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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181704
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G10L 25/66 20130101AFI20221201BHJP
   G10L 25/63 20130101ALI20221201BHJP
   G10L 17/00 20130101ALI20221201BHJP
   A61B 5/16 20060101ALI20221201BHJP
   A61B 10/00 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
G10L25/66
G10L25/63
G10L17/00 200C
A61B5/16 120
A61B10/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021088785
(22)【出願日】2021-05-26
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
(71)【出願人】
【識別番号】516254290
【氏名又は名称】SOMPOホールディングス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】512286484
【氏名又は名称】PST株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】出口 常夫
(72)【発明者】
【氏名】門澤 香莉
(72)【発明者】
【氏名】高野 毅
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 弘司
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038PP03
4C038PS05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】対象者のメンタルヘルスの状態を把握し、メンタルヘルスに不調が生じた場合に、これを発見する情報処理装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置は、取得部と、算出部と、決定部と、判定部と、通知部と、を備える。取得部は、対象者の発話に基づく音声情報を取得する。算出部は、取得部が所定期間に継続的に取得した音声情報に基づいて、対象者の活量値を算出する。決定部は、算出部が算出した複数の活量値に基づいて警告条件を少なくとも1つ決定する。判定部は、算出部が活量値を算出した際に、該算出した活量値が警告条件に合致するか否かを判定する。通知部は、判定部による判定結果が通知条件に合致した場合に、予め指定された通知先に警告を通知す。通知条件は、警告条件の少なくとも1つを含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
取得部と、算出部と、決定部と、判定部と、通知部とを備え、
前記取得部は、対象者の発話に基づく音声情報を取得可能に構成され、
前記算出部は、前記取得部が所定期間に継続的に取得した音声情報に基づいて、前記対象者の活量値を算出可能に構成され、
前記決定部は、前記算出部が算出した複数の活量値に基づいて警告条件を少なくとも1つ決定可能に構成され、
前記判定部は、前記算出部が活量値を算出した際に、該算出した活量値が前記警告条件に合致するか否かを判定可能に構成され、
前記通知部は、前記判定部による判定結果が通知条件に合致した場合に、予め指定された通知先に警告を通知可能に構成され、
前記通知条件は、前記警告条件の少なくとも1つを含む
情報処理装置。
【請求項2】
前記警告条件は、第1の警告条件と、第2の警告条件とを含み、
前記第1の警告条件は、前記算出部が算出した活量値が、前記活量値の平均値よりも予め定めた第1の値だけ低い値以下であることであり、
第2の警告条件は、前記算出部が算出した活量値が、前記活量値の平均値よりも予め定めた第2の値だけ高い値以上であることである
情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記通知条件は、前記第1の警告条件に合致したことである
情報処理装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の情報処理装置において、
前記通知条件は、前記第2の警告条件に合致したことである
情報処理装置。
【請求項5】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記通知条件は、前記第1の警告条件に合致した後に、前記第2の警告条件に合致したことである
情報処理装置。
【請求項6】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記通知条件は、前記第1の警告条件に合致した後に、前記第2の警告条件に合致し、その後に、前記第1の警告条件に合致したことである
情報処理装置。
【請求項7】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記通知条件は、前記第1の警告条件への合致と、前記第2の警告条件への合致とを予め定めた回数だけ繰り返されたことである
情報処理装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
識別部を備え、
前記識別部は、前記取得部が取得した音声情報に対応する対象者を識別可能に構成される
情報処理装置。
【請求項9】
請求項8に記載の情報処理装置において、
前記識別部は、前記音声情報に含まれる発話の声紋に基づいて、該音声情報に対応する対象者を識別する
情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータを情報処理装置として動作させるプログラムであって、
コンピュータを請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の情報処理装置として機能させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、メンタルヘルスの重要性が認識され、これに伴って様々な技術が提案されている。例えば、特許文献1には、検査の対象の対象者が発話した音声を含む音声データを用いた健康推定装置等が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-196314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、メンタルヘルスの不調は、その本人のみでなく、集団に対して影響を及ぼすことがある。例えば、職場においては、メンタルヘルスの不調により労働生産性が低下したり、離職の可能性が高くなる場合があるが、これらは、職場全体に影響を及ぼすことがある。
【0005】
また、職場においては、その職場環境が、当該職場に所属する個々人のメンタルヘルスに影響を与えている可能性もあり、この場合には、職場環境の改善が必要となる。
【0006】
いずれの場合も、職場に所属する個々人のメンタルの状態を把握し、メンタルヘルスに不調が生じた場合には、これを早期に発見することが重要となる。
【0007】
本発明では上記事情を鑑み、対象者のメンタルヘルスの状態を把握し、メンタルヘルスに不調が生じた場合に、これを発見することのできる情報処理装置及びプログラムを提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、情報処理装置が提供される。この情報処理装置は、取得部と、算出部と、決定部と、判定部と、通知部とを備える。取得部は、対象者の発話に基づく音声情報を取得可能に構成される。算出部は、取得部が所定期間に継続的に取得した音声情報に基づいて、対象者の活量値を算出可能に構成される。決定部は、算出部が算出した複数の活量値に基づいて警告条件を少なくとも1つ決定可能に構成される。判定部は、算出部が活量値を算出した際に、該算出した活量値が警告条件に合致するか否かを判定可能に構成される。通知部は、判定部による判定結果が通知条件に合致した場合に、予め指定された通知先に警告を通知可能に構成される。通知条件は、警告条件の少なくとも1つを含む。
【0009】
本発明の一態様によれば、メンタルヘルスに不調が生じたことを発見することができ、早期のケアを行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る情報処理装置1と他の装置との接続例を示した図である。
図2】情報処理装置1の構成を示した図である。
図3】情報処理装置1の機能的な構成を示すブロック図である。
図4】対象の活量値の推移例を示した図である。
図5】対象の活量値の推移例を示した図である。
図6】対象の活量値の推移例を示した図である。
図7】退職に至った対象者の活量値の推移例を示した図である。
図8】情報処理装置1の動作の流れを示すアクティビティ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0012】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0013】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0014】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0015】
1.全体構成
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理装置1と他の装置との接続例を示した図である。同図に示すように、情報処理装置1は、ネットワーク2に通信可能に接続される。このネットワーク2には、管理装置3や入力装置4等が通信可能に接続されている。ネットワーク2は、例えば、LAN(Local Area Network)や、インターネット等である。
【0016】
情報処理装置1は、入力装置4から音声情報を取得して、取得した音声情報に基づいて対象者の活量値を算出し、算出した活量値に基づいて管理装置3に警告を通知する。なお、活量値については後述する。
【0017】
管理装置3は、情報処理装置1から通知される警告を受け取るものであり、例えば、パーソナルコンピュータや、タブレット端末が用いられる。この管理装置3は、労務管理者等が用いるものである。
【0018】
入力装置4は、マイクロフォンを備えた装置又はマイクロフォンが接続された装置であり、従業員等の対象者の声を電気信号として取得し、取得した電気信号に基づいてディジタルの音声情報を生成するものである。具体的には、マイクロフォンを搭載したパーソナルコンピュータや、ヘッドセットが接続されたパーソナルコンピュータ、スピーカフォンが接続されたパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、電話機等が入力装置4に相当する。なお、入力装置4は、各々が異なる種別の装置であってもよく、同種の装置であってもよい。
【0019】
2.情報処理装置の構成
次に、情報処理装置1の構成について説明する。図2は、情報処理装置1の構成を示した図である。同図に示すように、情報処理装置1は、処理部11と、記憶部12と、一時記憶部13と、外部装置接続部14と、通信部15とを有しており、これらの構成要素が情報処理装置1の内部において通信バス16を介して電気的に接続されている。
【0020】
処理部11は、例えば、中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)により実現されるもので、記憶部12に記憶された所定のプログラムに従って動作し、種々の機能を実現する。
【0021】
記憶部12は、様々な情報を記憶する不揮発性の記憶媒体である。これは、例えばハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:HDD)やソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスにより実現される。なお、記憶部12は、情報処理装置1と通信可能な別の装置に配するようにすることも可能である。
【0022】
一時記憶部13は、揮発性の記憶媒体である。これは、例えばランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリにより実現され、処理部11が動作する際に一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶する。
【0023】
外部装置接続部14は、例えばユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus:USB)や高精細度マルチメディアインターフェース(High-Definition Multimedia Interface:HDMI)といった規格に準じた接続部であり、キーボード等の入力装置やモニタ等の表示装置を接続可能としている。
【0024】
通信部15は、例えばローカルエリアネットワーク(Local Area Network:LAN)規格に準じた通信手段であり、情報処理装置1とローカルエリアネットワークやこれを介したインターネット等のネットワーク2との間の通信を実現する。
【0025】
なお、情報処理装置1には、汎用のサーバ向けのコンピュータやパーソナルコンピュータ等を利用することが可能であり、複数のコンピュータを用いて情報処理装置1を構成することも可能である。
【0026】
3.情報処理装置1の機能
次に、情報処理装置1の機能について説明する。情報処理装置1は、プログラムにしたがって動作することで、後述する各機能部を実現する。このプログラムは、コンピュータを情報処理装置1として動作又は機能させるプログラムである。
【0027】
図3は、情報処理装置1の機能的な構成を示すブロック図である。同図に示すように、情報処理装置1は、取得部101と、識別部102と、管理部103と、算出部104と、決定部105と、判定部106と、通知部107とを備える。
【0028】
取得部101は、入力装置4のそれぞれから対象者の発話に基づく音声情報を取得可能に構成される。音声情報を取得する対象者は、一人であっても、複数人であってもよい。
【0029】
識別部102は、取得部101が取得した音声情報に対応する対象者を識別可能に構成される。つまり、識別部102は、取得部101が取得した音声情報を、対象者毎に分類する。例えば、入力装置4が、ヘッドセットが接続されたパーソナルコンピュータや電話機等であり、利用する対象者が固定されている場合には、識別部102は、入力装置4のネットワークアドレス等に基づいて、音声情報を識別する。また、入力装置4がスピーカフォン等であり、会議中の音声を取得したものである場合、識別部102は、音声情報に含まれる発話の声紋に基づいて、該音声情報に対応する対象者を識別し、音声情報を対象者毎に分割して分類するようにしてもよい。
【0030】
管理部103は、識別部102が識別した音声情報、算出部104が算出した活量値、決定部105が決定した警告条件等を記憶保持する。
【0031】
算出部104は、取得部101が所定期間に継続的に取得した音声情報に基づいて、対象者の活量値を算出可能に構成される。活量値は、音声病態分析技術MIMOSYS(登録商標)から出力された心の活量値(以下、活量値、という)である。具体的には、算出部104は、まず、各音声情報から、音声のピッチ周波数や基本周波数等を算出し、怒り、喜び、悲しみ、平常等の各感情が出現している度合いを発話単位毎に求め、求めた各感情の度合いに基づいて、対象者の元気の度合いを示す値を算出する。ここでは、この求めた値を元気圧と称する。そして、算出部104は、元気圧を算出した時点を基準にして、所定の期間(例えば、14日間等)に求めた複数の元気圧の平均値と分散値とを算出し、算出した分散値で平均値を重み付けした値を、活量値として算出する。
【0032】
決定部105は、算出部104が算出した複数の活量値に基づいて警告条件を少なくとも1つ決定可能に構成される。この警告条件は、対象者毎に、各対象者に対応する活量値に基づいて決定される。つまり、警告条件は、対象者毎に異なるものとなる。ただし、複数の対象者の警告条件が同一となることを否定するものではない。また、警告条件は、活量値に基づいて決定されるため、例えば、活量値を毎日算出している場合には、警告条件も日毎に異なる可能性がある。つまり、警告条件は、動的に変化するものである。
【0033】
警告条件は、例えば、算出した活量値が、活量値の平均値以下又は平均値以上であることとすることができる。また、警告条件は、第1の警告条件と、第2の警告条件とを含むようにしてもよい。例えば、第1の警告条件は、算出部104が算出した活量値が、活量値の平均値よりも予め定めた第1の値だけ低い値以下であることであり、第2の警告条件は、算出部104が算出した活量値が、活量値の平均値よりも予め定めた第2の値だけ高い値以上であることである。なお、警告条件をさらに多くすることも可能であり、例えば、第1の警告条件を活量値が個人の平均から一定以上に低下したこと、第2の警告条件を活量値が個人の平均から一定以上に上昇したこと、第3の警告条件を第2の警告条件に該当後、一定期間の間に、活量値が個人の平均から下回ったこと、第4の警告条件を第2の警告条件に該当後、一定期間の間に、第2の警告条件に該当したこと、等とすることができる。また、警告条件は、目的毎、例えば、離職防止や労働生産性の低下防止等のそれぞれに対応するものを決定するようにすることができる。
【0034】
判定部106は、算出部104が活量値を算出した際に、該算出した活量値が警告条件に合致するか否かを判定可能に構成される。具体的には、判定部106は、算出部104が算出した活量値である数値と警告条件の数値との大小関係を判定する。
【0035】
通知部107は、判定部106による判定結果が通知条件に合致した場合に、予め指定された通知先に警告を通知可能に構成される。予め指定された通知先は、例えば、管理装置3である。通知条件は、目的毎、例えば、離職防止や労働生産性の低下防止等のそれぞれに対応するものを決定するようにすることができ警告条件の少なくとも1つを含むようにすることができる。具体的には、通知条件は、「第1の警告条件に合致したこと」、「第2の警告条件に合致したこと」、「第1の警告条件に合致した後に、第2の警告条件に合致したこと」、「第1の警告条件に合致した後に、第2の警告条件に合致し、その後に、第1の警告条件に合致したこと」、「第1の警告条件への合致と、第2の警告条件への合致とを予め定めた回数だけ繰り返されたこと」等となる。もちろん、通知条件を、「第1の警告条件に合致したこと」、「第2の警告条件に合致したこと」、「第3の警告条件に合致したこと」、「第4の警告条件に合致したこと」、等とすることもできる。
【0036】
4.警告条件と通知条件の具体例
ここで、離職防止を目的とする場合を例として、警告条件と通知条件の具体例を説明する。図4乃至図6は、対象の活量値の推移例を示した図である。図4に示した推移例は、退職者の例であり、27日目と66日目に、活量値が下落している。このような特徴は、他の退職者にも共通するものである。一方、図5に示した推移例は、非退職者の例であり、47日目に、同様に活量値が下落している。この活量値の下落が1回のみである場合、当該対象者は、退職には至っていない。また、図6に示した推移例は、非退職者の例であり、活量値の下落はみられない。
【0037】
ここで、退職者の活量値の推移例を詳細に説明する。図7は、退職に至った対象者の活量値の推移例を示した図である。なお、同図においては、実線は、活量値を示し、破線は、活量値の平均値を示している。また、一点鎖線と二点鎖線は、それぞれ、活量値の平均値に0.1を加えた値と、活量値の平均値から0.1を減じた値を示している。この例では、77日目に活量値が活量値の平均値から0.1を減じた値よりも小さくなり、88日目に活量値が活量値の平均値に0.1を加えた値よりも大きくなり、97日目に活量値が活量値の平均値から0.1を減じた値よりも小さくなっている。また、当該対象者は、114日目に退職を申し出ている。
【0038】
この図7に示した例の場合、第1の警告条件を活量値の平均値よりも0.1だけ低い値以下であること、第2の警告条件を活量値の平均値よりも0.1だけ高い値以上であることとし、通知条件を「第1の警告条件に合致した後に、第2の警告条件に合致し、その後に、第1の警告条件に合致したこと」とすれば、97日目に管理者に警告が通知され、対象者に対するケアを行うことができる。また、通知条件を「第1の警告条件に合致した後に、第2の警告条件に合致したこと」とすれば、88日目に管理者に警告が通知され、対象者に対する早期のケアを行うことができる。
【0039】
5.情報処理装置1の動作
次に、情報処理装置1の動作について説明する。図8は、情報処理装置1の動作の流れを示すアクティビティ図である。
【0040】
情報処理装置1は、まず、取得部101が入力装置4から音声情報を取得し(A101)、識別部102が取得した音声情報を識別する(A102)。続いて、算出部104が活量値を算出する(A103)。そして、判定部106が、算出部104が算出した活量値が警告条件に合致するか否かを判定し、警告条件に合致し、さらに、通知条件に合致していれば、通知部107が管理装置3に対して警告を通知する。活量値が警告条件と通知条件の少なくとも一方に合致しなければ警告は通知されない。そして、判定部106が警告条件の更新を行い(A105)、以後、同様の処理を繰り返す。警告条件の更新は、例えば、活量値の平均値の算出である。
【0041】
6.その他
本発明は、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記警告条件は、第1の警告条件と、第2の警告条件とを含み、前記第1の警告条件は、前記算出部が算出した活量値が、前記活量値の平均値よりも予め定めた第1の値だけ低い値以下であることであり、第2の警告条件は、前記算出部が算出した活量値が、前記活量値の平均値よりも予め定めた第2の値だけ高い値以上であることである情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記通知条件は、前記第1の警告条件に合致したことである情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記通知条件は、前記第2の警告条件に合致したことである情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記通知条件は、前記第1の警告条件に合致した後に、前記第2の警告条件に合致したことである情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記通知条件は、前記第1の警告条件に合致した後に、前記第2の警告条件に合致し、その後に、前記第1の警告条件に合致したことである情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記通知条件は、前記第1の警告条件への合致と、前記第2の警告条件への合致とを予め定めた回数だけ繰り返されたことである情報処理装置。
前記情報処理装置において、識別部を備え、前記識別部は、前記取得部が取得した音声情報に対応する対象者を識別可能に構成される情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記識別部は、前記音声情報に含まれる発話の声紋に基づいて、該音声情報に対応する対象者を識別する情報処理装置。
コンピュータを情報処理装置として動作させるプログラムであって、コンピュータを前記情報処理装置として機能させるプログラム。
もちろん、この限りではない。
【符号の説明】
【0042】
1 :情報処理装置
2 :ネットワーク
3 :管理装置
4 :入力装置
11 :処理部
12 :記憶部
13 :一時記憶部
14 :外部装置接続部
15 :通信部
16 :通信バス
101 :取得部
102 :識別部
103 :管理部
104 :算出部
105 :決定部
106 :判定部
107 :通知部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8