(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181556
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】二輪車用尾灯視認支援装置
(51)【国際特許分類】
B62J 6/045 20200101AFI20221201BHJP
B62J 6/056 20200101ALI20221201BHJP
B62J 6/01 20200101ALI20221201BHJP
F21L 4/00 20060101ALI20221201BHJP
H05B 47/10 20200101ALI20221201BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20221201BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20221201BHJP
【FI】
B62J6/045
B62J6/056
B62J6/01
F21L4/00 520
H05B47/10
F21Y115:10
F21Y115:15
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021088565
(22)【出願日】2021-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】520142941
【氏名又は名称】株式会社MIREI
(74)【代理人】
【識別番号】100098936
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100098888
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 明子
(72)【発明者】
【氏名】蒲原 章広
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA07
3K273QA01
3K273TA15
3K273TA17
3K273TA41
3K273UA22
3K273UA23
3K273UA29
3K273VA08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】運転者が装着する身体装着具を利用して、尾灯の視認支援を図る二輪車用尾灯視認支援装置を提供する。
【解決手段】自動二輪車AのランプB、c1、c2のいずれかのランプが点灯すると、BTユニットがその種類と点灯状態を報知し、ジャケット7側のBTユニットがその報知内容を受付ける。そして、その報知内容に基づいて、ブレーキランプBの点灯と有機ELシートの発光が連動し、ウインカランプC1の点滅とLEDランプの点滅が連動し、ウインカランプC2の点滅とLEDランプの点滅が連動する。すなわち、ライトB、C1、C2と発光部9、11a、11bの発光は一対一で連動する。発光部9、11a、11bの位置は高くなっているので、自動二輪車Aの後方から発光部9、11a、11bの発光を視認し易く、しかも、配置関係や発光色の関係から、それらの発光がライトB、C1、C2と関連付けて認識し易くなっている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二輪車の車体側に尾灯ランプの点灯を報知する報知部を備え、
前記二輪車の運転者が装着する身体装着具の背面側に、前記報知部からの報知を受付ける受付部と、前記受付部での受付けにより発光する発光部を備え、
前記尾灯ランプの点灯に種別対応させて前記発光部を発光させることを特徴とする二輪車用尾灯視認支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載した二輪車用尾灯視認支援装置において、
報知部と受付部はブルートゥース(登録商標)ユニットで構成されており、前記報知部では、点灯回路に前記ブルートゥース(登録商標)ユニットが組み込まれていることを特徴とする尾灯視認支援装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載した二輪車用尾灯視認支援装置において、
身体装着具の背面側の中心側がブレーキランプの点灯に連動して同色発光するブレーキ対応発光部で、左右両側がウインカランプの点灯に連動して同色発光するウインカ対応発光部になっていることを特徴とする尾灯視認支援装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載した二輪車用尾灯視認支援装置において、
身体装着具の本体は撥水性の高い表皮素材で構成されていることを特徴とする尾灯視認支援装置。
【請求項5】
請求項4に記載した二輪車用尾灯視認支援装置において、
身体装着具は上着またはリュックサックで構成されていることを特徴とする尾灯視認支援装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載した二輪車用尾灯視認支援装置において、
発光部はLEDまたは有機ELを備えて構成され、ワイヤレス充電器を介して充電されたバッテリーから給電されて発光することを特徴とする尾灯視認支援装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載した二輪車用尾灯視認支援装置において、
自動二輪車用であることを特徴とする尾灯視認支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二輪車の尾灯に連動する点灯機構を利用した二輪車用尾灯視認支援装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車の尾灯は、ブレーキなどの操作を後方から確認できるように設けられたものであり、自動二輪車の後方から人が尾灯を見たときに視認し易いように、種々の工夫が提案されている。例えば、特許文献1では、テールランプバルブが車体カバーと重なる位置に配設されることで、発光部を左右に大型化することなく、発光面の十分な面積を確保することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このように配置上の工夫がなされていても、自動二輪車は自動車に比べて尾灯のランプの位置が低く、斜め上方から見ることになることから、シーンによっては後続車からの視認性が著しく低下して、追突の危険性が高くなる。
【0005】
本発明は上記従来の問題点に着目して為されたものであり、二輪車の運転者が装着する身体装着具を利用して、簡易な構成でありながら、二輪車の尾灯の視認支援を効果的に図れる、新規且つ有用な二輪車用尾灯視認支援装置の提供を、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、請求項1の発明は、二輪車の車体側に尾灯ランプの点灯を報知する報知部を備え、前記二輪車の運転者が装着する身体装着具の背面側に、前記報知部からの報知を受付ける受付部と、前記受付部での受付けにより発光する発光部を備え、前記尾灯ランプの点灯に種別対応させて前記発光部を発光させることを特徴とする二輪車用尾灯視認支援装置である。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載した二輪車用尾灯視認支援装置において、報知部と受付部はブルートゥース(登録商標)ユニットで構成されており、前記報知部では、点灯回路に前記ブルートゥース(登録商標)ユニットが組み込まれていることを特徴とする尾灯視認支援装置である。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載した二輪車用尾灯視認支援装置において、身体装着具の背面側の中心側がブレーキランプの点灯に連動して同色発光するブレーキ対応発光部で、左右両側がウインカランプの点灯に連動して同色発光するウインカ対応発光部になっていることを特徴とする尾灯視認支援装置である。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかに記載した二輪車用尾灯視認支援装置において、身体装着具の本体は撥水性の高い表皮素材で構成されていることを特徴とする尾灯視認支援装置である。
【0010】
請求項5の発明は、請求項4に記載した二輪車用尾灯視認支援装置において、身体装着具は上着またはリュックサックで構成されていることを特徴とする尾灯視認支援装置である。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1から5のいずれかに記載した二輪車用尾灯視認支援装置において、発光部はLEDまたは有機ELを備えて構成され、ワイヤレス充電器を介して充電されたバッテリーから給電されて発光することを特徴とする尾灯視認支援装置である。
【0012】
請求項7の発明は、請求項1から6のいずれかに記載した二輪車用尾灯視認支援装置において、自動二輪車用であることを特徴とする尾灯視認支援装置である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の二輪車用尾灯視認支援装置によれば、二輪車の運転者が装着する身体装着具側に発光部を設けて、尾灯ランプの点灯に種別対応させながら発光させており、高い位置で発光することから視認し易くなっており、二輪車の尾灯の視認支援を効果的に図れる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る二輪車用尾灯視認支援装置の使用状態を示す説明図である。
【
図2】
図1の二輪車用尾灯視認支援装置の一部をなすジャケットの正面図である。
【
図4】
図1の二輪車用尾灯視認支援装置の簡易的な単線接続図である。
【
図5】本発明の第2の実施の形態に係る身体装着具としてのリュックサックの斜視図である。
【
図6】
図5のリュックサックの背面側から見た部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の第1の実施の形態に係る二輪車用尾灯視認支援装置1を、図面にしたがって説明する。
この二輪車用尾灯視認支援装置1は、自動二輪車(オートバイ)用になっている。自動二輪車Aは市販のものであり、
図1に示すように、尾灯として、ブレーキライトBと、左右一対のウインカライトC1、C2が配置されている。このブレーキライトB、ウインカライトC1、C2は、それぞれ、発光源としてのLEDランプがリフレクタとレンズとで構成された区画内に収容されてランプユニットとして構成されており、背面側にはレンズが露出している。
【0016】
図4の自動二輪車A側の単線接続図に示すように、ブレーキランプb、ウインカランプc1、c2の点灯回路は、それぞれ、リレースイッチのONにより閉成されて、バッテリーD側からそれぞれに給電されるようになっている。
【0017】
それぞれの点灯回路では、リレースイッチと、ランプb、c1、c2との間に、BTユニット(ブルートゥース(登録商標)ユニット)3が接続されている。スイッチ群とBTユニット3は、スイッチボックス5に収容されてユニット化されている。
市販の自動二輪車Aでは、スイッチ群を収容したスイッチボックスが元々利用されており、このスイッチボックスに代えて、スイッチボックス5が組み込まれる改造がなされている。
BTユニット3の接続により、自動二輪車Aの車体側に、ランプb、c1、c2の点灯(点滅も含む)を報知する報知部としての機能が実現されている。
【0018】
図1に示すように、運転者はライダースーツを着用しているが、このジャケット(上着)7が身体装着具となっている。
図2、
図3に示すように、このジャケット7は前側にファスナーが取り付けられており、前開き仕様になっている。ライダースーツはジャケット7、ズボンとも、撥水性の高い表皮素材で構成されている。
ジャケット7の背中と両肩部分には、発光部9、11a、11bがそれぞれ設けられている。それぞれの発光部9、11a、11bには、
図4に示すように、発光源として有機ELシート13、LEDランプ15a、15bが利用されている。
【0019】
発光部9の有機ELシート13は、背中側の外面に露出するように縫着されており、そのコードはジャケット7に形成された穴(図示省略)を通して、内側に引き込まれている。
発光部11のLEDランプ15は、リフレクタとレンズとで構成されたケース内に収容されてランプユニットとして構成されている。ケースはジャケット7の肩部分にパットのように埋め込まれており、レンズが露出している。発光部11は一対になっており、発光部11a、11bが両肩部分にそれぞれ設けられている。これらのコードも穴(図示省略)を通して、内側に引き込まれている。
【0020】
発光部9、11a、11bの左右方向の配置関係は、ライトB、C1、C2の左右方向の配置関係に合わせられ、しかも発光色も同じになっており、ブレーキランプbに対応させた有機ELシート13は赤色で点灯し、ウインカランプc1、c2に対応させたLEDランプ15a、15bは橙色で点滅する。
【0021】
ジャケット7の内ポケット17には、
図4に示す基板19とバッテリー21が収容されている。基板19は樹脂コーティングされて防水仕様になっている。また、バッテリー21は二次電池になっており、ワイヤレス充電器23が備えられている。
この基板19等と、有機ELシート13、LEDランプ15a、15bはコード接続されており、バッテリー21からの電源供給により点灯するようになっている。
【0022】
図4のジャケット7側の単線接続図に示すように、有機ELシート13、LEDランプ15a、15bの点灯回路にはスイッチ25、25、25が割り込まれており、これらのONにより閉成されて、バッテリー21側からそれぞれに給電されるようになっている。
基板19にはBTユニット27が接続されており、このBTユニット27はBTユニット3とペアリングが確立されている。従って、ランプb、c1、c2のいずれかのランプが点灯すると、BTユニット3がその種類と点灯状態を報知し、BTユニット27がその情報を受付ける。すなわち、BTユニット27は受付部としての機能が実現されている。
【0023】
このBTユニット27で受付けた報知内容に基づいて、特定のスイッチ25が閉成するように構成されており、ブレーキランプbの点灯と有機ELシート13の点灯が連動し、ウインカランプc1の点滅とLEDランプ15aの点滅が連動し、ウインカランプc2の点滅とLEDランプ15bの点滅が連動する。すなわち、ライトB、C1、C2と発光部9、11a、11bの発光は一対一で連動する。
【0024】
発光部9、11a、11bの位置は高くなっているので、自動二輪車Aの後方から発光部9、11a、11bの発光を視認し易く、しかも、配置関係や発光色の関係から、それらの発光がライトB、C1、C2と関連付けて認識し易くなっている。
図1では、ウインカライトC1の橙色の点滅と連動して、発光部11aが橙色に点滅発光した状態が示されている。
【0025】
自動二輪車A側の改造はスイッチボックスだけの交換で済み、しかも、ジャケット7の本体は撥水機能が高い着心地の良い表皮素材で形成され、有機ELシート13は柔らかいので、ライダースーツとしても性能が良い。
従って、上記した視認支援機能も相まって、コストパフォーマンスの良いものになっている。
【0026】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る二輪車用尾灯視認支援装置を、図面にしたがって説明する。
この二輪車用尾灯視認支援装置も、自動二輪車(オートバイ)用になっており、自動二輪車A側の改造は、二輪車用尾灯視認支援装置1と同様になっている。
但し、
図5に示すように、運転者が背負うリュックサック31が身体装着具となっている。このリュックサック31の本体33には一対の肩ベルト35、35が設けられており、それぞれ、バックル37、37で容易に開閉できるようになっている。
【0027】
図6に示すように、このリュックサック31の本体33の上側に矩形のケース39が取付けられている。このケース39は仕切られて発光部41、43a、43bがそれぞれ設けられている。それぞれの発光部41、43a、43bは、ジャケット7に設けた発光部9、11a、11bに各別に対応したものになっており、左右方向の配置関係や発光色は同じような仕様になっている。
図7は、発光部41を示したものであり、2つのLEDランプ45、45が区画内に配置されている。LEDランプ45は拡散キャップ47が被せられて、光が拡散し易いようになっている。
【0028】
発光部41、43a、43bの発光源はいずれもLEDランプ45を利用して構成されている。
発光部41、43a、43bは発光部9、11a、11bよりも発光面積が大きくなっているが、その面積全体が有効利用されている。発光部41は特に発光面積が大きくなっているので、2つのLEDランプ45、45が利用されている。
ケース39は背面側と上面側と左右側面側が透過可能になっており、比較的大きな発光面を構成しているので、後方からの視認が容易となっている。
LEDランプ45のコードは本体33の内部に引き出されている。
【0029】
また、本体33の背当て面に、外ポケット49が設けられており、この外ポケット49は、ジャケット7の内ポケット17と同様に、基板19とバッテリー21が収容されている。外ポケット49にはコード挿通穴が設けられており、基板19側と発光部41、43a、43bは、発光部9、11a、11bと同様に接続されている。
従って、ライトB、C1、C2と発光部41、43a、43bの発光も一対一で連動する。
【0030】
リュックサック31の本体33は収容部として利用できるので、自動二輪車Aを運転する際に荷物入れとして背負う場合には、このようなリュックサックタイプでの利用が都合の良い場合もある。また、ジャケット7と使い分けできるので、ジャケット7を着用する場合でも、着用しないでリュックサック31を背負う場合でも、尾灯視認支援効果を利用できる。
【0031】
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的構成は、この実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても発明に含まれる。
例えば、自動二輪車ほどスピードが出なくとも、自転車でも後方から視認し難く、追突し易いシーンがあり、同様に尾灯視認支援装置を備えさせてよい。
【符号の説明】
【0032】
1…二輪車用尾灯視認支援装置
3…BTユニット 5…スイッチボックス 7…ジャケット 9…発光部
11a、11b…発光部 13…有機ELシート 15a、15b…LEDランプ
17…内ポケット 19…基板 21…バッテリー
23…ワイヤレス充電器 25…スイッチ 27…BTユニット
31…リュックサック 33…本体 35…肩ベルト 37…バックル
39…ケース 41…発光部 43a、43b…発光部
45…LEDランプ 47…拡散キャップ 49…外ポケット
A…自動二輪車 B…ブレーキライト C1、C2…ウインカライト
D…バッテリー b…ブレーキランプ c1、c2…ウインカランプ