(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181554
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】インセルタッチパネル
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20221201BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20221201BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20221201BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20221201BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
G06F3/041 412
G06F3/041 430
G06F3/044 126
G02F1/1333
G09F9/30 349Z
G09F9/30 349A
G09F9/30 338
G09F9/00 366A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021088562
(22)【出願日】2021-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 桂子
(74)【代理人】
【識別番号】100216770
【弁理士】
【氏名又は名称】三品 明生
(74)【代理人】
【識別番号】100217364
【弁理士】
【氏名又は名称】田端 豊
(72)【発明者】
【氏名】木田 和寿
(72)【発明者】
【氏名】箕浦 潔
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 孝
(72)【発明者】
【氏名】乃一 俊祐
(72)【発明者】
【氏名】杉田 靖博
(72)【発明者】
【氏名】三成 千明
【テーマコード(参考)】
2H189
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
2H189HA16
2H189LA10
2H189LA14
2H189LA19
2H189LA28
2H189LA31
5C094AA60
5C094BA43
5C094CA19
5C094DA13
5C094DA20
5C094EA04
5C094EA10
5C094ED03
5G435AA16
5G435BB12
5G435CC09
5G435EE49
5G435GG12
(57)【要約】
【課題】カラーフィルタが形成された第1基板上にトランスミッタ電極とレシーバ電極とを形成する場合でも、トランスミッタ電極とレシーバ電極とが短絡するのを防止することが可能なインセルタッチパネルを提供する。
【解決手段】インセルタッチパネル装置100は、第1基板10aと、第1基板10aよりもタッチ面とは反対側の層に形成された複数のカラーフィルタ11と、複数のカラーフィルタ11よりもタッチ面とは反対側の層に形成されたトランスミッタ電極12と、複数のカラーフィルタ11よりもタッチ面側の層に形成されたレシーバ電極13と、画素電極が配置された第2基板と、を備える。トランスミッタ電極12は、隣り合う複数のカラーフィルタ11の間と平面視で重なる部分に形成された空隙部12aを有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
前記第1基板よりもタッチ面とは反対側の層に形成された複数のカラーフィルタと、
前記複数のカラーフィルタよりも前記タッチ面とは反対側の層又は前記複数のカラーフィルタよりも前記タッチ面側の層の一方に形成されたトランスミッタ電極と、
前記複数のカラーフィルタよりも前記タッチ面とは反対側の層又は前記複数のカラーフィルタよりも前記タッチ面側の層の他方に形成されたレシーバ電極と、
前記第1基板に対向して配置された第2基板であって、画素電極が配置された第2基板と、を備え、
前記トランスミッタ電極及び前記レシーバ電極の少なくとも一方は、隣り合う前記複数のカラーフィルタの間と平面視で重なる部分に形成された空隙部を有する、インセルタッチパネル。
【請求項2】
前記複数のカラーフィルタよりも前記タッチ面とは反対側の層に形成されたオーバーコート膜と、
前記オーバーコート膜よりも前記タッチ面とは反対側の層に形成された共通電極と、をさらに備え、
前記トランスミッタ電極は、前記複数のカラーフィルタよりも前記タッチ面とは反対側の層で、かつ、前記オーバーコート膜よりも前記タッチ面側の層に形成されており、
前記レシーバ電極は、前記複数のカラーフィルタよりも前記タッチ面側の層に形成されている、請求項1に記載のインセルタッチパネル。
【請求項3】
前記レシーバ電極は、前記トランスミッタ電極が延びる方向に交差する方向に延びており、
前記レシーバ電極の幅は、前記トランスミッタ電極の幅よりも小さい、請求項1または2記載のインセルタッチパネル。
【請求項4】
前記複数のカラーフィルタは、第1の方向に並んで配置されており、
前記トランスミッタ電極は、前記第1の方向に交差する方向に延びており、
前記レシーバ電極は、前記第1の方向に交差する方向で、かつ、前記トランスミッタ電極が延びる方向に交差する方向に延びている、請求項1~3のいずれか1項に記載のインセルタッチパネル。
【請求項5】
前記第1基板又は前記第2基板のいずれか一方のうちの、前記第1の方向に直交する第2の方向の一方部分に形成されたトランスミッタ端子及びレシーバ端子と、
前記トランスミッタ電極のうちの、前記第2の方向の一方端部に接続されたトランスミッタ配線であって、前記トランスミッタ端子に接続されたトランスミッタ配線と、
前記レシーバ電極のうちの、前記第2の方向の一方端部に接続されたレシーバ配線であって、前記レシーバ端子に接続されたレシーバ配線と、をさらに備える、請求項4に記載のインセルタッチパネル。
【請求項6】
前記複数のカラーフィルタは、第1の方向に並んで配置されており、
前記トランスミッタ電極は、前記第1の方向に直交する方向に延びており、
前記レシーバ電極は、前記第1の方向に平行して延びている、請求項1~3のいずれか1項に記載のインセルタッチパネル。
【請求項7】
前記空隙部は、前記トランスミッタ電極において、隣り合う前記複数のカラーフィルタの間及び前記レシーバ電極に平面視で重なる部分に形成されている、請求項4~6のいずれか1項に記載のインセルタッチパネル。
【請求項8】
前記複数のカラーフィルタは、第1の方向に並んで配置されており、
前記トランスミッタ電極は、前記第1の方向に平行して延びており、
前記レシーバ電極は、前記第1の方向に直交する方向に延びており、
前記空隙部は、前記レシーバ電極において、隣り合う前記複数のカラーフィルタの間と平面視で重なる部分に形成されている、請求項2または3に記載のインセルタッチパネル。
【請求項9】
前記第1基板よりも前記タッチ面とは反対側の層に形成され、前記タッチ面側から入射した光を前記タッチ面側に反射させる反射層を、さらに備え、
前記複数のカラーフィルタは、青色フィルタと、赤色フィルタと、緑色フィルタと、を含み、
前記空隙部は、前記トランスミッタ電極及び前記レシーバ電極の少なくとも一方のうちの、前記緑色フィルタと前記青色フィルタ又は前記赤色フィルタとの間に平面視で重なる部分から、前記緑色フィルタに平面視で重なる部分に亘って設けられている、請求項1~8のいずれか1項に記載のインセルタッチパネル。
【請求項10】
前記空隙部は、前記トランスミッタ電極及び前記レシーバ電極の少なくとも一方のうちの、前記緑色フィルタと前記青色フィルタとの間に平面視で重なる部分から、前記緑色フィルタに平面視で重なる部分及び前記赤色フィルタに平面視で重なる部分に亘って設けられている、請求項9に記載のインセルタッチパネル。
【請求項11】
前記複数のカラーフィルタよりも前記タッチ面とは反対側の層に形成されたオーバーコート膜、をさらに備え、
前記オーバーコート膜は、前記トランスミッタ電極又は前記レシーバ電極に接続された接続導体が内側面に形成されたコンタクトホールを有し、
前記第2基板上に形成された金属製の配線部を、さらに備え、
前記接続導体は、前記金属製の配線部に接続されている、請求項1~10のいずれか1項に記載のインセルタッチパネル。
【請求項12】
前記第2基板上に配置され、前記画素電極に接続されたメモリ回路と、
前記トランスミッタ電極に駆動信号を供給するドライブ回路と、をさらに備え、
前記ドライブ回路は、前記メモリ回路にデータが書き込まれる期間内に、前記トランスミッタ電極に前記駆動信号を供給する、請求項1~11のいずれか1項に記載のインセルタッチパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、インセルタッチパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タッチパネルを備えたインセルタッチパネルが知られている。このようなインセルタッチパネルは、例えば、特許文献1に開示されている。
【0003】
上記特許文献1のインセルタッチパネルは、薄膜トランジスタ基板と、タッチセンサアレイと、薄膜トランジスタアレイと、カラーフィルタ基板と、カラーフィルタアレイとを備える。タッチセンサアレイ及び薄膜トランジスタアレイは、薄膜トランジスタ基板上に形成されている。また、カラーフィルタアレイは、カラーフィルタ基板上に形成されている。そして、このインセルタッチパネルは、1つのフレーム期間において、薄膜トランジスタアレイが駆動される表示モードと、タッチセンサアレイが駆動されるタッチセンシングモードとを交互に実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、薄膜トランジスタ基板にタッチセンサアレイが設けられている場合で、タッチセンサアレイとカラーフィルタ基板との間に他の電極(導体)が設けられる場合、タッチセンサアレイと指示体との間に形成される電界が当該他の電極に遮蔽されてしまう。これを防止するために、カラーフィルタ基板上にタッチセンサを構成するトランスミッタ電極及びレシーバ電極を形成しようとした場合、隣り合うカラーフィルタの隙間を介して、トランスミッタ電極とレシーバ電極とが短絡する場合があるという問題点がある。
【0006】
そこで、本開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、カラーフィルタが形成された基板上にトランスミッタ電極とレシーバ電極とを形成する場合でも、トランスミッタ電極とレシーバ電極とが短絡するのを防止することが可能なインセルタッチパネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示の一の態様に係るインセルタッチパネルは、第1基板と、前記第1基板よりもタッチ面とは反対側の層に形成された複数のカラーフィルタと、前記複数のカラーフィルタよりも前記タッチ面とは反対側の層又は前記複数のカラーフィルタよりも前記タッチ面側の層の一方に形成されたトランスミッタ電極と、前記複数のカラーフィルタよりも前記タッチ面とは反対側の層又は前記複数のカラーフィルタよりも前記タッチ面側の層の他方に形成されたレシーバ電極と、前記第1基板に対向して配置された第2基板であって、画素電極が配置された第2基板と、を備え、前記トランスミッタ電極及び前記レシーバ電極の少なくとも一方は、隣り合う前記複数のカラーフィルタの間と平面視で重なる部分に形成された空隙部を有する。
【発明の効果】
【0008】
上記構成によれば、カラーフィルタが形成された第1基板上にトランスミッタ電極とレシーバ電極とを形成する場合でも、トランスミッタ電極とレシーバ電極とが短絡するのを防止することが可能なインセルタッチパネルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係るインセルタッチパネル装置100の機能的構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態によるタッチパネル1の断面図である。
【
図3】
図3は、トランスミッタ電極12及びレシーバ電極13の構成を説明するためのカラーフィルタ基板10の一部の断面図である。
【
図4】
図4は、アクティブマトリクス基板20のX方向に沿った断面図である。
【
図5】
図5は、アクティブマトリクス基板20のY方向に沿った断面図である。
【
図6】
図6は、タッチパネル1における反射領域A1と透過領域A2とを説明するための模式図である。
【
図7】
図7は、アクティブマトリクス基板20における各回路と画素60との接続関係を説明するための図である。
【
図8】
図8は、トランスミッタ電極12、レシーバ電極13、及び共通電極15と、タッチセンサ制御回路53及びコントローラ2との接続を説明するための模式図である。
【
図9】
図9は、共通電極15に対する画素電極21の実効電位を説明するためのタイミング図である。
【
図10】
図10は、第1実施形態によるタッチパネル1の平面図である。
【
図11A】
図11Aは、レシーバ電極13とレシーバ配線16bとの接続について説明するためのタッチパネル1の一部の断面図であり、
図10の領域R1における断面図である。
【
図11B】
図11Bは、トランスミッタ電極12とトランスミッタ配線16aとの接続について説明するためのタッチパネル1の一部の断面図であり、
図10の領域R2における断面図である。
【
図11C】
図11Cは、共通電極15と信号線16cとの接続について説明するためのタッチパネル1の一部の断面図であり、
図10の領域R3における断面図である。
【
図12】
図12は、カラーフィルタ基板10の一部の平面図であり、
図10の領域R4の部分拡大図である。
【
図14】
図14は、空隙部212aの構成を説明するための図であり、
図13の領域R12の部分拡大図である。
【
図16】
図16は、空隙部313aの構成を説明するための図であり、
図15の領域R12の部分拡大図である。
【
図17】
図17は、カラーフィルタ基板310の一部の断面図である。
【
図18】
図18は、第2実施形態によるインセルタッチパネル装置400の平面図である。
【
図19】
図19は、第2実施形態によるカラーフィルタ基板410のレシーバ電極13が配置されている部分の断面図である。
【
図20】
図20は、第2実施形態によるカラーフィルタ基板410のレシーバ電極13が配置されていない部分の断面図である。
【
図21】
図21は、第2実施形態による空隙部412bを説明するための図である。
【
図22】
図22は、第2実施形態の第1変形例によるタッチパネル501の平面図である。
【
図23】
図23は、タッチパネル501の一部の平面図であり、
図22の領域R31の部分拡大図である。
【
図25】
図25は、空隙部613aの構成を説明するための図であり、
図24の領域R32の部分拡大図である。
【
図26】
図26は、カラーフィルタ基板310の一部の断面図である。
【
図27】
図27は、第3実施形態によるカラーフィルタ基板710のレシーバ電極13が配置されている部分の断面図である。
【
図28】
図28は、第1~第3実施形態の変形例によるタッチパネル801の一部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照し、本開示の実施形態を詳しく説明する。図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
【0011】
[第1実施形態]
第1実施形態によるインセルタッチパネル装置100の構成について説明する。
図1は、第1実施形態に係るインセルタッチパネル装置100の機能的構成を示すブロック図である。また、
図2は、第1実施形態によるタッチパネル1の断面図である。
【0012】
図1に示すように、インセルタッチパネル装置100は、タッチパネル1と、コントローラ2とを備える。タッチパネル1は、例えば、フルインセル型のタッチパネルである。タッチパネル1は、映像または画像を表示する表示パネルとしても機能する。コントローラ2は、タッチパネル1から取得したタッチ位置に基づいて、インセルタッチパネル装置100における各制御処理を実行するプロセッサを含む。また、タッチパネル1は、複数の画素60(
図7参照)の各々にメモリ回路62(
図7参照)が配置された、メモリインピクセル(MIP)型のディスプレイとして構成されている。
【0013】
図2に示すように、タッチパネル1は、カラーフィルタ基板10と、カラーフィルタ基板10に対向して配置されたアクティブマトリクス基板20と、カラーフィルタ基板10とアクティブマトリクス基板20とに挟持された液晶層30とを有する。また、カラーフィルタ基板10とアクティブマトリクス基板20とを挟むように一対の偏光板40aおよび40bが設けられている。また、カラーフィルタ基板10の表側(指示体によりタッチされるタッチ面側)には、偏光板40aを介してカバーガラス40が設けられている。また、アクティブマトリクス基板20の裏側には、偏光板40bを介してバックライト40cが設けられている。なお、「タッチ面」とは、本開示では、カラーフィルタ基板10の表面(カバーガラス40の表面)を意味する。
【0014】
ここで、第1実施形態では、
図2に示すように、カラーフィルタ基板10は、第1基板10aと、カラーフィルタ11と、トランスミッタ電極12と、レシーバ電極13と、オーバーコート膜14と、共通電極15と、を含む。カラーフィルタ11は、第1基板10aよりも上層に形成されている。なお、本願明細書では、カラーフィルタ基板10における「上」とは、液晶層30側(タッチ面とは反対側)を意味し、「下」とはカバーガラス40側(タッチ面側)を意味するものとして記載している。また、アクティブマトリクス基板20における「上」とは、液晶層30側(タッチ面側)を意味し、「下」とはバックライト40c側(タッチ面とは反対側)を意味するものとして記載している。
【0015】
カラーフィルタ11は、第1基板10aよりも上層に形成されている。トランスミッタ電極12は、カラーフィルタ11の上層に形成されている。レシーバ電極13は、カラーフィルタ11の下層に形成されている。オーバーコート膜14は、カラーフィルタ11よりも上層で、かつ、トランスミッタ電極12よりも上層に形成されている。共通電極15は、オーバーコート膜14よりも上層に形成されている。ここで、トランスミッタ電極又はレシーバ電極の少なくとも一方が共通電極15よりも、アクティブマトリクス基板20側(上層)に形成された場合には、上層に形成されたトランスミッタ電極又はレシーバ電極と指示体との間に形成される電界が、共通電極15によって遮蔽されてしまう。これに対して、上記の構成によれば、共通電極15がトランスミッタ電極12及びレシーバ電極13よりも上層に形成されるので、トランスミッタ電極12又はレシーバ電極13と指示体との間に形成される電界が共通電極15により遮蔽されるのを防止することができる。この結果、VA(Vertical Alignment)方式により液晶層30を駆動させる場合でも、VA方式のディスプレイをインセルタッチパネル装置100として構成することができる。
【0016】
図3は、トランスミッタ電極12及びレシーバ電極13の構成を説明するためのカラーフィルタ基板10の一部の断面図である。第1基板10aは、例えば、絶縁性のガラス基板である。
図3に示すように、カラーフィルタ11は、複数設けられている。複数のカラーフィルタ11は、それぞれ、カラーレジストから構成されている。そして、複数のカラーフィルタ11は、緑色フィルタ11Gと、赤色フィルタ11Rと、青色フィルタ11Bとを含む。ここで、隣り合うカラーフィルタ11の間には、ブラックマトリクスは設けられていない。これにより、ブラックマトリクスによるタッチパネル1の輝度の低下が防止されている。
【0017】
トランスミッタ電極12、レシーバ電極13、及び共通電極15は、例えば、透明電極(例えば、ITO:Indium Tin Oxide)から構成されている。また、
図2に示すオーバーコート膜14は、透明な樹脂材料から構成されている。共通電極15は、アクティブマトリクス基板20の画素電極21(
図4参照)に対向して配置されており、画素電極21との間に電界を生じさせる。また、共通電極15は、複数の画素電極21に共通して設けられている。これにより、第1実施形態によるタッチパネル1は、VA方式によって駆動される。
【0018】
図4は、アクティブマトリクス基板20のX方向に沿った断面図である。
図5は、アクティブマトリクス基板20のY方向に沿った断面図である。
図6は、タッチパネル1における反射領域A1と透過領域A2とを説明するための模式図である。
図4に示すように、アクティブマトリクス基板20には、反射板40dが設けられており、タッチパネル1は、反射型ディスプレイとして構成されている。従って、第1実施形態によるタッチパネル1は、反射板40dによる反射光と、バックライト40cからの光(透過した光)とを用いた、画像又は映像を表示する反射型と透過型とのハイブリッド型のタッチパネルである。
【0019】
図2に示すように、バックライト40cは、偏光板40bの裏面に設けられている。反射板40dは、カラーフィルタ基板10側から入射した光を反射させる。また、バックライト40cは、カラーフィルタ基板10側に光を照射する。また、
図6に示すように、反射板40dは、反射領域A1と透過領域A2とを含む。例えば、反射板40dには、平面視で中央部分にバックライト40cからの光がZ方向に通過する凹部(または孔部)が形成されており、当該凹部(または孔部)が透過領域A2として機能する。そして、液晶層30が駆動することにより、反射領域A1で反射した光、及び透過領域A2を透過した光が液晶層30を透過する状態と、拡散する状態とが切り替えられる。なお、
図4及び
図5は、反射領域A1における断面図である。
【0020】
図4及び
図5に示すように、アクティブマトリクス基板20では、バックライト40c側から、第2基板20a、ソースバスライン22、第1絶縁層23a、半導体層24とメモリ接続線25、第2絶縁層23b、ゲートバスライン26、第3絶縁層23c、反射板40d、第4絶縁層23d、画素電極21、及び第5絶縁層23eの順に配置されている。第2基板20aは、例えば、絶縁性のガラス基板である。画素電極21は、例えば、透明電極(ITO)から構成されている。ソースバスライン22、メモリ接続線25、及びゲートバスライン26は、金属材料(例えば、アルミニウム、チタン又は銅など)を含む。第1絶縁層23a~第5絶縁層23eは、それぞれ、無機材料又は有機材料からなる絶縁膜である。反射板40dは、例えば、光反射性を有する金属材料から構成されている。例えば、反射板40dは、アルミニウム又はアルミニウム合金を含む。また、
図5に示すように、画素電極21は、メモリ接続線25に接続されている。
【0021】
図7は、アクティブマトリクス基板20における各回路と画素60との接続関係を説明するための図である。複数のゲートバスライン26と複数のソースバスライン22とは、平面視において、図示しないが、互いに交差しており格子状に形成されている。また、アクティブマトリクス基板20上には、複数のゲートバスライン26と複数のソースバスライン22とにより区画される領域である画素60がマトリクス状に形成されている。
図7に示すように、アクティブマトリクス基板20には、ゲートドライブ回路51、ソースドライブ回路52、タッチセンサ制御回路53と、白色用電源回路54と、黒色用電源回路55とが設けられている。タッチセンサ制御回路53と、白色用電源回路54と、黒色用電源回路55とは、例えば、1つ又は複数の集積回路として構成されている。また、画素60には、薄膜トランジスタ61と、メモリ回路62と、スイッチング素子63とが設けられている。
【0022】
薄膜トランジスタ61のゲート電極が、ゲートバスライン26に接続されており、薄膜トランジスタ61のソース電極が、ソースバスライン22に接続されている。また、薄膜トランジスタ61のドレイン電極は、メモリ回路62に接続されている。メモリ回路62は、例えば、1bitのSRAM(Static Random Access Memory)を含む。スイッチング素子63は、メモリ回路62からの指令に応じて、画素電極21と第1配線63aとを接続する状態と、画素電極21と第2配線63bとを接続する状態とを切り替える。メモリ回路62は、薄膜トランジスタ61を介してソースドライブ回路52により書き込まれたデータ(メモリ回路62に保持されたデータ)に基づいて、スイッチング素子63を動作させる。また、メモリ回路62には、ゲートドライブ回路51からゲート信号が供給され、薄膜トランジスタ61がオンの状態にされることにより、ソースドライブ回路52からのソース信号によるデータ(「0」または「1」)が書き込まれる。
【0023】
図7に示すように、タッチセンサ制御回路53は、信号線16cを介して、共通電極15に接続されている。白色用電源回路54は、第1配線63aに接続されている。黒色用電源回路55は、第2配線63bに接続されている。これにより、画素電極21に、メモリ接続線25と、第1配線63aまたは第2配線63bとを介して常時電圧が供給される。
【0024】
図8は、トランスミッタ電極12、レシーバ電極13、及び共通電極15と、タッチセンサ制御回路53及びコントローラ2との接続を説明するための模式図である。
図9は、共通電極15に対する画素電極21の実効電位を説明するためのタイミング図である。
図8に示すように、コントローラ2とタッチセンサ制御回路53と共通電極15とは、接続されている。そして、コントローラ2からタッチセンサ制御回路53に、同期信号が供給される。タッチセンサ制御回路53は、同期信号に基づいて、共通電極15に電圧VCOMを供給する。電圧VCOMとは、画素電極21の電位に対する基準の電圧であり、画素電極21の電位と電圧VCOMとの電位差により液晶層30が駆動する。また、電圧VCOMは、所定の期間P1ごとに、極性が反転する。すなわち、共通電極制御回路53aは、共通電極15をCOM反転駆動させる。具体的には、「電圧VCOM」は、所定の期間P1ごとに、Highの電位の状態とLowの電位の状態とを交互に繰り返す。
【0025】
また、タッチセンサ制御回路53は、メモリ回路62にデータが書き込まれる期間内に、トランスミッタ電極12に駆動信号Txを供給する。すなわち、
図9に示すように、第1実施形態によるインセルタッチパネル装置100では、表示を行う期間P1と、タッチ検出を行うタッチセンサ期間Ptとが時分割されていない。そして、タッチセンサ制御回路53は、期間P1のうちの一部の期間であるタッチセンサ期間Ptに、トランスミッタ電極12に駆動信号Txを供給する。これにより、メモリ回路62を有するインセルタッチパネル装置100に合わせてドライブ回路を設計する必要がないので、タッチセンサ制御回路53として汎用のドライブ回路を用いることができ、インセルタッチパネル装置100の汎用性を向上させることができる。「駆動信号Tx」は、例えば、タッチセンサ期間Ptに電圧の極性を複数回反転させる信号である。
図9に示すように、トランスミッタ電極12と共通電極15とは、容量結合しているため、電圧VCOMが若干変動し、共通電極15に対する画素電極21の実効電位が若干変動するが、表示にはほとんど影響しない。
【0026】
そして、
図8に示すように、タッチセンサ制御回路53は、レシーバ電極13から検出信号Rxを取得する。タッチパネル1に指示体がタッチしている場合、トランスミッタ電極12とレシーバ電極13との相互容量が変化し、検出信号Rxの波形が変動する。タッチセンサ制御回路53は、検出信号Rxに基づいて相互容量を取得して、タッチを検出する。そして、タッチセンサ制御回路53は、タッチ検出された座標を、コントローラ2に送信する。
【0027】
図10は、第1実施形態によるタッチパネル1の平面図である。
図10に示すように、第1実施形態では、タッチパネル1(カラーフィルタ基板10)は、平面視で非矩形状を有し、例えば、円形状を有する。
【0028】
ここで、第1実施形態では、複数のトランスミッタ電極12は、
図10に示すX軸に交差するとともに及びY軸に交差するE軸に沿った方向に延びている。複数のトランスミッタ電極12は、E軸に直交するF軸に沿った方向に並んで配置されている。E軸とX軸とがなす角度は、例えば、45度である。また、複数のレシーバ電極13は、F軸に沿った方向に延びている。また、複数のレシーバ電極13は、E軸に沿った方向に並んで配置されている。すなわち、複数のレシーバ電極13は、トランスミッタ電極12が延びる方向に交差する方向に延びている。
【0029】
また、第1実施形態では、レシーバ電極13の幅W1は、トランスミッタ電極12の幅W2よりも小さい。レシーバ電極13の幅W1が小さいことにより、トランスミッタ電極12とレシーバ電極13とのカップリング容量(負荷容量)を低減することができる。この結果、カップリング容量に起因したレシーバ電極13からのシグナルの低下を防止することができる。
【0030】
図10に示すように、タッチパネル1は、複数のトランスミッタ電極12にそれぞれ接続された複数のトランスミッタ配線16aと、複数のレシーバ電極13にそれぞれ接続されたレシーバ配線16bと、端子部17とを含む。トランスミッタ配線16aは、トランスミッタ電極12のE軸の負側の端部に接続されている。また、レシーバ配線16bは、レシーバ電極13のY軸の負側の端部に接続されている。また、端子部17は、複数のトランスミッタ電極12及び複数のレシーバ電極13よりもY軸の負側において、アクティブマトリクス基板20上に配置されている。端子部17は、複数のトランスミッタ配線16aにそれぞれ接続された複数のトランスミッタ端子17aと、複数のレシーバ配線16bに接続された複数のレシーバ端子17bとを含む。そして、複数のトランスミッタ配線16a、及び複数のレシーバ配線16bは、タッチパネル1のY軸の負側の部分において、アクティブマトリクス基板20上に形成されている。そして、端子部17は、図示しないフレキシブルプリント基板に接続されており、コントローラ2と複数のトランスミッタ電極12及び複数のレシーバ電極13とを電気的に接続する。トランスミッタ配線16a、レシーバ配線16b、及び、後述する信号線16cは、金属材料(例えば、アルミニウム、チタン又は銅など)を含む。
【0031】
また、
図10に示すように、タッチパネル1のY軸の正側の部分に、GPSアンテナ31及び通信回路32が配置されている。コントローラ2は、GPSアンテナ31を介して、位置情報を取得する。また、コントローラ2は、通信回路32を介して、他の機器と無線通信を行う。
【0032】
図11Aは、レシーバ電極13とレシーバ配線16bとの接続について説明するためのタッチパネル1の一部の断面図であり、
図10の領域R1における断面図である。
図11Bは、トランスミッタ電極12とトランスミッタ配線16aとの接続について説明するためのタッチパネル1の一部の断面図であり、
図10の領域R2における断面図である。
図11Cは、共通電極15と信号線16cとの接続について説明するためのタッチパネル1の一部の断面図であり、
図10の領域R3における断面図である。
図11Aに示すように、オーバーコート膜14には、コンタクトホール14aが設けられている。コンタクトホール14aには、レシーバ配線16bに接続された導体51b及び導電材料を含むコモン転移材52bが配置されている。導体51bは、レシーバ電極13に接続している。これにより、カラーフィルタ基板10のレシーバ電極13と、アクティブマトリクス基板20のレシーバ配線16bとが接続される。また、
図11Bに示すように、オーバーコート膜14には、コンタクトホール14bが設けられている。コンタクトホール14bには、トランスミッタ配線16aに接続された導体51a及び導電材料を含むコモン転移材52aが配置されている。導体51aは、トランスミッタ電極12に接続している。これにより、カラーフィルタ基板10のトランスミッタ電極12と、アクティブマトリクス基板20のトランスミッタ配線16aとが接続される。また、
図11Cに示すように、共通電極15上に導電材料を含むコモン転移材52cが配置されている。これにより、カラーフィルタ基板10の共通電極15は、コモン転移材52cを介して、アクティブマトリクス基板20の信号線16cに接続されている。コモン転移材52a~52cは、例えば、接着性を有する樹脂材料と導電材料とが混合された材料から構成されている。
【0033】
この構成によれば、透明電極よりも抵抗値の小さい金属製のトランスミッタ配線16aと金属製のレシーバ配線16bと金属製の信号線16cとを用いることにより、配線抵抗を低減することができる。これにより、トランスミッタ電極12への信号及びレシーバ電極13からの信号に対する配線抵抗の影響を低減することができる。また、第1実施形態のように、アクティブマトリクス基板20上にタッチセンサ制御回路53が設けられている場合でも、コンタクトホール14a及び14b内の導体51a及び51bと、トランスミッタ配線16aとレシーバ配線16bを用いて容易にトランスミッタ電極12又はレシーバ電極13とタッチセンサ制御回路53とを接続することができる。
【0034】
(空隙部に関する構成)
図12は、カラーフィルタ基板10の一部の平面図であり、
図10の領域R4の部分拡大図である。
図12に示すように、青色フィルタ11Bと緑色フィルタ11Gと赤色フィルタ11Rとは、X方向に並んで配置されている。第1実施形態では、
図3及び
図12に示すように、トランスミッタ電極12は、レシーバ電極13が配置されている位置において、空隙部12aを有する。
図12に示すように、空隙部12aは、第1実施形態では、平面視で開口(穴状)として形成されている。また、空隙部12aは、トランスミッタ電極12のうちのレシーバ電極13と交差する位置に設けられている。そして、空隙部12aは、隣り合う赤色フィルタ11Rと緑色フィルタ11Gとの間、隣り合う緑色フィルタ11Gと青色フィルタ11Bとの間、及び、隣り合う青色フィルタ11Bと赤色フィルタ11Rとの間と、平面視で重なる部分の各々に形成されている。なお、「空隙部12a」とは、第1実施形態では、トランスミッタ電極12が設けられていない部分を意味し、当該空隙部12aに他の部材(例えば、オーバーコート膜14の一部)が空隙部12a内に配置されていてもよい。
【0035】
図12に示すように、空隙部12aは、平面視で、例えば、矩形状に形成されている。空隙部12aのX軸に沿った幅W3は、隣り合うカラーフィルタ11の隙間W4よりも大きい。また、空隙部12aのY軸に沿った長さL1は、隣り合うカラーフィルタ11の間に配置されたレシーバ電極13のY軸に沿った長さL2よりも大きい。これにより、トランスミッタ電極12とレシーバ電極13とが短絡するのをより確実に防止することができる。
【0036】
また、トランスミッタ電極12は、複数の空隙部12aの間に導体部12bを含む。導体部12bにより、トランスミッタ電極12のレシーバ電極13よりもY軸の正側の部分と、負側の部分とが接続されている。
【0037】
上記の構成によれば、カラーフィルタ11が形成された第1基板10a上にトランスミッタ電極12とレシーバ電極13とを形成する場合でも、空隙部12aにより、トランスミッタ電極12とレシーバ電極13とが短絡するのを防止することができる。
【0038】
[第1実施形態の第1変形例]
次に、
図13及び
図14を参照して、第1実施形態の第1変形例によるタッチパネル201の構成について説明する。
図13は、タッチパネル201の平面図である。
図14は、空隙部212aの構成を説明するための図であり、
図13の領域R11の部分拡大図である。
【0039】
図13に示すように、タッチパネル201は、Y軸に沿った方向に延びる複数のトランスミッタ電極212と、X軸に沿った方向に延びる複数のレシーバ電極213とを含む。複数のトランスミッタ電極212は、X軸に沿った方向に並んで配置されている。複数のレシーバ電極213は、Y軸に沿った方向に並んで配置されている。また、タッチパネル201は、端子部217と、複数のトランスミッタ配線216aと、複数のレシーバ配線216bとを含む。トランスミッタ配線216aは、トランスミッタ電極212のY軸の負側の端部に接続され、端子部217に接続されている。レシーバ配線216bは、レシーバ電極213のX軸の正側の端部に接続され、端子部217に接続されている。
【0040】
図14に示すように、青色フィルタ11Bと緑色フィルタ11Gと赤色フィルタ11Rとは、X方向に並んで配置されている。第1実施形態の第1変形例では、トランスミッタ電極212は、隣り合う赤色フィルタ11Rと緑色フィルタ11Gとの間、隣り合う緑色フィルタ11Gと青色フィルタ11Bとの間、及び、隣り合う青色フィルタ11Bと赤色フィルタ11Rとの間と、平面視で重なる部分の各々に、空隙部212aを有する。空隙部212aは、平面視で、例えば、矩形状に形成されている。空隙部212aのX軸に沿った幅W12は、隣り合うカラーフィルタ11の隙間W11よりも大きい。また、空隙部212aのY軸に沿った長さL11は、レシーバ電極213のY軸に沿った長さL12よりも大きい。
【0041】
上記第1実施形態の第1変形例においても、空隙部212aにより、トランスミッタ電極212とレシーバ電極213とが短絡するのを防止することができる。なお、その他の構成及び効果は、第1実施形態と同様である。
【0042】
[第1実施形態の第2変形例]
次に、
図15~
図17を参照して、第1実施形態の第2変形例によるタッチパネル301の構成について説明する。
図15は、タッチパネル301の平面図である。
図16は、空隙部313aの構成を説明するための図であり、
図15の領域R12の部分拡大図である。タッチパネル301は、カラーフィルタ基板310を含む。
図17は、カラーフィルタ基板310の一部の断面図である。
【0043】
図15に示すように、タッチパネル301は、X軸に沿った方向に延びる複数のトランスミッタ電極312と、Y軸に沿った方向に延びる複数のレシーバ電極313とを含む。複数のトランスミッタ電極312は、Y軸に沿った方向に並んで配置されている。複数のレシーバ電極313は、X軸に沿った方向に並んで配置されている。また、タッチパネル301は、端子部317と、複数のトランスミッタ配線316aと、複数のレシーバ配線316bとを含む。トランスミッタ配線316aは、トランスミッタ電極312のX軸の負側の端部に接続され、端子部317に接続されている。レシーバ配線316bは、レシーバ電極313のY軸の負側の端部に接続され、端子部317に接続されている。
【0044】
図16に示すように、青色フィルタ11Bと緑色フィルタ11Gと赤色フィルタ11Rとは、X方向に並んで配置されている。第1実施形態の第2変形例では、レシーバ電極313は、隣り合う赤色フィルタ11Rと緑色フィルタ11Gとの間、隣り合う緑色フィルタ11Gと青色フィルタ11Bとの間、及び、隣り合う青色フィルタ11Bと赤色フィルタ11Rとの間と、平面視で重なる部分の各々に、空隙部313aを有する。レシーバ電極313のうちのカラーフィルタ11よりもY軸の負側において、空隙部313aにより隔てられた部分は接続されている。すなわち、レシーバ電極313に空隙部313aが設けられていることにより、レシーバ電極313は、平面視で櫛歯状に形成されている。空隙部313aのX軸に沿った幅W22は、隣り合うカラーフィルタ11の隙間W21よりも大きい。
【0045】
図17に示すように、隣り合う赤色フィルタ11Rと緑色フィルタ11Gとの間、隣り合う緑色フィルタ11Gと青色フィルタ11Bとの間、及び、隣り合う青色フィルタ11Bと赤色フィルタ11Rとの間の各々には、トランスミッタ電極312が形成されている。また、青色フィルタ11Bと緑色フィルタ11Gと赤色フィルタ11Rとは、それぞれ、レシーバ電極313を覆うように形成されている。これにより、第1実施形態の第2変形例においても、空隙部313aにより、トランスミッタ電極312とレシーバ電極313とが短絡するのが防止されている。なお、その他の構成及び効果は、第1実施形態と同様である。
【0046】
[第2実施形態]
次に、
図18~
図21を参照して、第2実施形態のインセルタッチパネル装置400の構成について説明する。第2実施形態では、空隙部412aが緑色フィルタ11G上に亘って形成されている。
図18は、第2実施形態によるインセルタッチパネル装置400の平面図である。
図19は、第2実施形態によるカラーフィルタ基板410のレシーバ電極13が配置されている部分の断面図である。
図20は、第2実施形態によるカラーフィルタ基板410のレシーバ電極13が配置されていない部分の断面図である。
図21は、第2実施形態による空隙部412bを説明するための図である。なお、以下の説明において、第1実施形態と同じ符号を用いる場合、第1実施形態と同様の構成を示しており、特に説明がない限り先行する説明を参照する。
【0047】
図18及び
図19に示すように、第2実施形態によるインセルタッチパネル装置400は、カラーフィルタ基板410を有するタッチパネル401を備える。
図18に示すように、カラーフィルタ基板410は、トランスミッタ電極412と、レシーバ電極13とを含む。トランスミッタ電極412は、E軸に沿って延びるように形成されている。複数のトランスミッタ電極412は、F軸に並んで配置されている。
【0048】
図19に示すように、トランスミッタ電極412は、空隙部412aを有する。空隙部412aは、カラーフィルタ基板410上のレシーバ電極13が配置された位置において、緑色フィルタ11Gと青色フィルタ11Bとの間に平面視で重なる部分から、緑色フィルタ11Gに平面視で重なる部分、及び緑色フィルタ11Gと赤色フィルタ11Rとの間に平面視で重なる部分に亘って形成されている。これにより、カラーフィルタ基板410上のレシーバ電極13が配置された位置において、緑色フィルタ11G上には、トランスミッタ電極412は形成されない。
【0049】
図20及び
図21に示すように、トランスミッタ電極412は、空隙部412bを有する。空隙部412bは、カラーフィルタ基板410上のレシーバ電極13が配置されていない位置において、緑色フィルタ11Gと青色フィルタ11Bとの間に平面視で重なる部分から、緑色フィルタ11Gに平面視で重なる部分、及び緑色フィルタ11Gと赤色フィルタ11Rとの間に平面視で重なる部分に亘って形成されている。これにより、カラーフィルタ基板410上のレシーバ電極13が配置されていない位置においても、緑色フィルタ11Gの一部には、トランスミッタ電極412は形成されない。
【0050】
図21に示すように、トランスミッタ電極412は、赤色フィルタ11R上の部分412cと青色フィルタ11B上の部分412dとを接続する接続部412eを有する。接続部412eは、カラーフィルタ基板410上のレシーバ電極13が配置されていない位置に形成されている。また、空隙部412bは、緑色フィルタ11G上において、Y軸に沿って画素60(
図7参照)毎に形成されている。Y方向に隣り合う2つの空隙部412bの間にも、接続部412eが形成されている。接続部412eは、例えば、Y方向に隣り合う画素60の境界部分と重なる位置に形成されている。
【0051】
また、
図21に示すように、空隙部412aのX軸に沿った方向の幅W31は、緑色フィルタ11Gの幅W32よりも大きい。また、空隙部412aのY軸に沿った方向の長さL31は、緑色フィルタ11Gとレシーバ電極13とが重なる部分のY方向に沿った長さL32よりも大きい。また、トランスミッタ電極412には、レシーバ電極13と重なる部分で、かつ、赤色フィルタ11Rと青色フィルタ11Bとの間と重なる部分においては、空隙部12aが設けられている。
【0052】
ここで、反射板を備える反射型のディスプレイにおいては、入射する際と反射した際で、トランスミッタ電極及びレシーバ電極を2回透過させる必要があるため、光の損失(吸収や散乱)が透過型に比べて大きくなる。また、緑色、赤色、及び青色のうちの、緑色の視感度が最も高い。これに対して、上記第2実施形態の構成によれば、光の明暗が人により感知されやすい緑色フィルタ11Gと重なる位置には、トランスミッタ電極412の一部が設けられないので、トランスミッタ電極412及びレシーバ電極13を設ける場合でも、光の損失の影響を低減することができる。なお、その他の第2実施形態の構成及び効果は、第1実施形態の構成及び効果と同様である。
【0053】
[第2実施形態の第1変形例]
次に、
図22及び
図23を参照して、第2実施形態の第1変形例によるタッチパネル501の構成について説明する。
図22は、第2実施形態の第1変形例によるタッチパネル501の平面図である。
図23は、タッチパネル501の一部の平面図であり、
図22の領域R31の部分拡大図である。タッチパネル501は、カラーフィルタ基板510を含む。なお、以下の説明において、第1実施形態の第1変形例と同じ符号を用いる場合、第1実施形態の第1変形例と同様の構成を示しており、特に説明がない限り先行する説明を参照する。
【0054】
図22に示すように、タッチパネル501は、Y軸に沿った方向に延びる複数のトランスミッタ電極512を含む。複数のトランスミッタ電極512は、X軸に沿った方向に並んで配置されている。
【0055】
図23に示すように、第2実施形態の第1変形例では、トランスミッタ電極512は、空隙部512a及び512bを有する。空隙部512aは、カラーフィルタ基板510上のレシーバ電極213が配置された位置において、緑色フィルタ11Gと青色フィルタ11Bとの間に平面視で重なる部分から、緑色フィルタ11Gに平面視で重なる部分、及び緑色フィルタ11Gと赤色フィルタ11Rとの間に平面視で重なる部分に亘って形成されている。また、空隙部512bは、カラーフィルタ基板510上のレシーバ電極13が配置されていない位置において、緑色フィルタ11Gと青色フィルタ11Bとの間に平面視で重なる部分から、緑色フィルタ11Gに平面視で重なる部分、及び緑色フィルタ11Gと赤色フィルタ11Rとの間に平面視で重なる部分に亘って形成されている。また、トランスミッタ電極512は、緑色フィルタ11GよりもX軸の正側の部分と緑色フィルタ11GよりもX軸の負側の部分とを接続する接続部512cを有する。また、空隙部512bは、緑色フィルタ11G上において、Y軸に沿って画素60(
図7参照)毎に形成されている。Y方向に隣り合う2つの空隙部512bの間にも、接続部512cが形成されている。接続部512cは、例えば、Y方向に隣り合う画素60の境界部分と重なる位置に形成されている。なお、その他の構成及び効果は、第1実施形態の第1変形例と同様である。
【0056】
[第2実施形態の第2変形例]
次に、
図24~
図26を参照して、第2実施形態の第2変形例によるタッチパネル601の構成について説明する。
図24は、タッチパネル601の平面図である。
図25は、空隙部613aの構成を説明するための図であり、
図24の領域R32の部分拡大図である。タッチパネル601は、カラーフィルタ基板610を含む。
図26は、カラーフィルタ基板310の一部の断面図である。
【0057】
図24に示すように、タッチパネル601は、Y軸に沿った方向に延びる複数のレシーバ電極613を含む。複数のレシーバ電極613は、X軸に沿った方向に並んで配置されている。
【0058】
図25に示すように、第2実施形態の第2変形例では、レシーバ電極613は、空隙部613aを有する。空隙部613aは、緑色フィルタ11Gと青色フィルタ11Bとの間に平面視で重なる部分から、緑色フィルタ11Gに平面視で重なる部分、及び緑色フィルタ11Gと赤色フィルタ11Rとの間に平面視で重なる部分に亘って形成されている。
【0059】
図26に示すように、レシーバ電極613の緑色フィルタ11GよりもX軸の正側の部分と、負側の部分とは、緑色フィルタ11GよりもY軸の負側において接続されている。なお、その他の構成及び効果は、第1実施形態の第2変形例と同様である。
【0060】
[第3実施形態]
次に、
図27を参照して、第3実施形態のインセルタッチパネル装置700の構成について説明する。第3実施形態では、空隙部712aが緑色フィルタ11G及び赤色フィルタ11R上に亘って形成されている。
図27は、第3実施形態によるカラーフィルタ基板710のレシーバ電極13が配置されている部分の断面図である。
図27に示すように、第3実施形態のインセルタッチパネル装置700では、トランスミッタ電極712の空隙部712aが、カラーフィルタ基板710上のレシーバ電極13が配置された位置において、緑色フィルタ11Gと青色フィルタ11Bとの間に平面視で重なる部分から、緑色フィルタ11Gに平面視で重なる部分、赤色フィルタ11Rに平面視で重なる部分、及び赤色フィルタ11Rと青色フィルタ11Bとの間に平面視で重なる部分に亘って形成されている。また、トランスミッタ電極712には、カラーフィルタ基板710上のレシーバ電極13が配置されていない位置において、複数の青色フィルタ11B上に配置された部分を接続する接続部712cが設けられている。
【0061】
上記第3実施形態の構成によれば、緑色及び赤色は、青色よりも視感度が高いので、視感度が高いカラーフィルタ11上にトランスミッタ電極712の空隙部712a及び712bが形成されることにより、光の損失の影響をより一層低減することができる。なお、その他の第3実施形態の構成及び効果は、第1実施形態の構成及び効果と同様である。
【0062】
[変形等]
以上、上述した実施形態は本開示を実施するための例示に過ぎない。よって、本開示は上述した実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0063】
(1)上記第1~第3実施形態では、トランスミッタ電極に空隙部を設けるか、又はレシーバ電極に空隙部のいずれかを設ける例を示したが、本開示はこれに限られない。
図28に示す第1~第3実施形態の変形例によるタッチパネル801のように、トランスミッタ電極12に空隙部12aを設けるとともに、レシーバ電極313に空隙部313aを設けてもよい。
【0064】
(2)上記1~第3実施形態では、カラーフィルタの上層(タッチ面とは反対側の層)にトランスミッタ電極を配置し、カラーフィルタの下層(タッチ面側の層)にレシーバ電極を配置する例を示したが、本開示はこれに限られない。すなわち、カラーフィルタの下層(タッチ面側の層)にトランスミッタ電極を配置し、カラーフィルタの上層(タッチ面とは反対側の層)にレシーバ電極を配置してもよい。
【0065】
(3)上記1~第3実施形態では、トランスミッタ電極又はレシーバ電極が延びる方向と、カラーフィルタが並ぶ方向とがなす角度を45度、0度、又は90度とする例を示したが、本開示はこれに限られない。すなわち、トランスミッタ電極又はレシーバ電極が延びる方向と、カラーフィルタが並ぶ方向とがなす角度を0度よりも大きく90度未満に構成してもよい。
【0066】
(4)上記1~第3実施形態では、レシーバ電極の幅を、トランスミッタ電極の幅よりも小さくする例を示したが、本開示はこれに限られない。すなわち、レシーバ電極の幅を、トランスミッタ電極の幅以上としてもよい。
【0067】
(5)上記1~第3実施形態では、トランスミッタ配線及びレシーバ配線を、アクティブマトリクス基板上に形成する例を示したが、本開示はこれに限られない。すなわち、トランスミッタ配線及びレシーバ配線を、カラーフィルタ基板上に形成してもよい。
【0068】
(6)上記1~第3実施形態では、空隙部を平面視で矩形状に形成する例を示したが、本開示はこれに限られない。すなわち、空隙部を平面視で円形状、楕円形状、又は多角形形状に形成してもよい。
【0069】
(7)上記1~第3実施形態では、画素にメモリ回路を設ける例を示したが、本開示はこれに限られない。すなわち、画素にメモリ回路が設けられていなくてもよい。
【0070】
(8)上記1~第3実施形態では、タッチパネルに反射板及びバックライトの両方を設ける例を示したが、本開示はこれに限られない。すなわち、反射板及びバックライトの一方は、タッチパネルに設けられていなくてもよい。
【0071】
(9)上記1~第3実施形態では、メモリ回路にデータが書き込まれる期間内に、トランスミッタ電極に駆動信号を供給する例を示したが、本開示はこれに限られない。すなわち、メモリ回路にデータが書き込まれる期間と、トランスミッタ電極に駆動信号を供給する期間とを時分割にしてもよい。
【0072】
(10)上記1~第3実施形態では、トランスミッタ電極及びレシーバ電極の数をそれぞれ5つとする例を示したが、本開示はこれに限られない。トランスミッタ電極及びレシーバ電極の数をそれぞれ4以下の数、又は6以上の数としてもよい。
【0073】
(11)上記1~第3実施形態では、タッチパネルが平面視で円形状を有するように形成する例を示したが、本開示はこれに限られない。すなわち、タッチパネルは、平面視で円形状を有するものに限られず、平面視で矩形状を有してもよいし、平面視で多角形状を有してもよいし、平面視で楕円形状を有してもよい。
【0074】
上述したインセルタッチパネルは、以下のように説明することができる。
【0075】
第1の構成に係るインセルタッチパネルは、第1基板と、第1基板よりもタッチ面とは反対側の層に形成された複数のカラーフィルタと、複数のカラーフィルタよりもタッチ面とは反対側の層又は複数のカラーフィルタよりもタッチ面側の層の一方に形成されたトランスミッタ電極と、複数のカラーフィルタよりもタッチ面とは反対側の層又は複数のカラーフィルタよりもタッチ面側の層の他方に形成されたレシーバ電極と、第1基板に対向して配置された第2基板であって、画素電極が配置された第2基板と、を備え、トランスミッタ電極及びレシーバ電極の少なくとも一方は、隣り合う複数のカラーフィルタの間と平面視で重なる部分に形成された空隙部を有する(第1の構成)。
【0076】
上記第1の構成によれば、カラーフィルタが形成された第1基板上にトランスミッタ電極とレシーバ電極とを形成する場合でも、空隙部によりトランスミッタ電極とレシーバ電極とが接触しないので、トランスミッタ電極とレシーバ電極とが短絡するのを防止することができる。
【0077】
第1の構成において、複数のカラーフィルタよりもタッチ面とは反対側の層に形成されたオーバーコート膜と、オーバーコート膜よりもタッチ面とは反対側の層に形成された共通電極と、をさらに備えてもよく、トランスミッタ電極は、複数のカラーフィルタよりもタッチ面とは反対側の層で、かつ、オーバーコート膜よりもタッチ面側の層に形成されていてもよく、レシーバ電極は、複数のカラーフィルタよりもタッチ面側の層に形成されていてもよい(第2の構成)。
【0078】
ここで、カラーフィルタが形成された第1基板上に共通電極を形成して、当該共通電極と第2基板よりもタッチ面とは反対側の層に形成された画素電極との間で電界を発生させることにより、ディスプレイを駆動させるVA(Vertical Alignment)方式が知られている。この場合、トランスミッタ電極又はレシーバ電極の少なくとも一方が共通電極よりも、第2基板側(タッチ面とは反対側の層)に形成された場合には、タッチ面とは反対側の層に形成されたトランスミッタ電極又はレシーバ電極と指示体との間に形成される電界が、共通電極によって遮蔽されてしまう。これに対して、上記第2の構成によれば、共通電極がトランスミッタ電極及びレシーバ電極よりもタッチ面とは反対側の層に形成されるので、トランスミッタ電極又はレシーバ電極と指示体との間に形成される電界が共通電極により遮蔽されるのを防止することができる。この結果、VA方式によりディスプレイを駆動させる場合でも、インセルタッチパネルを提供することができる。
【0079】
第1または第2の構成において、レシーバ電極は、トランスミッタ電極が延びる方向に交差する方向に延びるように形成されていてもよく、レシーバ電極の幅は、トランスミッタ電極の幅よりも小さく構成されていてもよい(第3の構成)。
【0080】
上記第3の構成によれば、レシーバ電極の幅が小さいことにより、トランスミッタ電極とレシーバ電極とのカップリング容量(負荷容量)を低減することができる。この結果、カップリング容量に起因したレシーバ電極からのシグナルの低下を防止することができる。
【0081】
第1~第3のいずれか1つの構成において、複数のカラーフィルタは、第1の方向に並んで配置されていてもよく、トランスミッタ電極は、第1の方向に交差する方向に延びるように形成されていてもよく、レシーバ電極は、第1の方向に交差する方向で、かつ、トランスミッタ電極が延びる方向に交差する方向に延びるように形成されていてもよい(第4の構成)。そして、第4の構成において、インセルタッチパネルは、第1基板又は第2基板のいずれか一方のうちの、第1の方向に直交する第2の方向の一方部分に形成されたトランスミッタ端子及びレシーバ端子と、トランスミッタ電極のうちの、第2の方向の一方端部に接続されたトランスミッタ配線であって、トランスミッタ端子に接続されたトランスミッタ配線と、レシーバ電極のうちの、第2の方向の一方端部に接続されたレシーバ配線であって、レシーバ端子に接続されたレシーバ配線と、をさらに備えてもよい(第5の構成)。
【0082】
上記第4及び第5の構成によれば、トランスミッタ配線及びレシーバ配線が共に一方側に引き出されるので、第1基板よりも他方側の部分に、他の部品を配置することが可能な空間を形成することができる。
【0083】
第1~第3のいずれか1つの構成において、複数のカラーフィルタは、第1の方向に並んで配置されていてもよく、トランスミッタ電極は、第1の方向に直交する方向に延びるように形成されていてもよく、レシーバ電極は、第1の方向に平行して延びるように形成されていてもよい(第6の構成)。
【0084】
上記第6の構成によれば、トランスミッタ電極とレシーバ電極とが交差する箇所で、かつ、隣り合う複数のカラーフィルタの間の位置に、空隙部を形成することにより、容易にトランスミッタ電極とレシーバ電極とが短絡するのを防止することができる。
【0085】
第4~第6のいずれか1つの構成において、トランスミッタ電極は、隣り合う複数のカラーフィルタの間及びレシーバ電極に平面視で重なる部分に形成された空隙部を有するように構成されていてもよい(第7の構成)。
【0086】
上記第7の構成によれば、トランスミッタ電極が複数のカラーフィルタが並ぶ方向に直交して延びるように形成されている場合には、トランスミッタ電極に空隙部を形成することで、トランスミッタ電極とレシーバ電極とが短絡するのを防止することができる。
【0087】
第2または第3の構成において、複数のカラーフィルタは、第1の方向に並んで配置されていてもよく、トランスミッタ電極は、第1の方向に平行して延びるように形成されていてもよく、レシーバ電極は、第1の方向に直交する方向に延びるように形成されていてもよく、空隙部は、レシーバ電極において、隣り合う複数のカラーフィルタの間と平面視で重なる部分に形成されていてもよい(第8の構成)。
【0088】
上記第8の構成によれば、トランスミッタ電極が複数のカラーフィルタが並ぶ方向に延びるように形成されている場合には、レシーバ電極に空隙部を形成することで、トランスミッタ電極とレシーバ電極とが短絡するのを防止することができる。
【0089】
第1~第8のいずれか1つの構成において、インセルタッチパネルは、第1基板よりもタッチ面とは反対側の層に形成され、タッチ面側から入射した光をタッチ面側に反射させる反射層を、さらに備えてもよく、複数のカラーフィルタは、青色フィルタと、赤色フィルタと、緑色フィルタと、を含んでもよく、空隙部は、トランスミッタ電極及びレシーバ電極の少なくとも一方のうちの、緑色フィルタと青色フィルタ又は赤色フィルタとの間に平面視で重なる部分から、緑色フィルタに平面視で重なる部分に亘って設けられていてもよい(第9の構成)。
【0090】
ここで、反射層を備える反射型のディスプレイにおいては、入射する際と反射した際で、トランスミッタ電極及びレシーバ電極を2回透過させる必要があるため、光の損失(吸収や散乱)が透過型に比べて大きくなる。そこで、本開示の発明者は、緑色、赤色、及び青色のうちの、緑色の視感度が最も高いという点に着目し、上記第9の構成を想到した。上記第9の構成によれば、光の明暗が人により感知されやすい緑色フィルタと重なる位置には、トランスミッタ電極及びレシーバ電極の少なくとも一方が設けられないので、トランスミッタ電極及びレシーバ電極を第1基板よりもタッチ面とは反対側の層に形成する場合でも、光の損失の影響を低減することができる。
【0091】
第9の構成において、空隙部は、トランスミッタ電極及びレシーバ電極の少なくとも一方のうちの、緑色フィルタと青色フィルタとの間に平面視で重なる部分から、緑色フィルタに平面視で重なる部分及び赤色フィルタに平面視で重なる部分に亘って設けられていてもよい(第10の構成)。
【0092】
上記第10の構成によれば、緑色及び赤色は、青色よりも視感度が高いので、トランスミッタ電極及びレシーバ電極を第1基板よりもタッチ面とは反対側の層に形成する場合でも、光の損失の影響をより一層低減することができる。
【0093】
第1~第10のいずれか1つの構成において、インセルタッチパネルは、複数のカラーフィルタよりもタッチ面とは反対側の層に形成されたオーバーコート膜、をさらに備えてもよく、オーバーコート膜は、トランスミッタ電極又はレシーバ電極に接続された接続導体が内側面に形成されたコンタクトホールを有してもよく、インセルタッチパネルは、第2基板上に形成された金属製の配線部を、さらに備えてもよく、接続導体は、金属製の配線部に接続されていてもよい(第11の構成)。
【0094】
上記第11の構成によれば、透明電極よりも抵抗値の小さい金属製の配線部を用いることにより、配線抵抗を低減することができる。これにより、トランスミッタ電極への信号及びレシーバ電極からの信号に対する配線抵抗の影響を低減することができる。また、第2基板上に駆動回路が設けられている場合でも、コンタクトホール内の接続導体及び金属製の配線部を用いて容易にトランスミッタ電極又はレシーバ電極と駆動回路とを接続することができる。
【0095】
第1~第11のいずれか1つの構成において、インセルタッチパネルは、第2基板上に配置され、画素電極に接続されたメモリ回路と、トランスミッタ電極に駆動信号を供給するドライブ回路と、をさらに備えてもよく、ドライブ回路は、メモリ回路にデータが書き込まれる期間内に、トランスミッタ電極に駆動信号を供給するように構成されていてもよい(第12の構成)。
【0096】
上記第12の構成によれば、メモリ回路にデータが書き込まれる期間と、トランスミッタ電極に駆動信号を供給する期間とを、時分割にする必要がない。この結果、メモリ回路を有するインセルタッチパネルに合わせてドライブ回路を設計する必要がないので、汎用のドライブ回路を用いることができ、インセルタッチパネルの汎用性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0097】
1,201,301,401,501,601,801…タッチパネル、10,310,410,510,610,710…カラーフィルタ基板、10a…第1基板、11…カラーフィルタ、11B…青色フィルタ、11G…緑色フィルタ、11R…赤色フィルタ、12,212,312,412,512,712…トランスミッタ電極、12a,212a,313a,412a,512a,613a,712a…空隙部、13,213,313,613…レシーバ電極、14…オーバーコート膜、14a,14b…コンタクトホール、15…共通電極、16a,216a,316a…トランスミッタ配線、16b,216b,316b…レシーバ配線、17,217,317…端子部、17a…トランスミッタ端子、17b…レシーバ端子、20…アクティブマトリクス基板、20a…第2基板、21…画素電極、40d…反射板、51a、51b…導体、52a~52c…コモン転移材、60…画素、62…メモリ回路、100,400,700…インセルタッチパネル装置