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特開2022-181746設計支援装置、設計支援方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181746
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】設計支援装置、設計支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/10 20200101AFI20221201BHJP
   G06F 16/903 20190101ALI20221201BHJP
   G06F 16/907 20190101ALI20221201BHJP
   G06F 111/20 20200101ALN20221201BHJP
   G06F 119/20 20200101ALN20221201BHJP
【FI】
G06F30/10 200
G06F16/903
G06F16/907
G06F111:20
G06F119:20
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021088874
(22)【出願日】2021-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100131152
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148149
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100181618
【弁理士】
【氏名又は名称】宮脇 良平
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【弁理士】
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(72)【発明者】
【氏名】嵯峨山 健一
【テーマコード(参考)】
5B146
5B175
【Fターム(参考)】
5B146DC05
5B146DL01
5B146DL03
5B146DL08
5B146DL10
5B175DA10
5B175FB03
5B175HB03
(57)【要約】
【課題】特定の部品に限らず、部品を組み合わせた構造についても、設計要件に合致したものを抽出する作業を効率化する。
【解決手段】設計支援装置100は、新規設計データの設計要件である新規設計要件を取得する新規要件取得部111と、過去設計データの設計要件である過去設計要件及び過去設計データの設計要素である過去設計要素並びに設計要件と設計要素との関係性を示す情報である要件要素関係のそれぞれの情報を取得する設計情報取得部112と、新規設計要件と過去設計要件とを照合して設計要件の類似度を算出する要件照合部113と、設計要件の類似度と要件要素関係とに基づいて過去設計要素の構造から新規設計データの設計要素の構造の候補を抽出し新規設計データの設計要素の構造を決定する要素抽出部114と、要素抽出部114が決定した設計要素の構造を集約した全体構造を生成する構造生成部115と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
新規設計データの設計要件である新規設計要件を取得する新規要件取得部と、
過去設計データの設計要件である過去設計要件、及び、過去設計データの設計要素である過去設計要素、並びに、設計要件と設計要素との関係性を示す情報である要件要素関係、のそれぞれの情報を取得する設計情報取得部と、
前記新規要件取得部が取得した新規設計要件と前記設計情報取得部が取得した過去設計要件とを照合して設計要件の類似度を算出する要件照合部と、
前記要件照合部が算出した類似度と前記要件要素関係とに基づいて前記過去設計要素の構造から前記新規設計データの設計要素の構造の候補を抽出し、前記新規設計データの設計要素の構造を決定する要素抽出部と、
前記要素抽出部が決定した設計要素の構造を集約した全体構造を生成する構造生成部と、
を備える設計支援装置。
【請求項2】
前記過去設計要件及び前記過去設計要素並びに前記要件要素関係の情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記設計情報取得部は、前記過去設計要件及び前記過去設計要素並びに前記要件要素関係のそれぞれの情報を前記記憶部から取得する、
請求項1に記載の設計支援装置。
【請求項3】
前記要件要素関係の情報に基づいて、前記新規設計要件と照合する前記過去設計要件に関係する前記過去設計要素の構造を特定する構造特定部をさらに備え、
前記要素抽出部は、前記要件照合部が算出した類似度と前記要件要素関係と前記構造特定部が特定した構造とに基づいて前記過去設計要素の構造から前記新規設計データの設計要素の構造の候補を抽出する、
請求項1又は2に記載の設計支援装置。
【請求項4】
前記新規設計要件及び前記過去設計要件は、それぞれ1つ以上の要件項目を含み、
前記要件照合部は、前記新規設計要件と前記過去設計要件の前記要件項目毎の類似度である項目類似度を算出し、前記算出した全ての項目類似度に基づいて前記設計要件の類似度を算出する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の設計支援装置。
【請求項5】
前記要素抽出部は、前記要件照合部が算出した類似度と前記要件要素関係とに基づいて、前記類似度が最も高い前記過去設計要件に対応する前記過去設計要素の構造を、前記新規設計データの設計要素の構造に決定する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の設計支援装置。
【請求項6】
前記要素抽出部は、前記要件照合部が算出した類似度と前記要件要素関係とに基づいて、前記類似度が高い前記過去設計要件に対応する前記過去設計要素の構造をランキング形式で複数抽出する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の設計支援装置。
【請求項7】
ユーザからの入力を受け付ける入力部をさらに備え、
前記要素抽出部は、前記複数抽出された前記新規設計データの設計要素の構造の候補のうち、前記入力部によりユーザに選定された設計要素の構造を前記新規設計データの設計要素の構造に決定する、
請求項6に記載の設計支援装置。
【請求項8】
前記新規設計要件が含む要件項目のうち、対応する設計要素の構造が未抽出の要件項目を抽出する未抽出要件抽出部をさらに備え、
前記要件照合部は、前記未抽出要件抽出部が抽出した要件項目について、前記新規設計要件と前記過去設計要件とを照合する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の設計支援装置。
【請求項9】
前記構造生成部が生成した全体構造を表示する出力部をさらに備える、
請求項1から8のいずれか1項に記載の設計支援装置。
【請求項10】
新規設計データの設計要件である新規設計要件を取得する新規要件取得ステップと、
過去設計データの設計要件である過去設計要件、及び、過去設計データの設計要素である過去設計要素、並びに、設計要件と設計要素との関係性を示す情報である要件要素関係、のそれぞれの情報を取得する設計情報取得ステップと、
前記新規要件取得ステップで取得された新規設計要件と前記設計情報取得ステップで取得された過去設計要件とを照合して設計要件の類似度を算出する要件照合ステップと、
前記要件照合ステップで算出された類似度と前記要件要素関係とに基づいて前記過去設計要素の構造から前記新規設計データの設計要素の構造の候補を抽出し、前記新規設計データの設計要素の構造を決定する要素抽出ステップと、
前記要素抽出ステップで決定された設計要素の構造を集約した全体構造を生成する構造生成ステップと、
を備える設計支援方法。
【請求項11】
コンピュータに、
新規設計データの設計要件である新規設計要件を取得する新規要件取得ステップ、
過去設計データの設計要件である過去設計要件、及び、過去設計データの設計要素である過去設計要素、並びに、設計要件と設計要素との関係性を示す情報である要件要素関係、のそれぞれの情報を取得する設計情報取得ステップ、
前記新規要件取得ステップで取得された新規設計要件と前記設計情報取得ステップで取得された過去設計要件とを照合して設計要件の類似度を算出する要件照合ステップ、
前記要件照合ステップで算出された類似度と前記要件要素関係とに基づいて前記過去設計要素の構造から前記新規設計データの設計要素の構造の候補を抽出し、前記新規設計データの設計要素の構造を決定する要素抽出ステップ、及び、
前記要素抽出ステップで決定された設計要素の構造を集約した全体構造を生成する構造生成ステップ、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、設計支援装置、設計支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータを利用して設計及び生産を支援するシステムが開発されている。例えば、生産を支援する装置として、特許文献1は、簡単な操作で各種部品の仕様項目を見易く表示できる部品検索装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-160841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1が開示する部品検索装置は、部品の仕様をデータベースに登録することで、設計要件に合致した仕様を持つ部品を当該データベースから抽出することができる。製造業の生産工程においては、設計工程は既に完了しているため、部品を抽出できれば問題はなく、特許文献1が開示する部品検索装置は、生産段階においては有用である。しかし、設計段階においては、部品をどのように組み合わせるのかといった構造の情報が重要であり、単に部品を抽出するのではなく、部品を組み合わせた構造を抽出する必要がある。
【0005】
本開示は、上述のような事情に鑑みてなされたものであり、特定の部品に限らず、部品を組み合わせた構造についても、設計要件に合致したものを抽出する作業を効率化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本開示に係る設計支援装置は、
新規設計データの設計要件である新規設計要件を取得する新規要件取得部と、
過去設計データの設計要件である過去設計要件、及び、過去設計データの設計要素である過去設計要素、並びに、設計要件と設計要素との関係性を示す情報である要件要素関係、のそれぞれの情報を取得する設計情報取得部と、
前記新規要件取得部が取得した新規設計要件と前記設計情報取得部が取得した過去設計要件とを照合して設計要件の類似度を算出する要件照合部と、
前記要件照合部が算出した類似度と前記要件要素関係とに基づいて前記過去設計要素の構造から前記新規設計データの設計要素の構造の候補を抽出し、前記新規設計データの設計要素の構造を決定する要素抽出部と、
前記要素抽出部が決定した設計要素の構造を集約した全体構造を生成する構造生成部と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、設計支援装置は、設計要件の類似度に基づいて、過去の設計要素の構造から新規の設計要素の構造の候補を抽出する。このため、本開示によれば、特定の部品に限らず、部品を組み合わせた構造についても、設計要件に合致したものを抽出する作業を効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る設計支援装置の構成を示すブロック図
図2】設計データの一例を説明する図
図3】要件要素関係情報の一例を説明する図
図4】記憶部に格納されている過去の設計データの一例を説明する図
図5】実施の形態1に係る設計支援処理のフローチャート
図6】実施の形態1に係る設計支援処理の具体例を説明する図
図7】実施の形態1に係る設計支援処理により生成された新規設計データの全体構造の一例を説明する図
図8】設計要件の類似度を重み付きで算出する例を説明する第1の図
図9】設計要件の類似度を重み付きで算出する例を説明する第2の図
図10】実施の形態2に係る設計支援装置の構成を示すブロック図
図11】実施の形態2に係る設計支援処理のフローチャート
図12】実施の形態2に係る設計支援処理の具体例を説明する図
図13】実施の形態2に係る設計支援処理により生成された新規設計データの全体構造の一例を説明する図
図14】設計要素の構造を類似度の高い順にランキング形式で表示した例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本開示の実施の形態について説明する。なお、図中、同一又は相当する部分には、同じ符号を付す。
【0010】
(実施の形態1)
実施の形態1に係る設計支援装置100は、新規の設計データの設計要件が与えられると、与えられた設計要件と類似度の高い設計要件を含む過去の設計データを検索し、検索された設計データから設計要素の構造の候補を抽出することにより、新規の設計データの作成を支援する装置である。
【0011】
設計支援装置100は、図1に示すように、制御部110、記憶部120、入力部130及び出力部140を備える。これらの各部は、内部バス199を介して相互に電気的に接続されている。
【0012】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)を備え、記憶部120に記憶された各種の動作プログラムを読み出して実行することにより、設計支援装置100の各構成部を制御する。
【0013】
記憶部120は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)及びフラッシュメモリといった内部メモリ、並びに、HDD(Hard Disk Drive)及びSSD(Solid State Drive)といった外部メモリを備える。
【0014】
入力部130は、キーボード、マウス、タッチパネル、操作ボタンといった入力デバイスを備え、ユーザの操作、データ入力等を受け付ける。具体的には、入力部130は、後述する新規設計要件、新規設計要素等の入力を受け付ける。
【0015】
出力部140は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイといった表示装置を備え、例えば、構造生成部115が生成した全体構造を表示する。また、設計支援装置100は、出力部140として、表示装置に代えて、表示装置を接続するためのインタフェースを備えてもよい。また、設計支援装置100は、出力部140として、プリンタ、スピーカ、LED(Light Emitting Diode)といった出力デバイスを備えてもよい。
【0016】
ここで、本開示の設計支援装置100が扱う設計データについて説明する。本開示の設計データは、設計要件、設計要素、及び、要件要素関係の各情報を含む。
【0017】
このうち設計要件は、設計データが対象としている製品が満たすべき仕様が定義された情報である。例えば、ノートパソコンの設計データの一例は、図2に示すように、設計要件210として、サイズ、質量、バッテリ容量といった要件項目211を含む。図2では要件項目211として、サイズ、質量といった項目名のみを記載しているが、より具体的には、これらの要件項目211には、例えば、「サイズ:B5サイズ」、「質量:1kg以下」、「バッテリ容量:3Ah以上」のように、設計する製品が満たすべき仕様、すなわち、この例ではノートパソコンが満たすべき仕様が定義されている。
【0018】
また、設計要素は、設計データが対象とする製品で用いられる部品又は部品を組み合わせた構造を示す情報である。例えば、ノートパソコンの設計データの一例は、図2に示すように、設計要素220として、筐体ケース、ディスプレイ、キーボードといった要素項目221を含む。図2では要素項目221として、筐体ケース、ディスプレイといった項目名のみを記載しているが、より具体的には、これらの要素項目221は、例えば、「筐体ケース型番:B5-123」、「ディスプレイ型番:LC12-678」、「キーボード型番:KB12345」のように、対象製品で用いられる設計要素を特定する情報、すなわち部品の型番の情報である。また、電源、内部メモリ及び外部メモリのように、部品の仕様のみ決定されていればよく、具体的な型番は任意の要素項目221については、例えば、「電源:7.2V、30Wh」、「内部メモリ:SO-DIMM 8GB」、「外部メモリ:SSD 256GB」のような仕様の情報であってもよい。
【0019】
また、図2では、設計要素220は、下位構造、中位構造及び上位構造という3階層の構造を有している。下位構造の要素項目221は個々の部品に対応し、中位構造の要素項目222は下位構造の部品を組み合わせたモジュールに対応し、上位構造の要素項目223は中位構造のモジュールを組み合わせた製品に対応する。中位構造はサブ組立又はサブアッシーと呼ばれることもあり、上位構造はトップ組立又はトップアッシーと呼ばれることもある。また、設計要素220は、各構造間の親子関係225の情報も含む。
【0020】
なお、図2に示す設計要素220は3つの階層からなる構造を有しているが、この階層の数は3に限らない。この階層の数は、設計データが対象としている製品の特性、設計データの粒度等により、1つの階層であってもよいし、2以上の任意の階層を有していてもよい。また、図2には示されていないが、例えば下位構造の要素項目221の一部と中位構造の要素項目222とが組み合わさって上位構造の要素項目223が定義される構造、下位構造の要素項目221が存在しない中位構造の要素項目222と下位構造の要素項目221が存在する中位構造の要素項目222とが組み合わさって上位構造の要素項目223が定義される構造、といったような様々な構造も考えられる。
【0021】
また、図2では、設計要件210は1つの階層からなる構造を有しているが、設計要素220と同様に、多階層の構造、例えば、概略仕様と詳細仕様の2階層の構造を有していてもよい。例えば、「使用可能時間:10時間以上」という概略仕様の要件項目が定義され、この概略仕様に基づいて「バッテリ容量:30Wh以上」及び「消費電力:3W以下」という詳細仕様の要件項目が定義された設計要件210も考えられる。
【0022】
また、要件要素関係の情報は、上述の設計要件210と設計要素220との関係性を示す情報である。例えば、ノートパソコンの設計データの一例は、図2に示すように、要件要素関係230として、設計要件210の要件項目211と設計要素220の要素項目221とを結ぶ要件要素関係230を含む。
【0023】
要件要素関係230は、例えば、図3に示すような、設計要件210と設計要素220との関係性を示す値で表される。この例では、設計要件210の要件項目211の1つである「サイズ:B5サイズ」を満たすためには、筐体ケース、ディスプレイ、キーボードといった設計要素220の要素項目221として、サイズがB5サイズに収まるものを選択する必要がある。したがって図3では、設計要件「サイズ」と設計要素「筐体ケース」との間、設計要件「サイズ」と設計要素「ディスプレイ」との間、設計要件「サイズ」と設計要素「キーボード」との間には、関係性が存在することを示す1がそれぞれ設定され、それ以外の設計要素と設計要件「サイズ」との間には関係性が存在しないことを示す0がそれぞれ設定された要件要素関係230の例が示されている。
【0024】
図1に戻り、記憶部120は、機能的には、設計要件格納部121と、設計要素格納部122と、要件要素関係格納部123と、を備える。設計要件格納部121は、過去の設計データに含まれる設計要件210を格納する。設計要素格納部122は、過去の設計データに含まれる設計要素220を格納する。要件要素関係格納部123は、設計要件と設計要素との関係性を示す要件要素関係230を格納する。
【0025】
なお、記憶部120は、設計要件格納部121、設計要素格納部122、及び、要件要素関係格納部123を、別々の格納部として備えなくてもよい。例えば、記憶部120は、設計データ格納部を備え、設計データ格納部に、設計要件210、設計要素220、及び、要件要素関係230が全て格納されていてもよい。
【0026】
すなわち記憶部120は、図4に示すように、過去の設計データの設計要件210、過去の設計データの設計要素220、設計要件と設計要素との関係を示す要件要素関係230を記憶しており、制御部110は、これらの中から任意の情報を取得することができる。
【0027】
図1に戻り、制御部110は、機能的には、新規要件取得部111、設計情報取得部112、要件照合部113、要素抽出部114及び構造生成部115を有する。
【0028】
新規要件取得部111は、入力部130を介して、ユーザから新規設計データの設計要件である新規設計要件を取得する。
【0029】
設計情報取得部112は、記憶部120から過去の設計データの設計要件210である過去設計要件、及び、過去の設計データの設計要素220である過去設計要素、並びに、設計要件と設計要素との関係性を示す情報である要件要素関係230、のそれぞれの情報を取得する。
【0030】
要件照合部113は、新規要件取得部111が取得した新規設計要件と設計情報取得部112が取得した過去設計要件とを照合して設計要件の類似度を算出する。
【0031】
要素抽出部114は、要件照合部113が算出した類似度と設計情報取得部112が取得した要件要素関係230とに基づいて、過去の設計データに含まれる設計要素の構造から、新規設計データの設計要素の構造の候補を抽出し、新規設計データの設計要素の構造を決定する。要素抽出部114で抽出される候補に含まれる設計要素の構造は、設計要素を1つ以上含む設計要素のまとまりを表す構造である。
【0032】
構造生成部115は、要素抽出部114が決定した設計要素の構造を集約した全体構造を生成する。
【0033】
次に、実施の形態1に係る設計支援装置100による設計支援処理について、図5を参照して説明する。
【0034】
まず、新規要件取得部111は、入力部130を介して、新規に設計する設計データの設計要件である新規設計要件を取得する(ステップS101)。ステップS101は、新規要件取得ステップとも呼ばれる。
【0035】
次に、設計情報取得部112は、記憶部120に格納されている過去の設計データの中から1つを選択し、その設計データに含まれる設計要件を過去設計要件として取得する(ステップS102)。ステップS102は、設計情報取得ステップとも呼ばれる。
【0036】
次に、要件照合部113は、ステップS102で取得した過去設計要件とステップS101で取得した新規設計要件とを照合する(ステップS103)。ステップS103は、要件照合ステップとも呼ばれる。
【0037】
照合の結果、新規設計要件と一致する過去設計要件が存在したら、要件照合部113は、一致する設計要件について新規設計要件と過去設計要件の類似度を算出し、算出した類似度を、新規設計要件に一致する過去設計要件に対応する過去の設計要素の構造とともに記憶部120に格納する(ステップS104)。なお、ステップS103での照合の結果、新規設計要件と一致する過去設計要件が存在しなかった場合には、ステップS104はスキップされる。
【0038】
次に、設計情報取得部112は、記憶部120に格納されている過去の設計データを全て選択し終えたか否かを判定する(ステップS105)。まだ選択し終えていなければ(ステップS105;No)、ステップS102に戻り、選択されていない過去の設計データから1つを選択して、以上の処理を繰り返す。
【0039】
過去の設計データを全て選択し終えたら(ステップS105;Yes)、要素抽出部114は、ステップS104で記憶部120に格納した類似度及び過去の設計要素の構造を、設計要素の構造毎にランキング形式で類似度の高い順に出力部140に表示する(ステップS106)。ここで表示される過去の設計要素の構造は、新規設計データの設計要素の構造の候補となる。この候補の数は任意であり、例えば5である。この値はユーザにより変更可能である。なお、ステップS104で類似度及び過去の設計要素の構造が1つも格納されなかった場合には、要素抽出部114は、例えば「過去の設計データの中には類似するものが存在しませんでした。」のような、新規設計要件と一致する過去設計要件が存在しないことを通知するメッセージを、出力部140に表示する。
【0040】
そして、要素抽出部114は、ステップS104で算出された類似度と要件要素関係230とに基づいて、新規設計データの設計要素の構造の候補を抽出し、新規設計データの設計要素の構造を決定する(ステップS107)。ステップS107は、要素抽出ステップとも呼ばれる。例えば、要素抽出部114は、ステップS106で表示した過去の設計要素の構造を新規設計データの設計要素の構造の候補として抽出し、新規設計要件との類似度が最も高い過去設計要件に対応する過去の設計要素の構造を新規設計データの設計要素の構造に決定する。なお、ステップS104で類似度及び過去の設計要素の構造が1つだけ格納された場合には、ステップS106をスキップして、ステップS107で要素抽出部114は、その1つだけ格納された設計要素の構造を新規設計データの候補として抽出し、それを新規設計データの設計要素の構造に決定してもよい。
【0041】
また、要素抽出部114は、必ずしも新規設計要件との類似度が最も高い過去設計要件に対応する過去の設計要素の構造を、新規設計データの設計要素の構造に決定しなければならないわけではない。要素抽出部114は、例えば、ステップS106においてランキング形式で表示した設計要素の構造の中から、どれに決定するかをユーザに選択してもらってもよい。また、ステップS104で格納された類似度及び過去設計要素の構造が1つも存在しなかった場合には、要素抽出部114は出力部140を用いてユーザに新規設計データの設計要素の構造の入力を促し、ステップS107で要素抽出部114は、入力部130を介してユーザから取得した設計要素の構造を、新規設計データの設計要素の構造に決定する。
【0042】
また、ステップS106で表示された設計要素の構造の中にユーザから見て適切な設計要素の構造がなかった場合には、ユーザが、新規設計データの設計要素の構造として適切と考えられる設計要素の構造を入力部130から入力できるようにしてもよい。その場合は、ステップS107で要素抽出部114は、入力部130を介してユーザから取得した設計要素の構造を、新規設計データの設計要素の構造に決定する。
【0043】
図5に戻り、次に、制御部110は、新規設計データの設計要件の要件項目のうち、対応する設計要素の構造が未抽出の設計要件の要件項目を抽出する(ステップS108)。ステップS108において、制御部110は、未抽出要件抽出部として機能する。そして、制御部110は、対応する設計要素の構造が未決定の設計要件の要件項目が存在するか否かを判定する(ステップS109)。対応する設計要素の構造が未決定の設計要件の要件項目が存在するなら(ステップS109;Yes)、ステップS102に戻って、対応する設計要素の構造が未決定の設計要件の要件項目について、再度、過去の全ての設計データを用いて設計要件の照合を繰り返す。
【0044】
対応する設計要素の構造が未決定の設計要件の要件項目が存在しないなら(ステップS109;No)、新規設計データの設計要件の全ての要件項目について、対応する設計要素の構造が決定されたことになるので、構造生成部115は、決定された設計要素の構造を集約して全体構造を生成する(ステップS110)。ステップS110は、構造生成ステップとも呼ばれる。
【0045】
そして、構造生成部115は、生成した全体構造を出力部140に出力して表示し(ステップS111)、設計支援処理を終了する。
【0046】
以上の設計支援処理により、設計支援装置100は、新規設計データの設計要件との類似度に基づいて、過去設計データの設計要件に対応する設計要素の構造から、新規の設計要素の構造の候補を抽出する。このため、設計支援装置は、特定の部品に限らず、部品を組み合わせた構造についても、設計要件に合致したものを抽出する作業を効率化することができる。すなわち、ユーザは簡単な操作で、新規設計データの設計要件を満たす設計要素の構造を過去の設計データの中から抽出して、新規設計データの設計要素の構造を決定し、決定した設計要素の構造を集約した全体構造を把握することができる。
【0047】
次に、図5に示す設計支援処理の具体的な実行例について、図6に示す設計データを例に説明する。ここでは、新規に設計する製品の設計要件である新規設計要件310は、図6に示すように要件A、要件B、要件C、要件D、要件E、要件F及び要件Gの要件項目を含むものとする。また、記憶部120には、過去の設計データとして、図6に示すように、過去設計データA及び過去設計データBが格納されているものとする。
【0048】
図5に示す設計支援処理のステップS101で、新規要件取得部111は、要件A、要件B、要件C、要件D、要件E、要件F及び要件Gの要件項目を含む新規設計要件310を取得する。
【0049】
ステップS102で、設計情報取得部112は、記憶部120に格納されている過去の設計データの中から過去設計データAを選択し、過去設計データAに含まれる設計要件を過去設計要件210Aとして取得する。
【0050】
ステップS103で、要件照合部113は、ステップS102で取得した過去設計要件210AとステップS101で取得した新規設計要件310とを照合する。すると、要件A、要件B及び要件Cが一致することがわかる。なお、設計要件が一致するとは、基本的には完全一致することを意味するが、両者に微差しかなければ、一致しているものとみなしてもよい。例えば、過去設計要件210Aの要件Aが「サイズ:A4サイズ」で、新規設計要件310の要件Aが「サイズ:A4サイズ、厚さ2cm」だった場合、この2つの設計要件の主要部分である「サイズ:A4サイズ」は一致するので、この2つの設計要件は一致するとみなしてもよい。
【0051】
ステップS104で、要件照合部113は、新規設計要件310と過去設計要件210Aの、一致する要件A、要件B及び要件Cについての類似度を算出して、算出した類似度を、過去設計要件210Aの要件A、要件B及び要件Cに対応する過去の設計要素の構造2201とともに、記憶部120に格納する。
【0052】
ここで、新規設計要件310と過去設計要件210Aの類似度の算出方法の一例について説明する。この算出計算方法は、各設計要件をどのように記述するかにも依存し、基本的には任意の算出方法を適用可能であるが、本開示では、まず要件項目をそれぞれ文字列で記述した場合の文字列の類似性に基づいて、一致する要件項目のそれぞれについて、要件項目の類似度である項目類似度を計算し、項目類似度の合計値として設計要件の類似度を算出する。
【0053】
なお、項目類似度の計算においては、単なる文字列の類似性ではなく、その文字列の持つ意味を解釈して、解釈結果に基づいて項目類似度を算出してもよい。また、設計要件の類似度は、項目類似度の合計値に限られない。例えば、項目類似度の平均値として類似度を算出し、算出された類似度が等しい場合には、一致する要件項目の個数が多いものの方が類似度が高いとみなすようにしてもよい。
【0054】
例えば、要件Aがサイズに関する設計要件であり、新規設計要件310には「サイズ:B5サイズ」が、過去設計要件210Aにも「サイズ:B5サイズ」が設定されているなら、両者はどちらも9文字で完全に一致するため、要件Aの項目類似度は9/9=1.0となる。
【0055】
また、要件Bが質量に関する設計要件であり、新規設計要件310には「質量:1kg以下」が、過去設計要件210Aには「質量:1kg」が設定されているなら、新規設計要件310の「質量:1kg以下」という8文字中、過去設計要件210A「質量:1kg」の6文字が一致するため、要件Bの項目類似度を6/8=0.75と算出することができる。また、文字列「質量」及び「1kg以下」の意味を解釈して、「質量:1kg」は、「質量:1kg以下」を満たすので、項目類似度を1.0と算出してもよい。
【0056】
また、要件Cがバッテリ容量に関する設計要件であり、新規設計要件310には「バッテリ容量:3Ah」が、過去設計要件210Aには「バッテリ容量:3Ah以上」が設定されているなら、過去設計要件210Aの「バッテリ容量:3Ah以上」という12文字中、新規設計要件310「バッテリ容量:3Ah」の10文字が一致するため、要件Cの項目類似度を10/12≒0.833と算出することができる。
【0057】
そして、例えば要件Aの項目類似度が1.0、要件Bの項目類似度が0.75、要件Cの項目類似度が0.833であるなら、設計要件の類似度は、これらを合計した値である1.0+0.75+0.833≒2.58として算出することができる。
【0058】
従って、この例では、2.58という類似度と設計要素の構造2201とをペアにして、記憶部120に格納することになる。
【0059】
また、過去設計要件210Aの要件A、要件B及び要件Cに対応する過去の設計要素の構造についても補足説明する。図6に示すように、要件要素関係230に基づき、要件Aは要素Fと関係し、要件Bは要素Hと関係し、要件Cは要素Gと関係していることがわかる。また、各構造間の親子関係225に基づき、要素Fと要素Gから要素Bが構成され、要素Hから要素Cが構成されることがわかる。したがって、この例では要件A、要件B及び要件Cに対応する過去の設計要素の構造は、要素B、要素C、要素F、要素G及び要素Hからなる設計要素の構造2201であることがわかる。
【0060】
そして、ステップS105で設計情報取得部112は、記憶部120に格納されている過去の設計データを全て選択し終えたか否かを判定する。ここではまだ選択し終えていないのでステップS102に戻り、設計情報取得部112は、記憶部120に格納されている過去の設計データの中からまだ選択されていない過去設計データBを選択し、過去設計データBに含まれる設計要件を過去設計要件210Bとして取得する。
【0061】
ステップS103で、要件照合部113は、ステップS102で取得した過去設計要件210BとステップS101で取得した新規設計要件310とを照合する。すると、要件D、要件E、要件F及び要件Gが一致することがわかる。
【0062】
ステップS104で、要件照合部113は、新規設計要件310と過去設計要件210Bの、一致する要件D、要件E、要件F及び要件Gについての類似度を算出する。ここでは、要件D、要件E、要件F及び要件Gについての類似度として、例えば3.2が算出されたものとする。すると、要件照合部113は、算出された類似度である3.2を、過去設計要件210Bの要件D、要件E、要件F及び要件Gに対応する過去の設計要素の構造2202とともに、記憶部120に格納する。
【0063】
このように、記憶部120に格納されている過去の全ての設計データについて、要件照合部113は、新規設計要件310に一致する過去設計要件の類似度と対応する過去の設計要素の構造とを記憶部120に格納していく。
【0064】
ステップS105で、設計情報取得部112は、記憶部120に格納されている過去の設計データを全て選択し終えたと判定したら、ステップS106で、要素抽出部114は、記憶部120に格納された類似度及び過去の設計要素の構造を、設計要素の構造毎にランキング形式で類似度の高い順に出力部140に表示する。
【0065】
ただし、図6に示す例で、記憶部120には、過去の設計データとして過去設計データAと過去設計データBしか格納されていなかった場合には、ステップS104で記憶部120に格納される類似度と設計要素の構造のペアは「類似度2.58、設計要素の構造2201」及び「類似度3.2、設計要素の構造2202」だけとなる。このため、要素B及び要素Cからなる設計要素の構造に対応する類似度は2.58だけであり、要素D及び要素Eからなる設計要素の構造に対応する類似度は3.2だけである。各設計要素の構造についてそれぞれ1つの類似度しか存在しないため、要素抽出部114は、ステップS106でのランキング形式での表示をスキップしてもよい。
【0066】
そして、ステップS107で、要素抽出部114は、要素B及び要素Cからなる設計要素の構造に対応する新規設計データの設計要素の構造を、設計要素の構造2201に決定し、要素D及び要素Eからなる設計要素の構造に対応する新規設計データの設計要素の構造を、設計要素の構造2202に決定する。
【0067】
次に、ステップS108で、制御部110は、新規設計データの設計要件のうち、対応する設計要素の構造が未決定の設計要件を抽出する。今回の例では、これまでの処理で新規設計データの全ての設計要件について対応する設計要素の構造が決定しているため、抽出される設計要件は存在せず、ステップS109で、制御部110は、対応する設計要素の構造が未決定の設計要件が存在しないと判定することになる。そして、ステップS110で、構造生成部115は、決定された設計要素の構造である設計要素の構造2201及び設計要素の構造2202を集約し、図7に示すような全体構造を生成する。
【0068】
そして、ステップS111で、構造生成部115は、図7に示すようなステップS110で生成した全体構造を出力部140に表示する。なお、過去の設計データには設計要素の構造2201と設計要素の構造2202とを組み合わせた上位構造が存在しないため、設計要素の構造2201と設計要素の構造2202とを組み合わせた上位構造は、新規の上位構造である新規要素2203として表示される。
【0069】
図6に示す例では、設計要件に含まれる全ての要件項目を均等に扱ったが、各要件項目の重要度を点数化し、重要度が高い要件項目には大きな重みを設定してもよい。この場合、項目類似度に重要度を乗算した値に基づいて、例えば、これらの値の合計値又は平均値として、類似度が計算される。
【0070】
例えば、図8に示すように、全ての要件項目に重み1が設定されている場合を説明する。また、説明を簡単にするために、各設計要件の項目類似度は全て1.0であるものとする。
【0071】
この例では、新規設計要件310の要件A、要件B、要件C及び要件Dは、過去設計データXに含まれる過去設計要件210Xの要件A、要件B、要件C及び要件Dと一致している。したがって、新規設計要件310と過去設計要件210Xの、要件A、要件B、要件C及び要件Dについての類似度は、1.0×1+1.0×1+1.0×1+1.0×1=4.0となる。
【0072】
そして、新規設計要件310の要件A、要件C及び要件Fは、過去設計データZに含まれる過去設計要件210Zの要件A、要件C及び要件Fと一致している。したがって、新規設計要件310と過去設計要件210Zの、要件A、要件C及び要件Fについての類似度は、1.0×1+1.0×1+1.0×1=3.0となる。
【0073】
そして、図8に示すように、要件要素関係230に基づき、要件A、要件B、要件C及び要件Dは、要素F、要素G、要素H、要素O及び要素Qと関係するが、各構造間の親子関係225を考慮すると、中位構造までの設計要素の構造としては、要素B、要素C、要素F、要素G及び要素Hのまとまりである設計要素の構造2204と対応することがわかる。また、要件A、要件C及び要件Fは、要素F、要素G、要素O及び要素Hと関係し、中位構造までの設計要素の構造としては、要素B、要素C、要素F、要素G及び要素Hのまとまりである設計要素の構造2205と対応することがわかる。
【0074】
したがって、上述の設計支援処理のステップS106では、例えば
1位:類似度4.0:設計要素の構造2204
2位:類似度3.0:設計要素の構造2205
のように、類似度の高い順に設計要素がランキング形式で表示されることになる。
【0075】
ところが、例えば、図9に示すように、要件Fの重要度が高く、重みとして3が設定されている場合は、ランキングの順位が変化するので、この例についても以下に説明する。なお、説明を簡単にするために、この例においても、各設計要件の項目類似度は全て1.0であるものとする。
【0076】
この例でも、新規設計要件310の要件A、要件B、要件C及び要件Dは、過去設計データXに含まれる過去設計要件210Xの要件A、要件B、要件C及び要件Dと一致している。また、重みは全て1なので、新規設計要件310と過去設計要件210Xの、要件A、要件B、要件C及び要件Dについての類似度は、1.0×1+1.0×1+1.0×1+1.0×1=4.0となる。
【0077】
そして、新規設計要件310の要件A、要件C及び要件Fは、過去設計データZに含まれる過去設計要件210Zの要件A、要件C及び要件Fと一致している。そして、重みは要件Fのみ3で、それ以外は1なので、新規設計要件310と過去設計要件210Zの、要件A、要件C及び要件Fについての類似度は、1.0×1+1.0×1+1.0×3=5.0となる。
【0078】
そして、図8と同様に、要件A、要件B、要件C及び要件Dは、中位構造までの設計要素の構造としては、要素B、要素C、要素F、要素G及び要素Hのまとまりである設計要素の構造2204と対応し、要件A、要件C及び要件Fは、中位構造までの設計要素の構造としては、要素B、要素C、要素F、要素G及び要素Hのまとまりである設計要素の構造2205と対応する。
【0079】
したがって、上述の設計支援処理のステップS106では、例えば
1位:類似度5.0:設計要素の構造2205
2位:類似度4.0:設計要素の構造2204
のように、図8の例とは順位が入れ替わったランキングが表示されることになる。
【0080】
このように、設計要件の重要度に応じた重みを設定することにより、重要度の高い設計要件が優先してランキングに表示されるようになり、ユーザはより重要度の高い設計要件に対応した設計要素の構造を選択しやすくなる。
【0081】
(実施の形態2)
実施の形態2に係る設計支援装置101は、設計支援装置100と同様に、新規の設計データの設計要件が与えられると、与えられた設計要件と類似度の高い設計要件を含む過去の設計データを検索し、検索された設計データから設計要素の構造の候補を抽出することにより、新規の設計データの作成を支援する装置である。
【0082】
設計支援装置101は、図10に示すように、設計支援装置100と同様、制御部110、記憶部120、入力部130及び出力部140を備える。
【0083】
ただし、設計支援装置101の制御部110は、機能的に、構造特定部116をも有する点が、設計支援装置100の制御部110と異なる。
【0084】
構造特定部116は、記憶部120に格納されている過去の設計データから、新規設計データと照合する構造を1つずつ特定する。構造特定部116が1つずつ特定する構造は、設計要素を1つ以上含む設計要素のまとまりであり、例えば、中位構造の設計要素の各々である。構造特定部116を有する点以外は、設計支援装置101の構成は設計支援装置100と同様である。
【0085】
次に、実施の形態2に係る設計支援装置101による設計支援処理について図11を参照して説明する。
【0086】
まず、新規要件取得部111は、入力部130を介して、新規に設計する設計データの設計要件である新規設計要件を取得する(ステップS201)。
【0087】
次に、構造特定部116は、記憶部120に記憶されている過去の設計データの中から、設計要件と設計要素との関係性に基づいて、以降の処理で新規設計データと照合する構造を1つ特定する(ステップS202)。例えば、図6に示す中位構造を1つずつ、例えば要素Bに対応する構造を、新規設計データと照合する構造として特定する。
【0088】
次に、設計情報取得部112は、記憶部120に格納されている過去の設計データの中から、構造特定部116が特定した構造に対応する特定構造を含むものを1つ選択し、その設計データに含まれる設計要件のうち、特定構造の下位構造が関係する設計要件を過去設計要件として取得する(ステップS203)。
【0089】
次に、要件照合部113は、ステップS203で取得した過去設計要件とステップS201で取得した新規設計要件とを照合する(ステップS204)。
【0090】
照合の結果、新規設計要件と一致する過去設計要件が存在したら、要件照合部113は、一致する設計要件について新規設計要件と過去設計要件の類似度を算出し、算出した類似度を、ステップS202で特定された構造に対応する過去の設計要素の構造とともに記憶部120に格納する(ステップS205)。なお、ステップS204での照合の結果、新規設計要件と一致する過去設計要件が存在しなかった場合には、ステップS205はスキップされる。
【0091】
次に、設計情報取得部112は、記憶部120に格納されている過去の設計データで特定構造を含むものを全て選択し終えたか否かを判定する(ステップS206)。まだ選択し終えていなければ(ステップS206;No)、ステップS203に戻り、過去の設計データの中から、特定構造を含むもので、まだ選択されていないものを1つ選択して、以上の処理を繰り返す。
【0092】
過去の設計データを全て選択し終えたら(ステップS206;Yes)、要素抽出部114は、ステップS205で記憶部120に格納した類似度及び過去の設計要素の構造を、ランキング形式で類似度の高い順に出力部140に表示する(ステップS207)。なお、ステップS205で類似度及び過去の設計要素の構造が1つも格納されなかった場合には、要素抽出部114は、例えば「過去の設計データの中には類似するものが存在しませんでした。」のような、新規設計要件と一致する過去設計要件が存在しないことを通知するメッセージを、出力部140に表示する。
【0093】
そして、要素抽出部114は、ステップS205で算出された類似度と要件要素関係230とに基づいて、新規設計データの設計要素の構造の候補を抽出し、新規設計データの設計要素の構造を決定する(ステップS208)。例えば、要素抽出部114は、ステップS207で表示した過去の設計要素の構造を新規設計データの設計要素の構造の候補として抽出し、新規設計要件との類似度が最も高い過去設計要件に対応する過去の設計要素の構造を新規設計データの設計要素の構造に決定する。なお、ステップS205で類似度及び過去の設計要素の構造が1つだけ格納された場合には、ステップS207をスキップして、ステップS208で要素抽出部114は、その1つだけ格納された設計要素の構造を新規設計データの候補として抽出し、それを新規設計データの設計要素の構造に決定してもよい。
【0094】
また、要素抽出部114は、必ずしも新規設計要件との類似度が最も高い過去設計要件に対応する過去の設計要素の構造を、新規設計データの設計要素の構造に決定しなければならないわけではない。要素抽出部114は、例えば、ステップS207においてランキング形式で表示した設計要素の構造の中から、どれに決定するかをユーザに選択してもらってもよい。また、ステップS205で格納された類似度及び過去設計要素の構造が1つも存在しなかった場合には、要素抽出部114は出力部140を用いてユーザに新規設計データの設計要素の構造の入力を促し、ステップS208で要素抽出部114は、入力部130を介してユーザから取得した設計要素の構造を、新規設計データの設計要素の構造に決定する。
【0095】
また、ステップS207で表示された設計要素の構造の中にユーザから見て適切な設計要素の構造がなかった場合には、ユーザが、新規設計データの設計要素の構造として適切と考えられる設計要素の構造を入力部130から入力できるようにしてもよい。その場合は、ステップS208で要素抽出部114は、入力部130を介してユーザから取得した設計要素の構造を、新規設計データの設計要素の構造に決定する。
【0096】
図11に戻り、次に、構造特定部116は、記憶部120に記憶されている過去の設計データの中に、設計要件と設計要素との関係性に基づいて、新規設計データと照合する構造として特定した構造のうち、まだ照合していない構造が存在するか否かを判定する(ステップS209)。例えば、前回のステップS202で構造特定部116が図6に示す中位構造の要素Bに対応する構造を特定していた場合、中位構造にはまだ照合していない要素C、要素M及び要素Nにそれぞれ対応する構造が存在するため、ステップS209の判定はYesとなる。
【0097】
そして、まだ照合していない構造が存在するなら(ステップS209;Yes)、ステップS202に戻り、構造特定部116は、まだ照合していない構造の中から新規設計データと照合する構造を1つ特定し、ステップS203からステップS208までの処理を繰り返す。
【0098】
まだ照合していない構造が存在しないなら(ステップS209;No)、新規設計データと照合する全ての構造について、設計要素の構造が決定されたことになるので、構造生成部115は、決定された設計要素の構造を集約して全体構造を生成する(ステップS210)。
【0099】
そして、構造生成部115は、生成した全体構造を出力部140に出力して表示し(ステップS211)、設計支援処理を終了する。
【0100】
以上の設計支援処理により、設計支援装置101は、過去の設計データに基づいて、1つ以上の設計要素のまとまりである構造を特定し、特定した構造毎に、新規設計データとの類似度に基づいて、特定した構造に対応する設計要素の構造を抽出する。このため、設計支援装置は、特定の部品に限らず、部品を組み合わせた構造について、設計要件に合致した構造を抽出する作業を効率化することができる。すなわち、ユーザは過去設計データとして蓄積されている設計要素の構造毎に、新規設計データの設計要件を満たす設計要素の構造を抽出して、新規設計データの設計要素の構造を決定し、決定した設計要素の構造を集約した全体構造を把握することができる。
【0101】
次に、図11に示す設計支援処理の具体的な実行例について、図12に示す設計データを例に説明する。ここでは、新規に設計する製品の設計要件である新規設計要件310は、図12に示すように要件A、要件B、要件C、要件D、要件E、要件F及び要件Gの要件項目を含むものとする。また、記憶部120には、過去の設計データとして、図12に示すように、過去設計データ1、過去設計データ2、…、が格納されているものとする。
【0102】
図11に示す設計支援処理のステップS201で、新規要件取得部111は、要件A、要件B、要件C、要件D、要件E、要件F及び要件Gの要件項目を含む新規設計要件310を取得する。
【0103】
ステップS202で、構造特定部116は、記憶部120に格納されている過去の設計データの中から、新規設計データと照合する構造として、中位構造の1つである要素B1を特定する。
【0104】
ステップS203で、設計情報取得部112は、記憶部120に格納されている過去の設計データの中から、構造特定部116が特定した構造である要素B1に対応する特定構造である要素B1を含む過去設計データ1を選択し、その設計データに含まれる設計要件のうち、要素B1の下位構造が関係する設計要件である要件A1及び要件C1を過去設計要件として取得する。
【0105】
ステップS204で、要件照合部113は、ステップS203で取得した過去設計要件(要件A1及び要件C1)とステップS201で取得した新規設計要件310とを照合する。ここでは、例として、要件Aと要件A1は項目類似度0.95で一致し、要件Cと要件C1は項目類似度1.0で一致するものとする。
【0106】
すると、ステップS205で、要件照合部113は、新規設計要件310と過去設計要件210の類似度として0.95+1.0=1.95を算出し、この算出した類似度1.95と特定構造に対応する設計要素の構造である要素B1とのペアである「1.95,要素B1」を記憶部120に格納する。類似度の算出方法は、実施の形態1と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0107】
そして、ステップS206で設計情報取得部112は、記憶部120に格納されている過去の設計データで特定構造を含むものを全て選択し終えたか否かを判定する。ここではまだ選択し終えていないのでステップS203に戻り、設計情報取得部112は、記憶部120に格納されている過去の設計データの中から、特定構造に対応する要素B2を含むがまだ選択されていない過去設計データ2を選択し、過去設計データ2に含まれる設計要件のうち、要素B2の下位構造が関係する設計要件である要件A2及び要件C2を過去設計要件として取得する。
【0108】
ステップS204で、要件照合部113は、ステップS203で取得した過去設計要件(要件A2及び要件C2)とステップS201で取得した新規設計要件310とを照合する。ここでは、例として、要件Aと要件A2は項目類似度0.95で一致し、要件Cと要件C2は項目類似度0.90で一致するものとする。
【0109】
すると、ステップS205で、要件照合部113は、新規設計要件310と過去設計要件210の類似度として0.95+0.90=1.85を算出し、この算出した類似度1.85と特定構造に対応する設計要素の構造である要素B2とのペアである「1.85,要素B2」を記憶部120に格納する。
【0110】
このように、記憶部120に格納されている過去の設計データのうち、特定構造を含むものについて、要件照合部113は、新規設計要件310に一致する過去設計要件の類似度と当該特定構造とのペアを記憶部120に格納していく。
【0111】
ステップS206で、設計情報取得部112は、記憶部120に格納されている過去の設計データのうち、特定構造を含むものを全て選択し終えたと判定したら、ステップS207で、要素抽出部114は、記憶部120に格納された類似度及び特定構造をランキング形式で類似度の高い順に出力部140に表示する。
【0112】
上述の例で、記憶部120には、過去設計データ1と過去設計データ2しか格納されていなかった場合には、ステップS206では、例えば
1位:類似度1.95:要素B1
2位:類似度1.85:要素B2
のように、出力部140に表示されることになる。
【0113】
そして、ステップS208で、要素抽出部114は、特定構造に対応する設計要素の構造を、要素B1に決定する。
【0114】
次に、ステップS209で、構造特定部116は、記憶部120に記憶されている過去の設計データの中に、設計要件と設計要素との関係性に基づいて、新規設計データと照合する構造として特定した構造のうち、まだ照合していない構造が存在するか否かを判定する。今回の例では、中位構造として、まだ要素C1、要素D1及び要素E1がまだ照合していない構造が存在するので、ステップS202に戻り、順次これらを照合する構造として特定して、ステップS203からステップS208までの処理を繰り返す。
【0115】
なお、ステップS202で、新規設計データと照合する構造として、中位構造の1つである要素C1が特定された場合、図12に示すように、要素C1の下位構造である要素I1が関係する設計要件は要件F1であるが、これは要素D1の下位構造でもある。このように、ステップS202で特定された構造が、下位構造に他の構造の下位構造と同一の構造を共有する場合には、組合せ時にどちらを優先するかを、ユーザが選択する必要がある。ここで例えば、ユーザが「要素I1については、要素C1よりも要素D1が優先する」と設定した場合、要素C1の下位構造は要素H1であり、要素D1の下位構造は要素I1及び要素J1であるとして、それ以降の処理が行われる。
【0116】
そして、要素C1、要素D1及び要素E1についても照合が完了して、それぞれの特定構造に対応する設計要素の構造が決定したら、ステップS209での判定がNoとなり、ステップS210で、構造生成部115は、決定された設計要素の構造を集約し、図13に示すような全体構造を生成する。ここでは、要素B1及び要素E1に対応する構造については過去設計データ1の類似度が最も高く、要素C1及び要素D1に対応する構造については過去設計データ2の類似度が最も高かった場合の新規設計データの設計要素の構造が示されている。
【0117】
そして、ステップS211で、構造生成部115は、図13に示すようなステップS210で生成した全体構造を出力部140に表示する。なお、過去の設計データには要素B1、要素C2、要素D2及び要素E1を組み合わせた上位構造が存在しないため、これらを組み合わせた上位構造は、新規の上位構造である新規要素2206として表示される。
【0118】
実施の形態2においても、類似度の算出において、重要度が高い要件項目には大きな重みを設定してもよい。
【0119】
また、図11の設計支援処理では、特定された構造毎にステップS207で類似度のランキング表示が行われるが、ステップS207及びステップS208をステップS210の直前に移動させることによって、図14に示すように、複数の特定構造について類似度のランキングを一覧表示した上で、各特定構造に対応する設計要素の構造を決定できるようにしてもよい。
【0120】
以上に述べたように、本開示によれば、設計支援装置100,101は、過去の設計データの中から新規設計データの設計要件との類似度が高い設計要素の構造を集約した全体構造を表示するので、類似する仕様の構造及び部品を簡単な操作で見易く表示することができる。
【0121】
また、記憶部120が、過去設計要件及び過去設計要素並びに要件要素関係の各情報を記憶するので、設計支援処理に必要な情報を記憶部120で一元管理できる。
【0122】
また、実施の形態2においては、設計支援装置101は、要件要素関係の情報に基づいて、新規設計要件と照合する過去設計要件に関係する過去設計要素の構造を特定する構造特定部116により、設計要件に関係する設計要素の構造を分類し、分類した構造毎に新規設計要素の構造の候補を抽出することができる。
【0123】
また、要件照合部113は、新規設計要件と過去設計要件の要件項目毎の類似度である項目類似度を算出し、算出した全ての項目類似度に基づいて設計要件の類似度を算出するので、設計要件の類似度を適切に算出することができる。
【0124】
また、要素抽出部114は、要件照合部が算出した類似度と要件要素関係とに基づいて、類似度が最も高い過去設計要件に対応する過去設計要素の構造を、新規設計データの設計要素の構造に決定するので、新規設計データの設計要素の構造を自動的に選定でき、設計段階における工数を削減することができる。
【0125】
また、要素抽出部114は、要件照合部が算出した類似度と要件要素関係とに基づいて、類似度が高い過去設計要件に対応する過去設計要素の構造をランキング形式で複数抽出するので、ユーザは、類似度が最も高い構造だけでなく、複数の構造を比較検討することができる。
【0126】
また、入力部130がユーザからの入力を受け付けることにより、要素抽出部114はユーザが選定した設計要素の構造を新規設計データの設計要素の構造に決定するので、ユーザは、類似度の観点だけでなく、コストの観点、質量の観点、体積の観点、部品点数の観点、工数の観点といった様々な観点を考慮して新規設計データの設計要素の構造を決定することができる。
【0127】
また、実施の形態1においては、設計支援装置100は、新規設計要件が含む要件項目のうち、対応する設計要素の構造が未抽出の要件項目を抽出する未抽出要件抽出部を備えるので、過去設計要件に存在しない新規設計データの設計要件を自動的に抽出でき、ユーザが手動で抽出する手間を省くことができる。
【0128】
また、設計支援装置100,101は、構造生成部115が生成した全体構造を表示する出力部140を備えるので、新規設計データの設計要件に類似する過去設計データの部品、モジュールといった設計要素の構造を見易く表示することができる。
【0129】
上記の各実施の形態では、設計支援装置100,101の制御部110において、CPUが記憶部120のROMに記憶されたプログラムを実行することによって、図1又は図10に示した各部として機能した。しかしながら、制御部110は、CPUに限らず、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の専用のハードウェアであってもよい。制御部110が専用のハードウェアである場合、各部の機能それぞれを個別のハードウェアで実現してもよいし、各部の機能をまとめて単一のハードウェアで実現してもよい。
【0130】
また、各部の機能のうち、一部を専用のハードウェアによって実現し、他の一部をソフトウェア又はファームウェアによって実現してもよい。このように、制御部110は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又は、これらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
【0131】
また、本開示に係る設計支援装置100,101の動作を規定するプログラムを、パーソナルコンピュータ又は情報端末装置等の既存のコンピュータに適用することで、当該コンピュータを、本開示に係る設計支援装置100,101として機能させることも可能である。
【0132】
このようなプログラムの提供方法は任意であり、例えば、コンピュータが読取可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM、MO(Magneto-Optical Disk)、メモリカード等)に格納して配布してもよいし、インターネット、イントラネット等の通信ネットワークを介して配付してもよい。
【0133】
また、上記の処理をOS(Operating System)とアプリケーションプログラムとの分担、又は、OSとアプリケーションプログラムとの協働によって実行する場合には、OS以外の部分であるアプリケーションプログラムのみを記録媒体に格納してもよい。また、搬送波にプログラムを重畳し、ネットワークを介して配信することも可能である。例えば、ネットワーク上の掲示板(Bulletin Board System:BBS)に上記プログラムを掲示し、ネットワークを介してプログラムを配信してもよい。そして、このプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上記の処理を実行できるように構成してもよい。
【0134】
本開示は、本開示の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この開示を説明するためのものであり、本開示の範囲を限定するものではない。すなわち、本開示の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして特許請求の範囲内及びそれと同等の開示の意義の範囲内で施される様々な変形が、この開示の範囲内とみなされる。
【符号の説明】
【0135】
100,101 設計支援装置、110 制御部、111 新規要件取得部、112 設計情報取得部、113 要件照合部、114 要素抽出部、115 構造生成部、116 構造特定部、120 記憶部、121 設計要件格納部、122 設計要素格納部、123 要件要素関係格納部、130 入力部、140 出力部、199 内部バス、210,210A,210B,210X,210Z 設計要件、211 要件項目、220,220A,220B,220X,220Z 設計要素、221,222,223 要素項目、225 親子関係、230 要件要素関係、310 新規設計要件、2201,2202,2204,2205 構造、2203,2206 新規要素
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