(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181698
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】サーバ装置
(51)【国際特許分類】
G10K 15/02 20060101AFI20221201BHJP
G10K 15/04 20060101ALI20221201BHJP
H04R 27/00 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
G10K15/02
G10K15/04 302D
H04R27/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021088775
(22)【出願日】2021-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】岡田 勇太
【テーマコード(参考)】
5D208
【Fターム(参考)】
5D208BA02
5D208BB01
5D208BB08
5D208BB10
5D208BD01
5D208CA10
5D208CE02
5D208CG05
5D208CG10
(57)【要約】
【課題】競技場でスポーツ競技を行う競技者に対する応援を、競技場外から可能とする新規なサーバ装置を提供する。
【解決手段】競技者に設定された応援歌の演奏音を再生するためのカラオケ演奏データを競技者識別情報と紐付けて記憶するデータ記憶部、一の競技者識別情報を指定する指定部、指定された一の競技者識別情報に紐付けられたカラオケ演奏データを、所定の端末装置に対して送信する第1の送信部、応援歌データを生成する生成部、生成した応援歌データを、指定された一の競技者識別情報に対応する競技者がスポーツ競技を行う競技場の放音手段に送信する第2の送信部を有するサーバ装置。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
競技場で行われるスポーツ競技を当該競技場外で観戦するリモート観戦者が所有する端末装置と通信可能に接続されたサーバ装置であって、
スポーツ競技を行う競技者に設定された応援歌の演奏音を再生するためのカラオケ演奏データを、当該競技者を識別するための競技者識別情報と紐付けて記憶するデータ記憶部と、
一の競技者識別情報を指定する指定部と、
指定された一の競技者識別情報に紐付けられたカラオケ演奏データを、所定の端末装置に対して送信する第1の送信部と、
前記所定の端末装置から取得した、リモート観戦者が応援歌の演奏音に合わせて行ったカラオケ歌唱に伴う歌唱音声に対応する音声データ、及び前記指定された一の競技者識別情報に紐付けられたカラオケ演奏データに基づいて、応援歌データを生成する生成部と、
生成した前記応援歌データを、前記指定された一の競技者識別情報に対応する競技者がスポーツ競技を行う競技場の放音手段に送信する第2の送信部と、
を有するサーバ装置。
【請求項2】
前記データ記憶部は、リモート観戦者が任意に選択した競技者及び/または当該競技者が所属するチーム名に対応する登録情報を、当該リモート観戦者が所有する端末装置を識別するための端末識別情報と紐付けて記憶し、
前記第1の送信部は、前記サーバ装置と通信可能に接続されている複数の端末装置のうち、前記登録情報に基づいて特定した端末装置に対してのみ、前記カラオケ演奏データを送信することを特徴とする請求項1記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記データ記憶部は、カラオケ演奏データ及び競技者識別情報に対し、当該競技者識別情報に対応する競技者の背番号、及び当該競技者が所属するチーム名を紐付けて記憶し、
前記指定部は、競技者を撮影して得られる映像に基づいて、当該競技者の背番号及び当該競技者が所属するチーム名を特定し、特定した背番号及びチーム名に紐付けられた競技者識別情報を指定することを特徴とする請求項1または2記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記データ記憶部は、カラオケ演奏データ及び競技者識別情報に対し、応援歌の歌詞に対応する歌詞データを紐付けて記憶し、
前記第1の送信部は、前記指定された一の競技者識別情報に紐付けられたカラオケ演奏データ、及び当該カラオケ演奏データに紐付けられた歌詞データを、前記所定の端末装置に対して送信することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記データ記憶部は、カラオケ演奏データ及び競技者識別情報に対し、当該競技者識別情報に対応する競技者が所属するチーム名を紐付けて記憶し、
前記第2の送信部は、生成した前記応援歌データを、競技場の異なる位置に設置された複数の放音手段のうち、チーム名に基づき特定した放音手段に送信することを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載のサーバ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はサーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プロ野球やプロサッカーのようなスポーツ競技は、感染症対策のためにやむを得ず無観客となることがある。この場合、観戦者は、自宅のテレビや自らが所有するスマートフォン等で、遠隔地からスポーツ競技の観戦を行う。
【0003】
ここで、特許文献1には、拍手、笛、太鼓、応援歌、旗等であって、放送中の場面に合わせて視聴者が希望する効果音、効果映像等のような応援コンテンツを予め記憶しておき、視聴者がTVのリモコンを操作しながら、視聴中の番組の場面に合わせて選択した応援コンテンツをTVから同期して出力できる技術が開示されている。
【0004】
また、非特許文献1には、自宅などの離れた場所からインタラクティブにスポーツ観戦を楽しめるようにするアプリが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003-046982号公報
【非特許文献1】“リモート応援システム『Remote Cheerer powered by SoundUD』”、ヤマハ株式会社[online]、[令和3年5月21日検索]、インターネット<URL:https://soundud.org/serviceinfo/products08/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、競技場でスポーツ競技を行う競技者に対する応援を、競技場外から可能とする新規なサーバ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための一の発明は、競技場で行われるスポーツ競技を当該競技場外で観戦するリモート観戦者が所有する端末装置と通信可能に接続されたサーバ装置であって、スポーツ競技を行う競技者に設定された応援歌の演奏音を再生するためのカラオケ演奏データを、当該競技者を識別するための競技者識別情報と紐付けて記憶するデータ記憶部と、一の競技者識別情報を指定する指定部と、指定された一の競技者識別情報に紐付けられたカラオケ演奏データを、所定の端末装置に対して送信する第1の送信部と、前記所定の端末装置から取得した、リモート観戦者が応援歌の演奏音に合わせて行ったカラオケ歌唱に伴う歌唱音声に対応する音声データ、及び前記指定された一の競技者識別情報に紐付けられたカラオケ演奏データに基づいて、応援歌データを生成する生成部と、生成した前記応援歌データを、前記指定された一の競技者識別情報に対応する競技者がスポーツ競技を行う競技場の放音手段に送信する第2の送信部と、を有するサーバ装置である。
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、競技場でスポーツ競技を行う競技者に対する応援を、競技場外から行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態に係るリモート応援システムの概略を示す図である。
【
図2】第1実施形態に係るサーバ装置を示す図である。
【
図3】第1実施形態に係るデータ記憶部が記憶するテーブルを示す図である。
【
図4】第1実施形態に係るサーバ装置の処理を示すフローチャートである。
【
図5】第2実施形態に係るリモート応援システムの概略を示す図である。
【
図6】第2実施形態に係るサーバ装置の処理を示すフローチャートである。
【
図7】変形例1に係るデータ記憶部が記憶するテーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
図1~
図4を参照して、本実施形態に係るサーバ装置について説明する。
【0011】
==リモート応援システム==
図1に示すように、本実施形態に係るリモート応援システムRSはサーバ装置S及び端末装置T1を含む。サーバ装置Sと端末装置T1とはネットワークを介して通信可能に接続されている。
【0012】
サーバ装置Sは、各種情報の管理、及び各種処理を実行するコンピュータである。サーバ装置Sの設置場所は特に限定されない。たとえば、サーバ装置Sは、競技場に設置されてもよいし、競技場とは異なる場所に設置されてもよい。
【0013】
競技場は、競技者がスポーツ競技を行う場である。
図1の例では、競技場として野球場BPを示している。野球場BPでは、たとえば、プロ野球の選手が野球の試合を行う。プロ野球の選手は「競技者」の一例であり、野球の試合は「スポーツ競技」の一例である。
【0014】
競技場には、放音手段が設置されている。放音手段は、サーバ装置と通信可能に接続されている。放音手段は、サーバ装置から受信した応援歌データ(詳細は後述)を再生し、応援歌等を放音する。放音手段は、応援歌データを再生するためのシステムや、応援歌等を放音するためのスピーカを含む。
図1の例では、野球場BPに放音手段SRが設置されている。
【0015】
端末装置は、たとえば、家庭用のテレビゲーム機器、PC、タブレット端末、携帯端末のようなコンピュータである。端末装置は、マイク、スピーカ、ディスプレイ、各種操作入力を行うための操作手段等を有する。なお、マイク等の一部の構成は、端末装置とは別に設けられていてもよい(所謂、外付けのマイク等を用いてもよい)。
【0016】
端末装置の所有者は、端末装置を使用して、或いは端末装置とは別の装置を使用して、競技場で行われるスポーツ競技を競技場外(たとえば自宅)で観戦することができる。この場合、端末装置の所有者は「リモート観戦者」に相当する。
図1に示す端末装置T1は、リモート観戦者W1が所有する。
【0017】
更に、本実施形態において、端末装置にはリモート応援用のプログラムが予めインストールされている。リモート観戦者は、競技場で行われるスポーツ競技を競技場外で観戦しながら、リモート応援用のプログラムを実行する端末装置を利用して応援を行うことができる(詳細は後述)。
【0018】
==サーバ装置==
図2は、サーバ装置Sの構成を示す図である。サーバ装置Sは、記憶手段10、通信手段20、及び制御手段30を備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0019】
[記憶手段]
記憶手段10は、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置である。本実施形態において、記憶手段10の記憶領域の一部は、データ記憶部100として機能する。
【0020】
(データ記憶部)
データ記憶部100は、カラオケ演奏データを、競技者識別情報と紐付けて記憶する。
【0021】
カラオケ演奏データは、応援歌の演奏音を再生するためのデータである。応援歌は、スポーツ競技を行う競技者に設定された専用の音楽である。なお、複数の競技者に対して同じ応援歌が設定される場合もありうる。応援歌の演奏音は、たとえば、トランペット、笛、太鼓など(所謂、鳴り物)による音である。有観客でスポーツ競技を行う場合、観戦者は、競技場における応援団の演奏に合わせて応援歌を歌唱することにより、競技者を応援することができる。
【0022】
競技者識別情報は、たとえば、競技者を識別するための競技者ID等、各競技者に固有の情報である。
【0023】
図3は、データ記憶部100が記憶するテーブルの一例である。たとえば、プロ野球の選手X01の競技者ID(ID***X01)には、専用の応援歌F01に対応するカラオケ演奏データK01が紐付けられている。
【0024】
[通信手段]
通信手段20は、端末装置T1及び野球場BPの放音手段SRとの通信を行うためのインターフェースを提供する。
【0025】
[制御手段]
制御手段30は、サーバ装置Sにおける各種の制御を行う。制御手段30は、CPU及びメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0026】
本実施形態においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段30は、指定部200、第1の送信部300、生成部400、及び第2の送信部500として機能する。
【0027】
(指定部)
指定部200は、一の競技者識別情報を指定する。競技者識別情報の指定は様々な方法により行うことができる。本実施形態において、指定部200は、端末装置からの入力に基づいて競技者識別情報の指定を行う。
【0028】
たとえば、リモート観戦者W1は、野球場BPで行われるプロ野球チームTgとプロ野球チームGaの試合を自宅のテレビで観戦しながら、端末装置T1(たとえばスマートフォン)を利用して贔屓のプロ野球チームTgに所属する選手を応援したいと考えたとする。
【0029】
この場合、リモート観戦者W1は、端末装置T1を操作し、リモート応援用のプログラムの実行を指示する。プログラムの実行により、端末装置T1はサーバ装置Sとの通信が可能となる。
【0030】
その後、試合が開始され、プロ野球チームTgに所属する選手X01の打順になったとする。この場合、リモート観戦者W1は、端末装置T1を操作し、選手X01の選手ID(ID***X01)を入力する。端末装置T1は、入力された選手IDをサーバ装置Sに送信する。指定部200は、受信した選手IDを一の競技者識別情報として指定する。
【0031】
(第1の送信部)
第1の送信部300は、指定された一の競技者識別情報に紐付けられたカラオケ演奏データを、所定の端末装置に対して送信する。
【0032】
第1の送信部300は、指定された一の競技者識別情報に紐付けられたカラオケ演奏データが、データ記憶部100に記憶されているかどうかを確認する。カラオケ演奏データが記憶されている場合、第1の送信部300は、データ記憶部100から当該カラオケ演奏データを読み出し、所定の端末装置に送信する。本実施形態において、所定の端末装置は、競技者識別情報を入力した端末装置である。
【0033】
たとえば、指定部200が、端末装置T1から受信した選手ID(ID***X01)を一の競技者識別情報として指定したとする。この場合、第1の送信部300は、
図3に示したテーブルを参照し、指定された選手ID(ID***X01)に紐付けられたカラオケ演奏データK01を読み出す。第1の送信部300は、読み出したカラオケ演奏データK01を端末装置T1に送信する。この例において、端末装置T1は「所定の端末装置」に相当する。
【0034】
端末装置T1は、受信したカラオケ演奏データK01に基づいて選手X01の応援歌の演奏音を再生し、スピーカから放音する。リモート観戦者W1は、選手X01の打席を観戦しながら、応援歌に合わせてカラオケ歌唱を行う。端末装置T1のマイクは、リモート観戦者W1の歌唱音声を集音する。端末装置T1は、集音した歌唱音声に対応する音声データをサーバ装置Sに順次送信する。
【0035】
なお、たとえば選手X01の打席が長い場合や応援歌の演奏時間が短い場合、選手X01の打席が終わる前に応援歌の演奏音の再生が終了する可能性がある。このような場合、端末装置T1は、再度、カラオケ演奏データに基づく応援歌の演奏音を再生することもできる。具体的に、端末装置T1は、リモート観戦者から演奏継続の指示入力を受けた場合、応援歌の再生を再度実行する。
【0036】
逆に、選手X01が初球でアウトになってしまった場合等、応援歌の演奏音の再生が終了する前に競技者の応援を中止すべき状態になる可能性もある。この場合、リモート観戦者は、カラオケ歌唱を終了する。端末装置T1は、歌唱音声の入力がない状態が所定時間経過した場合、応援歌の再生を中止する。或いは、端末装置T1は、リモート観戦者から演奏中止の指示入力を受けた場合、応援歌の再生を中止する。
【0037】
(生成部)
生成部400は、所定の端末装置から取得した、リモート観戦者が応援歌の演奏音に合わせて行ったカラオケ歌唱に伴う歌唱音声に対応する音声データ、及び指定された一の競技者識別情報に紐付けられたカラオケ演奏データに基づいて、応援歌データを生成する。
【0038】
応援歌データは、応援歌及び応援歌を歌唱する歌唱音声を再生するためのデータである。応援歌データの生成は、端末装置から順次送信される音声データとカラオケ演奏データとを同期させながらミキシングすることにより行う。音声データとカラオケ演奏データの同期及びミキシングは、一般的なカラオケ装置等で実施される公知の手法を用いることができる。
【0039】
たとえば、端末装置T1から、リモート観戦者W1による応援歌F01のカラオケ歌唱に伴う歌唱音声に対応する音声データを受信したとする。この場合、生成部400は、受信した音声データと、応援歌F01のカラオケ演奏データとを同期させながらミキシング処理し、応援歌データを生成する。
【0040】
(第2の送信部)
第2の送信部500は、生成した応援歌データを、指定された一の競技者識別情報に対応する競技者がスポーツ競技を行う競技場の放音手段に送信する。第2の送信部500は、応援歌データを順次、競技場の放音手段に送信する。
【0041】
たとえば、生成部400がリモート観戦者W1の応援歌F01のカラオケ歌唱に伴う歌唱音声に対応する音声データと、応援歌F01のカラオケ演奏データとに基づいて応援歌データを生成したとする。この場合、第2の送信部500は、生成した応援歌データを選手X01が野球を行っている野球場BPの放音手段SRに順次送信する。放音手段SRは、受信した応援歌データを再生し、応援歌F01、及びリモート観戦者W1の歌唱音声を放音する。よって、打席に立つ選手X01は、無観客試合であっても応援歌F01とそれに合わせた歌唱音声を聴くことが可能となる。
【0042】
なお、複数の競技場において、それぞれスポーツ競技が行われている場合もありうる。この場合、第2の送信部500は、リモート観戦者W1により予め指定された競技場の放音手段に対して、生成した応援歌データを送信することができる。或いは、サーバ装置Sのデータ記憶部100は、各競技場の識別情報と、各競技場でスポーツ競技を行う競技者の競技者識別情報とを紐付けて記憶しておくことも可能である。この場合、第2の送信部500は、指定された一の競技者識別情報に対応する競技者がスポーツ競技を行っている競技場の識別情報を取得する。そして、第2の送信部500は、生成した応援歌データを、取得した識別情報に対応する競技場の放音手段に送信する。
【0043】
==サーバ装置の動作について==
次に、
図4を参照して本実施形態におけるサーバ装置Sの動作の具体例について述べる。
図4は、サーバ装置Sの動作例を示すフローチャートである。この例において、リモート観戦者W1は、競技場で行われるスポーツ競技を当該競技場外で観戦するとする。また、リモート観戦者W1が所有する端末装置T1ではリモート応援用のプログラムが実行されており、サーバ装置Sと通信可能に接続されているとする。また、データ記憶部100は、スポーツ競技を行う競技者に設定された応援歌の演奏音を再生するためのカラオケ演奏データを、当該競技者を識別するための競技者識別情報と紐付けて記憶しているとする。
【0044】
リモート観戦者W1は、端末装置T1を操作し、任意の競技者の競技者IDを入力する。指定部100は、入力された競技者IDを一の競技者識別情報として指定する(一の競技者識別情報を指定。ステップ10)。
【0045】
第1の送信部200は、ステップ10で指定された一の競技者識別情報に紐付けられたカラオケ演奏データをデータ記憶部100から読み出し、端末装置T1に対して送信する(一の競技者識別情報に紐付けられたカラオケ演奏データを端末装置に送信。ステップ11)。端末装置T1は、受信したカラオケ演奏データに基づいて応援歌の演奏音を再生する。リモート観戦者W1は、応援歌に合わせてカラオケ歌唱を行う。端末装置T1は、カラオケ歌唱の歌唱音声に対応する音声データをサーバ装置Sに順次送信する。
【0046】
生成部400は、端末装置T1から取得した、リモート観戦者W1が応援歌の演奏音に合わせて行ったカラオケ歌唱に伴う歌唱音声に対応する音声データ、及びステップ10で指定された一の競技者識別情報に紐付けられたカラオケ演奏データに基づいて、応援歌データを生成する(応援歌データを生成。ステップ12)。
【0047】
第2の送信部500は、ステップ12で生成した応援歌データを、ステップ10で指定された一の競技者識別情報に対応する競技者がスポーツ競技を行う競技場の放音手段SRに送信する(競技場の放音手段に応援歌データを送信。ステップ13)。放音手段SRは、受信した応援歌データを再生し、リモート観戦者W1により入力された競技者IDに対応する競技者に設定された応援歌、及びリモート観戦者W1の歌唱音声を放音する。
【0048】
サーバ装置Sは、リモート観戦者W1によるカラオケ歌唱が終了するまで、すなわち、カラオケ演奏データを送信した端末装置T1からの音声データの送信が中止されるまで(ステップ14でYの場合)、ステップ12及びステップ13の処理を繰り返し行う。
【0049】
また、サーバ装置Sは、リモート観戦者W1がスポーツ競技の観戦を終了するまで、すなわち、リモート観戦者W1がリモート応援用のプログラムを終了させ端末装置T1とサーバ装置Sとの接続が終了するまで(ステップ15でYの場合)、ステップ10からステップ14の処理を繰り返し行う。
【0050】
以上から明らかなように、本実施形態に係るサーバ装置Sは、競技場で行われるスポーツ競技を当該競技場外で観戦するリモート観戦者が所有する端末装置T1と通信可能に接続されたサーバ装置Sである。サーバ装置Sは、スポーツ競技を行う競技者に設定された応援歌の演奏音を再生するためのカラオケ演奏データを、当該競技者を識別するための競技者識別情報と紐付けて記憶するデータ記憶部100と、一の競技者識別情報を指定する指定部200と、指定された一の競技者識別情報に紐付けられたカラオケ演奏データを、所定の端末装置に対して送信する第1の送信部300と、所定の端末装置から取得した、リモート観戦者が応援歌の演奏音に合わせて行ったカラオケ歌唱に伴う歌唱音声に対応する音声データ、及び指定された一の競技者識別情報に紐付けられたカラオケ演奏データに基づいて、応援歌データを生成する生成部400と、生成した応援歌データを、指定された一の競技者識別情報に対応する競技者がスポーツ競技を行う競技場の放音手段に送信する第2の送信部500と、を有する。
【0051】
このようなサーバ装置Sによれば、指定された一の競技者識別情報に基づいて、当該競技者識別情報に紐付けられている応援歌のカラオケ演奏データをリモート観戦者が所有する端末装置に提供することができる。また、サーバ装置Sは、カラオケ演奏データを送信した端末装置から受信した歌唱音声に対応する音声データとカラオケ演奏データとに基づいて応援歌データを生成し、競技場の放音手段に送信することができる。よって、競技場において、競技者の応援歌と併せてリモート観戦者の歌唱音声が放音される。すなわち、本実施形態に係るサーバ装置Sによれば、競技場でスポーツ競技を行う競技者に対する応援が、競技場外から可能となる。
【0052】
<第2実施形態>
次に、
図5及び
図6を参照して、第2実施形態に係るサーバ装置について説明を行う。本実施形態では、一の競技者に対して、複数のリモート観戦者が応援を行う例について述べる。第1実施形態と同様の構成については詳細な説明を省略する。
【0053】
==リモート応援システム==
図5に示すように、本実施形態に係るリモート応援システムRSはサーバ装置S及び端末装置T1~端末装置T10を含む。端末装置T1~端末装置T10は、それぞれリモート観戦者W1~リモート観戦者W10が所有する。各リモート観戦者は、それぞれ別の場所から観戦してもよいし、同じ場所(たとえば、友人宅)から観戦してもよい。また、たとえばリモート観戦者W1は端末装置T1としてPCを利用し、リモート観戦者W2は端末装置T2としてタブレット端末を利用する等、リモート観戦者毎に使用する端末装置の種類が異なっていてもよい。サーバ装置Sと各端末装置とはネットワークを介して通信可能に接続されている。
【0054】
==サーバ装置==
(データ記憶部)
本実施形態に係るデータ記憶部100は、登録情報を、当該リモート観戦者が所有する端末装置を識別するための端末識別情報と紐付けて記憶する。
【0055】
登録情報は、リモート観戦者が任意に選択した競技者及び/または当該競技者が所属するチーム名に対応する情報である。端末識別情報は、たとえば、端末装置を識別するための端末ID等、各端末装置に固有の情報である。
【0056】
たとえば、リモート観戦者W1は、リモート観戦を行う前に予め端末装置T1を介して、贔屓のチームとしてプロ野球チームTgの登録を指示する。端末装置T1は、チーム名(プロ野球チームTg)と端末装置T1の端末IDをサーバ装置Sに送信する。サーバ装置Sは、データ記憶部100に、チーム名及び端末装置T1の端末IDを紐付けて、登録情報として記憶させる。
【0057】
(第1の送信部)
本実施形態に係る第1の送信部300は、サーバ装置Sと通信可能に接続されている複数の端末装置のうち、登録情報に基づいて特定した端末装置に対してのみ、カラオケ演奏データを送信する。
【0058】
指定部200が一の競技者識別情報を指定したとする。この場合、第1の送信部300は、データ記憶部100を参照し、指定された一の競技者識別情報に対応する競技者及び/または当該競技者が所属するチーム名を含む登録情報があるかどうかを確認する。指定された一の競技者識別情報に対応する競技者及び/または当該競技者が所属するチーム名を含む登録情報がある場合、第1の送信部300は、当該競技者及び/または当該競技者が所属するチーム名に紐付けられた端末IDを特定する。第1の送信部300は、データ記憶部100から読み出したカラオケ演奏データを、特定した端末IDに対応する端末装置に対してのみ送信する。
【0059】
たとえば、リモート観戦者W1~リモート観戦者W10は、野球場BPで行われるプロ野球チームTgとプロ野球チームGaの試合を自宅のテレビで観戦しながら、それぞれが所有する端末装置T1~端末装置T10を利用して贔屓のプロ野球チームに所属する選手を応援したいと考えたとする。また、データ記憶部100は、登録情報としてプロ野球チームTgのチーム名、及び端末装置T1~端末装置T5の端末IDを記憶しているとする。すなわち、リモート観戦者W1~リモート観戦者W5はプロ野球チームTgが贔屓のチームである。
【0060】
各リモート観戦者は、各端末装置を操作し、リモート応援用のプログラムの実行を指示する。プログラムの実行により、各端末装置はサーバ装置Sとの通信が可能となる。
【0061】
その後、試合が開始され、プロ野球チームTgに所属する選手X01の打順になったとする。この場合、リモート観戦者W1は、端末装置T1を操作し、選手X01の選手ID(ID***X01)を入力する。端末装置T1は、入力された選手IDをサーバ装置Sに送信する。指定部200は、受信した選手IDを一の競技者識別情報として指定する。なお、選手IDの入力は、他の端末装置から行われてもよい。
【0062】
第1の送信部300は、データ記憶部100を参照し、指定された選手IDに対応する競技者及び/または当該競技者が所属するチーム名を含む登録情報があるかどうかを確認する。この例では、指定された選手IDに対応する選手X01が所属するプロ野球チームTgを含む登録情報が記憶されている。よって、第1の送信部300は、記憶されている登録情報から、プロ野球チームTgに紐付けられた端末装置T1~端末装置T5の端末IDを特定する。
【0063】
第1の送信部300は、データ記憶部100から読み出した、選手X01の選手IDに紐付けられたカラオケ演奏データK01を、サーバ装置Sと通信可能となっている端末装置のうち、特定した端末IDに対応する端末装置T1~端末装置T5に対して送信する。一方、第1の送信部300は、端末装置T6~端末装置T10に対してはカラオケ演奏データを送信しない。この例における端末装置T1~端末装置T5は「所定の端末装置」に相当する。
【0064】
端末装置T1~端末装置T5は、それぞれ受信したカラオケ演奏データK01に基づいて選手X01の応援歌の演奏音を再生する。リモート観戦者W1~リモート観戦者W5は、選手X01の打席を観戦しながら、応援歌に合わせてカラオケ歌唱を行う。各端末装置のマイクは、各リモート観戦者の歌唱音声を集音する。各端末装置は、集音した歌唱音声に対応する音声データをサーバ装置Sに順次送信する。
【0065】
なお、プロ野球の試合のような場合、リモート観戦者の数が膨大になる可能性がある。そこで、第1の送信部300は、登録情報に基づいて特定した端末装置のうち、所定数の端末装置に対してのみ、カラオケ演奏データを送信することができる。所定数は、10、100等、予め設定されている。また、所定数の端末装置は、たとえば、サーバ装置Sと通信可能となった順番で決定されてもよいし、ランダムに決定されてもよい。
【0066】
==サーバ装置の動作について==
次に、
図6を参照して本実施形態におけるサーバ装置Sの動作の具体例について述べる。
図6は、サーバ装置Sの動作例を示すフローチャートである。この例において、複数のリモート観戦者が、競技場で行われるスポーツ競技を当該競技場外で観戦するとする。また、各リモート観戦者が所有する端末装置では、それぞれリモート応援用のプログラムが実行されており、サーバ装置Sと通信可能に接続されているとする。また、データ記憶部100は、スポーツ競技を行う競技者に設定された応援歌の演奏音を再生するためのカラオケ演奏データを、当該競技者を識別するための競技者識別情報と紐付けて記憶しているとする。更に、データ記憶部100は、登録情報として、特定のチーム名及び特定の端末装置の端末IDを紐付けて記憶しているとする。
【0067】
一のリモート観戦者は、自己の端末装置を操作し、特定のチームに所属する選手IDの入力を行う。指定部100は、入力された選手IDを一の競技者識別情報として指定する(一の競技者識別情報を指定。ステップ20)。
【0068】
第1の送信部200は、ステップ20で指定された一の競技者識別情報に紐付けられたカラオケ演奏データをデータ記憶部100から読み出す。そして、第1の送信部200は、サーバ装置Sと通信可能に接続されている複数の端末装置のうち、登録情報に基づいて特定した端末装置に対してのみ、カラオケ演奏データを送信する(登録情報に基づいて特定した端末装置に対してのみ、一の競技者識別情報に紐付けられたカラオケ演奏データを送信。ステップ21)。カラオケ演奏データを受信した端末装置は、受信したカラオケ演奏データに基づいて応援歌の演奏音を再生する。当該端末装置を所有するリモート観戦者(選手IDの入力を行った一のリモート観戦者を含む)は、応援歌に合わせてカラオケ歌唱を行う。各端末装置は、カラオケ歌唱の歌唱音声に対応する音声データをサーバ装置Sに順次送信する。
【0069】
生成部400は、各端末装置から取得した、リモート観戦者が応援歌の演奏音に合わせて行ったカラオケ歌唱に伴う歌唱音声に対応する音声データ、及びステップ20で指定された一の競技者識別情報に紐付けられたカラオケ演奏データに基づいて、応援歌データを生成する(複数のリモート観戦者の音声データに基づいて、応援歌データを生成。ステップ22)。
【0070】
第2の送信部500は、ステップ22で生成した応援歌データを、ステップ20で指定された一の競技者識別情報に対応する競技者がスポーツ競技を行う競技場の放音手段SRに送信する(競技場の放音手段に応援歌データを送信。ステップ23)。放音手段SRは、受信した応援歌データを再生し、一のリモート観戦者により入力された競技者IDに対応する競技者に設定された応援歌、及び複数のリモート観戦者の歌唱音声を放音する。
【0071】
サーバ装置Sは、リモート観戦者によるカラオケ歌唱が終了するまで、すなわち、カラオケ演奏データを送信した端末装置からの音声データの送信が中止されるまで(ステップ24でYの場合)、ステップ22及びステップ23の処理を繰り返し行う。
【0072】
また、サーバ装置Sは、全てのリモート観戦者がスポーツ競技の観戦を終了するまで、すなわち、全てのリモート観戦者がリモート応援用のプログラムを終了させ全ての端末装置とサーバ装置Sとの接続が終了するまで(ステップ25でYの場合)、ステップ20からステップ24の処理を繰り返し行う。
【0073】
以上から明らかなように、本実施形態に係るサーバ装置Sにおいて、データ記憶部100は、リモート観戦者が任意に選択した競技者及び/または当該競技者が所属するチーム名に対応する登録情報を、当該リモート観戦者が所有する端末装置を識別するための端末識別情報と紐付けて記憶する。また、第1の送信部300は、サーバ装置Sと通信可能に接続されている複数の端末装置のうち、登録情報に基づいて特定した端末装置に対してのみ、カラオケ演奏データを送信する。
【0074】
このようなサーバ装置Sによれば、複数のリモート観戦者が同じスポーツ競技を観戦する場合に、登録情報に基づいて特定された端末装置に対してのみ、カラオケ演奏データを送信することができる。よって、各リモート観戦者は、贔屓のチームや選手に対して応援を行うことができる。
【0075】
<変形例1>
上記実施形態では、端末装置で入力された競技者識別情報に基づいて、一の競技者識別情報を指定する例について述べた。一方、指定部200は、競技者を撮影して得られる映像に基づいて競技者識別情報を指定することも可能である。
【0076】
本変形例において、データ記憶部100は、カラオケ演奏データ及び競技者識別情報に対し、当該競技者識別情報に対応する競技者の背番号、及び当該競技者が所属するチーム名を紐付けて記憶する。
【0077】
図7は、データ記憶部100が記憶するテーブルの一例である。たとえば、選手X01の競技者ID(ID***X01)及び専用の応援歌F01に対応するカラオケ演奏データK01に対し、選手X01の背番号「7」及び所属するプロ野球チームTgのチーム名「Tg」が紐付けられている。
【0078】
本変形例に係る指定部200は、競技者を撮影して得られる映像に基づいて、当該競技者の背番号及び当該競技者が所属するチーム名を特定し、特定した背番号及びチーム名に紐付けられた競技者識別情報を指定する。
【0079】
競技者の撮影は、たとえば、競技場に設置されている撮影手段により行うことができる。撮影手段は、撮影した映像をサーバ装置Sに送信する。サーバ装置Sは、公知の技術により映像を解析し、選手の背番号及び所属するチーム名を特定する。たとえば、サーバ装置Sは、機械学習による学習結果を用いて選手の背番号及び所属するチーム名を特定することができる。具体的に、サーバ装置Sは、再表2016/139906の段落[0036]から[0042]に記載された方法により選手の背番号を特定し、段落[0043]に記載された方法により所属するチーム名を特定することができる。指定部200は、データ記憶部100を参照し、特定した背番号及びチーム名に紐付けられている競技者識別情報を、一の競技者識別情報として指定する。
【0080】
たとえば、特定された背番号が「8」、チーム名が「Ga」である場合、指定部200は、
図7のテーブルを参照し、選手Y10の競技者ID(ID***Y10)を指定する。
【0081】
このようなサーバ装置Sによれば、リモート観戦者が競技者識別情報を入力することなく、自動的に一の競技者識別情報を指定することができる。
【0082】
なお、サーバ装置Sが競技場に設置される場合、サーバ装置S自体が撮影手段を備えていてもよい。また、撮影手段は、競技者を直接撮影する代わりに、テレビ等で放送される映像を撮影することにより競技者の映像を取得してもよい。
【0083】
<変形例2>
データ記憶部100は、カラオケ演奏データ及び競技者識別情報に対し、応援歌の歌詞に対応する歌詞データを紐付けて記憶していてもよい。
【0084】
本変形例に係る第1の送信部300は、指定された一の競技者識別情報に紐付けられたカラオケ演奏データ、及び当該カラオケ演奏データに紐付けられた歌詞データを、所定の端末装置に対して送信する。この場合、端末装置は、受信した歌詞データに基づいて、ディスプレイに応援歌の歌詞を表示させることができる。よって、リモート観戦者は、表示される歌詞を参照することで、応援歌を正確に歌唱することができる。
【0085】
<変形例3>
競技場において、異なる位置にそれぞれ放音手段が設置されていてもよい。たとえば、野球場BPにおいて、一塁側スタンドに放音手段SR1が設置され、三塁側スタンドに放音手段SR1とは異なる放音手段SR2が設置されていてもよい。本変形例において、各放音手段は、試合開始前にチーム名と予め紐付けられる。
【0086】
各放音手段は、それぞれ同じ構成であってもよいし、応援歌データを再生するためのシステムを共通とし、応援歌等を放音するためのスピーカのみを別々の場所に設置してもよい。後者の場合、一塁側スタンドのスピーカ及び三塁側スタンドのスピーカが「放音手段」に相当する。
【0087】
本変形例において、データ記憶部100は、カラオケ演奏データ及び競技者識別情報に対し、当該競技者識別情報に対応する競技者が所属するチーム名を紐付けて記憶する。
【0088】
たとえば、データ記憶部100は、選手X01の競技者ID(ID***X01)及び専用の応援歌F01に対応するカラオケ演奏データK01に対し、選手X01が所属するプロ野球チームTgのチーム名「Tg」を紐付けて記憶し、選手Y10の競技者ID(ID***Y10)及び専用の応援歌F40に対応するカラオケ演奏データK40に対し、選手Y10が所属するプロ野球チームGaのチーム名「Ga」を紐付けて記憶する。
【0089】
また、本変形例において、第2の送信部500は、生成した応援歌データを、競技場の異なる位置に設置された複数の放音手段のうち、チーム名に基づき特定した放音手段に送信する。
【0090】
具体的に、第2の送信部500は、生成した応援歌データに含まれるカラオケ演奏データに基づいて、データ記憶部100からチーム名を特定する。第2の送信部500は、特定したチーム名に基づいて、複数設置されている放音手段のうち、当該チーム名が紐付けられている放音手段に対してのみ応援歌データを送信する。
【0091】
たとえば、プロ野球チームTgの本拠地である野球場BPにおいて、プロ野球チームTgとプロ野球チームGaとの試合が行われるとする。この場合、一塁側のベンチがプロ野球チームTgの選手に割り当てられ、三塁側のベンチがプロ野球チームGaの選手に割り当てられる。また、有観客の試合においては、一塁側スタンドからライトスタンドにかけてはプロ野球チームTgのファンが座り、三塁側スタンドからレフトスタンドにかけてはプロ野球チームGaのファンが座ることとなる。
【0092】
ここで、一塁側スタンドには、チーム名「Tg」と紐付けられた放音手段SR1が設置され、三塁側スタンドには、チーム名「Ga」と紐付けられた放音手段SR2が設置されているとする。
【0093】
たとえば、第2の送信部500は、カラオケ演奏データK01を含む応援歌データを生成した場合、データ記憶部100を参照し、カラオケ演奏データK01に紐付けられたチーム名「Tg」を特定する。第2の送信部500は、特定したチーム名「Tg」が紐付けられている放音手段SR1に対し、生成した応援歌データを送信する。一方、第2の送信部500は、チーム名「Ga」が紐付けられている放音手段SR2には生成した応援歌データを送信しない。
【0094】
このようなサーバ装置Sによれば、有観客の場合に近い臨場感で応援歌を放音させることができる。
【0095】
なお、上記例では、放音手段が設置される箇所を2か所としたがこれに限られない。たとえば、放音手段SR1を一塁側スタンドに設置し、放音手段SR2を三塁側スタンドに設置し、放音手段SR3をライトスタンドに設置し、放音手段SR4をレフトスタンドに設置してもよい。ここで、放音手段SR1及び放音手段SR3がチーム名「Tg」と紐付けられているとする。上述のカラオケ演奏データK01を含む応援歌データを生成した場合、第2の送信部500は、放音手段SR1及び放音手段SR3に対し、応援歌データを送信する。
【0096】
<その他>
なお、上記実施形態では、リモート観戦者がテレビでスポーツ競技を観戦する例について述べた。一方、サーバ装置Sは、スポーツ競技をライブ配信することも可能である。この場合、サーバ装置Sは、ライブ配信と併せて、端末装置に対してカラオケ演奏データを送信することができる。
【0097】
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0098】
100 データ記憶部
200 指定部
300 第1の送信部
400 生成部
500 第2の送信部
BP 野球場
RS リモート応援システム
S サーバ装置
SR 放音手段
T1~T10 端末装置