(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022018152
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】段ボールシートの不良検出装置および方法並びに段ボールシートの不良除去装置、段ボールシートの製造装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/892 20060101AFI20220120BHJP
B31F 1/28 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
G01N21/892 A
B31F1/28 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020121052
(22)【出願日】2020-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹本 衆一
(72)【発明者】
【氏名】福重 直行
【テーマコード(参考)】
2G051
3E078
【Fターム(参考)】
2G051AB01
2G051AB20
2G051BB01
2G051CA03
2G051CB05
2G051DA13
2G051EB01
3E078AA20
3E078BB02
3E078BB03
3E078BB44
3E078CE03
(57)【要約】
【課題】段ボールシートの不良検出装置および方法並びに段ボールシートの不良除去装置、段ボールシートの製造装置において、中芯における多岐にわたる原因によって発生した損傷による段ボールシートの不良を高精度に検出可能とする。
【解決手段】ライナに貼り付けられた波形状をなす中芯の不良を検出する段ボールシートの不良検出装置において、中芯に向けて光を照射する照射装置と、中芯における光の照射部を撮像する撮像装置と、撮像装置により撮像された撮影画像に基づいて段ボールシートの搬送方向に沿う光量値の変化度合いを規定する画像処理装置と、光量値の変化度合いを予め設定された第1判定値と比較して良否を判定する第1判定装置と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライナに貼り付けられた波形状をなす中芯の不良を検出する段ボールシートの不良検出装置において、
前記中芯に向けて光を照射する照射装置と、
前記中芯における前記光の照射部を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置により撮像された撮影画像に基づいて前記段ボールシートの搬送方向に沿う光量値の変化度合いを規定する画像処理装置と、
前記光量値の変化度合いを予め設定された第1判定値と比較して良否を判定する第1判定装置と、
を備える段ボールシートの不良検出装置。
【請求項2】
前記第1判定装置は、増加する前記光量値が減少するときの光量値を光量大値と規定し、減少する前記光量値が増加するときの光量値を光量小値と規定し、前記光量大値と光量小値の少なくとも一方を前記第1判定値と比較して良否を判定する、
請求項1に記載の段ボールシートの不良検出装置。
【請求項3】
前記第1判定装置は、前記光量大値と前記光量小値の少なくとも一方が前記第1判定値としての予め設定された第1判定領域内にないときに不良品と判定する、
請求項2に記載の段ボールシートの不良検出装置。
【請求項4】
前記第1判定装置は、予め設定された所定長さにおける複数の前記光量大値のうちの最も光量が大きい光量最大値を基準値と規定し、前記基準値に余裕分を減算して前記第1判定領域の下限値を設定し、前記基準値に余裕分を加算して前記第1判定領域の上限値を設定する、
請求項3に記載の段ボールシートの不良検出装置。
【請求項5】
前記第1判定装置は、予め設定された所定長さにおける複数の前記光量小値のうちの最も光量が小さい光量最小を基準値と規定し、前記基準値に余裕分を減算して前記第1判定領域の下限値を設定し、前記基準値に余裕分を加算して前記第1判定領域の上限値を設定する、
請求項3に記載の段ボールシートの不良検出装置。
【請求項6】
前記第1判定装置は、前記光量大値と予め設定された最大値判定値との差と前記光量小値と予め設定された最小値判定値との差の少なくとも一方が予め設定された判定差より大きいときに水濡れによる不良品である判定する、
請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の段ボールシートの不良検出装置。
【請求項7】
前記第1判定装置は、前記光量大値と前記最大値判定値との差と前記光量小値と前記最小値判定値との差の少なくとも一方が予め設定された判定差より小さいときにしわによる不良品である判定する、
請求項6に記載の段ボールシートの不良検出装置。
【請求項8】
前記画像処理装置は、前記撮像装置により撮像された撮影画像に基づいて前記段ボールシートの搬送方向に沿う明部と暗部を規定可能であり、前記明部の長さと前記暗部の長さ少なくとも一方を予め設定された第2判定値と比較して良否を判定する第2判定装置を有し、前記第1判定装置と前記第2判定装置の少なくとも一方が前記段ボールシートを不良品であると判定すると、前記段ボールシートを不良品であると判定する、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の段ボールシートの不良検出装置。
【請求項9】
前記画像処理装置は、前記撮像装置により撮像された撮影画像に基づいて前記段ボールシートの搬送方向に沿う明部と暗部を規定可能であり、前記明部の長さと前記暗部の長さ少なくとも一方を予め設定された第2判定値と比較して良否を判定する第2判定装置を有し、前記第1判定装置が前記段ボールシートを良品であると判定すると、前記第2判定装置が判定処理を行う、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の段ボールシートの不良検出装置。
【請求項10】
ライナに貼り付けられた波形状をなす中芯の不良を検出する段ボールシートの不良検出方法において、
前記中芯に向けて光を照射する工程と、
前記中芯における前記光の照射部を撮像する工程と、
撮像された撮影画像に基づいて前記段ボールシートの搬送方向に沿う光量値の変化度合いを規定する工程と、
前記光量値の変化度合いを予め設定された第1判定値と比較して良否を判定する工程と、
を有する段ボールシートの不良検出方法。
【請求項11】
請求項1から請求項9に記載の段ボールシートの不良検出装置と、
前記段ボールシートの不良検出装置が検出した不良部を含む所定長さに切断された両面段ボールシートを排出する排出装置と、
を備える段ボールシートの不良除去装置。
【請求項12】
波形加工された中芯に第2ライナを貼り合わせて片面段ボールシートを製造するシングルフェーサと、
前記片面段ボールシートにおける前記中芯側に第1ライナを貼り合わせて両面段ボールシートを製造するダブルフェーサと、
請求項11に記載の段ボールシートの不良除去装置と、
を備える段ボールシートの製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表ライナと波形加工された中芯と裏ライナを貼り合わされた段ボールシートの不良を検出する段ボールシートの不良検出装置および方法、段ボールシートの不良検出装置を備える段ボールシートの不良除去装置、段ボールシートの不良除去装置を備える段ボールシートの製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
段ボールシートの製造装置としてのコルゲートマシンは、シングルフェーサと、ダブルフェーサとを備える。シングルフェーサは、芯紙を波形に加工し、裏ライナを貼合せて片面段ボールシートを形成する。ダブルフェーサは、片面段ボールシートに表ライナを貼り合わせて両面段ボールシートを形成する。ダブルフェーサにより製造されて連続する両面段ボールシートは、スリッタスコアラにより所定の幅に切断され、カットオフ装置により所定の長さに切断されて段ボールシートが製造される。
【0003】
シングルフェーサにて、波形の中芯を裏ライナに貼り合せて片面段ボールシートを形成するとき、中芯の波形が変形すると、波形の中芯に裏ライナや表ライナを貼り合わせるときに接着不良などの不良部が発生する。そのため、片面段ボールシートにおける中芯の変形を検出することで、不良の段ボールシートを検出することができる。このような段ボールシートの不良検出装置としては、例えば、下記特許文献1に記載されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、シングルフェーサにて、片面段ボールシートの不良は、中芯における波形の変形に限るものではない。例えば、冬季にシングルフェーサ内で発生した結露が中芯に付着して濡れたり、中芯を加熱するための蒸気が漏れて中芯が濡れたりする。また、中芯にごみなどの異物が付着する。さらに、中芯にしわが発生する。中芯が濡れたり、異物が付着したり、しわが発生したりすると、片面段ボールシートは不良品となる。ところが、上述した特許文献1に記載された段ボールシートの不良検出装置では、このような片面段ボールシートの不良を検出することが困難である。
【0006】
本開示は、上述した課題を解決するものであり、中芯における多岐にわたる原因によって発生した損傷による段ボールシートの不良を高精度に検出可能とする段ボールシートの不良検出装置および方法並びに段ボールシートの不良除去装置、段ボールシートの製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本開示の段ボールシートの不良検出装置は、ライナに貼り付けられた波形状をなす中芯の不良を検出する段ボールシートの不良検出装置において、前記中芯に向けて光を照射する照射装置と、前記中芯における前記光の照射部を撮像する撮像装置と、前記撮像装置により撮像された撮影画像に基づいて前記段ボールシートの搬送方向に沿う光量値の変化度合いを規定する画像処理装置と、前記光量値の変化度合いを予め設定された第1判定値と比較して良否を判定する第1判定装置と、を備える。
【0008】
また、本開示の段ボールシートの不良検出方法は、ライナに貼り付けられた波形状をなす中芯の不良を検出する段ボールシートの不良検出方法において、前記中芯に向けて光を照射する工程と、前記中芯における前記光の照射部を撮像する工程と、撮像された撮影画像に基づいて前記段ボールシートの搬送方向に沿う光量値の変化度合いを規定する工程と、前記光量値の変化度合いを予め設定された第1判定値と比較して良否を判定する工程と、を有する。
【0009】
また、本開示の段ボールシートの不良除去装置は、前記段ボールシートの不良検出装置と、前記段ボールシートの不良検出装置が検出した不良部を含む所定長さに切断された両面段ボールシートを排出する排出装置と、を備える。
【0010】
また、本開示の段ボールシートの製造装置は、波形加工された中芯に第2ライナを貼り合わせて片面段ボールシートを製造するシングルフェーサと、前記片面段ボールシートにおける前記中芯側に第1ライナを貼り合わせて両面段ボールシートを製造するダブルフェーサと、前記段ボールシートの不良除去装置と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本開示の段ボールシートの不良検出装置および方法並びに段ボールシートの不良除去装置、段ボールシートの製造装置によれば、中芯における多岐にわたる原因によって発生した損傷による段ボールシートの不良を高精度に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本実施形態の段ボールシートの製造装置としてのコルゲートマシンを表す概略図である。
【
図2】
図2は、本実施形態の段ボールシートの不良検出装置の装着状態を表す概略図である。
【
図3】
図3は、段ボールシートの不良検出装置を表す概略構成図である。
【
図4】
図4は、片面段ボールシートに対する照射装置および撮像装置の配置構成を表す概略図である。
【
図5】
図5は、片面段ボールシートの中芯に対する照射装置の照射角度を説明するための概略図である。
【
図6】
図6は、中芯の水濡れ不良の状態の陰影画像を表す概略図である。
【
図7】
図7は、中芯の水濡れ不良の状態の陰影画像における検出光量を表すグラフである。
【
図8】
図8は、本実施形態の段ボールシートの不良検出方法を表すフローチャートである。
【
図9】
図9は、本実施形態の段ボールシートの不良検出方法の変形例を表すフローチャートである。
【
図10】
図10は、判定領域の設定方法を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に図面を参照して、本開示の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。また、実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。
【0014】
[コルゲートマシン]
図1は、本実施形態の段ボールシートの製造装置としてのコルゲートマシンを表す概略図である。なお、以下の説明では、コルゲートマシンの長手方向をX方向、コルゲートマシンの長手方向(X方向)に直交する水平方向をY方向(段ボールシートの幅方向)、コルゲートマシンの長手方向(X方向)に直交する鉛直方向(段ボールシートの厚さ方向)をZ方向として説明する。
【0015】
図1に示すように、段ボールシートの製造装置としてのコルゲートマシン10は、まず、波形加工された中芯B1に裏ライナ(第2ライナ)C1を貼り合わせて片面段ボールシートD1を製造すると共に、波形加工された中芯B2に裏ライナ(第2ライナ)C2を貼り合わせて片面段ボールシートD2を製造する。次に、製造された片面段ボールシートD1の中芯B1に片面段ボールシートD2の裏ライナC2を貼り合せると共に、片面段ボールシートD2の中芯B2に表ライナ(第1ライナ)Aを貼り合わせて連続した複両面段ボールシートEを製造する。そして、連続した複両面段ボールシートEを所定長さに切断することで、板状の複両面段ボールシートFを製造するものである。なお、コルゲートマシン10は、片面段ボールシートD1と表ライナAのみを貼り合わせる、あるいは、片面段ボールシートD2と表ライナAのみを貼り合わせた両面段ボールシートEを製造することも可能である。そのため、以降の説明では、両面段ボールシートE、両面段ボールシートFと称して説明する。
【0016】
コルゲートマシン10は、中芯B1のミルロールスタンド11と、裏ライナC1のミルロールスタンド12と、シングルフェーサ13と、ブリッジ14と、中芯B2のミルロールスタンド15と、裏ライナC2のミルロールスタンド16と、シングルフェーサ17と、ブリッジ18と、表ライナAのミルロールスタンド19と、プレヒータ20と、グルーマシン21と、ダブルフェーサ22と、ロータリシャ23と、スリッタスコアラ24と、カットオフ25と、不良品排出装置26と、スタッカ27とを備える。
【0017】
ミルロールスタンド11,15は、X方向の両側にそれぞれ中芯B1,B2がロール状に巻かれたロール紙が装着され、各ロール紙の間に紙継ぎを行うスプライサが設けられる。一方のロール紙から給紙されているときに、他方のロール紙が装着されて紙継ぎ準備がなされ、スプライサは、一方のロール紙が残り少なくなると、一方のロール紙に他方のロール紙が紙継ぎされる。そのため、各ミルロールスタンド11,15から下流側へ向けて中芯B1,B2を連続的に給紙する。
【0018】
ミルロールスタンド12,16は、X方向の両側にそれぞれ裏ライナC1,C2がロール状に巻かれたロール紙が装着されており、各ロール紙の間に紙継ぎを行うスプライサが設けられる。一方のロール紙から給紙されているときに、他方のロール紙が装着されて紙継ぎ準備がなされ、スプライサは、一方のロール紙が残り少なくなると、一方のロール紙に他方のロール紙が紙継ぎされる。そのため、各ミルロールスタンド12,16から下流側へ向けて裏ライナC1,C2を連続的に給紙する。
【0019】
ミルロールスタンド11,15から繰り出される中芯B1,B2と、ミルロールスタンド12,16から繰り出される裏ライナC1,C2は、それぞれ図示しないプレヒータにより予熱される。各プレヒータは、内部に蒸気が供給される加熱ロールを有し、中芯B1,B2や裏ライナC1,C2を加熱ロールに巻き付けて搬送することで、所定温度まで昇温する。
【0020】
シングルフェーサ13は、加熱された中芯B1を波状に加工した後に各段頂部に糊付けし、加熱された裏ライナC1を貼り合わせて片面段ボールシートD1を形成する。シングルフェーサ13は、片面段ボールシートD1の出口部に取上げコンベアが設けられ、シングルフェーサ13で形成された片面段ボールシートD1をブリッジ14に搬送する。ブリッジ14は、シングルフェーサ13とダブルフェーサ22との速度差を吸収するため、片面段ボールシートD1を一次的に滞留させる。
【0021】
シングルフェーサ17は、加熱された中芯B2を波状に加工した後に各段頂部に糊付けし、加熱された裏ライナC2を貼り合わせて片面段ボールシートD2を形成する。シングルフェーサ17は、片面段ボールシートD2の出口部に取上げコンベアが設けられ、シングルフェーサ17で形成された片面段ボールシートD2をブリッジ18に搬送する。ブリッジ18は、シングルフェーサ17とダブルフェーサ22との速度差を吸収するため、片面段ボールシートD2を一次的に滞留させる。
【0022】
ミルロールスタンド19は、両側にそれぞれ表ライナAがロール状に巻かれたロール紙が装着され、各ロール紙の間に紙継ぎを行うスプライサが設けられる。一方のロール紙から給紙されているときに、他方のロール紙が装着されて紙継ぎ準備がなされ、スプライサは、一方のロール紙が残り少なくなると、一方のロール紙に他方のロール紙が紙継ぎされる。そのため、ミルロールスタンド19から下流側へ向けて表ライナAを連続的に給紙する。
【0023】
プレヒータ20は、3個の予熱ロール31,32,33がZ方向に並んで配置される。予熱ロール31は、表ライナAを加熱し、予熱ロール32は、片面段ボールシートD2を加熱し、予熱ロール33は、片面段ボールシートD1を加熱する。各予熱ロール31,32,33は、巻き付け量調整装置(図示略)を有すると共に、内部に蒸気が供給されて所定の温度に加熱され、周面に表ライナA、片面段ボールシートD2、片面段ボールシートD1が巻き付けられることで、予加熱する。
【0024】
グルーマシン21は、糊付けロール34,35がZ方向に並んで配置される。糊付けロール34は、予熱ロール32で加熱された片面段ボールシートD2における中芯B2の段の各頂部に接触して糊付けを行う。糊付けロール35は、予熱ロール33で加熱された片面段ボールシートD1における中芯B1の段の各頂部に接触して糊付けを行う。グルーマシン21により糊付けされた片面段ボールシートD1,D2は、次工程のダブルフェーサ22に移送される。予熱ロール31で加熱された表ライナAもグルーマシン21内を通ってダブルフェーサ22に移送される。
【0025】
ダブルフェーサ22は、各片面段ボールシートD1,D2および表ライナAの走行ラインに沿って、上流側のヒーティングセクション36と、下流側のクーリングセクション37とを有する。グルーマシン21で糊付けされた片面段ボールシートD1,D2および表ライナAは、ヒーティングセクション36にて、加圧ベルトと熱板との間に搬入され、互いに重なりあった状態で一体となってクーリングセクション37へ向けて移送される。この移送中、各片面段ボールシートD1,D2と表ライナAは、加圧されながら加熱されることで、互いに貼り合わされて連続した両面段ボールシートEとなり、その後、搬送されながら自然冷却される。
【0026】
ダブルフェーサ22で製造された両面段ボールシートEは、スリッタスコアラ24に移送される。スリッタスコアラ24は、幅広の両面段ボールシートEを所定の幅を持つようにX方向に沿って裁断し、且つ、X方向に延在する罫線を加工する。スリッタスコアラ24は、両面段ボールシートEのX方向に沿って配列された略同一構造をした第1スリッタスコアラユニット38と第2スリッタスコアラユニット39とから構成される。幅広の両面段ボールシートEは、スリッタスコアラ24により裁断されることで、所定幅の両面段ボールシートEが形成される。
【0027】
カットオフ25は、スリッタスコアラ24によってX方向に裁断された両面段ボールシートEをY方向に沿って切断し、所定長さをもった板状の両面段ボールシートFに形成する。不良品排出装置26は、後述する不良検出装置により不良品と判定された両面段ボールシートFを搬送ラインから排出する。不良品排出装置26は、図示しないが、排出コンベアと振分ロールとを有する。不良品と判定された板状の両面段ボールシートFが搬送されると、振分ロールが下降して不良品の板状の両面段ボールシートFを排出コンベアに振り分けて排出する。スタッカ27は、良品と判定された両面段ボールシートFを積み上げて製品として機外に排出する。
【0028】
[段ボールシートの不良検出装置]
本実施形態の段ボールシートの不良検出装置について説明する。
図2は、本実施形態の段ボールシートの不良検出装置の装着状態を表す概略図、
図3は、段ボールシートの不良検出装置を表す概略構成図である。
【0029】
図2に示すように、段ボールシートの不良検出装置40は、ブリッジ18とプレヒータ20との間に設けられる。段ボールシートの不良検出装置40は、第1不良検出装置40Aと、第2不良検出装置40Bとを有する。第1不良検出装置40Aは、片面段ボールシートD1(B1,C1)の不良を検出する。第2不良検出装置40Bは、片面段ボールシートD2(B2,C2)の不良を検出する。第1不良検出装置40Aと第2不良検出装置40Bは、ほぼ同様の構成である。ブリッジ14側から搬送された片面段ボールシートD1は、ガイドローラ41a,42a,43aにガイドされて第1不良検出装置40Aに至り、ガイドローラ44a,45a,46a,47aにガイドされてプレヒータ20側に搬送される。ブリッジ18側から搬送された片面段ボールシートD2は、ガイドローラ41b,42b,43bにガイドされて第2不良検出装置40Bに至り、ガイドローラ44b,45b,46bにガイドされてプレヒータ20側に搬送される。
【0030】
フレーム48に支持板49,50が固定され、支持板49にガイドローラ43a,43bが回転自在に支持され、支持板50にガイドローラ44a,44b,45a,45b,46a,46b,47aに回転自在に支持される。支持板49に撮像装置52a,52bが支持され、支持板50に照射装置51a,51bが支持される。
【0031】
図3に示すように、段ボールシートの不良検出装置40(40A,40B)は、波形状をなす中芯Bを外側にしてガイドローラ43,44,45,46により搬送される片面段ボールシートD(D1,D2)の不良を検出する。段ボールシートの不良検出装置40は、照射装置51(51a,51b)と、撮像装置52(52a,52b)と、制御装置53と、報知装置54と、表示装置55と、記憶装置56とを有する。制御装置53は、陰影画像処理装置57と、判定装置58とを有する。なお、制御装置53は、図示しないが、CPU、メモリ、I/Fなどを有する。CPU、メモリ、I/Fは、バスを介して相互に通信可能に接続される。CPUは、段ボールシートの不良検出装置40の動作を統括的に制御する。CPUは、例えば、メモリに記憶されている制御プログラムを実行することにより、段ボールシートの不良検出装置40の動作を制御する。
【0032】
また、本実施形態の段ボールシートの不良除去装置70は、段ボールシートの不良検出装置40と、不良品排出装置26と、制御装置53を構成する不良位置特定装置59と、追跡装置60とを有する。
【0033】
ガイドローラ43,44,45,46は、駆動回転または従動回転可能であって、外周部で片面段ボールシートDをガイドして搬送可能である。片面段ボールシートDは、波形状をなす中芯Bが裏ライナCに貼り合わされて形成されたものであり、ガイドローラ43は、波形状をなす中芯Bを外側にして片面段ボールシートDをガイドする。
【0034】
照射装置51は、片面段ボールシートDの垂線に対して予め設定された所定角度だけ傾斜した照射角度で中芯Bに向けて平行光を照射する。撮像装置52は、中芯Bにおける平行光の照射部(陰影)を撮像する。陰影画像処理装置57は、撮像装置52により撮像された撮影画像に基づいて片面段ボールシートDの搬送方向に沿う光量の変化度合いを規定すると共に、明部と暗部を規定する。判定装置58は、陰影画像処理装置57により規定された光量の変化度合いと明部の長さおよび暗部の長さをそれぞれ予め設定された判定値と比較して片面段ボールシートDの良否を判定する。
【0035】
報知装置54は、判定装置28の判定結果などを報知するものである。表示装置55は、判定装置58の判定結果などを表示するものである。記憶装置56は、判定装置58が使用する判定値などを格納する。
【0036】
また、不良位置特定装置59は、段ボールシートの不良検出装置40が検出した片面段ボールシートDにおける不良位置を特定する。追跡装置60は、不良位置特定装置29が特定した片面段ボールシートDにおける不良位置を追跡する。制御装置53は、追跡装置60の追跡結果に基づいて不良品排出装置26を作動させる。
【0037】
図4は、片面段ボールシートに対する照射装置および撮像装置の配置構成を表す側面図、
図5は、片面段ボールシートの中芯に対する照射装置の照射角度を説明するための概略図である。
【0038】
図3および
図4に示すように、照射装置51は、ガイドローラ45から所定距離だけ離間した位置に配置され、取付ブラケット71により装置本体(支持板50)に固定される。照射装置51は、ガイドローラ45の軸方向の長さに対応するように、ガイドローラ45の周面に対向して配置され、ガイドローラ45の外周面、つまり、ガイドローラ45によりガイドされる片面段ボールシートDの全幅の領域に向けて平行光を照射する。平行光とは、特に、ガイドローラ45を軸方向から見た場合、ガイドローラ45に向かって照射される光軸が放射状に広がらずに、互いに平行に直進する光である。なお、照射装置51は、1個の照射器または複数個の照射器により構成される。
【0039】
撮像装置52は、ガイドローラ45から所定距離だけ離間した位置に配置され、取付ブラケット72により装置本体(支持板49)に固定される。撮像装置52は、ガイドローラ45の軸方向における中間位置に対向して配置され、ガイドローラ45の外周面、つまり、ガイドローラ45によりガイドされる片面段ボールシートDの全幅の領域を撮像する。撮像装置52は、1個のラインカメラまたは複数個のラインカメラであって、波形状をなす中芯Bの山における照射部を撮像する。この場合、撮像装置52は、片面段ボールシートDの搬送方向に沿って1画素、片面段ボールシートDの幅方向に沿って複数画素の画像を取り込むことができる。そのため、撮像装置52は、片面段ボールシートDの搬送速度または中芯Bの山のピッチに応じて撮像間隔が設定される。
【0040】
撮像装置(ラインカメラ)52は、片面段ボールシートDの垂線、つまり、ガイドローラ45の中心を通る径方向に沿った線上に配置されるが、照射装置51は、片面段ボールシートDの垂線(ガイドローラ45の中心を通る径方向に沿った線)に対して所定角度だけ傾斜した角度(照射角度)の線上に配置される。
【0041】
図5に示すように、片面段ボールシートDは、裏ライナCに波形状をなす中芯Bが貼り付けられてなり、裏ライナCがガイドローラ43に接触し、中芯Bが外側に露出して搬送される。なお、片面段ボールシートDは、ガイドローラ45に支持されて弧状に走行するものであるが、ここでは、直線状に走行するものとして説明する。ガイドローラ45の中心および中芯Bの山頂部Baを通って径方向に沿う片面段ボールシートDの垂線L1が規定される。照射装置51による平行光Sの照射角度θ1は、この垂線L1に対する角度であり、垂線L1から中芯Bの山の斜面に沿う傾斜線L2までの角度θより大きい角度θ1に設定される。なお、中芯Bの山は、山頂部Baから裾野部にかけて外側に凸形状をなす第1曲線部Bbと、外側の凹形状をなす第2曲線部Bcとからなり、傾斜線L2は、第1曲線部Bbにおける最も裾野側の位置に対する接線である。照射装置51による平行光Sの照射角度θ1が垂線L1から傾斜線L2までの角度θより大きい角度θ1に設定されることから、照射光により山の陰影を生成することができる。
【0042】
図4に示すように、照射装置51は、所定の照射角度θ1で中芯Bに向けて平行光を照射し、撮像装置52は、この中芯Bの山における照射部を撮像する。そのため、明部Wと暗部Gとの間に境界線が明確に形成され、明部Wの長さと暗部Gの長さを高精度に規定することができる。
【0043】
図3に示すように、陰影画像処理装置57は、撮像装置52の撮影画像から中芯Bの各山の陰影から光量の変化度合いを規定する。この場合、撮像装置(ラインカメラ)52は、波形状をなす中芯Bにおける1個の山の陰影を、片面段ボールシートDの搬送方向に沿って1画素、片面段ボールシートDの幅方向に沿って複数画素の画像として取り込んでいる。そのため、陰影画像処理装置57は、この1画素×複数画素の画像を片面段ボールシートDの搬送方向に沿って複数個結合することで、片面段ボールシートDの所定長さにおける複数連続した光量値を規定する。
【0044】
また、陰影画像処理装置57は、撮像装置52の撮影画像から中芯Bの各山の陰影から明部Wと暗部Gを規定する。陰影画像処理装置57は、撮像装置(ラインカメラ)52の1画素×複数画素の画像を片面段ボールシートDの搬送方向に沿って複数個結合することで、片面段ボールシートDの所定長さにおける複数連続した明部Wと暗部Gを規定する。
【0045】
この場合、陰影画像処理装置57は、片面段ボールシートDの所定長さだけの明部Wや暗部Gの画像において、明部Wや暗部Gの撮像データの全部を片面段ボールシートDの幅方向に加算して明部Wや暗部Gを規定する。なお、片面段ボールシートDの所定長さだけの明部Wや暗部Gの画像において、明部Wや暗部Gの撮像データの一部だけを片面段ボールシートDの幅方向に加算して明部Wや暗部Gを規定してもよい。
【0046】
判定装置58は、第1判定装置58Aと、第2判定装置58Bとを有する。第1判定装置58Aは、陰影画像処理装置57が規定した光量の変化度合いに基づいて片面段ボールシートDの良否を判定する。第2判定装置58Bは、陰影画像処理装置57が規定した明部Wと暗部Gに基づいて片面段ボールシートDの良否を判定する。この場合、第1判定装置58Aと第2判定装置58Bとは、並行して片面段ボールシートDの不良判定処理を実行する。
【0047】
第1判定装置58Aは、陰影画像処理装置57により規定された光量の変化度合いを予め設定された第1判定値と比較して良否を判定する。撮像装置52は、照射光による中芯Bの各山の陰影を撮像することから、光量の変化度合いは、片面段ボールシートDの搬送方向で変化するものとなる。すなわち、上述した明部Wで増加し、暗部Gで減少する。第1判定装置58Aは、増加する光量値が減少するときの光量値を光量大値と規定し、減少する光量値が増加するときの光量値を光量小値と規定する。第1判定装置58Aは、光量大値と光量小値の少なくとも一方を第1判定値と比較して片面段ボールシートDの良否を判定する。
【0048】
この場合、第1判定装置58Aは、光量大値と最大値判定値(第1判定値)とを比較して片面段ボールシートDの良否を判定すると共に、光量小値と最小値判定値(第1判定値)とを比較して片面段ボールシートDの良否を判定する。すなわち、片面段ボールシートDが搬送されるとき、光量大値と光量小値が交互に連続して規定される。第1判定装置58Aは、光量大値の良否判定と光量小値の良否判定を連続して行う。なお、光量大値の良否判定と光量小値の良否判定のいずれか一方だけを実施するようにしてもよい。
【0049】
ここで、照射装置51における平行光Sの照射角度θ1が所定角度に設定されたとき、片面段ボールシートDにおける中芯Bの山の形状に応じて予め実験などにより光量の最大基準値と最小基準値が設定される。そして、最大基準値に所定の余裕度を減算して最大判定領域の下限値を設定し、最大基準値に所定の余裕度を加算して最大判定領域の上限値を設定する。同様に、最小基準値に所定の余裕度を減算して最小判定領域の下限値を設定し、最小基準値に所定の余裕度を加算して最小判定領域の上限値を設定する。第1判定装置58Aは、陰影画像処理装置57が処理して求めた光量大値が最大判定領域内にあれば片面段ボールシートDを良品と判定し、最大判定領域内になければ片面段ボールシートDを不良品と判定する。また、第1判定装置58Aは、陰影画像処理装置57が処理して求めた光量小値が最小判定領域内にあれば片面段ボールシートDを良品と判定し、最小判定領域内になければ片面段ボールシートDを不良品と判定する。
【0050】
図6は、中芯の水濡れ不良の状態の陰影画像を表す概略図、
図7は、中芯の水濡れ不良の状態の陰影画像における検出光量を表すグラフである。すなわち、
図6は、撮像装置52が撮像した波形状をなす中芯Bの陰影画像であり、
図7は、陰影画像処理装置57が処理した陰影撮影における所定の検査幅での光量の変化度合いである。
【0051】
図6に示すように、左右方向が片面段ボールシートDの搬送方向であり、一部に水濡れによる不良部分101が存在する。不良部分101は、水濡れにより黒くなり、反射光量が低下する。また、所定の検査幅が設定される。
図7に示すように、光量の変化度合いは、片面段ボールシートDの搬送方向で変化する。光量は、明部Wで増加し、暗部Gで減少する。光量が増加して所定の光量で減少するとき、このときの最大ピーク値を光量大値と規定する。一方、光量が減少して所定の光量で増加するとき、この時の最小ピーク値を光量小値と規定する。ここで、水濡れによる不良部分101は、反射光量が低下することから、光量大値と光量小値が低下している。
【0052】
そして、上述したように、最大基準値に所定の余裕度を減算して最大判定領域Jmaxの下限値Jmax2を設定し、最大基準値に所定の余裕度を加算して最大判定領域Jmaxの上限値Jmax1を設定する。同様に、最小基準値に所定の余裕度を減算して最小判定領域Jminの下限値Jmin2を設定し、最小基準値に所定の余裕度を加算して最小判定領域Jminの上限値Jmin1を設定する。第1判定装置58Aは、光量大値が最大判定領域Jmax内になければ片面段ボールシートDを不良品と判定する。また、第1判定装置58Aは、光量小値が最小判定領域Jmin内になければ片面段ボールシートDを不良品と判定する。すなわち、第1判定装置58Aは、光量大値と光量小値がそれぞれ最大判定領域Jmaxと最小判定領域Jminにない部分を片面段ボールシートDにおける不良部分であると判定する。
【0053】
上述した説明にて、水濡れにより発生した不良部分101は、黒くなって反射光量が低下することから、光量大値および光量小値は、最大判定領域Jmaxの下限値Jmax2および最小判定領域Jminの下限値Jmin2に対して大きく低下する。そのため、第1判定装置58Aは、光量大値と最大判定領域Jmaxの下限値Jmax2との差が予め設定された最大値判定差より大きいときに水濡れによる不良部分である判定する。また、第1判定装置58Aは、光量小値と最小判定領域Jminの下限値Jmin2との差が予め設定された最小値判定差より大きいときに水濡れによる不良部分である判定する。
【0054】
また、片面段ボールシートDにおける中芯Bの不良は、水濡れによるものだけではない。例えば、中芯Bにしわが発生して不良となることがある。しわにより発生した不良部分は、若干黒ずんで反射光量が若干低下することから、光量大値および光量小値は、最大判定領域Jmaxの下限値Jmax2および最小判定領域Jminの下限値Jmin2に対して小さく低下する。そのため、第1判定装置58Aは、光量大値と最大判定領域Jmaxの下限値Jmax2との差が予め設定された最大値判定差より小さいときにしわによる不良部分である判定する。また、第1判定装置58Aは、光量小値と最小判定領域Jminの下限値Jmin2との差が予め設定された最小値判定差より小さいときにしわによる不良部分である判定する。
【0055】
さらに、中芯Bに異物が付着して不良となることがある。異物の付着により発生した不良部分は、反射光量が上昇または低下することする。そのため、第1判定装置58Aは、光量大値と最大判定領域Jmaxとの差または光量小値と最小判定領域Jminとの差の大きさに応じて異物の付着による不良部分であると判定する。
【0056】
なお、最大判定領域Jmaxと最小判定領域Jminは、上述した方法により設定されるものに限らない。例えば、最大値判定値と最小値判定値を、既に良品と判定された複数の光量大値および複数の光量小値をそれぞれ平均して算出した値、いわゆる、移動平均値であってもよい。
【0057】
また、最大判定領域Jmaxと最小判定領域Jminは、片面段ボールシートDの種類(中芯Bの種類)ごとに設定され、記憶装置56に格納される。片面段ボールシートDは、特に、中芯Bの形状や材質などが相違する場合、反射光量が相違することから、光量大値および光量小値が相違する。そのため、中芯Bの種類に応じた複数種類の最大判定領域Jmaxおよび最小判定領域Jminが設定される。
【0058】
第2判定装置58Bは、陰影画像処理装置57により規定された明部Wの長さと暗部Gの長さを第2判定値と比較して片面段ボールシートDの良否を判定する。この場合、第2判定装置58Bは、明部Wの長さと明部判定値(第2判定値)とを比較して良否を判定すると共に、暗部Gの長さと暗部判定値(第2判定値)とを比較して良否を判定する。すなわち、片面段ボールシートDが搬送されるとき、明部Wと暗部Gが交互に連続して規定される。第2判定装置58Bは、明部Wの良否判定と暗部Gの良否判定を連続して行う。なお、明部Wの長さの良否判定と暗部Gの長さの良否判定のいずれか一方だけを実施するようにしてもよい。
【0059】
ここで、明部判定値と暗部判定値は、照射装置51における平行光Sの照射角度θ1が所定角度に設定されたとき、片面段ボールシートDにおける中芯Bの山の形状に応じて予め実験などにより明部基準値と暗部基準値が設定される。そして、明部基準値に所定の余裕度を減算して明部判定領域の下限値を設定し、明部基準値に所定の余裕度を加算して明部判定領域を設定する。同様に、暗部基準値に所定の余裕度を減算して暗部判定領域の下限値を設定し、暗部基準値に所定の余裕度を加算して暗部判定領域を設定する。第2判定装置58Bは、陰影画像処理装置57が処理して求めた明部Wの長さが、明部判定領域内にあれば片面段ボールシートDを良品と判定し、明部判定領域内になければ片面段ボールシートDを不良品と判定する。また、第2判定装置58Bは、陰影画像処理装置57が処理して求めた暗部Gの長さが、暗部判定領域内にあれば片面段ボールシートDを良品と判定し、暗部判定領域内になければ片面段ボールシートDを不良品と判定する。
【0060】
なお、明部判定値と暗部判定値は、上述した方法により設定されるものに限らない。例えば、明部判定値および暗部判定値を既に良否判定が終了した複数の明部Wの長さおよび複数の暗部Gの長さをそれぞれ平均して算出した値、いわゆる、移動平均値であってもよい。
【0061】
明部判定値と暗部判定値は、片面段ボールシートDの種類(中芯Bの種類)ごとに設定され、記憶装置56に格納される。片面段ボールシートDは、特に、中芯Bの形状(高さやピッチ)が相違する場合、陰影の形状が相違することから、明部Wの長さと暗部Gの長さが相違する。そのため、中芯Bの形状に応じた複数種類の明部判定値と暗部判定値が設定される。
【0062】
[段ボールシートの不良検出方法]
以下、段ボールシートの不良検出方法および除去方法について詳細に説明する。
図8は、本実施形態の段ボールシートの不良検出方法を表すフローチャートである。
【0063】
図8に示すように、段ボールシートの不良検出方法は、中芯Bに向けて光を照射する工程と、中芯Bにおける光の照射部を撮像する工程と、撮像された撮影画像に基づいて片面段ボールシートDの搬送方向に沿う光量値の変化度合いを規定する工程と、光量値の変化度合いを予め設定された第1判定値と比較して良否を判定する工程とを有する。
【0064】
図3および
図8に示すように、本実施形態は、第1判定装置58Aと第2判定装置58Bとが、並行して片面段ボールシートDの不良判定処理を実行する。ステップS11にて、撮像装置52は、中芯Bにおける平行光の照射部を撮像し、撮像画像を取得する。ステップS12にて、陰影画像処理装置57は、撮像装置52の撮影画像から中芯Bの各山の陰影から光量の変化度合いを規定する。すなわち、陰影画像処理装置57は、片面段ボールシートDの所定長さにおける複数連続した検出光量を出力する。
【0065】
ステップS13にて、第1判定装置58Aは、陰影画像処理装置57が処理して求めた光量大値が最大判定領域内にあるかどうかを判定する。ここで、光量大値が最大判定領域内にあると判定(Yes)されると、ステップS14に移行する。一方、光量大値が最大判定領域内にないと判定(No)されると、ステップS16にて、中芯Bが不良であると異常判定する。
【0066】
ステップS14にて、第1判定装置58Aは、陰影画像処理装置57が処理して求めた光量小値が最小判定領域内にあるかどうかを判定する。ここで、光量小値が最小判定領域内にあると判定(Yes)されると、ステップS15にて、正常判定する。一方、光量小値が最小判定領域内にないと判定(No)されると、ステップS16にて、中芯Bが不良であると異常判定する。
【0067】
一方、ステップS17にて、陰影画像処理装置57は、撮像装置52により取り込まれた中芯Bの陰影画像を射影する。即ち、1画素×複数画素の画像を搬送方向に複数撮影して並べた陰影画像にて、明部Wと暗部Gの撮像データを片面段ボールシートDの幅方向に加算し、加算輝度を算出する。そして、ステップS18にて、加算輝度を搬送方向に平滑化することによってノイズを除去する。ステップS19にて、搬送方向に隣接する画素の加算輝度の差を取って差分を求める。ステップS20にて、明部Wと暗部Gとのエッジでは、差分の値が大きくなるため、差分の値が大きくなるピーク値を抽出する。ステップS21にて、明部Wの長さと暗部Gの長さを算出する。
【0068】
そして、ステップS22にて、明部Wの長さが明部判定領域内にあるかどうかを判定する。ここで、明部Wの長さが明部判定領域内にあると判定(Yes)されると、ステップS23に移行する。一方、ステップS22にて、明部Wの長さが明部判定領域内にないと判定(No)されると、ステップS16にて、中芯Bが不良であると異常判定する。
【0069】
ステップS23にて、暗部Gの長さが暗部判定領域内にあるかどうかを判定する。ここで、暗部Gの長さが暗部判定領域内にあると判定(Yes)されると、ステップS15にて、正常判定する。一方、ステップS23にて、暗部Gの長さが暗部判定領域内にないと判定(No)されると、ステップS16にて、中芯Bが不良であると異常判定する。そして、ステップS24にて、第1判定装置58Aと第2判定装置58Bの両方で良品判定されたかどうかを判定する。すなわち、ステップS13,S14,S22,S23の判定がすべて正常判定であれば、このまま終了する。一方、ステップS13,S14,S22,S23の判定で、少なくとも1つの異常判定があると、ステップS25にて、不良品排出装置26により不良が含まれる不良品の両面段ボールシートFを搬送ラインから外部に排出する。
【0070】
なお、段ボールシートの不良検出方法は、上述した方法に限定されるものではない。
図9は、本実施形態の段ボールシートの不良検出方法の変形例を表すフローチャートである。
【0071】
図3および
図9に示すように、本実施形態の段ボールシートの不良検出方法の変形例は、第1判定装置58Aが片面段ボールシートDを不良品であると判定すると、第2判定装置58Bは、判定処理を実行しない。ステップS31にて、撮像装置52は、中芯Bにおける平行光の照射部を撮像し、撮像画像を取得する。ステップS32にて、陰影画像処理装置57は、撮像装置52の撮影画像から中芯Bの各山の陰影から光量の変化度合いを規定する。すなわち、陰影画像処理装置57は、片面段ボールシートDの所定長さにおける複数連続した検出光量を出力する。
【0072】
ステップS33にて、第1判定装置58Aは、陰影画像処理装置57が処理して求めた光量大値が最大判定領域内にあるかどうかを判定する。ここで、光量大値が最大判定領域内にあると判定(Yes)されると、ステップS34に移行する。一方、光量大値が最大判定領域内にないと判定(No)されると、ステップS43にて、中芯Bが不良であると異常判定し、ステップS44にて、不良品排出装置26により不良が含まれる不良品の両面段ボールシートFを搬送ラインから外部に排出する。
【0073】
ステップS34にて、第1判定装置58Aは、陰影画像処理装置57が処理して求めた光量小値が最小判定領域内にあるかどうかを判定する。ここで、光量小値が最小判定領域内にあると判定(Yes)されると、ステップS35に移行する。一方、光量小値が最小判定領域内にないと判定(No)されると、ステップS43にて、中芯Bが不良であると異常判定し、ステップS44にて、不良品排出装置26により不良が含まれる不良品の両面段ボールシートFを搬送ラインから外部に排出する。
【0074】
ステップS35にて、陰影画像処理装置57は、撮像装置52により取り込まれた中芯Bの陰影画像を射影する。即ち、1画素×複数画素の画像を搬送方向に複数撮影して並べた陰影画像にて、明部Wと暗部Gの撮像データを片面段ボールシートDの幅方向に加算し、加算輝度を算出する。そして、ステップS36にて、加算輝度を搬送方向に平滑化することによってノイズを除去する。ステップS37にて、搬送方向に隣接する画素の加算輝度の差を取って差分を求める。ステップS38にて、明部Wと暗部Gとのエッジでは、差分の値が大きくなるため、差分の値が大きくなるピーク値を抽出する。ステップS39にて、明部Wの長さと暗部Gの長さを算出する。
【0075】
そして、ステップS40にて、明部Wの長さが明部判定領域内にあるかどうかを判定する。ここで、明部Wの長さが明部判定領域内にあると判定(Yes)されると、ステップS41に移行する。一方、ステップS40にて、明部Wの長さが明部判定領域内にないと判定(No)されると、ステップS43にて、中芯Bが不良であると異常判定し、ステップS44にて、不良品排出装置26により不良が含まれる不良品の両面段ボールシートFを搬送ラインから外部に排出する。
【0076】
ステップS41にて、暗部Gの長さが暗部判定領域内にあるかどうかを判定する。ここで、暗部Gの長さが暗部判定領域内にあると判定(Yes)されると、ステップS42に移行する。一方、ステップS41にて、暗部Gの長さが暗部判定領域内にないと判定(No)されると、ステップS43にて、中芯Bが不良であると異常判定し、ステップS44にて、不良品排出装置26により不良が含まれる不良品の両面段ボールシートFを搬送ラインから外部に排出する。そして、ステップS33,S34,S40,S41の判定で、中芯Bが不良ではないと判定されると、ステップS42にて、正常判定する。
【0077】
上述した実施形態では、第1判定装置58Aの判定処理に使用する最大判定領域および最小判定領域を実験などにより予め設定されたものとしたが、この構成に限定されるものではない。
図10は、判定領域の設定方法を表すフローチャートである。
【0078】
図10に示すように、ステップS51にて、中芯Bの紙継ぎが行われたかどうかを判定する。中芯Bの紙継ぎは、スプライサによって行われる。中芯Bの紙継ぎが行われると、スプライサから紙継ぎ信号が出力される。中芯Bの紙継ぎが行われたかどうかの判定は、紙継ぎ信号の有無により判定する。ここで、中芯Bの紙継が行われていないと判定(No)されると、中芯Bの種類が変更されていないと推定されることから、何もしないでこのルーチンを抜ける。一方、中芯Bの紙継ぎが行われたと判定(Yes)されると、ステップS52にて、紙継ぎが行われてから予め設定された所定時間が経過したかどうかを判定する。ここで、所定時間が経過していないと判定(No)されると、このまま待機する。一方、所定時間が経過したと判定されると、ステップS53に移行する。中芯Bの紙継ぎが行われると、中芯Bの種類が変更されている可能性があることから、最大判定領域および最小判定領域を変更する必要がある。また、紙継ぎが行われた後は、所定長さだけ中芯Bが重なっていることから、中芯Bの重なり部が撮像装置52を通過するまで待つ。つまり、所定時間とは、中芯Bの重なり部が撮像装置52を通過する時間である。
【0079】
ステップS53にて、撮像装置52が撮像した所定長さ(所定時間)の撮影画像を取得する。すなわち、所定数の光量大値と複数の光量小値を取り込む。ステップS54にて、複数の光量大値のうちの最も光量が大きい光量最大値を最大基準値と規定する。ステップS55にて、最大基準値に余裕度を減算して下限値を設定し、最大基準値に余裕度を加算して上限値を設定する。すなわち、下限値と上限値の設定により最大判定領域が設定される。この場合、例えば、最大基準値に余裕度として割合(例えば、80%)を乗算して下限値を算出し、最大基準値に余裕度としての割合(例えば、110%)を乗算して上限値を設定してもよい。
【0080】
ステップS56にて、複数の光量小値のうちの最も光量が小さい光量最小値を最小基準値と規定する。ステップS57にて、最小基準値に余裕度を減算して下限値を設定し、最小基準値に余裕度を加算して上限値を設定する。すなわち、下限値と上限値の設定により最小判定領域が設定される。この場合、例えば、最小基準値に余裕度として割合(例えば、80%)を乗算して下限値を算出し、最小基準値に余裕度としての割合(例えば、110%)を乗算して上限値を設定してもよい。このように中芯Bの紙継ぎが行われたとき、中芯Bの種類が変更された可能性があり、最大判定領域および最小判定領域を変更された中芯Bの種類に合わせて適正に設定することができる。
【0081】
[本実施形態の作用効果]
第1の態様に係る段ボールシートの不良検出装置は、中芯Bに向けて光を照射する照射装置51と、中芯Bにおける光の照射部を撮像する撮像装置52と、撮像装置52により撮像された撮影画像に基づいて片面段ボールシートDの搬送方向に沿う光量値の変化度合いを規定する陰影画像処理装置57と、光量値の変化度合いを予め設定された第1判定値と比較して良否を判定する第1判定装置58Aとを備える。
【0082】
第1の態様に係る段ボールシートの不良検出装置は、第1判定装置58Aが光量値の変化度合いを第1判定値と比較して良否を判定することから、中芯Bにおける水濡れ、しわ、異物付着などの多岐にわたる原因によって発生した損傷による不良を検出することができ、片面段ボールシートDの不良を高精度に検出することができる。
【0083】
第2の態様に係る段ボールシートの不良検出装置は、第1判定装置58Aは、増加する光量値が減少するときの光量値を光量大値と規定し、減少する光量値が増加するときの光量値を光量小値と規定し、光量大値と光量小値の少なくとも一方を第1判定値と比較して良否を判定する。これにより、中芯Bの不良の検出漏れが減少し、良否検出精度を向上することができる。
【0084】
第3の態様に係る段ボールシートの不良検出装置は、第1判定装置58Aは、光量大値と光量小値の少なくとも一方が第1判定値としての予め設定された第1判定領域内にないときに不良品と判定する。これにより、第1判定値を第1判定領域とすることで、良否検出精度を向上することができる。
【0085】
第4の態様に係る段ボールシートの不良検出装置は、第1判定装置58Aは、予め設定された所定長さにおける複数の光量大値のうちの最も光量が大きい光量最大値を基準値と規定し、基準値に余裕分を減算して第1判定領域の下限値を設定し、基準値に余裕分を加算して第1判定領域の上限値を設定する。これにより、中芯Bの種類が変更された場合であっても、偏光された中芯Bに対して最適な第1判定領域を設定することができ、不良の誤検出の発生を抑制することができる。
【0086】
第5の態様に係る段ボールシートの不良検出装置は、第1判定装置58Aは、予め設定された所定長さにおける複数の前記光量小値のうちの最も光量が小さい光量最小を基準値と規定し、基準値に余裕分を減算して第1判定領域の下限値を設定し、基準値に余裕分を加算して第1判定領域の上限値を設定する。これにより、中芯Bの種類が変更された場合であっても、偏光された中芯Bに対して最適な第1判定領域を設定することができ、不良の誤検出の発生を抑制することができる。
【0087】
第6の態様に係る段ボールシートの不良検出装置は、第1判定装置58Aは、光量大値と予め設定された最大値判定値との差と光量小値と予め設定された最小値判定値との差の少なくとも一方が予め設定された判定差より大きいときに水濡れによる不良品である判定する。これにより、水濡れによる不良品を高精度に検出することができると共に、不良品が発生する原因を特定し、対策を講じることができる。
【0088】
第7の態様に係る段ボールシートの不良検出装置は、第1判定装置58Aは、光量大値と最大値判定値との差と光量小値と最小値判定値との差の少なくとも一方が予め設定された判定差より小さいときにしわによる不良品である判定する。これにより、しわによる不良品を高精度に検出することができると共に、不良品が発生する原因を特定し、対策を講じることができる。
【0089】
第8の態様に係る段ボールシートの不良検出装置は、陰影画像処理装置57は、撮像装置52により撮像された撮影画像に基づいて片面段ボールシートDの搬送方向に沿う明部Wと暗部Gを規定可能であり、明部Wの長さと暗部Gの長さ少なくとも一方を予め設定された第2判定値と比較して良否を判定する第2判定装置58Bを有し、第1判定装置58Aと第2判定装置58Bの少なくとも一方が片面段ボールシートDを不良品であると判定すると、片面段ボールシートDを不良品であると判定する。これにより、片面段ボールシートDの不良判定を高精度に行うことができる。
【0090】
第9の態様に係る段ボールシートの不良検出装置は、陰影画像処理装置57は、撮像装置52により撮像された撮影画像に基づいて片面段ボールシートDの搬送方向に沿う明部Wと暗部Gを規定可能であり、明部Wの長さと暗部Gの長さ少なくとも一方を予め設定された第2判定値と比較して良否を判定する第2判定装置58Bを有し、第1判定装置58Aが片面段ボールシートDを良品であると判定すると、第2判定装置58Bが判定処理を行う。これにより、片面段ボールシートDの不良判定を高精度に行うことができると共に、第1判定装置58Aが片面段ボールシートDを不良品であると判定すると、第2判定装置58Bが判定処理を行わないため、第2判定装置58Bによる無駄な処理を減少することができる。
【0091】
第10の態様に係る段ボールシートの不良除去方法は、中芯Bに向けて光を照射する工程と、中芯Bにおける光の照射部を撮像する工程と、撮像された撮影画像に基づいて片面段ボールシートDの搬送方向に沿う光量値の変化度合いを規定する工程と、光量値の変化度合いを予め設定された第1判定値と比較して良否を判定する工程とを有する。これにより、中芯Bにおける水濡れ、しわ、異物付着などの多岐にわたる原因によって発生した損傷による不良を検出することができ、片面段ボールシートDの不良を高精度に検出することができる。
【0092】
第11の態様に係る段ボールシートの不良除去装置は、段ボールシートの不良検出装置40と、段ボールシートの不良検出装置40が検出した不良部を含む所定長さに切断された両面段ボールシートFを排出する不良品排出装置26とを有する。これにより、段ボールシートの不良検出装置40は、多岐にわたる原因によって発生した損傷による不良を検出することができ、片面段ボールシートDの不良を高精度に検出し、不良部を含む段ボールシートを適正に排出することができる。
【0093】
第12の態様に係るコルゲートマシン(段ボールシートの製造装置)は、波形加工された中芯Bに裏ライナCを貼り合わせて片面段ボールシートDを製造するシングルフェーサ17と、シングルフェーサ17で製造される片面段ボールシートDにおける中芯B側に表ライナAを貼り合わせて両面段ボールシートEを製造するダブルフェーサ22と、段ボールシートの不良除去装置94とを有する。これにより、段ボールシートの不良検出装置40は、多岐にわたる原因によって発生した損傷による不良を検出することができ、片面段ボールシートDの不良を高精度に検出し、両面段ボールシートEの品質を向上することができる。
【0094】
なお、上述した実施形態にて、第1判定装置58Aは、光量大値と最大値判定値(最大判定領域)との比較により中芯Bの不良判定を行うと共に、光量小値と最小値判定値(最小判定領域)との比較により中芯Bの不良判定を行うように構成したが、この構成に限定されるものではない。本開示の段ボールシートの不良検出装置における判定装置は、光量値の変化度合いを予め設定された第1判定値と比較して良否を判定するものである。
【0095】
そのため、例えば、不良部の発生により光量大値と光量小値との一方が変動した時、光量大値の変化率が大きくなったり、光量小値の変化率が大きくなったりする。そこで、光量大値の変化率と第1判定値としての最大変化率判定値との比較により中芯Bの不良判定を行ったり、光量小値の変化率と第1判定値としての最小変化率判定値との比較により中芯Bの不良判定を行ったりしてもよい。すなわち、光量大値や光量小値の変動傾向に応じて中芯Bの不良判定を行ってもよい。
【符号の説明】
【0096】
10 コルゲートマシン(段ボールシートの製造装置)
11,12,15,16,19 ミルロールスタンド
13,17 シングルフェーサ
14,18 ブリッジ
20 プレヒータ
21 グルーマシン
22 ダブルフェーサ
23 ロータリシャ
24 スリッタスコアラ
25 カットオフ
26 不良品排出装置
27 スタッカ
40 段ボールシートの不良検出装置
40A 第1不良検出装置
40B 第2不良検出装置
51,51a,51b 照射装置
52,52a,52b 撮像装置
53 制御装置
54 報知装置
55 表示装置
56 記憶装置
57 陰影画像処理装置(画像処理装置)
58 判定装置
58A 第1判定装置
58B 第2判定装置
59 不良位置特定装置
60 追跡装置
70 段ボールシートの不良除去装置
A 表ライナ(第1ライナ)
B,B1,B2 中芯
C,C1,C2 裏ライナ(第2ライナ)
D,D1,D2 片面段ボールシート
E,F 両面段ボールシート
W 明部
G 暗部