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特開2022-181643情報処理装置、タグ通信システムおよび情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181643
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】情報処理装置、タグ通信システムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20221201BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20221201BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
H04N7/18 D
H04N5/232 060
H04N5/232 300
G08B25/00 510M
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021088692
(22)【出願日】2021-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平嶋 善隆
【テーマコード(参考)】
5C054
5C087
5C122
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054DA07
5C054EA01
5C054EA03
5C054EA05
5C054EA07
5C054FC12
5C054FE12
5C054FE26
5C054FF02
5C054GB01
5C054GB05
5C054HA18
5C054HA31
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA09
5C087AA10
5C087AA25
5C087BB20
5C087BB74
5C087DD05
5C087DD14
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087GG08
5C087GG10
5C087GG70
5C087GG83
5C122DA14
5C122EA63
5C122EA67
5C122FA18
5C122GC14
5C122GC52
5C122GC77
5C122HA05
5C122HA75
(57)【要約】
【課題】検出時の無線タグ等の状況を取得することができる情報処理装置、タグ通信システムおよび情報処理方法を提供する。
【解決手段】実施形態の一態様に係る情報処理装置においては、取得部を備える。取得部は、ユーザの無線タグがユーザとは異なる他のユーザの車両の周辺で検出された場合、車両のカメラによって撮像された車両の周辺の画像データを取得する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの無線タグが前記ユーザとは異なる他のユーザの車両の周辺で検出された場合、前記車両のカメラによって撮像された前記車両の周辺の画像データを取得する取得部
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記カメラは複数あり、
前記取得部は、
複数の前記カメラのうち、検出された前記無線タグの位置を示す位置情報に対応する前記カメラによって撮像された前記画像データを取得すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、
検出された前記無線タグの位置を示す位置情報に基づいて前記画像データ内の前記無線タグの位置が推定され、推定された前記画像データ内の前記無線タグの位置を示す画像内位置情報を取得すること
を特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記位置情報は、
前記無線タグを検出する検出装置から前記無線タグまでの距離を示す距離情報と、前記検出装置から前記無線タグに対する方向を示す方向情報と
を含むことを特徴とする請求項2または3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記取得部は、
前記画像内位置情報が重畳された前記画像データを取得すること
を特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記取得部は、
前記無線タグが検出されている検出期間の間に撮像された前記画像データを取得すること
を特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記取得部は、
前記無線タグが検出された地点を示す地点情報を取得すること
を特徴とする請求項1~6のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記車両は複数あり、
前記取得部は、
複数の前記車両の周辺でそれぞれ同じ前記無線タグが検出された場合、当該無線タグに対応する複数の前記地点情報に基づいて当該無線タグの移動軌跡を示す軌跡情報が生成され、生成された前記軌跡情報を取得すること
を特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記無線タグの捜索を要求する要求部
を備え、
前記取得部は、
前記要求部によって捜索が要求された前記無線タグが前記車両の周辺で検出された場合、前記画像データを取得すること
を特徴とする請求項1~8のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記取得部は、
前記画像データ内において前記無線タグ付近に人物が存在する場合、前記画像データから抽出された前記人物の人物画像データを取得すること
を特徴とする請求項1~9のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項11】
無線タグのユーザが所有する情報処理装置と、前記ユーザとは異なる他のユーザの車両に搭載されカメラを有する車載装置と、サーバ装置とを含むタグ通信システムであって、
前記車載装置は
前記無線タグが前記車両の周辺で検出された場合、前記カメラによって撮像された前記車両の周辺の画像データを前記サーバ装置へ送信する送信部
を備え、
前記サーバ装置は、
前記送信部から送信された前記画像データを前記情報処理装置へ提供する提供部
を備え、
前記情報処理装置は、
前記提供部によって提供された前記画像データを取得する取得部
を備えることを特徴とするタグ通信システム。
【請求項12】
ユーザの無線タグが前記ユーザとは異なる他のユーザの車両の周辺で検出された場合、前記車両のカメラによって撮像された前記車両の周辺の画像データを取得する取得工程
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、タグ通信システムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無線通信可能な無線タグを利用した技術が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。従来技術にあっては、カメラが設置された店舗において、無線タグが存在する場所をサーチし、その存在方向にカメラを向けて撮影するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-067349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、無線タグは、例えば物品などの盗難時や紛失時、かかる物品の捜索や検出に利用される場合がある。例えば無線タグが物品に予め取り付けられるとともに、無線タグと比較的近距離で無線通信可能な端末装置が複数のユーザに携帯される。そして、盗難等の発生時に物品のユーザによって捜索要求がなされた場合、無線タグと無線タグ付近に存在する他のユーザの端末装置とが通信接続されることで、無線タグおよび物品を検出することができる。
【0005】
しかしながら、無線タグが物品の捜索や検出に利用される場合において、例えば検出時の無線タグや物品の状況は取得されておらず、改善の余地がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、検出時の無線タグ等の状況を取得することができる情報処理装置、タグ通信システムおよび情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、情報処理装置において、取得部を備える。取得部は、ユーザの無線タグが前記ユーザとは異なる他のユーザの車両の周辺で検出された場合、前記車両のカメラによって撮像された前記車両の周辺の画像データを取得する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、検出時の無線タグ等の状況を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1の実施形態に係る情報処理方法の概要を示す図である。
図2図2は、タグ通信システムの構成例を示すブロック図である。
図3図3は、端末装置の構成例を示すブロック図である。
図4図4は、他端末装置の構成例を示すブロック図である。
図5図5は、検出タグ情報の一例を示す図である。
図6図6は、タグの方向の特定を説明する図である。
図7図7は、車載装置の構成例を示すブロック図である。
図8図8は、車載装置が備えるカメラを説明する図である。
図9図9は、サーバ装置の構成例を示すブロック図である。
図10図10は、タグ管理情報の一例を示す図である。
図11図11は、画像内位置情報の算出や画像データへの重畳などを説明する図である。
図12図12は、タグ通信システムが実行する処理シーケンスの一例を示す図である。
図13図13は、第1~第5変形例において、各処理が行われる装置を説明する図である。
図14図14は、第2の実施形態に係るサーバ装置の構成例を示すブロック図である。
図15図15は、軌跡情報の生成を説明する図である。
図16図16は、第3の実施形態における人物画像データを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する情報処理装置、タグ通信システムおよび情報処理方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
(第1の実施形態)
<情報処理装置を用いた情報処理方法の概要>
以下では先ず、第1の実施形態に係る情報処理装置を用いた情報処理方法の概要について図1を参照して説明する。図1は、第1の実施形態に係る情報処理方法の概要を示す図である。
【0012】
第1の実施形態に係る情報処理方法は、例えばタグ通信システム1が備える端末装置10などによって実行される。また、以下では、第1の実施形態に係る情報処理装置が、端末装置10である場合を例に挙げて説明を行う。
【0013】
図1に示すように、端末装置10などを備えたタグ通信システム1は、無線タグTを利用するシステムである。具体的に説明すると、タグ通信システム1では、例えば物品などの盗難時や紛失時、かかる物品の捜索や検出に無線タグTを利用する。なお、図1では、物品が車両Cであり、車両Cが盗難される例を示すが、これに限定されるものではない。また、以下では、無線タグTを「タグT」と記載する場合がある。
【0014】
タグTは、例えば電子タグやRF(Radio Frequency)タグなどとも称されるタグである。タグTは、タグ情報を記憶媒体に記憶し、近距離無線通信によりタグ情報を送受信することができる。なお、近距離無線通信の通信方式としては、例えばBluetooth(登録商標)等を用いることができるが、これに限定されるものではなく、Wi-Fi(登録商標)などその他の種類の通信方式を用いてもよい。
【0015】
また、例えば車両Cや貴重品などの物品を取付対象とし、取付対象にタグTが予め取り付けられる。図1の例では、ユーザUがタグTおよび車両C(以下「自車両C」と記載する場合がある)を所有し、自車両CにタグTが予め取り付けられる。なお、取付対象は、上記した物品に限定されるものではなく、例えば人や動物(例えばペット)などであってもよい。
【0016】
取付対象に取り付けられたタグTは、ユーザUやユーザUとは異なる他のユーザUa(以下「他ユーザUa」と記載する場合がある)など複数のユーザが携帯する端末装置10,40と、無線通信可能に構成される。
【0017】
そして、自車両Cが盗難された場合、ユーザUによって捜索要求がなされる。その後、例えばタグTと他ユーザUaの端末装置40(以下「他端末装置40」と記載する場合がある)とが通信接続されることで、タグTおよび自車両Cを検出することができる。
【0018】
ところで、物品が盗難されたり物品を紛失したりしたユーザUは、タグTや物品(ここでは自車両C)がどのような状態でどのように検出されたかなど、検出時のタグTや物品の状況を把握することを望むことがある。そこで、本実施形態にあっては、タグTが検出されたときの、タグTや物品の状況を取得することができるような構成とした。
【0019】
以下、タグ通信システム1について具体的に説明すると、タグ通信システム1は、上記した端末装置10と、他端末装置40と、車載装置70と、サーバ装置100とを備える。
【0020】
端末装置10は、ユーザUに携帯(所持)されて使用される装置である。端末装置10は、タグTおよびサーバ装置100などと通信可能に接続される。他端末装置40は、他ユーザUaに携帯(所持)されて使用される装置である。他端末装置40は、タグT、車載装置70およびサーバ装置100などと通信可能に接続される。なお、端末装置10および他端末装置40としては、例えばスマートフォンやタブレット端末などを用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0021】
車載装置70は、他ユーザUaが使用する車両Ca(以下「他車両Ca」と記載する場合がある)に搭載される。車載装置70は、カメラを備え、他車両Caの周辺を撮像して画像データとして常時記録する画像記録装置、いわゆるドライブレコーダである。
【0022】
サーバ装置100は、タグTに関する情報の処理など各種の処理を実行可能なサーバである。なお、サーバ装置100は、例えばクラウドサーバとして実現されてもよいし、複数のサーバを用いた分散処理を行ってもよい。
【0023】
上記のように構成されたタグ通信システム1において、先ず、端末装置10は、タグTの登録処理を実行する(ステップS1)。例えば、端末装置10は、ユーザUの操作によって自車両Cに取り付けられたタグTと通信接続し、タグTの記憶媒体や端末装置10の記憶部30(後述する図3参照)にタグ情報を登録する。タグ情報には、例えばタグTを識別するためのタグ識別情報や、ユーザUに関するユーザ情報等が含まれる。また、端末装置10は、かかるタグ情報をサーバ装置100へ送信し、サーバ装置100はタグ情報を管理する。
【0024】
ここでは、タグTの登録完了後、自車両Cが盗難されるものとする。ユーザUが自車両Cの盗難に気付くと、ユーザUの操作により、端末装置10は、タグTの捜索要求をサーバ装置100へ送信する(ステップS2)。
【0025】
サーバ装置100は、タグTの捜索要求を受け付けると、捜索要求されたタグTのタグ情報を他ユーザUaの他端末装置40へ送信し、他端末装置40は、送信されたタグ情報を取得する(ステップS3)。このように、サーバ装置100は、捜索要求されたタグTのタグ情報を他端末装置40へ送信することで、タグTの捜索を依頼する、言い換えると、タグTが取り付けられた車両Cの捜索を依頼する。
【0026】
続いて、タグTが取り付けられた車両Cが他ユーザUaの他車両Ca付近を走行するものとし、また、他車両Ca内に他端末装置40が存在するものとする。従って、このときの他端末装置40は、タグ情報に基づいて車両CのタグTを識別して通信接続することとなり、タグTを検出することができる(ステップS4)。
【0027】
他端末装置40は、タグTを検出すると、タグTが検出されている検出期間を示す情報などを車載装置70へ送信する。そして、車載装置70は、他車両Caの周辺を撮像して常時記録する画像データの中から、タグTの検出期間に対応する画像データを保護する(ステップS5)。言い換えると、車載装置70は、タグTが検出されている検出期間の間に撮像された画像データを保護する。
【0028】
車載装置70は、保護された画像データを他端末装置40へ送信し、他端末装置40は、かかる画像データをサーバ装置100へ送信する(ステップS6)。
【0029】
次いで、サーバ装置100は、他端末装置40から送信された画像データを端末装置10へ送信し、端末装置10は、かかる画像データを取得する(ステップS7)。このように、端末装置10は、ユーザUのタグTが他ユーザUaの他車両Caの周辺で検出された場合、他車両Caのカメラによって撮像された他車両Caの周辺の画像データを取得する。
【0030】
これにより、本実施形態に係る端末装置10は、検出時のタグT、および、タグTが取り付けられた物品(ここでは車両C)の状況を取得することができる。そして、本実施形態においては、検出時のタグTや物品の状況をユーザUに把握させることが可能になる。
【0031】
なお、図1では、物品(自車両C)が盗難される例を示したが、これはあくまでも例示であって限定されるものではない。すなわち、本実施形態は、物品や人、動物にタグTを取り付けておくことで、例えば物品を紛失した場合、徘徊により高齢者が行方不明になった場合、迷子により子供や動物などが行方不明になった場合などにも適用することが可能である。
【0032】
<タグ通信システムの全体構成>
次に、第1の実施形態に係るタグ通信システム1の全体構成について、図2を用いて説明する。図2は、タグ通信システム1の構成例を示すブロック図である。
【0033】
図2に示すように、タグ通信システム1は、上記した端末装置10と、他端末装置40と、車載装置70と、サーバ装置100とを備える。端末装置10、他端末装置40およびサーバ装置100は、インターネット網などの通信ネットワークNを介して通信可能に接続される。なお、車載装置70も、通信ネットワークNを介してサーバ装置100等と通信可能に接続されてもよい。
【0034】
端末装置10および他端末装置40は、タグTと比較的近距離で無線通信可能に構成される。なお、車載装置70も、タグTと比較的近距離で無線通信可能に構成されてもよい。タグTは、上記したように、ユーザUの車両Cに取り付けられる。なお、車両Cは、取付対象の一例である。
【0035】
また、他端末装置40は、他ユーザUaが使用する他車両Ca内に存在する。車載装置70は、他車両Caに搭載される。他端末装置40と車載装置70とは、無線通信を介して通信可能に接続されるが、これに限られず、有線通信を介して通信可能に接続されてもよい。
【0036】
また、図2では、図示の簡略化のため、他端末装置40や車載装置70をそれぞれ1つ示し、他車両Caも1台示しているが、他端末装置40等は複数あってもよい。なお、タグTの捜索という点では、他端末装置40等は複数である方が好ましい。
【0037】
以下、端末装置10、他端末装置40、車載装置70およびサーバ装置100の詳細な構成について順に説明していく。
【0038】
なお、以下では、端末装置10および他端末装置40は、タグT等に対する機能が異なることから、互いに異なる構成として説明するが、これは理解の便宜のためであって、限定されるものではない。すなわち、例えば仮に、他ユーザUaの物品が盗難された場合、他ユーザUaの他端末装置40が「端末装置」として機能し、ユーザUの端末装置10が「他端末装置」として機能してもよい。従って、端末装置10および他端末装置40はともに、下記で説明する互いの機能の両方を有するように構成されてもよい。
【0039】
<端末装置の構成>
先ず、端末装置10の構成について図3を参照して具体的に説明する。図3は、端末装置10の構成例を示すブロック図である。なお、図3等のブロック図では、本実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを機能ブロックで表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0040】
換言すれば、図3等のブロック図に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。例えば、各機能ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。
【0041】
図3に示すように、端末装置10は、通信部11と、操作部12と、表示部13と、制御部20と、記憶部30とを備える。
【0042】
通信部11は、例えばNIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部11は、通信ネットワークNに双方向通信可能に接続され、サーバ装置100や他端末装置40等との間で情報の送受信を行う。また、通信部11は、タグTが近距離無線通信可能な範囲(以下「通信可能範囲」と記載する場合がある)に存在する場合、タグTと無線通信で接続され、タグTとの間で情報の送受信を行う。
【0043】
操作部12は、ユーザUから各種操作を受け付ける入力デバイスである。例えば、操作部12は、ユーザUの操作による、タグTの登録やタグTの捜索要求を受け付けることができる。そして、操作部12は、ユーザUから受け付けた操作内容を示す情報を制御部20へ出力する。なお、操作部12としては、例えばタッチパネルディスプレイを用いることができるが、これに限定されるものではない。すなわち、操作部12は、例えばマイクなどの音声入力装置であってもよく、ユーザUからタグTの捜索を要求する音声が入力された場合、かかる捜索要求を示す情報を制御部20へ出力してもよい。
【0044】
表示部13は、端末装置10へ送信された画像データ、後述する通信切断の通知などを含む各種情報を表示する。なお、操作部12がタッチパネルディスプレイである場合、操作部12が表示部13として機能してもよい。
【0045】
制御部20は、通信制御部21と、要求部22と、取得部23とを備え、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
【0046】
コンピュータのCPUは、例えば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部20の通信制御部21、要求部22および取得部23として機能する。
【0047】
また、制御部20の通信制御部21、要求部22および取得部23の少なくともいずれか一部または全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。
【0048】
また、記憶部30は、例えば、不揮発性メモリやデータフラッシュ、ハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部である。かかる記憶部30には、タグ情報31および各種プログラムなどが記憶される。
【0049】
タグ情報31は、タグTに関する情報である。例えば、タグ情報31には、タグTを識別するためのタグ識別情報、タグTのユーザUを識別するためのユーザ識別情報(ユーザ情報)等が含まれる。
【0050】
制御部20の通信制御部21は、タグTの登録処理を実行する。かかる登録処理は、初期設定処理でもある。例えば、通信制御部21は、ユーザUによる操作部12の操作などに応じてタグTと通信接続し、上記したタグ情報をタグTの記憶媒体や記憶部30にタグ情報を登録する。また、通信制御部21は、タグ情報を通信部11を介してサーバ装置100へ送信する。
【0051】
通信制御部21は、タグTの登録が完了すると、タグTとの通信接続状態に基づいて、タグTを監視することができる。例えば、通信制御部21は、通信部11を介してタグTと連続的あるいは断続的に通信接続を行う。そして、通信制御部21は、タグTとの通信接続が切断された場合、通信切断されたことを表示部13等を介してユーザUへ通知する。具体的には、例えばタグTが通信可能範囲を超えて端末装置10から離れた場合、端末装置10とタグTとの通信接続が切断される。通信制御部21は、かかる通信接続をトリガとして、通信切断されたこと、言い換えると、タグTが端末装置10から離れたことを通知する。これにより、例えば仮にタグTが貴重品などに取り付けられるような場合、ユーザは、通信切断の通知がなされることで、貴重品を落とすなどして紛失したことに即座に気付くことが可能になる。
【0052】
なお、タグTが自車両Cに取りけられる場合であっても、通信制御部21は、上記した通知を行ってもよい。一例としては、端末装置10を所持するユーザUが、自車両Cを自宅駐車場や商業施設の駐車場などに駐車し、自車両Cから離れるような場合、タグTとの通信が切断されるため、通信制御部21は、通信切断の通知を行う。但し、このときの通知は、ユーザU自身の行動に起因したユーザUの意図通りのものであるため、ユーザUは通知を無視することとなる。なお、自車両Cから離れるたびに通知がなされると、ユーザUによっては煩わしく感じる場合もあり、かかる場合は通知設定が解除されることもある。後述する自車両Cの盗難は、このような通信切断の通知が行われた後、あるいは通知設定が解除されたときに発生するものとする。
【0053】
要求部22は、タグTの捜索を要求する。例えば、タグTが取り付けられた物品(取付対象)の盗難や紛失が発生した場合、要求部22は、盗難等に気付いたユーザUによる操作部12の操作などに応じて、タグTの捜索要求を通信部11を介してサーバ装置100へ送信する。なお、捜索要求においては、捜索を要求するタグTのタグ情報(例えばタグ識別情報など)も併せて送信される。
【0054】
取得部23は、通信部11を介して各種の情報を取得する。例えば、取得部23は、サーバ装置100から送信される画像データを取得する。画像データの例としては、上記したように、タグTが他車両Caの周辺で検出された場合、他車両Caのカメラによって撮像された他車両Caの周辺の画像データなどである。従って、取得部23は、検出時のタグT、および、タグTが取り付けられた物品(ここでは車両C)の状況を取得することができる。
【0055】
また、取得部23は、取得された画像データを表示部13に表示する。これにより、検出時のタグTや物品の状況をユーザUに把握させることが可能になる。なお、取得部23によって取得される画像データの詳細については、図11などを用いて後述する。
【0056】
<他端末装置の構成>
次に、他端末装置40について図4を参照して説明する。図4は、他端末装置40の構成例を示すブロック図である。図4に示すように、他端末装置40は、通信部41と、測位部42と、制御部50と、記憶部60とを備え、タグTを検出することができる。なお、他端末装置40は、検出装置の一例である。
【0057】
通信部41は、例えばNIC等によって実現される。通信部41は、通信ネットワークNに双方向通信可能に接続され、サーバ装置100や端末装置10等との間で情報の送受信を行う。また、通信部41は、ユーザUのタグTが通信可能範囲に存在する場合、タグTと無線通信で接続され、タグTとの間で情報の送受信を行う。また、通信部41は、無線通信で車載装置70と接続され、車載装置70との間で情報の送受信を行う。
【0058】
測位部42は、他端末装置40の位置情報(例えば、緯度および経度)を取得する。例えば、測位部42は、GPS(Global Positioning System)衛星から送出される電波を受信し、受信した電波に基づいて他端末装置40の位置情報を取得し、取得された位置情報を制御部50へ出力する。なお、測位部42は、他端末装置40がユーザUのタグTと通信接続されている場合、言い換えると、他端末装置40の付近にタグTが存在する場合、取得された位置情報を、タグTが検出された地点を示す地点情報として制御部50へ出力してもよい。
【0059】
制御部50は、受信部51と、通信制御部52と、送信部53とを備え、例えばCPU、ROM、RAM、ハードディスクドライブ、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
【0060】
コンピュータのCPUは、例えば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部50の受信部51、通信制御部52および送信部53として機能する。また、制御部50の受信部51、通信制御部52および送信部53の少なくともいずれか一部または全部をASICやFPGA等のハードウェアで構成することもできる。
【0061】
また、記憶部60は、例えば、不揮発性メモリやデータフラッシュ、ハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部である。かかる記憶部60には、捜索タグ情報61、検出タグ情報62および各種プログラムなどが記憶される。
【0062】
捜索タグ情報61は、捜索が要求されたタグTに関する情報である。例えば、捜索タグ情報61には、捜索が要求されたタグTのタグ情報(例えばタグ識別情報)等が含まれる。
【0063】
検出タグ情報62は、検出されたタグTに関する情報である。ここで、図5を用いて、検出タグ情報62について説明する。図5は、検出タグ情報62の一例を示す図である。図5に示すように、検出タグ情報62には、「検出タグID」、「画像データ」、「位置情報」、「地点情報」および「日時情報」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
【0064】
「検出タグID」は、検出されたタグTを識別する識別情報である。「画像データ」は、車載装置70から送信される画像データである。「画像データ」は、例えばタグTが他車両Caの周辺で検出された場合、他車両Caの車載装置70のカメラによって撮像された他車両Caの周辺の画像データなどを含む。なお、図5に示す例では、便宜上、「画像データ」を「画像E1」といったように抽象的な記載とするが、「画像E1」には具体的な情報が記憶されるものとする。以下、他の情報についても抽象的に記載する場合がある。
【0065】
「位置情報」は、検出されたタグTの位置を示す位置情報である。詳しくは、「位置情報」は、検出されたタグTの他端末装置40からの位置を示す位置情報である。「位置情報」には、例えば距離情報と方向情報とが含まれる。距離情報は、他端末装置40から検出されたタグTまでの距離を示す情報である。方向情報は、他端末装置40から検出されたタグTに対する方向を示す情報である。図5の例では、距離情報および方向情報を含む「位置情報」は、他端末装置40の位置を基準位置(0,0,0)とした空間座標(XYZ軸の直交3軸座標)で示される。
【0066】
「地点情報」は、タグTが検出された地点を示す情報である。「日時情報」は、タグTが検出された日時に関する情報である。例えば「日時情報」には、他端末装置40とタグTとの通信接続が開始された時刻、通信接続が終了(切断)した時刻、通信接続が開始されてから終了するまでの接続期間(言い換えると、タグTが検出されている検出期間)などを示す情報が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0067】
図5に示す例では、検出タグID「D01」で識別される検出タグ情報は、画像データが「画像E1」、位置情報が「x1,y1,z1」、地点情報が「地点F1」、日時情報が「日時G1」であることを示している。
【0068】
図4の説明に戻ると、制御部50の受信部51は、サーバ装置100および車載装置70などから通信部41を介して各種情報を受信する。例えば、受信部51は、タグTの捜索の依頼に関する情報をサーバ装置100から受信する。具体的には、受信部51は、捜索要求されたタグTに関する情報を受信し、受信した情報を記憶部60に捜索タグ情報61として登録する。
【0069】
また、受信部51は、車載装置70から送信される画像データを受信し、受信した情報を記憶部60に検出タグ情報62として登録する。
【0070】
通信制御部52は、捜索タグ情報61に基づいて、捜索要求されたタグTの検出処理を実行する。例えば、通信制御部52は、捜索タグ情報61に含まれるタグ識別情報を有するタグTと通信接続されるか否かを判定し、通信接続された場合(言い換えると、タグTが通信可能範囲内に存在するようになった場合)にタグTを検出したと判定する処理を実行する。一例としては、タグTが取り付けられた車両Cが他車両Ca付近を走行した場合、通信制御部52は、タグTと通信接続してタグTを検出する(図1参照)。
【0071】
タグTが検出されると、通信制御部52は、通信接続の開始時刻や終了時刻、タグTが検出されている検出期間を示す情報などを車載装置70へ送信する。なお、通信制御部52は、通信接続の開始時刻および終了時刻のみを送信してもよいし、検出期間の間、定期あるいは不定期に通信接続されていることを示す情報を送信するなどしてもよい。これにより、車載装置70では、検出期間に対応する画像データが保護されるが、これについては後述する。また、通信制御部52は、タグTとの通信接続の開始時刻等を示す情報を記憶部60に検出タグ情報62として登録する。
【0072】
また、通信制御部52は、タグTとの近距離無線通信(ここではBluetooth(登録商標))の機能により、検出されたタグTまでの距離、および、検出されたタグTの方向を示す情報を取得でき、取得された距離情報および方向情報を記憶部60の検出タグ情報62の「位置情報」として登録する。
【0073】
このように、本実施形態にあっては、検出されたタグTの位置を示す位置情報が、タグTを検出する他端末装置40からタグTまでの距離を示す距離情報と、他端末装置40からタグTに対する方向を示す方向情報とを含む。これにより、本実施形態にあっては、検出されたタグTの位置に関し、精度の良い情報を得ることができる。
【0074】
また、通信制御部52は、距離情報および方向情報を含む位置情報を車載装置70へ送信する。これにより、車載装置70では、保護された画像データの選択処理が行われるが、これについては後述する。
【0075】
なお、通信制御部52は、近距離無線通信の機能によっては距離情報のみ取得する場合があるが、かかる場合であってもタグTが複数回検出されることで、タグTの方向を特定することが可能である。ここで、タグTの方向の特定について図6を参照しつつ説明する。
【0076】
図6は、タグTの方向の特定を説明する図である。なお、図6では、タグTが周辺で検出された他車両Caの走行の遷移を模式的に示している。詳しくは、図6において他車両Caは、図面の左方から右方へ向けて走行するものとし、より詳しくは、他車両Caは、参照符号Ca1,Ca2,Ca3で示す順で移動するものとする。また、ここでは、理解の便宜のため、タグTは移動しないものとする。
【0077】
図6に示すように、他車両Ca内にある他端末装置40の通信制御部52は先ず、参照符号Ca1で示すように、タグTまでの距離H1を示す情報を取得する。破線で示すように、他車両Caが移動すると、通信制御部52は、タグTまでの距離H2を示す情報を取得する(参照符号Ca2)。一点鎖線で示すように、他車両Caがさらに移動すると、通信制御部52は、タグTまでの距離H3を示す情報を取得する(参照符号Ca3)。このように、例えば他車両Caが移動しつつ複数回(ここでは3回)タグTが検出された場合、通信制御部52は、タグTまでの距離H1,H2,H3の情報を取得することができる。これにより、通信制御部52は、これらの距離H1,H2,H3が重複する位置を算出することで、参照符号Ca3で示す他車両Caの他端末装置40からタグTに対する方向を特定することが可能になる。
【0078】
図4の説明を続けると、通信制御部52は、タグTが検出された場合、測位部42から出力される位置情報を、タグTが検出された地点を示す地点情報として取得し、取得された地点情報を記憶部60に検出タグ情報62として登録する。
【0079】
また、送信部53は、タグTを検出した他車両Caの周辺の画像データ、タグTの他端末装置40からの位置情報、タグTの地点情報および日時情報などを含む検出タグ情報を通信部41を介してサーバ装置100へ送信する。
【0080】
なお、上記では、他端末装置40が測位部42を備えるようにしたが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば車載装置70が測位部を備え、車載装置70の測位部によって取得された車載装置70の位置情報を、タグTが検出された地点を示す地点情報として用いるような構成であってもよい。
【0081】
<車載装置の構成>
次に、車載装置70について図7を参照して説明する。図7は、車載装置70の構成例を示すブロック図である。図7に示すように、車載装置70は、通信部71と、カメラ72と、制御部80と、記憶部90とを備える。
【0082】
通信部71は、例えばNIC等によって実現される。通信部71は、無線通信で他端末装置40と接続され、他端末装置40との間で情報の送受信を行う。
【0083】
カメラ72は、他車両Caの周辺を撮像する。カメラ72は複数ある。複数のカメラ72は、前方カメラ72aと、後方カメラ72bと、左方カメラ72cと、右方カメラ72dとを含む。
【0084】
なお、上記では、複数のカメラ72を4台としたが、これに限られず、2台や3台、あるいは5台以上であってもよい。また、カメラ72は、他車両Caの全周囲(360°)を撮像するカメラ1台であってもよい。また、カメラ72は、車室内も撮像するものであってもよい。また、複数のカメラ72は、撮像画像が合成されて、他車両Caの上方を仮想視点として車両周辺をみたパノラマ画像や3次元画像が生成されるようなものであってもよい。
【0085】
ここで、カメラ72について図8も参照しつつ説明する。図8は、車載装置70が備えるカメラ72を説明する図である。図8に示すように、前方カメラ72aは、他車両Caの前方に配置される。また、後方カメラ72bは他車両Caの後方に、左方カメラ72cは他車両Caの左方に、右方カメラ72dは他車両Caの右方に配置される。なお、図8に示す各カメラ72a~72dの配置は、あくまでも例示であって限定されるものではない。また、以下では、各カメラ72a~72dを特に区別せずに説明する場合には「カメラ72」と記載する。
【0086】
カメラ72は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を備え、かかる撮像素子を用いて他車両Caの周囲を撮像する。具体的には、前方カメラ72aは、他車両Caの前方を、後方カメラ72bは他車両Caの後方を、左方カメラ72cは他車両Caの左方を、右方カメラ72dは他車両Caの右方をそれぞれ撮像する。
【0087】
また、カメラ72は、例えば魚眼レンズなどの広角レンズを備え、よって比較的広範な画角を有する。従って、カメラ72を利用することにより、他車両Caの全周囲を撮影することができる。なお、図8では、前方カメラ72aによって撮像される範囲を「前方撮像範囲72a1」として示している。同様に、後方カメラ72bによって撮像される範囲を「後方撮像範囲72b1」、左方カメラ72cによって撮像される範囲を「左方撮像範囲72c1」、右方カメラ72dによって撮像される範囲を「右方撮像範囲72d1」として示している。複数のカメラ72はそれぞれ、撮像した画像データを制御部80へ出力する。
【0088】
図7の説明を続けると、制御部80は、撮像制御部81と、画像選択部82と、出力部83とを備え、例えばCPU、ROM、RAM、ハードディスクドライブ、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
【0089】
コンピュータのCPUは、例えば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部80の撮像制御部81、画像選択部82および出力部83として機能する。また、制御部80の撮像制御部81、画像選択部82および出力部83の少なくともいずれか一部または全部をASICやFPGA等のハードウェアで構成することもできる。
【0090】
また、記憶部90は、例えば、不揮発性メモリやデータフラッシュ、ハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部である。かかる記憶部90には、前方画像データ91a、後方画像データ91b、左方画像データ91c、右方画像データ91dおよび各種プログラムなどが記憶される。
【0091】
前方画像データ91aは、前方カメラ72aによって撮像された画像データである。同様に、後方画像データ91bは後方カメラ72bに、左方画像データ91cは左方カメラ72cに、右方画像データ91dは右方カメラ72dによって撮像された画像データである。
【0092】
制御部80の撮像制御部81は、カメラ72を制御して他車両Caの周辺を撮像し、撮像された画像データを記憶部90に記憶させる(記録する)。なお、撮像制御部81は、画像データを常時記録するが、これに限られず、例えば他車両Caの駆動源の動作時のみ記録するなど任意の期間に記録するようにしてもよい。
【0093】
また、撮像制御部81は、タグTの検出期間に対応する画像データを保護する。例えば、タグTが検出されると、撮像制御部81は、他端末装置40から送信される情報を取得する、詳しくはタグTとの通信接続の開始時刻や終了時刻、タグTが検出されている検出期間を示す情報を取得する。撮像制御部81は、取得された情報に基づいて、他車両Caの周辺を撮像して常時記録する画像データの中から、タグTの検出期間に対応する画像データを保護する。すなわち、撮像制御部81は、タグTが検出されている検出期間の間に撮像された画像データを保護する、言い換えると、画像データが上書きや誤操作などによって消去されないようにする。
【0094】
なお、ここでは、撮像制御部81は、検出期間の間に撮像された前方画像データ91a、後方画像データ91b、左方画像データ91cおよび右方画像データ91dの全てを保護するが、これに限定されるものではない。そして、撮像制御部81は、保護した画像データを画像選択部82へ出力する。
【0095】
画像選択部82は、画像データを選択する選択処理を実行する。詳しくは、画像選択部82は、保護された複数の画像データのうち、他端末装置40、サーバ装置100を介して端末装置10へ送信する画像データを選択する選択処理を実行する。ここで、画像データの選択処理について図8を参照しつつ説明する。
【0096】
例えば、タグTが検出されると、画像選択部82は、他端末装置40から送信される情報を取得する、具体的にはタグTの他端末装置40からの位置を示す位置情報(距離情報や方向情報を含む)を取得する。なお、図8では、タグTが、位置情報「x1,y1,z1」の検出位置Taで検出される例を示している。
【0097】
画像選択部82は、取得された位置情報に基づいて画像データを選択する。具体的には、画像選択部82は、複数のカメラ72のうち、タグTの位置情報(検出位置Ta)に対応するカメラ72によって撮像された画像データを選択する。より具体的には、画像選択部82は、各カメラ72a~72dの各撮像範囲72a1~72d1のうち、タグTの検出位置Taが含まれる撮像範囲に対応するカメラ72によって撮像された画像データを選択する。
【0098】
図8の例では、タグTの検出位置Taが前方撮像範囲72a1に含まれることから、画像選択部82は、前方撮像範囲72a1に対応する前方カメラ72aによって撮像された画像データ(前方画像データ91a)を選択する。そして、画像選択部82は、選択された画像データを出力部83へ出力する。
【0099】
なお、上記では、タグTの検出位置Taが1つの撮像範囲に含まれるようにしたが、これに限定されるものではない。すなわち、図8に白丸で示すように、例えばタグTの検出位置Tbが、複数の撮像範囲(図8の例では、前方撮像範囲72a1および右方撮像範囲72d1)に含まれる場合がある。このような場合、画像選択部82は、複数の撮像範囲に対応するカメラ72(ここでは前方カメラ72aおよび右方カメラ72d)によって撮像された画像データ(前方画像データ91a、右方画像データ91d)を選択する。
【0100】
出力部83は、画像選択部82によって選択された画像データを通信部41を介して他端末装置40へ出力する。なお、車載装置70から他端末装置40へ出力された画像データは、上記したように、検出タグ情報としてサーバ装置100へ送信される。
【0101】
<サーバ装置の構成>
次に、サーバ装置100について図9を参照して説明する。図9は、サーバ装置100の構成例を示すブロック図である。図9に示すように、サーバ装置100は、通信部101と、制御部110と、記憶部120とを備える。
【0102】
通信部101は、例えばNIC等によって実現される。通信部101は、通信ネットワークNに双方向通信可能に接続され、端末装置10および他端末装置40等との間で情報の送受信を行う。
【0103】
制御部110は、受付部111と、受信部112と、画像処理部113と、提供部114とを備え、例えばCPU、ROM、RAM、ハードディスクドライブ、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
【0104】
コンピュータのCPUは、例えば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部110の受付部111、受信部112、画像処理部113および提供部114として機能する。また、制御部110の受付部111、受信部112、画像処理部113および提供部114の少なくともいずれか一部または全部をASICやFPGA等のハードウェアで構成することもできる。
【0105】
また、記憶部120は、例えば、不揮発性メモリやデータフラッシュ、ハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部である。かかる記憶部120には、タグ管理情報121および各種プログラムなどが記憶される。
【0106】
タグ管理情報121は、タグTの管理に関する情報である。ここで、図10を用いて、タグ管理情報121について説明する。図10は、タグ管理情報121の一例を示す図である。図10に示すように、タグ管理情報121には、「管理ID」、「タグ情報」、「捜索要求の有無」、「検出タグ情報」および「画像内位置情報」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
【0107】
「管理ID」は、タグTの管理に関するタグ管理情報毎に割り当てられる識別情報である。「タグ情報」は、タグTの登録処理によって登録されるタグ情報である。「タグ情報」には、登録されたタグTを識別するためのタグ識別情報、タグTのユーザUを識別するためのユーザ識別情報(ユーザ情報)等が含まれる。
【0108】
「捜索要求の有無」は、タグTのユーザUによる捜索要求の有無を示す情報である。例えば、「捜索要求の有無」においては、捜索要求された場合に「有」、捜索要求されていない場合に「無」の情報が登録される。
【0109】
「検出タグ情報」は、検出されたタグTに関する情報である。「検出タグ情報」には、図5に示す検出タグ情報62と同様の情報が含まれる。すなわち、「検出タグ情報」には、検出されたタグTを識別する識別情報(検出タグID)、車載装置70から他端末装置40を介して送信された画像データ、検出されたタグTの位置を示す位置情報、タグTが検出された地点を示す地点情報、および、タグTが検出された日時に関する日時情報などを含む。
【0110】
なお、図10において、管理ID「J02」で識別されるタグ管理情報は、「捜索要求の有無」が「有」で、「検出タグ情報」が無いものであり、すなわち、捜索要求がなされたタグTがまだ検出されていないことを示している。
【0111】
「画像内位置情報」は、画像データ内で推定されたタグTの位置を示す情報である。なお、画像内位置情報の詳細については、図11を用いて後述する。
【0112】
図10に示す例では、管理ID「J01」で識別されるタグ管理情報は、タグ情報が「タグ情報K1」、捜索要求の有無が「有」、検出タグ情報が「検出タグ情報L1」、画像内位置情報が「画像内位置M1」であることを示している。
【0113】
図9の説明に戻ると、制御部110の受付部111は、タグTの登録を受け付ける。例えば、タグTの登録処理の際、受付部111は、端末装置10から送信されるタグ情報を取得し、取得されたタグ情報を記憶部120のタグ管理情報121として登録する。
【0114】
また、受付部111は、タグTの捜索要求を受け付ける。例えば、車両Cなどの取付対象について盗難や紛失が発生した場合、受付部111は、端末装置10から送信されるタグTの捜索要求を受け付け、記憶部120のタグ管理情報121に登録する、詳しくはタグ管理情報121の「捜索要求の有無」を「有」にする。そして、受付部111は、捜索要求されたタグTに対応するタグ情報をタグ管理情報121から読み出し、他ユーザUaの他端末装置40へ送信する。すなわち、受付部111は、捜索要求されたタグTのタグ情報を他端末装置40へ送信することで、タグTの捜索を依頼する。
【0115】
受信部112は、他端末装置40から送信される検出タグ情報を受信する。具体的には、受信部112は、検出タグ情報として、タグTを検出した他車両Caの周辺の画像データであって、車載装置70において選択された画像データや、タグTの位置情報、地点情報および日時情報などを受信する。また、受信部112は、受信した検出タグ情報を記憶部120のタグ管理情報121として登録する。
【0116】
画像処理部113は、検出タグ情報に含まれる画像データについて各種処理を実行する。例えば、画像処理部113は、画像データ内におけるタグTの位置を推定し、推定された画像データ内のタグTの位置を示す画像内位置情報を算出する。そして、画像処理部113は、算出された画像内位置情報を画像データに重畳する処理を行う。
【0117】
ここで、画像内位置情報の算出や重畳などについて図11を参照して説明する。図11は、画像内位置情報の算出や画像データへの重畳などを説明する図である。なお、図11では、上段に画像内位置情報が重畳される前の画像データEaを示し、下段に画像内位置情報が重畳された画像データEaを示している。また、図11に示す画像データEaは、タグTを検出した他車両Caの周辺の画像データであって、車載装置70において選択された画像データ(ここでは前方画像データ)であるものとする。
【0118】
図11の上段に示すように、画像処理部113は先ず、検出されたタグTの位置情報に基づいて画像データEa内のタグTの位置を推定する。例えば、画像処理部113は、破線の矢印で示すように、タグTの位置情報(x1,y1,z1)を画像データEaに対応させ、位置情報に含まれるタグTまでの距離やタグTの方向などに基づいて、画像データEa内におけるタグTの位置Tcを推定する。そして、画像処理部113は、推定されたタグTの位置TcにタグTの取付対象(ここでは自車両C)が存在する場合、タグTの位置Tcを画像内位置情報として算出する。
【0119】
次いで、画像処理部113は、図11の下段に示すように、画像内位置情報を重畳させた画像データEaを生成する。図11の例では、画像内位置情報(位置Tc)を示すマーク130を画像データEaに重畳させる。そして、画像処理部113は、画像内位置情報(ここではマーク130)が重畳された画像データEaを提供部114へ出力する。なお、図11の例では、マーク130として、タグTの位置を示す「ココ」と表示されるようにしたが、この表示はあくまでも例示であって限定されるものではない。
【0120】
図9の説明を続けると、提供部114は、車載装置70から送信された画像データであって、上記した画像内位置情報が重畳された画像データ(図11の下段参照)を端末装置10へ提供する。これにより、端末装置10の取得部23は、提供部114によって提供された画像データを取得し、取得された画像データを表示部13に表示することとなる(図3参照)。
【0121】
また、提供部114は、画像データに加えて、検出タグ情報に含まれる、地点情報や日時情報を端末装置10へ提供してもよい。これにより、端末装置10の取得部23は、提供部114によって提供された地点情報や日時情報を取得して表示部13に表示することができる(図3参照)。
【0122】
<端末装置の取得部について>
次に、上記した端末装置10の取得部23が取得する画像データ等について再説する。本実施形態に係る端末装置10の取得部23(図3参照)は、上記したように、ユーザUのタグTが他ユーザUaの他車両Caの周辺で検出された場合、他車両Caのカメラ72によって撮像された他車両Caの周辺の画像データを取得する。
【0123】
これにより、端末装置10は、検出時のタグT、および、タグTが取り付けられた物品(ここでは自車両C)の状況を取得することができる。そして、本実施形態においては、例えば検出時のタグT等の状況を表示部13に表示するなどして、検出時のタグTや物品の状況をユーザUに把握させることが可能になる。
【0124】
さらに、ユーザUは、端末装置10において取得した、検出時のタグT等の状況を警察などの所定の機関に提出することもできる。
【0125】
また、端末装置10の取得部23は、複数のカメラ72のうち、検出されたタグTの位置を示す位置情報に対応するカメラ72によって撮像された画像データを取得する。これにより、本実施形態にあっては、例えばユーザUが検出時のタグT等の状況を把握するのに適した画像データを取得することが可能になる。また、例えばタグT等の状況の把握に不要な画像データ(すなわち、タグTの位置情報に対応していないカメラ72によって撮像された画像データ。言い換えると、タグTが映っていない画像データ)は取得されないこととなるため、タグ通信システム1における処理負荷を低減させることが可能になる。
【0126】
また、端末装置10の取得部23は、タグTが検出されている検出期間の間に撮像された画像データを取得する。これにより、本実施形態にあっては、例えばユーザUが検出時のタグT等の状況を把握するのにより適した画像データを取得することが可能になる。また、例えばタグTが検出されていない期間に撮像された画像データは取得されないこととなるため、タグ通信システム1における処理負荷をより低減させることが可能になる。
【0127】
また、端末装置10の取得部23は、検出されたタグTの位置を示す位置情報に基づいて画像データ内のタグTの位置が推定され、推定された画像データ内のタグTの位置を示す画像内位置情報を取得する。これにより、本実施形態にあっては、取得した画像データ内におけるタグTの位置(画像内位置情報)をユーザUに把握させることが可能になる。
【0128】
また、端末装置10の取得部23は、画像内位置情報が重畳された画像データを取得する(図11の下段参照)。これにより、本実施形態にあっては、例えば画像データ内におけるタグTの位置(画像内位置情報)をユーザUに視覚的にかつ容易に把握させることが可能になる。
【0129】
また、端末装置10の取得部23は、タグTが検出された地点を示す地点情報を取得する。これにより、本実施形態にあっては、例えば検出時のタグT等の状況として、タグTが検出された地点をユーザUに把握させることが可能になる。
【0130】
また、端末装置10の取得部23は、捜索が要求されたタグTが他車両Caの周辺で検出された場合、画像データを取得する。これにより、本実施形態にあっては、例えばユーザUによって捜索要求がなされたタグTの検出時の状況を確実に取得することができる。また、例えばタグTが取り付けられた物品が盗難されたり物品を紛失したりしたユーザUに対して、検出時のタグT等の状況を把握させることが可能になる。
【0131】
<第1の実施形態に係るタグ通信システムの制御処理>
次に、実施形態に係る端末装置10などを含むタグ通信システム1が実行する処理手順について、図12を用いて説明する。図12は、第1の実施形態に係る端末装置10などを含むタグ通信システム1が実行する処理シーケンスの一例を示す図である。
【0132】
図12に示すように、先ず、端末装置10は、タグTの登録処理を実行する(ステップS10)。次いで、例えばタグTが取り付けられた取付対象(例えば自車両C)が盗難されると、端末装置10は、ユーザUの操作によってタグTの捜索要求をサーバ装置100へ送信する(ステップS11)。
【0133】
サーバ装置100は、タグTの捜索要求を受け付けると、捜索要求されたタグTのタグ情報を他ユーザUaの他端末装置40へ送信する(ステップS12)。次いで、例えば取付対象(自車両C)が他車両Ca付近を走行すると、他車両Ca内の他端末装置40は、タグ情報に基づいてタグTを識別して通信接続することとなり、タグTを検出する(ステップS13)。
【0134】
他端末装置40は、タグTを検出すると、タグTが検出されている検出期間を示す情報、検出されたタグTの位置を示す位置情報などを車載装置70へ送信する(ステップS14)。車載装置70は、他車両Caの周辺を撮像して常時記録する画像データの中から、タグTの検出期間に対応する画像データを保護する(ステップS15)。続いて、車載装置70は、複数のカメラ72のうち、タグTの位置情報に対応するカメラ72によって撮像された画像データを選択する(ステップS16)。
【0135】
車載装置70は、選択された画像データを他端末装置40へ送信する(ステップS17)。他端末装置40は、車載装置70から送信された画像データ、タグTの他端末装置40からの位置情報、タグTの地点情報および日時情報などを含む検出タグ情報をサーバ装置100へ送信する(ステップS18)。
【0136】
次いで、サーバ装置100は、画像データ内におけるタグTの位置を推定し、推定された画像データ内のタグTの位置を示す画像内位置情報を算出する(ステップS19)。次いで、サーバ装置100は、算出された画像内位置情報を画像データに重畳する処理を実行する(ステップS20)。
【0137】
次いで、サーバ装置100は、画像内位置情報が重畳された画像データ等を端末装置10へ提供する(ステップS21)。そして、端末装置10は、提供された画像データ等を取得し、取得された画像データ等を表示部13に表示する(ステップS22)。
【0138】
上述してきたように、第1の実施形態に係る端末装置(情報処理装置の一例)10は、取得部23を備える。取得部23は、ユーザUのタグTがユーザUとは異なる他ユーザUaの他車両Ca(車両の一例)の周辺で検出された場合、他車両Caのカメラ72によって撮像された他車両Caの周辺の画像データを取得する。これにより、検出時のタグT等の状況を取得することができる。
【0139】
(変形例)
上記した第1の実施形態において、車載装置70が画像データの選択処理を行い、サーバ装置100が画像内位置情報の算出および重畳処理を行うようにしたが、各処理が行われる装置は、これに限定されるものではない。すなわち、画像データの選択処理は、他端末装置40あるいはサーバ装置100で行われるようにしてもよい。また、画像内位置情報の算出および重畳処理は、車載装置70あるいは他端末装置40で行われるようにしてもよい。
【0140】
ここで、上記した各処理が行われる装置の組み合わせ例を第1~第5変形例として、図13を参照しつつ説明する。図13は、第1~第5変形例において、各処理が行われる装置を説明する図である。
【0141】
図13に示すように、第1変形例では、サーバ装置100の制御部110が画像データの選択処理と、画像内位置情報の算出および重畳処理とを行うようにする。
【0142】
また、第2変形例では、他端末装置40の制御部50が画像データの選択処理と、画像内位置情報の算出および重畳処理とを行うようにする。
【0143】
また、第3変形例では、車載装置70の制御部80が画像データの選択処理を行い、他端末装置40の制御部50が画像内位置情報の算出および重畳処理を行うようにする。
【0144】
また、第4変形例では、車載装置70の制御部80が画像データの選択処理と、画像内位置情報の算出および重畳処理とを行うようにする。
【0145】
また、第5変形例では、他端末装置40の制御部50が画像データの選択処理を行い、サーバ装置100の制御部110が画像内位置情報の算出および重畳処理を行うようにする。
【0146】
各処理が行われる装置について、第1~第5変形例のように構成した場合であっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0147】
(第2の実施形態)
次いで、第2の実施形態について説明する。なお、以下においては、第1の実施形態と共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0148】
例えばタグTの取付対象(自車両C)が盗難されると、取付対象は一定の場所に留まらず、盗難者により取付対象が移動する場合がある。第2の実施形態では、このような移動する取付対象(正確には取付対象に取り付けられたタグT)を追跡することができるような構成にした。
【0149】
図14は、第2の実施形態に係るサーバ装置100の構成例を示すブロック図である。図14に示すように、第2の実施形態に係るサーバ装置100の制御部110は、生成部115をさらに備える。
【0150】
生成部115は、タグTの移動軌跡を示す軌跡情報を生成する。ここで、軌跡情報の生成について図15を参照しつつ説明する。図15は、軌跡情報の生成を説明する図である。
【0151】
図15に示すように、取付対象に取り付けられたタグTが移動すると、タグTは、複数の場所で他端末装置40と通信接続して検出されることとなる。言い換えると、複数の他車両Caの周辺でそれぞれ同じタグTが検出されることとなる。
【0152】
図15では、先ず9時に地点P1においてタグTが検出され、次いで9時10分に地点P2においてタグTが検出され、次いで9時20分に地点P3においてタグTが検出される例を示している。なお、各地点P1~P3では、互いに異なる他車両Ca内にある他端末装置40によって同じタグTが検出されたものとする。
【0153】
このような場合に、生成部115は、検出されたタグTに対応する複数の地点情報に基づいて当該タグTの移動軌跡を示す軌跡情報を生成する。例えば、生成部115は、検出タグ情報に含まれる、タグTが検出された地点を示す地点情報、および、タグTが検出された日時に関する日時情報に基づいて、タグTが検出された地点を時系列で並べ、並べた地点を結んだ移動軌跡Qを地図情報に重畳させて軌跡情報を生成する。
【0154】
さらに、生成部115は、移動軌跡Q、最後に検出されたタグTの地点情報(ここでは地点P3)や日時情報(ここでは9時20分)などに基づいて、現在のタグTの位置Pxを推定し、推定された現在のタグTの位置Px(推定現在位置Px)を軌跡情報に含めてもよい。
【0155】
図14の説明を続けると、生成部115は、生成された軌跡情報を提供部114へ出力し、提供部114は、かかる軌跡情報を通信部101を介して端末装置10へ提供する。これにより、端末装置10の取得部23は、提供部114によって提供された軌跡情報を取得し、取得された軌跡情報を表示部13に表示する(図3,15参照)。
【0156】
このように、第2の実施形態において、端末装置10の取得部23は、複数の他車両Caの周辺でそれぞれ同じタグTが検出された場合、当該タグTに対応する複数の地点情報に基づいて当該タグTの移動軌跡を示す軌跡情報が生成され、生成された軌跡情報を取得する。
【0157】
これにより、第2の実施形態において、端末装置10は、タグT等の時系列的な状況を取得することができるとともに、かかる状況をユーザUに把握させることが可能になる。
【0158】
(第3の実施形態)
次いで、第3の実施形態について説明する。例えばタグTの取付対象(自車両C)が盗難されたような場合、タグTが検出されたときに撮像された他車両Caの周辺の画像データには、タグTや取付対象の他に、取付対象を盗難した盗難者が映っている可能性がある。そこで、第3の実施形態にあっては、画像データにおいて盗難者の可能性がある人物に関する人物画像データを取得することができるような構成にした。
【0159】
図16は、第3の実施形態における人物画像データを説明する図である。図16に示すように、第3の実施形態に係るサーバ装置100の画像処理部113(図9参照)は、画像データEa内においてタグT付近に人物が存在する場合、画像データEaから抽出された人物の人物画像データ140を抽出する。
【0160】
例えば、画像処理部113は、画像データEa内で推定されたタグTの位置を示す画像内位置情報に基づいて、画像データEa内のタグT付近について画像解析を行う。一例としては、画像処理部113は、画像データEa内のタグT付近に人物の特徴点(例えば、目や鼻、口などの特徴点)が検出された場合、かかる人物の人物画像データ140を抽出する。このとき、画像処理部113は、図16に示すように、人物画像データ140を画像データEaに重畳させるようにしてもよい。
【0161】
そして、画像処理部113は、抽出された人物画像データ140等を提供部114へ出力し、提供部114は、かかる人物画像データ140等を通信部101を介して端末装置10へ提供する。これにより、端末装置10の取得部23は、提供部114によって提供された人物画像データ140等を取得し、取得された人物画像データ140等を表示部13に表示する(図3参照)。
【0162】
このように、第3の実施形態において、端末装置10の取得部23は、画像データ内においてタグT付近に人物が存在する場合、画像データから抽出された人物の人物画像データを取得する。
【0163】
これにより、第3の実施形態において、端末装置10は、画像データにおいて盗難者の可能性がある人物に関する人物画像データを取得することができるとともに、かかる人物画像データをユーザUに提供することが可能になる。また、ユーザUは、端末装置10において取得した人物画像データを警察などの所定の機関に提出することもできる。
【0164】
なお、上記した各実施形態および各変形例は、適宜に組み合わせることができる。すなわち、例えば、第1変形例と第2の実施形態とを組み合わせたりすることができる。
【0165】
また、上記では、車載装置70で撮像された画像データが他端末装置40によってサーバ装置100へ送信されるように構成したが、これに限定されるものではない。すなわち、他車両Caに、例えばDCM(Date Communication Module)などの車載通信モジュールが搭載される場合、車載装置70で撮像された画像データが車載通信モジュールによってサーバ装置100へ送信されるように構成されてもよい。
【0166】
また、上記では、車載装置70によって撮像された画像データを用いるように構成したが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば一般道路や高速道路に設置される監視カメラがタグTを検出する機能を有し、タグTを検出した監視カメラによって撮像された画像データを用いるように構成してもよい。
【0167】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0168】
1 タグ通信システム
10 端末装置
22 要求部
23 取得部
40 他端末装置
70 車載装置
72 カメラ
100 サーバ装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16