(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181730
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】ドア用止水部材及びドアの止水方法
(51)【国際特許分類】
E06B 7/22 20060101AFI20221201BHJP
【FI】
E06B7/22 F
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021088836
(22)【出願日】2021-05-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】000157278
【氏名又は名称】丸五ゴム工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】592170411
【氏名又は名称】船山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100187838
【弁理士】
【氏名又は名称】黒住 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100220892
【弁理士】
【氏名又は名称】舘 佳耶
(74)【代理人】
【識別番号】100205589
【弁理士】
【氏名又は名称】日野 和将
(74)【代理人】
【識別番号】100194478
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 文彦
(72)【発明者】
【氏名】藤原 泰明
(72)【発明者】
【氏名】古城 絢史
(72)【発明者】
【氏名】角谷 和夫
【テーマコード(参考)】
2E036
【Fターム(参考)】
2E036AA01
2E036BA01
2E036CA01
2E036DA02
2E036DA07
2E036EB02
2E036EC03
2E036GA04
2E036HB11
(57)【要約】
【課題】
浸水が予想されるとき等に、ドアの周囲の隙間に一時的に取り付けることで、十分な止水機能を発揮することができるドア用止水部材を提供する。
【解決手段】
ドア20の周囲に存在する隙間Dに沿って取り付けることによって、ドア20の外側が浸水したときでもドア20の内側へ水が侵入しないようにするドア用止水部材10を、ドア20の外側から隙間Dを塞ぐ帯状止水部12と、帯状止水部12の内面から突出して設けられ、ドア20の外側から隙間D内に圧入することによって隙間D内に保持される圧入用凸部11とを備えたものとする。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアの周囲に存在する隙間に沿って取り付けることによって、ドアの外側が浸水したときでもドアの内側へ水が侵入しないようにするドア用止水部材であって、
ドアの外側から前記隙間を塞ぐ帯状止水部と、
帯状止水部の内面から突出して設けられ、ドアの外側から前記隙間内に圧入することによって前記隙間内に保持される圧入用凸部と
を備えたことを特徴とするドア用止水部材。
【請求項2】
圧入用凸部が、
前記隙間の深さ方向に突出する本体凸部と、
本体凸部の両側の側面から前記隙間の幅方向に突出する分岐凸部と
を有する請求項1記載のドア用止水部材。
【請求項3】
本体凸部が、基端側から先端側になるにつれて幅狭になる断面三角状に形成された請求項2記載のドア用止水部材。
【請求項4】
分岐凸部が、基端側から先端側になるにつれて幅狭になる断面三角状に形成された請求項2又は3記載のドア用止水部材。
【請求項5】
分岐凸部が、本体凸部の基端側から先端側に向かって所定間隔で多段に設けられ、
本体凸部の基端側に近い段の分岐凸部の方が、本体凸部の先端側に近い段の分岐凸部よりも突出量が大きくされた
請求項2~4いずれか記載のドア用止水部材。
【請求項6】
圧入用凸部が、帯状止水部の幅方向中央からずれた箇所に偏心して設けられた請求項1~5いずれか記載のドア用止水部材。
【請求項7】
請求項1~6いずれか記載のドア用止水部材を、ドアの周囲に存在する隙間に取り付けるドアの止水方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアの周囲に存在する隙間に取り付けてドアの内側への水の侵入を防止するドア用止水部材と、このドア用止水部材を用いたドアの止水方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、集中豪雨による水害が日本各地で度々起こるようになってきている。河川等の水域が氾濫すると、その周囲の建物が浸水し、甚大な被害をもたらす。このため、浸水が予想される地域では、大雨洪水警報が発表されたタイミングや、その発表が予想されるタイミングで、建物の隙間(ドアの周囲の隙間)を粘着テープ等で目張りする対策を行っている。これにより、仮にその建物の周囲が浸水したとしても、その水が建物の中に侵入しないようにすることができる。
【0003】
しかし、ドアの隙間に貼った粘着テープにシワがあると、そのシワの部分から水が浸入するおそれがある。場合によっては、そのシワに入り込んだ水の圧力で、粘着テープが剥がれるおそれもある。このため、粘着テープは、シワのない状態でドアの隙間に沿って綺麗に貼り付ける必要があるが、その作業には意外と手間が掛かる。また、隙間に貼り付けた粘着テープは、大雨洪水警報が無事に解除された後等に、剥がされるところ、このときに、ドアや壁の塗装が剥がれるおそれもある。
【0004】
ところで、これまでには、ドアの周囲の隙間を塞ぐものとして、特許文献1や特許文献2に示されるパッキンが提案されている。これらのパッキンは、ドアの周囲に予め取り付けられて使用されるものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭59-185397号公報
【特許文献2】特開2000-130921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1や特許文献2のパッキンはいずれも、ドアの内外での気密性や遮音性を維持するためのものであり、ドアの浸水時の水圧を想定したものとはなっていない。このため、ドアが浸水すると、パッキンとドアの隙間や、パッキンとドア枠との隙間から水が浸入するおそれがある。これを防ぐために、特許文献1や特許文献2のパッキンを堅牢な造りにすると、ドアを開閉しにくくなる等、ドアの挙動に問題が生ずるおそれがあるだけでなく、ドアの見た目が悪くなるおそれもある。
【0007】
また、特許文献1や特許文献2のパッキンはいずれも、ドアの周囲に予め取り付けられるものとなっている。このため、ドアやドア枠等を、予めそのパッキンを取り付けることができる仕様としておく必要がある。このため、既設のドアには使用しにくい。さらに、特許文献1や特許文献2のパッキンは、ドアやドア枠等の目立たない箇所に取り付けられるため、経年変化等で劣化していても、それに気づかないまま使用され続けてしまい、必要なときにその機能が発揮されないおそれがある。加えて、劣化に気付くことができたとしても、その取り外しや取り付けが難しく、交換に手間を要するという問題がある。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、浸水が予想されるとき等に、ドアの周囲の隙間に一時的に取り付けることで、十分な止水機能を発揮することができるドア用止水部材を提供するものである。また、取り付けや取り外しが容易なドア用止水部材を提供することも本発明の目的である。さらに、このドア用止水部材を用いるドアの止水方法を提供することも本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は、
ドアの周囲に存在する隙間に沿って取り付けることによって、ドアの外側が浸水したときでもドアの内側へ水が侵入しないようにするドア用止水部材であって、
ドアの外側から前記隙間を塞ぐ帯状止水部と、
帯状止水部の内面から突出して設けられ、ドアの外側から前記隙間内に圧入することによって前記隙間内に保持される圧入用凸部と
を備えたことを特徴とするドア用止水部材
を提供することによって解決される。
【0010】
本発明のドア用止水部材は、ドアの外側から隙間を塞ぐ帯状止水部を備えている。この帯状止水部は、ドアの浸水時(ドアの外側がドアの高さまで浸水したとき。以下同じ。)には、ドアの外側に存在する水の圧力でドアやドア枠等に対して強く押さえ付けられた状態となる。このため、ドアの浸水時には、帯状止水部がドアやドア枠等に対してより密着した状態となり、ドア用止水部材の水密性がさらに高まった状態となる。したがって、ドアの浸水時でも止水機能を十分に発揮することができる。
【0011】
加えて、本発明のドア用止水部材は、ドア等に予め取り付けておくものではなく、それが必要なとき(浸水が予想されるとき等)にのみ、ドアの周囲に一時的に取り付けて使用するものとなっている。このため、既設のドアに対しても使用することができる。また、通常時(ドア用止水部材を使用しないとき)のドアの挙動や見た目が悪くなることもない。さらに、ドア用止水部材が経年変化等により劣化していても、それに容易に気づくことができ、劣化されたドア用止水部材が使用されないようにすることができる。このため、ドアの浸水時にドア用止水部材がその機能(水の侵入を防止する機能)できないような事態の発生を防ぐことができる。さらにまた、劣化等によりドア用止水部材の交換が必要なときでも、その交換作業を容易に行うことができる。
【0012】
本発明のドア用止水部材において、圧入用凸部は、その具体的な構造を特に限定されないが、前記隙間の深さ方向に突出する本体凸部と、本体凸部の両側の側面から前記隙間の幅方向に突出する分岐凸部とを有するものとすることが好ましい。これにより、圧入用凸部を、弾性変形しやすく、ドアの周囲の隙間に圧入しやすいものとしながらも、その隙間から抜けにくい(隙間内に保持されやすい)構造とすることができる。
【0013】
本発明のドア用止水部材において、圧入用凸部を本体凸部と分岐凸部とで構成する場合には、本体凸部を、基端(帯状止水部に接続する側の端部)側から先端(基端とは逆側の端部)側になるにつれて幅狭になる断面三角状に形成することが好ましい。また、分岐凸部を、基端(本体凸部に接続する側の端部)側から先端(基端とは逆側の端部)側になるにつれて幅狭になる断面三角状に形成することも好ましい。
【0014】
このように、圧入用凸部における本体凸部や分岐凸部の先端側を細くしながらも、根元(基端側)を太くすることで、本体凸部や分岐凸部の弾性変形のしやすさを維持しながらも、簡単に倒れてしまわない程度の剛性を本体凸部や分岐凸部に付与することができる。このため、ドアの周囲の隙間に圧入用凸部を圧入したときには、その圧入用凸部を隙間内でしっかりと保持させることができる。
【0015】
本発明のドア用止水部材において、圧入用凸部を本体凸部と分岐凸部とで構成する場合には、分岐凸部を、本体凸部の基端側から先端側に向かって所定間隔で多段に設けるとともに、本体凸部の基端側に近い段の分岐凸部を、本体凸部の先端側に近い段の分岐凸部よりも突出量を大きくすることが好ましい。これにより、ドアの周囲の隙間にドア用止水部材を圧入しやすくなる。本発明のドア用止水部材は、ドアの周囲の隙間に沿って配することができるように長手状を為しているところ、例えば、ドア用止水部材における圧入用凸部を、長手方向に沿った最初の数cm程度の区間だけを前記隙間に圧入すれば、残りの区間は、帯状止水部の外面を指で押さえていくだけで前記隙間に圧入することもできるようになる。
【0016】
本発明のドア用止水部材において、圧入用凸部は、帯状止水部の幅方向中央に設けてもよいが、帯状止水部の幅方向中央からずれた箇所に偏心して設けることも好ましい。というのも、帯状止水部は、それを取り付ける隙間よりも広い幅を有しており、その隙間を外側から覆うように、その隙間の両側の部分(ドアとドア枠)の外面に宛がった状態で配されるところ、帯状止水部を宛がうのに十分なスペースが隙間の両側にない場合がある。この場合には、帯状止水部が周囲の部分に干渉してドア等の外面から浮き上がり、その部分から水の侵入を許すおそれがあるところ、圧入用凸部を帯状止水部の幅方向中央からずれた位置に設けることで、ドア用止水部材の形態を非対称とし、ドア用止水部材を取り付け方に工夫を凝らすことによって、帯状止水部が周囲の部分に干渉しないようにすることが可能となるからである。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明によって、浸水が予想されるとき等に、ドアの周囲の隙間に一時的に取り付けることで、十分な止水機能を発揮することができるドア用止水部材を提供することが可能になる。また、取り付けや取り外しが容易なドア用止水部材を提供することも可能になる。さらに、このドア用止水部材を用いるドアの止水方法を提供することも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】第一実施形態のドア用止水部材を示した斜視図である。
【
図2】第一実施形態のドア用止水部材を示した正面図である。
【
図3】第一実施形態のドア用止水部材を示した背面図である。
【
図4】第一実施形態のドア用止水部材を示した右側面図である。
【
図5】第一実施形態のドア用止水部材を示した左側面図である。
【
図6】第一実施形態のドア用止水部材を示した平面図である。
【
図7】第一実施形態のドア用止水部材を示した底面図である。
【
図8】ドア用止水部材の取付対象であるドアを外側から見た状態を示した図である。
【
図9】第一実施形態のドア用止水部材をドアの周囲の隙間に取り付けている様子を示した斜視図である。
【
図10】第一実施形態のドア用止水部材をドアの周囲の隙間に取り付け終えた状態をドアの外側から見た図である。
【
図11】第一実施形態のドア用止水部材をドアの周囲の隙間に取り付けた状態を、ドア用止水部材の長手方向に垂直な平面で切断した断面図である。
【
図12】第二実施形態のドア用止水部材を示した図である。
【
図13】第三実施形態のドア用止水部材を示した図である。
【
図14】第四実施形態のドア用止水部材を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明のドア用止水部材の好適な実施形態について、図面を用いてより具体的に説明する。以下においては、4つの実施形態(第一実施形態から第四実施形態まで)を例に挙げて、本発明のドア用止水部材を説明する。しかし、本発明のドア用止水部材の技術的範囲は、これらの実施形態に限定されない。本発明のドア用止水部材には、発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更を施すことができる。
【0020】
1.第一実施形態のドア用止水部材
まず、第一実施形態のドア用止水部材について説明する。
図1~7に、第一実施形態のドア用止水部材10を示す。
図1は、ドア用止水部材10の斜視図であり、
図2は、ドア用止水部材10の正面図であり、
図3は、ドア用止水部材10の背面図であり、
図4は、ドア用止水部材10の右側面図であり、
図5は、ドア用止水部材10の左側面図であり、
図6は、ドア用止水部材10の平面図であり、
図7は、ドア用止水部材10の底面図である。
【0021】
図8は、ドア用止水部材10の取付対象であるドア20を外側から見た状態を示した図である。
図8に示すように、建物のドア20の周囲には、隙間Dが存在するところ、第一実施形態のドア用止水部材10は、
図9~11に示すように、その隙間Dに沿って取り付けることで、隙間Dを塞ぐものとなっている。これにより、水害等により、ドア20の外側が浸水しても、その水が隙間Dを通じてドア20の内側に侵入しないようにすることができ、被害を最小限に抑えることができる。
図9は、ドア用止水部材10をドア20の隙間Dに取り付けている様子(ドア20の外面側の様子)を示した斜視図である。
図10は、ドア用止水部材10をドア20の隙間Dに取り付け終えた状態をドア20の外側から見た図である。
図11は、ドア用止水部材10をドア20の隙間Dに取り付けた状態を、ドア用止水部材の長手方向に垂直な平面で切断した断面図である。
【0022】
このように、第一実施形態のドア用止水部材10は、それが必要なとき(浸水が予想されるとき等)にのみ、ドア20の周囲の隙間Dに一時的に取り付けて使用するものとなっている。このため、既設のドア20に対しても使用することができる。また、通常時(ドア用止水部材を使用しないとき)のドア20の挙動や見た目が悪くなることもない。さらに、ドア用止水部材10が劣化しても、それに容易に気づくことができる。さらにまた、劣化等によりドア用止水部材10の交換が必要なときでも、その交換作業を容易に行うことができる。
【0023】
第一実施形態のドア用止水部材10は、
図1に示すように、帯状止水部12と、圧入用凸部11とを備えている。ドア用止水部材10は、長手状(細長い形態)を為しており、ドア20の周囲の隙間D(
図9)に沿わせることができるようになっている。ドア用止水部材10は、防水性を有する弾性材料(ゴム)によって形成される。帯状止水部12と圧入用凸部11は、別個に成形されたものを後から組み合わせてもよいが、通常、一体的に成形(押出成形や射出成形等)される。第一実施形態のドア用止水部材10においては、帯状止水部12及び圧入用凸部11を含む全体を、押出成形によって一体的に成形している。
【0024】
ドア用止水部材10の長さ(長手方向に沿った長さ。以下同じ。)は、特に限定されない。しかし、ドア用止水部材10が短いと、1つのドア20の周囲の隙間Dを止水するのに、多数本のドア用止水部材10が必要となる。隙間Dを止水するのに複数本のドア用止水部材10を用いた場合には、ドア用止水部材10の継ぎ目の部分の止水を、別途、防水の粘着テープ等で行うことが好ましいところ、ドア用止水部材10の本数が多くなると、ドア用止水部材10の継ぎ目の数が多くなる。このため、ドア用止水部材10の長さは、30cm以上とすることが好ましい。ドア用止水部材10の長さは、50cm以上とすることがより好ましく、70cm以上とすることがさらに好ましい。
【0025】
ただし、ドア用止水部材10が長すぎると、ドア用止水部材10を取り回しにくくなる。また、ドア用止水部材10を保管等する際に、ドア用止水部材10を巻装する等、ドア用止水部材10を曲げる必要が生じるところ、それにより、ドア用止水部材10にクセがつき、ドア用止水部材10を隙間Dに取り付ける作業を行いにくくなるおそれもある。このため、ドア用止水部材10の長さは、300cm以下とすることが好ましい。ドア用止水部材10の長さは、200cm以下とすることがより好ましく、150cm以下とすることがさらに好ましい。第一実施形態のドア用止水部材10においては、ドア用止水部材10の長さを100cmに設定している。
【0026】
ドア用止水部材10に使用するゴムの種類は、特に限定されず、従来公知の各種のゴムを選択することができる。ドア用止水部材10に使用するゴムとしては、天然ゴム(NR)や、イソプレンゴム(IR)や、ブタジエンゴム(BR)や、スチレンブタジエンゴム(SBR)や、クロロプレンゴム(CR)や、ブチルゴム(IIR)や、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)や、水素化アクリロニトリルブタジエンゴム(HNBR)や、ノルボルネンゴム(NOR)や、エチレン・プロピレンゴム(EPM)や、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)や、アクリルゴム(ACM)や、フッ素ゴム(FKM)や、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)や、エピクロロヒドリンゴムや、シリコーンゴムや、ウレタンゴム等が例示される。これらのゴムは、1種類を単独で使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。第一実施形態のドア用止水部材10においては、これらのゴムのうち、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)を用いて成形している。エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)は、耐候性に優れ、劣化しにくいという利点を有している。
【0027】
帯状止水部12は、
図1に示すように、帯状を為している。この帯状止水部12は、
図11に示すように、ドア20の外側から隙間Dを覆って塞ぐための部分となっている。これにより、ドア20の外側が浸水しても、その水が隙間Dを通じてドア20の内側に侵入しないようにすることができる。ドア20の浸水時(ドア20の外側が浸水したとき)には、ドア20の外側に存在する水の圧力で、帯状止水部12の外面が内側に強く押さえ付けられた状態となる(
図11における矢印A
1)。このため、ドア20の浸水時には、帯状止水部12がドア20やその周囲のドア枠40等に対してより密着した状態となるため、ドア用止水部材10の水密性がさらに高まった状態となる。
【0028】
帯状止水部12の幅W
1(
図11)は、隙間Dの幅W
0(
図11)よりも広く設定される。帯状止水部12の幅W
1の具体的な値は、想定される隙間Dの幅W
0を考慮して適宜決定される。幅W
0が狭めの隙間Dにドア用止水部材10を取り付けることを想定する場合には、帯状止水部12の幅W
1を、10~20mm程度に設定し、幅W
0が広めの隙間Dにドア用止水部材10を取り付けることを想定する場合には、帯状止水部12の幅W
1を、20~50mm程度に設定するといった具合である。第一実施形態のドア用止水部材10においては、帯状止水部12の幅W
1を、16mmに設定している。帯状止水部12の厚さ(場所によって厚さが異なる場合には、その最大値。以下同じ。)は、特に限定されないが、通常、1~5mmの範囲で設定される。第一実施形態のドア用止水部材10においては、帯状止水部12の厚さを1mmに設定している。
【0029】
圧入用凸部11は、
図1に示すように、帯状止水部12の内面(
図11に示すように、ドア用止水部材10をドア20の外側から隙間Dに取り付けたときに、ドア20の内側を向く面。以下同じ。)から突出して設けられる。圧入用凸部11は、帯状止水部12の長手方向に沿って間欠的に設けてもよいが、通常、帯状止水部12の長手方向に沿って連続的に設けられる。第一実施形態のドア用止水部材10においても、帯状止水部12の長手方向一端部から長手方向他端部に至る全区間に、帯状止水部12を連続的に設けている。この圧入用凸部11は、
図11に示すように、ドア20の外側から隙間D内に圧入することによって隙間D内に保持させる部分となっている。これにより、隙間Dに沿って取り付けたドア用止水部材20がその場所から動かないようにすることができる。
【0030】
圧入用凸部11は、上記の機能を発揮できるものであれば、特に限定されない。第一実施形態のドア用止水部材10においては、
図11に示すように、圧入用凸部11を、本体凸部11aと、一対の分岐凸部11bとで構成している。本体凸部11aは、帯状止水部12の内面から隙間Dの深さ方向に突出する部分となっている。本体凸部11aの高さH
1は、特に限定されないが、通常、5~30mmとされ、好ましくは、10~20mmとされる。第一実施形態のドア用止水部材10においては、本体凸部11aの高さH
1を13mmとしている。
【0031】
一方、分岐凸部11bは、本体凸部11aの両側の側面から隙間Dの幅方向(幅W
0の方向)に突出する部分となっている。それぞれの分岐凸部11bは、本体凸部11aを挟んで逆向きに設けられている。圧入用凸部11における分岐凸部11bが設けられた部分の幅W
2(
図6)は、帯状止水部12の幅W
1(
図11)よりも狭く設定されるものの、隙間Dの幅W
0(
図11)よりは広く設定される。このため、隙間Dに対して圧入用凸部11を圧入したときには、
図11に示すように、分岐凸部11bの先端側が圧入方向手前側(ドア20の外側)を向くように、分岐凸部11bが弾性変形して傾斜した状態となる。これにより、分岐凸部11bが隙間D内で弾性的に突っ張った状態となり、圧入用凸部11が隙間D内に保持される。
【0032】
圧入用凸部11の体積を大きくすると、ドア用止水部材10の成形に要する材料(ゴム等)の使用量が増大するだけでなく、圧入用凸部11が弾性変形しにくくなり、圧入用凸部11を隙間D内に圧入しにくくなる。この点、上記のように、圧入用凸部11を、本体凸部11aと分岐凸部11bとを有する形態とすることによって、圧入用凸部11の体積を小さく抑えることが可能になる。このため、ドア用止水部材10の成形に要する材料の使用料を抑えるだけでなく、圧入用凸部11bを弾性変形しやすくして、圧入用凸部11を隙間D内に圧入しやすくすることができる。例えば、
図9に示すように、ドア20の周囲の隙間Dに沿ってドア用止水部材10を取り付けていくときに、ドア用止水部材10の長手方向に沿った最初の数cm程度の区間だけ、圧入用凸部11を隙間Dにしっかりと圧入しておけば、残りの区間の圧入用凸部11は、帯状止水部12の外面を指で押さえていくだけで隙間D内に圧入することができるようになる。
【0033】
また、分岐凸部11bは、第二の帯状止水部12としての機能も発揮し得る。すなわち、万が一、帯状止水部12の内側の領域α(
図11)まで水が浸入したときでも、分岐凸部11bによって、その水が隙間Dのより深い位置に侵入しないようにすることができる。
図11に示すように、圧入用凸部11を隙間Dに圧入したときには、分岐凸部11bの先端側が圧入方向手前側(ドア20の外側)を向くように、分岐凸部11bが傾斜した状態となっているため、領域αに水が浸入したときには、その水の圧力によって、分岐凸部11bが隙間Dの内壁(ドア20の端面やドア枠40の端面)に押さえ付けられた状態(
図11における矢印A
2を参照。)となる。このため、分岐凸部11bは、より高い水密性を発揮できる状態となる。
【0034】
第一実施形態のドア用止水部材10においては、
図6に示すように、本体凸部11aを、断面三角状に形成しており、本体凸部11aの基端(帯状止水部12に接続される側の端部)側から先端側になるにつれて幅狭となるようにしている。また、それぞれの分岐凸部11bも、断面三角状に形成しており、それぞれの分岐凸部11bの基端(本体凸部11aに接続される側の端部)側から先端側になるにつれて幅狭となるようにしている。これにより、本体凸部11aや分岐凸部11bの弾性変形のしやすさを維持しながらも、本体凸部11aや分岐凸部11bが簡単に倒れてしまわない程度の剛性を本体凸部11aや分岐凸部11bに付与することができる。
【0035】
以上で述べた第一実施形態のドア用止水部材10は、
図9に示すように、ドア20の周囲の隙間Dに沿って取り付けることで施工される。ドア用止水部材10の長さが足りない場合には、ドア用止水部材10を継ぎ足して施工する。逆に、ドア用止水部材10の長さが余る場合には、余分な部分をカッターやハサミ等で切断して長さを調整する。隙間Dは、
図8に示すように、ドア20の四辺に沿って存在するところ、
図10に示すように、これらの隙間Dの全てにドア用止水部材10(同図において網掛けハッチングで示した部材)を取り付ける。
【0036】
多くの場合、ドア用止水部材10は、ドア20に対して垂直な方向に押し込まれる(
図9における矢印A
3を参照。)ところ、ドア20の縁部(特に、開き戸における回動側の縁部)には、縁部材21が取り付けられる場合がある。この縁部材21が存在する隙間Dにドア用止水部材10を取り付ける場合には、ドア用止水部材10は、ドア20に対して平行な方向に押し込まれる(
図9における矢印A
4を参照。)。ドア20の角部等、ドア用止水部材10の継ぎ目となる部分は、別途、防水性を有する粘着テープ等を貼り付けることによって止水を行う。また、ドア20が開き戸である場合、その軸支側の縁部には、ヒンジ30が設けられている。このヒンジ30が存在する部分には、ドア用止水部材10を取り付けることができない。このため、ヒンジ30が存在する部分も、別途、防水性を有する粘着テープ等を貼り付けることによって止水を行う。
【0037】
以上の工程を全て完了すると、ドア用止水部材10の施工が完了する。この状態にあっては、ドア20の周囲に存在する全ての隙間Dがドア用止水部材10等で塞がれた状態となっている。このため、ドア20の外側が浸水した場合であっても、その水がドア20の内側に侵入しないようにすることができる。
【0038】
2.第二実施形態のドア用止水部材
続いて、第二実施形態のドア用止水部材10について説明する。第二実施形態のドア用止水部材10については、上述した第一実施形態のドア用止水部材10(
図1~11)と異なる構成に絞って説明する。第二実施形態のドア用止水部材10で特に言及しない構成については、第一実施形態のドア用止水部材10と同様の構成を採用することができる。
図12は、第二実施形態のドア用止水部材10を示した図である。
図12(a)は斜視図を、
図12(b)は平面図をそれぞれ示している。
【0039】
上述した第一実施形態のドア用止水部材10では、
図1に示すように、逆向きの1対の分岐凸部11bが、本体凸部11aを基端側から先端側に向かう同じ箇所から横方向(隙間Dの幅方向)に突出する形で設けられていた。換言すると、分岐凸部11bの段数が1段となっていた。これに対し、第二実施形態のドア用止水部材10では、
図12に示すように、逆向きの1対の分岐凸部11bが、本体凸部11aの基端側から先端側に向かう異なる箇所に計2段で設けられている。このように、分岐凸部12bは、多段に設けることができる。これにより、隙間D内に圧入用凸部11をよりしっかりと保持させることができる。また、帯状止水部12の内側の領域α(
図11)まで水が浸入したときでも、その水が隙間Dを突破しにくくすることができる。
【0040】
加えて、第二実施形態のドア用止水部材10では、本体凸部11aの基端側に近い分岐凸部11bの突出量(隙間Dの幅方向での突出量)を、本体凸部11aの基端側から遠い分岐凸部11bの突出量(隙間Dの幅方向での突出量)よりも大きく設定している。換言すると、帯状止水部12から遠い分岐凸部11bの突出量を、帯状止水部12に近い分岐凸部11bの突出量よりも小さく設定している。これにより、分岐凸部11bを多段に設けた場合でも、ドア20の周囲の隙間Dにドア用止水部材10を圧入しやすくなる。
【0041】
また、上述した第一実施形態のドア用止水部材10では、
図1に示すように、圧入用凸部11の本体凸部11aを、帯状止水部12の幅方向中央に設けていた。このため、帯状止水部12は、本体凸部11aから見て対称になっており、帯状止水部12における本体凸部11aから一側に突き出た部分の突出量と、帯状止水部12における本体凸部11aから他側に突き出た部分の突出量とが等しくなっていた。このため、例えば、ドア20の下側の隙間D(
図8)にドア用止水部材10を取り付けようとしたときに、本体凸部11aから片側に突き出た部分の帯状止水部12が床に干渉しやすい構造となっていた。ドア用止水部材10を隙間Dに取り付けたときに、帯状止水部12が周囲に干渉してしまうと、その部分の帯状止水部12が浮き上がり、その部分から水の侵入を許すおそれがある。
【0042】
これに対し、第二実施形態のドア用止水部材10では、
図12に示すように、圧入用凸部11の本体凸部11aを、帯状止水部12の幅方向中央からずれた箇所に偏心して設けている。このため、帯状止水部12は、本体凸部11aから見て非対称になっており、帯状止水部12における本体凸部11aから一側に突き出た部分の突出量と、帯状止水部12における本体凸部11aから他側に突き出た部分の突出量とが異なっている。したがって、上記のように、ドア20の下側の隙間Dにドア用止水部材10を取り付ける場合でも、帯状止水部12の突出量が小さい側が下側(床側)となるようにドア用止水部材10を取り付けることで、帯状止水部12が床に干渉しないようにすることができる。
【0043】
3.第三実施形態のドア用止水部材
続いて、第三実施形態のドア用止水部材10について説明する。第三実施形態のドア用止水部材10については、上述した第一実施形態のドア用止水部材10(
図1~11)や第二実施形態のドア用止水部材10(
図12)と異なる構成に絞って説明する。第三実施形態のドア用止水部材10で特に言及しない構成については、第一実施形態のドア用止水部材10や第二実施形態のドア用止水部材10と同様の構成を採用することができる。
図13は、第三実施形態のドア用止水部材を示した図である。
図13(a)は斜視図を、
図13(b)は平面図をそれぞれ示している。
【0044】
上述した第一実施形態や第二実施形態のドア用止水部材10では、
図1~7及び
図12に示すように、圧入用凸部11を、本体凸部11aと分岐凸部11bとで構成していた。これに対し、第三実施形態のドア用止水部材10では、
図13に示すように、圧入用凸部11を、一対の傾斜板部11cで構成している。それぞれの傾斜板部11cは、帯状止水部12の内面における所定箇所からそれぞれ逆側に傾斜して設けられている。このように、圧入用凸部11を一対の傾斜板部11cで構成しても、隙間D内に圧入用凸部11に保持させることができる。圧入用凸部11を隙間D内に圧入する際には、一対の傾斜板部11cを指等でつまんで閉じた状態とする。圧入用凸部11が隙間D内に入ると、一対の傾斜板部11cが開いて、隙間Dの内側で突っ張った状態となる。
【0045】
第三実施形態のドア用止水部材10において、一対の傾斜板部11cの開き角度は、特に限定されない。しかし、一対の傾斜板部11cの開き角度が小さいと、一対の傾斜板部11cを隙間D内で突っ張った状態としにくくなる。このため、一対の傾斜板部11cの開き角度は、30°以上とすることが好ましい。一対の傾斜板部11cの開き角度は、45°以上とすることがより好ましく、60°以上とすることがさらに好ましい。ただし、一対の傾斜板部11cの開き角度を大きくしすぎると、一対の傾斜板部11cを隙間D内に入れにくくなる。このため、一対の傾斜板部11cの開き角度は、150°以下とすることが好ましい。一対の傾斜板部11cの開き角度は、120°以下とすることがより好ましく、90°以下とすることがさらに好ましい。第三実施形態のドア用止水部材10においては、一対の傾斜板部11cの開き角度を約72°に設定している。
【0046】
第三実施形態のドア用止水部材10は、隙間Dの幅W
0(
図11)が広めの場合に好適に用いることができる。このため、第三実施形態のドア用止水部材10は、帯状止水部12の幅(
図11の幅W
1を参照。)も、第一実施形態や第二実施形態のドア用止水部材10よりも大きく設定される。
【0047】
4.第四実施形態のドア用止水部材
続いて、第四実施形態のドア用止水部材10について説明する。第四実施形態のドア用止水部材10については、上述した第三実施形態のドア用止水部材10(
図13)と異なる構成に絞って説明する。第四実施形態のドア用止水部材10で特に言及しない構成については、第一実施形態のドア用止水部材10や、第二実施形態のドア用止水部材10や、第三実施形態のドア用止水部材10と同様の構成を採用することができる。
図14は、第四実施形態のドア用止水部材を示した図である。
図14(a)は斜視図を、
図14(b)は平面図をそれぞれ示している。
【0048】
上述した第三実施形態のドア用止水部材10では、
図13に示すように、圧入用凸部11を構成する一対の傾斜板部11cを、帯状止水部12の幅方向中央から突出する状態に設けていた。これに対し、第四実施形態のドア用止水部材10では、
図14に示すように、圧入用凸部11を構成する一対の傾斜板部11cを、帯状止水部12の幅方向中央からずれた箇所から突出する状態に設けている。そのようにした理由は、第二実施形態のドア用止水部材10(
図12)において、圧入用凸部11の本体凸部11aを、帯状止水部12の幅方向中央からずれた箇所に偏心して設けた理由と同じである。
【0049】
5.用途
以上のように、本発明のドア用止水部材は、ドアの周囲の隙間を塞ぐために好適に用いることができる。ドア用止水部材を取り付けるドアの種類は、特に限定されない。本発明のドア用止水部材は、開き戸と引き戸のいずれにも使用することができる。また、本発明のドア用止水部材は、一般家屋のドアに用いてもよいが、倉庫や工場や店舗等の事業所のドアに用いると好適である。なかでも、金属製のドア(鉄扉等)に用いるものとして好適である。
【符号の説明】
【0050】
10 ドア用止水部材
11 圧入用凸部
11a 本体凸部
11b 分岐凸部
11c 傾斜板部
12 帯状止水部
20 ドア
21 縁部材
30 ヒンジ
40 ドア枠
D ドアの周囲の隙間
H1 本体凸部(圧入用凸部)の高さ
W0 隙間の幅
W1 帯状止水部の幅
W2 圧入用凸部における分岐凸部が設けられた部分の幅
α 帯状止水部の内側の領域
【手続補正書】
【提出日】2022-05-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浸水が予想されるときに一時的に、ドアの周囲に存在する隙間に沿ってドアの外側から圧入することによって、ドアの外側が浸水したときでもドアの内側へ水が侵入しないようにするドア用止水部材であって、
ドアの外側から前記隙間を塞ぐ帯状止水部と、
帯状止水部の内面から突出して設けられ、ドアの外側から前記隙間内に圧入することによって前記隙間内に保持される圧入用凸部と
を備え、
全体がゴムによって形成された
ことを特徴とするドア用止水部材。
【請求項2】
圧入用凸部が、
前記隙間の深さ方向に突出する本体凸部と、
本体凸部の両側の側面から前記隙間の幅方向に突出する分岐凸部と
を有する請求項1記載のドア用止水部材。
【請求項3】
本体凸部が、基端側から先端側になるにつれて幅狭になる断面三角状に形成された請求項2記載のドア用止水部材。
【請求項4】
分岐凸部が、基端側から先端側になるにつれて幅狭になる断面三角状に形成された請求項2又は3記載のドア用止水部材。
【請求項5】
分岐凸部が、本体凸部の基端側から先端側に向かって所定間隔で多段に設けられ、
本体凸部の基端側に近い段の分岐凸部の方が、本体凸部の先端側に近い段の分岐凸部よりも突出量が大きくされた
請求項2~4いずれか記載のドア用止水部材。
【請求項6】
圧入用凸部が、帯状止水部の幅方向中央からずれた箇所に偏心して設けられた請求項1~5いずれか記載のドア用止水部材。
【請求項7】
請求項1~6いずれか記載のドア用止水部材を、ドアの周囲に存在する隙間に取り付けるドアの止水方法。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浸水が予想されるときに一時的に、ドアの周囲に存在する隙間に沿ってドアの外側から圧入することによって、ドアの外側が浸水したときでもドアの内側へ水が侵入しないようにするドア用止水部材であって、
ドアの外側から前記隙間を塞ぐ帯状止水部と、
帯状止水部の内面から突出して設けられ、ドアの外側から前記隙間内に圧入することによって前記隙間内に保持される圧入用凸部と
を備え、
圧入用凸部が、
前記隙間の深さ方向に突出する本体凸部と、
本体凸部の両側の側面から前記隙間の幅方向に突出する分岐凸部と
を有するとともに、
全体がゴムによって一体的に成形された
ことを特徴とするドア用止水部材。
【請求項2】
本体凸部が、基端側から先端側になるにつれて幅狭になる断面三角状に形成された請求項1記載のドア用止水部材。
【請求項3】
分岐凸部が、基端側から先端側になるにつれて幅狭になる断面三角状に形成された請求項2記載のドア用止水部材。
【請求項4】
分岐凸部が、本体凸部の基端側から先端側に向かって所定間隔で多段に設けられ、
本体凸部の基端側に近い段の分岐凸部の方が、本体凸部の先端側に近い段の分岐凸部よりも突出量が大きくされた
請求項1~3いずれか記載のドア用止水部材。
【請求項5】
浸水が予想されるときに一時的に、ドアの周囲に存在する隙間に沿ってドアの外側から圧入することによって、ドアの外側が浸水したときでもドアの内側へ水が侵入しないようにするドア用止水部材であって、
ドアの外側から前記隙間を塞ぐ帯状止水部と、
帯状止水部の内面から突出して設けられ、ドアの外側から前記隙間内に圧入することによって前記隙間内に保持される圧入用凸部と
を備え、
圧入用凸部が、帯状止水部の内面における所定箇所からそれぞれ逆側に傾斜して設けられた一対の傾斜板部で構成されるとともに、
全体がゴムによって一体的に成形された
ことを特徴とするドア用止水部材。
【請求項6】
圧入用凸部が、帯状止水部の幅方向中央からずれた箇所に偏心して設けられた請求項1~5いずれか記載のドア用止水部材。
【請求項7】
請求項1~6いずれか記載のドア用止水部材を、ドアの周囲に存在する隙間に取り付けるドアの止水方法。