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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181733
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/06 20060101AFI20221201BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20221201BHJP
   F21S 8/04 20060101ALI20221201BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20221201BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20221201BHJP
   F21V 29/77 20150101ALI20221201BHJP
   F21V 29/508 20150101ALI20221201BHJP
   F21V 29/78 20150101ALI20221201BHJP
   F21V 29/83 20150101ALI20221201BHJP
   F21V 15/01 20060101ALI20221201BHJP
   F21V 17/16 20060101ALI20221201BHJP
   F21Y 115/00 20160101ALN20221201BHJP
【FI】
F21S8/06 200
F21S2/00 375
F21S2/00 365
F21S8/04 110
F21S8/04 130
F21S8/04 320
F21V23/00 120
F21V29/503
F21V29/77
F21V29/508 100
F21V29/78
F21V29/83
F21V15/01 100
F21V15/01 300
F21V17/16 100
F21Y115:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021088846
(22)【出願日】2021-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】丹下 理和
(72)【発明者】
【氏名】森木 陽介
(72)【発明者】
【氏名】天羽 裕史
【テーマコード(参考)】
3K011
3K014
【Fターム(参考)】
3K011BA09
3K014AA01
(57)【要約】
【課題】電源部を大型化することなく、電源部の放熱性を向上することが可能な照明器具を提供する。
【解決手段】発光部と、一方の面に発光部が取り付けられる板状のベース部およびベース部の他方の面から突出したフィン部を有するヒートシンク部と、フィン部の先端部に対向して配置された板状の天板部と、天板部に対して空間を介して配置され、発光部に電源を供給する電源部と、金属板金で構成され、天板部および電源部に当接して天板部と電源部との間に配置された伝熱部とを備えるものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光部と、
一方の面に前記発光部が取り付けられる板状のベース部および前記ベース部の他方の面から突出したフィン部を有するヒートシンク部と、
前記フィン部の先端部に対向して配置された板状の天板部と、
前記天板部に対して空間を介して固定され、前記発光部に電源を供給する電源部と、
金属板金で構成され、前記天板部および前記電源部に当接して前記天板部と前記電源部との間に配置された伝熱部とを備える照明器具。
【請求項2】
前記天板部には前記天板部を貫通する天板開口部が設けられている請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記電源部は長尺の箱形状に形成されており、
前記電源部の長手方向において、前記伝熱部の長さが前記電源部の長さよりも短く形成されている請求項1または請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記伝熱部は固定面に対して傾斜して延びる立上がり部と、前記立上がり部の傾斜方向の両端部から互いに反対方向に延びる延出部とを有し、全体としてZ形状に構成されてZ形状の高さ方向に弾性変形可能であり、前記伝熱部が弾性変形して2つの前記延出部の一方が前記電源部に面接触すると共に、2つの前記延出部の他方が前記天板部に面接触した状態で、前記伝熱部が前記天板部と前記電源部との間に固定されている請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項5】
2つの前記延出部は、一方が前記電源部および前記天板部の一方に固定される固定部、他方が前記電源部および前記天板部の他方に固定されない非固定部となっており、
前記固定部は、固定部材により前記電源部および前記天板部の一方に固定されており、
前記非固定部は、前記非固定部の自由端側が前記固定部に対して前記Z形状の高さ方向に離れる方向に傾斜した形状を有し、弾性変形により前記電源部および前記天板部の他方に押し付けられて面接触している請求項4に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電源部を備えた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発熱素子を有する光源部と、光源部の上方に配置され、光源部に電源を供給する電源部と、光源部に取り付けられて電源部との間に配置され、複数のフィンを備えたヒートシンク部とを備えた照明器具(例えば、特許文献1参照)がある。特許文献1には、ヒートシンク部と電源部との間に、平面的に見て電源部よりも大きい外形を有する金属製の板部が電源部に固定して配置された照明器具が開示されている。特許文献1では、ヒートシンク部と電源部との間に板部を配置することで、電源部がヒートシンク部の熱を受けにくい構成とし、光源部の熱が電源部に伝達されて電源部の温度が上昇することを抑制するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-167094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、光源部の熱が電源部に伝達されて電源部の温度が上昇することを抑制するための構造について開示されているものの、電源部の熱を放散する構造については検討されていない。電源部の熱を放熱するには、電源部の伝熱性を有するケースを大きくして表面積を増やすことが考えられるが、この場合、電源部が大型化するおそれがある。
【0005】
本開示は、このような点を鑑みなされたもので、電源部を大型化することなく、電源部の放熱性を向上することが可能な照明器具を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る照明器具は、発光部と、一方の面に発光部が取り付けられる板状のベース部およびベース部の他方の面から突出したフィン部を有するヒートシンク部と、フィン部の先端部に対向して配置された板状の天板部と、天板部に対して空間を介して固定され、発光部に電源を供給する電源部と、金属板金で構成され、天板部および電源部に当接して天板部と電源部との間に配置された伝熱部とを備えるものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、ヒートシンク部のフィン部の先端部に対向して配置された天板部を有し、天板部と天板部に空間を介して配置された電源部との間に、天板部と電源部とに当接して伝熱部が備えられている。このため、電源部からの発熱を伝熱部により天板部に伝熱し、天板部から放熱することができる。その結果、電源部を大型化することなく放熱性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る照明器具の斜視図である。
図2】実施の形態1に係る照明器具を下方側から見た分解斜視図である。
図3】実施の形態1に係る照明器具を上方側から見た分解斜視図である。
図4】実施の形態1に係る照明器具のヒートシンク部の斜視図である。
図5】実施の形態1に係る照明器具のヒートシンク部のフィン部の斜視図である。
図6】実施の形態1に係る照明器具の枠部を内側から見た斜視図である。
図7】実施の形態1に係る照明器具の枠部を外側から見た斜視図である。
図8】実施の形態1に係る照明器具の天板部の斜視図である。
図9】実施の形態1に係る照明器具の伝熱部の斜視図である。
図10】実施の形態1に係る照明器具の伝熱部の側面図である。
図11】実施の形態1に係る照明器具の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、実施の形態1に係る照明器具80の斜視図である。図2は、実施の形態1に係る照明器具80を下方側から見た分解斜視図である。図3は、実施の形態1に係る照明器具80を上方側から見た分解斜視図である。図4は、実施の形態1に係る照明器具80のヒートシンク部13の斜視図である。図5は、実施の形態1に係る照明器具80のヒートシンク部13のフィン部132の斜視図である。図6は、実施の形態1に係る照明器具80の枠部82を内側から見た斜視図である。図7は、実施の形態1に係る照明器具80の枠部82を外側から見た斜視図である。図8は、実施の形態1に係る照明器具80の天板部84の斜視図である。図9は、実施の形態1に係る照明器具80の伝熱部86の斜視図である。図10は、実施の形態1に係る照明器具80の伝熱部86の側面図である。図11は、実施の形態1に係る照明器具80の側面図である。なお、図11において電源装置85の電源脚部8513とアーム20の図示は省略されている。
【0010】
以下、図1図11を参照して照明器具80について説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には、同一符号を付して、その説明を適宜省略または簡略化する。また、各図に記載の構成について、その形状、大きさおよび配置等は、本開示の範囲内で適宜変更することができる。なお、各図中に示す矢印Xは照明器具80の幅方向、矢印Yは照明器具80の奥行方向、矢印Zは照明器具80の高さ方向である上下方向を示す。幅方向XにおいてX1は右方向、X2は左方向を示し、奥行方向YにおいてY1は前方向、Y2は後方向を示し、上下方向ZにおいてZ1は上方向、Z2は下方向を示す。以下、適宜これらの方向を用いて説明を行う。なお、説明を簡単にするため、これらの方向を用いず、単に上面または下面ということもある。
【0011】
照明器具80は、光源部81と、連結部14と、枠部82と、天板部84と、電源装置85と、伝熱部86と、アーム20とを有している。光源部81は、図2および図3に示すように、発光部11と、カバー部12と、ヒートシンク部13とを有する。照明器具80は、2つの光源部81を有しており、2つの光源部81は奥行方向Yに間隔を空けて配置されている。
【0012】
発光部11は、複数の発光素子111と、複数の発光素子111が実装される基板112とを備えている。基板112は、平板形状の電子基板である。複数の発光素子111は、基板112の一方の面である実装面1121(図2参照)に実装されている。また、基板112には複数の発光素子111の電極を電気的に接続する配線用の導体(図示せず)が設けられている。また、基板112の外周端部には、発光素子に給電する給電用の基板端子(図示せず)が設けられている。基板端子は、照明器具80の中央側に来るように設けられており、図2におけるY1側の基板112においては後方向Y2側に配置されている。基板端子には、電源装置85から延びる二次電源線部8512の端部が接続され、電源装置85からの電力供給を受けるようになっている。
【0013】
カバー部12は、透過性を有する材料で形成され、発光部11を保護するものである。カバー部12は、発光部11を覆うように、ヒートシンク部13の後述のベース部131に取り付けられている。カバー部12は、上方向Z1側が開口する箱状のカバー主部121と、カバー主部121の開口の周部から水平方向XYに突出するカバー鍔部122とを有する。カバー鍔部122には、カバー部12をベース部131に固定するためのカバー貫通孔123が形成されている。なお、カバー部12には、カバー主部121の発光部11と対向する面に、発光素子111からの光を所定の配光に制御するレンズを設けても良い。
【0014】
ヒートシンク部13は、発光部11の発光時に発生する熱が伝熱され、伝熱された熱を放熱するものである。ヒートシンク部13は、板状の金属部材を加工して形成されている。金属部材は、例えば、鉄、ステンレスまたはアルミニウムであるが、アルミニウムを用いることで鉄およびステンレスよりも軽くすることができ、放熱性を高めることができる。ここでは、ヒートシンク部13がアルミニウムで構成されているものとする。ヒートシンク部13は、ベース部131と、フィン部132とを有している。ベース部131は、図4に示すように、矩形状のベース主部1311と、ベース主部1311の外縁から下方に延びるベース鍔部1312とを有している。ベース部131は、板材をプレス加工などにより曲げ加工することにより構成されている。
【0015】
ベース主部1311の各4辺部の中央部には、ベース部131を枠部82または連結部14に固定するためのベース貫通孔1313が形成されている。
【0016】
ベース主部1311の下面は、発光部11が取り付けられる光源取付部1311aである。光源取付部1311aには、発光部11が取り付けられている。具体的には、発光部11の実装面1121とは反対側の面が光源取付部1311aに当接するようにして、発光部11が光源取付部1311aに取り付けられている。ベース主部1311の上面は、フィン部132が取り付けられるフィン取付部1311bである。フィン取付部1311bには、複数のフィン部132が取り付けられている。
【0017】
ベース主部1311には、電源装置85から延びる二次電源線部8512(図2および図3参照)が挿通されるベース電線挿通部(図示せず)が設けられている。ベース電線挿通部は、ベース主部1311を上下方向Zに貫通する開口である。ベース電線挿通部は、ベース主部1311に発光部11が取り付けられた状態において、平面的に見て発光部11の基板端子(図示せず)に隣接して設けられている。なお、図4において、ベース電線挿通部は後方向Y2側に設けられている。ベース電線挿通部には、天板部84の後述の電線用開口部8412(図8参照)を通過した二次電源線部8512の端部が挿通され、二次電源線部8512の端部は、基板112の外周端部に設けられた基板端子(図示せず)に接続される。
【0018】
ベース鍔部1312は、ベース主部1311の各側辺から下方向Z2側へ突出した部分である。ベース鍔部1312は、ベース主部1311に対して直交するよう設けられており、ベース主部1311の剛性を補強するものである。ベース鍔部1312は、ベース主部1311の一つの側辺において、間隔を空けて設けられた2つの鍔本体部1312aを有する。2つの鍔本体部1312aの間の箇所は、枠部82の後述のカバー保持部822(図1参照)または連結部14の後述のカバー保持部142(図1参照)が嵌め込まれる嵌め込み部1312bとなっている。ベース鍔部1312は、ベース主部1311から下方向Z2側に突出しているため、上方向Z1側に突出する場合と比較してベース主部1311に埃または水が溜まるのを抑制することができる。
【0019】
フィン部132は、図5に示すように、フィン固定部1321と、第一の放熱フィン1322と、第二の放熱フィン1323とを有している。フィン固定部1321は、四角形の板状である。第一の放熱フィン1322および第二の放熱フィン1323は、フィン固定部1321の短手方向に対向する2辺からフィン固定部1321に直交するように延びて形成されている。第一の放熱フィン1322および第二の放熱フィン1323は板状に形成されており、フィン部132がフィン取付部1311bに取り付けられた状態において、ベース主部1311に対して直交するように上方向Z1へ突設している。フィン固定部1321は、ネジまたはかしめ加工などの固定手段によりフィン取付部1311bに固定されている。
【0020】
複数のフィン部132は、ベース部131のフィン取付部1311bに、フィン取付部1311bの中央部を中心として円周状に配置されている。フィン部132は、円周方向に隣接するフィン部132との間に間隔を設けて配置されている。フィン部132は、平面的に見て、フィン取付部1311bの中央部から放射方向にのびる直線に対して交差するように配置されている。フィン取付部1311bの中央部には、フィン部132が配置されず、この中央部の上方向Z1側にはフィン部132が配置されてない空間が設けられている。なお、ここでは、ヒートシンク部13が、ベース部131とフィン部132との2部品構成の例を示したが、アルミ押し出し、鋳造、鍛造等により、ベース部131とフィン部132とを一体に成形しても良い。
【0021】
枠部82は、2つの光源部81と天板部84とを連結させるものであり、図1図3に示すように、ヒートシンク部13の幅方向Xの両側に配置されている。図6および図7に示すように、枠部82は、下面を構成する連結ベース固定部821と、カバー保持部822と、側面を構成する枠柱部823と、上面を構成する連結天板固定部824とを備えている。枠部82は、ベース部131と比較して鉄またはステンレスなどの強度の高い金属部材で構成してもよい。また、アルミニウム等の熱伝導率の大きい材料にすることで、放熱能力を向上させることも可能である。
【0022】
連結ベース固定部821は、奥行方向Yに長尺な矩形状に形成されている。連結ベース固定部821の奥行方向Yの両端部には、連結部固定部8211が設けられている。連結部固定部8211は枠部82を光源部81に固定するための孔である。連結部固定部8211を構成する孔は、連結ベース固定部821を上下方向Zに貫通する孔であって、孔の内面には螺旋状の溝が形成されている。連結部固定部8211は、2つの光源部81に対応して2つある。
【0023】
枠部82に光源部81を固定する際には、図2に示すようにネジ形状をしたカバー固定部材40が、下方向Z2からカバー部12のカバー貫通孔123およびヒートシンク部13のベース貫通孔1313に挿し込まれる。そして、カバー固定部材40の先端部が連結ベース固定部821の連結部固定部8211に螺合することで、光源部81が枠部82に一体に固定される。
【0024】
図6および図7に示すように、カバー保持部822は、矩形状に形成された枠柱部823から下方向Z2側へ突出するように設けられており、連結ベース固定部821よりも下方向Z2に延びて形成されている。カバー保持部822は、2つの光源部81に対応して、奥行方向Yに間隔を空けて2つ設けられている。カバー保持部822は、下方向Z2に延びる保持垂直部8221と、保持垂直部8221の下端部から保持垂直部8221に対して垂直に延びる保持水平部8222とを有している。図1に示すように、枠部82が光源部81に取り付けられた状態において、保持垂直部8221は、ヒートシンク部13の嵌め込み部1312bに嵌め込まれている。そして、保持水平部8222の上面が光源部81のカバー鍔部122の下面に当接してカバー部12の落下を防止している。
【0025】
図6および図7に示すように、枠柱部823は、矩形状に形成されており、連結ベース固定部821の短手方向の端部(幅方向Xの端部)から上方向Z1側へ延びて形成されている。枠柱部823は、柱中央部8231と、支持柱部8232と、部品取付柱部8233とを有している。
【0026】
柱中央部8231は、奥行方向Yにおいて枠部82の中心付近に設けられており、アーム20が取り付けられる部分である。柱中央部831は、矩形状に形成されており、接続部材30(図1図3参照)が接続される柱接続部8231aを有している。柱接続部8231aは、柱中央部8231の外側である右方向X1側から内側である左方向X2へ向かって突設する円筒状の突部で構成されている。柱接続部8231aの内面には螺旋状の溝が形成されている。
【0027】
支持柱部8232は、奥行方向Yにおいて枠部82の両端側に設けられており、ヒートシンク部13のベース部131と天板部84とを繋ぐように設けられている。
【0028】
部品取付柱部8233は、奥行方向Yにおいて、柱中央部8231と一方側の支持柱部832の間に設けられている。部品取付柱部8233には、通信ユニット(図示せず)またはセンサ(図示せず)など機能部品が取り付けられる部品取付孔8233aが設けられている。
【0029】
連結天板固定部824は、枠柱部823の上方向Z1の端部から枠柱部823に対して垂直に延びて形成されている。連結天板固定部824は、奥行方向Yに長尺な矩形状であり、奥行方向Yの両端部に天板部固定部8241が設けられている。また、連結天板固定部824には、2つの天板部固定部8241よりも内側に2つの伝熱部固定部8242が設けられている。伝熱部固定部8242および天板部固定部8241は上下方向Zに貫通する孔であり、内面に螺旋状の溝が形成されている。
【0030】
連結部14は、図1図3に示すように、ヒートシンク部13の奥行方向Yの両側部分に配置され、枠部82と共に、2つの光源部81と天板部84とを連結させる部分である。連結部14は、枠部82と同様に、ベース部131と比較して鉄またはステンレスなどの強度の高い金属部材で構成してもよい。また、アルミニウム等の熱伝導率の大きい材料にすることで、放熱能力を向上させることも可能である。図2および図3に示すように、連結部14は、連結ベース固定部141と、カバー保持部142と、枠柱部143と、連結天板固定部144とを備えている。連結部14の連結ベース固定部141、カバー保持部142、枠柱部143および連結天板固定部144の各部の構成は、枠部82の同一名称部分と同様の構成である。
【0031】
連結部14を光源部81に固定する際には、まず、ネジ形状をしたカバー固定部材40が、下方向Z2からカバー部12のカバー貫通孔123およびヒートシンク部13のベース貫通孔1313に挿し込まれる。そして、カバー固定部材40の先端部が、連結部14の連結ベース固定部141の連結部固定部1411に螺合することで、連結部14が光源部81に一体に固定される。また、光源部81が連結部14に固定された状態において、カバー保持部142の保持垂直部1421は、ヒートシンク部13の嵌め込み部1312bに嵌め込まれている。そして、保持水平部1422の上面が光源部81のカバー鍔部122の下面に当接してカバー部12の落下を防止している。
【0032】
アーム20は、照明器具80を天井などの被取付部に固定するための部材であり、鉄またはステンレスなどの強度の強い板状の金属部材で形成されている。図1図3に示すように、アーム20は、被取付部に当接するアーム主部21と、アーム主部21の両端から下方向Z2に向かって延びて形成され、光源部81を保持するアーム支持部22とを有している。各アーム支持部22の下端部には、接続部材30を挿通するための貫通孔22aが形成されている。アーム20の各アーム支持部22の下端部は、2つの枠部82の幅方向Xの外側に配置され、接続部材30がアーム支持部22の貫通孔22aに挿通され、枠部82の柱接続部8231aに螺合されることによってアーム20が光源部81に取り付けられている。
【0033】
天板部84は、ヒートシンク部13を保護するように、フィン部132の先端部に対向して配置されている。図8に示すように、天板部84は、長円形状に形成され、2つの光源部81を上方向Z1側から覆う天板主部841と、天板主部841の外周縁から外方に水平方向XYへ突出する複数の天板連結部842とを有している。天板部84は、アルミニウムなどの放熱性が良く、鉄などより軽い材料の板材をプレス加工などにより形成されている。
【0034】
天板主部841は、複数の天板開口部8411と、2つの光源部81に対して1つの電線用開口部8412とを有している。天板開口部8411および電線用開口部8412は、天板主部841を貫通する貫通孔である。天板開口部8411は、ヒートシンク部13の熱を放熱するために設けられている。複数の天板開口部8411は、2つの光源部81に対応して、天板主部841の奥行方向Yの2箇所に分けて、2重の円周状に同心円状に配置されている。複数の天板開口部8411のそれぞれは、ヒートシンク部13のフィン部132の上方向Z1側の端辺に対向して配置されている。
【0035】
電線用開口部8412は、図8において、天板部84のX、Y方向の中心付近に1箇所円状に形成されている。
【0036】
また、天板主部841には、電源装置85を固定するための電源固定部8413が設けられている。電源固定部8413は天板主部841から下方向Z2に突出する円筒状の突部で構成され、電源固定部8413の内面には螺旋状の溝が形成されている。また、天板主部841には、伝熱部86を固定するための伝熱部固定部8414が形成されている。伝熱部固定部8414は、天板主部841を上下方向Zに貫通する貫通孔で形成されている。
【0037】
天板連結部842は、天板部84を枠部82および連結部14に固定するための部分である。天板連結部842には、上下方向Zに貫通する天板貫通孔8421が形成されている。天板部84は、天板連結部842が枠部82の連結天板固定部824および連結部14の連結天板固定部144に載置されている。そして、上方向Z1側からネジ形状をした天板固定部材50(図1および図3参照)が天板貫通孔8421に挿し込まれ、枠部82の天板部固定部8241および連結部14の天板部固定部1441に螺合されることで、天板部84が連結部14および枠部82に固定されている。
【0038】
電源装置85は、外部から供給される電力を変換し、2つの光源部81の発光部11の点灯制御をするよう電力を供給するものであり、天板部84と対向するように配置されている。電源装置85は、長尺の箱形状をしており、長手方向が奥行方向Yに沿うように配置されている。電源装置85は、2つの光源部81と上下方向Zに重なるように配置されている。電源装置85は、電子部品を収容する電源部851と、電線カバー部852とを有している。
【0039】
電源部851のケースは、長尺の箱形状に形成されている。電源部851のケースは、アルミ押し出し成型により角筒状に形成したものであるが、板金同士を固定して箱状としたものであっても良い。電源部851のケースの内部には、発光回路部8514(図11参照)が収容されている。発光回路部8514には、図1図3に示すように電源部851外から電源部851内に延びている一次電源線部8511の一端部が接続されている。一次電源線部8511は、電源部851外の部分が電源部851の前方向Y1側の側面から突出するように配置されており、一次電源線部8511の他端部は商用電源などの外部電源に接続されている。
【0040】
また、発光回路部8514には、二次電源線部8512の一端部が接続されている。二次電源線部8512の他端部は、電源部851外の部分が電源部851の前方向Y1側の側面から突出しており、その後、電源部851の底面に沿って引き回される。そして、二次電源線部8512の他端部は、天板部84の電線用開口部8412(図2および図3参照)およびベース部131のベース電線挿通部を挿通し、基板112に設けられた基板端子(図示せず)に接続されている。
【0041】
発光回路部8514には、一次電源線部8511により商用電源などの外部電源から発光回路部8514に電源が供給される。発光回路部8514は、供給された電力を発光部11の点灯に必要な電流に変換する。変換された電流は、発光回路部8514に接続された二次電源線部8512により基板端子を介して発光部11に供給される。これにより、発光部11が発光する。
【0042】
電源脚部8513は、電源装置85を天板部84へ固定するための板状部分である。電源脚部8513は、電源部851の奥行方向Yの両端に設けられ、電源部851にネジ止めなどにより固定されている。電源脚部8513は、電源部851を天板部84との間に間隔を空けて天板部84に固定するものである。電源脚部8513は、図2および図3に示すように、電源部851の奥行方向Yの端面に対向する板状の側板部8513aと、側板部8513aの下端部から奥行方向Yであって電源部851とは反対方向に延びる脚部8513bとを有する。電源脚部8513は、脚部8513bの下面で天板部84の上面に当接している。そして、ネジ形状をした電源固定部材(図示せず)が脚部8513bに形成された貫通孔8513cに挿し込まれ、天板部84に形成された電源固定部8413に螺合されることで、電源脚部8513が天板部84に固定されている。
【0043】
電源脚部8513は、電源部851に固定された状態において、脚部8513bが電源部851の下面よりも下方に位置している。これにより、電源部851は、天板部84に対して空間を介して配置されている。
【0044】
電線カバー部852は、電源部851の前方向Y1側の側面から突出した二次電源線部8512を覆うものであり、電源部851に対向する面と底面との二面が開口した箱形状をしている。電源装置85は、二次電源線部8512を電線カバー部852で覆うことで、二次電源線部8512の外部への露出を防ぐことができる。
【0045】
伝熱部86は、天板部84と電源装置85とを熱的に接続させるものであり、天板部84と電源装置85との間の空間に、幅方向Xに離間して一対、配置されている。伝熱部86は、アルミニウムなどの放熱性の良い金属板金を曲げ加工することにより形成されている。
【0046】
図9および図10に示すように、伝熱部86は、固定面である天板部84に対して傾斜して延びる立上がり部862と、立上がり部862の傾斜方向の両端部から互いに反対方向に延びる延出部とを有する。伝熱部86は、全体として略Z形状に構成されており、Z形状の高さ方向(上下方向Z)に弾性変形可能なものとなっている。伝熱部86の2つの延出部の一方は固定部材60(図1参照)により天板部84に固定される固定部861となっており、2つの延出部の他方は電源装置85に固定されない非固定部863となっている。固定部861には、Z方向に貫通する貫通孔8611が形成されている。また、伝熱部86には、天板開口部8411を上方から覆わないように固定部861の一部に切り欠き8612が設けられている。
【0047】
伝熱部86は、ネジなどの固定部材60が固定部861の貫通孔8611と天板部84の伝熱部固定部8414とに挿し込まれ、枠部82の伝熱部固定部8242に螺合されることで天板部84に固定されている。
【0048】
伝熱部86は、上下方向Zの高さZa(図10参照)が天板部84と電源部851との上下方向Zの距離Zb(図11参照)よりも大きく形成されている。また、伝熱部86の非固定部863は、非固定部863の自由端863a側が固定部861に対してZ形状の高さ方向に離れる方向に傾斜、つまり、上方向Z1に向かって傾斜している。このため、伝熱部86を固定済の天板部84に電源装置85を上方から固定する際、伝熱部86が電源部851によって下方向Z2に押圧されることで弾性変形し、非固定部863が電源装置85の電源部851に押し付けられて面接触する。このように伝熱部86が電源装置85の電源部851に面接触すると共に、固定部861が天板部84に面接触していることで、電源装置85の熱が伝熱部86から天板部84に伝達しやすくなっている。
【0049】
また、伝熱部86は、上下方向Zに弾性変形可能であるため、立上がり部862の高さが距離Zbよりも大きく形成されていても、電源装置85の固定時に伝熱部86全体が弾性変形することで電源装置85の固定が阻害されることを抑制できる。
【0050】
なお、伝熱部86は、非固定部863が傾斜しておらず固定部861に平行な構成でもよい。この場合、伝熱部86の上下方向Zの高さZaが、天板部84と電源部851との上下方向Zの距離Zbと同じかまたは大きく形成される。これにより、伝熱部86の非固定部863が電源部851に面接触すると共に固定部861が天板部84に面接触し、電源装置85の熱が伝熱部86から天板部84に伝達しやすい構成にできる。
【0051】
本実施の形態1は、下記のような効果を得ることができる。
(1)照明器具80は、ヒートシンク部13の上部に配置された天板部84と天板部84の上に空間を介して配置された電源部851との間に、天板部84と電源部851とに当接する伝熱部86を備えている。このように照明器具80は伝熱部86を備えているので、電源部851の熱を伝熱部86により天板部84に伝熱し、天板部84から放熱することができる。また、天板部84と電源部851との間には空間が設けられており、この空間は放熱空間として作用する。以上の結果、照明器具80は、電源部851を大型化することなく放熱性を向上できる。
【0052】
(2)天板部84には天板部84を貫通する天板開口部8411が設けられている。これにより、ヒートシンク部13の熱を天板開口部8411から放熱することができ、光源部81の熱が電源部851に伝達することを抑制できる。
【0053】
(3)電源部851の長手方向において、伝熱部86の長さが電源部851の長さより短く形成されている。これにより、光源部81から伝熱部86に伝達された熱が電源部851と天板部84との間で籠ることなく放熱できる。また、伝熱部86と電源脚部8513との間に電源装置85で発生した熱を逃すための隙間を設けることができ、電源装置85の放熱性を向上できる。
【0054】
(4)伝熱部86が天板部84および電源装置85とは別体で設けられている。このため、照明器具80は、電源装置85からの発熱度合(発光部11の発光量)に合わせて伝熱部86を着脱して放熱能力を調整することができる。つまり、照明器具80は、電源装置85の発熱が少ないときには伝熱部86を取り外し、電源装置85の発熱が多いときには伝熱部86を装着して放熱を促進することで、容易に放熱能力を調整できる。
【0055】
(5)伝熱部86は、全体としてZ形状に構成されており、非固定部863および固定部861が、弾性変形により電源部851および天板部84に押し付けられて面接触している。よって、照明器具80は、電源装置85の熱が伝熱部86に伝達しやすく、電源装置85の放熱性を高めることができる。
【0056】
(6)伝熱部86の非固定部863は、自由端863a側が上方向Z1に向かうように傾斜している。このため、電源装置85を天板部84に固定する際、伝熱部86が電源部851によって押圧されることで弾性変形し、非固定部863が電源装置85の電源部851に押し付けられて面接触する。よって、照明器具80は、電源装置85の熱が伝熱部86に伝達しやすく、電源装置85の放熱性を高めることができる。
【0057】
なお、上記では、伝熱部86が天板部84に固定された構成を説明したが、電源部851に固定されてもよい。この場合、図10に示した伝熱部86を上下反転させ、固定部861を電源部851に固定すればよい。
【0058】
また、上記では、伝熱部86がX方向に一対配置された構成を説明したが、Y方向に一対配置された構成としてもよい。また、一対の伝熱部86が一体に形成された構成としてもよい。また、照明器具80は、一対の伝熱部86のうちの一方だけを備えた構成としてもよい。
【符号の説明】
【0059】
11 発光部、12 カバー部、13 ヒートシンク部、14 連結部、20 アーム、21 アーム主部、22 アーム支持部、22a 貫通孔、30 接続部材、40 カバー固定部材、50 天板固定部材、60 固定部材、80 照明器具、81 光源部、82 枠部、84 天板部、85 電源装置、86 伝熱部、111 発光素子、112 基板、121 カバー主部、122 カバー鍔部、123 カバー貫通孔、131 ベース部、132 フィン部、141 連結ベース固定部、142 カバー保持部、143 枠柱部、144 連結天板固定部、821 連結ベース固定部、822 カバー保持部、823 枠柱部、824 連結天板固定部、831 柱中央部、832 支持柱部、841 天板主部、842 天板連結部、851 電源部、852 電線カバー部、861 固定部、862 立上がり部、863 非固定部、863a 自由端、1121 実装面、1311 ベース主部、1311a 光源取付部、1311b フィン取付部、1312 ベース鍔部、1312a 鍔本体部、1312b 嵌め込み部、1313 ベース貫通孔、1321 フィン固定部、1322 第一の放熱フィン、1323 第二の放熱フィン、1411 連結部固定部、1421 保持垂直部、1422 保持水平部、1441 天板部固定部、8211 連結部固定部、8221 保持垂直部、8222 保持水平部、8231 柱中央部、8231a 柱接続部、8232 支持柱部、8233 部品取付柱部、8233a 部品取付孔、8241 天板部固定部、8242 伝熱部固定部、8411 天板開口部、8412 電線用開口部、8413 電源固定部、8414 伝熱部固定部、8421 天板貫通孔、8511 一次電源線部、8512 二次電源線部、8513 電源脚部、8513a 側板部、8513b 脚部、8513c 貫通孔、8514 発光回路部、8611 貫通孔、8612 切り欠き。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11