(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181552
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】部材情報管理システム、管理装置及び管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20221201BHJP
【FI】
G06Q50/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021088560
(22)【出願日】2021-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷岡 和哉
(72)【発明者】
【氏名】西野 浩一
(72)【発明者】
【氏名】成嶋 順二
(72)【発明者】
【氏名】柿木 義広
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC07
(57)【要約】
【課題】規格設定の際の利便性を向上させることが可能な部材情報管理システム、管理装置及び管理プログラムを提供する。
【解決手段】
建築用の部材の属性について複数の規格を項目とし、複数の属性を関連付けた基本データベース111を備え、基本データベース111は、各属性間の規格の関係として、部材としての設定の可否の推奨程度を複数段階に分級した階級を記録している。基本データベース111に記録されている基礎となる部材の設置に関連して設定する関連部材の複数の規格を項目として有する属性を、複数関連付けた関連部材データベース112を設定可能である。関連部材データベース112は、基礎となる部材に設定された階級より高い推奨程度の階級の設定が禁止される。また、基本データベース111に記録されている部材の構成に用いられる子部材に関する情報を子部材データベース113に設定することが可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築用の部材に関する情報を管理する情報管理システムであって、
建築用の部材の属性について複数の規格を項目とし、複数の属性を関連付けた基本データベースを備え、
前記基本データベースは、各属性間の規格の関係として、部材としての設定の可否の推奨程度を複数段階に分級した階級を記録している
ことを特徴とする部材情報管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の部材情報管理システムであって、
前記部材は、サッシであり、
前記属性は、サッシの縦方向の長さの規格及び横方向の長さの規格を含み、
前記階級は、設定済み、設定可能及び設定不可を含む
ことを特徴とする部材情報管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の部材情報管理システムであって、
前記属性は、サッシの内装色及び外装色を更に含む
ことを特徴とする部材情報管理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の部材情報管理システムであって、
前記基本データベースに記録されている基礎となる部材の設置に関連して設定する関連部材の複数の規格を項目として有する属性を、複数関連付けた関連部材データベースと、
前記基本データベース及び前記関連部材データベースを管理する管理装置と
を備え、
前記関連部材データベースは、関連部材について、基礎となる部材と同様の項目の関連属性と、基礎となる部材と異なる独立属性とを、属性として設定されており、
前記管理装置は、
前記関連部材データベースにおける前記関連属性間の規格の関係の設定を受け付ける手段と、
受け付けた設定が、基礎となる部材に設定された階級より高い推奨程度の階級の場合、設定を禁止する手段と
を備える
ことを特徴とする部材情報管理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の部材情報管理システムであって、
前記基礎となる部材は、サッシであり、
前記関連部材は、額縁である
ことを特徴とする部材情報管理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の部材情報管理システムであって、
前記基本データベースに記録されている親となる部材の構成に用いられる子部材の複数の規格を項目として有する子属性を、複数関連付けた子部材データベースと、
前記基本データベース及び前記子部材データベースを管理する管理装置と
を備え、
前記子部材データベースは、子部材について、親となる部材と同様の項目の子属性を、属性として設定可能であり、
前記管理装置は、
前記基本データベースに記録されている親となる部材の構成に用いられる子部材の設定を、属性を指定して受け付ける手段と、
受け付けた属性のうち子属性については、親となる部材の属性と同様の階級を設定する手段と
を備えることを特徴とする部材情報管理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の部材情報管理システムであって、
前記親となる部材は、サッシである
ことを特徴とする部材情報管理システム。
【請求項8】
建築用の部材に関する情報を記録するデータベースを管理する管理装置であって、
建築用の部材の属性について複数の規格を項目とし、複数の属性を関連付けた基本データベースにアクセスする手段を備え、
前記基本データベースは、各属性間の規格の関係として、部材としての設定の可否の推奨程度を複数段階に分級した階級を記録しており、
前記基本データベースに記録されている基礎となる部材の設置に関連して設定する関連部材の複数の規格を項目として有する属性を、複数関連付けた関連部材データベースにアクセスする手段を備え、
前記関連部材データベースは、関連部材について、基礎となる部材と同様の項目の関連属性と、基礎となる部材と異なる独立属性とを、属性として設定されており、
更に、
前記関連部材データベースにおける前記関連属性間の規格の関係の設定を受け付ける手段と、
受け付けた設定が、基礎となる部材に設定された階級より高い推奨程度の階級の場合、設定を禁止する手段と
を備えることを特徴とする管理装置。
【請求項9】
建築用の部材に関する情報を記録するデータベースを管理する管理装置であって、
建築用の部材の属性について複数の規格を項目とし、複数の属性を関連付けた基本データベースにアクセスする手段を備え、
前記基本データベースは、各属性間の規格の関係として、部材としての設定の可否の推奨程度を複数段階に分級した階級を記録しており、
前記基本データベースに記録されている親となる部材の構成に用いられる子部材の複数の規格を項目として有する子属性を、複数関連付けた子部材データベースにアクセスする手段を備え、
前記子部材データベースは、子部材について、親となる部材と同様の項目の子属性と、親となる部材と異なる独立属性とを、属性として設定可能であり、
更に、
前記基本データベースに記録されている親となる部材の構成に用いられる子部材の設定を、属性を指定して受け付ける手段と、
受け付けた属性のうち子属性については、親となる部材の属性と同様の階級を設定する手段と
を備えることを特徴とする管理装置。
【請求項10】
建築用の部材の属性について複数の規格を項目とし、複数の属性を関連付けた基本データベースにアクセスする手段と、前記基本データベースに記録されている基礎となる部材の設置に関連して設定する関連部材の複数の規格を項目として有する属性を、複数関連付けた関連部材データベースにアクセスする手段とを備えるコンピュータにて実行可能な管理プログラムであって、
前記基本データベースは、各属性間の規格の関係として、部材としての設定の可否の推奨程度を複数段階に分級した階級を記録しており、
前記関連部材データベースは、関連部材について、基礎となる部材と同様の項目の関連属性と、基礎となる部材と異なる独立属性とを、属性として設定されており、
コンピュータに、
前記関連部材データベースにおける前記関連属性間の規格の関係の設定を受け付けるステップと、
受け付けた設定が、基礎となる部材に設定された階級より高い推奨程度の階級の場合、設定を禁止するステップと
を実行させることを特徴とする管理プログラム。
【請求項11】
建築用の部材の属性について複数の規格を項目とし、複数の属性を関連付けた基本データベースにアクセスする手段と、前記基本データベースに記録されている親となる部材の構成に用いられる子部材の複数の規格を項目として有する子属性を、複数関連付けた子部材データベースにアクセスする手段とを備えるコンピュータにて実行可能な管理プログラムであって、
前記基本データベースは、各属性間の規格の関係として、部材としての設定の可否の推奨程度を複数段階に分級した階級を記録しており、
前記子部材データベースは、子部材について、親となる部材と同様の項目の子属性と、親となる部材と異なる独立属性とを、属性として設定可能であり、
コンピュータに、
前記基本データベースに記録されている親となる部材の構成に用いられる子部材の設定を、属性を指定して受け付けるステップと、
受け付けた属性のうち子属性については、親となる部材の属性と同様の階級を設定するステップと
を実行させることを特徴とする管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築用の部材に関する情報を管理する部材情報管理システム、管理装置及び管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
本願出願人は、特許文献1に記載されているように、様々な属性について規格が設定された部材を管理する設計支援システム等を公開している。このようなシステムを利用すべく、例えば、サッシ等の建築用部材を新たに商品化する場合、縦横のサイズ、耐風圧等の様々な属性について、規格の設定が検討される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているような部材管理を行うシステムを利用する場合、部材について、様々な規格を設定する必要が生じる。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、部材に関する情報の設定を支援する部材情報管理システムの提供を主たる目的とする。
【0006】
また、本発明は、本発明に係る部材情報管理システムに用いられる管理装置の提供を他の目的とする。
【0007】
また、本発明は、本発明に係る管理装置を実現する管理プログラムの提供を更に他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本願開示の部材情報管理システムは、建築用の部材の属性について複数の規格を項目とし、複数の属性を関連付けた基本データベースを備え、前記基本データベースは、各属性間の規格の関係として、部材としての設定の可否の推奨程度を複数段階に分級した階級を記録していることを特徴とする。
【0009】
また、前記部材情報管理システムにおいて、前記部材は、サッシであり、前記属性は、サッシの縦方向の長さの規格及び横方向の長さの規格を含み、前記階級は、設定済み、設定可能及び設定不可を含むことを特徴とする。
【0010】
また、前記部材情報管理システムにおいて、前記属性は、サッシの内装色及び外装色を更に含むことを特徴とする。
【0011】
また、前記部材情報管理システムにおいて、前記基本データベースに記録されている基礎となる部材の設置に関連して設定する関連部材の複数の規格を項目として有する属性を、複数関連付けた関連部材データベースと、前記基本データベース及び前記関連部材データベースを管理する管理装置とを備え、前記関連部材データベースは、関連部材について、基礎となる部材と同様の項目の関連属性と、基礎となる部材と異なる独立属性とを、属性として設定されており、前記管理装置は、前記関連部材データベースにおける前記関連属性間の規格の関係の設定を受け付ける手段と、受け付けた設定が、基礎となる部材に設定された階級より高い推奨程度の階級の場合、設定を禁止する手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
また、前記部材情報管理システムにおいて、前記基礎となる部材は、サッシであり、前記関連部材は、額縁であることを特徴とする。
【0013】
また、前記部材情報管理システムにおいて、前記基本データベースに記録されている親となる部材の構成に用いられる子部材の複数の規格を項目として有する子属性を、複数関連付けた子部材データベースと、前記基本データベース及び前記子部材データベースを管理する管理装置とを備え、前記子部材データベースは、子部材について、親となる部材と同様の項目の子属性を、属性として設定可能であり、前記管理装置は、前記基本データベースに記録されている親となる部材の構成に用いられる子部材の設定を、属性を指定して受け付ける手段と、受け付けた属性のうち子属性については、親となる部材の属性と同様の階級を設定する手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
また、前記部材情報管理システムにおいて、前記親となる部材は、サッシであることを特徴とする。
【0015】
更に、本願開示の管理装置は、建築用の部材に関する情報を記録するデータベースを管理する管理装置であって、建築用の部材の属性について複数の規格を項目とし、複数の属性を関連付けた基本データベースにアクセスする手段を備え、前記基本データベースは、各属性間の規格の関係として、部材としての設定の可否の推奨程度を複数段階に分級した階級を記録しており、前記基本データベースに記録されている基礎となる部材の設置に関連して設定する関連部材の複数の規格を項目として有する属性を、複数関連付けた関連部材データベースにアクセスする手段を備え、前記関連部材データベースは、関連部材について、基礎となる部材と同様の項目の関連属性と、基礎となる部材と異なる独立属性とを、属性として設定されており、更に、前記関連部材データベースにおける前記関連属性間の規格の関係の設定を受け付ける手段と、受け付けた設定が、基礎となる部材に設定された階級より高い推奨程度の階級の場合、設定を禁止する手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
更に、本願開示の管理装置は、建築用の部材に関する情報を記録するデータベースを管理する管理装置であって、建築用の部材の属性について複数の規格を項目とし、複数の属性を関連付けた基本データベースにアクセスする手段を備え、前記基本データベースは、各属性間の規格の関係として、部材としての設定の可否の推奨程度を複数段階に分級した階級を記録しており、前記基本データベースに記録されている親となる部材の構成に用いられる子部材の複数の規格を項目として有する子属性を、複数関連付けた子部材データベースにアクセスする手段を備え、前記子部材データベースは、子部材について、親となる部材と同様の項目の子属性と、親となる部材と異なる独立属性とを、属性として設定可能であり、更に、前記基本データベースに記録されている親となる部材の構成に用いられる子部材の設定を、属性を指定して受け付ける手段と、受け付けた属性のうち子属性については、親となる部材の属性と同様の階級を設定する手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
更に、本願開示の管理プログラムは、建築用の部材の属性について複数の規格を項目とし、複数の属性を関連付けた基本データベースにアクセスする手段と、前記基本データベースに記録されている基礎となる部材の設置に関連して設定する関連部材の複数の規格を項目として有する属性を、複数関連付けた関連部材データベースにアクセスする手段とを備えるコンピュータにて実行可能な管理プログラムであって、前記基本データベースは、各属性間の規格の関係として、部材としての設定の可否の推奨程度を複数段階に分級した階級を記録しており、前記関連部材データベースは、関連部材について、基礎となる部材と同様の項目の関連属性と、基礎となる部材と異なる独立属性とを、属性として設定されており、コンピュータに、前記関連部材データベースにおける前記関連属性間の規格の関係の設定を受け付けるステップと、受け付けた設定が、基礎となる部材に設定された階級より高い推奨程度の階級の場合、設定を禁止するステップとを実行させることを特徴とする。
【0018】
更に、本願開示の管理プログラムは、建築用の部材の属性について複数の規格を項目とし、複数の属性を関連付けた基本データベースにアクセスする手段と、前記基本データベースに記録されている親となる部材の構成に用いられる子部材の複数の規格を項目として有する子属性を、複数関連付けた子部材データベースにアクセスする手段とを備えるコンピュータにて実行可能な管理プログラムであって、前記基本データベースは、各属性間の規格の関係として、部材としての設定の可否の推奨程度を複数段階に分級した階級を記録しており、前記子部材データベースは、子部材について、親となる部材と同様の項目の子属性と、親となる部材と異なる独立属性とを、属性として設定可能であり、コンピュータに、前記基本データベースに記録されている親となる部材の構成に用いられる子部材の設定を、属性を指定して受け付けるステップと、受け付けた属性のうち子属性については、親となる部材の属性と同様の階級を設定するステップとを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、建築用の部材の複数の規格を項目として有する属性を、複数関連付けた基本データベースに、各属性間の規格の関係として、部材としての設定の可否の推奨程度を複数段階に分級した階級を記録している。これにより、例えば、規格設定の際の利便性を向上させることが可能である等、優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本願開示の部材情報管理システムの概要の一例を示す説明図である。
【
図2】本願記載の管理装置及び端末装置の構成例を概念的に示すブロック図である。
【
図3】本願開示の部材情報管理システムにて用いられる管理装置にてアクセス可能な基本データベースの一例を概念的に示す説明図である。
【
図4】本願開示の部材情報管理システムにて用いられる管理装置にてアクセス可能な基本データベースの一例を概念的に示す説明図である。
【
図5】本願開示の部材情報管理システムにて用いられる管理装置にてアクセス可能な関連部材データベースの一例を概念的に示す説明図である。
【
図6】本願開示の部材情報管理システムにて用いられる管理装置にてアクセス可能な関連部材データベースの一例を概念的に示す説明図である。
【
図7】本願開示の部材情報関連システムにて用いられる管理装置にてアクセス可能な基本データベースと子部材データベースとの関係の一例を概念的に示す説明図である。
【
図8】本願開示の管理装置の関連部材情報設定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】本願開示の管理装置の子部材データベース設定処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について詳述する。なお、以下の実施形態は、本発明を具現化した一例であって、本発明の技術範囲を限定する性格のものではない。
【0022】
<適用例>
本願開示の部材情報管理システムは、例えば、新しく製造する建築用部材の規格の設定等の作業に用いられる。
【0023】
<システム構成例>
図1は、本願開示の部材情報管理システムの概要の一例を示す説明図である。本願開示の部材情報管理システムは、サーバコンピュータ等のコンピュータを用いた管理装置1を備えるシステムである。管理装置1は、基本データベース111、関連部材データベース112、子部材データベース113等の各種データベースにアクセスすることが可能であり、各種データベースに記録されている建築用の部材に関するデータの管理に用いられる。管理装置1は、インターネット、WAN(Wide Area Network )、LAN(Local Area Network)、その他専用通信網等の通信網NWに接続されている。通信網NWには、ノート型コンピュータ、デスクトップ型コンピュータ等のコンピュータを用いた端末装置2が接続されており、端末装置2は、通信網NWを介して管理装置1にアクセスすることが可能である。操作者は、端末装置2を使用して、例えば、新たに商品化する建築用の部材に関する規格の設定等の作業を行う。
【0024】
<各種装置のハードウェア構成>
次に、部材情報管理システムにて用いられる各種装置の構成について説明する。
図2は、本願記載の管理装置1及び端末装置2の構成例を概念的に示すブロック図である。
【0025】
部材情報管理システムにて用いられる管理装置1は、制御部10、記録部11、通信部12等の各種構成を備えている。本実施形態では、1台のコンピュータを用いて管理装置1を構成する実施形態について説明するが、複数のコンピュータを連係させて管理装置1として構成するようにしてもよい。
【0026】
制御部10は、情報処理回路、計時回路、レジスタ回路等の各種回路を備え、装置全体を制御する処理を実行するCPU(Central Processing Unit )等のプロセッサである。
【0027】
記録部11は、ハードディスク、SSD(Solid State Drive )、RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks )、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、及び各種RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリを用いて構成される記録用デバイスである。記録部11には、基本プログラム(OS:Operating System)、基本プログラム上で動作する応用プログラム(アプリケーションプログラム)等のプログラムが記録されている。応用プログラムの一つとして、記録部11には、管理装置1を実現するための管理プログラム110が記録されている。サーバコンピュータ等のコンピュータは、制御部10の制御により、記録部11に記録された管理プログラム110を実行することにより、本願開示の管理装置1として機能する。更に、記録部11の記録領域の一部は、基本データベース111、関連部材データベース112、子部材データベース113等の各種データベースとして用いられている。
【0028】
通信部12は、通信網NWに接続し、通信網NWを介して他の装置と通信する通信アダプタ及び制御回路等の通信用デバイスである。
【0029】
記録部11に記録されている各種データベースについて説明する。基本データベース111は、建築用の部材の複数の規格を項目として有する属性を、複数関連付けたデータベースである。基本データベース111は、各属性間の規格の関係として、部材としての設定の可否の推奨程度を複数段階に分級した階級を記録している。
【0030】
図3は、本願開示の部材情報管理システムにて用いられる管理装置1にてアクセス可能な基本データベース111の一例を概念的に示す説明図である。
図3は、建築用の部材として、サッシに関する情報を記録する基本データベース111の一例を示している。
図3に例示する基本データベース111は、建築用の部材であるサッシに関する属性、属性について設定される規格等の情報を2次元の表形式で記録している。
図3に例示する基本データベース111は、行方向(横方向)にサッシの水平方向の長さ等の属性が設定されており、列方向(縦方向)にサッシの垂直方向の長さ等の属性が設定されている。サッシの水平方向に関する属性には、「1N」、「1.25N」、「1.5N」、「2N」等のサッシの横方向の長さを示す規格、「標準」、「左入隅」、「右入隅」、「両入隅」等の設置箇所に係る規格等の項目が設定されている。サッシの垂直方向に関する属性には、「C」、「T」、「D」、「PS」等の記号にて示されるサッシの縦方向の長さを示す規格、所定の符号列(図中では数字で表記)にて示されるサッシの縦方向の規格等の項目が設定されている。
図3に例示する基本データベース111では、各属性間の規格の関係として、設定の可否の推奨程度を、「◎」、「○」、無印又は「×」の3段階に分級した階級として記録している。「◎」にて示す推奨程度は、規格として設定済みであり、推奨程度が最も高いことを示している。「○」にて示す推奨程度は、規格として設定可能であり、推奨程度が「◎」の次に高いことを示している。無印にて示す推奨程度は、特注品となることを示しており、推奨程度が「○」の次に高いことを示している。「×」にて示す推奨程度は、規格として設定不可であり、推奨程度が最も低いことを示している。
【0031】
図4は、本願開示の部材情報管理システムにて用いられる管理装置1にてアクセス可能な基本データベース111の一例を概念的に示す説明図である。
図4は、他の基本データベース111の例を示しており、
図4に例示する基本データベース111は、建築用の部材であるサッシに関する属性として色についての情報を2次元の表形式で記録している。
図4に例示する基本データベース111は、行方向に、「ソフトブラック」、「マイルドステン」、「シルキーホワイト」等のサッシの外装色に関する属性が設定されている。また、基本データベース111は、列方向に「ホワイト」、「クリア」、「グレー」、「ディープ」等の内装色に関する属性が設定されている。なお、「仮想色」は規格設定の際に用いられるダミーデータである。
図4に例示する基本データベース111でも、
図3に例示する基本データベース111と同様の推奨程度が示されている。
【0032】
管理装置1がアクセス可能な基本データベース111としては、
図3及び
図4以外にも、例えば、耐風圧の程度、アルゴンガスの含有有無等、様々な属性についての情報を記録した基本データベース111を設定することが可能である。なお、これらの基本データベース111には、「◎」、「○」無印又は「×」にて示される推奨程度ではなく、耐風圧の程度を示す記号、アルゴンガスの含有有無を示す記号等の情報が設定される。また、基本データベース111は、
図3及び
図4に例示した2次元の表形式に限らず、1次元又は3次元以上の表形式で設定することも可能である。また、例えば、
図3に例示した2次元の表形式の基本データベース111についても、水平方向に関する規格のみについての情報を記録する1次元の表形式と、垂直方向に関する規格のみの属性についての情報を記録する1次元の表形式との2つの基本データベース111として設定することも可能である。例えば、建築用の部材を新製品として開発した場合、その部材の様々な属性について、一又は複数の基本データベース111を設定し、当該部材に関する規格(グレード)の管理が行われる。
【0033】
関連部材データベース112は、基本データベース111に記録されている基礎となる部材の設置に関連して設定する関連部材の複数の規格を項目として有する属性を、複数関連付けたデータベースである。関連部材データベース112は、関連部材について、基礎となる部材と同様の項目の関連属性と、基礎となる部材と異なる独立属性とが、属性として設定されている。
【0034】
図5は、本願開示の部材情報管理システムにて用いられる管理装置1にてアクセス可能な関連部材データベース112の一例を概念的に示す説明図である。
図5は、基本部材となるサッシに対する関連部材として、額縁に関する情報を記録する関連部材データベース112の一例を示している。
図5は、関連部材データベース112のうち基本データベース111に記録されているサッシと同様の項目となる関連属性についての情報を2次元の表形式で示している。
図5に例示する関連部材データベース112では、サッシと同様の項目となる関連属性について示している。
図5に例示する関連部材データベース112は、行方向に水平方向に関する複数の規格が項目として設定されており、列方向にサッシの垂直方向に関する複数の規格が項目として設定されている。なお、関連部材データベース112の関連属性についての推奨程度の階級は、基礎となる部材に設定された階級より高い推奨程度の階級を設定することができない。例えば、基本データベース111で「◎」が設定されている項目については、関連部材データベース112で「◎」、「○」、無印又は「×」を設定することが可能である。また、基本データベース111で「○」が設定されている項目については、関連部材データベース112で、「○」、無印又は「×」を設定することが可能であるが、推奨程度が高い「◎」を設定することはできないようになっている。
【0035】
図6は、本願開示の部材情報管理システムにて用いられる管理装置1にてアクセス可能な関連部材データベース112の一例を概念的に示す説明図である。
図6は、基礎となるサッシに対する関連部材として、額縁に関する情報を記録する関連部材データベース112の一例を示している。
図6は、関連部材データベース112のうち基本データベース111に記録されているサッシと異なる項目となる独立属性についての情報を示している。
図6に例示する関連部材データベース112では、「居室/引き違い(2枚)」、「居室/引き違い配慮」、「アルミ樹脂複合サッシ/非防火仕様/通常」、「高断熱アルミ樹脂複合サッシ/非防火仕様/真空」等の独立属性が設定されており、それぞれの独立属性に関する推奨程度が設定されている。
【0036】
子部材データベース113は、基本データベース111に記録されている親となる部材の構成に用いられる子部材の複数の規格を項目として有する子属性を、複数関連付けたデータベースである。子部材データベース113は、子部材について、親となる部材と同様の項目の子属性を、属性として設定可能である。
【0037】
図7は、本願開示の部材情報関連システムにて用いられる管理装置1にてアクセス可能な基本データベース111と子部材データベース113との関係の一例を概念的に示す説明図である。
図7に示すように、基本データベース111に親部材としてサッシに関する情報を設定した場合、サッシの構成に用いられる「枠+障子+ガラス」、「網戸」、「額縁Lカバー」等の部材に関する情報が子部材データベース113に設定される。また、「枠+障子+ガラス」を基本データベース111として、「枠」の子部材データベース113を設定する等、階層的に設定することも可能である。
図7は、基本データベース111の規格として設定される属性について、子部材に引き継がれる子属性との関係を示している。基本データベース111に設定された親部材には、例えば、
図3乃至
図5を用いて説明した長さ及び色等の属性の他に、サッシとしての分類及び仕様を示す属性が項目として設定されている。これらのそれぞれの項目について、子部材に設定された子属性としての使用の可否が設定されている。図中、「○」が示された項目は、子部材の子属性として設定される項目であり、「×」が示された項目は、子部材には設定されない項目を示している。例えば、子部材として設定する「枠+障子+ガラス」には、住宅形式、サッシ種類、・・・、外装色、内装色等の属性についての設定が引き継がれる。また、例えば、子部材として設定する「網戸」には、住宅形式、サッシ種類等の属性についての設定は引き継がれるが、防火仕様等の属性についての設定は引き継がれない。また、子属性として設定された項目には、親となる部材の属性と同様の階級が設定される。
【0038】
以上のように、管理装置1は、基本データベース111、関連部材データベース112、子部材データベース113等の様々なデータベースにアクセスすることが可能である。また、基本データベース111、関連部材データベース112、子部材データベース113等の各種データベースは、それぞれ1つのみが設定されるのではなく、部材毎に複数設定されるものである。また、これらのデータベースは、階層的に複数設定することも可能である等、様々な設定に展開することが可能である。なお、本実施形態では、管理装置1が、記録部11内に各種データベースを設定し、制御部10からアクセスする形態を示したが、様々な形態に展開することが可能である。例えば、管理装置1の外部のデータベースサーバ等のコンピュータを記録装置として用い、記録装置に各種データベースを設定し、管理装置1から適宜アクセスし、情報の記録及び読取等の処理を行うようにすることも可能である。
【0039】
図2に戻り、部材情報管理システムにて用いられる端末装置2は、制御部20、記録部21、入力部22、表示部23、通信部24等の各種構成を備えている。
【0040】
制御部20は、装置全体を制御するCPU等のプロセッサである。
【0041】
記録部21は、不揮発性メモリ及び揮発性メモリを用いて構成される記録用デバイスである。記録部21には、基本プログラム、応用プログラム等のプログラムが記録されている。
【0042】
入力部22は、利用者の操作を受け付けるキーボード、マウス、タッチパネル等の入力用デバイスである。表示部23は、画像を表示する液晶ディスプレイ等の出力用デバイスである。
【0043】
通信部24は、有線通信を行う通信アダプタ又は無線通信を行うアンテナ並びにその制御回路等の通信用デバイスである。
【0044】
<装置のソフトウェア処理>
次に、部材情報管理システムにて用いられる各種装置の処理について説明する。
図8は、本願開示の管理装置1の関連部材情報設定処理の一例を示すフローチャートである。関連部材情報設定処理は、関連部材データベース112に関連部材の設定を記録する処理である。
【0045】
端末装置2を操作する操作者は、端末装置2を操作し、関連部材の設定操作を行う。操作者の操作を受け付けた端末装置2は、管理装置1にアクセスし、受け付けた入力内容に基づいて関連部材の設定を行う。ここでは、関連部材の設定として、基本データベース111に設定されているサッシ等の部材を基本部材として指定し、基本部材に関連する関連部材の属性及び推奨程度を入力して関連部材に係る情報を記録した関連部材データベース112を設定する例について説明する。
【0046】
管理装置1が備える制御部10は、記録部11に記録された管理プログラム110を実行することにより、関連部材情報設定処理を実行する。端末装置2からのアクセスを受け付けた管理装置1の制御部10は、端末装置2から基本データベース111の指定を受け付け(S101)、指定された基本データベース111に設定されている属性のうち関連部材データベース112にも設定する属性の指定を関連属性の指定として受け付ける(S102)。更に、制御部10は、基本データベース111に設定されている属性とは異なる独立属性の設定を受け付ける(S103)。
【0047】
制御部10は、ステップS101にて指定された基本データベース111に設定されている属性のうち、ステップS102指定された関連属性を引き継ぎ、ステップS102にて設定された独立属性を設定した関連部材データベース112を設定する(S104)。関連属性として設定を引き継いだ属性の項目には、同様の情報、例えば、「◎」、「○」、無印、「×」等の推奨程度の階級等の情報が設定されている。
【0048】
操作者は、端末装置2を操作し、関連部材データベース112に設定されている属性の項目の指定及び指定された項目に対する設定の入力を行う。
【0049】
管理装置1の制御部10は、端末装置2からの項目の指定及び指定された項目に対する設定の入力を受け付ける(S105)。制御部10は、指定された項目が関連属性についての項目であるか否かを判定する(S106)。
【0050】
ステップS106において、関連属性についての項目であると判定した場合(S106:YES)、制御部10は、入力された設定が、基礎となる部材に設定された階級より高いか否かを判定する(S107)。ステップS107では、例えば、基本データベース111に記録された基礎となる部材で「○」が設定されている項目については、推奨程度の階級が「○」より高い「◎」が入力されたか否かを判定する。「○」、無印又は「×」が入力された場合、基礎となる部材に設定された階級より高くない(同等以下である)と判定する。
【0051】
ステップS107において、入力された設定が、基礎となる部材に設定された階級より高いと判定した場合(S107:YES)、制御部10は、入力された内容での設定を禁止し(S108)、ステップS105に戻り、以降の処理を繰り返す。ステップS108において、制御部10は、設定の禁止と共に、設定が禁止された理由等の情報を通信部12から端末装置2へ送信する。端末装置2では、管理装置1から送信された情報を通信部24にて受信し、表示部23に表示して操作者に伝える。
【0052】
ステップS107において、入力された設定が、基礎となる部材に設定された階級と同等又は低いと判定した場合(S107:NO)、制御部10は、当該項目について入力された内容を設定する(S109)。ステップS109では、操作者が入力した内容で当該項目についての規格の推奨程度が設定される。
【0053】
ステップS106において、独立属性についての項目であると判定した場合(S106:NO)、制御部10は、当該項目について入力された内容を設定する(S110)。ステップS110では、操作者が入力した内容で当該項目についての規格の推奨程度が設定される。
【0054】
以上のようにして、管理装置1は、関連部材情報設定処理を実行する。関連部材情報設定処理にて関連部材データベース112を設定することにより、例えば、一つ一つの属性及び階級を手作業で設定する場合と比べ、利便性を向上させ、ミスの発生を防止することが可能である等、優れた効果を奏する。
【0055】
図9は、本願開示の管理装置1の子部材データベース113設定処理の一例を示すフローチャートである。子部材データベース113設定処理は、子部材データベース113を設定する処理である。
【0056】
端末装置2を操作する操作者は、端末装置2を操作し、子部材データベース113の設定を行う。操作者の操作を受け付けた端末装置2は、管理装置1にアクセスし、受け付けた入力内容に基づいて子部材の設定を行う。ここでは、子部材の設定として、基本データベース111に設定されているサッシ等の部材を親部材として指定し、親部材の構成に用いられる子部材の属性及び推奨程度を入力して子部材に係る情報を記録した子部材データベース113を設定する例について説明する。
【0057】
管理装置1が備える制御部10は、記録部11に記録された管理プログラム110を実行することにより、子部材データベース113設定処理を実行する。端末装置2からのアクセスを受け付けた管理装置1の制御部10は、端末装置2から基本データベース111の指定を受け付け(S201)、指定された基本データベース111に記録されている親となる部材の構成に用いられる子部材の設定を受け付ける(S202)。ステップS202では、例えば、親となるサッシに対し、サッシの構成に用いられる「枠+障子+ガラス」、「網戸」、「額縁Lカバー」等の子部材の設定を受け付ける。
【0058】
更に、管理装置1の制御部10は、端末装置2から子部材に設定する属性の指定を受け付ける(S203)。ステップ203では、親部材に設定されている属性のうちから、子部材に設定する属性の指定を受け付ける。
【0059】
管理装置1の制御部10は、指定された属性を示す項目に、親部材の同様の推奨程度の階級を設定した子部材の規格を示す子部材データベース113を設定する(S204)。
【0060】
以上のようにして、管理装置1は、子部材データベース設定処理を実行する。子部材データベース設定処理にて子部材データベース113を設定することにより、例えば、一つ一つの属性及び階級を手作業で設定する場合と比べ、利便性を向上させ、ミスの発生を防止することが可能である等、優れた効果を奏する。
【0061】
以上詳述した如く、本願開示の部材情報管理システムは、部材の規格設定の際の利便性を向上させることが可能である等、優れた効果を奏する。
【0062】
本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形態で実施することが可能である。そのため、かかる実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。更に、請求の範囲の均等範囲に属する変形及び変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【0063】
例えば、前記実施形態では、操作者が、端末装置2を操作して管理装置1に各種データベースを管理させる形態を示したが、本発明はこれに限らず、操作者が管理装置1を操作する形態等、様々な形態に展開することが可能である。
【符号の説明】
【0064】
1 管理装置
10 制御部
11 記録部
110 管理プログラム
111 基本データベース
112 関連部材データベース
113 子部材データベース
12 通信部
2 端末装置
20 制御部
21 記録部
22 入力部
23 表示部
24 通信部
NW 通信網