO)、S2104の処理を行うことなくS2105の処理に移行する。
【0226】
つまり、大当り遊技の実行中は、低確率状態かつ非時短状態に制御される。本実施例では、非時短状態中は常に低ベース状態であるので、大当り遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
【0227】
次いでS2105では、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。大当り終了フラグは、大当り遊技において大入賞装置31の動作処理(大入賞口30の開放処理)が全て終了(大当り遊技が終了)したことを示すフラグである。大当り終了フラグがONでなければ(S2105でNO)、次いでラウンドの開始時期であるか否かを判定する(S2106)。これは、前述した大当り種別毎に設定した大入賞口開放パターンに基づいて判定する。例えば、1ラウンド目の開始前であれば、オープニング期間が終了して1ラウンド目の最初の開放処理を実行するタイミングであるか否かによって判定する。また、既に1ラウンド目を開始した後であれば、前のラウンドが終了し、かつ、所定のインターバル期間が終了(インターバル時間が経過)している否かによって判定する。
【0228】
S2106においてラウンド開始時期であると判定した場合(S2106でYES)、対応するラウンドのラウンド開始コマンドをセットし(S2107)、大入賞口開放処理を行う(S2108)。S2107では、1ラウンド目の開始であれば「1R開始コマンド」、2ラウンド目の開始であれば「2R開始コマンド」のように、開始するラウンドを特定可能なラウンド開始コマンドがセットされる。セットされたラウンド開始コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。また、S2108では、主に、大入賞口センサ30aによる遊技球の検知を有効化する処理と、前述のS2009でセットした大入賞口開放パターンに基づいて大入賞口30を開放させるべく、開閉部材32を開動作させる処理を行い、一のラウンド遊技を開始させる。
【0229】
ここで、大入賞口センサ30aによる遊技球の検知に関し、「有効(有効化)」とは、大入賞口センサ30aによる遊技球の検知が発生した場合、その検知を、大入賞口30への正常な入球として扱う(処理する)ことを意味する。これに対し、「無効(無効化)」とは、大入賞口センサ30aによる遊技球の検知が発生した場合、その検知を、大入賞口30への異常入球(大入賞口エラー)として扱う(処理する)ことを意味する。
【0230】
本実施例では、大入賞口センサ30aによる遊技球の検知が有効とされるのは、原則、ラウンド遊技の開始から当該ラウンド遊技終了後、所定時間(本実施例では1秒)が経過するまでの期間であり、当該期間が、大入賞口センサ30aによる遊技球検知の有効期間として設定される。このような大入賞口センサ30aによる遊技球検知の有効期間を設定に係る処理を行う遊技制御用マイコン81は「有効期間設定手段」として機能するものである。
【0231】
なお、有効期間でないとき(無効期間)に、大入賞口センサ30aが遊技球を検知した場合、当該検知は無効となり、大入賞口30への異常入球(大入賞口エラー)が発生した旨を示すコマンド(大入賞口エラーコマンド)が主制御部80からサブ制御部90に送信される。これを受けて、サブ制御部90では、大入賞口30への異常入球(大入賞口エラー)の発生を外部に知らせるエラー報知の実行に係る処理が行われる。
【0232】
一方、S2106で、ラウンド開始時期でないと判定した場合(S2106でNO)、S2112の処理に移行する。ここで、ラウンド開始時期でないと判定する場合として、例えば、1ラウンド開始前のオープニング期間中やラウンド遊技中、ラウンド遊技終了後のインターバル期間中(大入賞口閉鎖処理中)等を挙げることができる。
【0233】
S2112では、大入賞口開放動作の実行中であるか否か、すなわち、S2108の処理によって開放された大入賞口が未だ開放中(ラウンド遊技中)であるか否かを判定する(S2112)。その結果、大入賞口開放動作の実行中(ラウンド遊技中)でないと判定した場合(S2112でNO)、S2116の処理に移行し、大入賞口開放動作の実行中(ラウンド遊技中)であると判定した場合(S2112でYES)、実行中のラウンド遊技の終了条件(ラウンド終了条件)が成立したか否かを判定する(S2113)。
【0234】
ここで、本実施例のラウンド終了条件として、(1)実行中のラウンド遊技において定められた大入賞口の開放時間(例えば「25秒」)、つまりラウンド遊技の実行時間が経過したこと、(2)実行中のラウンド遊技において大入賞口に予め定められた規定数(例えば「10個」)の遊技球が入球したこと、の2つの条件が定められている。そして、何れか一方の条件が先に成立すると、当該先に成立した条件に基づいてラウンド終了条件が成立したこととなる。なお、大当り遊技中(ラウンド遊技中)において、遊技球の発射が不能になるエラーやトラブル等が発生することなく、遊技球発射が滞りなく行われる限り、(2)の条件の成立によりラウンド終了条件が成立するのが通常である。
【0235】
S2113にて、ラウンド終了条件が成立していないと判定した場合(S2113でNO)、処理を終え、ラウンド終了条件が成立したと判定した場合(S2113でYES)、対応するラウンドのラウンド終了コマンドをセットし(S2114)、大入賞口閉鎖処理を行う(S2115)。S2114では、1ラウンド目の終了であれば「1R終了コマンド」、2ラウンド目の終了であれば「2R終了コマンド」のように、終了するラウンドを特定可能なラウンド終了コマンドがセットされる。セットされたラウンド終了コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。
【0236】
次いで、S2116でインターバル時間が経過したか否かを判定し(S2116)、経過していない(インターバル期間中である)と判定した場合(S2116でNO)、処理を終える。一方、S2116でインターバル時間が経過したと判定した場合(S2116でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2117)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2118)。S2118で、ラウンドカウンタの値が「0」でないと判定した場合(S2118でNO)、処理を終える。一方、ラウンドカウンタの値が「0」であると判定した場合(S2118でYES)、大当り遊技を終了させる大当り終了処理として、大当りのエンディングコマンドをセットすると共に(S2119)、大当りのエンディング期間を開始し(S2120)、大当り終了フラグをONにし(S2121)、処理を終える。なお、ラウンドカウンタの値は、実行する大当り遊技における全てのラウンド遊技を終了すると「0」になる。
【0237】
S2119では、予め定められた複数のエンディングコマンドの中から、今回の大当り発生時の遊技状態や今回の大当りの種別、大当り遊技後の遊技状態等に応じたエンディングコマンドが選択され、当該選択されたコマンドがセットされる。こうしてセットされるエンディングコマンドの種類によって、実行される(設定される)エンディング期間(エンディング時間)が決まるものとなっている。エンディング期間は、大当り遊技における大入賞口30の全ての開放動作を終了した後であって、特別図柄(演出図柄)の変動表示を実行可能とする前に設定される期間であり、「終了期間」ともいう。エンディング期間(終了期間)では、大入賞口30は閉鎖状態とされている。この「終了期間」に実行する演出を「終了演出(エンディング演出)」ともいう。
【0238】
そして、主制御部80(遊技制御用マイコン81)は、S2119でセットしたエンディングコマンドを、出力処理(S201)により、所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信し、当該エンディングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該エンディングコマンドに基づいて所定のエンディング演出の実行処理を行う。
【0239】
また、S2105において、大当り終了フラグがONであると判定した場合(S2105でYES)、大当り遊技における最終ラウンドが終了しているので、大当りのエンディング時間が経過したか否か、すなわち、前述のS2120の処理で開始したエンディング期間の終了タイミングか否かを判定し(S2122)、エンディング時間が経過していないと判定した場合(S2122でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過したと判定した場合(S2122でYES)、大当り終了フラグをOFFにし(S2123)、後述する遊技状態設定処理(S2124)を行う。
【0240】
次いで、S2125で大当りフラグをOFFにし(S2125)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2126)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(S207)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。
【0241】
以上の特別電動役物処理(S1107)を実行する遊技制御用マイコン81は「特別遊技実行手段」及び「ラウンド遊技実行手段」として機能するものである。
【0242】
[遊技状態設定処理]
図34に示すように、遊技状態設定処理(S2124)では、まず、今回終了した大当り遊技が確変大当りに係るものであるか否かを判定する(S2201)。本実施例では、前述したように、16R第1大当り、6R第2大当り及び16第4大当りの3種類を確変大当りとしていることから、S2201では、それら3種類のうちの何れかに該当するか否かを判定する。そして、今回終了したのが確変大当りであると判定した場合(S2201でYES)、確変フラグをONにするとともに(S2202)、確変カウンタに「10,000」をセットし(S2203)、さらに時短フラグをONにするとともに(S2204)、時短カウンタに「10,000」をセットして(S2205)、処理を終える。
【0243】
ここで、確変カウンタにセットする値は、高確率における特別図柄当否判定を実行可能な回数である。本実施例においてセットする「10,000」という値(10,000回)は、高確率状態における大当り確率や遊技店の1日の営業時間、当該営業時間内に実行可能な特図当否判定の回数等を考慮すると、実質的には次回の大当りが発生するまで又は営業時間が終了するまで、高確率状態を保証しているのと同じことである。従って、遊技状態が高確率状態に設定された場合には、次回の大当りが発生するまで高確率状態が保証されるといってもよい(実質的に同義である)。また、確変フラグがONの場合には、時短カウンタにも同様に「10,000」がセットされるため、この高確率状態が設定されている間、時短状態(開放延長状態)も共に設定されるといってよい。つまり、確変大当りに係る大当り遊技が終了すると、遊技状態が「高確高ベース状態」となる。
【0244】
なお、本実施例の様に、確変カウンタおよび時短カウンタに「10,000」の値を設定して、実質的に次回大当りまで高確高ベース状態を設定するようにしてもよいし、確変フラグおよび時短フラグがONの場合には、カウンタに値をセットすることなく、次回大当りが発生するまで高確高ベース状態を設定する様な制御を採用してもよい。
【0245】
一方、S2201にて確変大当りでないと判定した場合(S2201でNO)、すなわち、今回終了したのが非確変大当り(通常大当り)に係る大当り遊技である場合、確変フラグをONにすることなく、時短フラグをONにするとともに(S2206)、時短カウンタに「100」をセットして(S2207)、処理を終える。
【0246】
本実施例では、前述したように、6R第3大当り及び16R第5大当りの2種類を非確変大当り(通常大当り)としているので、これら2種類のうちの何れかに係る大当り遊技が終了すると、遊技状態が「低確高ベース状態」となる。この低確高ベース状態は、特別図柄の変動表示が100回行われること(特別図柄当否判定が100回行われること)、及び次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。時短カウンタおよび確変カウンタは、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数とを合算した回数を計数するものである。
【0247】
以上の遊技状態設定処理(S2124)を実行する遊技制御用マイコン81は「遊技状態制御手段」として機能するものである。
【0248】
[保留球数処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図動作処理(S207)に次いで、保留球数処理(S208)を行う。
図35に示すように、保留球数処理(S208)では、まず、主制御基板80のRAMに記憶されている特
図1保留球数、特
図2保留球数および普通図柄保留球数を読み出す(S2501)。次いで、その保留球数のデータ(その保留球数情報を副制御基板90等に送信するための保留球数コマンド)を、RAMの出力バッファにセットする(S2502)。この保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)は、次回の割り込み処理(S105)での出力処理(S201)によって出力され、割り込み処理毎に、保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)の出力バッファへのセット(S2502)と、出力処理(S201)とが順次行われる。
【0249】
主制御部80からの保留球数コマンドを受信したサブ制御部90は、受信した保留球数コマンドに基づいて特図保留球数に増減が生じたと判断した場合、これに応じて、画像表示装置7の表示画面7aにおける演出保留表示領域(第1演出保留表示領域9c、第2演出保留表示領域9d)の表示内容を更新する。具体的には、例えば、特
図1保留球数が「3」から「4」に1増加した場合、その増加した分の特
図1保留球数「4」に対応する第1演出保留9aを第1演出保留表示領域9cに追加表示する。また、特
図1保留球数が「2」から「1」に1減少した場合(つまり、第1特図保留が消化された場合)、第1演出保留表示領域9cの左端(特
図1保留球数「1」に対応する箇所、
図3を参照)に表示されている第1演出保留9aを変動保留表示領域9e(
図3を参照)に移動するとともに、これに伴って第1演出保留表示領域9cに表示されている第1演出保留9aを左側に1つ移動(シフト)する。
【0250】
なお、特図保留球数が加算された際の特図保留球数のデータ、すなわち始動入球(始動入賞)の発生に伴う特図保留球数のデータについては、前述の始動入球コマンドに含めるか、加算後(始動入球後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを始動入球コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。また、特図保留球数が減算された際の保留球数のデータ、すなわち特別図柄の変動開始(特図保留の消化)に伴う特図保留球数のデータについては、前述の変動開始コマンドに含めるか、減算後(特図保留消化後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを変動開始コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。
【0251】
[電源断監視処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、保留球数処理(S208)に次いで電源断監視処理(S209)を行う。
図36に示すように、電源断監視処理(S209)では、まず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2601)、入力がなければ(S2601でNO)、処理を終了する。一方、電源断信号の入力があれば(S2601でYES)、現在の遊技機の状態(確変か否か、当り遊技中か否か、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)に関するデータをRAMに記憶するとともに(S2602)、電源断フラグをONにし(S2603)、その後は割り込み処理(S105)に戻ることなくループ処理をする。
【0252】
[サブ制御メイン処理]
次に、
図37~
図43に基づいて、演出制御用マイコン91の動作(サブ制御部90による制御処理)について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ、タイマ等は、副制御基板90(サブ制御部)のRAMに設けられている。
【0253】
副制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、副制御基板90のROMから
図37に示すサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まず、CPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。
【0254】
続いて、S4002で、電源断信号がONでかつ副制御基板90のRAMの内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。この判定結果がNOであれば(S4002でNO)、副制御基板90のRAMを初期化し(S4003)、S4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、副制御基板90のRAMを初期化することなくS4004に進む。
【0255】
すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAMの内容が正常でない場合には(S4002でNO)、副制御基板90のRAMを初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAMの内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAMを初期化しない。RAMを初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタの値はリセットされる。
【0256】
このS4001~S4003は、電源投入後に(電源投入に際して)一度だけ実行され、それ以降は実行されない。また、本実施例では、演出制御用マイコン91においても、
図11に示す遊技制御用マイコン81による電源断監視処理(S209)と同様の処理を行うこととしており、停電などで電源断信号がONになると、そのときの演出制御に係るデータが副制御基板90のRAMに記憶されるものとなっている。つまり、停電などの電源断発生時における演出制御に係るデータがバックアップされるものとなっている。このため、停電等の電源断から復帰した後の電源投入時(電断復帰時)に、副制御基板90のRAMの初期化(S4003)が行われない限り、演出制御用マイコン91による演出制御の状態は電源断発生前の状態に復帰する。
【0257】
S4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値は、副制御基板90のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
【0258】
演出決定用乱数には、実行する演出図柄遊技演出の態様(変動演出パターン)を決定する変動演出決定用乱数や、予告演出を決定する予告演出決定用乱数、演出図柄を決定する演出図柄決定用乱数等、各種演出の実行に関係する乱数がある。
【0259】
演出決定乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。なお、乱数の更新に際して、乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。
【0260】
演出決定用乱数は、予め定められたタイミングで取得される。このタイミングとしては、例えば主制御基板80から始動入球があった旨を通知する制御信号(始動入球コマンド)が送信されてきたときや、主制御基板80から変動開始を通知する制御信号(変動開始コマンド)が送信されてきたときや、後述の変動演出パターンを決定するときなどとすることができる。取得した演出決定用乱数の格納場所は、副制御基板90のRAMの所定の乱数カウンタ値記憶領域(図示せず)である。
【0261】
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、副制御基板90のRAM内の出力バッファ(「サブ出力バッファ」ともいう。)に格納されている各種のコマンド(制御信号)を、画像制御基板100、音声制御基板106およびランプ制御基板107のうち、対応するコマンド送信先となる制御基板に送信する。コマンドを受信した各制御基板(各制御部)は、受信したコマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置7、スピーカ67、盤面ランプ5、枠ランプ66及び可動装飾部材等)を用いて各種の演出(演出図柄遊技演出、特別遊技演出等)を実行する。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、S4004~S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)、及び10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。これらの制御処理を実行することで、画像表示装置7の表示画面7a(演出図柄表示領域7b)上で実行される演出図柄等の表示制御や、各種ランプの点灯制御や、可動装飾部材の動作制御や、スピーカからの音声出力制御等を行うことが可能となる。
【0262】
[受信割り込み処理]
受信割り込み処理(S4008)では、
図38に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、S4101で、ストローブ信号がONでないと判定した場合(S4101でNO)、処理を終える。一方、S4101で、ストローブ信号がONであると判定した場合(S4101でYES)、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドを副制御基板90のRAMに格納し(S4102)、処理を終える。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
【0263】
[2msタイマ割り込み処理]
2msタイマ割り込み処理(S4009)は、副制御基板90に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。
図39に示すように、2msタイマ割り込み処理(S4009)では、まず、演出ボタン検知スイッチ63c、63dからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。次いで、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプを発光させるためのランプデータを出力するランプデータ出力処理(S4202)と、可動装飾部材を駆動するための駆動データを出力する駆動データ出力処理(S4203)とを行う。ランプデータおよび駆動データは、後述の10msタイマ割り込み処理で作成される。最後に、ウォッチドッグタイマのリセット処理を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
【0264】
[10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4010)は、副制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。
図40に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)では、まず、後述する受信コマンド解析処理(S4302)を行う。次いで、2msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとして副制御基板90のRAMに格納するスイッチ状態取得処理を行い(S4303)、当該スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4304)。その後、ランプデータ(盤面ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、駆動データ(第1可動装飾部材13や第2可動装飾部材14の動作を制御するデータ)を作成したり、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4305)。
【0265】
[受信コマンド解析処理]
図41に示すように、受信コマンド解析処理(S4302)では、まず、主制御基板80から始動入球コマンドを受信したか否かを判定し(S4390)、始動入球コマンドを受信していないと判定した場合(S4390でNO)、S4401の処理に移行し、始動入球コマンドを受信したと判定した場合(S4390でYES)、演出保留情報記憶処理(S4395)と保留先読み演出設定処理(S4400)を行って、S4401の処理に移行する。
【0266】
演出保留情報記憶処理(S4395)は、S4390で受信した始動入球コマンド(特
図1始動入球コマンド又は特
図2始動入球コマンド)に含まれる各種情報(事前判定結果、大当り種別決定用乱数値、変動パターン乱数値等の遊技情報)を、特別図柄の種類(第1特別図柄、第2特別図柄)及び始動入球コマンドの送受信時(コマンド生成時)の特図保留球数に応じて、シフトメモリ形式で副制御基板90のRAMの所定の演出保留情報記憶領域に記憶する処理である。
【0267】
前述したように、主制御基板80から送られてくる始動入球コマンド(特
図1始動入球コマンド、特
図2始動入球コマンド)には、始動入球に基づく事前判定(
図13を参照)が行われた際の当該事前判定の結果に関する情報(「保留先読み情報」ともいう)、具体的には、特別図柄当否判定に係る当否情報や大当り種別決定用乱数値を示す大当り種別情報、変動パターン乱数値を示す変動パターン情報等が含まれているので、これらの情報を演出保留情報として記憶する。
【0268】
例えば、受信した始動入球コマンドが特
図1の保留球数「4」に対応する特
図1始動入球コマンドである場合、その特
図1始動入球コマンドに含まれる事前判定結果や当り種別等の情報を、特
図1演出保留情報記憶領域のうち保留数4に対応する領域に、特
図1演出保留情報として記憶する。こうして記憶される演出保留情報は、後述する変動演出や予告演出、演出モード等の各種演出の実行に用いられる。副制御基板90における演出保留情報記憶領域の記憶内容(演出保留情報)は、前述の主制御基板(主制御部)80における特図保留記憶部(第1特図保留記憶部、第2特図保留記憶部)の記憶内容(取得情報)と実質的に同じである。このことから、副制御基板90の演出保留情報記憶領域も「取得情報記憶手段」といえる。
【0269】
保留先読み演出設定処理(S4400)は、S4395の処理により演出保留情報記憶領域に記憶された演出保留情報(事前判定結果)に基づく保留先読み演出に関する設定を行う処理である。保留先読み演出は、例えば、画像表示装置7(表示画面7a)に先読み演出用の画像(「先読み演出画像」ともいう。)を表示したり、可動装飾部材(可動役物)を先読み演出用の動作態様で動作させたり、スピーカ67から先読み演出用の音声(「先読み演出音」ともいう。)を出力したり、盤面ランプ5や枠ランプ66等の電飾部材を先読み演出用の発光態様で発光させたりする等して行われる。
【0270】
保留先読み演出設定処理(S4400)では、現在の遊技状態(低ベース状態、高ベース状態等)や、演出保留情報記憶領域の記憶内容(特図保留の記憶数、特図保留の当否情報や変動パターン情報等)、現在の演出実行状況等をもとに、保留先読み演出を実行(開始)するか否かの判定および実行する場合の実行パターン(保留先読み演出パターン)の選択・設定等が行われる。
【0271】
保留先読み演出パターンには、例えば、画像表示装置7に表示する先読み演出画像の種類や表示態様、動作させる可動装飾部材の種類や動作態様、スピーカ67から出力する先読み演出音の種類や出力態様、発光させる電飾部材の種類や発光態様等、保留先読み演出の実行に必要な情報が含まれる。保留先読み演出設定処理(S4400)で保留先読み演出パターンが設定されると、その設定された保留先読み演出パターンにしたがって保留先読み演出が実行される。
【0272】
本実施例のパチンコ遊技機1は、保留先読み演出として、表示画面7aの演出保留表示領域(第1演出保留表示領域9c、第2演出保留表示領域9d)や変動保留表示領域9eに表示される演出保留(保留アイコン、アクティブアイコン)の表示態様を通常と異なる表示態様(予告表示態様)に変化させる保留変化予告を実行可能に構成されている。保留先読み演出設定処理(S4400)では、その保留変化予告を実行(開始)するか否かの判定および実行する場合の実行パターン(保留変化パターン)の選択・設定等に関する処理が行われる。保留変化予告についての詳細は後述する。
【0273】
次いでS4401では、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S4401でYES)、後述する変動演出開始処理(S4402)を行って、S4403の処理に移行する。一方、S4401で変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S4401でNO)、変動演出開始処理を行うことなく、S4406の処理に移行する。
【0274】
S4403では、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かを判定し(S4403)、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S4403でYES)、演出図柄を停止表示して変動演出を終了させる変動演出終了処理を行う(S4404)。
【0275】
変動演出終了処理(S4404)では、演出図柄8を停止表示して変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをサブ出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、画像表示装置7の表示画面7a上で変動表示していた演出図柄8を停止表示して、変動演出(演出図柄遊技演出)を終了させる。なお、変動演出とは、演出図柄8の変動表示やリーチ演出など、特別図柄の変動表示に合わせて行われる種々の演出を指す。
【0276】
一方、S4403で変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S4403でNO)、変動演出終了処理を行うことなく、S4405の処理に移行する。
【0277】
S4405では、主制御基板80から大当り遊技関連コマンドを受信したか否かを判定する(S4405)。ここで、大当り遊技関連コマンドとは、遊技制御用マイコン81(主制御部80)により制御される遊技状態が特別遊技状態となり、当該特別遊技状態における大当り遊技(ラウンド遊技)の実行にあたり、主制御基板80から送信されるコマンドのことである。
【0278】
具体的には、大当り遊技(特別遊技状態)の開始に際して送信されるオープニングコマンド(S2010を参照)、ラウンドの開始に際して送信されるラウンド開始コマンド(S2107を参照)、ラウンドでの大入賞口30への入球に基づき送信される大入賞口入球コマンド、ラウンドの終了に際して送信されるラウンド終了コマンド(S2114を参照)、大当り遊技(特別遊技)の終了に際して送信されるエンディングコマンド(S2119を参照)等が該当する。
【0279】
S4405では、それらの大当り遊技関連コマンドの何れかを受信したか否かを判定し、受信していなければ(S4405でNO)、S4407の処理に移行し、受信していれば(S4405でYES)、当該受信したコマンドの種類に応じた種々の大当り遊技演出の実行に係る大当り遊技関連演出処理を行う(S4406)。
【0280】
S4406では、例えば、受信した大当り遊技関連コマンドがオープニングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたオープニング演出を指定するオープニング演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、ラウンド開始コマンドであれば、当該コマンドに基づき特定されるラウンドの開始に応じた演出(ラウンド開始対応演出)を指定するラウンド開始演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、大入賞口入球コマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大入賞口30への遊技球の入球に応じた入球演出を指定する入球演出コマンドをサブ出力バッファにセットする。また、受信した大当り遊技関連コマンドがラウンド終了コマンドであれば、当該コマンドに基づき特定されるラウンドの終了に応じた演出(ラウンド終了対応演出)を指定するラウンド終了演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、エンディングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたエンディング演出を指定するエンディング演出コマンドをサブ出力バッファにセットする。
【0281】
こうしてサブ出力バッファにセットした大当り遊技関連コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、大当り遊技(特別遊技状態)やラウンドの進行状況に合わせて、オープニング演出やラウンド演出等の大当り遊技に関連する演出(大当り遊技演出)を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
【0282】
最後にS4407の処理を行い、本処理(受信コマンド解析処理)を終える。S4407では、その他の処理として、例えば、前述した各種コマンドを除いた他の受信コマンド(例えば、普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド)に基づく処理を行う。
【0283】
[変動演出開始処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4302)にて実行される変動演出開始処理(S4402)について説明する。
図42に示すように、変動演出開始処理(S4402)では、まず、変動演出決定用乱数や予告演出決定用乱数、演出図柄決定用乱数等の各種演出決定用乱数を取得する演出決定用乱数処理(S4501)を行う。本実施例では、主制御部80から変動開始コマンドを受信したタイミングでS4501の処理を行い、夫々の乱数から所定の値(取得情報)を取得する。この取得した値(取得情報)に基づいて、実行する演出図柄遊技演出(変動演出)の態様や予告演出の態様、停止表示する演出図柄等を決定する。
【0284】
次いで、S4502では、受信した変動開始コマンドを解析する(S4502)。変動開始コマンドには、第1特別図柄または第2特別図柄の変動パターン選択処理で選択された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定する情報)が含まれている。そして、変動パターンを指定する情報には、
図9に示す変動パターン情報(P1~P22)や現在の遊技状態を指定する遊技状態情報、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の判定結果、大当り種別を指定する図柄情報等が含まれている(
図8を参照)。また、変動パターン指定コマンドには、第1特別図柄に対応するものと第2特別図柄に対応するものとが存在することから、変動パターン指定コマンドを解析することで、今回開始する演出図柄遊技演出(演出図柄の変動表示)が特
図1に係るものなのか特
図2に係るものなのかを判別することが可能となる。なお、変動パターン情報や遊技状態情報、図柄情報等は、これ以降に実行する変動演出開始処理以外の他の処理においても利用可能である。
【0285】
また、受信した変動開始コマンドに前述の状態変化コマンドが含まれている場合、遊技状態が変化したことを示す情報(遊技状態変化情報)が含まれていることとなる。ここで、状態変化コマンドは、前述したように、遊技状態が高ベース状態(高確高ベース状態、低確高ベース状態)から低ベース状態(本例では低確低ベース状態)に移行(変化)することを示すコマンドであり、高ベース状態の終了契機となる特別図柄の変動表示(例えば時短遊技状態での100回目の変動表示)に続く次の変動表示が開始されるタイミングで、主制御部80から送信されるものである。したがって、S4502による変動開始コマンドの解析の結果、当該変動開始コマンドに遊技状態変化情報が含まれているか否かによって、今回開始する特別図柄の変動表示(演出図柄の変動表示)が、高ベース状態から低ベース状態に移行した後の最初の変動表示であるか否かを判別することが可能となる。この結果、低ベース状態に移行後の最初の変動表示に該当する場合には、例えば、低ベース状態への移行を報知する画像や、遊技者に左打ちを指示する画像(発射指示画像としての左打ち指示画像)等の表示を指定するコマンドが、後述のS4507で変動演出開始コマンドに含めてサブ出力バッファにセットされる。
【0286】
次いで、S4503では、演出制御用マイコン91が現在のモードステータスを参照する(S4503)。モードステータスは、演出モードの状態を示す情報であり、具体的には、設定中の演出モードを示す情報である。モードステータスは「1」~「5」までの何れかの値とされ、各値は演出モードA~Eに対して割り当てられている。具体的には、モードステータス「1」が演出モードAに対応し、モードステータス「2」が演出モードBに対応し、モードステータス「3」が演出モードCに対応し、モードステータス「4」が演出モードDに対応し、モードステータス「5」が演出モードEに対応する。現在のモードステータスを参照することで、現在の演出モードを特定することが可能である。
【0287】
ここで、演出モードとは、演出図柄(特別図柄)の変動表示が行われるときの演出の様式を表すものであり、演出モードが異なると、予告演出やリーチ演出等の遊技演出の演出内容(演出態様)の一部又は全部が異なるものとされる。具体的には、例えば、演出図柄8の表示態様(例えば、図柄デザイン、数字デザインなど)が異なったり、登場するキャラクタ、アイテム、背景画像が異なったりする等、画像表示装置7に表示される演出画像が演出モードによって異なるものとされる。また、演出図柄遊技演出や大当り遊技演出も演出モードに応じた態様で実行されるものとすることができ、複数の遊技演出(予告演出やリーチ演出、ラウンド演出等)を設ける場合に、演出モードによって異なる遊技演出を実行可能とすることができる。
【0288】
演出制御用マイコン91は、遊技の状況(遊技状態等)に応じて演出モードA~E(モードステータス1~5)の何れかを設定する制御を実行する。すなわち、演出制御用マイコン91は、演出モードを制御可能な「演出モード制御手段」として機能する。
【0289】
本実施例では、演出モードAおよび演出モードBを低確低ベース状態に対応する演出モードとし、演出モードCを低確高ベース状態と高確高ベース状態の何れにも対応する演出モードとし、演出モードDを低確高ベース状態に対応する演出モードとし、演出モードEを高確高ベース状態に対応する演出モードとしている。従って、演出モードが「C」以外(「A」、「B」、「D」、「E」の何れか)である場合、遊技者は演出モードを確認することで、現在の遊技状態が低確低ベース状態、低確高ベース状態(時短遊技状態)および高確高ベース状態(確変遊技状態)の何れであるのかを把握することが可能となる。一方、演出モードが「C」である場合、遊技者は演出モードを確認しても、現在の遊技状態が低確高ベース状態(時短遊技状態)であるのか高確高ベース状態(確変遊技状態)であるのかを把握(判別)することは困難(不可能)である。その意味において演出モードCは「状態非報知モード」といえる。
【0290】
次いで、S4504では、画像表示装置7、盤面ランプ5、可動装飾部材等を用いて行う変動演出のパターン(変動演出パターン)を決めるための図示しない変動演出パターン決定テーブルをセットする(S4504)。具体的には、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)と主制御部80から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、使用する変動演出パターン決定テーブルをセットする。
【0291】
例えば、受信した変動パターン指定コマンドが指定する変動パターン情報が「P1(変動パターンP1)」(
図9を参照)であった場合、変動演出パターン決定テーブルとして、現在の演出モードに対応した大当り時変動演出パターン決定テーブルがセットされる。変動演出パターン決定テーブルは、主に、演出図柄遊技演出の実行態様(演出図柄の変動態様等)を決定するためのもので、演出モード(モードステータス)に対応する複数の変動演出パターン決定テーブル(図示せず)が副制御基板90のROMに予め格納されている。S4504では、それらの変動演出パターン決定テーブルの中から、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)に対応するテーブルが選択されてセットされる。
【0292】
次いでS4505では、S4501において取得した変動演出決定用乱数及びS4504においてセットした変動演出パターン決定テーブルに基づいて、指定された変動パターンに適合した変動演出パターンを選択し、これを設定する(S4505)。変動演出パターンとしては、演出図柄表示領域7bで表示される演出図柄8の変動態様(演出図柄遊技演出の実行態様)が設定される。これにより、演出図柄遊技演出(変動演出)において、リーチ演出を実行する場合や、特定のキャラクタを用いて行うキャラクタ演出を実行する場合、リーチ演出やキャラクタ演出を実行しない場合等が決定される。
【0293】
なお、S4505では、特別図柄の変動パターンに応じた変動演出パターン、すなわち、演出図柄の変動パターンを決定することから、当該S4505の処理を実行する演出制御用マイコン91も「変動パターン決定手段」として機能するといえる。
【0294】
ここで、リーチ演出のことを「特定演出」ともいう。また、リーチ演出を実行する演出図柄遊技演出(変動演出)のことを「リーチ変動」や「リーチ変動演出」ともいい、キャラクタ演出を実行する演出図柄遊技演出(変動演出)のことを「キャラクタ変動」や「キャラクタ変動演出」ともいい、リーチ演出やキャラクタ演出を実行しない演出図柄遊技演出(変動演出)のことを「ノーマル変動」や「ノーマル変動演出」ともいう。
【0295】
また、S4505では、S4501において取得した演出図柄決定用乱数および図示しない停止図柄決定テーブルに基づいて、停止表示する演出図柄8(「停止演出図柄」ともいう。)を決定し、これを設定する。演出図柄遊技演出の結果として停止表示される演出図柄8は、特別図柄当否判定の結果が外れであって、リーチ有り外れの場合は「787」等の3個の演出図柄8L,8C,8Rのうち1個の演出図柄が他の演出図柄と異なるバラケ目とされ、リーチ無し外れのときは「635」等の3個の演出図柄8L,8C,8Rのうち少なくとも1個の演出図柄が他の演出図柄が異なるバラケ目とされる。一方、特別図柄当否判定の結果が大当りであって、当該大当りが低確低ベース状態での16R第1大当りの場合は「777」のゾロ目とされ、低確低ベース状態での6R大当り(6R第2大当り、6R第3大当り)の場合は「777」以外のゾロ目とされ、高ベース状態(低確高ベース状態、高確高ベース状態)での16R大当り(16R第4大当り、16R第5大当り)の場合は「111」~「999」の何れかのゾロ目とされる。つまり、低確低ベース状態で演出図柄8が「777」のゾロ目で停止表示される場合を除いて、演出図柄8の停止表示態様から今回の大当りが「確変大当り」であるか否かを把握することはできないものとなっている。なお、本実施例で示す演出図柄8の停止表示態様は一例であり、大当りとなったときに停止演出図柄として何を停止表示するかは適宜変更可能である。
【0296】
本実施例のパチンコ遊技機1には、演出図柄8の変動態様(変動演出パターン)として、リーチA、リーチB、リーチC、スーパーリーチ(「SPリーチ」ともいう)A、スーパーリーチB、スーパーリーチC、キャラクタ演出等が設定されている。S4505では、変動演出パターン決定テーブルに基づいて、リーチ演出やキャラクタ演出を行うか、又はそれら演出を行わないかが決定される。そして、リーチ変動演出が実行される場合には、変動パターン指定コマンド及び変動演出パターン決定テーブルに基づいて、何れかのリーチ演出が設定される。ここで、スーパーリーチ演出(SPリーチA~Cの何れか)が実行される場合には、ノーマルリーチ演出(リーチA~Cの何れか)が実行される場合と比較して、大当りとなる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、スーパーリーチ演出はノーマルリーチ演出と比較して大当りの期待度(大当り信頼度)の高い遊技演出であるといえる。なお、スーパーリーチ演出のことを「特別特定演出」や「特別演出表示」ともいう。また、本実施例では、リーチ演出として、リーチA、リーチB、リーチC、SPリーチA、SPリーチBおよびSPリーチCの6種類を備えるものとしているが、本実施例より多くのリーチ演出を設けることも可能であり、あるいは、リーチ演出の種類(数)を本実施例より減らす(少なくする)ことも可能である。
【0297】
本実施例のリーチ演出のうち、ノーマルリーチ演出(リーチA~C)は、変動時間が30000msの変動パターン(
図9を参照)を指定する変動パターン指定コマンドを受信した場合に設定(実行)され得るものとなっており、スーパーリーチ演出(SPリーチA~C)は、変動時間が450000ms以上の変動パターン(
図9を参照)を指定する変動パターン指定コマンドを受信した場合に設定(実行)され得るものとなっている。
【0298】
ここで、演出図柄8の変動表示は、基本的に次のようにして行われる。すなわち、3つの演出図柄8L,8C,8Rが変動表示を開始した後、全演出図柄の変動速度が高速で略一定となり、その後、所定時間が経過したタイミングで、第1停止図柄(本例では左演出図柄8L)の変動速度が低下して第1停止図柄が停止(仮停止)する。これに次いで第2停止図柄(本例では右演出図柄8R)の変動速度が低下して第2停止図柄が停止(仮停止)し、最後に第3停止図柄(本例では中演出図柄8C)の変動速度が低下して第3停止図柄が停止(仮停止)する。この後、3つの演出図柄8L,8C,8Rが確定停止することで、変動表示の表示結果が導出表示され、これをもって1回の変動表示が終了する。このような変動表示の開始から終了までの流れをベースとして、ノーマル変動演出やリーチ演出等が行われる。
【0299】
具体的に、例えば、特図保留球数や遊技状態に応じた特別図柄の変動時間短縮機能が作動していない場合(変動時間短縮機能非作動時)において、3つの演出図柄8L,8C,8Rが変動表示を開始した場合、当該変動開始から所定時間(例えば9秒)が経過したタイミングで左演出図柄8L(第1停止図柄)が停止(仮停止)し、これに続いて右演出図柄8R(第2停止図柄)が停止(仮停止)する。このとき、左右の演出図柄8L,8Rが同じ数字の図柄で停止してリーチが成立すればリーチ演出に発展し、リーチが成立しなければ(つまり、ノーマル変動であれば)、右演出図柄8R(第2停止図柄)の停止(仮停止)に続いて中演出図柄8C(第3停止図柄)が停止(仮停止)する。
【0300】
本実施例において、特別図柄の変動時間短縮機能が作動していない場合(つまり低ベース状態)のノーマル変動では、演出図柄8の変動開始から第3停止図柄(本例では中演出図柄8C)が停止(仮停止)するまでにかかる時間が11秒となっている。これに対し、特別図柄の変動時間短縮機能が作動している場合(つまり高ベース状態)のノーマル変動では、変動表示の開始から左演出図柄8L(第1停止図柄)が停止(仮停止)するまでにかかる時間が通常(変動時間短縮機能非作動時)よりも短くなり、これに伴って、右演出図柄8R(第2停止図柄)および中演出図柄8C(第3停止図柄)が停止(仮停止)するまでにかかる時間も短くなる。また、リーチ変動において、リーチ成立後、中演出図柄8C(第3停止図柄)が変動表示を終了して演出図柄8が確定停止するまでにかかる時間は、前述のノーマルリーチやSPリーチ等のリーチ種別によって異なるものとなっており、その時間は、ノーマルリーチに比べSPリーチの方が長いものとなっている。このようなリーチ成立から確定停止までの時間は、演出図柄8の総変動時間、すなわち、特別図柄の変動パターンにより特定される変動時間(
図9を参照)に依存するものとなる。
【0301】
次いでS4506では、予告演出の設定に係る処理(予告演出設定処理)を行う(S4506)。本実施例では、S4395で記憶した演出保留情報(事前判定結果)に基づく予告演出(保留先読み予告)や、現在の特図変動表示(変動演出)に係る予告演出(当該変動予告)など、種々の予告演出が実行可能となっている。S4506では、それら保留先読み予告や当該変動予告を、これから開始する変動演出に伴って実行するか否か(実行有無)を判定したり、実行する場合の予告演出の実行パターン(予告演出パターン)を設定したりする。
【0302】
具体的には、S4501で取得した予告演出決定用乱数と、副制御基板90のROMに記憶された予告演出決定テーブルとに基づいて、予告演出の実行有無や予告演出パターンを決定し、この決定結果に基づいて予告演出パターンを設定する(S4506)。
【0303】
変動演出に伴って実行可能な予告演出(「変動時予告演出」ともいう。)としては、例えば、表示画面7aに予告用の背景画像を表示する背景予告、複数の予告画像をそれぞれ段階的に表示するステップアップ予告、予告用のコメント画像を表示するコメント予告、可動装飾部材を動作させる可動役物予告などがある。
【0304】
変動時予告演出を実行する場合、複数の予告演出のうち、一の予告演出(一種類の予告演出)を行うこともあれば、二以上の予告演出(複数種の予告演出)を複合して行うこと、すなわち、一の変動表示中(変動演出中)に複数種の予告演出を各々の実行タイミングで行うこともある。
【0305】
なお、S4395で記憶される演出保留情報の記憶内容(演出保留情報記憶領域の記憶内容)や、S4502での変動開始コマンドの解析結果により特定される特別図柄当否判定の結果(今回の特図変動表示に係る当否判定の結果)、同じく変動開始コマンドの解析結果により特定される特別図柄の変動パターン情報(今回の特図変動表示に係る変動パターンや停止図柄)によって、S4506で設定する予告演出パターン、すなわち、実行する予告演出の種類(予告種)や態様、予告演出の有無等を異ならせることができる。
【0306】
またS4506では、前述のS4400で設定された保留先読み演出パターンに基づく保留先読み演出(保留先読み予告)の実行(進行)に関する設定も行う。例えば、特
図1保留球数「4」に対応する第1特図保留(取得情報)の事前判定結果に基づく保留変化予告を、当該第1特図保留に基づく変動表示が開始されるまでの間で実行する場合において、その間の特定の変動開始タイミング(保留消化タイミング)で保留アイコンの表示態様を通常表示態様から予告表示態様に変化させる場合、その変化タイミング(特定の変動開始タイミング)が到来したか否かを判定し、到来した場合にはその変化後の予告表示態様を予告演出パターンとして設定する(S4506)。保留アイコンの表示態様の変化タイミングや予告表示態様は、S4400で設定された保留先読み演出パターンに準ずる。
【0307】
次いでS4507では、S4505で設定された変動演出パターン、停止演出図柄及びS4506で設定された予告演出パターン等に基づく演出図柄遊技演出(変動演出、予告演出等)を開始(実行)するための変動演出開始コマンドをサブ出力バッファにセットし(S4507)、変動演出開始処理を終える。
【0308】
S4507でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドに基づき特定される変動演出パターン、すなわちS4505で設定された変動演出パターンに対応する所定の変動演出用画像データ(演出図柄8の変動開始、変動中、変動停止、停止演出図柄等を示す画像データ)と、変動演出開始コマンドに基づき特定される予告演出パターン、すなわちS4506で設定された予告演出パターンに対応する所定の予告演出用画像データ(先読み演出画像データ)を画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる変動演出や予告演出等を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。また、演出表示器102での2個のLEDによる変動表示(点滅表示)も実行する。
【0309】
[保留変化予告]
前述したように、本実施例のパチンコ遊技機1は、保留先読み演出として保留変化予告を実行することが可能となっている。以下、保留変化予告の概要について説明する。
【0310】
本実施例では、演出保留表示領域(第1演出保留表示領域9c、第2演出保留表示領域9d)に表示可能な保留アイコン(演出保留)として、表示態様が異なる複数種の保留アイコンが設けられている。複数種の保留アイコンには、例えば
図44に示すように、通常表示態様とされる通常保留アイコンと、通常表示態様と異なる予告表示態様とされる特別保留アイコンが含まれる。なお、
図44は、
図3に示す表示画面7aのうち第1演出保留表示領域9c及び変動保留表示領域9eを抜き出してその表示内容を示している。
【0311】
通常保留アイコン及び特別保留アイコンは、それぞれ1種類又は2種類以上(複数種)設けることができる。通常保留アイコンのことを「通常保留表示」ともいい、特別保留アイコンのことを「特別保留表示」ともいう。
【0312】
通常保留アイコン(保留アイコンの通常表示態様)は、例えば、所定の色や形状等で構成される保留図柄とすることができ、保留数を表す文字、数字、記号等を含むものとしてもよい。
【0313】
特別保留アイコン(保留アイコンの予告表示態様)は、例えば、通常保留アイコン(通常表示態様)と比較して色、大きさ、形状(デザイン)を異ならせた態様や、通常保留アイコン(通常表示態様)に対してキャラクタやアイテム、文字、記号等の特別な表示を付加した態様等とすることができる。すなわち、特別保留アイコンは、通常保留アイコンよりも視覚的に目立つ態様とされる。
【0314】
同様に、変動保留表示領域9eに表示可能なアクティブアイコンとして、表示態様が異なる複数種のアクティブアイコンを備える。複数種のアクティブアイコンには、例えば
図44に示すように、通常表示態様とされる通常アクティブアイコンと、通常表示態様と異なる予告表示態様とされる特別アクティブアイコンが含まれる。
【0315】
通常アクティブアイコン及び特別アクティブアイコンは、それぞれ1種類又は2種類以上(複数種)設けることができる。通常アクティブアイコンのことを「通常保留消化表示」ともいい、特別アクティブアイコンのことを「特別保留消化表示」ともいう。
【0316】
アクティブアイコンの表示態様(通常表示態様、予告表示態様)は、保留アイコンの表示態様(通常表示態様、予告表示態様)と同様にして定めることができ、特別アクティブアイコンの方が、通常アクティブアイコンよりも視覚的に目立つ態様とされる。
【0317】
本実施例のパチンコ遊技機1は、特別図柄として第1特別図柄と第2特別図柄を有していることから、特図保留として第1特図保留と第2特図保留が存在する。このため、通常保留アイコン及び特別保留アイコンは、第1特図保留に対応するものと第2特図保留に対応するものとに分けて設けることができる。通常アクティブアイコン及び特別アクティブアイコンについても同様である。
【0318】
本実施例では、
図44に示すように、第1特図保留に対応する通常保留アイコン及び通常アクティブアイコン(第1演出保留9aの通常表示態様)を、白色の円形状の保留図柄としている。また、第1特図保留に対応する特別保留アイコン及び特別アクティブアイコン(第1演出保留9aの予告表示態様)を、青色、緑色又は赤色のハート形状の保留図柄としている。そして、特別保留アイコン及び特別アクティブアイコンの表示色(青色、緑色又は赤色)により大当り信頼度(特定表示結果が導出される期待度)を示唆するものとしており、本実施例では大当り信頼度が最も高い表示色を赤色としており、以下、緑色、青色の順に大当り信頼度が低くなるものとしている。すなわち、大当り信頼度の関係は「青色<緑色<赤色」となっている。
【0319】
また、図示は省略するが、第2特図保留に対応する通常保留アイコン及び通常アクティブアイコン(第2演出保留9aの通常表示態様)、並びに、第2特図保留に対応する特別保留アイコン及び特別アクティブアイコン(第2演出保留9aの予告表示態様)についても、第1特図保留に対応する各アイコンと同様に、表示色や形状等により通常表示態様と予告表示態様とが区別できるように設けられる。
【0320】
始動入球により特図保留(第1特図保留または第2特図保留)が記憶された場合、演出保留表示領域には普段、演出保留として通常保留アイコンが表示される(
図44(a)を参照)。これに対し、保留変化予告が実行されると、演出保留として特別保留アイコンが表示される(
図44(b)~(d)を参照)。
【0321】
本実施例では、第1特図保留に対応する演出保留(保留アイコン)を用いた保留変化予告と、第2特図保留に対応する演出保留(保留アイコン)を用いた保留変化予告と、を実行することが可能となっている。また、第1特図保留に対応するアクティブ保留(アクティブアイコン)を用いた保留変化予告と、第2特図保留に対応するアクティブ保留(アクティブアイコン)を用いた保留変化予告と、を実行することが可能となっている。そして、保留変化予告において保留アイコンやアクティブアイコンの表示態様が変化するタイミング(「保留変化タイミング」ともいう。)は、例えば、始動入球の発生時、特別図柄(演出図柄)の変動表示(変動演出)の開始時、特別図柄(演出図柄)の変動表示中(変動演出中)の所定時期等、あらゆるタイミングとすることが可能であり、保留変化パターンにより定めることができる。
【0322】
このような保留変化予告の実行有無の判定や実行する場合の保留変化パターンの設定に関する処理として、
図43に示す保留変化予告設定処理(S4600)が実行される。以下、演出制御用マイコン91が実行する保留変化予告設定処理(S4600)について説明する。
【0323】
[保留変化予告設定処理]
保留変化予告設定処理(S4600)は、主制御基板80から始動入球コマンドを受信したこと(S4390でYES)に基づいて実行されるもので、保留先読み演出設定処理(S4400)のサブルーチンとして実行される。
【0324】
図43に示すように、保留変化予告設定処理(S4600)ではまず、保留変化予告を実行するか否かの判定を行う(S4601)。本実施例では、遊技状態が低ベース状態に制御されているときには第1特図保留を対象に保留変化予告を行い、高ベース状態に制御されているときには第2特図保留を対象に保留変化予告を行うことが可能となっている。以下では、遊技状態が低ベース状態に制御されている場合、すなわち、第1特図保留を対象とした保留変化予告(「第1特図保留変化予告」ともいう。)について説明する。
【0325】
S4601の実行判定は、新たに記憶された第1特図保留(最新の第1特図保留)を対象に保留変化予告を実行するか否かを判定するもので、所定の実行条件を満たすか否に基づいて行われる。本実施例では、第1特図保留変化予告の実行条件として、(1)最新の第1特図保留を含めた現在の特
図1保留球数(特
図1演出保留情報の記憶数)が「2」以上であること、(2)最新の第1特図保留より前に記憶されている全ての第1特図保留(例えば、最新の第1特図保留が保留数4に該当する場合、保留数1~3の第1特図保留)が、リーチ無しの外れ変動(外れノーマル変動)の実行契機となる「リーチ無し外れ保留」であること、(3)保留変化予告の実行抽選に当選すること、の3つの条件を定めている。そして、(1)及び(2)の少なくとも一方の条件を満たさない場合、(3)の実行抽選を行うことなく保留変化予告を実行しないと判定する(S4602でNO)。これに対し、(1)及び(2)の両方の条件を満たす場合、(3)の実行抽選を行い、当該実行抽選に落選した場合には保留変化予告を実行しないと判定し(S4602でNO)、当選した場合には保留変化予告を実行すると判定する(S4602でYES)。
【0326】
保留変化予告の実行抽選は、例えば、
図45に示す保留変化予告実行判定テーブルに基づいて行うことができる。具体的には、演出決定用乱数として保留変化予告決定用乱数(例えば「0~99」)を設け、当該保留変化予告決定用乱数から1つの値をランダムに取得してその取得した値(保留変化予告決定用乱数値)を保留変化予告実行判定テーブルに基づいて判定することにより、保留変化予告の実行抽選(乱数抽選)を行う。なお、保留変化予告決定用乱数値は、始動入球コマンドを受信したタイミング(S4390)や、保留変化予告の実行抽選を行うタイミング(S4601)で取得可能である。
【0327】
図45に示すように、本実施例の保留変化予告実行判定テーブルは、事前判定の結果(当否)が外れである場合と大当りである場合とのそれぞれについて、変動パターンの種類(リーチなし、ノーマルリーチ、SPリーチ)ごとに、保留変化予告の実行有無に対応する保留変化予告決定用乱数値を割り当てて、保留変化予告の実行有無を決定することが可能なデータ構造となっている。なお、本実施例では、大当りの場合の変動パターンはリーチ変動となるので(
図9を参照)、大当りの場合の変動パターンの種類にリーチなし変動パターンは含まれていない。
【0328】
例えば、保留変化予告の実行判定の対象である最新の第1特図保留(始動入球を契機に新たに記憶された特図保留)が「外れノーマルリーチ変動」の保留(「外れノーマルリーチ保留」ともいう。)であり、取得した保留変化予告決定用乱数値が「73」である場合、当該第1特図保留に係る保留変化予告を実行しない(非実行)と判定される。
【0329】
また、保留変化予告の実行判定の対象である最新の第1特図保留が「大当りSPリーチ変動」の保留(「大当りSPリーチ保留」ともいう。)であり、取得した保留変化予告決定用乱数値が「73」である場合、当該第1特図保留に係る保留変化予告を実行すると判定される。
【0330】
なお、最新の第1特図保留の当否及び変動パターンは、S4395で記憶された演出保留情報(当否情報、変動パターン情報)に基づいて特定可能である。
【0331】
このような保留変化予告実行判定テーブルにより、新たに記憶された第1特図保留の当否情報(大当り又は外れ)及び変動パターン情報(変動時間の長短)に応じて(つまり、保留先読みの結果に応じて)、保留変化予告の実行率(実行割合)が定められる。本実施例では、新たに記憶された第1特図保留が大当り保留である場合の方が、外れ保留である場合に比べ、保留変化予告の実行率(実行割合)が高くなるように構成される(
図45を参照)。また、新たに記憶された第1特図保留に基づく特図変動表示の変動時間が長い程、保留変化予告の実行率(実行割合)が高くなるように構成される(
図45を参照)。このため、第1特図保留変化予告の実行により遊技者の大当りに対する期待感を煽ることが可能となる。
【0332】
なお、本実施例で示す保留変化予告決定用乱数および保留変化予告実行判定テーブルは一例であり、保留変化予告決定用乱数の範囲や保留変化予告実行判定テーブルのデータ構造は特に問わない。
【0333】
図43に戻り、S4601の実行判定の結果、保留変化予告を実行しない場合(S4602でNO)、S4603以降の処理を行うことなく本処理を終え、保留変化予告を実行する場合(S4602でYES)、その保留変化予告の実行パターンである保留変化パターンを設定する(S4603)。
【0334】
S4603で設定する保留変化パターンは、例えば、
図46及び
図47に示す保留変化パターン決定テーブルに基づいて決定(選択)することができる。具体的には、演出決定用乱数として保留変化パターン決定用乱数(例えば「0~99」)を設け、当該保留変化パターン決定用乱数から1つの値をランダムに取得してその取得した値(保留変化パターン決定用乱数値)を保留変化パターン決定テーブルに基づいて判定することにより、保留変化パターンが決定(選択)される。なお、保留変化パターン決定用乱数値は、始動入球コマンドを受信したタイミング(S4390)や、保留変化パターンを設定(決定)するタイミング(S4603)で取得可能である。
【0335】
図46に示す保留変化パターン決定テーブルは、S4601の実行判定で保留変化予告を実行すると判定された第1特図保留(「予告対象保留」又は「先読み対象保留」ともいう。)が外れ保留である場合に参照されるテーブルであり、
図47に示す保留変化パターン決定テーブルは、予告対象保留が大当り保留である場合に参照されるテーブルである。
【0336】
図46及び
図47に示すように、本実施例の保留変化パターン決定テーブルは、予告対象保留の変動パターン(変動演出パターン)の種類(リーチなし、ノーマルリーチ、SPリーチ)ごとに、保留変化パターンに対応する保留変化パターン決定用乱数値を割り当てて、複数ある保留変化パターンの中から実行する保留変化パターンを決定(選択)することが可能なデータ構造となっている。
【0337】
本実施例では、保留変化パターンとして「パターンH1~H7」の7種類が設けられており、そのうちの何れかのパターンが、保留変化予告を実行する際の保留変化パターンとして決定(選択)される。パターンH1~H7は、通常保留アイコン(白色円形)を特別保留アイコンに変化させて表示する場合の表示態様(つまり、予告表示態様)やその変化のタイミング(保留変化タイミング)等を定めるものである。
【0338】
パターンH1~H7のうち、パターンH1~H4は、保留アイコンの表示態様変化を含みアクティブアイコン表示態様変化を含まない保留変化パターン(「第1保留変化パターン」ともいう。)であり、パターンH5~H7は、保留アイコンの表示態様変化とアクティブアイコンの表示態様変化の両方を含む保留変化パターン(「第2保留変化パターン」ともいう。)である。すなわち、パターンH1~H4(第1保留変化パターン)は、保留アイコンのみを用いた保留変化予告の保留変化パターンであり、パターンH5~H7は、保留アイコンとアクティブアイコンを用いた保留変化予告の保留変化パターンである。
【0339】
例えば、予告対象保留が外れノーマルリーチ保留であり、取得した保留変化パターン決定用乱数値が「71」である場合、
図46の保留変化パターン決定テーブルに基づいて、保留変化パターンがパターンH1に決定される。また、予告対象保留が「外れSPリーチ変動」の保留(「外れSPリーチ保留」ともいう。)であり、取得した保留変化パターン決定用乱数値が「55」である場合、
図46の保留変化パターン決定テーブルに基づいて、保留変化パターンがパターンH4に決定される。また、予告対象保留が大当りSPリーチ保留であり、取得した保留変化予告決定用乱数値が「55」である場合、
図47の保留変化パターン決定テーブルに基づいて、保留変化パターンがパターンH6に決定される。
【0340】
このような保留変化パターン決定テーブルにより、保留変化予告が実行される場合の各保留変化パターンの出現率(出現割合)、すなわち、各保留変化パターンに基づく保留変化予告の実行率(実行割合)が定められる。本実施例では、予告対象保留が大当り保留である場合の方が、外れ保留である場合に比べ、パターンH5~H7(第2保留変化パターン)の出現率(出現割合)が高くなるように構成される(
図46、
図47を参照)。
【0341】
また本実施例では、予告対象保留が外れ保留である場合、パターンH5~H7(第2保留変化パターン)よりもパターンH1~H4(第1保留変化パターン)の方が出現しやすい構成となっている(
図9、
図46を参照)。そもそも外れの場合、リーチが実行されない変動パターン(4000ms、12000ms)やノーマルリーチが実行可能な変動パターン(30000ms)の出現率に比べ、SPリーチが実行可能な変動パターン(45000ms以上)の出現率が低いので(
図9を参照)、パターンH5~H7の出現可能性(実行可能性)は相対的に低くなる(
図46を参照)。
【0342】
また本実施例では、予告対象保留が大当り保留である場合、パターンH1~H4(第1保留変化パターン)よりもパターンH5~H7(第2保留変化パターン)の方が出現しやすい構成となっている(
図9、
図47を参照)。そもそも大当りの場合、リーチが実行されない変動パターン(4000ms、12000ms)は出現せず(選択されず)、ノーマルリーチが実行可能な変動パターン(30000ms)の出現率に比べ、SPリーチが実行可能な変動パターン(45000ms以上)の出現率が高いので(
図9を参照)、パターンH5~H7の出現可能性(実行可能性)は相対的に高くなる(
図47を参照)。
【0343】
これにより、保留変化予告が実行された場合の保留変化パターンに遊技者を注目させて、遊技者の大当りに対する期待感を煽ることが可能となる。
【0344】
なお、本実施例で示す保留変化パターン決定用乱数および保留変化パターン決定テーブルは一例であり、保留変化パターン決定用乱数の範囲や保留変化パターン決定テーブルのデータ構造は特に問わない。
【0345】
以上のようにして保留変化パターンをパターンH1~H7の何れかに決定したら、その決定した保留変化パターンを、今回の保留変化予告の実行パターンとして設定する(S4603)。
【0346】
次いでS4604では、S4603で設定した保留変化パターンに基づく保留変化予告の実行を指示する保留変化予告コマンドをサブ出力バッファにセットする(S4604)。セットした保留変化予告コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、受信した保留変化予告コマンドに基づき特定される保留変化予告パターン、すなわちS4603で設定された保留変化パターンに対応する保留変化予告用の画像データ(演出保留画像データ等)を画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる保留変化予告を画像表示装置7の表示画面7a上(演出保留表示領域、変動保留表示領域)で実行する。
【0347】
ここで、パターンH1~H7について、
図44、
図46及び
図47を参照しながら説明する。パターンH1~H7のうち、パターンH1~H4は、第1特図保留に対応する保留アイコン(第1演出保留表示領域9cに表示される保留アイコン)を対象にした保留変化予告を実行する場合の保留変化パターン(第1保留変化パターン)である。すなわち、パターンH1~H4は、予告対象保留(第1特図保留)が記憶されてから当該予告対象保留に基づく特図変動表示が開始されるまでの間に、第1演出保留表示領域9cで実行可能な保留変化予告の実行パターンである。このようなパターンH1~H4(第1保留変化パターン)による保留変化予告のことを「第1先読み演出」ともいう。
【0348】
パターンH1は、通常保留アイコンを青色ハート形状の特別保留アイコンに変化させて表示するパターンである。またパターンH2は、通常保留アイコンを緑色ハート形状の特別保留アイコンに変化させて表示するパターンである。
【0349】
パターンH1及びH2の保留変化タイミングは、表示画面7aの第1演出保留表示領域9cに予告対象保留の保留アイコンが追加表示されたタイミングである。すなわち、予告対象保留(先読み対象)に該当する保留記憶の発生に伴う保留アイコンの追加表示当初から保留変化した特別保留アイコンが表示される。なお、パターンH1及びH2の保留変化タイミングはこれに限定されるものではなく、予告対象保留に基づく特図変動表示が開始されるまでの間であればよい。
【0350】
パターンH1による保留変化予告の流れを
図44(b)に示す。同図では、保留数3に対応する第1特図保留が予告対象保留とされ、これに対応する特別保留アイコン9a(青色ハート形状)が第1演出保留表示領域9cに表示された後、先に記憶された第1特図保留から順に消化されて変動保留表示領域9eへ移動し、特別アクティブアイコン9a(青色ハート形状)として表示された様子を示している。パターンH2による保留変化予告(緑色ハート形状)も、
図44(b)に示す流れと同様にして行われる。
【0351】
このようにパターンH1及びH2は、予告対象保留に該当する保留記憶(第1特図保留)の発生に伴い、第1演出保留表示領域9cに保留アイコン(第1演出保留9a)を特別保留アイコンに変化させた状態で表示した後、その特別保留アイコンを、表示態様(予告表示態様)を変化させることなく変動保留表示領域9eまで移動させて特別アクティブアイコンとして表示するものである。すなわち、通常保留アイコンを特別保留アイコンに変化させる、保留変化回数が1回の保留変化パターンである。
【0352】
パターンH3は、通常保留アイコンを青色ハート形状の特別保留アイコンに変化させて表示した後、その特別保留アイコンを緑色ハート形状の特別保留アイコンに変化させて表示するパターンである。またパターンH4は、通常保留アイコンを緑色ハート形状の特別保留アイコンに変化させて表示した後、その特別保留アイコンを赤色ハート形状の特別保留アイコンに変化させて表示するパターンである。
【0353】
パターンH3及びH4の保留変化タイミングは、表示画面7aの第1演出保留表示領域9cに予告対象保留の保留アイコンが追加表示されたタイミングと、予告対象保留より前に記憶された特図保留の消化に伴い予告対象保留の保留アイコンが移動表示されたタイミングである。すなわち、予告対象保留(先読み対象)に該当する保留記憶の発生に伴う保留アイコンの追加表示当初から保留変化した特別保留アイコンが表示され、その後、表示態様が異なる他の特別保留アイコンが表示される。なお、パターンH3及びH4の保留変化タイミングはこれに限定されるものではなく、予告対象保留に基づく特図変動表示が開始されるまでの間であればよい。
【0354】
パターンH3による保留変化予告の流れを
図44(c)に示す。同図では、保留数4に対応する第1特図保留が予告対象保留とされ、これに対応する特別保留アイコン9a(青色ハート形状)が第1演出保留表示領域9cに表示された後、先に記憶された2つの第1特図保留が消化されたタイミングで特別保留アイコン9aの表示態様が青色ハート形状から緑色ハート形状に変化し、その後、第1特図保留が消化されて緑色ハート形状の特別保留アイコン9aが変動保留表示領域9eへ移動し、特別アクティブアイコン9a(緑色ハート形状)として表示された様子を示している。パターンH4による保留変化予告(保留アイコン:緑色ハート形状→赤色ハート形状)も、
図44(c)に示す流れと同様にして行われる。
【0355】
このようにパターンH3及びH4は、予告対象保留に該当する保留記憶(第1特図保留)の発生に伴い、第1演出保留表示領域9cに保留アイコン(第1演出保留9a)を特別保留アイコンに変化させた状態で表示した後、その特別保留アイコンの表示態様(予告表示態様)を第1演出保留表示領域9c内でさらに1回変化させて、当該変化後(2回目の変化後)の特別保留アイコンを変動保留表示領域9eまで移動させ、特別アクティブアイコンとして表示するものである。すなわち、通常保留アイコンを特別保留アイコンに変化させた後、その特別保留アイコンをさらに他の特別保留アイコンに変化させる、保留変化回数が2回の保留変化パターンである。
【0356】
また、パターンH1~H7のうち、パターンH5~H7は、第1特図保留に対応する保留アイコン(第1演出保留表示領域9cに表示される保留アイコン)を対象にした保留変化予告と、第1特図保留に対応するアクティブアイコン(変動保留表示領域9eに表示されるアクティブアイコン)を対象にした保留変化予告との両方を実行する場合に対応する保留変化パターン(第2保留変化パターン)である。すなわち、パターンH5~H7は、予告対象保留(第1特図保留)が記憶されてから当該予告対象保留に基づく特図変動表示が終了するまでの間に、第1演出保留表示領域9c及び変動保留表示領域9eの両方で実行可能な保留変化予告の実行パターンである。このようなパターンH5~H7(第2保留変化パターン)による保留変化予告のことを「第2先読み演出」ともいう。
【0357】
パターンH5は、通常保留アイコンを青色ハート形状の特別保留アイコンに変化させて第1演出保留表示領域9cに表示した後、その特別保留アイコンを変動保留表示領域9eまで移動させて青色ハート形状の特別アクティブアイコンとして表示し、その後、該特別アクティブアイコンを緑色ハート形状の特別アクティブアイコンに変化させて表示するパターンである。
【0358】
パターンH6は、通常保留アイコンを青色ハート形状の特別保留アイコンに変化させて第1演出保留表示領域9cに表示した後、その特別保留アイコンを変動保留表示領域9eまで移動させて青色ハート形状の特別アクティブアイコンとして表示し、その後、該特別アクティブアイコンを赤色ハート形状の特別アクティブアイコンに変化させて表示するパターンである。
【0359】
パターンH7は、通常保留アイコンを緑色ハート形状の特別保留アイコンに変化させて第1演出保留表示領域9cに表示した後、その特別保留アイコンを変動保留表示領域9eまで移動させて緑色ハート形状の特別アクティブアイコンとして表示し、その後、該特別アクティブアイコンを赤色ハート形状の特別アクティブアイコンに変化させて表示するパターンである。
【0360】
パターンH5~H7の保留変化タイミングは、表示画面7aの第1演出保留表示領域9cに予告対象保留の保留アイコンが追加表示されたタイミングと、該保留アイコンが変動保留表示領域9eまで移動してアクティブアイコンとして表示された後の所定タイミングである。本実施例ではその所定タイミングを、表示画面7a(演出図柄表示領域7b)でSPリーチ演出が開始されるタイミングとしている。なお、パターンH5~H7の保留変化タイミングはこれに限定されるものではなく、第1演出保留表示領域9cでの保留変化タイミングは、パターンH1~H4の保留変化タイミングと同様、予告対象保留に基づく特図変動表示が開始されるまでの間であればよく、変動保留表示領域9eでの保留変化タイミングは、予告対象保留に対応するアクティブアイコンが変動保留表示領域9eに表示されてから、予告対象保留に基づく特図変動表示が終了するまでの間であればよい。
【0361】
パターンH6による保留変化予告の流れを
図44(d)に示す。同図では、保留数3に対応する第1特図保留が予告対象保留とされ、これに対応する特別保留アイコン9a(青色ハート形状)が第1演出保留表示領域9cに表示された後、先に記憶された第1特図保留から順に消化されて変動保留表示領域9eへ移動して特別アクティブアイコン9a(青色ハート形状)として表示され、この特別アクティブアイコン9aの表示態様が予告対象保留に基づく特図変動表示中に青色ハート形状から赤色ハート形状に変化した様子を示している。パターンH5による保留変化予告(保留アイコン:緑色ハート形状→アクティブアイコン:緑色ハート形状)、及び、パターンH7による保留変化予告(保留アイコン:緑色ハート形状→アクティブアイコン:赤色ハート形状)についても、
図44(d)に示す流れと同様にして行われる。
【0362】
このようにパターンH5~H7は、予告対象保留に該当する保留記憶(第1特図保留)の発生に伴い、第1演出保留表示領域9cに保留アイコン(第1演出保留9a)を特別保留アイコンに変化させた状態で表示した後、その特別保留アイコンを、表示態様(予告表示態様)を変化させることなく変動保留表示領域9eまで移動させて特別アクティブアイコンとして表示し、その特別アクティブアイコンの表示態様を変動保留表示領域9eで変化させるものである。すなわち、通常保留アイコンを特別保留アイコンに変化させた後、その特別保留アイコンを特別アクティブアイコンとして表示した状態でさらに他の特別アクティブアイコンに変化させる、保留変化回数が2回の保留変化パターンである。
【0363】
なお、保留変化パターンは本実施例(パターンH1~H7)に限定されるものではなく、例えば、第1演出保留表示領域9cにおける保留アイコンの表示態様変化を2回以上行うパターンや、変動演出保留表示領域9eにおけるアクティブアイコンの表示態様変化を2回以上行うパターンなど、本実施例と異なる保留変化パターンを設けてもよい。また、保留変化パターンの数を本実施例よりも多くしたり少なくしたりすることが可能である。
【0364】
以上、低ベース状態での第1特図保留に係る保留変化予告(第1特図保留変化予告)について説明したが、高ベース状態での第2特図保留に係る保留変化予告、すなわち、第2特図保留を対象とした保留変化予告(「第2特図保留変化予告」ともいう。)についても、前述の保留変化予告設定処理(S4600)等により同様にして行うことができる。この場合、第2特図保留変化予告の実行条件を定め、
図45~
図47に示したテーブルのように、第2特図保留に対応する保留変化予告実行判定テーブル(図示せず)や保留変化パターン決定テーブル(図示せず)を設けて、第2特図保留変化予告の実行有無や実行する場合の保留変化パターンを決定することができる。
【0365】
第2特図保留変化予告の実行条件や実行率、保留変化パターンの種類、保留変化パターンの出現率等は、第1特図保留変化予告と同じように定めてもよいし、第1特図保留変化予告と異なるように定めてもよい。第1特図保留変化予告と異なるように定める場合、例えば、第1特図保留変化予告よりも第2特図保留変化予告の方が実行されやすくなるように構成することができる。すなわち、低ベース状態よりも高ベース状態の方が保留変化予告の実行可能性が高くなるように構成することができる。高ベース状態は、低ベース状態に比べ特図保留の消化スピードが速くなり、遊技を円滑に進行させることができる一方、遊技が単調になって興趣の低下を招きやすい状況となる。この点、低ベース状態での第1特図保留変化予告よりも高ベース状態での第2特図保留変化予告の方が実行されやすい構成とすることで、演出保留(保留アイコン、アクティブアイコン)の表示に遊技者の興味を惹きつけて、興趣低下の抑制を図れることが可能となる。
【0366】
あるいは、それとは逆に、第2特図保留変化予告よりも第1特図保留変化予告の方が実行されやすくなるように構成することができる。すなわち、高ベース状態よりも低ベース状態の方が保留変化予告の実行可能性が高くなるように構成することができる。低ベース状態は、高ベース状態に比べ特図保留の消化スピードが遅く、特図保留1個あたりの演出保留(保留アイコン、アクティブアイコン)の表示時間が高ベース状態よりも長くなりやすい。この点、高ベース状態での第2特図保留変化予告よりも低ベース状態での第1特図保留変化予告の方が実行されやすい構成とすることで、第1特図保留変化予告保留を効果的に行って興趣を向上させることが可能となる。
【0367】
また、第2特図保留変化予告に係る予告対象保留が大当り保留である場合と外れ保留である場合とで、第2特図保留変化予告の実行率(実行割合)を異ならせることができる。この場合、第1特図保留変化予告と同様に、大当り保留である場合の方が外れ保留である場合に比べ実行率が高くなるようにすることができる。こうすれば、第2特図保留変化予告の実行により遊技者の大当りに対する期待感を煽ることが可能となる。
【0368】
第2特図保留変化予告に係る予告対象保留が大当り保留である場合と外れ保留である場合とで、第2特図保留変化予告の実行率(実行割合)を同じとすることもできる。こうすれば、遊技者の大当りに対する期待感を過度に煽ることのないように第2特図保留変化予告を実行することが可能となる。
【0369】
また、第2特図保留変化予告についても、第1特図保留変化予告と同様に、第1保留変化パターンと第2保留変化パターンを設けることができる。この場合、各保留変化パターンの出現率は、第1特図保留変化予告と同じように定めることができる。
【0370】
また、第1特図保留変化予告(低ベース状態)よりも第2特図保留変化予告(高ベース状態)の方が、第2保留変化パターンの出現率が高くなるように構成することもできる。前述のように高ベース状態は特図保留の消化スピードが速いので、保留アイコン(演出保留表示領域)だけでなくアクティブアイコン(変動保留表示領域)も用いることで、保留変化の演出効果がより得られやすくなるからである。
【0371】
[実施例1の作用効果]
以上に説明した本実施例のパチンコ遊技機1によれば、特図保留記憶部(取得情報記憶手段)に記憶された特図保留(取得情報)を予告対象保留(先読み対象)とする先読み演出(保留先読み演出)として、当該予告対象保留が記憶されてから当該予告対象保留に基づく特別図柄(識別情報)の変動表示が開始されるまでの間を実行期間(演出期間)とする保留変化予告(第1保留変化パターンに基づく保留変化予告、すなわち、第1先読み演出)が実行される場合と、当該予告対象保留が記憶されてから当該予告対象保留に基づく特別図柄(識別情報)の変動表示が終了するまでの間を実行期間(演出期間)とする保留変化予告(第2保留変化パターンに基づく保留変化予告、すなわち、第2先読み演出)が実行される場合とがあり得る。このため、実行される保留変化予告の種類によって、保留変化予告の実行期間の長さ(終期)が異なるものとなる。これにより、特図保留を予告対象保留(先読み対象)とする保留変化予告が実行される場合、その保留変化予告がいつまで実行されるのかに遊技者を注目させて、保留変化予告が行われる期間中の興趣を向上させることが可能となる。
【0372】
また、本実施例のパチンコ遊技機1によれば、大当り保留(特定取得情報)と外れ保留(非特定取得情報)のうち、外れ保留を予告対象保留(先読み対象)として保留変化予告が実行される場合、第2保留変化パターンに基づく保留変化予告(第2先読み演出)よりも、第1保留変化パターンに基づく保留変化予告(第1先読み演出)の方が実行されやすいものとなる。このため、大当りの発生契機(特定表示結果の導出契機)とならない外れ保留が予告対象保留(先読み対象)である場合には、保留変化予告(先読み演出)の実行期間(演出期間)が短くなり易く(長くなり難く)なる。これにより、大当りとならない(特定表示結果が導出されない)にもかかわらず、遊技者の大当り(特定表示結果の導出)に対する期待感を徒に煽ることのないようにすることが可能となる。
【0373】
また、本実施例のパチンコ遊技機1によれば、大当り保留(特定取得情報)と外れ保留(非特定取得情報)のうち、大当り保留を予告対象保留(先読み対象)として保留変化予告が実行される場合、第1保留変化パターンに基づく保留変化予告(第1先読み演出)よりも、第2保留変化パターンに基づく保留変化予告(第2先読み演出)の方が実行されやすいものとなる。このため、大当りの発生契機(特定表示結果の導出契機)となる大当り保留が予告対象保留(先読み対象)である場合には、保留変化予告(先読み演出)の実行期間(演出期間)が長くなり易く(短くなり難く)なる。これにより、保留変化予告(先読み演出)の実行期間(演出期間)の長短を利用して、遊技者の大当り(特定表示結果の導出)に対する期待感を効果的に煽ることが可能となる。
【0374】
また、本実施例のパチンコ遊技機1によれば、画像表示装置7(画像表示手段)の表示画面7aにおける演出保留表示領域(第1表示領域)及び変動保留表示領域(第2表示領域)のうち、演出保留表示領域に表示される保留アイコンを用いて第1保留変化パターンに基づく保留変化予告(第1先読み演出)が実行され、変動保留表示領域に表示されるアクティブアイコンを用いて第2保留変化パターンに基づく保留変化予告(第2先読み演出)が実行される。このため、第1保留変化パターンに基づく保留変化予告と、第2保留変化パターンに基づく保留変化予告とを視覚的に区別させることが可能となる。これにより、遊技者が注目しやすい先読み演出とすることが可能となる。
【0375】
なお、前述の実施例1では、保留先読み演出として保留変化予告を実行する構成を例示したが、保留先読み演出として実行する演出は、演出図柄をチャンス目等の特殊な停止表示態様で停止表示したり、キャラクタやコメント(セリフ)、カットイン、背景等の予告画像を表示したり、可動装飾部材(可動役物)を動作させたりする演出等、保留変化予告以外の演出を保留先読み演出として実行するようにしてもよい。
【0376】
また、前述の実施例1では、先読み演出の実行契機となる予告対象保留が記憶されてから当該予告対象保留に基づく特別図柄の変動表示が開始されるまでの間に実行される先読み演出(第1先読み演出)と、先読み演出の実行契機となる予告対象保留が記憶されてから当該予告対象保留に基づく特別図柄の変動表示が終了されるまでの間に実行される先読み演出(第2先読み演出)とを、何れも演出保留(保留アイコン、アクティブアイコン)を用いた保留変化予告としていた。すなわち、第1先読み演出と第2先読み演出とを同種の先読み演出としていた。これに対し、第1先読み演出と第2先読み演出とを互いに異なる種類の先読み演出とすることも可能である。
【0377】
例えば、前述の実施例1の変形例として、
図48に示すように、演出図柄8の変動表示が終了するとき(変動停止時)に大当り信頼度を示唆するエフェクト画像70(効果画像)を演出図柄8の周囲に表示する保留先読み演出(「変動停止時予告」ともいう。)を第1先読み演出として実行し、前述の実施例1と同様の第2保留変化パターン(パターンH5~H7)に基づく保留変化予告を第2先読み演出として実行するように構成することも可能である。
【0378】
変動停止時予告の実行にあたっては、例えば、示唆する大当り信頼度の高低に対応した複数のエフェクト画像70を設け、予告対象保留に係る事前判定結果(当否情報、変動パターン情報等)に基づいて、複数のエフェクト画像70のうち何れを表示するのか(すなわち、変動停止時予告パターン)を決定(選択)するように構成すればよい。
【0379】
エフェクト画像70は、例えば、大当り信頼度の高低に応じて表示色を異ならせたり表示サイズを異ならせたりする等、示唆する大当り信頼度に応じて表示態様(視認態様)が異なるものであればよい。具体的には、主たる表示色が青色のエフェクト画像と、主たる表示色が緑色のエフェクト画像と、主たる表示色が赤色のエフェクト画像とを設け、示唆する大当り信頼度が青色、緑色、赤色の順で高くなるように設定したり、表示サイズが小サイズのエフェクト画像と、表示サイズが中サイズのエフェクト画像と、表示サイズが大サイズのエフェクト画像とを設け、示唆する大当り信頼度が小サイズ、中サイズ、大サイズの順で高くなるように設定したりする等して、表示されるエフェクト画像の種類によって大当り信頼度が異なるようにすればよい。
【0380】
ここで、変動停止時予告と、前述したパターンH6(第2保留変化パターン)による保留変化予告(
図44(d)を参照)とが並行(重複)して実行される場合の演出表示(表示画面7aの表示内容)の流れについて、
図48を参照しながら説明する。
【0381】
図48(a)は、演出図柄表示領域7bで演出図柄8が停止表示したときの特
図1保留球数が「3」で、保留数1,2に対応する第1特図保留がともに外れ保留であって当該第1特図保留(外れ保留)の保留アイコン9aが通常保留アイコンとして第1演出保留表示領域9cに表示されるとともに、保留数3に対応する第1特図保留が予告対象保留であって当該予告対象保留の保留アイコン9aが青色ハート形状の特別保留アイコンとして第1演出保留表示領域9cに表示されたときの表示画面7aを示す。
【0382】
図48(a)の状態から、保留数1に対応する第1特図保留(外れ保留)に基づく第1特別図柄及び演出図柄8の変動表示が開始されると、当該変動表示の開始前に第1演出保留表示領域9cに表示されていた3つの保留アイコン9aのうち保留数1に対応する保留アイコン(第1演出保留表示領域9cの左端に位置する保留アイコン)が変動保留表示領域9eへ移動するとともに、保留数2,3に対応する保留アイコンがそれぞれ第1演出保留表示領域9c内を左方へ移動(1つずつシフト)して保留数1,2に対応するものとして表示される(
図48(b)を参照)。
図48(b)は、特
図1保留球数が「2」の状態で演出図柄8が変動表示中の表示画面7aを示す。
【0383】
図48(b)の状態から、演出図柄8の変動表示が終了し、演出図柄8が外れ態様で停止表示されると、当該停止表示とともにエフェクト画像70が演出図柄表示領域7bに表示される(
図48(c)を参照)。
図48(c)は、特
図1保留球数が「2」であり、保留数1に対応する第1特図保留(外れ保留)の保留アイコン9aが通常保留アイコン、保留数2に対応する予告対象保留の保留アイコン9aが青色ハート形状の特別保留アイコンとしてそれぞれ第1演出保留表示領域9cに表示された状態で、演出図柄8が外れ態様で停止表示してエフェクト画像70が表示されたときの表示画面7aを示す。
【0384】
図48(c)の状態から、演出図柄表示領域7bに表示されていたエフェクト画像70が消去されて、保留数1に対応する第1特図保留(外れ保留)に基づく第1特別図柄及び演出図柄8の変動表示が開始されると、当該変動表示の開始前に第1演出保留表示領域9cに表示されていた2つの保留アイコン9aのうち保留数1(外れ保留)に対応する保留アイコン(通常保留アイコン)が変動保留表示領域9eへ移動するとともに、保留数2(予告対象保留)に対応する保留アイコン(特別保留アイコン)が第1演出保留表示領域9c内を左方へ移動(1つシフト)して保留数1に対応するものとして表示される(
図48(d)を参照)。
図48(d)は、特
図1保留球数が「1」の状態で演出図柄8が変動表示中の表示画面7aを示す。
【0385】
図48(d)の状態から、演出図柄8の変動表示が終了し、演出図柄8が外れ態様で停止表示されると、当該停止表示とともにエフェクト画像70が演出図柄表示領域7bに表示される(
図48(e)を参照)。
図48(e)は、特
図1保留球数が「1」であり、保留数1に対応する第1特図保留(予告対象保留)の保留アイコン9aが青色ハート形状の特別保留アイコンとして第1演出保留表示領域9cに表示された状態で、演出図柄8が停止表示してエフェクト画像70が表示されたときの表示画面7aを示す。
【0386】
図48(e)の状態から、演出図柄表示領域7bに表示されていたエフェクト画像70が消去されて、保留数1に対応する第1特図保留(予告対象保留)に基づく第1特別図柄及び演出図柄8の変動表示が開始されると、当該変動表示の開始前に第1演出保留表示領域9cに表示されていた保留数1(予告対象保留)に対応する保留アイコン9a(特別保留アイコン)が変動保留表示領域9eへ移動して、青色ハート形状の特別アクティブアイコンとして表示される(
図48(f)を参照)。
図48(f)は、特
図1保留球数が「0」の状態で演出図柄8が変動表示中(予告対象保留に基づく変動表示中)の表示画面7aを示す。
【0387】
そして、
図48(f)の予告対象保留に基づく変動表示において、
図48(g)に示すように左右の演出図柄8L,8Rが同じ図柄で停止してリーチ成立となり、その後、
図48(h)に示すようにSPリーチ演出が開始されると、このとき変動演出保留表示領域9eに表示されている特別アクティブアイコンの表示態様が青色ハート形状から赤色ハート形状に変化する。この後、SPリーチ演出を経て当該変動表示(変動演出)が終了し、当該変動に係る特別図柄当否判定(事前判定)の結果に応じて演出図柄8が大当り態様又は外れ態様で停止表示される。
【0388】
このように本変形例は、予告対象保留が記憶されてから、当該予告対象保留に基づく変動表示が開始されるまでの間において、当該予告対象保留の先読み演出(保留先読み演出)として、演出図柄表示領域7b(第1表示領域)に表示されるエフェクト画像70を用いて変動停止時予告が実行される(
図48(a)~(e)を参照)とともに、予告対象保留(
図48では保留数3に対応する第1特図保留)が記憶されてから、当該予告対象保留に基づく変動表示が終了するまでの間において、当該予告対象保留の先読み演出(保留先読み演出)として、第1演出保留表示領域9c及び変動保留表示領域9e(総じて第2表示領域)に表示される演出保留(保留アイコン、アクティブアイコン)を用いて保留変化予告が実行される(
図44(d)、
図48(a)~(e)を参照)ことがあるように構成される。
【0389】
本変形例のように、一の予告対象保留を契機として変動停止時予告と保留変化予告(第2保留変化パターンに基づく保留変化予告)とを実行可能に構成する場合、例えば、
図49に示すテーブルに基づいて各予告の実行率を定めることができる。
図49(a)は変動停止時予告実行判定テーブルの一例を示し、
図49(b)は保留変化予告実行判定テーブルの一例を示す。
【0390】
変動停止時予告については、演出決定用乱数として変動停止時予告決定用乱数(例えば「0~99」)を設け、当該乱数から1つの値をランダムに取得してその取得した値(変動停止時予告決定用乱数値)を変動停止時予告実行判定テーブルに基づいて判定することにより、変動停止時予告の実行抽選(乱数抽選)を行うことができる。なお、変動停止時予告決定用乱数値は、始動入球コマンドを受信したタイミング(S4390)や、変動停止時予告の実行抽選を行うタイミングで取得可能である。
【0391】
変動停止時予告実行判定テーブルは、例えば
図49(a)に示すように、事前判定の結果(当否)が外れである場合と大当りである場合とのそれぞれについて、変動停止時予告の実行有無に対応する変動停止時予告決定用乱数値を割り当てて、変動停止時予告の実行有無を決定することが可能なデータ構造とすることができる。
図49(a)に示す例では、事前判定の結果(当否)が外れである場合(予告対象保留が外れ保留である場合)と大当りである場合(予告対象保留が大当り保留である場合)とで、変動停止時予告の実行率(実行割合)が同じ(五分五分)となるように構成されている。このため、変動停止時予告の実行により遊技者の大当りに対する期待感を適度に煽ることが可能となる。
【0392】
保留変化予告実行判定テーブル(第2保留変化パターン対応)は、例えば
図49(b)に示すように、事前判定の結果(当否)が外れである場合と大当りである場合とのそれぞれについて、保留変化予告(第2保留変化パターン)の実行有無に対応する保留変化予告決定用乱数値を割り当てて、第2保留変化パターンに基づく保留変化予告の実行有無を決定することが可能なデータ構造とすることができる。
図49(b)に示す例では、事前判定の結果(当否)が大当りである場合(予告対象保留が大当り保留である場合)の方が、外れである場合(外れ保留である場合)に比べ、第2保留変化パターンに基づく保留変化予告の実行率(実行割合)が高くなるように構成されている。このため、第2保留変化パターンに基づく保留変化予告の実行により遊技者の大当りに対する期待感を一層煽ることが可能となる。
【0393】
また、
図49に示す変動停止時予告実行判定テーブル及び保留変化予告実行判定テーブルによれば、事前判定の結果(当否)が外れである場合(予告対象保留が外れ保留である場合)、第2保留変化パターンに基づく保留変化予告(第2先読み演出)よりも変動停止時予告(第1先読み演出)の方が実行されやすいものとなる。一方、事前判定の結果(当否)が大当りである場合(予告対象保留が大当り保留である場合)、変動停止時予告(第1先読み演出)よりも第2保留変化パターンに基づく保留変化予告(第2先読み演出)の方が実行されやすいものとなる。
【0394】
このような本変形例によっても、実施例1と同様の作用効果を奏することが可能である。また本変形例によれば、第2保留変化パターンに基づく保留変化予告を、変動停止時予告よりも大当り信頼度の高い予告(保留先読み演出)とし、両者の予告の実行期間(演出期間)の長短を利用して、遊技者の大当りに対する期待感を効果的に煽ることが可能である。
【0395】
なお、
図48では、一の予告対象保留を契機として変動停止時予告と保留変化予告とが並行(重複)して実行される場合を例示したが、変動停止時予告が実行されずに保留変化予告が実行されたり、保留変化予告が実行されずに変動停止時予告が実行されたりする場合も当然あり得る。
次に、実施例2のパチンコ遊技機1について説明する。本実施例は、保留先読み演出(保留先読み予告)としてチャンス目予告を実行可能に構成されたものである。以下、本実施例の構成について実施例1と異なる部分を中心に説明し、実施例1と共通する部分(構成、作用効果等)については説明を省略する。
本実施例で実行可能なチャンス目予告は、1回又は複数回の演出図柄8(特別図柄)の変動表示において、3つの演出図柄8L,8C,8Rを、単なるバラケ目(外れ態様)とは異なる特殊なバラケ目(これを「チャンス目」という。)で停止表示させる演出であって、停止表示されたチャンス目の種類によって、予告対象保留に基づく変動表示の大当り信頼度を示唆する演出(示唆演出)である。チャンス目のことを「特殊外れ態様」又は「特殊態様」ともいう。
前述の実施例1で説明したように、演出図柄8L,8C,8Rは、それぞれ「1」~「9」の数字図柄からなり、奇数図柄である「3」と「7」が赤図柄、これ以外の奇数図柄である「1」、「5」、「9」が緑図柄、偶数図柄である「2」、「4」、「6」、「8」が青図柄とされている。すなわち、演出図柄8は赤図柄(3,7)、緑図柄(1,5,9)、青図柄(2,4,6,8)の3つに分類される。これに対応して本実施例では、例えば「337」や「155」や「248」など、3つの演出図柄8L,8C,8Rが全て同じ色となる外れ態様(「同色バラケ目」ともいう。)をチャンス目としている。そして、本実施例では、赤図柄の外れ態様(「337」、「733」など)を大当り信頼度が最も高いチャンス目としており、以下、緑図柄の外れ態様(「155」、「159」など)、青図柄の外れ態様(「246」、「468」など)の順で、大当り信頼度が低くなるものとしている。
赤図柄の外れ態様からなるチャンス目を「赤チャンス目」ともいい、緑図柄の外れ態様からなるチャンス目を「緑チャンス目」ともいい、青図柄の外れ態様からなるチャンス目を「青チャンス目」ともいう。
なお、本実施例では、チャンス目予告によって大当り信頼度を示唆するものとしているが、リーチ演出やSPリーチ演出等の大当りへの期待感が高まる演出の実行可能性を示唆するようにしてもよい。つまり、予告対象保留に基づく変動表示に関する情報(特定表示結果が導出される期待度、特定演出の実行可能性等)を示唆する演出(示唆演出)として、チャンス目予告を実行することが可能である。チャンス目予告(示唆演出)のことを「所定演出」ともいう。
本実施例では、そのようなチャンス目の停止表示(チャンス目予告)が、予告対象保留に該当する保留記憶の発生を契機に実行される場合がある。そして、遊技状態が低確低ベース状態(通常遊技状態、第1遊技状態)に制御されているとき、当該遊技状態での演出モードが演出モードAである場合と演出モードBである場合とで、チャンス目予告の実行率(実行割合)が異なるものとなっている。
S4701でモードステータスが「1」でないと判定した場合(S4701でNO)、S4702以降の処理を行うことなく本処理を終える。この場合、現在の演出モードは演出モードA以外の演出モードということになる。
そして、上記設定条件(1)~(3)のうち少なくとも一つの条件を満たさない場合、(4)の設定抽選を行うことなく、特定期間を設定しないと判定する(S4703でNO)。これに対し、(1)~(3)の全ての条件を満たす場合、(4)の設定抽選を行い、当該設定抽選に落選した場合には特定期間を設定しないと判定し(S4703でNO)、当選した場合には特定期間を設定すると判定する(S4703でYES)。
特定期間の設定抽選は、例えば、演出決定用乱数として特定期間設定乱数を設け、当該特定期間設定乱数から1つの値をランダムに取得してその取得した値(特定期間設定乱数値)を図示しない判定テーブルに基づいて判定することにより行うことができる。特定期間の設定抽選に当選する確率は、例えば、30%や50%等の任意の確率とすることができる。なお、特定期間設定乱数値は、始動入球コマンドを受信したタイミング(S4390)や、特定期間の設定抽選を行うタイミング(S4702)で取得可能である。
S4702の判定の結果、特定期間を設定しない場合(S4703でNO)、S4704以降の処理を行うことなく本処理を終え、特定期間を設定する場合(S4703でYES)、特定期間フラグをONにする(S4704)。S4704の処理により特定期間が設定される。
特定期間フラグは、特定期間の設定・非設定(解除)を切り替えるためのフラグであり、特定期間が設定されていないときはOFFとなり、特定期間が設定されているときはONとなる。つまり、特定期間中であるか否かを示すフラグである。
また、本実施例では、特定期間を内部的に設定可能な制御上の期間としており、特定期間フラグをONにして特定期間を設定したとしても、そのことを外部に報知しないものとしている。
S4704で特定期間フラグをONにした後、特定保留(予告対象保留)の1つ前(先)に記憶された第1特図保留に基づく変動表示が終了すると(変動表示の表示結果が導出表示されると)、演出制御用マイコン91は特定期間フラグをOFFにする。つまり、特定期間は、当該特定期間の開始契機となった特定保留に基づく変動表示の開始直前に終了する。このため、特定保留に基づく変動表示が開始されるとき、すなわち、特定保留に基づく変動表示の開始を指定する変動開始コマンドを受信した場合(S4401でYES)の変動演出開始処理(S4402)が実行されるときには、特定期間フラグがOFFであり、特定期間は終了している。
次いでS4705では、演出モードAから演出モードBに演出モードを移行させるか否かの抽選(演出モード移行抽選)を行う(S4705)。S4705の抽選は、例えば、演出決定用乱数として演出モード移行乱数を設け、当該演出モード移行乱数から1つの値をランダムに取得してその取得した値(演出モード移行乱数値)を図示しない判定テーブルに基づいて判定することにより行うことができる。演出モード移行抽選に当選する確率は、例えば、30%や50%等の任意の確率とすることができる。なお、演出モード移行乱数値は、始動入球コマンドを受信したタイミング(S4390)や、演出モード移行抽選を行うタイミング(S4705)で取得可能である。
演出モード移行抽選に落選した場合(S4705でNO)、S4707及びS4708の処理を行うことなく本処理を終える。この場合、特定期間フラグ「ON」且つモードステータス「1」となるので、演出モードAで特定期間が設定された状態となる。前述のように、特定期間が設定されてもそのことは報知されないため、演出モードAで特定期間が設定された場合、遊技者は、特定期間が設定されていることを直接的に理解することはできない。
一方、演出モード移行抽選に当選した場合(S4705でNO)、モードステータスを「2」にセットし(S4707)、特定画像表示コマンドをサブ出力バッファにセットして(S4708)、本処理を終える。この場合、特定期間フラグ「ON」且つモードステータス「2」となる。
S4707の処理により、演出モードAから演出モードBに演出モードが移行する。そして、S4708でセットした特定画像表示コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、受信した特定画像表示コマンドに基づいて特定される画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる特定画像を画像表示装置7の表示画面7aに表示する。つまり、演出モードBでは表示画面7aに特定画像が表示される。
なお、特定画像は、演出モードAで表示されることのない画像であればよく、文字を表示するものの他、キャラクタを表示するものや絵柄を表示するもの等、特定画像の形態は特に問わない。
演出モードBに移行した後、特定保留(予告対象保留)に基づく変動表示が終了すると、演出制御用マイコン91はモードステータスを「1」にセットし、これにより演出モードAに戻る。
停止図柄決定テーブルCは、これから開始する変動演出に係る特別図柄当否判定の結果や変動パターン(変動演出パターン)及びS4501で取得した演出図柄決定用乱数に基づいて、停止演出図柄をチャンス目以外の停止表示態様に決定するためのテーブルである。
停止図柄決定テーブルCを用いて決定される停止演出図柄は、例えば、大当りであれば「555」等のゾロ目に決定され、リーチ有り外れであれば「585」等のリーチバラケ目に決定され、リーチ無し外れであれば「241」等の完全バラケ目に決定される。
これに対し、S4801で特定期間フラグがONであると判定した場合(S4801でYES)、モードステータスが「1」であるか否かを判定する(S4802)。前述したように、特定期間フラグがONである場合、モードステータスは「1」又は「2」、すなわち、演出モードA又はBである(特定期間設定処理(S4700)を参照)。
停止図柄決定テーブルA及びBは、何れも、特定保留より前に記憶されている「リーチ無し外れ保留」に基づく特別図柄(及び演出図柄)の変動表示(外れノーマル変動)の開始に際し、当該外れノーマル変動の停止演出図柄をチャンス目又はチャンス目以外の停止表示態様に決定するためのテーブルである。外れノーマル変動の停止演出図柄が決定の対象であるのは、特定保留より前に記憶されている全ての第1特図保留が「リーチ無し外れ保留」であることが、特定期間の設定条件だからである。
これにより、演出モードA,Bの何れにおいても、チャンス目予告(チャンス目の停止表示)の出現に遊技者を注目させて、図柄変動遊技の興趣を高めることが可能となる。特に、演出モードBでは帯画像75(特定画像)の表示により、チャンス目が停止表示されやすい(チャンス目予告が実行されやすい)状況であることを遊技者に認識させることができるので、遊技者の大当りに対する期待感を煽ることが可能となる。
ここで、特定保留(TH)に基づく変動表示に係る変動演出として、演出図柄8の変動表示の開始から終了(確定停止)までの間に、当該演出図柄8が一旦停止表示(仮停止)した後に再度変動表示する表示動作を1回又は複数回発生させる疑似連演出を実行するようにしてもよい。この場合、疑似連演出で仮停止表示される演出図柄8の停止表示態様(仮停止態様)をチャンス目とすることで、特定保留(TH)より前に消化される第1特図保留に基づく変動表示でのチャンス目予告との連続性が生まれ、チャンス目の停止表示による演出効果をより一層高めることが可能となる。
また、帯画像75(特定画像)は、特定保留(TH)に基づく変動表示が終了するまでの所定時期に消去されるところ、その所定時期(消去タイミング)は、例えば、リーチ成立のタイミングや、SPリーチ演出等の大当りへの期待感が高まる演出に発展するタイミング等とすることができる。
遊技者にとっては、演出モードBでは演出モードAよりもチャンス目予告に接する機会が与えられやすくなるため、識別情報の変動表示に対しより一層関心を抱けるようになるし、大当りに対する期待感をより強く抱けるようにもなる。また、演出モードBでは、演出モードAで表示されない帯画像75が表示されるため、現在の演出モードが演出モードBであることを認識するのは容易である。
このため、演出モードAと演出モードBとの違いを明確にして、演出モードBで行われる識別情報の変動表示(変動演出)に遊技者の興味をより一層惹きつけることが可能となる。また、演出モードAよりも演出モードBの方が大当りに対する期待感が高まる印象を遊技者に与えることが可能となる。これにより、複数の演出モードを備えたパチンコ遊技機の興趣を向上させることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1によれば、識別情報(演出図柄、特別図柄)の変動表示が行われるときの遊技状態として、大当り確率(特定表示結果が導出される確率)が所定確率(低確率、第1確率)とされる低確低ベース状態等の低確率状態(第1遊技状態)と、大当り確率が所定確率よりも高い確率(高確率、第2確率)とされる高確高ベース状態等の高確率状態(第2遊技状態)とを備え、遊技状態が低確低ベース状態(低確率状態、第1遊技状態)である場合に、演出モードが演出モードB(特定演出モード)に制御され得る。
低確低ベース状態は、高確率状態に比べ大当りが発生し難い(特定表示結果が導出され難い)ため、遊技興趣の低下を招きやすいところ、その低確低ベース状態において演出モードB(特定期間且つ演出モードB)による図柄変動遊技が可能となる。これにより、低確低ベース状態の遊技興趣の低下を招き難くすることが可能となる。
このため、演出モードB(特定期間且つ演出モードB)で外れノーマル変動パターンによる変動表示(外れノーマル変動)が行われるときには、演出モードAに比べ、チャンス目予告が実行されやすいものとなる。これにより、演出モードBで外れノーマル変動が行われる場合の興趣を向上させることが可能となる。
特に、低確低ベース状態は、高確率状態に比べ大当りが発生し難く、外れの発生頻度(外れ変動の実行頻度)が高い遊技状態であるといえる。そして、低確低ベース状態では、外れ変動パターンとして、外れノーマル変動パターン(変動パターンP7,P11)の方が、外れノーマルリーチや外れSPリーチの変動パターン(変動パターンP4~P6,P8~P10)に比べ選択されやすい(選択率が高い)ものとなっている。このような外れノーマル変動パターン(外れノーマル変動)を利用して、演出モードB(特定期間且つ演出モードB)におけるチャンス目予告の実行割合を演出モードAに比べ高くすることで、チャンス目予告が連続して実行されやすくなるようにして興趣を向上させることが可能となる。また、単なる外れ変動(外れノーマル変動)を無駄にすることなく遊技興趣の向上に役立てることが可能となる。
なお、前述の実施例2では、低確低ベース状態においてチャンス目予告が実行され得るものとしていたが、低確高ベース状態や高確高ベース状態等、低確低ベース状態以外の遊技状態でも実行され得るように構成してもよい。高ベース状態でチャンス目予告を実行する場合、その実行契機となる特定保留(予告対象保留)は第2特図保留とすればよく、演出モードA及びBと同様の関係性を有する2つの演出モードを高ベース状態に設ければよい。
また、前述の実施例2では、演出モードAでは実行割合が相対的に低くなり、演出モードB(特定期間且つ演出モードB)では実行割合が相対的に高くなる演出(所定演出)をチャンス目予告としていたが、このように演出モードに応じて実行割合が変動する所定演出は、チャンス目予告以外の演出(示唆演出)であってもよい。例えば、大当り信頼度の高低に応じたカットイン画像を表示するカットイン予告や、大当り信頼度が相対的に高いことを示唆する画像(例えば「激熱」の文字や、特定の絵柄、模様等を含む画像)を表示したり、大当り信頼度が相対的に高いことを示唆する効果音を出力したりする高期待度演出、複数回の変動表示に亘って連続的に実行される連続予告等を、所定演出とすることが可能である。また、保留先読み演出だけでなく当該先読み演出を所定演出とすることも可能である。要するに、識別情報の変動表示に関する情報を示唆する演出であれば、所定演出の種類は特に問わない。
以上、本発明の実施形態として実施例1及び2を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することが可能である。
例えば、前述の実施例では、大当り遊技のラウンド数として「6R」と「16R」の2種類を有するものとしていたが、ラウンド数はこれに限定されるものではなく、ラウンド数の種類(つまり、大当りの種類)も3種類以上としたり、あるいは、1種類だけとしたりすることが可能である。また前述の実施例では、大当り遊技の最大ラウンド数を16R(16R大当り)としていたが、最大ラウンド数はこれに限られず、例えば、15R以下(例えば10R)とすることも可能である。
また前述の実施例では、大当り遊技(特別遊技状態)において作動する大入賞装置(大入賞口)を1つ備えるパチンコ遊技機に本発明を適用したものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、大入賞装置(大入賞口)を複数(例えば2つ)備えるパチンコ遊技機にも本発明を適用することが可能である。
例えば、特図保留記憶部に加え、事前判定の対象となる取得情報(つまり、始動入球に基づいて取得された取得情報)を記憶する領域(取得情報記憶手段)を主制御部やサブ制御部のRAMに設け、当該記憶領域(事前判定用記憶部)に記憶した取得情報を判定(事前判定)するものとしてもよい。この場合、事前判定の結果を主制御部やサブ制御部のRAMに記憶することで、事前判定に用いた取得情報(別の記憶領域に記憶した取得情報)を消去することも可能である。あるいは、特図保留記憶部に記憶した取得情報について事前判定するのではなく、始動入球に基づいて取得された取得情報について事前判定するものとしてもよい。つまり、取得情報を特図保留記憶部に記憶する前に事前判定するようにしてもよい。この場合、特図保留記憶部と別に、事前判定の対象となる取得情報を記憶する領域を設ける必要はなく、また、特図保留記憶部に記憶した取得情報を事前判定のために読み出す必要もない。
また前述の実施例では、大当り図柄の種類に基づいて確率変動機能を作動させるか否かを決定する1種タイプのパチンコ遊技機に本発明を適用したものを例示したが、本発明はこれ以外のタイプのパチンコ遊技機にも適用可能である。例えば、大入賞口(Vアタッカー)に確変作動口としての特定領域(V領域)を備え、大当り遊技中に遊技球が特定領域を通過(V通過)したか否かに基づいて確率変動機能を作動させるか否かを決定する1種タイプのパチンコ遊技機(所謂「V確機」)にも本発明を適用することが可能である。あるいは、特別図柄当否判定の結果が小当りとなることで入球可能となる大入賞口に特定領域(V領域)を備え、小当り遊技の際にその大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過(V通過)すると大当りとなり、当該V通過に基づき大当り遊技が実行される1種2種タイプのパチンコ遊技機(所謂「1種2種混合機」)にも本発明を適用することも可能である。
また前述の実施例では、確率変動機能の非作動・作動により、大当り確率を低確率(第1確率)または高確率(第2確率)に設定可能としていたが、大当り確率の種類(数)はこれに限定されるものではなく、例えば、低確率(第1確率)よりも高く高確率(第2確率)よりも低い中確率(第3確率)等、3種類以上の確率を設定可能としてもよい。さらに、第1低確率と第1高確率(第1確率条件)、第2低確率と第2高確率(第2確率条件)、第3低確率と第3高確率(第3確率条件)など、低確率と高確率との関係を定めた複数種の確率条件を設け、当該複数種の確率条件のうちの何れかを、例えば、遊技機の電源投入時に任意に設定可能(選択可能)としてもよい。
上述の先読み演出は、遊技者を飽きさせないようにするための一手法として既に多くの遊技機に採用されており、先読み演出を備えた遊技機の興趣を高めるには更なる改善の余地がある。
このような遊技機によれば、取得情報記憶手段に記憶された取得情報を先読み対象とする先読み演出として、先読み対象の取得情報が記憶されてから該取得情報に基づく識別情報の変動表示が開始されるまでの間を実行期間(演出期間)とする先読み演出(第1先読み演出)が実行される場合と、先読み対象の取得情報が記憶されてから該取得情報に基づく識別情報の変動表示が終了するまでの間を実行期間(演出期間)とする先読み演出(第2先読み演出)が実行される場合とがあり得る。このため、実行される先読み演出の種類によって先読み演出の実行期間の長さ(終期)が異なるものとなる。これにより、先読み演出が実行される場合、その先読み演出がいつまで実行されるのかに遊技者を注目させて、先読み演出期間中の興趣を向上させることが可能となる。
なお、ここでいう「先読み演出の実行期間(演出期間)」は、先読み演出が実行可能とされる期間のことである。また、本発明の先読み演出は、実行期間(演出期間)の開始から終了まで連続(継続)して実行されるものや、実行期間(演出期間)の開始から終了までの間に1回又は複数回実行されるもの(断続的に実行されるもの)等、種々の実行態様を採ることが可能である。
このような遊技機によれば、特定取得情報と非特定取得情報のうち、非特定取得情報を先読み対象として先読み演出が実行される場合、第2先読み演出よりも第1先読み演出の方が実行されやすいものとなる。このため、特定表示結果の導出契機とならない非特定取得情報が先読み対象である場合には、先読み演出の実行期間(演出期間)が短くなり易く(長くなり難く)なる。これにより、特定表示結果が導出されないにもかかわらず、特定表示結果の導出(換言すると、特別遊技の実行)に対する遊技者の期待感を徒に煽ることのないようにすることが可能となる。
このような遊技機によれば、特定取得情報と非特定取得情報のうち、特定取得情報を先読み対象として先読み演出が実行される場合、第1先読み演出よりも第2先読み演出の方が実行されやすいものとなる。このため、特定表示結果の導出契機となる特定取得情報が先読み対象である場合には、先読み演出の実行期間(演出期間)が長くなり易く(短くなり難く)なる。これにより、先読み演出の実行期間(演出期間)の長短を利用して、特定表示結果の導出(特別遊技の実行)に対する遊技者の期待感を効果的に煽ることが可能となる。
このような遊技機によれば、画像表示手段の第1表示領域及び第2表示領域のうち、第1表示領域に表示される画像を用いて第1先読み演出が実行され、第2表示領域に表示される画像を用いて第2先読み演出が実行される。このため、第1先読み演出と第2先読み演出を視覚的に区別させることが可能となる。これにより、遊技者が注目しやすい先読み演出とすることが可能となる。
上述の演出モードの切り換えは、遊技者を飽きさせないようにするための一手法として既に多くの遊技機に採用されており、複数の演出モードを備えた遊技機の興趣を高めるには更なる改善の余地がある。
このような遊技機によれば、識別情報の変動表示が行われるときの演出モードが、表示手段に特定画像が表示される特定演出モードに制御されている場合には、特定画像が表示されない非特定演出モードに制御されている場合に比べ、識別情報の変動表示に関する情報を示唆する所定演出の実行割合が高くなる。遊技者にとっては、特定演出モード中は非特定演出モードよりも所定演出に接する機会が与えられやすくなるため、識別情報の変動表示に対しより一層関心を抱けるようになる。また、特定演出モードでは、非特定演出モードで表示されない特定画像が表示されるため、現在の演出モードが特定演出モードであることを認識するのは容易である。このため、非特定演出モードと特定演出モードとの違いを明確にして、特定演出モードで行われる識別情報の変動表示に遊技者の興味をより一層惹きつけることが可能となる。これにより、複数の演出モードを備えた遊技機の興趣を向上させることが可能となる。
このような遊技機によれば、識別情報の変動表示が行われるときの遊技状態として、特定表示結果が導出される確率が所定確率とされる第1遊技状態(例えば低確率状態)と、特定表示結果が導出される確率が所定確率よりも高い確率とされる第2遊技状態(例えば高確率状態)とを備え、遊技状態が第1遊技状態である場合に、演出モードが特定演出モードに制御され得る。第1遊技状態は、第2遊技状態に比べ特定表示結果が導出され難いため、遊技興趣の低下を招きやすいところ、その第1遊技状態において特定演出モードによる遊技が可能となる。これにより、第1遊技状態の遊技興趣の低下を招き難くすることが可能となる。
このような遊技機によれば、非特定演出モードと特定演出モードの何れにおいても、識別情報の変動表示の変動パターンが特定の変動パターンに決定され得る。そして、特定演出モードで行われる変動表示の変動パターンが特定の変動パターンに決定された場合には、非特定演出モードで行われる変動表示の変動パターンが特定の変動パターンに決定された場合に比べ、所定演出の実行割合が高くなる。このため、特定演出モードで特定の変動パターンによる変動表示が行われるときには、非特定演出モードに比べ、所定演出が実行されやすいものとなる。これにより、特定演出モードで特定の変動パターンによる変動表示が行われる場合の興趣を向上させることが可能となる。