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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181299
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】構造体の構築方法および定着治具
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/16 20060101AFI20221201BHJP
   E04B 2/86 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
E04G21/16
E04B2/86 601Z
E04B2/86 611P
E04B2/86 611Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021088174
(22)【出願日】2021-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】デヴィン グナワン
(72)【発明者】
【氏名】曽我部 直樹
(72)【発明者】
【氏名】小林 聖
(72)【発明者】
【氏名】高木 智子
(72)【発明者】
【氏名】荒川 遥
【テーマコード(参考)】
2E174
【Fターム(参考)】
2E174DA31
2E174DA63
(57)【要約】
【課題】外殻部の形状保持を好適に行うことができる構造体の構築方法および定着治具等を提供する。
【解決手段】内型枠11の外側に硬化材13を塗布する工程(a)と、硬化材13の内側にコンクリート20を充填する工程(b)と、により、硬化材13とコンクリート20による構造体1を構築し、工程(b)の前に、内型枠11の内側に配置された、コンクリート20の充填時に硬化材13に加わる側圧に抵抗するためのせん断補強筋23の端部が、硬化材13に定着される定着治具30を用いて硬化材13に固定される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内型枠の外側に硬化材を塗布する工程(a)と、
前記硬化材の内側に充填材を充填する工程(b)と、
により、前記硬化材と前記充填材による構造体を構築し、
前記工程(b)の前に、前記内型枠の内側に配置された、前記充填材の充填時に前記硬化材に加わる側圧に抵抗するための引張材の端部が、前記硬化材に定着される定着治具を用いて前記硬化材に固定されることを特徴とする構造体の構築方法。
【請求項2】
前記引張材がせん断補強筋であることを特徴とする請求項1記載の構造体の構築方法。
【請求項3】
前記定着治具は、
ベース部と、
前記ベース部から外側に突出し、前記硬化材に埋設される定着体と、
を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の構造体の構築方法。
【請求項4】
前記ベース部は、前記引張材であるせん断補強筋の端部の定着プレート、または、前記引張材であるせん断補強筋の端部の折曲部の内側に配置されることを特徴とする請求項3記載の構造体の構築方法。
【請求項5】
前記定着治具は、前記構造体のせん断補強筋以外の補強材を取付対象として当該補強材に取り付けられ、
前記引張材である前記せん断補強筋の端部が、前記補強材を介して前記定着治具により前記硬化材に固定されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の構造体の構築方法。
【請求項6】
前記定着治具は、前記引張材を取付対象として当該引張材の端部に取り付けられることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の構造体の構築方法。
【請求項7】
前記定着治具は、
ベース部と、
前記ベース部から外側に突出し、前記硬化材に埋設される定着体と、
を有し、
前記取付対象が、前記ベース部の内部に通されることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の構造体の構築方法。
【請求項8】
前記定着体であるスタッド部が前記ベース部に設けたネジ孔に螺合され、前記スタッド部の先端で前記取付対象を前記ベース部の内面に押し付けることを特徴とする請求項7記載の構造体の構築方法。
【請求項9】
前記ベース部の断面の周方向の一部が、開放面となっていることを特徴とする請求項7または請求項8記載の構造体の構築方法。
【請求項10】
構造体の外殻部の内側に充填材を充填する際に前記構造体のせん断補強筋をセパレータとして用いるための定着治具であって、
前記外殻部に定着され、前記せん断補強筋の端部を前記外殻部に固定することを特徴とする定着治具。
【請求項11】
ベース部と、
前記ベース部から外側に突出し、前記外殻部に埋設される定着体と、
を有することを特徴とする請求項10記載の定着治具。
【請求項12】
前記ベース部は、前記せん断補強筋の端部の定着プレート、または、前記せん断補強筋の端部の折曲部の内側に配置されるものであることを特徴とする請求項11記載の定着治具。
【請求項13】
前記定着治具は、前記構造体の前記せん断補強筋以外の補強材を取付対象として当該補強材に取り付けられ、
前記せん断補強筋の端部が、前記補強材を介して前記定着治具により前記外殻部に固定されることを特徴とする請求項10または請求項11記載の定着治具。
【請求項14】
前記定着治具は、前記せん断補強筋を取付対象として、当該せん断補強筋の端部に取り付けられることを特徴とする請求項10または請求項11記載の定着治具。
【請求項15】
前記定着治具は、
ベース部と、
前記ベース部から外側に突出し、前記外殻部に埋設される定着体と、
を有し、
前記ベース部は、その内部に前記取付対象を通して配置するものであることを特徴とする請求項13または請求項14記載の定着治具。
【請求項16】
前記定着体であるスタッド部が前記ベース部に設けたネジ孔に螺合され、前記スタッド部の先端で前記取付対象を前記ベース部の内面に押し付けることを特徴とする請求項15記載の定着治具。
【請求項17】
前記ベース部の断面の周方向の一部が、開放面となっていることを特徴とする請求項15または請求項16に記載の定着治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造体の構築方法およびこれに用いる定着治具に関する。
【背景技術】
【0002】
壁体などのコンクリート構造体を構築する際、従来は鉄筋を組み上げ、型枠を組み立ててコンクリートを打設し、所定の材齢まで養生した後に脱型をするのが一般的である。
【0003】
このように、コンクリート構造体の構築時には複数の工種が混在しており、作業も煩雑である。また、近年は建設技能者が不足する傾向があり、特に大工作業員の減少が著しく、今後は大工の人員確保が困難となってくると予想される。
【0004】
そのため、近年ではより簡易な工法の開発が求められている。一例として、特許文献1では、セメント系材料の吹付工法により外殻部を形成した後、外殻部の内側にコンクリートを打設することで構造体を構築する構築方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-94401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の方法によれば、構造体の施工を簡略化でき、作業員の不足に対応できる。ただし、外殻部はコンクリート打設時の側圧により変形する恐れもあり、外殻部の形状を好適に保持する必要があった。
【0007】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、外殻部の形状保持を好適に行うことができる構造体の構築方法および定着治具等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した課題を解決するための第1の発明は、内型枠の外側に硬化材を塗布する工程(a)と、前記硬化材の内側に充填材を充填する工程(b)と、により、前記硬化材と前記充填材による構造体を構築し、前記工程(b)の前に、前記内型枠の内側に配置された、前記充填材の充填時に前記硬化材に加わる側圧に抵抗するための引張材の端部が、前記硬化材に定着される定着治具を用いて前記硬化材に固定されることを特徴とする構造体の構築方法である。
【0009】
本発明では、内型枠に硬化材を塗布して構造体の外殻部を形成し、その内側に充填材を充填して構造体を構築するに当たり、定着治具を用いて引張材の端部を外殻部の硬化材に固定する。これにより、外殻部に加わる充填材の充填時の側圧に対して引張材により抵抗し、外殻部の変形を防止することができる。
【0010】
前記引張材がせん断補強筋であることが望ましい。
本発明では、引張材として構造体のせん断補強筋を利用し、せん断補強筋をセパレータとして活用することで、従来の型枠におけるセパレータの設置を省略でき、施工が簡略化される。
【0011】
前記定着治具は、ベース部と、前記ベース部から外側に突出し、前記硬化材に埋設される定着体と、を有することが望ましい。
定着治具は、ベース部に設けた定着体により硬化材内に定着させ、これにより引張材の固定を確実に行うことができる。
【0012】
前記ベース部は、例えば、前記引張材であるせん断補強筋の端部の定着プレート、または、前記引張材であるせん断補強筋の端部の折曲部の内側に配置される。
あるいは、前記定着治具は、前記構造体のせん断補強筋以外の補強材を取付対象として当該補強材に取り付けられ、前記引張材である前記せん断補強筋の端部が、前記補強材を介して前記定着治具により前記硬化材に固定されてもよい。
さらに、前記定着治具は、前記引張材を取付対象として当該引張材の端部に取り付けられてもよい。
本発明では、これらの方法により、定着治具を用いて引張材の固定を容易に行うことができる。
【0013】
前記定着治具は、ベース部と、前記ベース部から外側に突出し、前記硬化材に埋設される定着体と、を有し、前記取付対象が、前記ベース部の内部に通されることが望ましい。また、前記定着体であるスタッド部が前記ベース部に設けたネジ孔に螺合され、前記スタッド部の先端で前記取付対象を前記ベース部の内面に押し付けることも望ましい。
これにより、定着治具の取付対象への取付を容易且つ確実に行うことができる。
【0014】
前記ベース部の断面の周方向の一部が、開放面となっていることも望ましい。
これにより、ベース部の開放面から取付対象の出し入れを行うことができ、定着治具の取付対象への取り付けならびにその取り外しを容易に行うことができる。
【0015】
第2の発明は、構造体の外殻部の内側に充填材を充填する際に前記構造体のせん断補強筋をセパレータとして用いるための定着治具であって、前記外殻部に定着され、前記せん断補強筋の端部を前記外殻部に固定することを特徴とする定着治具である。
前記定着治具は、ベース部と、前記ベース部から外側に突出し、前記外殻部に埋設される定着体と、を有することが望ましい。
前記ベース部は、例えば、前記せん断補強筋の端部の定着プレート、または、前記せん断補強筋の端部の折曲部の内側に配置される。また前記定着治具は、前記構造体の前記せん断補強筋以外の補強材を取付対象として当該補強材に取り付けられ、前記せん断補強筋の端部が、前記補強材を介して前記定着治具により前記外殻部に固定されることも望ましい。あるいは、前記定着治具は、前記せん断補強筋を取付対象として、当該せん断補強筋の端部に取り付けられてもよい。
前記定着治具は、ベース部と、前記ベース部から外側に突出し、前記外殻部に埋設される定着体と、を有し、前記ベース部は、その内部に前記取付対象を通して配置するものであることも望ましく、前記定着体であるスタッド部が前記ベース部に設けたネジ孔に螺合され、前記スタッド部の先端で前記取付対象を前記ベース部の内面に押し付けることも望ましい。さらに、前記ベース部の断面の周方向の一部が、開放面となっていることも望ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、外殻部の形状保持を好適に行うことができる構造体の構築方法および定着治具等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】構造体1の構築方法を示す図。
図2】定着治具30を示す図。
図3】定着治具30a~30d等を示す図。
図4】定着治具30eを示す図。
図5】定着治具40を示す図。
図6】定着治具40a、40bを示す図。
図7】定着治具40cを示す図。
図8】定着治具50を示す図。
図9】定着治具60を示す図。
図10】定着治具60a、60bを示す図。
図11】定着治具60c~60eを示す図。
図12】定着治具60f、60gを示す図。
図13】定着治具60h~60jを示す図。
図14】せん断補強筋23の折曲部に定着治具60を設ける例。
図15】H形鋼24を補強材として用いる例。
図16】定着治具70を示す図。
図17】せん断補強筋23の定着プレート231に定着治具70を設ける例。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0019】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る定着治具30を用いて構造体1を構築する際の各工程を示す平面図である。
【0020】
本実施形態では壁状の構造体1を構築するものとし、まず図1(a)に示すように、一対の内型枠11を平面において平行に並べて配置し、内型枠11の内側に構造体1の補強材を配置する。本実施形態では、構造体1の補強材として、主筋21と配力筋22、およびせん断補強筋23が配置される。
【0021】
内型枠11は、後述する硬化材13を塗布して構造体1の外殻部を形成するためのものである。内型枠11は特に限定されず、例えば鋼製の網状部材であるラス網などを用いることができる。
【0022】
主筋21は鉛直方向の鉄筋であり、両内型枠11の近傍で、内型枠11の平面における延伸方向(図1の左右方向に対応する。以下単に延伸方向という)に間隔を空けて複数本配置される。
【0023】
配力筋22は水平方向の鉄筋であり、両内型枠11の近傍で、内型枠11の延伸方向に沿って配置される。配力筋22は鉛直方向に間隔を空けて上下複数段に配置される。
【0024】
せん断補強筋23は水平方向の鉄筋であり、両内型枠11を結ぶ方向に沿って配置される。当該方向は、内型枠11の延伸方向と平面において直交し、図1の上下方向に対応する。せん断補強筋23は、内型枠11の延伸方向に間隔を空けて複数本配置される。また、鉛直方向に間隔を空けて上下複数段に配置される。
【0025】
本実施形態では、上記のように内型枠11および主筋21等の補強材を配置した後、図1(b)に示すように内型枠11の外側に硬化材13を塗布する。硬化材13にはコンクリートやモルタルなどのセメント系材料を用いることができ、例えば高強度モルタルを用いることで構造体1の耐久性を高めることができる。また、硬化材13として超高強度繊維補強コンクリートを用いることもでき、高い引張強度の鋼繊維が混入されていることによる曲げじん性によって、構造体1内部の補強材の量を低減することができる。
【0026】
本実施形態では、前記の特許文献1と同様、吹付機械を用いて内型枠11の外側に硬化材13を吹付けることで、内型枠11の外側での作業により硬化材13の塗布を行う。吹付後の硬化材13の表面は例えば人力でコテ仕上げして平滑にする。ここで、「外側」とは構造体1の外部側を指し、構造体1の内部側は「内側」というものとする。
【0027】
この後、硬化材13の養生を行って硬化材13を硬化させ、これにより構造体1の外殻部が構築される。硬化材13には、硬化を早めるために既知の硬化促進剤を添加することも可能である。
【0028】
ここで、本実施形態ではせん断補強筋23の両端部に定着治具30が配置され、それぞれの定着治具30が、両内型枠11の外側の硬化材13に埋設される。定着治具30は、後述する工程でコンクリート20(図1(c)等参照)を打設する際に硬化材13に作用する側圧に対し、せん断補強筋23により抵抗させるためのものである。
【0029】
図2(a)は定着治具30を示す図であり、図2(b)は定着治具30の斜視図である。
【0030】
本実施形態の定着治具30は、板状のベース部31の板面に、外側へと突出するスタッド部32を設けた構成を有し、鋼材を用いて工場等で予め製作される。鋼材の種類は限定されないが、後述する工程でコンクリート20を打設する際に、その側圧に対して変形しない程度の十分な強度、剛性を有することが望ましい。
【0031】
スタッド部32は、定着治具30を硬化材13に定着するため硬化材13内に埋設させる定着体であり、ベース部31から延びる柱状の軸部321と、当該軸部321の先端に設けられる拡幅部322を有する。拡幅部322は、軸部321の直径より大きな幅を有する板状の部材である。スタッド部32の長さは、定着治具30を外殻部の硬化材13に確実に定着できる長さとする。
【0032】
せん断補強筋23の端部には、せん断補強筋23の断面よりも大きな面積を有する定着プレート231が設けられる。定着プレート231は、コンクリート20が硬化した後、構造体1に作用すると想定されているせん断力に対して、せん断補強筋23の端部を構造体1内に定着するためのものである。せん断補強筋23は、定着プレート231を、構造体1のせん断補強筋23以外の補強材(主筋21や配力筋22)の外側に引掛けるようにして配置される。
【0033】
前記の定着治具30は、ベース部31が、定着プレート231の内側で、当該定着プレート231と上記補強材(主筋21や配力筋22)との間に位置するように配置され、スタッド部32が定着プレート231の両側でベース部31から外側へと突出する。
【0034】
本実施形態では、図1(c)に示すように、外殻部の硬化材13の内側に、充填材であるコンクリート20を打設し、充填することで、壁状の構造体1が構築される。この時、前記した定着治具30によりせん断補強筋23の両端部が硬化材13に固定されることで、せん断補強筋23が、コンクリート20の打設時の側圧を支持する引張材として、従来のセパレータと同様に機能する。定着治具30は硬化材13に埋設されるため、解体作業も不要となる。
【0035】
なお、上記の例では内型枠11を撤去せずに構造体1に埋設しているが、内型枠11に例えばエアチューブ等を用いる場合、内型枠11を撤去した後にコンクリート20を打設して構造体1を構築することも可能である。
【0036】
以上説明したように、本実施形態では、定着治具30を用いて、本設のせん断補強筋23の端部を構造体1の外殻部の硬化材13に固定する。これにより、外殻部に加わるコンクリート20の打設時の側圧に対しせん断補強筋23により抵抗し、外殻部の大きな変形を防止することができる。本実施形態では、せん断補強筋23をセパレータとして活用することで、従来の型枠におけるセパレータの設置を省略でき、施工が簡略化される。
【0037】
定着治具30は、ベース部31に設けたスタッド部32により硬化材13内に定着させ、これによりせん断補強筋23の外殻部への固定を確実に行うことができる。定着治具30は、そのベース部31をせん断補強筋23の端部の定着プレート231の内側に配置するだけでよいので、施工が容易である。
【0038】
しかしながら、本発明が以上の実施形態に限られることはない。例えば、定着治具30のサイズ、形状、構成等は特に限定されない。これらはせん断補強筋23をはじめとする補強材の量や寸法、コンクリート打設時の側圧等に応じて、必要な定着性能が得られるように変更できる。
【0039】
例えば、本実施形態では定着治具30の定着体としてスタッド部32を設けているが、スタッド部32に代えて孔あき鋼板を定着体として設けることも可能である。また本実施形態ではせん断補強筋23の端部に定着プレート231を設けているが、図3(a)に示すようにせん断補強筋23の端部を折り曲げる場合もある。この場合、ベース部31をせん断補強筋23の折曲部232の内側に通し、当該折曲部232の両側でベース部31にスタッド部32を設けることができる。図3(a)の定着治具30aではベース部31が円形断面の棒状であるが、ベース部31の形状は特に限定されず、前記と同様、板状のものであってもよい。
【0040】
また本実施形態では2本のスタッド部32がベース部31に設けられるが、スタッド部32の本数や配置も特に限定されない。例えば図3(b)、(c)の定着治具30b、30cに示すように、4本のスタッド部32をベース部31の両側に2本ずつ配置してもよい。図3(b)は、ベース部31の両側の2本のスタッド部32を前記した配力筋22(図2(a)等参照)の方向に並べて配置する例であり、図3(c)では、ベース部31の幅を拡げて、ベース部31の両側の2本のスタッド部32を、前記した主筋21(図2(a)等参照)の方向に並べて配置している。
【0041】
また、図3(d)に示すように、せん断補強筋23の両側に定着治具30を配置することも可能である。さらに、図3(e)の定着治具30dに示すように、ベース部31に孔311を設け、この孔311にせん断補強筋23を通して配置することで、定着治具30dとせん断補強筋23とを固定しやすくなる。
【0042】
さらに、図4の定着治具30eに示すように、ベース部31aを長尺の棒状として複数本のせん断補強筋23に亘って架け渡し、各せん断補強筋23の定着プレート231の両側にスタッド部32を設けてこれらのスタッド部32が硬化材13に埋設されるようにしてもよい。この場合、1本のベース部31aを複数本のせん断補強筋23で共有でき、施工の手間が軽減される。またベース部31aとして鉄筋を用いることで、ベース部31aを本設の配力筋として活用することもできる。ベース部31aを鉛直方向に配置することもでき、この場合は、ベース部31aを本設の主筋として活用することも可能である。
【0043】
また本実施形態の構造体1は壁体であるが、構造体1は壁体に限らない。例えば内型枠11をロの字型の閉断面を有するように配置し、硬化材13による外殻部をその外側に形成して内部にコンクリート20を打設することで、柱状の構造体1を構築することもできる。この場合も、内型枠11の内側にせん断補強筋23等の補強材を配置し、せん断補強筋23の両端部を定着治具30により硬化材13に固定することで、コンクリート20の打設時の側圧を支持でき、より大断面の柱状の構造体1を構築することが可能となる。
【0044】
また本実施形態では、硬化材13による一対の外殻部を対向するように形成する場合を例として示したが、硬化材13による外殻部をどちらか一方だけに形成する場合もある。その場合、定着治具30は、せん断補強筋23の、外殻部を形成する方の端部にのみ配置され、内型枠11の外側の硬化材13に埋設される。せん断補強筋23の他方の端部は、構造体1を構成する部材や型枠およびその補強材、あるいは地盤等に固定することができる。
【0045】
また、本実施形態では硬化材13を吹付により塗布したが、硬化材13の塗布方法は吹付に限らず、左官的方法により硬化材13を塗り付けてもよい。さらに、構造体1の外殻部の出来形の3次元データに基づいて硬化材13の塗布を自動で行う自動塗布装置(3Dプリンタ)を用いることも可能であり、作業員の数をより少なくできる。
【0046】
また本実施形態では硬化材13による外殻部の内側にコンクリート20を打設し充填したが、外殻部の内側に充填する充填材はこれに限らず、個々の構造体1等に応じて異なる場合もある。
【0047】
以下、本発明の別の例を第2~第5の実施形態として説明する。各実施形態はそれまでに説明した実施形態と異なる点について説明し、同様の点については図等で同じ符号を付すなどして説明を省略する。また、第1の実施形態も含め、各実施形態で説明する構成は必要に応じて組み合わせることができる。
【0048】
[第2の実施形態]
図5(a)は、本発明の第2の実施形態に係る定着治具40を示す図であり、図5(b)は定着治具40の斜視図である。
【0049】
定着治具40は、前記と同様、板状のベース部41の板面に定着用のスタッド部42を設けたものであるが、本実施形態ではベース部41がせん断補強筋23の定着プレートを兼ねており、定着治具40が、せん断補強筋23を取付対象としてその端部に取り付けられる。ベース部41は、溶接や圧接等によりせん断補強筋23の端部に取り付けることができる。
【0050】
第2の実施形態でも、せん断補強筋23の端部を定着治具40により外殻部の硬化材13に固定し、コンクリート20の打設時のセパレータとして機能させることで、第1の実施形態と同様の効果が得られる。また定着治具40がせん断補強筋23の端部に取付けられることで、定着治具40を用いたせん断補強筋23の固定を容易に行うことができ、せん断補強筋23の定着プレートを省略して材料を削減することも可能である。
【0051】
なお、本実施形態でも、定着治具40のサイズ、形状、構成等は特に限定されない。例えば本実施形態ではベース部41を溶接や圧接等によりせん断補強筋23の端部に取り付けたが、せん断補強筋23をねじ節鉄筋などとし、その端部のネジを、図6(a)の定着治具40aに示すように、ベース部41のスタッド部42と反対側の面に設けたナット43に螺合させてもよい。あるいは、ベース部41にネジ孔を設け、そのネジ孔にせん断補強筋23の端部を螺合させてもよい。
【0052】
また、図6(b)の定着治具40bに示すようにベース部41に孔411を設け、この孔411にせん断補強筋23を挿入し、その端部をベース部41のスタッド部42側の面に設けたナット43に螺合させ、孔411にモルタルやエポキシ樹脂等の充填材44を充填することで、ベース部41をせん断補強筋23に取り付けてもよい。
【0053】
また、せん断補強筋23の代わりに、丸棒やねじ棒等のセパレータを引張材として用いることも可能であり、セパレータを定着治具40の取付対象として、本実施形態と同様の方法で定着治具40をセパレータに取付けることができる。この場合、セパレータと定着治具40は、せん断補強筋23をはじめとする構造体1の補強材と無関係に配置することができる。
【0054】
また、図7(a)に示すように、定着治具40cのベース部41aを、せん断補強筋23の端部の定着プレート231を挿入して容易に取り付けできる断面C字状のものとしてもよい。この例では、ベース部41aに固定されたスタッド部42が硬化材13に埋設されており、せん断補強筋23の端部の定着プレート231をベース部41aに挿入することで、せん断補強筋23を硬化材13に固定してコンクリート20の打設時のセパレータとして機能させることができる。
【0055】
この場合、図7(b)に示すように主筋21や配力筋22、せん断補強筋23の配筋を行うのと並行して、別の場所において、定着治具40cを取り付けた内型枠11の外側に硬化材13を塗布することで図7(c)に示すように外殻部を形成できる。その後、図7(a)に示すようにせん断補強筋23の端部の定着プレート231をベース部41aに挿入して外殻部を設置し、内側にコンクリート20を打設することで構造体1を構築できる。この例では、構造体1の配筋作業と外殻部の形成作業を同時進行することで工期の短縮を図ることができる。なお、ベース部41aの形状は上記に限らず、せん断補強筋23の定着プレート231を挿入したり、引掛けたりして後から取り付けることのできるものであればよい。あるいは、せん断補強筋23の端部を後からベース部41aに接着等の方法で取り付けることもでき、この場合もベース部41aの形状は特に限定されない。
【0056】
[第3の実施形態]
図8は、本発明の第3の実施形態に係る定着治具50を示す図である。本実施形態では、せん断補強筋23の途中に定着プレート231が設けられており、せん断補強筋23の定着プレート231より外側の部分が硬化材13に埋設され、その端部に板状の部材からなる定着治具50が取り付けられる。この例では、せん断補強筋23の硬化材13への埋設部分と定着治具50が全体としてスタッド状となり、前記のスタッド部を省略することが可能である。
【0057】
定着治具50は、せん断補強筋23の端部に溶接、圧接等により取り付けることができる。あるいは、定着治具50に設けた孔(不図示)にせん断補強筋23の端部を通し、孔にモルタルやエポキシ樹脂等の充填材を充填することで定着治具50をせん断補強筋23に取り付けることもできる。せん断補強筋23としてねじ節鉄筋を用いる場合などでは、定着治具50に設けたナットやネジ孔(不図示)にせん断補強筋23の端部のネジを螺合してもよい。
【0058】
第3の実施形態でも、せん断補強筋23の端部を定着治具50により硬化材13に固定し、コンクリート20の打設時のセパレータとして機能させることで、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0059】
[第4の実施形態]
図9(a)は、本発明の第4の実施形態に係る定着治具60を示す図である。定着治具60は、ベース部61に定着用のスタッド部62を設けたものであるが、取付対象を構造体1のせん断補強筋23以外の補強材である配力筋22とし、当該配力筋22に取り付けて用いる点で第1の実施形態と異なる。
【0060】
図9(b)に示すように、ベース部61は円筒状の部材であり、その内部に配力筋22が通される。またベース部61の側壁にはネジ孔611が設けられており、スタッド部62の軸部に設けたネジをネジ孔611に螺合することで、スタッド部62がベース部61に固定される。
【0061】
図9(c)は、定着治具60について、配力筋22の軸方向と直交する断面を見たものである。本実施形態では、スタッド部62の軸部の先端で配力筋22をベース部61の内面に押し付けることで、定着治具60を配力筋22に取り付けることができる。
【0062】
第4の実施形態でも、せん断補強筋23の端部を、定着治具60により外殻部の硬化材13に固定し、コンクリート20の打設時のセパレータとして機能させることで、第1の実施形態と同様の効果が得られる。また定着治具60の取付対象を配力筋22とし、せん断補強筋23の端部を配力筋22を介して定着治具60により外殻部の硬化材13に固定することで、せん断補強筋23の固定が容易になる。
【0063】
さらに、配力筋22をベース部61の内部に通し、ベース部61のネジ孔611に螺合されたスタッド部62の先端で配力筋22をベース部61の内面に押し付けることで、定着治具60の配力筋22への取り付けを容易且つ確実に行うことができる。
【0064】
なお、前記したように、せん断補強筋23の定着プレート231は、構造体1の主筋21や配力筋22の外側に引掛けるように配置されているので、定着治具60を配力筋22でなく主筋21に取り付けて用いることも可能であり、せん断補強筋23の端部を主筋21を介して定着治具60により外殻部の硬化材13に固定することができる。
【0065】
定着治具60のサイズ、形状、構成等も、第1の実施形態と同様、特に限定されない。例えば図10(a)の定着治具60aに示すようにベース部61を円筒状でなく角筒状としてもよいし、図10(b)の定着治具60bに示すように、ベース部61の断面の周方向の一部を開放してもよい。この場合、ベース部61の開放面612から配力筋22の出し入れが可能になり、定着治具60bの配力筋22への取り付けならびにその取り外しを容易に行うことができる。また配力筋22の配筋後に定着治具60bの取り付けを行うこともできる。
【0066】
さらに、図11(a)の定着治具60cに示すように、配力筋22への取付用のボルト63を追加し、スタッド部62aはベース部61に固定するだけとしてもよい。ボルト63は、前記のスタッド部62と同様、その軸部のネジをベース部61に設けたネジ孔613に螺合し、軸部の先端で配力筋22をベース部61の内面に押し付ける。
【0067】
また図11(b)の定着治具60dに示すように、ベース部61の断面を門型とし、その開放面612の両側でベース部61に貫通孔614とネジ孔615を設け、配力筋22を開放面612からベース部61内に挿入した後に、貫通孔614に通したボルト64の軸部をネジ孔615に螺合させてもよい。これにより、ベース部61の開放面612の両側の部分で配力筋22を挟持し、定着治具60dを配力筋22に確実に取り付けることができる。
【0068】
その他、図11(c)の定着治具60eに示すように、筒状のベース部61の内部に配力筋22を通した後、ベース部61の内部に接着材65を充填することで、定着治具60eを配力筋22に取り付けてもよい。
【0069】
さらに、図12(a)の定着治具60fに示すように、スタッド部62を複数(図の例では2つ)設け、これらのスタッド部62の軸部の先端で配力筋22をベース部61の内面に押し付けても良く、複数のスタッド部62により硬化材13への定着性が向上する。また図12(b)の定着治具60gに示すように、スタッド部62の軸部の先端で配力筋22をベース部61の内面に押し付けるとともに、これとは別のスタッド部62aを、ベース部61の両側に張り出した張出部616に固定することで、複数のスタッド部62、62aを定着治具60gに設けてもよい。
【0070】
さらに、図13(a)の定着治具60hに示すように、ベース部61をせん断補強筋23の端部に取り付けてもよい。ベース部61の内部に配力筋22を通すことで、ベース部61が配力筋22とせん断補強筋23の結束治具を兼ねることになり、配力筋22とせん断補強筋23の結束作業を省略できる。ベース部61の内部に主筋21を通すことも可能であり、同様の効果が得られる。
【0071】
ベース部61は、せん断補強筋23の定着にも寄与し、定着プレート等を省略することも可能になる。図13(b)に示すように、ベース部61の一部を硬化材13に埋設することも可能であり、ベース部61の残りの部分が硬化材13の内側のコンクリート20に埋設されることで、ベース部61によって硬化材13とコンクリート20との一体性が向上する。
【0072】
図13(c)は、定着治具60hについて、配力筋22の軸方向と直交する断面を見た図である。この例では、前記の定着治具60b(図10(b)参照)と同様、ベース部61の断面の周方向の一部が開放されており、その開放面612から配力筋22をベース部61内に挿入し、ネジ孔611に螺合したスタッド部62の軸部の先端によって配力筋22をベース部61の内面に押し付けることで、定着治具60hを配力筋22にも取り付けることができる。
【0073】
ベース部61は溶接等によりせん断補強筋23に固定されるが、せん断補強筋23をねじ節鉄筋とする場合などでは、図13(d)の定着治具60iに示すように、せん断補強筋23の端部のネジを、ベース部61に溶接等で固定したナット66に螺合させてもよい。図13(d)の例ではナット66を配力筋22の側方でベース部61に固定しているが、図13(e)の定着治具60jに示すように、ナット66の軸方向とスタッド部62の軸方向とが一致するようにナット66を固定することも可能である。このようにナット66を用いることで、定着治具60i、60jの位置を現場で調整することが可能になる。
【0074】
また、せん断補強筋23の代わりに、丸棒やねじ棒等のセパレータを引張材として用いることも可能であり、セパレータを定着治具60の取付対象とし、図13(c)~(e)と同様の方法で定着治具60をセパレータに取り付けることができる。その他、ベース部61に設けたネジ孔(不図示)にねじ棒等のネジを螺合させることも可能である。
【0075】
さらに、筒状のベース部61を有する定着治具60は、図14に示すように、せん断補強筋23の端部を折り曲げて定着を行う場合にも適用できる。この場合、ベース部61の内部にせん断補強筋23の折曲部232を通して定着治具60をせん断補強筋23に取り付けることができる。
【0076】
[第5の実施形態]
第1~第4の実施形態では構造体1の補強材として主筋21や配力筋22を用いているが、図15に示すように、構造体1の補強材としてH形鋼24などの形鋼や鋼板を用いる場合もある。
【0077】
図15は構造体1を構築する途中の工程を示した図であり、一対の内型枠11の内側にH形鋼24とせん断補強筋23を配置し、内型枠11の外側に硬化材13を塗布した状態である。この後、硬化材13の内側にコンクリート20を打設することで構造体1が形成される。
【0078】
H形鋼24は、その軸方向を鉛直方向として配置され、両内型枠11の近傍で、内型枠11の延伸方向(図15の左右方向に対応する)に間隔を空けて複数本設けられる。せん断補強筋23の両端部は、両内型枠11の近傍のH形鋼24のそれぞれに固定される。
【0079】
第5の実施形態の定着治具70はH形鋼24に取り付けて用いられ、せん断補強筋23の両端部がH形鋼24を介して定着治具70により硬化材13に固定される。
【0080】
図16(a)は定着治具70を示す図であり、図16(b)は定着治具70の斜視図である。本実施形態の定着治具70は、コの字状の断面を有するクリップ型のベース部71に、外側へと突出する定着用のスタッド部72を設けた構成を有する。本実施形態では、複数の定着治具70がH形鋼24のフランジの両側に取り付けられる。
【0081】
図16(c)は、定着治具70について、H形鋼24のフランジ厚さ方向の断面を見た図である。スタッド部72の軸部にはネジが設けられており、コの字状のベース部71の開放面からベース部71内にH形鋼24のフランジを通したうえで、ベース部71に設けたネジ孔711にスタッド部72の軸部のネジを螺合し、軸部の先端でフランジをベース部71の内面に押し付ける。これにより、定着治具70をH形鋼24に容易且つ確実に取り付けることができる。
【0082】
第5の実施形態でも、せん断補強筋23の端部をH形鋼24を介して定着治具70により外殻部の硬化材13に固定し、コンクリート20の打設時のセパレータとして機能させることで、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0083】
なお、本実施形態の定着治具70は、図17に示すように、せん断補強筋23の端部に板状の定着プレート231を設ける場合にも適用できる。定着治具70は、せん断補強筋23の定着プレート231に先程と同様に取り付けることができる。
【0084】
以上、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0085】
1:構造体
11:内型枠
13:硬化材
20:コンクリート
21:主筋
22:配力筋
23:せん断補強筋
24:H形鋼
30、30a~30e、40、40a、40b、40c、50、60、60a~60j、70:定着治具
31、31a、41、41a、61、71:ベース部
32、42、62、62a、72:スタッド部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図16
図17