(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181430
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】環境制御システム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/165 20200101AFI20221201BHJP
F24F 11/63 20180101ALI20221201BHJP
H05B 47/115 20200101ALI20221201BHJP
F24F 110/10 20180101ALN20221201BHJP
F24F 120/12 20180101ALN20221201BHJP
【FI】
H05B47/165
F24F11/63
H05B47/115
F24F110:10
F24F120:12
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021088371
(22)【出願日】2021-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伏江 遼
(72)【発明者】
【氏名】古橋 拓也
(72)【発明者】
【氏名】折戸 真理
(72)【発明者】
【氏名】峯澤 聡司
(72)【発明者】
【氏名】服巻 茉莉花
【テーマコード(参考)】
3K273
3L260
【Fターム(参考)】
3K273PA03
3K273QA13
3K273QA39
3K273RA02
3K273RA05
3K273RA11
3K273RA13
3K273RA17
3K273SA01
3K273SA18
3K273SA21
3K273SA22
3K273SA31
3K273SA38
3K273SA57
3K273SA60
3K273TA04
3K273TA05
3K273TA22
3K273TA26
3K273TA28
3K273TA54
3K273UA15
3K273UA17
3L260AA04
3L260BA01
3L260BA25
3L260BA74
3L260CA02
3L260CA04
3L260CA12
3L260EA02
3L260EA08
3L260FA03
3L260FA08
3L260FB12
3L260FC38
(57)【要約】
【課題】異なる温冷感を持つ人の温熱的快適性低下を抑制しつつ、より多くの人に合わせた空調制御が可能である環境制御システムを提供する。
【解決手段】環境制御システムが備える個人用照明装置21は、各個人作業空間2に対応して個人作業空間2と同数設けられるとともに、それぞれが第1色温度の光と第1色温度より高い第2色温度の光を照射可能である。装置制御部43は、温冷感が中立よりも寒い側の人数が、暑い側の人数よりも多い場合に、温冷感が寒い側及び中立の作業者の個人用照明装置21から第1色温度の光を照射させ、かつ、温冷感が暑い側の作業者の個人用照明装置21から第2色温度の光を照射させ、かつ、空調装置10の設定温度を高くする温冷感調整制御を実行する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象空間内に設定温度に基づいて温調した空気を供給する空調装置と、
前記対象空間内で作業するそれぞれの作業者の個人作業空間に光を照射する個人用照明装置と、
それぞれの前記作業者の温冷感を検出する温冷感検出手段と、
前記空調装置及び前記個人用照明装置を制御する制御手段と、を備え、
前記個人用照明装置は、それぞれの前記個人作業空間に対応して前記個人作業空間と同数設けられるとともに、それぞれが第1色温度の光と前記第1色温度より高い第2色温度の光を照射可能であり、
前記制御手段は、温冷感が中立よりも寒い側である前記作業者の人数が、温冷感が中立よりも暑い側である前記作業者の人数よりも多い場合に、温冷感が中立よりも寒い側及び中立である前記作業者の前記個人作業空間に対応する前記個人用照明装置から前記第1色温度の光を照射させ、かつ、温冷感が中立よりも暑い側である前記作業者の前記個人作業空間に対応する前記個人用照明装置から前記第2色温度の光を照射させ、かつ、前記設定温度を高くする温冷感調整制御を実行する環境制御システム。
【請求項2】
前記個人用照明装置のそれぞれは、前記第1色温度より低い第3色温度の光をさらに照射可能であり、
前記制御手段は、前記温冷感調整制御において、温冷感が中立よりも暑い側である前記作業者の人数が、温冷感が中立よりも寒い側である前記作業者の人数よりも多い場合、温冷感が中立よりも暑い側である前記作業者の前記個人作業空間に対応する前記個人用照明装置から前記第1色温度の光を照射させ、かつ、温冷感が中立よりも寒い側である前記作業者の前記個人作業空間に対応する前記個人用照明装置から前記第3色温度の光を照射させ、かつ、前記設定温度を低くする請求項1に記載の環境制御システム。
【請求項3】
前記制御手段は、前記温冷感調整制御の実行を開始してから予め設定された時間が経過した後は、前記対象空間内の前記作業者の作業性向上を支援する作業性向上支援制御により前記空調装置及び前記個人用照明装置を制御する請求項1又は請求項2に記載の環境制御システム。
【請求項4】
前記個人用照明装置は、前記第1色温度の光を照射している時の光源への入力電流値が、前記第2色温度の光を照射している時の光源への入力電流値よりも大きい請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の環境制御システム。
【請求項5】
前記制御手段は、前記作業者の年齢に応じて当該作業者の前記個人作業空間に対応する前記個人用照明装置から照射する光の照度を変更する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の環境制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、環境制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
操作部で受け付けた設定温度に対して、運転モード(冷房又は暖房)に応じて設定温度から室温を上昇又は下降させ、運転モード(冷房又は暖房)に応じて設定温度から室温を上昇又は下降させた場合、ユーザが暑い(又は寒い)と感じて温度設定の操作を行ったか否かを判定する空気調和機が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、特許文献1に記載の空気調和機は、運転モード(冷房又は暖房)に応じて設定温度を上昇又は下降させた場合、照明装置の光源の光色を制御するための制御信号を照明装置へ送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示されるような技術においては、温度設定の操作者を温冷感に基づいて、空気調和機(空調装置)及び照明装置を制御している。このため、空気調和及び照明の対象空間内に複数の人がいる場合、当該操作者の温冷感が対象空間内の他の人全てを代表しているとは限らず、対象空間内の多くの人に合わせた空調制御が困難である。また、仮に当該操作者の温冷感が対象空間内の他の多くの人と一致していたとしても、多くの人とは異なる温冷感を持つ一部の人については温熱的快適性が低下してしまう可能性がある。
【0005】
本開示は、このような課題を解決するためになされたものである。その目的は、対象空間に他の多くの人とは異なる温冷感を持つ人がいたとしても、異なる温冷感を持つ人の温熱的快適性が低下することを抑制しつつ、より多くの人に合わせた空調制御が可能である環境制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る環境制御システムは、対象空間内に設定温度に基づいて温調した空気を供給する空調装置と、前記対象空間内で作業するそれぞれの作業者の個人作業空間に光を照射する個人用照明装置と、それぞれの前記作業者の温冷感を検出する温冷感検出手段と、前記空調装置及び前記個人用照明装置を制御する制御手段と、を備え、前記個人用照明装置は、それぞれの前記個人作業空間に対応して前記個人作業空間と同数設けられるとともに、それぞれが第1色温度の光と前記第1色温度より高い第2色温度の光を照射可能であり、前記制御手段は、温冷感が中立よりも寒い側である前記作業者の人数が、温冷感が中立よりも暑い側である前記作業者の人数よりも多い場合に、温冷感が中立よりも寒い側及び中立である前記作業者の前記個人作業空間に対応する前記個人用照明装置から前記第1色温度の光を照射させ、かつ、温冷感が中立よりも暑い側である前記作業者の前記個人作業空間に対応する前記個人用照明装置から前記第2色温度の光を照射させ、かつ、前記設定温度を高くする温冷感調整制御を実行する。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る環境制御システムによれば、対象空間に他の多くの人とは異なる温冷感を持つ人がいたとしても、異なる温冷感を持つ人の温熱的快適性が低下することを抑制しつつ、より多くの人に合わせた空調制御が可能であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る環境制御システムの対象空間の構成を模式的に示す側面図である。
【
図2】実施の形態1に係る環境制御システムの制御系統の構成を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態1に係る環境制御システムの動作の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示に係る環境制御システムを実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一又は相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化又は省略する。以下の説明においては便宜上、図示の状態を基準に各構造の位置関係を表現することがある。なお、本開示は以下の実施の形態に限定されることなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、各実施の形態の自由な組み合わせ、各実施の形態の任意の構成要素の変形、又は各実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【0010】
実施の形態1.
図1から
図3を参照しながら、本開示の実施の形態1について説明する。
図1は環境制御システムの対象空間の構成を模式的に示す側面図である。
図2は環境制御システムの制御系統の構成を示すブロック図である。
図3は環境制御システムの動作の一例を示すフロー図である。
【0011】
この実施の形態に係る環境制御システムは、
図1に示すように、空調装置10及び個人用照明装置21を備えている。空調装置10は、同図に示すような対象空間1を空気調和の対象としている。対象空間1は、例えば1つの部屋の内部空間である。空調装置10は、対象空間1に係る部屋の壁面又は天井面に設置される。ここで説明する構成例では、空調装置10は、天井面に設置されている。
【0012】
空調装置10は、対象空間1内の空気の温度を調節することで対象空間1内の空気調和を行う機器である。空調装置10は、冷房運転及び暖房運転の一方又は両方を含む空調運転が可能である。また、空調装置10は、除湿運転、加湿運転、送風運転のいずれか1つ以上の運転を可能としてもよい。空調装置10は、図示しないリモコン等への操作により設定された設定温度に基づいて温調した空気を対象空間1内に供給する。なお、
図1では、冷凍サイクルを含む空調運転の実現に必要な構成の図示は省略されている。
【0013】
この実施の形態の空調装置10は、空気調和装置の室内機である。室内機である空調装置10は、空気調和装置の図示しない室外機と接続されている。空調装置10は、筐体11を備えている。筐体11の下面部には、吸込口12及び吹出口13が形成されている。吸込口12は、外部から筐体11の内部に空気を取り込むための開口である。吹出口13は、筐体11の内部から外部へと空気を排出するための開口である。吸込口12は、筐体11の下面部における中央部分に配置されている。吹出口13は、筐体11の下面部における吸込口12の周囲に配置されている。
【0014】
筐体11の内部には、吸込口12から吹出口13へと通じる風路が形成されている。筐体11内の風路中には、図示しない送風ファン及び熱交換器が設けられている。送風ファンが設置されている。送風ファンは、吸込口12から吹出口13へと向かう空気流を、前述の風路中に生成するためのものである。熱交換器は、前述の風路を流れる空気と熱交換を行って、前述の風路を流れる空気を加熱又は冷却する。空気を加熱するか冷却するかは、空調装置10が暖房運転であるか冷房運転であるかによる。
【0015】
吹出口13には、ルーバ14が設けられている。ルーバ14は、吹出口13から吹き出す空気の吹き出し角度を調整するためのものである。送風ファンが動作すると、吸込口12から吹出口13へと向かう空気流が前述の風路中に生成され、吸込口12から空気が吸い込まれる。吸込口12から吸い込まれた空気は、筐体11内部の前述した風路を通過する空気流となり、吹出口13から吹き出す。この際、ルーバ14により吹出口13から吹き出される風の方向すなわち送風方向が調整される。
【0016】
対象空間1は、作業者3が作業するための空間である。対象空間は、例えば、会議室内の空間、作業室内の空間、オフィス内の空間のうちのいずれかでもよい。「作業」は、頭脳を主として使用する労働でもよいし、身体の動作を主として使用する労働でもよい。対象空間は、複数の作業者3が作業可能な空間である。それぞれの作業者3が座って作業する席は、個人作業空間2に相当する。図示の例では、個人作業空間2内には、作業者3が使用するパーソナルコンピュータ4がそれぞれ配置されている。
【0017】
対象空間1内で作業するそれぞれの作業者3の個人作業空間2に光を個別に照射する。図示の例では、それぞれの個人作業空間2に配置された作業者3の机に個人用照明装置21がそれぞれ設置されている。個人用照明装置21は、それぞれの個人作業空間2に対応して個人作業空間2と同数設けられている。個人用照明装置21は、それぞれに対応する個人作業空間2内に光を照射する。
【0018】
個人用照明装置21は、個人作業空間2内に照射する光の色温度を変更可能である。すなわち、個人用照明装置21は、個人作業空間2内に第1色温度の光と第2色温度の光とを照射可能である。第2色温度は、第1色温度より高い色温度である。第1色温度は白色系の光で、例えば4000Kから5000K程度である。第2色温度は寒色系の光で、例えば6000Kから7000K程度である。それぞれの個人用照明装置21は、対応する個人作業空間2内に照射する光の色温度を個別に変更可能である。
【0019】
寒色系の光は、例えば、青緑色、青色、青紫色等の青系統の色の可視光である。これに対し、暖色系の光は、例えば、赤色、橙色、黄色、又は、いわゆる電灯色等の可視光である。個人用照明装置21は、第1色温度の白色系の光を発する第1光源と、第2色温度の寒色系の光を発する第2光源とを備えている。第1光源及び第2光源は、例えばLED(発光ダイオード)である。個人用照明装置21は、第1光源と第2光源とを、互いに独立して点灯/消灯させることができる。なお、個人用照明装置21は、それぞれに対応した個人作業空間2内に照射する光の照度(強度)を個別に変更可能であってもよい。
【0020】
図示の構成例では、対象空間1に係る部屋の天井面に全体用照明装置22が設けられている。全体用照明装置22は、対象空間1内の全体に光を照射可能である。全体用照明装置22は、例えば白色系の光を照射する。全体用照明装置22から照射される光の色温度は、例えば4000Kから5000K程度である。
【0021】
この実施の形態に係る環境制御システムは、生体情報センサ30を備えている。生体情報センサ30は、対象空間1内の作業者3の生体情報を検出するセンサである。ここでは、生体情報センサ30は、対象空間1内の被検出体の表面温度を検出する表面温度センサである。表面温度センサは、対象空間1内の作業者3の生体情報として、作業者3の表面温度を検出する。図示の構成例では、生体情報センサ30である表面温度センサは、空調装置10の筐体11の下面部に設けられている。
【0022】
表面温度センサは、作業空間内の被検出体の表面温度を周期的に検出する。表面温度センサは、例えば、図示しない複数のサーモパイルを有する赤外線センサを備えた構成でもよい。表面温度センサは、この赤外線センサを回転駆動することで温度検出範囲を走査し、赤外線センサの出力を用いて温度検出範囲の熱画像データを生成してもよい。温度検出範囲内の被検出体には、例えば、作業者3の人体、床面、及び、壁面が含まれ得る。表面温度センサを用いることにより、作業空間内における作業者3の有無を判定することができるとともに、作業空間内に作業者3が存在する場合には作業者3の位置の特定及び作業者3の体の表面温度の検出が可能となる。表面温度センサは、対象空間1にいる複数の作業者3のそれぞれを検出可能である。
【0023】
表面温度センサは、サーモパイルに代えて、SOI(Silicon on Insulator)ダイオード方式の非冷却赤外線イメージセンサを備えていてもよい。SOIダイオード方式の場合、センサ部にシリコンダイオードを使用しているため、シリコン半導体ラインのみで製造可能であり、生産コストが安いというメリットがある。
【0024】
表面温度センサは、このような構成により、前述した対象範囲内を走査して当該範囲内の表面温度分布を非接触で取得する。表面温度センサの検出結果、すなわち、表面温度センサにより取得した表面温度分布データを、後述する制御装置40等で処理することで、例えば背景との温度差から、室内における人(作業者3)を含む熱源の有無及びその位置、人体の表面皮膚温度、人の身体の部位(肌の露出部と非露出部、頭部等)等を検出することができる。
【0025】
また、表面温度センサの検出結果に基づいて、室内の人の体感温度も得ることができる。この場合、肌を露出している人体ほど体感温度を検出しやすい。さらに、表面温度センサにより取得した表面温度分布データを、後述する制御装置40等で処理することで、対象空間1内の作業者3の人数も検出できる。さらに、対象空間1内の作業者3の人数の変化から、対象空間1への作業者3の入退出も検知できる。
【0026】
次に、
図2も参照しながら、この実施の形態に係る環境制御システムの構成について説明を続ける。対象空間1に設けられた空調装置10及び個人用照明装置21は、環境制御システムの制御対象装置である。この実施の形態の環境制御システムは、制御装置40を備えている。制御装置40は、例えばマイクロコンピュータ等を備えた処理回路により構成されている。制御装置40がマイクロコンピュータを備えている場合、制御装置40は、図示しないプロセッサ及びメモリを備えている。メモリには、制御用のプログラムが記憶されている。プロセッサは、メモリに記憶されているプログラムを読み出して実行する。
【0027】
プロセッサが制御用のプログラムを実行することで、制御装置40は予め設定された処理を実行して制御対象装置である空調装置10、個人用照明装置21及び全体用照明装置22のそれぞれの動作を制御する。また、特に、メモリに記憶されているプログラムをプロセッサが実行することで、後述する人位置判定部41、温冷感判定部42及び装置制御部43の各部の機能が実現される。
【0028】
なお、制御装置40の機能を実現する処理回路は、例えば、専用ハードウェアとして形成されていてもよい。また、処理回路は、その一部が専用ハードウェアとして形成され、かつ、さらにプロセッサ及びメモリを備えていてもよい。一部が少なくとも1つの専用ハードウェアである処理回路には、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又はこれらを組み合わせたものが該当する。
【0029】
プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータあるいはDSPともいう。メモリには、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM及びEEPROM等の不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、又は磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク及びDVD等が該当する。
【0030】
処理回路が少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを備える場合、制御装置40の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア及びファームウェアはプログラムとして記述され、メモリに格納される。前述したように、プロセッサは、メモリに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、予め設定された処理を実行して制御装置40の機能を実現する。
【0031】
このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって、制御装置40の機能を実現することができる。なお、空調装置10、個人用照明装置21及び全体用照明装置22は、単一の制御装置40により動作が制御される構成に限定されるものではない。空調装置10、個人用照明装置21及び全体用照明装置22は、複数の装置が連携することで動作を制御されてもよい。
【0032】
制御装置40は、人位置判定部41、温冷感判定部42及び装置制御部43を備えている。人位置判定部41は、表面温度センサのような生体情報センサ30の検出結果を用いて、対象空間1内の人の位置を検出する。人位置判定部41の検出結果を用いて、それぞれの個人作業空間2における人の有無について判定できる。なお、人位置判定部41は、表面温度センサでなく、カメラ等を用いて人の位置を判定してもよい。
【0033】
温冷感判定部42は、表面温度センサのような生体情報センサ30を用いて得られた作業者3の生体情報に基づいて当該作業者3の温冷感を判定する。この実施の形態に係る生体情報センサ30及び温冷感判定部42は、対象空間1内で作業するそれぞれの作業者3の温冷感を検出する温冷感検出手段を構成している。
【0034】
ここでは、作業者3の温冷感として、具体的に例えば、暑い、やや暑い、中立、やや寒い、寒いの5段階で評価したものを用いる。作業者3の温冷感は、当該作業者3の表面温度及び対象空間1内の空気の温度すなわち室温の少なくともいずれかを用いて決定される。作業者3の温冷感の判定に対象空間1内の室温を用いる場合、環境制御システムは、対象空間1内の室温を検出する温度センサを備えている。
【0035】
作業者3の表面温度を用いて当該作業者3の温冷感を決定する場合、例えば、作業者3の表面温度の低下が予め設定された一定時間以上継続した場合に、当該作業者3の温冷感を「寒い」とする。また、この際の表面温度の低下継続時間又は表面温度の低下量に応じて、温冷感が「寒い」のか「やや寒い」のかを判定する。この場合、低下継続時間が基準より長いときに「寒い」とし、短いときに「やや寒い」とする。また、低下量が基準より多いときに「寒い」とし、少ないときに「やや寒い」とする。
【0036】
そして、作業者3の表面温度の上昇が予め設定された一定時間以上継続した場合に、当該作業者3の温冷感を「暑い」とする。また、この際の表面温度の上昇継続時間又は表面温度の上昇量に応じて、温冷感が「暑い」のか「やや暑い」のかを判定する。この場合、上昇継続時間が基準より長いときに「暑い」とし、短いときに「やや暑い」とする。また、上昇量が基準より多いときに「暑い」とし、少ないときに「やや暑い」とする。さらに、作業者3の頭部の表面温度と手足の表面温度との差が予め設定した基準値以上であれば、当該作業者3の温冷感を「暑い」又は「寒い」と推定することもできる。
【0037】
次に、対象空間1内の空気の温度すなわち室温を用いて作業者3の温冷感を決定する場合、例えば、室温と当該作業者3の近傍の温度との差が予め設定した基準値以上であれば、当該作業者3の温冷感を「暑い」又は「寒い」と推定することが考えられる。この場合、具体的に例えば、室温と作業者3の近傍の温度との差が3℃以上であれば、当該作業者3の温冷感を「暑い」又は「寒い」と判定する。また、室温と作業者3の近傍の温度との差が1℃以内であれば、当該作業者3の温冷感を「中立」と判定する。作業者3近傍の温度としては、表面温度センサが検出した床面温度、又は、作業者3が着用するウェアラブルセンサの温度計の検出結果等を用いることが考えられる。また、個人作業空間2毎に室温センサを設けてもよい。
【0038】
さらに、生体情報センサ30により、作業者3の心拍に関する情報(心拍数、心電、脈波、LF/HF(低周波成分/高周波成分)等)、作業者3の活動量の情報等を取得し、温冷感判定部42は、取得した生体情報を作業者の温冷感の判定に活用してもよい。また、作業者3が例えば空調装置10のリモコン、パーソナルコンピュータ4、スマートフォン、タブレット端末等を用いて温冷感を入力し、温冷感判定部42は、入力された温冷感の申告内容を作業者の温冷感の判定に活用してもよい。この際、例えば、PMV(Predicted Mean Vote:予測温冷感申告)を用いてもよい。
【0039】
温冷感検出手段の生体情報センサ30を、対象空間1内で作業する作業者3が触れる箇所に設置してもよい。具体的に
図1の構成例でいえば、作業者3の席の椅子等に生体情報センサ30を設ける。このようにすることで、生体情報センサ30を作業者3に接触させた状態で生体情報検出を行うことができ、より正確な生体情報を取得できる。
【0040】
装置制御部43は、空調装置10、個人用照明装置21及び全体用照明装置22の動作を制御する制御手段である。装置制御部43は、人位置判定部41及び温冷感判定部42の検出結果を用いて、空調装置10、個人用照明装置21及び全体用照明装置22の動作を制御する。装置制御部43は、空調装置10の送風ファン、ルーバ14及び冷凍サイクルを構成する圧縮機等の動作を制御することで、空調装置10の動作を制御する。装置制御部43は、設定温度に基づいて温度調節した空気を吹出口13から対象空間1内に供給させるように空調装置10の動作を制御する。
【0041】
装置制御部43は、それぞれの個人用照明装置21の光源の点灯状態、照射する光の色温度、照射する光の強度等を制御することで個人用照明装置21の動作を制御する。また、装置制御部43は、全体用照明装置22の光源の点灯状態等を制御することで全体用照明装置22の動作を制御する。
【0042】
装置制御部43は、温冷感調整制御を実行可能である。温冷感調整制御において、装置制御部43は、まず、温冷感判定部42により検出された温冷感が中立よりも寒い側である作業者3の人数と、温冷感判定部42により検出された温冷感が中立よりも暑い側である作業者3の人数とを比較する。そして、装置制御部43は、温冷感が中立よりも寒い側である作業者3の人数が、温冷感が中立よりも暑い側である作業者3の人数よりも多い場合に、以下のようにして個人用照明装置21と空調装置10の動作を制御する。すなわち、装置制御部43は、温冷感が中立よりも寒い側及び中立である作業者3の個人作業空間2に対応する個人用照明装置21から第1色温度の光を照射させる。これにより、温冷感が中立よりも寒い側及び中立である作業者3の個人作業空間2には、個人用照明装置21から第1色温度すなわち白色系の光が照射される。また、装置制御部43は、温冷感が中立よりも暑い側である作業者3の個人作業空間2に対応する個人用照明装置21から第2色温度の光を照射させる。これにより、温冷感が中立よりも暑い側である作業者3の個人作業空間2には、個人用照明装置21から第2色温度すなわち寒色系の光が照射される。そして、装置制御部43は、空調装置10の設定温度を現在よりも高い温度に変更し、変更後の設定温度に基づいて空調装置10の動作を制御する。
【0043】
以上のように構成された環境制御システムにおいては、温冷感が寒い側の作業者3が温冷感が暑い側の作業者3よりも多ければ、人数が多い方の温冷感(寒い)に合わせて、空調装置10の設定温度を高くして対象空間1内のより多くの人にとって温熱的に快適である室内の空気環境にできる。そして、この際、人数が少ない方の温冷感(暑い)を持つ作業者3については、当該作業者3の個人用照明装置21から照射される光の色温度を高くする。色温度の高い寒色系の光には、人の体感温度を下げて、当該人の温冷感を寒い側に移行させる作用がある。このため、当該作業者3の体感温度を視覚的に下降させて、作業者3の体感する温熱的な快適性を向上することができる。つまり、温冷感が少数派の作業者3の体感を、個人用照明装置21から照射する光の色温度を変更することで、多数派の温冷感に近づけたうえで、多数派の温冷感に合わせて空調装置10を制御する。このため、対象空間において、多くの人とは異なる温冷感を持つ一部の人について温熱的快適性が低下することを抑制しつつ、より多くの人に合わせた空調制御が可能である。
【0044】
次に、以上のように構成された環境制御システムの動作例について、
図3のフロー図を参照しながら説明する。環境制御システムの動作が開始すると、制御装置40の装置制御部43は、空調装置10、個人用照明装置21及び全体用照明装置22を初期動作させる。初期動作においては、装置制御部43は、例えば、空調装置10を設定温度で冷房運転又は暖房運転させる。また、装置制御部43は、例えば、全体用照明装置22を点灯させ、個人用照明装置21は消灯した状態で待機させる。ステップS10の後、制御装置40は次にステップS11の処理を行う。
【0045】
ステップS11においては、装置制御部43は、人位置判定部41の検出結果を確認し、作業者3すなわち人が在席している個人作業空間2があるか否かを判定する。人が在席している個人作業空間2がなければ、制御装置40はステップS10の処理に戻って動作を継続する。一方、人が在席している個人作業空間2があれば、制御装置40は次にステップS12の処理を行う。
【0046】
ステップS12においては、装置制御部43は、人が在席している個人作業空間2に対応する個人用照明装置21から第1色温度の光を照射させる。続くステップS13において、人位置判定部41は、対象空間1内の作業者3の位置を検出する。また、温冷感判定部42は、対象空間1内の作業者3の温冷感を検出する。ステップS13の後、制御装置40は次にステップS14の処理を行う。
【0047】
ステップS14においては、装置制御部43は、ステップS13で検出した作業者3の位置及び温冷感を用いて、それぞれの個人作業空間2内の作業者3の温冷感を取得する。続くステップS15において、装置制御部43は、ステップS14で取得した個人作業空間2内の作業者3の温冷感を用いて、装置制御部43は、温冷感が中立よりも寒い側である作業者3の人数と、温冷感が中立よりも暑い側である作業者3の人数とを比較する。そして、装置制御部43は、温冷感が中立よりも寒い側である作業者3の人数が、温冷感が中立よりも暑い側である作業者3の人数よりも多いか否かを判定する。温冷感が寒い側の人数が暑い側の人数より多くない場合、制御装置40は次にステップS16の処理を行う。
【0048】
ステップS16においては、制御装置40は特段の制御変更を行わず、現状の空調装置10の動作及び個人用照明装置21の動作を継続させる。ステップS16の後、制御装置40は次にステップS19の処理を行う。
【0049】
一方、ステップS15で温冷感が寒い側の人数が暑い側の人数より多くない場合、制御装置40は次にステップS17の処理を行う。ステップS17においては、装置制御部43は、対象者の個人作業空間2に対応する個人用照明装置21から第2色温度の光を照射させる。ここでいう対象者とは、温冷感が中立よりも暑い側である作業者3である。続くステップS18において、装置制御部43は、空調装置10の設定温度を現在よりも高い温度に変更し、変更後の設定温度に基づいて空調装置10の動作を制御する。ステップS18の後、制御装置40は次にステップS19の処理を行う。
【0050】
ステップS19においては、装置制御部43は、人位置判定部41の検出結果を確認し、作業者3すなわち人が在席している個人作業空間2があるか否かを判定する。人が在席している個人作業空間2があれば、制御装置40はステップS13の処理に戻って動作を継続する。一方、人が在席している個人作業空間2がなくなれば、処理はステップS20へと至り、一連の動作は終了となる。
【0051】
この実施の形態に係る環境制御システムにおいては、個人用照明装置21は、個人作業空間2内にさらに第3色温度の光を照射可能としてもよい。第3色温度は、第1色温度より低い色温度である。第3色温度は暖色系の光で、例えば3000K程度である。この場合、個人用照明装置21は、前述した第1光源及び第2光源に加えて、第3色温度の暖色系の光を発する第3光源を備えている。第3光源は、例えばLED(発光ダイオード)である。個人用照明装置21は、第1光源、第2光源及び第3光源を、互いに独立して点灯/消灯させることができる。
【0052】
この場合、前述した温冷感調整制御において、装置制御部43は、温冷感が中立よりも暑い側である作業者3の人数が、温冷感が中立よりも寒い側である作業者3の人数よりも多い場合に、以下のようにして個人用照明装置21と空調装置10の動作を制御する。すなわち、装置制御部43は、温冷感が中立よりも暑い側及び中立である作業者3の個人作業空間2に対応する個人用照明装置21から第1色温度の光を照射させる。これにより、温冷感が中立よりも暑い側及び中立である作業者3の個人作業空間2には、個人用照明装置21から第1色温度すなわち白色系の光が照射される。また、装置制御部43は、温冷感が中立よりも寒い側である作業者3の個人作業空間2に対応する個人用照明装置21から第3色温度の光を照射させる。これにより、温冷感が中立よりも寒い側である作業者3の個人作業空間2には、個人用照明装置21から第3色温度すなわち暖色系の光が照射される。そして、装置制御部43は、空調装置10の設定温度を現在よりも低い温度に変更し、変更後の設定温度に基づいて空調装置10の動作を制御する。なお、この場合、個人用照明装置21は、第2色温度の光を照射せず、第1色温度及び第3色温度の光のみを照射可能であってもよい。
【0053】
このようにすることで、温冷感が暑い側の作業者3が、温冷感が寒い側の作業者3よりも多ければ、人数が多い方の温冷感(暑い)に合わせて、空調装置10の設定温度を低くして対象空間1内のより多くの人にとって温熱的に快適である室内の空気環境にできる。そして、この際、人数が少ない方の温冷感(寒い)を持つ作業者3については、当該作業者3の個人用照明装置21から照射される光の色温度を低くする。色温度の低い暖色系の光には、人の体感温度を下げて、当該人の温冷感を暑い側に移行させる作用がある。このため、当該作業者3の体感温度を視覚的に上昇させて、作業者3の体感する温熱的な快適性を向上することができる。つまり、温冷感が少数派の作業者3の体感を、個人用照明装置21から照射する光の色温度を変更することで、多数派の温冷感に近づけたうえで、多数派の温冷感に合わせて空調装置10を制御する。このため、対象空間において、多くの人とは異なる温冷感を持つ一部の人について温熱的快適性が低下することを抑制しつつ、より多くの人に合わせた空調制御が可能である。
【0054】
個人用照明装置21は、制御装置40から送信された制御信号に従って前述した第1光源及び第2光源に入力する電流値を変更することで光の照射を行う。この際、第1光源への入力電流値を第2光源への入力電流値よりも大きくするとよい。すなわち、個人用照明装置21は、第1色温度の光を照射している時の光源への入力電流値を、第2色温度の光を照射している時の光源への入力電流値よりも大きくするとよい。一般に、光源としてLED(発光ダイオード)を使用した場合、色温度の低い光源の方が、色温度の高い光源と比較して発光効率が低い。そこで、色温度の低い第1光源への入力電流値を第2光源への入力電流値よりも大きくすることで、個人用照明装置21から照射する光の色温度を第2色温度から第1色温度に切り替えた際に、机上面の明るさが低下して視認性が低下してしまうことを抑制できる。
【0055】
なお、個人用照明装置21から照射する光の色温度を変更する際には、一定の時間をかけて徐々に変更前の色温度から変更後の色温度に遷移させるようしてもよい。このようにすることで、作業者3の目が周囲の照明環境等に順応する時間を確保することができる。
【0056】
また、照明の色温度を変更することによる視覚的な体感温度調整の効果は、時間の経過とともに減少する。そこで、装置制御部43は、前述した温冷感調整制御の実行を開始してから予め設定された時間、例えば30分から1時間程度が経過した後は、温冷感調整制御を終了してもよい。そして、温冷感調整制御を終了した後、装置制御部43は、作業性向上支援制御により空調装置10及び個人用照明装置21を制御してもよい。
【0057】
作業性向上支援制御は、対象空間1内の環境を制御することで、対象空間1内の作業者3の作業性向上を支援するものである。作業性向上支援制御においては、例えば、装置制御部43は、個人用照明装置21から寒色系の第2色温度の光を照射させる。また、装置制御部43は、個人用照明装置21の光源への入力電流値を大きくし、個人用照明装置21から照射される光の照度を大きくしてもよい。さらに、装置制御部43は、空調装置10の送風方向を作業者3に向け、作業者3に風による刺激を与えてもよい。このようにすることで、作業者3の作業開始時には作業者3の温熱的快適性を向上させ、作業開始後にしばらく時間が経過してからは、作業者3の集中力を向上させて作業性の向上を支援できる。
【0058】
この実施の形態に係る環境制御システムにおいては、装置制御部43は、作業者3の年齢に応じて当該作業者3の個人作業空間2に対応する個人用照明装置21から照射する光の照度を変更してもよい。この場合、環境制御システムは、それぞれの作業者の年齢を検出する年齢検出手段を備えている。年齢検出手段は、例えば、表面温度センサのような生体情報センサ30の検出結果を用いて、制御装置40に設けた年齢判定部により対象空間1内の人の年齢を検出する。年齢検出手段として、他に例えば、対象空間1が設けられた部屋の入退室管理システムを利用してもよい。この場合、入退室管理システムにより対象空間1内に入室する作業者3について個人認証を行い、作業者3個人を特定する。そして、作業者3個人のそれぞれについて予め年齢を登録しておき、入退室管理システムによる個人認証結果から、作業者3の年齢を特定する。
【0059】
制御装置40には、作業者3の年齢と、個人用照明装置21から照射する光の照度とが対応付けられたデータが予め記憶されている。装置制御部43は、このデータを参照し、年齢検出手段により検出された作業者3の年齢に応じて当該作業者3の個人作業空間2に対応する個人用照明装置21から照射する光の照度を変更する。この場合、装置制御部43は、作業者3の年齢が高くなるほど照度が大きくなるようにする。例えば、作業者3が高齢者(例えば65歳以上)であれば、若齢者(例えば15歳以上34歳以下)に比べて約2倍の照度にする。この際、個人用照明装置21から照射する特に第2色温度の光の照度を、作業者3の年齢に応じて変更するとよい。
【0060】
人の目の感度は加齢とともに低下していくため、高齢者は若齢者に比べ同じ明るさでも物が見えづらくなる。また、高齢者は、若齢者に比べて短波長の比視感度が低下するため、高色温度の光を感じづらくなる。このため、高齢者では、高色温度の光による視覚を通じた体感温度の調整作用が若齢者に比べて小さくなる。そこで、作業者3の年齢に応じて個人用照明装置21から照射する光の照度を大きくすることで、年齢に関わらず視認性を向上させ、また、視覚を通じた体感温度の調整作用により温熱的快適性を向上させることが可能である。
【符号の説明】
【0061】
1 対象空間
2 個人作業空間
3 作業者
4 パーソナルコンピュータ
10 空調装置
11 筐体
12 吸込口
13 吹出口
14 ルーバ
21 個人用照明装置
22 全体用照明装置
30 生体情報センサ
40 制御装置
41 人位置判定部
42 温冷感判定部
43 装置制御部