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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181557
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】広告方法および広告装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20221201BHJP
【FI】
G06Q30/02 398
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021088567
(22)【出願日】2021-05-26
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】517209031
【氏名又は名称】株式会社MGRシステム企画
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】千々松 芳弘
(72)【発明者】
【氏名】真柄 勲
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】イベントに参加していなかった閲覧者であっても、閲覧したくなる楽しさを提供することができる広告方法および広告装置を提供する。
【解決手段】イベント活動中に、当該イベントに参加する各当事者の経時的な位置情報を収集し、この位置情報を基にした当事者のアバターを、仮想現実または現実空間と組み合わせることで、当該イベントをウェブサイト上に再現して表示するとともに、あらかじめ設定されている広告をウェブサイトの閲覧者に提供して宣伝広告を行うようになされた広告方法であって、イベント活動が行われた場所に該当するウェブサイト上の仮想現実または現実空間の所望の場所に、閲覧者が、自身の応援アバターまたはメッセージボード等のアイテムを載置できる応援手段6を有する広告装置1および広告方法である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イベント活動中に、当該イベントに参加する各当事者の経時的な位置情報を収集し、この位置情報を基にした当事者のアバターを、仮想現実または現実空間と組み合わせることで、当該イベントをウェブサイト上に再現して表示するとともに、あらかじめ設定されている広告をウェブサイトの閲覧者に提供して宣伝広告を行うようになされた広告方法であって、
イベント活動が行われた場所に該当するウェブサイト上の仮想現実または現実空間の所望の場所に、閲覧者が、自身の応援アバターまたはメッセージボード等のアイテムを載置できる応援工程を有することを特徴とする広告方法。
【請求項2】
応援工程は、閲覧者が、ウェブサイトで所定の数の広告を閲覧した後にアイテムを載置できるようになされた請求項1に記載の広告方法。
【請求項3】
応援工程は、閲覧者が、課金することでアイテムを載置できるようになされた請求項1に記載の広告方法。
【請求項4】
応援工程は、広告の閲覧よってもたらされる収入の少なくとも一部分、または、課金によってもたらされる収入の少なくとも一部分を、イベントに参加した各当事者の中から閲覧者が選択した特定の当事者に提供するようになされた請求項2または3に記載の広告方法。
【請求項5】
応援工程は、所定時間経過後に、仮想現実または現実空間のアイテムが消滅するようになされた請求項1ないし4の何れか一に記載の広告方法。
【請求項6】
応援工程は、アイテムが載置された仮想現実または現実空間の位置に、他の閲覧者が上書きして自身のアイテムを載置できるようになされた請求項1ないし5の何れか一に記載の広告方法。
【請求項7】
応援工程によって載置されたアイテムの位置を基準に、イベントをウェブサイト上に再現する表示工程を具備する請求項1ないし6の何れか一に記載の広告方法。
【請求項8】
表示工程は、あらかじめ設定されている広告を、ウェブサイトの閲覧者に提供する広告工程を具備することを特徴とする請求項7に記載の広告方法。
【請求項9】
イベント活動中に、当該イベントに参加する各当事者の経時的な位置情報を収集し、この位置情報を基にした当事者のアバターを、仮想現実または現実空間と組み合わせることで、当該イベントをウェブサイト上に再現して表示するとともに、あらかじめ設定されている広告をウェブサイトの閲覧者に提供して宣伝広告を行うようになされた広告装置であって、
イベント活動が行われた場所の仮想現実または現実空間に、閲覧者が、自身の応援アバターまたはメッセージボード等のアイテムを載置できる応援手段を有することを特徴とする広告装置。
【請求項10】
応援手段は、閲覧者が、ウェブサイトで所定の数の広告を閲覧した後にアイテムを載置できるようになされた請求項9に記載の広告装置。
【請求項11】
応援手段は、閲覧者が、課金することでアイテムを載置できるようになされた請求項9に記載の広告装置。
【請求項12】
応援手段は、広告の閲覧よってもたらされる収入の少なくとも一部分、または、課金によってもたらされる収入の少なくとも一部分を、イベントに参加した各当事者の中から閲覧者が選択した特定の当事者に提供するようになされた請求項10または11に記載の広告装置。
【請求項13】
応援手段は、所定時間経過後に、仮想現実または現実空間のアイテムが消滅するようになされた請求項9ないし12の何れか一に記載の広告装置。
【請求項14】
応援手段は、アイテムが載置された仮想現実または現実空間の位置に、他の閲覧者が上書きして自身のアイテムを載置できるようになされた請求項9ないし13の何れか一に記載の広告装置。
【請求項15】
応援手段によって載置されたアイテムの位置を基準に、イベントをウェブサイト上に再現する表示手段を具備する請求項9ないし14の何れか一に記載の広告装置。
【請求項16】
表示手段は、あらかじめ設定されている広告を、ウェブサイトの閲覧者に提供する広告手段を具備することを特徴とする請求項15に記載の広告装置。
【請求項17】
請求項9ないし15の何れか一に記載の広告装置を実行するための命令を含むコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者が限定される特定の商品を、楽しんでもらいながら効率良く宣伝広告することができる広告方法および広告装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、ランニングする際に使用するランニングシューズは、通常の靴とは異なり、ランニングという限定された用途に使用されるものであり、使用者は限定される。したがって、このような商品を地上波のテレビ放送やラジオ放送のコマーシャルや新聞で宣伝広告すると、ターゲットではない視聴者にも宣伝広告することとなるため、宣伝広告費用が高い割には、無駄が多く、効率の良い宣伝広告ができない。
【0003】
そのため、従来より、このようなランニングシューズなどを宣伝広告する場合は、マラソン大会のスポンサーになって大会会場で宣伝したり、大会パンフレットに宣伝広告を掲載したり、ランニングの専門誌に広告を掲載したりして宣伝広告をすることが行われていた。
【0004】
また、本発明者は、このような限定された商品の宣伝広告を閲覧者に楽しんでもらいながら行う方法として、マラソン大会等のイベント活動中に、当該イベントに参加する各当事者の経時的な位置情報を収集し、この位置情報を基にした当事者のアバターを、仮想現実または現実空間と組み合わせることで、当該イベントをウェブサイト上に再現して表示し、ウェブサイトの閲覧者が、所望の当事者を選択することで、当該当事者にあらかじめ設定されている広告を、ウェブサイトの閲覧者に提供して宣伝広告を行うようにした広告方法および広告装置を提案している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】再表2019/240295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記従来の広告方法および広告装置の場合、閲覧者がイベントに参加した当事者であれば、自身を選択して自身のアバターで再現されたイベントを見ることで、当日を思い出して十分に楽しむこともできるが、イベントに参加していなかった閲覧者の場合には、イベントに参加していなかったので、イベントに参加していた当事者ほど、当該再現されたイベントを楽しむことはできない。したがって、上記従来の広告方法および広告装置は、当該イベントに参加した当事者の閲覧が主になってしまい、他の閲覧者による閲覧を十分には期待できない。また、マラソン大会等のイベントそのものには興味が無かったり、年齢的事情や身体的事情により参加できなかったが、アバターや、ウェブサイト上で再現されるイベントや、イベントに参加していた特定の人物には興味があるような場合、ウェブサイト上で再現されるイベントを閲覧するだけとなると、閲覧者の範囲と楽しみが限定されてしまうこととなり、有効な宣伝広告を行うことができなくなってしまう。
【0007】
本発明は、係る実情に鑑みてなされたものであって、イベントに参加していなかった閲覧者であっても、閲覧したくなる楽しさを提供することができる広告方法および広告装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明に係る広告方法は、イベント活動中に、当該イベントに参加する各当事者の経時的な位置情報を収集し、この位置情報を基にした当事者のアバターを、仮想現実または現実空間と組み合わせることで、当該イベントをウェブサイト上に再現して表示するとともに、あらかじめ設定されている広告をウェブサイトの閲覧者に提供して宣伝広告を行うようになされた広告方法であって、イベント活動が行われた場所に該当するウェブサイト上の仮想現実または現実空間の所望の場所に、閲覧者が、自身の応援アバターまたはメッセージボード等のアイテムを載置できる応援工程を有するものである。
【0009】
前記広告方法において、応援工程は、閲覧者が、ウェブサイトで所定の数の広告を閲覧した後にアイテムを載置できるようになされたものであってもよい。
【0010】
前記広告方法において、応援工程は、閲覧者が、ウェブサイトで課金することによりアイテムを載置できるようになされたものであってもよい。
【0011】
前記広告方法において、応援工程は、広告の閲覧よってもたらされる収入の少なくとも一部分、または、課金によってもたらされる収入の少なくとも一部分を、イベントに参加した各当事者の中から閲覧者がウェブサイトで選択した特定の当事者に提供するようになされたものであってもよい。
【0012】
前記広告方法において、応援工程は、所定時間経過後に、仮想現実または現実空間のアイテムが消滅するようになされたものであってもよい。
【0013】
前記広告方法において、応援工程は、アイテムが載置された仮想現実または現実空間の位置に、他の閲覧者が上書きして自身のアイテムを載置できるようになされたものであってもよい。
【0014】
前記広告方法において、応援工程によって載置されたアイテムの位置を基準に、イベントをウェブサイト上に再現する表示工程を具備するものであってもよい。
【0015】
前記広告方法において、表示工程は、あらかじめ設定されている広告を、ウェブサイトの閲覧者に提供する広告工程を具備するものであってもよい。
【0016】
上記課題を解決するための本発明の広告装置は、イベント活動中に、当該イベントに参加する各当事者の経時的な位置情報を収集し、この位置情報を基にした当事者のアバターを、仮想現実または現実空間と組み合わせることで、当該イベントをウェブサイト上に再現して表示するとともに、あらかじめ設定されている広告をウェブサイトの閲覧者に提供して宣伝広告を行うようになされた広告装置であって、イベント活動が行われた場所に該当するウェブサイト上の仮想現実または現実空間の所望の場所に、閲覧者が、自身の応援アバターまたはメッセージボード等のアイテムを載置できる応援手段を有するものである。
【0017】
前記広告装置において、応援手段は、閲覧者が、ウェブサイトで所定の数の広告を閲覧した後にアイテムを載置できるようになされたものであってもよい。
【0018】
前記広告装置において、応援手段は、閲覧者が、ウェブサイトで課金することでアイテムを載置できるようになされたものであってもよい。
【0019】
前記広告装置において、応援手段は、広告の閲覧よってもたらされる収入の少なくとも一部分、または、課金によってもたらされる収入の少なくとも一部分を、イベントに参加した各当事者の中から閲覧者がウェブサイトで選択した特定の当事者に提供するようになされたものであってもよい。
【0020】
前記広告装置おいて、応援手段は、所定時間経過後に、仮想現実または現実空間のアイテムが消滅するようになされたものであってもよい。
【0021】
前記広告装置において、応援手段は、アイテムが載置された仮想現実または現実空間の位置に、他の閲覧者が上書きして自身のアイテムを載置できるようになされたものであってもよい。
【0022】
前記広告装置において、応援手段によって載置されたアイテムの位置を基準に、イベントをウェブサイト上に再現する表示手段を具備するものであってもよい。
【0023】
前記広告装置において、表示手段は、あらかじめ設定されている広告を、ウェブサイトの閲覧者に提供する広告手段を具備するものであってもよい。
【0024】
上記課題を解決するための本発明のコンピュータプログラムは、前記広告装置を実行するための命令を含むものである。
コンピュータプログラム。
【発明の効果】
【0025】
以上述べたように、本発明によると、イベント活動が行われた場所に該当するウェブサイト上の仮想現実または現実空間の所望の場所に、閲覧者が、自身の応援アバターまたはメッセージボード等のアイテムを載置できるので、仮想現実または現実空間に、自身が好きなアイテムを置いたり、仮想現実または現実空間のアバターを応援したりすることができる。したがって、実際のイベントには参加していなかったとしても、仮想現実または現実空間で再現されるイベントに、アイテムを載置することで参加して楽しむことができる。したがって、ウェブサイトは多くのアクセスを得ることができ、広告主は、実際のイベントには参加できなかったが、当該イベントに興味がある閲覧者に対しても、当該閲覧者がウェブサイトにアクセスしている際に、広告を見せることができ、良好な広告宣伝を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明に係る広告装置の全体構成の概略を示すブロック図である。
図2】(a)ないし(d)は本発明に係る広告装置の情報収集を説明する概略図である。
図3】(a)ないし(d)は本発明に係る広告装置の表示を説明する概略図である。
図4】(a)ないし(e)は本発明に係る広告装置の情報表示を説明する概略図である。
図5】本発明に係る広告装置の仮想マラソン大会の表示を説明するフローチャート図である。
図6】本発明に係る広告装置の表示の設定変更を説明するフローチャート図である。
図7】本発明に係る広告装置の応援手段を説明する概略図である。
図8】本発明に係る広告装置の他の実施の形態に係る情報収集を説明する概略図である。
図9】本発明に係る広告装置のさらに他の実施の形態に係る情報収集を説明する概略図である。
図10】本発明に係る広告装置の他の実施の形態に係る応援手段を説明する概略図である。
図11】(a)ないし(c)は本発明に係る広告装置の他の実施の形態に係る表示を説明する概略図である。
図12】(a)ないし(e)は本発明に係る広告装置の他の実施の形態に係る情報表示を説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係る実施の形態を図面を参照して説明する。
【0028】
図1は本発明に係る広告装置1の全体構成の概略を示し、図2ないし図7は同広告装置1における情報収集手段2、表示手段3、情報表示手段4、広告手段5、応援手段6を示している。
【0029】
以下の説明において、イベント活動をマラソン大会と仮定して説明する。この広告装置1は、マラソン大会中に、当該マラソン大会に参加する各当事者11の経時的な位置情報を収集する情報収集手段2と、当事者11に見立てたアバター110を使って、収集した位置情報を含む当事者11の情報を、仮想現実(または現実空間)31と組み合わせることで、当該マラソン大会を再現した仮想マラソン大会32をウェブサイト100上に表示する表示手段3と、ウェブサイト100の閲覧者が前記表示手段3によって表示される仮想マラソン大会32の所望のアバター110にアクセスすることで、当該アバター110に該当する当事者11のマラソン大会開催時の情報を表示する情報表示手段4と、前記アクセス毎にあらかじめ設定されている広告を、ウェブサイト100の閲覧者に提供する広告手段5と、マラソン大会が行われた場所の仮想現実(または現実空間)31に、閲覧者が、自身の応援アバター61aまたはメッセージボード61b等のアイテム61を載置できる応援手段6と、を具備している。
【0030】
情報収集手段2は、マラソン大会中に、当該マラソン大会に参加する各当事者11の経時的な位置情報を収集する。これは、ナブスター21を利用して経時的な位置情報を収集する専用のアプリケーションソフトを、スマートウォッチ、スマートフォン、スマートグラスなどのGPS機能を有するスマート端末22にダウンロードし、当該スマート端末22を、マラソン大会に参加する個々の当事者11に装着してもらい、これらのスマート端末22を用いて当事者11の経時的な位置情報を収集することによって行うことができる。スマート端末22としては、GPS機能だけを有する専用のスマート端末22であってもよいし、心拍数測定やその他の情報を測定する他の機能や通話機能などを搭載したスマート端末22であってもよい。GPS機能は、信号捕捉時間が短く誤差が小さい、衛星測位システムである「みちびき」に準ずるものを使用することが好ましい。
【0031】
この際、収集する位置情報は、図2(a)に示すように、マラソン大会中はスマート端末22に収集しておき、マラソン大会終了後に終了地点でサーバ10に回収するものであっても良い。スマート端末22からサーバ10への位置情報の回収は、終了地点でスマート端末22を直接接続して行うものであってもよいし、終了地点でスマート端末22から受信機23を使ってデータ通信で行うものであってもよい。このようにスマート端末22に位置情報を収集しておいてから、マラソン大会終了後にサーバ10に回収する場合、スマート端末22からリアルタイムで情報収集する場合と比較して通信の煩雑さも関係なく、マラソン大会終了地点で確実に情報を収集することができる。
【0032】
また、マラソン大会中にリアルタイムで情報収集してマラソン大会と略時間差無しで広告装置1を使用する場合、図2(b)に示すように、ナブスター21を利用して当事者11が装着したスマート端末22に収集した位置情報は、所望の位置に複数の基地局24を設け、Bluetooth(登録商標)のような近距離無線通信によって、これら基地局24からサーバ10に転送するものであってもよいし、図2(c)に示すように、WIFI(登録商標)のような無線通信によって、サーバ10にリアルタイムで受信するものであってもよい。ただし、WIFI(登録商標)のような無線通信の場合、スマート端末22から位置情報を送信する際のスマート端末22のバッテリーの消耗が激しく、マラソンやトライアスロンなどのように競技時間が長くなるイベントの場合には、スマート端末22のバッテリーが切れてしまう。したがって、このような場合は、所定距離毎に多くの基地局24を設け、Bluetooth(登録商標)のような近距離無線通信によって、スマート端末22から送信される位置情報を基地局24で受信してサーバ10に転送することが好ましい。ただし、近距離無線通信の場合も多くの基地局24が必要となってしまうデメリットがあり、マラソン大会に参加する当事者11が多い場合は通信が混線して乱れてしまうので、図2(d)に示すように、スマート端末22自体を通信網の基地局として利用することができる、920MHzを利用したマルチホップ通信によるものであってもよい。上記したようにして情報収集手段2によって収集した位置情報は、サーバ10に集められる。なお、図2において、スマート端末22としてスマートグラスおよびスマートウォッチを記載しているが、これらは単独で利用するものであってもよいし、併用して利用するものであってもよい。また、他のスマート端末22であってもよし、当該スマート端末22と各種センサ(図示省略)との連携で、ナブスター21からの情報以外の情報を収集するものであってもよい。情報収集手段2によって収集される情報としては、上記した位置情報のみに限定されるものではなく、他の情報を合わせて収集するものであってもよい。この際、収集される他の情報としては、音センサ(マイク)、CCDイメージセンサ、9軸センサ、脈波センサ、等を組み込んだスマート端末22により、音声情報、画像情報、体の傾き、走行時のピッチ(水泳の場合はストローク数、自転車などの場合はクランク回転数や出力ワット数)、着地位置、心拍数、等の情報を収集することができる。
【0033】
表示手段3は、当事者11に見立てたアバター110を使って、マラソン大会で収集した位置情報を含む全ての当事者11の情報を、仮想現実(または現実空間)31と組み合わせることで、当該マラソン大会を再現した仮想マラソン大会32をウェブサイト100上に再現できるように構成されている。すなわち、表示手段3は、サーバ10に構築された情報収集手段2の情報を基に、仮想マラソン大会32をウェブサイト100上に再現できるように、サーバ10にプログラミングされている。そして、ウェブサイト100にアクセスした所望の閲覧者に、当事者11に見立てたアバター110が走る仮想マラソン大会32を見せることができるようになされている。この際、仮想現実(または現実空間)31とは、仮想現実と現実空間とのうち、どちらか一方を利用するものであってもよいし、使用中に切り替えることができるようになされたものであってもよい。各当事者11のアバター110は、ランナーの形をした定形のアバター110に、マラソン大会参加時のゼッケン番号を付けることで、個々のアバター110間の違いを表現することができる。
【0034】
それ以外にも、個々のアバター110の違いを表現するために、定形のアバター110をカスタマイズできるようにしておいてもよい。アバター110をカスタマイズするための選択肢としては、男女の性別の違い、年齢層の違い、身長の違い、体重の違い、髪の毛の色や長さの違い、肌の色や服の色の違いなどが挙げられる。これらを選択することで、当事者11毎に異なったアバター110を仮想現実(または現実空間)31に組み合わせて、仮想マラソン大会32をウェブサイト100上に再現できることとなる。これら選択肢の選択は、あらかじめ主催者がマラソン大会申込み時の情報に基づき、自動的に設定するものであってもよいし、マラソン大会に参加した当事者11が、ウェブサイト100にアクセスして自己のアバター110を自由にカスタマイズできるようにしておいてもよい。
【0035】
また、表示手段3は、図3(a)に示すように、縮小機能を使って、仮想マラソン大会32におけるマラソンコース全体を表示するものであってもよし、図3(b)に示すように、拡大機能を使ってマラソンコースの例えばスタート地点を表示するものであってもよい。このように、表示手段3は、拡大および縮小機能を使って、表示された位置を自由にサイズ調整して画面に表示できるようになされている。この表示は、図3(a)および(b)に示すような平面表示で表示されるものであってもよいし、図3(c)および(d)に示すような3Dの立体表示で表示されるものであってもよいし、平面表示と立体表示との間で切り替えるようになされたものであってもよい。立体表示の場合、表示手段3は、図3(c)に示すように、ウェブサイト100にアクセスした閲覧者が選択した所定の当事者11に該当するアバター110を中心に画面が表示されるものであってもよいし、図3(d)に示すように、前記所定の当事者11に該当するアバター110の視線で進行方向の画面が表示されるものであってもよい。また、表示手段3は、当事者11を他の当事者11に変更することで、変更した当事者11に該当するアバター110を中心に画面が表示されたり、当該アバター110の視線で画面が表示されたりするように設定されている。
【0036】
表示手段3は、図5に示すように、この広告装置1の表示手段3が実行されるウェブサイト100にアクセスして閲覧者が個人情報でログインすると(ST1)、マラソン大会の選択が要求される(ST2)。ここで自分が参加したマラソン大会を選択すると(ST3)、閲覧者はマラソン大会に参加した当事者11であると認定され、自動的に自己のアバター110が選択されるので(ST4)、他の当事者11への変更をしなければ(ST5)、そのまま自己のアバター110を中心として仮想マラソン大会32が表示される(ST6)。また、自分が参加したマラソン大会を選択後、自己のアバター110を使用せずに、当事者11の変更を選択すると(ST5)、当事者11の選択後(ST7)、選択した当事者11のアバター110が中心となるように切り替えられて(ST8)仮想マラソン大会32が表示される(ST6)。また、ログイン後、自分が参加していないマラソン大会を選択した場合は(ST3)、当事者11を選択することで(ST7)、選択した当事者11のアバター110が中心となるように切り替えられて(ST8)仮想マラソン大会32が表示される(ST6)。また、閲覧者が、この表示手段3が実行されるウェブサイト100にアクセスしてログインしなかった場合(ST1)、マラソン大会を選択後(ST9)、当事者11を選択すると(ST7)、選択した当事者11のアバター110を中心として仮想マラソン大会32が表示される(ST6)。
【0037】
この表示手段3では、図6に示すように、仮想マラソン大会32が表示されている状態から、設定の変更を選択すると(ST1)、当事者の変更を選択した場合には(ST2)、当事者11を選択すると(ST3)、選択した当事者11のアバター110に変更後(ST4)、表示手段3による仮想マラソン大会32が再表示され(ST4)、自由なタイミングで、最初に選択した当事者11から他の当事者11を選択して仮想マラソン大会32で主体となるアバター110を変更することができる。また、当事者11の変更以外に、仮想マラソン大会32の開始からの時間の変更を選択した場合には(ST6)、時間を設定すると(ST7)、その変更した時間に移動して表示手段3が仮想マラソン大会32を表示することとなる(ST5)。同じく、仮想マラソン大会32の開始からの距離の変更を選択した場合(ステップ8)、距離を設定すると(ST9)、その変更した距離に移動して表示手段3が仮想マラソン大会32を表示することとなる(ST5)。もちろん移動した後に表示される仮想マラソン大会32の様子は、当事者11が移動した地点における位置情報から、当事者11のアバター110や他の当事者11のアバター110も同時に表示され、マラソン大会時の状態が再現される。時間の変更や距離の変更を行う際は、例えば、図3(a)ないし(d)に示すように、仮想マラソン大会32と同じ画面に設けられた、時間や距離を変更するための変更表示33の設定を変更することによって行うことができる。この変更表示33は、常時表示されているものに限定されるものではなく、自由に隠したりできるものであってもよい。設定変更後、変更終了する(ST10)。
【0038】
なお、当事者11の選択は、当該当事者11の名前や、マラソン大会でのゼッケン番号やGPS番号を入力して行うものであってもよいし、ゴール順位や、年齢別順位や、途中通過地点の順位や、男女別順位を入力して行うものであってもよいし、当事者11の一覧表から選択するものであってもよいし、仮想マラソン大会32のアバター110を、ウェブサイト100の画面から直接タッチしたり、カーソルを当てて直接選択したりするものであってもよい。
【0039】
なお、表示手段3による仮想マラソン大会32の表示は、最初の表示からウェブサイト100の閲覧者が操作しない限り、表示が進行しないように構成された静止画のようなものであってもよいし、時間の経過とともに表示が進行して自分が選択したアバター110と、周囲のアバター110とが同時に動き出すようになされた動画のようなものであってもよい。動画の場合、当該動画を再生したり、停止したり、早送りしたり、巻き戻ししたり、再生速度を調整したりできるようになされたものであってもよい。また、時間の経過とともに表示が進行する動画の場合、選択する当事者11毎にアバター110が異なったスピードで仮想現実(または現実空間)31を走ることとなるので、仮想マラソン大会32の場合、当事者11としてトップ選手を選択すると、アバター110を介してトップ選手のスピード感を体験できることとなる。
【0040】
また、当事者11がカスタマイズして表示される表示手段3によるアバター110は、当事者11と、当事者11が設定した特定の友人以外には表示されず、一般の閲覧者にはサーバ10が設定した所定のアバター110が表示されるようにしたものであってもよい。また、当事者11を変更する場合、あらかじめ当事者11が設定することで、当該当事者11のアバター110に、当事者11以外の者が訪れないようにしたり、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)などで登録している特定の友人しか訪れることができないようにしたりするものであってもよい。
【0041】
さらに、表示手段3によって仮想マラソン大会32に表示されるアバター110は、基本的にはマラソン大会に参加した全員の当事者11に該当するアバター110が表示されるが、特定のアバター110だけを表示するように変更できるようになされたものであってもよい。この場合、変更して表示される特定のアバター110としては、ウェブサイト100の閲覧者が選択した当事者11に該当するアバター110や、現在選択している当事者11に該当するアバター110と同年齢別クラスの当事者11に該当するアバター110や、男性または女性の当事者11に該当するアバター110や、特定のゴール順位、例えば、上位100名の当事者11に該当するアバター110などが挙げられる。
【0042】
情報表示手段4は、前記表示手段3によって再現した仮想マラソン大会32を閲覧しているウェブサイト100の閲覧者が、当該仮想マラソン大会32で自身が選択した当事者11にアクセスすることで、仮想マラソン大会32の表示から、当該当事者11のマラソン大会32に参加した時の詳細情報を表示する各ページ41へと、ウェブサイト100の表示を切り替えることかできるようにサーバ10にプログラミングされている。この情報表示手段4によって表示される当事者11の詳細情報としては、例えば、図4(a)に示すように、当事者11の他大会での成績やプロフィールの表示ページ41aが挙げられる。この表示ページ41aには、閲覧者が選択した当事者11のアバター110がスタート地点から10キロの位置に移動していたとすると、その位置情報とリンクした情報、例えば、スタートから10キロまでの1キロ毎のラップタイムや平均速度やコースの高低差図などの情報が提供されるようになされていてもよい。この詳細情報の表示は、数値表示、または、折れ線グラフや棒グラフによるグラフィック表示などによって行われる。
【0043】
また、この当事者11の詳細情報の表示は、選択した当事者11の記録Aだけでなく、この当事者11の記録を第一の記録Aとすると、それ以外に、複数の他に選択した当事者11の記録B、Cとの間で、情報を比較して表示できるようになされたものであってもよい。例えば、図4(b)に示すように、閲覧者が選択した当事者11と、他に選択した当事者11との差を表示することができるように、詳細情報の表示は、コースの高低差図や、所定距離通過時のラップタイムを表示する時間表示により、記録A、B、Cが表示される比較表示を行う比較表示ページ41bを構成するものであってもよい。また、図4(c)に示すように、所定時間を入力することで、その時間における、閲覧者が選択した当事者11と、他に選択した当事者11との距離差を表示することができるように、詳細情報の表示は、前記所定時間における現在位置の記録A、B、Cが、コースの高低差図上に表示されて、距離差表示を行う距離比較ページ41cを構成するものであってもよい。また、図4(d)に示すように、コースの高低差図上に所定の距離を入力することで、その距離における、閲覧者が選択した当事者11と、他に選択した当事者11との時間差を表示することができるように、詳細情報の表示は、前記所定距離における通過タイムの記録A、B、Cが表示されて時間差表示を行う時間比較ページ41dを構成するものであってもよい。さらに、図4(e)に示すように、詳細情報の表示は、閲覧者が選択した当事者11の記録Aと、選択した他の当事者11の記録B、Cとが、コースマップ42上で比較表示できるようになされた位置比較ページ41eであってもよい。この場合、画面にある時間や距離の変更表示43を用いて時間や距離を増減して所定の距離または所定の時間に変更することで、閲覧者が選択した当事者11の位置の記録Aが、所定の距離または所定の時間に移動して表示するようになされており、この移動して表示される当該当事者11の位置の記録Aとともに、他の当事者11の位置の記録B、Cが同時に表示されて比較できるようになされている。
【0044】
なお、情報表示手段4により提供される当事者11の詳細情報の表示は、ウェブサイト100の各ページ41の切り替えで表示できるようになされたものであってもよい。また、この詳細情報の各ページ41の表示は、前記した表示手段3と同一画面に同時に表示するものであってもよいし、切り替えて表示するようになされたものであってもよい。各ページ41の数も特に限定されるものではない。さらに、選択した当事者11の記録A以外に他に選択した当事者11の記録B、Cの合計3つの記録を比較するようになされているが、2つの記録または4つ以上の記録を比較できるようになされたものであってもよい。他の当事者11の選択は、ゼッケン番号、名前、ゴールタイム、年齢別順位などで検索して入力できるようにしたものであってもよい。また、他の当事者11の選択は、各ページ41でそれぞれ入力できるようにしたものであってもよいし、情報表示手段4の比較表示ページ41bで入力すると、その情報が他のページ41にも反映されて比較できるようになされたものであってもよい。
【0045】
また、情報表示手段4により表示される情報の開示内容は、当事者11が設定することができ、全ての情報を閲覧者に閲覧できるようにするものであってもよし、一部の情報を閲覧者に閲覧できるようにするものであってもよい。また、当事者11と、その当事者11が承認した特定の友人と、一般の閲覧者との間で、公開する情報の開示内容に差を設けたりするものであってもよい。
【0046】
さらに、情報表示手段4により表示される詳細情報としては、上記したように、距離、時間、速度、ラップタイム、位置などに限定されるものではなく、上記した情報収集手段2によって収集されるか各種情報を利用するものであればよい。具体的には、上記した以外に、音声情報、画像情報、体の傾き、走行時のピッチ(水泳の場合はストローク数、自転車などの場合はクランク回転数や出力ワット数)、着地位置、心拍数、等が挙げられる。
【0047】
広告手段5は、図3および図4に示すように、前記表示手段3や情報表示手段4の画面に組み込まれており、前記表示手段3によるウェブサイト100の閲覧者が、当該表示手段3によって再現された仮想マラソン大会32を見ている際や、情報表示手段4によるウェブサイト100の閲覧者が、当該情報表示手段4による当事者11の記録等の詳細情報を見ている際に、広告を見せるようにサーバ10にプログラミングされている。この際の広告手段5による広告は、仮想マラソン大会32のスポンサーであった広告主の広告や、仮想マラソン大会32に関連する広告を使用することができる。例えば、仮想マラソン大会32のスポンサーであったスポーツメーカーの広告は、広告手段5においても使用できる。こうすることで、スポーツメーカーは、マラソン大会当日だけでなく、このウェブサイト100を通じて閲覧者に広告手段5による広告を見せることができ、効果的な宣伝広告が可能となる。
【0048】
また、マラソン大会ではスポンサーではなかったが、この広告装置1における広告手段5においては、スポンサーとして広告を提供するスポンサーとなってもよい。例えば、マラソン大会において、マラソンで使用するウェア、靴、時計、サングラス、栄養補助食品など、全てを販売する総合スポーツメーカーではないが、そのうちの一つを販売しているメーカーだとすると、この広告手段5を使用することで、マラソン大会の当日のスポンサーには予算の都合でなれなかったが、同大会に参加した当事者11をターゲットにして予算に応じた広告をすることができる。また、この広告手段5の場合、どの当事者11を選択するかによって、該当する当事者11の年齢層や性別が把握できるので、例えば、情報表示手段4において、女性の当事者11を選択した人には、スポーツ用の日焼け止めの広告や、美容関連の商品の広告をしたり、高齢者の当事者11を選択した人には、栄養補助食品やリカバリー関連の商品の広告をしたり、若年者の当事者11を選択した人には、競技者向けの商品の広告をしたり、することができる。さらに、ウェブサイト100の閲覧者に対して、マラソン大会が行われている地域の宿泊施設や飲食店など、マラソン大会が行われている地域に関連する広告をすることもできる。
【0049】
広告手段5において、広告を提供するタイミングは、前記表示手段3や情報表示手段4がウェブサイト100に表示されている際に、広告手段5による広告を一緒に表示するものであってもよいし、前記表示手段3や情報表示手段4と一緒に表示されている広告手段5にアクセスすることで、広告手段5による広告が起動するようになされたものであってもよい。また、前記表示手段3による表示から情報表示手段4による表示にウェブサイト100の画面を切り替えるタイミング、または、情報表示手段4による表示から表示手段3による表示にウェブサイト100の画面を切り替えるタイミングで、その間に広告手段5による広告を見せるものであってもよい。さらに、表示手段3が実行されるウェブサイト100にアクセスして仮想マラソン大会32が表示されるまでの間のあらゆるタイミング、例えば、表示手段3による仮想マラソン大会32の表示の途中で設定変更により当事者11の変更や(図6のST4とST5との間)、時間の変更や(図6のST7とST5との間)、距離の変更(図6のST9とST5との間)を行って仮想マラソン大会32を再表示する前に、広告手段5による広告を見せるものであってもよい。さらに、情報表示手段4による情報の表示の各ページ41を切り替える間に広告手段5による広告を見せるものであってもよい。広告は静止画であってもよいし、動画であってもよい。
【0050】
また、広告は、表示手段3による仮想現実(または現実空間)31に組み込まれたものであってもよい。表示手段3による仮想現実(または現実空間)31に組み込んだ広告としては、仮想マラソン大会32のコースの沿道や横断幕や看板に広告を組み込むことが考えられる。この場合、これら仮想現実(または現実空間)31に組み込んだ広告にアクセスすることで、さらに広告が展開されるものであってもよい。
【0051】
さらに、広告手段5による広告は、仮想マラソン大会32におけるアバター110、または当該アバター110のカスタマイズの際に組み込まれたものであってもよい。仮想マラソン大会32におけるアバター110に組み込んだ広告としては、アバター110のウェア、靴、帽子、時計などの着用品に広告を組み込むことが考えられる。この場合、仮想マラソン大会32を閲覧者が閲覧して気になったアバター110の着用品にアクセスすることで、この着用品の広告を展開して、当該閲覧者に着用品の広告をすることができる。例えば、アバター110の靴にアクセスすると、靴の広告が展開されるようにすることができる。このような広告により、例えば、トップ選手の場合、ウェブサイト100の閲覧者が、当該トップ選手のアバター110の着用品にアクセスすることで、マラソン大会で使用しているウェアや靴などの情報を、広告を介して見ることができる。なお、トップ選手のアバター110と言うのは、一例であって、仮想マラソン大会32に出てくる全てのアバター110の着用品に、このような広告が組み込まれていてもよい。また、当事者11が自分のアバター110のウェア、靴、帽子、時計などの着用品を選択して当該アバター110をカスタマイズする際、広告したい着用品を選択肢に入れておき、カスタマイズの際に当事者11が着用品を選択した際、当該着用品の広告を見せることで、当事者11にアバター110のカスタマイズを楽しんでもらいながら、着用品の広告をすることができる。
【0052】
さらに、広告手段5による広告は、情報表示手段4における各ページ41に組み込んだものであっても良い。例えば、表示ページ41aに記載されたプロフィールとともに、支援企業の広告が組み込まれたものであってもよいし、各ページ41間を移動する間や、距離や時間を変更して記録を再表示するタイミングで広告を展開するものであってもよい。
【0053】
また、この広告装置1を利用して広告する商品としては、特に限定されるものではなく、例えば、ウェア、シューズ、帽子、時計、食品、各種機材、など、そのイベント活動に関連する店で販売している物であってもよいし、これらの物に限定されず、イベント活動に参加している当事者11のイメージを利用することができる物であってもよいし、イベント活動を行う地域をアピールする物であってもよい。
ただし、この広告装置1の特徴からすると、イベント活動で使用する専用品を広告するのが効果的となる。
【0054】
応援手段6は、図7に示すように、仮想マラソン大会32のウェブサイト100(図3参照)の閲覧者が、当該仮想マラソン大会32のコースである仮想現実(または現実空間)31に、自身の応援アバター61aまたはメッセージボード61b等のアイテム61を載置できるように、サーバ10にプログラミングされている。
【0055】
アイテム61が応援アバター61aの場合、当該応援アバター61aは、ウェブサイト100で選択した応援アバター61aを載置するものであってもよいし、当該ウェブサイト100で該当する応援アバター61aの各パーツを選択して作成した応援アバター61aを載置するものであってもよいし、他で作成した応援アバター61aを載置するものであってもよい。この応援アバター61aは、動かないものであってもよいし、動くように構成されたものであってもよい。アイテム61が応援アバター61aの場合、当該応援アバター61aは、設置した閲覧者に対して、設置する期間に応じて課金するものであってもよいし、数や大きさに応じて課金するものであってもよいし、設置する場所に応じて課金するものであってもよい。
【0056】
アイテム61がメッセージボード61bの場合、当該メッセージボード61bは、ウェブサイト100で選択したメッセージボード61bを閲覧者が載置するものであってもよいし、当該ウェブサイト100で該当するメッセージボード61bの形状やメッセージなどを選択して作成したメッセージボード61bを閲覧者が載置するものであってもよいし、他で作成したメッセージボード61bを閲覧者が載置するものであってもよい。また、メッセージボード61bのメッセージは、単純にメッセージが表示されるものであってもよいし、文字や文字周辺に電飾が点灯したり、文字が流れるように表示されたりするものであってもよいし、ブランドロゴ、画像、映像などが表示されるものであってもよいし、これらが併用されたものであってもよい。メッセージボード61bの形状としては、縦長や横長など特に形状に限定されるものではなく、看板状のものであってもよいし、垂れ幕状のものであってもよいし、横断幕状のものであってもよいし、のぼり状のものであってもよいし、応援アバター61aが振る旗状のものであってもよいし、風船のようなものであってもよいし、飛行機雲で描く文字のようなものであってもよいし、コース上の道路や建物に一体化して直接表示するようになされたものであってもよい。アイテム61がメッセージボード61bの場合、当該メッセージボード61bは、前記した期間に応じて課金するものであってもよいし、個数または面積に応じて課金するものであってもよいし、設置する場所に応じて課金するものであってもよいし、これらを併用するものであってもよい。
【0057】
アイテム61は、上記した応援アバター61aやメッセージボード61bの他に、実在するまたは創作された、乗物、建物、構造物等であってもよいし、実在するまたは創作された、動物や植物等の生物であってもよいし、アニメのキャラクター等であってもよい。
【0058】
アイテム61は、一度載置すると、そのまま永久に載置するものであってもよいし、期間を指定して載置し、その期間経過後に仮想現実(または現実空間)31から消えるようにするものであってもよい。この際、期間の長さに応じて、設置した閲覧者に課金するようにしてもよい。また、アイテム61は、隣接するアイテム61同士が重ならないように載置するものであってもよいし、重なるように載置するものであってもよい。実際の沿道では、観客が折り重なるようになっていても自分の視界を確保するように前の観客と完全に重複することはないので、重なるように載置する場合、完全に重複することなく多少ずれて重複するようにすることが好ましい。ただし、アイテム61がメッセージボード61bの場合は、肝心なメッセージが読めなくなってしまうので、当該メッセージボード61bの場合には、重複しないようにすることが好ましい。
【0059】
アイテム61は、単純に載置するだけであってもよいし、載置した位置を基準に仮想マラソン大会32が再現されるようにしたものであってもよい。例えば、仮想マラソン大会32の場合、情報収集手段2によって収集した位置情報を基にして、むやみやたらにあらゆる地点から仮想マラソン大会32が再現されるように設定してしまうと、サーバ10に係る負担が大きくなってしまい、閲覧者のアクセス制限をしなければならなくなってしまうし、肝心な広告の帰属、すなわち、どの当事者11のアバター110を閲覧者が閲覧することによってもたらされた広告であるのかが不明となってしまう。そのため、当事者11を選択して仮想マラソン大会32を再現するように構成しているが、一方で、選択した当事者11を起点にして再現される仮想マラソン大会32を見るだけでは、各当事者11の通過順などが確認できない。したがって、5キロ地点、10キロ地点、ゴール等の区切りの地点は、各当事者11のタイムが気になるし、どのような通過順で各当事者11が通過するのかが気になるので、このような区切りの地点に限定して特別なアイテム61を載置し、その載置した位置を基準に仮想マラソン大会32が再現されるようにすれば、サーバ10の負荷の増加を最低限にして、これらの地点からの仮想マラソン大会32を再現することができる。このような区切りの地点は、閲覧者のアクセスも集中することが想定されるので、課金により特別なアイテム61を設置できる替わりに、当事者11と同様に広告を設置できるようにするものであってもよい。これらの地点の数は、サーバ10の処理能力に応じて決定するが、例えば、1キロ毎、2キロ毎、5キロ毎、10キロ毎といった具合に設けることができる。
【0060】
この広告装置1によると、マラソン大会に参加する当事者11が有名芸能人や有名アスリートのように多くのファンを抱えている人物の場合、仮想マラソン大会32では、閲覧者は、該当する当事者11のアバター110を選択して、当該当事者11のアバター110を中心とした画面の表示、または当該当事者11のアバター110の視線での画面の表示によって再現される仮想マラソン大会32を閲覧することで、当該当事者11の仮想マラソン大会32に組み込まれた広告を見ることとなり、これによって該当する当事者11の仮想マラソン大会32の試聴数や、そこに組み込まれた広告再生回数が増えることとなる。したがって、閲覧者が当該当事者11のアバター110を選択して仮想マラソン大会32を試聴することで、当事者11を間接的に応援することができることとなるが、さらに、この広告装置1は、閲覧者が、応援手段6により応援アバター61aやメッセージボード61b等のアイテム61を仮想現実(または現実空間)31に置くことで、仮想現実(または現実空間)31に、自分の応援の意志が反映されるので、より積極的に応援することができることとなる。また、このような応援手段6によるアイテム61は、仮想現実(または現実空間)31の全体に反映されるので、閲覧している自分自身だけでなく、仮想マラソン大会32を試聴している全員に自身の応援を伝えることができ、応援行為自体を楽しむことができる。また、マラソン大会当日は、現地に応援に行けなかったような場合であっても、後日、この仮想現実(または現実空間)31にアイテム61を置くことによって応援参加することができる。しかも、マラソン大会当日に応援する場合は、自身一人のみの応援しかできないが、応援アバター61aやメッセージボード61b等のアイテム61を置いて応援する場合には、一人で複数名分の応援をすることができるので、沿道を複数の応援アバター61aや複数のメッセージボード61b等のアイテム61による大観衆で埋めつくす応援をすることもできる。
【0061】
また、寄付金を募ったり、参加費の一部を募金したりするようなチャリティーランなどのマラソン大会32も、一般的に良く行われているが、このような大会も、通常は大会当日、大会に参加しなければならないが、場所が遠方であったり、事情があって当日参加できないような場合も多い。しかし、この応援手段6によると、後日、この仮想現実(または現実空間)31に、閲覧者がアイテム61を置いて課金してもらうことで、チャリティーに参加してもらうことができる。しかも、大会当日だけでなく長期間に渡ってアイテム61を置いてもらうことができるので、募金による集金効率を高めることかできる。
【0062】
また、コロナウィルス等によるパンデミックが発生した危機的状況の場合、イベントは、無観客で行ったりしなければならず、スポンサーは、イベントに見合った宣伝広告効果が得られない状況になり易いが、この応援手段6によると、イベントが終了した後も、ウェブサイト100の閲覧者が、仮想マラソン大会32のコースである仮想現実(または現実空間)31に、自身の応援アバター61aまたはメッセージボード61b等のアイテム61を載置して仮想マラソン大会32を盛り上げ、ゲームを楽しむかのように、仮想マラソン大会32のコースを刻一刻と変化させて装飾しながら応援することができる。したがって、無観客でイベント当日応援に行けなかった人も、この仮想マラソン大会32を通じて応援することができるし、大会当日の状況も仮想マラソン大会32で確認して楽しむことができる。また、上記したような無観客で、他人と触れ合うことができない状況下であっても、アイテム61を通じて大会に参加している他の閲覧者とのコミュニケーションを取ることができるので、ファンの応援心理を満たすこともできる。
【0063】
また、応援手段6は、上記したように、閲覧者が、課金することでアイテム61を載置できるようにしたものであってもよいし、このような課金以外に、広告動画を見ることと引き換えにアイテム61を載置できるようにしたものであってもよいし、このような制限なしに自由にアイテム61を載置できるようにしたものであってもよい。広告装置1としては、応援手段6において、自由にアイテム61を載置できるようにしてしまうと、課金収入を得ることができなかったり、広告再生回数を増やすことができなくなってしまったりすることが懸念されるが、応援手段6によってアイテム61を載置するだけで終わることは、通常ではあり得ず、載置したアイテム61を確認するために仮想マラソン大会32をウェブサイト100で閲覧するので、この閲覧の際、当事者11を選択して、当該当事者11に設定されている広告手段5による広告を見るので、広告の試聴回数は稼ぐことができる。また、仮想マラソン大会32自体は、結果に変化はないが、応援手段6は、所定時間経過後にアイテム61を消したり、重複して他のアイテム61を上書きしたりできるようにした場合、仮想マラソン大会32の沿道は、刻一刻と変化することとなるので、マラソン大会終了後も、長期に渡って仮想マラソン大会32を楽しむことができることとなる。特に、広告においては、多くの閲覧を、長期に渡って安定して維持する必要があるが、マラソン大会のようなイベントの場合、どうしてもイベント直後に閲覧が集中してしまい、イベントから時間が経過すると、閲覧数が低下してしまうことが懸念されるが、このような応援手段6を備えることで、閲覧数の低下を長期に渡って防ぐことができることとなる。したがって、良好な広告宣伝を行うことができることとなり、広告主を獲得および維持し易くなる。
【0064】
このようにして構成される広告装置1を利用可能なイベント活動としては、当該イベントに参加する当事者11の経時的な位置情報を後に楽しむことができるイベントであれば、特に限定されるものではなく、例えば、上記したマラソン大会以外に、ロードレース、駅伝、トレイルラン等の一般道を使用して行われる長距離を走るイベントを含む各種ランニング大会、MTB、ロードレーサー、BMX、などの自転車を使った各種の大会、バイアスロン、トライアスロン、アドベンチャーレースなど、複数の競技を組み合わせた各種の大会、オープンウォーターで行われる各種水泳大会、自動車レース、オートバイレース、ウィンドサーフィンやジェットスキーやカヌーやヨットなどの各種ウォータースポーツ、オリエンテーリング、ロゲイニング、スキーやスノーボードやスノーモービルなどを使用して雪上で競争する各種の雪上競技、など、時間で順位を競う各種のイベント活動が挙げられる。
【0065】
また、サッカー、バスケットボール、ハンドボール、水球、バレーボール、テニス、バトミントン、ラグビー、アメリカンフットボール、フットサル、ホッケー、ラクロス、などのように、フォーメーションを使って攻防し合う各種のイベント活動であってもよい。ただし、この場合、各競技に使用するボール等の位置情報も必要となるので、情報収集手段2は、ボール等の経時的な位置情報も収集する必要がある。
【0066】
なお、上記したイベントのうち、競技場で行うイベントのように観客席があるような場合、応援アバター61aは、観客席毎に載置することができるが、イベントに参加する当事者11の経時的な位置情報を楽しむ際の邪魔にならないのであれば、このような観客席にとらわれることなく、仮想現実(または現実空間)31の自由な位置にアイテム61を載置してもよい。また、観客席のないアドベンチャーレースなどの場合も、イベントに参加する当事者11の経時的な位置情報を楽しむ際の邪魔にならないのであれば、仮想現実(または現実空間)31の自由な位置にアイテム61を載置してもよい。
【0067】
また、図8に示すように、広告装置1を利用可能なイベント活動としては、当事者11の位置情報からボール7の位置情報を収集可能であれば、ゴルフのように、当事者11の位置情報よりもボール7の位置情報が重要なイベント活動であってもよい。すなわち、ゴルフの場合、当事者11は、ボール7の打球時に停止して打球するので、停止した打球位置がボール7の停止位置7aとなり、それ以外は各ホール71のカート道73等をカートに乗って移動したり、徒歩で移動したりしているものとみなすことができる。したがって、情報収集手段2によって当事者11の経時的な位置情報を収集し、当事者11が停止した位置を確認することで、ボール7の停止位置7aの情報を収集することができる。したがって、ボール7自体の位置情報を収集しなくても、ボール7の停止位置7aの情報を収集して、プレー中の各打球毎のボール7の軌跡70を情報化することができる。ただし、当事者11は、打球時以外に、他の当事者11の打球時にも停止して、当該他の当事者11のプレーを見たりしているので、当事者11が停止した位置の情報は、ボール7の停止位置7aか、他の当事者11の打球を見ているだけなのか区別がつかなくなる。したがって、これらの区別がつくように、情報収集手段2としては、当事者11の位置情報を収集可能なGPS機能を有する以外に、加速度センサ(図示省略)を設けたリストバンドタイプのスマート端末22を使用することが好ましい。この場合、当事者11がゴルフクラブ72を持ってスィングすると、加速度センサが反応するので、打球していることを認識することができる。打球前に素振りをしたとしても、加速度センサは、ゴルフクラブ72によってボール7を打球した時の衝撃を感知することができるので、素振りと打球時との違いを認識して当事者11がボール7を打球する位置、すなわちボール7の停止位置7aを確実にとらえることができる。ただし、加速度センサが素振り時を打球時と認識してしまった場合に備えて、情報収集手段2としては、誤判断を修正するための修正機能を持たせておいても良い。なお、当事者11の経時的な位置情報によってボール7の停止位置7aの情報を収集したとしても、カップインした際のピン74の位置では、当事者11はボール7を取り上げる以外は、略停止しないので、各ホール71のピン74の位置は、あらかじめ入力しておく。このようにして収集する位置情報は、当事者11が停止して打球する際のボール7の停止位置7aの情報が必須となるが、当事者11の他の動き全体についても位置情報を収集するものであってもよい。
【0068】
また、加速度センサが設けられていない情報収集手段2の場合、図9に示すように、ボール7の停止位置7aで打球する前に、情報収集手段2であるスマート端末22に設けられたボタン(図示省略)を押してボール7を打球する位置、すなわちボール7の停止位置7aの位置情報を記憶させてから打球するものであってもよい。この際、ボタンの替わりに、使用するクラブ62の番号を入力するようになされた入力キーを備えたスマート端末22を使用するものであってもよい。この場合、ラウンド後に、ボール7の停止位置6aだけでなく、各打球時に何番のクラブ62を使用したのかを容易に情報化することができる。また、この際使用するスマート端末22としては、GPS機能を有するスマートフォンを利用することができる。応援手段6は、図10に示すように、応援アバター61aの他、メッセージボード61bや、コース上の樹木61cをアイテム61とすることができる。図8ないし図10において、図1ないし図7と同部材には同符号を付して説明を省略する。
【0069】
これにより、広告装置1は、情報収集手段2によって、各ホール71上で、当事者11が打球したボール7の軌跡70の情報を得ることができる。ただし、情報収集手段2によって収集されるGPSの位置情報は、ボール7を打球する位置においては、ボール7の停止位置7aと合致するが、それ以外では、当事者11がカート等で各ホール71上を移動している際の軌跡であって、ボール7の打球の軌跡70ではない。したがって、ボール7の打球の軌跡70は、ボール7の停止位置7a同士を線で繋いで、仮想の打球の軌跡70として処理することよって得られる。
【0070】
図11(a)~(c)に示すように、表示手段3では、各ホール71に相当する仮想現実(または現実空間)31に、当該各ホール71をプレーした際に当事者11が打ったボール7の軌跡70と、当事者11のアバター110とを組み合わせることで、当該各ホール71における当事者11のプレーをウェブサイト100上に再現できるように構成されている。また、当日プレーした他の当事者11が、この広告装置1を使用している場合には、互いのボール7の軌跡70等を比較して楽しむことができるようになされていてもよい。この表示手段3による表示方法としては、特に限定されるものではなく、各ホール71に相当する仮想現実(または現実空間)31に、当事者11のアバター110がボール7を打ち進めながらボール7の軌跡70が表示されて行く動画のようなものであってもよいし、各打毎の打球の停止位置7aを単純に表示するだけのもであってもよい。この場合、各ホール71に相当する仮想現実(または現実空間)31は、平面表示であってもよいし、立体表示であってもよいし、両方を表示するものであってもよい。
【0071】
立体表示による場合、ボール7の軌跡70は、出た距離から算出される放物線、たまは、使用するゴルフクラブ72と出た距離から算出した放物線により、次のボール7の停止位置7aまでを繋ぐように表示される。例えば、使用したゴルフクラブ72がドライバーの場合は、1番が鋭角な放物線で、番手が上がるに従って徐々に鈍角な放物線となって行くように表示することができる。使用したゴルフクラブ72がアイアンの場合も同じで、ヘッド角などから番手が上がるに従って徐々に鈍角な放物線となるように表示することができる。使用したゴルフクラブ72がパターの場合は転がるのでグリーンに沿った直線となるように表示することができる。グリーンの芝目の情報がある場合は、芝目を考慮した曲線となるように表示するものであってもよい。使用したゴルフクラブ72がわからない場合は、出た距離から想定されるゴルフクラブ72を使用した場合の放物線が用いられる。これらの表示手段3による仮想プレーは、情報収集手段2によってサーバ10に構築された情報を基に再現される。また、当事者11の位置情報を全て収集している場合には、これらの位置情報に基づいて打球時以外の全ての動き、すなわち、移動時や見学時や他のプレーヤーとの談笑時等を、アバター110で再現することができる。当日プレーした他の当事者11の動きについても、該当する当事者11の位置情報を全て収集している場合には、アバター110で再現することができる。
【0072】
情報表示手段4では、サーバ10に構築された情報を利用することで、表示手段3による各ホール71での仮想プレー以外のアレンジされた詳細情報、すなわち、各ホール71や当事者11の詳細情報を表示する各ページ41へと、ウェブサイト100の表示を切り替えることができるようになされている。
【0073】
情報表示手段4によって表示される各ホール71や当事者11の詳細情報としては、例えば、図12(a)に示すように、プレーを見ている各ホール71の距離や高低差やプロ選手による攻略方法の解説等のプロフィールの表示ページ41aが挙げられる。また、図12(b)に示すように、情報収集手段2によってサーバ10に構築された情報の中から、各ホール71でのベストスコアの仮想プレーを再現する表示ページ41bや、プロ選手による仮想プレーを再現する表示ページ(図示省略)であってもよい。
【0074】
情報表示手段4によって表示される各ホール71や当事者11の他の詳細情報としては、図12(c)に示すように、各ホール71での自分自身や、閲覧が許可されている友人や他人やプロ選手等の他の当事者11による複数の仮想プレーを比較しながら表示する表示ページ41cであってもよい。
【0075】
情報表示手段4によって表示される各ホール71や当事者11のさらに他の詳細情報としては、例えば、図12(d)に示すように、複数のホール71(本実施の形態では1番から6番)での仮想プレーを高低差図に表示する表示ページ41dであってもよいし、図12(e)に示すように、平面表示する表示ページ41eであってもよい。
【0076】
その他、この情報表示手段4による表示のバリエーションは、情報収集手段2よってサーバ10に構築された情報を基にしてありとあらゆるものが考えられるので、上記した例は一例にすぎない。
【0077】
図11および図12に示すように、広告手段5は、上記したマラソン大会機場合と同様に、表示手段3や情報表示手段4に組み込まれており、閲覧時やページ切り替え時に広告される。
【0078】
応援手段6は、図10に示すように、ゴルフの場合、一般的なゴルフの大会と同じように、フェアウェイから外れたラフのさらに外側の部分に、このフェアウェイを取り囲むように観客が居るので、このような場所に、閲覧者が、応援アバター61aを設けることができる。通常のゴルフの大会の場合には、ボール7が飛んできた際に、ボール7を避ける必要があるが、仮想現実(または現実空間)31に設けたアバター61aの場合には、その必要がないので、アバター61aを設ける位置としては、前記した位置に限定されるものではなく、コース上の好きな位置に設けるものであってもよい。ただし、コース上の好きな位置に設けることができるとした場合、打った後のボール7とアバター61aとが重なって、ボール7が確認し難くなってしまう。したがって、このような場合には、ボール7の軌跡70が確認し易いように、ボール7の軌跡70を示したり、色を強調したりするものであってもよいし、打球時、その他のタイミングで応援アバター61aが一時的に消えたり、透明化されて輪郭だけ表示となるようにした応援アバター61aであってもよい。
【0079】
メッセージボード61bは、通常のゴルフの大会では、応援アバター61aを設けることができるフェアウェイから外れたラフのさらに外側の部分であっても設けることができず、ティーショットを打つスタート周辺の限られた場所や、ホール71とホール71との間の限られた場所に限定される。したがって、このような限定された場所に、閲覧者が、メッセージボード61bを設けるものであってもよいし、それとは関係なく、自由な位置に設けるものであってもよい。ただし、自由な位置に設ける場合、前記した応援アバター61aの場合のようにボール7が確認し難くなってしまうし、ゴルフ場の雰囲気からかけ離れたものになり過ぎてしまう。したがって、メッセージボード61bに関しては、ゴルフ場の雰囲気を残して通常のゴルフの大会と忠実に同じにするのであってもよいし、自由な位置に設けることで、仮想現実(または現実空間)31の良さを生かして完全にオリジナルな空間を形成するものであってもよい。
【0080】
また、イベント活動がゴルフの場合には、閲覧者が、当該ゴルフ場の樹木61cをアイテム61として設けるものであってもよい。この場合、樹木61cは、通常の樹木61cであってもよいし、メッセージが記載されたものや、デコレーションされたものであってもよいし、現実に存在しないような色や形にデコレーションされたものであってもよい。
また、この広告装置1の場合、通常は、ゴルフの大会に参加している当事者11を選択すると、その当事者11の主観的視点または客観的視点で、当該当事者11のゴルフ場でのプレーが仮想現実(または現実空間)31で再現されることとなるため、同じホール71を繰り返し見ることはないが、人によっては、同じホール71で他の当事者11がどのようにプレーするのかを見たい場合もある。したがって、同じホール71で各当事者11のプレーが見られるように、各ホール71に限定して特別なアイテム61を載置し、その各ホール71毎に載置した特別なアイテム61を選択することで、当該ホール71毎に仮想ゴルフ大会32が再現されるようにしてもよい。このようなホール71毎で、各当事者11のプレーの再現を可能にすると、その特別なアイテム61には閲覧者のアクセスも集中することが想定されるので、この特別なアイテム61を載置する閲覧者に課金することによりアイテム61を設置できる替わりに、当事者11と同様に広告を設置できるようにするものであってもよい。
【0081】
なお、ゴルフのように決まったコースで当事者11がプレーするような場合、イベント活動としては、ゴルフの大会に限定されるものではなく、日常のプレーもデータとして構築し、それらを見ることかできるようにしたものであってもよい。
【0082】
この広告装置1により、当事者11は、同じコースをプレーした時の過去の自分の情報と比較したり、友人や、ベストスコアを出した人や、競技会の優勝者や、プロ等、の他の当事者11の情報と比較したりできる。
【0083】
これにより、当事者11は、ウェブサイト100にアクセスして、帰宅後等に、自分がラウンドしたプレーを振り返って楽しむことができたり、他の当事者11との比較により、コースの攻略方法を考えたりして楽しむことができる。また、プレー中でも、ウェブサイト100にアクセスして他の当事者11の情報を収集することで、打球方向や選択するクラブを決める参考にすることができる。そして、表示手段3や情報表示手段4を楽しんでもらいながら、合間に広告手段5による広告を提供することができる。特に、表示手段3によって、ボール7の軌跡70を楽しんでいる時に、情報表示手段4によって、同コースにおけるプロのボール7の軌跡70を見せる一方で、広告手段5によって、同コースでプロが使用しているクラブやボールや備品などの広告を見せることで、広告手段5による広告効果は向上することとなる。
【0084】
また、プロの選手は、製品の広告だけでなく、情報表示手段4によって自身のプレーを見てもらいながら、広告手段5による広告で製品の宣伝をすることができるので、広告に対する自身の貢献度をスポンサーにアピールすることができる。
【0085】
広告を出している企業にとっても、情報表示手段4によって、同コースにおけるプロのボール7の軌跡70を見せる一方で、広告手段5によって、同コースでプロが使用しているクラブやボールや備品などの広告を見せることで、製品をより身近に感じてもらい試そうという意識を持ってもらい易くなり、広告効果が向上することとなる。また、この広告装置1のウェブサイト100で公開されている各プロの情報へのアクセス数をカウントすることで、スポンサーになっているプロの選手がどれだけ広告に貢献しているのかを判断する目安にすることができる。また、企業は、ゴルフをやらない一般人を排除して需要者のみに客層を絞った質の良い広告ができることとなる。
【0086】
ゴルフ場にとっては、当該ゴルフ場をラウンドしたプロ選手の情報を、ウェブサイト100で公開することで、自身の記録をプロの情報と比較したいと思う一般客の需要が増大することとなり、集客に繋がることとなる。したがって、トーナメントが行われるゴルフ場では、当該トーナメント時に収集した情報をウェブサイト100で公開することで、ゴルフ場の魅力を発信することができる。また、トーナメントがなく人気のないゴルフ場であっても、有名なプロを呼んで、当該ゴルフ場をラウンドしてもらい、当該プロの情報を収集して公開することで、集客につなげることができる。
【0087】
なお、ゴルフで用いる情報収集手段2としては、ピン74までの残りの距離を計測する距離計測機能が付加されたものであってもよい。すなわち、この情報収集手段2は、あらかじめ、ゴルフ場の各コースの範囲と、ピンの位置情報とが認識できるようになされており、当事者11の位置情報から、当事者11が現在いるコースを判断し、現在の当事者11の位置から、当該コースのピン74までの残りの距離を表示するように構成されている。この場合、当事者11の位置情報を取得すれば、何処のゴルフ場のどのコースに居るかを自動的に認識してピン74までの残りの距離を表示することができる。ただし、ゴルフの大会によっては、ピン74までの残りの距離を計測する距離計測器の使用が禁止されている場合もあるので、情報収集手段2としては、ゴルフ場とコースを入力して初めて、当事者11の現在位置からピン74までの残り距離を表示できるようにしたものであってもよい。このように距離計測機能が付加された情報収集手段2を使用することで、当事者11は、情報収集のためにだけに情報収集手段2を携帯しているのではなく、当該情報収集手段2を、距離計測器として利用できるので、プレー中に残りの距離をキャディーに聞いたりする必要もなく、ピン64までの残りの距離を正確に把握できることとなる。また、この場合、残りの距離は、単純に数値表示するものであってもよいし、等高線入りの地図表示とともに高低差がわかるような平面表示または立体表示によって行うものであってもよい。
【0088】
また、良質な広告としては、広告を、多くの人にできるだけ長い期間、閲覧数が乱高下することなく平均した閲覧数で閲覧してもらうことが重要となるが、この広告装置1の場合には、ゴルフ場でプレーした当事者11の閲覧者だけでなく、応援手段6によってアイテム61を置いた閲覧者も、当事者11のプレーを閲覧して応援することができるので、閲覧数を増やすことができる。しかも応援手段6によって閲覧者がアイテム61を置くことによって、仮想現実(または現実空間)31が日々変化することとなるので、閲覧する毎に変化を楽しむことができ、長期間に渡って閲覧してもらうことかできる。
特に、ゴルフの場合、前記したマラソン大会のように出場者数が限られているため、閲覧数が限定されてしまうが、応援手段6によって閲覧者がアイテム61を置くことによって仮想現実または現実空間31が日々変化することで、閲覧回数が伸びるので、少人数のイベントであっても、この応援手段6を利用することで、安定した閲覧数を稼ぐことができることとなる。
【0089】
また、広告装置1を利用可能なイベントとしては、上記したように、イベントに参加する当事者11の位置情報が大きく変化するものではないが、吹奏楽などの演奏会であってもよい。この場合、情報収集手段2により、各楽器の配置情報を得るとともに、音声情報を得ることができる。そして、表示手段3により、演奏会当日と同じ音源で、仮想演奏会を再現することができる。そして、情報表示手段4による詳細情報の表示では、当事者11が演奏する各楽器の音声情報を個別に聞けたり、当該音声情報と譜面とを照合することで、演奏正確率を表示したりすることができる。さらに、当事者11の全ての楽器の音声情報を個別にミキシングして音のバランスを変えたり、ストリングスパートやブラスパートなど各パート毎に音を楽しんだり、幾つかの楽器の音を抜いたりして仮想演奏会の音を独自のものに変更して楽しむことができる。この場合、閲覧者がどの当事者11の詳細情報の表示を見るかによって興味のある楽器を知ることができるので、広告主は、楽器の広告やその周辺備品の広告をし易くなる。また、当事者11に当たる演奏家は、個別音声を聞いてもらったり、演奏正確率が出ることで、自身の実力を知ってもらうことができる。さらに、楽団やホールは、演奏会当日だけの収入ではなく、広告装置1による広告収入を得ることができるので、経済効果が得られるとともに、ホールに行くことができなかった遠方の方にも仮想演奏会を楽しんでもらうことができる。また、応援手段6によって、ウェブサイト100の閲覧者が、客席に応援アバター61aを置くことにより、当事者を応援することもできる。
【符号の説明】
【0090】
1 広告装置
11 当事者
110 アバター
100 ウェブサイト
2 情報収集手段
3 表示手段
31 仮想現実(または現実空間)
4 情報表示手段
5 広告手段
6 応援手段
61 アイテム
61a 応援アバター
61b メッセージボード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12