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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181703
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】増幅回路および電子機器
(51)【国際特許分類】
   H03F 1/56 20060101AFI20221201BHJP
   H03F 3/24 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
H03F1/56
H03F3/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021088784
(22)【出願日】2021-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 将之
【テーマコード(参考)】
5J500
【Fターム(参考)】
5J500AA01
5J500AA13
5J500AA41
5J500AC32
5J500AC71
5J500AC73
5J500AF12
5J500AF15
5J500AH09
5J500AH19
5J500AH21
5J500AH25
5J500AH29
5J500AH30
5J500AH31
5J500AH33
5J500AH34
5J500AH39
5J500AK03
5J500AK12
5J500AK29
5J500AK34
5J500AK47
5J500AM17
5J500AM21
5J500AS14
5J500AT01
5J500AT06
5J500WU08
(57)【要約】
【課題】様々な信号振幅を有する信号を増幅することができる増幅回路を得る。
【解決手段】本開示の増幅回路は、入力端子と、出力端子と、入力端子と出力端子とを結ぶ経路に設けられた1または複数のトランジスタと、入力端子における入力信号の信号振幅を検出可能な振幅検出回路と、インピーダンスを変更可能であり、振幅検出回路の検出結果に基づいて、1または複数のトランジスタの動作条件を設定可能なインピーダンス回路とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力端子と、
出力端子と、
前記入力端子と前記出力端子とを結ぶ経路に設けられた1または複数のトランジスタと、
前記入力端子における入力信号の信号振幅を検出可能な振幅検出回路と、
インピーダンスを変更可能であり、前記振幅検出回路の検出結果に基づいて、前記1または複数のトランジスタの動作条件を設定可能なインピーダンス回路と
を備えた増幅回路。
【請求項2】
前記振幅検出回路は、前記入力信号から交流信号を分離する分離素子を有し、前記交流信号の信号振幅を検出することにより前記入力信号の信号振幅を検出可能である
請求項1に記載の増幅回路。
【請求項3】
前記振幅検出回路は、
前記分離素子に接続された入力端子、および出力端子を有するバッファアンプと、
前記バッファアンプの前記出力端子に接続されたアノードと、カソードとを有するダイオードと、
前記ダイオードのカソードに接続された第1のキャパシタと
を有し、
前記第1のキャパシタにおける電圧に基づいて前記入力信号の信号振幅を検出可能である
請求項2に記載の増幅回路。
【請求項4】
前記インピーダンス回路は、バラクタを含み、前記検出結果に基づいて前記バラクタにおける容量値を変化させることにより前記インピーダンスを変更可能である
請求項1に記載の増幅回路。
【請求項5】
前記インピーダンス回路は、複数のキャパシタを有し、前記検出結果に基づいて、前記複数のキャパシタのうちの使用する1または複数のキャパシタを選択することにより前記インピーダンスを変更可能である
請求項1に記載の増幅回路。
【請求項6】
前記インピーダンス回路は、複数のインダクタを有し、前記検出結果に基づいて、前記複数のインダクタのうちの使用する1または複数のインダクタを選択することにより前記インピーダンスを変更可能である
請求項1に記載の増幅回路。
【請求項7】
前記1または複数のトランジスタは、第1のトランジスタおよび第2のトランジスタを含み、
前記第1のトランジスタは、前記入力端子に導かれたゲートと、ドレインとを有し、
前記第2のトランジスタは、ゲートと、前記出力端子に導かれたドレインと、前記第1のトランジスタのドレインに導かれたソースとを有する
請求項1に記載の増幅回路。
【請求項8】
前記第2のトランジスタの前記ゲートに接続され、インピーダンスを変更可能な第2のキャパシタを備え、
前記インピーダンス回路は、前記第2のキャパシタを含む
請求項7に記載の増幅回路。
【請求項9】
前記第2のトランジスタの前記ソースに接続され、インピーダンスを変更可能な第1のインダクタを備え
前記インピーダンス回路は、前記第1のインダクタを含む
請求項7に記載の増幅回路。
【請求項10】
前記第1のトランジスタの前記ドレインと前記第2のトランジスタの前記ソースとを結ぶ経路に設けられ、インピーダンスを変更可能な第3のキャパシタを備え、
前記インピーダンス回路は、前記第3のキャパシタを含む
請求項7に記載の増幅回路。
【請求項11】
前記入力端子と、前記第1のトランジスタの前記ゲートとを結ぶ経路に設けられ、インピーダンスを変更可能な第1のマッチング回路を備え、
前記インピーダンス回路は、前記第1のマッチング回路を含む
請求項7に記載の増幅回路。
【請求項12】
前記入力端子と、前記第1のトランジスタの前記ゲートとを結ぶ経路に設けられたドライバアンプと、
前記ドライバアンプと、前記第1のトランジスタの前記ゲートとを結ぶ経路に設けられた第1のマッチング回路と
を備え、
前記インピーダンス回路は、前記第1のマッチング回路を含む
請求項7に記載の増幅回路。
【請求項13】
前記1または複数のトランジスタは、ドレインを有する最終段トランジスタを含み、
前記最終段トランジスタの前記ドレインと、前記出力端子とを結ぶ経路に設けられ、インピーダンスを変更可能な第2のマッチング回路を備え、
前記インピーダンス回路は、前記第2のマッチング回路を含む
請求項1に記載の増幅回路。
【請求項14】
前記増幅回路は、パワーアンプである
請求項1に記載の増幅回路。
【請求項15】
無線通信を行うことが可能であり、増幅回路を有する通信回路を備え、
前記増幅回路は、
入力端子と、
出力端子と、
前記入力端子と前記出力端子とを結ぶ経路に設けられた1または複数のトランジスタと、
前記入力端子における入力信号の信号振幅を検出可能な振幅検出回路と、
インピーダンスを変更可能であり、前記振幅検出回路の検出結果に基づいて、前記1または複数のトランジスタの動作条件を設定可能なインピーダンス回路と
を有する
電子機器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、信号を増幅する増幅回路、およびそのような増幅回路を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
信号を増幅する回路では、しばしば複数段のトランジスタが設けられる。例えば、特許文献1には、1段目のトランジスタと、2段目のトランジスタと、1段目のトランジスタのドレインと2段目のトランジスタのソースとの間に設けられたキャパシタとを有する増幅回路が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-211830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、増幅回路には、様々な信号振幅を有する信号が入力され得る。増幅回路は、そのような様々な信号振幅を有する信号が入力された場合において、信号振幅に依らず、その信号を増幅することができることが望まれる。
【0005】
様々な信号振幅を有する信号を増幅することができる増幅回路、および電子機器を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施の形態における増幅回路は、入力端子と、出力端子と、1または複数のトランジスタと、振幅検出回路と、インピーダンス回路とを備えている。1または複数のトランジスタは、入力端子と出力端子とを結ぶ経路に設けられる。振幅検出回路は、入力端子における入力信号の信号振幅を検出可能に構成される。インピーダンス回路は、インピーダンスを変更可能であり、振幅検出回路の検出結果に基づいて、1または複数のトランジスタの動作条件を設定可能に構成される。
【0007】
本開示の一実施の形態における電子機器は、通信回路を備えている。通信回路は、無線通信を行うことが可能であり、増幅回路を有する。増幅回路は、入力端子と、出力端子と、1または複数のトランジスタと、振幅検出回路と、インピーダンス回路とを有する。1または複数のトランジスタは、入力端子と出力端子とを結ぶ経路に設けられる。振幅検出回路は、入力端子における入力信号の信号振幅を検出可能に構成される。インピーダンス回路は、インピーダンスを変更可能であり、振幅検出回路の検出結果に基づいて、1または複数のトランジスタの動作条件を設定可能に構成される。
【0008】
本開示の一実施の形態における増幅回路および電子機器では、入力端子と出力端子とを結ぶ経路に設けられた1または複数のトランジスタにより、入力端子における入力信号に基づいて増幅動作が行われる。振幅検出回路により、この入力信号の信号振幅が検出される。そして、インピーダンス回路では、この振幅検出回路の検出結果に基づいてインピーダンスが変更される。これにより、1または複数のトランジスタの動作条件が設定される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の一実施の形態に係るパワーアンプの一構成例を表す回路図である。
図2図1に示したパワーアンプにおける電力増幅動作を表す説明図である。
図3図1に示したパワーアンプにおける電力増幅動作を表す他の説明図である。
図4A図1に示したインピーダンス制御回路の一構成例を表す回路図である。
図4B図1に示したインピーダンス制御回路の一構成例を表す他の回路図である。
図5図1に示したインピーダンス制御回路の一構成例を表す他の回路図である。
図6図4に示した振幅検出回路の一動作例を表すタイミング図である。
図7図1に示したパワーアンプにおけるインピーダンス設定の一例を表す表である。
図8図1に示したパワーアンプにおける一動作例を表す波形図である。
図9図1に示したパワーアンプにおける一動作例を表す他の波形図である。
図10図1に示したパワーアンプにおける一動作例を表す他の波形図である。
図11図1に示したパワーアンプにおける一動作例を表す他の波形図である。
図12図1に示したパワーアンプにおける、他のインピーダンス設定での一動作例を表す波形図である。
図13図1に示したパワーアンプにおける、他のインピーダンス設定での一動作例を表す他の波形図である。
図14図1に示したパワーアンプにおける、他のインピーダンス設定での一動作例を表す他の波形図である。
図15図1に示したパワーアンプにおける、他のインピーダンス設定での一動作例を表す他の波形図である。
図16】変形例に係るパワーアンプの一構成例を表す回路図である。
図17】他の変形例に係るパワーアンプの一構成例を表す回路図である。
図18】一実施の形態に係るパワーアンプが適用されたスマートフォンの外観構成を表す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.適用例
【0011】
<1.実施の形態>
[構成例]
図1は、一実施の形態に係るパワーアンプ(パワーアンプ1)の一構成例を表すものである。パワーアンプ1は、例えば、第5世代(5G)移動通信システムにおける無線通信を行うことが可能なスマートフォンに設けられる。パワーアンプ1は、入力端子Tinと、マッチング回路11と、バイアス回路12と、抵抗素子R1と、トランジスタFET1と、インダクタL1と、キャパシタC1と、インダクタL2と、トランジスタFET2と、キャパシタC2と、抵抗素子R2と、インダクタL3と、マッチング回路13と、出力端子Toutと、インピーダンス制御回路14とを備えている。
【0012】
入力端子Tinは、パワーアンプ1の前段回路から入力信号Sinが供給されるように構成される。パワーアンプ1は、この入力信号Sinに基づいて電力増幅動作を行うことにより出力信号Soutを生成するようになっている。
【0013】
マッチング回路11は、トランジスタFET1の入力のインピーダンス整合を行うように構成される。マッチング回路11は、例えば、1または複数のキャパシタおよび1または複数のインダクタを含む。マッチング回路11は、インピーダンス制御回路14から供給された制御信号に基づいて、1または複数のキャパシタおよび1または複数のインダクタのうちの1以上の素子のインピーダンスを変更することにより、マッチング回路11のインピーダンスを変更することができるようになっている。マッチング回路11の入力端子はパワーアンプ1の入力端子Tinに接続され、出力端子は抵抗素子R1およびトランジスタFET1のゲートに接続される。
【0014】
バイアス回路12は、バイアス電圧Vgを生成するように構成される。
【0015】
抵抗素子R1の一端にはバイアス電圧Vgが供給され、他端はマッチング回路11の出力端子およびトランジスタFET1のゲートに接続される。
【0016】
トランジスタFET1のゲートはマッチング回路11の出力端子および抵抗素子R1に接続され、ソースは接地され、ドレインはキャパシタC1およびインダクタL1に接続される。
【0017】
インダクタL1の一端には電源電圧VDDが供給され、他端はトランジスタFET1のドレインおよびキャパシタC1に接続される。
【0018】
キャパシタC1は、インピーダンス制御回路14から供給された制御信号に基づいてインピーダンスを変更可能に構成される。キャパシタC1は、例えば、後述するように、複数のキャパシタを含み、複数のキャパシタのうちの使用するキャパシタの数を変更することにより、インピーダンスを変更することができるようになっている。キャパシタC1の一端はトランジスタFET2のソースおよびインダクタL2に接続され、他端はトランジスタFET1のドレインおよびインダクタL1に接続される。
【0019】
インダクタL2は、インピーダンス制御回路14から供給された制御信号に基づいてインピーダンスを変更可能に構成される。インダクタL2は、例えば、後述するように、複数のインダクタを含み、複数のインダクタのうちの使用するインダクタの数を変更することにより、インピーダンスを変更することができるようになっている。インダクタL2の一端はトランジスタFET2のソースおよびキャパシタC1に接続され、他端は接地される。
【0020】
トランジスタFET2のゲートはキャパシタC2および抵抗素子R2に接続され、ソースはキャパシタC1およびインダクタL2に接地され、ドレインはインダクタL3およびマッチング回路13の入力端子に接続される。
【0021】
キャパシタC2は、インピーダンス制御回路14から供給された制御信号に基づいてインピーダンスを変更可能に構成される。キャパシタC2は、例えば、後述するように、バラクタを含み、バラクタのバイアス電圧を変更することにより、インピーダンスを変更することができるようになっている。キャパシタC2の一端はトランジスタFET2のゲートおよび抵抗素子R2に接続され、他端は接地される。
【0022】
抵抗素子R2の一端にはバイアス電圧Vgが供給され、他端はキャパシタC2およびトランジスタFET2のゲートに接続される。
【0023】
インダクタL3の一端には電源電圧VDDが供給され、他端はトランジスタFET2のドレインおよびマッチング回路13の入力端子に接続される。
【0024】
マッチング回路13は、トランジスタFET2の出力のインピーダンス整合を行うように構成される。マッチング回路13は、例えば、1または複数のキャパシタおよび1または複数のインダクタを含む。マッチング回路13は、インピーダンス制御回路14から供給された制御信号に基づいて、1または複数のキャパシタおよび1または複数のインダクタのうちの1以上の素子のインピーダンスを変更することにより、マッチング回路13のインピーダンスを変更することができるようになっている。マッチング回路13の入力端子はトランジスタFET2のドレインおよびインダクタL3に接続され、出力端子はパワーアンプ1の出力端子Toutに接続される。
【0025】
出力端子Toutは、パワーアンプ1により生成された出力信号Soutを出力するように構成される。出力端子Toutは、例えば、図示しないアンテナに接続される。これにより、パワーアンプ1により生成された出力信号Soutが、アンテナから無線信号として送信されるようになっている。
【0026】
この構成により、パワーアンプ1は、2つのトランジスタFET1,FET2を用いて、入力信号Sinに基づいて電力増幅動作を行うようになっている。
【0027】
図2,3は、パワーアンプ1における交流信号に対する動作を模式的に表すものである。図2,3では、交流信号に対する動作を説明しているので、説明の便宜上、キャパシタC1およびインダクタL1,L2の図示を省いている。
【0028】
パワーアンプ1では、理想的なケースでは、トランジスタFET1のサイズおよび特性と、トランジスタFET2のサイズおよび特性とは、互いに同じである。言い換えれば、この例では、トランジスタFET1の電流特性と、トランジスタFET2の電流特性とは、互いに同じであり、トランジスタFET1の動作点と、トランジスタFET2の動作点は互いに同じである。具体的には、トランジスタFET1,FET2のゲートの動作点電圧はバイアス電圧Vgであり、ソースの動作点電圧は接地電圧であり、ドレインの動作点電圧は電源電圧VDDである。
【0029】
そして、トランジスタFET1,FET2には、図2において矢印で示したように、入力信号Sinに応じた交流の信号電流が流れる。トランジスタFET1においてドレインからソースに向かって流れる電流Ids1は、トランジスタFET1のトランスコンダクタンスgm1と、トランジスタFET1のゲート・ソース間の電圧Vgs1を用いて、以下のように表される。
Ids1 = gm1・Vgs1
同様に、トランジスタFET2においてドレインからソースに向かって流れる電流Ids2は、トランジスタFET2のトランスコンダクタンスgm2と、トランジスタFET2のゲート・ソース間の電圧Vgs2を用いて、以下のように表される。
Ids2 = gm2・Vgs2
【0030】
パワーアンプ1は、理想的には、電圧Vgs1および電圧Vgs2が互いに等しく、電流Ids1および電流Ids2が互いに等しく、電圧Vds1および電圧Vds2が互いに等しくなるように、電力を伝達することが望ましい。まず、パワーアンプ1は、トランジスタFET1を用いて、入力信号SinをIds1=gm1・Vgs1により増幅する。そして、パワーアンプ1はトランジスタFET2を用いて、トランジスタFET1により増幅された電力を、1倍の電流利得および2倍の電圧利得で増幅する。すなわち、図3に示したように、パワーアンプ1が出力する電圧Vdsは、電圧Vds1および電圧Vds2の合計電圧である。この理想的な動作を実現するために、トランジスタFET1,FET2の負荷インピーダンスが調節される。
【0031】
インピーダンス制御回路14は、入力信号Sinに基づいて、入力信号Sinの信号振幅を検出し、その信号振幅に基づいて、マッチング回路11、キャパシタC1、インダクタL2、キャパシタC2、およびマッチング回路13のインピーダンスをそれぞれ設定するための5つの制御信号を生成するように構成される。
【0032】
図4Aは、インピーダンス制御回路14における、キャパシタC2のインピーダンスを制御する回路部分の一構成例を表すものである。図4Aでは、キャパシタC2をも描いている。インピーダンス制御回路14は、振幅検出回路20と、DAC31と、抵抗素子R32とを有している。
【0033】
振幅検出回路20は、カプラ21と、バイアス回路22と、抵抗素子R23と、バッファアンプ24と、ダイオードD25と、キャパシタC26と、ADC(Analog to Digital Converter)27とを有している。
【0034】
カプラ21は、入力端子Tinに供給された入力信号Sinに含まれる交流信号を分離し、分離された交流信号を交流信号Sac1としてバッファアンプ24に供給するように構成される。カプラ21は、例えば、伝送線路を用いて構成される。
【0035】
バイアス回路22は、バイアス電圧を生成するように構成される。抵抗素子R23の一端には、バイアス回路22が生成したバイアス電圧が供給され、他端はバッファアンプ24の入力端子に接続される。
【0036】
バッファアンプ24は、交流信号Sac1に応じた交流信号Sac2を生成するように構成される。バッファアンプ24の入力端子はカプラ21および抵抗素子R23に接続され、出力端子はダイオードD25のアノードに接続される。
【0037】
ダイオードD25のアノードはバッファアンプ24の出力端子に接続され、カソードはキャパシタC26およびADC27の入力端子に接続される。キャパシタC26の一端はダイオードD25のカソードおよびADC27の入力端子に接続され、他端は接地される。
【0038】
ADC27は、キャパシタC26における電圧に基づいてAD変換を行うことにより、デジタルコードを生成するように構成される。デジタルコードは、例えば、複数ビットのデジタルコードである。ADC27の入力端子はダイオードD25のカソードおよびキャパシタC26に接続され、出力端子はDAC31の入力端子に接続される。
【0039】
DAC31は、ADC27が生成したデジタルコードに基づいて電圧を生成するように構成される。DAC31の入力端子はADC27の出力端子に接続され、出力端子は抵抗素子R32に接続される。抵抗素子R32の一端はDAC31の出力端子に接続され、他端はキャパシタC2に接続される。
【0040】
この構成により、例えば、入力信号Sinの信号振幅が大きい場合には、交流信号Sac1のピークレベルが高い。この場合には、交流信号Sac2のピークレベルもまた高いので、キャパシタC26の電圧は高い。これにより、ADC27が生成するデジタルコードの値は大きい。DAC31は、このようなデジタルコードに基づいて、キャパシタC2に供給する電圧を高くする。また、例えば、入力信号Sinの信号振幅が小さい場合には、交流信号Sac1のピークレベルが低い。この場合には、交流信号Sac2のピークレベルもまた低いので、キャパシタC26の電圧は低い。これにより、ADC27が生成するデジタルコードの値は小さい。DAC31は、このようなデジタルコードに基づいて、キャパシタC2に供給する電圧を低くする。
【0041】
この例では、入力信号Sinの信号振幅が大きい場合にキャパシタC2に供給する電圧を高くし、入力信号Sinの信号振幅が小さい場合にキャパシタC2に供給する電圧を低くしたが、これに限定されるものではない。例えば、ADC27とDAC31との間に、デジタルコードを変換する論理回路を設けてもよい。これにより、例えば、入力信号Sinの信号振幅が大きい場合にキャパシタC2に供給する電圧を低くし、入力信号Sinの信号振幅が小さい場合にキャパシタC2に供給する電圧を高くすることができる。
【0042】
キャパシタC2は、この例では、バラクタ91と、キャパシタ92とを有している。バラクタ91は、両端間の電圧差に応じて容量値を変更可能に構成される。バラクタ91のアノードは接地され、カソードは抵抗素子R32およびキャパシタ92に接続される。キャパシタC2の一端は抵抗素子R32およびバラクタ91のカソードに接続され、他端は図1に示したようにトランジスタFET2のゲートおよび抵抗素子R2に接続される。バラクタ91およびキャパシタ92は、互いに直列接続される。これにより、キャパシタC2のキャパシタンスは、直列接続されたバラクタ91およびキャパシタ92の合成キャパシタンスである。
【0043】
この構成により、例えば、バラクタ91のカソード電圧が高いほど、バラクタ91のキャパシタンスが小さくなるので、直列接続されたバラクタ91およびキャパシタ92の合成キャパシタンスもまた小さくなる。また、例えば、バラクタ91のカソード電圧が低いほど、バラクタ91のキャパシタンスが大きくなるので、直列接続されたバラクタ91およびキャパシタ92の合成キャパシタンスもまた大きくなる。このようにして、キャパシタC2では、バラクタ91のキャパシタンスを変更することにより、インピーダンスを変更することができるようになっている。
【0044】
図4Bは、インピーダンス制御回路14における、キャパシタC1のインピーダンスを制御する回路部分の一構成例を表すものである。インピーダンス制御回路14は、制御回路33を有している。図4Bでは、キャパシタC1をも描いている。
【0045】
制御回路33は、ADC27が生成したデジタルコードに基づいて、キャパシタC1のインピーダンスを切り替えるための3つの制御信号を生成するように構成される。
【0046】
キャパシタC1は、キャパシタ71~74と、スイッチ75~77とを有している。キャパシタ71の一端はキャパシタ72~74に接続されるとともに、図1に示したようにトランジスタFET2のソースおよびインダクタL2に接続され、他端はスイッチ75~77に接続されるとともに、図1に示したようにトランジスタFET1のドレインおよびインダクタL1に接続される。キャパシタ72の一端はキャパシタ71,73,74に接続されるとともに、図1に示したようにトランジスタFET2のソースおよびインダクタL2に接続され、他端はスイッチ75に接続される。キャパシタ73の一端はキャパシタ71,72,74に接続されるとともに、図1に示したようにトランジスタFET2のソースおよびインダクタL2に接続され、他端はスイッチ76に接続される。キャパシタ74の一端はキャパシタ71~73に接続されるとともに、図1に示したようにトランジスタFET2のソースおよびインダクタL2に接続され、他端はスイッチ77に接続される。スイッチ75は、制御回路33から供給された制御信号に基づいてオン状態になることにより、キャパシタ72の他端およびキャパシタ71の他端に接続するように構成される。スイッチ76は、制御回路33から供給された制御信号に基づいてオン状態になることにより、キャパシタ73の他端およびキャパシタ71の他端を接続接地するように構成される。スイッチ77は、制御回路33から供給された制御信号に基づいてオン状態になることにより、キャパシタ74の他端およびキャパシタ71他端を接続するように構成される。
【0047】
この構成により、例えば、スイッチ75がオン状態である場合には、キャパシタ72が有効になり、スイッチ76がオン状態である場合には、キャパシタ73が有効になり、スイッチ77がオン状態である場合には、キャパシタ74が有効になる。キャパシタ71は常に有効である。よって、キャパシタC1のキャパシタンスは、キャパシタ71~74のうちの有効であるキャパシタのキャパシタンスの合計キャパシタンスである。このようにして、キャパシタC1では、キャパシタ71~74のうちの有効にするキャパシタの数を変更することにより、インピーダンスを変更することができるようになっている。
【0048】
図5は、インピーダンス制御回路14における、インダクタL2のインピーダンスを制御する回路部分の一構成例を表すものである。インピーダンス制御回路14は、制御回路34を有している。図5では、インダクタL2をも描いている。
【0049】
制御回路34は、ADC27が生成したデジタルコードに基づいて、インダクタL2のインピーダンスを切り替えるための3つの制御信号を生成するように構成される。
【0050】
インダクタL2は、インダクタ81~84と、スイッチ85~87とを有している。インダクタ81の一端は図1に示したようにトランジスタFET2のソースおよびキャパシタC1に接続され、他端はインダクタ82の一端に接続される。インダクタ82の一端はインダクタ81の他端に接続され、他端はインダクタ83の一端に接続される。インダクタ83の一端はインダクタ82の他端に接続され、他端はインダクタ84の一端に接続される。インダクタ84の一端はインダクタ83の他端に接続され、他端は接地される。スイッチ85は、制御回路34から供給された制御信号に基づいてオン状態になることにより、インダクタ81の他端およびインダクタ82の一端を接地するように構成される。スイッチ86は、制御回路34から供給された制御信号に基づいてオン状態になることにより、インダクタ82の他端およびインダクタ83の一端を接地するように構成される。スイッチ87は、制御回路34から供給された制御信号に基づいてオン状態になることにより、インダクタ83の他端およびインダクタ84の一端を接地するように構成される。
【0051】
この構成により、例えば、スイッチ85がオン状態である場合には、インダクタ81が有効になるとともにインダクタ82~84は無効になる。よって、インダクタL2のインダクタンスは、インダクタ81のインダクタンスと等しくなる。また、例えば、スイッチ85がオフ状態でありスイッチ86がオン状態である場合には、インダクタ81,82が有効になるとともにインダクタ83,84が無効になる。よって、インダクタL2のインダクタンスは、インダクタ81,82のインダクタンスの合計インダクタンスである。また、例えば、スイッチ85,86がオフ状態でありスイッチ87がオン状態である場合には、インダクタ81~83が有効になるとともにインダクタ84が無効になる。よって、インダクタL2のインダクタンスは、インダクタ81~83のインダクタンスの合計インダクタンスである。また、例えば、スイッチ85~87がオフ状態である場合には、インダクタ81~84が有効になる。よって、インダクタL2のインダクタンスは、インダクタ81~84のインダクタンスの合計インダクタンスである。このようにして、インダクタL2では、インダクタ81~84のうちの有効にするインダクタの数を変更することにより、インピーダンスを変更することができるようになっている。
【0052】
図4Aでは、キャパシタC2のインピーダンスを制御する回路部分について説明し、図4Bでは、キャパシタC1のインピーダンスを制御する回路部分について説明し、図5では、インダクタL2のインピーダンスを制御する回路部分について説明したが、マッチング回路11のインピーダンスを制御する回路部分についても同様である。すなわち、マッチング回路11は、例えば、1または複数のキャパシタおよび1または複数のインダクタを含み、これらの素子のうちの1以上の素子のインピーダンスを変更することにより、マッチング回路11のインピーダンスを変更することができる。よって、これらの素子に対して、図4A,4B,5に示した構成を適用することにより、マッチング回路11のインピーダンスを制御することができる。マッチング回路13についても同様である。
【0053】
この構成により、パワーアンプ1では、入力信号Sinの信号振幅に応じて、マッチング回路11、キャパシタC1、インダクタL2、キャパシタC2、およびマッチング回路13のインピーダンスをそれぞれ設定することができる。パワーアンプ1では、マッチング回路11、キャパシタC1、インダクタL2、キャパシタC2、およびマッチング回路13のインピーダンスが設定されることにより、トランジスタFET1,FET2の動作条件が設定される。よって、パワーアンプ1では、様々な信号振幅の入力信号Sinが入力された場合において、信号振幅に依らずに、所望の電力増幅動作を行うことができるようになっている。
【0054】
ここで、入力端子Tinは、本開示における「入力端子」の一具体例に対応する。出力端子Toutは、本開示における「出力端子」の一具体例に対応する。トランジスタFET1,FET2は、本開示における「1または複数のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタFET1は、本開示における「第1のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタFET2は、本開示における「第2のトランジスタ」の一具体例に対応する。振幅検出回路20は、本開示における「振幅検出回路」の一具体例に対応する。マッチング回路11、キャパシタC1、インダクタL2、キャパシタC2、およびマッチング回路13は、本開示における「インピーダンス回路」の一具体例に対応する。カプラ21は、本開示における「分離素子」の一具体例に対応する。バッファアンプ24は、本開示における「バッファアンプ」の一具体例に対応する。ダイオードD25は、本開示における「ダイオード」の一具体例に対応する。キャパシタC26は、本開示における「第1のキャパシタ」の一具体例に対応する。
【0055】
[動作および作用]
続いて、本実施の形態のパワーアンプ1の動作および作用について説明する。
【0056】
(全体動作概要)
まず、図1を参照して、パワーアンプ1の全体動作概要を説明する。パワーアンプ1は、入力信号Sinに基づいて電力増幅動作を行うことにより、出力信号Soutを生成する。インピーダンス制御回路14は、入力信号Sinに基づいて、入力信号Sinの信号振幅を検出し、その信号振幅に基づいて、マッチング回路11、キャパシタC1、インダクタL2、キャパシタC2、およびマッチング回路13のインピーダンスをそれぞれ設定するための5つの制御信号を生成する。マッチング回路11は、インピーダンス制御回路14から供給された制御信号に基づいてインピーダンスを変更する。キャパシタC1は、インピーダンス制御回路14から供給された制御信号に基づいてインピーダンスを変更する。インダクタL2は、インピーダンス制御回路14から供給された制御信号に基づいてインピーダンスを変更する。キャパシタC2は、インピーダンス制御回路14から供給された制御信号に基づいてインピーダンスを変更する。マッチング回路13は、インピーダンス制御回路14から供給された制御信号に基づいてインピーダンスを変更する。
【0057】
(詳細動作)
パワーアンプ1は、入力信号Sinの信号振幅に基づいて、マッチング回路11、キャパシタC1、インダクタL2、キャパシタC2、およびマッチング回路13のインピーダンスを変化させる。以下に、図4を参照して、キャパシタC2のインピーダンスを変化させる動作を例に挙げて説明する。
【0058】
図6は、インピーダンス制御回路14における振幅検出回路20の一動作例を表すものであり、(A)は交流信号Sac1のエンベロープを示し、(B)はADC27の入力電圧を示す。
【0059】
この例では、タイミングt1において、入力信号Sinの信号振幅が600mVppになる。カプラ21は、入力信号Sinに含まれる交流信号を分離する。これにより、図6(A)に示したように、分離された交流信号Sac1のピークレベルは“+300mV”になり、ボトムレベルは“-300mV”になる。バッファアンプ24は、交流信号Sac1に応じた交流信号Sac2を生成し、ダイオードD25およびキャパシタC26は、ピークホールド動作を行う。これにより、ADC27の入力電圧は、図6(B)に示したように、交流信号Sac1のピークレベルに応じた電圧(電圧V1)になる。ADC27は、この入力電圧に基づいてAD変換を行うことによりデジタルコードを生成し、DAC31は、ADC27が生成したデジタルコードに基づいて電圧を生成する。これにより、バラクタ91のカソード電圧は、電圧V1に応じた電圧になる。その結果、バラクタ91を含むキャパシタC2のキャパシタンスは、このカソード電圧に応じたキャパシタンスになる。
【0060】
次に、タイミングt2において、入力信号Sinの信号振幅が600mVppから200mVppに変化する。これにより、図6(A)に示したように、分離された交流信号Sac1のピークレベルは“+100mV”になり、ボトムレベルは“-100mV”になる。バッファアンプ24は、交流信号Sac1に応じた交流信号Sac2を生成し、ダイオードD25およびキャパシタC26は、ピークホールド動作を行う。これにより、ADC27の入力電圧は、交流信号Sac1のピークレベルに応じた電圧になる。この例では、ピークレベルは“+300mV”から“+100mV”に低下しているので、図6(B)に示したように、ADC27の入力電圧もまた低下し、電圧V2になる。ADC27は、この入力電圧に基づいてAD変換を行うことによりデジタルコードを生成し、DAC31は、このデジタルコードに基づいて電圧を生成する。これにより、バラクタ91のカソード電圧は、電圧V2に応じた電圧になる。その結果、バラクタ91を含むキャパシタC2のキャパシタンスは、このカソード電圧に応じたキャパシタンスになる。
【0061】
次に、タイミングt3において、入力信号Sinの信号振幅が200mVppから400mVppに変化する。これにより、図6(A)に示したように、分離された交流信号Sac1のピークレベルは“+200mV”になり、ボトムレベルは“-200mV”になる。バッファアンプ24は、交流信号Sac1に応じた交流信号Sac2を生成し、ダイオードD25およびキャパシタC26は、ピークホールド動作を行う。これにより、ADC27の入力電圧は、交流信号Sac1のピークレベルに応じた電圧になる。この例では、ピークレベルは“+100mV”から“+200mV”に上昇しているので、図6(B)に示したように、ADC27の入力電圧もまた上昇し、電圧V3になる。ADC27は、この入力電圧に基づいてAD変換を行うことによりデジタルコードを生成し、DAC31は、このデジタルコードに基づいて電圧を生成する。これにより、バラクタ91のカソード電圧は、電圧V3に応じた電圧になる。その結果、バラクタ91を含むキャパシタC2のキャパシタンスは、このカソード電圧に応じたキャパシタンスになる。
【0062】
このようにして、パワーアンプ1では、入力信号Sinの信号振幅に応じて、キャパシタC2のキャパシタンスを変化させることにより、キャパシタC2のインピーダンスを変化させる。
【0063】
この例では、キャパシタC2のインピーダンスを変化させる動作を例に挙げて説明したが、キャパシタC1、インダクタL2、マッチング回路11,13のインピーダンスを変化させる動作についても同様である。
【0064】
次に、パワーアンプ1における電力増幅動作について説明する。この例では、入力信号Sinの信号振幅が小さいローパワーモードの場合(ケースW1)、および入力信号Sinの信号振幅が大きいハイパワーモードの場合(ケースW2)の2つのケースで、キャパシタC1、インダクタL2、マッチング回路11,13のインピーダンスを設定する例について説明する。この例では、トランジスタFET1,FET2は、窒化ガリウム(GaN)を用いたHEMT(High Electron Mobility Transistor)である。この例では、パワーアンプ1がいわゆるAB級動作を行うように、動作点を設定している。
【0065】
図7に示したように、ケースW1では、キャパシタC1のキャパシタンスは“100pF”であり、キャパシタC2のキャパシタンスは“0.6pF”であり、インダクタL2のインダクタンスは“5nH”であり、マッチング回路11のインピーダンスZsは“15+j30Ω”であり、マッチング回路13のインピーダンスZlは“40+j20Ω”である。ここで、インピーダンスZsは、トランジスタFET1のゲートから見たマッチング回路11のインピーダンスであり、インピーダンスZlは、トランジスタFET2のドレインから見たマッチング回路13のインピーダンスである。
【0066】
また、ケースW2では、キャパシタC1のキャパシタンスは“100pF”であり、キャパシタC2のキャパシタンスは“5pF”であり、インダクタL2のインダクタンスは“1.5nH”であり、マッチング回路11のインピーダンスZsは“18+j40Ω”であり、マッチング回路13のインピーダンスZlは“21+j3Ω”である。
【0067】
図8,9は、入力信号Sinの信号振幅が小さい場合(ケースW1)における回路シミュレーションの結果を表すものであり、図8はドレイン・ソース間の電圧Vds1,Vds2,Vdsの波形を示し、図9はゲート・ソース間の電圧Vgs1,Vgs2の波形を示す。電圧Vds1は、トランジスタFET1のドレイン・ソース間電圧であり、電圧Vds2は、トランジスタFET2のドレイン・ソース間電圧であり、電圧VdsはトランジスタFET2のドレインとトランジスタFET1のソースとの間の電圧である。電圧Vgs1は、トランジスタFET1のゲート・ソース間電圧であり、電圧Vgs2は、トランジスタFET2のゲート・ソース間電圧である。
【0068】
この例では、図2,3に示したとおり、電圧Vgs1の振幅および電圧Vgs2の振幅は互いにほぼ同じであり、電圧Vds1の振幅および電圧Vds2の振幅は互いにほぼ同じである。そして、電圧Vdsの振幅は、電圧Vds1,Vds2の振幅のほぼ2倍である。すなわち、ケースW1に対応するインピーダンス設定(図7)を行うことにより、パワーアンプ1は、期待された動作を行うことができる。
【0069】
図10,11は、入力信号Sinの信号振幅が大きい場合(ケースW2)における回路シミュレーションの結果を表すものであり、図10はドレイン・ソース間の電圧Vds1,Vds2,Vdsの波形を示し、図11はゲート・ソース間の電圧Vgs1,Vgs2の波形を示す。この例では、入力信号Sinの信号振幅を、パワーアンプ1の飽和領域に到達する振幅にまで大きくしているので、各波形は歪んでいる。このような場合であっても、電圧Vgs1の振幅および電圧Vgs2の振幅は互いにほぼ同じであり、電圧Vds1の振幅および電圧Vds2の振幅は互いにほぼ同じである。そして、電圧Vdsの振幅は、電圧Vds1,Vds2の振幅のほぼ2倍である。すなわち、ケースW2に対応するインピーダンス設定(図7)を行うことにより、パワーアンプ1は、期待された動作を行うことができる。
【0070】
このように、パワーアンプ1では、入力端子Tinと出力端子Toutとを結ぶ経路に設けられた2つのトランジスタFET1,FET2と、入力端子Tinにおける入力信号Sinの信号振幅を検出可能な振幅検出回路20と、インピーダンスを変更可能であり、振幅検出回路20の検出結果に基づいて、2つのトランジスタFET1,FET2の動作条件を設定可能なインピーダンス回路とを備えるようにした。ここで、インピーダンス回路は、この例では、マッチング回路11、キャパシタC1、インダクタL2、キャパシタC2、およびマッチング回路13を含む。これにより、パワーアンプ1では、様々な信号振幅の入力信号Sinが入力された場合において、信号振幅に依らずに、所望の電力増幅動作を行うことができる。
【0071】
すなわち、例えば、マッチング回路11、キャパシタC1、インダクタL2、キャパシタC2、およびマッチング回路13のインピーダンス設定を固定にした場合には、パワーアンプ1は、様々な信号振幅の入力信号Sinが入力された場合において、所望の電力増幅動作を行うのが難しい。
【0072】
例えば、図7に示した、入力信号Sinの信号振幅が大きい場合(ケースW2)におけるインピーダンス設定を用いて、小さい信号振幅を有する入力信号Sinを入力した場合には、図12,13に示したように、所望の電力増幅動作を行うことができない。この例では、電圧Vds1の振幅および電圧Vds2の振幅は互いに異なっている。このように、パワーアンプ1は、入力信号Sinの信号振幅が大きい場合(ケースW2)において所望の電力増幅動作を行うことができるインピーダンス設定では、入力信号Sinの信号振幅が小さい場合には、所望の電力増幅動作を行うことができない。
【0073】
また、例えば、図7に示した、入力信号Sinの信号振幅が小さい場合(ケースW1)におけるインピーダンス設定を用いて、大きい信号振幅を有する入力信号Sinを入力した場合には、図14,15に示したように、所望の電力増幅動作を行うことができない。この例では、電圧Vgs1の振幅および電圧Vgs2の振幅は互いに異なっている。また、電圧Vds2は、図10に示した電圧Vds2と比較して、立ち上がり時に電圧振幅が大きくなり、時間軸方向の対称性が低い。このように、パワーアンプ1は、入力信号Sinの信号振幅が小さい場合(ケースW1)において所望の電力増幅動作を行うことができるインピーダンス設定では、入力信号Sinの信号振幅が大きい場合には、所望の電力増幅動作を行うことができない。
【0074】
一方、パワーアンプ1では、インピーダンスを変更可能であり、振幅検出回路20の検出結果に基づいて、2つのトランジスタFET1,FET2の動作条件を設定可能なインピーダンス回路を備えるようにした。これにより、パワーアンプ1では、信号振幅に応じて、マッチング回路11、キャパシタC1、インダクタL2、キャパシタC2、およびマッチング回路13のインピーダンスを設定することにより、2つのトランジスタFET1,FET2の動作条件を設定することができる。その結果、パワーアンプ1では、様々な信号振幅の入力信号Sinが入力された場合において、信号振幅に依らずに、所望の電力増幅動作を行うことができる。
【0075】
また、パワーアンプ1では、振幅検出回路20は、入力端子Tinにおける入力信号Sinから交流信号Sac1を分離するカプラ21を有し、この交流信号Sac1の信号振幅を検出することにより入力信号Sinの信号振幅を検出するようにした。また、例えば、振幅検出回路20は、このカプラ21に接続された入力端子と、出力端子とを有するバッファアンプ24と、バッファアンプ24の出力端子に接続されたアノードと、カソードとを有するダイオードD25と、ダイオードD25のカソードに接続されたキャパシタC26とを有し、キャパシタC26における電圧に基づいて入力信号Sinの信号振幅を検出するようにした。これにより、パワーアンプ1では、シンプルな構成で、入力信号Sinの信号振幅を検出することができる。
【0076】
[効果]
以上のように本実施の形態では、入力端子と出力端子とを結ぶ経路に設けられた2つのトランジスタと、入力端子における入力信号の信号振幅を検出可能な振幅検出回路と、インピーダンスを変更可能であり、振幅検出回路20の検出結果に基づいて、2つのトランジスタの動作条件を設定可能なインピーダンス回路とを備えるようにしたので、様々な信号振幅の入力信号が入力された場合において、信号振幅に依らずに、所望の電力増幅動作を行うことができる。
【0077】
本実施の形態では、振幅検出回路は、入力端子における入力信号から交流信号を分離するカプラを有し、この交流信号の信号振幅を検出することにより入力信号の信号振幅を検出するようにした。また、振幅検出回路は、このカプラに接続された入力端子と、出力端子とを有するバッファアンプと、バッファアンプの出力端子に接続されたアノードと、カソードとを有するダイオードと、ダイオードのカソードに接続されたキャパシタとを有し、キャパシタにおける電圧に基づいて入力信号の信号振幅を検出するようにした。これにより、シンプルな構成で、入力信号の信号振幅を検出することができる。
【0078】
[変形例1]
上記実施の形態では、入力信号Sinの信号振幅が小さい場合と、信号振幅が大きい場合の2つのケースに対応する2つのインピーダンス設定を設けるようにしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、3つ以上のインピーダンス設定を設けてもよい。
【0079】
[変形例2]
上記実施の形態では、2つのトランジスタFET1,FET2を設けたが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば1つのトランジスタを設けてもよいし、例えば3つ以上のトランジスタを設けてもよい。以下に、3つのトランジスタを設ける例を挙げて詳細に説明する。
【0080】
図16は、本変形例に係るパワーアンプ1Aの一構成例を表すものである。パワーアンプ1Aは、キャパシタC3と、インダクタL4と、トランジスタFET3と、キャパシタC4と、抵抗素子R3と、インダクタL5と、インピーダンス制御回路14Aとを備えている。
【0081】
キャパシタC3は、インピーダンス制御回路14Aから供給された制御信号に基づいてインピーダンスを変更可能に構成される。キャパシタC3は、キャパシタC1と同様に、例えば複数のキャパシタを含み、複数のキャパシタのうちの使用するキャパシタの数を変更することにより、インピーダンスを変更することができるようになっている。キャパシタC3の一端はトランジスタFET3のソースおよびインダクタL4に接続され、他端はトランジスタFET2のドレインおよびインダクタL3に接続される。
【0082】
インダクタL4は、インピーダンス制御回路14Aから供給された制御信号に基づいてインピーダンスを変更可能に構成される。インダクタL4は、インダクタL2と同様に、例えば複数のインダクタを含み、複数のインダクタのうちの使用するインダクタの数を変更することにより、インピーダンスを変更することができるようになっている。インダクタL4の一端はトランジスタFET3のソースおよびキャパシタC3に接続され、他端は接地される。
【0083】
トランジスタFET3のゲートはキャパシタC4および抵抗素子R3に接続され、ソースはキャパシタC3およびインダクタL3に接地され、ドレインはインダクタL5およびマッチング回路13の入力端子に接続される。
【0084】
キャパシタC4は、インピーダンス制御回路14Aから供給された制御信号に基づいてインピーダンスを変更可能に構成される。キャパシタC4は、キャパシタC2と同様に、例えばバラクタを含み、バラクタのバイアス電圧を変更することにより、インピーダンスを変更することができるようになっている。キャパシタC4の一端はトランジスタFET3のゲートおよび抵抗素子R2に接続され、他端は接地される。
【0085】
抵抗素子R3の一端にはバイアス電圧Vgが供給され、他端はキャパシタC4およびトランジスタFET3のゲートに接続される。
【0086】
インダクタL5の一端には電源電圧VDDが供給され、他端はトランジスタFET3のドレインおよびマッチング回路13の入力端子に接続される。
【0087】
この構成により、パワーアンプ1Aは、3つのトランジスタFET1~FET3を用いて、入力信号Sinに基づいて電力増幅動作を行うようになっている。
【0088】
インピーダンス制御回路14Aは、入力信号Sinに基づいて、入力信号Sinの信号振幅を検出し、その信号振幅に基づいて、マッチング回路11、キャパシタC1、インダクタL2、キャパシタC2、キャパシタC3、インダクタL4、キャパシタC4、およびマッチング回路13のインピーダンスをそれぞれ設定するための8つの制御信号を生成するように構成される。
【0089】
ここで、トランジスタFET1~FET3は、本開示における「1または複数のトランジスタ」の一具体例に対応する。マッチング回路11、キャパシタC1、インダクタL2、キャパシタC2、キャパシタC3、インダクタL4、キャパシタC4、およびマッチング回路13は、本開示における「インピーダンス回路」の一具体例に対応する。
【0090】
これにより、パワーアンプ1Aでは、様々な信号振幅の入力信号が入力された場合において、所望の電力増幅動作を行うことができるとともに、出力電力をより大きくすることができる。
【0091】
[変形例3]
上記実施の形態では、トランジスタFET1,FET2を設けたが、これに限定されるものではなく、例えば、図17に示すパワーアンプ1Bのように、この前段にドライバアンプを設けてもよい。パワーアンプ1Bは、マッチング回路41Bと、ドライバアンプ42Bと、インピーダンス制御回路14Bとを備えている。
【0092】
マッチング回路41Bは、ドライバアンプ42Bの入力のインピーダンス整合を行うように構成される。マッチング回路41Bは、例えば、1または複数のキャパシタおよび1または複数のインダクタを含む。マッチング回路41Bは、インピーダンス制御回路14Bから供給された制御信号に基づいて、1または複数のキャパシタおよび1または複数のインダクタのうちの1以上の素子のインピーダンスを変更することにより、マッチング回路41Bのインピーダンスを変更することができるようになっている。マッチング回路41Bの入力端子はパワーアンプ1Bの入力端子Tinに接続され、出力端子はドライバアンプ42Bの入力端子に接続される。
【0093】
ドライバアンプ42Bは、マッチング回路11を介して、トランジスタFET1を駆動するように構成される。ドライバアンプ42Bの入力端子はマッチング回路41Bの出力端子に接続され、出力端子はマッチング回路11の入力端子に接続される。ここで、ドライバアンプ42Bは、本開示における「ドライバアンプ」の一具体例に対応する。
【0094】
インピーダンス制御回路14Bは、入力信号Sinに基づいて、入力信号Sinの信号振幅を検出し、その信号振幅に基づいて、マッチング回路41B、マッチング回路11、キャパシタC1、インダクタL2、キャパシタC2、およびマッチング回路13のインピーダンスをそれぞれ設定するための6つの制御信号を生成するように構成される。
【0095】
[その他の変形例]
また、これらの変形例のうちの2以上を組み合わせてもよい。
【0096】
<2.適用例>
次に、上記実施の形態および変形例で説明したパワーアンプの適用例について説明する。
【0097】
図18は、上記実施の形態等のパワーアンプが適用されるスマートフォン100の外観を表すものである。このスマートフォン100には、基地局との間で通信を行う無線通信回路101が設けられている。この無線通信回路101には、上記実施の形態等のパワーアンプが適用されている。
【0098】
上記実施の形態等のパワーアンプは、このようなスマートフォンの他、タブレット端末など、無線通信を行う様々な電子機器に適用することが可能である。
【0099】
以上、実施の形態および変形例、ならびにそれらの具体的な応用例を挙げて本技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
【0100】
例えば、上記の実施の形態等では、本技術をパワーアンプに適用したが、これに限定されるものではなく、様々なアンプに適用することができる。
【0101】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
【0102】
なお、本技術は以下のような構成とすることができる。以下の構成の本技術によれば、様々な信号振幅を有する信号を増幅することができる。
【0103】
(1)
入力端子と、
出力端子と、
前記入力端子と前記出力端子とを結ぶ経路に設けられた1または複数のトランジスタと、
前記入力端子における入力信号の信号振幅を検出可能な振幅検出回路と、
インピーダンスを変更可能であり、前記振幅検出回路の検出結果に基づいて、前記1または複数のトランジスタの動作条件を設定可能なインピーダンス回路と
を備えた増幅回路。
(2)
前記振幅検出回路は、前記入力信号から交流信号を分離する分離素子を有し、前記交流信号の信号振幅を検出することにより前記入力信号の信号振幅を検出可能である
前記(1)に記載の増幅回路。
(3)
前記振幅検出回路は、
前記分離素子に接続された入力端子、および出力端子を有するバッファアンプと、
前記バッファアンプの前記出力端子に接続されたアノードと、カソードとを有するダイオードと、
前記ダイオードのカソードに接続された第1のキャパシタと
を有し、
前記第1のキャパシタにおける電圧に基づいて前記入力信号の信号振幅を検出可能である
前記(2)に記載の増幅回路。
(4)
前記インピーダンス回路は、バラクタを含み、前記検出結果に基づいて前記バラクタにおける容量値を変化させることにより前記インピーダンスを変更可能である
前記(1)から(3)のいずれかに記載の増幅回路。
(5)
前記インピーダンス回路は、複数のキャパシタを有し、前記検出結果に基づいて、前記複数のキャパシタのうちの使用する1または複数のキャパシタを選択することにより前記インピーダンスを変更可能である
前記(1)から(4)に記載の増幅回路。
(6)
前記インピーダンス回路は、複数のインダクタを有し、前記検出結果に基づいて、前記複数のインダクタのうちの使用する1または複数のインダクタを選択することにより前記インピーダンスを変更可能である
前記(1)から(5)のいずれかに記載の増幅回路。
(7)
前記1または複数のトランジスタは、第1のトランジスタおよび第2のトランジスタを含み、
前記第1のトランジスタは、前記入力端子に導かれたゲートと、ドレインとを有し、
前記第2のトランジスタは、ゲートと、前記出力端子に導かれたドレインと、前記第1のトランジスタのドレインに導かれたソースとを有する
前記(1)に記載の増幅回路。
(8)
前記第2のトランジスタの前記ゲートに接続され、インピーダンスを変更可能な第2のキャパシタを備え、
前記インピーダンス回路は、前記第2のキャパシタを含む
前記(7)に記載の増幅回路。
(9)
前記第2のトランジスタの前記ソースに接続され、インピーダンスを変更可能な第1のインダクタを備え
前記インピーダンス回路は、前記第1のインダクタを含む
前記(7)または(8)に記載の増幅回路。
(10)
前記第1のトランジスタの前記ドレインと前記第2のトランジスタの前記ソースとを結ぶ経路に設けられ、インピーダンスを変更可能な第3のキャパシタを備え、
前記インピーダンス回路は、前記第3のキャパシタを含む
前記(7)から(9)のいずれかに記載の増幅回路。
(11)
前記入力端子と、前記第1のトランジスタの前記ゲートとを結ぶ経路に設けられ、インピーダンスを変更可能な第1のマッチング回路を備え、
前記インピーダンス回路は、前記第1のマッチング回路を含む
前記(7)から(10)のいずれかに記載の増幅回路。
(12)
前記入力端子と、前記第1のトランジスタの前記ゲートとを結ぶ経路に設けられたドライバアンプと、
前記ドライバアンプと、前記第1のトランジスタの前記ゲートとを結ぶ経路に設けられた第1のマッチング回路と
を備え、
前記インピーダンス回路は、前記第1のマッチング回路を含む
前記(7)から(10)のいずれかに記載の増幅回路。
(13)
前記1または複数のトランジスタは、ドレインを有する最終段トランジスタを含み、
前記最終段トランジスタの前記ドレインと、前記出力端子とを結ぶ経路に設けられ、インピーダンスを変更可能な第2のマッチング回路を備え、
前記インピーダンス回路は、前記第2のマッチング回路を含む
前記(1)から(12)のいずれかに記載の増幅回路。
(14)
前記増幅回路は、パワーアンプである
前記(1)から(13)のいずれかに記載の増幅回路。
(15)
無線通信を行うことが可能であり、増幅回路を有する通信回路を備え、
前記増幅回路は、
入力端子と、
出力端子と、
前記入力端子と前記出力端子とを結ぶ経路に設けられた1または複数のトランジスタと、
前記入力端子における入力信号の信号振幅を検出可能な振幅検出回路と、
インピーダンスを変更可能であり、前記振幅検出回路の検出結果に基づいて、前記1または複数のトランジスタの動作条件を設定可能なインピーダンス回路と
を有する
電子機器。
【符号の説明】
【0104】
1,1A,1B…パワーアンプ、11,13,41B…マッチング回路、12…バイアス回路、14,14A,14B…インピーダンス制御回路、20…振幅検出回路、21…カプラ、22…バイアス回路、24…バッファアンプ、27…ADC、31…DAC、33…制御回路、42B…ドライバアンプ、71~74…キャパシタ、75~77…スイッチ、81~84…インダクタ、85~87…スイッチ、91…バラクタ、92…キャパシタ、C1~C4,C26…キャパシタ、D25…ダイオード、FET1~FET3…トランジスタ、L1~L5…インダクタ、R1~R3,R23,R32…抵抗素子、Sac1,Sac2…交流信号、Sin…入力信号、Sout…出力信号、Tin…入力端子、Tout…出力端子、Vg…バイアス電圧、Vds,Vds1,Vds2,Vgs1,Vgs2…電圧。

図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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