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特開2022-181789OPP袋等の包装用袋の自動見積りシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181789
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】OPP袋等の包装用袋の自動見積りシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20221201BHJP
【FI】
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021088950
(22)【出願日】2021-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】510280970
【氏名又は名称】ワークアップ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 周一
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC04
(57)【要約】
【課題】容易な操作によって迅速に価格を表示し、見積りに関する作業を効率化するシステムを提供することを目的とする。
【解決手段】包装用袋の自動見積りシステムであって、包装用袋の仕様を指定する仕様入力手段と、受発注される包装用袋の数量を指定する数量入力手段と、仕様入力手段による指定情報および数量入力手段による指定情報に基づいて、価格を算出する価格算出手段と、価格算出手段によって算出された価格を含む情報を、所定の形式の見積り書として出力する、見積り書出力手段とを備え、仕様入力手段および数量入力手段が、ラジオボタン、テキスト入力欄、およびスライダーのうちのいずれかによる情報を受け取る、自動見積りシステムを提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装用袋の自動見積りシステムであって、
包装用袋の仕様を指定する仕様入力手段と、
受発注される包装用袋の数量を指定する数量入力手段と、
前記仕様入力手段による指定情報および前記数量入力手段による指定情報に基づいて、価格を算出する価格算出手段と、
前記価格算出手段によって算出された価格を含む情報を、所定の形式の見積り書として出力する、見積り書出力手段とを備え、
前記仕様入力手段および前記数量入力手段が、ラジオボタン、テキスト入力欄、およびスライダーのうちのいずれかによる情報を受け取る、自動見積りシステム。
【請求項2】
前記仕様入力手段によって、材料の種類、包装用袋の厚さ、包装用袋の縦横の寸法、ヘッダーの有無、フタおよびテープの有無、グラビア印刷の有無、ならびに空気穴加工の有無が指定される、請求項1に記載の自動見積りシステム。
【請求項3】
前記価格算出手段によって算出された価格を表示する、価格表示手段を含み、
前記仕様入力手段または前記数量入力手段によって新たな指定情報が入力されると、前記価格算出手段が新たな価格を算出し、前記価格表示手段が表示内容を更新する、請求項1または2に記載の自動見積りシステム。
【請求項4】
前記見積り書出力手段が、見積り書に見積り番号を付与し、前記見積り番号が入力されると、前記見積り番号に対応する見積り書を出力する、請求項1から3のいずれか1項に記載の自動見積りシステム。
【請求項5】
包装用袋の仕様を指定する仕様入力手段と、
受発注される包装用袋の数量を指定する数量入力手段と、
前記仕様入力手段による指定情報および前記数量入力手段による指定情報に基づいて、価格を算出する価格算出手段と、
前記価格算出手段によって算出された価格を含む情報を、所定の形式の見積り書として出力する、見積り書出力手段とを備え、
前記仕様入力手段および前記数量入力手段が、ラジオボタン、テキスト入力欄、およびスライダーのうちのいずれかによる情報を受け取る、
自動見積りシステムの制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、OPP袋等の包装用袋の自動見積りシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
製品や販促資料等を販売、保管、または発送する際には、OPP(二軸延伸ポリプロピレン)等の素材から作製された包装用袋に収容される。事業者は、包装用袋に必要な寸法や機能を考慮し、価格を勘案しながら検討し、包装用袋の供給業者に発注することになる。
【0003】
商品をWEB上で選定し、見積りや購入手続きを行うことは日常的な行為となっている。このような取引では、コンピュータの画面上に表示された情報に基づいて、購入商品を指定し、価格を確認する。しかしながら、商品の仕様に多数の選択肢があり、それに応じて価格が変動する場合、仕様の指定方法や価格を表示するプロセスがわかりやすくなければ、購入者が検討する際の障害となりうる。したがって、商品の特性に合わせた適切な見積りシステムが必要である。
【0004】
特許文献1には、製造に必要な材料や加工工程を特定する情報に基づいて、見積り額を算出するコスト見積りシステムが開示されている。しかしながら、容易な操作によって迅速に価格を表示し、見積りに関する作業を効率化するシステムが、依然として必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-90660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
包装用袋の見積りの際には、受発注される数量だけでなく、仕様を決定するための複数の選択肢を決定する必要がある。具体的には、材料の種類、厚さ、寸法、ヘッダーの有無、フタおよびテープの有無、グラビア印刷の有無、空気穴加工の有無などが挙げられる。このような項目の選択に応じて価格が変動するため、予算を勘案しながら検討することになる。したがって、価格が迅速に確認できなければ、購入者の意思決定プロセスに不都合を生じる。
【0007】
購入者が商品を選定した後、直ちには購入手続きを行わない場合がある。例えば、企業が購入する場合には、担当者が商品を検討した後、管理職等の承認を得てから発注を行うことがある。このような場合、購入者は、見積り書を入手し、承認を得た後、見積り書に従って仕様や数量の条件を再度入力することになる。この際、見積り書発行が自動化されていなければ、供給業者が見積り書を発行するのを待たなければならない。また、条件を再度入力する際には、同一の条件を入力していることを、よく確認する必要がある。一方、供給業者側では、受注した際に過去に発行した見積り書と照合する必要があり、正確かつ迅速な受注処理のために、効率化が求められる。
【0008】
本発明は、容易な操作によって迅速に価格を表示し、見積りに関する作業を効率化するシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態では、
包装用袋の自動見積りシステムであって、
包装用袋の仕様を指定する仕様入力手段と、
受発注される包装用袋の数量を指定する数量入力手段と、
仕様入力手段による指定情報および数量入力手段による指定情報に基づいて、価格を算出する価格算出手段と、
価格算出手段によって算出された価格を含む情報を、所定の形式の見積り書として出力する、見積り書出力手段とを備え、
仕様入力手段および数量入力手段が、ラジオボタン、テキスト入力欄、およびスライダーのうちのいずれかによる情報を受け取る、自動見積りシステムを提供する。
【0010】
本発明の別の実施形態では、
仕様入力手段によって、材料の種類、包装用袋の厚さ、包装用袋の縦横の寸法、ヘッダーの有無、フタおよびテープの有無、グラビア印刷の有無、ならびに空気穴加工の有無が指定される、上記自動見積りシステムを提供する。
【0011】
本発明のさらに別の実施形態では、
価格算出手段によって算出された価格を表示する、価格表示手段を含み、
仕様入力手段または数量入力手段によって新たな指定情報が入力されると、価格算出手段が新たな価格を算出し、価格表示手段が表示内容を更新する、上記自動見積りシステムを提供する。
【0012】
本発明のさらに別の実施形態では、
見積り書出力手段が、見積り書に見積り番号を付与し、見積り番号が入力されると、見積り番号に対応する見積り書を出力する、上記自動見積りシステムを提供する。
【0013】
本発明のさらに別の実施形態では、
包装用袋の仕様を指定する仕様入力手段と、
受発注される包装用袋の数量を指定する数量入力手段と、
仕様入力手段による指定情報および数量入力手段による指定情報に基づいて、価格を算出する価格算出手段と、
価格算出手段によって算出された価格を含む情報を、所定の形式の見積り書として出力する、見積り書出力手段とを備え、
仕様入力手段および数量入力手段が、ラジオボタン、テキスト入力欄、およびスライダーのうちのいずれかによる情報を受け取る、
自動見積りシステムの制御プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、購入者は、容易な操作によって商品に関する条件を指定することができ、当該条件による価格をリアルタイムで確認することができる。したがって、購入に関する意思決定を迅速に行うことができる。一方、供給業者は、見積りおよび受注に関する作業を効率化し、正確かつ迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の自動見積りシステムを示す概略図である。
図2】本発明に用いる情報処理装置の例示的なハード構成を示すブロック図である。
図3】本発明の自動見積りシステムにおける、情報の送受信および処理のプロセスを示す図である。
図4】本発明の自動見積りシステムにおける、ユーザ端末に表示される例示的な見積り画面である。
図5】本発明の自動見積りシステムにおける、見積り価格の計算例である。
図6】本発明の自動見積りシステムにおける、見積り書を出力するためのプロセスを示す図である。
図7】本発明の自動見積りシステムによって出力される、例示的な見積り書を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面を参照しながら、本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は特許請求の範囲によって規定され、本明細書に記載する実施形態は、本発明を不当に限定することを意図するものではない。例えば、見積りの対象となる包装用袋を、OPP袋を例に挙げて記載する場合があるが、本発明に関係する包装用袋は、OPP袋に限定されるものではない。本発明を適用することができる他の包装用袋としては、CPP(無延伸ポリプロピレン)袋、IPP(インフレーションポリプロピレン)袋、その他の樹脂および紙製の袋および封筒が挙げられる。
【0017】
<システム構成>
図1は、本発明の自動見積りシステムを示す概略図である。情報提供データベース101には、包装用袋に関する各種情報が格納されている。具体的には、選択可能な材料の種類、各材料の単位体積当たりの原価、選択可能な寸法の上限および下限、選択可能な加工の種類、各加工に要する加工賃、ならびに割引情報や消費税率のような価格決定に関するその他の情報が格納されている。
【0018】
見積り書データベース102には、見積り書を出力するための情報が格納されている。具体的には、見積り情報を生成した日時に関する情報、発注者に関する情報、指定された商品に関する情報、見積もられた価格に関する情報、受注者に関する情報、見積り書を所定の形式で出力するためのフォーマットなどが格納されている。
【0019】
情報提供データベース101および見積り書データベース102は、情報提供サーバ103と接続され、情報の送受信が可能である。接続の方法は、インターネットまたはイントラネットのような有線または無線通信であってもよく、あるいは、情報提供サーバ103がデータベース機能を備え、情報提供データベース101および見積り書データベース102の全体または一部を内蔵してもよい。
【0020】
情報提供サーバ103は、ユーザ端末104からの情報提供請求に応じて、商品情報および見積り情報の生成、生成した情報の提供などを行う。情報提供サーバ103とユーザ端末104とは、インターネットを介して、必要に応じて情報の送受信が可能となる。ユーザ端末104は、例えば、購入者となりうる個人または法人が保有するPC(パーソナルコンピュータ)、スマートフォン、タブレット等の通信機器を指す。
【0021】
情報提供サーバ103はコンピュータプログラムを実行して、情報提供データベース101、見積り書データベース102、またはユーザ端末104との間で情報を送受信し、その際に必要となる情報の処理を行う。このプログラムは、仕様入力手段105、数量入力手段106、価格算出手段107、および見積り書出力手段109を備える。このプログラムはさらに、価格表示手段108を備えてもよい。
【0022】
情報提供サーバ103またはユーザ端末104として用いられうる情報処理装置の例示的なハード構成を、図2に示す。情報処理装置は、CPU(Central Processing Unit)201、入力装置202、主記憶装置203、出力装置204、補助記憶装置205、クロック装置206、および通信装置209を備える。
【0023】
CPU201は中央処理装置とも呼ばれ、システム内の各装置に命令を送り、その動作を制御する制御装置207と、デジタルデータの演算処理を行う演算装置208とを備える。
【0024】
CPU201は、主記憶装置203または補助記憶装置205に記憶されているプログラムと共働して、本発明の各手段として機能する。さらに、CPU201は、主記憶装置203や補助記憶装置205に情報を格納する格納手段や、これらに格納されている情報を更新する更新手段として機能する。
【0025】
制御装置207は、クロック装置206が発するクロックのタイミングに従い、入力装置202から入力されたデータ、または主記憶装置203に予め与えられた手順(例えばプログラムやソフトウエア)を読み込む。入力されたデータおよび読み込んだ内容は、演算装置208の制御に基づいて、主記憶装置203、出力装置204、および補助記憶装置205等の内部の機器や外部の機器等に送信される。
【0026】
入力装置202は、各種データを入力するための装置であり、例えばキーボード、マウス、ポインティングディバイス、タッチパネル、マウスパッド、CCDカメラ、各種記憶媒体の読み取り装置等が挙げられる。
【0027】
主記憶装置203は、一般にメモリと呼ばれる装置であり、処理装置および内部記憶装置において、命令を実行するために使われるアドレス可能な記憶空間を指す。主記憶装置203は、主として半導体記憶素子により構成され、入力したプログラムやデータを格納、保持する。また、制御装置207の指示に従って、この格納保持されているデータを、例えばレジスタに読み出す。主記憶装置203を構成する半導体記憶素子としては、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)が挙げられる。
【0028】
出力装置204は、演算装置208の演算結果等を出力するための装置であり、例えばPC用ディスプレイ装置、スマートフォンやタブレットが備える表示画面、プリンタなどの印刷装置、音声出力装置等が該当する。
【0029】
補助記憶装置205は、主記憶装置203の記憶容量を補うための装置であり、例えば磁気ディスク装置、光ディスク装置、半導体ディスク装置等による、フロッピーディスク、ハードディスク、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO等が該当する。補助記憶装置205は、各種データベースを構築するためのデータを格納するための記憶手段として機能する。
【0030】
通信装置209は、外部装置と通信を行うための装置であり、接続されるネットワークに応じて適宜データの送受信やデジタル-アナログ変換等を行う。ここで、上記各装置は、アドレスバスまたはデータバスにより相互に接続されている。
【0031】
<価格算出に関する情報処理プロセス>
本発明の自動見積りシステムにおける、情報の送受信および処理のプロセスを図3に示す。ステップ301において、ユーザ端末104は、情報提供サーバ103に対して特定商品の見積り画面提供請求を送信する。このステップは、例えば、購入者がユーザ端末104を用いて、所定のWEBページにアクセスする操作によって実行される。ステップ302において、情報提供サーバ103は、情報提供データベース101に対して、当該商品の商品情報提供請求を送信する。ステップ303において、情報提供サーバ103は、当該商品の商品情報を取得する。商品情報の例としては、選択可能な材料の種類、各材料の単位体積当たりの原価、選択可能な寸法の上限および下限、選択可能な加工の種類、各加工に要する加工賃、ならびに割引情報や消費税率のような価格決定に関するその他の情報が挙げられる。情報提供サーバ103は、取得した商品情報に基づいて見積り画面情報を構成し、ステップ304においてユーザ端末104に送信する。
【0032】
ステップ304における情報提供を受けて、ユーザ端末に表示される見積り画面の例を図4に示す。この見積り画面上で、購入者は、包装用袋の仕様、および受発注される包装用袋の数量を指定する。図4の例では、包装用袋の仕様として、材料の種類、包装用袋の厚さ、横および縦の寸法、ヘッダーの有無、フタおよびテープの有無、グラビア印刷の有無、ならびに空気穴加工の有無が指定される。
【0033】
仕様および数量の指定には、ラジオボタン、テキスト入力欄、およびスライダーを用いることができる。すなわち、これらは見積り画面において、仕様入力手段105または数量入力手段106として機能する。
【0034】
ラジオボタンとは、指定の領域に対する、マウスによるクリックまたはタッチパネルへのタップなどの操作を行わせ、複数の選択肢のうちのいずれか1つを選択させるための入力形式である。同時に複数の選択肢を選択することはできず、新たな選択肢が選択されると、それ以前の選択は無効化される。ラジオボタンを利用することで、ユーザは、エラー等が生じない入力を少ない動作で行うことができる。
【0035】
テキスト入力欄とは、キーボード等を介して情報を入力させる入力形式である。例えば、ユーザがテキスト入力欄を選択して「100」と入力すると、「100」という数値が送信される。数値以外の入力を無効化する設定にしてもよい。また、所定範囲外の数値を入力された場合、上限値または下限値の近い方に書き換える設定にしてもよい。テキスト入力欄を利用することで、ユーザは、入力値を一定の値に指定することが容易となる。
【0036】
スライダーとは、ノブと呼ばれる部分をドラッグすることで、所定範囲内における位置を選択させる入力形式である。例えば、左右にスクロールするスライダーでは、ノブを右端に移動させると上限値を選択したことになり、左端に移動させると下限値を指定したことになる。スライダーを利用することで、ユーザは、マウスなどの入力装置によって入力値を指定することができる。また、数量を変化させながら条件を検討することが容易となる。
【0037】
ラジオボタン、テキスト入力欄、およびスライダーのうちの複数を、同一の選択項目について設けてもよい。例えば、横の寸法を指定するための入力手段として、テキスト入力欄とスライダーとの両方を設けてもよい。この場合、いずれか1つが入力されると、他のものも自動的にその値として表示される。
【0038】
購入者が包装用袋の仕様および受発注される包装用袋の数量を指定したことに応じて、ステップ305において、情報提供サーバ103は、包装用袋の仕様および数量の指定情報を取得する。ステップ306において、情報提供サーバ103は、価格算出手段107によって見積り価格を算出する。
【0039】
本発明の一実施形態では、ステップ307において、情報提供サーバ103は、算出された見積り価格をユーザ端末104に送信する。これによって、ユーザ端末104において、見積り画面上の価格表示手段108に価格が表示される。好ましくは、購入者が包装用袋の仕様または受発注される包装用袋の数量を変更すると、自動的にステップ305~ステップ307が実行される。したがって、購入者が仕様または数量を変更する度に、新たな価格が自動的に算出され、見積り価格がリアルタイムで更新される。
【0040】
<価格算出のための計算の例>
ここで、価格算出手段107が、ステップ306において行う処理について詳述する。包装用袋1枚当たりの価格は、例えば、袋本体の原料代と加工賃と、フタに用いるテープ代との合計として算出することができる。原料代は、材料の種類と、単位体積当たりの原価と、材料の使用量(体積)とによって決定される。加工賃は、包装用袋の横の長さと縦の長さとフタの幅との合計に、加工賃単価を乗じることによって算出される。テープ代は、使用するテープの長さ、すなわち包装用袋の横の長さに、単位長さ当たりのテープ原価を乗じることによって算出される。
【0041】
OPPフィルムを材料として、厚さ30μm×横の長さ225mm×縦の長さ310mmの包装用袋が5000枚受発注される場合を例に、具体的な計算値を示す。ただし、OPPフィルムは、原反の高さが660mmであり、1cm当たりの原価は0.4円とする。加工賃単価は、1m当たり1.3円とする。テープ原価は、1m当たり2.5円とする。
【0042】
袋本体の寸法は、横方向の長さは仕様における長さと一致するが、縦方向は、裁断される不要な部分を含めた原反の高さとして算出する。そのため、使用する原料の体積は、包装用袋の厚さと横の長さと、原反の高さとの積となる。したがって、袋本体の原料代は、単位体積当たりの原価×厚さ×横の長さ×原反の高さ=0.4(円/cm)×30(μm)×225(mm)×660(mm)≒1.78(円)となる。
【0043】
加工賃は、(横の長さ×縦の長さ×フタの幅)×加工賃単価=(225(mm)+310(mm)+40(mm))×1.3(円/m)≒0.75(円)となる。
【0044】
テープ代は、テープ原価×横の長さ=2.5(円/m)×225(mm)≒0.56(円)となる。
【0045】
以上より、袋1枚の価格は、袋本体の原料代+加工賃+テープ代=1.78+0.75+0.56=3.09(円)となる。受発注される数量は5000枚であるため、この場合の見積り価格は、3.09×5000=15450(円)となる。この値が、価格表示手段108に表示される。
【0046】
<見積り書に関する情報処理プロセス>
ステップ307において見積り価格が算出された後、見積り書を出力するためのプロセスを図6に示す。ステップ601において、情報提供サーバ103は、ユーザ端末104からの見積り書出力請求を受信する。このステップは、例えば、見積り画面上の見積り書発行ボタンをクリックまたはタップすることによって実行することができる。この際、見積り書発行ボタンに隣接するテキスト入力欄を設け、発注者名などの発注者に関する情報を入力させてもよい。なお、この時点で、情報提供サーバには包装用袋の仕様および数量の指定情報が送信されており、見積り価格が算出されていることに留意されたい。
【0047】
ステップ602において、情報提供サーバ103は、見積り書データベース102から、受注者に関する情報、見積り書を所定の形式で出力するためのフォーマット等を受信する。
【0048】
ステップ603において、見積り書出力手段109は、見積り番号を生成する。ただし、この生成される見積り番号は、見積り書データベース102に格納されている既存の見積り番号とは一致しない番号である。さらに、情報提供サーバ103は、見積り番号および価格算出手段107によって算出された価格を含む、見積り情報を生成する。見積り情報には、見積り番号および見積り価格に加えて、例えば、見積り情報を生成した日時に関する情報、発注者に関する情報、指定された商品に関する情報、見積もられた価格に関する情報、受注者に関する情報などが含まれる。
【0049】
既存の見積り番号とは一致しない見積り番号は、例えば、見積り番号を生成した日付に、見積り番号を生成した時刻、または当該日付に見積り番号を生成した回数を組み合わせることによって、容易に生成することができる。
【0050】
ステップ604において、見積り書出力手段109は、見積り情報のうちの所定の項目をフォーマットに挿入した所定の形式の見積り書を生成し、ユーザ端末104に送信する。例示的な見積り書を図7に示す。
【0051】
ステップ605において、情報提供サーバ103は、見積り情報を見積り書データベース102に格納する。なお、ステップ604およびステップ605は、順序が逆であってもよい。
【0052】
ステップ605とステップ606との間で、情報提供サーバ103とユーザ端末104との接続が遮断されてもよい。すなわち、ステップ305~307およびステップ601~604において送受信された情報は、消去されてもよい。ただし、ステップ605において情報提供サーバ103から送信された見積り情報は、見積り書データベース102に残存している。
【0053】
ステップ606において、情報提供サーバ103はユーザ端末104から、見積り番号を介した見積り書出力請求を受信する。このステップは、例えば、見積り画面上のテキスト入力欄に見積り番号を入力した後、隣接する見積り番号読込ボタンをクリックまたはタップすることによって実行することができる。
【0054】
ステップ607において、情報提供サーバ103は、入力された見積り番号を見積り書データベース102内で検索する。このとき、入力された見積り番号が見積り書データベース102内に存在しない場合、「見積り番号の照合に失敗しました」というメッセージを、ユーザ端末104に表示する。入力された見積り番号が見積り書データベースに存在する場合、情報提供サーバ103は、当該見積り番号に対応する見積り情報を、受注者に関する情報、見積り書を所定の形式で出力するためのフォーマット等とともに見積り書データベース102から取得する。
【0055】
ステップ608において、見積り書出力手段109は、ステップ607において取得した情報を用いて、所定の項目をフォーマットに挿入した所定の形式の見積り書を生成し、ユーザ端末104に送信する。ユーザ端末104には、送信された情報に基づいた見積り書、すなわち、ステップ604において表示されたものと同じ見積り書が表示される。
【0056】
<他の実施形態>
本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出すことによっても、達成されることはいうまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実行されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることはいうまでもない。
【0057】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることはいうまでもない。
【0058】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した図3および図6に示すプロセスを実行するプログラムコード、ならびに図4および図7に示す画面のデータを作成するプログラムコードが格納されることになる。
【0059】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7