(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022018169
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】スクワット運動補助器具
(51)【国際特許分類】
A63B 23/04 20060101AFI20220120BHJP
【FI】
A63B23/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020121078
(22)【出願日】2020-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】718000749
【氏名又は名称】草次 隆司
(72)【発明者】
【氏名】草次隆司
(57)【要約】 (修正有)
【課題】効果的なフォームでスクワットを行うことのできるスクワット運動補助器具の提供。
【解決手段】スクワット運動補助器具は、使用する者(以降使用者とする)の上半身の重心を、膝からできるだけ壁方向に遠ざけるようにすることによりバーベルなどを用いずに可能な最大限の運動負荷で安全なスクワット運動を実現するために、クッション性を備えた円柱形、もしくは表面にクッション層を有し硬質素材の筒を芯とする円筒形の形状をしたスクワット運動の補助器具であり、使用者が、壁もしくは柱などの垂直方向の案内面(以降案内面とする)に沿って、使用者の上半身が前傾しないように背中の面を案内面と平行に保った姿勢でスクワット運動をするために、使用者の背中と案内面の間に回転軸を水平にして挟まれた状態で転がりながら、屈伸運動をする使用者の背中を支えるためのスクワット運動補助器具である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クッション性を備えた円柱形、もしくは表面にクッション層を有し硬質素材の筒を芯とする円筒形の形状をした、スクワット運動の補助器具であり、使用する者(以降使用者とする)が、壁もしくは柱などの垂直方向の案内面(以降案内面とする)に沿って、使用者の上半身が前傾しないように背中の面を案内面と平行に保った姿勢でスクワット運動をするために、使用者の背中と案内面の間に回転軸を水平にして挟まれた状態で転がりながら、屈伸運動をする使用者の背中を支えるためのスクワット運動補助器具。
【請求項2】
背中および案内面に接する、軟質素材の表面には、成形された凹凸形状パターンや梨地などの滑り止めの加工がなされた請求項1に記載のスクワット運動補助器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスクワット運動補助器具に関する。さらに詳しくは、大腿四頭筋群、大殿筋などの人体で最大の筋肉群を鍛錬する運動を、バーベルなどのウエイトを用いることなく、効果を高める最適なフォームでスクワットを行うことができるように補助するための器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
大腿四頭筋群、大殿筋の鍛錬は、外観的には引き締まった太腿とお尻の形成、健康増進を図るうえでは、歩行、階段上りなど日常生活で重要な脚力を強化し、さらには大筋群であるがゆえに筋肉量の増加による基礎代謝量増加効果があり、体脂肪がつきにくい体質に改善できる。そのための効果的な運動がスクワットである。しかしスクワットは一見単純な動作に見えて、十分な運動負荷を得るためには効果的なフォームで行う必要があり簡単ではない。すでに効果的なフォームで行うための器具は存在する。一つはスミスマシンのようなフィットネスジムなどにある大型のマシンである。しかし、より手軽に家庭で効果的なスクワットができることには大きなメリットがある。すでに家庭用のコンパクトな器具も提案されている。本発明に関連する先行技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
開示した先行技術はコンパクトで壁に限らず柱などわずかな垂直面さえあればガイドにして運動でき、静粛で使い心地のいいスクワット補助器具ではあるが、該当器具をベルトで胴体に取り付けるというひと手間を省ければ、より手軽に運動ができる。またベルトを省き構成をシンプルにすることができれば、一層製造が容易になり、コストダウンも可能になる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するための請求項1に係るスクワット補助器具はクッション性を備えた円柱形、もしくは表面にクッション層を有し硬質素材の筒を芯とする円筒形の形状をしたスクワット運動の補助器具であり、使用する者(以降使用者とする)が、壁もしくは柱などの垂直方向の案内面(以降案内面とする)に沿って、使用者の上半身が前傾しないように背中の面を案内面と平行に保った姿勢でスクワット運動をするために、使用者の背中と案内面の間に回転軸を水平にして挟まれた状態で転がりながら、屈伸運動をする使用者の背中を支えることを特徴とする。
【0006】
上記の課題を解決するための本発明の請求項2に係るスクワット運動補助器具は、背中および垂直方向の案内面に接する、軟質素材の表面には、成形された凹凸形状パターンや梨地などの滑り止めの加工がなされていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明のフィットネス器具は、効果的なフォームと運動の軌道でのスクワットを簡単に行うことができる補助器具で、使用者の体重を効果的に用い、より強い運動効果をえられるため、引き締まった太腿とお尻の形成し、歩行、階段上りなど日常生活で重要な脚力を強化し、美容と健康増進を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本スクワット運動補助器具円柱型の全様を示した斜め前方よりの斜視図である。
【
図2】
図2は、本スクワット運動補助器具円筒型の全様を示した斜め前方よりの斜視図である。
【
図3】
図3は、本スクワット運動補助器具円柱型を用いた運動のスタート時の姿勢を表した斜め上方よりの斜視図である。
【
図4】
図4は、本スクワット運動補助器具円柱型を用いたスクワット運動のスタート時の姿勢を表した側面図である。
【
図5】
図5は、本スクワット運動補助器具円柱型を用いてのスクワット運動でのしゃがみこんだ状態を表した側面図である。
【
図6】
図6は、本スクワット運動補助器具を用ないスクワット運動のしゃがみこんだ状態を表した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
クッション性を備えた円柱形、もしくは表面にクッション層を有し硬質素材の筒を芯とする円筒形の形状をした、スクワット運動の補助器具であり、使用者が、案内面に沿って、使用者の上半身が前傾しないように背中の面を案内面と平行に保った姿勢でスクワット運動をするために、使用者の背中と案内面の間に回転軸を水平にして挟まれた状態で転がりながら、屈伸運動をする使用者の背中を支える働きをし、背中および垂直方向の案内面に接する、円柱形クッション及び円筒形表面のクッション層を形成する軟質素材の表面には、成形された凹凸形状パターンや梨地などの滑り止めの加工がなされたスクワット運動補助器具である。
【実施例0010】
図1に示すのは本器具円柱型である1円柱型回転体クッションの全体図である。発泡ウレタンなどの適度な弾力性を備えた軟質素材の円柱である。円柱の寸法は直径8cmから20cmの間で、長さが20cmから40cmの間程度が使い勝手がよい。適度な弾力性とは、使用者が不快であるほどには固くなく、使用者が背中と案内面に挟んで使用するときに転がることができる程度に円柱形を保てる弾力性である。また軟質素材であることで使用者は使い心地がよく、案内面を痛めることもない。また本器具円柱型の表面には成形された凹凸形状パターンや梨地などの滑り止めの加工を施すことにより、運動時にガイド面に対し滑ることなく、うまく回転することより壁や柱などの垂直方向の案内面を摩擦によるダメージから守ることができる。
【0011】
図2に示すのは本器具円筒型の全体図である。硬質塩化ビニールなどの剛性をもった円筒形の心材2円筒心材の外側表面を、発泡ウレタンなどの適度な弾力性を備えた3表面滑り止め軟質素材クッション層で覆っている。円筒の寸法は3表面滑り止め軟質素材クッション層を含む外径直径8cmから20cmの間で、長さが20cmから40cmの間程度が使い勝手がよい。適度な弾力性とは、使用者が不快であるほどには固くない弾力性である。外側を3表面滑り止め軟質素材クッション層で覆うことにより使用者は使い心地がよく、案内面を痛めることもない、また本器具円筒型の3表面滑り止め軟質素材クッション層の表面には成形された凹凸形状パターンや梨地などの滑り止めの加工がなされているので、運動時、案内面に対し滑ることなく、うまく回転することより、壁や柱などの案内面を摩擦によるダメージから守ることができる。
【0012】
図3は本器具円柱型の使用時の初期姿勢の斜視図である。本器具円柱型と本器具円筒型の使用方法と効果は全く同じなので、以降は本器具円柱型を例に説明を進めるが、同時に本器具円筒型の説明も全く同じ内容でなされたものとする。本器具円柱型を、回転軸を水平にして背中と案内面の間に挟み、案内面にややもたれかかるように、両足を壁面から適切な距離を離して立つ。適切な距離とは使用者がスクワット時のしゃがんだ姿勢でつま先と膝の位置が前後方向でおおむね一致する位置を目安とする。また足の位置を案内面から離すほど運動負荷は大きくなる。
【0013】
図4は本器具円柱型を使用時の初期姿勢の側面図である。本器具円柱型を、回転軸を水平にして使用者の背中と案内面との間に挟み、両足を案内面から前述の適切な距離を離して立つ。この状態で案内面にもたれかかるように立つと
図5に示す姿勢になる。本器具円柱形の位置はスクワットの上下のストロークを考慮して、背中の下の方に挟むとよい。更に使用者がしゃがみ始めると(→b方向に移動する)→cのように本器具円柱型が使用者の背中と案内面の間に挟まれたまま転がり、スムーズに使用者はしゃがむことができる。本器具円柱形を、使用者の背中と案内面との間に挟んだ状態を維持しながら運動することにより、使用者の背中の面を案内面と平行に保ち、使用者の上半身が前傾することを防止できる。
【0014】
図5は本器具円柱型を使用時のしゃがんだ姿勢の側面図である。使用者の上半身が前傾しないことにより、A上半身の重心がB膝関節の位置から水平方向で遠い位置になることがわかる。つまり大腿四頭筋、及び殿筋群への荷重のモーメントが大きくなり、高い運動負荷が得られる。更にこの姿勢から立ち上がる時(→d方向に移動する)、本器具円柱型は→eの方向に回転し、使用者の背中と案内面の間に挟まれたまま転がり、使用者の背中を支えるため使用者はスムーズに立ち上がることができる。本器具円柱型を、使用者の背中と案内面との間に挟んだ状態を維持しながら運動することにより、使用者の背中の面を案内面と平行に保ち、使用者の上半身が前傾することを防止できる。
図4の姿勢と
図5の姿勢を交互に繰り返す屈伸運動が本器具円柱型を使用してのスクワット運動となる。
【0015】
図6は本スクワット運動補助器具を用いずに行う、スクワット運動のしゃがんだ姿勢の側面図である。A上半身の重心がB膝関節の位置に近くなっている。後方に転倒しないようにバランスとるためには上半身を前方に傾けざるを得ないためである。D上半身の重心と膝の位置との水平距離(
図6)に対し、C上半身の重心と膝の位置との水平距離(
図5)のほうが長く、の本スクワット運動補助器具を使用したほうが荷重のモーメントが大きく、高い運動負荷が得られることがわかる。