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特開2022-181574管理装置、管理方法および管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181574
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】管理装置、管理方法および管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20120101AFI20221201BHJP
【FI】
G06Q10/06 302
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021088599
(22)【出願日】2021-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宇都宮 靖人
(72)【発明者】
【氏名】飯島 克典
(72)【発明者】
【氏名】星野 浩志
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】発生したインシデント毎に、適切な専門家の意見を迅速に収集する管理装置、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】管理装置10は、監視対象と通信して監視対象の状態を受信する通信部13と、インシデント情報を記憶するインシデント判定データベース61と、インシデントに対応するために求められる人員のスキルに関するインシデントカテゴリー情報を記憶するインシデントデータベース71と、判定基準に基づいて監視対象の状態がインシデントであるか否かを判定する判定部15aと、判定部がインシデントであると判定した場合は、インシデントカテゴリー情報に基づいて、発生したインシデントに対応するために求められるスキルを特定する特定部15bと、特定されたスキルを有する人員を、インシデントが発生する度に選出する選出部15cと、選出された人員に対して、インシデントに関する質問を一斉に配信する配信部15dと、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象と通信して前記監視対象の状態を受信する通信部と、
前記状態がインシデントであるか否かの判定基準を含むインシデント情報を記憶するインシデント判定データベースと、
前記インシデントごとに前記インシデントに対応するために求められる人員のスキルに関するインシデントカテゴリー情報を記憶するインシデントデータベースと、
前記判定基準に基づいて前記状態が前記インシデントであるか否かを判定する判定部と、
前記判定部が前記状態を前記インシデントであると判定した場合は、前記インシデントカテゴリー情報に基づいて、発生した前記インシデントに対応するために求められる前記スキルを特定する特定部と、
特定された前記スキルを有する人員を、前記インシデントが発生するたびに選出する選出部と、
選出された前記人員に対して、前記インシデントに関する質問を一斉に配信する配信部と、
を備える管理装置。
【請求項2】
前記インデントカテゴリー情報は、
発生した前記インシデントごとに、前記インシデントを発生させた製品に関する製品情報および前記インシデントの対応を行う人員の役割情報を対応付けた情報として、前記インシデントデータベースに記憶され、
前記特定部は、
前記インシデントカテゴリー情報にしたがって、前記インシデントの対応に求められる前記製品情報および前記役割情報を特定し、
前記選出部は、
特定された前記製品情報または前記役割情報を有する人員から、所定数の人員を選出し、
前記配信部は、
選出された前記人員のうちオペレータによって選択された人員である選択済み人員に対して、前記オペレータから受け付けた前記質問を一斉に配信し、前記選択済み人員から、前記質問に対する回答を収集し、前記回答を前記オペレータに提示する、
請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記インシデントデータベースは、
過去のインシデントに対して実行された対応履歴を含む過去インシデント情報をさらに記憶し、
前記インシデント情報に基づき、発生した前記インシデントと同一または類似のインシデントの前記過去インシデント情報を検索する検索部をさらに備え、
前記配信部は、
検索された前記過去インシデント情報を前記オペレータにさらに提示する、
請求項2に記載の管理装置。
【請求項4】
選出対象の各人員が対応可能な状態か対応不可能な状態かを示すステータス情報を記憶する人員データベースをさらに備え、
前記選出部は、
特定された前記製品情報または前記役割情報を有する人員のうち、前記ステータス情報が前記対応可能な状態である人員を優先的に選出する、
請求項2または3に記載の管理装置。
【請求項5】
選出対象の各人員が対応可能な製品に関する製品情報と、前記製品に対する前記各人員のスキルレベルとを対応付けた人員製品スキル情報を記憶する人員データベースをさらに備え、
前記選出部は、
特定された前記製品情報または前記役割情報を有する人員のうち、前記人員製品スキル情報における前記スキルレベルが高い順に所定数の人員を選出し、
前記配信部は、
選出された前記人員の前記回答を、前記人員製品スキル情報における前記スキルレベルが高い順に前記オペレータに提示する、
請求項2から4のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項6】
選出対象の各人員の前記役割情報と、前記役割情報に関する前記各人員のスキルレベルとを対応付けた人員役割スキル情報を記憶する人員データベースをさらに備え、
前記選出部は、
特定された前記製品情報または前記役割情報を有する人員のうち、前記人員役割スキル情報における前記スキルレベルが高い順に所定数の人員を選出し、
前記配信部は、
選出された前記人員の前記回答を、前記人員役割スキル情報における前記スキルレベルが高い順に前記オペレータに提示する、
請求項2から4のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項7】
コンピュータが、
監視対象と通信して前記監視対象の状態を受信し、
前記状態がインシデントであるか否かの判定基準を含むインシデント情報を記憶するインシデント判定データベースを参照し、
前記インシデントごとに前記インシデントに対応するために求められる人員のスキルに関するインシデントカテゴリー情報を記憶するインシデントデータベースを参照し、
前記判定基準に基づいて前記状態が前記インシデントであるか否かを判定し、
前記状態を前記インシデントであると判定した場合は、前記インシデントカテゴリー情報に基づいて、発生した前記インシデントに対応するために求められる前記スキルを特定し、
特定した前記スキルを有する人員を、前記インシデントが発生するたびに選出し、
選出した前記人員に対して、前記インシデントに関する質問を一斉に配信する、
処理を実行する管理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
監視対象と通信して前記監視対象の状態を受信し、
前記状態がインシデントであるか否かの判定基準を含むインシデント情報を記憶するインシデント判定データベースを参照し、
前記インシデントごとに前記インシデントに対応するために求められる人員のスキルに関するインシデントカテゴリー情報を記憶するインシデントデータベースを参照し、
前記判定基準に基づいて前記状態が前記インシデントであるか否かを判定し、
前記状態を前記インシデントであると判定した場合は、前記インシデントカテゴリー情報に基づいて、発生した前記インシデントに対応するために求められる前記スキルを特定し、
特定した前記スキルを有する人員を、前記インシデントが発生するたびに選出し、
選出した前記人員に対して、前記インシデントに関する質問を一斉に配信する、
処理を実行させる管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置、管理方法および管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばOT(Operational Technology)分野のプラントにおいて、サイバー攻撃等のセキュリティインシデント(適宜、「インシデント」)が発生し、甚大な金銭的、人的被害を生んでいる。インシデントには迅速に対応する必要があり、例えば、詳細な調査が必要なケースでは、インシデント対応チームを迅速に構築し、当該チームが主体的に対応したり、詳細な調査が不要なケースでは、迅速に専門家を検索、意見を収集し、オペレータが主体的に対応したりする必要がある。以下の特許文献1~3では、メンバーのスキルを格納するデータベースを検索して、定常業務や中長期的な組織の構築を行う技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-99751号公報
【特許文献2】特開2004-118648号公報
【特許文献3】特開2003-44642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、発生したインシデントごとに、適切な専門家の意見を迅速に収集することは難しい。なぜならば、上記技術では、定常業務や中長期的な組織の構築や人員の検索を目的としており、インシデントが発生した場合に、予め用意したインシデント対応チームや専門家の意見を収集することが多い。このため、インシデントの種別によっては、異なる専門家の意見を収集する必要があり、インシデントが発生したタイミングで処理を開始すること(適宜、「イベントドリブン」)ができない場合があり、インシデントの解決に要する時間が長時間化し、プラントやシステムが危険な状態の長時間化につながり、危険性が増大する。したがって、発生したインシデントごとに、適切な専門家の意見を迅速に収集する管理装置が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、監視対象と通信して前記監視対象の状態を受信する通信部と、前記状態がインシデントであるか否かの判定基準を含むインシデント情報を記憶するインシデント判定データベースと、前記インシデントごとに前記インシデントに対応するために求められる人員のスキルに関するインシデントカテゴリー情報を記憶するインシデントデータベースと、前記判定基準に基づいて前記状態が前記インシデントであるか否かを判定する判定部と、前記判定部が前記状態を前記インシデントであると判定した場合は、前記インシデントカテゴリー情報に基づいて、発生した前記インシデントに対応するために求められる前記スキルを特定する特定部と、特定された前記スキルを有する人員を、前記インシデントが発生するたびに選出する選出部と、選出された前記人員に対して、前記インシデントに関する質問を一斉に配信する配信部と、を備える管理装置を提供する。
【0006】
また、本発明は、コンピュータが、監視対象と通信して前記監視対象の状態を受信し、前記状態がインシデントであるか否かの判定基準を含むインシデント情報を記憶するインシデント判定データベースを参照し、前記インシデントごとに前記インシデントに対応するために求められる人員のスキルに関するインシデントカテゴリー情報を記憶するインシデントデータベースを参照し、前記判定基準に基づいて前記状態が前記インシデントであるか否かを判定し、前記状態を前記インシデントであると判定した場合は、前記インシデントカテゴリー情報に基づいて、発生した前記インシデントに対応するために求められる前記スキルを特定し、特定した前記スキルを有する人員を、前記インシデントが発生するたびに選出し、選出した前記人員に対して、前記インシデントに関する質問を一斉に配信する、処理を実行する管理方法を提供する。
【0007】
また、本発明は、コンピュータに、監視対象と通信して前記監視対象の状態を受信し、前記状態がインシデントであるか否かの判定基準を含むインシデント情報を記憶するインシデント判定データベースを参照し、前記インシデントごとに前記インシデントに対応するために求められる人員のスキルに関するインシデントカテゴリー情報を記憶するインシデントデータベースを参照し、前記判定基準に基づいて前記状態が前記インシデントであるか否かを判定し、前記状態を前記インシデントであると判定した場合は、前記インシデントカテゴリー情報に基づいて、発生した前記インシデントに対応するために求められる前記スキルを特定し、特定した前記スキルを有する人員を、前記インシデントが発生するたびに選出し、選出した前記人員に対して、前記インシデントに関する質問を一斉に配信する、処理を実行させる管理プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、発生したインシデントごとに、適切な専門家の意見を迅速に収集する管理装置を提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る管理システムの構成例を示す図である。
図2】実施形態に係る管理システムの構成例を示すブロック図である。
図3】実施形態に係る監視サーバ内のデータベースの一例を示す図である。
図4】実施形態に係るインシデント管理サーバ内のデータベースの一例を示す図である。
図5】実施形態に係るプロジェクト管理サーバ内のデータベースの一例を示す図である。
図6】実施形態に係るシステム構成テーブルの一例を示す図である。
図7】実施形態に係る人員管理サーバ内のデータベースの一例を示す図である。
図8】実施形態に係る人員テーブルの一例を示す図である。
図9】実施形態に係る人員役割スキルテーブルの一例を示す図である。
図10】実施形態に係る人員製品スキルテーブルの一例を示す図である。
図11】実施形態に係る情報収集処理の具体例を示す図である。
図12】実施形態に係る処理全体の流れの一例を示すフローチャートである。
図13】実施形態に係る監視処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図14】実施形態に係る人員選出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図15】実施形態に係る過去インシデント検索処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図16】ハードウェア構成例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の一実施形態に係る管理装置、管理方法および管理プログラムを図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態により限定されるものではない。
【0011】
〔実施形態〕
以下に、本実施形態に係る管理システムの構成、管理装置等の構成、各種データベースの構成、情報収集処理の具体例、各処理の流れを順に説明し、最後に本実施形態の効果を説明する。
【0012】
[管理システム100の構成]
図1を用いて、本実施形態に係る管理システム(以下、適宜、本システムともいう)100の構成を詳細に説明する。図1は、実施形態に係る管理システム100の構成例を示す図である。以下に、本システム100全体の構成例を示した上で、本システム100の処理について説明する。
【0013】
(システム全体の構成例)
本システム100は、管理装置10、プラント等に設置されるサイト端末20、オペレータ等が所有する依頼者端末30、インシデントに対応する人員等が所有する応答者端末40(40A、40B、40C)、および各種データベース(DB)を保持する各種サーバを有する。ここで、管理装置10と、サイト端末20と、依頼者端末30と、応答者端末40と、各種サーバとは、ネットワーク50(50A、50B)または図示しない所定の通信網を介して、有線または無線により通信可能に接続される。また、図1に示した管理システム100には、複数台の管理装置10、複数台のサイト端末20、複数台の依頼者端末30が含まれてもよい。
【0014】
各種サーバとしては、例えばインシデント判定DB61を保持する監視サーバ60、インシデントDB71を保持するインシデント管理サーバ70、プロジェクトDB81とシステム構成DB82と製品DB83とを保持するプロジェクト管理サーバ80、および人員DB91を保持する人員管理サーバ90が含まれる。
【0015】
ここで、インシデント判定DB61は、インシデント判定テーブル61aを記憶する。インシデントDB71は、インシデントテーブル71aおよびインシデントカテゴリーテーブル71bを記憶する。プロジェクトDB81は、プロジェクトテーブル81aを記憶する。システム構成DB82は、システム構成テーブル82aを記憶する。製品DB83は、製品テーブル83aを記憶する。人員DB91は、人員テーブル91a、役割テーブル92b、人員役割スキルテーブル91cおよび人員製品スキルテーブル91dを記憶する。
【0016】
図1では、各種サーバは、管理装置10とは独立して構成されているが、管理装置10に統合された構成であってもよい。また、各種サーバが保持する各種DBに記憶される情報は、管理装置10の記憶部14に格納されていてもよい。
【0017】
(システム全体の処理)
このようなシステムにおいて、インシデントが発生して、オペレータがインシデントに対する意見を収集する例を説明する。
【0018】
まず、管理装置10は、監視対象であるプラントの状態を取得する(ステップS1)。このとき、管理装置10が取得する情報は、サイト端末20が収集したプラント内のシステムに関わる情報であり、ネットワークの通信量、各種機器の温度、流量、圧力等の情報であるが、特に限定されない。
【0019】
次に、管理装置10は、監視サーバ60からインシデントの条件を取得する(ステップS2)。例えば、管理装置10は、インシデント判定DB61からインシデントの条件として、インシデントが関与する製品の通信量の閾値を取得する。
【0020】
そして、管理装置10は、プラントの状態とインシデントの条件から対応すべきインシデントが発生したか否かを判定する(ステップS3)。例えば、管理装置10は、プラントの状態として、閾値を超過した製品の通信量を取得した場合は、対応すべきインシデントが発生したと判定するとともに、インシデント判定DB61を検索し、判定ID、システムID、インシデントの深刻度、インシデントカテゴリーIDを取得する。
【0021】
一方、管理装置10は、インシデント管理サーバ70からインシデント対応に必要なスキルに関する情報(適宜、「スキル情報」)を取得する(ステップS4)。例えば、管理装置10は、インシデントDB71を検索し、取得したインシデントカテゴリーIDに対応する製品ID、製品スキルレベル、役割ID、役割スキルレベルを取得する。
【0022】
また、管理装置10は、プロジェクト管理サーバ80からプロジェクトやシステム等に関する情報(適宜、「プロジェクト等情報」)を取得する(ステップS5)。例えば、管理装置10は、システム構成DB82を検索し、特定したシステムIDに対応するシステムの難易度を取得する。
【0023】
さらに、管理装置10は、人員管理サーバ90から、インシデントに対応する人員に関する情報(適宜、「人員情報」)を取得する(ステップS6)。例えば、管理装置10は、人員DB91を検索し、インシデント対応に必要なスキル情報として取得した製品ID、製品スキルレベル、役割ID、役割スキルレベルを満たす人員の人員ID、名前、連絡先、人員のステータスを取得する。
【0024】
続いて、管理装置10は、取得した各種情報に基づいて、インシデントに対応可能なスキルを保有する人員を検索し、選出する(ステップS7)。例えば、管理装置10は、取得した人員のステータスが「Active」である人員の中から、スキルレベルが高い順に人員を検索する。
【0025】
また、管理装置10は、取得した各種情報に基づいて、インシデントに同一または類似の過去のインシデントの情報(適宜、「過去インシデント情報」)を検索する(ステップS8)。例えば、管理装置10は、インシデントDB71を検索し、判定IDやインシデントカテゴリーIDが一致する過去のインシデントの対応の詳細履歴等の過去インシデント情報を検索する。
【0026】
そして、管理装置10は、検索した人員情報や過去インシデント情報を依頼者端末30や応答者端末40に送信する(ステップS9)。ここで、オペレータは、依頼者端末30を介して、選出された人員にインシデントに対する質問を行う(ステップS10)。一方、オペレータに質問された人員は、応答者端末40を介して、質問に対する回答を行う(ステップS11)。
【0027】
上述のステップS1~S11の処理を行うことにより、インシデントの解消にオペレータが対応する場合、インシデント発生後、即座に専門家を検索し、意見を集約しなければ手遅れになるケースにおいて、インシデントに関連したスキルを持つ人員を検索し、対話的に意見を集めることができる。
【0028】
[管理装置10等の構成]
次に、図1に示したシステム100が有する各装置の機能構成について説明する。ここでは、特に、図2を用いて、本実施形態に係る管理装置10等の構成を詳細に説明する。図2は、実施形態に係る管理システムの構成例を示すブロック図である。以下に、管理装置10の構成、サイト端末20の構成、依頼者端末30の構成、応答者端末40の構成、各種サーバの構成の順に説明する。
【0029】
(管理装置10の構成)
管理装置10は、入力部11、出力部12、通信部13、記憶部14および制御部15を有する。入力部11は、当該管理装置10への各種情報の入力を司る。例えば、入力部11は、マウスやキーボード等で実現され、当該管理装置10への設定情報等の入力を受け付ける。また、出力部12は、当該管理装置10からの各種情報の出力を司る。例えば、出力部12は、ディスプレイ等で実現され、当該管理装置10に記憶された設定情報等を出力する。
【0030】
通信部13は、他の装置との間でのデータ通信を司る。例えば、通信部13は、ネットワーク50を介して、各通信装置との間でデータ通信を行う。また、通信部13は、図示しないオペレータの端末との間でデータ通信を行うことができる。
【0031】
通信部13は、監視対象と通信して監視対象の状態を受信する。例えば、通信部13は、監視対象の状態として、プラントの状態に関わる数値であるネットワークの通信量、各種機器の温度、流量、圧力等の数値を受信する。
【0032】
記憶部14は、制御部15が動作する際に参照する各種情報や、制御部15が動作した際に取得した各種情報を記憶する。ここで、記憶部14は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置等で実現され得る。なお、図2の例では、記憶部14は、管理装置10の内部に設置されているが、管理装置10の外部に設置されてもよいし、複数の記憶部が設置されていてもよい。
【0033】
制御部15は、当該管理装置10全体の制御を司る。制御部15は、判定部15a、特定部15b、選出部15c、配信部15dおよび検索部15eを有する。ここで、制御部15は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の電子回路やASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現され得る。
【0034】
判定部15aは、監視対象の状態がインシデントであるか否かの判定基準に基づいて、監視対象の状態がインシデントであるか否かを判定する。例えば、判定部15aは、監視対象の状態に関わる数値を取得し、取得した数値が所定の閾値以上であった場合には、インシデントの発生を検出する。また、判定部15aは、プラントの状態に関わる数値として、ネットワークの通信量、各種機器の温度、流量、圧力等の数値を取得し、取得した数値が所定の閾値以上であった場合には、インシデントの発生を検出する。
【0035】
ここで、インシデントであるか否かの判定基準は、インシデント判定DB61のインシデント判定テーブル61aに記憶されたインシデント情報のうち、インシデントの条件に対応する情報である。また、インシデント情報とは、インシデント判定テーブル61aに記憶された判定ID、システムID、インシデントの条件、インシデントの深刻度、インシデントカテゴリーID等を含む情報である。
【0036】
特定部15bは、判定部15aが監視対象の状態をインシデントであると判定した場合は、インシデントカテゴリー情報に基づいて、発生したインシデントに対応するために求められるスキルを特定する。例えば、特定部15bは、インシデントカテゴリー情報にしたがって、発生したインシデントの対応に求められる製品情報および役割情報を特定する。一例を挙げると、特定部15bは、インシデント判定DB61を検索し、発生を検出されたインシデントの条件に対応するインシデントカテゴリーIDを特定した上で、インシデントDB71を検索し、特定したインシデントカテゴリーIDに対応する製品IDおよび製品スキルレベル(製品情報)、役割IDおよび役割スキルレベル(役割情報)を特定する。
【0037】
ここで、インシデントカテゴリー情報とは、インシデント判定DB61のインシデント判定テーブル61a、およびインシデントDB71のインシデントカテゴリーテーブル71bに記憶されたインシデントカテゴリーIDを含む情報である。また、製品情報とは、インシデントカテゴリーテーブル71bに記憶された製品IDおよび製品スキルレベルを含む情報である。また、役割情報とは、インシデントカテゴリーテーブル71bに記憶された役割IDおよび役割スキルレベルを含む情報である。
【0038】
選出部15cは、特定されたスキルを有する人員を、インシデントが発生するたびに選出する。例えば、選出部15cは、特定された製品情報または役割情報を有する人員から、所定数の人員を選出する。また、選出部15cは、特定された製品情報または役割情報を有する人員のうち、ステータス情報が対応可能な状態である人員を優先的に選出する。ここで、ステータス情報とは、人員テーブル91aに記憶された各人員のステータスを示す情報である。
【0039】
さらに、選出部15cは、特定された製品情報または役割情報を有する人員のうち、人員製品スキル情報におけるスキルレベルが高い順に所定数の人員を選出する。また、選出部15cは、特定された製品情報または役割情報を有する人員のうち、人員役割スキル情報におけるスキルレベルが高い順に所定数の人員を選出する。
【0040】
ここで、人員製品スキル情報とは、人員DB91の人員製品スキルテーブル91dに記憶された人員ID、製品IDおよび製品スキルレベルを含む情報である。また、人員役割スキル情報とは、人員DB91の人員製品スキルテーブル91cに記憶された人員ID、役割IDおよび役割スキルレベルを含む情報である。
【0041】
配信部15dは、検索された人員に対して、インシデントに対する質問を一斉に配信する。例えば、配信部15dは、検索された人員のうちオペレータによって選択された人員である選択済み人員に対して、オペレータから受け付けた質問を一斉に配信し、選択済み人員から、質問に対する回答を収集し、回答をオペレータに提示する。また、配信部15dは、過去インシデント情報をオペレータに提示する。さらに、配信部15dは、選出された人員の回答を、スキルレベルが高い順にオペレータに提示する。
【0042】
検索部15eは、インシデント情報に基づき、発生したインシデントと同一または類似のインシデントの対応履歴である過去インシデント情報を検索する。ここで、過去インシデント情報とは、インシデントDB71のインシデントテーブル71aに記憶された過去のインシデントへの対応の詳細記録を含む情報である。
【0043】
例えば、検索部15eは、インシデントDB71を検索し、発生したインシデントの判定IDまたはインシデントカテゴリーIDが一致する過去のインシデントの対応履歴を検索する。
【0044】
(サイト端末20の構成)
サイト用機器20は、他の装置との間での各種データの送受信を司る送受信部(図示せず)や各種データを記憶する記憶部(図示せず)等の機能部を有する。
【0045】
サイト用機器20の送受信部は、監視対象の状態に関わる情報を受信する。上記例では、送受信部は、プラントの状態に関わる数値をプラントのフィールド機器から受信し、管理装置10に送信する。例えば、送受信部は、ネットワークの通信量、各種機器の温度、流量、圧力等の情報をプラントのフィールド機器から受信し、管理装置10に送信する。なお、サイト用機器20の記憶部は、監視対象の状態に関わる情報を記憶する。
【0046】
(依頼者端末30の構成)
依頼者端末30は、他の装置との間での各種データの送受信を司る送受信部(図示せず)や各種データを記憶する記憶部(図示せず)等の機能部を有する。
【0047】
依頼者端末30の送受信部は、検索された人員情報や過去インシデント情報等の各種情報を管理装置10から受信する。また、送受信部は、インシデントに対する質問を管理装置10に送信する。さらに、送受信部は、管理装置10からインシデントに対する質問の回答を受信する。なお、依頼者端末30の記憶部は、検索された人員情報やインシデントに対する質問の回答を記憶する。
【0048】
(応答者端末40の構成)
応答者端末40は、他の装置との間での各種データの送受信を司る送受信部(図示せず)等の機能部を有する。
【0049】
応答者端末40の送受信部は、インシデントに対する質問を管理装置10から受信する。また、応答者端末40の送受信部は、インシデントに対する質問の回答を管理装置10へ送信する。
【0050】
(各種サーバの構成)
監視サーバ60、インシデント管理サーバ70、プロジェクト管理サーバ80、人員管理サーバ90等の各種サーバは、他の装置との間での各種データの送受信を司る送受信部(図示せず)と、各種データを記憶するデータベース(DB)とを、それぞれ有する。なお、各種DBに記憶される詳細な情報については、[各種データベースの構成]にて後述する。
【0051】
監視サーバ60は、監視対象の状態を監視する監視機能を有するサーバである。監視サーバ60の送受信部は、監視対象のインシデントを判定するための条件として、例えばインシデント判定DB61に記録されたインシデント判定の設定値や閾値を、管理装置10に送信する。
【0052】
インシデント管理サーバ70は、インシデントの情報やインシデントの対応のやり取りを管理するインシデント管理機能を有するサーバである。インシデント管理サーバ70の送受信部は、監視対象のシステムごとのスキル情報として、例えばインシデントDB71に記録された製品ID、製品スキルレベル、役割ID、役割スキルレベル等の情報を、管理装置10に送信する。
【0053】
プロジェクト管理サーバ80は、プロジェクトやシステムの情報を管理するプロジェクト管理機能を有するサーバである。プロジェクト管理サーバ80の送受信部は、インシデントに関わるプロジェクト等情報として、例えばシステム構成DB82に記録されたシステムID、製品ID、難易度等の情報を、管理装置10に送信する。
【0054】
人員管理サーバ90は、人員情報等を管理する人員管理機能を有するサーバである。人員管理サーバ90の送受信部は、インシデント対応に必要なスキルを保有する人員の人員情報として、例えば人員DB81に記録された人員ID、名前、連絡先、ステータス等の情報を、管理装置10に送信する。
【0055】
[各種データベースの構成]
図3図10を用いて、本実施形態に係る各種データベース(DB)に記憶される情報について詳細に説明する。以下では、監視サーバ60内のDB、インシデント管理サーバ70内のDB、プロジェクト管理サーバ80内のDB、人員管理サーバ90内のDBの順に説明する。
【0056】
(監視サーバ60)
図3を用いて、監視サーバ60内のDBに記憶される情報について詳細に説明する。図3は、実施形態に係る監視サーバ内のデータベースの一例を示す図である。図3に示すように、監視サーバ60は、インシデント判定DB61を保持する。インシデント判定DB61は、インシデント判定テーブル61aを記憶する。
【0057】
インシデント判定テーブル61aには、「判定ID」、「システムID」、「条件」、「深刻度」および「インシデントカテゴリーID」等の監視対象の状態がインシデントであるか否かの判定基準を含むインシデント情報が含まれる。
【0058】
「判定ID」は、インシデントを分類するためのIDであって、例えば、{1、2、3、・・・、n}と示される。「システムID」は、インシデントが関与するシステムを分類するためのIDであって、例えば、{システム1、システム2}と示される。「条件」は、インシデントの発生を検出するための設定値や閾値であって、例えば、{DCS(Distributed Control System)製品aの通信量>100Packets/sec}と示される。
【0059】
「深刻度」は、インシデントの深刻さを分類するための度合いであって、例えば、{低(システムへの影響が少なく、対応すべきだが急ぎではない)、中(システムへの影響があり、急いで対応すべき)、高(システムへの影響が著しく、即座に対応しなければならない)}と示される。また、「深刻度」は、{0、1、2}のように数値として示されてもよい。
【0060】
「インシデントカテゴリーID」は、インシデント対応に必要な製品スキルや役割スキルを分類するためのIDであって、例えば、{インシデントカテゴリー1、インシデントカテゴリー2}と示される。
【0061】
また、上述したインシデント判定テーブル61aに含まれる各情報は、「判定ID」ごとに対応付けされており、対応するインシデントを追加等するたびに更新される。
【0062】
(インシデント管理サーバ70)
図4を用いて、インシデント管理サーバ70内のDBに記憶される情報について詳細に説明する。図4は、実施形態に係るインシデント管理サーバ内のデータベースの一例を示す図である。図4に示すように、インシデント管理サーバ70は、インシデントDB71を保持する。インシデントDB71は、インシデントテーブル71aおよびインシデントカテゴリーテーブル71bを記憶する。
【0063】
インシデントテーブル71aには、「インシデントID」、「登録日」、「発生日」、「オペレータ」、「ステータス」、「システムID」および「対応の詳細記録」が含まれる。
【0064】
「インシデントID」は、過去のインシデントを分類するためのIDであって、例えば、{インシデント1、インシデント2、・・・、インシデントn}と示される。また、「インシデントID」は、過去のインシデントの「判定ID」や「インシデントカテゴリーID」を含む情報であってもよい。「登録日」は、上記の過去のインシデントの情報を登録した日付である。「発生日」は、上記の過去のインシデントが発生した日付である。「オペレータ」は、上記の過去のインシデントに対応したオペレータの情報である。
【0065】
「ステータス」は、上記の過去のインシデントのステータスであって、例えば、{Open(対応継続中)、Closed(対応終了)}と示される。「システムID」は、過去のインシデントが関与したシステムを分類するためのIDであって、例えば、{システム1、システム2}と示される。「対応の詳細記録」は、上記の過去のインシデントの対応履歴である。
【0066】
また、上述したインシデントテーブル71aに含まれる各情報は、「インシデントID」ごとに対応付けされており、対応するインシデントを追加等するたびに更新される。
【0067】
また、図4に示すように、インシデントカテゴリーテーブル71bには、「インシデントカテゴリーID」、「製品ID」、「製品スキルレベル」、「役割ID」、および「役割スキルレベル」等のインシデントごとにインシデントに対応するために求められる人員のスキルに関するインシデントカテゴリー情報が含まれる。
【0068】
「インシデントカテゴリーID」は、インシデント対応に必要な製品スキルや役割スキルを分類するためのIDであって、例えば、{インシデントカテゴリー1、インシデントカテゴリー2}と示される。
【0069】
「製品ID」は、インシデントが関与する製品を分類するためのIDであって、例えば、{DCS製品a、DCS製品b、DCS製品c、SIS(Safety Instrumented System)製品a、SIS製品b、ネットワーク製品a、ネットワーク製品b}と示される。
【0070】
「製品スキルレベル」は、インシデントに関与する製品に対する知識の度合いであって、例えば、{1.Basic(ベーシック)、2.Intermediate(インターミディエイト)、3.Expert(エキスパート)}と示される。
【0071】
「役割ID」は、インシデントの解決に必要な役割を分類するためのIDであって、例えば、{DCSエンジニア、SISエンジニア、ネットワークエンジニア}と示される。
【0072】
「役割スキルレベル」は、インシデントの解決に必要な役割に対する知識の度合いであって、例えば、{1.Basic(ベーシック)、2.Intermediate(インターミディエイト)、3.Expert(エキスパート)}と示される。
【0073】
また、上述したインシデントカテゴリーテーブル71bに含まれる各情報は、「インシデントID」ごとに対応付けされており、例えば、{インシデントカテゴリーID=インシデントカテゴリー1:製品ID=DCS製品a/製品スキルレベル=ベーシック、役割ID=なし}{インシデントカテゴリーID=インシデントカテゴリー2:製品ID=なし、役割ID=ネットワークエンジニア/役割スキルレベル=ベーシック}と示され、対応するインシデントを追加等するたびに更新される。ここで、製品IDが指定されている場合は、役割に関係なく製品固有の知識が求められることを意味し、役割IDが指定されている場合は、製品に関係なく一般的な知識が求められることを意味し、両方が指定されている場合は、両方の知識が求められることを意味する。
【0074】
(プロジェクト管理サーバ80)
図5および図6を用いて、プロジェクト管理サーバ80内のDBに記憶される情報について詳細に説明する。図5は、実施形態に係るプロジェクト管理サーバ内のデータベースの一例を示す図である。図6は、実施形態に係るシステム構成テーブルの一例を示す図である。図5に示すように、プロジェクト管理サーバ80は、プロジェクトDB81、システム構成DB82および製品DB83を保持する。
【0075】
プロジェクトDB81は、プロジェクトテーブル81aを記憶する。プロジェクトテーブル81aには、「プロジェクトID」、「担当者」、「システムID」および「顧客情報」が含まれる。
【0076】
「プロジェクトID」は、プラントのシステム導入等のプロジェクトに関わる情報を分類するためのIDであって、例えば、{プロジェクト1、プロジェクト2、・・・、プロジェクトn}と示される。
【0077】
「担当者」は、上記のプロジェクトの担当者の情報である。「システムID」は、上記のプロジェクトが関与するシステムを分類するためのIDであって、例えば、{システム1、システム2}と示される。「顧客情報」は、上記のプロジェクトが関与する顧客の情報である。
【0078】
また、上述したプロジェクトテーブル81aに含まれる各情報は、「プロジェクトID」ごとに対応付けされており、プロジェクトの導入等ごとに更新される。
【0079】
また、図5に示すように、システム構成DB82は、システム構成テーブル82aを記憶する。システム構成テーブル82aには、「システムID」、「製品ID」および「難易度」が含まれる。
【0080】
「システムID」は、プロジェクトやインシデントが関与するシステムを分類するためのIDであって、例えば、{システム1、システム2}と示される。「製品ID」は、システムが関与する製品を分類するためのIDであって、例えば、{DCS製品a、DCS製品b、DCS製品c、SIS製品a、SIS製品b、ネットワーク製品a、ネットワーク製品b}と示される。
【0081】
「システムID」は、上記のプロジェクトが関与するシステムを分類するためのIDであって、例えば、{システム1、システム2}と示される。「難易度」は、システムの複雑さ、規模等を分類するための度合いであって、例えば、{低(構成が標準で規模も一般的)、高(構成が非標準または複雑、または規模が大きい)}と示される。
【0082】
また、図6で示すように、上述したシステム構成テーブル82aに含まれる各情報は、「システムID」ごとに対応付けされており、システムの導入等ごとに更新される。例えば、{システムID=システム1:製品ID=DCS製品a/難易度=低、製品ID=DCS製品b/難易度=低、製品ID=SIS製品a/難易度=高、製品ID=ネットワーク製品a/難易度=低、}、{システムID=システム2:製品ID=DCS製品c/難易度=低、製品ID=SIS製品b/難易度=低、製品ID=ネットワーク製品b/難易度=高}と示される。
【0083】
製品DB83は、製品テーブル83aを記憶する。製品テーブル83aには、「製品ID」、「製品名」および「詳細情報」が含まれる。
【0084】
「製品ID」は、システムが関与する製品を分類するためのIDであって、例えば、{DCS製品a、DCS製品b、DCS製品c、SIS製品a、SIS製品b、ネットワーク製品a、ネットワーク製品b}と示される。「製品名」は、上記の製品の商品名等の情報である。「詳細情報」は、上記の製品の製品バージョン等の情報である。
【0085】
また、上述した製品テーブル83aに含まれる各情報は、「製品ID」ごとに対応付けされており、製品の導入等ごとに更新される。
【0086】
(人員管理サーバ90)
図7図10を用いて、人員管理サーバ90内のDBに記憶される情報について詳細に説明する。図7は、実施形態に係る人員管理サーバ内のデータベースの一例を示す図である。図8は、実施形態に係る人員テーブルの一例を示す図である。図9は、実施形態に係る人員役割スキルテーブルの一例を示す図である。図10は、実施形態に係る人員製品スキルテーブルの一例を示す図である。図7に示すように、人員管理サーバ90は、人員DB91を保持する。また、人員DB91は、人員テーブル91a、役割テーブル92b、人員役割スキルテーブル91cおよび人員製品スキルテーブル91dを記憶する。
【0087】
図7に示すように、人員テーブル91aには、「人員ID」、「名前」、「連絡先」の他、「ステータス」等の選出対象の各人員が対応可能な状態か対応不可能な状態かを示すステータス情報が含まれる。
【0088】
「人員ID」は、インシデントに対応する人員を分類するためのIDであって、例えば、{Aさん、Bさん、Cさん、Dさん}と示される。「名前」は、上記人員の氏名等の情報である。「連絡先」は、上記人員の電話番号、メールアドレス等の情報である。
【0089】
「ステータス」は、上記人員の現在のインシデント対応の可否に関わるステータスであって、例えば、{Active(オンライン)、Inactive(業務時間外)、Busy(別プロジェクトの作業中)}と示される。
【0090】
また、図8で示すように、上述した人員テーブル91aに含まれる各情報は、「人員ID」ごとに対応付けされており、人員の入れ替わり等ごとに更新される。例えば、{人員ID=Aさん:名前=A山A男/連絡先=xxx-xxxx-xxxx/ステータス=Active}、{人員ID=Bさん:名前=B田B子/連絡先=yyy-yyyy-yyyy/ステータス=Inactive}、{人員ID=Cさん:名前=C村C太/連絡先=zzz-zzzz-zzzz/ステータス=Active}、{人員ID=Dさん:名前=D原D美/連絡先=www-wwww-wwww/ステータス=Busy}と示される。
【0091】
図7に示すように、役割テーブル91bには、「役割ID」および「役割名」が含まれる。
【0092】
「役割ID」は、インシデントの解決に必要な役割を分類するためのIDであって、例えば、{DCSエンジニア、SISエンジニア、ネットワークエンジニア}と示される。「役割名」は、上記役割の具体的な情報である。
【0093】
また、上述した役割テーブル91bに含まれる各情報は、「役割ID」ごとに対応付けされており、システムや製品の導入等ごとに更新される。
【0094】
図7に示すように、人員役割スキルテーブル91cには、「人員ID」、「役割ID」および「役割スキルレベル」等の選出対象の各人員の役割情報と、役割情報に関する各人員のスキルレベルとを対応付けた人員役割スキル情報が含まれる。
【0095】
「人員ID」は、インシデントに対応する人員を分類するためのIDであって、例えば、{Aさん、Bさん、Cさん、Dさん}と示される。「役割ID」は、上記人員のインシデントの解決に対応可能な役割を分類するためのIDであって、例えば、{DCSエンジニア、SISエンジニア、ネットワークエンジニア}と示される。
【0096】
「役割スキルレベル」は、上記人員のインシデントの解決に対応可能な役割に対する知識の度合いであって、例えば、{1.Basic(ベーシック)、2.Intermediate(インターミディエイト)、3.Expert(エキスパート)}と示される。
【0097】
また、図9で示すように、上述した人員役割スキルテーブル91cに含まれる各情報は、「人員ID」ごとに対応付けされており、人員の入れ替わり等ごとに更新される。例えば、{人員ID=Aさん:役割ID=DCSエンジニア/役割スキルレベル=エキスパート}、{人員ID=Bさん:役割ID=DCSエンジニア/役割スキルレベル=インターミディエイト、役割ID=SISエンジニア/役割スキルレベル=インターミディエイト}、{人員ID=Cさん:役割ID=ネットワークエンジニア/役割スキルレベル=インターミディエイト、役割ID=DCSエンジニア/役割スキルレベル=ベーシック}、{人員ID=Dさん:役割ID=ネットワークエンジニア/役割スキルレベル=エキスパート}と示される。
【0098】
図7に示すように、人員製品スキルテーブル91dには、「人員ID」、「製品ID」および「製品スキルレベル」等の選出対象の各人員が対応可能な製品に関する製品情報と、製品に対する各人員のスキルレベルとを対応付けた人員製品スキル情報が含まれる。
【0099】
「人員ID」は、インシデントに対応する人員を分類するためのIDであって、例えば、{Aさん、Bさん、Cさん、Dさん}と示される。「製品ID」は、上記人員のインシデントの解決に対応可能な製品を分類するためのIDであって、例えば、{DCS製品a、DCS製品b、DCS製品c、SIS製品a、SIS製品b、ネットワーク製品a、ネットワーク製品b}と示される。
【0100】
「製品スキルレベル」は、上記人員のインシデントの解決に対応可能な製品に対する知識の度合いであって、例えば、{1.Basic(ベーシック)、2.Intermediate(インターミディエイト)、3.Expert(エキスパート)}と示される。
【0101】
また、図10で示すように、上述した人員製品スキルテーブル91dに含まれる各情報は、「人員ID」ごとに対応付けされており、人員の入れ替わり等ごとに更新される。例えば、{人員ID=Aさん:製品ID=DCS製品a/役割スキルレベル=エキスパート、製品ID=DCS製品b/役割スキルレベル=インターミディエイト}、{人員ID=Bさん:製品ID=DCS製品a/役割スキルレベル=ベーシック、製品ID=DCS製品b/役割スキルレベル=インターミディエイト、製品ID=SIS製品a/役割スキルレベル=インターミディエイト}、{人員ID=Cさん:製品ID=ネットワーク製品a/役割スキルレベル=インターミディエイト、製品ID=DCS製品a/役割スキルレベル=ベーシック}、{人員ID=Dさん:製品ID=ネットワーク製品a/役割スキルレベル=インターミディエイト、製品ID=ネットワーク製品b/役割スキルレベル=エキスパート}と示される。
【0102】
なお、上述した人員管理サーバ90で管理される情報として、会社等の人事データを用いることもできる。また、人員管理サーバ90で管理される人員は、管理時間帯による人員確保の困難性を解決するために、世界各地の人員を対象とすることも可能とする。すなわち、グローバル企業のグローバル全社員を対象とすれば、インシデント発生時刻が現地の深夜であっても、他国では多くの人員が「Available(対応可能)」であるため、より迅速に専門家の意見を収集することができる。
【0103】
[情報収集処理の具体例]
次に、図11を用いて、本実施形態に係る情報収集処理の具体例を説明する。図11は、実施形態に係る情報収集処理の具体例を示す図である。以下では、人員選出のための基準を説明した上で、上述した図6図8図9図10に示した例を用いて情報収集処理を説明する。
【0104】
(人員選出処理の基準)
管理装置10の選出部15cは、以下の基準(1)~(3)に基づいて優先度を決定する。基準(1)は、検索時、回答受信時に、インシデントの対応に必要なスキルを満たすことである。基準(2)は、検索時に、ステータスが「Active」である人員を優先して表示することである。基準(3)は、検索時、回答受信時に、必要とされるスキルのレベルが高い人員を優先して表示することである。
【0105】
選出部15cは、基準(1)>基準(2)>基準(3)の順に人員の優先度を決定する。また、管理装置10の配信部15dは、選出部15cによって決定された優先度に基づいて、インシデントに対する質問の回答を提示する。
【0106】
第1に、選出部15cは、基準(1)に従い、インシデントの対応に必要なスキルを満たす人員を、以降の処理で優先度を決定する人員として抽出する。
【0107】
第2に、選出部15cは、基準(2)に従い、ステータスが「Active」である人員の優先度を上げる。このとき、選出部15cは、勤務時間外で対応ができない人員や、対応可否の連絡をした際の応答が遅い人員の優先度を下げてもよい。
【0108】
第3に、選出部15cは、基準(3)に従い、必要とされるスキルのレベルが高い人員の優先度を上げる。
【0109】
(人員選出処理の具体例)
以下では、図11に示すシステム1のDCS製品aの通信量が閾値を超過した例を用いて、人員選出処理の具体例を詳細に説明する。まず、管理装置10の判定部15aは、サイト端末20から取得したシステム1のDCS製品aの通信量の情報と、監視サーバ60から取得したインシデント判定DB61内のインシデント判定テーブル61aに含まれる「条件」{DCS製品aの通信量>100Packets/sec}とを用いて、システム1におけるインシデントの発生を検出する。
【0110】
次に、管理装置10の特定部15bは、上記のインシデントのインシデントカテゴリーIDを{インシデントカテゴリーID=インシデントカテゴリー1、インシデントカテゴリー2}と特定する。続いて、特定部15bは、特定したインシデントカテゴリーIDと、インシデント管理サーバ70から取得したインシデントDB71内のインシデントカテゴリーテーブル71bに含まれる情報とを用いて、スキル情報として{インシデントカテゴリーID=インシデントカテゴリー1:製品ID=DCS製品a/製品スキルレベル=ベーシック、役割ID=なし}{インシデントカテゴリーID=インシデントカテゴリー2:製品ID=なし、役割ID=ネットワークエンジニア/役割スキルレベル=ベーシック}を特定する。なお、インシデントカテゴリーIDによって、製品IDおよび役割IDの複数の要因に対応付けすることにより、より効果的にインシデントに対応することができる。
【0111】
以降では、上述した人員選出処理の基準に基づいて、情報収集処理を説明する。第1に、管理装置10の選出部15cは、特定されたスキル情報と、図9および図10のスキルテーブルとを用いて、インシデントカテゴリー1を満たす人員として{Aさん、Bさん、Cさん}、インシデントカテゴリー2を満たす人員として{Cさん、Dさん}を抽出する。
【0112】
第2に、選出部15cは、図8の人員のステータスより、ステータスが「Active」である{Aさん、Cさん}の優先度を上げる。
【0113】
第3に、選出部15cは、図9の人員役割テーブル91cより、DさんはネットワークエンジニアのエキスパートでCさんよりレベルが高いので{Dさん}の優先度を上げる。また、選出部15cは、図10の人員製品テーブル91dより、AさんはDCS製品aのエキスパートでBさん、Cさんよりレベルが高いので、{Aさん}の優先度を上げる。
【0114】
以上より、選出部15cは、決定した優先度に基づき、{1.Aさん、2.Cさん、3.Dさん、4.Bさん}の順に依頼者端末30に選択対象の人員を表示する。また、上記人員から回答が同時に来た場合には、基準(2)を無視し、{1.Aさん、2.Dさん、3.Bさん、4.Cさん}の順に依頼者端末30に回答を表示する。
【0115】
上述した人員選出処理では、インシデントに対応するスキルレベルの高さ等に応じて、質問する人員を変更することが可能となり、より効果的に対話的に情報を収集することができる。また、上述した人員選出処理では、管理時間帯による人員確保の困難性を解決するために、世界各地の人員を選出対象とすることも可能であり、インシデント発生時刻が現地の深夜であって現地の人員が対応できない場合でも、他国では多くの人員が対応可能となり、より迅速に専門家の意見を収集することができる。
【0116】
[各処理の流れ]
図12図15を用いて、本実施形態に係る各処理の流れを説明する。以下では、実施形態に係る処理全体の流れ、監視処理の流れ、人員選出処理の流れ、過去インシデント情報検索処理の流れの順に説明する。
【0117】
(処理全体の流れ)
図12を用いて、本実施形態に係る管理処理全体の流れを説明する。図12は、実施形態に係る処理全体の流れの一例を示すフローチャートである。まず、管理装置10の判定部15aは、プラント等の監視対象の監視処理を行う(ステップS101)。次に、管理装置10の選出部15cは、人員選出処理を行う(ステップS102)。また、検索部15eは、過去インシデント情報検索処理を行う(ステップS103)。なお、ステップS102とステップS103の処理は独立して行われる。また、ステップS103の処理は省略されてもよい。
【0118】
続いて、選出部15cは、オペレータの依頼者端末30に表示した人員のうち、オペレータが選択した質問を配信する質問対象の人員を決定する(ステップS104)。また、配信部15dは、オペレータの質問を取得する(ステップS105)。なお、ステップS104の処理は省略されてもよい。また、ステップS104とステップS105の処理を異なる順序で行ってもよい。
【0119】
そして、配信部15dは、選出部15cによって決定された質問対象の人員に対して、オペレータの質問を一斉に配信する(ステップS106)。また、配信部15dは、配信した質問に対する回答を取得し(ステップS107)、オペレータの依頼者端末30に回答を表示する(ステップS108)。
【0120】
最後に、配信部15dは、オペレータの判断により追加質問がない場合(ステップS109:追加質問なし)、処理を終了する。一方、オペレータの判断により追加質問がある場合(ステップS109:追加質問あり)、ステップS105の処理に戻る。
【0121】
(監視処理の流れ)
図13を用いて、本実施形態に係る監視処理の流れを説明する。図13は、実施形態に係る監視処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、管理装置10の判定部15aは、プラント内のシステムに関わる数値等の情報を、サイト端末20から取得する(ステップS201)。次に、判定部15aは、ステップS201で取得したシステムの情報が、監視サーバ60から取得したインシデントの条件を満たしている場合(ステップS202:Yes)、処理を終了する。一方、判定部15aは、システムの情報が、インシデントの条件を満たしていない場合(ステップS202:No)、ステップS201の処理に戻る。
【0122】
(人員選出処理の流れ)
図14を用いて、本実施形態に係る人員選出処理の流れを説明する。図14は、実施形態に係る人員選出処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、管理装置10の特定部15bは、インシデント管理サーバ70から取得したスキル情報等を取得する(ステップS301)。次に、選出部15cは、スキル情報等の要件を満たす人員を検索し、人員管理サーバ90から人員情報を取得する(ステップS302)。次に、選出部15cは、検索した候補人員をスキルレベルの高い順にオペレータの依頼者端末30に表示し(ステップS303)、処理を終了する。
【0123】
(過去インシデント情報検索処理の流れ)
図15を用いて、本実施形態に係る過去インシデント情報検索処理の流れを説明する。図15は、実施形態に係る過去インシデント情報検索処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、管理装置10の検索部15eは、判定IDが一致する過去のインシデント情報(同一インシデント)をインシデント管理サーバ70から取得する(ステップS401)。このとき、インシデント判定テーブル61aの判定IDが一致するということは、検索された過去のインシデントは、同じ事象であり、同じ対応方法でよい可能性が高い。
【0124】
次に、検索部15eは、インシデントカテゴリーIDが一致する過去のインシデント情報(類似インシデント)をインシデント管理サーバ70から取得する(ステップS402)。このとき、インシデントテーブル71aのインシデントカテゴリーIDが一致するということは、求められる役割やスキルが同一であり、似た事象である可能性が高い。なお、ステップS401、S402の処理は、異なる順序で行うこともできる。
【0125】
そして、検索部15eは、ステップS401の処理で検索した同一インシデントの情報と、ステップS402の処理で検索した類似インシデントの情報とを、オペレータの依頼者端末30に表示し(ステップS403)、処理を終了する。
【0126】
[実施形態の効果]
第1に、上述した本実施形態に係る管理処理では、監視対象におけるインシデントの発生を検出し、インシデントを特定するインシデント情報に基づき、インシデントの対応に求められるスキルを特定し、特定したスキルを有する人員を検索し、検索した人員に対して、インシデントに対する質問を一斉に配信する。このため、本処理では、発生したインシデントごとに、適切な専門家の意見を迅速に収集することができる。
【0127】
第2に、上述した本実施形態に係る管理処理では、監視対象におけるインシデントの発生を検出し、インシデントを特定するインシデント情報に基づき、インシデントの対応に求められる製品情報および役割情報を特定し、特定した製品情報または役割情報を有する人員を検索し、検索した人員のうちオペレータによって選択された人員である選択済み人員に対して、オペレータから受け付けた質問を一斉に配信し、選択済み人員から、質問に対する回答を収集し、回答をオペレータに提示する。このため、本処理では、発生したインシデントごとに、適切な専門家の意見を迅速に、かつ対話的に収集することができる。
【0128】
第3に、上述した本実施形態に係る管理処理では、過去のインシデントに対して実行された対応履歴を保持し、インシデント情報に基づき、検出したインシデントと同一または類似のインシデントの対応履歴である過去インシデント情報をさらに検索し、過去インシデント情報をオペレータに提示する。このため、本処理では、発生したインシデントごとに、適切な専門家の意見を迅速に収集することができ、さらにオペレータが自ら対応するための方法を収集することができる。
【0129】
第4に、上述した本実施形態に係る管理処理では、検索対象の各人員が対応可能な状態か対応不可能な状態かを示すステータス情報を保持し、ステータスが対応可能な状態である人員を優先的に検索する。このため、本処理では、対応可能な人員を優先的に検索し、発生したインシデントごとに、適切な専門家の意見を迅速に収集することができる。
【0130】
第5に、上述した本実施形態に係る管理処理では、検索対象の各人員が対応可能な製品に関する製品情報と、製品に対する各人員のスキルレベルとを対応付けた人員製品スキル情報を保持し、スキルレベルが高い順に所定数の人員を検索し、検索した人員の回答を、スキルレベルが高い順にオペレータに提示する。このため、本処理では、発生したインシデントごとに、製品に関する知識を有する適切な専門家の意見を迅速に、かつ効果的に収集することができる。
【0131】
第6に、上述した本実施形態に係る管理処理では、検索対象の各人員の役割情報と、役割情報に関するスキルレベルとを対応付けた人員役割スキル情報を保持し、スキルレベルが高い順に所定数の人員を検索し、検索した人員の回答を、スキルレベルが高い順にオペレータに提示する。このため、本処理では、発生したインシデントごとに、役割に関する知識を有する適切な専門家の意見を迅速に、かつ効果的に収集することができる。
【0132】
〔システム〕
上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0133】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られない。つまり、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0134】
さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0135】
〔ハードウェア〕
次に、管理装置10のハードウェア構成例を説明する。なお、安全計装装置40や他の装置も同様のハードウェア構成とすることができる。図16は、ハードウェア構成例を説明する図である。図11に示すように、管理装置10は、通信装置10a、HDD(Hard Disk Drive)10b、メモリ10c、プロセッサ10dを有する。また、図16に示した各部は、バス等で相互に接続される。
【0136】
通信装置10aは、ネットワークインタフェースカードなどであり、他のサーバとの通信を行う。HDD10bは、図2に示した機能を動作させるプログラムやDBを記憶する。
【0137】
プロセッサ10dは、図2に示した各処理部と同様の処理を実行するプログラムをHDD10b等から読み出してメモリ10cに展開することで、図2等で説明した各機能を実行するプロセスを動作させる。例えば、このプロセスは、管理装置10が有する各処理部と同様の機能を実行する。具体的には、プロセッサ10dは、判定部15a、特定部15b、選出部15c、配信部15d、検索部15e等と同様の機能を有するプログラムをHDD10b等から読み出す。そして、プロセッサ10dは、判定部15a、特定部15b、選出部15c、配信部15d、検索部15e等と同様の処理を実行するプロセスを実行する。
【0138】
このように、管理装置10は、プログラムを読み出して実行することで各種処理方法を実行する情報処理装置として動作する。また、管理装置10は、媒体読取装置によって記録媒体から上記プログラムを読み出し、読み出された上記プログラムを実行することで上記した実施例と同様の機能を実現することもできる。なお、この他の実施例でいうプログラムは、管理装置10によって実行されることに限定されるものではない。例えば、他のコンピュータまたはサーバがプログラムを実行する場合や、これらが協働してプログラムを実行するような場合にも、本発明を同様に適用することができる。
【0139】
このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disc)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することができる。
【符号の説明】
【0140】
10 管理装置
11 入力部
12 出力部
13 通信部
14 記憶部
15 制御部
15a 判定部
15b 特定部
15c 選出部
15d 配信部
15e 検索部
20 サイト端末
30 依頼者端末
40 応答者端末
50 ネットワーク
60 監視サーバ
70 インシデント管理サーバ
80 プロジェクト管理サーバ
90 人員管理サーバ
100 管理システム
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