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  • 特開-電動農機車両 図1
  • 特開-電動農機車両 図2
  • 特開-電動農機車両 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181503
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】電動農機車両
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20221201BHJP
   B60L 53/16 20190101ALI20221201BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
H02J7/00 P
B60L53/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021088492
(22)【出願日】2021-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】沼倉 雅樹
(72)【発明者】
【氏名】菅生 雄基
(72)【発明者】
【氏名】平井 誠
(72)【発明者】
【氏名】樋口 大河
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 友大
(72)【発明者】
【氏名】東 浩之
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503DA04
5G503DA13
5G503FA03
5G503FA06
5H125AA20
5H125AC12
5H125AC24
5H125BC22
5H125DD03
5H125EE48
(57)【要約】
【課題】電動農機車両の充電を忘れにくくする。
【解決手段】充電口17への充電プラグ16の差し込みに応じて作動するスイッチを、電動農機車両10のメインリレー12をオフとする起動オフ用スイッチ21とした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電プラグが差し込まれる充電口を備える電動農機車両であって、
前記充電口への前記充電プラグの差し込みに応じて作動するスイッチを、当該電動農機車両の起動オフ用のスイッチとして備えている
電動農機車両。
【請求項2】
前記起動オフ用のスイッチは、前記充電口に差し込まれた前記充電プラグにより押し下げられる押しボタンを有したプッシュスイッチである請求項1に記載の電動農機車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動農機車両に関する。
【背景技術】
【0002】
耕耘機や農耕用トラクタ等の農機車両として、特許文献1に見られるような電動農機車両が知られている。電動農機車両は、同車両に搭載されたバッテリに充電した電力で動作する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-143965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
農作業には多くの電力が必要であり、バッテリに充電した電力の大半を一日の農作業で消費する場合がある。そのため、農作業を終えて帰宅した後に、電動農機車両の充電をし忘れると、電力不足のため、次回の農作業に支障をきたす虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する電動農機車両は、充電プラグが差し込まれる充電口を備えている。そして、同電動農機車両は、充電口への充電プラグの差し込みに応じて作動するスイッチを、当該電動農機車両の起動オフ用のスイッチとして備えている。こうした電動農機車両の起動を停止するには、充電口に充電プラグを差し込む必要がある。そのため、ユーザが電動農機車両の充電を忘れ難くなる。なお、上記のような起動オフ用のスイッチとしては、例えば充電口に差し込まれた充電プラグにより押し下げられる押しボタンを有したプッシュスイッチを採用できる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】電動農機車両の一実施形態の電気回路の構成を模式的に示す図。
図2】同電動農機車両の起動オフ用スイッチの構成を模式的に示す図。
図3】充電口に充電プラグが差し込まれたときの同起動オフ用スイッチの状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、電動農機車両の一実施形態を、図1図3を参照して詳細に説明する。本実施形態の電動農機車両10は、耕耘用のロータリを備えた農耕用トラクタとして構成されている。
【0008】
<電動農機車両10の電気回路の構成>
図1を参照して、本実施形態の電動農機車両10の電気回路の構成を説明する。電動農機車両10には、バッテリ11、インバータ13、及びモータ14が搭載されている。また、電動農機車両10には、モータ14以外にも複数の電装部品15が搭載されている。複数の電装部品15には、照明や計器類、電子制御ユニットが含まれる。
【0009】
インバータ13は、メインリレー12を介してバッテリ11に接続されている。そして、インバータ13は、バッテリ11が出力する直流電力を交流に変換してモータ14に供給する。そして、モータ14は、インバータ13からの交流電力の供給に応じて、耕耘用のロータリの駆動や、電動農機車両10の走行のための動力を発生する。さらに、電装部品15も、メインリレー12を介してバッテリ11に接続されている。よって、バッテリ11からインバータ13及び電装部品15への給電経路は、メインリレー12がオンのときに確立される。そして、メインリレー12がオフのときには、バッテリ11からインバータ13及び電装部品15への給電経路が遮断される。
【0010】
電動農機車両10には、充電プラグ16が差し込まれる充電口17が設けられている。そして、バッテリ11は、充電口17に設けられた充電端子18に、充電制御回路19を介して接続されている。
【0011】
さらに、電動農機車両10には、起動オン用スイッチ20と起動オフ用スイッチ21とが設けられている。起動オン用スイッチ20は、メインリレー12をオンとするためのスイッチである。起動オフ用スイッチ21は、メインリレー12をオフとするためのスイッチである。起動オン用スイッチ20は、電動農機車両10の運転席に設置されている。本実施形態では、起動オン用スイッチ20として押しボタン式のスイッチが採用されている。一方、起動オフ用スイッチ21は、充電口17に設置されている。
【0012】
<起動オフ用スイッチの構成>
次に、図2及び図3を参照して、起動オフ用スイッチ21の構成を説明する。図2に示すように、起動オフ用スイッチ21は、2つのプッシュスイッチ22を備えている。各プッシュスイッチ22は、充電口17の内側に突き出した押しボタン23をそれぞれ備えている。また、起動オフ用スイッチ21は、スイッチ回路24を備えている。スイッチ回路24には、上記2つのプッシュスイッチ22が接続されている。
【0013】
図3に示すように、充電口17に充電プラグ16が差し込まれると、その充電プラグ16により各プッシュスイッチ22の押しボタン23が押し下げられる。スイッチ回路24は、2つのプッシュスイッチ22の押しボタン23が双方共に押し下げられると、オンからオフへの切り替えを指示する制御信号をメインリレー12に出力する。
【0014】
<実施形態の作用、効果>
本実施形態の電動農機車両10の作用、効果を説明する。
メインリレー12がオフとなった電動農機車両10において、ユーザが起動オン用スイッチ20を操作すると、メインリレー12がオンとなる。メインリレー12がオンとなると、バッテリ11からインバータ13及び電装部品15への給電が開始される。これにより、電動農機車両10は、走行を開始可能な起動オンの状態となる。
【0015】
なお、この電動農機車両10では、電装部品15への給電が開始されると、計器等の照明が点灯される。よって、そうした照明の点灯の有無により、電動農機車両10が起動オンの状態にあるか否かを確認できる。
【0016】
一方、電動農機車両10の充電口17に充電プラグ16が差し込まれると、起動オフ用スイッチ21が作動して、メインリレー12がオフとなる。これにより、電動農機車両10は、インバータ13及び電装部品15への給電が遮断された起動オフの状態となる。また、充電口17への充電プラグ16への差し込みに応じて、バッテリ11の充電が開始される。
【0017】
以上の本実施形態の電動農機車両10によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、充電口17への充電プラグ16の差し込みに応じて作動するスイッチを、電動農機車両10の起動オフ用スイッチ21として備えている。こうした電動農機車両10の起動を停止するには、充電口17に充電プラグ16を差し込む必要がある。そのため、ユーザが電動農機車両10の充電を忘れ難くなる。
【0018】
(2)充電口17に差し込まれた充電プラグ16により押し下げられる押しボタン23を有したプッシュスイッチ22を起動オフ用スイッチ21として採用している。他の方式のスイッチを採用する場合に比べて低いコストで、高い信頼性を有した起動オフ用スイッチ21を実現できる。
【0019】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、2つのプッシュスイッチ22の押しボタン23が双方共に押し下げられたときに作動してメインリレー12をオフとするように起動オフ用スイッチ21を構成していた。少なくとも一方のプッシュスイッチ22の押しボタン23が押し下げられたときに作動してメインリレー12をオフとするように起動オフ用スイッチ21を構成してもよい。また、プッシュスイッチ22の数を1つに減らしたり、3つ以上に増やしたり、してもよい。
【0020】
・起動オフ用スイッチ21として、プッシュスイッチ22以外の方式のスイッチを採用してもよい。例えば、充電口17への充電プラグ16の差し込みを光学的手法や磁気的手法により検知して作動する非接触のスイッチを起動オフ用スイッチ21として採用してもよい。
【0021】
・例えば耕耘機のような農耕用トラクタ以外の農機車両として、上記実施形態の電動農機車両10を実現してもよい。
【符号の説明】
【0022】
10…電動農機車両
11…バッテリ
12…メインリレー
13…インバータ
14…モータ
15…電装部品
16…充電プラグ
17…充電口
18…充電端子
19…充電制御回路
20…起動オン用スイッチ
21…起動オフ用スイッチ
22…プッシュスイッチ
23…押しボタン
24…スイッチ回路
図1
図2
図3