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  • 特開-頭皮の洗浄方法および洗浄装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181731
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】頭皮の洗浄方法および洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   A45D 19/00 20060101AFI20221201BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20221201BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20221201BHJP
   A61K 8/22 20060101ALI20221201BHJP
   A61H 33/00 20060101ALI20221201BHJP
   A61H 33/02 20060101ALI20221201BHJP
   A47K 7/00 20060101ALI20221201BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALN20221201BHJP
【FI】
A45D19/00 A
A61Q19/10
A61K8/02
A61K8/22
A61H33/00 T
A61H33/02 A
A47K7/00 Z
A61Q5/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021088837
(22)【出願日】2021-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】521231053
【氏名又は名称】株式会社OcTa
(74)【代理人】
【識別番号】100099977
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 章吾
(74)【代理人】
【識別番号】100104259
【弁理士】
【氏名又は名称】寒川 潔
(72)【発明者】
【氏名】奥田 勇
【テーマコード(参考)】
2D134
3B040
4C083
4C094
【Fターム(参考)】
2D134AC01
3B040AA00
4C083AB411
4C083BB48
4C083BB51
4C083BB53
4C083CC38
4C083DD08
4C083DD23
4C083DD25
4C083EE12
4C083EE22
4C083FF05
4C094AA04
4C094BC12
4C094DD03
4C094EE08
4C094GG06
(57)【要約】
【課題】毛穴の奥に詰まった皮脂や角栓などの汚れを確実に除去する頭皮の洗浄方法と洗浄装置を提供する。
【解決手段】洗浄液タンク2内に貯留された殺菌作用を有する洗浄液Cと、エアポンプ4から送気されるエアAを噴射ノズル7に導入する。噴射ノズル7は、洗浄液Cを複数条の線状の噴射流として外部に噴射するとともに、この線状の噴射流とともにエアを噴射し、これら洗浄液CとエアAを合流させて液・気混成のジェット噴流を生成し、このジェット噴流を頭皮に噴き付けることによって、頭皮の表面および毛穴内部の汚れを除去する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄液を線状の噴射流として噴射する第1のステップと、
前記線状の噴射流とともにエアを噴射する第2のステップとを有し、
前記第1および第2のステップを同時に行い、前記洗浄液とエアとが合流した液・気混成のジェット噴流を生成して、このジェット噴流を頭皮にあてることによって頭皮の表面および毛穴内部の汚れを除去する
ことを特徴とする頭皮の洗浄方法。
【請求項2】
前記洗浄液は殺菌作用を有する成分を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の頭皮の洗浄方法。
【請求項3】
前記噴射するエアの中にオゾンを混入させることを特徴とする請求項1または2に記載の頭皮の洗浄方法。
【請求項4】
前記線状の噴射流を複数条噴射することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の頭皮の洗浄方法。
【請求項5】
洗浄液を貯留する洗浄液タンクと、
前記洗浄液タンク内の洗浄液を噴射ノズルの液体入口に供給する洗浄液ポンプと、
エアを前記噴射ノズルの気体入口に供給するエアポンプと、
オゾンを含んだエアを前記噴射ノズルの気体入口に供給するオゾン発生装置と、
前記噴射ノズルの気体入口に接続される気体流路を前記エアポンプ側と前記オゾン発生装置側とで切り換える入力切替手段と、
前記液体入口に供給される洗浄液を線状の噴射流として外部に噴射する洗浄液噴射口と、前記気体入口に供給されるエアまたはオゾンを含んだエアを前記線状の噴射流とともに外部に噴射するエア噴射口とを有する噴射ノズルとを備える
ことを特徴とする洗浄装置。
【請求項6】
前記噴射ノズルは、前記液体入口に連通するバッファタンクを備え、このバッファタンクに連通して、先端側が前記洗浄液噴射口を形成する複数の洗浄液噴射管が備えられている
ことを特徴とする請求項5に記載の洗浄装置。
【請求項7】
前記洗浄液噴射管は、内径が10μm~50μmの管体で構成されていることを特徴とする請求項6に記載の洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は頭皮の洗浄方法および洗浄装置に関し、より詳細には、頭皮の毛穴につまった皮脂や角栓の除去に適した洗浄技術に関する。
【背景技術】
【0002】
世間には薄毛で悩んでいる男性が大勢いる。
薄毛の原因は様々であるが、その一つに、頭皮の毛穴のつまりが挙げられる。毛穴のつまりは、皮脂や角栓(皮脂や角質が毛穴の中で凝固、発達したもの)などが毛穴の奥につまって酸化・固着することや、シャンプーやリンスに含まれるシリコンやポリマー剤などの被膜が毛穴を塞ぐことなどによって生じることが知られている。
【0003】
このような毛穴のつまりが生じると、髪の成長に必要な酸素や育毛剤が毛乳頭や毛母細胞に浸透するのが妨げられ、その結果、髪の成長が阻害されてしまう。そのため、近年では、髪の成長を促進するために、毛穴のつまりを取り除くことが提案されており、その方法として、頭皮の洗浄を目的としたスカルプシャンプーや、育毛サロンなどで毛穴の汚れを落ちやすくする頭皮のマッサージの施術を受けることなどが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-053880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来のやり方には以下のような問題があった。
すなわち、市販のスカルプシャンプーや、サロンでの頭皮マッサージや頭皮洗浄では、毛穴の表面の汚れを落とすことはできるものの、毛穴の奥につまって酸化・固着している皮脂や角栓などを確実に除去することはできなかった。そのため、これらで頭皮を洗浄した後に育毛剤を塗布しても、髪の成長に必要な酸素や育毛剤が毛乳頭や毛母細胞に浸透せず、発毛効果が期待できないという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、毛穴の奥に詰まった皮脂や角栓などの汚れを確実に除去する頭皮の洗浄方法とそのための洗浄装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る頭皮の洗浄方法は、
洗浄液を線状の噴射流として噴射する第1のステップと、
上記線状の噴射流とともにエアを噴射する第2のステップとを有し、
上記第1および第2のステップを同時に行い、上記洗浄液とエアとが合流した液・気混成のジェット噴流を生成して、このジェット噴流を頭皮にあてることによって頭皮の表面および毛穴内部の汚れを除去する
ことを特徴とする。
【0008】
そして、その好適な実施態様として、以下の構成を備えている。
(1)上記洗浄液は殺菌作用を有する成分を含んでいることを特徴とする。
【0009】
(2)上記噴射するエアの中にオゾンを混入させることを特徴とする。
【0010】
(3)上記線状の噴射流を複数条噴射することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る頭皮の洗浄方法は、
洗浄液を貯留する洗浄液タンクと、
上記洗浄液タンク内の洗浄液を噴射ノズルの液体入口に供給する洗浄液ポンプと、
エアを上記噴射ノズルの気体入口に供給するエアポンプと、
オゾンを含んだエアを上記噴射ノズルの気体入口に供給するオゾン発生装置と、
上記噴射ノズルの気体入口に接続される気体流路を上記エアポンプ側と上記オゾン発生装置側とで切り換える入力切替手段と、
上記液体入口に供給される洗浄液を線状の噴射流として外部に噴射する洗浄液噴射口と、上記気体入口に供給されるエアまたはオゾンを含んだエアを上記線状の噴射流とともに外部に噴射するエア噴射口とを有する噴射ノズルとを備える
ことを特徴とする。
【0012】
そして、その好適な実施態様として、以下の構成を備えている。
(1)上記噴射ノズルは、上記液体入口に連通するバッファタンクを備え、このバッファタンクに連通して、先端側が上記洗浄液噴射口を形成する複数の洗浄液噴射管が備えられていることを特徴とする。
【0013】
(2)上記洗浄液噴射管は、内径が10μm~50μmの管体で構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、洗浄液を線状の噴射流として噴射する第1のステップと、洗浄液の線状の噴射流とともにエアを噴射する第2のステップとを同時に行い、洗浄液とエアとが合流した液・気混成のジェット噴流を生成して、このジェット噴流を頭皮にあてることによって頭皮の表面および毛穴内部の汚れを除去するようにしているので、洗浄液が毛穴の内部にまで確実に届いて毛穴の中にある皮脂や角栓などの汚れを効果的に除去することができる。そのため、髪の成長に必要な酸素や育毛剤が毛乳頭や毛母細胞に浸透しやすくなり、育毛効果が十分に期待できる。
【0015】
しかも、ジェット噴流を頭皮にあてることによる刺激によって、頭皮の毛細血管の流れが良くなりマッサージ効果も得られる。そのため、汚れが取り除かれた頭皮への育毛剤の浸透がより一層効果的になる。
【0016】
また、頭皮に噴射するエア中にオゾンを混入することにより、オゾンの持つ殺菌作用、消臭作用、細胞賦活作用が付与されることになり、毛穴の内部や頭皮を清潔に保つことができ、頭皮などの新陳代謝の活性化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る洗浄装置の概略構成の一例を示すブロック構成図である。
図2】同洗浄装置の噴射ノズルの一例を模式的に示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面全体にわたって同一の符号は同一の構成部材または要素を示している。
【0019】
図1は、本発明に係る洗浄装置の一例を示している。
洗浄装置1は、図1に示すように、洗浄液タンク2と、洗浄液ポンプ3と、エアポンプ4と、オゾン発生装置5と、入力切替手段6と、噴射ノズル7と、操作部8とを主要部として備えている。
【0020】
洗浄液タンク2は、洗浄液Cを貯留するタンクであって、この洗浄液タンク2には図示しない出水口が設けられており、この出水口に、先端が噴射ノズル7に接続された洗浄液供給管9の基端側が接続されている。洗浄液タンク2には持ち運び可能なタンク、たとえば、ペットボトルのような容器が好適に使用され、これによりタンク2内の洗浄や洗浄液Cの交換・補充が容易にできるようになっている。そのため、洗浄液供給管9の基端側は、洗浄液タンク2の出水口と着脱可能に接続できる構造が採用される。
【0021】
洗浄液供給管9の流路上には、洗浄液タンク2側から順に、洗浄液Cの供給を遮断可能に構成された止水手段10と、洗浄液ポンプ3と、洗浄液Cの流量を調節する流量調整手段11が備えられており、流量調整手段11の下流側が噴射ノズル7の液体入口71(図2参照)に接続されている。
【0022】
本実施形態では、止水手段10は手動操作によって洗浄液Cの供給/遮断に加えて流量調整も行えるタイプの栓、たとえば、手動で操作する中間コックが好適に採用される。また、洗浄液ポンプ3は、洗浄液タンク2内に貯留された洗浄液Cを噴射ノズル7に供給するための電動ポンプであって、操作部8での操作に応じて、洗浄液タンク2内に貯留された洗浄液Cを吸い出して所定の圧力で噴射ノズル7の液体入口71に圧送・供給するように構成されている。流量調整手段11は、洗浄液供給管9を介して噴射ノズル7に供給される洗浄液Cの流量を手動で調節できる流量調整機構、たとえば、手動で操作するタイプのローラー式のチューブクランプなどが好適に採用される。なお、洗浄液供給管9は、少なくとも、流量調整手段11の下流側が柔軟性を有するフレキシブルチューブで構成され、噴射ノズル7の位置を自由に操作できるようになっている。
【0023】
エアポンプ4は、噴射ノズル7に所定の圧力をかけたエア(空気)Aを供給するポンプであって、このエアポンプ4の送気(出力)口には、先端が噴射ノズル7に接続されたエア供給管12の基端側が接続されている。エア供給管12の気体流路上には入力切替手段6が介装されている。入力切替手段6は、噴射ノズル7の気体入口72(図2参照)に接続される気体流路をエアポンプ4側とオゾン発生装置5側とで切り換える流路切替装置であって、2つの入力口と1つの出力口を備えており、入力口の一方がエアポンプ4の送気口に接続されるとともに、他方の入力口が後述するオゾン発生装置5の送気口に接続され、出力口が噴射ノズル7の気体入口72に接続されている。なお、入力切替手段6は操作部8での操作により手動で気体流路の切替ができるように構成されている。
【0024】
オゾン発生装置5は、オゾン(O3 )を生成する装置であって、具体的には、オゾンを所定の濃度で含んだエア(より詳細には、人体に悪影響を与えない低濃度のオゾン)OAを所定の圧力をもって送出する装置で構成されており、オゾンを含んだエアの送気(出力)口と入力切替手段6の上記他方の入力口とが第2のエア供給管13を介して接続されている。なお、エア供給管12は、少なくとも、入力切替手段6の下流側が柔軟性を有するフレキシブルチューブで構成され、噴射ノズル7の位置を自由に操作できるようになっている。
【0025】
噴射ノズル7は、液体入口71に供給される洗浄液Cと、気体入口72に供給されるエアAまたはオゾンを含んだエアOAを外部に噴射するためのノズルである。本実施形態では、この噴射ノズル7は、液体入口71に供給された洗浄液Cを線状の噴射流として噴射する洗浄液噴射口75と、気体入口72に供給されるエアAまたはオゾンを含んだエアOAを洗浄液Cの噴射流とともに噴射するエア噴射口76とを備えている。
【0026】
具体的には、噴射ノズル7には、液体入口71に連通してバッファタンク73が備えられており、このバッファタンク73に連通して、先端側が洗浄液噴射口75を形成する複数(図示例では3本)の洗浄液噴射管74,74,…が備えられている。バッファタンク73は、洗浄液供給管9から噴射ノズル7内に導入された洗浄液Cが複数の洗浄液噴射管74,74,…から均一に噴射されるように設けられた洗浄液溜まりとなる空間であり、このバッファタンク73に貫通して複数の洗浄液噴射管74,74,…が植設されている。
【0027】
洗浄液噴射管74は、洗浄液Cを細い線状の噴射流として噴射筒であって、本実施形態では内径が10μm~50μmの管体を用いている。ここで、洗浄液噴射管74の内径を10μm~50μmとしているのは、洗浄液噴射管74から噴射される洗浄液Cの噴射流は細いほど毛穴の隙間に洗浄液Cが浸透しやすくなるからであり、そのため本実施形態では少なくとも毛髪(直径が約50μm)よりも細い噴射流を形成するようにしている。また、洗浄液Cの噴射にあたり複数の洗浄液噴射管74を用いるのは、噴射ノズル7から噴射される洗浄液Cの噴射流が多いほど頭皮の洗浄効果やマッサージ効果が高まるからである。なお、図示例では洗浄液噴射管74を直線上に一列に配置した場合を示したが、環状に配置するなど、その配置は適宜変更可能である。
【0028】
一方、エア噴射口76は、エア供給管12から噴射ノズル7内に導入され、噴射ノズル7内に形成された送気用の空間77を通ってノズルの先端側に案内されたエアAまたはオゾンを含んだエアOAが、洗浄液Cの噴射流に沿って、つまり、洗浄液Cの噴射方向と同じ向きに噴射されるように、噴射ノズル7に設けられた開口部で構成されている。図示例では、このエア噴射口76は、洗浄液噴射管74の周囲に形成され、エア噴射口76から噴射されるエアAまたはオゾンを含んだエアOAが洗浄液Cの噴射流とともに外部に噴射されるようになっている。
【0029】
このような構成を備えることにより、本実施形態に示す噴射ノズル7では、洗浄液噴射口75から噴射される洗浄液Cの噴射流と、エア噴射口76から噴射されるエアAまたはオゾンを含んだエアOAの噴射流とが噴射ノズル7の外で合流することとなり、それにより洗浄液CとエアAまたはオゾンを含んだエアOAで構成される液・気混成のジェット噴流が噴射ノズル7から噴射されるようになる。なお、噴射ノズル7から噴射される洗浄液Cは、洗浄液噴射管74から出た直後は線状の噴射流を構成するが、最終的にはエアA(またはオゾンを含んだエアOA)と合流して洗浄液Cの微粒子の噴流となる。
【0030】
操作部8は、洗浄装置1の筐体(図示せず)に備えられたスイッチ類で構成されており、上述した洗浄液ポンプ3、エアポンプ4、オゾン発生装置5の作動/停止や入力切替手段6の流路切替などの操作を行うスイッチ類で構成されている。
【0031】
次に、このように構成された洗浄装置1を用いて行う頭皮の洗浄方法について説明する。
【0032】
頭皮の洗浄にあたっては、まず洗浄液Cを用意する。
洗浄液Cとしては、水道水などの清浄な水を用いることも可能であるが、本実施形態では、カテキンなどの殺菌作用を有する成分を含んだ水を用いる。なお、用意した洗浄液Cは、洗浄液タンク2に収容し、洗浄液タンク2に洗浄液供給管9を接続して洗浄装置1にセットする。
【0033】
洗浄液Cのセットが完了すると、頭皮の洗浄を開始する。ここではまずオゾンを用いない頭皮の洗浄について説明する。
【0034】
まず第1のステップとして、洗浄液ポンプ3を作動させる。これにより、洗浄液タンク2内に貯留された洗浄液Cが洗浄液ポンプ3によって噴射ノズル7に圧送され、噴射ノズル7の洗浄液噴射口75から洗浄液Cが線状の噴射流(複数条の噴射流)となって外部に噴射される。
【0035】
次に、第2のステップとして、エアポンプ4を作動させる。このとき、入力切替手段6の気体流路はエアポンプ4側に設定する。これにより、エアポンプ4から送気されるエアAが噴射ノズル7に圧送され、噴射ノズル7のエア噴射口76から外部に噴射される。なお、この第1のステップと第2のステップは順序を入れ替えても差し支えない。
【0036】
このようにして、洗浄液ポンプ3とエアポンプ4の双方が作動する(第1のステップと第2のステップとが同時に行われる)と、その結果として、噴射ノズル7から噴射された洗浄液CとエアAとが噴射ノズル7の外で合流し、これによって液・気混成のジェット噴流が形成されることになるので、このジェット噴流を頭皮に向けて噴射し、頭皮を洗浄する。
【0037】
これにより、殺菌作用を有する洗浄液Cによって頭皮表面の汚れが洗い流されるとともに、細い線状の噴射流(および/または微粒子の噴射流)となって洗浄液Cが毛穴の内部(特に毛穴の奥)にまで届くので、毛穴の内部につまった皮脂や角栓を効果的に除去することができる。しかもその際、頭皮には、洗浄液Cだけでなくジェット噴流となってエアAも同時に作用するので、これらの作用によって頭皮の毛穴が開き、より高い洗浄効果を得ることができるとともに、洗浄液Cに含まれる殺菌作用によって、頭皮や毛穴の内部を清浄にすることができる。そのため、本発明に係る頭皮の洗浄方法の施術後は、毛乳頭や毛母細胞に酸素や育毛剤が浸透しやすい状態が形成され、高い育毛効果が期待できるようになる。
【0038】
しかも、洗浄液CとエアAによるジェット噴流を頭皮にあてることによる刺激によって、頭皮の毛細血管の流れが良くなりマッサージ効果も得られる。そのため、汚れが取り除かれた頭皮への育毛剤の浸透がより一層効果的になる。
【0039】
次に、オゾンを含んだエアを用いた頭皮の洗浄方法について説明する。
この場合もまず洗浄液Cを用意する。オゾンには殺菌作用があるので、この場合には洗浄液Cとして殺菌作用を有さない水道水などの清浄な水を使用してもよいが、本実施形態でもカテキンなどの殺菌作用を有する成分を含んだ水を用いる。洗浄液Cは、上述したオゾンを用いない場合と同様、洗浄液タンク2に収容して洗浄装置1にセットする。
【0040】
洗浄液Cの準備が完了すると、続いて頭皮の洗浄を開始する。
頭皮の洗浄にあたっては、まず第1のステップとして、洗浄液ポンプ3を作動させ、噴射ノズル7の洗浄液噴射口75から洗浄液Cの線状の噴射流(複数条の噴射流)を噴射される。
【0041】
次に、第2のステップとして、エアポンプ4を作動させる。このとき、本実施形態では、入力切替手段6の気体流路をオゾン発生装置5側に設定するとともに、オゾン発生装置5を作動させる。これにより、オゾン発生装置5から所定の濃度でオゾンを含んだエアOAが送気され、入力切替手段6を通って噴射ノズル7に圧送され、噴射ノズル7のエア噴射口76から外部に噴射される。なお、この第1のステップと第2のステップの順序を入れ替えても差し支えないのは上記と同様である。
【0042】
このようにして、洗浄液ポンプ3とオゾン発生装置5の双方が作動する(第1のステップと第2のステップとが同時に行われる)と、その結果として、噴射ノズル7から噴射された洗浄液Cとオゾンを含んだエアOAと噴射ノズル7の外部で合流し、これによって液・気混成のジェット噴流が形成されることになるので、このジェット噴流を頭皮に向けて噴射し、頭皮を洗浄する。
【0043】
これにより、洗浄液の殺菌作用に加えてオゾンによる殺菌作用を有するジェット噴流によって頭皮表面の汚れが洗い流されるとともに、細い線状の噴射流(および/または微粒子の噴射流)となった洗浄液Cが毛穴の内部(特に毛穴の奥)にまで届くので、毛穴の内部につまった皮脂や角栓を効果的に除去することができる。しかもその際、頭皮には、洗浄液Cだけでなくジェット噴流となってオゾンを含んだエアOAも同時に作用するので、これらの作用によって頭皮の毛穴が開き、より高い洗浄効果を得ることができるとともに、洗浄液Cおよびオゾンに含まれる殺菌作用によって、頭皮や毛穴の内部を清浄にすることができる。そのため、この頭皮の洗浄方法の施術後は、毛乳頭や毛母細胞に酸素や育毛剤が浸透しやすい状態が形成され、高い育毛効果が期待できる。
【0044】
しかも、洗浄液Cとオゾンを含んだエアOAによるジェット噴流を頭皮にあてることによる刺激によって、頭皮の毛細血管の流れが良くなりマッサージ効果も得られる。そのため、汚れが取り除かれた頭皮への育毛剤の浸透がより一層効果的になる。特に、エア中にオゾンを含有することにより、オゾンの持つ殺菌作用、消臭作用、細胞賦活作用が付与されることになり、毛穴の内部や頭皮を清潔に保つことができ、かつ、頭皮などの新陳代謝の活性化を図ることができる。
【0045】
このように、本発明に係る頭皮の洗浄方法によれば、洗浄液CとエアA(またはオゾンを含んだエアOA)とが合流した液・気混成のジェット噴流によって頭皮の表面および毛穴内部の汚れが除去されるので、毛穴の中にある皮脂や角栓などの汚れを効果的に除去することができ、高い育毛効果を期待できる頭皮環境を作り出すことができる。
【0046】
なお、上述した実施形態はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれらに限定されることなくその範囲内で種々の設計変更が可能である。
【0047】
たとえば、上述した実施形態では、噴射ノズル7が3本の洗浄液噴射管74によって洗浄液Cを噴射する構成を示したが、複数の洗浄液噴射管74から洗浄液Cを噴射する構成であればよく、洗浄液噴射管74の本数は適宜変更可能である。
【0048】
また、上述した実施形態では、洗浄液Cに殺菌作用を付与するにあたり正常な水にカテキンを混入する場合を示したが、人体に悪影響を与えないものであれば、カテキン以外の薬剤を混入して殺菌作用を付与してもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 洗浄装置
2 洗浄液タンク
3 洗浄液ポンプ
4 エアポンプ
5 オゾン発生装置
6 入力切替手段
7 噴射ノズル
8 操作部
9 洗浄液供給管
12 エア供給管
13 第2のエア供給管
73 バッファタンク
74 洗浄液噴射管
75 洗浄液噴射口
76 エア噴射口
C 洗浄液
A エア
OA オゾンを含んだエア
図1
図2