IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ センクシアチェン株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-チェン 図1
  • 特開-チェン 図2
  • 特開-チェン 図3
  • 特開-チェン 図4
  • 特開-チェン 図5
  • 特開-チェン 図6
  • 特開-チェン 図7
  • 特開-チェン 図8
  • 特開-チェン 図9
  • 特開-チェン 図10
  • 特開-チェン 図11
  • 特開-チェン 図12
  • 特開-チェン 図13
  • 特開-チェン 図14
  • 特開-チェン 図15
  • 特開-チェン 図16
  • 特開-チェン 図17
  • 特開-チェン 図18
  • 特開-チェン 図19
  • 特開-チェン 図20
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181662
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】チェン
(51)【国際特許分類】
   B65G 17/38 20060101AFI20221201BHJP
【FI】
B65G17/38 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021088717
(22)【出願日】2021-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】521229304
【氏名又は名称】ゼクサスチェン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087712
【弁理士】
【氏名又は名称】山木 義明
(74)【代理人】
【識別番号】100212037
【氏名又は名称】座間 卓宏
(72)【発明者】
【氏名】内田 明
【テーマコード(参考)】
3F034
【Fターム(参考)】
3F034MA04
3F034MB05
3F034MC01
(57)【要約】
【課題】リンクプレートの構造を変更することなく、容易かつ安価に、リンクプレートの摩耗によるチェンの寿命の低下を防止することができるチェンを提供する。
【解決手段】複数のリンク26,28が連結して形成されるチェン24において、リンク26,28は、一対のリンクプレート26a,28aと、一対のリンクプレート26a,28aの長さ方向のそれぞれの端部同士を連結するブシュ26b又はピン29を備え、リンクプレート28aの外側に、リンクプレート28aを保護するリンク保護部32cを備えた保護ブロック部材32が設けられ、保護ブロック部材32は、保護ブロック部材32の本体部32aの上辺部と下辺部に形成された取付け部32bによってリンクプレート28aに取り付けられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のリンクが連結して形成されるチェンにおいて、
前記リンクは、一対のリンクプレートと、前記一対のリンクプレートの長さ方向のそれぞれの端部同士を連結するブシュ又はピンを備え、
前記リンクプレートの外側に、前記リンクプレートを保護するリンク保護部を備えた保護ブロック部材が設けられ、
前記保護ブロック部材は、前記保護ブロック部材の本体部の上辺部と下辺部に形成された取付け部によって前記リンクプレートに取り付けられる
ことを特徴とするチェン。
【請求項2】
前記取付け部は、前記本体部の背面から突出して形成され、
前記保護ブロック部材は、上下の前記取付け部の間に前記リンクプレートが嵌合して取り付けられる
ことを特徴とする請求項1に記載のチェン。
【請求項3】
前記取付け部は、前記本体部の背面から突出して、その先端部が前記本体部の中央部側に折れ曲がって形成されることにより、前記本体部の中央部側に開口する溝状の係合部が設けられ、
前記保護ブロック部材は、上下の前記取付け部の前記係合部の内側に前記リンクプレートの上辺部と下辺部が配置されて取り付けられる
ことを特徴とする請求項1に記載のチェン。
【請求項4】
前記リンク保護部は、前記本体部の左辺部と右辺部に沿って形成され、前記リンクプレートの厚さ方向を覆うように設けられている
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のチェン。
【請求項5】
前記保護ブロック部材は、前記ピンの頭部を保護するピン保護部を備えている
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のチェン。
【請求項6】
前記保護ブロック部材は、2つの分割部材が連結して形成されている
ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のチェン。
【請求項7】
前記一対のリンクプレートの長さ方向のそれぞれの端部同士が前記ブシュによって連結される複数のローラリンクと、前記一対のリンクプレートの長さ方向のそれぞれの端部同士が前記ピンによって連結される複数のピンリンクが、交互に連結して形成される
ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のチェン。
【請求項8】
前記一対のリンクプレートの長さ方向の一方の端部が前記ブシュによって連結され、他方の端部が前記ピンによって連結され、前記リンクのブシュ側の外幅がピン側の内幅より小さく形成される複数のオフセットリンクが連結して形成される
ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のチェン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉱物等のような硬い搬送対象物を搬送するための搬送装置に用いられるチェンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉱物のような硬い搬送対象物を、集積所から別の場所へと搬送するために使用される搬送装置として、循環駆動するチェンにバケットと呼ばれる箱体を取り付けて、そのチェンを駆動させることによって、搬送対象物をバケットですくい取って、そのまま、チェンの走行経路に沿って搬送するような搬送装置が知られていた。
【0003】
図17ないし図20は、そのような搬送装置2、及び、その搬送装置2に用いられる従来のチェン4,14について説明するために参照する図である。
【0004】
搬送装置2は、図17に示すように、不図示の複数のスプロケットホイールに無端状に巻き掛けられて、その走行経路の一部において、図中左右方向に離れて配置された不図示のスプロケットホイールの間に、図中上下方向に所定の間隔をおいて略平行に配置された2本のチェン4と、これら2本のチェン4の間に、チェン4の進行方向Sに所定の間隔をおいて設けられ、その幅方向(図中上下方向)のそれぞれの端部がアタッチメント5を介してそれぞれのチェン4に連結された複数のバケット3を備えていた。
【0005】
そして、図18に示すように、バケット3は、チェン4の進行方向Sの前側(図中左側)に開口部3aを有する略箱状に形成されており、搬送装置2のチェン4の走行経路の一部において、バケット3本体やその開口部3aが、進行方向Sに走行するチェン4の下側(図中下側)に位置するように、2本のチェン4の間に配置されていた。
【0006】
このような搬送装置2に用いられる従来のチェン4は、図19に示すように、複数のリンク(ローラリンク6及びピンリンク8)を備え、これらのローラリンク6とピンリンク8が交互に連結して形成されていた。
【0007】
ローラリンク6は、図19に示すように、それぞれが細長い板状に形成されて、互いの板面が対向するように所定の間隔をおいて略平行に配置された一対のリンクプレート6aと、それら一対のリンクプレート6aの間に、それぞれのリンクプレート6aの長さ方向(図中左右方向)のそれぞれの端部同士を連結するように設けられた2つの円筒状のブシュ6bと、それら2つのブシュ6bに、それぞれのブシュ6bを回転軸としてその軸線回りに回転することができるように設けられた2つの円筒状のローラ7を備えていた。
【0008】
また、ピンリンク8は、図19に示すように、それぞれが細長い板状に形成されて、互いの板面が対向するように所定の間隔をおいて略平行に配置された一対のリンクプレート8aと、それら一対のリンクプレート8aの間に、それぞれのリンクプレート8aの長さ方向(図中左右方向)のそれぞれの端部同士を連結するように設けられた2本の丸棒状のピン9を備えていた。
【0009】
そして、ピンリンク8の一対のリンクプレート8aの間にローラリンク6が配置されて、ピンリンク8の一方のピン9の長さ途中部が、ローラリンク6の一方のブシュ6bの中心孔に挿通されることによって、ローラリンク6とピンリンク8が、ピン9を回転軸として互いに相対的に回動することができるように連結されており、これを繰り返すことによって、図19に示すようなチェン4が形成されるようになっていた。
【0010】
このような従来のチェン4を用いた搬送装置2は、図18に示すように、不図示の駆動用スプロケットホイールを回転させてチェン4を駆動させることによって、バケット3をチェン4の進行方向Sに移動させ、その移動の途中で、チェン4の下側(図中下側)に集積された不図示の搬送対象物をバケット3ですくい取って、バケット3の開口部3aからバケット3の内部に収納し、そのまま、そのバケット3がチェン4の走行経路に沿って搬送されることによって、搬送対象物が搬送されるようになっていた。
【0011】
しかしながら、このような搬送装置2は、継続して使用しているうちに、チェン4の下側の搬送対象物をバケット3ですくい取る際に、搬送対象物がチェン4と接触することがあるため、特に、チェン4の最も外側に位置するリンクプレートである、図17中上側のチェン4のピンリンク8の図中上側のリンクプレート8aや、図中下側のチェン4のピンリンク8の図中下側のリンクプレート8aは、そのチェン4の進行方向Sの前側の前端部(図中左側の端部)や下端部が徐々にすり減ってしまい、その結果、チェンの寿命が短くなってしまうという問題があった。
【0012】
これに対して、チェンのピンリンクのリンクプレートの摩耗を防止してチェンの寿命が短くなることを防止するために、チェンのピンリンクのリンクプレートに、リンクプレートの端部を保護する保護ブロック部材が設けられたようなチェンが、本願の出願人により提案されていた(特許文献1参照)。
【0013】
すなわち、そのような従来のチェン14においては、図20に示すように、ピンリンク18のリンクプレート18aの一端部、すなわち、チェン14の進行方向Sの前側(図中左側)の端部の外側表面(図中手前側の板面)に、保護ブロック部材20をボルト21で固定して、その保護ブロック20の図中左側の外周部が、リンクプレート18aの厚さ方向を覆うように、リンクプレート18aの端部の前方や下方に張り出すことによって、リンクプレート18aの端部が搬送対象物と接触しないようにしたものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2009-040529号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、上述したような従来のチェン14では、ピンリンクのリンクプレートの加工コストが増加すると共に、リンクプレートの強度が低下するという問題があった。
【0016】
すなわち、従来のコンベヤチェン14においては、保護ブロック部材20をピンリンク18のリンクプレート18aに取り付けるために、リンクプレート18aに雌ネジ孔を設ける必要があるため、その分、リンクプレート18aの加工の工程の数が増えて、加工コストの増加を招くおそれがあった。
【0017】
そして、リンクプレート18aに雌ネジ孔が形成されることによって、リンクプレート18aの強度が低下してしまうため、リンクプレートの強度を確保するために、リンクプレートの厚さや幅を大きくしたものを新たに設計して製作する必要があり、チェンの部品管理の煩雑化や、チェンのコストの増加を招くおそれがあった。
【0018】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みて、リンクプレートの構造を変更することなく、容易かつ安価に、リンクプレートの摩耗によるチェンの寿命の低下を防止することができるチェンを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記課題を解決するために、本発明のチェンは、
複数のリンクが連結して形成されるチェンにおいて、
前記リンクは、一対のリンクプレートと、前記一対のリンクプレートの長さ方向のそれぞれの端部同士を連結するブシュ又はピンを備え、
前記リンクプレートの外側に、前記リンクプレートを保護するリンク保護部を備えた保護ブロック部材が設けられ、
前記保護ブロック部材は、前記保護ブロック部材の本体部の上辺部と下辺部に形成された取付け部によって前記リンクプレートに取り付けられる
ことを特徴とするものである。
【0020】
また、本発明のチェンは、
前記取付け部は、前記本体部の背面から突出して形成され、
前記保護ブロック部材は、上下の前記取付け部の間に前記リンクプレートが嵌合して取り付けられる
ことを特徴とするものである。
【0021】
また、本発明のチェンは、
前記取付け部は、前記本体部の背面から突出して、その先端部が前記本体部の中央部側に折れ曲がって形成されることにより、前記本体部の中央部側に開口する溝状の係合部が設けられ、
前記保護ブロック部材は、上下の前記取付け部の前記係合部の内側に前記リンクプレートの上辺部と下辺部が配置されて取り付けられる
ことを特徴とするものである。
【0022】
また、本発明のチェンは、
前記リンク保護部は、前記本体部の左辺部と右辺部に沿って形成され、前記リンクプレートの厚さ方向を覆うように設けられている
ことを特徴とするものである。
【0023】
また、本発明のチェンは、
前記保護ブロック部材は、前記ピンの頭部を保護するピン保護部を備えている
ことを特徴とするものである。
【0024】
また、本発明のチェンは、
前記保護ブロック部材は、2つの分割部材が連結して形成されている
ことを特徴とするものである。
【0025】
また、本発明のチェンは、
前記一対のリンクプレートの長さ方向のそれぞれの端部同士が前記ブシュによって連結される複数のローラリンクと、前記一対のリンクプレートの長さ方向のそれぞれの端部同士が前記ピンによって連結される複数のピンリンクが、交互に連結して形成される
ことを特徴とするものである。
【0026】
また、本発明のチェンは、
前記一対のリンクプレートの長さ方向の一方の端部が前記ブシュによって連結され、他方の端部が前記ピンによって連結され、前記リンクのブシュ側の外幅がピン側の内幅より小さく形成される複数のオフセットリンクが連結して形成される
ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0027】
このような本発明のチェンによれば、
複数のリンクが連結して形成されるチェンにおいて、
前記リンクは、一対のリンクプレートと、前記一対のリンクプレートの長さ方向のそれぞれの端部同士を連結するブシュ又はピンを備え、
前記リンクプレートの外側に、前記リンクプレートを保護するリンク保護部を備えた保護ブロック部材が設けられ、
前記保護ブロック部材は、前記保護ブロック部材の本体部の上辺部と下辺部に形成された取付け部によって前記リンクプレートに取り付けられることにより、
リンクプレートの構造を変更することなく、容易かつ安価に、リンクプレートの摩耗によるチェンの寿命の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の第1の実施の形態に係るチェン24を示す図であって、図1(a)はその平面図であり、図1(b)はその側面図である。
図2図1に示すチェン24における、ピンリンク28の周辺を拡大して示す拡大平面図である。
図3図1に示すチェン24における、ピンリンク28の周辺を拡大して示す拡大側面図である。
図4図3に示すチェン24の、ローラリンク26とピンリンク28の連結部を拡大して示す図であって、図3におけるA-A線矢視拡大断面図である。
図5】保護ブロック32を示す図であって、図5(a)はその正面図であり、図5(b)はその平面図である。
図6】チェン24を用いた搬送装置22の一部を示す概略平面図である。
図7図7に示す搬送装置22の概略側面図である。
図8】本発明の第2の実施の形態に係るチェン44を示す図であって、図8(a)はその平面図であり、図8(b)はその側面図である。
図9図8に示すチェン44における、ピンリンク48の周辺を拡大して示す拡大平面図である。
図10図8に示すチェン44における、ピンリンク48の周辺を拡大して示す拡大側面図である。
図11】保護ブロック50の分割部材52を示す図であって、図11(a)はその正面図であり、図11(b)はその平面図である。
図12】本発明の第3の実施の形態に係るチェン64を示す図であって、図12(a)はその平面図であり、図12(b)はその側面図である。
図13図12に示すチェン64における、ピンリンク68の周辺を拡大して示す拡大平面図である。
図14図12に示すチェン64における、ピンリンク68の周辺を拡大して示す拡大側面図である。
図15図14に示すチェン64の、ローラリンク26とピンリンク68の連結部を拡大して示す図であって、図14におけるB-B線矢視拡大断面図である。
図16】保護ブロック70の分割部材72を示す図であって、図16(a)はその正面図であり、図16(b)はその平面図である。
図17】従来のチェン4を用いた搬送装置2の一部を示す概略平面図である。
図18図17に示す搬送装置2の概略側面図である。
図19】従来のチェン4を示す図であって、図19(a)はその平面図であり、図19(b)はその側面図である。
図20】従来のチェン14のピンリンク18の周辺を拡大して示す拡大側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に係るチェンを実施するための形態について、図面に基づいて具体的に説明する。
【0030】
図1ないし図7は、本発明の第1の実施の形態に係るチェン24、及び、そのチェン24を用いた搬送装置22について説明するために参照する図である。なお、図17ないし図20に示した従来のチェン4、及び、そのチェン4を用いた搬送装置2と同様の部分については、一部を除き同じ符号を付して説明するものとする。
【0031】
本実施の形態に係るチェン24は、図1に示すように、複数のリンク(ローラリンク26及びピンリンク28)を備え、これらのローラリンク26とピンリンク28が交互に連結して形成されている。
【0032】
図1(a)に示すように、ローラリンク26は、図19に示す従来のチェン4のローラリンク6と同様に、それぞれが細長い板状に形成されて、互いの板面が対向するように所定の間隔をおいて略平行に配置された一対のリンクプレート26aと、それら一対のリンクプレート26aの間に、それぞれのリンクプレート26aの長さ方向(図中左右方向)のそれぞれの端部同士を連結するように設けられた2つの円筒状のブシュ26bと、それら2つのブシュ26bに、それぞれのブシュ26bを回転軸としてその軸線回りに回転することができるように設けられた2つの円筒状のローラ27を備えている。
【0033】
そして、図4に示すように、ローラリンク26のブシュ26bは、その長さ方向(図中左右方向)のそれぞれの端部が、一対のリンクプレート26aのそれぞれに一体的に固定されており、ブシュ26bの中心孔26cの軸線方向(図中左右方向)のそれぞれの端部が、それぞれのリンクプレート26aの外側表面、すなわち、一対のリンクプレート26aが互いに対向する板面と反対側の板面に開口している。
【0034】
また、図2及び図3に示すように、ピンリンク28は、図19に示す従来のチェン4のピンリンク8と同様に、それぞれが細長い板状に形成されて、互いの板面が対向するように所定の間隔をおいて略平行に配置された一対のリンクプレート28aと、それら一対のリンクプレート28aの間に、それぞれのリンクプレート28aの長さ方向(図2中左右方向)のそれぞれの端部同士を連結するように設けられた2本の丸棒状のピン29を備えている。
【0035】
そして、図3に示すように、ピンリンク28のリンクプレート28aは、その高さ方向(図中上下方向)の寸法が、リンクプレート28aの長さ方向(図中左右方向)の中央部に比べて長さ方向の両端部が大きく形成されると共に、その部分のリンクプレート28aの高さ方向の上端部と下端部に、リンクプレート28aの長さ方向と平行に伸びる略直線状の上辺部28cと下辺部28dがそれぞれ形成されている。
【0036】
そして、図3及び図4に示すように、リンクプレート28aの長さ方向のそれぞれの端部の近傍には、リンクプレート28aを厚さ方向(図4中左右方向)に貫通する略円形(図3参照)のピン孔28bが形成されている。
【0037】
また、図4に示すように、ピンリンク28のピン29は、その長さ途中部の直径が、リンクプレート28aのピン孔28bの内径と略同一に形成されると共に、その長さ方向(図中左右方向)の一方(図中左側)の端部には、直径がリンクプレート28aのピン孔28bの内径よりも大きな略円板状に形成された頭部29aが形成され、その長さ方向の他方(図中右側)の端部には、ピン29の先端部の近傍をピン29の軸線と直交する方向(図中上下方向)に貫通する貫通孔29bが形成されている。
【0038】
そして、ピン29の頭部29aが、対向する一対のリンクプレート28aのうちの、一方(図4中左側)のリンクプレート28aの外側表面(図中左側の板面)に係止し、ピン29の長さ途中部が、それぞれのリンクプレート28aのピン孔28に連続して挿通されて、ピン29の頭部29aと反対側の端部が、他方(図中右側)のリンクプレート28aの外側表面(図中右側の板面)から突出して、その突出したピン29の先端部に形成された貫通孔29bに抜止めピン30が挿入されて、その抜止めピン30が他方のリンクプレート28aの外側表面に係止することにより、ピン29がリンクプレート28aから抜けないようになっている。
【0039】
そして、図4に示すように、ピンリンク28の一対のリンクプレート28aの間にローラリンク26が配置されて、ピンリンク28の一方のピン29の長さ途中部が、ローラリンク26の一方のブシュ26bの中心孔26cに挿通されることによって、ローラリンク26とピンリンク28が、ピン29を回転軸として互いに相対的に回動することができるように連結されており、これを繰り返すことによって、図1に示すようなチェン24が形成されるようになっている。
【0040】
また、このとき、ローラリンク26のリンクプレート26aとピンリンク28のリンクプレート28aの間には、ピン29とブシュ26bの間に充填された潤滑油の漏出防止や、ピン29とブシュ26bの間への砂利等の侵入防止のために、リング状のオイルシール31が設けられている。
【0041】
そして、図2に示すように、チェン24のピンリンク28には、一対のリンクプレート28aのうちの、一方(図中下側)のリンクプレート28aの外側、すなわち、図中下側のリンクプレート28aの外側表面(図中下側の板面)に、保護ブロック部材32が設けられている。
【0042】
図5に示すように、保護ブロック部材32は、細長い板状の本体部32aと、本体部32aの背面(図5(b)中下側の面)に設けられた取付け部32b及びリンク保護部32cを備えている。
【0043】
保護ブロック部材32の本体部32aは、図5(a)に示すように、その外形が、本体部32aの高さ方向(図中上下方向)の両端部に、長さ方向(図中左右方向)に伸びる略直線状の上辺部及び下辺部と、長さ方向の両端部に、上辺部のそれぞれの端部から下辺部のそれぞれの端部へと連続する凸型の略円弧状の左辺部及び右辺部を有する細長い楕円形に形成されている。
【0044】
保護ブロック部材32の取付け部32bは、図5(a)に示すように、本体部32aの上辺部及び下辺部のそれぞれに沿って形成され、図4に示すように、本体部32aの背面から本体部32aに対して略直角方向(図中右側)に突出するように形成されている。
【0045】
保護ブロック部材32のリンク保護部32cは、図5(a)に示すように、本体部32aの左辺部及び右辺部のそれぞれに沿って形成され、図5(b)に示すように、本体部32aの背面から本体部32aに対して略直角方向(図中下方)に突出するように形成されている。
【0046】
すなわち、保護ブロック部材32の本体部32aの背面には、取付け部32bとリンク保護部32cによって、本体部32aの背面から突出する突出部が、本体部32aの外周部に沿って連続して形成されている。
【0047】
そして、図5(a)及び(b)に示すように、保護ブロック部材32の本体部32aの長さ方向(図5(a)中左右方向)のそれぞれの端部の近傍には、本体部32aを厚さ方向(図5(b)中上下方向)に貫通する略円形(図5(a)参照)の孔のピン保護部32dが形成されている。
【0048】
そして、図4及び図5(b)に示すように、保護ブロック部材32の本体部32aの前面(図4中左側、及び、図5(b)中上側の面)には、本体部32aの厚さ方向(図4中左右方向、及び、図5(b)中上下方向)の寸法が、本体部32aの外周部に向かうにつれて徐々に小さくなるような傾斜部32eが、本体部32aの外周部に沿って形成されている。
【0049】
このような保護ブロック部材32が、図4に示すように、ピンリンク28の対向する一対のリンクプレート28aのうちの一方(図中左側)のリンクプレート28aの外側に、本体部32aの背面(図中右側の面)とリンクプレート28aの外側表面(図中左側の板面)に沿って接触するように設けられている。
【0050】
このとき、図3に示すように、保護ブロック部材32の上下の取付け部32bは、互いに対向する内側の面が、ピンリンク28のリンクプレート28aの略直線状の上辺部28cや下辺部28dに沿うように略平面状に形成されると共に、互いに対向する内側の面の間の寸法が、リンクプレート28aの最大高さ寸法、すなわち、上辺部28cから下辺部28dまでの寸法と略同一かわずかに小さく形成されている。
【0051】
それにより、保護ブロック部材32は、上下の取付け部32bの間にリンクプレート28aが嵌合して、上下の取付け部32bがリンクプレート28aを上下から挟み込むように保持することによって、ピンリンク28から外れないように取り付けられている。
【0052】
そして、図4に示すように、保護ブロック部材32の取付け部32bの、本体部32aの背面から突出するその高さ寸法(図中左右方向の寸法)は、ピンリンク28のリンクプレート28aの厚さ寸法(図中左右方向の寸法)より大きく形成されている。
【0053】
それにより、保護ブロック部材32の取付け部32bが、ピンリンク28のリンクプレート28aより、チェン24の進行方向Sの上方及び下方にそれぞれ張り出して、リンクプレート28aの上下を覆うようになっている。
【0054】
また、図3に示すように、保護ブロック部材32の左右のリンク保護部32cは、その保護ブロック部材32が設けられたピンリンク28のリンクプレート28aの、チェン24の進行方向Sの両端部より外側、すなわち、リンクプレート28aの前側の端部より前方と、後側の端部より後方にそれぞれ位置するように設けられている。
【0055】
そして、図4に示すように、リンク保護部32cは、そこから、リンクプレート28aの厚さ方向を覆うように、ピンリンク28の内側(図中右側)に向かって突出するように形成され、本体部32aの背面から突出するその高さ寸法(図中左右方向の寸法)が、リンクプレート28aの厚さ寸法(図中左右方向の寸法)より大きく形成されている。
【0056】
それにより、保護ブロック部材32の左右のリンク保護部32cが、ピンリンク28のリンクプレート28aより、チェン24の進行方向Sの前方及び後方にそれぞれ張り出してリンクプレート28aの前後を覆うようになっている。
【0057】
また、図4に示すように、保護ブロック部材32のピン保護部32dは、その孔の中心が、ピンリンク28のリンクプレート28aのピン孔28bの中心軸上に形成され、その孔の内径が、ピン29の頭部29aの直径より大きく形成され、その孔の軸線方向(図中左右方向)の寸法が、ピン29の頭部29aの高さ寸法(図中左右方向の寸法)より大きく形成されている。
【0058】
それにより、ピンリンク28のリンクプレート28aの外側表面から突出するピン29の頭部29aが、保護ブロック部材32のピン保護部32dの内側に配置されて、ピン29の頭部29aが、本体部32aの前面(図4中左側の面)から突出しないようになっている。
【0059】
このような本実施の形態に係るチェン24によれば、このようなチェンを搬送装置に用いることにより、リンクプレートの摩耗によるチェンの寿命が短くなることを防止することができるようになっている。
【0060】
すなわち、図6に示すように、本実施の形態に係るチェン24を用いた搬送装置22は、図17及び図18に示す搬送装置2と同様に、無端状のチェン24が、不図示の複数のスプロケットホイールに巻き掛けられて、その走行経路の一部が、図中左右方向に離れて配置された不図示のスプロケットホイールの間に、図中上下方向に所定の間隔をおいて略平行に2本配置されると共に、複数のバケット3が、これら2本のチェン24の間に、チェン24の進行方向Sに所定の間隔をおいて設けられ、バケット3の幅方向(図中上下方向)のそれぞれの端部は、アタッチメント5を介してそれぞれのチェン24に連結されている。
【0061】
そして、図7に示すように、バケット3は、チェン24の進行方向Sの前側(図中左側)に開口部3aを有する略箱状に形成され、搬送装置22のチェン24の走行経路の一部において、バケット3本体やその開口部3aが、進行方向Sに走行するチェン24の下側(図中下側)に位置するように、2本のチェン24の間に配置されている。
【0062】
そして、図6に示すように、それぞれのチェン24の最も外側に位置するリンクプレートである、図中上側のチェン24における図中上側のリンクプレート28aと、図中下側のチェン24における図中下側のリンクプレート28aには、それぞれのリンクプレート28aの外側に、保護ブロック部材32が設けられている。
【0063】
このような搬送装置22は、図17及び図18に示す搬送装置2と同様に、不図示の駆動用スプロケットホイールを回転させてチェン24を駆動させることによって、図7に示すように、バケット3をチェン24の進行方向Sに移動させ、その移動の途中で、チェン24の下側(図中下側)に集積された不図示の搬送対象物をバケット3ですくい取って、バケット3の開口部3aからバケット3の内部に収納し、そのまま、そのバケット3がチェン24の走行経路に沿って搬送されることによって、搬送対象物が搬送されるようになっている。
【0064】
そして、搬送装置22の使用中、チェン24の下側の搬送対象物をバケット3ですくい取る際に、搬送対象物がチェン24と接触したとしても、保護ブロック部材32の取付け部32bとリンク保護部32cがチェン24のピンリンク28のリンクプレート28aの外周部の、リンクプレート28aの厚さ方向を覆うように設けられているため、搬送対象物がリンクプレート28aに接触する頻度が減少し、リンクプレート28aが搬送対象物との接触によって摩耗することを防止することができるようになっている。
【0065】
また、ピンリンク28のリンクプレート28aの外側表面から突出するピン29の頭部29aが、保護ブロック部材32のピン保護部32dの内側に配置されているため、搬送対象物がピン29の頭部29aに接触する頻度が減少し、ピン29の頭部29aが搬送対象物との接触によって摩耗することを防止することができるようになっている。
【0066】
そして、ピンリンク28のリンクプレート28aやピン29の頭部29aの摩耗が防止されることによって、チェン24の寿命が短くなることを防止できると共に、保護ブロック部材32それ自体が搬送対象物との接触によって摩耗した場合は、摩耗した保護ブロック部材32だけをピンリンク28から取り外して、新しい保護ブロック部材32に容易に交換することができるようになっている。
【0067】
そして、本実施の形態に係るチェン24におけるピンリンク28は、保護ブロック部材32を取り付けるリンクプレート28aと、それ以外のリンクプレート28aとで、同じ形状や構造のリンクプレートを使用することができるため、チェンの部品管理が煩雑化することを防止し、チェンの製造コストの増加することを防止することができる。
【0068】
このように、本実施の形態に係るチェン24を用いることにより、リンクプレートの構造を変更することなく、容易かつ安価に、リンクプレートの摩耗によるチェンの寿命の低下を防止することができる。
【0069】
図8ないし図11は、本発明の第2の実施の形態に係るチェン44について説明するために参照する図である。なお、図1ないし図5に示す第1の実施の形態に係るチェン24と同様の部分には、原則として同じ符号を付し、重複する説明は原則として省略するものとする。
【0070】
本実施の形態に係るチェン44は、図8に示すように、前記第1の実施の形態に係るチェン24におけるピンリンク28に代わって、図9及び図10に示すようなピンリンク48を備えている点において、前記第1の実施の形態に係るチェン24とはその構成が異なるものである。
【0071】
そして、図9及び図10に示すように、本実施の形態に係るチェン44のピンリンク48は、前記第1の実施の形態に係るチェン24のピンリンク28に設けられた保護ブロック部材32に代わって、図11に示すような分割部材52が2つ連結されることによって構成される保護ブロック部材50が設けられている点において、前記第1の実施の形態に係るチェン24のピンリンク28とはその構成が異なるものである。
【0072】
本実施の形態に係るチェン44のピンリンク48に設けられた保護ブロック部材50の分割部材52は、図11に示すように、細長い板状の本体部52aと、本体部52aの背面(図11(b)中下側の面)に設けられた取付け部52b及びリンク保護部52cと、本体部52aの前面(図中上側の面)に設けられた連結部52fを備えている。
【0073】
分割部材52の本体部52aは、図11(a)に示すように、その外形が、本体部52aの高さ方向(図中上下方向)の両端部に、長さ方向(図中左右方向)に伸びる略直線状の上辺部及び下辺部と、長さ方向の一方(図中左側)の端部に、上辺部の一方の端部から下辺部の一方の端部へと連続する凸型の略円弧状の左辺部と、長さ方向の他方(図中右側)の端部に、上辺部と下辺部の他方の端部を略直線状に繋ぐ右辺部を有する細長い半楕円形(細長い楕円形を短軸で二分割したその一方の形状)に形成されている。
【0074】
分割部材52の取付け部52bは、図11(a)に示すように、本体部52aの上辺部及び下辺部のそれぞれに沿って形成され、本体部52aの背面から本体部52aに対して略直角方向に突出するように形成されている。
【0075】
分割部材52のリンク保護部52cは、図11(a)に示すように、本体部52aの左辺部に沿って形成され、図11(b)に示すように、本体部52aの背面から本体部52aに対して略直角方向(図中下方)に突出するように形成されている。
【0076】
すなわち、分割部材52の本体部52aの背面には、取付け部52bとリンク保護部52cによって、本体部52aの背面から突出する突出部が、本体部52aの外周部に沿って、本体部52aの下辺部から左辺部、左辺部から上辺部へと連続して形成されている。
【0077】
そして、図11(a)及び(b)に示すように、分割部材52の本体部52aの長さ方向(図11(a)中左右方向)のリンク保護部52c側(図中左側)の端部の近傍には、本体部52aを厚さ方向(図11(b)中上下方向)に貫通する略円形(図11(a)参照)の孔のピン保護部52dが形成されている。
【0078】
そして、図11(b)に示すように、分割部材52の本体部52aの前面(図中上側の面)には、本体部52aの厚さ方向(図中上下方向)の寸法が、本体部52aの外周部に向かうにつれて徐々に小さくなるような傾斜部52eが、本体部52aの外周部に沿って、本体部52aの下辺部、左辺部、上辺部に形成されている。
【0079】
そして、図11(a)及び(b)に示すように、分割部材52の本体部52aの前面(図11(b)中上側の面)には、本体部52aの長さ方向(図中左右方向)に所定の厚さ寸法を有する板状の連結部52fが、本体部52aの長さ方向のリンク保護部52cと反対側(図中右側)の端部に、連結部52fの図中右側の板面が本体部52aや取付け部52bの端面と同一平面上に位置するように設けられている。
【0080】
そして、分割部材52の連結部52fには、連結部52fを厚さ方向(図11(a)中左右方向)に貫通するボルト孔52gが2つ形成されている。
【0081】
このように、本実施の形態にかかるチェン44の保護ブロック部材50は、図5に示すような前記第1の実施の形態に係るチェン24の保護ブロック部材32を、その長さ方向(図5(a)中左右方向)の中央で2つの分割部材に分割することができるようにすると共に、それぞれの分割部材に、2つの分割部材を連結して一体化させるための連結部を設けるようにしたものとして構成されている。
【0082】
このような保護ブロック部材50の分割部材52が、図9に示すように、チェン44を構成するそれぞれのピンリンク48の対向する一対のリンクプレート28aのうちの、一方(図中下側)のリンクプレート28aの外側、すなわち、図中下側のリンクプレート28aの外側表面(図中下側の板面)に2つ設けられている。
【0083】
これら2つの分割部材52は、リンクプレート28aのチェン44の進行方向Sの前側(図9中左側)と後側(図中右側)の端部に、それぞれの分割部材52の本体部52aの背面(図中上側の面)がリンクプレート28aの外側表面(図中下側の板面)に沿って接触し、それぞれの分割部材52の連結部52fの板面を突き合わせるように配置されている。
【0084】
そして、突き合わせたそれぞれの分割部材52の連結部52fに形成されたボルト孔52gに図9中左側からボルト53のオネジ部を挿通して反対からナット54をネジ締結することにより、2つの分割部材52を連結して一体化させて、1つの保護ブロック部材50を構成している。
【0085】
このとき、図10に示すように、それぞれの分割部材52は、前記第1の実施の形態に係るチェン24の保護ブロック部材32と同様に、上下の取付け部52bの間にリンクプレート28aが嵌合して、上下の取付け部52bがリンクプレート28aの上辺部28cと下辺部28dを挟み込むように保持することによって、ピンリンク48から外れないように取り付けられている。
【0086】
その他の構成は、前記第1の実施の形態に係るチェン24と同様であるため、このようなチェン44であっても、リンクプレートの構造を変更することなく、容易かつ安価に、リンクプレートの摩耗によるチェンの寿命の低下を防止することができる。
【0087】
そして、本実施の形態にかかるチェン44を用いることにより、保護ブロック部材50を交換する際に、ピンリンク48に取り付けた2つの分割部材52のうちの、より摩耗の激しい分割部材52(例えば、搬送対象物との接触の頻度が多くなるピンリンク48の前側の分割部材52)だけをピンリンク48から取り外して、新しい分割部材52に交換することができるようになっている。
【0088】
図12ないし図16は、本発明の第3の実施の形態に係るチェン64について説明するために参照する図である。なお、図1ないし図5に示す第1の実施の形態に係るチェン24と同様の部分には、原則として同じ符号を付し、重複する説明は原則として省略するものとする。
【0089】
本実施の形態に係るチェン64は、図12に示すように、前記第1の実施の形態に係るチェン24におけるピンリンク28に代わって、図13及び図14に示すようなピンリンク68を備えている点において、前記第1の実施の形態に係るチェン24とはその構成が異なるものである。
【0090】
そして、図13及び図14に示すように、本実施の形態に係るチェン64のピンリンク68は、前記第1の実施の形態に係るチェン24のピンリンク28に設けられた保護ブロック部材32に代わって、図16に示すような分割部材72が2つ連結されることによって構成される保護ブロック部材70が設けられている点において、前記第1の実施の形態に係るチェン24のピンリンク28とはその構成が異なるものである。
【0091】
本実施の形態に係るチェン64のピンリンク68に設けられた保護ブロック部材70の分割部材72は、図16に示すように、細長い板状の本体部72aと、本体部72aの背面(図16(b)中下側の面)に設けられた取付け部72b及びリンク保護部72cを備えている。
【0092】
分割部材72の本体部72aは、図16(a)に示すように、その外形が、本体部72aの高さ方向(図中上下方向)の両端部に、長さ方向(図中左右方向)に伸びる略直線状の上辺部及び下辺部と、長さ方向の一方(図中左側)の端部に、上辺部の一方の端部から下辺部の一方の端部へと連続する凸型の略円弧状の左辺部と、長さ方向の他方(図中右側)の端部に、上辺部と下辺部の他方の端部を略直線状に繋ぐ右辺部を有する細長い半楕円形(細長い楕円形を短軸で二分割したその一方の形状)に形成されている。
【0093】
分割部材72の取付け部72bは、図16(a)に示すように、本体部72aの上辺部と下辺部のそれぞれに沿って形成され、図15に示すように、本体部72aの背面から本体部72aに対して略直角方向(図中右方)に突出すると共に、その先端部が本体部72aの高さ方向(図中上下方向)の中央部側に向かって略直角に折れ曲がって形成されている。
【0094】
それにより、分割部材72の取付け部72bには、図15及び図16(a)に示すように、本体部72aの上辺部と下辺部のそれぞれに沿って、本体部72aの高さ方向(図中上下方向)の中央部側に開口する溝状の係合部72gが設けられている。
【0095】
分割部材72のリンク保護部72cは、図16(a)に示すように、本体部72aの左辺部に沿って形成され、図16(b)に示すように、本体部72aの背面から本体部72aに対して略直角方向(図中下方)に突出すると共に、その先端部が本体部72aの長さ方向(図中左右方向)の中央部側に向かって略直角に折れ曲がって形成されている。
【0096】
すなわち、分割部材72の本体部72aの背面には、取付け部72bとリンク保護部72cによって、本体部72aの背面から本体部72aに対して略直角方向に突出して、その先端部が本体部72aの中央部側に略直角に折れ曲がるような略L字形の突出部が、本体部72aの外周部に沿って、本体部72aの下辺部から左辺部、左辺部から上辺部へと連続して形成されている。
【0097】
そして、図16(a)及び(b)に示すように、分割部材72の本体部72aの長さ方向(図16(a)中左右方向)のリンク保護部72c側(図中左側)の端部の近傍には、本体部72aを厚さ方向(図16(b)中上下方向)に貫通する略円形(図16(a)参照)の孔のピン保護部72dが形成されている。
【0098】
そして、図15及び図16(b)に示すように、分割部材72の本体部72aの前面(図15中左側、及び図16(b)中上側の面)には、本体部72aの厚さ寸法が本体部72aの外周部に向かうにつれて徐々に小さくなるような傾斜部72eが、本体部72aの外周部に沿って、本体部72aの下辺部、左辺部、上辺部に形成されている。
【0099】
そして、図16(a)及び(b)に示すように、分割部材72の本体部72aの背面(図16(b)中下側の面)には、本体部72aの長さ方向(図16(a)中左右方向)に伸び、幅方向(図中上下方向)の寸法がピン保護部72dの孔の直径と略同一に形成されたピン導入部72fが、リンク保護部72cの孔の図中右側の内側面から、本体部72aの長さ方向のリンク保護部72cと反対側の端部まで形成されている。
【0100】
ピン導入部72fは、その長さ方向に対して垂直な断面形状が本体部72aの背面に開口する略コの字形の溝状に形成され、その長さ方向のそれぞれの端部が、ピン保護部72dの孔の内側面と本体部72aの端面のそれぞれに開口するように形成されている。
【0101】
このような保護ブロック部材70の分割部材72が、図13に示すように、チェン64を構成するそれぞれのピンリンク68の対向する一対のリンクプレート68aのうちの、一方(図中下側)のリンクプレート28aの外側表面(図中下側の板面)に2つ設けられている。
【0102】
これら2つの分割部材72は、リンクプレート28aのチェン64の進行方向Sの前側(図13中左側)と後側(図中右側)の端部に、それぞれの分割部材72の本体部72aの背面(図中上側の面)がリンクプレート78aの外側表面(図中下側の板面)に沿って接触し、それぞれの分割部材72の、本体部72aの長さ方向のリンク保護部72cと反対側の端部を突き合わせるように配置されている。
【0103】
それぞれの分割部材72は、図14及び図15に示すように、リンクプレート28aの、チェン64の進行方向Sの前後それぞれの方向からスライドするように移動させることにより、リンクプレート28aに取り付けられるようになっている。
【0104】
このとき、図15に示すように、それぞれの分割部材72の上下の取付け部72bは、本体部72aの背面から本体部72aに対して略直角方向(図中右方)に突出した部分の互いに対向する内側の面の間の寸法が、リンクプレート28aの最大高さ寸法、すなわち、上辺部28cから下辺部28dまでの寸法より大きく形成されている。
【0105】
そして、上下の取付け部72bの、上本体部72aの中央部側に向かって略直角に折れ曲がったそれぞれの先端部の間の寸法は、ピンリンク68のリンクプレート28aの最大高さ寸法より小さく形成されている。
【0106】
そして、それぞれの取付け部72bの、本体部72aの中央部側に向かって略直角に折れ曲がった先端部と、本体部72aの外周部(本体部72aの上辺部や下辺部)の、互いに対向する内側の面の間の寸法は、ピンリンク68のリンクプレート28aの厚さ寸法より大きく形成されている。
【0107】
それにより、図15に示すように、それぞれの分割部材72は、本体部72aの上下の取付け部72bの溝状の係合部72gの溝の内側、すなわち、本体部72aの上辺部や下辺部と取付け部72bの先端部の間に、ピンリンク68のリンクプレート28aの上辺部28cや下辺部28dが配置されることによって、ピンリンク68から外れないように取り付けられている。
【0108】
また、分割部材72のリンク保護部72cは、本体部72aの中央部側に向かって略直角に折れ曲がった先端部と、本体部72aの外周部(本体部72aの左辺部)の間の寸法は、ピンリンク68のリンクプレート28aの厚さ寸法より大きく形成されている。
【0109】
それにより、図15に示すように、それぞれの分割部材72のリンク保護部72cの左辺部とリンク保護部72cの先端部の間に、ピンリンク68のリンクプレート28aの長さ方向の端部が配置されるようになっている。
【0110】
また、分割部材72のピン導入部72fは、本体部72aの背面から溝の底部までの深さ方向(図16(b)中上下方向)の寸法が、ピン29の頭部29aの高さ寸法より大きく形成されている。
【0111】
それにより、分割部材72をリンクプレート28aに取り付ける際に、図14及び図15に示すように、リンクプレート28aの上辺部28cや下辺部28dが、分割部材72の本体部72aの上辺部や下辺部と取付け部72bの先端部の間の空間を通り、ピン29の頭部29aが、分割部材72のピン導入部72fの内側を通って、分割部材72をチェン64の進行方向Sに移動させることができるようになっている。
【0112】
その他の構成は、前記第1の実施の形態に係るチェン24と同様であるため、このようなチェン64であっても、リンクプレートの構造を変更することなく、容易かつ安価に、リンクプレートの摩耗によるチェンの寿命の低下を防止することができる。
【0113】
そして、本実施の形態にかかるチェン64を用いることにより、前記第2の実施の形態に係るチェン44と同様に、保護ブロック部材70を交換する際に、ピンリンク68に取り付けた2つの分割部材72のうちの、より摩耗の激しい分割部材72(例えば、搬送対象物との接触の頻度が多くなるピンリンク68の前側の分割部材72)だけをピンリンク68から取り外して、新しい分割部材72に交換することができるようになっている。
【0114】
なお、本発明は、前記実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の目的を達成することができる範囲内であれば、種々の変更が可能である。
【0115】
例えば、前記第1ないし第3の実施の形態に係るチェン24,44,64においては、図3図10図14に示すように、保護ブロック部材32,52,72の本体部32a,52a,72aの長さ方向の端部の形状は、ピンリンク28,48,68のリンクプレート28aの端部の形状に沿うように略円弧状に形成されているが、本体部32a,52a,72aの端部の形状が円弧以外の形状、例えば、六角形や八角形のような多角形の外周部の一部分のような形状でもよいし、端部の形状が一直線に形成されていてもよい。
【0116】
また、前記第2の実施の形態に係るチェン44においては、図9に示すように、2つの分割部材52を連結するための手段として、2本のボルト53(及び2つのナット54)が用いられているが、2つの分割部材52を連結するためのボルトの数はこれより多くてもよいし、少なくてもよい。
【0117】
また、前記第2の実施の形態に係るチェン44においては、図9に示すように、2つの分割部材52を連結するための手段として、ボルト53とナット54が用いられているが、ボルトとナット以外の手段を用いてもよいし、2つの分割部材52を連結するための手段を備えていなくてもよい。
【0118】
また、前記第3の実施の形態に係るチェン64においては、図13に示すように、保護ブロック部材70の分割部材72は、2つの分割部材を連結するための構成を備えていないが、分割部材72が、前記第2の実施の形態に係るチェン44の保護ブロック部材50の分割部材52の連結部52fのような、2つの分割部材を連結するための構成を備えるようにしてもよい。
【0119】
また、前記第1ないし第3の実施の形態に係るチェン24,44,64においては、図1図8図12に示すように、保護ブロック部材32,52,72は、ローラリンク26とピンリンク28,48,68を交互に連結して形成されるチェン24,44,64のピンリンク28,48,68に取り付けられているが、一つのリンクの長さ方向の一方の端部にブシュ、他方の端部にピンがそれぞれ設けられて、そのリンクのブシュ側の外幅がピン側の内幅より小さく形成されたような、オフセット型のリンクが連結されて形成されるチェンのリンクのピン側の端部に取り付けられるようになっていてもよい。
【符号の説明】
【0120】
2 搬送装置
3 バケット
3a 開口部
4 チェン
5 アタッチメント
6 ローラリンク
6a リンクプレート
6b ブシュ
7 ローラ
8 ピンリンク
8a リンクプレート
9 ピン
14 チェン
18 ピンリンク
18a リンクプレート
20 保護ブロック部材
21 固定ボルト
22 搬送装置
24 チェン
26 ローラリンク
26a リンクプレート
26b ブシュ
26c 中心孔
27 ローラ
28 ピンリンク
28a リンクプレート
28b ピン孔
28c 上辺部
28d 下辺部
29 ピン
29a 頭部
29b 貫通孔
30 抜止めピン
31 オイルシール
32 保護ブロック部材
32a 本体部
32b 取付け部
32c リンク保護部
32d ピン保護部
32e 傾斜部
44 チェン
48 ピンリンク
50 保護ブロック部材
52 分割部材
52a 本体部
52b 取付け部
52c リンク保護部
52d ピン保護部
52e 傾斜部
52f 連結部
52g ボルト孔
64 チェン
68 ピンリンク
70 保護ブロック部材
72 分割部材
72a 本体部
72b 取付け部
72c リンク保護部
72d ピン保護部
72e 傾斜部
72f ピン導入部
72g 係合部
S 進行方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20