(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181286
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】アイコン表示制御装置およびアイコン表示制御方法
(51)【国際特許分類】
G09B 29/00 20060101AFI20221201BHJP
G09B 29/10 20060101ALI20221201BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
G09B29/00 F
G09B29/10 A
G01C21/26 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021088154
(22)【出願日】2021-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(74)【代理人】
【識別番号】100099748
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 克志
(74)【代理人】
【識別番号】100103171
【弁理士】
【氏名又は名称】雨貝 正彦
(72)【発明者】
【氏名】中原 明日加
【テーマコード(参考)】
2C032
2F129
【Fターム(参考)】
2C032HC11
2C032HC22
2C032HC27
2F129AA02
2F129AA03
2F129EE02
2F129EE26
2F129EE29
2F129HH12
(57)【要約】
【課題】既存のアイコンと混在して地図上に表示される独自のアイコンを見やすくできる「アイコン表示制御装置およびアイコン表示制御方法」を提供する。
【解決手段】地図データに付随する既存のアイコンデータに基づいて既存のアイコンを地図上に重ねて表示させる既存アイコン表示部12と、独自のアイコンデータを生成して独自のアイコンを地図上に重ねて表示させる独自アイコン表示部13と、地図上に表示される既存のアイコンの中から、独自のアイコンと表示色が近似するアイコンを検出する近似色アイコン検出部14と、当該検出した既存のアイコンの表示態様を変更することにより、独自のアイコンの表示態様との差異が大きくなるようにする既存アイコン表示制御部15とを備え、独自のアイコンと表示色が近似する既存のアイコンについては表示態様を変更することにより、独自のアイコンを見やすくすることができるようにする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データに基づいて画面上に表示された地図上にアイコンを重ねて表示させるようにしたアイコン表示制御装置であって、
上記地図データに付随する既存のアイコンデータとは別の独自のアイコンデータを生成し、上記地図上に独自のアイコンを重ねて表示させる独自アイコン表示部と、
上記既存のアイコンデータに基づいて上記地図上に表示される既存のアイコンの中から、上記独自アイコン表示部により表示される上記独自のアイコンと表示色が近似するアイコンを検出する近似色アイコン検出部と、
上記近似色アイコン検出部により検出された上記既存のアイコンの表示態様を変更することにより、上記独自のアイコンの表示態様との差異を大きくする既存アイコン表示制御部と、
上記既存アイコン表示制御部により表示態様が変更されたアイコンを含めて上記既存のアイコンを上記地図上に重ねて表示させる既存アイコン表示部とを備えた
ことを特徴とするアイコン表示制御装置。
【請求項2】
上記既存アイコン表示制御部は、上記近似色アイコン検出部により検出された上記既存のアイコンの表示色を、上記近似色アイコン検出部により上記独自のアイコンの表示色と近似しないと判定される表示色に変更することを特徴とする請求項1に記載のアイコン表示制御装置。
【請求項3】
上記既存アイコン表示制御部は、上記近似色アイコン検出部により検出された上記既存のアイコンの表示色を、彩度および明度の少なくとも一方が所定レベル未満の表示色に変更することを特徴とする請求項1または2に記載のアイコン表示制御装置。
【請求項4】
上記既存アイコン表示制御部は、上記近似色アイコン検出部により検出された上記既存のアイコンを無色透明化または非表示とすることを特徴とする請求項1に記載のアイコン表示制御装置。
【請求項5】
上記既存アイコン表示制御部は、上記近似色アイコン検出部により検出された上記既存のアイコンの表示サイズを、上記独自のアイコンの表示サイズより小さくなるように変更することを特徴とする請求項1に記載のアイコン表示制御装置。
【請求項6】
地図データに基づいて画面上に表示された地図上にアイコンを重ねて表示させるようにしたアイコン表示制御方法であって、
コンピュータの独自アイコン表示部が、上記地図データに付随する既存のアイコンデータとは別の独自のアイコンデータを生成し、上記地図上に独自のアイコンを重ねて表示させるステップと、
上記コンピュータの近似色アイコン検出部が、上記既存のアイコンデータに基づいて上記地図上に表示される既存のアイコンの中から、上記独自アイコン表示部により表示される上記独自のアイコンと表示色が近似するアイコンを検出するステップと、
上記コンピュータの既存アイコン表示制御部が、上記近似色アイコン検出部により検出された上記既存のアイコンの表示態様を変更することにより、上記独自のアイコンの表示態様との差異を大きくするステップと、
上記コンピュータの既存アイコン表示部が、上記既存アイコン表示制御部により表示態様が変更されたアイコンを含めて上記既存のアイコンを上記地図上に重ねて表示させるステップとを有する
ことを特徴とするアイコン表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイコン表示制御装置およびアイコン表示制御方法に関し、特に、地図データに基づいて画面上に表示された地図上にアイコンを重ねて表示させるようにした装置および方法に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画面上に表示された地図上にアイコンを重ねて表示させることにより、アイコンによって地図上の位置やその位置にある施設等の種別をユーザが把握できるようにしたアプリケーションが広く提供されている。この種のアプリケーションの多くは、地図データのベンダーから提供された地図データを利用して画面上に地図を表示させ、その地図上に、アプリケーションにより生成されるアイコンを重ねて表示させるようにしている。
【0003】
ここで、地図データのベンダーから提供される地図データに対して、地図上の所定の位置に所定のアイコンを表示させるためのアイコンデータが付随していることがある。この場合、地図上には、地図データに付随するアイコンデータに基づいて表示されるアイコン(以下、既存のアイコンという)と、アプリケーションの処理により生成されたアイコンデータに基づいて表示されるアイコン(以下、独自のアイコンという)とが混在することになる。このため、アプリケーションに独自のアイコンが既存のアイコンに紛れてしまい、独自のアイコンを探しにくくなってしまうという問題があった。
【0004】
なお、アイコン等を見やすく表示させるようにした技術が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。特許文献1に記載のナビゲーション装置では、目的地設定や経由地設定のために登録された複数の地点をそのカテゴリに応じて分類し、登録地点を画面に表示する際、カテゴリ毎に色分けして表示することにより、多数の地点が登録されても、表示画面から所望の地点を容易に探すことができるようにしている。特許文献2に記載の表示装置では、使用している地図の縮尺に応じて、施設を示すマークの表示形式を異ならせることにより、視認性を保ちながら、多数のマークを表示させることができるようにしている。
【0005】
しかしながら、これらの特許文献1,2に記載の技術は、既存のアイコンと独自のアイコンとが混在する場合に独自のアイコンを見やすくすることを主眼したものではなく、上記のような問題を解決することはできない。
【0006】
一方、自身が保有する地点情報と外部から取得した地点情報とを表示することについて開示した文献(例えば、特許文献3参照)も知られている。特許文献3に記載の情報処理端末は、表示エリア内の道路地図上に、端末内に記憶された内部POI情報を識別するためのアイコンと、表示エリアに表示された内部POI情報のジャンルに基づく検索によって端末の外部から通信手段を介して取得した外部POI情報を識別するためのアイコンとを表示する。しかしながら、この特許文献3にも、既存のアイコンと独自のアイコンとが混在する場合に独自のアイコンを見やすくすることについては言及しておらず、特許文献3の技術を用いても上記のような問題を解決することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003-207356号公報
【特許文献2】特開2012-141642号公報
【特許文献3】特開2013-228228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、既存のアイコンと独自のアイコンとが混在して地図上に表示される場合に、独自のアイコンを見やすくできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するために、本発明では、地図データに基づいて画面上に表示された地図上に、地図データに付随する既存のアイコンデータに基づいて既存のアイコンを重ねて表示させるとともに、独自のアイコンデータを生成して独自のアイコンを重ねて表示させる。ここで、地図上に表示される既存のアイコンの中から、独自のアイコンと表示色が近似するアイコンを検出し、当該検出した既存のアイコンの表示態様を変更することにより、独自のアイコンの表示態様との差異が大きくなるようにしている。
【発明の効果】
【0010】
上記のように構成した本発明によれば、独自のアイコンと表示色が近似する既存のアイコンについては、表示態様が変更され、独自のアイコンの表示態様との差異が大きなものとされる。これにより、既存のアイコンと独自のアイコンとが混在して地図上に表示される場合であっても、独自のアイコンを見やすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態によるアイコン表示制御装置の機能構成例を示すブロック図である。
【
図2】既存アイコンの表示色が変更されない場合に端末に表示される地図画面の一例を示す図である。
【
図3】表示色が近似することの定義の一例を説明するための図である。
【
図4】表示色が変更された状態で既存アイコンが表示された地図画面の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態によるアイコン表示制御装置の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態によるアイコン表示制御装置の機能構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態のアイコン表示制御装置100は、地図データに基づいて画面上に表示された地図上にアイコンを重ねて表示させるものであり、機能構成として、地図表示部11、既存アイコン表示部12、独自アイコン表示部13、近似色アイコン検出部14および既存アイコン表示制御部15を備えている。
【0013】
上記各機能ブロック11~15は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記各機能ブロック11~15は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記憶媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。
【0014】
例えば、本実施形態のアイコン表示制御装置100は、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ、ナビゲーション装置などの端末にインストールされたアプリケーションにより実装される。すなわち、
図1に示す各機能ブロック11~15は、端末にインストールされたアプリケーションのプログラムが動作することによって実現される。このアプリケーションプログラムは、インターネットまたは携帯電話網などの通信ネットワークを介して端末にダウンロードすることも可能である。
【0015】
地図表示部11は、地図データ記憶部200に記憶されている地図データに基づいて、端末の画面上に地図を表示させる。地図データ記憶部200は、例えば、本実施形態のアイコン表示制御装置100が実装された端末に対して通信ネットワークを介して接続されるサーバ上に存在する。地図表示部11は、通信ネットワークを介してサーバにアクセスし、サーバから地図データを取得して、その地図データに基づいて端末の画面上に地図を表示させる。
【0016】
画面上に表示される地図のエリアや縮尺は、例えば端末のユーザにより任意に指定される。例えば、所望の施設名や住所などをキーワードとして検索が行われた場合に、地図表示部11は、検索された施設や住所の地点を中心として、その周辺の地図を所定の縮尺で表示する。ユーザが縮尺の変更を指示する操作を行った場合には、地図表示部11は、指示された縮尺で地図を表示し直す。また、ユーザが地図のスクロールを指示する操作を行った場合には、地図表示部11は、そのスクロール操作に応じて地図の表示エリアを更新する。なお、ここに説明した地図の表示方法は一例であり、このようなケースに限定されるものではない。
【0017】
既存アイコン表示部12は、地図データ記憶部200に記憶されている地図データに付随するアイコンデータ(以下、これを既存のアイコンデータという)に基づいて、地図上にアイコン(以下、既存のアイコンデータに基づいて表示されるアイコンを既存アイコンという)を重ねて表示させる。アイコンデータは、それが表示されるべき地図上の位置を示す位置データが関連付けられており、既存アイコン表示部12は、その位置データに基づいて、地図上の該当する位置に既存アイコンを重ねて表示する。
【0018】
既存アイコンは、所定形状の図形の中に種々の図柄を含んだマーカーである。例えば、既存アイコンは、検索された施設や住所に該当する地点およびその周辺に存在する施設などの各地点を示すためのピンマークである。ピンマークの形状は、どの地点に表示されるものもほぼ同形同大である。一方、ピンマークの中に含まれる図柄やピンマークの表示色は、施設の種類に応じて異なる。これにより、どの種類の施設が地図上のどの位置に存在するのかが俯瞰して認識できるようになっている。
【0019】
独自アイコン表示部13は、地図データに付随する既存のアイコンデータとは別の独自のアイコンデータを生成し、地図上に独自のアイコン(以下、単に独自アイコンという)を重ねて表示させる。独自のアイコンデータは、アプリケーションが独自に生成するアイコンデータであり、それが表示されるべき地図上の位置を示す位置データが関連付けられている。独自アイコン表示部13は、その位置データに基づいて、地図上の該当する位置に独自アイコンを重ねて表示する。
【0020】
独自アイコンも、検索された施設や住所に該当する地点およびその周辺に存在する施設などの各地点を示すためのピンマークであり、その形状は既存アイコンとほぼ同形同大である。一方、ピンマークの中に含まれる図柄やピンマークの表示色は、施設の種類に応じて異なり、独自アイコンに固有の図柄または表示色を含む。なお、既存アイコンが表示されるべき位置と、独自アイコンが表示されるべき位置とが重複している場合、例えば、既存アイコン表示部12は既存アイコンを表示せず、独自アイコン表示部13が独自アイコンを表示するようにする。
【0021】
図2は、地図表示部11、既存アイコン表示部12および独自アイコン表示部13により端末に表示される地図画面の一例を示す図である。
図2は、検索された施設の位置を示すアイコン20が地図画面の中央に表示されるとともに、その周囲に各種施設の位置を示す複数の既存アイコン21および独自アイコン22が表示された状態を示している。ここでは、ピンマークの中に含まれる図柄は図示を省略している。また、ピンマークの表示色の違いは、ハッチングの種類の違いによって表現している。なお、この
図2は、後述する既存アイコン表示制御部15の制御を行わない場合に表示される地図画面の例を示している。実際には、既存アイコン表示制御部15の制御を行うことにより、
図4のような地図画面が表示されることになる。
【0022】
近似色アイコン検出部14は、
図2のように既存アイコン表示部12により地図上に表示される既存アイコン21(既存アイコン表示制御部15により表示態様が変更される前のもの)の中から、独自アイコン表示部13により表示される独自アイコン22と表示色が近似する既存アイコン21(以下、これを近似色アイコンという)を検出する。表示色が近似するとは、アイコンのRGB値で示される色相が近似するということである。
【0023】
図3は、表示色が近似することの定義の一例を説明するための図であり、12色相環を示したものである。一例として、近似色アイコン検出部14は、独自アイコン22の色相を基準として、その基準の色相から±60度の範囲内の色相に当てはまる表示色の既存アイコン21を、独自アイコン22と表示色が近似する近似色アイコンとして検出する。
【0024】
すなわち、近似色アイコン検出部14は、独自アイコン22のRGB値に基づいて、12色相環の中で最も近い色相を基準の色相として特定する。また、近似色アイコン検出部14は、既存アイコン21のRGB値に基づいて、12色相環の中で最も近い色相を既存アイコン21の色相として特定する。そして、近似色アイコン検出部14は、既存アイコン21の色相が基準の色相から±60度の範囲内の色相に当てはまるか否かを判定し、当てはまる場合にその既存アイコン21を近似色アイコンとして検出する。
【0025】
なお、
図3では12色相環を示しているが、これに限定されない。例えば、これより細かく色相を分解した24色相環を用いてもよい。また、基準の色相から±60度の範囲内というのも一例であり、これに限定されるものではない。
【0026】
既存アイコン表示制御部15は、近似色アイコン検出部14により近似色アイコンとして検出された既存アイコンの表示態様を変更することにより、独自アイコンの表示態様との差異を大きくするように制御する。例えば、既存アイコン表示制御部15は、近似色アイコンの表示色を、近似色アイコン検出部14により独自アイコンの表示色と近似しないと判定される表示色に変更する。すなわち、既存アイコン表示制御部15は、近似色アイコンの表示色を、色相が近似すると判定された独自アイコンの色相を基準として、その基準の色相から±60度の範囲を超える色相の表示色に変更する。
【0027】
図4は、既存アイコン表示制御部15により近似色アイコンの表示色が変更された結果の地図画面の一例を示す図である。
図4に示される地図画面は、
図2に示した地図画面に対応しており、各アイコンの表示位置は
図2と同じである。
図4に示す2つの既存アイコン21Aと1つの独自アイコン22Aは、既存アイコン表示制御部15による処理を行わない場合(地図データに付随する既存のアイコンデータで示される表示色のまま表示した場合)は、
図2に示したように互いに同じ表示色である。これに対し、既存アイコン表示制御部15の制御を行うことにより、2つの既存アイコン21Aは、
図4のように独自アイコン22Aに近似しない表示色に変更される。
【0028】
同様に、
図4に示す1つの既存アイコン21Bと1つの独自アイコン22Bは、既存アイコン表示制御部15による処理を行わない場合は、
図2に示したように互いに同じ表示色である。これに対し、既存アイコン表示制御部15の制御を行うことにより、1つの既存アイコン21Bは、
図4のように独自アイコン22Bに近似しない表示色に変更される。
【0029】
ここで、既存アイコン21Aの変更後の表示色は、地図上に表示される全ての独自アイコン22の表示色に近似しない表示色とする。同様に、既存アイコン21Bの変更後の表示色も、地図上に表示される全ての独自アイコン22の表示色に近似しない表示色とする。既存アイコン21Aの変更後の表示色と、既存アイコン21Bの変更後の表示色は、互いに同一の表示色であってもよいし、互いに異なる表示色(互いに近似する表示色を含む)であってもよい。
【0030】
なお、図示の都合上、既存アイコン21Aおよび既存アイコン21Bは、既存アイコン表示制御部15による処理を行わない場合の元の表示色がそれぞれ独自アイコン22A,22Bの表示色と同じであるものとして説明しているが、上記した定義に当てはまる近似色の場合にも同様に表示色の変更が行われることは言うまでもない。
【0031】
図2のように、既存アイコン21と独自アイコン22とが地図上に混在して表示される場合において、既存アイコン21の表示色と独自アイコン22の表示色とが近似していると、独自アイコン22を形状で既存アイコン21と区別することもできないため、独自アイコン22が既存アイコン21に紛れてしまい、独自アイコン22を探しにくくなってしまう。特に、
図2のように既存アイコン21の方が独自アイコン22よりも数多く表示され、独自アイコン22に近似する表示色の既存アイコン21が独自アイコン22の近くに表示されるような場合には、独自アイコン22を見つけるのが大変になる。
【0032】
これに対し、
図4のように、独自アイコン22の表示色に近似する既存アイコン21の表示色を、独自アイコン22に近似しない表示色に変更することにより、既存アイコン21と独自アイコン22とが混在して地図上に表示される場合であっても、独自アイコン22を見やすくすることができる。また、既存アイコン21の表示色を変更しているので、独自アイコン22の表示色はそのまま用いることができる。
【0033】
ここで、既存アイコン表示制御部15は、独自アイコン22の表示色に近似する既存アイコン21を目立ちにくくするために、近似色アイコン検出部14により近似色アイコンとして検出された既存アイコンの表示色を、彩度および明度の少なくとも一方が所定レベル未満の表示色に変更するようにしてもよい。所定レベルは、例えば地図上に表示される種々のアイコンの彩度がN段階のレベルの何れかで特定される場合に、N段階のレベルうちあらかじめ決められた閾値レベルとすることが可能である。あるいは、所定レベルとは、既存アイコン21の表示色に近似する独自アイコン22の彩度のレベルとするようにしてもよい。明度についても彩度と同様である。
【0034】
一例として、既存アイコン表示制御部15は、近似色アイコン検出部14により近似色アイコンとして検出された既存アイコン21の表示色を、彩度および明度が何れも閾値レベル未満のグレーに変更する。ただし、グレーで表示される独自アイコン22が存在しないことが条件である。
【0035】
また、既存アイコン表示制御部15は、独自アイコン22の表示色に近似する既存アイコン21をより目立ちにくくするために、近似色アイコン検出部14により近似色アイコンとして検出された既存アイコン21を無色透明化または非表示とするようにしてもよい。
【0036】
図5は、以上のように構成した本実施形態によるアイコン表示制御装置100の動作例を示すフローチャートである。
図5に示すフローチャートは、アプリケーションによって地図の表示が指示されたとき(例えば、所望の施設名や住所などをキーワードとして検索が行われたとき)に開始する。
【0037】
まず、地図表示部11が地図データ記憶部200から地図データを取得するとともに、既存アイコン表示部12が地図データ記憶部200から既存のアイコンデータを取得する(ステップS1)。地図表示部11は、取得した地図データに基づいて、端末の画面上に地図を表示させる(ステップS2)。次いで、独自アイコン表示部13は、アプリケーションに固有の独自のアイコンデータを生成し、地図上に独自アイコンを重ねて表示させる(ステップS3)。
【0038】
近似色アイコン検出部14は、既存アイコン表示部12により取得された既存のアイコンデータの1つを対象として、既存アイコンの色相を特定する(ステップS4)。そして、近似色アイコン検出部14は、その特定した既存アイコンの色相と、独自アイコン表示部13により表示された独自アイコンの色相とを比較することにより、対象としている既存アイコンの表示色と何れかの独自アイコンの表示色とが近似するか否かを判定する(ステップS5)。
【0039】
ここで、既存アイコンの表示色と何れかの独自アイコンの表示色とが近似すると判定された場合、すなわち、その既存アイコンが近似色アイコンとして近似色アイコン検出部14により検出された場合、既存アイコン表示制御部15は、近似色アイコンの表示色を独自アイコンの表示色と近似しない表示色に変更する(ステップS6)。これに応じて既存アイコン表示部12は、既存アイコン表示制御部15により変更された表示色で既存アイコンを地図上に重ねて表示させる(ステップS7)。
【0040】
一方、ステップS5において、既存アイコンの表示色が何れの独自アイコンの表示色とも近似しないと判定された場合、既存アイコン表示制御部15はステップS6の処理を行わない。この場合、既存アイコン表示部12は、既存のアイコンデータで示される表示色のままで既存アイコンを地図上に重ねて表示させる(ステップS7)。
【0041】
その後、近似色アイコン検出部14は、ステップS1で取得された既存のアイコンデータの全てについて、既存アイコンの表示色が独自アイコンの表示色と近似するか否かの判定を行ったか否かを判定する(ステップS8)。未処理の既存のアイコンデータが残っている場合、処理はステップS4に戻る。一方、取得された既存のアイコンデータの全てについて処理が終了したと判定された場合、
図5に示すフローチャートの処理は終了する。
【0042】
以上詳しく説明したように、本実施形態では、地図データに基づいて画面上に表示された地図上に、地図データに付随する既存のアイコンデータに基づいて既存アイコンを重ねて表示させるとともに、独自のアイコンデータを生成して独自アイコンを重ねて表示させる。ここで、地図上に表示される既存アイコンの中から、独自アイコンと表示色が近似するアイコンを検出し、当該検出した既存アイコンの表示態様を変更することにより、独自アイコンの表示態様との差異が大きくなるようにしている。
【0043】
このように構成した本実施形態によれば、独自アイコンと表示色が近似する既存アイコンについては表示態様が変更され、独自アイコンの表示態様との差異が大きなものとされる。これにより、既存アイコンと独自アイコンとが混在して地図上に表示される場合であっても、独自アイコンを見やすくすることができる。
【0044】
なお、上記実施形態では、既存アイコンの表示色を変更することによって独自アイコンの表示態様との差異が大きくなるようにする例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、既存アイコン表示制御部15は、近似色アイコン検出部14により近似色アイコンとして検出された既存アイコンの表示サイズを、独自アイコンの表示サイズより小さくなるように変更するようにしてもよい。
【0045】
また、上記実施形態では、色相の観点から表示色が近似するか否かを判定し、近似する場合に、色相の観点から独自アイコンと近似しない表示色に変更する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、色相の観点から表示色が近似するか否かを判定し、近似する場合に、彩度および明度の少なくとも一方の観点から独自アイコンと近似しない表示色に変更するようにしてもよい。例えば、近似色アイコンとして検出された既存アイコンの色相は変えずに、彩度および明度の少なくとも一方を所定レベル未満に落とすようにしてもよい。
【0046】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0047】
11 地図表示部
12 既存アイコン表示部
13 独自アイコン表示部
14 近似色アイコン検出部
15 既存アイコン表示制御部