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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181401
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】ゴミ箱
(51)【国際特許分類】
   B65F 1/16 20060101AFI20221201BHJP
【FI】
B65F1/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021088321
(22)【出願日】2021-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】394016874
【氏名又は名称】河淳株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002538
【氏名又は名称】弁理士法人あしたば国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡田 陽介
【テーマコード(参考)】
3E023
【Fターム(参考)】
3E023AA14
3E023MA04
3E023MB01
3E023MC02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】蓋体のストローク量を十分に確保する。
【解決手段】ゴミ箱11は、開口部16を有する本体12と、前記開口部16を閉塞した第1位置と、前記開口部を開放した第2位置と、の間で回転可能な蓋体23と、前記蓋体23を第1位置と前記第2位置との間で移動させるための足踏み式のペダル部26と、一方の端部で前記ペダル部26に接続された接続部と、支軸を中心に回動可能なレバー部であって、前記接続部の一方の端部とは反対側の他方の端部に接続された入力部と、前記支軸に対して前記入力部よりも遠い位置に設けられた作用部と、を有するレバー部と、前記作用部に接続されるとともに、前記蓋体23から退避した第3位置と、前記蓋体23に内側から当接して前記蓋体23を前記第1位置から前記第2位置に移動させる第4位置と、の間で、前記第1位置にある前記蓋体23の厚さ方向に関して前記レバー部の回動に伴い進退可能なロッド部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する本体と、
前記開口部を閉塞した第1位置と、前記開口部を開放した第2位置と、の間で回転可能な蓋体と、
前記蓋体を第1位置と前記第2位置との間で移動させるための足踏み式のペダル部と、
一方の端部で前記ペダル部に接続された接続部と、
支軸を中心に回動可能なレバー部であって、前記接続部の一方の端部とは反対側の他方の端部に接続された入力部と、前記支軸に対して前記入力部よりも遠い位置に設けられた作用部と、を有するレバー部と、
前記作用部に接続されるとともに、前記蓋体から退避した第3位置と、前記蓋体に内側から当接して前記蓋体を前記第1位置から前記第2位置に移動させる第4位置と、の間で、前記第1位置にある前記蓋体の厚さ方向に関して前記レバー部の回動に伴い進退可能なロッド部と、
を備えるゴミ箱。
【請求項2】
開口部を有する本体と、
前記開口部を閉塞した第1位置と、前記開口部を開放した第2位置と、の間で回転可能な蓋体と、
前記蓋体を第1位置と前記第2位置との間で移動させるための足踏み式のペダル部と、
一方の端部で前記ペダル部に接続された接続部と、
支軸を中心に回動可能なレバー部であって、前記接続部の一方の端部とは反対側の他方の端部に接続された入力部と、前記支軸と前記入力部とを結ぶ方向と交差する方向に延びる第2ロッド部であって、前記蓋体から退避した第3位置と、前記蓋体に内側から当接して前記蓋体を前記第1位置から前記第2位置に移動させる第4位置と、の間で、前記レバー部の回動に伴い回動する第2ロッド部と、を有するレバー部と、
を備えるゴミ箱。
【請求項3】
前記蓋体は、
前記第1位置と前記第2位置との間で回転する際の回転中心となる回転軸と、
前記回転軸から前記開口部に向けて突出した蓋体本体と、
前記蓋体本体とは反対側に設けられ、前記蓋体本体が前記回転軸から突出する寸法よりも小さい寸法で前記回転軸から突出するとともに、前記ロッド部又は前記第2ロッド部が当接される当接部と、
を備える請求項1又は請求項2に記載のゴミ箱。
【請求項4】
前記当接部は、前記回転軸の近傍に位置する請求項3に記載のゴミ箱。
【請求項5】
前記ロッド部又は前記第2ロッド部は、前記当接部に当接する位置にローラを有する請求項3又は請求項4に記載のゴミ箱。
【請求項6】
前記蓋体本体は、前記第2位置にあるときに前記本体の内側に位置する請求項3~5のいずれか1項に記載のゴミ箱。
【請求項7】
前記蓋体と隣接して設けられた第2蓋体であって、前記回転軸に対して前記開口部を間に挟んだ反対側に設けられた第2回転軸回りに回転可能な第2蓋体と、
前記蓋体と前記第2蓋体とを連結するとともに、前記蓋体が前記第1位置から前記第2位置に移動する際にこれに連動するように、前記第2蓋体を前記開口部を閉塞した第5位置と、前記開口部を開放した第6位置と、の間で回転させ且つ前記第5位置から前記第6位置に向かう回転方向を前記第1位置から前記第2位置に向かう前記蓋体の回転方向と逆方向にするリンク部と、
を備える請求項3~6のいずれか1項に記載のゴミ箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペダル式で蓋を開閉可能なゴミ箱に関する。
【背景技術】
【0002】
ペダル式で蓋を開閉可能なゴミ箱が開示されている(例えば、特許文献1参照)。このゴミ箱は、ゴミ箱本体と、脚踏み式のペダルと、開閉蓋と、ゴミ箱本体の内側に設けられペダルと開閉蓋とを連結する連結具と、を備える。特許文献1において、図1図3にロッド状の連結具を用いたゴミ箱が開示され、図4にワイヤ状の連結具を用いたゴミ箱が開示され、図5にワイヤとリンク機構とを組み合わせた連結具を用いたゴミ箱が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平3-114745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記図1図4に記載のゴミ箱では、連結具にリンク機構が組み込まれていないため、開閉蓋の回動のストローク量が十分でなく、利用者が手又はごみ自体で開閉蓋を押し開けるようにして、ごみをゴミ箱に投入しなければならない問題がある。上記図5に記載のゴミ箱では、リンク機構によってある程度開閉蓋のストロークが確保されているが、構造が複雑であるだけでなく、リンク機構が大がかりとなってコスト高につながる問題がある。また、上記図5に記載のゴミ箱では、利用者が手で開閉蓋を押し開けるようにすると、ワイヤを吊り下げている滑車からワイヤが脱落してしまう不具合を生じる可能性がある。
【0005】
従って、本発明の目的は、簡単な構造で蓋体のストローク量を十分に確保できるゴミ箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、以下の本発明により解決される。すなわち、本発明(1)のゴミ箱は、開口部を有する本体と、
前記開口部を閉塞した第1位置と、前記開口部を開放した第2位置と、の間で回転可能な蓋体と、
前記蓋体を第1位置と前記第2位置との間で移動させるための足踏み式のペダル部と、
一方の端部で前記ペダル部に接続された接続部と、
支軸を中心に回動可能なレバー部であって、前記接続部の一方の端部とは反対側の他方の端部に接続された入力部と、前記支軸に対して前記入力部よりも遠い位置に設けられた作用部と、を有するレバー部と、
前記作用部に接続されるとともに、前記蓋体から退避した第3位置と、前記蓋体に内側から当接して前記蓋体を前記第1位置から前記第2位置に移動させる第4位置と、の間で、前記第1位置にある前記蓋体の厚さ方向に関して前記レバー部の回動に伴い進退可能なロッド部と、
を備える。
【0007】
また、本発明(2)のゴミ箱は、開口部を有する本体と、
前記開口部を閉塞した第1位置と、前記開口部を開放した第2位置と、の間で回転可能な蓋体と、
前記蓋体を第1位置と前記第2位置との間で移動させるための足踏み式のペダル部と、
一方の端部で前記ペダル部に接続された接続部と、
支軸を中心に回動可能なレバー部であって、前記接続部の一方の端部とは反対側の他方の端部に接続された入力部と、前記支軸と前記入力部とを結ぶ方向と交差する方向に延びる第2ロッド部であって、前記蓋体から退避した第3位置と、前記蓋体に内側から当接して前記蓋体を前記第1位置から前記第2位置に移動させる第4位置と、の間で、前記レバー部の回動に伴い回動する第2ロッド部と、を有するレバー部と、
を備える。
【0008】
また、本発明(3)のゴミ箱は、(1)又は(2)記載のゴミ箱であって、
前記蓋体は、
前記第1位置と前記第2位置との間で回転する際の回転中心となる回転軸と、
前記回転軸から前記開口部に向けて突出した蓋体本体と、
前記蓋体本体とは反対側に設けられ、前記蓋体本体が前記回転軸から突出する寸法よりも小さい寸法で前記回転軸から突出するとともに、前記ロッド部又は前記第2ロッド部が当接される当接部と、
を備える。
【0009】
また、本発明(4)のゴミ箱は、(3)記載のゴミ箱であって、
前記当接部は、前記回転軸の近傍に位置する。
【0010】
また、本発明(5)のゴミ箱は、(3)又は(4)に記載のゴミ箱であって、
前記ロッド部又は前記第2ロッド部は、前記当接部に当接する位置にローラを有する。
【0011】
また、本発明(6)のゴミ箱は、(3)~(5)のいずれか1項に記載のゴミ箱であって、
前記蓋体本体は、前記第2位置にあるときに前記本体の内側に位置する。
【0012】
また、本発明(7)のゴミ箱は、(3)~(6)のいずれか1項に記載のゴミ箱であって、
前記蓋体と隣接して設けられた第2蓋体であって、前記回転軸に対して前記開口部を間に挟んだ反対側に設けられた第2回転軸回りに回転可能な第2蓋体と、
前記蓋体と前記第2蓋体とを連結するとともに、前記蓋体が前記第1位置から前記第2位置に移動する際にこれに連動するように、前記第2蓋体を前記開口部を閉塞した第5位置と、前記開口部を開放した第6位置と、の間で回転させ且つ前記第5位置から前記第6位置に向かう回転方向を前記第1位置から前記第2位置に向かう前記蓋体の回転方向と逆方向にするリンク部と、
を備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、簡単な構造で蓋体のストローク量を十分に確保できるゴミ箱を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態のゴミ箱を正面側から示す斜視図である。
図2図1に示すゴミ箱を背面側から示した斜視図である。
図3図1に示すゴミ箱の枠体、支持フレーム、支持構造体等を後方から示した斜視図である。
図4図3に示すゴミ箱の枠体、支持フレーム等から、支持構造体等を取り外した状態を示した斜視図である。
図5図1に示すゴミ箱のF5-F5線の位置に沿った断面図であり、ゴミ箱中の主要な構造のみを示した断面図である。
図6図5に示すゴミ箱の主要な構造を分解して正面側から示す分解斜視図である。
図7図6に示すゴミ箱の支持構造体を拡大して示す斜視図である。
図8図6に示すゴミ箱のレバー部を拡大して示す斜視図である。
図9図6に示すゴミ箱の接続部の上側部分を拡大して示す斜視図である。
図10図6に示すゴミ箱のロッド部を拡大して示す斜視図である。
図11図5に示すゴミ箱において、ペダル部を足踏みすることで蓋体および第2蓋体を閉塞位置から開放位置に移動させた状態を示す断面図である。
図12図5に示すゴミ箱において、ペダル部を足踏みすることなく、ユーザの手指やごみ自体によって、蓋体および第2蓋体を閉塞位置から開放位置に移動させた状態を示す断面図である。
図13】第2実施形態のゴミ箱の縦方向に沿った断面図であり、ゴミ箱中の主要な構造のみを示した断面図である。
図14図13に示すゴミ箱において、ペダル部を足踏みすることで蓋体および第2蓋体を閉塞位置から開放位置に移動させた状態を示す断面図である。
図15図13に示すゴミ箱を本体の内側から示す斜視図である。
図16図14に示すゴミ箱を本体の内側から示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、ゴミ箱の実施形態について説明する。実施形態のゴミ箱は、例えば、足踏み式のペダル部で蓋体を開閉できるものであり、感染症(例えば、コロナウイルス感染症)が蔓延している状況下で、ユーザが蓋体に手を触れることなく蓋を開閉できるものである。
[実施形態]
【0016】
図1図12を参照して、実施形態のゴミ箱11について説明する。図1図5に示すように、ゴミ箱11は、箱状の筐体をなした本体12と、本体12の下部に設けられた複数のキャスター部13と、本体12の頂部に設けられ飲み残しの液体を投入できる飲み残し投入部14と、本体12の前部に本体12の一部として枠状に設けられた枠体15と、枠体15に設けられた一対の開口部16と、枠体15の下部に設けられ開閉可能な一対のドア部17と、枠体15から本体12内側に張り出した張出部18と、張出部18に固定されL字形をなした支持フレーム21と、支持フレーム21に対して固定された支持構造体22と、一対の開口部16を覆うように設けられた一対の蓋体23および一対の第2蓋体24と、支持フレーム21の下部に設けられたペダル固定部25と、ペダル固定部25に対して回動可能に設けられたペダル部26と、一方の端部でペダル部26に接続されたロッド状の接続部27と、支持構造体22の支軸28を中心に回動可能なレバー部31と、レバー部31の回動に伴い進退可能なロッド部32と、蓋体23と第2蓋体24とを連結するリンク部33と、を備える。ペダル部26、接続部27、レバー部31、およびロッド部32等は、ユーザによる足踏みの力を蓋体23および第2蓋体24の回転力として動力伝達する動力伝達系34を構成する。
【0017】
本体12は、例えばスチール等の金属材料によって形成されている。一対のドア部17は、外側に向けて観音開き式に開閉でき、一対のドア部17の開放時に本体12の内部からごみを取り出すことができる。一対のドア部17は、スチール等の金属材料によって形成されている。
【0018】
枠体15は、例えばスチール等の金属材料によって形成されている。一対の開口部16のそれぞれは、方形に形成されている。開口部16同士の開口面積は図1に示すように異なっていてもよいし、互いに同じであってもよい。図1に示す例では、一方の開口部16の開口面積は、他方の開口部16の開口面積よりも大きく形成されている。
【0019】
図3図5に示すように、張出部18は、例えばねじ止め又は溶接等によって、枠体15と一体になるように形成されている。張出部18は、断面略L字形に折れ曲がった板状に形成されている。張出部18は、方形の貫通孔を有しており、この貫通孔の内側に支持フレーム21の上端が差し込まれて保持されている(図4参照)。張出部18と支持フレーム21の上端部は、例えば溶接等によって一体に固定されていてもよい。
【0020】
図3図4に示すように、支持フレーム21は、断面C字形の2つの形鋼をL字形をなすように溶接接合して形成されている。ペダル固定部25は、一部が切欠かれた筒状に形成されており、支持フレーム21の下端(角部)に外側から覆い被さるように固定される。ペダル固定部25は、ペダル部26の後述する枢軸35を通すための貫通孔を有する(図6参照)。ペダル固定部25は、支持フレーム21に対してねじ止め又は溶接等によって固定されている。
【0021】
ペダル部26は、例えばスチール等の金属材料によって形成されている。図3図5図6に示すように、ペダル部26は、方形厚板状をなしたペダル本体26Aと、ペダル本体26Aから延びた一対の腕部36と、一対の腕部36の先端部に設けられた枢軸35と、一対の腕部36の中間部に設けられた固定用長孔37と、ペダル本体26Aの下面から下方に向けて突出して床面に当接可能な脚部38と、を有する。脚部38は、例えば合成ゴム等のゴム状の弾性体で形成される。ペダル本体26Aは、枢軸35回りに回転可能である。ペダル部26は、ユーザからの足踏みによって、上方から下方に向けて押し下げるように回動できる。ユーザが足踏みを解除すると、接続部27に設けられた弾性部材41(ばね)の作用によって、下方から元の上方位置に戻ることができる。
【0022】
支持構造体22は、例えばスチール等の金属材料によって一体的に形成されている。図7に示すように、支持構造体22は、支持フレーム21よりも大きい径で断面略C字状に形成されたフレーム部42と、フレーム部42の上部貫通孔に通された支軸28と、フレーム部42の下部にフレーム部42と一体に断面U字状に設けられた差込部43と、差込部43の下部に設けられた溝部44と、溝部44に対して差し込まれて固定される固定片45と、フレーム部42の外側側面に一対に固定された断面略U字形のガイドレール46と、を有する。固定片45は、平板状に形成され、中央部にロッド状の接続部27および弾性部材41の下端を通すための切欠部45Aを有する。固定片45は、接続部27の弾性部材41(ばね)の下側を支持することができる。固定片45は、例えば、接続部27と切欠部45Aを規定する縁部との間に弾性部材41の下端を挟んで保持することができる。支軸28は、ねじ等の固定手段によってフレーム部42に固定されている。
【0023】
差込部43は、フレーム部42よりも小径で断面U字形に形成され、支持フレーム21の内側にきっちりと差し入れることができる。このため、差込部43をフレーム部42の上端部に差し込むことで、支持構造体22は支持フレーム21に対して強固に固定される。
【0024】
ガイドレール46は、フレーム部42の長手方向(上下方向)に対して斜めに固定されている。ガイドレール46は、例えば溶接等によってフレーム部42の外側に固定されている。支持構造体22は、ガイドレール46の内側にロッド部32の支持ピン72を案内するための案内溝47Aを形成したガイド片47を有する。ガイド片47は、例えばポリアセタール等の低摩擦性の樹脂で構成されている。ガイド片47は、ガイドレール46の内側に嵌め込まれて固定されている。
【0025】
図8に示すように、レバー部31は、クランク状(S字状)の全体形状を有する。レバー部31は、レバー本体31Aと、レバー本体31Aの両面(表面、裏面)に被せられた平板状の一対の板金39と、レバー本体31Aに設けられ支軸28を通すための穴部51と、レバー本体31Aに設けられ接続部27の他方の端部に接続された入力部52(第1長孔部)と、レバー本体31Aに設けられロッド部32に接続された作用部53(第2長孔部)と、入力部52の近傍に形成されたスリット部54と、を有する。レバー部31は、支軸28を中心に回動可能である。板金39は、例えばスチール等の金属材料によって形成されている。
【0026】
レバー本体31Aは、例えばポリアセタール等の低摩擦性の樹脂によって一体に成形されている。外周部55は、レバー本体31Aから厚み方向に突出しており、板金39が形成する面と同じ高さになるように形成されている。このため、レバー本体31A(外周部55)が周辺部材と接触する場合でも、レバー部31の動作時にこれらの間で異音等が発生することが防止される。
【0027】
穴部51は、レバー部31の一方の端部に設けられている。穴部51は、板金39に形成された貫通孔を貫通するように突出した筒状のアダプタ部56を両面(表面、裏面)に有する。アダプタ部56は、レバー本体31Aと一体に成形されている。
【0028】
入力部52は、レバー部31の略中間部に設けられている。入力部52を構成している貫通孔は、レバー部31の厚み方向の中間部に形成されているスリット部54によって分断されている。また、入力部52の内周面を規定する縁部57は、レバー本体31Aから厚み方向に突出しており、板金39に形成された貫通孔を貫通する。入力部52の内周面を規定する縁部57は、板金39が形成する面と同じ高さになるように形成されている。
【0029】
作用部53は、支軸28および支軸28が通される穴部51に対して、入力部52よりも遠い位置に設けられている。すなわち、作用部53は、レバー部31の一方の端部とは反対側の他方の端部に設けられている。作用部53は、板金39に形成された貫通孔を貫通するように突出した長円形の筒状の第2アダプタ部61を両面(表面、裏面)に有する。第2アダプタ部61は、レバー本体31Aと一体に成形されている。
【0030】
図5図6図9に示すように、接続部27は、例えばスチール等の金属製の線材によってロッド状に形成された軸部62と、軸部62に固定された座板部63と、座板部63の下面に溶接等で固定された弾性部材41と、接続部27(軸部62)の一方の端部に設けられた第1固定部材64と、接続部27(軸部62)の他方の端部に設けられた差込片65および差込片65の貫通孔に通された第2固定部材66と、を有する。弾性部材41は、例えば圧縮コイルばねで構成されている。
【0031】
第1固定部材64は、ねじおよびナットで構成され、ペダル部26の固定用長孔37に対して固定される。差込片65は、レバー部31のスリット部54の内側に差し込み可能である。第2固定部材66は、ねじおよびナットで構成され、レバー部31の入力部52に対して接続部27の他方の端部を固定することができる。
【0032】
ロッド部32は、蓋体23から退避した第3位置P3と、蓋体23に内側から当接して蓋体23を第1位置P1から第2位置P2に移動させる第4位P4と、の間で、第1位置P1にある蓋体23の厚さ方向に関して進退可能である。図10に示すように、ロッド部32は、細長い板金をU字形に折り曲げられて形成されたロッド本体32Aと、レバー部31の作用部53に通されるとともにロッド本体32Aにねじ等で固定された円柱形のピン67と、ロッド本体32Aの先端部に回転可能に一対に設けられたローラ68と、ローラ68の根元側に設けられたフランジ部71と、ローラ68を回転可能に支持する支持ピン72と、を有する。ロッド本体32Aは、例えばスチール等の金属材料によって形成されている。
【0033】
ローラ68は、その外周面でブラケット73の当接部76に対して当接することができる。ローラ68は、例えばポリアセタール等の低摩擦性の樹脂によって形成されている。フランジ部71は、ローラ68の根元側に設けられ、ローラ68と一体に成形されている。フランジ部71は、ローラ68よりも大きい直径で平板状に形成されている。フランジ部71は、蓋体23および第2蓋体24が横方向に移動した際に、それに伴って横方向に移動するブラケット73に係合し、ブラケット73がローラ68から脱落してしまうことを阻止できる。
【0034】
一対の蓋体23のそれぞれは、例えばスチール等の金属材料によって平板状に形成されている。図5図6に示すように、蓋体23は、開口部16の下側を閉塞するように設けられている。蓋体23は、開口部16を閉塞した第1位置P1と、開口部16を開放した第2位置P2と、の間で回転可能である。蓋体23は、蓋体本体23Aと、蓋体本体23Aの両側に固定された一対のブラケット73と、蓋体本体23Aおよびブラケット73を回転可能に支持する回転軸74と、を備える。ブラケット73は、蓋体本体23Aに対してねじ止めおよび溶接等で固定されている。蓋体本体23Aは、回転軸34から開口部16に向けて突出している。蓋体23および第2蓋体24は、内開き式に開閉する。このため、蓋体本体23Aは、第2位置P2にあるときに本体12の内側に位置する。回転軸74は、本体12に対して溶接等で固定されている。
【0035】
一対のブラケット73のそれぞれは、蓋体23に固定される固定部分75と、固定部分75から腕状に延びて且つこれにロッド部32のローラ68が突き当てられる当接部76と、当接部76の先端部に設けられリンク部33の第1端部33Aとねじやピン等で固定される第1固定部77と、を有する。当接部76は、蓋体本体23Aとは反対側に設けられている。当接部76は、蓋体本体23Aが回転軸74から突出する寸法よりも小さい寸法で回転軸74から突出している。より詳細には、当接部76は、回転軸74の近傍に位置している。
【0036】
一対の第2蓋体24のそれぞれは、スチール等の金属材料によって平板状に形成されている。図5図6に示すように、第2蓋体24は、蓋体23と隣接して設けられ、開口部16の上側を閉塞するように設けられている。第2蓋体24は、開口部16を閉塞した第5位置P5と、開口部16を開放した第6位置P6と、の間で回転可能である。第2蓋体24は、蓋体23の面積よりも大きい面積で構成されている。
【0037】
第2蓋体24は、第2蓋体本体24Aと、第2蓋体本体24Aの先端部から本体12の内側に向けて延びた目隠し部29と、第2蓋体本体24Aの両側に固定された一対の第2ブラケット81と、第2蓋体本体24Aおよび第2ブラケット81を回転可能に支持する第2回転軸78と、を備える。第2回転軸78は、本体12に対して溶接等で固定されている。第2蓋体24は、蓋体23の回転軸74に対して開口部16を間に挟んだ反対側に設けられた第2回転軸78回りに回転可能である。目隠し部29は、蓋体23と第2蓋体24の間からゴミ箱11の内部が見えてしまうことを防止する。また、目隠し部29は、ユーザの手指やごみが第2蓋体24に引っ掛かってしまうことを防止する。
【0038】
一対の第2ブラケット81のそれぞれは、第2蓋体24に対してねじ止めおよび溶接等で固定されている。第2ブラケット81は、リンク部33の第2端部33Bとねじやピン等で固定される第2固定部82を有する。
【0039】
リンク部33は、蓋体23および第2蓋体24を間に挟んだ両側に一対に設けられている。一対のリンク部33のそれぞれは、ブラケット73に接続された第1端部33Aと、第2ブラケット81に接続された第2端部33Bと、を有する。リンク部33は、蓋体23と第2蓋体24とを連結する。リンク部33は、蓋体23が第1位置P1から第2位置P2に移動する際にこれに連動するように、第2蓋体24を開口部16を閉塞した第5位置P5と、開口部16を開放した第6位置P6と、の間で回転させる。また、その際、リンク部33は、第5位置P5から第6位置P6に向かう第2蓋体24の回転方向を、第1位置P1から第2位置P2に向かう蓋体23の回転方向と逆方向にするように、蓋体23と第2蓋体24とを連結する。このため、蓋体23および第2蓋体24は、観音開き式に開閉動作することができる。
【0040】
続いて、本実施形態のゴミ箱11の支持構造体22周りおよびペダル部26周りの組立方法について説明する。支持構造体22の装着に先立ち、ゴミ箱11の本体12に対して、枠体15および張出部18が例えばねじ止め又は溶接され、且つ、蓋体23、第2蓋体24、リンク部33がねじ止め等で枠体15に取り付けられている。また、ゴミ箱11の本体12および張出部18に対して、支持フレーム21が溶接等で固定されている。
【0041】
支持フレーム21の縦方向に延びている部分の下部に対して、ペダル固定部25をねじ止め等で固定する。このペダル固定部25に対してペダル部26を枢軸35(ねじ)で固定する。さらに支持フレーム21の縦方向に延びている部分の内側にロッド状の接続部27を通す。第1固定部材64を用いて、接続部27の一方の端部をペダル部26に対して固定する。
【0042】
続いて、支持構造体22を支持フレーム21の縦方向に延びている部分の上端部に固定する。その際、支持構造体22に対して予めレバー部31およびロッド部32を取りつけておく。具体的には、レバー部31の穴部51に対して支軸28(ねじ)を通してレバー部31を支持構造体22に取りつける。支持構造体22のガイドレール46に対してロッド部32を取り付ける。ロッド部32には、予め支持ピン72を介してフランジ部71と一体になったローラ68が取り付けられている。ガイドレール46に対してロッド部32を取り付ける際には、支持ピン72がガイド片47の案内溝47A内に嵌るようにする。これによって、ガイドレール46からロッド部32から脱落することが阻止される。さらに、ピン67(ねじ)を介してレバー部31の作用部53に対してロッド部32を取り付けるようにする。このように、予め支持構造体22に対してレバー部31およびロッド部32を取りつけた状態で、フレーム部42に対して支持構造体22の差込部43を差し込むようにする。
【0043】
接続部27の他方の端部にある差込片65を、支持構造体22内に位置されたレバー部31のスリット部54に差し込むようにする。この状態で、レバー部31の入力部52と、接続部27の差込片65の貫通孔と、に第2固定部材66を通して、レバー部31と接続部27とを固定する。さらに、支持構造体22の溝部44に対して固定片45を差し込むようにする。その際、切欠部45A内に接続部27の軸部62を通すようにする。これによって、弾性部材41の下端が固定片45によって下支えされるようになり、弾性部材41の付勢力によってペダル部26を上側に引き上げるように付勢できる。同様に、弾性部材41の付勢力によって、ロッド部32は、蓋体23から退避した第3位置P3に保持される。以上の工程によって、本体12に対する支持構造体22およびペダル部26の組付けが完了する。
【0044】
続いて、図5図11図12を参照して、本実施形態のゴミ箱11の作用について説明する。
【0045】
図5に示す初期位置から、ユーザがペダル部26を足踏みによって押し下げると、図11に示すように、ペダル部26が下方に向けて回動する。踏み込みの角度が大きい場合には、ペダル部26の脚部38が床面に当接して、ペダル部26の回動を停止させる。ペダル部26の下方への回動に伴い、弾性部材41を圧縮しつつ接続部27を下方に移動させる。接続部27の下方への移動に伴い、レバー部31の入力部52に対して接続部27からの張力が作用する。これによって、レバー部31が支軸28を中心に、図5に示す第7位置P7から、図11に示す第8位置P8に回動する。これに伴い、レバー部31の作用部53に接続されたロッド部32が、図5に示すように蓋体23から退避した第3位置P3から、蓋体23に近づく方向に押し出され、図11に示すように蓋体23に当接した第4位置P4に移動する。その際、ロッド部32の先端に位置するローラ68が蓋体23のブラケット73の当接部76に対して当接する。ロッド部32が前進するに従い、当接部76を前方に押しやることとなり、それに伴い蓋体23が回転軸74を中心に回転する。これによって、蓋体23は、開口部16を閉塞した第1位置P1から、開口部16を開放した第2位置P2に移動する。蓋体23の第1位置P1から第2位置P2への回転に伴い、リンク部33がこの回転力を第2蓋体24に伝達する。すなわち、蓋体23の回転に伴い、リンク部33が前方に移動しつつ上方に押し上げられる。このリンク部33の移動によって、第2ブラケット81が後方(本体12の内側)に回動し、図5に示すように第2蓋体24が開口部16を閉塞した第5位置P5から、図11に示すように本体12の内側に回動した開口部16を開放した第6位置P6まで移動する。このようにして、ペダル部26の足踏みによってなされる蓋体23および第2蓋体24の開放動作が完了する。
【0046】
このとき、支軸28に対して入力部52よりも遠い位置に作用部53が設けられているため、てこの原理により作用部53を介してロッド部32を前進させる際の操作力量を低減させるとともに、回転に伴い作用部53が移動する距離を長くして、ロッド部32の進退するストローク量を十分に確保できる。また、蓋体23の当接部76が回転軸74の近傍に設けられているために、小さな距離の当接部76の移動によって、蓋体本体23Aの十分に大きな回転角度を得ることができる。
【0047】
ユーザがペダル部26の足踏みを解除した場合には、弾性部材41の反発力によって接続部27が上方に持ち上げられ、ペダル部26も初期位置に戻る。これと同時に、レバー部31が第8位置P8から第7位置P7に戻り、それに伴いロッド部32を第4位置P4から第3位置P3に後退させる。ロッド部32の後退によって、第2蓋体24は、自重によって第6位置P6から第5位置P5にまで回動する。それに伴いリンク部33が第2蓋体24の回転力を蓋体23に伝達して、蓋体23を第2位置P2から第1位置P1に戻すようにする。このように、ペダル部26の足踏みを解除することで、蓋体23および第2蓋体24が開口部16を閉塞した状態に復帰する。
【0048】
また、ユーザは、ペダル部26の足踏みによらないで、手指やごみ自体によって、蓋体23および第2蓋体24を回転させることができる。すなわち、ユーザがペダル部26を足踏みしない場合には、図5図12に示すように、ロッド部32は、蓋体23から退避した第3位置P3に保持されている。このため、蓋体23およびこれにリンク部33を介して連動して動く第2蓋体24は、ユーザの手指やごみによる押し込みによって、ロッド部32からの抵抗を受けることなく、自由に第1位置P1から第2位置P2に回動する(第2蓋体24も第5位置P5から第6位置P6に回動する)ことができる。したがって、足踏み用のペダル部26を設けた場合でも、ユーザがペダル部26を用いないで蓋体23を開閉する際に、ペダル部26、接続部27、レバー部31、およびロッド部32を含む動力伝達系34が負荷となってしまうことがない。このように、ペダル部26によらないで蓋体23および第2蓋体24を回動させる場合でも、ユーザが軽い力でこれらを回動させることができる。以上より、ペダル部26を用いて蓋体23および第2蓋体24を回動させる場合と、ペダル部26を用いないで蓋体23および第2蓋体24を回動させる場合の両方で、ユーザが蓋体23および第2蓋体24を回動させる際の操作力量を低減して、ユーザフレンドリーなゴミ箱11が実現される。
【0049】
本実施形態によれば、以下のことがいえる。ゴミ箱11は、開口部16を有する本体12と、開口部16を閉塞した第1位置P1と、開口部16を開放した第2位置P2と、の間で回転可能な蓋体23と、蓋体23を第1位置P1と第2位置P2との間で移動させるための足踏み式のペダル部26と、一方の端部でペダル部26に接続された接続部27と、支軸28を中心に回動可能なレバー部31であって、接続部27の一方の端部とは反対側の他方の端部に接続された入力部52と、支軸28に対して入力部52よりも遠い位置に設けられた作用部53と、を有するレバー部31と、作用部53に接続されるとともに、蓋体23から退避した第3位置P3と、蓋体23に内側から当接して蓋体23を第1位置P1から第2位置P2に移動させる第4位置P4と、の間で、第1位置P1にある蓋体23の厚さ方向に関してレバー部31の回動に伴い進退可能なロッド部32と、を備える。
【0050】
この構成によれば、ペダル部26を足踏みすることで、蓋体23に触れることなく蓋体23を第1位置P1と第2位置P2との間で移動させることができる。これによって、蓋体23を開閉するためにユーザが蓋体23に触れなければならなくなることを防止して、接触に起因して感染症(例えば、コロナウイルス感染症)等が拡大してしまうことを防止できる。また、レバー部31の作用部53が支軸28に対して入力部52よりも遠い位置に設けられているため、てこの原理によって、支軸28回りにレバー部31が回動する際に、作用部53の移動量を大きくできるとともに、作用部53においてロッド部32を進退させるのに必要な力量を低減できる。これによって、ロッド部32の進退ストローク量を十分に確保することで、蓋体23の第1位置P1に対する蓋体23の第2位置P2の角度を十分に大きくして、蓋体23の開閉ストロークを大きく確保することができる。また、ペダル部26の足踏み時に必要な力量を低減できる。これらによって、ユーザの利便性を向上できる。さらに、ロッド部32が蓋体23から退避している第3位置P3にあるときに、ユーザは、必要に応じて蓋体23を手で回動させることもできる。その際、ロッド部32が蓋体23から退避した第3位置P3にあるため、ユーザが蓋体23を手で回動させるのに、ロッド部32、レバー部31、接続部27、およびペダル部26の構造が抵抗になってしまうことがない。このため、蓋体23を手で回動させる際に必要な操作力量を低減できる。
【0051】
この場合、蓋体23は、第1位置P1と第2位置P2との間で回転する際の回転中心となる回転軸74と、回転軸74から開口部16に向けて突出した蓋体本体23Aと、蓋体本体23Aとは反対側に設けられ、蓋体本体23Aが回転軸74から突出する寸法よりも小さい寸法で回転軸74から突出するとともに、ロッド部32又は第2ロッド部91が当接される当接部と、を備える。
【0052】
この構成によれば、てこの原理によって、当接部76の回転に必要なロッド部32(第2実施形態で説明する第2ロッド部91)のストロークをできるだけ小さくできるだけでなく、当接部76の回転に伴い回転する蓋体本体23Aの回転ストロークをできるだけ大きくすることができる。これによって、蓋体本体23Aにおいて十分な回転ストロークを確保することができ、蓋体23の回転角度が不足して使いにくいという事態を生じることがない。これによって、ユーザが使いやすいゴミ箱11を実現できる。
【0053】
この場合、当接部76は、回転軸74の近傍に位置する。この構成によれば、当接部76の突出する寸法を最小限にすることができる。これによって、当接部76の回転に必要なロッド部32のストロークをできるだけ小さくし、且つ当接部76の回転に伴い回転する蓋体本体23Aの回転ストロークをできるだけ大きくすることができる。
【0054】
この場合、ロッド部32又は第2ロッド部91は、当接部76に当接する位置にローラ68を有する。当接部76が回転軸74から突出する寸法を小さくすると、蓋体23の回転に伴い当接部76の設置角度が急激に変化することとなる。上記の構成によれば、蓋体23の回転に伴い当接部76の角度が急激に変化する場合でも、蓋体23を押し込むロッド部32(第2実施形態で説明する第2ロッド部91)の力をローラ68を介して蓋体23に効率よく伝達することができる。これによって、ロッド部32の進退に伴い回転する蓋体23の回転運動を円滑にできる。
【0055】
この場合、蓋体本体23Aは、第2位置P2にあるときに本体12の内側に位置する。この構成によれば、第2位置P2にあるときに蓋体23を本体12の内側に向けて回転させることができる。これによって、蓋体23がユーザのゴミ捨て作業を邪魔してしまうことがない。
【0056】
この場合、蓋体23と隣接して設けられた第2蓋体24であって、回転軸74に対して開口部16を間に挟んだ反対側に設けられた第2回転軸78回りに回転可能な第2蓋体24と、蓋体23と第2蓋体24とを連結するとともに、蓋体23が第1位置P1から第2位置P2に移動する際にこれに連動するように、第2蓋体24を開口部16を閉塞した第5位置P5と、開口部16を開放した第6位置P6と、の間で回転させ且つ第5位置P5から第6位置P6に向かう回転方向を第1位置P1から第2位置P2に向かう蓋体23の回転方向と逆方向にするリンク部33と、を備える。
【0057】
この構成によれば、蓋体23に連動して第2蓋体24を回転させることができる。また、第2蓋体24の第5位置P5から第6位置P6に向かう回転方向を蓋体23の第1位置P1から第2位置P2に向かう回転方向と逆方向にでき、これによって、蓋体23と第2蓋体24の開き方をいわゆる観音開きにすることができる。これによって、蓋体23および第2蓋体24の開放時に開口部16を十分な大きさで開放することができ、ユーザの利便性を向上できる。
【0058】
以下の実施形態では、主として第1実施形態と異なる部分について説明し、第1実施形態と共通する部分については、図示又は説明を省略する。
[第2実施形態]
【0059】
図13図16を参照して、第2実施形態のゴミ箱11について説明する。第2実施形態のゴミ箱11は、第1実施形態とはレバー部31の形状が異なる。また、第2実施形態のゴミ箱11は、ロッド部32が設けられておらず、ロッド部32の代わりにレバー部31と一体に設けられた第2ロッド部91を有する。支持構造体22には、ガイドレール46およびガイド片47が設けられない。固定片45は、支持構造体22と一体に形成されている。
【0060】
図13図16に示すように、レバー部31は、断面U字形のレバー本体31Aと、レバー本体31Aに設けられ支軸28を通すための穴部51と、レバー本体31Aに設けられ接続部27の他方の端部に接続された入力部52(第1長孔部)と、レバー本体31Aと一体的に設けられた第2ロッド部91と、を有する。レバー部31は、支軸28を中心に回動可能である。
【0061】
レバー本体31Aは、例えばスチール等の金属材料によって形成されている。入力部52は、レバー部31の略中間部に一対に設けられている。入力部52を構成している第1長孔部は、レバー本体31Aの長手方向Lに対して斜めに延びている。
【0062】
第2ロッド部91は、蓋体23から退避した第3位置P3と、蓋体23に内側から当接して蓋体23を第1位置P1から第2位置P2に移動させる第4位P4と、の間で、レバー部31の回動に伴い回動可能である。第2ロッド部91は、レバー本体31Aの長手方向Lと交差する方向に延びており、レバー本体31Aから蓋体23の方向に向けて突出している。言い換えると、第2ロッド部91は、支軸28と入力部52とを結ぶ方向と交差する方向に延びている。
【0063】
図15に示すように、第2ロッド部91は、細長い板金をU字形に折り曲げられて形成されたロッド本体91Aと、ロッド本体91Aの先端部に回転可能に一対に設けられたローラ68と、ローラ68の根元側に設けられたフランジ部71と、ローラ68を回転可能に支持する図示しない支持ピンと、を有する。ロッド本体91Aは、例えばスチール等の金属材料によって形成されている。本実施形態のローラ68、フランジ部71、および支持ピンの構造は、第1実施形態のローラ68、フランジ部71、および支持ピン72の構造と同様である。
【0064】
続いて、図13図16を参照して、本実施形態のゴミ箱11の作用について説明する。
【0065】
図13に示す初期位置から、ユーザがペダル部26を足踏みによって押し下げると、図14に示すように、ペダル部26が下方に向けて回動する。踏み込みの角度が大きい場合には、ペダル部26の脚部38が床面に当接して、ペダル部26の回動を停止させる。ペダル部26の下方への回動に伴い、弾性部材41を圧縮しつつ接続部27を下方に移動させる。接続部27の下方への移動に伴い、レバー部31の入力部52に対して接続部27からの張力が作用する。これによって、レバー部31が支軸28を中心に、図13図15に示す第7位置P7から、図14図16に示す第8位置P8に回動する。これに伴い、レバー部31と一体になった第2ロッド部91が、図13図15に示すように蓋体23から退避した第3位置P3から、蓋体23に近づく方向に押し出され、図14図16に示すように蓋体23に当接した第4位置P4に回動する。その際、第2ロッド部91の先端に位置するローラ68が蓋体23のブラケット73の当接部76に対して当接する。第2ロッド部91が前進するに従い、当接部76を前方に押しやることとなり、それに伴い蓋体23が回転軸74を中心に回転する。これによって、蓋体23は、開口部16を閉塞した第1位置P1から、開口部16を開放した第2位置P2に移動する。蓋体23の第1位置P1から第2位置P2への回転に伴い、リンク部33がこの回転力を第2蓋体24に伝達する。すなわち、蓋体23の回転に伴い、リンク部33が前方に移動しつつ上方に押し上げられる。このリンク部33の移動によって、第2ブラケット81が後方(本体12の内側)に回動し、図13図15に示すように第2蓋体24が開口部16を閉塞した第5位置P5から、図14図16に示すように本体12の内側に回動した開口部16を開放した第6位置P6まで移動する。このようにして、ペダル部26の足踏みによってなされる蓋体23および第2蓋体24の開放動作が完了する。
【0066】
ユーザがペダル部26の足踏みを解除した場合には、弾性部材41の反発力によって接続部27が上方に持ち上げられ、ペダル部26も初期位置に戻る。これと同時に、レバー部31が第8位置P8から第7位置P7に戻り、それに伴い第2ロッド部91を第4位置P4から第3位置P3に後退させる。第2ロッド部91の後退によって、第2蓋体24は、自重によって第6位置P6から第5位置P5にまで回動する。それに伴いリンク部33が第2蓋体24の回転力を蓋体23に伝達して、蓋体23を第2位置P2から第1位置P1に戻すようにする。このように、ペダル部26の足踏みを解除することで、蓋体23および第2蓋体24が開口部16を閉塞した状態に復帰する。
【0067】
また、ユーザは、ペダル部26の足踏みによらないで、手指やごみ自体によって、蓋体23および第2蓋体24を回転させることができる。すなわち、ユーザがペダル部26を足踏みしない場合には、図13図15に示すように、ロッド部32は、蓋体23から退避した第3位置P3に保持されている。このため、蓋体23およびこれにリンク部33を介して連動して動く第2蓋体24は、ユーザの手指やごみによる押し込みによって、ロッド部32からの抵抗を受けることなく、自由に第1位置P1から第2位置P2に回動する(第2蓋体24も第5位置P5から第6位置P6に回動する)ことができる。したがって、足踏み用のペダル部26を設けた場合でも、ユーザがペダル部26を用いないで蓋体23を開閉する際に、ペダル部26、接続部27およびレバー部31を含む動力伝達系34が負荷となってしまうことがない。このように、ペダル部26によらないで蓋体23および第2蓋体24を回動させる場合でも、ユーザが軽い力でこれらを回動させることができる。以上より、ペダル部26を用いて蓋体23および第2蓋体24を回動させる場合と、ペダル部26を用いないで蓋体23および第2蓋体24を回動させる場合の両方で、ユーザが蓋体23および第2蓋体24を回動させる際の操作力量を低減して、ユーザフレンドリーなゴミ箱11が実現される。
【0068】
本実施形態によれば、以下のことがいえる。ゴミ箱11は、開口部16を有する本体12と、開口部16を閉塞した第1位置P1と、開口部16を開放した第2位置P2と、の間で回転可能な蓋体23と、蓋体23を第1位置P1と第2位置P2との間で移動させるための足踏み式のペダル部26と、一方の端部でペダル部26に接続された接続部27と、支軸28を中心に回動可能なレバー部31であって、接続部27の一方の端部とは反対側の他方の端部に接続された入力部52と、支軸28と入力部52とを結ぶ方向と交差する方向に延びる第2ロッド部91であって、蓋体23から退避した第3位置P3と、蓋体23に内側から当接して蓋体23を第1位置P1から第2位置P2に移動させる第4位置P4と、の間で、レバー部31の回動に伴い回動する第2ロッド部91と、を有するレバー部31と、を備える。
【0069】
この構成によれば、第2ロッド部91をレバー部31の一部として設けることができる。これによって、第1実施形態に比して、部品点数を低減して、ゴミ箱の製造コストを低減できる。
【0070】
上記した実施形態は、種々の置き換えや変形を加えて実施できる。第1実施形態では、当接部76とロッド部32とが別体に形成されているが、当接部76とロッド部32とが一体に形成されていたとしてもよい。この場合には、ユーザが手やごみ自体で蓋体23を開放しようとする際に、動力伝達系34内で発生する摩擦による抵抗を蓋体23が受けることになるが、部品点数を削減できるというメリットを生じる。同様に、第2実施形態では、当接部76と第2ロッド部91とが別体に形成されているが、当接部76と第2ロッド部91とが一体に形成されていたとしてもよい。この場合には、ユーザが手やごみ自体で蓋体23を開放しようとする際に、動力伝達系34内で発生する摩擦による抵抗を蓋体23が受けることになるが、部品点数を削減できるというメリットを生じる。
その他、第1実施形態と第2実施形態とを適宜に組み合わせて適宜に発明を構成することも当然にできる。
【符号の説明】
【0071】
11 ゴミ箱
12 本体
15 枠体
16 開口部
22 支持構造体
23 蓋体
23A 蓋体本体
24 第2蓋体
26 ペダル部
28 支軸
31 レバー部
32 ロッド部
33 リンク部
52 入力部
53 作用部
68 ローラ
73 ブラケット
74 回転軸
76 当接部
81 第2ブラケット
91 第2ロッド部
P1 第1位置
P2 第2位置
P3 第3位置
P4 第4位置
P5 第5位置
P6 第6位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16