(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181596
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20221201BHJP
【FI】
G06Q30/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021088630
(22)【出願日】2021-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520123032
【氏名又は名称】株式会社KINTO
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】利根 優太
(72)【発明者】
【氏名】飯 潔倫
(72)【発明者】
【氏名】田中 唯之
(72)【発明者】
【氏名】石塚 真規
(72)【発明者】
【氏名】矢野 佑一郎
(72)【発明者】
【氏名】天野 成章
(72)【発明者】
【氏名】前田 優介
(72)【発明者】
【氏名】矢崎 圭
(72)【発明者】
【氏名】濱田 優
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】車両への装備の取り付けを促進可能とする。
【解決手段】サーバ3の制御部21は、車両10に第1の機能を付与するための第1の部品X1を示す情報を取得した場合に、第1の部品X1との組み合わせによって第1の機能と異なる第2の機能を車両10に付与可能な第2の部品Y1を示す情報と、第1及び第2の部品を車両10に取り付ける費用に係る割引情報を出力する。制御部21は、第1の部品X1の取付工程と第2の部品Y1の取付工程とに共通な工程がある場合、費用が安価になる割引情報を出力する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に第1の機能を付与するための第1の部品を示す情報を取得した場合に、前記第1の部品を示す情報と関連づけられた、前記第1の部品との組み合わせによって前記第1の機能と異なる第2の機能を前記車両に付与可能な第2の部品を示す情報と、前記第1の部品とともに前記第2の部品を前記車両に取り付ける場合に、前記第1の部品及び前記第2の部品の取り付けに係る費用を割り引くことを示す割引情報とを出力する制御部を含み、
前記制御部は、前記第1の部品を取り付ける工程と前記第2の部品を取り付ける工程とに共通な工程がある場合に、前記共通な工程がない場合における費用よりも安価な費用を示す前記割引情報を出力する、
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載される電子コントロールユニット(ECU)のソフトウェアをアップデートする技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、車両への装備の取り付けを促進可能とする情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の態様の一つは、情報処理装置である。この情報処理装置は、車両に第1の機能を付与するための第1の部品を示す情報を取得した場合に、第1の部品を示す情報と関連づけられた、第1の部品との組み合わせによって第1の機能と異なる第2の機能を車両に付与可能な第2の部品を示す情報と、第1の部品とともに第2の部品を車両に取り付ける場合に、第1の部品及び第2の部品の車両への取り付けに係る費用の割り引きを示す割引情報とを出力する制御部を含む。制御部は、第1の部品を取り付ける工程と第2の部品を取り付ける工程とに共通な工程がある場合に、共通な工程がない場合における費用よりも安価な費用を示す割引情報を出力する。
【0006】
本開示の態様は、上述した情報処理装置以外に、情報処理装置と同様の特徴を有する情報処理方法、プログラム、上記プログラムを記録した記録媒体、及び上記情報処理装置を含んだ情報処理システムの少なくとも一つを含んでもよい。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、車両への装備の取り付けを促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理システムの概要図である。
【
図2】
図2は、端末及びサーバとして使用可能な端末装置の構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、管理テーブルのデータ構造例を示す図である。
【
図4】
図4は、サーバの処理例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、サーバの見積書作成処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態に係る情報処理装置は、制御部を含む。制御部は、車両に第1の機能を付与するための第1の部品を示す情報を取得した場合に、第2の部品を示す情報と、割引情報とを出力する。第2の部品は、第1の部品を示す情報と関連づけられた、第1の部品との組み合わせによって第1の機能と異なる第2の機能を車両に付与可能な部品である。割引情報は、第1の部品とともに第2の部品を車両に取り付ける場合に第1の部品及び第2の部
品の車両への取り付けに係る費用の割り引きを示す情報である。また、制御部は、第1の部品を取り付ける工程と第2の部品を取り付ける工程とに共通な工程がある場合に、共通な工程がない場合の費用より安価な費用を示す割引情報を出力する。
【0010】
情報処理装置によると、車両への第1の部品の取り付けが検討される場合に、第2の部品を示す情報と割引情報を示すことで、車両のユーザに第2の部品の購入を訴求することができ、第の部品(装備)の取付を促進することができる。ユーザは、第1の部品と第2の部品とを個別に取り付ける場合よりも易い費用で第1の部品及び第2の部品を取得し、これらによって提供される第1及び第2の機能を使用可能となる。さらに、第1及び第2の部品間に共通な取り付け工程がある場合には、共通な工程がない場合よりも安価な費用を示す割引情報が出力されることで、さらに第2の部品の購入を訴求し、第2の部品の装備を促進することができる。第1の機能及び第2の機能が車両の安全向上に寄与するものである場合、車両10の安全性が向上し、ユーザ11によりよい運転環境を提供することができる。
【0011】
ここに、第1の機能及び第1の部品の種類は問わない。第1の部品には、例えば、先進安全システム(衝突被害軽減ブレーキ、誤発進抑制制御装置、車間距離制御装置、車線逸脱抑制装置、後側方接近車両注意喚起装置、駐車支援装置または、前照灯自動切替装置など)を挙げることができる。但し、第1の部品及び機能は上記に制限されない。また、第2の部品は第1の部品との組み合わせによって第1の機能と異なる第2の機能を付与(供給)し得るものである限り、第2の部品の種類及び第2の機能の種類を問わない。第1及び第2の部品は、単一の部品だけでなく、2以上の部品からなるセットであってもよい。また、第1及び第2の部品は、ハードウェアだけでなくソフトウェアも含み得る。
【0012】
以下、図面を参照して実施形態に係る情報処理装置について説明する。実施形態の構成は例示であり、本開示は実施形態の構成に限定されない。
【0013】
<情報処理システムの構成>
図1は、実施形態に係る情報処理システムの概要図である。
図1において、情報処理システムは、ネットワーク1と、ネットワーク1に接続され、車両10のユーザが使用する端末2と、ネットワーク1に接続されたサーバ3と、自動車の整備工場5に置かれた端末4とを含む。サーバ3は「情報処理装置」の一例である。
【0014】
情報処理システムは、例えば、自動車メーカなどの業者が、サーバ3を用いてウェブサイトを運営し、車両10のユーザに対して車両10への部品の取り付けを支援する情報をユーザに提供する。なお、部品の取り付けを支援する情報は、端末2に予めインストールされたアプリケーションを用いて提供されてもよい。
【0015】
ネットワーク1は、例えば、インターネット等の公衆通信網であり、端末2、サーバ3、及び端末4等に通信回線を提供する。ネットワーク1には、無線通信網が接続されていてもよい。無線通信網は端末2が利用可能な無線通信規格に適合又は準拠する。無線通信規格は、例えば、4G(LTE(Long Term Evolution))、5G、無線LAN(Local Area Network:Wi-Fi含む)、及びBLEなどであるが、これら以外でもよい。
【0016】
端末2は、車両10のユーザ11がサーバ3から提供される情報を閲覧したり必要な情報を入力したりするために使用される。端末2は、固定端末でも携帯端末でもよい。車両10は、例えば自動車(乗用車、トラック又はバスなど)であり、その種別は問わない。
【0017】
サーバ3は、車両10に取り付け可能な部品の販売に係る情報を管理している。端末4は、整備工場5に配置された端末であり、整備工場5の従業員によって使用される。従業
員は、サーバ3から提供される情報に従って、車両10の入庫を受け入れ、ユーザが購入した部品を車両10に取り付ける。
【0018】
<端末の構成>
図2は、端末2、サーバ3、及び端末4として動作可能な端末装置20の構成例を示す図である。端末装置20は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)又はワークステーションなどの汎用の情報処理装置(コンピュータ)、或いはサーバマシンのような専用の情報処理装置を用いて構成することができる。また、端末2、或いは端末4として使用される端末装置20は、スマートフォン或いはタブレット端末などであってもよい。端末装置20は、通信機能を有し、有線又は無線によりネットワーク1と接続可能である。
【0019】
図2において、端末装置20は、バス26を介して相互に接続された、処理部又は制御部(コントローラ)としてのプロセッサ21と、記憶装置22と、通信装置23と、入力装置24と、出力装置25とを含む。サーバ3は、1台の端末装置20でも、2以上の端末装置20の集合(クラウド)でもよい。
【0020】
記憶装置22は、主記憶装置と補助記憶装置とを含む。主記憶装置は、プログラム及びデータの記憶領域、プログラムの展開領域、プログラムの作業領域、及び通信データのバッファ領域などとして使用される。主記憶装置はRAM(Random Access Memory)、又はRAMとROM(Read Only Memory)との組み合わせで構成される。補助記憶装置は、データ及びプログラムの記憶領域として使用される。補助記憶装置として、例えば、ハードディスク、Solid State Drive(SSD)、フラッシュメモリ、及びEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの不揮発性記憶媒体を適用できる。
【0021】
通信装置23は、通信処理を行う回路であり、送信部及び受信部(通信部)として動作する。例えば、通信装置23は、ネットワークインタフェースカード(NIC)である。また、通信装置23は、無線通信(LTE、5G、無線LAN(Wi-Fi)、BLEな
ど)を行う無線通信回路であってもよい。また、通信装置23は、有線の通信処理を行う回路と、無線通信回路との双方を含んでいてもよい。
【0022】
入力装置24は、キー、ボタン、ポインティングデバイス、及びタッチパネル等を含み、情報の入力に使用される。入力装置24は、マイク(音声入力装置)を含んでいてもよい。出力装置25は、例えば液晶ディスプレイ、或いは有機ELディスプレイなどであり、情報及びデータを表示する。出力装置25は、スピーカ(音声出力装置)を含んでいてもよい。
【0023】
プロセッサ21は、例えばCPU(Central Processing Unit)などである。プロセッ
サ21は、記憶装置22に記憶された各種のプログラムを実行することによって、様々な処理を行う。
【0024】
例えば、端末2として動作する端末装置20のプロセッサ21は、サーバ3にアクセスして、車両10へ取り付け可能な部品の購入に係る情報を取得する。サーバ3として動作する端末装置20のプロセッサ21は、端末2(ユーザ11)からの要求に応じた車両10の部品の情報を端末2に供給する処理、ユーザ11からの依頼に応じて見積書データを生成して端末2に提供する処理を行う。端末4として動作する端末装置20のプロセッサ21は、サーバ3から車両10の入庫及び取り付け対象の部品を示す情報を受けて、整備工場5の従業員に提示する。
【0025】
なお、上述したプロセッサ21として、複数個のCPUを適用しても、マルチコア型の
CPUを適用してもよい。CPUによって行われる処理の少なくとも一部が、DSP(Digital Signal Processor)又はGPU(Graphical Processing Unit)のようなCPU以
外のプロセッサによって行われてもよい。また、CPUによって行われる処理の少なくとも一部が、専用又は汎用の集積回路(ハードウェア)によって行われてもよい。集積回路は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、或いはFPGA(Field Programmable Gate Array)などを含む。或いは、CPUによって行われる処理の少なくとも一部が、プロセッサと集積回路との組み合わせにより実行されてもよい。組み合わせは、例えば、マイクロコントローラ(MCU)、SoC(System-on-a-chip)、システムLSI、又はチップセットなどと呼ばれる。
【0026】
<管理テーブル>
図3は、サーバ3として動作する端末装置20の記憶装置22に記憶される管理テーブルのデータ構造例を示す。管理テーブルは、部品ID(部品の識別子)毎のレコードからなる。レコードは、部品名と、価格を示す情報と、工賃1を示す情報と、工賃2を示す情報と、割引率を示す情報を含む。
図3に示す例において、部品X1、X2及びX3の夫々が第1の部品の例に該当し、部品Y1、Y2及びY3の夫々が第2の部品の例に該当する。
【0027】
部品名は、部品の名称である。価格を示す情報は、部品の販売価格(代金)を示す。工賃1を示す情報は、その部品の取り付けに要する工賃である。工賃2を示す情報は、その部品の取り付け工程が他の部品(X1~X3のいずれか)の取り付け工程と共通な工程を有し、当該部品をその他の部品とともに取り付ける場合に適用する工賃を示す。工賃2の額は、工賃1の額よりも安価となっている。割引率は、部品Y1、Y2及びY3の夫々が、例えば部品X1、X2及びX3の何れかとともに購入(取り付け)される場合に適用する割引率を示す。
【0028】
なお、記憶装置22には、部品IDと関連づけて、部品IDを有する部品を取り付け可能な整備工場5に係る情報(工場名、連絡先、及びネットワークアドレスなどを示す情報)が記憶されている。
【0029】
<動作例>
図4は、サーバ3として動作する端末装置20のプロセッサ21(サーバ3のプロセッサ21)の処理例を示すフローチャートである。
図4に示す処理はサーバ3のプロセッサ21がプログラムを実行することによって行われる。
【0030】
車両10のユーザ11は、車両10のオプション部品などの部品の取り付けを検討する場合、端末2を操作し、ネットワーク1を介してサーバ3によって提供されるウェブサイトにアクセスする。
【0031】
ステップS001では、サーバ3のプロセッサ21は、端末2からのアクセスを受け付けて、端末2(ユーザ11)によって指定された、車両10の部品のページの情報を端末2に送信する(ステップS002)。
【0032】
部品のページは、例えば、車両10に取り付け可能な部品(部品名)のリストを含んでおり、端末2のプロセッサ21は、端末2の出力装置25(ディスプレイ)にリストを表示する。ユーザ11は、入力装置24を用いて、リスト中の部品の中から、ユーザ11が取り付けを検討する部品名を選択する。ユーザ11の選択結果は、サーバ3に送信される。
【0033】
サーバ3では、プロセッサ21は、ユーザ11による部品の選択入力を待ち受ける(ス
テップS003)。端末2からの部品の選択結果を示す情報がサーバ3で受信されると、プロセッサ21は、ユーザ11によって選択された部品(選択部品と称する)の詳細ページの情報を端末2へ送信する(ステップS004)。
【0034】
端末2では、出力装置25(ディスプレイ)に、選択部品の詳細ページが表示される。詳細ページには、選択部品の詳細な情報と、選択部品の価格を示す情報とが表示される。また、詳細ページには、選択部品とともに取り付けることを勧める部品(お勧め部品と称する)を示す情報と、お勧め部品の価格を示す情報と、割引情報とが表示される。割引情報は、選択部品とともにお勧め部品を取り付ける場合に、選択部品及びお勧め部品の車両10への取り付けに係る費用の割り引きがあることを示す情報である。割引情報は、割引の額又は割引率を示す情報を含んでもよい。選択部品が第1の部品の一例であり、お勧め部品が第2の部品の一例である。
【0035】
例えば、第1の部品たる選択部品が、障害物を検知して誤発進を抑制する誤発進抑制制御機能(第1の機能の一例)を車両10に付与(提供)する超音波センサであると仮定する。このとき、詳細ページでは、第2の部品たるお勧め部品として、車外を撮像するカメラの取り付けを勧める。これにより、超音波センサによる障害物検知と、カメラの撮像画像とを用いて、車両10のユーザ11のステアリング操作を支援する駐車支援機能(第2の機能の一例)を車両10に付与可能となる。詳細ページには、このような超音波センサとカメラとの取り付けに係る費用を割り引くことを示す割引情報が掲載される。
【0036】
ここに、第1の部品は、単一の部品であっても、2以上の部品からなるモジュール、ユニット、或いは装置として捉えられるものであってもよい。例えば、車両10に対し、駐車支援機能を提供する超音波センサ及びカメラのセットを取り付ける場合、当該セットは第1の機能である駐車支援機能を提供する第1の部品に該当する。また、超音波センサを具備する車両10にカメラを取り付ける場合、カメラが駐車支援機能を提供する第1の部品に該当する。このような第1の部品に対し、詳細ページにおいて、標識認識機能を第2の機能として供給するソフトウェアを第2の部品として勧めてもよい。なお、標識認識機能は、カメラによる撮像画像の解析により、「進入禁止」などの道路標識を認識してドライバに注意を促す機能である。
【0037】
或いは、上述した標識認識機能(第1の機能)を実現するソフトウェアが選択部品(第1の部品)である場合に、詳細ページにおいて、例えば、車線逸脱抑制機能(第2の機能)を実現するソフトウェアの情報を第2の部品たるお勧め部品の情報として表示してもよい。車線逸脱抑制機能は、カメラ画像の解析によって車線(白又は黄のライン)を検出し、ラインを踏んだ場合にドライバに警報を発する機能である。なお、ソフトウェアは車両10が具備している車載コンピュータにインストールされる。
【0038】
詳細ページには、見積依頼ボタンが含まれており、選択部品、或いは選択部品及びお勧め部品が選択された状態で、見積依頼ボタンをユーザ11が押すと、サーバ3に対し、選択された部品の購入に係る見積依頼のメッセージが送信される。本実施形態では、一例として、部品X1が選択部品として選択され、部品X1のお勧め部品として部品Y1が詳細ページで紹介(表示)され、ユーザ11が部品X1及びY1購入時の見積を依頼したと仮定する。
【0039】
サーバ3では、プロセッサ21は、見積依頼のメッセージを待ち受ける(ステップS005)。プロセッサ21は、見積依頼のメッセージを受信すると、見積書作成処理を実行する(ステップS006)。
【0040】
図5は、見積書作成のサブルーチンを示すフローチャートである。ステップS101で
は、サーバ3のプロセッサ21は、見積依頼のメッセージに含まれる選択部品(部品X1)の部品IDを用いて、記憶装置22に記憶された管理テーブル(
図3)から、部品X1のレコードを取り出す。プロセッサ21は、レコードから部品X1の価格(代金)及び工賃を示す情報を取得することで、選択部品の取り付けに係る費用を特定する。
【0041】
ステップS102では、プロセッサ21は、見積依頼のメッセージにお勧め部品(第2の部品:部品Y1)の部品IDが含まれているか否かを判定することによって、お勧め部品の選択入力の有無を判定する。お勧め部品の選択入力(部品ID)があると判定される場合には、処理がステップS103に進み、そうでない場合には、処理がステップS107に進む。
【0042】
ステップS103では、プロセッサ21は、お勧め部品(部品Y1)の部品IDを用いて、対応するレコードを管理テーブルから読み出す。ステップS104では、プロセッサ21は、お勧め部品のレコードから割引率を特定する。部品Y1のレコード中の割引率には、部品X1とともに購入される(車両10に取り付けられる)場合の割引率を示す情報が記憶されている。
【0043】
ステップS105では、プロセッサ21は、部品Y1の取り付け工程が部品X1の取り付け工程と共通な工程を含むか否かを判定する。当該判定は、例えば、お勧め部品(部品Y1)のレコード中に、工賃2のデータが記憶されているか否かを以て判定することができる。工賃1のデータのみが記憶されている場合、共通の工程がないことを示す。但し、判定方法はこれに限られない。
【0044】
ステップS105において、共通な工程があると判定される場合には、処理がステップS106に進み、プロセッサ21は、お勧め部品の工賃として工賃2を適用することを決定し、処理をステップS108に進める。これに対し、共通な工程がないと判定される場合は、処理がステップS107に進み、プロセッサ21は、お勧め部品の工賃として工賃1を適用することを決定し、処理をステップS108に進める。このように、部品X1の取り付け工程と部品Y1の取り付け工程との間に共通の工程がある場合、部品Y1の工賃が安くなる。但し、部品Y1の工賃とともに、或いは部品Y1の工賃の代わりに、部品Y1の代金、部品X1の代金、及び部品X1の工賃の少なくとも一つを安くしてもよい。
【0045】
ステップS108では、サーバ3のプロセッサ21は、見積額を算出する。すなわち、お勧め部品が選択されていない場合には、プロセッサ21は、選択部品(部品X1)の価格(代金)、及び工賃の合計を見積額として算出する。これに対し、お勧め部品(部品Y1)が選択されている場合には、選択部品の代金、工賃、お勧め部品の代金、及びお勧め部品の工賃1又は工賃2の合計額に、ステップS104で特定した割引率を乗じて見積額を算出する。このとき、消費税などの税込みの値段を算出してもよい。
【0046】
ステップS109では、プロセッサ21は、見積書データを生成する。見積書データは、見積書のフォーマットに、選択部品の部品ID、部品名、価格、及び工賃が表示され、お勧め部品が選択されている場合には、お勧め部品の部品ID、部品名、価格及び工賃が、さらにフォーマットに含められる。フォーマットには、さらに見積額が含まれる。見積書データが作成されると、
図4の処理が終了し、処理がステップS007に進む。
【0047】
ステップS007では、見積書データが端末2へ送信される。端末2は、見積書データに基づく見積書をディスプレイに表示し、ユーザ11は、見積書を参照して、部品を購入するか否かを検討することができる。購入を決定する場合、ユーザ11は、端末2から取引成立を示す情報を送信する。
【0048】
サーバ3のプロセッサ21は、端末2から送信された取引成立の端末2からの返信があるか否かを判定する。返信があると判定される場合、プロセッサ21は、端末2に、取引成立の旨と、取り付けに関する情報を追って送る旨を返信する(ステップS009)。返信がないと判定する場合、プロセッサ21は、処理を終了するか否かを判定し(ステップS010)、処理を終了しないと判定する場合には、処理をステップS002に戻し、そうでない場合には、
図4の処理を終了する。
【0049】
その後、サーバ3の記憶装置22に記憶された整備工場5に係る情報を用いて、サーバ3から端末4に、部品X1、或いは部品X1及びY1の取り付けが可能な問合せが送信され、整備工場5の従業員は、対応可能な日をサーバ3に返信する。その後、サーバ3と端末2との間で、整備工場5への入庫日を調整するやりとりが行われる。入庫日が決まったら、ユーザ11は車両10を整備工場5に入庫し、従業員は部品X1及びY1の取り付けを行う。
【0050】
<実施形態の作用効果>
実施形態に係る情報処理装置(サーバ3)の制御部(プロセッサ21)は、車両10に第1の機能を付与するための第1の部品を示す情報(例えば、誤発進抑制制御機能を付与する部品X1の詳細ページの要求)を取得する。この場合、プロセッサ21は、第2の機能を付与可能な第2の部品であるお勧め部品(例えば、駐車支援機能を付与する部品Y1)を示す情報と、部品X1及び部品Y1を購入する(車両10に取り付ける)場合の割引情報とを含む詳細ページの情報を出力し、端末2に送信する。端末2のユーザ11は、詳細ページの参照を通じて、部品X1及びY1の購入を決定することができる。部品X1及びY1の購入時、所定の割引率による割引を受けることができ、部品X1及び部品Y1の取り付けに係る費用を抑えることができる。また、部品X1と部品Y1との間に共通の取り付け工程がある場合、共通な工程がない場合の工賃1より安価な工賃2が適用され、部品X1及び部品Y1の取り付けに係る費用を抑えることができる。よって、第1の部品たる部品X1とともに第2の部品たる部品Y1を取り付けることを促進することができる。
【0051】
<その他>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施しうる。また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0052】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスクである。また、非一時的なコンピュータ可読媒体には、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0053】
1・・・ネットワーク, 2,4・・・端末, 3・・・サーバ, 20・・・端末装置
, 21・・・プロセッサ, 22・・・記憶装置, 23・・・通信装置, 24・・・入力装置, 25・・・出力装置