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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181715
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】漏水検知装置
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/04 20060101AFI20221201BHJP
【FI】
G01M3/04 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021088806
(22)【出願日】2021-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111970
【弁理士】
【氏名又は名称】三林 大介
(72)【発明者】
【氏名】姫野 竜佑
(72)【発明者】
【氏名】入谷 あかね
【テーマコード(参考)】
2G067
【Fターム(参考)】
2G067AA02
2G067AA34
2G067BB14
2G067BB25
2G067CC02
2G067DD07
2G067DD22
(57)【要約】
【課題】結露水を漏水と誤検出することがなく、小流量の軽微な漏水も検知可能な漏水検知装置(100)を提供する。
【解決手段】凹形状の漏水溜め部(111)を仕切壁(112)で排水区画(111c)と検知区画(111b)とに区分して、検知区画の水位が検知水位に達すると漏水センサ(120)で漏水を検知し、更に水位が上がると、検知区画から排水区画に漏水が溢出して排水口(114)から排水される。仕切壁には、仕切壁の上端から検知水位よりも低い位置までに亘って仕切壁を貫通する連通スリット(113)を形成しておく。貫通孔ではなく連通スリットが仕切壁に形成されているので、連通スリットのスリット幅を狭くしても、水膜によって連通スリットが閉塞され難い。このため、結露が発生した場合には検知することがなく、漏水が発生した場合は小流量の漏水であっても検知することが可能となる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹形状の漏水溜め部に溜まった漏水を漏水センサで検知することによって、前記漏水の発生を検知する漏水検知装置において、
前記漏水溜め部の底面には排水口が開口しており、
前記漏水溜め部の内部は、前記漏水溜め部の底面から立設した仕切壁によって、前記排水口が開口した排水区画と、前記漏水センサが設けられた検知区画とに区分されており、
前記仕切壁には、前記検知区画内の前記漏水の水位が所定の溢出水位に達すると、前記検知区画内の前記漏水を前記排水区画に溢出させる溢出部が形成されており、
前記漏水センサは、前記検知区画内の前記漏水が、前記溢出水位よりも低い位置に設定された検知水位に達したことを検知可能であり、
前記仕切壁には、前記仕切壁の上端から、前記漏水センサの検知水位よりも低い位置まで、前記仕切壁を貫通して前記検知区画と前記排水区画とを連通させる連通スリットが形成されている
ことを特徴とする漏水検知装置。
【請求項2】
請求項1に記載の漏水検知装置において、
前記仕切壁は、前記漏水溜め部の深さよりも低い高さに設定されており、前記仕切壁の上端が前記溢出部となっている
ことを特徴とする漏水検知装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の漏水検知装置において、
前記仕切壁は、前記漏水溜め部の内周側面から離間させた位置に立設されている
ことを特徴とする漏水検知装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載の漏水検知装置において、
前記連通スリットは、前記漏水溜め部の底面まで形成されている
ことを特徴とする漏水検知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凹形状の漏水溜め部に溜まった漏水を漏水センサで検知することによって、漏水の発生を検知する漏水検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
給湯カランが開栓されると、ガスまたは電気を用いて湯を沸かすことによって給湯する給湯器は広く使用されている。また、深夜電力を使って沸かしておいた湯や、ヒートポンプを使って沸かしておいた湯を貯湯タンクに溜めておき、必要な時に貯湯タンクから湯を給湯する給湯システムも知られている。給湯器や貯湯タンクは屋外に設置されることが通常であるが、寒冷地では給湯器や貯湯タンクが屋内に設置される場合も多い。
【0003】
給湯器や貯湯タンクを設置するためには多数の配管類を配設する必要があり、配設する配管類が多くなるとそれらの繋ぎ目から漏水する可能性が生じる。屋内で漏水が発生すると部屋が水浸しとなってしまうので、給湯器や貯湯タンクを屋内に設置する場合には、給湯器や貯湯タンクをケーシング内に収納し、あるいは給湯器や貯湯タンクの下方にドレンパンを設置することが通常である。ケーシングの底部あるいはドレンパンには漏水を溜める凹部が形成されており、凹部に溜まった漏水を漏水センサで検知して、漏水の発生を早期に検知することで、屋内が水浸しとなることを回避する。また、凹部には排水口が形成されており、凹部に溜まった漏水は排水口から排水される。
【0004】
一方、寒冷地では、夜間などに給湯器や貯湯タンクの配管類の内部で水が凍結することを防止するために、配管類に少量の水を流す凍結防止運転も行われている。凍結防止用に流す水は外気で冷却されて循環し、配管類の表面温度を低下させる。このため、給湯器や貯湯タンクが屋内に設置されていると、配管類の表面と屋内の空気との温度差で配管類の表面に結露が発生することがある。こうして配管類で結露が生じると、ケーシングの底部やドレンパンに形成された凹部に結露水が溜まって漏水センサで検知されるので、結露水を漏水と誤検知する虞が生じる。
【0005】
そこで、結露水は漏水に比べて水量が少ないことに着目して、漏水が発生した場合は検知するが、結露水が発生しても検知しないようにした漏水検知装置が提案されている(特許文献1)。提案されている漏水検知装置では、漏水が溜められる凹部内が、仕切壁によって2つの区画に分けられている。一方の区画には大きな大排水口が形成され、他方の区画には、大排水口よりも小さな小排水口が形成され、更に、小排水口が形成された区画には漏水センサが取り付けられている。結露水および漏水は、初めは小排水口の区画に流入するが、漏水が流入した場合は小排水口では全量を排水できないので、水位が上昇して漏水センサで検知されるようになる。更に水位が上昇すると、仕切壁を乗り越えて隣の区画に流入して大排水口からも排水されるようになるので、それ以上には水位が上昇することはない。その結果、提案されている漏水検知装置では、結露水が発生しても漏水センサで検知されることはないが、漏水が発生した場合には漏水センサで検知することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004-011966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、提案されている漏水検知装置では、結露水を漏水と誤検知する虞はないものの、小流量の軽微な漏水を検知することができないという問題があった。この理由は次のようなものである。まず、軽微な漏水を検知しようとすると、小流量の漏水でも小排水口から全量は排水されないようにする必要があり、このため、小排水口の開口面積を小さくする必要がある。ところが、小排水口の開口面積を小さくすると、水の表面張力で小排水口に水膜が形成され、その水膜によって小排水口が閉塞されて結露水を排水することができなくなる。その結果、小排水口が形成された区画内で結露水の水位が漏水センサの位置まで上昇すると、漏水が発生したものと誤検知してしまう。こうした事態を避けようとすると、小排水口の開口面積を大きくする必要があり、その結果として、小流量の漏水は検知することができなくなるためである。
【0008】
この発明は、従来の漏水検知装置が有する上述した課題を解決するために成されたものであり、結露水を漏水と誤検出することがなく、尚且つ、小流量の軽微な漏水であっても検知することが可能な漏水検知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明の漏水検知装置は次の構成を採用した。すなわち、
凹形状の漏水溜め部に溜まった漏水を漏水センサで検知することによって、前記漏水の発生を検知する漏水検知装置において、
前記漏水溜め部の底面には排水口が開口しており、
前記漏水溜め部の内部は、前記漏水溜め部の底面から立設した仕切壁によって、前記排水口が開口した排水区画と、前記漏水センサが設けられた検知区画とに区分されており、
前記仕切壁には、前記検知区画内の前記漏水の水位が所定の溢出水位に達すると、前記検知区画内の前記漏水を前記排水区画に溢出させる溢出部が形成されており、
前記漏水センサは、前記検知区画内の前記漏水が、前記溢出水位よりも低い位置に設定された検知水位に達したことを検知可能であり、
前記仕切壁には、前記仕切壁の上端から、前記漏水センサの検知水位よりも低い位置まで、前記仕切壁を貫通して前記検知区画と前記排水区画とを連通させる連通スリットが形成されている
ことを特徴とする。
【0010】
かかる本発明の漏水検知装置においては、凹形状に形成されて漏水を溜める漏水溜め部が、仕切壁によって排水区画と検知区画とに区分されている。排水区画には排水口が形成され、検知区画には漏水センサが取り付けられており、検知区画内の漏水の水位が所定の検知水位に達すると漏水センサで漏水が検知され、更に水位が上がって所定の溢出水位に達すると、検知区画から排水区画に漏水が溢出して排水口から排水されるようになっている。そして、仕切壁には、仕切壁の上端から検知水位よりも低い位置までに亘って、仕切壁を貫通する連通スリットが形成されることによって、検知区画と排水区画とが連通されている。
【0011】
こうすれば、結露が発生した場合は、結露水が検知区画に流入しても、結露水は連通スリットを通って排水区画に流出するので検知区画内の水位が上昇しない。これに対して、漏水が発生した場合は、漏水の全量は連通スリットを通過することができずに、検知区画内の水位が上昇するようにすることができる。このため、結露が発生しても漏水センサで検知されることはないが、漏水が発生すると漏水センサで検知されるようにすることが可能となる。また、仕切壁に貫通孔を形成するのではなく、連通スリットを形成することによって検知区画内の漏水を排水区画に流出させており、連通スリットはスリット幅を小さくしても水膜によって閉塞され難い。このため、連通スリットのスリット幅を小さくしておけば、漏水の水量が少ない場合でも、検知区画内の漏水の水位を上昇させることができ、漏水の発生を検知することができる。その一方で、結露水は連通スリットから排水区画に流出するので、検知区画内の水位が上昇することがない。その結果、結露が発生した場合には検知することがなく、漏水が発生した場合は、小流量の漏水であっても検知することが可能となる。
【0012】
また、上述した本発明の漏水検知装置においては、仕切壁の高さを、漏水溜め部の深さよりも低く設定することによって、仕切壁の上端を溢出部としてもよい。
【0013】
こうすれば、仕切壁を形成するだけで溢出部を形成することができる。加えて、仕切壁の上端全体が溢出部となるので、十分な大きさの溢出部を形成することができ、たとえ漏水の水量が多い場合でも、全ての漏水を排水区画に溢出させて排水口から排水させることが可能となる。
【0014】
また、上述した本発明の漏水検知装置においては、漏水溜め部の内周側面から離間させた位置に仕切壁を立設することとしてもよい。
【0015】
こうすれば、漏水溜め部の内周側面と仕切壁との間に検知区画が形成され、仕切壁の内側に排水区画が形成される。このため、漏水溜め部に流入する大部分の漏水はまず初めに検知区画に流入することになるので、漏水の水量が少ない場合でも検知区画の水位を容易に上昇させることができ、その結果、漏水の発生を確実に検知することが可能となる。
【0016】
また、上述した本発明の漏水検知装置においては、仕切壁の上端から漏水溜め部の底面まで、連通スリットを形成してもよい。
【0017】
こうすれば、漏水溜め部の検知区画に流入した漏水や結露水を最後まで排水することができる。このため、検知区画の底面に残った水が蒸発して、底面が水垢で汚れる事態を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施例の漏水検知装置100が搭載された給湯システム1についての説明図である。
図2】本実施例の漏水検知装置100の構造を示す説明図である。
図3】本実施例の漏水検知装置100の動作を示す説明図である。
図4】本実施例の漏水検知装置100では仕切壁112に連通スリット113が形成されている理由についての説明図である。
図5】本実施例の漏水検知装置100は、漏水センサ120を設置する高さを変更することで、検知する漏水の水量を変更することが可能な理由を示す説明図である。
図6】検知区画111bの底面111aからの高さを異ならせて複数の漏水センサ120を搭載した第1変形例の漏水検知装置100についての説明図である。
図7】連通スリット113の下端に排水溝117が形成された第2変形例の漏水検知装置100についての説明図である。
図8】筒状の仕切壁112の内周面と、排水口114とが一体に形成された第3変形例の漏水検知装置100についての説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
A.本実施例 :
図1は、本実施例の漏水検知装置100が搭載された給湯システム1についての説明図である。図1に示すように、本実施例の給湯システム1は、貯湯ユニット10と、ヒートポンプユニット20と、熱源ユニット30とを備えている。ヒートポンプユニット20は屋外に設置されているが、貯湯ユニット10および熱源ユニット30は屋内に設置されている。
【0020】
貯湯ユニット10は、直方体の収納ケーシング11の中に収容された貯湯タンク12と、後述する各種の配管類とを備えている。貯湯タンク12の上部には、貯湯タンク12に湯を供給するための給湯配管15aと、貯湯タンク12内の湯を出湯するための出湯配管15cとが接続されている。給湯配管15aの上流側は、切換弁13を介してヒートポンプユニット20に接続されており、出湯配管15cの下流側は、混合弁14を介して熱源ユニット30に接続されている。
【0021】
また、貯湯タンク12の下部には、出水配管15bと給水配管15dとが接続されている。出水配管15bは、貯湯タンク12内で冷めた湯あるいは水を再加熱するために流出させるための配管であり、出水配管15bの下流側はヒートポンプユニット20に接続されている。尚、出水配管15bの途中には、切換弁13の位置で給湯配管15aから分岐したバイパス配管15eが合流している。一方、給水配管15dは、貯湯タンク12に水を供給するための配管である。給水配管15dの上流側は元栓3に接続されており、元栓3を開くと上水が給水配管15dを通って貯湯タンク12に供給されるようになっている。尚、給水配管15dは途中で給水配管15fが分岐して、分岐した給水配管15fが混合弁14に接続されている。また、給湯配管15aや、出湯配管15cや、給水配管15dや、給水配管15fには、湯あるいは水の逆流を防止するための逆止弁16a~16dが搭載されている。
【0022】
ヒートポンプユニット20は、直方体の本体ケース21の内部に、圧縮機22と、熱交換器23と、循環ポンプ24と、膨張器25と、吸熱器26とが搭載された構造となっている。熱交換器23の内部には、後述する高温の動作流体が通過する通路23aと、貯湯ユニット10から流出した低温の湯または水が通過する通路23bとが形成されており、低温の湯または水が、高温の動作流体と熱交換することによって湯が生成されるようになっている。
【0023】
動作流体が通過する通路23aの上流側には、高圧配管27aを介して圧縮機22が接続されており、通路23aの下流側には、高圧配管27bを介して膨張器25が接続されている。更に、膨張器25の下流側には、低圧配管27cを介して吸熱器26が接続されており、吸熱器26の下流側には、低圧配管27dを介して圧縮機22が接続されている。その結果、圧縮機22と、熱交換器23と、膨張器25と、吸熱器26とが、高圧配管27a,27bおよび低圧配管27c,27dを介して接続されることによって循環経路を形成しており、循環経路内には所定の動作流体が充填されている。
【0024】
熱交換器23内で低温の湯または水が通過する通路23bの上流側には、給水配管28aが接続されており、給水配管28aの上流側には循環ポンプ24が接続されている。循環ポンプ24は貯湯ユニット10の出水配管15bに接続されており、循環ポンプ24を動作させると、出水配管15bから低温の湯または水を吸い込んで、給水配管28aを介して通路23bに圧送する。また、通路23bの下流側には、出湯配管28bが接続されており、出湯配管28bの下流側には貯湯ユニット10の切換弁13が接続されている。
【0025】
ヒートポンプユニット20は、大まかには次のように動作する。まず、圧縮機22を動作させると、低圧配管27d内の動作流体が圧縮機22に吸い込まれ、圧縮されて高温かつ高圧の動作流体となって高圧配管27aに排出されて、熱交換器23内の通路23aを通過する。また、圧縮機22と同時に循環ポンプ24を動作させると、貯湯ユニット10の出水配管15bから吸い込まれた低温の湯または水が、熱交換器23内の通路23bを通過する。その結果、熱交換器23内の通路23aを通過する高温の動作流体と、熱交換器23内の通路23bを通過する低温の湯または水とが熱交換して、高温の動作流体は低温の動作流体となって通路23aから高圧配管27bに流出する。低温の湯または水は、高温の湯となって通路23bから出湯配管28bに流出する。
【0026】
高圧配管27bに流出した動作流体は、温度は低下しているが圧力は高いままとなっており、この高圧の動作流体が膨張器25を通過する際に減圧膨張することによって、低圧でかつ大気温度よりも低温の動作流体となる。この低温かつ低圧の動作流体は吸熱器26に供給されて、大気と熱交換することによって温められる。吸熱器26には送風ファン26aが搭載されており、送風ファン26aで送風すると、大気と動作流体との熱交換が促進されて、動作流体の温度を大気温度に近い温度まで温めることが可能となる。こうして吸熱器26で温められた低圧の動作流体は、低圧配管27dを経由して圧縮機22に吸い込まれ、再び圧縮されることによって、高温かつ高圧の動作流体となって熱交換器23に供給される。その結果、熱交換器23の内部では、高温の動作流体が低温の湯または水と熱交換することによって高温の湯が生成されて、出湯配管28bから流出するようになっている。
【0027】
前述したように、出湯配管28bは貯湯ユニット10の切換弁13に接続されている。切換弁13は三方弁となっており、通常時は出湯配管28bと給湯配管15aとが連通し、出湯配管28bとバイパス配管15eとは連通しない状態となっている。このため、ヒートポンプユニット20の熱交換器23で生成された湯は、出湯配管28bから切換弁13に供給されると、切換弁13から給湯配管15aに導かれて貯湯タンク12に供給される。
【0028】
熱源ユニット30は、熱源機31と、熱源機31に給水する給水配管32aと、熱源機31で生成した湯を出湯する出湯配管32bとを備えている。給水配管32aと出湯配管32bとは、熱源機31をバイパスするバイパス配管33によって接続されており、バイパス配管33の途中にはバイパス弁34が搭載されている。更に、出湯配管32bの先端には給湯カラン2が取り付けられている。尚、図示した熱源機31は、ガスバーナ31aや熱交換器31bを内蔵し、ガスバーナ31aで燃料ガスを燃焼させることによって湯を生成する方式の熱源機31となっているが、電気ヒータを用いて湯を生成する方式の熱源機であっても構わない。
【0029】
以上のような構造の給湯システム1では、貯湯タンク12内に高温の湯が溜まった状態で、ユーザによって給湯カラン2が開栓されると、貯湯タンク12内の湯が出湯配管15cを介して混合弁14に供給される。そして、貯湯タンク12から供給された湯が熱すぎる場合は、給水配管15fから供給される水と混合弁14で混合することによって適切な湯温に調節された後、熱源機31内を通過して、出湯配管32bを経由して給湯カラン2から出湯される。尚、熱源機31を通過する湯は混合弁14で適切な温度に調節されているので、熱源機31で温められることはない。また、貯湯タンク12内の湯の温度が、ユーザによって設定された湯温よりも低い場合は、混合弁14では給水配管15fからの水と混合することなく、給水配管32aを経由して熱源機31に供給される。そして、熱源機31で加熱された後、出湯配管32bを経由して給湯カラン2から出湯される。更に、熱源機31で加熱すると温度が上がり過ぎてしまう場合は、バイパス弁34を開いてやると、熱源機31に供給される湯の一部がバイパス配管33を通過することによって熱源機31をバイパスし、熱源機31で加熱された湯と出湯配管32bで混合した後、給湯カラン2から出湯される。
【0030】
上述した給湯システム1では、出湯していない場合でも、ヒートポンプユニット20を動作させて湯を生成して貯湯タンク12に溜めておき、必要な時に給湯カラン2から出湯することができる。また、貯湯タンク12に十分な量の湯が溜められている場合は、貯湯タンク12内の湯が冷めない限り、ヒートポンプユニット20は停止されている。もっとも、ヒートポンプユニット20は屋外に設置されるから、寒冷地ではヒートポンプユニット20が停止していると、内部の水が凍結してヒートポンプユニット20を破損させる虞がある。そこで、寒冷地では、ヒートポンプユニット20で湯を生成する必要が無い場合には、貯湯ユニット10の切換弁13を切り換えて出湯配管28bと貯湯ユニット10のバイパス配管15eとを連通させておき、その状態で循環ポンプ24を動作させる凍結防止運転が行われる。こうすれば、循環ポンプ24から給水配管28aに圧送された水が、熱交換器23の通路23b、出湯配管28b、切換弁13、バイパス配管15eを経由して、出水配管15bから循環ポンプ24に戻る循環回路を循環することになり、水が凍結することを回避することができる。
【0031】
上述した給湯システム1は、貯湯ユニット10の内部に多数のパイプ類が配管されているため、パイプ類の繋ぎ目部分で漏水が発生する虞がある。そして、漏水が発生すると、貯湯ユニット10の収納ケーシング11の底部11aで受けられる。尚、本実施例の貯湯ユニット10は、収納ケーシング11の底部11aがドレンパンとしても機能するように形成されている。もっとも、収納ケーシング11の底部11aで受けた漏水をそのままにしておくと、やがては溢れ出してしまうので、部屋が水浸しとなる。このため、収納ケーシング11の底部11aで受けた漏水を排水する必要がある。
【0032】
また、寒冷地では、屋内に設置された貯湯ユニット10内のバイパス配管15eを水が通過しており、この水は屋外に設置されたヒートポンプユニット20を通過する際に、冷たい大気で冷やされた状態となっている。このため、バイパス配管15eの表面温度が屋内の気温よりも低くなり、バイパス配管15eの表面に結露が発生する。こうして発生した結露水は、貯湯ユニット10の収納ケーシング11の底部11aに滴下する。従って、収納ケーシング11の底部11aで受けた結露水も排水する必要がある。
【0033】
そこで、貯湯ユニット10の収納ケーシング11の底部11aには、漏水検知装置100が取り付けられており、漏水検知装置100には排水ホース100aが取り付けられている。このため、収納ケーシング11の底部11aで受けられた漏水や結露水は、排水ホース100aから排水することができる。また、後述するように漏水検知装置100の内部にはセンサが搭載されており、漏水が発生したことを検知可能となっている。
【0034】
図2は、本実施例の漏水検知装置100についての説明図である。図2(a)の斜視図には、漏水検知装置100の外観形状が示されており、図2(b)の断面図には、漏水検知装置100の構造が示されている。図2(a)に示されるように、漏水検知装置100は、低い円柱形の外観形状を有する本体部110と、棒形状の漏水センサ120とを備えている。本体部110には、上面が円板形状に深く窪むことによって漏水溜め部111が形成されており、漏水溜め部111の底面111aの中央の位置からは、中空の筒形状の仕切壁112が突設されている。このため、漏水溜め部111の内部は、仕切壁112によって、仕切壁112の外側の空間(以下、検知区画111b)と、仕切壁112の内側の空間(以下、排水区画111c)とに区分されていることになる。ここで、仕切壁112の外側の空間を検知区画111bと称するのは、漏水センサ120が取り付けられているためである。また、仕切壁112の内側の空間を排水区画111cと称するのは、仕切壁112の内側で、漏水溜め部111の底面111aに相当する位置には、後述する排水口114(図2(b)参照)が形成されているためである。
【0035】
尚、本実施例の仕切壁112は、漏水溜め部111の底面111aの中央の位置に突設されているものとしているが、漏水溜め部111の内周側面111dから離間していれば、仕切壁112が底面111aの中央の位置に突設されていなくても構わない。例えば、中央から偏心した位置に仕切壁112が突設されていてもよい。また、仕切壁112の側面には、仕切壁112の上端から下端に亘って仕切壁112を貫通する連通スリット113が形成されている。ここで、仕切壁112に形成されたスリットを連通スリット113と称するのは、仕切壁112の外側の検知区画111bと、仕切壁112の内側の排水区画111cとを連通させているためである。
【0036】
図2(b)には、連通スリット113を通る位置で漏水検知装置100を縦方向に切断することによって得られた断面図が示されている。本体部110の下面110aからは、仕切壁112と同軸に筒形状のニップル116が突設されており、ニップル116の内部の通路116aが、仕切壁112の内側で漏水溜め部111の底面111aに開口することによって排水口114が形成されている。そして、ニップル116には、図1に示した排水ホース100aが取り付けられるようになっている。
【0037】
また、漏水溜め部111の底面111aから立設した仕切壁112の高さh2は、漏水溜め部111の深さh1よりも小さな寸法に設定されている。このため、検知区画111b内に溜まった漏水の水位が上昇して仕切壁112の上端に達すると、検知区画111b内の漏水が溢れ出して排水区画111cに流入するようになる。従って、仕切壁112の上端から本体部110の上端面110bまでの円筒形状の空間は、溢出部115となっている。図2(b)では溢出部115が斜線を付して表示されている。
【0038】
漏水溜め部111の検知区画111bには、漏水センサ120が取り付けられている。漏水センサ120は、先端が水中に浸かると通電可能となる電極となっており、漏水センサ120の先端が、仕切壁112の上端よりも低い位置(すなわち、漏水溜め部111の底面111aからの高さがh2より低い位置)となるように取り付けられている。
【0039】
上述した本実施例の漏水検知装置100は、以下のように動作する。図3(a)は、結露の発生時に結露水を排水する様子を示した説明図である。貯湯ユニット10の内部で結露が発生すると、収納ケーシング11の底部11aに結露水が滴下して、この結露水が底部11aの上を流れて漏水検知装置100の検知区画111bに流入する。尚、図2を用いて前述したように、仕切壁112は、漏水溜め部111の内周側面111dから離間させて形成されているため、排水区画111cの外側には必ず検知区画111bが形成されている。このため、底部11aの上を流れて来た結露水は、必ず検知区画111bに流入することになる。図3(a)では、検知区画111bに結露水が流入する様子が、太い破線の矢印で示されている。
【0040】
検知区画111bに流入した結露水は、仕切壁112に形成された連通スリット113から排水区画111cに流入して、排水口114から排水される。図3(a)では、連通スリット113を通って排水口114から排水される結露水の流れが、太い実線の矢印で示されている。結露水の水量では全量が検知区画111bに流入しても連通スリット113を通過して排水口114から排水することができるので、結露水によって検知区画111b内の水位が上昇することはない。従って、漏水センサ120の先端が水没することはないので、漏水が発生したものと誤検知することはない。
【0041】
図3(b)には、漏水が発生した場合が示されている。貯湯ユニット10の内部で漏水が発生すると、漏水は、収納ケーシング11の底部11aで受けられた後、漏水検知装置100の検知区画111bに流入する。図3(b)でも、検知区画111bに漏水が流入する様子が、太い破線の矢印で示されている。
【0042】
検知区画111bに流入した漏水は、仕切壁112に形成された連通スリット113を通って排水区画111cに流入した後、排水口114から排水されるが、漏水の水量は連通スリット113を通過する水量よりも多いので全量を排水することができず、検知区画111b内の水位が上昇していく。しかし、仕切壁112の高さは検知区画111bの深さよりも低くなっているので、検知区画111bの水位が仕切壁112の上端に達した後は、仕切壁112の上方に形成された溢出部115を通って排水区画111cに流入して、排水口114から排水される。図3(b)では、連通スリット113および溢出部115を通って漏水が排水される様子が太い実線の矢印で示されている。また、漏水センサ120は、漏水センサ120の先端が仕切壁112の上端よりも低い位置となるように取り付けられている。このため、検知区画111bに流入した漏水の水位が仕切壁112の上端に達する前に、漏水センサ120の先端が水没した状態となって、漏水の発生を確実に検知することができる。
【0043】
以上の説明から明らかなように、結露水が検知区画111bに溜まっても漏水センサ120で検知されないようにするためには、検知区画111bに溜まった結露水を仕切壁112内の排水区画111cに逃がす通路(ここでは、「逃がし通路」と呼ぶ)を設けておけばよい。また、漏水が発生した場合は少量の漏水でも検知可能とするためには、少量の漏水でも検知区画111bの水位が上昇するようにすればよく、その為には、逃がし通路は少量の水しか通過できないようにしておけばよい。本実施例の漏水検知装置100では、仕切壁112に連通スリット113を形成することによって、理想的な逃がし通路を実現している。以下ではこの点について説明する。
【0044】
図4は、本実施例の漏水検知装置100が、仕切壁112に連通スリット113を形成することによって、検知区画111bに溜まった漏水を排水している理由を示した説明図である。図4(a)には、仕切壁112に連通スリット113が形成された部分が拡大して表示されている。また、図4(a)中で斜線を付した部分は、検知区画111bに溜まった漏水を表している。一方、図4(b)には、連通スリット113の代わりに、連通スリット113の幅と同寸法の直径を有する貫通孔119を仕切壁112に形成した場合が示されている。図4(b)でも、斜線を付した部分は、検知区画111bに溜まった漏水を表している。また、漏水の水位は図4(a)と図4(b)とで同じ水位となっている。
【0045】
図4(b)に示したように、仕切壁112に貫通孔119を形成した場合は、検知区画111bの漏水の水位が高くなって貫通孔119の半分程度の面積が水没すると、水の表面張力によって形成された水膜によって貫通孔119が閉塞されてしまう。その結果、それ以上に水位が高くなっても、検知区画111bの漏水を排水することができなくなる。こうした事態は、結露水によっても全く同様に発生し、結露水によってこうした事態が発生すると、結露水を排水することができないので検知区画111b内の水位が上昇して、結露水の発生を漏水の発生と誤検知することになる。これを避けるためには、貫通孔119の直径を、水膜が形成されない程度に大きくする必要があり、そうすると、小流量の漏水では全量が貫通孔119から排水されてしまうため、検知区画111bの水位が上昇せずに漏水の発生を検知できなくなる。
【0046】
これに対して、図4(a)に示したように、貫通孔119の代わりに連通スリット113を形成すると、水が水膜を形成することが困難になる。このため、連通スリット113のスリット幅を小さくしても、連通スリット113が閉塞され難くなる。このため、検知区画111bに溜まった漏水を連通スリット113の間から排水することができ、更に連通スリット113の幅を狭くすることが可能となる。その結果、漏水の水量が少なくなった場合でも、検知区画111bの水位を上昇させて、漏水センサ120の先端を水没させることができるので、漏水の発生を検知することができる。その一方で、結露水の水量であれば連通スリット113から排出することができるので、検知区画111bの水位が上昇することがなく、結露水を漏水と誤検知することはない。
【0047】
以上に説明したように、本実施例の漏水検知装置100では、検知区画111bと排水区画111cとを区画する仕切壁112に連通スリット113を形成することで、僅かな水量の漏水でも検知することが可能でありながら、結露水を漏水と誤検知することが無いという優れた機能を実現する。しかし、連通スリット113を形成することによる効果は、こうした機能を実現するだけではない。以下に説明するように、漏水センサ120を設置する高さを変更することで、検知可能な漏水の水量を柔軟に変更することも可能となる。
【0048】
図5は、漏水センサ120を設置する高さを変更することで、検知可能な漏水の水量を変更することが可能な理由を示す説明図である。図5には、漏水の水量が「少」、「中」、「多」の3段階に異なる場合について、検知区画111bに流れ込んだ漏水が連通スリット113から流出する様子が示されている。漏水の水量が少ない場合は、図5(a)に示すように、検知区画111bにはほとんど漏水が溜まることなく、連通スリット113を通って排水口114から排水されていく。この状態は、検知区画111bに流入する漏水の水量と、連通スリット113を通過して排水される漏水の水量とが釣り合う状態となっている。
【0049】
図5(a)に示した状態から、漏水の水量が増加すると、連通スリット113から排水される水量よりも、検知区画111bに流入する水量の方が多くなるため、検知区画111b内での漏水の水位が上昇する。そして、漏水の水位が上昇すると、連通スリット113の間を漏水が通過する面積は、水位が上昇した分だけ増加するので、連通スリット113から排出される水量も増加する。この結果、検知区画111b内の水位は、検知区画111bに流入する漏水の水量と、連通スリット113から排水される漏水の水量とが釣り合う水位で安定することになる。図5(b)には、漏水の水量が中程度の場合に、検知区画111b内の水位が安定した状態が示されている。この状態から更に漏水の水量が増加すると、検知区画111b内の漏水の水位は、図5(c)に示されるように、更に高い位置で安定することになる。
【0050】
以上の説明から明らかなように、検知区画111bに流入した漏水が、仕切壁112に形成した連通スリット113から排水されるようにしておくと、検知区画111b内の水位は、漏水の水量に応じて決まる水位で安定する。従って、少量の漏水は許容する場合は、検知しようとする漏水の水量に対応する水位を予め求めておき、その水位で漏水センサ120の先端が水没するように漏水センサ120を取り付けておけば、漏水の水量が目的の水量に達したことを検知することが可能となる。また、より少量の漏水も検知できるようにするためには、漏水センサ120の取り付け位置を変更して、漏水センサ120の先端の位置がより低くなるようにすればよい。このように、本実施例の漏水検知装置100では、漏水センサ120の取り付け位置を変更することで、検知する漏水の水量を柔軟に変更することが可能となる。
【0051】
B.変形例 :
上述した本実施例の漏水検知装置100には、幾つかの変形例を考えることができる。以下では、これらの変形例について、上述した本実施例との相違点を中心として簡単に説明する。
【0052】
B-1.第1変形例 :
上述した本実施例では、検知区画111bに取り付けられている漏水センサ120が1つであるものとして説明したが、複数の漏水センサ120を取り付けるようにしても良い。そして、それらの漏水センサ120の先端の高さを異ならせておけば、漏水の発生有無を検知するだけでなく、漏水の水量に関する情報も取得することができる。
【0053】
例えば、図6に例示した第1変形例の漏水検知装置100では、検知区画111bに3つの漏水センサ120a~120cが取り付けられており、それぞれの漏水センサ120a~120cの先端は、検知区画111bの底面111aからの高さが異なる高さに設定されている。こうすれば、漏水を検知した漏水センサ120a~120cによって、あるいは漏水を検知した漏水センサ120a~120cの数によって、漏水の水量に関する情報を取得することが可能となる。
【0054】
B-2.第2変形例 :
上述した本実施例の漏水検知装置100では、連通スリット113が、仕切壁112の上端から、検知区画111bのちょうど底面111aの位置まで形成されているものとして説明した。しかし、連通スリット113は、検知区画111bの底面111aの少し手前の位置で止めても良いし、逆に、底面111aよりも少し低い位置まで形成しても良い。特に、底面111aよりも低い位置まで連通スリット113を形成する場合は、連通スリット113の下端が底面111aよりも低い位置に達することによって凹部が形成されることになるので、その凹部を排水口114に接続することによって排水溝117を形成しておけば、以下のような効果を得ることができる。
【0055】
図7は、連通スリット113を検知区画111bの底面111aよりも低い位置まで形成することによって、連通スリット113の下端に排水溝117を形成した第2変形例の漏水検知装置100についての説明図である。図7(a)に示すように、第2変形例の漏水検知装置100では、仕切壁112の上端から形成された連通スリット113が、検知区画111bの底面111aよりも低い位置まで達しており、その結果、底面111aには、仕切壁112の外側から排水口114まで達する排水溝117が形成されている。
【0056】
一般に、検知区画111bに流入した結露水や漏水を連通スリット113から排水し終わった場合でも、仕切壁112の根元の周囲には、底面111aに薄い水膜が残ってしまうことがある。こうして残った水膜は、やがては蒸発して無くなるが、蒸発した後に残った水垢は汚損の原因となる。これに対して、第2変形例の漏水検知装置100では、図7(b)中に斜線で示すように、仕切壁112の周囲の底面111aに水膜が残っても、連通スリット113の下端の排水溝117内の水が排水されると、その水に引きずられるようにして、仕切壁112の周囲の水膜が排水溝117に流入して排水口114に排水される。図7(b)中に示した太い破線の矢印は、仕切壁112の周囲の水膜が排水溝117に流入する様子を表している。このように、仕切壁112の周囲の水膜を排水することができるので、底面111aに残った水膜が蒸発して水垢を発生させることが無く、漏水検知装置100が汚れることを防止することが可能となる。
【0057】
尚、上述した第2変形例の漏水検知装置100では、検知区画111bの底面111aを、仕切壁112の方向に向かって低くなるように傾斜させてもよい。こうすれば、検知区画111bの底面111aに残った漏水あるいは結露水は、仕切壁112の周囲に集められた後、排水溝117から排水されることになる。このため、底面111aに水膜が残ることがないので、水垢によって汚れることを防止することが可能となる。
【0058】
B-3.第3変形例 :
また、上述した本実施例では、仕切壁112の内径は、本体部110の下面110aから突出したニップル116の通路116aの内径よりも大きいものとして説明した(図2(b)参照)。この場合、排水口114は、ニップル116の通路116aが、排水区画111cの底面111aに開口することによって形成されている。しかし、図8に示した第3変形例のように、仕切壁112の内径を、ニップル116の通路116aの内径と同じ寸法としても良い。この場合は、仕切壁112の内周面と、ニップル116の通路116aとが連続するので、排水口114の位置が明確には認識できないが、仕切壁112の付け根の内側部分に排水口114が形成されているものと考えることができる。こうして、仕切壁112の内径と、ニップル116の通路116aの内径とを同じ寸法としておけば、本体部110を形成する際の型の構造が簡単となるので、漏水検知装置100を容易に製造することが可能となる。
【0059】
尚、上述した本実施例および各種の変形例では、収納ケーシング11と漏水検知装置100とが別体に形成されており、漏水検知装置100は、収納ケーシング11の底部11aに装着されるものとして説明した。しかし、収納ケーシング11の底部11aに、漏水検知装置100の漏水溜め部111を形成することによって、漏水検知装置100を収納ケーシング11と一体に形成しても良い。
【0060】
また、上述した本実施例および各種の変形例では、仕切壁112の高さは、漏水溜め部111の深さよりも低くなっており、仕切壁112の上部に溢出部115が形成されるものとして説明した。しかし、仕切壁112の高さを、漏水溜め部111の深さと同じ、あるいは漏水溜め部111の深さよりも高くしておき、仕切壁112の上端の一部を、漏水溜め部111の深さよりも低い位置まで切り欠くことによって溢出部115を形成しても良い。
【0061】
また、室内に設置されている熱源機31の給水配管32aや出湯配管32b、バイパス配管33などでも結露する可能性がある場合には、熱源機31を収納ケーシングで覆って、収納ケーシングの底部に本発明の漏水検知装置を設けることができる。
【0062】
以上、本実施例および各種の変形例の漏水検知装置100について説明したが、本発明は上記の本実施例および各種の変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様で実施することが可能である。
【0063】
例えば、上述した本実施例および各種の変形例では、連通スリット113は仕切壁112の一箇所に形成されているものとしているが、仕切壁112の複数個所に連通スリット113を形成しても構わない。
【符号の説明】
【0064】
1…給湯システム、 2…給湯カラン、 3…元栓、 10…貯湯ユニット、
11…収納ケーシング、 11a…底部、 12…貯湯タンク、
13…切換弁、 14…混合弁、 15a…給湯配管、
15b…出水配管、 15c…出湯配管、 15d…給水配管、
15e…バイパス配管、 15f…給水配管、 16a~16d…逆止弁、
20…ヒートポンプユニット、 21…本体ケース、 22…圧縮機、
23…熱交換器、 24…循環ポンプ、 25…膨張器、 26…吸熱器、
26a…送風ファン、 27a…高圧配管、 27b…高圧配管、
27c…低圧配管、 27d…低圧配管、 28a…給水配管、
28b…出湯配管、 30…熱源ユニット、 31…熱源機、
31a…ガスバーナ、 31b…熱交換器、 32a…給水配管、
32b…出湯配管、 33…バイパス配管、 34…バイパス弁、
100…漏水検知装置、 100a…排水ホース、 110…本体部、
110a…下面、 110b…上端面、 111…漏水溜め部、
111a…底面、 111b…検知区画、 111c…排水区画、
111d…内周側面、 112…仕切壁、 113…連通スリット、
114…排水口、 115…溢出部、 116…ニップル、
116a…通路、 117…排水溝、 119…貫通孔、
120…漏水センサ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8