(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181706
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】画像処理装置、制御方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20221201BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
H04N1/00 350
H04N1/00 127
H04N1/00 838
G06F13/00 601A
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021088793
(22)【出願日】2021-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【弁理士】
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【弁理士】
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】崎山 雅弘
【テーマコード(参考)】
5B084
5C062
【Fターム(参考)】
5B084AA02
5B084AA06
5B084AB06
5B084AB18
5B084AB21
5B084AB26
5B084BA09
5B084BB02
5B084BB16
5B084DC05
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA29
5C062AA37
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB42
5C062AC02
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC42
5C062AE03
5C062AE07
5C062AE15
5C062AF02
5C062AF12
(57)【要約】
【課題】本開示は上述した課題に鑑み、端末装置に記憶された最低限の宛先の情報を取得するだけで、送信先を選択することが可能な画像処理装置を提供すること。
【解決手段】画像処理装置は、制御部と、表示部と、通信部と、近距離無線通信部とを備え、前記制御部は、端末装置から、前記端末装置によって記憶されている宛先情報に対応する表示用画像を前記近距離無線通信部を介して受信し、前記表示部に前記表示用画像を含む画面を表示し、前記画面に対して入力された操作に基づき、前記端末装置から前記宛先情報を受信し、前記端末装置から受信した前記宛先情報に基づき、送信用画像を前記通信部を介して送信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と、表示部と、通信部と、近距離無線通信部とを備え、
前記制御部は、
端末装置から、前記端末装置によって記憶されている宛先情報に対応する表示用画像を前記近距離無線通信部を介して受信し、
前記表示部に前記表示用画像を含む画面を表示し、
前記画面に対して入力された操作に基づき、前記端末装置から前記宛先情報を受信し、
前記端末装置から受信した前記宛先情報に基づき、送信用画像を前記通信部を介して送信する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記表示用画像には、複数の前記宛先情報を含むリストが含まれていることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記表示用画像は、前記宛先情報を示す画像であり、
前記制御部は、前記表示部に前記表示用画像を配置した前記画面を表示することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記宛先情報の一部を秘匿した前記画面を表示することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、秘匿した前記宛先情報を表示する表示操作がされた場合、秘匿した前記宛先情報が秘匿されていない前記画面を表示することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記端末装置から、前記宛先情報の一部を秘匿した前記表示用画像を受信し、当該表示用画像を含む前記画面を表示し、
前記表示操作がされた場合、前記端末装置から、前記宛先情報が秘匿されていない前記表示用画像を受信し、当該表示用画像を含む前記画面を表示する
ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記表示用画像の一部を秘匿した前記画面を表示し、前記表示操作がされた場合、前記表示用画像の一部が秘匿されていない前記画面を表示することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、過去にユーザによって選択された前記宛先情報を優先的に表示した前記画面を表示することを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記画面に、前記宛先情報とともに、当該宛先情報に対応するユーザ名、ニックネーム、画像の少なくとも何れか1つを表示することを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、所定の方法により前記宛先情報を並び替えた前記画面を表示することを特徴とする請求項1から9の何れか一項に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記端末装置において前記宛先情報を並び替える方法として用いられている方法により前記宛先情報を並び替えた前記画面を表示することを特徴とする請求項10に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記宛先情報はアカウント別に管理され、
前記制御部は、ユーザによって選択されたアカウントに対応する前記宛先情報を含む前記画面を表示する
ことを特徴とする請求項1から11の何れか一項に記載の画像処理装置。
【請求項13】
端末装置から、当該端末装置によって記憶されている宛先情報に対応する表示用画像を近距離無線通信により受信するステップと、
前記表示用画像を含む画面を表示するステップと、
前記画面に対して入力された操作に基づき、前記端末装置から前記宛先情報を受信するステップと、
前記端末装置から受信した前記宛先情報に基づき、送信用画像を送信するステップと、
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項14】
端末装置と、画像処理装置とを含むシステムであって、
前記端末装置は、
宛先情報に対応する表示用画像を前記画像処理装置に送信し、
前記画像処理装置から前記表示用画像を含む画面に対して入力された操作を示す情報を受信した場合、当該操作に対応する前記宛先情報を前記画像処理装置に送信し、
前記画像処理装置は、
前記表示用画像を含む画面を表示し、
前記画面に対して入力された前記操作を示す情報を前記端末装置に送信し、前記端末装置から受信した前記宛先情報に基づき、送信用画像を送信する
ことを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像処理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、コピー機能、印刷機能、スキャナ機能、メール送信機能等を有するデジタル複合機(MFP;Multi-Function Peripheral/Printer)が広く利用されている。また、複合機には、スキャナ機能により読み込まれた原稿の画像を、ユーザによって指定された宛先に送信する機能を有するものがある。
【0003】
また、画像の送信先となる宛先の情報を、他の装置から取得するための技術も提案されている。例えば、画像処理装置がユーザの携帯端末装置と無線通信を行って、携帯端末装置に登録されている宛先情報のうち、アドレスを識別するためのアドレス識別情報(例えば、登録番号と宛名情報)を取得して記憶し、データの送受信時には、ユーザによって選択されたアドレス識別情報に対応するアドレスを携帯端末装置から取得する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スマートフォン等の携帯端末装置に記憶された宛先の情報(例えば、電話帳の情報)を、自動車のナビゲーションシステムのように使用者がほぼ本人に特定される装置等に転送する場合、全ての電話帳の情報を転送することで、ユーザの利便性が上がることが考えられる。しかし、電話帳の情報が、複合機等、不特定多数が利用する装置に転送される場合は、携帯端末装置に記憶された宛先の情報が、他人に知られてしまうという懸念がある。このような懸念に対し、複合機が必要な処理が終了した時点で携帯端末装置から受信した宛先の情報を破棄する方法が考えられる。しかし、そのような方法が講じられるとしても、宛先の情報を一旦複合機に転送することに対する心理的障壁が存在する。
【0006】
ここで、特許文献1に記載された技術は、ユーザ単位ではあるがアドレス識別情報が複合機に記憶されてしまうことから前述のような心理的障壁が存在する。
【0007】
本開示は上述した課題に鑑み、端末装置に記憶された最低限の宛先の情報を取得するだけで、送信先を選択することが可能な画像処理装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本開示に係る画像処理装置は、制御部と、表示部と、通信部と、近距離無線通信部とを備え、前記制御部は、端末装置から、前記端末装置によって記憶されている宛先情報に対応する表示用画像を前記近距離無線通信部を介して受信し、前記表示部に前記表示用画像を含む画面を表示し、前記画面に対して入力された操作に基づき、前記端末装置から前記宛先情報を受信し、前記端末装置から受信した前記宛先情報に基づき、送信用画像を前記通信部を介して送信することを特徴とする。
【0009】
本開示に係る制御方法は、端末装置から、当該端末装置によって記憶されている宛先情報に対応する表示用画像を近距離無線通信により受信するステップと、前記表示用画像を含む画面を表示するステップと、前記画面に対して入力された操作に基づき、前記端末装置から前記宛先情報を受信するステップと、前記端末装置から受信した前記宛先情報に基づき、送信用画像を送信するステップと、を含むことを特徴とする。
【0010】
本開示に係るシステムは、端末装置と、画像処理装置とを含むシステムであって、前記端末装置は、宛先情報に対応する表示用画像を前記画像処理装置に送信し、前記画像処理装置から前記表示用画像を含む画面に対して入力された操作を示す情報を受信した場合、当該操作に対応する前記宛先情報を前記画像処理装置に送信し、前記画像処理装置は、前記表示用画像を含む画面を表示し、前記画面に対して入力された前記操作を示す情報を前記端末装置に送信し、前記端末装置から受信した前記宛先情報に基づき、送信用画像を送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、端末装置に記憶された最低限の宛先の情報を取得するだけで、送信先を選択することが可能な画像処理装置等を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態におけるシステムの全体構成を説明するための図である。
【
図2】第1実施形態における端末装置の機能構成を説明するための図である。
【
図3】第1実施形態における電話帳データのデータ構造の例を説明するための図である。
【
図4】第1実施形態における画像処理装置の機能構成を説明するための図である。
【
図5】第1実施形態におけるアドレス帳データのデータ構造の例を説明するための図である。
【
図6】第1実施形態における処理の流れを説明するためのシーケンス図である。
【
図7】第1実施形態における画像処理装置の処理の流れを説明するためのフロー図である。
【
図8】第1実施形態におけるアドレス選択処理の流れを説明するためのフロー図である。
【
図9】第1実施形態における端末装置の処理の流れを説明するためのフロー図である。
【
図10】第1実施形態における動作例を示す図である。
【
図11】第1実施形態における動作例を示す図である。
【
図12】第2実施形態におけるアドレス選択処理の流れを説明するためのフロー図である。
【
図13】第2実施形態における構造データを説明するためのフロー図である。
【
図14】第2実施形態における端末装置の処理の流れを説明するためのフロー図である。
【
図15】第2実施形態における動作例を示す図である。
【
図16】第3実施形態における動作例を示す図である。
【
図17】第5実施形態における(a)電話帳データのデータ構造、(b)動作例を示す図である。
【
図18】第6実施形態における動作例を示す図である。
【
図19】第7実施形態における動作例を示す図である。
【
図20】第8実施形態における(a)電話帳データのデータ構造、(b)動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本開示を実施するための一実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本開示を説明するための一例であり、特許請求の範囲に記載した発明の技術的範囲が、以下の記載に限定されるものではない。
【0014】
[1.第1実施形態]
[1.1 全体構成]
図1を参照して、本実施形態におけるシステム1について説明する。本実施形態のシステム1は、
図1に示すように、端末装置10と、画像処理装置20とを含んで構成される。また、端末装置10と、画像処理装置20とは、近距離無線通信を行う機能を有する。
【0015】
端末装置10は、ユーザによって利用される情報処理装置である。端末装置10は、例えば、スマートフォンやタブレットといった装置である。なお、端末装置10は、スマートウォッチ、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistant))といった装置であってもよい。
【0016】
画像処理装置20は、コピー機能、印刷機能、スキャナ機能、メール送信機能、ファクシミリ送信機能等を有する装置であり、一般的にデジタル複合機(MFP)と呼ばれる装置である。なお、画像処理装置20は、画像を、電子写真方式等の手段を用いて、用紙やOHPフィルムといった記録用紙上に形成を行う手段を備えた画像形成装置であってもよい。
【0017】
[1.2 機能構成]
[1.2.1 端末装置]
図2を参照して、本実施形態の端末装置10の構成を説明する。
図2に示すように、端末装置10は、制御部100と、表示部140と、操作部150と、記憶部160と、近距離無線通信部180と、通信部190とを備えて構成される。
【0018】
制御部100は、端末装置10の全体を制御する。制御部100は、記憶部160に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、1又は複数の演算装置(例えば、CPU(Central Processing Unit))により構成されている。
【0019】
表示部140は、各種情報を表示する。表示部140は、例えば、LCD(Liquid crystal display)、有機EL(electro-luminescence)パネル、マイクロLED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等の表示装置により構成される。
【0020】
操作部150は、端末装置10を使用するユーザの操作を受け付ける。操作部150は、タッチセンサ等の入力装置によって構成される。タッチセンサにおいて入力を検出する方式は、例えば、抵抗膜方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式といった、一般的な検出方式であればよい。なお、端末装置10には、表示部140と、操作部150とが一体に形成されたタッチパネルが搭載されてもよい。
【0021】
記憶部160は、端末装置10の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する。記憶部160は、例えば、半導体メモリであるSSD(Solid State Drive)や、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置により構成される。
【0022】
記憶部160は、記憶領域として、電話帳データ記憶領域162を確保し、さらに、制御アプリケーション164を記憶する。
【0023】
電話帳データ記憶領域162は、端末装置10において、他のユーザと連絡を行ったり、通信を行ったりするために用いられる情報(電話帳データ)を記憶する領域である。電話帳データは、一般的に、電話帳やアドレス帳と呼ばれる機能により表示されたり管理されたりする情報である。
【0024】
電話帳データは、例えば、以下に示す情報のうち、必要な情報が含まれる。
・ユーザの情報
ユーザの名前や会社名といった、ユーザ個人に関する情報である。
・宛先情報
ユーザに連絡を行ったり、ユーザに対して情報やデータ(例えば、画像データ等)を送信したりするときに用いられる情報である。宛先情報は、例えば、電話番号、FAX番号、電子メールアドレスである。
・属性情報
ユーザや、電話帳データを分類するために用いられる情報である。属性情報は、例えば、ユーザが所属するグループを示す情報(グループ名、フォルダ名、グループを識別するためのID等の情報)である。
【0025】
本実施形態における電話帳データは、上述した情報のうち、ユーザの情報と宛先情報とを含む情報であるとする。本実施形態における電話帳データには、
図3に示すように、例えば、ユーザ名(例えば、「田中 一郎」)とそのふりがな(例えば、「たなか いちろう」)、当該ユーザが所属する会社名(例えば、「A社」)、当該ユーザの電話番号(例えば、「03-1111-2222」)、当該ユーザのFAX(ファクシミリ)番号(例えば、「03-1111-2223」)、当該ユーザの電子メールアドレス(例えば、「tanaka@a-sha.com」)が記憶される。
【0026】
なお、電話帳データには、上述した情報以外にも、住所、所属部署名、メモ等の情報や、電話帳データを分類・絞り込むための属性の情報(例えば、グループ名、タグ名、ラベル名、お気に入りか否か)が記憶されてもよい。また、1つの電話帳データには、複数の宛先情報が記憶されてもよい。つまり、電話帳データには、スマートフォン等の端末装置において、他のユーザとの連絡等を行うときに用いられる情報として一般的に記憶される情報が記憶されていればよい。
【0027】
制御アプリケーション164は、制御部100を制御して、画像処理装置20と通信させ、画像処理装置20を介して、電話帳データ記憶領域162に記憶された電話帳データを選択させるための機能を提供するアプリケーション(アプリ)である。制御アプリケーション164によって実行される処理については後述する。
【0028】
近距離無線通信部180は、端末装置10の周囲に位置する他の装置と無線通信を行う。近距離無線通信部180は、例えば、アンテナを備えた通信装置により構成される。近距離無線通信部180が無線通信を行うときに用いる近距離無線通信の方式は、一般的に用いられる方式であれば、何れの方式であってもよい。例えば、近距離無線通信部180は、近距離無線通信の方式として、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)、ZigBee(登録商標)、ワイヤレスUSB等の方式を用いる。
【0029】
通信部190は、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)を介して外部の装置と通信を行う。通信部190は、例えば、有線/無線LANで利用されるNIC(Network Interface Card)や、LTE(Long Term Evolution)/LTE-A(LTE-Advanced)/LAA(License-Assisted Access using LTE)/5G回線に接続可能な通信モジュールにより構成される。
【0030】
[1.2.2 画像処理装置]
図4を参照して、本実施形態の画像処理装置20の構成を説明する。
図4に示すように、画像処理装置20は、制御部200と、画像入力部220と、画像形成部230と、表示部240と、操作部250と、記憶部260と、近距離無線通信部280と、ネットワーク通信部290と、FAX通信部295を備えて構成される。
【0031】
制御部200は、画像処理装置20の全体を制御する。制御部200は、記憶部260に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、1又は複数の演算装置(例えば、CPU)により構成されている。
【0032】
画像入力部220は、原稿を読み取り、読み取った画像のデータを入力する。例えば、画像入力部220は、CIS(Contact Image Sensor)やCCD(Charge Coupled Device)等の光学情報を電気信号に変換する機器を備えたスキャン装置等により構成され、画像処理装置20の載置台に載置された原稿を読み取る。なお、画像入力部220は、USB(Universal Serial Bus)メモリに記憶された画像を読み出すためのインターフェイス(端子)により構成されてもよい。
【0033】
画像形成部230は、記録用紙等の記録媒体に対して画像を形成(印刷)する。画像形成部230は、例えば、電子写真方式を利用したレーザプリンタ等により構成される。
【0034】
表示部240は、各種情報を表示する。表示部240は、例えば、LCD、有機ELパネル、マイクロLEDディスプレイ等の表示装置により構成される。
【0035】
操作部250は、画像処理装置20を使用するユーザの操作を受け付ける。操作部250は、ハードウェアキー(物理キー、テンキー)や、タッチセンサ等の入力装置によって構成される。タッチセンサにおいて入力を検出する方式は、例えば、抵抗膜方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式といった、一般的な検出方式であればよい。なお、画像処理装置20には、表示部240と、操作部250とが一体に形成されたタッチパネルが搭載されてもよい。
【0036】
記憶部260は、画像処理装置20の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する。記憶部260は、例えば、半導体メモリであるSSDや、HDD等の記憶装置により構成される。
【0037】
記憶部260は、記憶領域として、画像データ記憶領域262及びアドレス帳データ記憶領域264が確保される。
【0038】
画像データ記憶領域262は、画像入力部220によって入力された画像の画像データを記憶する。画像データは、例えば、画像形成部230によって形成される画像を表現したデータ(印刷データ)であったり、他の装置によって読み取り可能な形式のファイルであったりする。
【0039】
アドレス帳データ記憶領域264は、画像データの送信先(アドレス)に関する情報(アドレス帳データ)が記憶される。なお、本実施形態におけるアドレスは、画像データの送信先となるユーザや装置、装置の記憶領域等を示す情報であり、画像処理装置20によって画像データの送信先を特定するために用いられる情報である。本実施形態におけるアドレス帳データには、
図5に示すように、例えば、ユーザ名(例えば、「伊藤 三郎」)とそのふりがな(例えば、「いとう さぶろう」)、当該ユーザのFAX(ファクシミリ)番号(例えば、「03-2345-6789」)、当該ユーザの電子メールアドレス(例えば、「itou@c-sha.com」)、当該ユーザに関するメモ(例えば、「営業部」)が記憶される。
【0040】
アドレス帳データには、複数の電子メールアドレスやファクシミリ番号が記憶されてもよい。また、アドレス帳データには、上述した情報以外にも、住所、会社名、所属部署名等の情報や、アドレス帳データを分類・絞り込むための属性の情報(例えば、グループ名、タグ名、ラベル名、お気に入りか否か)が記憶されてもよい。つまり、アドレス帳データには、画像データを送信する機能を有する画像処理装置において、画像データの送信先(アドレス)の情報として一般的に記憶される情報が記憶されていればよい。
【0041】
近距離無線通信部280は、画像処理装置20の周囲に位置する他の装置と無線通信を行う。近距離無線通信部280は、例えば、アンテナを備えた通信装置により構成される。近距離無線通信部280が用いる無線通信の方式は、例えば、Bluetooth、NFC、ZigBee、ワイヤレスUSBといった、一般的に近距離の通信に用いられる無線通信の方式であれば、何れの方式であってもよい。
【0042】
ネットワーク通信部290は、他の装置と通信を行う。例えば、ネットワーク通信部290は、有線/無線LANで利用されるNIC等の通信装置や通信モジュールにより構成され、LANやWANを介して外部の装置と通信を行う。
【0043】
FAX通信部295は、アナログ回線やデジタル回線(ISDN)等の電話回線に接続し、通常のG3/G4規格等を利用したファクシミリ通信や、InternetFAXを利用したファクシミリ通信を行うことで、他の装置と画像の送受信を行う機能部である。ファクシミリ通信は、文字や図形等を含む画像を送受信する電気通信である。
【0044】
[1.3 処理の流れ]
図6から
図9を参照して、本実施形態におけるシステム1全体の処理の流れと、端末装置10及び画像処理装置20の処理の流れについて説明する。
【0045】
[1.3.1 システム全体の処理の流れ]
図6を参照して、本実施形態におけるシステム1全体の処理の流れについて説明する。なお、端末装置10と画像処理装置20とは、ペアリング若しくはペアリングに相当する動作により、予め通信可能な状態であるとする。
【0046】
はじめに、画像処理装置20は、近距離無線通信部280を介して、端末装置10に表示用画像要求情報を送信する(S1000)。表示用画像要求情報とは、画像処理装置20によって取得された画像データの送信先(アドレス)をユーザに選択させるための画面(選択画面)に含まれる画像(表示用画像)を要求するための情報である。選択画面には、電話帳データ記憶領域162に記憶された電話帳データに基づくデータを表示したリストや項目、ユーザによって選択された電話帳データを決定するための決定ボタンなどの要素が含まれる。
【0047】
端末装置10は、近距離無線通信部180を介して、画像処理装置20から送信された表示用画像要求情報を受信する(S1002)。つづいて、端末装置10は、表示用画像を生成し(S1004)、当該生成した表示用画像を、近距離無線通信部180を介して、画像処理装置20に送信する(S1006)。なお、表示用画像は、選択画面の全体を示す画像であってもよいし、選択画面に配置される1又は複数の画像(部分画像)であってもよいが、本実施形態では、表示用画像は、選択画面の全体を示す画像であるとする。したがって、端末装置は、S1004において、電話帳データ記憶領域162から取得した電話帳データを読み出し、宛先情報を含むリストや、決定ボタン等を含む表示用画像を生成する。
【0048】
画像処理装置20は、近距離無線通信部280を介して、端末装置10から送信された表示用画像を受信し(S1008)、当該受信した表示用画像をそのまま含めた選択画面を、表示部240に表示する(S1010)。
【0049】
つづいて、画像処理装置20は、操作部250を介して、ユーザによって選択画面に対して入力された操作を検出し(S1012)、当該操作に関する情報である操作イベント情報を、近距離無線通信部280を介して、端末装置10に送信する(S1014)。
【0050】
操作イベント情報は、例えば、以下に示す情報が含まれる。
・操作を示す情報
操作を示す情報とは、ユーザによって入力された操作の内容を示す情報であり、例えば、タップしたことを示す情報である。なお、操作を示す情報には、マルチタップ、スワイプフリップ、ピンチイン・ピンチアウト等といった、ジェスチャを示す情報が含まれていてもよい。
・位置を示す情報
位置を示す情報とは、ユーザによって操作(例えば、タップ)が行われた表示画面上の位置(例えば、表示画面の左上を原点としたX座標及びY座標)を示す情報である。なお、位置を示す情報には、タップ操作がされた軌跡を示す情報(例えば、複数の座標のリスト)、指の移動速度(タップ位置の変化速度)等の情報が含まれていてもよい。
【0051】
つづいて、端末装置10は、近距離無線通信部180を介して操作イベント情報を受信したら、選択画面に含まれる要素のうち、ユーザの操作によって選択された要素を判定する(S1016)。例えば、端末装置10は、選択画面の表示用画像と、操作イベント情報に含まれる位置を示す情報とから、選択画面の表示用画像に含まれる要素であって、ユーザによって選択された要素(例えば、電話帳データや決定ボタン)を判定する。
【0052】
つづいて、端末装置10は、S1016における判定に基づき、ユーザによって決定ボタンが選択されたか否かを判定する(S1018)。端末装置10は、ユーザによって選択された要素が決定ボタンでないと判定した場合、ユーザによって選択された要素に基づき、選択画面の表示用画像を再度生成する(S1018;No→S1020)。さらに、端末装置10は、S1020において生成した選択画面の表示用画像を、近距離無線通信部180を介して、画像処理装置20に送信する(S1022)。
【0053】
その後、画像処理装置20はS1012からの処理を実行し、端末装置10は、S1016からの処理を実行する。このようにすることで、画像処理装置20及び端末装置10は、ユーザによって決定ボタンが選択されるまで、ユーザによって行われた操作に基づき、画像処理装置20の表示部240に表示される選択画面を更新することができる。
【0054】
一方、端末装置10は、S1018において、ユーザによって選択された要素が決定ボタンであると判定した場合、近距離無線通信部180を介して、画像処理装置20に宛先情報を送信する(S1018;Yes→S1024)。
【0055】
なお、端末装置10は、宛先情報として、FAX番号や電子メールアドレスを、画像処理装置20に送信する。このとき、端末装置10は、宛先情報のうち、必要な種類の情報(例えば、FAX番号)のみを、画像処理装置20に送信してもよい。例えば、制御部100は、画像処理装置20によって実行される機能が、スキャン装置によって読み取った画像データを送信する機能(ScanToEmail機能)であることが通知された場合、電子メールアドレスだけを画像処理装置20に送信する。また、制御部100は、画像処理装置20によって実行される機能が、ファクシミリ送信機能であることが通知された場合、FAX番号だけを画像処理装置20に送信する。
【0056】
[1.3.2 画像処理装置]
図7及び
図8を参照して、画像処理装置20によって実行される処理の流れについて説明する。
図7及び
図8は、制御部200が、記憶部260に記憶されたプログラムを読み出すことにより実行され、特に、画像データを他の装置に送信するジョブの実行が指示されたときに実行される。
【0057】
はじめに、制御部200は、他の装置に送るための画像(送信用画像)の画像データを取得する(ステップS100)。例えば、制御部200は、画像入力部220を制御することにより、画像処理装置20に載置された原稿を読み取り、当該原稿の画像データを取得する。なお、制御部200は、取得した画像の画像データを、画像データ記憶領域262に記憶してもよい。
【0058】
つづいて、制御部200は、ステップS100において取得した画像データの送信先(宛先)を選択するための処理である、アドレス選択処理を実行する(ステップS102)。アドレス選択処理における処理については、
図8を参照して説明する。
【0059】
はじめに、制御部200は、表示部240に選択画面を表示する(ステップS110)。ステップS110において表示される選択画面は、ステップS100において取得された画像データの送信先(アドレス)を選択する画面であって、アドレス帳データ記憶領域264に記憶されたアドレス帳データが表示されたり、選択されたりする画面である。例えば、制御部200は、アドレス帳データ記憶領域264からアドレス帳データを読み込み、当該アドレス帳データに記憶されたユーザ名、電子メールアドレス等が表示された項目を選択可能なリストを含んだ画面を表示部240に表示する。また、制御部200は、選択画面に、端末装置10に記憶された電話帳データを使用するための操作を受け付けるためのボタンを含めてもよい。
【0060】
つづいて、制御部200は、端末装置10に記憶された電話帳データを使用するか否かを判定する(ステップS112)。例えば、制御部200は、ステップS110において表示した、電話帳データを使用するための操作を受け付けるためのボタンを選択される操作がされた場合、電話帳データを使用すると判定する。
【0061】
制御部200は、電話帳データを使用すると判定した場合、近距離無線通信部280を介して、端末装置10に対して、表示用画像要求情報を送信する(ステップS112;Yes→ステップS114)。また、制御部200は、近距離無線通信部280を介して、端末装置10から、表示用画像を受信し(ステップS116)、当該表示用画像を含む選択画面を表示部240に表示する(ステップS118)。
【0062】
つづいて、制御部200は、操作部250を介して、選択画面に対するユーザによる操作を検出したか否かを判定する(ステップS120)。制御部200は、操作を検出した場合、選択画面に対して入力された操作を示す情報である操作イベント情報を、近距離無線通信部280を介して、端末装置10に送信する(ステップS120;Yes→ステップS122)。例えば、制御部200は、ユーザによって選択(タップ)された表示画面上の位置や、ジェスチャ(例えば、スワイプ等)の種類、タッチされた位置の変化速度といった情報を取得し、当該取得した情報により構成された操作イベント情報を、端末装置10に送信する。
【0063】
つづいて、制御部200は、近距離無線通信部280を介して、端末装置10から、宛先情報(例えば、FAX番号や電子メールアドレス)を受信したか否かを判定する(ステップS124)。制御部200は、宛先情報を受信した場合、当該宛先情報に基づき、画像データの送信先(アドレス)を選択する(ステップS124;Yes→ステップS126)。例えば、制御部200は、ステップS100において取得した画像データをファクシミリ通信を利用して送信先に送信する場合、FAX番号をアドレスとして選択する。また、制御部200は、ステップS100において取得した画像データを電子メールに添付して送信先に送信する場合、電子メールアドレスをアドレスとして選択する。このようにして、制御部200は、表示用画像を含む選択画面に対して入力された操作に基づき、端末装置10から、送信用画像のアドレスを示す宛先情報を受信することができる。
【0064】
一方、制御部200は、ステップS124において、宛先情報を受信しなかった場合、近距離無線通信部280を介して、端末装置10から、表示用画像を受信したか否かを判定する(ステップS124;No→ステップS128)。制御部200は、表示用画像を受信した場合、ステップS118に戻り、ステップS128において受信した表示用画像を含む選択画面を、表示部240に表示する(ステップS128;Yes→ステップS118)。一方、制御部200は、ステップS128において、表示用画像を受信しなかった場合、ステップS124に戻る(ステップS128;No→ステップS124)。
【0065】
図7に戻り、制御部200は、ステップS100において取得した送信用画像の画像データを、ステップS102において選択したアドレスに送信する(ステップS104)。例えば、制御部200は、画像データを電子メールに添付して送信する場合、ステップS102において選択した電子メールアドレスを宛先とし、ステップS100において取得した画像データを添付した電子メールを生成する。そして、制御部200は、生成した電子メールを、ネットワーク通信部290を介して、所定のメールサーバに送信する。また、制御部200は、画像データをファクシミリ通信を利用して送信する場合、ステップS102において選択したFAX番号を宛先として、ステップS100において取得した画像データをFAX通信部295を介して送信する。
【0066】
なお、制御部200は、ステップS112において、端末装置10に記憶された電話帳データを使用しないと判定した場合は、画像処理装置20に記憶されたアドレス帳データを使用する処理を実行する(ステップS112;No)。例えば、制御部200は、画像処理装置20のアドレス帳データ記憶領域264に記憶されたアドレス帳データをユーザに選択させ、当該選択されたアドレス帳データに記憶されたFAX番号や電子メールアドレスを画像データの送信先として決定する。そして、制御部200は、決定したFAX番号や電子メールアドレスを送信先として、画像データを送信する。
【0067】
[1.3.3 端末装置]
つづいて、端末装置10によって実行される処理の流れについて、
図9を参照して説明する。
図9に示した処理は、制御部100が、記憶部160に記憶された制御アプリケーション164を読み出し、当該制御アプリケーション164によって制御されることにより実行される。なお、制御部100は、
図9に示した処理を実行するとき、表示部140に所定の画面を表示することなく、バックグラウンドで実行してもよい。
【0068】
はじめに、制御部100は、近距離無線通信部180を介して、画像処理装置20から、表示用画像要求情報を受信したか否かを判定する(ステップS150)。制御部100は、表示用画像要求情報を受信しない場合、ステップS150における処理を繰り返す(ステップS150;No)。
【0069】
一方、制御部100は、表示用画像要求情報を受信した場合、電話帳データ記憶領域162から電話帳データを取得し(ステップS150;Yes→ステップS152)、当該電話帳データに基づく表示用画像を生成する(ステップS154)。本実施形態では、制御部100は、表示用画像として、選択画面全体を表現した画像(選択画面を示す画像)を生成する。
【0070】
例えば、制御部100は、ステップS154において、以下の処理を実行する。
(1)制御部100は、画像処理装置20の表示部240に表示可能な大きさの画像データを新規に作成する。
(2)制御部100は、所定の数の電話帳データを電話帳データ記憶領域162から読み出す。
(3)制御部100は、(1)において生成した画像データを編集し、当該画像データが画像処理装置20の表示部240に表示されたとき、選択画面を構成する要素が表示されるようにする。
【0071】
ここで、選択画面を構成する要素とは、例えば、以下の要素である。
・読み出した電話帳データに記憶された情報(例えば、ユーザ名、FAX番号)
・表示される電話帳データの情報を切り替えるためのボタン
・決定ボタン
例えば、制御部100は、電話帳データの情報(例えば、ユーザ名と宛先情報であるFAX番号)を、選択画面に含まれるリストの項目として表示されるように、画像データを編集(加工)する。
【0072】
つづいて、制御部100は、ステップS154において生成した表示用画像を、近距離無線通信部180を介して、画像処理装置20に送信する(ステップS156)。また、制御部100は、近距離無線通信部180を介して、画像処理装置20から操作イベント情報を受信したか否かを判定する(ステップS158)。
【0073】
つづいて、制御部100は、操作イベント情報を受信した場合、操作イベント情報に基づき、ユーザによって選択された要素を特定する(ステップS160)。例えば、制御部100は、操作イベント情報に含まれる表示画面上の位置が、選択画面に表示された1件分の電話帳データの情報が表示される領域(例えば、リストのうちの1つの項目)内であれば、選択された要素は電話帳データであると特定する。同様にして、制御部100は、操作イベント情報に含まれる表示画面上の位置が、決定ボタンが表示される領域内であれば、選択された要素は決定ボタンであると特定する。
【0074】
つづいて、制御部100は、ステップS160において特定した要素が電話帳データであるか否かを判定する(ステップS162)。
【0075】
制御部100は、特定した要素が電話帳データである場合、当該ユーザによって選択された1の電話帳データを判定し、当該判定した電話帳データを特定する情報を、一時的に記憶部160に記憶する(ステップS162;Yes→ステップS164)。例えば、制御部100は、ステップS160において特定した要素に対応する1の電話帳データを、電話帳データ記憶領域162とは別に、一時的な記憶領域に記憶する。なお、制御部100は、電話帳データ記憶領域162に記憶される電話帳データにID等の識別情報を予め付与しておき、ステップS164において、当該識別情報を電話帳データを特定する情報として、一時的に記憶部160に記憶してもよい。
【0076】
つづいて、制御部100は、再度、表示用画像(選択画面の画像)を生成し(ステップS166)、当該表示用画像を、近距離無線通信部180を介して、画像処理装置20に送信する(ステップS168)。例えば、制御部100は、ステップS166において、一時的に記憶されている電話帳データと対応する情報(例えば、ユーザ名、FAX番号)を含む矩形領域の背景色を変えたり、当該電話帳データと対応する情報を強調表示させたりした画像データを生成する。このような表示用画像を含む選択画面が画像処理装置20によって表示されることにより、ユーザによって選択された電話帳データは、表示部240において強調して表示される。
【0077】
また、制御部100は、ステップS168の処理を実行した後、ステップS158に戻る。このようにして、制御部100は、ユーザによって、選択画面から電話帳データが選択されるたびに、当該選択された電話帳データを特定する情報を記憶する。これにより、制御部100は、ユーザに対して、複数の電話帳データを選択可能にすることができる。
【0078】
一方、制御部100は、ステップS160において特定した要素が電話帳データではない場合、つづいて、当該特定した要素が決定ボタンであるか否かを判定する(ステップS162;Yes→ステップS170)。
【0079】
制御部100は、特定した要素が決定ボタンである場合、画像処理装置20において電話帳データの選択が完了したことを認識できる。そのため、制御部100は、ユーザによって選択された宛先情報のみ、つまり、画像処理装置20が画像データを送信するために必要となる情報のみを、近距離無線通信部180を介して、画像処理装置20に送信する(ステップS170;Yes→ステップS172)。
【0080】
例えば、制御部100は、以下の処理を実行する。
(1)制御部100は、ステップS164において一時的に記憶した電話帳データを特定する情報に基づき、電話帳データを特定する。
(2)制御部100は、特定した電話帳データに記憶されている宛先情報(FAX番号や電子メールアドレス)を取得する。
(3)制御部100は、取得したFAX番号や電子メールアドレスにより構成される宛先情報を生成し、画像処理装置20に送信する。
【0081】
制御部100は、上述した処理を実行することにより、選択画面を介してユーザによって選択された電話帳データに含まれる宛先情報のみを、画像処理装置20に送信することができる。
【0082】
つづいて、制御部100は、ステップS164において一時的に記憶した電話帳データを特定する情報を削除する(ステップS174)。また、この時点において、制御部100は、画像処理装置20との通信を終了する。
【0083】
なお、制御部100は、ステップS170において、ステップS160において特定した要素が決定ボタンでない場合、所定の処理を実行する(ステップS170;No)。例えば、制御部100は、ステップS160において特定した要素が、選択画面に表示される電話帳データの情報を切り替えるためのボタンであれば、読み出す電話帳データを変更した上で、ステップS154と同様の処理を実行して、表示用画像を生成する。さらに、制御部100は、生成した表示用画像を、近距離無線通信部180を介して、画像処理装置20に送信する。
【0084】
なお、制御部100は、ステップS158において受信した操作イベント情報に基づき、所定の操作に対応した処理を実行してもよい。例えば、ユーザによってスワイプの操作がされたことを示す操作イベント情報を受信した場合、制御部100は、電話帳データの情報を切り替えるためのボタンが選択された場合の処理と同じように、表示用画像を生成し、画像処理装置20に送信してもよい。
【0085】
また、制御部100は、ステップS164において記憶した電話帳データと対応する電話帳データ、すなわち、既にユーザによって選択されている電話帳データを含む選択画面を生成する場合、当該選択されている電話帳データを強調して表示してもよい。また、制御部100は、ステップS160において特定した要素が、既に選択されている電話帳データである場合、一時的に記憶した電話帳データを特定する情報の中から、当該選択された電話帳データを特定する情報を削除する処理を実行してもよい。制御部100は、この状態で表示用画像を生成することで、ユーザによって選択された電話帳データの選択が解除された表示用画像を送信することができる。
【0086】
[1.4 動作例]
つづいて、
図10及び
図11を参照して、本実施形態における動作例を説明する。
図10(a)は、端末装置10によって生成される表示用画像を示した図である。端末装置10は、電話帳データに基づき、選択画面W100の画像を生成する。選択画面W100には、例えば、1件ごとの電話帳データに対応する項目を選択可能なリストE100や、決定ボタンB100が含まれる。ここで、リストE100に含まれる項目に表示される情報は、例えば、ユーザ名及び宛先情報(例えば、ファクシミリ番号)である。また、リストE100には、複数の宛先情報が含まれている。
【0087】
さらに、選択画面W100には、リストE100に表示される項目を切り替えるためのボタン(例えば、進むボタンB102や、戻るボタンB104)が含まれていてもよい。さらに、選択画面W100には、上述したボタンやリスト以外の要素が含まれていてもよい。
【0088】
図10(b)は、画像処理装置20の表示部240に表示される表示画面W110を示した図である。表示画面W110は、端末装置10によって生成された選択画面W100の画像をそのまま表示した画面である。このように、画像処理装置20は、端末装置10から受信した表示用画像を、そのまま表示部240に表示する。
【0089】
つづいて、
図11を参照して、画像処理装置20に選択画面が表示されている場合に、画像処理装置20に対してユーザが操作を行ったときにおける動作例について説明する。
図11(a)は、ユーザが、電話帳データの情報が表示された位置(X座標の位置がX
1、Y座標の位置がY
1)をタップした場合について示した図である。
【0090】
この場合、以下のように、端末装置10と画像処理装置20とが通信したり、処理を実行したりする。
(1)画像処理装置20は、操作イベント情報として、タップ位置が(x=X1、y=Y1)であることを示す情報を、端末装置10に送信する。
(2)端末装置10は、電話帳データが選択されたことを特定する。
(3)端末装置10は、選択された電話帳データを強調した画像を生成する。
(4)端末装置10は、生成した画像を画像処理装置20に送信する。
【0091】
図11(a)において示したように、画像処理装置20の表示部240には、端末装置10に記憶された電話帳データを選択する選択画面が表示される。しかし、選択画面を表示する場合において、端末装置10から画像処理装置20に送信される情報は、電話帳データではなく、選択画面の全体を表現した表示用画像である。したがって、この時点において、端末装置10に記憶された電話帳データそのものは、画像処理装置20には送信されない。
【0092】
画像処理装置20は、端末装置10から受信した画像を表示部240に表示することで、
図11(a)の(3)に示した画像(選択画面)を表示する。
【0093】
図11(b)は、ユーザが、決定ボタンが表示された位置(X座標の位置がX
2、Y座標の位置がY
2)をタップした場合について示した図である。この場合、以下のように、端末装置10と画像処理装置20とが通信したり、処理を実行したりする。
(1)画像処理装置20は、操作イベント情報として、タップ位置が(x=X
2、y=Y
2)であることを示す情報を、端末装置10に送信する。
(2)端末装置10は、決定ボタンが選択されたことを特定する。
(3)端末装置10は、宛先情報を画像処理装置20に送信する。
【0094】
図11(b)において示したように、画像処理装置20において決定ボタンが選択されたときに、端末装置10に記憶された電話帳データの一部(例えば、FAX番号のみ)が送信される。
【0095】
このように、本実施形態の画像処理装置は、画像データを電子メールに添付して送信したり、ファクシミリ通信により送信したりする場合において、スマートフォン等の端末装置に記憶されている電話帳データを使用するときであっても、受信する情報を最小限にする。特に、画像データの送信先として選択される電話帳データの選択画面は、端末装置側で画像として生成され、画像処理装置に送信される。したがって、画像処理装置は、端末装置から受信した画像を表示するだけで、画像データの送信先の選択画面が表示できる。
【0096】
このように、本実施形態における画像処理装置は、端末装置から電話帳データ(宛先の情報)を送信させることなく選択画面を表示するため、ユーザに対して、宛先の情報を転送させることに対する心理的障壁を取り除くことが可能となる。
【0097】
また、画像処理装置は、端末装置によって生成され、送信された表示用画像を表示し、その選択画面上での操作(タップ・スワイプ等)を示す操作イベント情報を端末装置にする。画像処理装置は、操作に応じて端末装置によって生成された選択画面を表現した表示用画像を受信し表示することで、操作画面を更新することができる。このように、本実施形態における画像処理装置においては、ユーザは一般的な操作によって電話帳データを選択させることができるため、ユーザの利便性を確保することができる。
【0098】
[2.第2実施形態]
つづいて第2実施形態について説明する。第2実施形態は、表示用画像が、選択画面に含まれる要素に対応する画像(部分画像)である場合における実施形態である。本実施形態は、第1実施形態の
図8を
図12に、第1実施形態の
図9を
図14にそれぞれ置き換えたものである。なお、同一の処理には同一の符号を付し、説明については省略する。
【0099】
[2.1 処理の流れ]
[2.1.1 画像処理装置]
本実施形態における画像処理装置20の処理の流れについて説明する。本実施形態では、画像処理装置20は、アドレス選択処理として、
図12に示した処理を実行する。
【0100】
本実施形態では、制御部200は、表示用画像要求情報を送信したあと、近距離無線通信部280を介して、端末装置10から、画像と当該画像を識別するための情報(例えば、画像名)とによって構成される構造データを受信する(ステップS210)。画像を識別する情報は、画像IDや連番等の情報であってもいが、本実施形態では、画像を識別する情報は画像名であるとして説明する。
【0101】
ステップS210において受信する構造データの例を、
図13に示す。
図13に示すように、構造データは、画像と画像名とを対応付けたデータを、1又は複数含むデータである。構造データに含まれる画像は、電話帳データに記憶された情報を示した表示用画像である。つまり、本実施形態における表示用画像は、宛先情報を示す画像(例えば、FAX番号や電子メールアドレスを表現した画像)や、当該宛先情報に対応する情報を示す画像(例えば、ユーザ名を表現した画像)である。
【0102】
また、構造データには、例えば、ユーザ名を示す画像D202と、当該画像D202の画像名D204(例えば、「name:img1」)とを対応付けたデータD200が含まれる。同様にして、構造データには、電話番号を示す画像D212と画像名D214(例えば、「address:img1:img2」)とを対応付けたデータD210、電子メールアドレスを示す画像D222と画像名D224(例えば、「address:img1:img3」)とを対応付けたデータD220、FAX番号を示す画像D232と画像名D234(例えば、「address:img1:img4」)とを対応付けたデータD230が含まれる。なお、構造データには、
図13に示したデータ以外のデータが含まれていてもよい。
【0103】
つづいて、制御部200は、選択画面を表示部240に表示する(ステップS212)。例えば、制御部200は、ステップS210において受信した表示用画像や、選択画面の表示内容を切り替えるボタン等を含み、当該表示用画像やボタン等を所定の位置に配置した選択画面を生成(構成)し、当該生成した画面を、表示部240に表示する。
【0104】
つづいて、制御部200は、ユーザによる操作(例えば、表示部240に対するタップ操作)を検出したら、当該操作が、端末装置10から受信した表示用画像に対する操作であるか否かを判定する(ステップS120;Yes→ステップS214)。端末装置10から受信した表示用画像は、先述の通り、ステップS210において受信した構造データに含まれる表示用画像であり、画像名と対応付けられた画像である。
【0105】
制御部200は、ユーザによる操作が表示用画像に対する操作であると判定した場合、当該表示用画像に対応付けられた画像名を、近距離無線通信部280を介して、端末装置10に送信する(ステップS214;Yes→ステップS216)。
【0106】
つづいて、制御部200は、近距離無線通信部280を介して、端末装置10から、宛先情報を受信したか否かを判定する(ステップS218)。制御部200は、宛先情報を受信した場合は、受信した宛先情報に基づき、画像データの送信先(アドレス)を選択する(ステップS218;Yes→ステップS220)。また、制御部200は、近距離無線通信部280を介して、端末装置10に、電話帳データの選択が終了したことを示す選択完了情報を送信する(ステップS222)。
【0107】
一方、制御部200は、ステップS214において、検出した操作が表示用画像に対する操作ではないと判定した場合は、ステップS120に戻る(ステップS214;No→ステップS120)。表示用画像以外の操作とは、例えば、選択画面の表示内容を切り替えるボタンを選択する操作である。なお、制御部200は、ステップS120に戻る前に、端末装置10に対して、再度構造データの要求を送信し、端末装置10から構造データを受信してもよい。この場合において、制御部200は、現在表示されている電話帳データに含まれる別の情報に関する構造データを要求してもよいし、現在表示されている電話帳データとは異なる別の電話帳データの構造データを要求してもよい。また、制御部200は、端末装置10から受信した構造データに基づき構成した選択画面を、表示部240に表示する。このようにすることで、制御部200は、選択画面の表示内容を切り替えることができる。
【0108】
また、制御部200は、ステップS218において宛先情報を受信していないと判定した場合(例えば、ユーザの名の情報を受信した場合等)、ステップS120に戻る(ステップS218;No→ステップS120)。なお、制御部200は、端末装置10から、宛先情報以外の情報を受信した場合、端末装置10に対して、当該受信した情報に関する構造データの要求を送信し、端末装置10から構造データを受信してもよい。例えば、制御部200は、端末装置10から、ユーザ名の情報を受信した場合、端末装置10に、当該ユーザのアドレス情報を示す画像を含む構造データを要求してもよい。
【0109】
なお、上述した説明では、画像処理装置20の制御部200は、端末装置10から宛先情報を受信した場合、当該宛先情報に基づくアドレスを選択し、端末装置10に選択完了情報を送信することとして説明したが、このような処理を実行しなくてもよい。例えば、制御部200は、ステップS212において、第1実施形態と同様に、決定ボタンを選択画面に含めてもよい。この場合、制御部200は、決定ボタンが選択されるまで、
図12におけるステップS120からステップS220までを繰り返す。このようにすることで、制御部200は、決定ボタンが選択されるまで、端末装置10から1以上の宛先情報を受信することができ、決定ボタンが選択された場合は、端末装置10から受信した宛先情報に基づく1以上のアドレスを選択することができる。なお、制御部100は、ユーザによって選択された画像について、背景色を変えたり、枠線を表示したりすることにより識別表示してもよい。これにより、制御部200は、ユーザに対して、現在選択されている情報を視認させることが可能となる。
【0110】
[2.1.2 端末装置]
本実施形態における端末装置10の処理の流れについて説明する。本実施形態では、制御部100は、制御アプリケーション164によって制御されることにより、端末装置10は、
図14に示す処理を実行する。
【0111】
本実施形態では、制御部100は、ステップS152において電話帳データを取得したあと、電話帳データに基づく表示用画像を生成する(ステップS250)。電話帳データに基づく表示用画像とは、
図13に示したように、例えば、ユーザ名を示す画像や、電子メールアドレスを示す画像等である。
【0112】
つづいて、制御部100は、ステップS250において生成した表示用画像に対する画像名を決定し、
図13に示したような、当該表示用画像と当該画像名とにより構成される構造データを生成する。そして、制御部100は、構造データを、近距離無線通信部180を介して、画像処理装置20に送信する(ステップS252)。
【0113】
つづいて、制御部100は、画像処理装置20から、近距離無線通信部180を介して、画像名を受信したか否かを判定する(ステップS254)。制御部100は、画像名を受信したと判定した場合、当該画像名に対応する宛先情報を、近距離無線通信部180を介して、画像処理装置20に送信する(ステップS254;Yes→ステップS256)。このとき、制御部100が、画像処理装置20に送信する情報は、例えば、ユーザ名、当該ユーザの電話番号、当該ユーザの電子メールアドレス、当該ユーザのFAX番号等である。
【0114】
なお、制御部100は、ステップS254において画像名を受信したと判定しなかった場合、ステップS256における処理を省略(スキップ)する(ステップS254;No)。
【0115】
つづいて、制御部100は、近距離無線通信部180を介して、画像処理装置20から、選択完了情報を受信したか否かを判定する(ステップS258)。制御部100は、選択完了情報を受信したと判定した場合は、
図14に示した処理を終了する(ステップS258;Yes)。なお、この時点で、端末装置10は、画像処理装置20との通信を終了する。一方、制御部100は、ステップS258において選択完了情報を受信したと判定しなかった場合、ステップS254に戻る(ステップS258;No→ステップS254)。
【0116】
なお、制御部100は、上述した処理の他に、近距離無線通信部180を介して画像処理装置20から構造データの要求を受信した場合、当該要求に基づき、構造データを生成してもよい。この場合、制御部100は、当該生成した構造データを近距離無線通信部180を介して、画像処理装置20に送信する。
【0117】
[2.2 動作例]
図15を参照して、本実施形態の動作例を説明する。
図15(a)は、端末装置10から、ユーザ名を示す4枚の画像を受信した場合に、画像処理装置20の表示部240に表示される選択画面W200を示した図である。選択画面W200には、4枚の画像を並べた領域E200が含まれる。ユーザは、領域E200に含まれる画像から、1の画像を選択することができる。
【0118】
図15(b)は、
図15(a)に示した選択画面W200から、画像E202を選択した場合に表示される選択画面W210を示した図である。選択画面W210には、選択画面W200においてユーザによって選択された1のユーザの電話帳データに記憶された情報を示す画像を並べた領域E210が含まれる。ユーザは、さらに、領域E210から1の画像を選択することができる。例えば、ユーザは、領域E210から、電子メールアドレスを示す画像E212を選択することができる。この場合、画像処理装置20は、端末装置10から、宛先情報として、電子メールアドレスを受信する。また、画像処理装置20は、受信した電子メールアドレスを、画像データの送信先のアドレスとして選択する。
【0119】
なお、処理の説明において記載したように、選択画面には、決定ボタンが含まれていてもよい。この場合、ユーザは、決定ボタンを選択するまで、
図15(a)及び
図15(b)に示した画面を表示させ、複数の宛先情報を選択することが可能となる。
【0120】
また、上述した処理に加えて、画像処理装置20は、ユーザに対して、ある送信先に画像データを繰り返し送信可能にするために、ユーザによって選択された画像の情報を再利用してもよい。この場合、画像処理装置20は、ユーザを認証する機能を備え、ユーザのログイン及びログアウトを管理する。また、画像処理装置20は、ユーザによって選択された画像を識別するための情報(例えば、画像名)を当該ユーザに対するログアウト処理を行うまで記憶し、当該選択された画像に対応するアドレスを再選択する(前回送ったアドレスを選択する)機能を備える。画像処理装置20は、ユーザによって前回送ったアドレスを選択する操作がされた場合、端末装置10に対して、前回選択された画像に対応する画像名を送信し、端末装置10から当該画像名に対応する宛先情報を受信すればよい。
【0121】
例えば、画像処理装置20は、「address:img1:img3の宛先に送信した」という構造データを記憶する。このとき、ユーザによって、同じアドレスに続けて画像データを送信する操作がされた場合、画像処理装置20は、端末装置10に対して、「address:img1:img3に相当する情報だけ通知しろ」といった指示(情報)を送信する。このとき、端末装置10は、ステップS254及びステップS256における処理と同様の処理を実行することで、画像処理装置20から受信した画像名に対応する宛先情報を送信する。これにより、画像処理装置20は、ユーザによって、ある送信先に画像データが繰り返し送信される場合であっても、ユーザに対して、選択画面から、宛先情報を選択させることなく、画像データを送信するジョブを実行することができる。
【0122】
なお、画像処理装置20は、繰り返し選択される宛先情報を再度ユーザに確認させるために、ユーザによって選択された画像の情報(例えば、address:img1:img3の画像)を端末装置10に要求し、端末装置10から取得した画像を表示部240に表示させてもよい。このようにすることで、画像処理装置20は、端末装置10から送信される画像の内容について考慮することなく、画像が示す情報(宛先情報)を表示することができる。
【0123】
このように、本実施形態の画像処理装置によれば、第1実施形態と同様に、電話帳データを受信することなく選択画面を表示させることができるため、ユーザに対して、宛先の情報を転送させることに対する心理的障壁を取り除くことが可能となる。また、本実施形態の画像処理装置は、画像名を端末装置に送信するだけで、宛先情報を取得することができるため、端末装置との通信において送受信するデータ量を削減することができる。さらに、本実施形態の画像処理装置は、決定ボタンが選択されるまで端末装置に画像名を送信し、端末装置から宛先情報を受信することにより、ユーザに対して、画像データの送信先を再選択(複数選択)させることが可能となる。
【0124】
[3.第3実施形態]
つづいて、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、宛先情報の一部を秘匿した選択画面が表示される実施形態である。本実施形態は、上述した第1実施形態及び第2実施形態と組み合わせることが可能である。また、宛先情報の一部を秘匿する処理は、端末装置10によって実行されてもよいし、画像処理装置20によって実行されてもよい。
【0125】
はじめに、端末装置10が、宛先情報の一部を秘匿する場合について説明する。例えば、第1実施形態において、端末装置10が宛先情報の一部を秘匿する場合、端末装置10の制御部100は、
図9に示した処理のステップS154において、読み出した電話帳データに記憶された宛先情報の一部を、所定の記号に置き換える。例えば、制御部100は、電話帳に記憶されたFAX番号の一部を、所定の記号(例えば、アスタリスク)に置き換える。このとき、制御部100は、例えば、FAX番号の最初と最後の2文字以外の文字を全て所定の記号に置き換えてもよいし、最後の4文字以外の文字を所定の記号に置き換えてもよい。また、所定の文字に置き換える部分は、ユーザによって指定可能であってもよい。また、制御部100は、宛先情報の一部を秘匿した上で、表示用画像を生成する。
【0126】
また、第2実施形態において、端末装置10が宛先情報の一部を秘匿する場合、端末装置10の制御部100は、
図14に示した処理のステップS250において、宛先情報の一部を、所定の記号に置き換えた上で、表示用画像を生成する。
【0127】
このように、制御部100は、宛先情報の一部を秘匿した表示用画像を生成する。このような表示用画像を含む選択画面が画像処理装置20によって表示されるため、宛先情報の一部は、選択画面において秘匿された状態で表示される。
【0128】
なお、制御部100は、画像処理装置20において、秘匿した情報を表示させるための操作(表示操作)がユーザによって入力されたとき、宛先情報の一部を秘匿にしない画像を画像処理装置20に送信してもよい。表示操作は、ダブルタップや長押し等の所定のジェスチャであり、予め定められていてもよいし、ユーザによって設定されてもよい。この場合、制御部100は、表示操作がされたか否かの判定を、画像処理装置20から受信する操作イベント情報に基づいて判定する。
【0129】
例えば、第1実施形態において、制御部100は、
図9のステップS158を実行するとき、画像処理装置20からダブルタップや長押し等の所定のジェスチャがされたことを示す情報とジェスチャがされた位置とを含む操作イベント情報を受信したか否かを判定する。この場合、制御部100は、操作イベント情報に含まれる操作を示す情報が、表示操作であるか否かを判定する。制御部100は、操作を示す情報が表示操作である場合、当該表示操作がされた位置に基づき、電話帳データが選択されたか否かを判定する。制御部100は、これらの判定により、電話帳データに対して表示操作がされたことを判定した場合、当該電話帳データに対応する宛先情報を秘匿にしない選択画面の表示用画像を生成し、近距離無線通信部180を介して、画像処理装置20に送信する。端末装置10から送信された表示用画像を含む選択画面が画像処理装置20によって表示されるため、ユーザは、宛先情報が秘匿されていない選択画面を視認することができる。
【0130】
なお、さらに制御部100は、画像処理装置20から所定のジェスチャがされなくなったことを示す情報を受信した場合は、電話帳データに対応する宛先情報を秘匿にした選択画面の表示用画像を、近距離無線通信部180を介して、画像処理装置20に送信する。当該表示用画像を含む選択画面が画像処理装置20の表示部240に表示されることにより、ユーザは、所定のジェスチャをやめることで、宛先情報の一部が秘匿された選択画面を視認することができる。
【0131】
また、第2実施形態においては、画像処理装置20の制御部200は、
図12のステップS216において、画像名とともに、ユーザによって入力された操作(例えば、ダブルタップや長押し等のジェスチャ)の情報を、近距離無線通信部280を介して、端末装置10に送信する。端末装置10の制御部100は、
図14のステップS254において、ユーザによって入力された操作が、表示操作であるか否かを判定する。制御部100は、ユーザによって入力された操作が表示操作である場合、画像処理装置20から受信した画像名に対応する画像に示した宛先情報を秘匿にしない表示用画像を生成し、近距離無線通信部180を介して画像処理装置20に送信する。この場合、画像処理装置20の制御部200は、
図12のステップS218において、端末装置10から受信した表示用画像を、ユーザによって操作がされた表示用画像と置き換える。なお、制御部200は、ユーザによって、ジェスチャを入力する操作がされなくなった場合、端末装置10から受信した表示用画像をジェスチャが入力される前に表示していた表示用画像と置き換える。
【0132】
次に、画像処理装置20が宛先情報の一部を秘匿する場合について説明する。画像処理装置20の制御部200が選択画面を表示するとき(例えば、
図8のステップS118、
図12のステップS212)、選択画面において宛先情報が表示される位置の画像をユーザに視認できないようにする。
【0133】
例えば、制御部200は、以下の処理を実行する。
(1)選択画面に含めた表示用画像に対して、宛先情報が含まれる領域を特定する。
(2)制御部200は、特定した領域に含まれる一部の領域を、所定の色で塗りつぶしたり、ぼかしたりブレさせたりするためのフィルタを適用したり、所定の画像(パターン画像等)を重畳して表示させたりして、宛先情報の一部を秘匿した選択画面を表示する。
(3)制御部200は、秘匿した情報を表示させるための操作(表示操作)がユーザによって入力された場合、秘匿した宛先情報が秘匿されていない画像とすることで、宛先情報が秘匿されていない選択画面を表示する。
(4)(3)において入力された表示操作が入力されなくなったとき、制御部200は、再度、宛先情報を秘匿する。
【0134】
なお、制御部200は、宛先情報が表示される領域を、選択画像に対して文字認識を行うことで特定してもよいし、端末装置10から、宛先情報が表示される領域を受信してもよい。
【0135】
制御部200は、上述した処理を行うことで、端末装置10から受信した画像をそのまま表示するのではなく、宛先情報の一部を秘匿した状態で表示することができる。
【0136】
本実施形態における動作例を
図16に示す。
図16は、宛先情報であるFAX番号の一部が、所定の記号に置き換えられた場合の選択画面を示す図である。
図16に示すような選択画面が画像処理装置20に表示されるため、ユーザは、他のユーザによって宛先情報が覗き見られることを防止することができる。
【0137】
このように、本実施形態の画像処理装置は、端末装置から予め宛先情報が秘匿された画像を受信したり、端末装置から受信した画像に対して宛先情報を秘匿にしたりする。これにより、宛先情報等の情報漏洩のリスクが軽減される。
【0138】
具体的には、一般的に、覗き見防止等の観点から、選択画面において一部の文字が「*」等の所定の記号で置き換えられることがある。この場合、画像処理装置側で選択画面を生成するとき、画像処理装置側が宛先情報を把握する必要性がある。しかし、本実施形態では、画像処理装置は、端末装置から宛先情報を受信することなく、画像を受信して表示したり、受信した画像に所定の処理を実行したりして、選択画面として表示する。これにより、本実施形態における画像処理装置は、端末装置から受信する画像については、その内容について把握することなく、宛先情報の一部を秘匿することができる。また、画像処理装置は、端末装置から宛先情報を受信することなく選択画面を表示できるため、ユーザに対して、宛先の情報を転送させることに対する心理的障壁を取り除くことができる。
【0139】
[4.第4実施形態]
つづいて、第4実施形態について説明する。第4実施形態は、端末装置が、ユーザによって選択(使用)される回数が多い電話帳データや、ユーザによって最近選択(使用)された電話帳データを優先的に表示する選択画面の表示用画像を生成する実施形態である。
【0140】
はじめに、端末装置10が、ユーザによって選択される回数が多い電話帳データを優先的に表示する選択画面の表示用画像を生成する場合について説明する。この場合、端末装置10は、記憶部160に、画像処理装置20に表示された選択画面を介してユーザによって選択された宛先情報や、画像処理装置20に送信した宛先情報の履歴を記憶する。
【0141】
次に、第1実施形態のように、端末装置10が選択画面の表示用画像を送信する場合、
図9に示した処理のステップS154において、制御部100は、ユーザによって選択された回数が多い宛先情報に対応する電話帳データが優先的に表示されるような選択画面の表示用画像を生成する。
【0142】
例えば、制御部100は、所定の期間においてユーザによって選択された回数が多い宛先情報に対応する電話帳データに記憶された情報が優先的に表示されるような選択画面の表示用画像を生成する。具体的には、制御部100は、電話帳データの情報を、選択画面に含まれるリストの項目として表示させる場合、リストの上位の項目ほど、ユーザによって選択された回数が多い宛先情報に対応する電話帳データに対応する項目にする。このような表示用画像を含む選択画面が画像処理装置20によって表示されることにより、ユーザによって過去に選択された宛先情報を、選択された回数に基づき、優先的に表示した選択画面が表示される。
【0143】
なお、第2実施形態のように、端末装置10が画像処理装置20に構造データを送信する場合、制御部100は、ユーザによって選択された回数が多い宛先情報に対応する電話帳データに記憶された情報が優先的に表示されるような構造データを送信する。例えば、制御部100は、
図14のステップS252において、所定の期間においてユーザによって選択された回数が多い宛先情報の順に、当該宛先情報に対応する表示用画像と画像名を対応づけたデータを並べる。そして、制御部100は、当該並べた表示用画像と画像名を対応づけたデータを含む構造データを画像処理装置20に送信する。
【0144】
画像処理装置20は、受信した構造データに含まれるデータの並び順に沿って、当該構造データに含まれる表示用画像を、選択画面において、上から順に配置して選択画面を構成する。
【0145】
上述した処理が端末装置10や画像処理装置20によって実行されることにより、ユーザによって使用される回数が多い電話帳データほど、画像処理装置20に表示される選択画面において、電話帳データを並べたリストの上位に、優先的に表示される。この結果、ユーザによって過去に選択された宛先情報を、選択された回数に基づき、優先的に表示した選択画面が表示される。
【0146】
つづいて、ユーザによって最近使用された電話帳データを優先的に表示する選択画面の表示用画像を生成する場合について説明する。この場合、端末装置10は、記憶部160に、端末装置10において、ユーザによって使用された宛先情報の履歴を記憶する。
【0147】
この場合、制御部100は、
図9に示した処理のステップS154において、制御部100は、ユーザによって使用された時期が新しい宛先情報を順に取得する。そして、制御部100は、取得した宛先情報に基づき、当該宛先情報に対応する電話帳データに記憶された情報が優先的に表示されるような選択画面の表示用画像を生成する。
【0148】
なお、制御部100は、
図14のステップS252において、ユーザによって使用された時期が新しい宛先情報の順に、当該宛先情報に対応する表示用画像と画像名を対応づけたデータを並べた構造データを、画像処理装置20に送信してもよい。画像処理装置20は、受信した構造データに含まれるデータから画像を抽出し、データの並び順に沿って画像を、選択画面において、上から順に表示されるように構成する。
【0149】
上述した処理が端末装置10や画像処理装置20によって実行されることにより、ユーザによって最近使用された電話帳データタほど、画像処理装置20に表示される選択画面において、電話帳データを並べたリストの上位に、優先的に表示される。
【0150】
なお、制御部100は、構造データを画像処理装置20に送信する場合、構造データに含まれる表示用画像と画像名を対応づけたデータを順に並べるのではなく、当該データに並び順の順番を示す情報(例えば、表示順を示す数字)を含めてもよい。この場合、画像処理装置20の制御部200は、当該データに並び順の順番を示す情報に基づき、構造データに含まれる表示用画像を並べた選択画面を表示部240に表示する。
【0151】
本実施形態の画像処理装置によれば、端末装置から受信した画像に基づき、ユーザの使用状況に応じた選択画面を表示させるため、ユーザの心理的障壁を取り除きつつ、同時に、ユーザの利便性を向上させることができる。特に、ユーザによってよく使用される電話帳データを優先的に表示させる選択画面を画像処理装置に表示させるために必要となる画像や構造データは端末装置により送信される。したがって、画像処理装置は、端末装置から受信した画像や構造データの内容を把握することなく、ユーザに合わせてカスタマイズされた選択画面を表示することが可能となる。
【0152】
[5.第5実施形態]
つづいて、第5実施形態について説明する。第5実施形態は、選択画面に表示されるユーザの情報として、ユーザ名ではなく、ニックネームや画像が表示される実施形態である。
【0153】
本実施形態において、端末装置10の電話帳データ記憶領域に記憶される電話帳データの例を
図17(a)に示す。
図17(a)に示すように、電話帳データには、ニックネーム(例えば、「田中@営業部」)や、ユーザ画像(例えば、「20210310142352.jpg」)が記憶される。
【0154】
ユーザ画像とは、例えば、当該ユーザの写真や、アイコン、イラストなど、任意の画像である。また、電話帳データには、ユーザ画像の画像データ自体が記憶されてもよいし、ユーザ画像の画像データの記憶先(ファイル名)が記憶されてもよい。
【0155】
また、本実施形態では、端末装置10の制御部100は、選択画面の全体を表現した表示用画像や、選択画面に含まれる表示用画像を生成する処理を実行するとき、電話帳データに記憶された情報に基づく表示用画像を生成する。例えば、制御部100は、以下のような処理を実行して、表示用画像を生成する。
(1)電話帳データを1件読み出す
(2)読み出した電話帳データにユーザ画像が記憶されている場合、電話帳データに記憶された情報に基づく画像として、ユーザ画像と宛先情報とを含む画像を生成する
(3)読み出した電話帳データにユーザ画像は記憶されていないが、ニックネームが記憶されている場合、電話帳データに記憶された情報に基づく画像として、ニックネームと宛先情報とを含む画像を生成する
(4)読み出した電話帳データにユーザ画像もニックネームも記憶されていない場合、電話帳データに記憶された情報に基づく画像として、ユーザ名と宛先情報とを含む画像を生成する
【0156】
本実施形態において、画像処理装置20の表示部240に表示される選択画面W500の例を、
図17(b)に示す。
図17(b)に示すように、選択画面W500には、ユーザを示す情報として、例えば、ユーザのニックネームE500が表示される。また、当該ユーザの宛先情報E502が表示される。なお、
図17(b)に示すように、ユーザを示す情報は、当該ユーザの画像(ユーザ画像)であってもよいし、ユーザ名であってもよい。
【0157】
本実施形態によれば、選択画面において、宛先の名称として、ユーザ名の代わりに、ユーザの画像やニックネームが表示される。これにより、ユーザは、画像データの宛先とするユーザを選択しやすくなる。また、画像処理装置は、選択画面の全体を表現した表示用画像や選択画面に含まれる表示用画像は端末装置から受信するため、画像処理装置が管理していない情報(例えば、ニックネームやユーザ画像)を付加した選択画面を表示させることが可能となる。
【0158】
[6.第6実施形態]
つづいて、第6実施形態について説明する。第6実施形態は、選択画面に表示される電話帳データ(宛先情報)を所定の方法により並び替えたり分類したりする(絞り込む)ことが可能な実施形態である。
【0159】
本実施形態では、選択画面に表示される電話帳データ(宛先情報)の並び替え方法(並び替えルール)や分類方法は、端末装置10において、電話帳データを並び替える方法として用いられる方法が用いられることとして説明する。例えば、端末装置10は、当該端末装置10において、電話帳データを、ふりがなの順番に並び替えて表示させたり、会社別に分類して表示させたりすることが可能である場合、ふりがなの順番の並び替えや会社別の分類が可能な選択画面を画像処理装置20に表示させる。
【0160】
例えば、第1実施形態のように、端末装置10が選択画面の全体を表現した表示用画像を送信する場合、端末装置10は、以下のような処理を実行する。
(1)
図9のステップS154において、制御部100は、端末装置10において用いられている電話帳データの並び替え方法や分類の方法を選択可能なボタンを含む選択画面の表示用画像を生成する。
(2)
図9のステップS160において、制御部100は、ユーザによって選択された要素が並び替え方法や分類の方法を選択可能なボタンである場合、選択された方法により電話帳データを並び替えたり分類をしたりする。また、制御部100は、当該並び替えたり分類をしたりした電話帳データに基づく選択画面を生成する。さらに、当該生成した選択画面の表示用画像を、画像処理装置20に送信する。
【0161】
一方、第2実施形態のように、端末装置10が画像処理装置20に構造データを送信する場合、端末装置10及び画像処理装置20は、以下のような処理を実行する。
(1)
図14のステップS252において、制御部100は、構造データとともに、端末装置10において用いられている電話帳データの並び替え方法や分類の方法を示す情報を、画像処理装置20に送信する。
(2)
図12のステップS212において、制御部200は、構造データに含まれる表示用画像とともに、当該構造データとともに受信した、並び替え方法や分類の方法に対応するボタンを含む選択画面を表示する。
(3)
図12のステップS214において、制御部200は、ユーザによる操作が並び替え方法を選択可能なボタンに対する操作である場合、ユーザによって選択された並び替え方法や分類方法を示す情報を端末装置10に送信する。
(4)端末装置10の制御部100は、画像処理装置20によって送信された並び替え方法や分類方法により電話帳データを並び替えたり分類(絞り込み)したりする。当該並び替えた電話帳データに基づき、表示用画像と画像名を対応づけたデータを並べた構造データを画像処理装置20に送信する。
(5)画像処理装置20の制御部200は、受信した構造データに基づく選択画面を表示部240に表示する。
【0162】
上述した処理が実行されることにより、ユーザは、選択画面に表示される電話帳データを並び替えることが可能となる。本実施形態における動作例を
図18に示す。
図18は、本実施形態における選択画面W600を示す図である。
図18に示すように、選択画面W600には、電話帳データの並び替え方法や分類方法を選択可能なボタンB600、ボタンB602、ボタンB604が表示される。ユーザは、これらのボタンを選択することで、電話帳データを、登録順やふりがな順に並び替えたり、会社別に分類したりすることができる。
【0163】
本実施形態の画像処理装置によれば、本実施形態における画像処理装置は、ユーザの心理的障壁を取り除くとともに、利便性の高い選択画面を表示することができる。特に、本実施形態では、画像処理装置におけるアドレス帳データの並び替え方法とは異なる方法として、端末装置に記憶された電話帳データに基づく並び替えや分類が可能な選択画面が表示される。したがって、ユーザは、使用する画像処理装置によらず、端末装置に記憶された電話帳データの内容に基づき、選択画面において、電話帳データを並べ替えて表示させたり、分類して表示させたりできる。この結果、ユーザは、宛先情報を、画像処理装置における並び替え方法や分類方法に縛られることなく、端末装置によって用いられている並び替え方法や分類方法を、そのまま画像処理装置に表示される選択画面で使用することができる。また、画像処理装置は、端末装置において用いられる並び替え方法や分類方法を把握することなく、端末装置によって用いられている並び替え方法や分類方法を選択画面においてユーザに対して使用させることができる。
【0164】
[7.第7実施形態]
つづいて、第7実施形態について説明する。第7実施形態は、選択画面に表示される電話帳データを、画像処理装置において管理されるアドレス帳データの並び替え方法・分類方法として用いられている方法により、並び替えるたり分類(絞り込み)したりすることが可能な実施形態である。
【0165】
本実施形態では、画像処理装置20が、端末装置10に表示用画像要求情報を送信するとき、表示用画像要求情報とともに、画像処理装置20において、アドレス帳データの並び替え方法としてユーザが選択可能な並び替え方法を併せて送信する。アドレス帳データの並び替え方法とは、例えば、登録順、名前順、メモの有無といった、アドレス帳データに記憶される情報に基づく方法である。
【0166】
また、第1実施形態のように、端末装置10が選択画面の表示用画像を送信する場合、端末装置10は、以下のような処理を実行する。
(1)
図9のステップS154において、制御部100は、表示用画像要求情報に含まれる並び替え方法を選択可能なボタンを含む選択画面の表示用画像を生成する。
(2)
図9のステップS160において、制御部100は、ユーザによって選択された要素が並び替え方法を選択可能なボタンである場合、選択された並び替え方法により電話帳データを並び替え、当該並び替えた電話帳データに基づく選択画面を生成する。さらに、制御部100は、当該生成した選択画面の表示用画像を、画像処理装置20に送信する。
【0167】
一方、第2実施形態のように、端末装置10が画像処理装置20に構造データを送信する場合、端末装置10及び画像処理装置20は、以下のような処理を実行する。
(1)
図12のステップS212において、制御部200は、ユーザが選択可能な並び替え方法を選択可能なボタンを含む選択画面を表示部240に表示する。
(2)
図12のステップS214において、制御部200は、ユーザによる操作が並び替え方法を選択可能なボタンに対する操作である場合、ユーザによって選択された並び替え方法を端末装置10に送信する。
(3)端末装置10の制御部100は、画像処理装置20によって送信された並び替え方法により電話帳データを並び替え、当該並び替えた電話帳データに基づき、表示用画像と画像名を対応づけたデータを並べた構造データを画像処理装置20に送信する。
(4)画像処理装置20の制御部200は、受信した構造データに基づく選択画面を表示部240に表示する。
【0168】
なお、制御部100は、アドレス帳データの並び替え方法と同じ方法により電話帳データを並び替えられない場合、画像処理装置20に、並び替えられないことを示す選択画面の表示用画像を送信したり、並び替えられないことを示す情報を送信したりしてもよい。
【0169】
上述した処理が実行されることにより、ユーザは、選択画面に表示される電話帳データを並び替えることが可能となる。本実施形態における動作例を
図19に示す。
図19は、本実施形態における選択画面W700を示す図である。
図19に示すように、選択画面W700には、電話帳データを並び替える方法を選択可能なボタンB700やB702が表示される。ユーザは、ボタンB700やB702を選択することで、電話帳データを登録順や使用順に並び替えることができる。
【0170】
なお、ボタンB704のように、アドレス帳データの並び替え方法と同じ方法により電話帳データを並び替えられない並び替え方法に対応するボタンは、選択不可能にされてもよい。例えば、電話帳データにメモの情報が含まれない場合は、メモの有無により電話帳データを並び替えることはできない。この場合、制御部100は、メモの有無による並び替えができないことを示す選択画面の表示用画像や、メモの有無による並び替えができないことを示す情報を、画像処理装置20に送信する。
【0171】
本実施形態によれば、画像処理装置は、端末装置から宛先情報を受信することなく選択画面を表示できるとともに、画像処理装置においてアドレス帳データを並び替える方法と同じ方法により電話帳データを並び替えることが可能な選択画面を表示できる。したがって、本実施形態における画像処理装置は、ユーザの心理的障壁を取り除くとともに、利便性の高い選択画面を表示することができる。
【0172】
[8.第8実施形態]
つづいて、第8実施形態について説明する。第8実施形態は、端末装置において、アカウント別等、複数のグループに分けて電話帳データが管理されている場合に、画像処理装置上で、電話帳データのグループ(アカウント)を切り替えながら、電話帳データを選択可能とする実施形態である。なお、本実施形態では、電話帳データを管理するグループは、アカウント毎に生成され、アカウント毎にそれぞれ1又は複数の電話帳が管理されることとして説明する。
【0173】
本実施形態において、端末装置10の電話帳データ記憶領域に記憶される電話帳データの例を
図20(a)に示す。
図20(a)に示すように、電話帳データには、当該電話帳データが管理されているアカウント(当該電話帳データが所属するアカウント)を示すアカウント名(例えば、「user1」)が記憶される。
【0174】
また、第1実施形態のように、端末装置10が選択画面の全体を表現した表示用画像を送信する場合、本実施形態では、アカウントを選択するボタンを含む選択画面の表示用画像を生成し、画像処理装置20に送信する。また、端末装置10は、画像処理装置20から受信した操作イベント情報が、アカウントを選択するボタンを選択する操作を示す情報である場合、ユーザによって選択されたアカウントによって管理されている電話帳データを読み出す。そして、端末装置10は、読み出した電話帳データに基づく選択画面の表示用画像を生成し、画像処理装置20に送信する。この場合の表示用画像は、ユーザによって選択されたアカウントに対応する宛先情報が含まれる表示用画像である。このような表示用画像が画像処理装置20によって表示されるため、表示部240には、ユーザによって選択されたアカウントに対応する宛先情報を含む選択画面が表示される。
【0175】
一方、第2実施形態のように、端末装置10が画像処理装置20に構造データを送信する場合、端末装置10は、画像処理装置20に、電話帳データに記憶されているアカウント名を送信する。画像処理装置20は、端末装置10から受信したアカウント名を示すボタンを含む選択画面を表示部240に表示する。このとき、ユーザによってアカウント名を示すボタンが選択された場合、画像処理装置20は、端末装置10に、当該選択されたアカウント名を送信する。端末装置10は、画像処理装置20から受信したアカウント名が記憶された電話帳データに基づく構造データを生成し、画像処理装置20に送信する。この場合の構造データは、ユーザによって選択されたアカウントに対応する電話帳データに対応する表示用画像と、当該表示用画像を識別するための情報(例えば、画像名)が含まれる。このような構造データに基づく選択画面が画像処理装置20によって表示されるため、表示部240には、ユーザによって選択されたアカウントに対応する宛先情報を含む選択画面が表示される。
【0176】
図20(b)及び
図20(c)は、本実施形態における選択画面を示す図である。
図20(b)に示した選択画面W800は、アカウント名が「user1」であるアカウントによって管理されている電話帳データが表示された選択画面である。
図20(b)に示すように、選択画面W800には、アカウントを選択するボタンB800、ボタンB802が含まれる。また、ボタンB800は、現在選択されているアカウントであることを示すために、ボタンが強調して表示される。ユーザは、ボタンB800を確認することで、選択画面に表示されている電話帳データが、「user1」であるアカウントによって管理されている電話帳データであることを把握することができる。
【0177】
図20(c)は、選択画面W800において、ボタンB802が選択された場合に表示される選択画面W810を示す図である。選択画面W810には、アカウント名が「user2」であるアカウントによって管理されている電話帳データが表示される。また、
図20(c)に示すように、選択画面W810において、アカウントを選択するボタンB810、ボタンB812が含まれ、現在選択されているアカウントであることを示すボタンB812が強調して表示される。
【0178】
このように、本実施形態によれば、電話帳データが複数のグループ(アカウント)に分けて端末装置において管理されている場合であっても、ユーザは、画像処理装置においてグループを選択することにより、当該グループに所属する電話帳データのみを表示させることができる。
【0179】
[9.変形例]
本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0180】
また、上述した実施形態は、説明の都合上、それぞれ別に説明している部分があるが、技術的に可能な範囲で組み合わせて実行してもよいことは勿論である。例えば、第3実施形態と第4実施形態とを組み合わせてもよい。この場合、画像処理装置は、ユーザの使用状況に応じた選択画面を表示し、選択画面に表示される宛先情報の一部を秘匿することができる。
【0181】
また、上述した実施形態において説明した端末装置や画像処理装置によって実行される処理(動作)は、ユーザによって選択可能であってもよい。例えば、制御アプリケーションは、ユーザに対して、第3実施形態において説明した宛先情報を秘匿にさせる動作や、第4実施形態において説明した電話帳データを優先的に表示させる動作や、第5実施形態におけるニックネームなどを表示させる動作を選択させる。また、制御アプリケーションは、第6、7実施形態において説明した電話帳データの並び替えを可能にさせるか否か、第8実施形態において説明した電話帳データのグループの切り替えを可能にさせるか否かといったことを、ユーザに選択させる。この場合、制御アプリケーションは、ユーザによって選択された動作を行うように端末装置を制御したり、画像処理装置に必要な情報を送信したりする。
【0182】
また、実施形態において各装置で動作するプログラムは、上述した実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えば、RAM)に蓄積され、その後、各種ROM(Read Only Memory)やHDD等の記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
【0183】
ここで、プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROMや、不揮発性のメモリカード等)、光記録媒体・光磁気記録媒体(例えば、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto Optical Disc)、MD(Mini Disc)、CD(Compact Disc)、BD (Blu-ray(登録商標) Disk) 等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等の何れであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の機能が実現される場合もある。
【0184】
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれるのは勿論である。
【符号の説明】
【0185】
1 システム
10 端末装置
100 制御部
140 表示部
150 操作部
160 記憶部
162 電話帳データ記憶領域
164 制御アプリケーション
180 近距離無線通信部
190 通信部
20 画像処理装置
200 制御部
202 画像処理部
220 画像入力部
230 画像形成部
240 表示部
250 操作部
260 記憶部
262 画像データ記憶領域
264 アドレス帳データ記憶領域
280 近距離無線通信部
290 ネットワーク通信部
295 FAX通信部