(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181686
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】照明器具および照明システム
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20221201BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20221201BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20221201BHJP
F21V 23/04 20060101ALI20221201BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20221201BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20221201BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21S2/00 230
F21S8/04 130
F21V23/00 140
F21V23/04 500
F21V23/00 160
F21V23/00 120
F21Y103:10
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021088753
(22)【出願日】2021-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大島 悠一
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 弥生
(72)【発明者】
【氏名】池谷 博文
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014BA00
3K014GA03
(57)【要約】
【課題】照明器具内部の空間を確保し易い照明器具および照明システムを得ることを目的とする。
【解決手段】本開示に係る照明器具は、支持部材と、前記支持部材の第1面に設けられた光源と、前記支持部材の前記第1面と反対側の第2面に設けられ、前記光源を点灯させる点灯装置と、前記支持部材の前記第2面に設けられ、前記点灯装置と通信する通信ユニットと、を備え、前記通信ユニットは、前記支持部材の短手方向で前記点灯装置に隣接して設けられる。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持部材と、
前記支持部材の第1面に設けられた光源と、
前記支持部材の前記第1面と反対側の第2面に設けられ、前記光源を点灯させる点灯装置と、
前記支持部材の前記第2面に設けられ、前記点灯装置と通信する通信ユニットと、
を備え、
前記通信ユニットは、前記支持部材の短手方向で前記点灯装置に隣接して設けられることを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記通信ユニットのケースと、前記点灯装置のケースは接触することを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記通信ユニットのケースは、前記点灯装置のケースと嵌合する第1嵌合部を有することを特徴とする請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記光源を覆う光源カバーを備え、
前記通信ユニットのケースは、前記光源カバーと嵌合する第2嵌合部を有することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の照明器具。
【請求項5】
前記通信ユニットは、
無線信号を受信するアンテナと、
前記アンテナで受信した前記無線信号を、前記点灯装置を制御するための制御信号に変換する通信制御部と、
前記通信制御部を収納するケースと、
を備え、
前記アンテナは、前記通信ユニットのうち前記支持部材側に設けられることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の照明器具。
【請求項6】
前記点灯装置は、前記通信ユニットと通信する通信端子を有し、
前記通信ユニットは、前記点灯装置の前記通信端子側に設けられることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の照明器具。
【請求項7】
前記点灯装置に対して前記通信ユニットと反対側に、前記点灯装置に電力を供給する電源線が配置されることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の照明器具。
【請求項8】
請求項1から7の何れか1項に記載の照明器具と、
前記通信ユニットと通信する照明制御機器と、
を備えることを特徴とする照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明器具および照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、発光ユニットが開示されている。この発光ユニットは、複数の半導体発光素子と、複数の半導体発光素子が実装される発光素子基板と、複数の半導体発光素子の電力供給源である電源部と、半導体発光素子の発光に関する制御を行う制御部とを備える。また発光ユニットは、発光素子基板が取り付けられる第1面と、第1面の反対面である第2面であって、電源部および制御部が設けられる第2面とを有する支持部材を備える。制御部は、信号を受信するアンテナと、アンテナで受信した信号に応じて電源部から供給される電力を制御する無線制御部とを有する。無線制御部は、第2面に設けられ、かつ電源部と離間している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、電源部と無線制御部とが照明器具の長手方向に離間して設けられる。この構成によると、他の部材を配置するスペースの確保が困難となる可能性がある。具体的には、例えば器具本体を固定する吊りボルトと、電源部または無線制御部が干渉するおそれがある。また、電源線の配線スペースを確保するのが困難となるおそれがある。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、照明器具内部の空間を確保し易い照明器具および照明システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る照明器具は、支持部材と、前記支持部材の第1面に設けられた光源と、前記支持部材の前記第1面と反対側の第2面に設けられ、前記光源を点灯させる点灯装置と、前記支持部材の前記第2面に設けられ、前記点灯装置と通信する通信ユニットと、を備え、前記通信ユニットは、前記支持部材の短手方向で前記点灯装置に隣接して設けられる。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る照明器具では、通信ユニットが支持部材の短手方向で点灯装置に隣接して設けられる。従って、照明器具内部の空間を確保し易い。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る照明器具の斜視図である。
【
図2】実施の形態1に係る照明器具を別の方向から見た斜視図である。
【
図3】実施の形態1に係る光源ユニットを器具本体から取り外した状態を示す図である。
【
図4】実施の形態1に係る光源ユニットの斜視図である。
【
図5】実施の形態1に係る通信ユニットを分解した状態を示す図である。
【
図6】実施の形態1に係る通信ユニットの斜視図である。
【
図7】実施の形態1に係る通信基板の平面図である。
【
図8】実施の形態1に係る点灯装置と通信ユニットの配置を説明する図である。
【
図9】実施の形態1に係る照明器具の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施の形態に係る照明器具および照明システムについて図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明器具1の斜視図である。
図2は、実施の形態1に係る照明器具1を別の方向から見た斜視図である。
図3は、実施の形態1に係る光源ユニット2を器具本体3から取り外した状態を示す図である。照明器具1は、光源ユニット2と、光源ユニット2を天井に保持する器具本体3を備える。器具本体3と光源ユニット2は、例えば、ばね3aを介して着脱自在である。このため、ユーザによって色温度または明るさの異なる光源ユニット2を選定し、取り換えることが可能である。
【0011】
図4は、実施の形態1に係る光源ユニット2の斜視図である。光源ユニット2は、長尺状の支持部材12を備える。支持部材12はフレームとも呼ばれる。支持部材12には、ばね3aと係合するばね受け金具12aが設けられる。
図4に示されるX方向は支持部材12の短手方向であり、Y方向は支持部材12の長手方向である。
【0012】
支持部材12の第1面には光源が設けられる。支持部材12の第1面と反対側の第2面には、光源を点灯させる点灯装置5が設けられる。点灯装置5は、光源に供給する電力を制御する。また、支持部材12の第2面には、点灯装置5と通信する通信ユニット4が設けられる。点灯装置5と通信ユニット4は、器具本体3と支持部材12の間に収納される。
【0013】
通信ユニット4は、他の照明器具又は照明制御機器からの指令に応じて、点灯装置5を制御する。通信ユニット4は、他の照明器具又は照明制御機器から、例えば明るさを変更するための調光指令を受信する。通信ユニット4は受信した調光指令を、点灯装置5を制御するための制御信号に変換し、点灯装置5に送信する。点灯装置5は受信した制御信号に応じて光源に供給する電力を変更する。これにより、照明器具1の明るさが変更される。
【0014】
図5は、実施の形態1に係る通信ユニット4を分解した状態を示す図である。
図6は、実施の形態1に係る通信ユニット4の斜視図である。通信ユニット4は、通信基板6と、通信基板6を収納する樹脂ケース7と、点灯装置5と接続する信号線8とを備える。信号線8は、点灯装置5から通信ユニット4を駆動するための電源が供給される2本の線と、点灯装置5と制御信号を送受信する2本の線の少なくとも4本の線を有する。
【0015】
図7は、実施の形態1に係る通信基板6の平面図である。通信ユニット4は、他の照明器具又は照明制御機器からの無線信号を受信するアンテナ9を備える。また、通信ユニット4は、アンテナ9で受信した無線信号を、点灯装置5を制御するための制御信号に変換して点灯装置5に送信する通信制御部10を備える。アンテナ9と通信制御部10は、通信基板6に実装されている。
【0016】
図7においてアンテナ9は、通信基板6上に銅箔で形成されている。これに限らず、アンテナ9は専用部品であるチップアンテナであっても良い。また、アンテナ9は電線で形成されたリードアンテナであっても良い。また、アンテナ9は樹脂ケース7の外に設けられても良い。また、アンテナ9の長さは、無線通信で使用する周波数の1/4波長とすると良い。これにより安定した無線通信が可能となる。
【0017】
照明制御機器は照明器具1の点灯状態または消費電力等の情報を収集しても良い。この場合、アンテナ9が照明制御機器からの指令を受信すると、通信制御部10は点灯装置5に状態確認を行う。通信制御部10は、状態確認で得られた情報を、アンテナ9を介して照明制御機器に応答する。
【0018】
図8は、実施の形態1に係る点灯装置5と通信ユニット4の配置を説明する図である。通信ユニットは、支持部材の短手方向で点灯装置5に隣接して設けられる。通信ユニット4は、支持部材12の短手方向における点灯装置5の横の隙間に配置される。また、通信ユニット4の樹脂ケース7と、点灯装置5のケースは接触する。通信ユニット4の樹脂ケース7と、点灯装置5のケースは互いに密着するように固定されても良い。本実施の形態では、点灯装置5と通信ユニット4が隣接して設けられるため、信号線8を短縮できる。このため、信号線8に重畳されるノイズを軽減でき、通信不具合を抑制することができる。
【0019】
点灯装置5は、通信ユニット4と通信する通信端子11を有する。通信端子11は信号線8と接続される。通信ユニット4は、点灯装置5の通信端子11側に設けられる。これにより、さらに通信ユニット4と点灯装置5を接続するための経路を短縮できる。
【0020】
通信ユニット4は、通信基板6と点灯装置5の側面とが対向するように配置される。このとき、アンテナ9は通信ユニット4のうち支持部材12側に設けられる。つまり、
図8の状態において、アンテナ9は通信ユニット4内部の下側に設けられる。
図8では、アンテナ9の位置が破線で示されている。照明器具1は、例えば器具本体3が天井裏もしくは天井に配置される。このとき、アンテナ9を支持部材12側に配置することで、照明器具1が設置された状態において床面側の電波強度を強めることができる。従って、アンテナ9による無線通信を安定させることができる。
【0021】
また、支持部材12にはスリットが形成されていても良い。スリットは例えば長孔形状であり、支持部材12の短手方向において点灯装置5の横に形成される。アンテナ9は、スリットと平面視で重なるように配置されている。これにより、アンテナ9の受信感度をさらに向上できる。また、スリットが支持部材12の短手方向において点灯装置5の側方に形成されることで、スリットを設けたことによる剛性の低下を点灯装置5のケースにより補強できる。
【0022】
また、通信ユニット4と点灯装置5は信号線8による接続に限らず、直接接続されても良い。例えば、点灯装置5から突出するコネクタに通信ユニット4から突出するコネクタが直接接続されても良い。これにより、通信ユニット4と点灯装置5を接続するための経路をさらに短縮できる。
【0023】
図9は、実施の形態1に係る照明器具1の断面図である。
図10は
図9の範囲Aの拡大図である。点灯装置5は、点灯装置基板16と、点灯装置基板16を収納するケーストップ17およびケースボトム18を備える。点灯装置基板16には光源15の点灯状態を制御するための回路が形成される。点灯装置基板16には例えば、光源15を点灯させる電力を供給するスイッチング回路等の点灯回路と、点灯回路を制御する制御回路が形成される。ケーストップ17とケースボトム18は、例えば板金で構成される。
【0024】
光源ユニット2は、光源15を覆う光源カバー19を備える。光源カバー19は、光源15からの光が透過し、例えば樹脂カバーである。光源カバー19は支持部材12に結合される。支持部材12は、第1面と第2面を有する主部12bと、主部12bの短手方向の端部から第2面側に延びる側部12cを有する。光源カバー19は支持部材12を保持する保持部19aを有する。保持部19aは、支持部材12の主部12bの一部と側部12cを覆う。
【0025】
通信ユニット4の樹脂ケース7は、嵌合部13と嵌合部14を有する。嵌合部13、14は、樹脂ケース7の外方向に突出する凸部である。嵌合部13は、光源カバー19と嵌合する。嵌合部13は、光源カバー19の保持部19aと接触する。また、嵌合部13は、支持部材12の側部12cと接触しても良い。嵌合部14は、点灯装置5のケーストップ17と嵌合する。これにより、通信ユニット4と点灯装置5は密着するように固定される。嵌合部13と嵌合部14により、容易に通信ユニット4を光源ユニット2から着脱できる。これによりユーザは、通信機能の有無または通信機能の種類を選択できる。
【0026】
また、支持部材12の短手方向において、点灯装置5に対して通信ユニット4と反対側に、点灯装置5に電力を供給する電源線20が配置される。本実施の形態では、点灯装置5の一方の側に通信ユニット4を配置することで、点灯装置5の他方の側に光源ユニット2に電力を供給するための電源線20用の引き回しスペースを確保できる。
【0027】
本実施の形態では、通信ユニット4が支持部材12の短手方向で点灯装置5に隣接して設けられる。従って、照明器具1内部の空間を確保し易い。具体的には、通信ユニット4と点灯装置5が支持部材12の短手方向に並ぶことで、長手方向に並ぶ場合と比較して、吊りボルトまたは電源線等の部材を配置するスペースを確保し易くできる。また、点灯装置5と支持部材12が離間せず略一体化されることで、さらにスペースを確保し易くできる。
【0028】
支持部材12の第2面を基準として、通信ユニット4の樹脂ケース7の高さは、点灯装置5の高さと同等であっても良い。これにより、通信ユニット4を設けるために、器具本体3の凹部を大きくする必要がない。従って、照明器具1の大型化を抑制できる。
【0029】
また、通信ユニット4は支持部材12に対して立った状態で配置される。これにより、通信ユニット4を配置するスペースをさらに抑制できる。
【0030】
本実施の形態では、通信ユニット4は外部と無線通信を行うものとした。これに限らず、通信ユニット4は外部と有線で通信を行っても良い。この場合、アンテナ9は設けられなくても良い。
【0031】
また、本実施の形態の照明器具1と通信ユニット4と通信する照明制御機器とで、照明システムを構成しても良い。
【0032】
なお、本実施の形態で説明した技術的特徴は適宜に組み合わせて用いても良い。
【符号の説明】
【0033】
1 照明器具、2 光源ユニット、3 器具本体、3a ばね、4 通信ユニット、5 点灯装置、6 通信基板、7 樹脂ケース、8 信号線、9 アンテナ、10 通信制御部、11 通信端子、12 支持部材、12a ばね受け金具、12b 主部、12c 側部、13 嵌合部、14 嵌合部、15 光源、16 点灯装置基板、17 ケーストップ、18 ケースボトム、19 光源カバー、19a 保持部、20 電源線、