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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181577
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】粘弾性流体の断面形状の予測方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 48/92 20190101AFI20221201BHJP
   B29C 48/30 20190101ALI20221201BHJP
   G06F 30/28 20200101ALI20221201BHJP
【FI】
B29C48/92
B29C48/30
G06F30/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021088603
(22)【出願日】2021-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(74)【代理人】
【識別番号】100206586
【弁理士】
【氏名又は名称】市田 哲
(72)【発明者】
【氏名】本田 慎一郎
【テーマコード(参考)】
4F207
5B146
【Fターム(参考)】
4F207AM23
4F207AR08
4F207AR12
4F207AR18
4F207AR20
4F207KA01
4F207KA17
4F207KL63
4F207KM15
4F207KM16
5B146DJ03
(57)【要約】
【課題】 膨張変形後の粘弾性流体の断面形状を予測することが可能な方法を提供する。
【解決手段】 粘弾性流体が押し出される吐出口を有する押出流路を通過して、吐出口から吐出された粘弾性流体の断面形状を予測するための方法である。この方法は、コンピュータが、流体モデルを流路モデルに配置して、流路モデルの吐出口に向かって流体モデルを流動させる工程S6と、流動している流体モデルの吐出口でのせん断速度を計算する工程S7と、粘弾性流体のダイスウェル比とせん断速度との関係と、流体モデルのせん断速度と、吐出口の開口寸法とに基づいて、吐出口から吐出された膨張変形後の粘弾性流体の断面形状を計算する工程S8とを含む。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘弾性流体が押し出される吐出口を有する押出流路を通過して、前記吐出口から吐出された前記粘弾性流体の断面形状を予測するための方法であって、
前記押出流路をモデリングして、前記吐出口を有する流路モデルを、コンピュータに入力する工程と、
前記粘弾性流体をモデリングした流体モデルを、前記コンピュータに入力する工程と、
前記粘弾性流体のダイスウェル比とせん断速度との関係を、前記コンピュータに入力する工程とを含み、
前記コンピュータが、
前記流体モデルを前記流路モデルに配置して、前記流路モデルの前記吐出口に向かって前記流体モデルを流動させる工程と、
流動している前記流体モデルの前記吐出口でのせん断速度を計算する工程と、
前記関係と、前記流体モデルの前記せん断速度と、前記吐出口の開口寸法とに基づいて、前記吐出口から吐出された膨張変形後の前記粘弾性流体の断面形状を計算する工程とを含む、
粘弾性流体の断面形状の予測方法。
【請求項2】
前記断面形状を計算する工程は、前記関係に基づいて、前記流体モデルのせん断速度に対応する前記ダイスウェル比を特定する工程と、
特定された前記ダイスウェル比と、前記開口寸法とに基づいて、前記粘弾性流体の断面形状を計算する工程とを含む、請求項1に記載の粘弾性流体の断面形状の予測方法。
【請求項3】
前記吐出口を複数の領域に区分する工程をさらに含み、
前記断面形状を計算する工程は、前記複数の領域において、膨張変形後の前記粘弾性流体の断面形状をそれぞれ計算する工程を含む、請求項1又は2に記載の粘弾性流体の断面形状の予測方法。
【請求項4】
前記吐出口の輪郭形状は、予め定められた第1方向の長さと、前記第1方向と直交する第2方向の長さとを含み、かつ、前記第2方向の長さが前記第1方向の長さよりも小さく、
前記断面形状を計算する工程は、少なくとも前記第2方向に膨張変形した前記粘弾性流体の断面形状を計算する工程を含む、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の粘弾性流体の断面形状の予測方法。
【請求項5】
前記関係を入力する工程は、前記押出流路のキャピラリー長さとキャピラリー直径との比に基づいて、前記ダイスウェル比を測定する工程を含む、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の粘弾性流体の断面形状の予測方法。
【請求項6】
前記粘弾性流体は、未加硫ゴムを含む、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の粘弾性流体の断面形状の予測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘弾性流体の断面形状の予測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、粘弾性体のシミュレーション方法が記載されている。この方法には、先ず、流入部と流出部を有する流体解析モデルと、粘弾性モデルとを設定し、粘弾性モデルによる流体解析を実行する工程と、流体解析の結果得られた流線上の粘弾性応力から構造解析入力用応力を演算する工程とが含まれている。さらに、流体解析モデルの流出部の流出口の形状を断面とした構造解析モデルを設定する工程と、構造解析モデルに対して、構造解析入力用応力を初期応力として設定し構造解析を実行する工程とが含まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-189957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような粘弾性体は、流出口から吐出された直後に膨張変形する性質(ダイスウェル)を有する。したがって、流出口から吐出された粘弾性体の断面形状を予測するには、このような膨張変形を考慮することが重要である。
【0005】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、膨張変形後の粘弾性流体の断面形状を予測することが可能な方法を提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、粘弾性流体が押し出される吐出口を有する押出流路を通過して、前記吐出口から吐出された前記粘弾性流体の断面形状を予測するための方法であって、前記押出流路をモデリングして、前記吐出口を有する流路モデルを、コンピュータに入力する工程と、前記粘弾性流体をモデリングした流体モデルを、前記コンピュータに入力する工程と、前記粘弾性流体のダイスウェル比とせん断速度との関係を、前記コンピュータに入力する工程とを含み、前記コンピュータが、前記流体モデルを前記流路モデルに配置して、前記流路モデルの前記吐出口に向かって前記流体モデルを流動させる工程と、流動している前記流体モデルの前記吐出口でのせん断速度を計算する工程と、前記関係と、前記流体モデルの前記せん断速度と、前記吐出口の開口寸法とに基づいて、前記吐出口から吐出された膨張変形後の前記粘弾性流体の断面形状を計算する工程とを含むことを特徴とする。
【0007】
本発明に係る前記粘弾性流体の断面形状の予測方法において、前記断面形状を計算する工程は、前記関係に基づいて、前記流体モデルのせん断速度に対応する前記ダイスウェル比を特定する工程と、特定された前記ダイスウェル比と、前記開口寸法とに基づいて、前記粘弾性流体の断面形状を計算する工程とを含んでもよい。
【0008】
本発明に係る前記粘弾性流体の断面形状の予測方法において、前記吐出口を複数の領域に区分する工程をさらに含み、前記断面形状を計算する工程は、前記複数の領域において、膨張変形後の前記粘弾性流体の断面形状をそれぞれ計算する工程を含んでもよい。
【0009】
本発明に係る前記粘弾性流体の断面形状の予測方法において、前記吐出口の輪郭形状は、予め定められた第1方向の長さと、前記第1方向と直交する第2方向の長さとを含み、かつ、前記第2方向の長さが前記第1方向の長さよりも小さく、前記断面形状を計算する工程は、少なくとも前記第2方向に膨張変形した前記粘弾性流体の断面形状を計算する工程を含んでもよい。
【0010】
本発明に係る前記粘弾性流体の断面形状の予測方法において、前記関係を入力する工程は、前記押出流路のキャピラリー長さとキャピラリー直径との比に基づいて、前記ダイスウェル比を測定する工程を含んでもよい。
【0011】
本発明に係る前記粘弾性流体の断面形状の予測方法において、前記粘弾性流体は、未加硫ゴムを含んでもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の粘弾性流体の断面形状の予測方法は、上記の工程を採用することにより、押出流路の吐出口から吐出された膨張変形後の弾性流体の断面形状を予測することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態の粘弾性流体の断面形状の予測方法を実行するためのコンピュータを示す斜視図である。
図2】押出流路を通過する粘弾性流体を示す断面図である。
図3図2の押出流路の斜視図である。
図4】本実施形態の粘弾性流体の断面形状の予測方法の処理手順を示すフローチャートである。
図5】本実施形態の流路モデルを示す概念図である。
図6図5の流路モデルの吐出口の正面図である。
図7】粘弾性流体のダイスウェル比とせん断速度との関係を示すグラフである。
図8】本実施形態の断面計算工程の処理手順を示すフローチャートである。
図9】本実施形態の膨張変形後の粘弾性流体の断面形状を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態が図面に基づき説明される。図面は、発明の内容の理解を助けるために、誇張表現や、実際の構造の寸法比とは異なる表現が含まれることが理解されなければならない。また、各実施形態を通して、同一又は共通する要素については同一の符号が付されており、重複する説明が省略される。さらに、実施形態及び図面に表された具体的な構成は、本発明の内容理解のためのものであって、本発明は、図示されている具体的な構成に限定されるものではない。
【0015】
本実施形態の粘弾性流体の断面形状の予測方法(以下、単に「予測方法」ということがある。)は、粘弾性流体が押し出される吐出口を有する押出流路を通過して、吐出口から吐出された粘弾性流体の断面形状を予測するための方法である。本実施形態の予測方法では、コンピュータが用いられる。
【0016】
[コンピュータ]
図1は、本実施形態の粘弾性流体の断面形状の予測方法を実行するためのコンピュータを示す斜視図である。本実施形態のコンピュータ1は、本体1a、キーボード1b、マウス1c及びディスプレイ装置1dを含んでいる。本体1aには、例えば、演算処理装置(CPU)、ROM、作業用メモリ、磁気ディスクなどの記憶装置、及び、ディスクドライブ装置1a1、1a2が設けられている。また、記憶装置には、本実施形態の予測方法を実行するためのソフトウェア等が予め記憶されている。
【0017】
[粘弾性流体]
図2は、押出流路2を通過する粘弾性流体4を示す断面図である。本実施形態の粘弾性流体4は、未加硫ゴム(十分に練られた架橋前のゴム材料)を含んでいる。粘弾性流体4は、このような未加硫ゴムに限定されるわけではなく、例えば、樹脂材料やエラストマー等の粘弾性を有するものが含まれてもよい。また、本実施形態の粘弾性流体4は、十分に練られて安定的な流動状態(流体)とみなすことができる状態のものが前提とされる。例えば、粘弾性流体4が未加硫のゴム材料の場合、十分に練られて約80~100℃程度まで昇温した状態が、この状態に相当する。
【0018】
[押出流路]
本実施形態の解析対象の押出流路2は、筒状に形成されており、スクリュー式の押出機3の下流側に接続されている。本実施形態の押出流路2は、枠体2cで区画されている。
【0019】
本実施形態の枠体2cは、ヘッド17と、ダイ(口金)18とを含んで構成されている。本実施形態のダイ18は、ヘッド17に取り外し可能に固定されているが、例えば、ヘッド17に取り外し不能に固着されるものでもよい。なお、解析対象の押出流路2は、実在するものに限定されるわけではなく、例えば、設計段階のもの(例えば、CADデータのみ存在するもの)であってもよい。
【0020】
押出流路2は、ヘッド17によって区画される第1押出流路2Aと、ダイ(口金)18によって区画される第2押出流路2Bとを含んで構成される。第1押出流路2A(押出流路2)の一端には、押出機3に接続される供給口5が設けられている。この供給口5に、押出機3から粘弾性流体4が供給される。
【0021】
図3は、図2の押出流路2の斜視図である。本実施形態の供給口5の輪郭形状(開口寸法)5sは、予め定められた第1方向xの長さL1と、第1方向xと直交する第2方向yの長さL2とを含んでいる。これらの長さL1、L2は、略同一(製造誤差等のバラツキ(例えば、長さL1の±5%)を許容)に設定されている。なお、本実施形態の輪郭形状5sは、正面視において円形状に形成されているが、このような態様に限定されない。
【0022】
本実施形態の第1押出流路2Aの他端には、第2押出流路2Bの一端に接続される第1接続口21が設けられている。本実施形態の第1接続口21の輪郭形状は、後述の吐出口6の輪郭形状(第2接続口22の輪郭形状)と同一に設定されている。
【0023】
本実施形態の第2押出流路2Bの一端には、第1接続口21(第1押出流路2Aの他端)に接続される第2接続口22が設けられている。本実施形態の第2接続口22の輪郭形状は、後述の吐出口6の輪郭形状と同一に設定されている。
【0024】
図2に示されるように、第2押出流路2B(押出流路2)の他端には、粘弾性流体4が押し出される吐出口6が設けられている。図3に示されるように、本実施形態の吐出口6の輪郭形状(開口寸法)6sは、予め定められた第1方向xの長さL3と、第1方向xと直交する第2方向yの長さL4とを含んでいる。本実施形態の第2方向yの長さL4は、第1方向xの長さL3よりも小さく設定されている。本実施形態の輪郭形状6sは、正面視において台形状に形成されているが、このような態様に限定されない。
【0025】
本実施形態の押出流路2は、第1押出流路2Aにおいて、押出方向zの上流側から下流側に向かって(即ち、供給口5側から第1接続口21側に向かって)、断面積が漸減している。一方、第2押出流路2Bでは、押出方向zの上流側から下流側に向かって(即ち、第2接続口22側から吐出口6側に向かって)、押出流路2の断面積が一定に維持されている。これにより、図2に示されるように、押出流路2を通過する粘弾性流体4は、第1押出流路2Aから大きな圧力を受け、吐出口6から吐出された直後に膨張変形する傾向がある。
【0026】
図3に示されるように、本実施形態では、吐出口6(第1接続口21及び第2接続口22)の第1方向xの長さL3と、供給口5の第1方向xの長さL1との比L3/L1に対して、吐出口6の第2方向yの長さL4と、供給口5の第2方向yの長さL2との比L4/L2が小さく設定されている。このため、第1押出流路2Aを通過する粘弾性流体4には、第1方向xの圧力に比べて、第2方向yの圧力が大きく作用し、糸まり状の分子鎖(図示省略)が強く引き伸ばされる。一方、第2押出流路2Bは、断面積が一定に維持されている。このため、第2押出流路2Bを通過する粘弾性流体4では、引き伸ばされた分子鎖を再び糸まり状に戻すことができるものの、吐出口6に至るまでに元の糸まり状に戻すことができない場合がある。このような場合、粘弾性流体4は、吐出口6から吐出された直後において、膨張変形(ダイスウェル)が生じやすい。本実施形態では、第1方向xへの膨張変形(ダイスウェル)に対して、大きな圧力が作用する第2方向yへの膨張変形(ダイスウェル)が大きくなる傾向がある。なお、このような膨張変形の傾向は、第2押出流路2Bの形状によって変化する。
【0027】
このように、粘弾性流体4は、吐出口6から吐出された直後に膨張変形する性質(ダイスウェル)を有する。したがって、所望の断面形状16を有する粘弾性流体4を吐出可能な第2押出流路2B(ダイ18)を設計するには、このような性質を考慮することが重要である。
【0028】
[粘弾性流体の断面形状の予測方法]
次に、本実施形態の予測方法が説明される。図4は、本実施形態の粘弾性流体の断面形状の予測方法の処理手順を示すフローチャートである。
【0029】
[流路モデルを入力]
本実施形態の予測方法では、先ず、押出流路2(図2及び図3に示す)をモデリングして、吐出口を有する流路モデルが、コンピュータに入力される(工程S1)。図5は、本実施形態の流路モデル7を示す概念図である。
【0030】
本実施形態の工程S1では、解析対象の押出流路2(図2及び図3に示す)の設計データ(設計因子)に基づいて、押出流路2の三次元空間が、有限個の要素eでモデリング(離散化)される。これにより、流路モデル7が設定される。本実施形態において、押出流路2を区画する枠体2c(図2及び図3に示す)のモデリングが省略されている。
【0031】
本実施形態の流路モデル7は、第1押出流路2A(図2及び図3に示す)をモデリングした第1流路モデル7Aと、第2押出流路2Bと(図2及び図3に示す)をモデリングした第2流路モデル7Bとを含んでいる。本実施形態の第1流路モデル7A(流路モデル7)の一端には、押出流路2の供給口5(図2及び図3に示す)をモデリングした供給口8が設けられている。本実施形態の供給口8は、正面視において、押出流路2の供給口5と同一の形状(図3に示す)に設定される。
【0032】
一方、本実施形態の第2流路モデル7B(流路モデル7)の他端には、押出流路2の吐出口6(図2及び図3に示す)をモデリングした吐出口9が設けられている。本実施形態の吐出口9は、正面視において、押出流路2の吐出口6と同一の形状(図3に示す)に設定される。
【0033】
本実施形態では、上述の形状を有する供給口8及び吐出口9により、押出方向zの上流側から下流側に向かって(即ち、供給口8側から吐出口9側に向かって)、流路モデル7の断面積が漸減している。
【0034】
流路モデル7(第1流路モデル7A及び第2流路モデル7B)は、図5の一部拡大図に示されるように、流体モデル10が流れる空間が、複数個の要素eで分割(離散化)されている。要素分割は、四面体、六面体などの他、多面体セル(ポリヘドラルグリッド)といった三次元要素で行われ、本実施形態では、オイラー要素でモデル化される。各要素eでは、流体モデル10の圧力、温度及び速度等の物理量が計算される。流路モデル7は、コンピュータ1に記憶される。
【0035】
[複数の領域に区分]
次に、本実施形態の予測方法では、流路モデル7の吐出口9が、複数の領域に区分される(工程S2)。図6は、図5の流路モデル7の吐出口9の正面図である。
【0036】
本実施形態の複数の領域11は、後述の断面計算工程S8において、膨張変形後の粘弾性流体4の断面形状の計算に用いられる。複数の領域11は、例えば、吐出口9の輪郭形状等に応じて、適宜区分されうる。本実施形態では、吐出口9(吐出口9の輪郭で囲まれる領域)に、第2方向yに沿って延びる複数の区分線12が第1方向xに隔設されることにより、第1方向xに沿って並べられた複数の領域11に区分されている。
【0037】
複数の領域11は、例えば、流路モデル7(図5に示した要素e)の座標値等で特定されうる。本実施形態の工程S2では、コンピュータ1が、複数の領域11を区分してもよいし、オペレータが区分(領域11を入力)してもよい。区分された複数の領域11は、コンピュータ1に記憶される。
【0038】
[流体モデルを入力]
次に、本実施形態の予測方法では、粘弾性流体4(図2に示す)をモデリングした流体モデル10(図5に示す)が、コンピュータ1に入力される(工程S3)。流体モデル10は、押出流路2内を通過する粘弾性流体4を、コンピュータ1での数値計算に取り込むためのものである。流体モデル10は、流路モデル7の要素eに配置される。
【0039】
本実施形態の流体モデル10には、粘弾性流体の物性に基づいたせん断粘度、比熱及び熱伝導率が定義される。せん断粘度、比熱及び熱伝導率の詳細は、例えば、特許文献(特許第5498523号公報)に記載のとおりである。流体モデル10は、コンピュータ1に記憶される。
【0040】
[境界条件を入力]
次に、本実施形態の予測方法では、流体モデル10の流動を計算するための境界条件が、コンピュータ1に入力される(工程S4)。本実施形態の境界条件としては、流路モデル7の供給口8にそれぞれ供給される流体モデル10の流速V、温度、及び、流路モデル7の吐出口9の圧力(=0)が与えられる。流体モデル10の流速や温度には、例えば、解析対象となる押出流路2で適宜実測を行い、その値を参考に設定することができる。また、本実施形態の流路モデル7の壁面7wには、一定の温度が設定される。
【0041】
流路モデル7の壁面7wには、流速境界条件が設定される。流速境界条件は、特許文献(特許第5498523号公報)と同様に、壁面ノースリップ条件、又は、壁面スリップ条件が設定可能であり、シミュレーションの用途や求められる計算精度等に応じて、いずれかが採用される。本実施形態では、壁面スリップ条件が設定される。これにより、流体モデル10と壁面7wとの摩擦に伴って、流体モデル10が壁面7wに拘束され、流体モデル10が過度に発熱するのを防ぐことができる。したがって、流体モデル10の温度分布及び速度分布等が、実際の粘弾性流体4の温度分布及び速度分布等から乖離するのを防ぐことができる。
【0042】
他の境界条件としては、流動計算(シミュレーション)の単位時間(タイムステップ)、内部処理でのイタレーションの反復回数、及び、計算終了時刻などがある。これらの条件は、シミュレーションの目的等に応じて任意に定められる。これらの境界条件は、コンピュータ1に記憶される。
【0043】
[ダイスウェル比とせん断速度との関係を入力]
次に、本実施形態の予測方法では、粘弾性流体4のダイスウェル比とせん断速度との関係が、コンピュータ1に入力される(工程S5)。図7は、粘弾性流体4のダイスウェル比とせん断速度との関係を示すグラフである。
【0044】
ダイスウェル比は、図2に示されるように、吐出口6の開口寸法(例えば、D5)と、吐出口6から吐出された膨張変形後の粘弾性流体4の断面寸法(例えば、D6)との比(例えば、D6/D5)である。図7では、せん断速度が大きくなるほど、ダイスウェル比が大きくなっている。したがって、ダイスウェル比は、せん断速度依存性を有している。
【0045】
粘弾性流体4のダイスウェル比とせん断速度との関係は、適宜取得されうる。本実施形態では、複数のせん断速度において、ダイスウェル比がそれぞれ測定されることにより、上記の関係が取得される。なお、ダイスウェル比は、JIS-K7199の規定に準拠して、キャピラリーレオメータ(例えば、ゴットフェルト社製のRG-50)を用いて測定されうる。なお、ダイスウェル比の測定に用いられる粘弾性流体4の温度は、例えば、実際の押出流路2を通過中の粘弾性流体4の温度に基づいて、適宜設定(例えば、100℃)に設定されるのが望ましい。
【0046】
なお、ダイスウェル比の測定には、上述のキャピラリーレオメータに、キャピラリー長さL及びキャピラリー直径Dを設定する必要がある。例えば、キャピラリー長さLとキャピラリー直径Dとの比L/Dが、図2に示した押出流路2(第2押出流路2B)の比(L5/D5)よりも小さく設定されると、押出流路2(第2押出流路2B)でのダイスウェル比よりも大きなダイスウェル比が測定される傾向がある。このため、工程S5は、押出流路2(第2押出流路2B)のキャピラリー長さL5と、キャピラリー直径D5との比L5/D5に基づいて、ダイスウェル比が測定されるのが望ましい。これにより、工程S5では、実際の押出流路2の吐出口6から吐出された粘弾性流体4のダイスウェル比と同等のダイスウェル比を、実験的に取得することができる。
【0047】
図2に示されるように、本実施形態において、キャピラリー長さL5は、押出流路2での粘弾性流体4の押出方向zにおいて、第2押出流路2B(第2接続口22から吐出口6まで)の長さとして特定される。また、図2及び図3に示されるように、キャピラリー直径D5は、吐出口6の輪郭形状6sについて、第2方向yの長さL4として特定される。
【0048】
本実施形態の工程S5では、図7に示されるように、各せん断速度において、それぞれ測定されたダイスウェル比がプロットされる。これにより、粘弾性流体4のダイスウェル比とせん断速度との関係が取得される。なお、工程S5では、せん断速度に対応するダイスウェル比を一意に特定するために、ダイスウェル比とせん断速度との関係の近似式が求められてもよい。ダイスウェル比とせん断速度との関係は、コンピュータ1に記憶される。
【0049】
[流体モデルの流動を計算]
次に、図5に示されるように、本実施形態の予測方法では、コンピュータ1が、流体モデル10を流路モデル7に配置して、流路モデル7の吐出口9に向かって流体モデル10を流動させる(工程S6)。本実施形態の工程S6では、上述の境界条件に基づいて、流路モデル7の供給口8から吐出口9まで、流体モデル10を流動させる流動計算が、シミュレーションの単位時間Tx毎に実施される。
【0050】
本実施形態の流動計算には、自由界面の流れの計算で用いられるVOF(Volume of Fluid)法が用いられる。VOF法では、せん断粘度等が異なる2つの流体(粘弾性流体4及び気体(空気))の界面の移動を直接計算するのではなく、各要素eの体積中の流体モデル10の充填率(即ち、体積分率)を定義して、自由界面を平均化して表現される。
【0051】
本実施形態の工程S6では、流体モデル10の流れが安定状態になるまで(即ち、集束するまで)計算が行われる。流動計算は、例えば、特許文献(特許第5498523号公報)と同様の処理手順で行われうる。これにより、流体モデル10の安定状態を求めることができる。流動計算には、例えば、市販の流体解析ソフトウェア(例えば、ANSYS社のFLUNETやCFXなど)が用いられうる。
【0052】
本実施形態では、流路モデル7の壁面7wに、壁面スリップ条件が設定されているため、流体モデル10と壁面7wとの摩擦に伴って、流体モデル10が過度に発熱するのを防ぐことができる。これにより、工程S6では、流体モデル10の温度分布及び速度分布等が、実際の粘弾性流体4の温度分布及び速度分布等から乖離するのを防ぐことができる。したがって、工程S6では、流体モデル10の流動計算において、実際の押出流路2を通過する粘弾性流体4(図2に示す)の挙動を再現することができる。
【0053】
[せん断速度を計算]
次に、本実施形態の予測方法では、コンピュータ1が、流動している流体モデル10の吐出口9でのせん断速度を計算する(工程S7)。本実施形態の工程S7では、安定状態で流動している流体モデル10において、吐出口9でのせん断速度が計算される。
【0054】
本実施形態の工程S7では、吐出口9を構成する各要素e(図5に示す)において、流体モデル10のせん断速度がそれぞれ計算される。せん断速度は、例えば、上記の流体解析ソフトウェアによって容易に計算されうる。工程S7では、任意の単位時間Txのせん断速度が計算されてもよいし、複数の単位時間Txでそれぞれ計算された複数のせん断速度の平均値が計算されてもよい。
【0055】
本実施形態の予測方法では、図2に示した実際の押出流路2(押出機3)を用いなくても、流体モデル10の流動により、実際の粘弾性流体4の吐出口6でのせん断速度を、コンピュータ1を用いて擬似的に計算することができる。せん断速度は、コンピュータ1に記憶される。
【0056】
[粘弾性流体の断面形状を計算(断面計算工程)]
次に、本実施形態の予測方法では、コンピュータ1が、図2に示した吐出口6から吐出された膨張変形後の粘弾性流体4の断面形状を計算する(断面計算工程S8)。断面計算工程S8では、粘弾性流体のダイスウェル比とせん断速度との関係(図7に示す)と、流体モデル10のせん断速度と、吐出口9(図6に示す)の開口寸法とに基づいて、粘弾性流体4の断面形状が計算される。図8は、本実施形態の断面計算工程S8の処理手順を示すフローチャートである。
【0057】
本実施形態の断面計算工程S8では、先ず、粘弾性流体のダイスウェル比とせん断速度との関係(図7に示す)に基づいて、流体モデル10のせん断速度に対応するダイスウェル比が特定される(工程S81)。本実施形態の工程S81では、図6に示した複数の領域11において、せん断速度に対応するダイスウェル比がそれぞれ特定される。
【0058】
本実施形態の工程S81では、先ず、複数の領域11のせん断速度がそれぞれ特定される。本実施形態では、各領域11を構成する要素e(図5に示す)で計算されたせん断速度に基づいて、各領域11のせん断速度が特定される。各領域11のせん断速度の特定は、各領域11を構成する要素eが複数存在する場合、それらの要素eのせん断速度の平均値が特定されてもよいし、最大値が特定されてもよいし、最小値が特定されてもよい。本実施形態では、各領域11を構成する複数の要素eのせん断速度の平均値が、各領域11のせん断速度としてそれぞれ特定される。
【0059】
次に、本実施形態の工程S81では、各領域11のせん断速度に対応するダイスウェル比が特定される。本実施形態では、粘弾性流体のダイスウェル比とせん断速度との関係(図7に示す)に基づいて、各領域11のせん断速度に対応するダイスウェル比がそれぞれ特定される。各領域11のダイスウェル比は、コンピュータ1に記憶される。
【0060】
次に、本実施形態の断面計算工程S8では、特定されたダイスウェル比と、開口寸法とに基づいて、粘弾性流体の断面形状が計算される(工程S82)。本実施形態の工程S82では、複数の領域11において、膨張変形後の粘弾性流体4の断面形状がそれぞれ計算される。図9は、本実施形態の膨張変形後の粘弾性流体4の断面形状16を示す図である。
【0061】
上述したように、本実施形態の押出流路2は、図2及び図3に示した吐出口6から吐出された直後に、第1方向xへの膨張変形(ダイスウェル)に対して、第2方向yへの膨張変形(ダイスウェル)が大きくなる傾向がある。このため、工程S82では、少なくとも第2方向yに膨張変形した粘弾性流体4の断面形状が計算されるのが望ましい。
【0062】
本実施形態の工程S82では、各領域11で特定されたダイスウェル比で、各領域11を第2方向yに拡大した形状(断面形状15)がそれぞれ特定される。本実施形態では、各領域11の第2方向yの中央部13から第2方向yの両側に向かって、各領域11の第2方向yの長さL4にダイスウェル比が乗じられた大きさに拡大される。これらの拡大した形状により、各領域11において、膨張変形後の粘弾性流体4の断面形状15がそれぞれ計算される。
【0063】
本実施形態の工程S82では、吐出口9での各領域11の配置に基づいて、各領域11の断面形状15が第1方向xに並べられることにより、膨張変形後の粘弾性流体4の断面形状16がそれぞれ計算される。
【0064】
本実施形態の予測方法では、図2に示した押出流路2の吐出口6から吐出された直後に膨張変形する性質(ダイスウェル)を考慮した粘弾性流体の断面形状16を予測することができる。さらに、本実施形態の予測方法では、特許文献1の構造解析を必要とすることなく、ダイスウェル比とせん断速度との関係(図7に示す)と、流体モデル10のせん断速度と、吐出口6の開口寸法とに基づく簡単な計算で、断面形状16を予測することができる。したがって、本実施形態の予測方法では、断面形状16を短時間で予測することができる。
【0065】
本実施形態の予測方法では、粘弾性流体4の断面形状を計算に、実際の粘弾性流体4のダイスウェル比とせん断速度との関係(図7に示す)が用いられている。このため、本実施形態の予測方法では、実際の膨張変形に近似した粘弾性流体4の断面形状16を計算することができる。
【0066】
図6及び図9に示されるように、本実施形態の予測方法では、流路モデル7の吐出口9を区分した複数の領域11において、流体モデル10のせん断速度、及び、そのせん断速度に対応するダイスウェル比がそれぞれ特定されている。これにより、本実施形態の予測方法では、図2及び図3に示した吐出口6において一様でない粘弾性流体4の膨張変形を考慮することができるため、実際の膨張変形により近似した粘弾性流体4の断面形状16を計算することができる。なお、領域11の個数は、吐出口6の開口寸法や、求められる予測精度に応じて適宜設定することができ、例えば、50~150個に設定されうる。
【0067】
[断面形状の評価]
次に、図4に示されるように、本実施形態の予測方法では、予測された粘弾性流体4の断面形状16(図9に示す)が、良好か否かが判断される(工程S9)。断面形状16が良好か否かは、コンピュータ1が判断してもよいし、オペレータが判断してもよい。
【0068】
粘弾性流体4の断面形状16が良好か否かは、例えば、粘弾性流体4が用いられるゴム製品の設計精度等に基づいて、適宜判断することができる。本実施形態では、各領域11のダイスウェル比(及び/又は、膨張変形後の寸法等)が、予め定められた閾値以下である場合に、粘弾性流体4の断面形状16が良好と判断される。なお、閾値は、領域11毎に異なる値が設定されてもよい。
【0069】
工程S9において、粘弾性流体4の断面形状16が良好であると判断された場合(工程S9で、「Yes」)、図2に示した押出流路2(押出機3)が製造される(工程S10)。これにより、所望の断面形状16を有する粘弾性流体4を吐出することができるため、所望の性能を発揮可能なゴム製品等の製造が可能となる。
【0070】
一方、工程S9において、粘弾性流体4の断面形状16が良好でないと判断された場合(工程S9で、「No」)、押出流路2(本例では、第2押出流路2B(ダイ18))の設計因子が変更され(工程S11)、工程S1~工程S9が再度実施される。
【0071】
本実施形態の予測方法では、粘弾性流体4の断面形状16が良好となるまで、押出流路2の設計因子が変形されるため、断面形状16が良好な粘弾性流体4を押し出し可能な押出流路2を確実に設計及び製造することができる。これにより、本実施形態の予測方法は、押出流路2の試作及び実験に要する時間やコストを削減できるため、押出流路2(押出機3)、及び、粘弾性流体4を用いたゴム製品等の開発期間を短縮することが可能となる。
【0072】
これまでの実施形態では、第2方向yに膨張変形した粘弾性流体の断面形状16(図9に示す)が計算されたが、このような態様に限定されない。例えば、図3に示した吐出口6の輪郭形状や押出流路2の形状に基づいて、第1方向xに膨張変形した断面形状が計算されてもよいし、第1方向x及び第2方向yの双方に膨張変形した断面形状が計算されてもよい。
【0073】
図6に示されるように、これまでの実施形態では、流路モデル7の吐出口9が、第1方向xに沿って並べられた複数の領域11に区分されたが、このような態様に限定されない。例えば、吐出口6(吐出口9)の形状や、膨張変形(ダイスウェル)が大きくなる傾向がある方向を考慮して、第2方向yに並べられた複数の領域11に区分されてもよいし、第1方向x及び第2方向yの双方に並べられた複数の領域11に区分されてもよい。
【0074】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【実施例0075】
図4及び図8に示した処理手順に従って、押出流路の吐出口から吐出された粘弾性流体の断面形状が予測された(実施例1及び実施例2)。
【0076】
実施例1では、押出流路のキャピラリー長さ及びキャピラリー直径の比を考慮せずに、粘弾性流体のダイスウェル比が測定された。一方、実施例2では、押出流路のキャピラリー長さ及びキャピラリー直径の比に基づいて、粘弾性流体のダイスウェル比が測定された。
【0077】
実施例1及び実施例2では、粘弾性流体のダイスウェル比とせん断速度との関係と、流体モデルのせん断速度と、吐出口の開口寸法とに基づいて、吐出口から吐出された膨張変形後の粘弾性流体の断面形状が計算された。
【0078】
また、実施例1及び実施例2の効果を比較するために、押出流路(押出機)を製造し、押出流路の吐出口から粘弾性流体を吐出して、膨張変形後の粘弾性流体の断面形状が測定された(実験例)。そして、実施例1及び実施例2で予測された断面形状と、実験例で測定された断面形状とが比較された。共通仕様は、次のとおりである。
粘弾性流体:天然ゴム(カーボンブラック配合)
ダイスウェル比の測定温度:100℃
領域の個数:100個
【0079】
テストの結果、実験例の断面形状は、吐出口の第1方向の両端部において、相対的に大きく膨張変形した。一方、実施例1及び実施例2では、実験例と同様の膨張変形が予測された。したがって、実施例1及び実施例2では、膨張変形後の粘弾性流体の断面形状を予測することができた。
【0080】
さらに、実施例2は、押出流路のキャピラリー長さ及びキャピラリー直径の比を考慮して、ダイスウェル比が測定されたため、それらを考慮しない実施例1に比べて、実験例に近似した断面形状を予測することができた。
【符号の説明】
【0081】
S6 流体モデルを流動させる工程
S7 せん断速度を計算する工程
S8 膨張変形後の粘弾性流体の断面形状を計算する工程
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9