(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181435
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】コース編集装置、コース編集方法、コース編集プログラム、及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
G05D 1/02 20200101AFI20221201BHJP
G05D 1/00 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
G05D1/02 A
G05D1/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021088378
(22)【出願日】2021-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】グエンクアン テイン
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301AA02
5H301BB05
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301DD06
5H301EE04
5H301FF04
5H301FF16
5H301FF17
5H301FF18
5H301FF23
5H301GG07
5H301GG08
5H301LL03
5H301LL12
5H301LL14
(57)【要約】
【課題】自動走行装置が走行するコースの編集作業の作業効率及び作業精度を向上させることが可能なコース編集装置、コース編集方法、コース編集プログラム、及び記録媒体を提供する。
【解決手段】コース編集装置は、コースに対応するコースレイアウトを編集するコース編集操作画面を表示させる表示処理部と、前記コース編集操作画面において指定される自動走行装置の移動先を示す複数の目的位置を含むレイアウト情報を設定するレイアウト情報設定部と、第1走行条件に基づいて、前記コース編集操作画面において複数の前記目的位置を結ぶ動線を設定する動線設定部と、第2走行条件に基づいて、前記コース編集操作画面において前記動線の上に前記マーカの配置位置に対応する中継地点を設定する中継地点設定部と、前記中継地点に対応する前記マーカに制御情報を設定する制御情報設定部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動走行装置の動作を規定する制御情報が設定されたマーカが配置されたコースにおいて、前記自動走行装置が前記マーカを検出した場合に前記制御情報に応じた動作を行う自動走行システムに用いられるコース編集装置であって、
前記コースに対応するコースレイアウトを編集するコース編集操作画面を表示させる表示処理部と、
前記コース編集操作画面において指定される前記自動走行装置の移動先を示す複数の目的位置を含むレイアウト情報を設定するレイアウト情報設定部と、
第1走行条件に基づいて、前記コース編集操作画面において複数の前記目的位置を結ぶ動線を設定する動線設定部と、
第2走行条件に基づいて、前記コース編集操作画面において前記動線の上に前記マーカの配置位置に対応する中継地点を設定する中継地点設定部と、
前記中継地点に対応する前記マーカに前記制御情報を設定する制御情報設定部と、
を備えるコース編集装置。
【請求項2】
前記動線設定部は、隣り合う2本の前記動線の間の確保すべき下限距離を含む前記第1走行条件に基づいて、前記コース編集操作画面において前記動線を設定する、
請求項1に記載のコース編集装置。
【請求項3】
前記レイアウト情報は、進入禁止エリア又は障害物の情報を含み、
前記動線設定部は、前記自動走行装置と前記進入禁止エリア又は前記障害物との間の確保すべき下限距離を含む前記第1走行条件に基づいて、前記コース編集操作画面において前記動線を設定する、
請求項1又は請求項2に記載のコース編集装置。
【請求項4】
前記中継地点設定部は、隣り合う2つの前記中継地点の間の上限距離を含む前記第2走行条件に基づいて、前記コース編集操作画面において前記動線の上に前記中継地点を設定する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のコース編集装置。
【請求項5】
前記中継地点設定部は、前記自動走行装置が加速する際に要する加速距離と、前記自動走行装置が減速する際に要する減速距離との少なくともいずれかを含む前記第2走行条件に基づいて、前記コース編集操作画面において前記動線の上に前記中継地点を設定する、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のコース編集装置。
【請求項6】
前記第1走行条件及び前記第2走行条件は、前記自動走行装置の種別に対応した条件である、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のコース編集装置。
【請求項7】
前記自動走行装置の種別は、前記自動走行装置のサイズ又は搬送タイプを示す情報を含む、
請求項6に記載のコース編集装置。
【請求項8】
前記自動走行装置の種別は、前記自動走行装置の複数の種別の中からユーザーが選択した種別である、
請求項6又は請求項7に記載のコース編集装置。
【請求項9】
前記制御情報設定部は、前記中継地点に対応する前記マーカに、当該中継地点と前後の中継地点との位置関係に基づいて前記制御情報を設定する、
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のコース編集装置。
【請求項10】
前記制御情報は、前記自動走行装置の走行速度、前記自動走行装置の走行方向、前記自動走行装置の旋回動作、前記自動走行装置が次に検出する前記マーカまでの距離の少なくともいずれかの情報を含む、
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のコース編集装置。
【請求項11】
前記マーカごとに設定された前記制御情報を前記自動走行装置に出力する制御情報出力部をさらに備える、
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のコース編集装置。
【請求項12】
前記レイアウト情報設定部は、前記コース編集操作画面においてユーザーが指定した前記目的位置に基づいて前記レイアウト情報を設定する、
請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のコース編集装置。
【請求項13】
自動走行装置の動作を規定する制御情報が設定されたマーカが配置されたコースにおいて、前記自動走行装置が前記マーカを検出した場合に前記制御情報に応じた動作を行う自動走行システムに用いられるコース編集方法であって、
一又は複数のプロセッサーが、
前記コースに対応するコースレイアウトを編集するコース編集操作画面を表示させる表示ステップと、
前記コース編集操作画面において指定される前記自動走行装置の移動先を示す複数の目的位置を含むレイアウト情報を設定するレイアウト情報設定ステップと、
第1走行条件に基づいて、前記コース編集操作画面において複数の前記目的位置を結ぶ動線を設定する動線設定ステップと、
第2走行条件に基づいて、前記コース編集操作画面において前記動線の上に前記マーカの配置位置に対応する中継地点を設定する中継地点設定ステップと、
前記中継地点に対応する前記マーカに前記制御情報を設定する制御情報設定ステップと、
を実行するコース編集方法。
【請求項14】
自動走行装置の動作を規定する制御情報が設定されたマーカが配置されたコースにおいて、前記自動走行装置が前記マーカを検出した場合に前記制御情報に応じた動作を行う自動走行システムに用いられるコース編集プログラムであって、
前記コースに対応するコースレイアウトを編集するコース編集操作画面を表示させる表示ステップと、
前記コース編集操作画面において指定される前記自動走行装置の移動先を示す複数の目的位置を含むレイアウト情報を設定するレイアウト情報設定ステップと、
第1走行条件に基づいて、前記コース編集操作画面において複数の前記目的位置を結ぶ動線を設定する動線設定ステップと、
第2走行条件に基づいて、前記コース編集操作画面において前記動線の上に前記マーカの配置位置に対応する中継地点を設定する中継地点設定ステップと、
前記中継地点に対応する前記マーカに前記制御情報を設定する制御情報設定ステップと、
を一又は複数のプロセッサーに実行させるためのコース編集プログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のコース編集プログラムが記録されたコンピューター読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コース編集装置、コース編集方法、コース編集プログラム、及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、倉庫、製造ラインなどにおいて、商品、部品などの荷物(物品)を搬送する自律走行型の自動走行装置(搬送車)が利用されている。例えば、自動走行装置は、設定されたコースを走行するとともに、コース上に配置された、制御情報(制御パラメータ)が設定されたマーカを検出した場合に当該制御情報に応じた動作を行う(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、自動走行装置がコース上を適切に走行するには、コースの位置、コース上のマーカの位置、制御情報などのコース設定を適切に行う必要がある。
【0005】
従来の技術では、操作端末において、ユーザーがコース設定を行うための編集作業(コース編集作業)を行っている。しかし、コース設定が適切であるか否かの判断についてはユーザーによる判断に委ねられており、コース編集作業の作業効率及び作業精度が低いという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、自動走行装置が走行するコースの編集作業の作業効率及び作業精度を向上させることが可能なコース編集装置、コース編集方法、コース編集プログラム、及び記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の態様に係るコース編集装置は、自動走行装置の動作を規定する制御情報が設定されたマーカが配置されたコースにおいて、前記自動走行装置が前記マーカを検出した場合に前記制御情報に応じた動作を行う自動走行システムに用いられるコース編集装置であって、前記コースに対応するコースレイアウトを編集するコース編集操作画面を表示させる表示処理部と、前記コース編集操作画面において指定される前記自動走行装置の移動先を示す複数の目的位置を含むレイアウト情報を設定するレイアウト情報設定部と、第1走行条件に基づいて、前記コース編集操作画面において複数の前記目的位置を結ぶ動線を設定する動線設定部と、第2走行条件に基づいて、前記コース編集操作画面において前記動線の上に前記マーカの配置位置に対応する中継地点を設定する中継地点設定部と、前記中継地点に対応する前記マーカに前記制御情報を設定する制御情報設定部と、を備える装置である。
【0008】
本発明の他の態様に係るコース編集方法は、自動走行装置の動作を規定する制御情報が設定されたマーカが配置されたコースにおいて、前記自動走行装置が前記マーカを検出した場合に前記制御情報に応じた動作を行う自動走行システムに用いられるコース編集方法であって、一又は複数のプロセッサーが、前記コースに対応するコースレイアウトを編集するコース編集操作画面を表示させる表示ステップと、前記コース編集操作画面において指定される前記自動走行装置の移動先を示す複数の目的位置を含むレイアウト情報を設定するレイアウト情報設定ステップと、第1走行条件に基づいて、前記コース編集操作画面において複数の前記目的位置を結ぶ動線を設定する動線設定ステップと、第2走行条件に基づいて、前記コース編集操作画面において前記動線の上に前記マーカの配置位置に対応する中継地点を設定する中継地点設定ステップと、前記中継地点に対応する前記マーカに前記制御情報を設定する制御情報設定ステップと、を実行する方法である。
【0009】
本発明の他の態様に係るコース編集プログラムは、自動走行装置の動作を規定する制御情報が設定されたマーカが配置されたコースにおいて、前記自動走行装置が前記マーカを検出した場合に前記制御情報に応じた動作を行う自動走行システムに用いられるコース編集プログラムであって、前記コースに対応するコースレイアウトを編集するコース編集操作画面を表示させる表示ステップと、前記コース編集操作画面において指定される前記自動走行装置の移動先を示す複数の目的位置を含むレイアウト情報を設定するレイアウト情報設定ステップと、第1走行条件に基づいて、前記コース編集操作画面において複数の前記目的位置を結ぶ動線を設定する動線設定ステップと、第2走行条件に基づいて、前記コース編集操作画面において前記動線の上に前記マーカの配置位置に対応する中継地点を設定する中継地点設定ステップと、前記中継地点に対応する前記マーカに前記制御情報を設定する制御情報設定ステップと、を一又は複数のプロセッサーに実行させるためのプログラムである。
【0010】
本発明の他の態様に係る記録媒体は、前記コース編集プログラムを記録した非一時的なコンピューター読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、自動走行装置が走行するコースの編集作業の作業効率及び作業精度を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る自動走行システムの構成を示す模式図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係る自動走行装置の走行方法を説明するための図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る自動走行システムの構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係る自動走行システムで利用される制御情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係る自動走行システムで設定されるコースの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態に係る操作端末に表示されるコース編集操作画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態に係る操作端末に表示されるコース編集操作画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態に係る操作端末で設定されるコースの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態に係る操作端末で設定されるコースの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施形態に係る自動走行システムで利用される制御情報の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施形態に係る自動走行システムで利用される制御情報の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施形態に係る自動走行システムにおいて実行されるコース編集処理の手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格を有さない。
【0014】
[自動走行システム10]
図1に示されるように、本発明の実施形態に係る自動走行システム10は、自動走行装置1と操作端末2とを含む。自動走行装置1及び操作端末2は、インターネット、LAN、WAN、又は公衆電話回線などの通信網N1を介して通信可能である。
【0015】
自動走行システム10は、例えば倉庫、製造ラインなどの施設に導入される。自動走行装置1は、施設内において、設定されたコース(走行ルート)に対応する走行ガイド用のラインL(例えば磁気テープ)に沿って走行するとともに、ラインL上に配置された、制御情報(制御パラメータ)が設定されたマーカMを検出した場合に当該制御情報に応じた動作を行う。ラインL及びマーカMは、前記コースに基づいて、ユーザーにより施設内の床面に設置される。
【0016】
操作端末2は、ユーザーによって操作される情報処理装置である。ユーザーは、操作端末2において、自動走行装置1が走行するコースを設定するための操作、自動走行装置1の走行動作及び走行速度を規定する前記制御情報を自動走行装置1に出力(転送)する操作、自動走行装置1に走行指示を出力する操作などを行う。例えばユーザーは、操作端末2に表示されるコース編集操作画面P1(
図6等参照)において、レイアウト情報(マップ情報)の設定操作を行う。レイアウト情報には、施設内に配置される各種装置の位置、充電器の位置、充電位置、自動走行装置1に物品を渡す移載位置、進入禁止エリアなどの情報が含まれる。操作端末2は、レイアウト情報の設定操作に基づいて、ラインLに対応する動線の設定、マーカMに対応する中継地点の設定、制御情報の設定などを行う。操作端末2は、本発明のコース編集装置の一例である。
【0017】
以下、自動走行装置1及び操作端末2の具体的な構成を説明する。
【0018】
[自動走行装置1]
図1~
図3に示すように、自動走行装置1は、制御部11、記憶部12、ラインセンサ13、検知センサ14、駆動部15、通信部16などを備える。
図2には、施設の床面に設置されるラインL及びマーカMと、施設内を走行する自動走行装置1とを模式的に示している。
図3には、自動走行装置1及び操作端末2の構成を示す機能ブロック図を示している。
【0019】
通信部16は、自動走行装置1を無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して操作端末2などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0020】
駆動部15は、車輪151、モータ152、バッテリ153などを含む(
図1参照)。駆動部15は、バッテリ153の電力によりモータ152を駆動し、モータ152の駆動力により車輪151を回転させて自動走行装置1を走行させる。バッテリ153は、充電式バッテリであり、自動充電器(不図示)により充電される。例えば、自動走行装置1は、設定されたコースを走行中に所定の充電位置において、充電器によりバッテリ153を充電することが可能である。
【0021】
ラインセンサ13は、施設の床面に設置されたラインL(磁気テープ)を検出する。
図2に示すように、ラインセンサ13は、自動走行装置1の底面に設けられており、自動走行装置1の進行方向に垂直な方向に一列に配された複数の検出素子(不図示)から構成されている。各検出素子は、対向する位置にラインLが存在する場合に検出信号を出力する。本実施形態では、各検出素子は、ホール素子であり、ラインLと対向したときにラインLの磁気を検出して検出信号(例えばON信号)を出力する。
【0022】
検知センサ14は、コース上に配置されたマーカMを検知する。
図2に示すように、検知センサ14は、自動走行装置1の走行時にマーカMと対向することができる位置に設けられている。また、検知センサ14には、マーカMとして用いられるRFIDタグに対応させて、当該RFIDタグとの通信が可能なRFIDセンサが用いられる。なお、マーカMとの通信が可能であれば、検知センサ14は、マーカMと対向する位置からずれた位置に設けられてもよい。また、検知センサ14は、マーカMとして用いられる通信タグの種類に応じて適宜変更することができる。また、マーカMが二次元コードで構成され、検知センサ14が二次元コードを読み取り可能なカメラで構成されてもよい。
【0023】
マーカMには、当該マーカMの識別情報(例えばマーカ番号、マーカIDなど)が読み取り可能な状態で記録されている。例えば検知センサ14は、コース上に配置されたマーカMを検知することにより、当該マーカMに記録されているマーカ番号を取得する。具体的には、検知センサ14は、自動走行装置1の走行中にマーカMとの間で通信を行うことにより、当該マーカMに記録されているマーカ番号を取得する。
【0024】
マーカMとしてRFIDタグなどの通信タグを用いることにより、マーカMの近傍を通過する間の所定期間(検知センサ14がマーカMと対向している期間より長い期間)、検知センサ14とマーカMとの間で通信を行うことができる。よって、自動走行装置1の走行中であっても、マーカMに記録されているマーカ番号を精度良く取得することができる。制御部21は、検知センサ14から前記マーカ番号を取得する。
【0025】
記憶部12は、各種の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記憶部である。記憶部12には、制御情報D1などのデータが記憶される。
【0026】
図4は、制御情報D1の一例を示す図である。制御情報D1は、自動走行装置1の走行動作を規定する情報である。
図4に示すように、制御情報D1には、「動作順番」、「マーカ番号」、「走行動作」、「速度」、「特定動作」などの情報が含まれる。前記動作順番は、自動走行装置1の走行動作の順番を示す情報であり、例えば自動走行装置1は1番から10番の順に走行動作を行う。前記マーカ番号は、マーカMの識別情報であり、マーカMに記録されるマーカ番号に対応する。制御情報D1に、前記マーカ番号に代えてマーカIDが登録されてもよい。また、制御情報D1に加速度及び減速度の情報が含まれてもよい。
【0027】
前記走行動作は、自動走行装置1に実行させる動作を表す情報である。「前進」は、自動走行装置1を前方に走行させる動作を表す。「右スピン」は、自動走行装置1を右方向に90度旋回(スピンターン)させる動作を表す。「右倣い」は、自動走行装置1の操舵角を所定角度だけ右方向に与えて自動走行装置1を右方向に旋回させる動作を表す。「中央倣い」は、自動走行装置1の操舵角を中央方向に与えて自動走行装置1を前進させる動作を表す。「停止」は、自動走行装置1を停止させる動作を表す。
【0028】
前記速度は、自動走行装置1の走行速度の情報である。前記特定動作は、自動走行装置1に実行させる特定の動作を表す情報である。前記特定動作は、自動走行装置1を充電する充電動作、自動走行装置1に連結対象(例えば台車)を連結する連結動作の少なくともいずれかを含む。
【0029】
制御情報D1において、前記動作順番、前記走行動作、前記速度、及び前記特定動作のそれぞれは、前記マーカ番号に関連付けられて登録されている。
図4に示す制御情報D1は、一例であってこれに限定されない。本発明では、特に後述の制御情報D1(
図10及び
図11参照)を設定することを特徴としている。制御情報D1は、操作端末2において設定され、操作端末2から自動走行装置1に出力(転送)される。自動走行装置1は、操作端末2から制御情報D1を取得すると記憶部12に記憶し、制御情報D1に応じた走行動作を実行しながら前記設定されたコースを走行する。
【0030】
また、記憶部12には、制御部11に各種制御処理を実行させるための制御プログラムが記憶されている。例えば、前記制御プログラムは、CD又はDVDなどのコンピューター読み取り可能な記録媒体に非一時的に記録され、自動走行装置1が備える読取装置(不図示)で読み取られて記憶部12に記憶される。なお、前記制御プログラムは、クラウドサーバーから配信されて記憶部12に記憶されてもよい。
【0031】
制御部11は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部11は、前記ROM又は記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより自動走行装置1を制御する。
【0032】
具体的には、制御部11は、
図3に示すように、取得処理部111、走行制御部112などの各種の処理部を含む。なお、制御部11は、前記CPUで前記制御プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、一部又は全部の前記処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記制御プログラムは、複数のプロセッサーを前記処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0033】
取得処理部111は、操作端末2から制御情報D1(
図4参照)を取得する。取得処理部111は、制御情報D1を取得すると、記憶部12に記憶する。
【0034】
走行制御部112は、自動走行装置1の走行動作を制御する。具体的には、走行制御部112は、ラインセンサ13の検出結果(検出素子の検出信号)に基づいて、自動走行装置1をラインLに沿って走行させつつ、ラインLの幅方向における自動走行装置1の走行位置を制御する(
図2参照)。
【0035】
また、走行制御部112は、検知センサ14がマーカMを検知した場合に、当該マーカMに対応する走行動作を自動走行装置1に実行させる。具体的には、検知センサ14がマーカMを検知してマーカMに記録されたマーカ番号を読み取ると、走行制御部112は、制御情報D1(
図4参照)を参照して、当該マーカ番号に関連付けられた走行動作を実行させる。
【0036】
図5には、
図4に示す制御情報D1に対応するコース(走行ルート)の具体例を示している。ユーザーは、コース及び制御情報D1を設定すると、設定したコースに基づいて、施設の床面にラインLに対応する磁気テープを設置し、磁気テープ上にマーカMに対応するRFIDタグを設置する。ユーザーが操作端末2において走行指示を入力すると、自動走行装置1は、マーカ番号「2」の位置(始点)から走行を開始し矢印方向d1に進行してマーカ番号「2」の位置(終点)で停止する。
【0037】
具体的には、先ず自動走行装置1は、マーカ番号「2」のマーカMを検知すると、30m/minの速度で前進走行を開始し、続くマーカ番号「3」のマーカMを検知すると速度を20m/minに変更する。続いて、自動走行装置1は、マーカ番号「4」のマーカMを検知すると右方向へ90度旋回して前進し、続くマーカ番号「5」のマーカMを検知するとさらに右方向へ90度旋回して前進する。続いて自動走行装置1は、マーカ番号「6」のマーカMを検知すると速度を30m/minに変更して前進し、続くマーカ番号「7」のマーカMを検知すると30m/minで前進を継続し、続くマーカ番号「8」のマーカMを検知すると進行方向を右方向(例えば右45度方向)に切り替え、かつ速度を20m/minに変更して旋回する。続いて自動走行装置1は、マーカ番号「9」のマーカMを検知すると進行方向を右方向(例えば右45度方向)に維持して旋回し、続くマーカ番号「1」のマーカMを検知すると進行方向を中央に切り替えて前進する。最後に自動走行装置1は、マーカ番号「2」を検知すると停止する。
【0038】
以上のように、自動走行装置1は、操作端末2において設定されるコース及び制御情報D1に基づいて自動走行を実行する。
【0039】
[操作端末2]
図3に示されるように、操作端末2は、制御部21、記憶部22、操作表示部23、及び通信部24などを備える。操作端末2は、例えばタブレット端末、スマートフォン、又はパーソナルコンピューターのような情報処理装置である。
【0040】
通信部24は、操作端末2を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して自動走行装置1などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0041】
操作表示部23は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルのような操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0042】
記憶部22は、各種の情報を記憶するHDD又はSSDなどの不揮発性の記憶部である。具体的に、記憶部22には、制御情報D1(
図4、
図9、
図11参照)などのデータが記憶される。また、記憶部12には、コースを設定するためのソフトウェア(例えばコース設定アプリケーション)が記憶される。なお、前記コース設定アプリケーションは、クラウドサーバーに記憶され、ブラウザ上で動作するWebアプリケーションであってもよい。
【0043】
また、記憶部22には、制御部21に後述のコース編集処理(
図12参照)を実行させるためのコース編集プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記コース編集プログラムは、CD又はDVDなどのコンピューター読み取り可能な記録媒体に非一時的に記録されており、操作端末2が備えるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部22に記憶される。
【0044】
制御部21は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部21は、前記ROM又は記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより操作端末2を制御する。
【0045】
ここで、従来の技術では、操作端末2において、ユーザーがコース設定を行うための編集作業(コース編集作業)を行っているが、コース設定が適切であるか否かの判断についてはユーザーによる判断に委ねられており、コース編集作業の作業効率及び作業精度が低いという問題がある。これに対して、本実施形態に係る操作端末2では、自動走行装置1が走行するコースの編集作業の作業効率及び作業精度を向上させることが可能である。
【0046】
具体的に、制御部21は、
図3に示されるように、表示処理部211、レイアウト情報設定部212、動線設定部213、中継地点設定部214、制御情報設定部215、制御情報出力部216などの各種の処理部を含む。なお、制御部21は、前記CPUで前記コース編集プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、一部又は全部の前記処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記コース編集プログラムは、複数のプロセッサーを前記処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0047】
表示処理部211は、各種操作画面を操作表示部23に表示させる。表示処理部211は、前記コース設定アプリケーションの機能に応じた各種操作画面を操作表示部23に表示させる。例えば表示処理部211は、前記レイアウト情報(コース)及び制御情報D1を設定するためのコース編集操作画面P1を操作表示部23に表示させる(
図6等参照)。
【0048】
レイアウト情報設定部212は、コース編集操作画面P1において指定される自動走行装置1の移動先を示す複数の目的位置を含むレイアウト情報を設定する。前記目的位置には、自動走行装置1の移動先である移載位置PA及び充電位置BAの少なくともいずれかが含まれる。例えば、ユーザーは、コース編集操作画面P1において、自動走行装置1の待機位置、各種装置の位置、充電器の位置、充電位置BA、自動走行装置1に物品を渡す移載位置PA、進入禁止エリアなどを登録する。例えば、ユーザーは、コース編集操作画面P1において、待機位置、装置、充電器、充電位置BA、移載位置PA、及び進入禁止エリアのそれぞれに対応するオブジェクト画像(アイコン画像)を対象施設のマップ上に配置する。レイアウト情報設定部212は、ユーザー操作に応じて前記レイアウト情報を設定する。このように、レイアウト情報設定部212は、コース編集操作画面P1においてユーザーが指定した前記目的位置に基づいて前記レイアウト情報を設定する。
図6には、レイアウト情報設定部212により設定されたレイアウト情報の一例を示している。
【0049】
また前記レイアウト情報を設定する初期設定において、制御部21は、ユーザーから自動走行装置1の種別(タイプ)を選択する操作を受け付ける。自動走行装置1の種別には、形式(サイズ)、搬送タイプ(台車牽引式、積載式など)、コース設定のアルゴリズムなどの情報が含まれる。ユーザーは、複数の種別の中から自動走行対象の自動走行装置1の種別を選択する。制御部21は、ユーザーの選択操作に応じて自動走行装置1の種別を設定する。
【0050】
動線設定部213は、第1走行条件に基づいて、コース編集操作画面P1において複数の前記目的位置を結ぶ動線MLを設定する。具体的には、動線設定部213は、隣り合う2本の動線MLの間の確保すべき下限距離を含む第1走行条件に基づいて、コース編集操作画面P1において動線MLを設定する。また、動線設定部213は、自動走行装置1と進入禁止エリア又は障害物との間の確保すべき下限距離を含む第1走行条件に基づいて、コース編集操作画面P1において動線MLを設定する。すなわち、前記第1走行条件は、2台の自動走行装置1が並走又はすれ違う際の互いの間隔を所定間隔だけ確保するための条件であり、隣り合う2本の動線MLの間の距離X1(
図7参照)が下限距離以上に設定される。また前記第1走行条件は、自動走行装置1と進入禁止エリア又は障害物の横を走行する際の互いの間隔を所定間隔だけ確保するための条件であり、動線MLと進入禁止エリア又は障害物との間の距離X2(
図7参照)が下限距離以上に設定される。
【0051】
例えば、ユーザーが選択した自動走行装置1の種別に基づき、制御部21は、使用する標準化パターンの種類を選択する。例えば、自動走行装置1の種別として、サイズの異なる大、中、小の3つの種別の自動走行装置1がある場合、自動走行装置1のサイズによって、障害物を回避する際又は他の自動走行装置1とすれ違う際に、確保すべき間隔が異なる。例えば、サイズが「大」の自動走行装置1では、障害物からの間隔が100cm、サイズが「中」の自動走行装置1では、障害物からの間隔が80cm、サイズが「中」の自動走行装置1では、障害物からの間隔が60cmとなる。前記標準化パターンには、自動走行装置1の種別に応じた前記間隔の情報が含まれる。
【0052】
例えば、自動走行装置1の種別として中サイズの自動走行装置1が選択された場合、動線設定部213は、装置、充電器、移載位置PA、及び進入禁止エリア(障害物を含む)などから80cmの間隔(
図7のX1,X2)を確保した位置に動線MLを設定する。
【0053】
中継地点設定部214は、第2走行条件に基づいて、コース編集操作画面P1において動線MLの上にマーカMの配置位置に対応する中継地点RPを設定する。具体的には、中継地点設定部214は、隣り合う2つの中継地点RPの間の上限距離を含む第2走行条件に基づいて、コース編集操作画面P1において動線MLの上に中継地点RPを設定する。また、中継地点設定部214は、自動走行装置1が加速する際に要する加速距離と、自動走行装置1が減速する際に要する減速距離との少なくともいずれかを含む第2走行条件に基づいて、コース編集操作画面P1において動線MLの上に中継地点RPを設定する。
【0054】
すなわち、前記第2走行条件は、自動走行装置1がマーカMに設定される制御情報に応じた動作(前進、加速、減速、スピン、停止など)を行うための条件であり、隣り合う2つの中継地点RPの間の距離X3(
図7参照)が上限距離以下に設定される。
【0055】
例えば、ユーザーが選択した自動走行装置1の種別に基づき、制御部21は、使用する標準化パターンの種類を選択する。例えば、自動走行装置1の種別として、サイズの異なる大、中、小の3つの種別の自動走行装置1がある場合、自動走行装置1のサイズによって、加速距離、減速距離、隣り合う2つの中継地点RP間の上限距離が異なる。例えば、前記標準化パターンには、自動走行装置1の種別に応じた加速距離、減速距離、上限距離の情報が含まれる。
【0056】
以下、中継地点RPの設定例を説明する。
図8には、直線コースの中継地点RPの設定例を示している。
【0057】
ここでは、前記標準化パターンとして、加速距離が50cmに設定され、減速距離が50cmに設定され、上限距離が100cmに設定されているものと仮定する。この場合、中継地点設定部214は、前記標準化パターンに基づいて、目的地Aから目的地Bまでの直線コースについて、中継地点RPを設定する。具体的には、中継地点設定部214は、目的地Aから前方の加速距離50cmの位置に中継地点RP1を設定し、目的地Bから後方の減速距離50cmの位置に中継地点RP5を設定する。また、中継地点設定部214は、中継地点RP1,RP5の間に100cm間隔で中継地点RP2~RP4を設定する。
【0058】
図9には、90度曲がるコースの中継地点RPの設定例を示している。
【0059】
ここでも、前記標準化パターンとして、加速距離が50cmに設定され、減速距離が50cmに設定され、上限距離が100cmに設定されているものと仮定する。この場合、中継地点設定部214は、前記標準化パターンに基づいて、目的地Aから目的地Bまでの90度曲がるコースについて、中継地点RPを設定する。具体的には、中継地点設定部214は、目的地Aから前方の加速距離50cmの位置に中継地点RP1を設定し、90度曲がる地点(中継地点RP6)から後方の減速距離50cmの位置に中継地点RP5を設定し、中継地点RP6から前方の加速距離50cmの位置に中継地点RP7を設定し、目的地Bから後方の減速距離50cmの位置に中継地点RP11を設定する。また、中継地点設定部214は、中継地点RP1,RP5の間に100cm間隔で中継地点RP2~RP4を設定し、中継地点RP7,RP11の間に100cm間隔で中継地点RP8~RP10を設定する。
【0060】
このように、前記第1走行条件及び前記第2走行条件は、自動走行装置1の種別に対応した条件である。また、自動走行装置1の種別は、自動走行装置1のサイズ又は搬送タイプ(台車牽引式、積載式など)を示す情報を含む。
【0061】
表示処理部211は、動線ML及び中継地点RPが設定されると、コース編集操作画面P1のレイアウト情報に、動線ML及び中継地点RPの情報を表示させる(
図7等参照)。
【0062】
制御情報設定部215は、中継地点RPに対応するマーカMに前記制御情報を設定する。具体的には、制御情報設定部215は、中継地点RPに対応するマーカMに、中継地点RPと前後の中継地点RPとの位置関係に基づいて前記制御情報を設定する。前記制御情報は、自動走行装置1の走行速度、走行方向、加速度、減速度、旋回動作、自動走行装置1が次に検出するマーカMまでの距離の少なくともいずれかの情報を含む。
【0063】
例えば、
図9に示すコースの場合、制御情報設定部215は、目的地Aに対応するマーカMに、前進走行、加速度、中継地点RP1に対応するマーカMまでの距離(50cm)を含む制御情報を設定する。また、制御情報設定部215は、中継地点RP1に対応するマーカMに、前進走行、走行速度、中継地点RP2に対応するマーカMまでの距離(100cm)を含む制御情報を設定する。また、制御情報設定部215は、中継地点RP5に対応するマーカMに、前進走行、減速度、中継地点RP6に対応するマーカMまでの距離(50cm)を含む制御情報を設定する。また、制御情報設定部215は、中継地点RP6に対応するマーカMに、右スピン、加速度、中継地点RP7に対応するマーカMまでの距離(50cm)を含む制御情報を設定する。また、制御情報設定部215は、中継地点RP11に対応するマーカMに、前進走行、減速度、目的地Bに対応するマーカMまでの距離(50cm)を含む制御情報を設定する。また、制御情報設定部215は、中継地点RP5に対応するマーカMに、前進走行、減速度、中継地点RP6に対応するマーカMまでの距離(50cm)を含む制御情報を設定する。
【0064】
図10には、
図8の示すコースに対応する制御情報D1の一例を示している。また
図11には、
図9に示すコースに対応する制御情報D1の一例を示している。なお、
図10及び
図11の加速度「-1」は減速度「1」を意味する。制御情報設定部215は、設定した制御情報D1を記憶部22に記憶する。
【0065】
制御情報出力部216は、マーカMごとに設定された制御情報D1を自動走行装置1に出力する。自動走行装置1は、制御情報D1を取得すると記憶部12に記憶する。
【0066】
ユーザーは、コース及び制御情報D1を設定すると、設定したコースに基づいて、施設の床面にラインLに対応する磁気テープを設置し、磁気テープ上にマーカMに対応するRFIDタグを設置する。ユーザーが操作端末2において走行指示を入力すると、自動走行装置1は、制御情報D1に基づいて、待機位置から走行を開始して、目的の移載位置PA、充電位置BAなどに移動する。
【0067】
[コース編集処理]
以下、
図12を参照しつつ、操作端末2の制御部21によって実行されるコース編集処理について説明する。
【0068】
なお、本発明は、前記コース編集処理に含まれる一又は複数のステップを実行するコース編集方法の発明として捉えることができ、ここで説明する当該コース編集処理に含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよい。なお、前記コース編集処理における各ステップは同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは制御部21が前記コース編集処理における各ステップを実行する場合を例に挙げて説明するが、複数のプロセッサーが当該コース編集処理における各ステップを分散して実行するコース編集方法も他の実施形態として考えられる。
【0069】
先ずステップS1において、制御部21は、コース編集操作画面P1(
図6参照)を操作表示部23に表示させる。ステップS1は、表示ステップの一例である。
【0070】
次にステップS2において、制御部21は、自動走行装置1の移動先を示す複数の目的位置を含むレイアウト情報(マップ情報)を設定する。例えば、ユーザーは、コース編集操作画面P1において、自動走行装置1の待機位置、各種装置の位置、充電器の位置、充電位置BA、自動走行装置1に物品を渡す移載位置PA、進入禁止エリアなどの目的位置を登録する。ユーザーは、コース編集操作画面P1において、各目的位置に対応するオブジェクト画像(アイコン画像)をマップ上に配置するユーザー操作を行う。制御部21は、前記ユーザー操作に応じて前記レイアウト情報を設定する(
図6参照)。ステップS2は、レイアウト情報設定ステップの一例である。
【0071】
次にステップS3において、制御部21は、自動走行装置1の種別(タイプ)を設定する。例えば、制御部21は、ユーザーから自動走行装置1の形式(サイズ)、搬送タイプ(台車牽引式、積載式など)などの情報を含む種別の選択操作を受け付けて、受け付けた種別を設定する。
【0072】
次にステップS4において、制御部21は、第1走行条件に基づいて、コース編集操作画面P1において複数の前記目的位置を結ぶ動線MLを設定する。具体的には、制御部21は、隣り合う2本の動線MLの間の確保すべき下限距離を含む第1走行条件に基づいて、コース編集操作画面P1において動線MLを設定する。また、制御部21は、自動走行装置1と進入禁止エリア又は障害物との間の確保すべき下限距離を含む第1走行条件に基づいて、コース編集操作画面P1において動線MLを設定する。
【0073】
前記第1走行条件では、動線MLと進入禁止エリア又は障害物との間の距離X2(
図7参照)が下限距離以上に設定される。例えば、自動走行装置1の種別として中サイズの自動走行装置1が選択された場合、制御部21は、装置、充電器、移載位置PA、及び進入禁止エリア(障害物を含む)などから下限距離(例えば80cm)の間隔(
図7のX1,X2)を確保した位置に動線MLを設定する。ステップS4は、動線設定ステップの一例である。
【0074】
次にステップS5において、制御部21は、第2走行条件に基づいて、コース編集操作画面P1において動線MLの上にマーカMの配置位置に対応する中継地点RPを設定する。具体的には、制御部21は、隣り合う2つの中継地点RPの間の上限距離を含む第2走行条件に基づいて、コース編集操作画面P1において動線MLの上に中継地点RPを設定する。また、制御部21は、自動走行装置1が加速する際に要する加速距離と、自動走行装置1が減速する際に要する減速距離との少なくともいずれかを含む第2走行条件に基づいて、コース編集操作画面P1において動線MLの上に中継地点RPを設定する。
【0075】
前記第2走行条件では、隣り合う2つの中継地点RPの間の距離X3(
図7参照)が上限距離以下に設定される。また、制御部21は、ユーザーが選択した自動走行装置1の種別に基づき、使用する標準化パターンの種類を選択する。前記標準化パターンには、自動走行装置1の種別に応じた加速距離、減速距離、上限距離の情報が含まれる。
【0076】
前記標準化パターンは、例えば、加速距離が50cmに設定され、減速距離が50cmに設定され、上限距離が100cmに設定されている。この場合、例えば
図8に示すコースについて、制御部21は、目的地Aから前方の加速距離50cmの位置に中継地点RP1を設定し、目的地Bから後方の減速距離50cmの位置に中継地点RP5を設定する。また、制御部21は、中継地点RP1,RP5の間に100cm間隔で中継地点RP2~RP4を設定する。
【0077】
また例えば
図9に示すコースについて、制御部21は、目的地Aから前方の加速距離50cmの位置に中継地点RP1を設定し、90度曲がる地点(中継地点RP6)から後方の減速距離50cmの位置に中継地点RP5を設定し、中継地点RP6から前方の加速距離50cmの位置に中継地点RP7を設定し、目的地Bから後方の減速距離50cmの位置に中継地点RP11を設定する。また、制御部21は、中継地点RP1,RP5の間に100cm間隔で中継地点RP2~RP4を設定し、中継地点RP7,RP11の間に100cm間隔で中継地点RP8~RP10を設定する。ステップS5は、中継地点設定ステップの一例である。
【0078】
次にステップS6において、制御部21は、中継地点RPに対応するマーカMに前記制御情報を設定する。具体的には、制御部21は、中継地点RPに対応するマーカMに、中継地点RPと前後の中継地点RPとの位置関係に基づいて前記制御情報を設定する。前記制御情報は、自動走行装置1の走行速度、走行方向、加速度、減速度、旋回動作、自動走行装置1が次に検出するマーカMまでの距離の少なくともいずれかの情報を含む。制御部21は、マーカMごとに設定した制御情報D1(
図10及び
図11参照)を記憶部22に記憶する。ステップS6は、制御情報設定ステップの一例である。
【0079】
次にステップS7において、制御部21は、ユーザーから変更操作を受け付けたか否かを判定する。制御部21が前記変更操作を受け付けた場合(S7:Yes)、処理はステップS2に移行する。制御部21が前記変更操作を受け付けない場合(S7:No)、処理はステップS8に移行する。
【0080】
次にステップS8において、制御部21は制御情報D1を自動走行装置1に出力する。自動走行装置1は、制御情報D1を取得すると記憶部12に記憶する。制御部21は、制御情報D1を自動走行装置1に出力すると前記コース編集処理を終了する。自動走行装置1は、ユーザーの走行指示を操作端末2から取得すると、制御情報D1に基づいて自動走行を実行する。
【0081】
以上説明したように、本実施形態に係る操作端末2は、自動走行装置1の動作を規定する制御情報D1が設定されたマーカMが配置されたコースにおいて、自動走行装置1がマーカMを検出した場合に制御情報D1に応じた動作を行う自動走行システム10に用いられるコース編集装置である。操作端末2は、前記コースに対応するコースレイアウトを編集するコース編集操作画面P1を表示させ、コース編集操作画面P1において指定される自動走行装置1の移動先を示す複数の目的位置を含むレイアウト情報を設定する。また操作端末2は、第1走行条件に基づいて、コース編集操作画面P1において複数の前記目的位置を結ぶ動線MLを設定し、第2走行条件に基づいて、コース編集操作画面P1において動線MLの上にマーカMの配置位置に対応する中継地点RPを設定する。また操作端末2は、中継地点RPに対応するマーカMに制御情報D1を設定する。
【0082】
上記の構成によれば、標準化された第1走行条件に基づいて自動走行装置1の動線MLが設定され、標準化された第2走行条件に基づいてマーカMの配置位置に対応する中継地点RPが設定され、これら動線ML及び中継地点RPに基づいて制御情報D1が設定される。このため、ユーザーは、自動走行装置1の種別を選択する操作、目的位置を指定する操作だけで、自動的にコースを設定することができる。また、ユーザーのコース編集作業のスキル、ノウハウに影響せず、いずれのユーザーも高度なコース編集を行うことができる。よって、コースの編集作業の作業効率及び作業精度を向上させることが可能となる。
【0083】
尚、本発明に係るコース編集装置は、各請求項に記載された発明の範囲において、以上に示された各実施形態を自由に組み合わせること、或いは各実施形態を適宜、変形又は一部を省略することによって構成されることも可能である。
【符号の説明】
【0084】
1 :自動走行装置
2 :操作端末
10 :自動走行システム
211 :表示処理部
212 :レイアウト情報設定部
213 :動線設定部
214 :中継地点設定部
215 :制御情報設定部
216 :制御情報出力部
BA :充電位置
D1 :制御情報
L :ライン
M :マーカ
ML :動線
P1 :コース編集操作画面
PA :移載位置
RP :中継地点